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特許7385035転送エントリを処理するための方法及び装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-13
(45)【発行日】2023-11-21
(54)【発明の名称】転送エントリを処理するための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   H04L 45/02 20220101AFI20231114BHJP
   H04L 45/44 20220101ALI20231114BHJP
   H04L 49/201 20220101ALI20231114BHJP
【FI】
H04L45/02
H04L45/44
H04L49/201
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2022530299
(86)(22)【出願日】2020-10-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-26
(86)【国際出願番号】 CN2020119849
(87)【国際公開番号】W WO2021103821
(87)【国際公開日】2021-06-03
【審査請求日】2022-09-26
(31)【優先権主張番号】201911168692.X
(32)【優先日】2019-11-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】シエ,ジーンゥローン
【審査官】小林 義晴
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0131660(US,A1)
【文献】国際公開第2012/033041(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0078377(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/00-12/66
41/00-101/695
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
転送エントリを処理するための方法であって、当該方法は、ビットインデックス付きの明示的な複製(BIER)ネットワークに適用され、当該方法は、
第1のルーティングデバイスによって、第2のルーティングデバイスが広告する第1の識別子及び第2の識別子を取得するステップあって、前記第1の識別子は、前記第2のルーティングデバイスが属しているBIERサブドメインの中で有効である前記第2のルーティングデバイスのビット転送ルータ識別子(BFR-ID)であり、前記第2の識別子は、ビット転送入口ルータ(BFIR)としてのみ使用されていることを示すのに使用される、ステップと、
前記第1のルーティングデバイスによって、前記第1の識別子及び前記第2の識別子に基づいて、転送ビットマスク(F-BM)のうちの前記第1の識別子に対応するビットの設定を省略するステップであって、前記F-BMは、前記第1のルーティングデバイスの前記BIERサブドメインに対応するBIER転送エントリのすべてに含まれるF-BMである、ステップと、を含む、
方法。
【請求項2】
前記第1のルーティングデバイスは、前記第2のルーティングデバイスに直接的に接続され、第1のルーティングデバイスによって、第2のルーティングデバイスが広告する第1の識別子及び第2の識別子を取得する前記ステップは、前記第2のルーティングデバイスが広告するメッセージを前記第1のルーティングデバイスによって受信するステップを含み、前記メッセージは、前記第1の識別子及び前記第2の識別子を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のルーティングデバイスによって、前記第1の識別子及び前記第2の識別子に基づいて、転送ビットマスクF-BMのうちの前記第1の識別子に対応するビットの設定を省略する前記ステップは、
前記第1のルーティングデバイスによって、前記第1の識別子及び前記第2の識別子に基づいて、第1のBIER転送エントリの生成を省略するステップであって、前記第1のBIER転送エントリは、前記第1の識別子が識別するデバイスに前記第1のルーティングデバイスが到達するためのネクストホップビット転送ルータ隣接デバイス(BFR-NBR)が、前記第2のルーティングデバイスであるということを示す、ステップを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1のルーティングデバイスは、第1のビット転送ルータ(BFR)を使用することによって前記第2のルーティングデバイスに直接的に接続され、第1のルーティングデバイスによって、第2のルーティングデバイスが広告する第1の識別子及び第2の識別子を取得する前記ステップは、前記第1のBFRが広告するメッセージを前記第1のルーティングデバイスによって受信するステップを含み、前記メッセージは、前記第1の識別子及び前記第2の識別子を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のBFRは、前記第1のルーティングデバイスが前記第2のルーティングデバイスに到達するためのネクストホップビット転送ルータ隣接デバイス(BFR-NBR)であり、前記第1のルーティングデバイスによって、前記第1の識別子及び前記第2の識別子に基づいて、転送ビットマスクF-BMのうちの前記第1の識別子に対応するビットの設定を省略する前記ステップは、
前記第1のルーティングデバイスによって、前記第1の識別子及び前記第2の識別子に基づいて、第1のBIER転送エントリの生成を省略するステップであって、前記第1のBIER転送エントリは、前記第1のルーティングデバイスが前記第2のルーティングデバイスに到達するためのネクストホップBFR-NBRが、前記第1のBFRであるということを示す、ステップを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のBFRは、前記第1のルーティングデバイスが前記第2のルーティングデバイス及び少なくとも1つのビット転送出口ルータ(BFER)に到達するためのネクストホップビット転送ルータ隣接デバイス(BFR-NBR)であり、前記第1のルーティングデバイスによって、前記第1の識別子及び前記第2の識別子に基づいて、転送ビットマスクF-BMのうちの前記第1の識別子に対応するビットの設定を省略する前記ステップは、
前記第1のルーティングデバイスによって、前記第1の識別子及び前記第2の識別子に基づいて、第2のBIER転送エントリのF-BMのうちの前記第1の識別子に対応するビットの設定を省略するステップであって、前記第2のBIER転送エントリは、前記第1のルーティングデバイスが前記BFER及び前記第2のルーティングデバイスに到達するためのネクストホップBFR-NBRが、前記第1のBFRであるということを示す、ステップを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記メッセージは、BIER情報を搬送するのに使用されるサブタイプ長さ値(sub-TLV)を含み、前記sub-TLVは、前記第1の識別子を搬送するのに使用されるフィールド及びBIERアルゴリズム(BAR)フィールドを含み、前記BARは、前記第2の識別子を搬送するのに使用されるか、又は、
前記メッセージは、BIER情報を搬送するのに使用されるsub-TLVを含み、前記sub-TLVは、前記第1の識別子を搬送するのに使用されるフィールド及びサブサブタイプ長さ値(sub-sub-TLV)フィールドを含み、前記sub-sub-TLVは、前記第2の識別子を搬送するのに使用される、請求項2乃至6のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記メッセージは、前記第1の識別子を搬送するのに使用されるサブタイプ長さ値(sub-TLV)及び前記第2の識別子を搬送するのに使用されるsub-TLVを含む、請求項2乃至6のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
転送エントリを処理するための装置であって、当該装置は、第1のルーティングデバイスに配置され、当該装置は、
第2のルーティングデバイスが広告する第1の識別子及び第2の識別子を取得するように構成される取得ユニットあって、前記第1の識別子は、前記第2のルーティングデバイスが属しているビットインデックス付きの明示的な複製(BIER)サブドメインの中で有効である前記第2のルーティングデバイスのビット転送ルータ識別子(BFR-ID)であり、前記第2の識別子は、ビット転送入口ルータ(BFIR)としてのみ使用されていることを示すのに使用される、取得ユニットと、
前記第1の識別子及び前記第2の識別子に基づいて、転送ビットマスク(F-BM)のうちの前記第1の識別子に対応するビットの設定を省略するように構成される処理ユニットであって、前記F-BMは、前記第1のルーティングデバイスの前記BIERサブドメインに対応するBIER転送エントリのすべてに含まれるF-BMである、処理ユニットと、を含む、
装置。
【請求項10】
前記第1のルーティングデバイスは、前記第2のルーティングデバイスに直接的に接続され、前記取得ユニットは、前記第2のルーティングデバイスが広告するメッセージを受信するように構成され、前記メッセージは、前記第1の識別子及び前記第2の識別子を含む、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記処理ユニットは、前記第1の識別子及び前記第2の識別子に基づいて、第1のBIER転送エントリの生成を省略するように構成され、前記第1のBIER転送エントリは、前記第1の識別子が識別するデバイスに前記第1のルーティングデバイスが到達するためのネクストホップビット転送ルータ隣接デバイス(BFR-NBR)が、前記第2のルーティングデバイスであるということを示す、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記第1のルーティングデバイスは、第1のビット転送ルータ(BFR)を使用することによって前記第2のルーティングデバイスに直接的に接続され、前記取得ユニットは、前記第1のBFRが広告するメッセージを受信するように構成され、前記メッセージは、前記第1の識別子及び前記第2の識別子を含む、請求項9に記載の装置。
【請求項13】
前記第1のBFRは、前記第1のルーティングデバイスが前記第2のルーティングデバイスに到達するためのネクストホップビット転送ルータ隣接デバイス(BFR-NBR)であり、前記処理ユニットは、前記第1の識別子及び前記第2の識別子に基づいて、第1のBIER転送エントリの生成を省略するように構成され、前記第1のBIER転送エントリは、前記第1のルーティングデバイスが前記第2のルーティングデバイスに到達するためのネクストホップBFR-NBRが、前記第1のBFRであるということを示す、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記第1のBFRは、前記第1のルーティングデバイスが前記第2のルーティングデバイス及び少なくとも1つのビット転送出口ルータ(BFER)に到達するためのネクストホップビット転送ルータ隣接デバイス(BFR-NBR)であり、前記処理ユニットは、特に、前記第1の識別子及び前記第2の識別子に基づいて、第2のBIER転送エントリのF-BMのうちの前記第1の識別子に対応するビットの設定を省略するように構成され、前記第2のBIER転送エントリは、前記第1のルーティングデバイスが前記BFER及び前記第2のルーティングデバイスに到達するためのネクストホップBFR-NBRが、前記第1のBFRであるということを示す、請求項12に記載の装置。
【請求項15】
前記メッセージは、BIER情報を搬送するのに使用されるサブタイプ長さ値(sub-TLV)を含み、前記sub-TLVは、前記第1の識別子を搬送するのに使用されるフィールド及びBIERアルゴリズム(BAR)フィールドを含み、前記BARは、前記第2の識別子を搬送するのに使用されるか、又は、
前記メッセージは、BIER情報を搬送するのに使用されるsub-TLVを含み、前記sub-TLVは、前記第1の識別子を搬送するのに使用されるフィールド及びサブサブタイプ長さ値(sub-sub-TLV)フィールドを含み、前記sub-sub-TLVは、前記第2の識別子を搬送するのに使用される、請求項10乃至14のうちのいずれか1項に記載の装置。
【請求項16】
前記メッセージは、前記第1の識別子を搬送するのに使用されるサブタイプ長さ値sub-TLV及び前記第2の識別子を搬送するのに使用されるsub-TLVを含む、請求項10乃至14のうちのいずれか1項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願への相互参照]
この出願は、2019年11月25日付で中国国家知的所有権管理局に出願された"転送エントリを処理するための方法及び装置"と題する中国特許出願番号第CN201911168692.X号に基づく優先権を主張し、その内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[技術分野]
この出願は、通信分野に関し、特に、転送エントリを処理するための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0003】
図1は、ビットインデックス付きの明示的な複製(bit indexed explicit replication, BIER)ネットワークシナリオの概略的な図である。図1に示されているネットワークシナリオにおいて、デバイス103は、マルチキャストソースに接続される。デバイス103は、ビット転送入口ルータ(bit forwarding ingress router, BFIR)である。デバイス101に接続されるマルチキャスト受信機1及びデバイス102に接続されるマルチキャスト受信機2は、マルチキャストソースが送信するマルチキャストパケットを受信する必要がある。デバイス101及びデバイス102の双方は、ビット転送出口ルータ(bit forwarding egress routers, BFERs)である。デバイス104は、デバイス101、デバイス102、及びデバイス103に接続される。デバイス104は、ビット転送ルータ(bit forwarding router, BFR)である。デバイス101、デバイス102、デバイス103、及びデバイス104は、同じBIERサブドメインの中に存在する。
【0004】
デバイス101、デバイス102、デバイス103、及びデバイス104は、それらのデバイスが属するBIERサブドメインにおいて有効であるビット転送ルータ識別子(bit forwarding router identifiers, BFR-IDs)を割り当てられる。デバイス101のBFR-IDは1である。デバイス102のBFR-IDは2である。デバイス103のBFR-IDは3である。図1の中の各々のデバイスは、そのデバイスの隣接するデバイスに対して、そのデバイスに割り当てられているBFR-IDを広告する。例えば、デバイス103は、デバイス104に対して、デバイス103のアドレス及びBFR-IDを広告する。デバイス104は、第1の転送エントリを生成する。第1の転送エントリは、BFR隣接デバイス(BFR neighbor, BFR-NBR)及び転送ビットマスク(forwarding bit mask, F-BM)を含む。第1の転送エントリのBFR-NBRは、BFR-IDが識別するデバイスにデバイス104が到達するためのネクストホップBFR-NBRを示すのに使用される。第1の転送エントリの中に含まれているBFR-NBRは、デバイス103のアドレスである。第1の転送エントリのF-BMの中に含まれているビット列(bit string)は、0100である。0100は、BFR-IDが3であるデバイスを示す。デバイス104が第1の転送エントリを使用することによってデバイス103からのBIERマルチキャストパケットを転送するときに、転送効率は低くなる。
【発明の概要】
【0005】
この出願の複数の実施形態は、転送エントリを処理する方法及び装置を提供して、転送効率を改善する。
【0006】
第1の態様によれば、転送エントリを処理するための方法を提供する。当該方法は、BIERネットワークに適用され、当該方法は、第1のルーティングデバイスが、第2のルーティングデバイスが広告する第1の識別子及び第2の識別子を取得することを含む。前記第1の識別子は、前記第2のルーティングデバイスが属しているBIERサブドメインの中で有効である前記第2のルーティングデバイスのBFR-IDであり、前記第2の識別子は、BFIRとしてのみ使用されていることを示すのに使用される。前記第1のルーティングデバイスは、前記第1の識別子及び前記第2の識別子に基づいて、F-BMのうちの前記第1の識別子に対応するビットの設定を省略する。前記F-BMは、前記第1のルーティングデバイスの前記BIERサブドメインに対応するBIER転送エントリのすべてに含まれるF-BMである。複数の実施形態のうちのいくつかにおいて、設定は、1に設定することを示し、設定の省略は、0に設定することを示す。
【0007】
上記の方法において、第1のルーティングデバイスは、BIERドメインの中のいずれかのBFRであってよく、第2のルーティングデバイスは、BIERドメインの中のBFIRであり、BFERとしては使用されない。第1のルーティングデバイスが生成するエントリの転送は、BFIRへのBIERマルチキャストパケットの転送に使用される転送エントリを含まない。BIERマルチキャストパケットを転送するのに使用される転送エントリのうちのBFIRへのBFIRに対応するビットを設定しない。このように、BIERマルチキャストパケットを転送するときに、第1のルーティングデバイスは、転送エントリの読み取り及びその転送エントリに対する操作を省略し、それにより、転送効率を改善する。
【0008】
ある1つの実装において、前記第1のルーティングデバイスは、前記第2のルーティングデバイスに直接的に接続され、第1のルーティングデバイスが、第2のルーティングデバイスが広告する第1の識別子及び第2の識別子を取得することは、前記第1のルーティングデバイスが、前記第2のルーティングデバイスが広告するメッセージを受信することを含む。前記メッセージは、前記第1の識別子及び前記第2の識別子を含む。
【0009】
そのメッセージは、内部ゲートウェイプロトコル(Interior Gateway Protocol, IGP)メッセージであってもよく又は境界ゲートウェイプロトコル(Border Gateway Protocol, BGP)メッセージであってもよい。第1のルーティングデバイス及び第2のルーティングデバイスが同じBIERサブドメインの中に存在する場合に、そのメッセージは、IGPメッセージであってもよい。第1のルーティングデバイス及び第2のルーティングデバイスが異なるBIERサブドメインの中に存在する場合に、そのメッセージは、BGPメッセージであってもよい。
【0010】
ある1つの実装において、前記第1のルーティングデバイスが、前記第1の識別子及び前記第2の識別子に基づいて、F-BMのうちの前記第1の識別子に対応するビットの設定を省略する前記ステップは、前記第1のルーティングデバイスが、前記第1の識別子及び前記第2の識別子に基づいて、第1のBIER転送エントリの生成を省略することを含む。前記第1のBIER転送エントリは、前記第1の識別子が識別するデバイスに前記第1のルーティングデバイスが到達するためのネクストホップビット転送ルータ隣接デバイスBFR-NBRが、前記第2のルーティングデバイスであるということを示す。
【0011】
第1のルーティングデバイスが第2のルーティングデバイスに直接的に接続されるということは、第1のルーティングデバイスと第2のルーティングデバイスとの間の経路にいかなるBFRも存在しないということを示す。第1のルーティングデバイスは、第1の識別子及び第2の識別子に基づいて、第1の識別子が識別するデバイスが、BFIRとしてのみ使用されるということを決定する。第1のルーティングデバイスは、ビット列のうちの第1の識別子に対応するビット(bit)を0に設定する、すなわち、そのビット列は、0000となる。そのビット列が0000であるときに、第1のルーティングデバイスは、第1の識別子を含むBIER転送エントリ及びそのビット列を生成しない。第1の識別子を含むBIER転送エントリ及びそのビット列は、第1のBIER転送エントリとなってもよい。
【0012】
ある1つの実装において、前記第1のルーティングデバイスは、第1のBFRを使用することによって前記第2のルーティングデバイスに直接的に接続され、第1のルーティングデバイスが、第2のルーティングデバイスが広告する第1の識別子及び第2の識別子を取得することは、前記第1のBFRが広告するメッセージを前記第1のルーティングデバイスが受信することを含む。前記メッセージは、前記第1の識別子及び前記第2の識別子を含む。
【0013】
ある1つの実装において、前記第1のBFRは、前記第1のルーティングデバイスが前記第2のルーティングデバイスに到達するためのネクストホップBFR-NBRであり、前記第1のルーティングデバイスが、前記第1の識別子及び前記第2の識別子に基づいて、転送ビットマスクF-BMのうちの前記第1の識別子に対応するビットの設定を省略することは、前記第1のルーティングデバイスが、前記第1の識別子及び前記第2の識別子に基づいて、第1のBIER転送エントリの生成を省略することを含む。前記第1のBIER転送エントリは、前記第1のルーティングデバイスが前記第2のルーティングデバイスに到達するためのネクストホップBFR-NBRが、前記第1のBFRであるということを示す。
【0014】
ある1つの実装において、前記第1のBFRは、前記第1のルーティングデバイスが前記第2のルーティングデバイス及び少なくとも1つのBFERに到達するためのネクストホップBFR-NBRであり、前記第1のルーティングデバイスが、前記第1の識別子及び前記第2の識別子に基づいて、転送ビットマスクF-BMのうちの前記第1の識別子に対応するビットの設定を省略することは、前記第1のルーティングデバイスが、前記第1の識別子及び前記第2の識別子に基づいて、第2のBIER転送エントリのF-BMのうちの前記第1の識別子に対応するビットの設定を省略することを含む。前記第2のBIER転送エントリは、前記第1のルーティングデバイスが前記BFER及び前記第2のルーティングデバイスに到達するためのネクストホップBFR-NBRが、前記第1のBFRであるということを示す。
【0015】
上記の方法において、第1のルーティングデバイスが第1のBFRを使用することによって第2のルーティングデバイスに接続されることは、間接的な接続方式である。第1のルーティングデバイスと第2のルーティングデバイスとの間の間接的な接続は、第1のルーティングデバイスと第2のルーティングデバイスとの間の経路が1つ又は複数のBFRを含むということを示す。その経路は、BIERマルチキャストパケットを転送するのに使用される。
【0016】
ある1つの実装において、前記メッセージは、BIER情報を搬送するのに使用されるサブタイプ長さ値(sub-type-length-value, sub-TLV)を含み、前記sub-TLVは、前記第1の識別子を搬送するのに使用されるフィールド及びBIERアルゴリズム(BIER algorithm, BAR)フィールドを含み、前記BARは、前記第2の識別子を搬送するのに使用される。
【0017】
ある1つの実装において、前記メッセージは、BIER情報を搬送するのに使用されるsub-TLVを含み、前記sub-TLVは、前記第1の識別子を搬送するのに使用されるフィールド及びサブサブタイプ長さ値(sub-sub-TLV)フィールドを含み、前記sub-sub-TLVは、前記第2の識別子を搬送するのに使用される。
【0018】
ある1つの実装において、前記メッセージは、前記第1の識別子を搬送するのに使用されるサブタイプ長さ値sub-TLV及び前記第2の識別子を搬送するのに使用されるsub-TLVを含む。
【0019】
ある1つの実装において、前記メッセージは、前記BIERサブドメインの識別子をさらに含む。
【0020】
第2の態様によれば、転送エントリを処理するための方法を提供する。当該方法は、BIERネットワークに適用され、当該方法は、第2のルーティングデバイスが、第1の識別子及び第2の識別子を取得することを含む。前記第1の識別子は、前記第2のルーティングデバイスが属しているBIERサブドメインの中で有効である前記第2のルーティングデバイスのBFR-IDであり、前記第2の識別子は、BFIRとしてのみ使用されていることを示すのに使用される。前記第2のルーティングデバイスは、第1のルーティングデバイスに前記第1の識別子及び前記第2の識別子を広告する。
【0021】
上記の方法において、BFIRとしてのみ使用される第2のルーティングデバイスが、その第2のルーティングデバイスの有効なBFR-IDを広告するときに、第2のルーティングデバイスは、さらに、例えば、第2の識別子等の第2のルーティングデバイスがBFIRとしてのみ使用されるということを示す識別子を広告し、それによって、BIERドメインの中に存在するとともに第2の識別子を受信するBFRは、第2の識別子に基づいて、F-BMのうちの第2のルーティングデバイスのBFR-IDに対応するビットの設定を省略して、転送効率を改善してもよい。
【0022】
ある1つの実装において、前記第2のルーティングデバイスは、前記第2のルーティングデバイスのBFR-NBRに前記第1の識別子及び前記第2の識別子を広告する。前記第2のルーティングデバイスの前記BFR-NBRは、前記第1のルーティングデバイス又は第1のBFRを含む。
【0023】
ある1つの設計において、前記第2のルーティングデバイスは、前記第1のルーティングデバイスに直接的に接続され、第2のルーティングデバイスが、第1の識別子及び第2の識別子を取得することは、前記第2のルーティングデバイスが、メッセージを生成することを含む。前記メッセージは、前記第1の識別子及び前記第2の識別子を含む。前記第2のルーティングデバイスが、第1のルーティングデバイスに前記第1の識別子及び前記第2の識別子を広告することは、前記第2のルーティングデバイスが、前記第1のルーティングデバイスに前記メッセージを公告することを含む。
【0024】
他の設計において、前記第2のルーティングデバイスは、第1のBFRを使用することによって前記第1のルーティングデバイスに接続され、第2のルーティングデバイスが、第1の識別子及び第2の識別子を取得することは、前記第2のルーティングデバイスが、メッセージを生成することを含む。前記メッセージは、前記第1の識別子及び前記第2の識別子を含む。前記第2のルーティングデバイスが、第1のルーティングデバイスに前記第1の識別子及び前記第2の識別子を広告することは、前記第2のルーティングデバイスが、前記第1のBFRに前記メッセージを公告することを含む。
【0025】
メッセージの中で第1の識別子及び第2の識別子を搬送する具体的な方式については、第1の態様における対応する内容を参照すべきである。メッセージのために使用される具体的なプロトコルについては、第1の態様の対応する内容を参照すべきである。メッセージは、BIERサブドメインの識別子をさらに含む。
【0026】
第3の態様によれば、転送エントリを処理するための装置を提供する。当該装置は、第1のルーティングデバイスに配置され、当該装置は、取得ユニット及び処理ユニットを含む。前記取得ユニットは、第2のルーティングデバイスが広告する第1の識別子及び第2の識別子を取得するように構成される。前記第1の識別子は、前記第2のルーティングデバイスが属しているBIERサブドメインの中で有効である前記第2のルーティングデバイスのBFR-IDであり、前記第2の識別子は、BFIRとしてのみ使用されていることを示すのに使用される。前記処理ユニットは、前記第2の識別子及び前記第1の識別子に基づいて、F-BMのうちの前記第1の識別子に対応するビットの設定を省略するように構成される。前記F-BMは、前記第1のルーティングデバイスの前記BIERサブドメインに対応するBIER転送エントリのすべてに含まれるF-BMである。
【0027】
ある1つの実装において、当該装置は、第1の態様のいずれかの実装を実装するように構成されるユニットをさらに含む。
【0028】
第4の態様によれば、転送エントリを処理するための装置を提供する。当該装置は、第2のルーティングデバイスに配置され、当該装置は、取得ユニット及び送信ユニットを含む。前記取得ユニットは、第1の識別子及び第2の識別子を取得するように構成される。前記第1の識別子は、前記第2のルーティングデバイスが属しているBIERサブドメインの中で有効である前記第2のルーティングデバイスのBFR-IDであり、前記第2の識別子は、BFIRとしてのみ使用されていることを示すのに使用される。前記送信ユニットは、第1のルーティングデバイスに前記第1の識別子及び前記第2の識別子を広告するように構成される。
【0029】
ある1つの実装において、当該装置は、第2の態様のいずれかの実装を実装するように構成されるユニットをさらに含む。
【0030】
第5の態様によれば、転送エントリを処理するための装置を提供する。当該装置は、プロセッサ、メモリ、バス、及び通信インターフェイスを含む。メモリは、コンピュータ実行可能な命令を格納するように構成され、プロセッサは、バスを使用することによって又は他の方式によって、メモリに通信可能に接続され、当該装置が動作するときに、プロセッサは、メモリの中に格納されているコンピュータ実行可能な命令又はプログラムコードを実行して、当該装置が、第1の態様又は第1の態様の複数の可能な実装のうちのいずれか1つにしたがった方法を実行することを可能とする。当該装置は、第1の態様又は第1の態様の複数の可能な実装のうちのいずれか1つの中で言及されている第1のルーティングデバイスであってもよい。
【0031】
第6の態様によれば、転送エントリを処理するための装置を提供する。当該装置は、プロセッサ、メモリ、バス、及び通信インターフェイスを含む。メモリは、コンピュータ実行可能な命令又はプログラムコードを格納するように構成され、プロセッサは、バスを使用することによって又は他の方式によって、メモリに通信可能に接続され、当該装置が動作するときに、プロセッサは、メモリの中に格納されているコンピュータ実行可能な命令又はプログラムコードを実行して、当該装置が、第2の態様又は第2の態様の複数の可能な実装のうちのいずれか1つにしたがった方法を実行することを可能とする。当該装置は、第2の態様又は第2の態様の複数の可能な実装のうちのいずれか1つの中で言及されている第2のルーティングデバイスであってもよい。
【0032】
第7の態様によれば、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する。当該コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、命令又はプログラムコードを含み、当該コンピュータ読み取り可能な記憶媒体がコンピュータによって実行されるときに、コンピュータが、第1の態様又は第1の態様の複数の可能な実装のうちのいずれかの1つにしたがった方法を実行することを可能とするか、或いは、コンピュータが、第2の態様又は第2の態様の複数の可能な実装のうちのいずれかの1つにしたがった方法を実行することを可能とする。
【0033】
第8の態様によれば、命令又はプログラムコードを含むコンピュータプログラム製品を提供する。当該コンピュータプログラム製品がコンピュータによって実行されるときに、コンピュータが、第1の態様又は第1の態様の複数の可能な実装のうちのいずれかの1つにしたがった方法を実行することを可能とするか、或いは、コンピュータが、第2の態様又は第2の態様の複数の可能な実装のうちのいずれかの1つにしたがった方法を実行することを可能とする。
【0034】
第9の態様によれば、転送エントリを処理するためのシステムを提供する。そのシステムは、第1の装置及び第2の装置を含む。第2の装置は、第1の識別子及び第2の識別子を取得するように構成される。第1の識別子は、第2の装置が属しているBIERサブドメインの中で有効であるその第2の装置のBFR-IDであり、第2の識別子は、BFIRとしてのみ使用されていることを示すのに使用される。第2の装置は、第1の装置に第1の識別子及び第2の識別子を広告するように構成される。第1の装置は、第2の装置が広告する第1の識別子及び第2の識別子を取得するように構成される。第1の装置は、第2の識別子及び第1の識別子に基づいて、F-BMのうちの第1の識別子に対応するビットの設定を省略するように構成される。F-BMは、第1の装置のBIERサブドメインに対応するBIER転送エントリのすべてに含まれるF-BMである。第1の装置は、第3の態様又は第5の態様にしたがった転送エントリを処理するための装置であってもよい。第2の装置は、第4の態様又は第6の態様にしたがった転送エントリを処理するための装置であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】BIERネットワークシナリオの概略的な図である。
図2】この出願の実施形態1にしたがったBIERネットワークシナリオの概略的な図である。
図3】この出願の実施形態1にしたがった転送エントリを処理するための方法のフローチャートである。
図4A】この出願のある1つの実施形態にしたがって広告されているメッセージの中に含まれるタイプ長さ値の概略的な図である。
図4B】この出願の他の実施形態にしたがって広告されているメッセージの中に含まれるタイプ長さ値の概略的な図である。
図4C】この出願のさらに別の実施形態にしたがって広告されているメッセージの中に含まれるタイプ長さ値の概略的な図である。
図5】この出願の実施形態2にしたがったBIERネットワークシナリオの概略的な図である。
図6】この出願のある1つの実施形態にしたがって転送エントリを処理するための装置の構成の概略的な図である。
図7】この出願のある1つの実施形態にしたがって転送エントリを処理するための装置の構成の概略的な図である。
図8】この出願のある1つの実施形態にしたがって転送エントリを処理するための装置の構成の概略的な図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下の記載は、複数の添付の図面を参照して、この出願の複数の実施形態を説明する。
【0037】
この出願の複数の実施形態におけるいずれかのエントリは、BFR-NBR及びそのBFR-NBRに対応するF-BMを含む。いずれかのエントリのBFR-NBRは、そのエントリが位置しているデバイスがBFR-IDが識別するデバイスに到達するためののネクストホップBFR-NBRを示すのに使用される。いずれかのエントリのF-BMは、ビット列(bit string)を含む。そのビット列のうちの1に設定されているビットは、対応するBFR-IDが割り当てられているデバイスを示す。例えば、F-BMの中に格納されているビット列0001のうちの(最下位ビットから最上位ビットへの方向の、すなわち、右から左への方向の)最初のビットは、1に設定され、BFR-IDが1であるデバイスを示す。F-BMの中に格納されているビット列0010の2番目のビットは、1に設定され、BFR-IDが2であるデバイスを示す。F-BMの中に格納されているビット列0100の3番目のビットは、1に設定され、BFR-IDが3であるデバイスを示す。F-BMの中に格納されているビット列1000の4番目のビットは、1に設定され、BFR-IDが4であるデバイスを示す。F-BMのビット列長さ(bit string length, BSL)は、64ビット、128ビット、又は256ビット等の長さであってもよく、F-BMの最大ビット列長さは、4096ビットであってもよい。この出願のそれらの複数の実施形態において、説明のために、BFR-IDの最大値が3又は4であるある1つの例を使用する。複数の実施形態のうちのいくつかにおいて、BFR-IDは、代替的に、例えば、128又は256等の他の値であってもよい。BSLが256ビットであるが、BFR-IDの値が256を超える場合には、BFR-IDが1乃至256であるデバイスをグループ分けして、セット0とするとともに、BFR-IDが257乃至512であるデバイスをグループ分けして、セット1としてもよい。セット識別子(set identifier, SI)を使用することによって、そのセットを表現してもよい。例えば、セット0は、SI=0として表されてもよく、セット1は、SI=1として表されてもよい。SI及びビット列の組み合わせは、BFR-IDに対応する。
【0038】
図2は、この出願の実施形態1にしたがったBIERネットワークシナリオの概略的な図である。図2に示されているネットワークにおいて、デバイス103は、マルチキャストソースに接続されている。そのデバイス103は、BFIRである。デバイス101に接続されるマルチキャスト受信機1及びデバイス102に接続されるマルチキャスト受信機2は、マルチキャストソースが送信するマルチキャストパケットを受信する必要がある。デバイス101及びデバイス102の双方は、BFERである。デバイス104は、デバイス101、デバイス102、及びデバイス103に接続される。デバイス104は、BFRである。デバイス101、デバイス102、デバイス103、及びデバイス104は、同じBIERサブドメイン(sub-domain)の中に存在する。例えば、それらのデバイスが属しているBIERサブドメインの識別子は、すべて0となる。デバイス101、デバイス102、及びデバイス103の各々は、それらのデバイスが属しているBIERサブドメインの中で有効であるBFR-IDによって構成される。この出願のこの実施形態の中で言及されているBIERサブドメインの中で有効であるBFR-IDは、値が0ではないBFR-IDを指す。デバイス101のBFR-IDは、1である。デバイス102のBFR-IDは、2である。デバイス103のBFR-IDは、3である。以下の記載は、図2及び図3を参照して、この出願の実施形態1にしたがって転送エントリを処理するための方法を説明する。
【0039】
S301. デバイス101は、そのデバイス101のアドレス及びBFR-IDを広告する。
【0040】
例えば、デバイス101は、IGPを使用することによって、デバイス101のIGP隣接デバイスに、そのデバイス101のアドレス及びBFR-IDを広告してもよい。図2において、デバイス104は、デバイス101のIGP隣接デバイスであり、デバイス104は、デバイス101のBFR-NBRである。デバイス101は、IGPを使用することによって、デバイス104に、デバイス101に割り当てられているBFR-ID及びデバイス101のアドレスを広告する。
【0041】
S302. デバイス102は、そのデバイス102のアドレス及びBFR-IDを広告する。
【0042】
例えば、デバイス102は、IGPを使用することによって、デバイス104等のそのデバイス102のIGP隣接デバイスに、デバイス102のアドレス及びデバイス102に割り当てられているBFR-IDを広告してもよい。デバイス104は、デバイス102のBFR-NBRである。
【0043】
S303. デバイス103は、そのデバイス103の第1の識別子、第2の識別子、及びアドレスを広告する。
【0044】
例えば、デバイス103は、IGPを使用することによって、デバイス104等のデバイス103のIGP隣接デバイスに、デバイス103の第1の識別子、第2の識別子、及びデバイス103のアドレスを広告してもよい。デバイス104は、デバイス103のBFR-NBRである。第1の識別子は、デバイス103に割り当てられている有効なBFR-IDである。第2の識別子は、BFIRとしてのみ使用されていることを示すのに使用される。bfir-onlyとして、BFIRとしてのみ使用されていることを表してもよい。第2の識別子は、広告されているメッセージの中のBIER情報の中で搬送されてもよい。例えば、デバイス103は、中間システムから中間システムへの(Intermediate System to Intermediate System, IS-IS)フラッディングによって、第3のBIER情報を広告する。第2の識別子は、リンク状態広告(link-state advertisement, LSA)等の広告されているIS-ISメッセージにおけるTLV135、TLV235、TLV236、又は、TLV237の中のBIER情報の中で搬送されてもよい。デバイス103は、そのデバイス103のIS-IS隣接デバイスにLSAを広告する。LSAは、第2の識別子を含む。複数の実施形態のうちのいくつかにおいて、LSAは、TLV135、TLV235、TLV236、又はTLV237を含み、TLV135、TLV235、TLV236、又はTLV237は、第2の識別子を含む。複数の実施形態のうちのいくつかにおいて、LSAは、第1の識別子をさらに含む。第1の識別子は、LSAのTLV135、TLV235、TLV236、又はTLV237の中で搬送されてもよく、特に、TLVの中に含まれているsub-TLVの中のBFR-idフィールドの中で搬送されてもよい。詳細については、図4A乃至図4Cの中の対応する内容を参照すべきである。以下の記載は、ある1つの例としてTLV135を使用することによって、第2の識別子を搬送する方式を説明する。具体的には、以下の方式を使用してもよい。方式1: 第2の識別子は、図4Aの中のBIER情報sub-TLVのsub-sub-TLVフィールドの中で搬送されてもよい。具体的には、Typeは、BFIRとしてのみ使用されていることを示すのに使用されてもよく、Lengthは、0である。代替的に、Typeは、属性(attribute)であり、Lengthは、Xであり、Vの中で搬送される指示情報は、BFIRとしてのみ使用されていることに対応する。例えば、Vの中で搬送される指示情報は、1であり、BFIRとしてのみ使用されていることを示す。方式2: 第2の識別子は、図4Bの中のBIER情報sub-TLVのBARフィールドの中で搬送されてもよく、値は、BARに割り当てられて、BFIRとしてのみ使用されていることを示す。例えば、BARは、128であり、BFIRとしてのみ使用されていることを示す。すなわち、BARが128であることは、デバイスの役割がbfir-onlyであるということを示す。方式1及び方式2は、サブドメイン識別子(sub-domain-id=S1)がS1であるサブドメインの中でのBFR-IDに対応するデバイスがbfir-onlyであるということを示す。方式3: 第2の識別子は、図4Cにおいて、bfir-only情報を示すのに使用されるsub-TLVの中で搬送されてもよい。具体的には、bfir-onlyは、sub-TLVの中でタイプを使用することによって表現されてもよい。方式3は、sub-domain-id=S1からsub-domain-id=Snまでの複数のサブドメインの中での対応するBFR-IDに対応するデバイスが、bfir-onlyであるということを示す。第1の識別子及び第2の識別子を受信するデバイスは、第1の識別子及び第2の識別子に基づいて、BFIRとしてのみ使用されるデバイスが、第1の識別子が識別するデバイスであるということを決定してもよい。
【0045】
S304. デバイス104は、そのデバイス104のアドレス、そのデバイス104のBFR-ID、及び受信したBIER情報を広告する。
【0046】
例えば、デバイス104は、デバイス101、デバイス102、及びデバイス103等のデバイス104のIGP隣接デバイスに第4のBIER情報を広告する。第4のBIER情報は、デバイス104のアドレス及びデバイス104のBFR-IDを含む。デバイス104のBFR-IDの値は、0である。
【0047】
デバイス104は、さらに、受信したBIER情報を公告し、受信したBIER情報の公告は、
デバイス101及びデバイス102に、デバイス103から受信した第3のBIER情報を広告するステップであって、第3のBIER情報は、デバイス103の第1の識別子、第2の識別子、及びアドレスを含む、ステップと、
デバイス101及びデバイス103に、デバイス102から受信した第2のBIER情報を広告するステップであって、第2のBIER情報は、デバイス102のアドレス及びデバイス102のBFR-IDを含む、ステップと、
デバイス102及びデバイス103に、デバイス101から受信した第1のBIER情報を広告するステップであって、第1のBIER情報は、デバイス101のアドレス及びデバイス101のBFR-IDを含む、ステップと、を含む。
【0048】
デバイス104は、各々のIGP隣接デバイスに、デバイス104のBIER情報を広告するのみならず、他のIGP隣接デバイスに、いずれかのIGP隣接デバイスから受信したBIER情報を広告する。このメカニズムは、IGPフラッディングメカニズムである。
【0049】
この出願のこの実施形態において、デバイス104、デバイス103、デバイス102、及びデバイス101が、各々のIGP隣接デバイスにそれらのBIER情報を広告し、他のIGP隣接デバイスに、いずれかのIGP隣接デバイスから受信したBIER情報を広告する際の実行順序は、限定されない。
【0050】
上記のステップにおいて、デバイス101、デバイス102、デバイス103、及びデバイス104が、IGPを使用することによって、アドレス及びBFR-IDを広告する順序は存在しない。
【0051】
S305. デバイス104は、第1の転送エントリ及び第2の転送エントリを生成する。
【0052】
例えば、デバイス104は、受信した第1のBIER情報に基づいて、BFR-IDが1であるデバイス(デバイス101)にデバイス104が到達するためのネクストホップBFR-NBRが、デバイス101であるということを決定する。デバイス104は、デバイス101のアドレス及びデバイス101のBFR-IDに基づいて、第1の転送エントリを生成する。第1の転送エントリは、第1のBFR-NBR及び第1のF-BMを含む。第1のF-BMの中に格納されているビット列のうちでデバイス101のBFR-IDに対応するビットは、1に設定される。第1のBFR-NBRは、BFR-IDが識別するデバイス(デバイス101)に、第1の転送エントリが位置しているデバイス(デバイス104)が到達するためのネクストホップBFR-NBRを示すのに使用される。第1のF-BMのビット列は、0001である。0001は、BFR-IDが1であるデバイス(デバイス101)を示す。第1のBFR-NBRは、デバイス101のアドレスである。第1の転送エントリは、BFR-IDが1であるデバイスにデバイス104が到達するためのネクストホップBFR-NBRが、デバイス101であるということを示す。デバイス104は、受信した第2のBIER情報に基づいて、BFR-IDが2であるデバイス(デバイス102)にデバイス104が到達するためのネクストホップBFR-NBRがデバイス102であるということを決定する。デバイス104は、デバイス102のアドレス及びデバイス102のBFR-IDに基づいて、第2の転送エントリを生成する。第2の転送エントリには、第2のBFR-NBR及び第2のF-BMを含む。第2のF-BMのビット列は、0010である。0010は、BFR-IDが2であるデバイス(デバイス102)を示す。第2のBFR-NBRは、デバイス102のアドレスである。第2の転送エントリは、BFR-IDが2であるデバイスにデバイス104が到達するためのネクストホップBFR-NBRが、デバイス102であるということを示す。
【0053】
例えば、デバイス104は、受信した第1識別子(デバイス103が属しているBIERサブドメインの中でのデバイス103のBFR-ID)及び第2識別子に基づいて、デバイス103がBFIRとしてのみ使用されているということを決定し、第1識別子に対応する転送エントリを生成しない。このように、デバイス103からBIERマルチキャストパケットを受信するときに、デバイス104は、通常の転送処理の場合のように、第1の識別子に対応する転送エントリに対して探索及び比較を実行する必要はなく、格納リソースを節約することが可能であるとともに、転送効率を改善することが可能である。
【0054】
S306. デバイス101は、第3の転送エントリを生成する。
【0055】
例えば、デバイス101は、受信した第4のBIER情報、第2のBIER情報、及び第3のBIER情報に基づいて、BFR-IDが2であるデバイス(デバイス102)及びBFR-IDが3であるデバイス(デバイス103)にデバイス101が到達するためのネクストホップBFR-NBRの双方が、デバイス104であるということを決定する。デバイス101は、受信した第1識別子(デバイス103が属しているBIERサブドメインの中でのデバイス103のBFR-ID)及び第2識別子に基づいて、デバイス103がBFIRとしてのみ使用されているということを決定する。デバイス101は、デバイス104のアドレス及びデバイス102のBFR-IDに基づいて、第3の転送エントリを生成する。第3の転送エントリには、第3のBFR-NBR及び第3のF-BMを含む。第3のBFR-NBRは、デバイス104のアドレスである。第3のF-BMの値は、0010である。0010は、BFR-IDが2であるデバイス(デバイス102)に対応するビットが設定されており、BFR-IDが3であるデバイス(デバイス103)に対応するビットが設定されていないということを示す。第3の転送エントリは、BFR-IDが2であるデバイス(デバイス102)にデバイス101が到達するためのネクストホップBFR-NBRが、デバイス104であるということを示す。
【0056】
S307. デバイス102は、第4の転送エントリを生成する。
【0057】
例えば、デバイス102は、受信した第4のBIER情報、第1のBIER情報、及び第3のBIER情報に基づいて、BFR-IDが1であるデバイス(デバイス101)及びBFR-IDが3であるデバイス(デバイス103)にデバイス102が到達するためのネクストホップBFR-NBRの双方が、デバイス104であるということを決定する。デバイス102は、受信した第1識別子(デバイス103が属しているBIERサブドメインの中でのデバイス103のBFR-ID)及び第2識別子に基づいて、デバイス103がBFIRとしてのみ使用されているということを決定する。デバイス102は、デバイス104のアドレス及びデバイス101のBFR-IDに基づいて、第4の転送エントリを生成する。第4の転送エントリは、第4のBFR-NBR及び第4のF-BMを含む。第4のBFR-NBRは、デバイス104のアドレスである。第4のF-BMの値は、0001である。0001は、BFR-IDが1であるデバイス(デバイス101)に対応するビットが設定されており、BFR-IDが3であるデバイス(デバイス103)に対応するビットは設定されていないということを示す。第4の転送エントリは、BFR-IDが1であるデバイス(デバイス101)にデバイス102が到達するためのネクストホップBFR-NBRが、デバイス104であるということを示す。
【0058】
S308. デバイス103は、第5の転送エントリを生成する。
【0059】
例えば、デバイス103は、受信した第4のBIER情報、第1のBIER情報、及び第2のBIER情報に基づいて、BFR-IDが1であるデバイス(デバイス101)及びBFR-IDが2であるデバイス(デバイス102)にデバイス103が到達するためのネクストホップBFR-NBRの双方が、デバイス104であるということを決定する。デバイス103は、デバイス104のアドレス、デバイス101のBFR-ID、及びデバイス102のBFR-IDに基づいて、第5の転送エントリを生成する。第5の転送エントリは、第5のBFR-NBR及び第5のF-BMを含む。第5のBFR-NBRは、デバイス104のアドレスである。第5のF-BMの値は、0011である。0011は、BFR-IDが1であるデバイス(デバイス101)に対応するビットが設定されており、BFR-IDが2であるデバイス(デバイス102)に対応するビットが設定されているということを示す。第5の転送エントリは、BFR-IDが1であるデバイス(デバイス101)及びBFR-IDが2であるデバイス(デバイス102)にデバイス103が到達するためのネクストホップBFR-NBRがデバイス104であるということを示す。
【0060】
S305乃至S308の実行順序は、S305、S306、S307、及びS308を同時に実行するか、又は、S305及びS306の前に、S307及びS308を同時に実行するか、S305の前に、S306及びS307を同時に実行するか、又は、S305の前に、S306及びS308を同時に実行するか、又は、S306の前にS307を実行するか、又は、S307の前にS308を実行するか、又は、いずれかの可能な順序決定方式を使用する、という実行順序であってもよい。この出願のこの実施形態においては、可能な実行順序の例は、1つずつは説明されない。
【0061】
図5は、この出願の実施形態2にしたがったBIERネットワークシナリオの概略的な図である。図5に示されているネットワークにおいて、デバイス204は、マルチキャストソースに接続される。デバイス204は、BFIRである。デバイス201に接続されるマルチキャスト受信機1、デバイス202に接続されるマルチキャスト受信機2、及びデバイス203に接続されるマルチキャスト受信機3は、マルチキャストソースが送信するマルチキャストパケットを受信する必要がある。デバイス201、デバイス202、及びデバイス203のすべては、BFERである。デバイス206は、デバイス201、デバイス202、デバイス203、及びデバイス205に接続される。デバイス205は、さらに、デバイス204に接続される。デバイス205及びデバイス206は、BFRである。この出願のこの実施形態において、例えば、デバイス205及びデバイス206等のBFRは、無効なBFR-IDを割り当てられる。値が0であるBFR-IDは、無効なBFR-IDの表現形態である。代替的に、無効なBFR-IDを表現するのに他の表現形態を使用してもよい。このことは、この出願のこの実施形態においては限定されない。デバイス201、デバイス202、デバイス203、及びデバイス204の各々は、デバイスが属しているBIERサブドメインの中で有効であるBFR-IDによって構成される。デバイス201のBFR-IDは、1である。デバイス202のBFR-IDは、2である。デバイス203のBFR-IDは、3である。デバイス204のBFR-IDは、4である。デバイス201、デバイス202、デバイス203、デバイス204、デバイス205、及びデバイス206は、同じBIERサブドメインに属している。以下の記載は、図5を参照して、この出願の実施形態2にしたがって転送エントリを処理する方法を説明する。
【0062】
デバイス201、デバイス202、デバイス203、デバイス204、デバイス205、及びデバイス206のうちのいずれかのデバイスは、IGPを使用することによって、そのデバイスのIGP隣接デバイスに、そのデバイスのアドレス及びBFR-IDを広告し、いずれかのIGP隣接デバイスは、さらに、IGPを使用することによって、他のデバイスの受信したアドレス及びBFR-IDを広告してもよい。複数の例は、以下のようになる。
【0063】
デバイス201は、デバイス201のIGP隣接デバイス、すなわち、デバイス206に第1のBIER情報を公告する。第1のBIER情報は、デバイス201のアドレス及びデバイス201のBFR-IDを含む。
【0064】
デバイス202は、デバイス202のIGP隣接デバイス、すなわち、デバイス206に第2のBIER情報を広告する。第2のBIER情報は、デバイス202のアドレス及びデバイス202のBFR-IDを含む。
【0065】
デバイス203は、デバイス203のIGP隣接デバイスに第3のBIER情報を広告する。第3のBIER情報は、デバイス203のアドレス及びデバイス203のBFR-IDを含む。デバイス203のIGP隣接デバイスは、デバイス205及びデバイス206を含む。
【0066】
デバイス204は、デバイス204のIGP隣接デバイス、すなわち、デバイス205に、第4のBIER情報を広告する。第4のBIER情報は、デバイス204のアドレス、第1の識別子、及び第2の識別子を含む。第1の識別子は、デバイス204のBFR-IDである。第2の識別子は、BFIRとしてのみ使用されることを示すのに使用される。
【0067】
デバイス205は、デバイス205のIGP隣接デバイスに第5のBIER情報を広告する。第5のBIER情報は、値が0であるBFR-ID及びデバイス205のアドレスを含む。デバイス205のIGP隣接デバイスは、デバイス206、デバイス203、及びデバイス204を含む。
【0068】
デバイス206は、デバイス206のIGP隣接デバイスに第6のBIER情報を広告する。第6のBIER情報は、値が0であるBFR-ID及びデバイス206のアドレスを含む。デバイス206のIGP隣接デバイスは、デバイス205、デバイス203、デバイス202、及びデバイス201を含む。
【0069】
IGP隣接デバイスからBIER情報を受信した後に、デバイス205、デバイス206、及びデバイス203は、さらに、他のIGP隣接デバイスにBIER情報を広告する。例は、以下のようになる。
【0070】
デバイス206は、デバイス205に、デバイス206が受信する第1のBIER情報、第2のBIER情報、及び第3のBIER情報を広告し、それによって、デバイス205は、例えば、第1のBIER情報、第2のBIER情報、第3のBIER情報、第4のBIER情報、及び第6のBIER情報等の他のデバイスのすべてからの情報を有する。
【0071】
デバイス205は、デバイス206に、デバイス205が受信する第4のBIER情報及び第3のBIER情報を広告し、それによって、デバイス206は、例えば、第1のBIER情報、第2のBIER情報、第3のBIER情報、第4のBIER情報、及び第5のBIER情報等の他のデバイスのすべてからの情報を有する。
【0072】
デバイスが複数のBIER情報を広告するときに、それらの複数のBIER情報は、連続的に広告されてもよく又は同時に広告されてもよい。具体的な広告方式の例は、この出願のこの実施形態においては1つずつは説明されない。上記の方式において、デバイス201、デバイス202、デバイス203、デバイス204、デバイス205、及びデバイス206の各々は、他のデバイスのアドレス及び他のデバイスのBFR-IDを取得してもよい。
【0073】
ある1つの例としてデバイス204を使用する。デバイス204は、第5のBIER情報の中の値が0であるBFR-IDに基づいて、デバイス205がBFRであるということを決定する。デバイス204は、デバイス205からの第1のBIER情報、第2のBIER情報、及び第3のBIER情報に基づいて、BFR-IDが1であるデバイス(デバイス201)、BFR-IDが2であるデバイス(デバイス202)、及びBFR-IDが3であるデバイス(デバイス203)に到達するためのネクストホップBFR-NBRが、デバイス205であるということを決定する。デバイス204は、デバイス201のBFR-ID、デバイス202のBFR-ID、デバイス203のBFR-ID、及びデバイス205のアドレスに基づいて、第1の転送エントリを生成する。第1の転送エントリの中のBFR-NBRは、デバイス205のアドレスである。第1の転送エントリの中のF-BMは、0111である。0111は、BFR-IDが1であるデバイス(デバイス201)、BFR-IDが2であるデバイス(デバイス202)、BFR-IDが3であるデバイス(デバイス203)を示す。
【0074】
ある1つの例としてデバイス205を使用する。デバイス205は、第3のBIER情報に基づいて、BFR-IDが3であるデバイス(デバイス203)にデバイス205が到達するためのネクストホップBFR-NBRが、デバイス203であるということを決定する。デバイス205は、デバイス203のアドレス及びデバイス203のBFR-IDに基づいて、第2の転送エントリを生成する。第2の転送エントリの中のBFR-NBRは、デバイス203のアドレスである。第2の転送エントリの中のF-BMは、0100である。デバイス205は、第6のBIER情報の中の値が0であるBFR-IDに基づいて、デバイス206がBFRであるということを決定する。デバイス205は、第1のBIER情報及び第2のBIER情報に基づいて、BFR-IDが2であるデバイス(デバイス202)及びBFR-IDが1であるデバイス(デバイス201)に到達するためのネクストホップBFR-NBRが、デバイス206であるということを決定する。デバイス205は、デバイス201のBFR-ID、デバイス202のBFR-ID、及びデバイス206のアドレスに基づいて、第3の転送エントリを生成する。第3の転送エントリの中のBFR-NBRは、デバイス206のアドレスである。第3の転送エントリの中のF-BMは、0011である。0011は、BFR-IDが2であるデバイス(デバイス202)及びBFR-IDが1であるデバイス(デバイス201)を示す。デバイス205は、第1の識別子(デバイス204に割り当てられるとともに、デバイス204が属しているBIERサブドメインの中で有効であるBFR-ID)及び第2の識別子に基づいて、デバイス204がBFIRとしてのみ使用される(デバイス204は、マルチキャスト受信機に接続されるBFERとしては使用されない)ということを決定する。デバイス205は、第1の識別子に対応する転送エントリを生成しない。第1の識別子に対応する転送エントリにおいて、転送エントリのF-BMの中に含まれるビット列のうちの第1の識別子に対応するビットは、0に設定される。
【0075】
ある1つの例としてデバイス206を使用する。デバイス206は、第3のBIER情報に基づいて、第4の転送エントリを生成する。第4の転送エントリの中のBFR-NBRは、デバイス203のアドレスである。第4の転送エントリの中のF-BMは、0100である。デバイス206は、第2のBIER情報に基づいて、第5の転送エントリを生成する。第5の転送エントリの中のBFR-NBRは、デバイス202のアドレスである。第5の転送エントリの中のF-BMは、0010である。デバイス206は、第1のBIER情報に基づいて、第6の転送エントリを生成する。第6転送エントリの中のBFR-NBRは、デバイス201のアドレスである。第6の転送エントリの中のF-BMは、0001である。デバイス206は、第1の識別子(デバイス204に割り当てられているとともに、デバイス204が属しているBIERサブドメインの中で有効であるBFR-ID)及び第2の識別子に基づいて、デバイス204がBFIRとしてのみ使用されているということを決定する。デバイス206は、第4のBIER情報の中に含まれている第1の識別子に対応する転送エントリを生成しない。第1の識別子に対応する転送エントリにおいて、転送エントリのF-BMの中に含まれているビット列のうちの第1の識別子に対応するビットは、0に設定される。
【0076】
ある1つの例としてデバイス201を使用する。デバイス201は、第6のBIER情報の中の値が0であるBFR-IDに基づいて、デバイス206がBFRであるということを決定する。デバイス201は、デバイス206からの第2のBIER情報及び第3のBIER情報に基づいて、BFR-IDが3であるデバイス(デバイス203)及びBFR-IDが2であるデバイス(デバイス202)に到達するためのネクストホップBFR-NBRが、デバイス206であるということを決定する。デバイス201は、デバイス202のBFR-ID、デバイス203のBFR-ID、及びデバイス206のアドレスに基づいて、第7の転送エントリを生成する。第7の転送エントリの中のBFR-NBRは、デバイス206のアドレスである。第7の転送エントリの中のF-BMは、0110である。0110は、BFR-IDが3であるデバイス(デバイス203)及びBFR-IDが2であるデバイス(デバイス202)を示す。デバイス201は、第4のBIER情報に基づいて、第4のBIER情報の中に含まれている第1の識別子が識別するデバイスに到達するためのネクストホップBFR-NBRが、デバイス206であるということを決定する。デバイス201は、第1の識別子(デバイス204に割り当てられているとともに、デバイス204が属しているBIERサブドメインの中で有効であるBFR-ID)及び第2の識別子に基づいて、デバイス204がBFIRとしてのみ使用されているということを決定する。デバイス201は、第1の識別子に対応する転送エントリを生成しない。デバイス201が第1の識別子に対応する転送エントリを生成しないということは、デバイス201が生成する第7の転送エントリの中のF-BMの中に含まれているビット列のうちの第1の識別子に対応するビットが、0に設定されるということを意味する。
【0077】
ある1つの例としてデバイス202を使用する。デバイス202は、第6のBIER情報の中の値が0であるBFR-IDに基づいて、デバイス206がBFRであるということを決定する。デバイス201は、第1のBIER情報及び第3のBIER情報に基づいて、BFR-IDが3であるデバイス(デバイス203)及びBFR-IDが1であるデバイス(デバイス201)に到達するためのネクストホップBFR-NBRが、デバイス206であるということを決定する。デバイス202は、デバイス201のBFR-ID、デバイス203のBFR-ID、及びデバイス206のアドレスに基づいて、第8の転送エントリを生成する。第8の転送エントリの中のBFR-NBRは、デバイス206のアドレスである。第8の転送エントリの中のF-BMは、0101である。0101は、BFR-IDが3であるデバイス(デバイス203)及びBFR-IDが1であるデバイス(デバイス201)を示す。デバイス202は、第4のBIER情報に基づいて、第1の識別子が識別するデバイスに到達するためのネクストホップBFR-NBRが、デバイス206であるということを決定する。デバイス202は、第1の識別子(デバイス204に割り当てられているとともに、デバイス204が属しているBIERサブドメインの中で有効であるBFR-ID)及び第2の識別子に基づいて、デバイス204がBFIRとしてのみ使用されているということを決定する。デバイス202は、第1の識別子に対応する転送エントリを生成しない。デバイス202が第1の識別子に対応する転送エントリを生成しないことは、デバイス202が生成する第8の転送エントリの中のF-BMの中に含まれているビット列のうちの第1の識別子に対応するビットが、0に設定されるということを意味する。
【0078】
ある1つの例としてデバイス203を使用する。デバイス203は、第6のBIER情報の中の値が0であるBFR-ID及び第5のBIER情報の中の値が0であるBFR-IDに基づいて、デバイス205及びデバイス206がBFRであるということを決定する。デバイス203は、デバイス201のBFR-ID、デバイス202のBFR-ID、及びデバイス206のアドレスに基づいて、第9の転送エントリを生成する。第9の転送エントリの中のBFR-NBRは、デバイス206のアドレスである。第9の転送エントリの中のF-BMは、0011である。0011は、BFR-IDが2であるデバイス(デバイス202)及びBFR-IDが1であるデバイス(デバイス201)を示す。デバイス203は、第1の識別子(デバイス204に割り当てられているとともに、デバイス204が属しているBIERサブドメインの中で有効であるBFR-ID)及び第2の識別子に基づいて、デバイス204がBFIRとしてのみ使用されているということを決定する。デバイス203は、第1の識別子に対応する転送エントリを生成しない。デバイス203が第1の識別子に対応する転送エントリを生成しないことは、デバイス203が生成する第9の転送エントリの中のF-BMの中に含まれているビット列のうちの第1の識別子に対応するビットが、0に設定されるということを意味する。
【0079】
第1の転送エントリから第9の転送エントリは、BIERマルチキャストパケットを転送するのに使用される。以下の記載は、上記の転送エントリを参照して、BIERマルチキャストパケットを転送するプロセスを説明する。
【0080】
ある1つの例としてデバイス204を使用する。デバイス204は、マルチキャストソースからマルチキャストパケットを受信する。デバイス204は、あらかじめ設定されている対応関係に基づいて、ビット列0111を取得するとともに、マルチキャストパケットの中に含まれているマルチキャストソースアドレス及びマルチキャストグループアドレスを取得する。その対応関係は、マルチキャストグループアドレス、マルチキャストソースアドレス、及びビット列0111を含む。ビット列0111は、BFR-IDが1であるデバイス、BFR-IDが2であるデバイス、及びBFR-IDが3であるデバイスに対応する。その対応関係は、ビット列に対応するデバイスに接続されているマルチキャスト受信機が、マルチキャストグループアドレスが識別するマルチキャストグループに属し、ビット列に対応するデバイスが、マルチキャストソースアドレスに対応するマルチキャストソースが送信するマルチキャストパケットを受信するということを示す。デバイス204は、ビット列及びマルチキャストパケットに基づいて、第1のBIERマルチキャストパケットを取得する。第1のBIERマルチキャストパケットの中に含まれるビット列は、0111であり、BFR-IDが1であるデバイス、BFR-IDが2のデバイス、及びBFR-IDが3のデバイスに、BIERマルチキャストパケットを転送する必要があるということを示す。デバイス204は、第1のBIERマルチキャストパケットの中のビット列及び第1の転送エントリに基づいて、BFR-NBRとして使用されるデバイス205に、第1のBIERマルチキャストパケットを送信することを決定する。デバイス204は、第1のBIERマルチキャストパケットの中のビット列及び第1の転送エントリの中のF-BMに対して、AND(AND)演算を実行し、結果は、0にはならない。この場合には、デバイス204は、第1の転送エントリの中のBFR-NBRに基づいて、デバイス205に第1のBIERマルチキャストパケットを送信する。
【0081】
ある1つの例としてデバイス205を使用する。デバイス205は、受信した第1のBIERマルチキャストパケットの中のビット列、第2の転送エントリ、及び第3の転送エントリに基づいて、BFR-NBRとして使用されるデバイス206及びデバイス203に、マルチキャストパケットを転送することを決定する。デバイス205は、第1のBIERマルチキャストパケットの中のビット列及び第2の転送エントリの中のF-BMに対してAND(AND)演算を実行し、そして、値が0100である第1のビット列を取得する。デバイス205は、第1のビット列によって第1のBIERマルチキャストパケットの中のビット列を置き換えて、第2のBIERマルチキャストパケットを取得する。デバイス205は、第2の転送エントリの中のBFR-NBRに基づいて、デバイス203に第2のBIERマルチキャストパケットを送信する。デバイス205は、第1のBIERマルチキャストパケットの中のビット列及び第3の転送エントリの中のF-BMに対してAND演算を実行し、そして、値が0011である第2のビット列を取得する。デバイス205は、第2のビット列によって第1のBIERマルチキャストパケットの中のビット列を置き換えて、第3のBIERマルチキャストパケットを取得する。デバイス205は、第3の転送エントリの中のBFR-NBRに基づいて、デバイス206に第3のBIERマルチキャストパケットを送信する。
【0082】
ある1つの例としてデバイス203を使用する。デバイス203は、第2のBIERマルチキャストパケットの中の第1のビット列に基づいて、第2のBIERマルチキャストパケットがデバイス203に送信されるということを決定する(第1のビット列のうちのデバイス203が属しているBIERサブドメインの中で有効であるデバイス203のBFR-IDに対応するビットを1に設定する)。デバイス203は、第2のBIERマルチキャストパケットを非カプセル化して、マルチキャストパケットを取得し、そして、マルチキャスト受信機3にそのマルチキャストパケットを送信してもよい。デバイス203は、第1のビット列及び第9の転送エントリの中のF-BMに基づいて、AND演算を実行し、そして、値が0000であるビット列を取得する。この場合には、デバイス203は、第9の転送エントリの中のBFR-NBRに基づいて、転送動作を実行しない。
【0083】
ある1つの例としてデバイス206を使用する。デバイス206は、受信した第3のBIERマルチキャストパケットの中の第2のビット列、第5の転送エントリ、及び第6の転送エントリに基づいて、デバイス201及びデバイス202にマルチキャストパケットを転送することを決定する。デバイス206は、第3のBIERマルチキャストパケットの中の第2のビット列及び第4の転送エントリの中のF-BMに対してAND(AND)演算を実行し、そして、値が0000であるビット列を取得する。デバイス206は、第4の転送エントリの中のBFR-NBRが示すデバイスにBIERマルチキャストパケットを送信しない。デバイス206は、第3のBIERマルチキャストパケットの中の第2のビット列及び第5の転送エントリの中のF-BMに対して、AND(AND)演算を実行し、そして、値が0010である第3のビット列を取得する。デバイス206は、第3のビット列によって、第3のBIERマルチキャストパケットの中の第2のビット列を置き換えて、第4のBIERマルチキャストパケットを取得する。デバイス206は、第5の転送エントリの中のBFR-NBRに基づいて、デバイス202に第4のBIERマルチキャストパケットを送信する。デバイス206は、第3のBIERマルチキャストパケットの中の第2のビット列及び第6のエントリの中のF-BMに対してAND演算を実行し、そして、値が0001である第4のビット列を取得する。デバイス206は、第4のビット列によって第3のBIERマルチキャストパケットの中の第2のビット列を置き換えて、第5のBIERマルチキャストパケットを取得する。デバイス206は、第6エントリの中のBFR-NBRに基づいて、デバイス201に第5のBIERマルチキャストパケットを送信する。
【0084】
ある1つの例としてデバイス201を使用する。デバイス201は、第5のBIERマルチキャストパケットの中の第4のビット列に基づいて、第5のBIERマルチキャストパケットがデバイス201に送信されるということを決定する(第4のビット列のうちのデバイス201が属しているBIERサブドメインの中で有効であるデバイス201のBFR-IDに対応するビットを1に設定する)。デバイス201は、第5のBIERマルチキャストパケットを非カプセル化して、マルチキャストパケットを取得し、そして、マルチキャスト受信機1にそのマルチキャストパケットを送信してもよい。デバイス201は、第4のビット列及び第7の転送エントリの中のF-BMに基づいて、AND演算を実行し、そして、値が0000であるビット列を取得する。この場合には、デバイス201は、第7の転送エントリの中のBFR-NBRが示すデバイスにBIERマルチキャストパケットを送信しない。
【0085】
ある1つの例としてデバイス202を使用する。デバイス202は、第4のBIERマルチキャストパケットの中の第3のビット列に基づいて、第4のBIERマルチキャストパケットがデバイス202に送信されるということを決定する(第3のビット列のうちのデバイス202が属しているBIERサブドメインの中で有効であるデバイス202のBFR-IDに対応するビットを1に設定する)。デバイス202は、第4のBIERマルチキャストパケットを非カプセル化して、マルチキャストパケットを取得し、そして、マルチキャスト受信機2にそのマルチキャストパケットを送信してもよい。デバイス202は、第3のビット列及び第8の転送エントリの中のF-BMに基づいてAND演算を実行し、そして、値が0000であるビット列を取得する。この場合には、デバイス202は、第8の転送エントリの中のBFR-NBRが示すデバイスに、BIERマルチキャストパケットを送信しない。
【0086】
この出願の実施例2によって提供される方法において、デバイス205及びデバイス206は、デバイス204のBFR-IDに対応する転送エントリを生成しない。このように、BIERマルチキャストパケットを転送するときに、デバイス205及びデバイス206は、テーブルを探索するか又はAND演算を実行して、デバイス204にBIERマルチキャストパケットを送信するべきであるか否かを決定する必要はなく、このことは、記憶空間を節約するとともに、転送効率を改善する。
【0087】
選択的に、IGP又はBGPを使用することによって広告されるBIER情報は、BFIRとしてのみ使用されているデバイスが属しているBIERサブドメインの識別子をさらに含む。
【0088】
この出願のこの実施形態において、BIERドメインは、IGP又はBGPを使用することによってBIER情報を広告することが可能であり、BIERマルチキャストパケットを転送するのに使用される転送エントリを生成することが可能であるネットワーク領域を指す。自律システム(autonomous system, AS)ドメインの中でIGPを展開し、そして、BIER情報を広告する場合に、そのASドメインは、BIERドメインとなる。複数のASドメインを有するネットワークにおいて、異なるASドメインの中でIGPを展開し、そして、BIER情報を広告することが可能であるが、それらのASドメインの間で、BGPは展開される一方で、BIER情報は、広告されない。この場合には、それらの複数のASドメインは、複数の異なるBIERドメインとなる。BIER、BFR、BFIR、BIERドメイン、及びBIERサブドメインの意味についての詳細については、IETF RFC 8279を参照すべきである。ある1つのBIERドメインは、1つ又は複数のサブドメインを含む。あるBIERドメインが複数のサブドメインを含む場合に、そのBIERドメインの中の各々のBFRは、1つ又は複数のサブドメイン識別子によって構成される。ある1つのBFRが、例えば、第1のBIERサブドメイン及び第2のBIERサブドメイン等の複数の異なるBIERサブドメインに属する場合に、その第1のBIERサブドメインの中で有効であるBFRのBFR-IDは、第2のBIERサブドメインの中で有効であるBFRのBFR-IDと同じであってもよく又は異なっていてもよい。上記の実施形態におけるIGPフラッディングは、具体的には、IS-ISフラッディング又はオープン最短経路ファースト(Open Shortest Path First, OSPF)フラッディングであってもよい。IS-ISフラッディング又はOSPFフラッディングにしたがうメッセージは、LSAであってもよい。BFIR及びBFERが複数の異なるASドメインの中に存在する場合に、BGPフラッディングを実行してもよい。
【0089】
図6は、この出願のある1つの実施形態にしたがって転送エントリを処理するための装置の構成の概略的な図である。図6に対応する実施形態によって提供される装置600は、論理的な構成の観点から説明され、第1のルーティングデバイスに配置されてもよい。第1のルーティングデバイスは、実施形態1におけるデバイス103以外のデバイスであってもよく、又は、実施形態2のデバイス204以外のデバイスであってもよい。図6に対応する実施形態の第2のルーティングデバイスは、実施形態1におけるデバイス103又は実施形態2におけるデバイス204であってもよい。以下の記載は、図6を参照して、この出願のこの実施形態によって提供される装置の構成を説明する。
【0090】
装置600は、取得ユニット601及び処理ユニット602を含む。取得ユニット601は、第2のルーティングデバイスが広告する第1の識別子及び第2の識別子を取得するように構成される。第1の識別子は、第2のルーティングデバイスが属しているBIERサブドメインの中で有効である第2のルーティングデバイスのBFR-IDである。第2の識別子は、BFIRとしてのみ使用されていることを示すのに使用される。処理ユニット602は、第2の識別子及び第1の識別子に基づいて、転送ビットマスクF-BMのうちの第1の識別子に対応するビットの設定を省略するように構成される。F-BMは、第1のルーティングデバイスのBIERサブドメインに対応するBIER転送エントリのすべてに含まれるF-BMである。
【0091】
ある1つの方式において、第1のルーティングデバイスは、第2のルーティングデバイスに直接的に接続され、取得ユニット601は、特に、第2のルーティングデバイスが広告するメッセージを受信するように構成される。メッセージは、第1の識別子及び第2の識別子を含む。処理ユニット602は、特に、第1の識別子及び第2の識別子に基づいて、第1のBIER転送エントリの生成を省略するように構成される。第1のBIER転送エントリは、第1の識別子が識別するデバイスに第1のルーティングデバイスが到達するためのネクストホップビット転送ルータ隣接デバイスBFR-NBRが、第2のルーティングデバイスであるということを示す。第2の識別子に基づいて、第2のルーティングデバイスがBFIRとしてのみ使用されているということを決定した後に、処理ユニット602は、ビット列0000を取得する、すなわち、第2のルーティングデバイスのBFR-IDに対応するビットは、設定されない。第1のルーティングデバイスは、ビット列が0000であるBIER転送エントリを含まない、すなわち、第1のBIER転送エントリは、生成されず、このことは、記憶スペースの節約に役立つとともに、転送効率の改善に役立つ。
【0092】
他の方式において、第1のルーティングデバイスは、第1のBFRを使用することによって第2のルーティングデバイスに直接的に接続され、取得ユニット601は、特に、第1のBFRが広告するメッセージを受信するように構成される。メッセージは、第1の識別子及び第2の識別子を含む。第1のBFRが、第1のルーティングデバイスが第2のルーティングデバイスに到達するためのネクストホップBFR-NBRであるときに、処理ユニット602は、特に、第1の識別子及び第2の識別子に基づいて、第1のBIER転送エントリの生成を省略するように構成される。第1のBIER転送エントリは、第1のルーティングデバイスが第2のルーティングデバイスに到達するためのネクストホップBFR-NBRが、第1のBFRであるということを示す。第1のBFRが、第1のルーティングデバイスが第2のルーティングデバイス及び少なくとも1つのBFERに到達するためのネクストホップBFR-NBRであるときに、処理ユニット602は、特に、第1の識別子及び第2の識別子に基づいて、第2のBIER転送エントリのF-BMのうちの第1の識別子に対応するビットの設定を省略するように構成される。第2のBIER転送エントリは、第1のルーティングデバイスがBFER及び第2のルーティングデバイスに到達するためのネクストホップBFR-NBRが、第1のBFRであるということを示す。
【0093】
例えば、ある1つの実装において、メッセージは、BIER情報を搬送するのに使用されるsub-TLVを含み、sub-TLVは、第1の識別子を搬送するのに使用されるフィールド及びBARフィールドを含み、BARは、第2の識別子を搬送するのに使用される。他の実装において、メッセージは、BIER情報を搬送するのに使用されるsub-TLVを含み、sub-TLVは、第1の識別子を搬送するのに使用されるフィールド及びsub-sub-TLVフィールドを含み、sub-sub-TLVは、第2の識別子を搬送するのに使用される。さらに別の実装において、メッセージは、第1の識別子を搬送するのに使用されるサブタイプ長さ値sub-TLV及び第2の識別子を搬送するのに使用されるsub-TLVを含む。選択的に、メッセージは、BIERサブドメインの識別子をさらに含む。ある1つのBFRが、例えば、第1のBIERサブドメイン及び第2のBIERサブドメイン等の複数のBIERサブドメインに属している場合には、第1のBIERサブドメインの中で有効であるBFRのBFR-IDは、第2のBIERサブドメインの中で有効であるBFRのBFR-IDとは異なる。
【0094】
例えば、装置600が、実施形態1におけるデバイス104であるときに、処理ユニット602は、装置600が、実施形態1におけるS304及びS305を実行するのを支援するように構成される。装置600が、実施形態1におけるデバイス101であるときに、処理ユニット602は、装置600が、実施形態1におけるS306を実行するのを支援するように構成される。装置600が、実施形態1におけるデバイス102であるときに、処理ユニット602は、装置600が、実施形態1におけるS307を実行するのを支援するように構成される。
【0095】
図7は、この出願のある1つの実施形態にしたがって転送エントリを処理するための装置の構成の概略的な図である。図7に対応するその実施形態によって提供される装置700は、論理的な構成の観点から説明され、第2のルーティングデバイスに配置されてもよい。第2のルーティングデバイスは、実施形態1におけるデバイス103であってもよく又は実施形態2におけるデバイス204であってもよい。図7に対応するその実施形態における第1のルーティングデバイスは、実施形態1におけるデバイス103以外のデバイスであってもよく又は実施形態2におけるデバイス204以外のデバイスであってもよい。以下の記載は、図7を参照して、この出願のこの実施形態によって提供される装置構成を説明する。
【0096】
装置700は、取得ユニット701及び送信ユニット702を含む。取得ユニット701は、第1の識別子及び第2の識別子を取得するように構成される。第1の識別子は、第2のルーティングデバイスが属しているBIERサブドメインの中で有効である第2のルーティングデバイスのBFR-IDである。第2の識別子は、BFIRとしてのみ使用されていることを示すのに使用される。送信ユニット702は、第1のルーティングデバイスに第1の識別子及び第2の識別子を広告するように構成される。このように、第2の識別子及び第1の識別子を受信するルーティングデバイスは、第2の識別子に基づいて、ビット列のうちの第1の識別子に対応するビットの設定を省略してもよく、このことは、転送効率の改善に役立つとともに、ネットワークリソースの節約に役立つ。
【0097】
例えば、ある1つの実装において、第2のルーティングデバイスは、第1のルーティングデバイスに直接的に接続され、取得ユニット701は、特に、メッセージを生成するように構成される。メッセージは、第1の識別子及び第2の識別子を含む。送信ユニット702は、特に、第1のルーティングデバイスにメッセージを公告するように構成される。他の実装において、第2のルーティングデバイスは、第1のBFRを使用することによって第1のルーティングデバイスに接続され、取得ユニット701は、特に、メッセージを生成するように構成される。メッセージは、第1の識別子及び第2の識別子を含む。送信ユニット702は、特に、第1のBFRに、生成されたメッセージを公告するように構成される。
【0098】
例えば、ある1つの実装において、メッセージは、BIER情報を搬送するのに使用されるsub-TLVを含み、sub-TLVは、第1の識別子を搬送するのに使用されるフィールド及びBARフィールドを含み、BARは、第2の識別子を搬送するのに使用される。他の実装において、メッセージは、BIER情報を搬送するのに使用されるsub-TLVを含み、sub-TLVは、第1の識別子を搬送するのに使用されるフィールド及びsub-sub-TLVフィールドを含み、sub-sub-TLVは、第2の識別子を搬送するのに使用される。さらに別の実装において、メッセージは、第2の識別子を搬送するのに使用されるsub-TLV及び第1の識別子を搬送するのに使用されるsub-TLVを含む。選択的に、メッセージは、BIERサブドメインの識別子をさらに含む。ある1つのBFRが、例えば、第1のBIERサブドメイン及び第2のBIERサブドメイン等の複数のBIERサブドメインに属している場合に、第1のBIERサブドメインの中で有効であるBFRのBFR-IDは、第2のBIERサブドメインの中で有効であるBFRのBFR-IDとは異なる。
【0099】
例えば、装置700が実施形態1におけるデバイス103であるときに、送信ユニット702は、装置700が、実施形態1におけるS303を実行するのを支援するように構成される。
【0100】
図8は、この出願のある1つの実施形態にしたがって転送エントリを処理するための装置の構成の概略的な図である。図8に対応するその実施形態によって提供される装置800は、図6に対応する実施形態によって提供される装置600であってもよく、又は、図7に対応する実施形態によって提供される装置700であってもよい。図8に対応する実施形態によって提供される装置800は、ハードウェア構成の観点から説明される。装置800が装置600であるときに、装置800は、実施形態1におけるデバイス103以外の装置の機能を実装してもよく、又は、実施形態2におけるデバイス204以外のデバイスの機能を実装してもよい。装置800が装置700であるときに、装置800は、実施形態1におけるデバイス103の機能を実装してもよく、又は、実施形態2におけるデバイス204の機能を実装してもよい。装置800は、プロセッサ801、メモリ802、通信バス804、及び通信インターフェイス803を含む。プロセッサ801、メモリ802、及び通信インターフェイス803は、通信バス804を使用することによって接続される。メモリ802は、プログラムを格納するように構成される。装置800が装置600であるときに、プロセッサ801は、メモリ802から読み出されるプログラムの中に含まれる複数の実行可能な命令にしたがって、実施形態1におけるデバイス103以外のデバイスが実行する方法又は実施形態2におけるデバイス204以外のデバイスが実行する方法を実行する。プロセッサ801は、通信インターフェイス803を使用することによって、第2のルーティングデバイス、すなわち、実施形態1におけるデバイス103又は実施形態2におけるデバイス204との間で交渉及び通信を実行してもよい。装置800が装置700であるときに、プロセッサ801は、メモリ802から読み出されるプログラムの中に含まれる複数の実行可能な命令にしたがって、実施形態1におけるデバイス103が実行する方法又は実施形態2におけるデバイス204が実行する方法を実行する。プロセッサ801は、通信インターフェイス803を使用することによって、第1のルーティングデバイス、すなわち、実施形態1におけるデバイス103以外のデバイス又は実施形態2におけるデバイス204以外のデバイスとの間で交渉及び通信を実行してもよい。
【0101】
装置800が装置600であるときに、通信インターフェイス803は、装置800が、実施形態1におけるS301、S302、又はS304を実行するのを支援するように構成される。装置800が装置700であるときに、通信インターフェイス803は、さらに、装置800が、実施形態1におけるS303を実行するのを支援するように構成される。プログラムコード及びデータの格納に加えて、メモリ802は、さらに、実施形態1又は実施形態2におけるBIER転送エントリをバッファリングするように構成される。
【0102】
この出願のある1つの実施形態は、転送エントリを処理するためのシステムを提供する。そのシステムは、第1のルーティングデバイス及び第2のルーティングデバイスを含む。装置600又は装置800は、第1のルーティングデバイスに配置されてもよい。装置700又は装置800は、第2のルーティングデバイスに配置されてもよい。第1のルーティングデバイスは、実施形態1におけるデバイス103以外のデバイスが実行する動作又は実施形態2におけるデバイス204以外のデバイスが実行する動作を実行してもよい。第2のルーティングデバイスは、実施形態1におけるデバイス103が実行する動作又は実施形態2におけるデバイス204が実行する動作を実行してもよい。
【0103】
この出願の実施形態において言及されている汎用プロセッサは、マイクロプロセッサであってもよく、又は、プロセッサは、いずれかの従来のプロセッサであってもよい。本発明の複数の実施形態を参照して開示されている方法の複数のステップは、そのプロセッサの中のハードウェア及びソフトウェアモジュールの組み合わせを使用することによって直接的に実装されてもよい。ソフトウェアを使用することによってその方法を実装するときに、上記の複数の機能を実装するコードは、コンピュータ読み取り可能な媒体の中に格納されていてもよい。コンピュータ読み取り可能な媒体は、コンピュータ記憶媒体を含む。記憶媒体は、コンピュータにアクセス可能ないずれかの利用可能な媒体であってもよい。これらには限定されないが、ある1つの例として、以下の媒体を使用する。コンピュータ読み取り可能な媒体は、ランダムアクセスメモリ(英文正式名称: random access memory, 略称: RAM)、読み取り専用メモリ(英文正式名称: read-only memory, 略称: ROM)、電気的に消去可能な且つプログラム可能な読み取り専用メモリ(英文正式名称: electrically erasable programmable read-only memory, 略称: EEPROM)、コンパクトディスク読み取り専用メモリ(英文正式名称: compact disc read-only memory, 略称: CD-ROM)、又は他の光ディスクメモリ、磁気ディスク記憶媒体、又は、コマンドの形態又はデータ構造の形態で、期待されるプログラムコードを搬送し又は格納するのに使用することが可能であり、且つ、コンピュータがアクセスすることが可能であるいずれかの他の媒体であってもよい。コンピュータ読み取り可能な媒体は、コンパクトディスク(英文正式名称: compact disc, 略称: CD)、レーザーディスク、ディジタルビデオディスク(英文正式名称: digital video disc, 略称: DVD)、フロッピーディスク、又はブルーレイディスクであってもよい。
【0104】
本明細書の中の複数の実施形態のすべては、漸進的な方式によって説明され、実施形態の中の同じ部分又は同様の部分については、これらの実施形態を参照すべきである。各々の実施形態は、他の実施形態との差異に焦点を当てている。特に、システムの実施形態は、基本的に、方法の実施形態と同様であり、したがって、簡潔に説明される。関連する部分については、その方法の実施形態の説明を参照すべきである。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5
図6
図7
図8