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特許7385118タイヤ空気圧低下度判定装置、タイヤ空気圧低下度判定方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-14
(45)【発行日】2023-11-22
(54)【発明の名称】タイヤ空気圧低下度判定装置、タイヤ空気圧低下度判定方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G01M 17/02 20060101AFI20231115BHJP
   G08G 1/015 20060101ALI20231115BHJP
   B60C 19/00 20060101ALI20231115BHJP
【FI】
G01M17/02
G08G1/015 A
B60C19/00 H
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2020016371
(22)【出願日】2020-02-03
(65)【公開番号】P2021124315
(43)【公開日】2021-08-30
【審査請求日】2023-01-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000006714
【氏名又は名称】横浜ゴム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】弁理士法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】多田 拡太郎
【審査官】中村 圭伸
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-272907(JP,A)
【文献】特開2019-035626(JP,A)
【文献】特表2017-500540(JP,A)
【文献】特開2012-242290(JP,A)
【文献】特開2001-180239(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0288859(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60C 19/00 - 19/12
G01M 17/02
G08G 1/015
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両が備えるタイヤの側面が写る側面画像を繰り返し取得する画像取得手段と、
前記側面画像に写る車両に固有の識別情報に関連付けられた前記側面画像を記憶する画像記憶手段と、
前記画像取得手段により取得される前記側面画像と、当該側面画像に写る車両の識別情報に関連付けられて前記画像記憶手段に既に記憶されている、当該側面画像の取得よりも前に取得された前記側面画像と、に基づいて、前記タイヤの空気圧の低下度を判定する判定手段と、
を含むことを特徴とするタイヤ空気圧低下度判定装置。
【請求項2】
前記判定手段は、学習済の機械学習モデルを用いて前記タイヤの空気圧の低下度を判定する、
ことを特徴とする請求項1に記載のタイヤ空気圧低下度判定装置。
【請求項3】
前記車両が写る画像に基づいて、前記側面画像に写る車両を特定する車両特定手段、をさらに含み、
前記画像記憶手段は、前記車両特定手段により特定される前記車両に固有の識別情報に関連付けられた前記側面画像を記憶する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のタイヤ空気圧低下度判定装置。
【請求項4】
前記車両特定手段は、前記車両のナンバープレートが写る画像に基づいて、前記側面画像に写る車両を特定する、
ことを特徴とする請求項3に記載のタイヤ空気圧低下度判定装置。
【請求項5】
前記車両が写る画像に基づいて、前記側面画像に写る車両の車種を特定する車種特定手段、をさらに含み、
前記判定手段は、特定される前記車種に応じた前記タイヤの空気圧の低下度の判定を実行する、
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のタイヤ空気圧低下度判定装置。
【請求項6】
前記車種特定手段は、前記車両のナンバープレートが写る画像に基づいて、前記側面画像に写る車両の車種を特定する、
ことを特徴とする請求項5に記載のタイヤ空気圧低下度判定装置。
【請求項7】
前記タイヤの空気圧が低下していると判定された際に、当該タイヤを備える前記車両の所有者にその旨を通知する通知手段、をさらに含む、
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のタイヤ空気圧低下度判定装置。
【請求項8】
前記通知手段は、前記画像取得手段の設置場所に基づいて決定される店舗の情報を通知する、
ことを特徴とする請求項7に記載のタイヤ空気圧低下度判定装置。
【請求項9】
前記通知手段は、前記車両の現在位置に基づいて決定される店舗の情報を通知する、
ことを特徴とする請求項7に記載のタイヤ空気圧低下度判定装置。
【請求項10】
前記通知手段は、前記車両の走行ルートに基づいて決定される店舗の情報を通知する、
ことを特徴とする請求項7に記載のタイヤ空気圧低下度判定装置。
【請求項11】
前記画像取得手段により取得される前記側面画像に写る車両が停車したタイミングから当該側面画像が撮影されたタイミングまでの時間を特定する時間特定部、をさらに含み、
前記画像記憶手段は、前記側面画像と、当該側面画像に写る車両の識別情報と、前記車両が停止したタイミングから当該側面画像が撮影されたタイミングまでの時間を示す経過時間データと、を含む空気圧管理データを記憶し、
前記判定手段は、特定される前記時間に対応する前記経過時間データを含む前記空気圧管理データを特定し、
前記判定手段は、前記画像取得手段により取得される前記側面画像と、特定される前記空気圧管理データに含まれる前記側面画像と、に基づいて、前記タイヤの空気圧の低下度を判定する、
ことを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載のタイヤ空気圧低下度判定装置。
【請求項12】
車両が備えるタイヤの側面が写る側面画像を繰り返し取得する画像取得ステップと、
前記側面画像に写る車両に固有の識別情報に関連付けられた前記側面画像を画像記憶手段に記憶させる画像記憶ステップと、
前記画像取得ステップで取得される前記側面画像と、当該側面画像に写る車両の識別情報に関連付けられて前記画像記憶手段に既に記憶されている、当該側面画像の取得よりも前に取得された前記側面画像と、に基づいて、前記タイヤの空気圧の低下度を判定する判定ステップと、
を含むことを特徴とするタイヤ空気圧低下度判定方法。
【請求項13】
車両が備えるタイヤの側面が写る側面画像を繰り返し取得する画像取得手順、
前記側面画像に写る車両に固有の識別情報に関連付けられた前記側面画像を画像記憶手段に記憶させる画像記憶手順、
前記画像取得手順で取得される前記側面画像と、当該側面画像に写る車両の識別情報に関連付けられて前記画像記憶手段に既に記憶されている、当該側面画像の取得よりも前に取得された前記側面画像と、に基づいて、前記タイヤの空気圧の低下度を判定する判定手順、
をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤ空気圧低下度判定装置、タイヤ空気圧低下度判定方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、センサによって検出されたタイヤ空気圧の高低度合をディスプレイ表示するタイヤ空気圧監視システムが記載されている。
【0003】
特許文献2には、ランフラットタイヤにおいて、タイヤ内空気圧の低下が検出された場合に、その後走行可能な距離を運転者に報知するタイヤ空気圧警報装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-24362号公報
【文献】特開2003-220810号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1及び特許文献2に記載の技術では、タイヤの空気圧を検出するためのセンサをわざわざ設ける必要がある。
【0006】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであって、その目的の一つは、タイヤの空気圧の低下度を容易に判定できるタイヤ空気圧低下度判定装置、タイヤ空気圧低下度判定方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係るタイヤ空気圧低下度判定装置は、車両が備えるタイヤの側面が写る側面画像を繰り返し取得する画像取得手段と、前記側面画像に写る車両に固有の識別情報に関連付けられた前記側面画像を記憶する画像記憶手段と、前記画像取得手段により取得される前記側面画像と、当該側面画像に写る車両の識別情報に関連付けられて前記画像記憶手段に既に記憶されている、当該側面画像の取得よりも前に取得された前記側面画像と、に基づいて、前記タイヤの空気圧の低下度を判定する判定手段と、を含む。
【0008】
本発明の一態様では、前記判定手段は、学習済の機械学習モデルを用いて前記タイヤの空気圧の低下度を判定する。
【0009】
また、本発明の一態様では、前記車両が写る画像に基づいて、前記側面画像に写る車両を特定する車両特定手段、をさらに含み、前記画像記憶手段は、前記車両特定手段により特定される前記車両に固有の識別情報に関連付けられた前記側面画像を記憶する。
【0010】
この態様では、前記車両特定手段は、前記車両のナンバープレートが写る画像に基づいて、前記側面画像に写る車両を特定してもよい。
【0011】
また、本発明の一態様では、前記車両が写る画像に基づいて、前記側面画像に写る車両の車種を特定する車種特定手段、をさらに含み、前記判定手段は、特定される前記車種に応じた前記タイヤの空気圧の低下度の判定を実行する。
【0012】
この態様では、前記車種特定手段は、前記車両のナンバープレートが写る画像に基づいて、前記側面画像に写る車両の車種を特定してもよい。
【0013】
また、本発明の一態様では、前記タイヤの空気圧が低下していると判定された際に、当該タイヤを備える前記車両の所有者にその旨を通知する通知手段、をさらに含む。
【0014】
この態様では、前記通知手段は、前記画像取得手段の設置場所に基づいて決定される店舗の情報を通知してもよい。
【0015】
あるいは、前記通知手段は、前記車両の現在位置に基づいて決定される店舗の情報を通知してもよい。
【0016】
あるいは、前記通知手段は、前記車両の走行ルートに基づいて決定される店舗の情報を通知してもよい。
【0017】
また、本発明の一態様では、前記画像取得手段により取得される前記側面画像に写る車両が停車したタイミングから当該側面画像が撮影されたタイミングまでの時間を特定する時間特定部、をさらに含み、前記画像記憶手段は、前記側面画像と、当該側面画像に写る車両の識別情報と、前記車両が停止したタイミングから当該側面画像が撮影されたタイミングまでの時間を示す経過時間データと、を含む空気圧管理データを記憶し、前記判定手段は、特定される前記時間に対応する前記経過時間データを含む前記空気圧管理データを特定し、前記判定手段は、前記画像取得手段により取得される前記側面画像と、特定される前記空気圧管理データに含まれる前記側面画像と、に基づいて、前記タイヤの空気圧の低下度を判定する。
【0018】
また、本発明に係るタイヤ空気圧低下度判定方法は、車両が備えるタイヤの側面が写る側面画像を繰り返し取得する画像取得ステップと、前記側面画像に写る車両に固有の識別情報に関連付けられた前記側面画像を画像記憶手段に記憶させる画像記憶ステップと、前記画像取得ステップで取得される前記側面画像と、当該側面画像に写る車両の識別情報に関連付けられて前記画像記憶手段に既に記憶されている、当該側面画像の取得よりも前に取得された前記側面画像と、に基づいて、前記タイヤの空気圧の低下度を判定する判定ステップと、を含む。
【0019】
また、本発明に係るプログラムは、車両が備えるタイヤの側面が写る側面画像を繰り返し取得する画像取得手順、前記側面画像に写る車両に固有の識別情報に関連付けられた前記側面画像を画像記憶手段に記憶させる画像記憶手順、前記画像取得手順で取得される前記側面画像と、当該側面画像に写る車両の識別情報に関連付けられて前記画像記憶手段に既に記憶されている、当該側面画像の取得よりも前に取得された前記側面画像と、に基づいて、前記タイヤの空気圧の低下度を判定する判定手順、をコンピュータに実行させる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の一実施形態に係るタイヤ空気圧低下度判定装置の構成の一例を示す図である。
図2】撮影部の配置の一例を模式的に示す図である。
図3】撮影側面画像の一例を示す図である。
図4】ターゲット側面画像の一例を示す図である。
図5】ターゲット側面画像の一例を示す図である。
図6】車種判別データの一例を示す図である。
図7】本発明の一実施形態に係るタイヤ空気圧低下度判定装置の機能の一例を示す機能ブロック図である。
図8】本発明の一実施形態に係るタイヤ空気圧低下度判定装置で行われる処理の流れの一例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0022】
図1は、本発明の一実施形態に係るタイヤ空気圧低下度判定装置10の構成の一例を示す図である。本実施形態に係るタイヤ空気圧低下度判定装置10は、パーソナルコンピュータなどのコンピュータである。図1に示すようにタイヤ空気圧低下度判定装置10は、例えば、プロセッサ12、記憶部14、通信部16、表示部18、操作部20、撮影部22を含んでいる。
【0023】
プロセッサ12は、例えばタイヤ空気圧低下度判定装置10にインストールされるプログラムに従って動作するCPU等のプログラム制御デバイスである。
【0024】
記憶部14は、ROMやRAM等の記憶素子やハードディスクドライブなどである。記憶部14には、プロセッサ12によって実行されるプログラムなどが記憶される。
【0025】
通信部16は、例えばネットワークボードなどの通信インタフェースである。
【0026】
表示部18は、液晶ディスプレイ等の表示デバイスであって、プロセッサ12の指示に従って各種の画像を表示する。
【0027】
操作部20は、キーボードやマウスなどといったユーザインタフェースであって、ユーザの操作入力を受け付けて、その内容を示す信号をプロセッサ12に出力する。
【0028】
撮影部22は、デジタルカメラなどの撮影デバイスであり、撮影によって生成される画像をプロセッサ12に出力する。撮影部22は、三次元画像が撮影可能なステレオカメラや、奥行き画像が撮影可能なデプスカメラなどの撮影デバイスであってもよく、撮影によって生成される三次元画像や奥行き画像をプロセッサ12に出力してもよい。また、本実施形態に係るタイヤ空気圧低下度判定装置10が複数の撮影部22を備えていてもよい。また、撮影部22が、二次元動画像や三次元動画像や奥行き動画像を撮影可能なビデオカメラであってもよい。
【0029】
なお、タイヤ空気圧低下度判定装置10は、DVD-ROMやBlu-ray(登録商標)ディスクなどの光ディスクを読み取る光ディスクドライブ、USB(Universal Serial Bus)ポートなどを含んでいてもよい。
【0030】
図2は、本実施形態における撮影部22の配置の一例を模式的に示す図である。図2には、空気圧の低下度が判定されるタイヤを備えた車両30を上から見た様子が示されている。図2に示すように、本実施形態では例えば、駐車場において、車両30が駐車された際の左後輪32を側面から撮影可能な位置に撮影部22aが配置されている。また、駐車された車両30の背面を撮影可能な位置に撮影部22bが配置されている。
【0031】
図3は、車両30が駐車している間に撮影部22aによって撮影される画像の一例を示す図である。以下、撮影部22aによって撮影される画像を撮影側面画像と呼ぶこととする。図3に示すように、撮影側面画像には、車両30が備える左後輪32の側面が写っている。
【0032】
そして本実施形態では、図3に示す撮影側面画像に基づいて、図4に示すターゲット側面画像が生成される。
【0033】
ここでは例えば、例えば形状認識技術、色認識技術、パターン認識技術等の画像認識技術を用いて撮影側面画像から左後輪32の側面が写っている四角形の領域であるターゲット領域34を切り出すことにより、ターゲット側面画像が生成されてもよい。
【0034】
ここで、撮影側面画像からターゲット領域34を切り出すことにより、部分画像が生成されてもよい。そしてホイール36が表れる領域の大きさが所定の大きさとなるよう当該部分画像をサイズ変更(拡大又は縮小)することにより、ターゲット側面画像が生成されてもよい。例えば、ホイール36が表れる領域の直径の画素数が所定画素数rとなるよう当該部分画像をサイズ変更することにより、ターゲット側面画像が生成されてもよい。また、ホイール36が表れる領域の形状が正円となるよう当該部分画像に対してアフィン変換等による変形を行うことにより、ターゲット側面画像が生成されてもよい。
【0035】
あるいは、ホイール36が表れる領域の大きさが所定の大きさとなるよう撮影側面画像をサイズ変更した画像が生成されてもよい。例えば、ホイール36が表れる領域の直径の画素数が所定画素数rとなるよう撮影側面画像をサイズ変更した画像が生成されてもよい。ここで、ホイール36が表れる領域の形状が正円となるよう撮影側面画像に対してアフィン変換等による変形をした画像に対してサイズ変更が行われた画像が生成されてもよい。そしてサイズ変更された画像から左後輪32の側面が写っている領域の画像を切り出すことで、ターゲット側面画像が生成されてもよい。
【0036】
また、本実施形態では、車両30が駐車している間に撮影部22bによっても画像が撮影される。ここで、撮影部22aによる撮影と同じタイミングに撮影部22bによる撮影が行われてもよい。以下、撮影部22bによって撮影される画像を撮影背面画像と呼ぶこととする。
【0037】
そして本実施形態では例えば、撮影部22bにより撮影される撮影背面画像に基づいて、当該撮影背面画像及び当該撮影背面画像と同じタイミングに撮影部22aによって撮影された撮影側面画像に写る車両30が特定される。
【0038】
ここで例えば、文字認識技術を用いて、撮影背面画像に写るナンバープレートに配置されている文字群が認識されてもよい。そして、認識された文字群に基づいて、当該撮影背面画像に写る車両30が特定されてもよい。
【0039】
そして、本実施形態では例えば、以上のようにして特定される車両30に固有の識別情報である車両IDと、認識された文字群と、上述のターゲット側面画像と、を含む空気圧管理データが生成される。そして、生成された空気圧管理データがタイヤ空気圧低下度判定装置10に記憶される。
【0040】
そして本実施形態では、以上で説明したような空気圧管理データの生成が繰り返し複数回実行される。そして、車両30の側面が写る側面画像と、当該側面画像よりも前に撮影された側面画像と、に基づいて、左後輪32の空気圧の低下度が判定される。例えば、上述のターゲット側面画像と、当該ターゲット側面画像よりも前に撮影されたターゲット側面画像と、に基づいて、左後輪32の空気圧の低下度が判定される。ここで例えば、最新のターゲット側面画像と、タイヤ空気圧低下度判定装置10に既に記憶されている空気圧管理データに含まれるターゲット側面画像と、に基づいて、左後輪32の空気圧の低下度が判定されてもよい。
【0041】
以下、最新のターゲット側面画像を最新画像と呼び、タイヤ空気圧低下度判定装置10に既に記憶されている当該最新画像と比較されるターゲット側面画像を比較対象画像と呼ぶこととする。
【0042】
左後輪32の空気圧の低下度の判定にあたって、最新画像や比較対象画像の画像特徴量が用いられてもよい。
【0043】
例えば、空気圧が低下するとタイヤの高さが低くなることを踏まえて、図4に示すように、左後輪32の高さに相当する画素数hを示す値が、画像特徴量の値として特定されてもよい。
【0044】
また、空気圧が低下するにつれてタイヤの膨らみが変化することを踏まえて、図5に示すように、ターゲット側面画像内において左後輪32の側面が表れている側面領域38内の各画素についてのデプスの分布(以下、サイドプロファイルpと呼ぶ。)を示す値が、画像特徴量の値として特定されてもよい。
【0045】
ここで例えば、ターゲット側面画像に表れているホイール36の中心に相当する画素についてのデプスである基準デプスz1が特定されてもよい。そして、側面領域38内の各画素についてのデプスと基準デプスz1との差を示す値z2が特定されてもよい。そして、このようにして特定される、側面領域38内の各画素についての値z2の分布が、サイドプロファイルpを示す値として特定されてもよい。
【0046】
なお、サイドプロファイルpを示す値として、側面領域38内のすべての各画素についてのデプスの分布を示す値が用いられてもよいし、側面領域38内の特定の領域内の各画素についてのデプスの分布を示す値が用いられてもよい。
【0047】
なお、画像特徴量として、以上で説明したもの以外のもの(例えば側面の形状を表す値など)が用いられてもよい。
【0048】
そして、最新画像の画像特徴量と比較対象画像の画像特徴量との比較結果に基づいて、最新画像や比較対象画像に写る左後輪32の空気圧の低下度が判定されてもよい。
【0049】
ここで例えば、最新画像の画像特徴量と比較対象画像の画像特徴量との比較結果に基づいて、最新画像や比較対象画像に写る左後輪32の空気圧が低下しているか否かが判定されてもよい。例えば、最新画像の画像特徴量と、最新画像と同じ車両30が写る比較対象画像のうち最後に記憶されたものの画像特徴量と、の差が所定の閾値以上である場合に、最新画像や比較対象画像に写る左後輪32の空気圧が低下していると判定されてもよい。
【0050】
ここで例えば、最新画像と、最新画像と同じ車両30が写る比較対象画像のうち最後に記憶されたもののそれぞれについて、側面領域38内の互いに対応付けられる画素についての上述の値z2の差の二乗和が特定されてもよい。そしてこのようにして特定される差の二乗和が、最新画像の画像特徴量と比較対象画像の画像特徴量との差として用いられてもよい。
【0051】
また本実施形態において、車両30が写る画像に基づいて、車両30の車種が特定されてもよい。例えば、タイヤ空気圧低下度判定装置10に、図6に例示する車種判別データが記憶されていてもよい。車種判別データでは、車種の識別情報である車種IDと当該車種の分類番号とが対応付けられている。そして例えば、文字認識技術を用いて認識される撮影背面画像に写るナンバープレートに配置されている文字群から分類番号が抽出されてもよい。そして、抽出された分類番号と、車種判別データに基づいて、当該撮影背面画像に写る車両30の車種IDが特定されてもよい。
【0052】
そして、特定された車種に応じた左後輪32の空気圧の低下度の判定が実行されてもよい。例えば、特定された車種IDに応じた閾値を用いて、最新画像に写る左後輪32の空気圧の低下度が判定されてもよい。この場合に例えば、上述の閾値が、車種によって異なってもよい。
【0053】
以上のようにして本実施形態では、同じ車両30のタイヤが写る複数の画像に基づいて当該タイヤの空気圧の低下度が判定される。そのため、本実施形態によれば、車輪速センサや角速度センサなどといったセンサを設けることなく、タイヤの側面を撮影した画像を用いてタイヤの空気圧の低下度を容易に判定できることとなる。
【0054】
なお、図3に示す車両30の左前輪、右後輪、及び、右前輪について、側面から撮影可能な位置に撮影部22が配置されていてもよい。そして、以上で説明した左後輪32のタイヤの空気圧の低下度の判定と同様にして、これらのタイヤの空気圧の低下度が判定されてもよい。
【0055】
以下、タイヤ空気圧低下度判定装置10に実装されている機能、及び、タイヤ空気圧低下度判定装置10で行われる処理についてさらに説明する。
【0056】
図7は、本実施形態に係るタイヤ空気圧低下度判定装置10で実装される機能の一例を示す機能ブロック図である。なお、本実施形態に係るタイヤ空気圧低下度判定装置10で、図7に示す機能のすべてが実装される必要はなく、また、図7に示す機能以外の機能が実装されていても構わない。
【0057】
図7に示すように、タイヤ空気圧低下度判定装置10には、機能的には例えば、空気圧管理データ記憶部40、車両存在判定部42、撮影画像取得部44、車両特定部46、空気圧管理データ生成部48、空気圧低下度判定部50、通知部52、が含まれる。
【0058】
空気圧管理データ記憶部40は、記憶部14を主として実装される。車両存在判定部42、撮影画像取得部44は、プロセッサ12及び撮影部22を主として実装される。車両特定部46、空気圧管理データ生成部48、空気圧低下度判定部50は、プロセッサ12を主として実装される。通知部52は、プロセッサ12、記憶部14、及び、通信部16を主として実装される。
【0059】
以上の機能は、コンピュータであるタイヤ空気圧低下度判定装置10にインストールされた、以上の機能に対応する指令を含むプログラムをプロセッサ12で実行することにより実装されてもよい。このプログラムは、例えば、光ディスク、磁気ディスク、磁気テープ、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等のコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体を介して、あるいは、インターネットなどを介してタイヤ空気圧低下度判定装置10に供給されてもよい。
【0060】
空気圧管理データ記憶部40は、本実施形態では例えば、タイヤの空気圧の低下度の判定に用いられる空気圧管理データを記憶する。空気圧管理データには、例えば、車両30に固有の識別情報である車両IDと、当該車両30の側面が写る側面画像と、が含まれる。ここで上述のように、空気圧管理データに、車両ID、ターゲット側面画像、及び、文字認識技術を用いて撮影背面画像に基づいて認識される文字群が含まれていてもよい。このように本実施形態では、空気圧管理データによって、側面画像は車両IDに関連付けられる。
【0061】
車両存在判定部42は、本実施形態では例えば、車両30が所定の撮影範囲に存在するか否か(例えば、車両30が駐車場に駐車されているか否か)を判定する。
【0062】
車両存在判定部42は、例えば、撮影部22によって所定のサンプリングレートで撮影される画像に基づいて、車両30が所定の撮影範囲に存在するか否かを判定してもよい。例えば、形状認識技術、色認識技術、パターン認識技術等の画像認識技術を用いて、撮影部22が撮影する画像から車両30の像が検出された際に、車両30が所定の撮影範囲に存在すると判定されてもよい。そして、そうでない場合に、車両30が所定の撮影範囲に存在しないと判定されてもよい。なお、車両30が所定の撮影範囲に存在するか否かの判定方法は、撮影部22によって撮影される画像に基づく方法には限定されない。
【0063】
例えば、車両30がコインパーキングサービスのロック式駐車場に駐車される場合は、ロック板の上昇に応じてコインパーキングサービスの管理システムから停止検出信号がタイヤ空気圧低下度判定装置10に送信されるようにしてもよい。また、ドライバによるカーシェアリングサービスにおける返却操作に応じて、カーシェアリングサービスの管理システムから停止検出信号がタイヤ空気圧低下度判定装置10に送信されるようにしてもよい。そして、車両存在判定部42は、当該停止検出信号を受信した際に、車両30が所定の撮影範囲に存在すると判定してもよい。
【0064】
撮影画像取得部44は、本実施形態では例えば、撮影部22によって撮影された画像を取得する。ここで、撮影画像取得部44は、車両存在判定部42によって車両30が所定の撮影範囲に存在すると判定された際に撮影部22によって撮影された画像を取得してもよい。例えば、撮影画像取得部44は、上述の停止検出信号の受信から所定の時間が経過した際に撮影部22によって撮影された画像を取得してもよい。また、撮影画像取得部44は、車両存在判定部42によって車両30が所定の撮影範囲に存在すると判定されている期間にわたって撮影部22によって繰り返し撮影された画像を取得してもよい。
【0065】
ここでは例えば、撮影画像取得部44によって、撮影部22aによって撮影される撮影側面画像及び撮影部22bによって撮影される撮影背面画像が取得される。
【0066】
車両特定部46は、本実施形態では例えば、車両30が写る画像に基づいて、撮影側面画像に写る車両30を特定する。車両特定部46は、車両30のナンバープレートが写る画像に基づいて、撮影側面画像に写る車両30を特定してもよい。例えば、車両特定部46は、上述のように、文字認識技術を用いて認識される、撮影背面画像に写るナンバープレートに配置されている文字群に基づいて、撮影側面画像に写る車両30の車両IDを特定してもよい。
【0067】
例えば、撮影背面画像に基づいて認識された文字群を含む空気圧管理データが空気圧管理データ記憶部40に既に記憶されているかが確認される。そして、既に記憶されていることが確認された場合は、当該空気圧管理データに含まれる車両IDが当該撮影背面画像と同じタイミングに撮影された撮影側面画像に写る車両30の車両IDとして特定される。
【0068】
一方、このような空気圧管理データが記憶されていないことが確認された場合は、新たな車両IDが当該撮影背面画像と同じタイミングに撮影された撮影側面画像に写る車両30の車両IDとして特定される。
【0069】
空気圧管理データ生成部48は、本実施形態では例えば、車両30に固有の識別情報である車両ID、及び、当該車両30が写る側面画像を含む空気圧管理データを生成する。ここで空気圧管理データ生成部48は、上述のようにして撮影側面画像に基づいてターゲット側面画像を生成してもよい。そして、車両30の車両ID、及び、当該車両30が写るターゲット側面画像を含む空気圧管理データを生成してもよい。
【0070】
また、空気圧管理データ生成部48は、車両特定部46によって特定される車両IDを含む空気圧管理データを生成してもよい。また、上述のように、文字認識技術を用いて認識される文字群をさらに含む空気圧管理データが生成されてもよい。
【0071】
空気圧低下度判定部50は、本実施形態では例えば、撮影画像取得部44により取得される側面画像と、当該側面画像に写る車両30の識別情報に関連付けられて空気圧管理データ記憶部40に既に記憶されている、当該側面画像の取得よりも前に取得された側面画像と、に基づいて、タイヤの空気圧の低下度を判定する。ここで例えば、最新画像と、当該最新画像に写る車両30の識別情報に関連付けられて空気圧管理データ記憶部40に既に記憶されている比較対象画像と、に基づいて、当該車両30が備えるタイヤの空気圧の低下度が判定されてもよい。また、空気圧低下度判定部50は、車両30が備えるタイヤの空気圧が低下しているか否かを判定してもよい。
【0072】
また、空気圧低下度判定部50は、上述の最新画像に写る車両30と同じ車両IDを含む空気圧管理データに含まれるターゲット側面画像である1又は複数の比較対象画像を特定してもよい。そして、空気圧低下度判定部50は、このようにして特定される1又は複数の比較対象画像と、上述の最新画像とに基づいて、車両30が備えるタイヤの空気圧の低下度を判定してもよい。
【0073】
また、空気圧低下度判定部50は、上述のように、最新画像の画像特徴量と比較対象画像の画像特徴量との差に基づいて、車両30が備えるタイヤの空気圧の低下度を判定してもよい。例えば、最新画像の画像特徴量と、最新画像と同じ車両30が写る比較対象画像のうち最後に記憶されたものの画像特徴量と、の差が所定の閾値以上である場合に、最新画像や比較対象画像に写る左後輪32の空気圧が低下していると判定されてもよい。
【0074】
通知部52は、本実施形態では例えば、空気圧低下度判定部50によってタイヤの空気圧が低下していると判定された際に、最新画像に写るタイヤを備える車両30の所有者にその旨を通知する。
【0075】
例えば、通知部52に、車両30の所有者のメールアドレスを示すデータが記憶されていてもよい。そして、通知部52は、当該データが示すメールアドレスに宛てて、タイヤの空気圧が低下している旨を示す電子メールを送信してもよい。
【0076】
また例えば、通知部52は、撮影画像取得部44の設置場所に基づいて決定される店舗の情報を車両30の所有者に通知してもよい。
【0077】
例えば、通知部52が、タイヤの空気圧の補充やタイヤ交換が可能な複数の店舗のそれぞれの店舗名及び場所(緯度及び経度、あるいは、住所、など)が示された地図を示す地図データを記憶していてもよい。また、通知部52が、撮影画像取得部44の設置場所を示す設置場所データを記憶していてもよい。
【0078】
そして、通知部52が、地図データ及び設置場所データに基づいて、撮影画像取得部44の設置場所からの距離が所定距離以下である1又は複数の店舗を特定してもよい。そして、通知部52が、特定された店舗の店舗名及び場所を示すデータを、車両30の所有者に通知してもよい。このようにすれば、当該データを受信した車両30の所有者はタイヤの空気圧の補充やタイヤ交換が可能な店舗に速やかに到着することが可能となる。
【0079】
また例えば、通知部52は、車両30の現在位置に基づいて決定される店舗の情報を車両30の所有者に通知してもよい。
【0080】
例えば、車両30がGPSを備えており、通知部52が、車両30から現在位置を示す現在位置データを受信してもよい。
【0081】
そして、通知部52が、現在位置データと上述の地図データとに基づいて、車両30の現在位置からの距離が所定距離以下である1又は複数の店舗を特定してもよい。そして、通知部52が、特定された店舗の店舗名及び場所を示すデータを、車両30の所有者に通知してもよい。この場合も、当該データを受信した車両30の所有者はタイヤの空気圧の補充やタイヤ交換が可能な店舗に速やかに到着することが可能となる。
【0082】
また例えば、通知部52が、車両30の走行ルートに基づいて決定される店舗の情報を車両30の所有者に通知してもよい。
【0083】
例えば、通知部52が、GPSを備える車両30から繰り返し受信する現在位置データに基づいて、車両30の走行ルートを示す走行ルートデータを生成してもよい。
【0084】
そして、通知部52が、走行ルートデータと上述の地図データとに基づいて、車両30の今までの走行ルートからの距離が所定距離以下である1又は複数の店舗を特定してもよい。そして、通知部52が、特定された店舗の店舗名及び場所を示すデータを、車両30の所有者に通知してもよい。このようにすれば、通勤や業務上の車両30の走行時についでにタイヤの空気圧の補充やタイヤ交換を行うことができるため、利便性が向上する。
【0085】
ここで、本実施形態に係るタイヤ空気圧低下度判定装置10で行われる処理の流れの一例を、図8に例示するフロー図を参照しながら説明する。なお本処理例では、撮影部22aと撮影部22bとで撮影タイミングの同期がとられており、撮影部22aによる撮影側面画像の撮影と撮影部22bによる撮影背面画像の撮影とが同時に行われる。
【0086】
まず、車両存在判定部42が、車両30が所定の撮影範囲に存在するか否かを判定する(S101)。S101に示す処理では例えば、車両30が駐車場に駐車されている状態であるか否かが判定される。
【0087】
S101に示す処理で車両30が所定の撮影範囲に存在しないと判定された場合は(S101:N)、S101に示す処理に戻る。
【0088】
S101に示す処理で車両30が所定の撮影範囲に存在すると判定された場合は(S101:N)、撮影画像取得部44が、撮影部22aによって撮影された撮影側面画像、及び、撮影部22bによって撮影された撮影背面画像を取得する(S102)。
【0089】
そして、車両特定部46が、S102に示す処理で取得された撮影背面画像に基づいて、S102に示す処理で撮影された撮影背面画像及び撮影側面画像に写る車両30の車両IDを特定する(S103)。
【0090】
そして、空気圧管理データ生成部48が、S102に示す処理で取得された撮影側面画像に基づいて、ターゲット側面画像を生成する(S104)。
【0091】
そして、空気圧管理データ生成部48が、S103に示す処理で特定された車両IDと、S104に示す処理で生成されたターゲット側面画像と、を少なくとも含む空気圧管理データを生成する(S105)。
【0092】
そして、空気圧低下度判定部50が、S105に示す処理で生成された空気圧管理データに含まれる車両IDと同じ車両IDを含む、空気圧管理データ記憶部40に既に記憶されている1又は複数の空気圧管理データを特定する(S106)。
【0093】
S105に示す処理で生成される空気圧管理データに含まれるターゲット側面画像が上述の最新画像に相当し、S106に示す処理で特定された空気圧管理データに含まれるターゲット側面画像が、上述の比較対象画像に相当する。
【0094】
そして、空気圧低下度判定部50が、S105に示す処理で生成された空気圧管理データに含まれるターゲット側面画像(最新画像)と、S106に示す処理で特定された空気圧管理データに含まれるターゲット側面画像(比較対象画像)と、に基づいて、最新画像に写るタイヤの空気圧の低下度を判定する(S107)。S107に示す処理では、例えば、最新画像に写るタイヤの空気圧が低下しているか否かが判定される。ここで例えば、最新画像と、最後に記憶された比較対象画像と、の比較結果に基づいて、最新画像に写るタイヤの空気圧の低下度が判定されてもよい。
【0095】
そして、空気圧管理データ生成部48は、S105に示す処理で生成された空気圧管理データを空気圧管理データ記憶部40に記憶させる(S108)。
【0096】
そして、通知部52は、S107に示す処理で最新画像に写るタイヤの空気圧が低下していると判定されたか否かを確認する(S109)。
【0097】
タイヤの空気圧が低下していないと判定されたことが確認された場合は(S109:N)、S101に示す処理に戻る。
【0098】
タイヤの空気圧が低下していると判定されたことが確認された場合は(S109:Y)、通知部52が、車両30の所有者に、タイヤの空気圧が低下している旨を通知して(S110)、S101に示す処理に戻る。
【0099】
S101~S110に示す処理は、例えば、所定の時間間隔で繰り返し実行される。
【0100】
本実施形態において、例えば、最新画像の画像特徴量と、最新画像と同じ車両30が写る複数の比較対象画像の画像特徴量の代表値(例えば平均値)と、の差が所定の閾値以上である場合に、最新画像に写るタイヤの空気圧が低下していると判定されてもよい。
【0101】
ここで例えば、最新画像と同じ車両30が写る複数の比較対象画像の各画素について、比較対象画像に含まれる画素の平均値が設定された平均比較対象画像が生成されてもよい。そして、最新画像と平均比較対象画像のそれぞれについて、側面領域38内の互いに対応付けられる画素についての上述の値z2の差の二乗和が特定されてもよい。そしてこのようにして特定される差の二乗和が、最新画像の画像特徴量と比較対象画像の画像特徴量との差として用いられてもよい。
【0102】
また、本実施形態において、空気圧低下度判定部50が、学習済の機械学習モデルを用いてタイヤの空気圧の低下度を判定してもよい。例えば、学習済のターゲット側面画像の特徴量と入力されるターゲット側面画像の特徴量の差が所定の閾値よりも大きい場合は1を出力し、そうでない場合は0を出力する学習済の機械学習モデルを用いてタイヤの空気圧の低下度が判定されてもよい。
【0103】
このような機械学習モデルは例えば、正常であることが確認されているタイヤが写る側面画像を正例とする学習によって生成可能である。例えば定期点検が行われるまでに撮影された撮影側面画像に基づいて生成されるターゲット側面画像を正例とする学習を実行することで、当該機械学習モデルの学習が実行されてもよい。
【0104】
ここで車両IDごとに別々の機械学習モデルの学習が実行されてもよい。そして、最新画像の車両IDに対応する機械学習モデルに最新画像を入力した際の出力に基づいて、当該最新画像に写るタイヤの空気圧の低下度が判定されてもよい。
【0105】
また、本実施形態において、車両特定部46が、車両30が写る画像に基づいて、側面画像に写る車両30の車種を特定してもよい。例えば、車両特定部46が、車両30のナンバープレートが写る画像に基づいて、側面画像に写る車両30の車種を特定してもよい。
【0106】
例えば、空気圧管理データ記憶部40が、図6に例示する車種判別データを記憶してもよい。そして、車両特定部46が、文字認識技術を用いて認識される撮影背面画像に写るナンバープレートに配置されている文字群から分類番号を抽出してもよい。そして、車両特定部46が、抽出された分類番号と、車種判別データに基づいて、当該撮影背面画像に写る車両30の車種IDを特定してもよい。
【0107】
そして、空気圧低下度判定部50が、特定された車種に応じたタイヤの空気圧の低下度の判定を実行してもよい。例えば、空気圧低下度判定部50が、特定された車種IDに応じた閾値を用いて、最新画像に写るタイヤの空気圧の低下度を判定してもよい。この場合に例えば、上述の閾値が、車種によって異なってもよい。
【0108】
また、本実施形態において、車両30の駐車中に撮影側面画像の撮影が複数回実行されてもよい。そして、車両特定部46が、車両30が停止したタイミングから撮影側面画像が撮影されたタイミングまでの時間を特定してもよい。例えば、S103に示す処理で、車両特定部46が、車両IDに加え、車両30が停車したタイミングからS102に示す処理で取得された撮影側面画像が撮影されたタイミングまでの時間を特定してもよい。
【0109】
そして、空気圧管理データ生成部48が、車両30が停車したタイミングから側面画像が撮影されたタイミングまでの時間を示す経過時間データをさらに含む空気圧管理データを生成してもよい。例えばS105に示す処理で、S103に示す処理で特定された車両IDと、S103に示す処理で特定された時間を示す経過時間データと、S104に示す処理で生成されたターゲット側面画像と、を含む空気圧管理データが生成されてもよい。
【0110】
そして、空気圧低下度判定部50が、S103に示す処理で特定される時間に対応する経過時間データを含む空気圧管理データを特定してもよい。例えば、S106に示す処理で特定される空気圧管理データのうちから、S105に示す処理で生成された空気圧管理データに含まれる経過時間データが示す時間との差が所定時間以下である時間を示す経過時間データを含むものが絞り込まれてもよい。
【0111】
そして、空気圧低下度判定部50が、S104に示す処理で生成されたターゲット側面画像と、上述のようにして特定される空気圧管理データに含まれる側面画像と、に基づいて、当該ターゲット側面画像に写るタイヤの空気圧の低下度を判定してもよい。例えば、上述のようにして絞り込まれた空気圧管理データに含まれるターゲット側面画像(比較対象画像)と最新画像とに基づいて、当該最新画像に写るタイヤの空気圧の低下度が判定されてもよい。
【0112】
このようにすれば、車両30が停止してからの経過時間が概ね同じである側面画像の比較結果に基づいてタイヤの空気圧の低下度が判定されるので、タイヤの空気圧の低下度の判定精度が向上することとなる。
【0113】
また本実施形態において、ナンバープレートに依らない方法により、車両IDや車種IDが特定されてもよい。例えば、撮影背面画像に対する物体認識処理の結果に基づいて車両IDや車種IDが特定されてもよい。この場合、空気圧管理データには、文字群の代わりに撮影背面画像が含まれることとなる。
【0114】
また、撮影側面画像に対する物体認識処理の結果に基づいて車両IDや車種IDが特定されてもよい。この場合、空気圧管理データには、文字群の代わりに撮影側面画像が含まれることとなる。またこの場合、撮影部22bがなくてもよい。
【0115】
また、撮影部22bは、駐車された車両30の前面を撮影可能な位置に配置されていてもよい。そして、車両30の前面を撮影した画像に基づいて、車両IDや車種IDの特定が行われてもよい。
【0116】
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。
【0117】
また、本発明の適用範囲は、駐車場に車両30が停車している状況に限定されない。例えば、本発明は、ガソリンスタンドに車両30が停車している状況や、車両30が料金所ゲート付近、ガソリンスタンド、駐車場出入口を低速で走行している状況でも適用可能である。
【0118】
また、上記の具体的な数値や文字列、並びに、図面中の具体的な数値や文字列は例示であり、これらの数値や文字列には限定されない。
【符号の説明】
【0119】
10 タイヤ空気圧低下度判定装置、12 プロセッサ、14 記憶部、16 通信部、18 表示部、20 操作部、22,22a,22b 撮影部、30 車両、32 左後輪、34 ターゲット領域、36 ホイール、38 側面領域、40 空気圧管理データ記憶部、42 車両存在判定部、44 撮影画像取得部、46 車両特定部、48 空気圧管理データ生成部、50 空気圧低下度判定部、52 通知部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8