(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-14
(45)【発行日】2023-11-22
(54)【発明の名称】着脱容易な構造を有するスクリーン用コード調節装置
(51)【国際特許分類】
E06B 9/52 20060101AFI20231115BHJP
E06B 9/54 20060101ALI20231115BHJP
【FI】
E06B9/52 N
E06B9/54
(21)【出願番号】P 2022070425
(22)【出願日】2022-04-21
【審査請求日】2022-08-09
(73)【特許権者】
【識別番号】511024997
【氏名又は名称】清展科技股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100088063
【氏名又は名称】坪内 康治
(72)【発明者】
【氏名】張 植淵
【審査官】砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】台湾特許出願公開第201422901(TW,A)
【文献】台湾特許出願公開第201344031(TW,A)
【文献】台湾特許出願公開第201728292(TW,A)
【文献】特開2012-127090(JP,A)
【文献】特開平5-248154(JP,A)
【文献】国際公開第2000/005478(WO,A1)
【文献】中国実用新案第2818750(CN,Y)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/52-9/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コード調節本体及び固定座を含み、該コード調節本体は、該固定座と組み合わせて結合され、かつ該固定座の外周縁に突出係止部及び留め具が設置され、該留め具の一端は、該固定座から一定の距離を隔てて圧縮空間を形成し、該圧縮空間は、該突出係止部が該固定座の外周縁から突出した距離より大きい、ことを特徴とする着脱容易な構造を有するスクリーン用コード調節装置。
【請求項2】
コード調節本体及び固定座を含み、該コード調節本体は、該固定座と組み合わせて結合され、かつ該固定座の外周縁に突出係止部及び留め具が設置され、また、該固定座の外周縁に第1の摺動溝が設置され、該留め具は、該第1の摺動溝を摺動することができるだけでなく、該第1の摺動溝の溝口から外部に一定の距離突出することができる、ことを特徴とする着脱容易な構造を有するスクリーン用コード調節装置。
【請求項3】
該固定座に収容溝が設置され、該収容溝に第1の位置制限凸部及び第2の位置制限凸部が設置され、該コード調節本体は、該固定座の該収容溝内に組み立てられ、かつ該固定座の該第1の位置制限凸部及び該第2の位置制限凸部に対応して第1の凹部及び第2の凹部が設置され、また、該コード調節本体の該第1の凹部に近い位置に案内斜面が設置される、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の着脱容易な構造を有するスクリーン用コード調節装置。
【請求項4】
該留め具に掛止部が設置される、ことを特徴とする請求項1に記載の着脱容易な構造を有するスクリーン用コード調節装置。
【請求項5】
該固定座の該第1の位置制限凸部となる箇所に弾性掻き板が設置される、ことを特徴とする請求項3に記載の着脱容易な構造を有するスクリーン用コード調節装置。
【請求項6】
該固定座の頂部に少なくとも1つの貫通孔が設置され、該コード調節本体には、該固定座の該貫通孔に対応して動作溝が設置され、該動作溝に回転軸が設置され、かつ該回転軸に複数の凸歯部が周設され、また、該動作溝の溝壁は、該回転軸のこれらの凸歯部の間に弾性ストッパが延設される、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の着脱容易な構造を有するスクリーン用コード調節装置。
【請求項7】
該回転軸に線結び孔が設置される、ことを特徴とする請求項6に記載の着脱容易な構造を有する
スクリーン用コード調節装置。
【請求項8】
該固定座の頂部に線戻し部及び線引込み口が設置され、該コード調節本体には、該固定座の該線戻し部に対応して線引込み溝が設置され、該線引込み溝は、該線引込み口及び該動作溝と連通する、ことを特徴とする請求項6に記載の着脱容易な構造を有するスクリーン用コード調節装置。
【請求項9】
該固定座の頂部に押動部が設置される、ことを特徴とする請求項1に記載の着脱容易な構造を有するスクリーン用コード調節装置。
【請求項10】
該固定座の頂部に第2の摺動溝が設置され、該第2の摺動溝は該第1の摺動溝と連通し、該留め具は該第1の摺動溝内に収容設置され、該留め具に押動部が設置され、該押動部は該第2の摺動溝から突出する、ことを特徴とする請求項2に記載の着脱容易な構造を有するスクリーン用コード調節装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コード調節装置に関し、特に着脱容易な構造を有するスクリーンコード調節装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在使用されているスクリーン装置は、例えば、発明特許第I500848号、第I612210号及び特許公開案第201728292号のように、プリーツ式網戸であれロール式網戸であれ、いずれもコード調節装置を利用してそのコードの緩みを調節し、しかし、前述のこれらの特許案におけるコード調節装置は、使用上にいくつかの欠点が存在し、それぞれ以下のとおりである。
【0003】
発明特許第I500848号には、プリーツ式網戸のコードの緩みを調節可能な構造が開示されており、その構造は、主に、カバー本体、基台及びケースを含み、基台に回転可能な調節ディスクが設置され、コードが調節ディスクに固着され、調節ディスクがコードの緩みを調節することにより、網をコードの適切な張力の作用下でスムーズに展開して収納することができ、しかし、この従来技術では、装着する前に、まず貫通孔を穿設する必要があり、更に複数のねじ止め組立体を利用してケースをスクリーン装置の枠体に固定してこそ、続いてカバー本体及び基台を枠体に装着することができ、このような装着方法は、穿孔及びねじ止め組立体の装着の工程と部品を必要とするだけでなく、穿孔の工程が常に技術者によって実施可能であるため、コストの増加をもたらすだけでなく、DIY装着の不便をもたらす。
【0004】
発明特許第I612210号及び特許公開案第201728292号の両方には、ロール式網戸の調整装置が開示されており、その構造は、カバー本体及びベースで構成され、かつ装着過程において、主に、先にカバー本体及びベースを組み立てた後、スクリーン装置の枠体に直接的に装着し、構造においてケースが設置されないため、穿孔の工程及びねじ止め組立体の組み立てを省略することができ、上記従来の構造の欠点を解消できるが、この従来技術は依然として使用上に以下の欠点を有する。
【0005】
一、 この従来技術では、主にカバー本体上の位置決め柱及び位置決めピンとベースの挿着孔及び係止部との結合を利用して、カバー本体とベースとを一体に組み立てることができ、しかし、前述の位置決め柱及び挿着孔はいずれも方形の構造であり、前述の方形の構造は、組み立て及び結合時に常に組み立てにくいという悩みを有する。
【0006】
二、更に、この従来技術では、ベースの係止部が案内溝の中間部分に設置されるため、カバー本体の位置決めピンとベースの係止部とを結合した後に前述の両者を分離しようとする場合、工具を使用して案内溝に挿入してこそ、カバー本体の位置決めピンを係止部から離脱させて、位置決めピンと係止部とを互いに係合させないことができ、しかし、このような構造設計は取り外しにくいという不便をもたらす。
【発明の概要】
【0007】
本発明の採用する技術手段は以下のとおりである。着脱容易な構造を有するスクリーン用コード調節装置は、コード調節本体及び固定座を含み、該コード調節本体は、該固定座と組み合わせて結合され、かつ該固定座の外周縁に突出係止部及び留め具が設置され、該留め具の一端は、該固定座から一定の距離を隔てて圧縮空間を形成し、該圧縮空間は、該突出係止部が該固定座の外周縁から突出した距離より大きい。
【0008】
着脱容易な構造を有するスクリーン用コード調節装置は、コード調節本体及び固定座を含み、該コード調節本体は、該固定座と組み合わせて結合され、かつ該固定座の外周縁に突出係止部及び留め具が設置され、また、該固定座の外周縁に第1の摺動溝が設置され、該留め具は、該第1の摺動溝を摺動することができるだけでなく、該第1の摺動溝の溝口から外部に一定の距離突出することができる。
【0009】
本発明の有益な効果は以下のとおりである。本発明に係る着脱容易な構造を有するスクリーン用コード調節装置は、固定座及びコード調節本体を含み、該固定座に収容溝が設置され、該収容溝に第1の位置制限凸部及び第2の位置制限凸部が設置され、該コード調節本体は、該固定座の該収容溝内に収容設置され、かつ該固定座の該第1の位置制限凸部及び該第2の位置制限凸部に対応して第1の凹部及び第2の凹部が設置され、該第1の凹部及び該第2の凹部と該固定座の該第1の位置制限凸部及び該第2の位置制限凸部とが凸部と凹部とを組み合わせて結合することにより、該コード調節本体が該固定座の該収容溝に収容設置されて、外れる恐れがなくなり、また従来技術の組み立て及び取り外しの不便を除去する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の第1の好ましい実施例がスクリーン装置の枠体に装着された場合の概略図である。
【
図2】本発明の第1の好ましい実施例の概略図である。
【
図3】本発明の第1の好ましい実施例の分解概略図である。
【
図4】本発明の第1の好ましい実施例の断面概略図である。
【
図5】本発明の第2の好ましい実施例の断面概略図のその1である。
【
図6】本発明の第2の好ましい実施例の分解概略図のその2である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1~
図4に示すように、本発明の「着脱容易な構造を有するスクリーン用コード調節装置」の第1の好ましい実施例であり、主にスクリーン装置に装着され、プリーツ式網戸又はロール式網戸に実施される態様がいずれも同じであるため、本実施例は、プリーツ式網戸だけを説明される構造とし、ロール式網戸に実施される態様についての説明を省略する。該スクリーン装置(20)は、少なくとも1つの枠体(21)を有し、かつ該枠体(21)にスクリーン網(22)が設置され、該スクリーン網(22)に少なくとも1本のコード(23)が貫通して設置され、この着脱容易な構造を有するスクリーン用コード調節装置(100)は、該スクリーン装置(20)の該枠体(21)に設置され、固定座(30)及びコード調節本体(40)を含み、該固定座(30)は、該スクリーン装置(20)の該枠体(21)の係合溝(24)に設置され、該固定座(30)には、該係合溝(24)の溝口に対応して突出係止部(31)及び留め具(32)が設置され、該突出係止部(31)は、該固定座(30)の外周縁から一定の距離突出し、該留め具(32)は、板状を呈し、少なくとも根元部(321)及び端部(322)を有し、該根元部(321)は、該固定座(30)に接続され、該端部(322)は、該固定座(30)から一定の距離を隔てて圧縮空間を形成し、該圧縮空間は、該突出係止部(31)が該固定座(30)の外周縁から突出した距離より大きく、また、該留め具(32)の該端部(322)に掛止部(323)が設置され、また、該固定座(30)の頂部に押動部(33)及び線戻し部(34)が設置され、本実施例では、該押動部(33)は、凹み溝であり、該線戻し部(34)は、ロッド体であり、しかし、該押動部(33)及び該線戻し部(34)の構造は前述のものに限定されず、また、該固定座(30)の底部に収容溝(35)が設置され、該収容溝(35)が該固定座(30)に向かう頂部及び該線戻し部(34)に少なくとも1つの貫通孔(36)及び線引込み口(37)が設置され、また、該収容溝(35)に第1の位置制限凸部(351)及び第2の位置制限凸部(352)が設置され、該固定座(30)の該第1の位置制限凸部(351)となる箇所に弾性掻き板(38)が形成される。
【0012】
続いて
図2~
図4に示すように、該コード調節本体(40)は、該固定座(30)の該収容溝(35)内に収容設置され、該固定座(30)の該第1の位置制限凸部(351)及び該第2の位置制限凸部(352)に対応して第1の凹部(41)及び第2の凹部(42)が設置され、また、該コード調節本体(40)の該第1の凹部(41)に近い位置に案内斜面(411)が設置され、該コード調節本体(40)を該固定座(30)の該収容溝(35)に収容設置する過程において、該コード調節本体(40)の該第2の凹部(42)を有する一端を傾斜方式でまず該固定座(30)の該収容溝(35)内に挿入し、次に、該コード調節本体(40)の他端を、更に該案内斜面(411)を利用して該固定座(30)の該第1の位置制限凸部(351)と接触させることにより、該コード調節本体(40)の他端が該案内斜面(411)に沿って該固定座(30)の該収容溝(35)内に滑り込むことができ、この場合、該コード調節本体(40)の該第1の凹部(41)及び該第2の凹部(42)が該固定座(30)の該第1の位置制限凸部(351)及び該第2の位置制限凸部(352)にちょうど貼り付けられるため、該コード調節本体(40)が該固定座(30)の該収容溝(35)に収容設置できて、外れる恐れがなくなり、そして前述の構造設計により、従来技術における方形の構造を用いることにより組み立てにくくなるという問題を解決することができ、また、本実施例では、該コード調節本体(40)を該固定座(30)の該収容溝(35)から取り出しようとする場合、該固定座(30)上の該弾性掻き板(38)を外に動かして、該弾性掻き板(38)を外向きに弾性変形させる以外、該固定座(30)の該第1の位置制限凸部(351)を該コード調節本体(40)の該第1の凹部(41)から離脱させて互いに当接させないだけで、該コード調節本体(40)を該固定座(30)の該収容溝(35)から取り出すことができ、取り外し過程を簡略化することができるだけでなく、該コード調節本体(40)を迅速に取り出すことができるなどの効果を有する。
【0013】
また、該コード調節本体(40)には、該固定座(30)の該貫通孔(36)及び該線引込み口(37)に対応して動作溝(43)及び線引込み溝(44)が設置され、該線引込み溝(44)は、該動作溝(43)と連通し、かつ内部に回転軸(45)が更に設置され、該回転軸(45)に線結び孔(451)が設置され、かつ複数の凸歯部(452)が周設され、また、該動作溝(43)の溝壁は、該回転軸(45)のこれら凸歯部(452)の間に弾性ストッパ(453)が延設される。
【0014】
また、
図1~
図4に示すように、本実施例を使用するとき、まず該スクリーン装置(20)の該コード(23)を該固定座(30)の該線戻し部(34)を通過させて、該コード(23)を折り返して該固定座(30)の該線引込み口(37)及び該コード調節本体(40)の該線引込み溝(44)に引き込み、更に該動作溝(43)内に引き込み、該コード(23)を更に該回転軸(45)の該線結び孔(451)内に結び、続いて、該コード調節本体(40)を該固定座(30)の該収容溝(35)内に組み立てることにより、該回転軸(45)を該固定座(30)と該コード調節本体(40)との間に位置制限することができ、同時に該回転軸(45)の一端を該固定座(30)の該貫通孔(36)に収容することができ、次に、該固定座(30)上の該突出係止部(31)を該係合溝(24)の溝口の内縁に挿入することができ、該留め具(32)の該掛止部(323)が弾性力の作用により該係合溝(24)の溝口の縁部に弾性的に掛け止められ、該固定座(30)が該係合溝(24)から外部に外れる恐れがなくなり、そして該スクリーン装置(20)上の該コード(23)が締めすぎるか又は緩みすぎる場合、該コード(23)を該固定座(30)上の該貫通孔(36)を通過させ、該コード調節本体(40)内の該回転軸(45)を緩め又は締め付けることにより、該コード(23)が適切な張力を維持することができ、該スクリーン網(22)をスムーズに展開して収納して閉めることができる。
【0015】
更に、該スクリーン装置(20)をメンテナンスするために本実施例を取り外す必要がある場合、指で該固定座(30)の該押動部(33)に力を付勢するだけで、該固定座(30)が該留め具(32)の方向に摺動し、かつ摺動過程において該留め具(32)が該係合溝(24)の溝口の縁部の押圧により圧縮空間の方向に向かって弾性変形し、そして該留め具(32)の弾性変形の距離が該突出係止部(31)の該固定座(30)の外周縁から突出した距離より大きい場合、該突出係止部(31)は、該係合溝(24)の溝口の内縁から離脱することができ、更に該留め具(32)の該掛止部(323)が該係合溝(24)の溝口の外縁に係止されるため、いかなる掛止作用がない場合に該係合溝(24)から該固定座(30)を取りやすい。
【0016】
図5及び
図6に示すように、本発明の第2の好ましい実施例であり、該第2の好ましい実施例の大きな部分構造は、第1の好ましい実施例と同じであり、その相違点は以下のとおりである。該固定座(30’)には、該係合溝(24)の溝口に対応して突出係止部(31’)及び留め具(32’)が設置され、該固定座(30’)の頂部及びその外周縁の該留め具(32’)に対応する位置に第1の摺動溝(391’)及び第2の摺動溝(392’)が設置され、かつ該第1の摺動溝(391’)及び該第2の摺動溝(392’)は、互いに連通し、該留め具(32’)は、該第1の摺動溝(391’)内に収容設置され、該押動部(33’)は、該留め具(32’)に設置され、かつ該第2の摺動溝(392’)の溝口から外部に一定の距離突出し、このように、付勢力により該押動部(33’)に作用することにより、該留め具(32’)が該固定座(30’)の外周縁から一定の距離突出することができ、該係合溝(24)の溝口に係合して当てやすく、かつ逆方向な付勢力が該押動部(33’)に作用すると、該留め具(32’)が該第1の摺動溝(392”)に引っ込み、該留め具(32’)が該係合溝(24)の溝口に係合して当てないようにし、この場合、該固定座(30’)を該係合溝(24)から取り出しやすく、第1の好ましい実施例と同様であり、取り出しやすい効果を有する。
【0017】
前述した実施例は、本発明の技術的思想及び特徴を説明するためのものに過ぎず、当業者がいずれも本発明の内容を理解しかつ実施することができることを目的とし、これにより本発明の特許範囲を限定すべきではなく、本発明の精神及び明細書の内容に基づいて行われた均等変化又は修飾は、いずれも本発明の特許の範囲内に含まれるべきである。