(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-13
(45)【発行日】2023-11-21
(54)【発明の名称】熱交換器
(51)【国際特許分類】
F28F 9/02 20060101AFI20231114BHJP
F28F 1/02 20060101ALI20231114BHJP
F28D 1/053 20060101ALI20231114BHJP
【FI】
F28F9/02 C
F28F9/02 301E
F28F9/02 301J
F28F1/02 A
F28D1/053 A
(21)【出願番号】P 2022515734
(86)(22)【出願日】2020-09-27
(86)【国際出願番号】 CN2020118179
(87)【国際公開番号】W WO2021057983
(87)【国際公開日】2021-04-01
【審査請求日】2022-05-06
(31)【優先権主張番号】201910927921.5
(32)【優先日】2019-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515266108
【氏名又は名称】浙江盾安人工環境股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Zhejiang DunAn Artificial Environment Co., Ltd
【住所又は居所原語表記】Diankou Industry Zone, Zhuji, Zhejiang, China
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(72)【発明者】
【氏名】魏 文建
(72)【発明者】
【氏名】馬 文勇
(72)【発明者】
【氏名】肖 慶
(72)【発明者】
【氏名】王 冠軍
(72)【発明者】
【氏名】范 毅
【審査官】河野 俊二
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-133189(JP,A)
【文献】特開2009-204216(JP,A)
【文献】実開平06-022786(JP,U)
【文献】米国特許第05069277(US,A)
【文献】実開平04-017285(JP,U)
【文献】中国特許出願公開第103502761(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F28F 9/02
F28F 1/02
F28D 1/053
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
扁平管(10)であって、複数あり、間隔をおいて設けられた、扁平管(10)と、
隣接する2つの前記扁平管(10)の間に設けられた第1のシールガスケット(20)であって、前記扁平管(10)の端部に位置して、隣接する2つの前記扁平管(10)の間の隙間をシールする、第1のシールガスケット(20)と、
第1の開口部(31)を有する集流ハウジング(30)であって、前記集流ハウジング(30)、前記扁平管(10)及び前記第1のシールガスケット(20)により囲われて集流チャネルが形成されるように、前記第1のシールガスケット(20)の少なくとも一部と前記扁平管(10)の端部とがいずれも前記第1の開口部(31)内に挿設されている、集流ハウジング(30)と
を含
み、
前記第1のシールガスケット(20)には第1の位置決め構造(23)が設けられ、前記扁平管(10)には前記第1の位置決め構造(23)と嵌合する第2の位置決め構造(12)が設けられ、前記第1の位置決め構造(23)と前記第2の位置決め構造(12)とは対向して設けられて、前記第1の位置決め構造(23)及び前記第2の位置決め構造(12)により前記第1のシールガスケット(20)を位置決めする、熱交換器。
【請求項2】
前記集流ハウジング(30)は、本体部(34)、及び前記本体部(34)に設けられた挿嵌部を含み、前記挿嵌部は、前記本体部(34)の端部に設けられ、前記挿嵌部は前記第1の開口部(31)を有し、前記挿嵌部に前記第1のシールガスケット(20)の少なくとも一部と前記扁平管(10)の端部とが挿嵌されている、請求項1に記載の熱交換器。
【請求項3】
前記挿嵌部は、第1の挿嵌板(35)及び第2の挿嵌板(36)を含み、前記第1の挿嵌板(35)と前記第2の挿嵌板(36)とは対向して前記本体部(34)の両端に設けられており、前記第1のシールガスケット(20)の少なくとも一部と前記扁平管(10)の端部とがいずれも前記第1の挿嵌板(35)と前記第2の挿嵌板(36)との間に挿設されるように、前記第1の挿嵌板(35)と前記第2の挿嵌板(36)とが間隔をおいて設けられることにより前記第1の開口部(31)が形成されている、請求項2に記載の熱交換器。
【請求項4】
前記第1のシールガスケット(20)は、第1の本体ブロック(21)、及び前記第1の本体ブロック(21)に設けられた第1の挿嵌ブロック(22)を含み、前記第1の本体ブロック(21)は、前記扁平管(10)の端部に設けられ、前記第1の挿嵌ブロック(22)は、前記第1の開口部(31)内に挿設されている、請求項3に記載の熱交換器。
【請求項5】
前記第1の挿嵌ブロック(22)は、第1の側面、第2の側面及び弧状凹面を有し、前記第1の側面、前記弧状凹面及び前記第2の側面は順に接続されて設けられており、前記弧状凹面は前記第1の挿嵌ブロック(22)の前記第1の本体ブロック(21)から離れた側に位置し、前記第1の側面は前記第1の挿嵌板(35)に挿嵌するために用いられ、前記第2の側面は前記第2の挿嵌板(36)に挿設するために用いられる、請求項4に記載の熱交換器。
【請求項6】
前記第1の位置決め構造(23)は第1の位置決め突起であり、前記第2の位置決め構造(12)は第1の位置決め凹溝であり、前記第1の位置決め突起と前記第1の位置決め凹溝とは対向して設けられ、前記第1の位置決め突起は前記第1の位置決め凹溝内に設けられて、前記第1のシールガスケット(20)を位置決めする、請求項
1に記載の熱交換器。
【請求項7】
前記第1のシールガスケット(20)は対向して設けられた第1のフィット面と第2のフィット面とを有し、前記扁平管(10)の端部は対向して設けられた第1の表面と第2の表面とを有し、前記第1のフィット面が前記第1の表面にフィットされて設けられ、前記第2のフィット面が前記第2の表面にフィットされて設けられるように、前記第1のフィット面と前記扁平管(10)端部の第1の表面とは嵌合して設けられ、前記第2のフィット面と前記扁平管(10)端部の第2の表面とは嵌合して設けられている、請求項1に記載の熱交換器。
【請求項8】
前記集流ハウジング(30)は対向して設けられた第2の開口部(32)と第3の開口部(33)とを有し、前記第2の開口部(32)は前記集流ハウジング(30)の一端に位置し、前記第3の開口部(33)は前記集流ハウジング(30)の他端に位置し、前記第1の開口部(31)と、前記第2の開口部(32)と、前記第3の開口部(33)とがいずれも連通されて設けられ、前記熱交換器はシールカバー(40)を更に含み、前記第2の開口部(32)及び前記第3の開口部(33)にはいずれも前記シールカバー(40)が設けられて、前記シールカバー(40)により前記第2の開口部(32)及び前記第3の開口部(33)をシールする、請求項1に記載の熱交換器。
【請求項9】
前記熱交換器は第2のシールガスケット(50)を更に含み、前記第2のシールガスケット(50)は前記シールカバー(40)と前記扁平管(10)との間に設けられ、前記第2のシールガスケット(50)の前記シールカバー(40)に近接する側には第3の位置決め構造が設けられて、前記第3の位置決め構造により前記シールカバー(40)を位置決めする、請求項
8に記載の熱交換器。
【請求項10】
扁平管(10)であって、複数あり、間隔をおいて設けられた、扁平管(10)と、
隣接する2つの前記扁平管(10)の間に設けられた第1のシールガスケット(20)であって、前記扁平管(10)の端部に位置して、隣接する2つの前記扁平管(10)の間の隙間をシールする、第1のシールガスケット(20)と、
第1の開口部(31)を有する集流ハウジング(30)であって、前記集流ハウジング(30)、前記扁平管(10)及び前記第1のシールガスケット(20)により囲われて集流チャネルが形成されるように、前記第1のシールガスケット(20)の少なくとも一部と前記扁平管(10)の端部とがいずれも前記第1の開口部(31)内に挿設されている、集流ハウジング(30)と
を含む熱交換器であって、
前記集流ハウジング(30)は対向して設けられた第2の開口部(32)と第3の開口部(33)とを有し、前記第2の開口部(32)は前記集流ハウジング(30)の一端に位置し、前記第3の開口部(33)は前記集流ハウジング(30)の他端に位置し、前記第1の開口部(31)と、前記第2の開口部(32)と、前記第3の開口部(33)とがいずれも連通されて設けられ、前記熱交換器はシールカバー(40)を更に含み、前記第2の開口部(32)及び前記第3の開口部(33)にはいずれも前記シールカバー(40)が設けられて、前記シールカバー(40)により前記第2の開口部(32)及び前記第3の開口部(33)をシールしており、
前記熱交換器は第2のシールガスケット(50)を更に含み、前記第2のシールガスケット(50)は前記シールカバー(40)と前記扁平管(10)との間に設けられ、前記第2のシールガスケット(50)の前記シールカバー(40)に近接する側には第3の位置決め構造が設けられて、前記第3の位置決め構造により前記シールカバー(40)を位置決めする、熱交換器。
【請求項11】
前記第2のシールガスケット(50)は、第2の本体ブロック(51)、及び前記第2の本体ブロック(51)に設けられた第2の挿嵌ブロック(52)を含み、前記第2の本体ブロック(51)は前記第2の挿嵌ブロック(52)から突出して設けられて、前記第2の本体ブロック(51)により囲われて位置決め段差が形成されており、前記位置決め段差により前記第3の位置決め構造を形成して、前記位置決め段差により前記シールカバー(40)を位置決めする、請求項10に記載の熱交換器。
【請求項12】
前記扁平管(10)には第4の位置決め構造が更に設けられ、前記第2のシールガスケット(50)には前記第4の位置決め構造と嵌合する第5の位置決め構造(53)が設けられ、前記第4の位置決め構造と前記第5の位置決め構造(53)とは対向して設けられて、前記第4の位置決め構造及び前記第5の位置決め構造(53)により前記第2のシールガスケット(50)を位置決めする、請求項10に記載の熱交換器。
【請求項13】
前記第4の位置決め構造は第2の位置決め突起であり、前記第5の位置決め構造(53)は第2の位置決め凹溝であり、前記第2の位置決め突起と前記第2の位置決め凹溝とは対向して設けられ、前記第2の位置決め突起は前記第2の位置決め凹溝内に設けられて、前記第2のシールガスケット(50)を位置決めする、請求項12に記載の熱交換器。
【請求項14】
前記扁平管(10)の端部には弧状ポート(11)が設けられ、前記集流チャネルと前記扁平管(10)内の流体チャネルとが連通するように、前記弧状ポート(11)は前記第1の開口部(31)内に挿設されている、請求項1に記載の熱交換器。
【請求項15】
前記集流ハウジング(30)、前記扁平管(10)及び前記第1のシールガスケット(20)は、溶接により前記集流チャネルを取り囲んでいる、請求項1に記載の熱交換器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2019年9月27日付で中国国家知識産権局に提出された、出願番号が201910927921.5であり、発明の名称が「熱交換器」である特許出願の優先権を主張する。
【0002】
本出願は熱交換器の技術分野に関し、具体的には熱交換器に関する。
【背景技術】
【0003】
現在、従来技術における熱交換器は一般に円形集流管及び複数の扁平管を含み、円形集流管には複数の挿嵌孔が設けられており、複数の扁平管と複数の挿嵌孔とは一対一に対応して設けられ、各扁平管は対応する挿嵌孔内に挿設されてから溶接を行う。
【0004】
溶接過程において、扁平管は集流管の挿嵌孔の剛性に拘束され、扁平管が治具の予圧力を受けても、扁平管、特に集流管の端部に近接する位置にある扁平管は高さ方向において位置ずれがほとんど発生しない。溶接する際に扁平管の板表面の複合層が溶けるので、集流管の挿嵌孔に近接する溶接点の一部が溶接接合されにくくなり、不良な溶接が形成しやすく、製品の耐圧性に影響を与える。
【発明の概要】
【0005】
本出願の主な目的は、従来技術における集流管と扁平管との接続強度が比較的弱いという技術課題を解決するための熱交換器を提供することである。
【0006】
上記の目的を達成するために、本出願は、熱交換器であって、間隔をおいて設けられる複数の扁平管と、隣接する2つの扁平管の間に設けられる第1のシールガスケットであり、扁平管の端部に位置して、第1のシールガスケットにより隣接する2つの扁平管の間の隙間をシールする第1のシールガスケットと、第1の開口部を有する集流ハウジングであり、集流ハウジング、扁平管及び第1のシールガスケットにより囲われて集流チャネルが形成されるように、第1のシールガスケットの少なくとも一部と扁平管の端部とがいずれも第1の開口部内に挿設されている、集流ハウジングとを含む熱交換器を提供する。
【0007】
更に、集流ハウジングは、本体部、及び本体部に設けられる挿嵌部を含み、挿嵌部は本体部の端部に設けられ、第1の開口部を有し、第1のシールガスケットの少なくとも一部と扁平管の端部とが挿嵌部に挿嵌されている。
【0008】
更に、挿嵌部は、第1の挿嵌板及び第2の挿嵌板を含み、第1の挿嵌板と第2の挿嵌板とは対向して本体部の両端に設けられ、第1の挿嵌板と第2の挿嵌板とが間隔をおいて設けられることにより第1の開口部を形成して、第1のシールガスケットの少なくとも一部と扁平管の端部とがいずれも第1の挿嵌板と第2の挿嵌板との間に挿設されている。
【0009】
更に、第1のシールガスケットは第1の本体ブロック及び第1の本体ブロックに設けられる第1の挿嵌ブロックを含み、第1の本体ブロックは扁平管の端部に設けられ、第1の挿嵌ブロックは第1の開口部内に挿設される。
【0010】
更に、第1の挿嵌ブロックは、第1の側面、第2の側面及び弧状凹面を有し、第1の側面、弧状凹面及び第2の側面は順に接続して設けられ、弧状凹面は第1の挿嵌ブロックの第1の本体ブロックから離れた側に位置し、第1の側面は第1の挿嵌板に挿嵌するために用いられ、第2の側面は第2の挿嵌板に挿設するために用いられる。
【0011】
更に、第1のシールガスケットには第1の位置決め構造が設けられ、扁平管には第1の位置決め構造と嵌合する第2の位置決め構造が設けられ、第1の位置決め構造と第2の位置決め構造とは対向して設けられることで、第1の位置決め構造及び第2の位置決め構造により第1のシールガスケットを位置決めする。
【0012】
更に、第1の位置決め構造は第1の位置決め突起であり、第2の位置決め構造は第1の位置決め凹溝であり、第1の位置決め突起と第1の位置決め凹溝とは対向して設けられ、第1の位置決め突起は第1の位置決め凹溝内に設けられて、第1のシールガスケットを位置決めする。
【0013】
更に、第1のシールガスケットは対向して設けられる第1のフィット面と第2のフィット面とを有し、扁平管の端部は対向して設けられた第1の表面と第2の表面とを有し、第1のフィット面と扁平管端部の第1の表面とは嵌合して設けられ、第2のフィット面と扁平管端部の第2の表面とは嵌合して設けられて、第1のフィット面が第1の表面にフィットされて設けられ、第2のフィット面が第2の表面にフィットされて設けられるようにする。
【0014】
更に、集流ハウジングは対向して設けられる第2の開口部と第3の開口部とを有し、第2の開口部は集流ハウジングの一端に位置し、第3の開口部は集流ハウジングの他端に位置し、第1の開口部と、第2の開口部と、第3の開口部とがいずれも連通されて設けられ、熱交換器はシールカバーを更に含み、第2の開口部及び第3の開口部にはいずれもシールカバーが設けられて、シールカバーにより第2の開口部及び第3の開口部をシールする。
【0015】
更に、熱交換器は第2のシールガスケットを更に含み、第2のシールガスケットはシールカバーと扁平管との間に設けられ、第2のシールガスケットのシールカバーに近接する側に第3の位置決め構造が設けられて、第3の位置決め構造によりシールカバーを位置決めする。
【0016】
更に、第2のシールガスケットは、第2の本体ブロック、及び第2の本体ブロックに設けられる第2の挿嵌ブロックを含み、第2の本体ブロックは第2の挿嵌ブロックから突出して設けられており、第2の本体ブロックにより囲われて位置決め段差を形成し、位置決め段差が第3の位置決め構造を形成して、位置決め段差によりシールカバーを位置決めする。
【0017】
更に、扁平管には第4の位置決め構造が更に設けられ、第2のシールガスケットには第4の位置決め構造と嵌合する第5の位置決め構造が設けられ、第4の位置決め構造と第5の位置決め構造とは対向して設けられて、第4の位置決め構造及び第5の位置決め構造により第2のシールガスケットを位置決めする。
【0018】
更に、第4の位置決め構造は第2の位置決め突起であり、第5の位置決め構造は第2の位置決め凹溝であり、第2の位置決め突起と第2の位置決め凹溝とは対向して設けられ、第2の位置決め突起は第2の位置決め凹溝内に設けられて、第2のシールガスケットを位置決めする。
【0019】
更に、扁平管の端部には弧状ポートが設けられ、弧状ポートは第1の開口部内に挿設されて、集流チャネルと扁平管内の流体チャネルとが連通されるようにする。
【0020】
更に、集流ハウジング、扁平管及び第1のシールガスケットは、溶接により集流チャネルを取り囲んでいる。
【0021】
本出願の技術態様を適用し、第1のシールガスケットの少なくとも一部と扁平管の端部とがいずれも第1の開口部内に挿設されることで、集流ハウジング、複数の扁平管及び複数の第1のシールガスケットにより囲われて集流チャネルを形成でき、これにより、溶接する際に扁平管は高さ方向において拘束されない。具体的には、熱交換器が炉を通過して溶接される際に、扁平管は治具の予圧作用により自由に沈下することができ、扁平管表面の複合層が融解した後、扁平管の2つの管板が常に圧力を受けてフィットされた状態を維持できるようにして、管板における全ての溶接点が溶接接合できるように確保し、集流ハウジングと扁平管との接続強度を向上させ、製品の耐圧性を確保した。従って、本出願で提供する技術態様により、従来技術における集流管と扁平管との接続強度が比較的弱いという技術課題を解決できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本出願の一部を構成する明細書の図面は本出願に対する更なる理解を提供するためのものであり、本出願の模式的な実施例及びその説明は本出願を解釈するために用いられ、本出願に対する不当な限定を構成するものではない。
【0023】
【
図1】本出願の実施例1に基づいて提供される熱交換器の分解図を示す。
【
図2】本出願の実施例1に基づいて提供される第1のシールガスケットの構造模式図を示す。
【
図3】本出願の実施例1に基づいて提供される第2のシールガスケットの構造模式図を示す。
【
図4】本出願の実施例1に基づいて提供される熱交換器の正面図を示す。
【
図6】本出願の実施例1に基づいて提供される熱交換器の側面図を示す。
【
図7】本出願の実施例1に基づいて提供される扁平管の構造模式図を示す。
【
図8】本出願の実施例1に基づいて提供される扁平管の正面図を示す。
【
図10】本出願の実施例2に基づいて提供される扁平管の構造模式図を示す。
【
図11】本出願の実施例3に基づいて提供される熱交換器の構造模式図を示す。
【
図12】本出願の実施例4に基づいて提供される熱交換器の構造模式図を示す。
【0024】
ここで、上記の図面には以下の符号が含まれる。
10 扁平管、11 弧状ポート、12 第2の位置決め構造、20 第1のシールガスケット、21 第1の本体ブロック、22 第1の挿嵌ブロック、23 第1の位置決め構造、30 集流ハウジング、31 第1の開口部、32 第2の開口部、33 第3の開口部、34 本体部、35 第1の挿嵌板、36 第2の挿嵌板、40 シールカバー、50 第2のシールガスケット、51 第2の本体ブロック、52 第2の挿嵌ブロック、53 第5の位置決め構造、60 熱交換フィン、70 サイドプレート、80 接続管。
【発明を実施するための形態】
【0025】
留意すべきこととして、矛盾がない限り本出願における実施例及び実施例における特徴は互いに組み合わされてもよい。以下、図面を参照して実施例と併せて本出願を詳細に説明する。
【0026】
図1から
図9に示すように、本出願の第1実施例は熱交換器を提供し、熱交換器は、扁平管10、第1のシールガスケット20及び集流ハウジング30を含み、扁平管10は複数あり、複数の扁平管10が間隔をおいて設けられる。第1のシールガスケット20は複数あり、隣接する2つの扁平管10の間には第1のシールガスケット20が設けられており、第1のシールガスケット20は扁平管10の端部に位置して、第1のシールガスケット20により隣接する2つの扁平管10の間の隙間をシールする。集流ハウジング30は第1の開口部31を有し、集流ハウジング30、扁平管10及び第1のシールガスケット20により囲われて集流チャネルを形成するように第1のシールガスケット20の少なくとも一部と扁平管10の端部とがいずれも第1の開口部31内に挿設されている。
【0027】
本実施例で提供された熱交換器を採用し、第1のシールガスケット20の少なくとも一部と扁平管10の端部とがいずれも第1の開口部31内に挿設されることで、集流ハウジング30、複数の扁平管10及び複数の第1のシールガスケット20により囲われて集流チャネルを形成できる。このようにして、熱交換器が炉を通過して溶接される際に扁平管10が高さ方向において第1の開口部31に拘束されないので、扁平管10は治具の予圧作用により自由に沈下することができる。具体的には扁平管10は、第1の開口部31の開口の延伸方向(第1の開口部31の延伸方向は集流ハウジング30内の液体の流れ方向と同じである)に沿って沈下することができる。扁平管10表面の複合層が溶けた後、扁平管10の2つの管板が常に圧力を受けてフィットされた状態を維持できるようにして、管板における全ての溶接点が溶接接合できるよう確保し、集流ハウジング30と扁平管10との接続強度を向上させ、製品の耐圧性が確保された。従って、本出願の実施例で提供する熱交換器により、従来技術における集流管と扁平管10との接続強度が比較的弱いという技術課題を解決できる。
【0028】
本実施例において、集流ハウジング30は、本体部34、及び本体部34に設けられる挿嵌部を含み、挿嵌部は、本体部34の端部に設けられ、第1の開口部31を有し、第1のシールガスケット20の少なくとも一部と扁平管10の端部とが挿嵌部に挿嵌されている。このような設置を採用すると、第1のシールガスケット20の少なくとも一部及び扁平管10の端部を第1の開口部31に容易に挿嵌でき、接続の安定性を向上させ、作業者が溶接する前に予備取り付けを行うことが容易であり、操作の容易性を向上させた。具体的には、本実施例における本体部34は弧状ハウジングであり、集流チャネルを取り囲んで形成することが容易である。本実施例において、本体部34及び挿嵌部は一体成形された構造であってもよい。具体的には、本実施例における集流ハウジング30はC型開口ハウジング構造であってもよい。
【0029】
具体的には、本実施例における挿嵌部は、第1の挿嵌板35及び第2の挿嵌板36を含み、第1の挿嵌板35と第2の挿嵌板36とは対向して本体部34の両端に設けられている。第1の挿嵌板35と第2の挿嵌板36とが間隔をおいて設けられて、第1の開口部31を形成することにより、第1のシールガスケット20の少なくとも一部と扁平管10の端部とがいずれも第1の挿嵌板35と第2の挿嵌板36との間に挿設されるようにする。このような設置を採用すると、第1のシールガスケット20及び扁平管10と集流ハウジング30との接続安定性を更に向上でき、溶接前に第1のシールガスケット20、扁平管10及び集流ハウジング30が脱落するのを回避できる。具体的には、第1の挿嵌板35と第2の挿嵌板36とは平行して設けられてもよい。あるいは、本体部34から挿嵌部の延伸方向に沿って、第1の挿嵌板35と第2の挿嵌板36との間の間隔距離が徐々に減少することで、挿嵌の安定性を更に向上させ、第1のシールガスケット20と、扁平管10と、集流ハウジング30との接続安定性を更に向上させることが容易である。
【0030】
本実施例において、第1のシールガスケット20は、第1の本体ブロック21、及び第1の本体ブロック21に設けられる第1の挿嵌ブロック22を含み、第1の本体ブロック21は扁平管10の端部に設けられ、第1の挿嵌ブロック22は第1の開口部31内に挿設される。このような設置を採用すると、第1の本体ブロック21により隣接する2つの扁平管10の間の隙間をシールすることができ、第1の挿嵌ブロック22が第1の開口部31内に容易に挿設できることにより、集流チャネルを取り囲んで形成することが容易になる。本実施例において、第1の本体ブロック21及び第1の挿嵌ブロック22は一体成形構造であってもよい。具体的には、本実施例における第1のシールガスケット20はT型ブロックであってよく、T型ブロックはC型集流ハウジング30の開口側に挿入可能であり、C型集流ハウジング30の端部の内側壁とT型ブロックの外側壁とが係合され、ろう付けされた後、第1のシールガスケット20、集流ハウジング30及び扁平管10が一体になる。実際の状況に応じて、隣接する2つの扁平管10の間に複数の積層して設けられた第1のシールガスケット20を設置してもよい。
【0031】
具体的には、本実施例における第1の挿嵌ブロック22は、第1の側面、第2の側面及び弧状凹面を有し、第1の側面、弧状凹面及び第2の側面は順に接続して設けられ、弧状凹面は第1の挿嵌ブロック22の第1の本体ブロック21から離れた側に位置し、第1の側面は第1の挿嵌板35に挿嵌するために用いられ、第2の側面は第2の挿嵌板36に挿設するために用いられる。このような設置を採用すると、挿嵌をより良好に行って接続の安定性を向上させることができる。同時に、第1の側面と第2の側面との間に弧状凹面を増設することで、集流管内を流れる流体に対する第1の挿嵌ブロック22の阻害作用を減少させて、集流管内の流れの断面積を増加させて、流体の流れ速度を上げることができる。
【0032】
本実施例において、第1のシールガスケット20には第1の位置決め構造23が設けられ、扁平管10には第1の位置決め構造23と嵌合する第2の位置決め構造12が設けられ、第1の位置決め構造23と第2の位置決め構造12とは対向して設けられて、第1の位置決め構造23及び第2の位置決め構造12により第1のシールガスケット20を位置決めする。このような設置を採用すると、隣接する2つの扁平管10の間の第1のシールガスケット20が組立過程において揺れにより位置ずれが発生してしまう状況を回避でき、第1の位置決め構造23と第2の位置決め構造12との嵌合により第1のシールガスケット20に対する位置決めを安定的に行うことができるので、第1のシールガスケット20の設置安定性が確保され、溶接過程における第1のシールガスケット20又は扁平管10の揺れが発生しないようにすることができる。
【0033】
具体的には、本実施例における第1の位置決め構造23は第1の位置決め突起であり、第2の位置決め構造12は第1の位置決め凹溝であり、第1の位置決め突起と第1の位置決め凹溝とは対向して設けられ、第1の位置決め突起は第1の位置決め凹溝内に設けられて、第1のシールガスケット20を位置決めする。第1の位置決め突起及び第1の位置決め凹溝の構造は簡単且つ製造が容易であり、同時に第1の位置決め突起及び第1の位置決め凹溝の嵌合は位置決めの安定性を向上でき、第1のシールガスケット20が扁平管10に対して揺れ動くことをより良好に回避できる。
【0034】
本実施例において、第1のシールガスケット20は、対向して設けられた第1のフィット面と第2のフィット面とを有し、扁平管10の端部は対向して設けられた第1の表面と第2の表面とを有し、第1のフィット面と扁平管10端部の第1の表面とは嵌合して設けられ、第2のフィット面と扁平管10端部の第2の表面とは嵌合して設けられて、第1のフィット面が第1の表面にフィットされて設けられ、第2のフィット面が第2の表面にフィットされて設けられる。具体的には、集流ハウジング30内の流体の流れ方向に沿って、第1のシールガスケット20は対向して設けられた第1の表面と第2の表面とを有する。このようなフィット設置を採用すると、第1のシールガスケット20により隣接する2つの扁平管10の間の隙間をより良好にシールして、流体が第1のシールガスケット20と扁平管10との間の隙間から漏れることを回避できる。
【0035】
具体的には、本実施例における第1の表面は第1の弧状凸面であってよく、第2の表面は第2の弧状凸面であってよく、第1のフィット面は第1の弧状凹面であってよく、第2のフィット面は第2の弧状凹面であってよい。第1の弧状凹面は第1の弧状凸面にフィット設置され、第2の弧状凹面は第2の弧状凸面にフィット設置されて、第1のシールガスケット20が隣接する2つの扁平管10との間の隙間をより良好にシールして、シール効果を更に向上させた。
【0036】
本実施例において、集流ハウジング30は対向して設けられた第2の開口部32と第3の開口部33とを有し、第2の開口部32は集流ハウジング30の一端に位置し、第3の開口部33は集流ハウジング30の他端に位置し、第2の開口部32と第3の開口部33とは対向して設けられ、第1の開口部31と、第2の開口部32と、第3の開口部33とがいずれも連通される。熱交換器はシールカバー40を更に含み、第2の開口部32及び第3の開口部33にはいずれもシールカバー40が設けられていることで、シールカバー40により第2の開口部32及び第3の開口部33をシールする。このような設置を採用すると、シールカバー40により集流チャネルの端部をシールして、集流ハウジング30内の流体が第2の開口部32又は第3の開口部33から流れ出ることを回避できる。
【0037】
本実施例において、熱交換器は第2のシールガスケット50を更に含み、第2のシールガスケット50はシールカバー40と扁平管10との間に設けられ、第2のシールガスケット50のシールカバー40に近接する側には第3の位置決め構造が設けられて、第3の位置決め構造によりシールカバー40を位置決めする。具体的には、本実施例における第3の位置決め構造とシールカバー40とは当接して位置決めされて、第2のシールガスケット50に対するシールカバー40の位置ずれを回避して、設置の安定性を向上させた。
【0038】
具体的には、本実施例における第2のシールガスケット50は、第2の本体ブロック51、及び第2の本体ブロック51に設けられる第2の挿嵌ブロック52を含み、第2の本体ブロック51は第2の挿嵌ブロック52から突出して設けられて、本体ブロック51により囲われて位置決め段差を形成し、位置決め段差が第3の位置決め構造を形成して、位置決め段差によりシールカバー40を位置決めする。本実施例における位置決め段差の段差面とシールカバー40の端面とは互いに嵌合されて、位置決め段差の段差面によりシールカバー40を当接して位置決めすることで、シールカバー40に対する位置決めを安定的に行うことができ、設置の安定性を更に向上させた。
【0039】
本実施例において、扁平管10には第4の位置決め構造が更に設けられ、第2のシールガスケット50には第4の位置決め構造と嵌合する第5の位置決め構造53が設けられ、第4の位置決め構造と第5の位置決め構造53とは対向して設けられて、第4の位置決め構造及び第5の位置決め構造53により第2のシールガスケット50を位置決めする。このような設置を採用すると、第4の位置決め構造及び第5の位置決め構造53の嵌合により第2のシールガスケット50を位置決めすることが容易であり、第2のシールガスケット50が扁平管10に対して揺れ動く状況を回避でき、第2のシールガスケット50の設置安定性を向上させた。
【0040】
具体的には、本実施例における第4の位置決め構造は第2の位置決め突起であり、第5の位置決め構造53は第2の位置決め凹溝であり、第2の位置決め突起と第2の位置決め凹溝とは対向して設けられて、第2の位置決め突起は第2の位置決め凹溝内に設けられることで、第2のシールガスケット50を位置決めする。このような設置を採用すると、第2の位置決め突起及び第2の位置決め凹溝の嵌合により、第2のシールガスケット50の設置位置をより良好に制限できる。
【0041】
具体的には、扁平管10の端部には弧状ポート11が設けられてよく、弧状ポート11は第1の開口部31内に挿設されて、弧状ポート11が扁平管10内の流体チャネルに連通されて、集流チャネルと扁平管10内の流体チャネルとが連通されるようにする。このような設置を採用すると、集流ハウジング30内の流れ断面積を増加できる。
【0042】
本実施例において、集流ハウジング30、扁平管10及び第1のシールガスケット20は、溶接により集流チャネルを取り囲んでおり、集流ハウジング30、扁平管10及び第1のシールガスケット20が一体構造に形成されるようにする。
【0043】
本実施例において、熱交換器は、熱交換フィン60、サイドプレート70及び接続管80を更に含み、熱交換フィン60は扁平管10に設けられ、サイドプレート70は熱交換器の端部に位置し、接続管80は集流チャネルに連通するために用いられる。
【0044】
本出願の実施例2は熱交換器を提供し、実施例2における熱交換器と第1実施例における熱交換器との差異は、扁平管10の構造が異なることである。実施例2における熱交換器の扁平管10の構造は、
図10に示した通りである。
【0045】
本出願の実施例3は熱交換器を提供し、実施例3における熱交換器と第1実施例における熱交換器との差異は、扁平管10の構造が異なることである。実施例3における熱交換器の扁平管10の構造は、
図11に示した通りである。
【0046】
本出願の実施例4は熱交換器を提供し、実施例4における熱交換器と第1実施例における熱交換器との差異は、扁平管10の構造が異なることである。実施例4における熱交換器の扁平管10の構造は、
図12に示した通りである。
【0047】
以上の説明から、本出願の上記の実施例は、集流ハウジングと扁平管との接続強度を向上させ、熱交換器の耐圧性を向上させ、集流ハウジング内の流れ面積を増加させて、集流チャネル内の流れ抵抗を減少させ、冷却システム性能に与える影響を減らす技術的効果を達成したことが分かる。
【0048】
以上の説明は本出願の好ましい実施例にすぎず、本出願を限定するものではない。当業者は本出願に対して各種の修正及び変更を行ってもよい。本出願の精神と原則内でなされるいずれの修正、同等の置換、改善等はいずれも本出願の保護範囲に包まれるべきである。