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特許7385044NRにおけるマルチキャストのためのハイブリッド自動再送要求(HARQ)機構
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-13
(45)【発行日】2023-11-21
(54)【発明の名称】NRにおけるマルチキャストのためのハイブリッド自動再送要求(HARQ)機構
(51)【国際特許分類】
   H04W 28/04 20090101AFI20231114BHJP
   H04W 4/06 20090101ALI20231114BHJP
【FI】
H04W28/04 110
H04W4/06
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2022538411
(86)(22)【出願日】2020-12-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-06
(86)【国際出願番号】 SE2020051237
(87)【国際公開番号】W WO2021133238
(87)【国際公開日】2021-07-01
【審査請求日】2022-09-06
(31)【優先権主張番号】62/953,254
(32)【優先日】2019-12-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】598036300
【氏名又は名称】テレフオンアクチーボラゲット エルエム エリクソン(パブル)
(74)【代理人】
【識別番号】100109726
【弁理士】
【氏名又は名称】園田 吉隆
(74)【代理人】
【識別番号】100161470
【弁理士】
【氏名又は名称】冨樫 義孝
(74)【代理人】
【識別番号】100194294
【弁理士】
【氏名又は名称】石岡 利康
(74)【代理人】
【識別番号】100194320
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 亮
(74)【代理人】
【識別番号】100150670
【弁理士】
【氏名又は名称】小梶 晴美
(72)【発明者】
【氏名】スタレ, エリク
(72)【発明者】
【氏名】レオン カルボ, ホセ アンヘル
(72)【発明者】
【氏名】フシュケ, イェルク
(72)【発明者】
【氏名】パルクヴァル, ステファン
(72)【発明者】
【氏名】ムンガラ, ラテーシュ クマール
(72)【発明者】
【氏名】フォルケ, マッツ
【審査官】望月 章俊
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/121567(WO,A1)
【文献】特表2010-516188(JP,A)
【文献】MediaTek Inc.,Multiple HARQ procedures and intra-UE UCI prioritization[online],3GPP TSG RAN WG1 #96b R1-1904504,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_96b/Docs/R1-1904504.zip>,2019年04月03日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W4/00-H04W99/00
H04B7/24-H04B7/26
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線アクセスネットワークRAN内のネットワークノードからのマルチキャスト送信に関するハイブリッドARQ(HARQ)フィードバックのために、ユーザ機器(UE)によって実行される方法であって、
前記ネットワークノードから、前記UEに関連付けられた第1のマルチキャスト送信をスケジューリングする第1のダウンリンク制御情報(DCI)を受信すること(720)と、
前記第1のDCIと、前記第1のDCI以前に前記ネットワークノードから受信した無線リソース制御(RRC)メッセージとのうちの1つまたは複数に基づいて、前記第1のマルチキャスト送信に関するHARQフィードバックモードを判定すること(730)と、
前記第1のDCIに基づいて、前記第1のマルチキャスト送信の復号を試行すること(740)と、
前記判定されたHARQフィードバックモードと、前記復号の試行の成否とに基づいて、前記ネットワークノードに、前記第1のマルチキャスト送信に関するHARQフィードバックを選択的に送信すること(750)と、
を含み、
前記第1のDCIまたは前記RRCメッセージに含まれるフィールドが、
HARQフィードバックは送信されるべきではないと指示する第1の値、および
HARQフィードバックが送信されるべきであると指示する第2の値
を有する、方法。
【請求項2】
前記第2の値が、肯定応答(ACK)と否定応答(NACK)との両方が送信されるべきであると指示し、
前記フィールドが、NACKのみが送信されるべきであると指示する第3の値を含む、
請求項に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のDCIが、前記UEに関連付けられた識別子によってスクランブルをかけられる、前記第1のDCIのペイロードの巡回冗長検査(CRC)を含み、
前記識別子が、前記第1のマルチキャスト送信に関する前記HARQフィードバックモードを指示する、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記RRCメッセージが、グループに固有の1つまたは複数の識別子を備える設定情報を含み、各識別子が、
前記UEを含む1つまたは複数のUEのグループ、および
前記ネットワークノードからのマルチキャスト送信に関するHARQフィードバックモード
のうちの少なくとも1つに関連する、請求項に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のマルチキャスト送信に関する前記HARQフィードバックモードを判定すること(730)が、
UEに固有の識別子である前記識別子に基づいて、HARQフィードバックが送信されるべきであると判定すること(731)と、
前記グループに固有の識別子のうちの1つである前記識別子に基づいて、HARQフィードバックが送信されるべきではないと判定すること(732)と
を含む、請求項に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のマルチキャスト送信に関する前記HARQフィードバックモードを判定すること(730)が、
前記グループに固有の識別子のうちの第1のものである前記識別子に基づいて、HARQフィードバックが第1のモードによって送信されるべきであると判定すること(733)と、
前記グループに固有の識別子のうちの第2のものである前記識別子に基づいて、HARQフィードバックが前記第1のモードとは異なる第2のモードによって送信されるべきであると判定すること(734)と
を含む、請求項に記載の方法。
【請求項7】
HARQフィードバックを選択的に送信すること(750)が、
前記判定されたHARQフィードバックモードが、HARQフィードバックは送信されるべきではないというものであること、
前記復号の試行が成功し、前記判定されたHARQフィードバックモードが、否定応答(NACK)のみ送信されるべきというものであること、および
前記復号の試行が成功せず、前記判定されたHARQフィードバックモードが、肯定応答(ACK)のみ送信されるべきというものであること、
の各々に応答して、HARQフィードバックの送信を控えること(751)を含む、請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記ネットワークノードにHARQフィードバックを選択的に送信すること(750)が、前記復号の試行が不成功であったことと、前記判定されたHARQフィードバックモードが、NACKのみ送信されるべきというものであることとに基づいて否定応答(NACK)を送信すること(752)を含み、
前記NACKが、前記UEを含んでいるマルチキャストグループに共通のインジケータおよびアップリンクリソースを使用して送信される、
請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
ユーザ機器(UE)のグループへのマルチキャスト送信に関してハイブリッドARQ(HARQ)フィードバックを管理するために無線アクセスネットワーク(RAN)内のネットワークノードによって実行される方法であって、
UEのグループに関連付けられた第1のマルチキャスト送信をスケジューリングする第1のダウンリンク制御情報(DCI)を送信すること(810)と、
前記第1のDCIと、前記第1のDCI以前に前記グループのUEに送信された、それぞれの無線リソース制御(RRC)メッセージとのうちの1つまたは複数によって、少なくとも前記第1のマルチキャスト送信に関するHARQフィードバックモードを指示すること(820)と、
前記第1のDCIに従って前記第1のマルチキャスト送信を送信すること(830)と、
前記指示されたHARQフィードバックモードに基づいて、前記グループの前記UEのうちの1つまたは複数からの前記第1のマルチキャスト送信に関連したHARQフィードバックを選択的に監視すること(840)と
を含み、
前記第1のDCIまたは前記RRCメッセージに含まれるフィールドが、
HARQフィードバックは送信されるべきではないと指示する第1の値、および
HARQフィードバックが送信されるべきであると指示する第2の値
を有する、方法。
【請求項10】
前記第2の値が、肯定応答(ACK)と否定応答(NACK)との両方が送信されるべきであると指示し、
前記フィールドが、NACKのみが送信されるべきであると指示する第3の値を含む、
請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記第1のDCIが、前記UEのうちの1つまたは複数に関連付けられた識別子によってスクランブルをかけられる、前記第1のDCIのペイロードの巡回冗長検査(CRC)を含み、
前記識別子が、前記第1のマルチキャスト送信に関する前記HARQフィードバックモードを指示する、
請求項に記載の方法。
【請求項12】
前記RRCメッセージが、グループに固有の1つまたは複数の識別子を備える設定情報を含み、各識別子が、
1つまたは複数のUEのグループ、および
前記ネットワークノードからのマルチキャスト送信に関するHARQフィードバックモードのうちの少なくとも1つに関連する、
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
UEに固有の識別子である前記識別子が、HARQフィードバックが送信されるべきであると指示し、
前記グループに固有の識別子のうちの1つである前記識別子が、HARQフィードバックが送信されるべきではないと指示する、
請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記グループに固有の識別子のうち第1のものである前記識別子が、HARQフィードバックが第1のモードによって送信されるべきであると指示し、
前記グループに固有の識別子のうち第2のものである前記識別子が、HARQフィードバックが前記第1のモードとは異なる第2のモードによって送信されるべきであると指示する、
請求項12に記載の方法。
【請求項15】
無線アクセスネットワーク(RAN)(100、399、1130)内のネットワークノード(105、110、112、300、350、1000)からのマルチキャスト送信に関するハイブリッドARQ(HARQ)フィードバック用に設定されたユーザ機器(UE)(120、900、1110)であって、
前記ネットワークノードから、前記UEに関連付けられた第1のマルチキャスト送信をスケジューリングする第1のダウンリンク制御情報(DCI)を受信し、
前記第1のDCIと、前記第1のDCI以前に前記ネットワークノードから受信した無線リソース制御(RRC)メッセージとのうちの1つまたは複数に基づいて、前記第1のマルチキャスト送信に関するHARQフィードバックモードを判定し、
前記第1のDCIに基づいて、前記第1のマルチキャスト送信の復号を試行して、
前記判定されたHARQフィードバックモードと、前記復号の試行の成否とに基づいて、前記ネットワークノードに、前記第1のマルチキャスト送信に関するHARQフィードバックを選択的に送信するようにさらに設定され
前記第1のDCIまたは前記RRCメッセージに含まれるフィールドが、
HARQフィードバックは送信されるべきではないと指示する第1の値、および
HARQフィードバックが送信されるべきであると指示する第2の値
を有する、ユーザ機器(UE)。
【請求項16】
請求項2からのいずれか一項に記載の方法に対応する動作を実行するようにさらに設定される、請求項15に記載のUE。
【請求項17】
無線アクセスネットワーク(RAN)(100、399、1130)において、ユーザ機器(UE)(120、900、1110)のグループへのマルチキャスト送信に関するハイブリッドARQ(HARQ)フィードバックを管理するように設定されたネットワークノード(105、110、112、300、350、1000)であって、
前記UEのグループに関連付けられた第1のマルチキャスト送信をスケジューリングする第1のダウンリンク制御情報(DCI)を送信し、
前記第1のDCIと、前記第1のDCI以前に前記グループのUEに送信された、それぞれの無線リソース制御(RRC)メッセージとのうちの1つまたは複数によって、少なくとも前記第1のマルチキャスト送信に関するHARQフィードバックモードを指示し、
前記第1のDCIに従って前記第1のマルチキャスト送信を送信して、
前記指示されたHARQフィードバックモードに基づいて、前記グループの前記UEのうちの1つまたは複数からの前記第1のマルチキャスト送信に関連したHARQフィードバックを選択的に監視するようにさらに設定され
前記第1のDCIまたは前記RRCメッセージに含まれるフィールドが、
HARQフィードバックは送信されるべきではないと指示する第1の値、および
HARQフィードバックが送信されるべきであると指示する第2の値
を有する、ネットワークノード。
【請求項18】
請求項から14のいずれか一項に記載の方法に対応する動作を実行するようにさらに設定される、請求項17に記載のネットワークノード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、無線通信ネットワークに関し、特に、無線通信ネットワークにおいて動作する無線デバイス(ユーザ機器すなわちUEとも呼ばれる)に対するマルチキャスト送信の信頼性の改善に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、新無線(New Radio(NR))とも呼ばれる第5世代(「5G」)のセルラーシステムは、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)の内部で規格化されている。NRは、実質的に異なる複数の使用事例をサポートするための最大限の柔軟性のために開発されている。これらは、拡張モバイルブロードバンド(eMBB)、マシン型通信(MTC)、超高信頼度低レイテンシ通信(URLLC)、サイドリンクD2D(device-to-device)および他のいくつかの使用事例を含む。本開示は、一般にNRに関するものであるが、Long Term Evolution(LTE)技術は多くの機能をNRと共有するので、以下の説明はLTEの状況に関して提供される。
【0003】
LTEは、エボルブドUTRAN(E-UTRAN)としても知られる、3GPP(RAT)内で開発され、リリース8および9において最初に規格化された、第4世代(4G)無線アクセス技術のための包括的用語である。LTEは、様々な周波数帯域において利用可能とされ、また、エボルブドパケットコア(EPC)ネットワークを含む、システムアーキテクチャエボリューション(SAE)と呼ばれる非無線態様の改善が付随する。LTEは後続のリリースを経て進化し続ける。
【0004】
LTEおよびSAEを備えるネットワークの全体の例示的なアーキテクチャが図1に示されている。E-UTRAN100は、eNB105、110、および115などの1つまたは複数のエボルブドノードB(eNB)、およびUE120などの1つまたは複数のユーザ機器(UE)を含む。3GPP規格で使用される「ユーザ機器」すなわち「UE」は、第3世代(「3G」)および第2世代(「2G」)の3GPP RANが一般に知られているように、E-UTRANならびにUTRANおよび/またはGERANを含む3GPP規格準拠のネットワーク機器と通信することができる任意の無線通信デバイス(たとえばスマートフォンまたはコンピュータデバイス)を意味する。
【0005】
3GPPによって規定されているように、E-UTRAN100は、無線ベアラ制御、無線アドミッション制御、無線モビリティ制御、スケジューリング、およびアップリンク(UL)やダウンリンク(DL)におけるUEに対するリソースの動的割当て、ならびにUEとの通信のセキュリティを含めてネットワークにおけるすべての無線関連の機能を担う。これらの機能は、eNB105、110、および115などのeNBの中に存在する。eNBの各々が、eNB105、110、および115によってサーブされるセル106、111、および116を含むもう1つのセルをそれぞれ含む地理的カバレッジエリアにサーブすることができる。
【0006】
E-UTRANにおけるeNBは、図1に示されるようにX2インターフェースを介して互いに通信する。eNBは、図1における、EPC130に対するE-UTRANインターフェース、特に、まとめてMME/S-GW134および138として示されたモビリティ管理エンティティ(MME)およびサービングゲートウェイ(SGW)に対するS1インターフェースも担う。一般に、MME/S-GWは、UEの全体的な制御と、UEとEPCの残りの部分との間のデータ流れとの、両方をハンドリングする。より詳細には、MMEは、非アクセス階層(NAS)プロトコルとして知られている、UEとEPCとの間のシグナリング(たとえば制御プレーン)プロトコルを処理する。S-GWは、UEとEPCとの間のすべてのインターネットプロトコル(IP)データパケット(たとえばデータまたはユーザプレーン)をハンドリングし、UEがeNB105、110、および115などのeNBの間を動くとき、データベアラ用のローカルモビリティアンカとしてサーブする。
【0007】
図2は、UE、eNB、およびMMEの間の例示的な制御プレーン(CP)プロトコルスタックのブロック図を示す。例示的なプロトコルスタックは、UEとeNBとの間の物理(PHY)メディアアクセス制御(MAC)、無線リンク制御(RLC)、パケットデータコンバージェンスプロトコル(PDCP)、および無線リソース制御(RRC)レイヤを含む。PHY層は、LTE無線インターフェースを介してトランスポートチャネルを通じてデータを転送するためのリソースをもたらす。MACレイヤは、論理チャネル上でのデータ転送サービスを提供し、論理チャネルをPHYトランスポートチャネルにマッピングし、これらのサービスをサポートするためにPHYリソースを再び割り当てる。MACレイヤは、論理チャネル上でのデータ転送サービスを提供し、論理チャネルをPHYトランスポートチャネルにマッピングし、これらのサービスをサポートするためにPHYリソースを再び割り当てる。RLCレイヤは、誤りの検知および/または修正、連結、セグメント化、ならびに上位レイヤとの間でやりとりされるデータの再構築、再整理を提供する。PDCPレイヤは、CPおよびユーザプレーン(UP)の両方に対して暗号化/暗号解読および完全性保護を提供するばかりでなく、ヘッダ圧縮などの他のUP機能をも提供する。例示的なプロトコルスタックは、UEとMMEとの間の非アクセス階層(NAS)シグナリングをも含む。
【0008】
RRCレイヤは、無線インターフェースにおけるUEとeNBとの間の通信、ならびにE-UTRANにおけるセル間のUEの移動性を制御する。UEは、電源を投入された後、ネットワークに対するRRC接続が確立されるまでRRC_IDLE状態であり、RRC接続が確立されたとき、UEは(たとえばデータ転送が生じ得る)RRC_CONNECTED状態に移行する。UEは、ネットワークとの接続が解除された後にRRC_IDLEに戻る。UEは、RRC_アイドル状態ではいかなるセルにも属さず、(たとえばE-UTRANにおける)UE用に確立されたRRCコンテキストはなく、UEはネットワークとUL同期しない。それでも、RRC_IDLE状態におけるUEはEPCにおいて知られており、割り当てられたIPアドレスを有する。
【0009】
さらに、RRC_IDLE状態では、UEの無線は、上位レイヤによって設定された間欠受信(DRX)スケジュールにおいてアクティブである。DRX活性期間(DRX ON「期間」とも呼ばれる)中に、RRC_IDLE UEは、サービングセルによってブロードキャストされたシステム情報(SI)を受信し、セル再選択をサポートするために近隣セルの測定を実行して、UEがキャンプしているセルにサーブするeNBを介してEPCからページングするためのページングチャネルを監視する。
【0010】
UEは、RRC_IDLEからRRC_CONNECTED状態に移るために、ランダムアクセス(RA)プロシージャを実行する必要がある。RRC_CONNECTED状態では、UEにサーブするセルが知られており、UEとeNBとが通信できるように、サービングeNBにおいてUE向けにRRCコンテキストが確立される。たとえば、RRC_CONNECTED状態のUEに対して、セル無線ネットワーク一時識別子(C-RNTI)(UEとネットワークとの間のシグナリングのために使用されるUE識別子)が設定される。
【0011】
LTE PHY用の多元接続方式は、DLにおいてサイクリックプレフィックス(CP)を用いる直交周波数分割多重(OFDM)方式と、ULにおいてサイクリックプレフィックスを用いるシングルキャリア周波数分割多重アクセス(SC-FDMA)方式とに基づく。対のスペクトルおよび対になっていないスペクトルにおける送信をサポートするために、LTE PHYは、周波数分割複信(FDD)(全二重通信と半二重通信の両方を含む)と時分割複信(TDD)の両方をサポートする。FDD DL無線フレームは、それぞれが0.5msの固定持続時間を有する、0から19までのラベルが付いた20個のスロットからなる、10msの固定持続時間を有する。1msのサブフレームが2つの連続したスロットを含み、スロットのそれぞれは、Nsc個のOFDMサブキャリアから構成されたNDL symb個のOFDMシンボルからなる。NDL symbの例示的な値は、15kHzのサブキャリア間隔(SCS)について、(通常のCPで)7または(拡張した長さのCPで)6であり得る。Nscは、利用可能なチャネル帯域幅に基づいて設定可能である。
【0012】
特定のシンボルにおける特定のサブキャリアの組合せはリソースエレメント(RE)として知られている。各REは、そのRE用に使用される変調形式および/またはビットマッピングコンスタレーションに応じて特定数のビットを送信するために使用される。たとえば、いくつかのREはQPSK変調を使用して2ビットを搬送してよく、他のREは、16-QAMを使用して4ビットを搬送してよく、または64-QAMを使用して6ビットを搬送してもよい。LTE PHYの無線リソースは、物理リソースブロック(PRB)に関しても規定される。PRBは、スロットの持続時間にわたってNRB scサブキャリアに及び、NRB scは15kHzのSCSについて12である。
【0013】
例示的なLTE FDDアップリンク(UL)無線フレームは、上記で説明された例示的なFDD DL無線フレームに類似のやり方で構成され得る。たとえば、各ULスロットには、各々がNsc OFDMサブキャリアを含んでいるNUL symb OFDMシンボルが含まれる。
【0014】
一般に、物理チャネルは、上位レイヤを起源とする情報を搬送するリソースエレメントのセットに対応する。LTE PHYによって提供されるダウンリンク(DLすなわちeNBからUE)物理チャネルは、物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)、物理マルチキャストチャネル(PMCH)、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)、リレー物理ダウンリンク制御チャネル(R-PDCCH)、物理ブロードキャストチャネル(PBCH)、物理的制御フォーマットインジケータチャネル(PCFICH)、および物理ハイブリッドARQインジケータチャネル(PHICH)を含む。
【0015】
PDSCHは、ユニキャストダウンリンクデータ送信ばかりでなく、ランダムアクセス応答(RAR)、いくつかのシステム情報ブロック、およびページング情報をも送信するために使用される主要な物理チャネルである。PBCHは、UEがネットワークにアクセスするために必要な基本システム情報(SI)を搬送する。PDCCHはダウンリンク制御情報(DCI)を送信するために使用され、DCIは、いくつかある情報の中で、PDSCHに関するDLメッセージに関するスケジューリング情報、およびPUSCH上のUL送信に対するグラントを搬送する。
【0016】
LTE PHYによって提供されたアップリンク(ULすなわちUEからeNB)物理チャネルは、物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)、物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)、および物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)を含む。PUSCHは、PDSCHに対するアップリンク側のカウンタパートである。PUCCHは、UEによって、HARQ肯定応答、チャネル状態情報報告などを含むアップリンク制御情報を送信するために使用される。PRACHは、ランダムアクセスプリアンブル送信用に使用される。
【0017】
NRは、LTEと、多くの類似性を共有する。たとえば、NRは、DLにおいてサイクリックプレフィックス直交周波数分割多重(CP-OFDM)を使用し、ULにおいてCP-OFDMとDFT拡散OFDM(DFT-S-OFDM)の両方を使用する。別の例として、NRのDL物理リソースとUL物理リソースは、時間ドメインにおいて同じサイズの1msのサブフレームに編成される。サブフレームは、持続時間が等しい複数のスロットへとさらに分割され、各スロットは複数のOFDMベースのシンボルを含む。別の例として、NRのRRCレイヤは、RRC_IDLE状態およびRRC_CONNECTED状態を含むが、LTEの一時停止状態といくつかの類似の特性を有するRRC_INACTIVEという付加的な状態を追加する。
【0018】
別の例として、HARQはLTEとNRとの両方で使用される。この機構では、第1のデータパケットの受信機は、受信機が第1のパケットを正確に復号したかどうかに依拠して、肯定(ACK)または否定(NACK)の応答(フィードバックとも呼ばれる)を用いて送信側に返信する。送信側は、ACKの受信に基づいて、第2のパケット(有効な場合)を送信する。送信側は、NACKの受信に基づいて、第1のデータパケットの同一のバージョンまたは異なるバージョンのいずれかを再送信する。1つのデータパケットが、必要に応じて複数回再送信され得る。このように、HARQでは、パケットを正確に復号するために複雑さおよび/またはレイテンシは増加するが、送信側から受信機への送信の信頼性を改善することができる。
【0019】
一般的には、ユニキャスト送信およびグループキャスト(マルチキャストとも呼ばれる)送信は、多くの場合、フィードバックおよびデータ再送信を容易にする、パケットの発信元および宛先を識別する何らかのやり方(たとえば発信元IDおよび宛先ID)を有するので、これらの送信モードにはHARQが最適である。ブロードキャスト送信では、フィードバックおよび/または再送信が関心事ではないため、またはブロードキャスト送信の多くの受側によって付加される関連する複雑さがあまり重要ではないため、HARQが使用されないことが多い。
【0020】
それでも、LTEにもNRにも、UL送信に基づくマルチキャストシナリオにおける通信の信頼性を向上するための機構がない。これらのシナリオは、(事前に)規定されたユーザのグループ向けに意図された、HARQが可能な送信、ならびに受信機から送信機への種々のULフィードバックを含む。したがって、そのような送信の信頼性は、種々の使用事例および/または用途に対して不適切になる可能性がある。
【発明の概要】
【0021】
本開示の実施形態は、上記で要約され、以下でより詳細に説明される例示的な問題を克服するためのソリューションを容易にすることなどによって、無線通信ネットワークにおけるユーザ機器(UE)とネットワークノードとの間の通信の特別な改善を提供するものである。
【0022】
本開示のいくつかの実施形態は、無線アクセスネットワーク(RAN)内のネットワークノードからマルチキャスト送信にHARQをフィードバックするための方法(たとえばプロシージャ)を含む。これらの例示的な方法は、RAN(たとえばE-UTRAN、NG-RAN)におけるネットワークノード(たとえば基地局、eNB、gNBなど、またはそれらの構成要素)と通信する、たとえば無線デバイス、IoTデバイス、モデムなど、またはそれらの構成要素といったユーザ機器(UE)によって実施され得る。
【0023】
これらの例示的な方法は、ネットワークノードから、UEに関連する第1のマルチキャスト送信をスケジューリングする第1のダウンリンク制御情報(DCI)を受信することを含み得る。これらの例示的な方法は、第1のマルチキャスト送信に関するHARQフィードバックモードを判定することをも含み得る。これらの例示的な方法は、第1のDCIに基づいて、第1のマルチキャスト送信の復号を試行することをも含み得る。これらの例示的な方法は、判定されたHARQフィードバックモード、および復号の試行がうまくいったか否かに基づいて、ネットワークノードに、第1のマルチキャスト送信に関するHARQフィードバックを選択的に送信することをも含み得る。
【0024】
いくつかの実施形態では、HARQフィードバックモードの判定は、第1のDCIと、第1のDCI以前にネットワークノードから受信した無線リソース制御(RRC)メッセージとのうちの1つまたは複数に基づくことができる。
【0025】
これらの実施形態のうちのいくつかでは、第1のDCIまたはRRCメッセージが含み得るフィールドは、HARQフィードバックは送信されるべきではないと指示する第1の値、およびHARQフィードバックが送信されるべきであると指示する第2の値を有する。いくつかの実施形態では、第2の値は、肯定応答(ACK)および否定応答(NACK)が送信されるべきであると指示することができ、このフィールドは、NACKのみが送信されるべきであると指示する第3の値を含むことができる。
【0026】
これらの実施形態の他のものでは、第1のDCIは第1のDCIのペイロードの巡回冗長検査(CRC)を含み、CRCは、UEに関連する識別子によってスクランブルをかけられる。そのような実施形態では、識別子はHARQフィードバックモードを指示する。そのような実施形態では、RRCメッセージは、1つまたは複数の、グループに固有の識別子(たとえばMC-RNTI)を備える設定情報を含むことができ、各識別子は、そのUEを含む1つまたは複数のUEのグループ、およびネットワークノードからのマルチキャスト送信に関するHARQフィードバックモードのうちの少なくとも1つに関連する。
【0027】
これらの実施形態のうちのいくつかでは、判定する動作は、UEに固有の識別子(たとえばC-RNTI)である識別子に基づき、HARQフィードバックが送信されるべきであると判定することと、グループに固有の識別子のうちの1つ(たとえばMC-RNTI)である識別子に基づき、HARQフィードバックは送信されるべきではないと判定することとを含み得る。
【0028】
これらの実施形態のうちの他のものでは、判定する動作は、グループに固有の識別子のうちの第1のもの(たとえばMC-RNTI-1)である識別子に基づき、HARQフィードバックを、第1のモードによって送信するべきであると判定することと、グループに固有の識別子のうちの第2のもの(たとえばMC-RNTI-2)である識別子に基づき、HARQフィードバックを、第1のモードとは異なる第2のモードによって送信するべきであると判定することとを含み得る。
【0029】
いくつかの実施形態では、選択的に送信する動作は、
・判定されたHARQフィードバックモードが、HARQフィードバックは送信されるべきではないというものであること、
・復号の試行が成功し、判定されたHARQフィードバックモードが、NACKのみ送信されるべきというものであること、および
・復号の試行が成功せず、判定されたHARQフィードバックモードが、ACKのみ送信されるべきというものであること、の各々に応答してHARQフィードバックの送信を控えることを含み得る。
【0030】
いくつかの実施形態では、選択的に送信する動作は、復号の試行が成功せず、判定されたHARQフィードバックモードが、NACKのみ送信されるべきというものであることに基づき、NACKを送信することを含み得る。そのような実施形態では、NACKは、UEを含んでいるマルチキャストグループに共通のインジケータおよびアップリンクリソースを使用して送信され得る。
【0031】
いくつかの実施形態では、これらの例示的な方法は、第2のDCIを受信することに続いて、第1のマルチキャスト送信の再送信をスケジューリングすることをも含み得る。これらの実施形態のうちのいくつかでは、第2のDCIは、再送信がUEへのユニキャスト送信であると指示することができる。そのような実施形態では、第1のマルチキャスト送信の復号の試行は、第1のマルチキャスト送信に関連する第1のソフト情報を記憶することを含み得る。そのような実施形態では、これらの例示的な方法は、再送信を受信すること、および第1のソフト情報と第2のソフト情報との組合せを基にデータメッセージを復号することに基づいて、第2のソフト情報を判定することをも含み得る。
【0032】
これらの実施形態のうち他のものでは、第2のDCIは、再送信が第2のマルチキャスト送信であると指示することができる。そのような実施形態では、第1のDCIは、UEに関連する第1のグループに固有の識別子(たとえばMC-RNTI-1)によってスクランブルをかけられる、第1のDCIのペイロードのCRCを含み得、第2のDCIは、UEに関連する第2のグループに固有の識別子(たとえばMC-RNTI-2)によってスクランブルをかけられる、第2のDCIのペイロードのCRCを含み得る。たとえば、第1および第2のグループに固有の識別子は、RRC設定メッセージで以前に受信済みであり得る。
【0033】
本開示の他の実施形態は、ユーザ機器(UE)のグループへのマルチキャスト送信に関するハイブリッドARQ(HARQ)フィードバックを管理するための方法(たとえばプロシージャ)を含む。これらの例示的な方法は、たとえば無線デバイス、IoTデバイス、モデムなど、またはそれらの構成要素といったユーザ機器(UE)と通信する、たとえばE-UTRAN、NG-RANといった無線アクセスネットワーク(RAN)のネットワークノード(たとえば基地局、eNB、gNBなど、またはそれらの構成要素)によって実施され得る。
【0034】
これらの例示的な方法は、UEのグループに関連する第1のマルチキャスト送信をスケジューリングする第1のダウンリンク制御情報(DCI)を送信することを含み得る。これらの例示的な方法は、少なくとも第1のマルチキャスト送信に関するHARQフィードバックモードを指示することをも含み得る。これらの例示的な方法は、第1のDCIに従って第1のマルチキャスト送信を送信することをも含み得る。これらの例示的な方法は、グループの1つまたは複数のUEからの、第1のマルチキャスト送信に関連したHARQフィードバックを、指示されたHARQフィードバックモードに基づいて選択的に監視することをも含み得る。
【0035】
いくつかの実施形態では、HARQフィードバックモードは、第1のDCIのうちの1つまたは複数、および第1のDCIの前にグループのUEに送信されるそれぞれの無線リソース制御(RRC)メッセージによって指示され得る。
【0036】
これらの実施形態のうちのいくつかでは、第1のDCIまたはRRCメッセージが含み得るフィールドは、HARQフィードバックは送信されるべきではないと指示する第1の値、およびHARQフィードバックが送信されるべきであると指示する第2の値を有する。いくつかの実施形態では、第2の値は、肯定応答(ACK)および否定応答(NACK)が送信されるべきであると指示することができ、このフィールドは、NACKのみが送信されるべきであると指示する第3の値を含むことができる。
【0037】
これらの実施形態の他のものでは、第1のDCIは第1のDCIのペイロードの巡回冗長検査(CRC)を含み、CRCは、UEに関連する識別子によってスクランブルをかけられる。そのような実施形態では、識別子は、第1のマルチキャスト送信に関するHARQフィードバックモードを指示する。そのような実施形態では、RRCメッセージは、1つまたは複数の、グループに固有の識別子(たとえばMC-RNTI)を備える設定情報を含むことができ、各識別子は、そのUEを含む1つまたは複数のUEのグループ、およびネットワークノードからのマルチキャスト送信に関するHARQフィードバックモードのうちの少なくとも1つに関連する。
【0038】
これらの実施形態のうちのいくつかでは、UEに固有の識別子(たとえばC-RNTI)である識別子は、HARQフィードバックが送信されるべきであると指示し、一方、グループに固有の識別子(たとえばMC-RNTI)のうちの1つである識別子は、HARQフィードバックが送信されるべきではないと指示する。
【0039】
これらの実施形態の他のものでは、グループに固有の識別子(たとえばMC-RNTI-1)のうちの第1の識別子は、HARQフィードバックが第1のモードに従って送信されるべきであると指示し、一方、グループに固有の識別子(たとえばMC-RNTI-2)のうちの第2の識別子は、HARQフィードバックが、第1のモードと異なる第2のモードによって送信されるべきであると指示する。
【0040】
いくつかの実施形態では、選択的に監視する動作は、HARQフィードバックが送信されるべきではないとの指示に基づいて、第1のマルチキャスト送信に対するHARQフィードバックを監視すること控えることを含み得る。いくつかの実施形態では、選択的に監視する動作は、NACKのみが送信されるべきであるとの指示に基づいて、グループのうちの1つまたは複数のUEがNACKを送信したとのインジケータについて、マルチキャストグループに共通のアップリンクリソースを監視することを含み得る。
【0041】
いくつかの実施形態では、これらの例示的な方法は、続いて、第1のマルチキャスト送信の再送信をスケジューリングする1つまたは複数の第2のDCIを送信し、次いで、1つまたは複数の第2のDCIに従って再送信を送信することをも含み得る。いくつかの実施形態では、第2のDCIは、それぞれのUEに特有のビームによって送信され得る。
【0042】
いくつかの実施形態では、再送信は、
・UEのグループへの第2のマルチキャスト送信、
・グループのそれぞれのUEへのそれぞれのユニキャスト送信、あるいは
・UEのグループの第1のサブセットへの第2のマルチキャスト送信、および第1のサブセットに含まれていないグループのそれぞれのUEへの1つまたは複数のユニキャスト送信、といった再送信モードのうちの1つによって送信され得る。
【0043】
これらの実施形態のうちのいくつかでは、これらの例示的な方法は、
・それぞれの特定のUEについて、第1の閾値に関連して特定のUEから受信されたNACKの数、および
・タイムウィンドウ中に、第2の閾値に関連して複数のUEから受信されたNACKの数のうちの1つまたは複数に基づいて、これら再送信モードのうちの1つを選択することをも含み得る。
【0044】
いくつかの実施形態では、第1の閾値および第2の閾値のうちの少なくとも1つは、UEおよびネットワークノードに関連した輻輳状態に基づき得る。
【0045】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の第2のDCIは、再送信がグループのそれぞれのUEへのそれぞれのユニキャスト送信を含むことを指示する。たとえば、1つまたは複数の第2のDCIは、それぞれのUEに固有の識別子(たとえばC-RNTI)によってスクランブルをかけられる、それぞれの第2のDCIのペイロードのそれぞれの巡回冗長検査(CRC)を含む。
【0046】
他の実施形態では、第2のDCIは、再送信がUEのグループへの第2のマルチキャスト送信であることを指示する。そのような実施形態では、第1のDCIは、UEのグループに関連する第1のグループに固有の識別子(たとえばMC-RNTI-1)によってスクランブルをかけられる、第1のDCIのペイロードのCRCを含み得、一方、第2のDCIは、UEのグループに関連する第2のグループに固有の識別子(たとえばMC-RNTI-2)によってスクランブルをかけられる、第2のDCIのペイロードのCRCを含み得る。たとえば、第1および第2のグループに固有の識別子は、UEのグループに対して、RRC設定メッセージで以前に供給済みであり得る。
【0047】
他の実施形態は、本明細書で説明した例示的な方法のいずれかに対応する動作を実施するように設定された、たとえば無線デバイス、IoTデバイス、またはモデムなどそれらの構成要素といったユーザ機器(UE)と、ネットワークノード(たとえば基地局、eNB、gNB、CU/DU、コントローラなど)とを含む。他の実施形態は、処理回路によって実行されたとき、そのようなUEまたはネットワークノードを、本明細書で説明された例示的な方法のいずれかに対応する動作を実施するように設定するプログラム命令を記憶している非一時的コンピュータ可読媒体を含む。
【0048】
本開示の実施形態の、これらの態様、特徴、利益、および/または利点、ならびに他の態様、特徴、利益、および/または利点は、以下で手短に説明される図面を考慮して、下記の発明を実施するための形態を読めば明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0049】
図1】Long Term Evolution(LTE)エボルブドUTRAN(E-UTRAN)およびエボルブドパケットコア(EPC)ネットワークの例示的なアーキテクチャの高レベル図である。
図2】ユーザ機器(UE)とE-UTRANとの間の無線インターフェースの制御プレーン部分の例示的なプロトコルレイヤの高レベル図である。
図3】例示的な5Gネットワークアーキテクチャの高レベル図である。
図4】新無線(NR)スロットに関する例示的な時間-周波数リソースグリッドを示す図である。
図5】例示的なNRスロット設定の図である。
図6A】HARQ ACK/NACKと、随意の、NR物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)に関するスケジューリング要求(SR)情報とを搬送するために使用される例示的な位相回転を示す図である。
図6B】HARQ ACK/NACKと、随意の、NR物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)に関するスケジューリング要求(SR)情報とを搬送するために使用される例示的な位相回転を示す図である。
図7】本開示の様々な実施形態による、ユーザ機器向けの例示的な方法の流れ図である。
図8】本開示の様々な実施形態による、無線アクセスネットワークにおけるネットワークノード向けの例示的な方法の流れ図である。
図9】本開示の様々な実施形態による例示的な無線デバイスまたはUEのブロック図である。
図10】本開示の様々な実施形態による例示的なネットワークノードのブロック図である。
図11】本開示の様々な例示的な実施形態による、ホストコンピュータとユーザ機器UEとの間のオーバーザトップ(OTT)データサービスを提供するように設定されたネットワークのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
次に、添付図面を参照しながら、本明細書で企図された実施形態のうちのいくつかをより十分に説明する。しかしながら、本明細書で開示された主題の範囲内に他の実施形態が含有されており、開示された主題は、本明細書で明記された実施形態のみに限定されるように解釈されるべきではなく、むしろ、これらの実施形態は当業者に主題の範囲を伝達するために例として提供されるものである。
【0051】
一般に、本明細書で使用されるすべての用語は、使用されている状況から、異なる意味が明瞭に示されるおよび/または示唆されることがなければ、関連する技術分野における通常の意味に従って解釈されるべきである。1つの(a)/1つの(an)/その(the)要素、装置、構成要素、手段、ステップなどに対するすべての参照は、別様に明示的に指定されなければ、要素、装置、構成要素、手段、ステップなどのうちの少なくとも1つを参照するように、オープンに解釈されるべきである。本明細書で開示される任意の方法のステップは、別のステップに後続する、または先行するものと明示的に記述された場合、および/または別のステップに後続するかもしくは先行することが絶対的である場合を除けば、開示された正確な順番で実施する必要はない。本明細書で開示された任意の実施形態の任意の機能が、適切ならどこでも任意の他の実施形態に適用され得る。同様に、任意の実施形態の任意の利点が、任意の他の実施形態に当てはまり得、逆も同様である。同封の実施形態の他の目的、機能および利点が、以下の説明から明白になるはずである。
【0052】
さらに、以下の用語は、下記に示される説明の全体にわたって使用される。
・無線ノード:本明細書で使用される「無線ノード」は、「無線アクセスノード」または「無線デバイス」のいずれかであり得る。
・無線アクセスノード:本明細書で使用される「無線アクセスノード」(同様な意味合いで「無線ネットワークノード」、「無線アクセスネットワークノード」、または「RANノード」)は、信号を無線で送信する/受信するように動作するセルラー通信ネットワークの無線アクセスネットワーク(RAN)における任意のノードであり得る。無線アクセスノードのいくつかの例は、限定はしないが、基地局(たとえば3GPPの第5世代(5G)NRネットワークあるいは3GPPのLTEネットワークにおける拡張ノードBすなわちエボルブドノードB(eNB)における新無線(NR)基地局(gNB))、基地局の分散した構成要素(たとえばCUおよびDU)、大電力基地局またはマクロ基地局、低電力基地局(たとえばマイクロ基地局、ピコ基地局、フェムト基地局、家庭内基地局など)、統合アクセスバックホール(IAB)ノード、送信ポイント、リモートラジオユニット(RRUまたはRRH)およびリレーノードを含む。
・コアネットワークノード:本明細書で使用される「コアネットワークノード」は、コアネットワーク中の任意のタイプのノードである。コアネットワークノードのいくつかの例は、たとえば、モビリティ管理エンティティ(MME)、サービングゲートウェイ(SGW)、パケットデータネットワークゲートウェイ(P-GW)、アクセスおよびモビリティ管理機能(AMF)、セッション管理機能(AMF)、ユーザプレーン機能(UPF)、サービス能力公開機能(SCEF)などを含む。
・無線デバイス:本明細書で使用される「無線デバイス」(略して「WD」)は、ネットワークノードおよび/または他の無線デバイスと無線で通信することによってセルラー通信ネットワークにアクセスすることができる(すなわち、セルラー通信ネットワークによってサーブされる)任意のタイプのデバイスである。無線で通信することは、電磁波、電波、赤外線波、および/または空中の情報伝達に適切な他のタイプの信号を使用して、無線信号を送信および/または受信することを包含し得る。「無線デバイス」という用語は、本明細書では、他に断らない限り「ユーザ機器」(略して「UE」)と区別なく使用される。無線デバイスのいくつかの例は、限定はしないが、スマートフォン、携帯電話、セル式電話、ボイスオーバーIP(VoIP)フォン、無線ローカルループフォン、デスクトップコンピュータ、携帯情報端末(PDA)、無線カメラ、ゲームコンソールまたはゲームデバイス、音楽記憶デバイス、再生機器、ウェアラブルデバイス、無線エンドポイント、移動局、タブレット、ラップトップコンピュータ、ラップトップコンピュータに組み込まれた機器(LEE)、ラップトップコンピュータを取り付けた機器(LME)、スマートデバイス、無線顧客構内機器(CPE)、モバイルタイプ通信(MTC)デバイス、モノのインターネット(IoT)デバイス、車載無線端末デバイスなどを含む。
・ネットワークノード:本明細書で使用される「ネットワークノード」は、無線アクセスネットワーク(たとえば上記で論じられた無線アクセスノードまたは同等の名称)、またはセルラー通信ネットワークのコアネットワーク(たとえば上記で論じられたコアネットワークノード)のいずれか部分である任意のノードである。機能的に、ネットワークノードは、無線デバイスに対する無線アクセスを可能にするため、および/または無線アクセスを提供するため、ならびに/あるいはセルラー通信ネットワークにおける他の機能(たとえば管理)を実施するために、セルラー通信ネットワークにおける無線デバイスおよび/または他のネットワークノードもしくは機器と直接的または間接的に通信することができ、通信するように設定され、通信するように構成され、および/または通信するように動作可能な機器である。
【0053】
本明細書の説明は3GPPセルラー通信システムに重点を置くものであり、そのため3GPPの用語法または3GPPの用語法に類似の用語法がしばしば使用されることに留意されたい。しかしながら、本明細書で開示される概念は、3GPPシステムに限定されるわけではない。さらに、本明細書では「セル」という用語が使用されるが、(特に5G NRに関して)セルの代わりにビームが使用され得、したがって、本明細書で説明される概念がセルとビームの両方に等しく適用されることを理解されたい。
【0054】
手短に上述したように、LTEにもNRにも、UL送信に基づくマルチキャストシナリオにおける通信の信頼性を向上するための機構がない。これらのシナリオは、(事前に)規定されたユーザのグループ向けに意図された、HARQ機構が可能な送信、ならびに受信機から送信機への種々のULフィードバックを含む。そのため、そのような送信の信頼性は、種々の使用事例および/または用途に対して不適切になる可能性がある。これは、5G/NRのネットワークアーキテクチャおよび無線インターフェースへの以下の導入の後に、以下でより詳細に論じられる。
【0055】
図3は、次世代RAN(NG-RAN)399と5Gコア(5GC)398とを含んでいる例示的な5Gネットワークアーキテクチャの高レベル図を示す。NG-RAN399は、それぞれ、インターフェース302、352を介して接続されたgNB300、350など、1つまたは複数のNGインターフェースを介して5GCに接続された1つまたは複数のgNodeB(gNB)のセットを含むことができる。より具体的には、gNB300、350は、それぞれのNG-Cインターフェースを介して、5GC398における1つまたは複数のアクセスおよびモビリティ管理機能(AMF)に接続され得る。同様に、gNB300、350は、それぞれのNG-Uインターフェースを介して、5GC398における1つまたは複数のユーザプレーン機能(UPF)に接続され得る。
【0056】
図には示されていないが、いくつかの配備では、5GC398は、従来はLTE E-UTRANとともに使用されているエボルブドパケットコア(EPC)によって置換され得る。そのような配備では、gNB300、350は、それぞれのS1-Cインターフェースを介して、EPCにおける1つまたは複数のモビリティ管理エンティティ(MME)に接続することができる。同様に、gNB300、350は、それぞれのNG-Uインターフェースを介して、EPCにおける1つまたは複数のサービングゲートウェイ(SGW)に接続することができる。
【0057】
さらに、gNBは、gNB300とgNB350との間のXnインターフェース340など、1つまたは複数のXnインターフェースを介して互いに接続され得る。NG-RANに関する無線技術は、多くの場合「新無線(New Radio)」(NR)と呼ばれる。UE(Uuインターフェースとも呼ばれる)に対するNRインターフェースに関して、gNBの各々が、周波数分割複信(FDD)、時分割複信(TDD)、またはそれらの組合せをサポートすることができる。UuインターフェースにわたるUEとNG-RANとの間の無線関連のプロトコルは、一般にアクセス階級(AS)と呼ばれており、一方、UEとコアネットワーク(たとえば5GCまたはEPC)との間のプロトコルは、一般に非アクセス階級(NAS)と呼ばれている。
【0058】
NG-RAN399は、無線ネットワークレイヤ(RNL)と転送ネットワークレイヤ(TNL)とに階層化されている。NG-RANアーキテクチャ、すなわちNG-RANの各論理ノードおよびそれらの間のインターフェースは、RNLの一部と規定されている。それぞれのNG-RANインターフェース(たとえばng、Xn、F1)について、関連するTNLプロトコルおよび機能が規定されている。TNLは、ユーザプレーントランスポートおよびシグナリングトランスポートのためのサービスを提供する。いくつかの例示的な設定では、それぞれのgNBは、3GPP TS 23.501に規定される「AMF領域」の内部のすべての5GCノードに接続されている。NG-RANインターフェースのTNL上のCPデータおよびUPデータに関するセキュリティ保護がサポートされる場合には、NDS/IPが適用されるものとする。
【0059】
図3に示されるNG RANの論理ノードは、中央ユニット(CUまたはgNB-CU)および1つまたは複数の分散ユニット(DUまたはgNB-DU)を含む。たとえば、gNB300は、gNB-CU310と、gNB-DU320および330とを含む。CU(たとえばgNB-CU310)は、上位レイヤプロトコルをホストし、DUの動作を制御することなどの様々なgNB機能を実施する、論理ノードである。DU(たとえばgNB-DU320および330)は、下位レイヤプロトコルをホスティングする分散型論理ノードであり、機能分割の選択肢に依拠して、gNB機能の様々なサブセットを含むことができる。したがって、CUおよびDUの各々は、それぞれの機能を実施するために必要な、処理回路と、(たとえば通信のための)トランシーバ回路と、電力供給回路と含む、様々な回路を含むことができる。その上、「中央ユニット」および「集中型ユニット」という用語は本明細書では互換的に使用され、「分散ユニット」および「非集中型ユニット」という用語も同様である。
【0060】
gNB-CUは、図3に示されているインターフェース322および332など、それぞれのF1論理インターフェースを通じて1つまたは複数のgNB-DUに接続する。しかしながら、gNB-DUは単一のgNB-CUにしか接続され得ない。gNB-CUおよび接続されたgNB-DUは、他のgNBsおよび5GCには、gNBとしか認識され得ない。言い換えれば、F1インターフェースは、gNB-CUを超えて認識され得るものではない。
【0061】
Rel-15 NRでは、UEにはDLにおいて4つまでのキャリア帯域幅部分(BWP)が設定され得、所与の時間においてアクティブなDLBWPは1つである。UEは、ULにおいて4つまでのBWPが設定され得、所与の時間においてアクティブなULBWPは1つである。UEは、補助ULが設定される場合には、補助ULにおいて4つまでの追加のBWPが設定され得、所与の時間においてアクティブな補助ULBWPは1つである。
【0062】
共通RB(CRB)には、0からキャリアの帯域幅の最後まで番号が付けられる。設定されたBWPが0よりも大きいCRBから始まり得るように、UE用に設定された各BWPは、CRB0という共通の参照を有する。CRB0は、3GPP TS 38.211の段落4.4にさらに規定されているように、ネットワークによって提供される、
・1次セル(たとえばPSCellといったPCell)におけるDLに関するPRB-index-DL-common、
・PCellにおけるULに関するPRB-index-UL-common、
・2次セル(SCell)におけるDLに関するPRB-index-DL-Dedicated
・SCellにおけるULに関するPRB-index-UL-Dedicated、および
・補助ULに関するPRB-index-SUL-commonといったパラメータのうちの1つによって識別され得る。
【0063】
このように、UEは、それぞれが特定のCRBから始まる狭いBWP(たとえば10MHz)および広いBWP(たとえば100MHz)が設定され得るが、所与の時点においてUE用にアクティブなBWPは1つだけである。BWPの内部で、PRBは周波数領域において規定されて0から
まで番号が付けられ、iはキャリアに関する特定のBWPのインデックスである。
【0064】
LTEに似て、各NRリソースエレメント(RE)は、1つのOFDMシンボル間隔中の1つのOFDMサブキャリアに対応する。NRは様々なSCS値Δf=(15×2μ)kHzをサポートし、μ∈(0、1、2、3、4)は「ニューメロロジー」と呼ばれる。ニューメロロジーμ=0(すなわちΔf=15kHz)は、LTEにおいても使用される基本(または基準)SCSを与える。シンボル持続時間、サイクリックプレフィックス(CP)持続時間およびスロット持続時間は、SCSまたはニューメロロジーに反比例する。たとえば、Δf=15kHzについては1つのサブフレーム当たり1つの(1ms)スロットがあり、Δf=30kHzについては1つのサブフレーム当たり2つの0.5msスロットがある、などである。追加として、最大のキャリア帯域幅は、2μ*50MHzによってニューメロロジーに直接関連付けられる。下記の表1は、サポートされるNRニューメロロジーおよび関連するパラメータを要約するものである。ネットワークによって、異なるDLニューメロロジーとULニューメロロジーが設定され得る。
【0065】
図4は、NRスロットに関する例示的な時間-周波数リソースグリッドを示す。図4に示されるように、リソースブロック(RB)は、スロットすなわち通常のCP用の14のOFDMシンボルおよび拡張CP用の12のシンボルの持続時間用の、12の連続したOFDMサブキャリアのグループからなる。NRスロットはまた、ULシンボルとDLシンボルとの様々な組合せを用いて構成され得る。選択肢は、オンタイム(シンボル0)のスタートまたは遅い(シンボル>0)スタートがあるDLのみのスロット(すなわちUL送信なし)、「DL重め」スロット(たとえば1つのULシンボル)、およびDL制御情報を搬送する単一のDLシンボルを有する「UL重め」スロットを含むことができる。初期のDLシンボル(TUL-DL)や初期のULシンボル(TDL-UL)の前には、様々なガード期間が使用され得る。
【0066】
追加として、NRは、「ミニスロット」としても知られているタイプ-Bスケジューリングを含む。これらはスロットよりも短く、一般的には1つのシンボルからスロットにおけるシンボルの数(たとえば11または13)よりも1つ少ない数までであって、スロットの任意のシンボルから始まり得る。ミニスロットが使用され得るのは、スロットの送信時間が長すぎる場合および/または次のスロットスタート(スロットアラインメント)が生じるのが遅すぎる場合である。ミニスロットの適用は、未ライセンススペクトルおよびレイテンシクリティカル送信(たとえばURLLC)を含む。しかしながら、ミニスロットはサービスに固有ではなく、eMBBまたは他のサービス用にも使用され得る。
【0067】
図5は、14個のシンボルを含む別の例示的なNRスロット構造を示す。この構成では、PDCCHは、制御リソースセット(CORESET)と呼ばれ、シンボルの特定番号およびサブキャリアの特定番号を含有している領域に制限される。図5に示された例示的な構造では、最初の2つのシンボルがPDCCHを含有しており、残りの12個のシンボルの各々が物理データチャネル(PDCH)すなわちPDSCHまたはPUSCHのいずれかを含有している。しかしながら、最初の2つのスロットは、特定のCORESET設定に応じて、必要であればPDSCHまたは他の情報を搬送することもできる。
【0068】
3GPPのTS 38.211 § 7.3.2.2にさらに規定されているように、CORESETは、周波数ドメインに複数のRB(すなわち12個のREの倍数)を含み、時間ドメインに1~3個のOFDMシンボルを含む。CORESETは、LTEサブフレームにおける制御領域に機能的に類似である。しかしながら、NRでは、各REGは、RBにおける1つのOFDMシンボルのすべての12個のREからなるが、LTEのREGには、4つのREしか含まれていない。LTEにおけるもののように、CORESETの時間ドメインサイズはPCFICHによって指示され得る。LTEでは、制御領域の周波数帯域幅は(トータルシステム帯域幅に対して)固定であるが、NR CORESETの周波数帯域幅は可変である。RRCシグナリングによって、UEにCORESETリソースが指示され得る。
【0069】
CORESETを規定するために使用される最小単位はREGであり、これは、周波数において1つのPRBに及び、時間において1つのOFDMシンボルに及ぶ。PDCCHに加えて、各REGは、REGが送信された無線チャネルの推定を支援するために復調用参照信号(DM-RS)を含有している。PDCCHを送信するとき、送信に先立って、無線チャネルのいくつかの知見に基づいて送信アンテナに重みを適用するためにプリコーダが使用され得る。送信機においてREG用に使用されるプリコーダが異ならない場合には、時間および周波数において接近した複数のREGにわたってチャネルを推定することにより、UEにおけるチャネル推定性能を改善することが可能である。UEのチャネル推定を支援するために、複数のREGが、REGバンドルを形成するために一緒にグループ化され得、CORESET用のREGバンドルサイズ(すなわち2つ、3つ、または5つのREG)がUEに指示され得る。UEは、PDCCHの送信のために使用されるあらゆるプリコーダが、REGバンドルにおけるすべてのREGにわたって同一であると想定することができる。
【0070】
NR制御チャネルエレメント(CCE)は6つのREGからなる。これらのREGは、周波数において連続していても分散していてもよい。CORESETは、REGが周波数において分散しているとき、CCEに対するREGのインターリーブマッピングを使用するといわれ、REGが周波数において連続していると、非インターリーブマッピングを使用するといわれる。インターリーブは周波数ダイバーシティをもたらすことができる。チャネルの知見によってスペクトルの特定部分においてプリコーダを使用することができて受信機におけるSINRを改善する場合には、インターリーブを使用しない方が有利である。
【0071】
NRデータスケジューリングは、LTEに似て、たとえばスロットごとに動的に実行され得る。各スロットにおいて、基地局(たとえばgNB)は、PDCCHを通じて、そのスロットにおいてデータを受信するようにスケジューリングされたUEと、そのデータを搬送するRBとを指示するダウンリンク制御情報(DCI)を送信する。UEは、最初にDCIを検知して復号し、DCIがUEに関するDLスケジューリング情報を含んでいれば、DLスケジューリング情報に基づいて対応するPDSCHを受信する。DCIフォーマット1_0および1_1は、PDSCHスケジューリングを伝達するように使用される。
【0072】
同様に、PDCCH上のDCIは、そのスロットにおいてPUCCH上でデータを送信するようにスケジューリングされているUE、ならびにそのデータを搬送するRBを指示するULグラントを含むことができる。UEは最初にDCIを検知して復号し、DCIがUE用のアップリンクグラントを含んでいれば、ULグラントによって指示されたリソース上で、対応するPUSCHを送信する。DCIフォーマット0_0および0_1はPUSCH用のULグラントを伝達するように使用され、他のDCIフォーマット(2_0、2_1、2_2および2_3)は、スロットフォーマット情報、予約済みのリソース、送信電力制御情報などの送信を含む他の目的のために使用される。
【0073】
DCIは、ペイロードデータの巡回冗長検査(CRC)を用いて補完されたペイロードを含む。DCIが複数のUEによって受信されるPDCCH上で送られるので、対象とされるUEの識別子が含まれていなければならない。NRでは、これは、UEに割り当てられた無線ネットワーク一時識別子(RNTI)を用いてCRCにスクランブルをかけることによって行われる。通常、サービングセルによって対象とされたUEに割り当てられるセルRNTI(C-RNTI)が、この目的のために使用される。
【0074】
DCIペイロードは、識別子でスクランブルをかけられたCRCとともに符号化され、PDCCH上で送信される。以前に設定された検索空間を所与として、各UEは、それぞれに宛てられたPDCCHを、複数の仮説(「候補」とも呼ばれる)に従って、「ブラインド復号」として知られている処理で検知しようとする。PDCCH候補は、1つ、2つ、4つ、8つ、または16個のCCEに及ぶことができ、CCEの数は、PDCCH候補のアグリゲーションレベル(AL)と呼ばれる。2つ以上CCEが使用される場合には、第1のCCEの情報が他のCCEにおいて繰り返される。PDCCHは、ALを変化させることによって、いくつかのペイロードサイズ向けにある程度頑健にされ得る。言い換えれば、PDCCHのリンク適合は、ALを調節することによって実施され得る。PDCCH候補は、ALに応じて、CORESETにおける様々な時間-周波数位置に配置され得る。
【0075】
UEが検索空間セットの範囲内で監視しなければならないPDCCH候補に対応するCCEを決定するために、ハッシュ関数が使用され得る。UEによって使用されるCCEがランダム化されるように、別々のUEについては別々のやり方でハッシングが行われ、それによって、CORESETにPDCCHメッセージが含まれている複数のUEの間の衝突の確率が低下する。監視の周期性も、別々のPDCCH候補用に設定される。任意の特定のスロットにおいて、UEは、1つまたは複数のCORESETに対してマッピングされ得る複数の検索空間において複数のPDCCH候補を監視するように設定され得る。PDCCH候補は、一度にすべてのスロットにおいて、または一度に複数のスロットにおいて、1つのスロットで複数回監視する必要があり得る。
【0076】
UEは、DCIを復号すると、このUEに割り当てられた、および/または特定のPDCCH検索空間に関連した、1つまたは複数のRNTIを用いてCRCを逆スクランブルする。一致の場合には、UEは、検知されたDCIをこのUE宛てのものと見なし、DCIにおける命令(たとえばスケジューリング情報)に従う。
【0077】
たとえば、スケジューリングされたPDSCH送信のための変調次数、目標符号化率およびTBサイズを判定するために、UEは、最初に、DCI(たとえばフォーマット1_0または1_1)における5ビットの変調符号化方式フィールド(IMCS)を読み取り、3GPP TS 38.214 V15.0.0の第5.1.3.1項で規定されたプロシージャに基づいて変調次数(Q)および目標符号化率(R)を判定する。続いて、UEは、冗長バージョン(RV)を判定するために、DCIにおける冗長バージョン(RV)フィールド(rv)を読み取る。UEは、レートマッチング(nPRB)の前に、レイヤ数(υ)および割り当てられたPRBの総数とともにこの情報に基づいて、3GPP TS 38.214 V15.0.0の第5.1.3.2項で規定されたプロシージャに従って、PDSCHに関するトランスポートブロックサイズ(TB)を判定する。類似の技術が、DCI(たとえばフォーマット0_0または0_1)によってスケジューリングされたPUSCH送信のためにUEによって使用され得る。
【0078】
DCIは、PDCCHとPDSCH、PUSCH、HARQ、および/またはチャネル状態情報参照信号(CSI-RS)との間の様々なタイミングオフセット(たとえばスロットまたはサブフレームにおけるもの)に関する情報をも含むことができる。たとえば、オフセットK0は、UEのPDSCHスケジューリングDCI(たとえばフォーマット1_0または1_1)のPDCCH受信と後続のPDSCH送信との間のスロットの数を表す。同様に、オフセットK1は、このPDSCH送信と応答のPUSCH上でのUE HARQ ACK/NACK送信との間のスロットの数を表す。追加として、オフセットK3は、この応答のACK/NACKとPDSCH上でのデータの対応する再送信との間のスロットの数を表す。追加として、オフセットK2は、UEのULグラントDCI(たとえばフォーマット0_0または0_1)のPDCCH上の受信と後続のPUSCH送信との間のスロットの数を表す。これらのオフセットの各々が、ゼロや正整数の値をとることができる。
【0079】
UEは、LTEとNRのどちらでも、PUCCH上でUCI(アップリンク制御情報)を送信することができる。たとえば、UCIはHARQフィードバック、CSIフィードバックおよびスケジューリング要求(SR)を含むことができる。現在、異なるタイプのUCIを搬送するために規定された5つの異なるPUCCHフォーマット(0~4)があり、様々なフォーマットのサイズは1~14のOFDMシンボルの範囲に及ぶ。NRに関する様々なPUCCHフォーマットは、3GPP TS 38.211にさらに規定されている。それでも、以下の説明は、本開示の実施形態にとって最も重要なPUCCHフォーマット0を重視したものになる。PUCCHフォーマット0は、一般的にはスロットの最後に送信され、1~2のOFDMシンボルに及ぶ。しかしながら、スロットの内部の他の相対位置においてPUCCHフォーマット0を送信することも可能である。
【0080】
PUCCHフォーマット0は、NRにおける短いPUCCHフォーマットのうちの1つであり、2ビットまで搬送することができる。これはHARQフィードバックおよびSRを送るために使用される。このフォーマットでは、情報ビットが送信されるシーケンスを選択し、基礎をなす同一の長さ12の基本シーケンスの、別々の位相回転によって発生される。言い換えれば、位相回転が情報を搬送する。
【0081】
図6Aおよび図6Bは、HARQ ACK/NACK(それぞれA/N)およびSRの関数として、例示的なPUCCHのフォーマット0の位相回転を示す。同一の基本シーケンスに対して12の別々の位相回転が規定され、それぞれの基本シーケンスから、12までの異なる直交シーケンスをもたらす。周波数ドメインにおける線形位相回転は、時間ドメインにおける巡回シフトの適用に相当し、したがって、「巡回シフト」という用語は、時間ドメインへの暗示的参照を伴って使用されることがある。図6Aは、12の位相回転のうちの4つに対する、2つのACK/NACK情報ビットのマッピングを示し、図6Bは、12の位相回転のうちの8つに対する、SRビットを加えた2つのACK/NACK情報ビットのマッピングを示す。
【0082】
ある特定のUE同士が、サイドリンク(SL)によって直接通信することができ、3GPP RANを用いるULおよびDLを介して間接的に通信することもできる。SL通信の最初の3GPP規格化は、公衆安全の使用事例を対象とするLTE Rel-12のものであった。それ以来、D2D(device-to-device)技術から利益を得る使用事例を広げるために複数の拡張が導入されてきた。
【0083】
LTEは、Rel-14およびRel-15において、総体としてV2X(Vehicle-to-Everything)と呼ばれる車両用通信を対象とするD2D SL機能のサポートを含むように拡張された。NRに関するV2Xの使用事例は、周囲の車両環境の知見を高めるためのセンサー/車両間のデータ共有など、安全性関連だけではない適用をも含む。そのため、NR SLは、車両の隊列走行、車両間の協力的な操作、遠隔運転/自律運転などの適用をサポートするように構想されている。
【0084】
SLによって、D2D UEは、3GPPネットワークのカバレッジ内(InC)、カバレッジ外(OOC)、および部分的カバレッジの(すなわち、D2D UEの一方がInCであるが他方がOOCである)状況のとき、通信を確立することができる。上記で論じたPDCCHを介したDCIによく似て、UEは、物理SL制御チャネル(PSCCH)を介してSL制御情報(SCI)をやりとりすることができる。
【0085】
InCまたは部分的カバレッジで動作するとき、ネットワークは、SLを介して通信しているUEの挙動に対する制御の様々な度合いを訓練し得る。InC、OOC、および部分的カバレッジのシナリオに対して、V2X SL動作のためのブロードキャスト送信、グループキャスト/マルチキャスト送信、およびユニキャスト送信がサポートされる。ユニキャストおよびグループキャスト/マルチキャストのSL送信のために、UE物理レイヤ(PHY)においてHARQ(すなわちACK/NAK)フィードバックおよびHARQ結合がサポートされる。たとえば、HARQフィードバックは、物理SLフィードバックチャネル(PSFCH)を通じて送られる。
【0086】
しかしながら、グループキャスト/マルチキャスト通信では、ユニキャスト通信よりもHARQ再送信を使用することの難易度が高い。SLにおける中央コントローラがないので、複数のHARQフィードバックが受信されたとき、UE挙動を特定することは簡単ではない。一般に、グループキャスト/マルチキャストに対するHARQの許容は設定可能にするべきである。たとえば、セッションにおけるメンバの数が多いとき、シグナリングオーバヘッドが重くなるのを回避するために、グループキャスト/マルチキャストのセッションに対するHARQは許容されるべきではない。さらに、不必要な再送信を回避するために、送信機UEによるパケット再送信を許すタイミングを制御するための、ある特定のルールが必要になることがある。
【0087】
一般に、HARQフィードバックは、決定性時間および周波数と、関連するデータ送信との関係に基づいて送信される。たとえば、HARQフィードバックは、(事前に)設定されたPSFCHリソースで送信され得る。利点は、HARQプロセスとそれ自体の関連したHARQフィードバックとの間に1:1のマッピングがあり得ることにより、制御シグナリングにおいてHARQプロセスIDのオーバヘッドを制限することである。
【0088】
その上、HARQフィードバックを有する送信(たとえばユニキャスト/マルチキャスト)は、HARQフィードバックなしの送信(たとえばブロードキャスト)と共存する必要がある。共存するための簡単な手法の1つには、システムの観点から、PSFCHリソースを(事前に)設定することがある。たとえば、スロットにPSFCHが存在する場合には、すべてのUEが、スロットの最後の少数のシンボルがPSFCH送信のために確保されるものと想定することになる。他方では、これは、HARQフィードバックが送られないときには希少なリソースを浪費することになる。
【0089】
より柔軟ではあるが複雑な手法に、PSCCH経由でSCIを使用して、スロットにおけるHARQフィードバックの存在を指示するものがある。しかしながら、この手法では、スロットの内部の電力変化によって受信機の自動利得制御(AGC)が不安定になって、PSSCH復号に障害が生じたり送信の信頼性が低下したりする可能性がある。このように、上記2つの手法では、リソース効率とPSSCH信頼性との間のトレードオフが生じる。しかしながら、V2X用途の重要な性質のために、NRは、システムの観点からPSFCHリソースを(事前)設定する前者の手法をサポートする。
【0090】
それでも、ユニキャストとグループキャスト/マルチキャストセッションとの両方について、HARQフィードバックをサポートするのは、必ずしも必要かつ/または有利であるとは限らないであろう。一例として、HARQ再送信は、レイテンシが重要なある特定の使用事例に対して、受け入れがたいレイテンシをもたらす可能性がある。したがって、1つの使用事例および/またはシナリオを基に、HARQフィードバック/送信を可能にするかまたは不可能にするのが有利であり得る。たとえば、NRは、グループキャスト/マルチキャスト通信において、HARQフィードバックの距離ベースの可能化をサポートする。言い換えれば、データ受信UEがデータ送信UEから遠く離れている場合、データ受信UEは、データパケットに対するHARQフィードバックを送信しない。この機構により、HARQ再送信の数が減少し、接続なしのグループキャスト/マルチキャストが可能になり、上位レイヤのグループキャスト/マルチキャストのセッション確立は実行されず、HARQが可能になるのは、それ自体の通信距離要件に基づく特定のサービスについてである。
【0091】
その上、NRは、グループキャスト/マルチキャストのシナリオでは2つのタイプのHARQ機構をサポートする。1つの選択肢は、PSSCHの復号に成功した場合にはACKを送信し、失敗した場合にはNACKを送信すること包含している。他の選択肢は、PSSCH復号に失敗した場合には、NACKをのみ送信してACKは送信しないことを包含する。後者の選択肢では、送信機UEには、PSCCHの失敗とデータ送信の成功とを識別するためのやり方は提供されない。しかしながら、一般に、送信機UEは、NACKが受信されなければPSSCHがうまく復号されたと想定する。後者の選択肢は、不必要な送信を制限してネットワークの輻輳を低減するのに特に有効である。これらの2つの選択肢の間の選択は、シナリオおよび/または使用事例に基づく設定が可能である。
【0092】
グループキャスト/マルチキャストのシナリオにおける信頼性向上のための従来の手法は、これらの再送信を組み合わせることなく、単一の通常の変調符号化方式を使用してデータ送信を繰り返すことを包含している。この手法には、(繰返しによる)ネットワークの輻輳の増加や、グループメンバ間のチャネル状態の差異による、ある特定のグループメンバに関する不適切な伝送品質/信頼性といった、短所が含まれる。
【0093】
本開示の例示的な実施形態は、(事前に)規定されたユーザのグループに対するマルチキャスト送信のための柔軟なHARQ機構を提供することにより、これらや他の問題、懸案事項、および/または短所に対処するものである。そのような実施形態では、ネットワーク(たとえばサービングgNB)に対するユーザのUL接続は、DL送信の受信の成否の指示を採用することができ、ネットワークは、それに応じて作用し、かつ/または応答することが可能になる。たとえば、gNBの再送信方式はUE状態に基づき得る。
【0094】
一般に、gNBおよびサーブされるUEには、ネットワーク状態、グループ内のユーザの数、サービスの要求品質などの種々の設定に依拠して、種々のHARQセッティングが設定され得る。これらの設定は、HARQフィードバックの使用法、ならびに再送信の使用法および/またはタイプ(たとえばマルチキャストにおける元の送信およびユニキャストにおける再送信)を規定する。一般に、再送信は、
・グループ全体への1つのマルチキャスト送信、
・グループ全体のうちのサブグループのそれぞれに宛てたいくつかのマルチキャスト送信、
・個別のUEに宛てた1つまたは複数のユニキャスト送信、または
・上記のようにユニキャストと組み合わせたマルチキャスト、
のいずれかとして設定され得る。
【0095】
いくつかの実施形態では、判定された数の再送信に対して全体的な送信が(事前に)設定され得るように、再送信は、UEフィードバックなしでも使用され得る。この場合、この解決策は、さらなる時間ダイバーシティをもたらし、RRC_CONNECTED、RRC_INACTIVE、またはRRC_IDLE状態における無制限の数のUEに対して使用され得る。
【0096】
これらの柔軟に設定されたHARQ機構は、様々な利点および/または利益を提供することができる。たとえば、UEのグループは、たとえばマルチキャストグループに関連付けられたgroup_IDの関数であるかまたはこれに基づくマルチキャストRNTI(MC-RNTI)といった、マルチキャスト送信のために規定された新規のグループ識別子を使用して、効率的に対処され得る。別の例として、HARQ設定は、複雑さおよび/または容量要件における大幅な増加なしで、Uuインターフェースのための既存の制御フレームワーク(たとえばPDCCHおよびDCIフィールド)に含まれ得る。さらに、そのような機構は、異なるキャストモード(たとえばユニキャスト再送信を用いるソフトコンバインのマルチキャスト送信、および/またはソフトコンバインのマルチキャスト送信を用いるユニキャスト再送信)を使用して送信され得るインクリメンタル冗長性に基づいて、いくつかの再送信のビットレベルのソフトコンバイニングを容易にすることができる。その上、そのような機構は、UE、UEのグループ、またはUEのグループのサブセットの、特定の状態を考慮に入れ、ユニキャストモードまたはマルチキャストモードを使用して、データパケットまたはメッセージのネットワーク再送信を容易にすることができる。
【0097】
前述のように、実施形態は、高レベルにおいて、マルチキャストシナリオにおけるHARQを可能にし、かつ/または容易にするための機構を提供する。そのような実施形態では、HARQ設定は、(たとえばCRCにスクランブルをかけるために使用される)RNTIによって暗示的に指示され得、またはPDCCHの内部の新規のDCIフィールドを使用して明示的にシグナリングされ得る。種々のHARQ設定が、ネットワーク状態および/またはUE要件もしくはサービス制限(たとえば特定のサービスに関連付けられた送信のために必要とされられるQoS)に依拠して生成され、適応的に使用され得る。その上、HARQ設定に依拠して、ネットワーク(たとえばサービングgNB)によって、UEのグループに対して、意図されたUEのみに向けたユニキャストまたはグルーブ全体へのマルチキャストなど追加の再設定またはシグナリングなしで、再送信が、柔軟なやり方で対処され、かつ/または提供され得る。その上、そのような設定により、たとえば同一のデータパケットのユニキャスト再送信およびマルチキャスト再送信といった別々のキャストモードに基づく再送信のソフトコンバイニングが容易になる。
【0098】
いくつかの実施形態では、ユニキャストとマルチキャストとのどちらにおいても、RRC_CONNECTED状態のUEのみが、サービングgNBによって、HARQフィードバックを可能化または不可能化され得るように、UEとサービングgNBとの間にアクティブUL接続が必要とされる。そのような実施形態では、可能化および/または不可能化は、以下で論じられる様々なやり方で実行され得る。
【0099】
いくつかの実施形態では、DCIにいかなる付加情報も含めることなく、種々のHARQ設定を規定することが可能である。この場合、MC_RNTIは、たとえばMC-RNTIによってスクランブルをかけられたDCIによってスケジューリングされるDL送信(たとえばPDSCH)に関するHARQフィードバックのHARQ設定を、暗示的にシグナリングすることができる。一例として、UEは、MC-RNTIによってスクランブルをかけられたDCIによってスケジューリングされる場合には、スケジューリングされたPDSCH送信に対してHARQフィードバックを送信するべきではない。他方では、UEは、UEのC-RNTI(または他のユニキャスト関連のRNTI)によってスクランブルをかけられたDCIによってスケジューリングされる場合には、スケジューリングされたPDSCH送信に関するHARQフィードバックを生成する。
【0100】
いくつかの実施形態では、MC-RNTIでスクランブルをかけられたDCIの受信に対する応答はまた、UEのMC-RNTIに応答したHARQ送信の可能化または不可能化の(たとえばネットワークからのRRCによる)以前の設定に基づき得る。たとえば、この設定情報は、UEに対するMC-RNTIの割当ての一部、またはPUCCHに関するリソース設定の一部であり得る。いくつかの実施形態では、暗示的HARQ設定(たとえばMC_RNTI_HARQ)を含むMC_RNTIは、グループのgroup_IDの関数として、またはグループに関する特定のHARQ設定に基づいて、規定され得る。
【0101】
他の実施形態では、マルチキャストまたはユニキャストの送信をスケジューリングするためのDCIは、関連したPDSCH送信のためのHARQ設定(必要に応じて、たとえばHARQフィードバックが必要かどうか、およびHARQフィードバックのタイプ)を指示するための、たとえばHARQ_configといった新規のフィールドを含むことができる。例示的な2ビットのDCIフィールドについては、
0. ACK/NACKなし→HARQ_config=DCIにおける00、
1. ACKのみ→HARQ_config=DCIにおける01、
2. NACKのみ→HARQ_config=DCIにおける10、
3. ACKとNACKとの両方→HARQ_config=DCIにおける11、
といった4つのHARQ設定がそれぞれの4つのDCI値に関連付けられ得る。
【0102】
いくつかの実施形態では、選択肢2(NACKのみ)は、UE_IDを伴うNACKとUE_IDなしのNACKとの2つのサブ選択肢にさらに分割され得る。UE_IDなしのサブ選択肢は、グループ内のすべてのUEが同一の無線リソース(たとえば同調した時間-周波数)で同一信号を送信する同時キャストNACKを促進することができる。そのような機構は、受信gNBが、NACKを送信したUEはどれか、何台のUEがNACKを送信したのか、といったことを識別することができないという短所があるものの、無線リソースの使用を低減することができる。あるいは、UE_IDを伴うNACKはそのような識別が可能であり、結果的にユニキャスト再送信を促進することができる。
【0103】
このようにDCIフィールドを使用することの利点は、新規のRNTIを共有する必要性または他の追加のシグナリングなしで、単にフィールドDCIを変更することにより、gNBが、UEに必要なHARQ設定を迅速かつ効率的に変更し得ることにある。このことはまた、そのようなフィールドを含むDCIによってスケジューリングされた各PDSCHについて、独立して行われ得る。このように、同一のUEに対する種々の送信において、いくつかのHARQ設定が使用され得る(たとえば共存することができる)。たとえば、マルチキャスト送信は選択肢1(ACKのみ)に基づいて設定され得、ユニキャスト送信は選択肢3(ACKとNACKとの両方)がされ得る。
【0104】
いくつかの実施形態では、gNBによって、ネットワークの特定の送信に関する要件(たとえばQoS)および/または輻輳に基づき、様々なHARQ設定が選択され得る。たとえば、gNBは、高度に輻輳したシナリオではUE ACK送信を先行させるように決定することができ、選択肢0または選択肢2のいずれかをUEに設定する。
【0105】
いくつかの実施形態では、無線アクセスネットワーク(たとえばNG-RAN)の上位レイヤプロトコルおよび/またはコアネットワーク(たとえば5GC)におけるエンティティによって、グループを含むUEが選択され得る。いくつかの実施形態では、そのようなグループを含むUEは単一のUEであり得る。gNBは、グループを含むサーブされるUEを選択したとき、または選択を受信したとき、MC-RNTIをこれらのUEに設定する。この設定は、RRCメッセージまたはシステム情報(SI)などのユニキャストシグナリングまたはマルチキャストシグナリングによって実行され得る。
【0106】
様々な実施形態において、通常の地理的領域、通常の望まれるサービスまたは用途、通常の望まれるQoSなどに基づいて、ユーザの特定のグループが選択され得る。その上、そのようなグループの、ネットワークによる選択は、グループを構成するすべてのUEと同時に情報を共有する必要性を突如として招く、用途関連またはサービス関連のイベントを含む様々なイベントによってトリガされ得る。
【0107】
他の実施形態では、ある特定のUEが、それぞれのMC-RNTIに関連するもう1つのグループのメンバであるように事前設定され得て、gNBは、そのようなグループに属するUEにこれらのMC-RNTIを供給する必要がなくなる。そのような実施形態では、有効なMC-RNTIの数は、他のグループの数と同じ(たとえば1つのグループ当たり1つのMC-RNTI)であり得、かつ/または他のHARQ設定の数と同じであり得る。言い換えれば、特定のMC-RNTIが、グループ、HARQ設定、または両方に関連付けられ得る。そのような実施形態は、HARQ設定に変更がないかまたは変更する必要がない静的シナリオ向けに、有効かつ/または有利であり得る。これは、HARQ設定の選択肢3が常にオンであることが必要とされるV2Xまたは国家安全保障/公衆安全(NSP)の使用事例を含むことができる。
【0108】
いくつかの実施形態では、gNBは、(事前設定されていなければ)UEのグループを規定して、グループに関連付けられたMC-RNTIを共有すると、マルチキャストPDSCHを介して、グループを含むUEに情報を送信する。その上、上記で論じられたように、gNBは、PDCCHを通じてDCIを送ることによってそのようなマルチキャストPDSCHをスケジューリングし、DCIのCRCは、関連するMC-RNTIでスクランブルをかけられている。このように、PDCCH送信を復号して、スケジューリングされたマルチキャストPDSCHを判定することができるのは、このグループのUEのみである。
【0109】
様々な他の実施形態は、HARQ NACKに応答して、またはUEからのHARQフィードバックとは無関係にも、データパケットの再送信を、選択的に可能にし、不可能にし、かつ/または設定することができる。後者の場合、時間ダイバーシティ利得を助長するために、たとえばデータパケットのそれぞれの送信および再送信に対して同じ(またはほぼ同じ)数のPRBが割り当てられ得る。同様に、それぞれの送信および再送信のための周波数ドメインにおけるPRBの相対的な機構は、周波数ダイバーシティ利得を助長するように設定され得る。そのような実施形態では、ネットワークは、支配的なチャネル状態(たとえばあまり頑健でないチャネル状態向けのさらにいくつかの再送信)、サービスまたは用途などを含む様々な要因に基づいて再送信の回数を判定することができる。
【0110】
いくつかの実施形態では、HARQ設定の選択肢3(ACKとNACKとの両方)が、別々のチャネル状態(たとえばgNBからの距離)を有するUEのグループに対して使用されるとき、再送信は、グループを構成している特定のUEまたはUEのサブセットを対象として、別々のキャストモードで実行され得る。たとえば、gNBは、以下の要因のうちの1つまたは複数に基づいて、マルチキャスト再送信またはユニキャスト再送信を選択的に実行することができる。
・閾値に対する、gNBにおいて特定のUEから受信されたNACKの数。そのような数は、あらかじめ規定された期間内の連続したNACKの数(n_NACKs)、この期間内のACK数とNACK数との比などを含むことができる。閾値は、ネットワークによって(たとえば支配的な輻輳状態に基づいて適応的に)設定され得、または3GPP規格として規定され得る。
・閾値に対する、gNBによってタイムウィンドウ中にすべてのUEから受信されたNACKの数。
【0111】
たとえば、上記の数のいずれかが、対応する閾値を超えると、gNBは、UEにNACKを送るユニキャスト再送信を実行することになり、再送信は、それぞれのUEが最初にgNBに接続されたとき受信したC-RNTIによってスクランブルをかけられたスケジューリングDCI CRCを有する。C-RNTIがUE_IDを使用するので、そのようなUEは、再送信が成功する機会を増加するために、有利なMCSを使用して個々に対処され得る。閾値は、上記で論じられたのと同様のやり方で規定され得、かつ/または設定され得る。一例として、閾値を減少すると、gNBは、より早く、かつ/またはより頻繁に、ユニキャスト再送信に切り替わることができる。
【0112】
あるいは、gNBは、上記の数のいずれかが、対応する閾値未満であるときには、NACKを送っているUEに対するユニキャスト再送信を実行することができる。そのような場合、閾値を増加すると、gNBは、より早く、かつ/またはより頻繁に、ユニキャスト再送信に切り替わることができる。
【0113】
同様に、ユニキャスト再送信指示が、特定のMC-RNTI設定もしくは特定のDCI設定および/またはスケジューリングPDCCHに関連したフィールド値に対して暗示的であって、しかも、NACKが、グループを含む、UEの小さいサブセットに由来するものである場合には、gNBは、それらのUEに関するそれぞれのC-RNTIによってスクランブルをかけられたCRCを用いる個別のスケジューリングDCIに基づいて、サブセットのそれぞれのUEに対するユニキャスト再送信を実行することができる。このように、gNBは、これら特定のユーザのみに対処することができる。
【0114】
いくつかの実施形態では、他のエンティティ(たとえばgNB)からデータパケットの送信や再送信を受信するエンティティ(たとえばUE)は、個々の(再)送信によってもたらされるよりも信頼性の高い送信を達成するために、同一の送信の様々なコピーまたはバージョンをソフトコンバインすることができる。その上、そのようなソフトコンバイニングは、送信や再送信および/または別の再送信が別々のキャスティング機構を使用してもたらされる場合でも実行され得る。
【0115】
たとえば、マルチキャスト送信およびユニキャスト再送信の場合を検討する。元の送信は、グループに固有のMC-RNTI、特定のHARQプロセスに関するプロセスナンバ、およびこれが元の送信であることをシグナリングする新規データのインジケータフィールドを使用する。(たとえばNACKまたは事前設定によって)トリガされたユニキャスト再送信は、UEに固有のC-RNTI、元のマルチキャスト送信のために使用されたものと同一のHARQプロセスナンバ、およびこれが再送信であることをシグナリングする新規のデータのインジケータフィールドを使用することになる。そこで、受信機UEは、この情報を用いて、そのようなマルチキャスト送信とユニキャスト再送信とのソフトコンバイニングを実行することができる。さらに、CBGごとの(符号ブロックグループ)再送信が設定された場合には、CBGTI(CBG伝達情報)およびCBGFI(CBGフラッシングアウト情報)が利用され得る。
【0116】
NRは、リソースグリッド(たとえば図4)による時分割多重(TDM)および周波数分割多重(FDM)に加えて、gNBからUEへのユニキャスト再送信のための複数のビームも提供することができる。これは空間分割多重(SDM)とも呼ばれている。たとえば、複数のビームを使用すると、他のUEへの干渉の回避を支援することができ、可能性として再送信のSINRが向上し得る。したがって、グループ内の複数のUEへのユニキャスト再送信は、複数のビームを採用することもでき、各ビームが、意図されたUEの各々に関する個々のUE_IDに基づくC-RNTIによってスクランブルをかけられたスケジューリングDCIを搬送する。このように、それぞれのUEへの元の送信がマルチキャストによるものであったとしても、ネットワークは、グループの複数のUEへのユニキャスト再送信を実質的に同時に実行することができる。
【0117】
上記で説明された実施形態が、UEに関する例示的な方法(たとえばプロシージャ)およびネットワークノードによって実施される例示的な方法(たとえばプロシージャ)をそれぞれ表現する図7図8の参照によりさらに説明され得る。言い換えれば、以下で説明される動作の様々な特徴は、上記で説明された様々な実施形態に対応する。その上、図7図8に示される例示的な方法は、様々な利益、利点、および/または本明細書で説明された問題に対する解決策を提供するために協力的に使用され得る。図7図8は特定のブロックを特定の順番で示すが、例示的な方法の動作は、示されたものとは異なる順番で実施され得、また、示されたものとは異なる機能性を有するブロックへと結合および/または分割され得る。随意のブロックまたは動作が、破線によって指示されている。
【0118】
詳細には、図7は、本開示の様々な例示的な実施形態による、無線アクセスネットワーク(RAN)におけるネットワークノードからのマルチキャスト送信に関するHARQフィードバックのための例示的な方法(たとえばプロシージャ)の流れ図を示す。例示的な方法は、他の図を参照しながら本明細書で説明されたUEなどのユーザ機器(たとえば無線デバイス、IoTデバイス、モデムなどのUE、またはその構成要素)によって実行され得る。
【0119】
例示的な方法は、UEが、ネットワークノードから、UEに関連する最初のマルチキャスト送信をスケジューリングする最初のダウンリンク制御情報(DCI)を受信することができる、ブロック720の動作を含み得る。例示的な方法は、UEが、第1のマルチキャスト送信に関するHARQフィードバックモードを判定することができる、ブロック730の動作をも含むことができる。例示的な方法は、UEが、第1のDCIに基づいて、第1のマルチキャスト送信の復号を試行することができる、ブロック740の動作をも含み得る。例示的な方法は、UEが、ネットワークノードに、判定されたHARQフィードバックモードおよび復号の試行(すなわちブロック740における試行)の成否に基づいて、第1のマルチキャスト送信に関するHARQフィードバックを選択的に送信することができる、ブロック750の動作をも含むことができる。
【0120】
いくつかの実施形態では、(たとえばブロック730における)HARQフィードバックモードの判定は、第1のDCIと、第1のDCI以前にネットワークノードから受信した無線リソース制御(RRC)メッセージとのうちの1つまたは複数に基づき得る。
【0121】
これらの実施形態のうちのいくつかでは、第1のDCIまたはRRCメッセージが含み得るフィールドは、HARQフィードバックは送信されるべきではないと指示する第1の値、およびHARQフィードバックが送信されるべきであると指示する第2の値を有する。言い換えれば、第1のDCIまたはRRCメッセージは、2つの値のいずれかを有するフィールドを埋めることができ、UEは、両方の値を解釈して、それに応じて作動することができる。たとえば、このフィールドは、上記で説明されたHARQ_configフィールドであり得る。いくつかの実施形態では、第2の値は、肯定応答(ACK)と否定応答(NACK)との両方が送信されるべきであると指示することができ、このフィールドは、NACKのみが送信されるべきであると指示する第3の値を含むことができる。
【0122】
これらの実施形態の他のものでは、第1のDCIは第1のDCIのペイロードの巡回冗長検査(CRC)を含み、CRCは、UEに関連する識別子によってスクランブルをかけられる。そのような実施形態では、識別子はHARQフィードバックモードを指示する。そのような実施形態では、RRCメッセージは、1つまたは複数の、グループに固有の識別子(たとえばMC-RNTI)を備える設定情報を含むことができ、各識別子は、そのUEを含む1つまたは複数のUEのグループ、およびネットワークノードからのマルチキャスト送信(たとえば最初のマルチキャスト送信を含む)に関するHARQフィードバックモード、のうちの少なくとも1つに関連する。
【0123】
これらの実施形態のうちのいくつかでは、ブロック730の判定する動作は、サブブロック731~732の動作を含むことができる。サブブロック731において、UEは、UEに固有の識別子(たとえばC-RNTI)である識別子に基づき、HARQフィードバックが送信されるべきであると判定することができる。サブブロック732において、UEは、グループに固有の識別子のうちの1つ(たとえばMC-RNTI)である識別子に基づき、HARQフィードバックは送信されるべきではないと判定することができる。
【0124】
これらの実施形態のうちの他のものでは、ブロック730の判定する動作は、サブブロック731~732の動作を含むことができる。サブブロック733において、UEは、グループに固有の識別子のうち第1のもの(たとえばMC-RNTI-1)である識別子に基づき、HARQフィードバックを第1のモードによって送信するべきであると判定することができる。サブブロック734において、UEは、グループに固有の識別子のうち第2のもの(たとえばMC-RNTI-2)である識別子に基づき、HARQフィードバックを第1のモードとは異なる第2のモードによって送信するべきであると判定することができる。
【0125】
いくつかの実施形態では、ブロック750の選択的に送信する動作は、サブブロック751の動作を含むことができ、ここにおいて、UEは、
・判定されたHARQフィードバックモードが、HARQフィードバックは送信されるべきではないというものであること、
・復号の試行が成功し、判定されたHARQフィードバックモードが、否定応答(NACK)のみ送信されるべきというものであること、および
・復号の試行が成功せず、判定されたHARQフィードバックモードが、肯定応答(ACK)のみ送信されるべきというものであること、
の各々に応答してHARQフィードバックの送信を控えることができる。
【0126】
いくつかの実施形態では、ブロック750の選択的に送信する動作は、サブブロック752の動作を含むことができ、ここにおいて、UEは、復号の試行が不成功であったことに基づいて否定応答(NACK)を送信することができ、判定されたHARQフィードバックモードは、NACKのみが送信されるべきというものである。そのような実施形態では、NACKは、UEを含んでいるマルチキャストグループに共通のインジケータおよびアップリンクリソースを使用して送信され得る。
【0127】
いくつかの実施形態では、例示的な方法は、UEが、続いて、第1のマルチキャスト送信の再送信をスケジューリングする第2のDCIを受信することができる、ブロック760の動作をも含み得る。様々な実施形態において、UEは、第1のマルチキャスト送信について上記で説明されたのと同様のやり方で、再送信に関するHARQフィードバックモードを判定することができる。
【0128】
これらの実施形態のうちのいくつかでは、第2のDCIは、再送信がUEへのユニキャスト送信であると指示することができる。そのような実施形態では、ブロック740において最初のマルチキャスト送信の復号を試行することは、UEが、最初のマルチキャスト送信に関連する最初のソフト情報を記憶し得るサブブロック741の動作を含むことができる。そのような実施形態では、例示的な方法は、UEが、再送信を受信すること、および第1のソフト情報と第2のソフト情報との組合せを基にデータメッセージを復号することに基づいて、第2のソフト情報を判定し得る、ブロック770~780の動作をも含み得る。
【0129】
これらの実施形態のうち他のものでは、第2のDCIは、再送信が第2のマルチキャスト送信であると指示することができる。そのような実施形態では、第1のDCIは、UEに関連する第1のグループに固有の識別子(たとえばMC-RNTI-1)によってスクランブルをかけられる、第1のDCIのペイロードの巡回冗長検査(CRC)を含み得、第2のDCIは、UEに関連する第2のグループに固有の識別子(たとえばMC-RNTI-2)によってスクランブルをかけられる、第2のDCIのペイロードのCRCを含み得る。たとえば、第1および第2のグループに固有の識別子は、前述のものなどのRRC設定メッセージで以前に受信済みであり得る。
【0130】
さらに、図8は、本開示の様々な例示的な実施形態による、ユーザ機器(UE)のグループに対するマルチキャスト送信に関連してハイブリッドARQ(HARQ)フィードバックを管理するための例示的な方法(たとえばプロシージャ)の流れ図を示す。例示的な方法は、他の図を参照しながら本明細書で説明されたものなどの無線アクセスネットワーク(たとえばE-UTRAN、NG-RANといったRAN)のネットワークノード(たとえば基地局、eNB、gNBなど、またはその構成要素)によって実行され得る。
【0131】
例示的な方法は、ネットワークが、UEのグループに関連する最初のマルチキャスト送信をスケジューリングする最初のダウンリンク制御情報(DCI)を送信することができる、ブロック810の動作を含み得る。例示的な方法は、ネットワークノードが、少なくとも第1のマルチキャスト送信に関するHARQフィードバックモードを指示することができる、ブロック820の動作をも含むことができる。例示的な方法は、ネットワークノードが、第1のDCIに従って第1のマルチキャスト送信を送信することができる、ブロック830の動作をも含むことができる。例示的な方法は、ネットワークノードが、グループの1つまたは複数のUEからの、第1のマルチキャスト送信に関連したHARQフィードバックを、指示されたHARQフィードバックモードに基づいて選択的に監視することができる、ブロック840の動作をも含むことができる。
【0132】
いくつかの実施形態では、HARQフィードバックモードは、(たとえばブロック820において)、第1のDCIのうちの1つまたは複数、および第1のDCIの前にグループのUEに送信されるそれぞれの無線リソース制御(RRC)メッセージによって指示され得る。
【0133】
これらの実施形態のうちのいくつかでは、第1のDCIまたはRRCメッセージが含み得るフィールドは、HARQフィードバックは送信されるべきではないと指示する第1の値、およびHARQフィードバックが送信されるべきであると指示する第2の値を有する。言い換えれば、第1のDCIまたはRRCメッセージは、2つの値のいずれかを有するフィールドを埋めることができ、UEは、両方の値を解釈して、それに応じて作動することができる。たとえば、フィールドは、上記で説明されたHARQ_configフィールドであり得る。いくつかの実施形態では、第2の値は、肯定応答(ACK)と否定応答(NACK)との両方が送信されるべきであると指示することができ、このフィールドは、NACKのみが送信されるべきであると指示する第3の値を含むことができる。
【0134】
これらの実施形態の他のものでは、第1のDCIは第1のDCIのペイロードの巡回冗長検査(CRC)を含み、CRCは、UEに関連する識別子によってスクランブルをかけられる。そのような実施形態では、識別子は、第1のマルチキャスト送信に関するHARQフィードバックモードを指示する。そのような実施形態では、RRCメッセージは、1つまたは複数の、グループに固有の識別子(たとえばMC-RNTI)を備える設定情報を含むことができ、各識別子は、そのUEを含む1つまたは複数のUEのグループ、およびネットワークノードからのマルチキャスト送信(たとえば最初のマルチキャスト送信を含む)に関するHARQフィードバックモード、のうちの少なくとも1つに関連する。
【0135】
これらの実施形態のうちのいくつかでは、UEに固有の識別子(たとえばC-RNTI)である識別子は、HARQフィードバックが送信されるべきであると指示し、一方、グループに固有の識別子(たとえばMC-RNTI)のうちの1つである識別子は、HARQフィードバックが送信されるべきではないと指示する。
【0136】
これらの実施形態のうちの他のものでは、グループに固有の識別子のうちの第1のもの(たとえばMC-RNTI-1)である識別子が、HARQフィードバックを、第1のモードによって送信するべきであると指示する。同様に、グループに固有の識別子のうちの第2のもの(たとえばMC-RNTI-2)である識別子が、HARQフィードバックを、第1のモードとは異なる第2のモードによって送信するべきであると指示する。
【0137】
いくつかの実施形態では、ブロック840の選択的に監視する動作は、サブブロック841の動作を含むことができ、ここにおいて、ネットワークノードは、(たとえばブロック820における)HARQフィードバックが送信されるべきではないとの指示に基づいて、第1のマルチキャスト送信に対するHARQフィードバックの監視を控えることができる。いくつかの実施形態では、ブロック840の選択的に監視する動作は、サブブロック842の動作を含むことができ、ここにおいて、ネットワークノードは、NACKのみが送信されるべきであるとの指示に基づいて、グループのうちの1つまたは複数のUEがNACKを送信したとのインジケータについて、マルチキャストグループに共通のアップリンクリソースを監視することができる。
【0138】
いくつかの実施形態では、例示的な方法は、ブロック860~870の動作をも含むことができ、ここにおいて、ネットワークノードは、続いて、第1のマルチキャスト送信の再送信をスケジューリングする1つまたは複数の第2のDCIを送信し、次いで、1つまたは複数の第2のDCIに従って再送信を送信することをも得る。いくつかの実施形態では、第2のDCIは、それぞれのUEに特有のビームによって送信され得る。
【0139】
いくつかの実施形態では、再送信は、
・UEのグループへの第2のマルチキャスト送信、
・グループのそれぞれのUEへのそれぞれのユニキャスト送信、あるいは
・UEのグループの第1のサブセットへの第2のマルチキャスト送信、および第1のサブセットに含まれていないグループのそれぞれのUEへの1つまたは複数のユニキャスト送信、
といった再送信モードのうちの1つによって送信され得る。
【0140】
これらの実施形態のうちのいくつかの実施形態では、例示的な方法は、ブロック850の動作をも含むことができ、ここにおいて、ネットワークノードは、
・それぞれの特定のUEについて、第1の閾値に関連して特定のUEから受信されたNACKの数、および
・タイムウィンドウ中に、第2の閾値に関連して複数のUEから受信されたNACKの数
のうちの1つまたは複数に基づいてこれらの再送信モードのうちの1つを選択することができる。
【0141】
いくつかの実施形態では、第1の閾値および第2の閾値のうちの少なくとも1つは、UEおよびネットワークノードに関連した輻輳状態に基づき得る。
【0142】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の第2のDCIは、再送信がグループのそれぞれのUEへのそれぞれのユニキャスト送信を含むことを指示する。たとえば、1つまたは複数の第2のDCIは、それぞれのUEに固有の識別子(たとえばC-RNTI)によってスクランブルをかけられる、それぞれの第2のDCIのペイロードのそれぞれの巡回冗長検査(CRC)を含む。
【0143】
他の実施形態では、第2のDCIは、再送信がUEのグループへの第2のマルチキャスト送信であることを指示する。そのような実施形態では、第1のDCIは、UEのグループに関連する第1のグループに固有の識別子(たとえばMC-RNTI-1)によってスクランブルをかけられる、第1のDCIのペイロードのCRCを含み得、一方、第2のDCIは、UEのグループに関連する第2のグループに固有の識別子(たとえばMC-RNTI-2)によってスクランブルをかけられる、第2のDCIのペイロードのCRCを含み得る。たとえば、第1および第2のグループに固有の識別子は、UEのグループに対して、前述のものなどのRRC設定メッセージで以前に供給済みであり得る。
【0144】
様々な実施形態が、本明細書で、上記では方法に関して説明されたが、そのような方法が、様々なシステム、通信デバイス、コンピューティングデバイス、制御デバイス、装置、デバイス、コンピュータ可読媒体、コンピュータプログラム製品などにおいて、ハードウェアとソフトウェアとの様々な組合せによって具現され得ることを、当業者は認識されよう。
【0145】
図9は、他の図を参照しながら上記で説明されたものを含む、本開示の様々な実施形態による例示的な無線デバイスまたはユーザ機器(UE)900(以下では「UE900」と呼ばれる)のブロック図を示す。たとえば、UE900は、上記で説明された例示的な方法および/またはプロシージャのうちの1つまたは複数に対応する動作を実施するための、コンピュータ可読媒体に記憶された命令を実行することによって設定され得る。
【0146】
UE900は、並列アドレスおよびデータバス、シリアルポート、あるいは当業者に知られている他の方法および/または構造を備えることができる、バス970を介してプログラムメモリ920および/またはデータメモリ930に動作可能に接続され得るプロセッサ910(「処理回路とも呼ばれる」)を含むことができる。プログラムメモリ920には、プロセッサ910によって実行されたとき、本明細書で説明される様々な例示的な方法に対応する動作を含む様々な動作を実施するようにUE900を設定し、および/またはUE900がそれらの動作を実施することを可能にすることができる、(図9ではまとめてコンピュータプログラム製品961として示されている)ソフトウェアコード、プログラム、および/または命令が、記憶され得る。そのような動作の一部として、またはそのような動作に加えて、そのような命令の実行は、5G/NR、LTE、LTE-A、UMTS、HSPA、GSM、GPRS、EDGE、1xRTT、CDMA2000、802.11 WiFi、HDMI、USB、Firewireなどとして一般に知られているものなど、3GPP、3GPP2、またはIEEEによって規格化された1つまたは複数の無線通信プロトコル、あるいは無線トランシーバ940、ユーザインターフェース950、および/または制御インターフェース960とともに利用され得る任意の他の現在または将来のプロトコルを含む、1つまたは複数の有線または無線の通信プロトコルを使用して通信するようにUE900を設定し、および/またはUE900がそれらのプロトコルを使用して通信することを容易にすることができる。
【0147】
別の例として、プロセッサ910は、(たとえば、NRおよび/またはLTEのために)3GPPによって規格化されたMAC、RLC、PDCP、およびRRCレイヤプロトコルに対応する、プログラムメモリ920に記憶されたプログラムコードを実行することができる。さらなる例として、プロセッサ910は、無線トランシーバ940とともに、直交周波数分割多重(OFDM)、直交周波数分割多元接続(OFDMA)、およびシングルキャリア周波数分割多元接続(SC-FDMA)など、対応するPHYレイヤプロトコルを実装する、プログラムメモリ920に記憶されたプログラムコードを実行することができる。別の例として、プロセッサ910は、無線トランシーバ940とともに、他の互換デバイスおよび/またはUEとのD2D(device-to-device)通信を実装するプログラムメモリ920に記憶されたプログラムコードを実行することができる。
【0148】
プログラムメモリ920は、無線トランシーバ940、ユーザインターフェース950、および/またはホストインターフェース960など、様々な構成要素を設定および制御することを含む、UE900の機能を制御するためにプロセッサ910によって実行されるソフトウェアコードをも含むことができる。プログラムメモリ920は、本明細書で説明される例示的な方法および/またはプロシージャのいずれかを具現するコンピュータ実行可能命令を備える、1つまたは複数のアプリケーションプログラムおよび/またはモジュールをも備えることができる。そのようなソフトウェアコードは、たとえば、実装される方法ステップによって規定される所望の機能性が保持される限り、たとえば、Java、C++、C、Objective C、HTML、XHTML、機械コード、およびアセンブラなど、任意の知られているまたは将来の開発されるプログラミング言語を使用して指定されるか、または書き込まれ得る。追加として、または代替として、プログラムメモリ920は、UE900からリモートにある外部ストレージ構成(図示せず)を備えることができ、その外部ストレージ構成から、命令は、そのような命令の実行を可能にするように、UE900内に位置するかまたはUE900に取外し可能に結合されたプログラムメモリ920にダウンロードされ得る。
【0149】
データメモリ930は、本明細書で説明される例示的な方法および/またはプロシージャのいずれかに対応するかまたはそのいずれかを含む動作を含む、UE900のプロトコル、設定、制御、および他の機能において使用される変数を、プロセッサ910が記憶するためのメモリエリアを含むことができる。その上、プログラムメモリ920および/またはデータメモリ930は、不揮発性メモリ(たとえばフラッシュメモリ)、揮発性メモリ(たとえばスタティックRAMまたはダイナミックRAM)、またはそれらの組合せを含むことができる。さらに、データメモリ930は、1つまたは複数のフォーマットのリムーバブルメモリカード(たとえば、SDカード、メモリスティック、コンパクトフラッシュなど)が挿入および取り外され得る、メモリスロットを備えることができる。
【0150】
プロセッサ910が、上記で説明された機能性の一部分を各々が実装する、(たとえばマルチコアプロセッサを含む)複数の個々のプロセッサを含むことができることを、当業者は認識されよう。そのような場合、複数の個々のプロセッサは、プログラムメモリ920およびデータメモリ930に共通に接続されるか、あるいは複数の個々のプログラムメモリおよび/またはデータメモリに個々に接続され得る。より一般的には、UE900の様々なプロトコルおよび他の機能が、限定はしないが、アプリケーションプロセッサ、信号プロセッサ、汎用プロセッサ、マルチコアプロセッサ、ASIC、固定および/またはプログラマブルデジタル回路、アナログベースバンド回路、無線周波数回路、ソフトウェア、ファームウェア、ならびにミドルウェアを含む、ハードウェアとソフトウェアとの異なる組合せを含む多くの異なるコンピュータ構成において実装され得ることを、当業者は認識されよう。
【0151】
無線トランシーバ940は、UE900が、同様の無線通信規格および/またはプロトコルをサポートする他の機器と通信することを可能にする、無線周波数送信機および/または受信機の機能性を含むことができる。いくつかの例示的な実施形態では、無線トランシーバ940は、UE900が、3GPPおよび/または他の標準化団体による規格化のために提案された様々なプロトコルおよび/または方法に従って通信することを可能にする、1つまたは複数の送信機と1つまたは複数の受信機とを含む。たとえば、そのような機能性は、他の図に関して本明細書で説明されるような、OFDM、OFDMA、および/またはSC-FDMA技術に基づくPHYレイヤを実装するために、プロセッサ910と協働して動作することができる。
【0152】
いくつかの例示的な実施形態では、無線トランシーバ940は、UE900が、3GPPによって公表された規格に従って様々なLTE、LTEアドバンスト(LTE-A)、および/またはNRネットワークと通信することを容易にすることができる、1つまたは複数の送信機と1つまたは複数の受信機とを含む。本開示のいくつかの例示的な実施形態では、無線トランシーバ940は、UE900が、同じく3GPP規格に従って様々なNR、NR-U、LTE、LTE-A、LTE-LAA、UMTS、および/またはGSM/EDGEネットワークと通信するために必要な、回路、ファームウェアなどを含む。いくつかの実施形態では、無線トランシーバ940は、UE900と他の互換性のあるUEとの間のD2D通信をサポートする回路を含むことができる。
【0153】
いくつかの実施形態では、無線トランシーバ940は、UE900が、3GPP2規格に従って様々なCDMA2000ネットワークと通信するために必要な、回路、ファームウェアなどを含む。いくつかの実施形態では、無線トランシーバ940は、2.4GHz、5.6GHz、および/または60GHzの領域中の周波数を使用して動作するIEEE802.11 WiFiなど、未ライセンス周波数帯域中で動作する無線技術を使用して通信することが可能である。いくつかの実施形態では、無線トランシーバ940は、IEEE802.3イーサネット技術を使用することなどによる有線通信が可能であるトランシーバを含むことができる。これらの実施形態の各々に特有の機能性は、データメモリ930と連携する、および/またはデータメモリ930によってサポートされる、プログラムメモリ920に記憶されたプログラムコードを実行するプロセッサ910など、UE900中の他の回路に結合され得、および/または他の回路によって制御され得る。
【0154】
ユーザインターフェース950は、UE900の特定の実施形態に応じて様々な形態をとることができるか、またはまったくUE900にないことがある。いくつかの実施形態では、ユーザインターフェース950は、マイクロフォン、ラウドスピーカー、スライド可能ボタン、押下可能なボタン、ディスプレイ、タッチスクリーンディスプレイ、機械的または仮想キーパッド、機械的または仮想キーボード、および/あるいはモバイルフォン上で一般に見られる任意の他のユーザインターフェース特徴を備えることができる。他の実施形態では、UE900は、より大きいタッチスクリーンディスプレイを含むタブレットコンピューティングデバイスを備えることができる。そのような実施形態では、ユーザインターフェース950の機械的特徴のうちの1つまたは複数が、当業者によく知られているように、タッチスクリーンディスプレイを使用して実装される同等のまたは機能的に等価な仮想ユーザインターフェース特徴(たとえば、仮想キーパッド、仮想ボタンなど)によって置き換えられ得る。他の実施形態では、UE900は、特定の例示的な実施形態に応じて統合されるか、デタッチされるか、または着脱可能であり得る、機械的キーボードを備える、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ワークステーションなど、デジタルコンピューティングデバイスであり得る。そのようなデジタルコンピューティングデバイスはタッチスクリーンディスプレイをも備えることができる。タッチスクリーンディスプレイを有するUE900の多くの例示的な実施形態は、本明細書で説明されるかまたはさもなければ当業者に知られている例示的な方法および/またはプロシージャに関係する入力など、ユーザ入力を受信することが可能である。
【0155】
いくつかの実施形態では、UE900は、UE900の特徴および機能によって様々なやり方で使用され得る、配向センサーを含むことができる。たとえば、UE900は、配向センサーの出力を使用して、UE900のタッチスクリーンディスプレイの物理的配向をユーザがいつ変化させたかを判定することができる。配向センサーからの指示信号が、UE900上で実行する任意のアプリケーションプログラムにとって利用可能であり得、その結果、アプリケーションプログラムは、指示信号がデバイスの物理的配向の約90度変化を指示したとき、自動的にスクリーンディスプレイの配向を(たとえば、縦方向から横方向に)変えることができる。この例示的な様式では、アプリケーションプログラムは、デバイスの物理的配向にかかわらず、スクリーンディスプレイを、ユーザが読める様式に維持することができる。さらに、配向センサーの出力は、本開示の様々な例示的な実施形態とともに使用され得る。
【0156】
UE900の制御インターフェース960が、UE900の特定の例示的な実施形態、ならびにUE900が通信および/または制御することが意図される他のデバイスの特定のインターフェース要件の特定の例示的な実施形態に応じて、様々な形態をとることができる。たとえば、制御インターフェース960は、RS-232インターフェース、USBインターフェース、HDMIインターフェース、Bluetoothインターフェース、IEEE(「Firewire」)インターフェース、ICインターフェース、PCMCIAインターフェースなどを備えることができる。本開示のいくつかの例示的な実施形態では、制御インターフェース960は、上記で説明されたように、IEEE802.3イーサネットインターフェースを備えることができる。本開示のいくつかの例示的な実施形態では、制御インターフェース960は、たとえば、1つまたは複数のデジタルアナログ(D/A)変換器および/またはアナログデジタル(A/D)変換器を含む、アナログインターフェース回路を備えることができる。
【0157】
特徴、インターフェース、および無線周波数通信規格の上記のリストが、例にすぎず、本開示の範囲を限定しないことを、当業者は認識することができる。言い換えれば、UE900は、たとえば、ビデオカメラおよび/または静止画像カメラ、マイクロフォン、メディアプレーヤおよび/またはレコーダなどを含む、図9に示されているものよりも多くの機能性を備えることができる。その上、無線トランシーバ940は、Bluetooth、GPS、および/または他のものを含む追加の無線周波数通信規格を使用して通信するために必要な回路を含むことができる。その上、プロセッサ910は、そのような追加の機能性を制御するために、プログラムメモリ920に記憶されたソフトウェアコードを実行することができる。たとえば、GPS受信機から出力された方向性速度および/または位置推定値が、本開示の様々な例示的な実施形態による様々な例示的な方法および/またはコンピュータ可読媒体を含む、UE900上で実行する任意のアプリケーションプログラムにとって利用可能であり得る。
【0158】
図10は、他の図を参照しながら上記で説明されたものを含む、本開示の様々な実施形態による例示的なネットワークノード1000のブロック図を示す。たとえば、例示的なネットワークノード1000は、上記で説明された例示的な方法および/またはプロシージャのうちの1つまたは複数に対応する動作を実施するための、コンピュータ可読媒体に記憶された命令を実行することによって設定され得る。いくつかの例示的な実施形態では、ネットワークノード1000は、基地局、eNB、gNB、またはそれらの1つもしくは複数の構成要素を備えることができる。たとえば、ネットワークノード1000は、3GPPによって指定されたNR gNBアーキテクチャによる中央ユニット(CU)および1つまたは複数の分散ユニット(DU)として設定され得る。より一般的には、ネットワークノード1000の機能性は、様々な物理デバイスおよび/または機能ユニット、モジュールなどにわたって分散され得る。
【0159】
ネットワークノード1000は、並列アドレスおよびデータバス、シリアルポート、あるいは当業者に知られている他の方法および/または構造を備えることができるバス1070を介してプログラムメモリ1020およびデータメモリ1030に動作可能に接続されたプロセッサ1010(「処理回路とも呼ばれる」)を含むことができる。
【0160】
プログラムメモリ1020には、プロセッサ1010によって実行されたとき、本明細書で説明される様々な例示的な方法に対応する動作を含む様々な動作を実施するようにネットワークノード1000を設定し、および/またはネットワークノード1000がそれらの動作を実施することを容易にすることができる、(図10ではまとめてコンピュータプログラム製品1021として示されている)ソフトウェアコード、プログラム、および/または命令が、記憶され得る。そのような動作の一部として、および/またはそのような動作に加えて、プログラムメモリ1020は、ネットワークノード1000を、3GPPによってLTE、LTE-A、および/またはNR用に規格化されたPHY、MAC、RLC、PDCP、およびRRCレイヤプロトコル、あるいは無線ネットワークインターフェース1040および/またはコアネットワークインターフェース1050とともに利用されるその他の上位レイヤ(たとえばNAS)プロトコルなどの他のプロトコルまたはプロトコルレイヤのうちの1つまたは複数を使用して1つまたは複数の他のUEまたはネットワークノードと通信するように設定すること、および/またはこの通信を容易にすることができる、プロセッサ1010によって実行されるソフトウェアコードをも含むことができる。例として、3GPPによって規格化されたように、コアネットワークインターフェース1050はS1インターフェースまたはNGインターフェースを備えることができ、無線ネットワークインターフェース1040はUuインターフェースを備えることができる。プログラムメモリ1020は、無線ネットワークインターフェース1040およびコアネットワークインターフェース1050など、様々な構成要素を設定および制御することを含む、ネットワークノード1000の機能を制御するためにプロセッサ1010によって実行されるソフトウェアコードをも備えることができる。
【0161】
データメモリ1030は、ネットワークノード1000のプロトコル、設定、制御、および他の機能において使用される変数を、プロセッサ1010が記憶するためのメモリエリアを備えることができる。したがって、プログラムメモリ1020およびデータメモリ1030は、不揮発性メモリ(たとえば、フラッシュメモリ、ハードディスクなど)、揮発性メモリ(たとえば、スタティックRAMまたはダイナミックRAM)、ネットワークベース(たとえば、「クラウド」)ストレージ、またはそれらの組合せを備えることができる。プロセッサ1010が、上記で説明された機能性の一部分を各々が実装する、複数の個々のプロセッサ(図示せず)を含むことができることを、当業者は認識されよう。そのような場合、複数の個々のプロセッサは、プログラムメモリ1020およびデータメモリ1030に共通に接続されるか、あるいは複数の個々のプログラムメモリおよび/またはデータメモリに個々に接続され得る。より一般的には、ネットワークノード1000の様々なプロトコルおよび他の機能が、限定はしないが、アプリケーションプロセッサ、信号プロセッサ、汎用プロセッサ、マルチコアプロセッサ、ASIC、固定デジタル回路、プログラマブルデジタル回路、アナログベースバンド回路、無線周波数回路、ソフトウェア、ファームウェア、およびミドルウェアを含む、ハードウェアとソフトウェアとの多くの異なる組合せにおいて実装され得ることを、当業者は認識されよう。
【0162】
無線ネットワークインターフェース1040は、送信機と、受信機と、信号プロセッサと、ASICと、アンテナと、ビームフォーミングユニットと、ネットワークノード1000が、いくつかの実施形態において、複数の互換性があるユーザ機器(UE)などの他の機器と通信することを可能にする、他の回路とを備えることができる。いくつかの実施形態では、インターフェース1040は、ネットワークノード1000が衛星通信ネットワークの互換性のある人工衛星と通信することを可能にすることもできる。いくつかの例示的な実施形態では、無線ネットワークインターフェース1040は、LTE、LTE-A、LTE-LAA、NR、NR-Uなどのために3GPPによって規格化された、PHY、MAC、RLC、PDCP、および/またはRRCレイヤプロトコル、本明細書において上記で説明されたようなそれらのプロトコルの改善、あるいは無線ネットワークインターフェース1040とともに利用される任意の他の上位レイヤプロトコルなど、様々なプロトコルまたはプロトコルレイヤを備えることができる。本開示のさらなる例示的な実施形態によれば、無線ネットワークインターフェース1040は、OFDM、OFDMA、および/またはSC-FDMA技術に基づくPHYレイヤを備えることができる。いくつかの実施形態では、そのようなPHYレイヤの機能性は、無線ネットワークインターフェース1040と(メモリ1020中のプログラムコードを含む)プロセッサ1010とによって協働的に提供され得る。
【0163】
コアネットワークインターフェース1050は、送信機と、受信機と、ネットワークノード1000が、いくつかの実施形態において、回線交換(CS)コアネットワークおよび/またはパケット交換コア(PS)ネットワークなどのコアネットワーク中の他の機器と通信することを可能にする、他の回路とを備えることができる。いくつかの実施形態では、コアネットワークインターフェース1050は、3GPPによって規格化されたS1インターフェースを備えることができる。いくつかの実施形態では、コアネットワークインターフェース1050は、3GPPによって規格化されたNGインターフェースを備えることができる。いくつかの例示的な実施形態では、コアネットワークインターフェース1050は、当業者に知られている、GERAN、UTRAN、EPC、5GC、およびCDMA2000コアネットワーク中で見られる機能性を備える、1つまたは複数のAMF、SMF、SGW、MME、SGSN、GGSN、および他の物理デバイスへの1つまたは複数のインターフェースを備えることができる。いくつかの実施形態では、これらの1つまたは複数のインターフェースは単一の物理インターフェース上で一緒に多重化され得る。いくつかの実施形態では、コアネットワークインターフェース1050の下位レイヤが、非同期転送モード(ATM)、インターネットプロトコル(IP)オーバーイーサネット、光ファイバー上のSDH、銅線上のT1/E1/PDH、マイクロ波無線機、あるいは当業者に知られている他の有線または無線の送信技術のうちの1つまたは複数を備えることができる。
【0164】
いくつかの実施形態では、ネットワークノード1000が含み得るハードウェアおよび/またはソフトウェアが、ネットワークノード1000を、他のeNB、gNB、ng-eNB、en-gNB、IABノードなどのRANにおける他のネットワークノードと通信するように設定し、および/またはこの通信を容易にする。そのようなハードウェアおよび/またはソフトウェアは、無線ネットワークインターフェース1040および/またはコアネットワークインターフェース1050の一部であり得、または別個の機能ユニット(図示せず)であり得る。たとえば、3GPPによって規格化されているように、そのようなハードウェアおよび/またはソフトウェアは、ネットワークノード1000を、X2またはXnのインターフェースを介して他のRANノードと通信するように設定すること、および/またはこの通信を容易にすることができる。
【0165】
OA&Mインターフェース1060が、送信機と、受信機と、ネットワークノード1000が、ネットワークノード1000に動作可能に接続された他のネットワーク機器の運用、アドミニストレーション、およびネットワークノード1000の保守のための外部ネットワーク、コンピュータ、データベースなどと通信することを可能にする、他の回路とを備えることができる。OA&Mインターフェース1060の下位レイヤが、非同期転送モード(ATM)、インターネットプロトコル(IP)オーバーイーサネット、光ファイバー上のSDH、銅線上のT1/E1/PDH、マイクロ波無線機、あるいは当業者に知られている他の有線または無線の送信技術のうちの1つまたは複数を備えることができる。その上、いくつかの実施形態では、無線ネットワークインターフェース1040と、コアネットワークインターフェース1050と、OA&Mインターフェース1060とのうちの1つまたは複数が、上記にリストされた例のように、単一の物理インターフェース上で一緒に多重化され得る。
【0166】
図11は、本開示の1つまたは複数の例示的な実施形態による、ホストコンピュータとユーザ機器(UE)との間のオーバーザトップ(OTT)データサービスを提供するように設定された例示的な通信ネットワークのブロック図である。UE1110が、無線インターフェース1120上で無線アクセスネットワーク(RAN)1130と通信することができ、これは、たとえば、LTE、LTE-A、および5G/NRを含む、上記で説明されたプロトコルに基づき得る。たとえば、UE1110は、上記で説明された他の図に示されているように設定および/または構成され得る。
【0167】
RAN1130は、ライセンス済みスペクトル帯で動作可能な1つまたは複数の地上ネットワークノード(たとえば基地局、eNB、gNB、コントローラなど)、ならびに(たとえばLAAまたはNR-U技術を使用して)2.4GHz帯および/または5GHz帯などの未ライセンススペクトルで動作可能な1つまたは複数のネットワークノードを含むことができる。そのような場合、RAN1130を備えるネットワークノードは、ライセンス済みスペクトルおよび未ライセンススペクトルを使用して協力的に動作することができる。いくつかの実施形態では、RAN1130は、衛星アクセスネットワークを備える1つまたは複数の人工衛星を含むかまたはこれと通信することができる。
【0168】
RAN1130は、上記で説明された様々なプロトコルおよびインターフェースに従ってコアネットワーク1140とさらに通信することができる。たとえば、RAN1130を備える1つまたは複数の装置(たとえば、基地局、eNB、gNBなど)が、上記で説明されたコアネットワークインターフェース1150を介してコアネットワーク1140と通信することができる。いくつかの例示的な実施形態では、RAN1130およびコアネットワーク1140は、上記で説明された他の図に示されているように設定および/または構成され得る。たとえば、E-UTRAN1130を備えるeNBは、S1インターフェースを介してEPCコアネットワーク1140と通信することができる。別の例として、NR RAN1130を備えるgNBは、NGインターフェースを介して5GCコアネットワーク1130と通信することができる。
【0169】
コアネットワーク1140は、さらに、当業者に知られている様々なプロトコルおよびインターフェースに従って、インターネット1150として図11に示されている外部パケットデータネットワークと通信することができる。例示的なホストコンピュータ1160など、多くの他のデバイスおよび/またはネットワークも、インターネット1150に接続し、インターネット1150を介して通信することができる。いくつかの例示的な実施形態では、ホストコンピュータ1160は、媒介としてインターネット1150、コアネットワーク1140、およびRAN1130を使用して、UE1110と通信することができる。ホストコンピュータ1160は、サービスプロバイダの所有および/または制御下のサーバ(たとえば、アプリケーションサーバ)であり得る。ホストコンピュータ1160は、OTTサービスプロバイダによって、またはサービスプロバイダの代わりに別のエンティティによって動作させられ得る。
【0170】
たとえば、ホストコンピュータ1160は、コアネットワーク1140およびRAN1130の設備を使用して、UE1110にオーバーザトップ(OTT)パケットデータサービスを提供することができ、UE1110は、ホストコンピュータ1160への/からの発信/着信通信のルーティングに気づいていないことがある。同様に、ホストコンピュータ1160は、ホストコンピュータからUEへの送信のルーティング、たとえば、RAN1130を通した送信のルーティングに気づいていないことがある。たとえば、ホストコンピュータからUEへの(単方向)オーディオおよび/またはビデオ、ホストコンピュータとUEとの間の対話型(双方向)オーディオおよび/またはビデオ、対話型メッセージングまたはソーシャル通信、対話型仮想現実または拡張現実などをストリーミングすることを含む、様々なOTTサービスが、図11に示されている例示的な設定を使用して提供され得る。
【0171】
図11に示されている例示的なネットワークは、本明細書で開示される例示的な実施形態によって改善されるデータレート、レイテンシおよび他のファクタを含む、ネットワーク性能メトリックを監視する測定プロシージャおよび/またはセンサーをも含むことができる。例示的なネットワークは、測定結果の変動に応答してエンドポイント(たとえば、ホストコンピュータとUEとの)間のリンクを再設定するための機能性をも含むことができる。そのようなプロシージャおよび機能性は、知られており、実施され、ネットワークが、OTTサービスプロバイダから無線インターフェースを隠すかまたは抽象化した場合、測定が、UEとホストコンピュータとの間のプロプライエタリシグナリングによって容易にされ得る。
【0172】
本明細書で説明された例示的な実施形態は、マルチキャスト送信にハイブリッドARQ(HARQ)を適用することを容易にし、かつ/または可能にするための効率的な技術を提供するものである。異なるHARQ設定が生成されて適応的に使用され得る一方で、ネットワーク(たとえばサービングgNB)によって、UEのグループに対して、意図されたUEのみに向けたユニキャストまたはグルーブの全体もしくは一部へのマルチキャストなど追加の再設定またはシグナリングなしで、再送信が、柔軟なやり方で対処され、かつ/または提供され得る。そのような技術により、異なるキャストモード(たとえばユニキャストとマルチキャスト)に基づく、1つのデータパケットの送信と再送信とのソフトコンバイニングも容易になる。本明細書で説明された例示的な実施形態は、NRおよび/またはLTE UE(たとえばUE 1110)ならびにeNBおよび/またはgNB(たとえばRAN1130を含む)において使用されたとき、データ送信の信頼性を容易に向上することができ、エンドユーザによる、(たとえばホストコンピュータ1160によって提供される)OTTサービスの利用が増加し得る。
【0173】
上記は、本開示の原理を示すにすぎない。本明細書の教示に鑑みて、説明される実施形態の様々な変更および改変が当業者に明らかになろう。したがって、本明細書で明示的に示されず、または説明されないが、本開示の原理を具現し、したがって、本開示の趣旨および範囲内にあり得る、多数のシステム、構成、およびプロシージャを、当業者は考案し得ることが諒解されよう。当業者によって理解されるべきであるように、様々な例示的な実施形態が、互いに一緒に、ならびに互いに互換的に使用され得る。
【0174】
ユニットという用語は、電子工学、電気デバイス、および/または電子デバイスの分野における従来の意味を有し得、たとえば本明細書で説明されたような電気回路および/または電子回路、デバイス、モジュール、プロセッサ、記憶装置、ソリッドステートおよび/またはディスクリートのロジックデバイス、それぞれのタスク、プロシージャ、計算、出力、および/または表示機能を実行するためのコンピュータプログラムまたは命令などを含み得る。
【0175】
本明細書で開示された任意の適切なステップ、方法、特徴、機能、または利益は、1つまたは複数の仮想装置の1つまたは複数の機能ユニットまたはモジュールによって実施され得る。各仮想装置が、これらの機能ユニットを複数備え得る。これらの機能ユニットは、1つまたは複数のマイクロプロセッサまたはマイクロコントローラ、ならびに、デジタル信号プロセッサ(DSP)、専用デジタルロジックなどを含み得る他のデジタルハードウェアを含み得る処理回路によって実装され得る。処理回路は、読取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、キャッシュメモリ、フラッシュメモリデバイス、光学記憶デバイスなどの1つまたはいくつかのタイプの記憶装置を含み得る記憶装置に記憶されたプログラムコードを実行するように設定されてよい。記憶装置に記憶されたプログラムコードは、1つまたは複数の遠隔通信プロトコルおよび/またはデータ通信プロトコルを実行するためのプログラム命令、ならびに本明細書で説明された技術のうちの1つまたは複数を実行するための命令を含む。いくつかの実装形態では、処理回路は、それぞれの機能ユニットに、本開示の1つまたは複数の実施形態による対応する機能を実施するように使用され得る。
【0176】
本明細書で説明されるように、デバイスおよび/または装置が、半導体チップ、チップセット、あるいはそのようなチップまたはチップセットを備える(ハードウェア)モジュールによって表され得るが、これは、デバイスまたは装置の機能性が、ハードウェア実装される代わりに、プロセッサ上での実行のためのまたはプロセッサ上で稼働されている実行可能ソフトウェアコード部分を備えるコンピュータプログラムまたはコンピュータプログラム製品などのソフトウェアモジュールとして実装される可能性を、除外しない。さらに、デバイスまたは装置の機能性は、ハードウェアとソフトウェアとの任意の組合せによって実装され得る。デバイスまたは装置はまた、機能的に互いと協働するのか互いとは無関係であるのかにかかわらず、複数のデバイスおよび/または装置のアセンブリと見なされ得る。その上、デバイスおよび装置は、デバイスまたは装置の機能性が保持される限り、システム全体にわたって分散して実装され得る。そのような類似の原理は当業者に知られていると見なされる。
【0177】
別段に規定されていない限り、本明細書で使用される(技術用語および科学用語を含む)すべての用語は、本開示が属する技術の当業者によって通常理解されるものと同じ意味を有する。本明細書で使用される用語は、本明細書および関連技術の文脈におけるそれらの用語の意味に従う意味を有するものとして解釈されるべきであり、そのように本明細書で明確に規定されていない限り、理想的なまたは過度に形式的な意味において解釈されないことがさらに理解されよう。
【0178】
さらに、本開示の明細書、図面、および例示的な実施形態を含めて、本開示で使用されるいくつかの用語は、限定はしないが、たとえば、データおよび情報を含めて、いくつかの事例では同義的に使用され得る。互いに同義であり得るこれらの単語および/または他の単語が本明細書で同義的に使用され得るが、そのような単語が同義的に使用されないことが意図され得る事例があり得ることを、理解されたい。さらに、従来技術の知識が上記で参照により本明細書に明示的に組み込まれていない限り、従来技術の知識は、その全体が本明細書に明示的に組み込まれる。参照されるすべての刊行物は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0179】
本明細書で説明される技法および装置の例示の実施形態は、限定はしないが、以下の列挙された例を含む。
【0180】
E1. 無線アクセスネットワーク(RAN)内のネットワークノードからのマルチキャスト送信に関するハイブリッドARQ(HARQ)フィードバックのために、ユーザ機器(UE)によって実行される方法であって、
UEに関連付けられた第1のマルチキャスト送信をスケジューリングする第1のダウンリンク制御情報(DCI)を受信することと、
第1のDCIに基づいて、第1のマルチキャスト送信に関するHARQフィードバックモードを判定することと、
第1のDCIに基づいて、第1のマルチキャスト送信の受信および復号を試行することと、
判定されたHARQフィードバックモードと、試行の成否とに基づいて、ネットワークノードに、HARQフィードバックを選択的に送信することと
を含む、ユーザ機器(UE)によって実行される方法。
【0181】
E2. 第1のDCIが、HARQフィードバックモードを指示するフィールドを含む、実施形態E1に記載の方法。
【0182】
E3. フィールドによって指示されるHARQフィードバックモードが、
HARQフィードバックなし、
肯定応答(ACK)のみ、
否定応答(NACK)のみ、または
ACKとNACKとの両方、
のうちの1つである、実施形態E2に記載の方法。
【0183】
E4. 第1のDCIが、UEに関連付けられた識別子によってスクランブルをかけられる、第1のDCIのペイロードの巡回冗長検査(CRC)を含み、
UEに関連付けられた識別子が、HARQフィードバックモードを指示する、
実施形態E1に記載の方法。
【0184】
E5. 第1のマルチキャスト送信に関するHARQフィードバックモードを判定することが、
UEに固有の識別子である識別子に基づいて、HARQフィードバックが送信されるべきであると判定することと、
UEに関連付けられた、グループに固有の識別子である識別子に基づいて、HARQフィードバックは送信されるべきではないと判定することと
を含む、実施形態E4に記載の方法。
【0185】
E6. 第1のマルチキャスト送信に関するHARQフィードバックモードを判定することが、
UEに関連付けられた、第1のグループに固有の識別子である識別子に基づいて、HARQフィードバックが第1のモードによって送信されるべきであると判定することと、
UEに関連付けられた、第2のグループに固有の識別子である識別子に基づいて、HARQフィードバックが、第1のモードとは異なる第2のモードによって送信されるべきであると判定することと
を含む、実施形態E4に記載の方法。
【0186】
E7. ネットワークノードからのマルチキャスト送信に関連付けられた、グループに固有の1つまたは複数の識別子を含む設定情報を、ネットワークノードから受信することをさらに含む、実施形態E4からE6のいずれか1つに記載の方法。
【0187】
E8. 第1のマルチキャスト送信の再送信をスケジューリングする第2のDCIを続いて受信することと、
第2のDCIに基づいて、スケジューリングされた再送信に関するHARQフィードバックモードを判定することと
をさらに含む、実施形態E1からE7のいずれか1つに記載の方法。
【0188】
E9. 第2のDCIが、再送信がUEへのユニキャスト送信であることを指示し、
第1のマルチキャスト送信の受信および復号を試行することが第1のソフト情報を記憶することを含む、方法であって、
スケジューリングされた再送信を受信することに基づいて第2のソフト情報を判定することと、
第1のソフト情報と第2のソフト情報との組合せに基づいてデータメッセージを復号することと
をさらに含む、実施形態E8に記載の方法。
【0189】
E10. 第2のDCIが、UEに固有の識別子によってスクランブルをかけられる、第2のDCIのペイロードの巡回冗長検査(CRC)を含む、実施形態E9に記載の方法。
【0190】
E11. 第2のDCIが、再送信が第2のマルチキャスト送信であることを指示し、
第1のDCIが、UEに関連付けられた第1のグループに固有の識別子によってスクランブルをかけられる、第1のDCIのペイロードの巡回冗長検査(CRC)を含み、
第2のDCIが、UEに関連付けられた第2のグループに固有の識別子によってスクランブルをかけられる、第2のDCIのペイロードのCRCを含む、
実施形態E8に記載の方法。
【0191】
E12. HARQフィードバックを選択的に送信することが、HARQフィードバックがないことを指示する判定されたHARQフィードバックモードに基づいて、HARQフィードバックの送信を控えることを含む、実施形態E1からE11のいずれか1つに記載の方法。
【0192】
E13. 複数のユーザ機器(UE)へのマルチキャスト送信に関してハイブリッドARQ(HARQ)フィードバックを管理するために無線アクセスネットワーク(RAN)内のネットワークノードによって実行される方法であって、
UEに関連付けられた第1のマルチキャスト送信をスケジューリングする第1のダウンリンク制御情報(DCI)を送信することであって、
第1のDCIが、第1のマルチキャスト送信に関するHARQフィードバックモードを指示する、第1のDCIを送信することと、
第1のDCIに従って第1のマルチキャスト送信を送信することと、
指示されたHARQフィードバックモードと、それぞれのUEによる第1のマルチキャスト送信の復号の成否とに基づいて、1つまたは複数のUEからのHARQフィードバックを選択的に受信することと
を含む、ネットワークノードによって実行される方法。
【0193】
E14. 第1のDCIが、HARQフィードバックモードを指示するフィールドを含む、実施形態E13に記載の方法。
【0194】
E15. フィールドによって指示されるHARQフィードバックモードが、
HARQフィードバックなし、
肯定応答(ACK)のみ、
否定応答(NACK)のみ、および
ACKとNACKとの両方、
のうちの1つによって指示される、実施形態E14に記載の方法。
【0195】
E16. 第1のDCIが、UEのうちの1つまたは複数に関連付けられた識別子によってスクランブルをかけられる、第1のDCIのペイロードの巡回冗長検査(CRC)を含み、
UEのうちの1つまたは複数に関連付けられた識別子がHARQフィードバックモードを指示する、
実施形態E13に記載の方法。
【0196】
E17. UEに固有の識別子である識別子が、HARQフィードバックが第1のマルチキャスト送信に応答して送信されるべきであると指示し、
グループに固有の識別子である識別子が、HARQフィードバックが第1のマルチキャスト送信に応答して送信されるべきではないと指示する、
実施形態E16に記載の方法。
【0197】
E18. 第1のグループに固有の識別子である識別子が、HARQフィードバックが第1のモードによって送信されるべきであると指示し、
第2のグループに固有の識別子である識別子が、HARQフィードバックが第1のモードとは異なる第2のモードによって送信されるべきであると指示する、
実施形態E16に記載の方法。
【0198】
E19. 複数のUEに、ネットワークノードから、マルチキャスト送信に関連付けられたグループに固有の1つまたは複数の識別子を含む設定情報を送信することをさらに含む、実施形態E16からE18のいずれか1つに記載の方法。
【0199】
E20. 第1のマルチキャスト送信の再送信をスケジューリングする1つまたは複数の第2のDCIを続いて送信することであって、1つまたは複数の第2のDCIが、スケジューリングされた再送信に関するHARQフィードバックモードを指示する、1つまたは複数の第2のDCIを続いて送信することと、
1つまたは複数の第2のDCIに従って再送信を送信することと
をさらに含む、実施形態E13からE19のいずれか1つに記載の方法。
【0200】
E21. 再送信が、
複数のUEへの第2のマルチキャスト送信、
複数UEのそれぞれに対する複数のユニキャスト送信、あるいは
複数のUEの第1のサブセットへの第2のマルチキャスト送信、および複数のUEの第2のサブセットのうちの1つまたは複数のUEのそれぞれに対する1つまたは複数のユニキャスト送信、
といった再送信モードのうちの1つによって送信される、実施形態E20に記載の方法。
【0201】
E22. 再送信モードのうちの1つを、
それぞれの特定のUEについて、第1の閾値に関連して特定のUEから受信された否定応答(NACK)の数、および
タイムウィンドウ中に、第2の閾値に関連して複数のUEから受信されたNACKの数
のうちの1つまたは複数に基づいて選択することをさらに含む、実施形態E21に記載の方法。
【0202】
E23. 第1の閾値および第2の閾値のうちの少なくとも1つが、UEおよびネットワークノードに関連した輻輳状態に基づくものである、実施形態E22に記載の方法。
【0203】
E24. 第2のDCIが、再送信がUEへのユニキャスト送信であることを指示し、
第2のDCIが、UEに固有の識別子によってスクランブルをかけられる、第2のDCIのペイロードの巡回冗長検査(CRC)を含む、
実施形態E20からE23のいずれか1つに記載の方法。
【0204】
E25. 第2のDCIが、再送信が第2のマルチキャスト送信であることを指示し、
第1のDCIが、UEに関連付けられた第1のグループに固有の識別子によってスクランブルをかけられる、第1のDCIのペイロードの巡回冗長検査(CRC)を含み、
第2のDCIが、UEに関連付けられた第2のグループに固有の識別子によってスクランブルをかけられる、第2のDCIのペイロードのCRCを含む、
実施形態E20からE23のいずれか1つに記載の方法。
【0205】
E26. 第1のDCIが、第1のマルチキャスト送信に関するHARQフィードバックを指示せず、
HARQフィードバックを選択的に受信することが、第1のDCIがHARQフィードバックを指示しないことに基づいて、HARQフィードバックの受信を控えることを含む、
実施形態E20からE25のいずれか1つに記載の方法。
【0206】
E27. 無線アクセスネットワーク(RAN)内のネットワークノードとの通信に関するUEのエネルギー消費を管理するように設定されたユーザ機器(UE)であって、
ネットワークノードと通信するように設定されたトランシーバ回路と、
トランシーバ回路に対して動作可能に結合された処理回路であって、それによって、処理回路およびトランシーバ回路が実施形態E1からE12のいずれか1つに記載の方法に対応する動作を実施するように設定される、処理回路と
を備えるユーザ機器(UE)。
【0207】
E28. 無線アクセスネットワーク(RAN)内のネットワークノードとの通信に関するUEのエネルギー消費を管理するようにされたユーザ機器(UE)であって、実施形態E1からE12のいずれか1つに記載の方法に対応する動作を実行するようにさらに構成されているUE。
【0208】
E29. コンピュータ実行可能命令を記憶している非一時的コンピュータ可読媒体であって、コンピュータ実行可能命令が、ユーザ機器(UE)の処理回路によって実行されたとき、無線アクセスネットワーク(RAN)内のネットワークノードとの通信に関するUEのエネルギー消費を管理するように設定されており、UEを、実施形態E1からE12のいずれか1つに記載の方法に対応する動作を実行させるように設定する、非一時的コンピュータ可読媒体。
【0209】
E30. コンピュータ実行可能命令を含むコンピュータプログラム製品であって、コンピュータ実行可能命令が、ユーザ機器(UE)の処理回路によって実行されたとき、無線アクセスネットワーク(RAN)内のネットワークノードとの通信に関するUEのエネルギー消費を管理するように設定されており、UEを、実施形態E1からE12のいずれか1つに記載の方法に対応する動作を実行させるように設定する、コンピュータプログラム製品。
【0210】
E31. 無線アクセスネットワーク(RAN)においてユーザ機器(UE)とネットワークノードとの間の通信に関するUEのエネルギー消費を管理するように設定されたネットワークノードであって、
UEと通信するように設定された無線ネットワークインターフェース回路と、
無線ネットワークインターフェース回路に対して動作可能に結合された処理回路であって、それによって、処理回路および無線ネットワークインターフェース回路が実施形態E13からE25のいずれか1つに記載の方法に対応する動作を実施するように設定される、処理回路と
を備えるネットワークノード。
【0211】
E32. 無線アクセスネットワーク(RAN)においてユーザ機器(UE)とネットワークノードとの間の通信に関するUEのエネルギー消費を管理するように設定されたネットワークノードであって、実施形態E13からE25のいずれか1つに記載の方法に対応する動作を実行するようにさらに設定されるネットワークノード。
【0212】
E33. コンピュータ実行可能命令を記憶している非一時的コンピュータ可読媒体であって、コンピュータ実行可能命令が、無線アクセスネットワーク(RAN)においてユーザ機器(UE)とネットワークノードとの間の通信に関するUEのエネルギー消費を管理するように設定されたネットワークノードの処理回路によって実行されたとき、ネットワークノードを、実施形態E13からE25のいずれか1つに記載の方法に対応する動作を実行させるように設定する、非一時的コンピュータ可読媒体。
【0213】
E34. コンピュータ実行可能命令を含むコンピュータプログラム製品であって、コンピュータ実行可能命令が、無線アクセスネットワーク(RAN)においてユーザ機器(UE)とネットワークノードとの間の通信に関するUEのエネルギー消費を管理するように設定されたネットワークノードの処理回路によって実行されたとき、ネットワークノードを、実施形態E13からE25のいずれか1つに記載の方法に対応する動作を実行させるように設定する、コンピュータプログラム製品。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A-B】
図7
図8
図9
図10
図11