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特許7385094情報処理装置、情報処理装置の制御方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-14
(45)【発行日】2023-11-22
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理装置の制御方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G01C 15/00 20060101AFI20231115BHJP
   G01C 15/02 20060101ALI20231115BHJP
【FI】
G01C15/00 103C
G01C15/02
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020005076
(22)【出願日】2020-01-16
(65)【公開番号】P2021113686
(43)【公開日】2021-08-05
【審査請求日】2023-01-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000220343
【氏名又は名称】株式会社トプコン
(74)【代理人】
【識別番号】100187182
【弁理士】
【氏名又は名称】川野 由希
(74)【代理人】
【識別番号】100077986
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 太一
(74)【代理人】
【識別番号】100139745
【弁理士】
【氏名又は名称】丹波 真也
(74)【代理人】
【識別番号】100207642
【弁理士】
【氏名又は名称】簾内 里子
(72)【発明者】
【氏名】宮嶋 基広
【審査官】櫻井 仁
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-074746(JP,A)
【文献】特開2017-072390(JP,A)
【文献】特開2017-116437(JP,A)
【文献】特開2019-178983(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102013217479(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 15/00
G01C 15/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部と、表示部と、操作部と、水平を検出し、設定された勾配でレーザ光を出射するレーザ装置と通信可能な近距離無線通信部とを備え、
前記制御部は、前記近距離無線通信部を介して前記レーザ装置を遠隔操作するリモートコントローラ機能を実現するコントロール機能部を備え、
前記コントロール機能部は、前記近距離無線通信部を介して前記レーザ装置の動作状態を示すステータス情報を取得し、
前記コントロール機能部は、遠隔操作のためのコントロール初期画面上に、前記ステータス情報に応じた前記レーザ装置の動作状態を示すピクトグラムと、前記リモートコントローラ機能を呼び出すためのアイコンとを表示し、
前記ピクトグラムは、前記ピクトグラムが示す情報に関する色彩を反映した色彩で表されていることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
制御部と、表示部と、操作部と、水平を検出し、設定された勾配でレーザ光を出射するレーザ装置と通信可能な近距離無線通信部とを備え、
前記制御部は、前記近距離無線通信部を介して前記レーザ装置を遠隔操作するリモートコントローラ機能を実現するコントロール機能部を備え、
前記コントロール機能部は、前記近距離無線通信部を介して前記レーザ装置の動作状態を示すステータス情報を取得し、
前記コントロール機能部は、遠隔操作のためのコントロール初期画面上に、前記ステータス情報に応じた前記レーザ装置の動作状態を示すピクトグラムと、前記リモートコントローラ機能を呼び出すためのアイコンとを表示する情報処理装置であって、
通信ネットワークを介してサーバ装置と通信可能なネットワーク通信部をさらに備え、
前記制御部は、前記レーザ装置を管理する管理者機能部を備え、
前記管理者機能部は、前記レーザ装置のファームウェアのバージョン情報を取得して、前記ファームウェアのバージョンが最新でない場合には、前記ファームウェアを最新の状態に更新することを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
前記ステータス情報は、少なくとも前記レーザ装置におけるレーザビームの照射状態を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記レーザ装置を用いた作業を支援するための情報を記憶する記憶部を備え、
前記コントロール機能部は、前記作業を支援するための情報を閲覧可能にする作業支援機能を有し、
前記表示部は、前記コントロール初期画面上に前記作業支援機能を呼び出すためのアイコンを表示することを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記コントロール機能部は、リアルタイムにまたは所定の間隔で前記ステータス情報を取得し、前記ステータス情報について異常の有無を判断し、異常がある場合には、前記表示部に警告表示を表示し、異常が解消した場合には前記警告表示を解除することを特徴とする請求項1~のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項6】
通信ネットワークを介してサーバ装置と通信可能なネットワーク通信部をさらに備え、
前記制御部は、前記レーザ装置を管理する管理者機能部を備え、
前記管理者機能部は、前記レーザ装置のファームウェアのバージョン情報を取得して、前記ファームウェアのバージョンが最新でない場合には、前記ファームウェアを最新の状態に更新することを特徴とする請求項1および請求項1に従属する請求項3~5のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記管理者機能部は、前記近距離無線通信部を介して前記レーザ装置のログデータを取得し、前記ログデータを管理することを特徴とする請求項2,請求項2に従属する請求項3~5、および請求項6のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項8】
表示部、制御部、操作部、および設定された勾配でレーザ光を出射するレーザ装置と無線通信可能な近距離無線通信部を備える情報処理装置に実行させる情報処理装置の制御方法であって、
前記制御部が、前記近距離無線通信部を介して前記レーザ装置の動作状態を示すステータス情報を取得するステップと、
前記表示部が、遠隔操作のためのコントロール初期画面上に、前記ステータス情報に応じた前記レーザ装置の動作状態を示すピクトグラムと、前記制御部が前記近距離無線通信部を介して前記レーザ装置を遠隔操作するリモートコントローラ機能を実行させるアイコンとを表示するステップと、
を備え
前記ピクトグラムは、前記ピクトグラムが示す情報に関する色彩を反映した色彩で表されていることを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項9】
表示部、制御部、操作部、および設定された勾配でレーザ光を出射するレーザ装置と無線通信可能な近距離無線通信部を備える情報処理装置に実行させる情報処理装置の制御方法であって、
前記制御部が、前記近距離無線通信部を介して前記レーザ装置の動作状態を示すステータス情報を取得するステップと、
前記表示部が、遠隔操作のためのコントロール初期画面上に、前記ステータス情報に応じた前記レーザ装置の動作状態を示すピクトグラムと、前記制御部が前記近距離無線通信部を介して前記レーザ装置を遠隔操作するリモートコントローラ機能を実行させるアイコンとを表示するステップと、
を備え、
前記情報処理装置は、通信ネットワークを介してサーバ装置と通信可能なネットワーク通信部をさらに備え、
前記制御部は、前記レーザ装置を管理する管理者機能部をさらに備え、
前記管理者機能部は、前記レーザ装置のファームウェアのバージョン情報を取得して、前記ファームウェアのバージョンが最新でない場合には、前記ファームウェアを最新の状態に更新することを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項10】
表示部、制御部、操作部および設定された勾配でレーザ光を出射するレーザ装置と無線通信可能な近距離無線通信部を備える情報処理装置によって実行される、請求項8または9に記載の情報処理装置の制御方法を実行するためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理装置の制御方法およびプログラムに関し、より詳細には、携帯端末を用いて、レーザ装置を遠隔操作するための情報処理装置、情報処理装置の制御方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、レーザ装置として、上下水道管等のパイプを設定された勾配に沿って敷設するために設定された勾配で基準レーザを発光するパイプレーザが知られている。特許文献1にはリモートコントロール装置付きのパイプレーザが開示されている。特許文献1のリモートコントロール装置は、勾配を設定するためのレーザビームの点消灯を制御したり、レーザビームの中心がターゲットの中心に合うようにレーザビームの向きを調整するラインコントロール機能を実行したりすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2003-74746号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のリモートコントロール装置では、パイプレーザに所定の機能を遠隔から実行させることしかできず、例えば、リモートコントロール装置でパイプレーザの動作状態を確認するというようなことはできなかった。また、リモートコントロール装置は、パイプレーザに専用の構成を備えなければならなかった。
【0005】
本発明は係る事情に鑑みてなされたものであり、スマートフォン等の汎用の携帯端末で、レーザ装置を遠隔操作できる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の一つの態様に係る情報処理装置は、制御部と、表示部と、操作部と、水平を検出し、設定された勾配でレーザ光を出射するレーザ装置と通信可能な近距離無線通信部とを備え、前記制御部は、前記近距離無線通信部を介して前記レーザ装置を遠隔操作するリモートコントローラ機能を実現するコントロール機能部を備え、前記コントロール機能部は、前記近距離無線通信部を介して前記レーザ装置の動作状態を示すステータス情報を取得し、前記コントロール機能部は、遠隔操作のためのコントロール初期画面上に、前記ステータス情報に応じた前記レーザ装置の動作状態を示すピクトグラムと、前記リモートコントローラ機能を呼び出すためのアイコンとを表示する。
【0007】
上記態様において、前記ステータス情報は、少なくとも前記レーザ装置におけるレーザビームの照射状態を含んでいてもよい。
【0008】
また、上記態様において、前記ピクトグラムは、前記ピクトグラムが示す情報に関する色彩を反映した色彩で表されていてもよい。
【0009】
また、上記態様において、前記レーザ装置を用いた作業を支援するための情報を記憶する記憶部を備え、前記コントロール機能部は、前記作業を支援するための情報を閲覧可能にする作業支援機能を有し、前記表示部は、前記コントロール初期画面上に前記作業支援機能を呼び出すためのアイコンを表示してもよい。
【0010】
また、上記態様において、前記コントロール機能部は、リアルタイムにまたは所定の間隔で前記ステータス情報を取得し、前記ステータス情報について異常の有無を判断し、異常がある場合には、表示部に警告表示を表示し、異常が解消した場合には前記警告表示を解除するようになっていてもよい。
【0011】
また、上記態様において、通信ネットワークを介してサーバ装置と通信可能なネットワーク通信部をさらに備え、前記制御部は、前記レーザ装置を管理する管理者機能部を備え、前記管理者機能部は、前記レーザ装置のファームウェアのバージョン情報を取得して、前記ファームウェアのバージョンが最新でない場合には、前記ファームウェアを最新の状態に更新するようになっていてもよい。
【0012】
また、上記態様において、前記管理者機能部は、前記近距離無線通信部を介して前記レーザ装置のログデータを取得し、前記ログデータを管理するようになっていてもよい。
【0013】
また、本発明の別の態様に係る情報処理装置の制御方法は、表示部、制御部、操作部、および設定された勾配でレーザ光を出射するレーザ装置と無線通信可能な近距離無線通信部を備える情報処理装置に実行させる情報処理装置の制御方法であって、前記制御部が、前記近距離無線通信部を介して前記レーザ装置の動作状態を示すステータス情報を取得するステップと、前記表示部が、遠隔操作のためのコントロール初期画面上に、前記ステータス情報に応じた前記レーザ装置の動作状態を示すピクトグラムと、前記制御部が前記近距離無線通信部を介して前記レーザ装置を遠隔操作するリモートコントローラ機能を実行させるアイコンとを表示するステップと、を備える。
【0014】
また、本発明の別の態様に係るプログラムは、表示部、制御部、操作部および設定された勾配でレーザ光を出射するレーザ装置と無線通信可能な近距離無線通信部を備える情報処理装置によって実行される、上記情報処理装置の制御方法を実行するためのプログラムである。
【0015】
なお、本明細書において、「アイコン」とは、機能の内容を図や絵として表示したもので、タップまたはクリックすることで当該機能を呼び出したり、当該機能を発揮するためのプログラムを実行したりするものを言う。
【0016】
また、本明細書において、「ピクトグラム」とは、情報を示すために単純化した図で示す視覚記号であって、例えば、図6(A)の符号66は、パイプレーザの動作状態を示すピクトグラムである。本明細書において、「ピクトグラム」は、単に情報を示すものであってもよく、アイコンと同様に、対応する機能を呼び出したり、当該機能を発揮するためのプログラムを実行したりするものであってもよい。
【発明の効果】
【0017】
上記態様によれば、スマートフォン等の汎用の携帯端末で、レーザ装置を遠隔操作できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施の形態の係る情報処理装置(携帯端末)を含む遠隔操作システムの概要構成の一例を示す図である。
図2】同システムの遠隔操作の対象であるレーザ装置(パイプレーザ)の概要構成の一例を示す図である。
図3】同システムにおける情報処理装置(携帯端末)の構成概要の一例を示す図である。
図4】同システムにおけるサーバ装置(サーバ装置)の構成概要の一例を示す図である。
図5】同システムにおいて実行されるアプリの実行時の処理のフローチャートである。
図6】同アプリの機能選択画面からの画面遷移を説明する図である。
図7】同アプリによって実行されるコントロール機能の処理のフローチャートである。
図8】上記コントロール機能のコントロール初期画面における、ステータス情報のピクトグラムの例を説明する図である。
図9】同システムにおいて、ステータス情報に異常があった場合の警告表示の例を説明する図である。
図10】同アプリのコントロール初期画面からの画面の遷移を説明する図である。
図11】同アプリのリモートコントローラ画面からの画面の遷移を説明する図である。
図12】同アプリによって実行されるファームウェアアップデート機能処理のシーケンスフローである。
図13】同アプリによって実行されるログ管理機能処理のシーケンスフローである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照して説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0020】
(遠隔操作システムの構成および機能概要)
図1は、実施の形態に係る情報処理装置を含む遠隔操作システムSの概要構成の一例を示す図である。図2は、遠隔操作システムSによる遠隔操作の対象であるレーザ装置の一例であるパイプレーザ1の概要構成を示す図である。図3は、情報処理装置の一例である携帯端末2の概要構成を示す図である。図4は、サーバ装置の一例であるサーバ装置の概要構成を示す図である。
【0021】
遠隔操作システムSは、パイプレーザ1、携帯端末2、およびサーバ装置3を備える。携帯端末2とサーバ装置3とは、通信ネットワークNを介して通信可能に構成されている。通信ネットワークNは、例えば、移動体通信ネットワーク、インターネット等で構成されている。
【0022】
パイプレーザ1は、基準レーザ発光器11、鉛直レーザ発光器12、自動整準機構13、チルトセンサ14、駆動手段15,バッテリ16、入力部17,制御部18および近距離無線通信部19等を備える。
【0023】
基準レーザ発光器11は、上下水道管等のパイプに勾配を設定するための基準レーザ光を発する。鉛直レーザ発光器12は、鉛直方向に向けて上下位置を示す鉛直レーザ光を発する。自動整準機構13は、自動的に水平面を検出する。チルトセンサ14は、傾斜センサであり、基準レーザの出射方向(図1のX方向)と、パイプレーザ1の回転方向(図1のY方向)にそれぞれ設けられて、基準レーザ発光器11のX方向とY方向の傾斜を検出する
【0024】
駆動手段15は、基準レーザ発光器11をX方向およびY方向に回動する。バッテリ16は、充電可能な電池等により構成される。入力部17は、勾配値の設定を入力可能に構成された操作ボタン等である。
【0025】
制御部18は、自動整準機構13とチルトセンサ14の検出結果に基づいて、駆動手段15を駆動して基準レーザ発光器11を発光させ、設定した勾配で基準レーザ光を照射する。また、制御部18は、レーザビームの中心がターゲットの中心に合うようにレーザビームの向きを調整するラインコントロール機能を実行するように構成されている。また、制御部18はレーザビームの中心を、自動的にターゲットの中心に合致させるオートアライメント機能を実行できるように構成されていてもよい。制御部18は、駆動手段15を制御することにより、パイプレーザの回転方向の傾斜を調整可能に構成されている。近距離無線通信部19は、Bluetooth(登録商標)が適用されている。
【0026】
パイプレーザ1は、機種コード、シリアルナンバー、バージョン情報等のパイプレーザ1の器械としての基本情報である器械情報、接続状態、バッテリ残量、現在の勾配値、基準レーザ光の発光モード、鉛直レーザ光の発光状態(ON/OFF)、回転方向の傾斜等のパイプレーザ1の動作状態を示すステータス情報、ログデータ、ファームウェア(FW)のバージョン情報等の管理情報を、携帯端末2からの要求に従って、近距離無線通信部19を介して、出力可能となっている。また、パイプレーザ1は、近距離無線通信部19を介して、携帯端末2からの指令を実行するように構成されている。
【0027】
なお、パイプレーザ1としては、近距離無線通信部19を介して、上記情報を出力可能に構成され、携帯端末2からの指令を実行するように構成されている点を除いて、特許文献1、特開2001-330437等に開示された、あるいは市販されている公知のパイプレーザの構成を備えることができるのでより詳細な説明は省略する。
【0028】
携帯端末2は、記憶部21、表示部22、操作部23、バッテリ24、ネットワーク無線通信部25、近距離無線通信部26、および制御部27を備える。携帯端末2は、本発明における遠隔操作装置の一例である。携帯端末2としては、例えば、携帯電話機、スマートフォン、タブレット、携帯ゲーム機等の汎用の携帯型の無線通信装置、または本発明に専用の携帯型無線通信装置が適用される。
【0029】
記憶部21は、例えば、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmadle Read-Only Memory)等の不揮発性メモリで構成されている。記憶部21には、OS(Operating・System)およびパイプレーザ1の遠隔操作実行プログラムが記憶されている。パイプレーザ1の遠隔操作実行プログラムは、ネットワーク無線通信部25を介してサーバ装置3からダウンロードすることができる。あるいは、サーバ装置以外のサーバからダウンロード可能であってもよい。また、記憶部21は、パイプレーザ1のステータスログ、エラーログを記憶する。
【0030】
また、パイプレーザ1の遠隔操作実行プログラムは、携帯端末2にプリインストールされていてもよい。この場合、遠隔操作実行プログラムは携帯端末2にプリインストールされた状態で、当該携帯端末2がユーザに提供(例えば、貸与または販売)される。あるいは、該プログラムは、CD、DVD等の記録媒体に記憶された状態でユーザに提供された、該記録媒体からドライブを介して記憶部21に読み込まれるものであってもよい。また、記憶部21は、パイプレーザ1の遠隔操作に関する各種設定データ、およびパイプレーザから受信するパイプレーザのステータス情報、器械情報、管理情報に関するデータ、パイプレーザのバージョン情報を記憶する。
【0031】
表示部22と操作部23は、タッチパネル式ディスプレイとして一体的に構成される。表示部22は、パイプレーザ1を遠隔操作するための各種画面を表示する。操作部23は、ユーザにより操作指示等を入力するアイコン表示、ボタン表示、キーパッド表示等である。
【0032】
バッテリ24は、充電可能な電池等により構成される。バッテリ24は、携帯端末2が備える各構成要素に電力を供給する。
【0033】
近距離無線通信部26は、パイプレーザ1から送信された器械情報、ステータス情報、管理情報の各種情報を、アンテナを介して受信する。また、制御部27からの指令をパイプレーザ1に送信する。近距離無線通信部26の通信方式としては、Bluetooth(登録商標)が適用される。しかし、パイプレーザ1の近距離無線通信部19と携帯端末2の近距離無線通信部26の通信方式は、Bluetoothに限定されず、例えば、NFC(Near・field・Communication)や、赤外線通信等が適用されうる。いずれの場合も、近距離無線通信部19と近距離無線通信部26とで同じ通信方式が適用される。
【0034】
ネットワーク無線通信部は26、移動体通信ネットワークにおける基地局を介してまたはルータを介してインターネットとの間でインターネット・プロトコルを用いた無線通信を行う。この結果、制御部27は、通信ネットワークNを介して、サーバ装置3にアクセスすることができる。制御部27は、パイプレーザ1の遠隔操作のためのプログラムを、サーバ装置3から通信ネットワークNを介してダウンロードすることができる。
【0035】
制御部27は、例えば、CPU(Central・Processing・Unit)、ROM(Read・Only・Memory)およびRAM(Random・Access・Memory)等により構成される処理ユニットである。
【0036】
制御部27は、機能部として機能選択部271と、コントロール機能部272と、管理者機能部273と、システム機能部274とを備える。パイプレーザ1の遠隔操作実行ブログラムは、機能選択部271と、コントロール機能部272と、管理者機能部273と、システム機能部274によって、携帯端末のアプリとして実行される。
【0037】
機能選択部271は、表示部22に機能を選択するための機能選択画面40を表示させ、ユーザの指示により、実行する機能を選択する。
【0038】
コントロール機能部272は、リモートコントローラとして、パイプレーザ1を遠隔操作するリモートコントローラ機能と、メーカのサポートサイトにアクセスして、取り扱い説明書等の作業支援情報をダウンロードし、予めダウンロードした資料を閲覧可能とする作業支援機能と、パイプレーザ1の器械情報を確認可能とし、コントローラ機能における各種設定を行うコントロール設定機能とを有する。
【0039】
管理者機能部273は、パイプレーザ1のファームウェアをアップデートする、ファームウェアアップデート機能と、パイプレーザ1から、システムログ、エラーログ等のログデータを取得して、管理するログデータ管理機能との少なくとも1つを有する。
【0040】
システム機能部274は、メーカのホームページから取り扱い説明書、マニュアル等をダウンロードし、目的に応じて分類して保存し、閲覧可能にする製品支援機能と、例えば表示する言語などアプリに関する各種設定を行う各種設定機能と、アプリのバージョン情報等の表示を行う、バージョン情報表示機能を有する。
【0041】
次に、サーバ装置3は、サーバ記憶部31、サーバ制御部32およびサーバ通信部33等を備える。
【0042】
サーバ記憶部31は、例えばハードディスクドライブ等により構成される。サーバ記憶部31はOSおよびパイプレーザ1のファームウェアを記憶している。また、サーバ記憶部31は、メーカや代理店等の管理者により予め割り当てられたIDおよびパスワードを記憶している。サーバ記憶部31には、遠隔操作実行プログラムやメーカの提供するパイプレーザの取り扱い説明書等の情報が記憶されていてもよい。
【0043】
サーバ制御部32は、例えば、CPU、ROM、およびRAM等により構成される。サーバ制御部32は、携帯端末2の要求に従って、IDの認証を行う。また、サーバ制御部32は、携帯端末2の要求に従って、パイプレーザ1のファームウェアのバージョンを確認し、該ファームウェアが最新でない場合には、携帯端末2に最新のファームウェアをダウンロードする。
【0044】
サーバ通信部33は、通信ネットワークNに接続するためのインターフェイスである。
【0045】
<パイプレーザの遠隔操作方法>
次に、携帯端末2を用いたパイプレーザ1の遠隔操作実行処理の一例を説明する。図5は、アプリ起動時の処理のフローチャートである。図6は、アプリ起動時からの表示部の画面遷移を示す図である。
【0046】
まず、アプリのアイコンをタップすることにより、アプリを起動すると、表示部22は、機能選択画面40を表示する、機能選択画面40にはコントロール機能、システム機能、管理者機能のそれぞれに対応するコントロール機能アイコン41、システム機能アイコン42、および管理者機能アイコン43が表示される。
【0047】
次にステップS102で、ユーザが、アイコンを選択してタップすることで、ステップS103で選択された機能を実行する。例えば、ユーザがコントロール機能アイコン41をタップすることにより機能を選択すると、ステップS103で、機能選択部271コントロール機能を実行する。
【0048】
<コントロール機能>
次に、コントロール機能を選択した場合の処理を図7を参照しながら説明する。
【0049】
コントロール機能が開始すると、ステップS201で、コントロール機能部272が、携帯端末2にペアリングされたパイプレーザ1を探索する。探索結果は、装置選択画面50に器械アイコン51として表示される(図6)。図6の例では、1つのパイプレーザが表示されているが、携帯端末2の近傍に複数のペアリング済みのパイプレーザが存在する場合には複数のパイプレーザが表示される。
【0050】
次に、ステップS202で、器械アイコン51がタップされることにより選択されると、ステップS203で、携帯端末2は、タップされたパイプレーザ1と接続する。
【0051】
次に、ステップS204で、コントロール機能部272は、パイプレーザ1からステータス情報を取得する。そしてステップS205で、表示部22にコントロール機能のコントロール初期画面60を表示する。コントロール初期画面60には、パイプレーザ1のステータス情報と、リモートコントローラ機能、作業支援機能、コントロール設定機能にそれぞれ対応するリモートコントローラ機能アイコン61、作業支援機能アイコン62、コントロール設定機能アイコン63とが表示される。
【0052】
ステータス情報としては、パイプレーザ1と携帯端末2との接続状態を示す接続ステータス64、パイプレーザ1のバッテリ残量を示すバッテリステータス65、基準レーザの照射モードを示すレーザモードステータス66a、回転方向の傾斜を示す回転方向傾斜ステータス67、鉛直レーザの照射状態を示す鉛直レーザステータス66b、パイプレーザ1の勾配設定機能およびオートアライメント機能のロック/アンロック状態を示すロックステータス69が、ピクトグラムの形式で表示されている。なお、レーザモードステータス66aおよび鉛直レーザステータス66bは、パイプレーザ1の外観を単純化したピクトグラムと組み合わせて表示される。また、パイプレーザ1の現在の勾配値68が、数値を組み合わせたパイプレーザの表示部を模したピクトグラムの形式で表示されている。
【0053】
これらのピクトグラムは、ピクトグラムが示す情報に関する色彩を反映した色彩で表されていることが好ましい。例えば、レーザ装置を示すピクトグラムが、レーザ装置の外観の色彩を反映して表されていることも好ましい。また、基準レーザおよび鉛直レーザを示すピクトグラムが、基準レーザが緑色レーザの場合は緑色で、鉛直レーザが赤色レーザの場合は赤色で表されるように、基準レーザおよび鉛直レーザの色を反映した色彩で表されていることが好ましい。このように構成することで、比較的画面の小さなスマートフォン、携帯ゲームと言った携帯端末の画面に表示される小さな画像であっても、ユーザは、より簡単に、ピクトグラムの示す情報を的確に把握することができる。
【0054】
また、ピクトグラムで表示されるステータス情報の種類は上記の全てを含む必要はない。あるいは、必要に応じて設定可能に構成してもよい。しかし、少なくともレーザの照射状態に係るステータス情報(すなわち符号66で示すピクトグラム)を備えていることが好ましい。パイプレーザは、地下に埋められた上下水道管等の内部に設置され、ユーザは地上から操作を行うため、レーザの照射状態の確認は困難であるからである。本実施の形態では、表示部にレーザの照射状態をピクトグラムで表示しているため、ユーザは、感覚的に照射状態を把握することができるので好ましい。
【0055】
図8は、各ピクトグラムの表示の内容の詳細な例を示す。これらは、一例であり、上記ステータス情報の全てを表示することは必須ではなく、必要なステータス情報のみを表示するように構成してもよい。また、他のステータス情報を含んでもよい。
【0056】
次に、ステップS206で、コントロール機能部272は、上記各ステータスについて各ステータスの種類に応じて予め定められた判断基準を基づいて、異常の有無を判断する。例えば、バッテリステータスについては、バッテリ残量が5%未満となった場合に、バッテリ残量が不足であると判断する。あるいは、回転方向の傾斜が5%以上となった場合に回転方向の傾斜異常であると判断する。また、コントロール機能部272は、自動整準中等により、当該ステータス情報が取得できない場合を、異常ありと判断する。
【0057】
ステップS206で、異常なし(No)と判断された場合、処理はステップS203に戻る。そして、コントロール機能部272は、リアルタイムでステータス情報の取得を行い、コントロール初期画面60の表示を行う。
【0058】
そして、ステップS206で、異常あり(Yes)と判断された場合、ステップS207で、コントロール機能部272は、表示部22に、警告を表示するとともに、リモートコントローラ機能を停止する。図9(A)は、警告表示をコントロール初期画面60に重ねて表示した警告画面60Aの例を示し、図9(B)は、警告表示の例を示す。警告には、異常を解消するための対策も含まれる。ステップS208では、コントロール機能部272は、警告を表示しながらも、ステータス情報の取得を続け、ステップS209で異常の有無、すなわち、異常が解消したがどうかを判断する。そして、異常が解消すると、処理はステップS203に戻り、コントロール機能部272は、リアルタイムでステータス情報の取得を行いながら、コントロール初期画面60を表示する。ステータス情報の取得は、コントロール機能において、リモートコントローラ機能、作業支援機能、コントロール設定機能を実行している間も継続する。
【0059】
次に、コントロール機能において、コントロール初期画面60を表示している状態から、リモートコントローラ機能アイコン61、作業支援機能アイコン62、コントロール設定機能アイコン63をタップして、各機能を実行する処理について、図10、11を参照しながら説明する。
【0060】
リモートコントローラ機能アイコン61がタップされると、コントロール機能部272は、表示部22の表示画面をコントロール初期画面60から、リモートコントローラ画面70に遷移させる。
【0061】
リモートコントローラ画面70には、現在の勾配値71と、操作アイコン72~76が表示されている。操作ボタンとしては、基準レーザ照射モード切替アイコン72、鉛直レーザON/OFFアイコン73、ロックアイコン74、勾配設定アイコン75、ラインコントロール機能アイコン76が表示されている。
【0062】
ここで、基準レーザ照射モード切替アイコン72がタップされると、コントロール機能部272は、表示部22の表示を、基準レーザ照射モード選択画面80に移行する。基準レーザ照射モード選択画面80において、照射モード(ここでは、通常モード、点滅モード、省エネモード)ボタン81のいずれかをタップすることで、コントロール機能部272は、近距離無線通信部26を介して、パイプレーザ1の基準レーザの照射モードを選択されたモードに設定する。また、基準レーザ照射モード切替アイコン72は、リモートコントローラ画面70上において、照射モードに応じて配色異なる表示となっていてもよい。
【0063】
パイプレーザ1の鉛直レーザの点灯状態において、鉛直レーザON/OFFアイコン73がタップされると、コントロール機能部272は、近距離無線通信部26を介してパイプレーザ1の鉛直レーザをOFFにする。このとき、リモートコントローラ画面70からの遷移はないものの、コントロール初期画面60に表示される鉛直レーザステータス66bを示すピクトグラムは図11に示すように変化する(図中、破線はその部分に表示が無いことを示す)。また、パイプレーザ1の鉛直レーザの消灯状態において、鉛直レーザON/OFFアイコン73がタップされると、コントロール機能部272は、近距離無線通信部26を介してパイプレーザ1の鉛直レーザをOFFにする。また、鉛直レーザON/OFFアイコン73は、コントロール初期画面60上において、ON、OFFの状態に合わせて色が変わるようになっていてもよい。このようにすると、コントロール初期画面に戻らなくても鉛直レーザの点消灯状態が確認できる。
【0064】
また、ロックアイコン74がタップされると、コントロール機能部272は、パイプレーザ1の勾配設定機能と、ラインコントロール機能をロックするとともに、勾配設定ボタンとラインコントロールボタンをインアクティブにする。これは、リモコン操作中に誤って勾配設定が変更されるのを防止するためである。
【0065】
また、勾配設定アイコン75がタップされると、コントロール機能部272は、表示部22に勾配設定画面90を表示する。勾配設定画面90には、設定値入力ウインドウ91と、設定ボタン92と、勾配計算ボタン93が表示される。ユーザが設定値入力ウインドウ91に設定値を入力し、設定ボタン92をタップすると、コントロール機能部272は、近距離無線通信部26を介して、パイプレーザ1の勾配値が設定される。
【0066】
勾配計算ボタン93がタップされると、コントロール機能部72は、表示部22に勾配値計算画面90Aを表示する。勾配値計算画面90Aには、勾配値計算の模式図94と、パイプレーザ設置点Aの標高、勾配を設定する目標地点Bの標高、および点AB間の水平距離Dを入力するウインドウ95と、計算ボタン96とが表示される。
【0067】
ユーザが、ウインドウ95にそれぞれ数値を入力し、計算ボタン93をタップすると、コントロール機能部272は、入力されたパイプレーザ設置点Aの標高、勾配を設定する目標地点Bの標高、および点AB間の水平距離Dから勾配値を算出し、表示部22に算出結果表示画90Bを表示する。ユーザが、算出結果表示画面の設定ボタン97をタップすると、勾配値が設定される。
【0068】
また、ラインコントロール機能アイコン76がタップされると、コントロール機能部272は、表示部22に、ラインコントロール画面110を表示する。ラインコントロール画面110には、基準レーザの照射状態を示すピクトグラム111と、基準レーザの水平方向の向きを変更させるための方向変更ボタン112と、基準レーザの方向をパイプレーザ1の中央に合わせるためのオートセンタリングボタン114と、基準レーザを自動的にターゲットの中心に向けさせるオートアライメントアイコン113を表示する。それぞれのボタンをタップすることで、コントロール機能部272は、パイプレーザ1にそれぞれの動作を実行させる。
【0069】
図10に戻り、作業支援機能アイコン62がタップされると、コントロール機能部272は、表示部22の表示画面をコントロール初期画面60から作業支援画面120に遷移させる。作業支援画面120には、取り扱い説明書等のサポート情報を提供するメーカのホームページへのリンクボタン121が表示されている。ユーザは、これをタップすることで、当該ホームページにアクセスし必要な情報をダウンロードすることができる。
【0070】
また、作業支援画面120の、「器械の設置方法」「自動整準」等の各項目(フォルダ)には、ユーザがメーカのホームページからサポート情報としてダウンロードした、取り扱い説明書等が、対応する項目に分類されて保存することができるようになっている。
【0071】
次に、コントロール設定機能アイコン63がタップされると、コントロール設定機能が実行される。具体的には、コントロール機能部272が、表示部22にコントロール設定選択画面130を表示させる。コントロール設定選択画面130には、器械情報ボタン131と、設定ボタン132が表示される。
【0072】
器械情報ボタン131がタップされると、コントロール機能部272は、近距離無線通信部26を介して、パイプレーザ1から機種コード、シリアルナンバー、CPUバージョン等の器械情報を取得して、表示部22にこれらを表示する。設定ボタン132がタップされるとコントロール機能部272は、表示部にコントロール機能に関する各種設定を行う設定画面(図示せず)を表示する。
【0073】
なお、コントロール機能部272は、リモートコントロール機能、作業支援機能、コントロール設定機能を実行している状態において、一定時間ユーザの操作が行われなかった場合には、表示をコントロール初期画面60に戻す。
【0074】
<管理者機能>
次に、管理者機能を選択した場合の処理を説明する。図12は、管理者機能におけるID認証とファームウェアアップデート機能の処理のフロー(パイプレーザ1、携帯端末2、サーバ装置3間のシーケンスフロー)である。
【0075】
図6において、管理者機能アイコン43をタップすると、管理者機能部273は、表示部22にID認証画面140を表示する。IDとパスワードは予め、管理者により設定されている。
【0076】
ユーザがIDとパスワードを入力して、ログインボタン141をタップすると、ステップS301で、管理者機能部273が、サーバ装置3にID認証を要求する。サーバ装置3からIDが認証されると、管理者機能部273は表示部22に、管理初期画面(図示せず)を表示する。管理初期画面には、ファームウェアアップデート機能に対応するファームウェアアップデート機能ボタンおよびログ管理機能に対応するログ管理ボタンが表示される。
【0077】
ファームウェアアップデート機能をタップすると、管理者機能部273は、ステップS303で、パイプレーザ1のファームウェアのバージョン情報を確認する。ステップS304で、管理者機能部273が、ファームウェアのバージョン情報を取得すると、ステップS305で、サーバ装置3に対して、パイプレーザの1のファームウェアが最新であるかを確認し、ファームウェアをアップデートする必要があるかを確認する。
【0078】
そして、必要がある場合には、ステップS306で、管理者機能部273は、サーバ装置から最新版のファームウェアをダウンロードする。次に、ステップS307で管理者機能部273が、サーバ装置3からダウンロードした最新版のファームウェアを、パイプレーザ1にインストールする。
【0079】
図13は、管理者機能におけるID認証と、ログ管理機能の処理のフロー(パイプレーザ1、携帯端末2、サーバ装置3間のシーケンスフロー)である。ステップS401およびステップS402はID認証の処理であり、図12と同じであるため説明は省略する。
【0080】
管理初期場面において、ログ管理ボタンをタップすると、管理者機能部273は、ステップS403で、パイプレーザ1にログ情報を要求する。次にステップS404で、パイプレーザ1は、要求に応じて携帯端末2にログ情報を送信する。ログ情報は、例えば、ステータスログ、エラーログ等である。管理者機能部273はログ情報を記憶部21に記憶して、管理する。必要に応じてまたは所定の間隔でe-mailで所定のアドレスに送信するようになっていてもよい。
【0081】
<システム機能>
次に、システム機能について説明する。図6において、システム機能アイコン43をタップすると、システム機能部274は、表示部22にシステム機能画面150を表示させる。システム機能画面150には、レーザ製品サポートボタン151、設定ボタン152、バージョン情報ボタン153が表示される。
【0082】
レーザ製品サポートボタン151をタップすると、作業支援画面120に遷移して、作業支援機能と同様に、メーカのホームページから、必要な作業支援情報をダウンロードし、記憶部21に保存することができる。このように、パイプレーザ1と接続されていない状態で、作業支援機能を利用可能とすることで、事前に作業支援情報を携帯端末2に記憶し、作業現場が通信ネットワークNとの接続状態が悪い場合にも、利用可能とすることができる。
【0083】
設定ボタン152をタップすると、図示しないが、システム機能部274は、表示部22に、アプリ利用時の言語の設定など、一般的なアプリの各種設定をすることができる。
【0084】
バージョン情報ボタン153をタップすると、図示しないが、システム機能部274は、表示部22に、アプリのバージョン情報等のアプリの各種情報を表示する。
【0085】
本実施の形態では、パイプレーザ1を遠隔操作する、コントロール機能と、メーカや代理店等の管理者がファームウェアアップデートや、1つの装置で同じアプリを用いて、ユーザ用の機能と管理者用の機能を実現することができる。
【0086】
通常、パイプレーザ1等のレーザ装置は、装置そのものの操作を行うのは設置時のみであり、常時操作を必要とするものではない。操作が必要となるのは、例えば、地震や車両の通行による振動の影響を受けて、設置状態が変化する場合であり、作業中は、設置状態が安定していることが重要である。本実施の形態では、携帯端末2は、コントロール初期画面60にステータス情報を表示するように構成されているので、ユーザは、設置状態の確認を容易にすることができる。
【0087】
また、本実施の形態では、携帯端末2が、コントロール初期画面60に、パイプレーザ1の状態がピクトグラムで表示するように構成されているので、ユーザはパイプレーザの状態を直観的に把握することができる。また、コントロール初期画面60には、各種操作ボタンではなく、リモートコントローラ機能アイコン61を配置したので、相対的に、ステータス情報の表示を大きくすることができ、比較的画面の小さなスマートフォン、携帯ゲームと言った携帯端末であっても、ユーザはレーザ装置本体の動作状態を容易に認識することができる。また、レーザ装置本体を遠隔操作したい場合には、リモートコントローラ機能を呼び出すためのアイコンをタップまたはクリックするだけで操作ボタンを表示することができるので簡便である。
【0088】
本実施の形態では、コントロール機能部272が、リアルタイムでステータス情報を取得して、コントロール初期画面60にステータス情報を表示し、ステータス情報に異常がある場合には、警告を表示して、リモートコントローラ機能を停止するように構成した。上記構成により、ユーザは、パイプレーザ1の異常をリアルタイムで確認することができ、異常状態で作業を続行することを防止することができる。また、警告には、異常を解消するための対策も含まれるので、ユーザは警告に従って行動するだけで異常を解消するための適切な措置を行うことができる。
【0089】
本実施の形態では、コントロール機能部272が作業支援機能を有し、コントロール初期画面60上に、作業支援機能を呼び出すための作業支援機能アイコン62を表示することにしたので、ユーザが、作業中に必要とする取扱説明書やマニュアルといった情報に容易にアクセスすることができ、作業における利便性が向上する。
【0090】
なお、上記実施の形態においては、レーザ装置としてパイプレーザ1を用いた例を説明したが、本発明は、水平面を検出し、レーザを出射して、所定の勾配を設定することができる、回転レーザ装置等他のレーザ装置に適用することができる。
【0091】
以上、本発明の好ましい実施の形態について述べたが、上記の実施の形態は本発明の一例であり、これらを当業者の知識に基づいて組み合わせることが可能であり、そのような形態も本発明の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0092】
1 :パイプレーザ(レーザ装置)
2 :携帯端末(情報処理装置)
3 :サーバ装置
18 :制御部
19 :近距離無線通信部
21 :記憶部
22 :表示部
23 :操作部
26 :近距離無線通信部
27 :制御部
60 :コントロール初期画面
272 :コントロール機能部
273 :管理者機能部
N :通信ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13