(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-14
(45)【発行日】2023-11-22
(54)【発明の名称】遊技機の発光演出装置
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20231115BHJP
【FI】
A63F7/02 304D
(21)【出願番号】P 2020021711
(22)【出願日】2020-02-12
【審査請求日】2022-12-21
(73)【特許権者】
【識別番号】390031783
【氏名又は名称】サミー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092897
【氏名又は名称】大西 正悟
(74)【代理人】
【識別番号】100157417
【氏名又は名称】並木 敏章
(74)【代理人】
【識別番号】100218095
【氏名又は名称】山崎 一夫
(72)【発明者】
【氏名】今橋 祐太
【審査官】井上 昌宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-334105(JP,A)
【文献】特開2018-11814(JP,A)
【文献】特開2007-282915(JP,A)
【文献】特開2017-217306(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機に外部から視認可能に設けられる発光演出装置であって、
発光可能な複数の発光素子が前面に配設された発光素子基板と、
前記発光素子基板を保持するベース部材と、
前記発光素子基板の前方に配置されて前記ベース部材に取り付けられ、光が透過可能な屈曲した板状の透光部材と、
前記透光部材の前面に重なって前記ベース部材に取り付けられ、光が透過可能なシート状の演出シート部材と、
前記演出シート部材の前面に重なって前記ベース部材に取り付けられ、光が透過可能な屈曲した板状のカバー部材とを備え、
前記透光部材は、第1透光部と、前記第1透光部と異なる方向を向く第2透光部と、前記第1透光部と前記第2透光部とに繋がる第3透光部とを有し、
前記演出シート部材は、第1の絵柄が形成されて前記第1透光部の前面に重なる第1シート部と、第2の絵柄が形成されて前記第2透光部の前面に重なる第2シート部と、前記第1シート部と前記第2シート部とに繋がって前記第3透光部の前面に重なる第3シート部とを有し、
前記カバー部材は、前記第1シート部の前面に重なる第1カバー部と、前記第2シート部の前面に重なる第2カバー部と、前記第1カバー部と前記第2カバー部とに繋がって前記第3シート部の前面に重なる第3カバー部とを有し、
前記ベース部材に、前記透光部材と前記発光素子基板との間の空間を、前記第1透光部と前記発光素子基板との間の第1空間と、前記第2透光部と前記発光素子基板との間の第2空間と、前記第3透光部と前記発光素子基板との間の第3空間とに仕切る仕切り手段が設けられ、
前記第1空間、前記第2空間、および前記第3空間にそれぞれ、前記複数の発光素子のうち少なくとも一つが配置されることを特徴とする遊技機の発光演出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スロットマシン等に用いられる遊技機の発光演出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機の一種であるスロットマシンは、リールを回転させるリールユニットと、リールユニットの作動制御を行う主制御装置と、遊技の結果に応じてメダルを払い出す払出装置と、これらを収容する箱状の筐体(本体部材)と、筐体の前面開口部を開閉可能な前扉(開閉部材)とを備えて構成されている。前扉には、電飾装置やスピーカー等の演出装置(例えば、特許文献1を参照)と、所定の演出画像を表示可能な画像表示装置とが取り付けられている。また、筐体には、演出装置および画像表示装置等の制御を行う副制御装置が取り付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような遊技機では、より多彩な演出が求められている。
【0005】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、多彩な演出を行うことが可能な遊技機の発光演出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような目的達成のため、本発明に係る発光演出装置は、遊技機(例えば、実施形態におけるスロットマシン1)に外部から視認可能に設けられる発光演出装置(例えば、実施形態における右上部演出ランプ400b)であって、発光可能な複数の発光素子が前面に配設された発光素子基板と、前記発光素子基板を保持するベース部材と、前記発光素子基板の前方に配置されて前記ベース部材に取り付けられ、光が透過可能な屈曲した板状の透光部材と、前記透光部材の前面に重なって前記ベース部材に取り付けられ、光が透過可能なシート状の演出シート部材と、前記演出シート部材の前面に重なって前記ベース部材に取り付けられ、光が透過可能な屈曲した板状のカバー部材とを備え、前記透光部材は、第1透光部と、前記第1透光部と異なる方向を向く第2透光部と、前記第1透光部と前記第2透光部とに繋がる第3透光部とを有し、前記演出シート部材は、第1の絵柄が形成されて前記第1透光部の前面に重なる第1シート部と、第2の絵柄が形成されて前記第2透光部の前面に重なる第2シート部と、前記第1シート部と前記第2シート部とに繋がって前記第3透光部の前面に重なる第3シート部とを有し、前記カバー部材は、前記第1シート部の前面に重なる第1カバー部と、前記第2シート部の前面に重なる第2カバー部と、前記第1カバー部と前記第2カバー部とに繋がって前記第3シート部の前面に重なる第3カバー部とを有し、前記ベース部材に、前記透光部材と前記発光素子基板との間の空間を、前記第1透光部と前記発光素子基板との間の第1空間と、前記第2透光部と前記発光素子基板との間の第2空間と、前記第3透光部と前記発光素子基板との間の第3空間とに仕切る仕切り手段が設けられ、前記第1空間、前記第2空間、および前記第3空間にそれぞれ、前記複数の発光素子のうち少なくとも一つが配置される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、多彩な演出を行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施形態に係るスロットマシンの正面図である。
【
図2】前扉を開いた状態のスロットマシンを示す斜視図である。
【
図5】副基板ケースを取り外す第1の過程を示す斜視図である。
【
図6】副基板ケースを取り外す第2の過程を示す斜視図である。
【
図7】スロットマシンの内部を拡大して示す側断面図である。
【
図8】副基板ケースを取り外す過程を示す正面図である。
【
図9】演出基板ケースを取り外す過程を示す正面図である。
【
図10】副基板ケースの一部を拡大して示す平断面図である。
【
図11】副基板ケースの一部を拡大して示す側断面図である。
【
図12】シールド部材を副基板ケース本体に取り付ける過程を示す模式図である。
【
図14】小型表示装置を前方から見た斜視図である。
【
図16】小型表示装置を後方から見た分解斜視図である。
【
図17】
図15中のXVII-XVIIに沿った断面図である。
【
図18】小型表示装置の一部を拡大して示す平断面図である。
【
図19】小型表示装置におけるカバー固定ネジの近傍を拡大して示す平断面図である。
【
図20】上パネルアセンブリを前方から見た斜視図である。
【
図21】上パネルアセンブリの一部を拡大して示す斜視図である。
【
図22】上パネルアセンブリを前方から見た分解斜視図である。
【
図23】上パネルアセンブリの一部を拡大して示す分解斜視図である。
【
図24】上パネルアセンブリの他の一部を拡大して示す分解斜視図である。
【
図25】右上部演出ランプを前方から見た斜視図である。
【
図26】右上部演出ランプを前方から見た分解斜視図である。
【
図28】第2実施形態に係るスロットマシンの正面図である。
【
図29】スロットマシンを前方から見た斜視図である。
【
図30】右ランプユニットを前方から見た斜視図である。
【
図32】右ランプユニットを前方から見た分解斜視図である。
【
図33】右ランプユニットを後方から見た分解斜視図である。
【
図34】下側ランプ部を前方から見た分解斜視図である。
【
図35】上側ランプ部を前方から見た分解斜視図である。
【
図36】スピーカー部を前方から見た分解斜視図である。
【
図37】下側ランプ部を後方から見た分解斜視図である。
【
図38】上側ランプ部を後方から見た分解斜視図である。
【
図39】スピーカー部を後方から見た分解斜視図である。
【
図40】(A)は仮固定部材を前方から見た斜視図であり、(B)は仮固定部材を後方から見た斜視図である。
【
図41】右ランプユニットにおける仮固定部材の近傍を示す側断面図である。
【
図42】基板固定部材を前方から見た斜視図である。
【
図43】(A)は左上部演出ランプを前方から見た斜視図であり、(B)は左上部演出ランプを後方から見た斜視図である。
【
図46】左上部演出ランプを前方から見た分解斜視図である。
【
図47】左上部演出ランプの一部を前方から見た分解斜視図である。
【
図48】左上部演出ランプの他の一部を前方から見た分解斜視図である。
【
図49】左上部演出ランプが組み立てられる過程を上方から見た図である。
【
図50】左上部演出ランプが組み立てられる過程を下方から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<第1実施形態>
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。まず、本発明に係る遊技機の一例として第1実施形態に係るスロットマシンの基本的な構成について、
図1および
図2を参照して説明する。なお、以下の説明では、
図2において各矢印で示す方向をそれぞれ、上下方向、前後方向、左右方向として説明する。
【0010】
<スロットマシンの外部構成>
第1実施形態に係るスロットマシン1は、
図1および
図2に示すように、前面(前方)が開口した箱状の筐体5と、筐体5の前面開口部に開閉可能に取り付けられた前扉2とを備えている。前扉2は、正面視において、筐体5の左側板5aの前部に配設されたヒンジ機構6a~6cを用いて筐体5の前面開口部に対し横開き開閉可能に取り付けられている。
【0011】
前扉2の前面側には、
図1に示すように、上部側から順に、上パネルアセンブリ300と、下パネルアセンブリ20とが設けられている。上パネルアセンブリ300の中央部には、画像表示部311の表示画面311aが前方を臨むように配置されており、その左右には、一対の上部演出ランプ400a,400bが配置されている。また、表示画面311aの左右上側には、一対の上部スピーカーユニット340a,340bが配置されている。表示画面311aの上方には、所定の装飾が施された装飾ランプ350が配置されている。
【0012】
下パネルアセンブリ20の上部には、筐体内に横並びに配設された3個のリール3a,3b,3cの表面が臨むリール窓W1が設けられている。リール窓W1の下方に設けられた操作パネル21の上面側には、遊技メダル(遊技媒体)を投入するためのメダル投入口22、クレジットされた範囲内で遊技メダルをベットするためのBETスイッチユニット23、および演出に関する操作を行うための演出スイッチユニット24等が取り付けられている。操作パネル21の前面側には、全リール3a~3cを回転開始させる際に操作されるスタートレバー(スタートスイッチ)25、および各リール3a,3b,3cの回転を個別に停止させるための3個のストップスイッチ26a,26b,26c(図中左側のストップスイッチ26aは左リール3aに対応し、中央のストップスイッチ26bは中リール3bに対応し、右側のストップスイッチ26cは右リール3cに対応する)等が取り付けられている。
【0013】
メダル投入口22の内部は、投入された遊技メダルが有効に受け入れられる場合に当該遊技メダルが通過する受入通路(後述のホッパー51に通ずる)と、投入された遊技メダルが受け入れられない場合に当該遊技メダルが通過する返却通路(後述の遊技メダル払出口41に通ずる)とに分岐しており、その分岐部にはブロッカが設けられている。このブロッカは、投入された遊技メダルが有効に受け入れられる期間においては、メダル投入口22に投入された遊技メダルを受入通路に導き、それ以外の期間においては、メダル投入口22に投入された遊技メダルを返却通路に導くように、受入通路と返却通路を選択的に、一方を開状態に他方を閉状態にできるように構成されている。
【0014】
リール窓W1の左方には、小型表示装置200が取り付けられている。リール窓W1の右方には、右演出ランプ27が取り付けられている。リール窓W1は、3個のリール3a~3cが全て停止した際に、リール毎に3個の図柄、合計9個の図柄が遊技者から視認可能に表示されるように構成されている。リール3a~3cの各中段の図柄表示領域を水平(横一直線)に結ぶ入賞ライン29は、規定数の遊技メダルがベットされることにより有効化される入賞ラインであり、有効化された入賞ライン29上に停止表示された図柄組合せにより遊技役の成立の有無が判定されるように構成されている。以下、有効化された入賞ライン29のことを、適宜「有効ライン29」と称する。
【0015】
下パネルアセンブリ20の中間部には、透明な下パネルカバー31が取り付けられており、その左右には、一対の下部演出ランプ32a,32bが配置されている。なお、下パネルカバー31の後面側には、所定の図柄が設けられた半透明の下パネルベースおよび下パネル照明灯(いずれも図示せず)が取り付けられており、この下パネル照明灯を点灯させることにより、下パネルベースの図柄を後面側から照明するように構成されている。
【0016】
下パネルアセンブリ20の下部には、遊技メダルを払い出すための遊技メダル払出口41が開設されているとともに、遊技メダル払出口41に臨むようにして遊技メダルを貯留するための遊技メダル貯留皿42が設けられている。遊技メダル払出口41の右方には、その後側に配設された下部スピーカーユニット43(
図2も参照)の振動板43aと位置整合して複数の小孔44が形成されている。遊技メダル払出口41の左方には、その後側に配設されたウーファーユニット45(
図2も参照)の振動板45aと位置整合して複数の小孔46が形成されるとともに、ウーファーユニット45のバスレフポート45bと位置整合して孔部47が形成されている。なお、ウーファーユニット45は、低音域の音を発生させることが可能である。下部スピーカーユニット43は、中音域の音を発生させることが可能である。左右の上部スピーカーユニット340a,340bは、高音域の音を発生させることが可能である。
【0017】
<スロットマシンの内部構成>
図2に示すように、筐体5内の下部(底板5d上)には、遊技の結果、所定の入賞態様が構成された場合に獲得される遊技メダルを払い出すメダル払出装置50が設けられている。メダル払出装置50は、遊技メダルを検出するためのメダル検出部(図示せず)と、投入されて有効に受け入れられた遊技メダルを物理的に収容する(貯留する)ホッパー51とを有している。メダル払出装置50の近傍位置には、ホッパー51から溢れた遊技メダルを収納するための補助収納庫53が設けられるとともに、この補助収納庫53が満杯状態(補助収納庫53から遊技メダルが溢れる可能性のある状態)であるか否かを検出する満杯検出部(図示せず)が設けられている。また、メダル払出装置50の左方位置には、スロットマシン1に搭載された種々の装置に電力を供給する電源装置55が設けられている。
【0018】
筐体5内の中央部には、リールユニット60が設けられている。リールユニット60は、上述の3個のリール3a,3b,3cと、これらのリール3a~3cをそれぞれ回転させる3個のステッピングモータ(図示せず)とを有して構成されている。リール3a~3cはそれぞれ、透光性を有する部材により構成されており、その外周面には、複数種類の図柄が表示された、透光性を有するリールテープが貼り付けられている。また、リール3a~3cの内面側にはそれぞれバックランプ(図示せず)が配設されており、これらのバックランプを点灯させることにより、リール窓W1内に臨む各リール3a,3b,3cの領域を内面側から全体的に照明したり、停止表示された所定の図柄組合せ(例えば、有効ライン29上や、有効ライン29上とは異なる入賞ライン上に並んだ遊技役の対応図柄等)を目立たせるように各リール3a,3b,3cの一部領域のみを照明したりするように構成されている。
【0019】
筐体5内の中央上部(リールユニット60の上方)には、上パネルアセンブリ300の画像表示部311に演出画像を投影して表示するプロジェクタ装置70が設けられている。筐体5内の右上部(右側板5bの上部内面)には、遊技の進行に係る主たる制御(リール3a~3cの駆動制御や役決定処理等を含む)を行う主制御装置80が設けられている。筐体5内の左上部(左側板5aの上部内面)には、遊技状況に応じて遊技の興趣向上等を目的とする種々の演出制御(プロジェクタ装置70、小型表示装置200による演出画像表示制御や、左右の上部スピーカーユニット340a,340b、下部スピーカーユニット43、ウーファーユニット45による音声発生制御等)を行う副制御装置100が設けられている。主制御装置80と副制御装置100はケーブルハーネスを用いて電気通信可能に接続されており、これら装置間の情報伝達は、主制御装置80から副制御装置100への一方向のみ行うことが可能となっている。
【0020】
<遊技を行うための基本操作>
スロットマシン1で遊技を行うには、まず実際にメダル投入口22に遊技メダルを投入することによりベットするか、BETスイッチユニット23を操作してクレジットの範囲内で規定数の遊技メダルをベットすることにより、入賞ライン29を有効化する。例えば、3枚の遊技メダルがベットされると入賞ライン29が有効化されるように構成されるが、規定数を適宜変更したり、遊技メダルのベット数に応じて有効化される入賞ラインを変更したりするようにしてもよい。
【0021】
次に、遊技者がスタートレバー25を操作すると、ベット数が確定する(ベットされた遊技メダルが遊技の用に供される)とともに、役決定処理が行われ、その後、最小遊技時間(1つの遊技において全リールが回転開始してから、次の遊技において全リールを回転開始させるまでに最低限確保しなければならないとされる時間(例えば、4.1秒間)のこと)が経過したことを確認した後、各リール3a~3cが回転を開始し、リール3a~3cの外周表面に表示された複数種類の図柄がリール窓W1内を上下に(通常、上から下に)移動表示される。そして、リール3a~3cの回転が所定の速度に達して定速回転となると各ストップスイッチ26a~26cが有効化され(ストップスイッチの操作が有効に受付け可能とされ)、遊技者が左ストップスイッチ26aを操作すると左リール3aの回転が停止し、中ストップスイッチ26bを操作すると中リール3bの回転が停止し、右ストップスイッチ26cを操作すると右リール3cの回転が停止するように構成されている。
【0022】
ここで、有効ライン29上に停止表示された図柄組合せが予め定めた入賞態様(遊技メダルを獲得することができる遊技役の対応図柄)となっている場合には、各入賞態様に対応した枚数の遊技メダルがメダル払出装置50により払い出されるか、またはクレジットとして加算される。
【0023】
<副制御装置の構成>
次に、副制御装置100について、
図3~
図13を参照して説明する。副制御装置100は、
図3および
図4に示すように、演出回路基板101と、演出回路基板101を収容する演出基板ケース110と、副制御基板131および中継基板146と、副制御基板131および中継基板146を収容する副基板ケース150とを主体に構成された基板ケースユニットである。副基板ケース150と演出基板ケース110とが上下に隣接して筐体5における左側板5aの上部内面に取り付けられた状態で、副制御基板131と演出回路基板101とが電気的に接続されるようになっている。
【0024】
演出回路基板101は、
図5および
図6にも示すように、演出回路基板101の表面に実装された、画像ROM(Read Only Memory)102、音声ROM103等の電子部品(回路素子)と、回路基板側接続コネクタ104等の電気部品とを有して構成される。画像ROM102には、演出画像データが記憶されている。音声ROM103には、サウンドデータ(音声信号のデータ)が記憶されている。回路基板側接続コネクタ104は、演出回路基板101の上端部に上方を向いて配設される。回路基板側接続コネクタ104は、副制御基板131の制御基板側接続コネクタ133と嵌合して電気的に接続されるようになっている。演出回路基板101の下端部、前端部、および後端部には、各種電気コネクタ105が配設される。
【0025】
演出基板ケース110は、
図6に示すように、演出基板ケース本体111と、演出基板ケース蓋121とを有し、演出基板ケース本体111と演出基板ケース蓋121とが結合されて形成されるケース内部に、演出回路基板101を収容可能に構成される。演出基板ケース本体111は、透明の樹脂材料を用いて右側が開口した矩形箱状に形成される。演出基板ケース本体111の前端部に、演出回路基板101の各種電気コネクタ105等から延びるケーブルハーネス(図示せず)を保持可能なハーネス保持部116が形成される。
【0026】
演出基板ケース本体111の上方には、案内保持部112が演出基板ケース本体111と一体的に形成される。案内保持部112は、演出基板ケース本体111の上端部よりも上方へ突出する板状に形成され、副基板ケース150を着脱可能に保持するようになっている。案内保持部112の底部における前後および中央側に、上下方向に延びる矩形溝状の係合溝部113が形成される。係合溝部113には、副基板ケース150(副基板ケース本体151)の係合突起部155が摺動自在に係合する。副基板ケース150の係合突起部155が係合溝部113に係合する状態で、案内保持部112は副基板ケース150を上下方向にスライド移動可能に保持する。案内保持部112の底部における前端部および後端部に、スライド規制部112aが形成される。スライド規制部112aは、案内保持部112における副基板ケース150の移動可能範囲を、副基板ケース150が演出基板ケース110の上方に隣接するケース隣接位置(
図3を参照)と、ケース隣接位置よりも上方に位置して副基板ケース150が案内保持部112に対して着脱可能な着脱可能位置(
図6を参照)との間の範囲に規制する。なお、着脱可能位置は、リールユニット60よりも上方で、副基板ケース150が筐体5の天井部に当接しない位置に設定される。
【0027】
案内保持部112の前端部に、上側固定部114が形成される。上側固定部114は、案内保持部112の前端部から前方に突出する小片状に形成され、ネジ等の固定部材(図示せず)を用いて、筐体5における左側板5aの上部内面に固定される。また、演出基板ケース本体111の前下端部に、下側固定部115が形成される。下側固定部115は、演出基板ケース本体111の前下端部から下方へ突出する小片状に形成され、ネジ等の固定部材(図示せず)を用いて、筐体5における左側板5aの上部内面に固定される。これにより、演出基板ケース110(演出基板ケース本体111)および、これと一体的に形成された案内保持部112が筐体5における左側板5aの上部内面に取り付け固定され、副基板ケース150が案内保持部112を介して左側板5aの上部内面に着脱可能に取り付けられる。なお、演出基板ケース110は、リールユニット60の上部と同じ高さに配置される。
【0028】
演出基板ケース蓋121は、透明の樹脂材料を用いて左側が開口した矩形蓋状に形成される。演出基板ケース蓋121は、ネジ等の結合部材127(
図7を参照)を用いて、演出回路基板101を覆うように演出基板ケース本体111と結合される。演出基板ケース蓋121の下部、前部、および後部に、演出回路基板101の各種電気コネクタ105を外部に露出させるコネクタ露出部122が形成される。演出基板ケース蓋121の上側外壁部に、コネクタ挿通部123が形成される。コネクタ挿通部123には、演出回路基板101の回路基板側接続コネクタ104が上方に向けて挿通される。
【0029】
演出基板ケース蓋121の天井部上側に、回路基板側ケース連結部124が形成される。回路基板側ケース連結部124は、演出基板ケース蓋121の天井部上端よりも上方へ突出する板状に形成される。回路基板側ケース連結部124は、ケース連結ネジ126を用いて、副基板ケース150の制御基板側ケース連結部170と連結される。回路基板側ケース連結部124の上部に、ケース連結ネジ126が挿通されるネジ挿通穴125が左右方向に貫通して形成される。
【0030】
副制御基板131は、
図4に示すように、副制御基板131の表面に実装された、サブCPU(Central Processing Unit)132、プログラムROM142等の電子部品(制御素子)と、制御基板側接続コネクタ133、サブ側中継接続コネクタ135等の電気部品とを有して構成される。サブCPU132は、副制御基板131の中央部に配設される。サブCPU132は、主制御装置80(主制御基板)からの出力情報(コマンドデータ)に基づいて、演出抽選等の演出決定処理や、プロジェクタ装置70等を作動させる演出制御処理を行う。副制御基板131の中央部表面側に、サブCPU132の熱を冷ます冷却ユニット136が配設される。副制御基板131の中央部裏面側に、サブCPU132の端子を覆う枠板状のガード部材137が配設される。
【0031】
制御基板側接続コネクタ133は、副制御基板131の下端部に下方を向いて配設される。制御基板側接続コネクタ133は、演出回路基板101の回路基板側接続コネクタ104と嵌合して電気的に接続されるようになっている。サブ側中継接続コネクタ135は、副制御基板131の後端部に後方を向いて配設される。サブ側中継接続コネクタ135は、中継基板146のメイン側中継接続コネクタ147と嵌合して電気的に接続されるようになっている。
【0032】
副制御基板131の上部表面側に、ROM接続コネクタ134を介してROM基板141が電気的に接続される。このROM基板141に、プログラムROM142が配設される。プログラムROM142の表面に、ROMシール143が貼り付けられる。ROMシール143には、スロットマシン(回胴式遊技機)に関する情報が記載される。スロットマシンに関する情報として、例えば、スロットマシンの型式名や、ROMに関する情報(ROMに記憶されたデータが画像データであるのか、サウンドデータであるのか、もしくはプログラムデータであるのかを示す情報)等がある。なお、ROMシール143の他に、副制御基板131の型式名や、副制御基板131の製造業者名、スロットマシン(回胴式遊技機)の製造業者名等、所定の情報が記載された情報記載シール149(
図4の二点鎖線を参照)が副制御基板131の表面やROM基板141の表面等に貼り付けられてもよい。
【0033】
また、副制御基板131の四隅に、副基板ケース150の第1の結合ネジ157が挿通される第1ネジ挿通穴138が形成される。副制御基板131の後部に、副基板ケース150の第2の結合ネジ158が挿通される第2ネジ挿通穴139が形成される。
【0034】
中継基板146は、
図4に示すように、副基板ケース150の内部において副制御基板131の後方に隣接して配置され、副制御基板131と電気的に接続される。副制御基板131は、この中継基板146を介して、主制御装置80(主制御基板)と電気的に接続される。中継基板146は、中継基板146の表面に実装された、メイン側中継接続コネクタ147等の電気部品を有して構成される。メイン側中継接続コネクタ147は、中継基板146の前端部に前方を向いて配設される。メイン側中継接続コネクタ147は、副制御基板131のサブ側中継接続コネクタ135と嵌合して電気的に接続されるようになっている。中継基板146の上端部および下部には、各種電気コネクタ148が配設される。
【0035】
副基板ケース150は、
図4に示すように、副基板ケース本体151と、副基板ケース蓋161とを有し、副基板ケース本体151と副基板ケース蓋161とが結合されて形成されるケース内部に、副制御基板131および中継基板146を収容可能に構成される。副基板ケース本体151は、樹脂材料を用いて右側が開口した矩形箱状に形成される。副基板ケース本体151の表面には、めっき処理により、副基板ケース本体151の表面を覆うめっき被膜151aが成膜される。
【0036】
副基板ケース本体151の内底部における外壁部近傍の複数箇所に、第1の結合ネジ157(
図7を参照)が螺合する第1の結合穴部152が形成される。副基板ケース本体151の内底部における中央後側に、第2の結合ネジ158(
図7を参照)が螺合する第2の結合穴部153が形成される。副基板ケース本体151の内底部の中央に、ケース側印字部154(
図12を参照)が形成される。ケース側印字部154には、副基板ケース150(もしくは副基板ケース本体151)の型式名が印字される。基板ケース本体151の外底部における前後および中央側に、上下方向に延びる突起状の係合突起部155が形成される。係合突起部155は、案内保持部112の係合溝部113に摺動自在に係合する。
【0037】
また、副基板ケース本体151の内底部に、シールド部材181が取り付けられる。シールド部材181は、金属材料を用いて、副基板ケース本体151の内底部の形状に合わせて上部および前部が略直角に折り曲げられた板状に形成される。シールド部材181は、底側シールド部182と、前側シールド部184と、上側シールド部186とを有し、副制御基板131および中継基板146の裏面側を覆うようになっている。底側シールド部182の中央に、シールド側印字部183が形成される。シールド側印字部183には、副基板ケース本体151のケース側印字部154と位置整合して副基板ケース150(もしくは副基板ケース本体151)の型式名が印字される。前側シールド部184に、複数の前側開口部185が形成される。前側開口部185は、副基板ケース蓋161の前壁開口部175と位置整合する長穴状に形成され、前壁開口部175での通気を妨げないようになっている。上側シールド部186に、複数の上側開口部187が形成される。上側開口部187は、副基板ケース蓋161の上壁開口部177と位置整合する長穴状に形成され、上壁開口部177での通気を妨げないようになっている。
【0038】
副基板ケース蓋161は、樹脂材料を用いて左側が開口した矩形蓋状に形成される。副基板ケース蓋161は、第1の結合ネジ157および第2の結合ネジ158(
図7を参照)を用いて、副制御基板131および中継基板146を覆うように副基板ケース本体151と結合される。副基板ケース蓋161の表面には、めっき処理により、副基板ケース蓋161の表面を覆うめっき被膜161aが成膜される。副基板ケース蓋161の後上部および後下部に、中継基板146の各種電気コネクタ148を外部に露出させるコネクタ露出部162が形成される。副基板ケース蓋161の下側外壁部に、副制御基板131の制御基板側接続コネクタ133を外部に露出させるコネクタ挿通部163が形成される。コネクタ挿通部163には、演出回路基板101の回路基板側接続コネクタ104が副制御基板131の制御基板側接続コネクタ133に向けて挿通される。
【0039】
副基板ケース蓋161の外縁部近傍の複数個所に、ネジ結合部165が形成される。ネジ結合部165は、副基板ケース本体151における第1の結合穴部152と位置整合して形成され、第1の結合ネジ157(
図7を参照)が挿通されるネジ挿通穴(図示せず)を有している。第1の結合ネジ157が、副基板ケース蓋161におけるネジ結合部165のネジ挿通穴に挿通されて、副基板ケース本体151における第1の結合穴部152と螺合することで、副基板ケース蓋161におけるネジ結合部165と副基板ケース本体151における第1の結合穴部152とが結合される。
【0040】
副基板ケース蓋161の天井部における中央部上側に、収容穴部167および挿通穴部166が形成される(
図10を参照)。
図10に示すように、収容穴部167の底部に、第2の結合ネジ158が挿通される挿通穴部166が形成される。収容穴部167は、挿通穴部166に挿通された第2の結合ネジ158の頭部を収容する。収容穴部167および挿通穴部166は、副基板ケース本体151における第2の結合穴部153と位置整合して形成される。第2の結合ネジ158が、副基板ケース蓋161における挿通穴部166に挿通されて、副基板ケース本体151における第2の結合穴部153と螺合することで、副基板ケース蓋161における挿通穴部166と副基板ケース本体151における第2の結合穴部153とが結合される。また、収容穴部167の側部に、副基板ケース150の内部と収容穴部167の内部とに連通する通気穴部168が形成される。副基板ケース蓋161の天井部における収容穴部167の周辺に、シール貼り付け部169が形成される。シール貼り付け部169には、封印シール179が貼り付けられる。
【0041】
封印シール179は、長方形のシート状に形成され、第2の結合ネジ158の頭部が収容された収容穴部167を塞ぐようにしてシール貼り付け部169に貼り付けられる。一方、シール貼り付け部169は、封印シール179よりも一回り大きい長方形状に凹んで形成される。シール貼り付け部169の左右の上側隅部に、シール貼り付け部169の下側隅部よりも曲率半径の大きい円弧状の受け部169a(
図4を参照)が形成される。この受け部169aは、円周角が270度の円弧状に形成される。封印シール179をシール貼り付け部169に貼り付ける際、まず、封印シール179の左右のうち一方の上側隅部をシール貼り付け部169の左右のうち一方の受け部169aに挿入し、封印シール179の上辺部および左右のうち一方の側辺部と、シール貼り付け部169の上辺部および左右のうち一方の側辺部とを位置整合させるように、封印シール179の向きを調整すればよい。このようにすれば、封印シール179がシール貼り付け部169からはみ出ることなく容易に、封印シール179をシール貼り付け部169に貼り付けることができる。
【0042】
図4に示すように、副基板ケース蓋161の天井部の下端部に、制御基板側ケース連結部170が形成される。制御基板側ケース連結部170は、ケース連結ネジ126が螺合される連結穴171を有するボス状に形成される。ケース連結ネジ126が、演出基板ケース110における回路基板側ケース連結部124のネジ挿通穴125に挿通されて、副基板ケース150における制御基板側ケース連結部170の連結穴171と螺合することで、
図3に示すように、演出基板ケース110の回路基板側ケース連結部124と副基板ケース150の制御基板側ケース連結部170とが連結される。なお、制御基板側ケース連結部170の連結穴171は、
図11に示すように、片方(右方)のみが開口した非貫通の穴形状を有している。これにより、ケース連結ネジ126の締結時において、副基板ケース蓋161のめっき被膜161aやケース連結ネジ126から剥離した微細な金属粉が、連結穴171から副基板ケース150の内部に入り込んで副制御基板131および中継基板146、または回路基板側接続コネクタ104と制御基板側接続コネクタ133との接続部に達するのを防ぐことができ、副制御基板131および中継基板146における回路ショート等の不具合を防止することができる。
【0043】
図3および
図4に示すように、副基板ケース蓋161の天井部の中央部下側に、上下方向に3列で並ぶ複数の中央側天井開口部172が形成される。中央側天井開口部172は、人間の指を通すことが不可能な程度に小さい幅を有する長穴状に形成され、副基板ケース150の内部と副基板ケース150の外部とに連通する。副基板ケース蓋161の天井部の前部下側に、上下方向に1列で並ぶ複数の前側天井開口部173が形成される。前側天井開口部173は、人間の指を通すことが不可能な程度に小さい幅を有する長穴状に形成され、副基板ケース150の内部と副基板ケース150の外部とに連通する。なお、中央側天井開口部172および前側天井開口部173は、副制御基板131の冷却ユニット136の近傍に配置され、冷却ユニット136による副基板ケース150の内部の熱冷却効果を高めている。
【0044】
副基板ケース蓋161の天井部上側に、上下方向に2列で並ぶ複数の上側天井開口部174が形成される。上側天井開口部174は、人間の指を通すことが不可能な程度に小さい幅を有する長穴状に形成され、副基板ケース150の内部と副基板ケース150の外部とに連通する。なお、上側天井開口部174は、副制御基板131のプログラムROM142の近傍に配置され、副基板ケース150の外部から複数の上側天井開口部174のうち少なくとも一部(例えば、複数の上側天井開口部174のうち全部)を通じて、プログラムROM142に貼り付けられたROMシール143を視認することが可能である。
【0045】
副基板ケース蓋161の前側外壁部に、上下方向に1列で並ぶ複数の前壁開口部175が形成される。前壁開口部175は、人間の指を通すことが不可能な程度に小さい幅を有する長穴状に形成され、副基板ケース150の内部と副基板ケース150の外部とに連通する。副基板ケース蓋161の後側外壁部に、上下方向に1列で並ぶ複数の後壁開口部176が形成される。後壁開口部176は、人間の指を通すことが不可能な程度に小さい幅を有する長穴状に形成され、副基板ケース150の内部と副基板ケース150の外部とに連通する。
【0046】
副基板ケース蓋161の上側外壁部に、前後方向に1列で並ぶ複数の上壁開口部177が形成される。上壁開口部177は、人間の指を通すことが不可能な程度に小さい幅を有する長穴状に形成され、副基板ケース150の内部と副基板ケース150の外部とに連通する。なお、前述の情報記載シール149(
図4の二点鎖線を参照)が副制御基板131の前上部表面に貼り付けられる場合、副基板ケース150の外部から複数の上壁開口部177のうち少なくとも一部(例えば、複数の上壁開口部177のうち前半分に配置されたもの)を通じて、情報記載シール149を視認することが可能である。
【0047】
以上のように構成される副制御装置100において、副基板ケース150を組み立てるには、まず、シールド部材181を副基板ケース本体151の内底部に取り付ける。このとき、
図12に示すように、ケース本体151のケース側印字部154と、シールド部材181のシールド側印字部183の向きを合わせた状態で、シールド部材181を副基板ケース本体151の内底部に取り付ける。これにより、所定の正確な向きで容易に、シールド部材181を副基板ケース本体151の内底部に取り付けることができる。
【0048】
次に、
図4に示すように、副制御基板131および中継基板146を副基板ケース本体151の内底部に配置する。次に、第1の結合ネジ157および第2の結合ネジ158を用いて、副制御基板131および中継基板146を覆うように副基板ケース蓋161を副基板ケース本体151に結合させる。このとき、第1の結合ネジ157は、副基板ケース蓋161におけるネジ結合部165のネジ挿通穴(図示せず)に挿通されて、副基板ケース本体151における第1の結合穴部152と螺合する。これにより、副基板ケース蓋161におけるネジ結合部165と副基板ケース本体151における第1の結合穴部152とが結合される。またこのとき、第2の結合ネジ158は、
図10に示すように、副基板ケース蓋161における挿通穴部166に挿通されて、副基板ケース本体151における第2の結合穴部153と螺合する。これにより、副基板ケース蓋161における挿通穴部166と副基板ケース本体151における第2の結合穴部153とが結合される。
【0049】
そして、封印シール179を副基板ケース蓋161のシール貼り付け部169に貼り付ける。このとき、封印シール179は、第2の結合ネジ158の頭部が収容された収容穴部167を塞ぐようにしてシール貼り付け部169に貼り付けられる。本実施形態では、副基板ケース蓋161の収容穴部167の側部に、副基板ケース150の内部と収容穴部167の内部とに連通する通気穴部168が形成される。これにより、副基板ケース150が比較的高温になって、収容穴部167の内部の空気が熱膨張しても、通気穴部168を通じて副基板ケース150の内部へ逃げることができるため、空気の熱膨張によって封印シール179が剥離するのを防止することが可能になる。
【0050】
また、本実施形態では、副基板ケース150の外部から副基板ケース蓋161の上側天井開口部174を通じて、副制御基板131のプログラムROM142に貼り付けられたROMシール143を視認することが可能である。これにより、副基板ケース150の外部から副基板ケース蓋161の上側天井開口部174を通じて、ROMシール143に記載された情報を視認することができるため、副基板ケース150に収容された副制御基板131が適合品であるか否か、具体的にはスロットマシン(回胴式遊技機)の型式や製造業者等が適合しているものであるか否かを確認することが可能になる。
【0051】
また、副基板ケース150を筐体5における左側板5aの上部内面に取り付けるには、まず、副基板ケース150を、左側板5aの上部内面に固定された案内保持部112における着脱可能位置に装着する。このとき、副基板ケース150は、案内保持部112によって上下方向にスライド移動可能に保持される。次に、副基板ケース150を着脱可能位置からケース隣接位置まで下方に移動させる。このとき、副制御基板131の制御基板側接続コネクタ133は、演出回路基板101の回路基板側接続コネクタ104と嵌合して電気的に接続される。そして、ケース連結ネジ126を用いて、演出基板ケース110の回路基板側ケース連結部124と副基板ケース150の制御基板側ケース連結部170とを連結させる。このとき、ケース連結ネジ126は、演出基板ケース110における回路基板側ケース連結部124のネジ挿通穴125に挿通されて、副基板ケース150における制御基板側ケース連結部170の連結穴171と螺合する。
【0052】
これにより、
図3および
図7に示すように、副基板ケース150と演出基板ケース110とが上下に隣接して筐体5における左側板5aの上部内面に取り付けられた状態で、副制御基板131と演出回路基板101とが電気的に接続される。そのため、副基板ケース150を左側板5aの上部内面に取り付ける作業と、副制御基板131と演出回路基板101とを電気的に接続させる作業を同時的に行うことができ、副制御装置100の取り付け作業における作業工数を低減させることが可能になる。また、副基板ケース150を保持する案内保持部112が演出基板ケース本体111と一体的に形成されることで、副基板ケース150を保持する部材を別途設ける必要がない。そのため、副制御装置100の部品点数を低減させることができ、副制御装置100の省スペース化を図ることも可能になる。
【0053】
副基板ケース150を筐体5における左側板5aの上部内面から取り外すには、まず、
図5に示すように、ケース連結ネジ126を、副基板ケース150における制御基板側ケース連結部170の連結穴171から取り外す。次に、副基板ケース150をケース隣接位置から着脱可能位置まで上方に移動させる。このとき、副制御基板131の制御基板側接続コネクタ133は、演出回路基板101の回路基板側接続コネクタ104から分離される。そして、
図6および
図8に示すように、案内保持部112における着脱可能位置に移動した副基板ケース150を、案内保持部112から右方へ離脱させる。
【0054】
前述したように、案内保持部112における着脱可能位置は、リールユニット60よりも上方で、副基板ケース150が筐体5の天井部に当接しない位置に設定される。これにより、
図8に示すように、リールユニット60を筐体5から取り外すことなく、副基板ケース150を案内保持部112に対して着脱させることができる。そのため、故障等による交換の頻度が高い副基板ケース150(副制御基板131)を、案内保持部112に対して容易に着脱させることが可能になる。また、前述したように、演出基板ケース110は、リールユニット60の上部と同じ高さに配置される。これにより、
図9に示すように、リールユニット60を筐体5から取り外さなければ、演出基板ケース110を筐体5の左側板5aに対して着脱させることができない。そのため、故障等による交換の頻度が低い演出基板ケース110(演出回路基板101)を、筐体5の左側板5aに対して不正に着脱させることを防止することが可能になる。
【0055】
ここで、演出回路基板の回路基板側接続コネクタおよび、副制御基板の制御基板側接続コネクタに関する変形例について述べる。
図13に示すように、演出回路基板の回路基板側接続コネクタ191と、副制御基板の制御基板側接続コネクタ192とは、接続ケーブル198を介して電気的に接続されるようにしてもよい。この場合、接続ケーブル198の一端側を演出基板ケース(演出基板ケース蓋)193に対して固定保持する回路基板側保持部194と、接続ケーブル198の他端側を副基板ケース(副基板ケース蓋)195に対して固定保持する制御基板側保持部196とが設けられるようにしてもよい。回路基板側保持部194および制御基板側保持部196は、例えば結束バンド等を用いて構成される。これにより、
図13に示すように、副基板ケース195をケース隣接位置と着脱可能位置との間で移動させる際の衝撃を接続ケーブル198で受けることができ、この衝撃により回路基板側接続コネクタ191および制御基板側接続コネクタ192が損傷するのを防止することができる。なお、接続ケーブル198が損傷する可能性が高くなるが、接続ケーブル198を交換するだけで、演出回路基板または副制御基板を交換する必要がいため、損傷による部品交換のコストを低減させることができる。なお、副基板ケース195の着脱を容易にするため、接続ケーブル198の長さは、
図13の場合とは異なり、副基板ケース195が着脱可能位置に移動しても接続ケーブル198が垂れ下がる(余る)程度の長さであってもよい。
【0056】
<副制御装置の特徴構成>
本実施形態において、副基板ケース150における副基板ケース本体151および副基板ケース蓋161の表面に、当該副基板ケース本体151および副基板ケース蓋161の表面を覆うめっき被膜151a,161aが成膜されている。これにより、副制御基板131が金属製のケースの内部に収容される場合と同等のシールド効果が得られるため、副制御基板131におけるノイズを軽減させることが可能になる。なおこの場合、めっき被膜151a,161aにより副基板ケース150が不透明になるため、副基板ケース150に収容された副制御基板131が適合品であるか否か、具体的にはスロットマシン(回胴式遊技機)の型式や製造業者等が適合しているものであるか否かを確認し難くなる。また、めっき被膜151a,161aにより副基板ケース150の熱伝導性が高くなるため、プロジェクタ装置70やリールユニット60、副制御基板131のサブCPU132等から発生する熱によって副基板ケース150が比較的高温になり易く、空気の熱膨張によって封印シール179が剥離する可能性がある。
【0057】
これに対し、本実施形態では、副基板ケース150の副基板ケース蓋161に、副基板ケース150の内部と副基板ケース150の外部とに連通する複数の上側天井開口部174が形成され、副基板ケース150の外部から複数の上側天井開口部174のうち少なくとも一部を通じて副制御基板131のROMシール143を視認可能である。これにより、副基板ケース150の外部から上側天井開口部174を通じて、ROMシール143に記載された情報を視認することができるため、副基板ケース150に収容された副制御基板131が適合品であるか否か、具体的にはスロットマシン(回胴式遊技機)の型式や製造業者等が適合しているものであるか否かを確認することが可能になる。
【0058】
また、本実施形態では、封印シール179が、第2の結合ネジ158の一端側(頭部)が収容された収容穴部167を塞いで副基板ケース蓋161のシール貼り付け部169に貼り付けられており、収容穴部167に、副基板ケース150の内部と収容穴部167の内部とに連通する通気穴部168が形成される。これにより、副基板ケース150が比較的高温になって、収容穴部167の内部の空気が熱膨張しても、通気穴部168を通じて副基板ケース150の内部へ逃げることができるため、空気の熱膨張によって封印シール179が剥離するのを防止することが可能になる。
【0059】
なお、本実施形態のように、演出表示装置としてプロジェクタ装置70を用いたスロットマシン1は、前扉2の上部に、プロジェクタ装置70により演出画像が投影されるスクリーン部材310(詳細は後述)が設けられた構成となっている。そのため、従来のスロットマシン(遊技機)のように、前扉2の上部後面側に副制御装置100を取り付けることができず、プロジェクタ装置70から発生するノイズ等により、副制御基板131におけるサブCPU132等の電子部品の故障頻度が高くなる可能性がある。これに対し、本実施形態では、副制御装置100が筐体5の左側板5aの上部内面に設けられ、副制御装置100を構成する副基板ケース150が筐体5の左側板5aに対して着脱可能に取り付けられる。また、副制御基板131におけるノイズ対策として、副基板ケース150における副基板ケース本体151および副基板ケース蓋161の表面に、当該副基板ケース本体151および副基板ケース蓋161の表面を覆うめっき被膜151a,161aが成膜される。また、副制御基板131における高温対策として、収容穴部167に、副基板ケース150の内部と収容穴部167の内部とに連通する通気穴部168が形成される。
【0060】
<小型表示装置の構成>
次に、小型表示装置200について、
図14~
図19を参照して説明する。小型表示装置200は、
図14~
図16に示すように、前フレーム部材210と、液晶ユニット220と、後カバー部材230とを有して構成される。前フレーム部材210は、樹脂材料を用いて、液晶ユニット220の外周形状に合わせた枠状に形成される。前フレーム部材210の内周側に、液晶保持部211が形成される。液晶保持部211は、後カバー部材230とともに、スロットマシン1の前方中央側を向くように液晶ユニット220を保持する。
【0061】
前フレーム部材210の上下後面側に、4つのカバー固定ボス212が形成される。カバー固定ボス212は、前フレーム部材210の後面側から後方へ突出するボス状に形成される。カバー固定ボス212の中央部に、カバー固定ネジ236が螺合されるネジ穴213が形成される。また、前フレーム部材210の上下後面側に、複数のフレーム固定ボス214が形成される。フレーム固定ボス214は、前フレーム部材210の後面側からカバー固定ボス212と平行に後方へ突出するボス状に形成され、ネジ等の固定部材(図示せず)を用いて前扉2に固定される。これにより、小型表示装置200は、前扉2におけるリール窓W1の左方に取り付け固定される。
【0062】
前フレーム部材210の左前部に、発光部材保持部215が形成される。発光部材保持部215は、スロットマシン1の前方中央側を向くように補助発光部材216を保持する。補助発光部材216は、透明の樹脂材料を用いて、上下方向に細長く延びる板状に形成される。補助発光部材216の後方には、前面側に補助LED(Light Emitting Diode)241が配設された補助ランプ基板240(
図18の二点鎖線を参照)が設けられる。補助LED241は、補助ランプ基板240の前面側に上下方向に並んで複数配設され、前方の補助発光部材216に向かって光を発光させる。補助LED241から発光した光は、微細な凹凸を有する補助発光部材216の後端面に入射し、補助発光部材216の前面が発光するようになっている。
【0063】
液晶ユニット220は、演出に関わる所定の画像を表示可能な液晶画面221aを有する液晶表示パネル221を主体に構成される。液晶ユニット220が前フレーム部材210および後カバー部材230に保持された状態で、液晶画面221aがスロットマシン1の前方中央側を向いて露出するようになっている。言い換えると、遊技場において遊技者が遊技を行うために椅子に着席している状態で、液晶表示パネル221の液晶画面221aが遊技者側に向いている。なお、液晶ユニット220および補助ランプ基板240は、副制御装置100と電気的に接続される。
【0064】
後カバー部材230は、樹脂材料を用いて、液晶ユニット220の外周形状に合わせた板状に形成される。後カバー部材230は、カバー固定ネジ236を用いて、液晶ユニット220の後側を覆って前フレーム部材210に固定される。後カバー部材230の四隅に、カバー固定片部231が形成される。
図17および
図18に示すように、カバー固定片部231は、前フレーム部材210におけるカバー固定ボス212のネジ穴213と位置整合して形成され、カバー固定ネジ236が挿通される貫通穴232を有している。カバー固定ネジ236が、後カバー部材230におけるカバー固定片部231の貫通穴232に挿通されて、前フレーム部材210におけるカバー固定ボス212のネジ穴213と螺合することで、後カバー部材230におけるカバー固定片部231が前フレーム部材210におけるカバー固定ボス212に固定される。
【0065】
なお、
図18に示すように、後カバー部材230の左方に、補助発光部材216と補助ランプ基板240との間の空間部が形成されている。補助LED241から補助発光部材216に向かって発光した光を妨げないように、後カバー部材230左後端部には、面取り状の逃げ部233が形成される。また、
図16に示すように、後カバー部材230の下部に、液晶ユニット220から延びるケーブル(図示せず)が挿通される第1ケーブル挿通穴234が形成される。後カバー部材230の下部後面側に、第1ケーブル挿通穴234を覆うように補助カバー部材237が取り付けられる。後カバー部材230の中間部右側に、液晶ユニット220から延びるケーブル(図示せず)が挿通される第2ケーブル挿通穴235が形成される。後カバー部材230の後面側における第2ケーブル挿通穴235の近傍に、補強部材238が取り付けられる。補強部材238に形成されるボス238aは、フレーム固定ボス214と同様、小型表示装置200を前扉2に固定するためのボスであり、フレーム固定ボス214と略平行に前扉2に向けて延伸している。また、補強部材238は、
図15に示すように、複数のフレーム固定ボス214のうち、右上側に位置するフレーム固定ボス214と右下側に位置するフレーム固定ボス214との間(略中央)に配置される。これにより、補強部材238は、小型表示装置200の裏側が遊技者側に向けて開放されることを防止し、スロットマシン1の内部への不正なアクセスを防止する役割を果たす。
【0066】
以上のように構成される小型表示装置200において、液晶ユニット220(液晶表示パネル221)は、副制御装置100の演出制御に応じて、演出に関わる所定の画像を液晶画面221aに表示する。また、補助ランプ基板240の補助LED241は、副制御装置100の演出制御に応じて、前方の補助発光部材216に向かって光を発光させる。補助LED241から発光した光が補助発光部材216の後端面に入射すると、補助発光部材216の前面が発光する。例えば、プロジェクタ装置70(画像表示部311)または液晶ユニット220により、レア役を示唆する演出画像が表示される場合や、デモ画像が表示される場合等に、補助発光部材216の前面が発光してもよい。
【0067】
ところで、後カバー部材230は、液晶ユニット220と同じスロットマシン1の前方中央側を向いて前フレーム部材210に固定される。そのため、後カバー部材230のカバー固定片部231は、前フレーム部材210のカバー固定ボス212と対向するように前方を向いて形成され、後カバー部材230の本体部分は、スロットマシン1の前方中央側を向いて形成される。また、射出成型により後カバー部材230を形成する場合、カバー固定片部231の貫通穴232は、成型型の抜き方向の関係で、後カバー部材230の本体部分と同じ方向、すなわち、前フレーム部材210のカバー固定ボス212(ネジ穴213)の延伸方向に対し傾斜した方向に貫通して延びることが好ましい。
【0068】
なお、前フレーム部材210のカバー固定ボス212(ネジ穴213)の延伸方向に対する貫通穴232の傾斜角度、貫通穴232の内径および長さ等は、カバー固定ネジ236をカバー固定片部231の貫通穴232に挿通させて、カバー固定ボス212のネジ穴213に螺合させることが可能な条件に設定される。そのため、少なくとも貫通穴232の傾斜角度は、45°以下であることが好ましい。これにより、液晶ユニット220に合わせてスロットマシン1の前方中央側(ネジ穴213の延伸方向に対し傾斜した方向)を向くように後カバー部材230が形成される場合に、貫通穴232の延伸方向を後カバー部材230の本体部分と同じ方向(スロットマシン1の前方中央側へ延びる方向)にすることができる。そのため、射出成型等により後カバー部材230を作製する際の作業工数を低減させることができ、スロットマシン1(小型表示装置200)の製造時の作業工数を低減させることが可能になる。
【0069】
上述したように、カバー固定片部231の貫通穴232は、カバー固定ボス212のネジ穴213の延伸方向に対し傾斜した方向に貫通して延びる。これにより、カバー固定ボス212のネジ穴213の延伸方向(前後方向)から見て、カバー固定片部231の貫通穴232の断面形状は楕円形状となる。カバー固定片部231におけるカバー固定ネジ236の頭部236aと接触する頭部接触面部231a(
図19を参照)の形状および面積等は、カバー固定ネジ236の中心軸に対し左右非対称となる。例えば、
図19に示すように、左右方向(貫通穴232の断面における楕円の長手方向)における頭部接触面部231aの右側部分の長さL1は、左右方向における頭部接触面部231aの左側部分の長さL2よりも長くなる。すなわち、頭部接触面部231aの右側部分の面積は、頭部接触面部231aの左側部分の面積よりも大きくなる。また、左右方向(貫通穴232の断面における楕円の長手方向)における貫通穴232の右後縁部とカバー固定ネジ236の胴部との隙間の長さC1と、左右方向における貫通穴232の左前縁部とカバー固定ネジ236の胴部との隙間の長さC2は共に、カバー固定片部231において左右方向にガタが生じない程度に小さい長さを有していることが好ましい。このように、左右の隙間の長さC1,C2を小さくすることで、カバー固定片部231の貫通穴232に挿通されるカバー固定ネジ236を、カバー固定ボス212のネジ穴213に容易に導くことができ、カバー固定片部231において左右方向(貫通穴232の断面における楕円の長手方向)にガタが生じるのを防止することができる。
【0070】
<小型表示装置の特徴構成>
本実施形態において、後カバー部材230は、前フレーム部材210のネジ穴213(カバー固定ボス212)の延伸方向に対し傾斜した方向に延びる貫通穴232を有し、カバー固定ネジ236が貫通穴232に挿通されてネジ穴213と螺合することができるように構成される。これにより、液晶ユニット220に合わせてスロットマシン1の前方中央側(ネジ穴213の延伸方向に対し傾斜した方向)を向くように後カバー部材230が形成される場合に、貫通穴232の延伸方向を後カバー部材230の本体部分と同じ方向(スロットマシン1の前方中央側へ延びる方向)にすることができる。そのため、射出成型等により後カバー部材230を作製する際の作業工数を低減させることができ、スロットマシン1(小型表示装置200)の製造時の作業工数を低減させることが可能になる。
【0071】
なお、前フレーム部材210のネジ穴(カバー固定ボス)を、後カバー部材230の本体部分と同じ方向に延伸させて、後カバー部材230(カバー固定片部231)の貫通穴232の延伸方向と一致させることも考えられる。この場合、カバー固定ボスのネジ穴の延伸方向から見て、後カバー部材230の貫通穴232の断面形状は正円形状とすることが望ましい。ところが、カバー固定ボスのネジ穴を延長した先には、筐体5の左側板5aが存在することになる。
図17の二点鎖線で示すように、後カバー部材230の本体部分と同じ方向(スロットマシン1の前方中央側へ延びる方向)に向けたカバー固定ネジ236(B)を、後カバー部材230の貫通穴232に挿通させる際、ドライバー等の工具が筐体5の左側板5aやヒンジ機構6a~6cに接触して作業の邪魔になる可能性がある。そのため、前扉2に取り付け固定された前フレーム部材210に後カバー部材230を組み付ける際の作業工数が増加するおそれがある。
【0072】
一方、本実施形態では、前フレーム部材210のネジ穴213(カバー固定ボス212)は、前フレーム部材210の後方へ延伸し、後カバー部材230(カバー固定片部231)の貫通穴232の延伸方向と異なっている。
図17の二点鎖線で示すように、スロットマシン1の前方に向けたカバー固定ネジ236(A)を、後カバー部材230の貫通穴232に挿通させる際、ドライバー等の工具が筐体5の左側板5aやヒンジ機構6a~6cに接触せず、作業の邪魔になることがない。さらに、後カバー部材230の貫通孔232の断面形状は楕円形状とすることで、カバー固定ネジ236の挿通範囲が拡大されるとともに、カバー固定ネジ236を貫通孔232に容易に挿通させることが可能となる。このように、前扉2に取り付け固定された前フレーム部材210に後カバー部材230を組み付ける際の作業工数を低減させることもでき、スロットマシン1(小型表示装置200)の製造時の作業工数を低減させることが可能になる。
【0073】
<上パネルアセンブリの構成>
次に、上パネルアセンブリ300について、
図20~
図24を参照して説明する。上パネルアセンブリ300は、
図20および
図22に示すように、ベースフレーム301と、スクリーン部材310と、上ベゼル部材315と、下ベゼル部材316と、左右の上部演出ランプ400a,400bと、スクリーンカバー320と、スピーカーランプホルダ330と、左右の上部スピーカーユニット340a,340bと、装飾ランプ350とを有して構成される。
【0074】
ベースフレーム301は、
図23に示すように、樹脂材料を用いて、中央に前後方向に貫通した開口部を有する箱状に形成される。ベースフレーム301の中央開口部に、スクリーン取付部302が形成される。スクリーン取付部302には、ベースフレーム301の中央開口部を塞ぐようにスクリーン部材310が取り付けられる。ベースフレーム301の左側に、左ランプ取付部303aが形成される。左ランプ取付部303aには、前方から左上部演出ランプ400aが取り付けられる。ベースフレーム301の右側に、右ランプ取付部303bが形成される。右ランプ取付部303bには、前方から右上部演出ランプ400bが取り付けられる。ベースフレーム301の上部に、ホルダ取付部304が形成される。ホルダ取付部304には、前方からスピーカーランプホルダ330が取り付けられる。
【0075】
スクリーン部材310は、
図23に示すように、透光性を有する例えば乳白色の樹脂材料を用いて、ベースフレーム301の中央開口部の形状に合わせた板状に形成される。スクリーン部材310の中央部に、画像表示部311が形成される。画像表示部311には、プロジェクタ装置70により演出画像が投影され、画像表示部311の前面に設けられた表示画面311aに演出画像が表示されるようになっている。スクリーン部材310の上部に、上ベゼル固定部312が形成される。上ベゼル固定部312は、上ベゼル部材315とともにベースフレーム301におけるスクリーン取付部302の上側に取り付け固定される。スクリーン部材310下部に、下ベゼル固定部313が形成される。下ベゼル固定部313は、下ベゼル部材316とともにベースフレーム301におけるスクリーン取付部302の下側に固定される。
【0076】
上ベゼル部材315は、
図23に示すように、樹脂材料を用いて左右方向に延びる板状に形成される。上ベゼル部材315は、スクリーン部材310の上ベゼル固定部312を覆ってベースフレーム301におけるスクリーン取付部302の上側に取り付けられ、スクリーン部材310の上部をベースフレーム301に対して固定する。
【0077】
下ベゼル部材316は、
図23に示すように、樹脂材料を用いて左右方向に延びる板状に形成される。下ベゼル部材316は、スクリーン部材310の下ベゼル固定部313を覆ってベースフレーム301におけるスクリーン取付部302の下側に取り付けられ、スクリーン部材310の下部をベースフレーム301に対して固定する。
【0078】
スクリーンカバー320は、
図23に示すように、透明の樹脂材料を用いて蓋状に形成される。スクリーンカバー320は、スクリーン部材310、上ベゼル部材315、下ベゼル部材316、および左右の上部演出ランプ400a,400bの前方を覆って、ベースフレーム301の前部に取り付けられる。
【0079】
スピーカーランプホルダ330は、
図24に示すように、樹脂材料を用いて、前後方向に開口した箱状に形成される。スピーカーランプホルダ330の左側に、左スピーカー保持部331aが形成される。左スピーカー保持部331aには、後方から左上部スピーカーユニット340aが取り付けられる。スピーカーランプホルダ330の右側に、右スピーカー保持部331bが形成される。右スピーカー保持部331bには、後方から右上部スピーカーユニット340bが取り付けられる。スピーカーランプホルダ330の上部に、装飾ランプ保持部332が形成される。装飾ランプ保持部332には、前方から装飾ランプ350が取り付けられる。スピーカーランプホルダ330は、左右の上部スピーカーユニット340a,340b、および装飾ランプ350を保持して、ベースフレーム301の前部におけるスクリーンカバー320の上方に取り付けられる。
【0080】
左上部スピーカーユニット340aは、前方を向いてスピーカーランプホルダ330の左スピーカー保持部331aに取り付けられる。右上部スピーカーユニット340bは、前方を向いてスピーカーランプホルダ330の右スピーカー保持部331bに取り付けられる。
図24に示すように、左上部スピーカーユニット340aの胴部には、外周部が正方形状のフランジ部341aが形成される。右上部スピーカーユニット340bの胴部には、外周部が正方形状のフランジ部341bが形成される。
【0081】
図21に示すように、右上部スピーカーユニット340bのフランジ部341bは、左下部分がスクリーン部材310の右上部前面側に接触して、スクリーン部材310の右上部をベースフレーム301に対して固定するようになっている。同様に、左上部スピーカーユニット340aのフランジ部341aは、右下部分がスクリーン部材310の左上部前面側に接触して、スクリーン部材310の左上部をベースフレーム301に対して固定するようになっている。このように、左右の上部スピーカーユニット340a,340bをスピーカーランプホルダ330の左右のスピーカー保持部331a,331bに取り付けて、左右の上部スピーカーユニット340a,340bのフランジ部341a,341bに、スクリーン部材310の左右上部を固定する機能を持たせることで、スクリーン部材310の画像表示部311を従来よりも左右方向に大きくすることが可能になる。
【0082】
装飾ランプ350は、
図24に示すように、装飾ランプ基板351と、装飾ランプハウス361と、装飾プレート371と、装飾透光部材381と、装飾ランプカバー391とを有して構成される。装飾ランプ基板351は、装飾ランプ基板351の前面側に実装された複数の装飾LED352を有して構成され、装飾ランプハウス361に取り付け保持される。
【0083】
装飾ランプハウス361は、樹脂材料を用いて前側が開口した箱状に形成される。装飾ランプハウス361は、装飾ランプ基板351を保持してスピーカーランプホルダ330の装飾ランプ保持部332に取り付けられる。
【0084】
装飾プレート371は、樹脂材料を用いて、装飾ランプ基板351の装飾LED352を前方に露出させる複数の小孔を有した板状に形成される。装飾プレート371は、装飾ランプ基板351の前方を覆ってスピーカーランプホルダ330の装飾ランプ保持部332に取り付けられる。
【0085】
装飾透光部材381は、透光性を有する樹脂材料を用いて板状に形成される。装飾透光部材381は、装飾プレート371の前面に重なってスピーカーランプホルダ330の装飾ランプ保持部332に取り付けられる。
【0086】
装飾ランプカバー391は、透光性を有する樹脂材料を用いて板状に形成される。装飾ランプカバー391は、装飾透光部材381の前面に重なってスピーカーランプホルダ330の装飾ランプ保持部332に取り付けられる。
【0087】
装飾ランプ350において、装飾ランプ基板351の装飾LED352から発光した光は、装飾プレート371の小孔を通り、装飾透光部材381を透過する。装飾透光部材381を透過した光は、装飾ランプカバー391を透過し、装飾ランプ350が発光する。また、装飾プレート371および装飾透光部材381の左右端部には、左右の上部スピーカーユニット340a、340bが挿通されるスピーカー挿通用の開口部が設けられている。これにより、装飾ランプ基板351の左右端部に設けられたサイドビューLED(図示せず)が左右側方に向かって光を発光させると、サイドビューLEDからの光が、装飾透光部材381における開口部の内周部に入射して導光され、左右の上部スピーカーユニット340a、340bの周囲を囲む部分が発光するようになっている。
【0088】
<上部演出ランプの構成>
次に、左右の上部演出ランプ400a,400bについて、
図25~
図27を参照して説明する。左右の上部演出ランプ400a,400bは、互いに左右対称(面対称)で同様の構成であるため、左上部演出ランプ400aについて詳細な説明を省略し、右上部演出ランプ400bについて詳細な説明を行う。右上部演出ランプ400bは、
図25および
図26に示すように、演出ランプ基板410と、演出ランプハウス420と、ランプハウスカバー440と、演出透光部材450と、演出シート部材460と、演出ランプカバー470とを有して構成される。
【0089】
演出ランプ基板410は、
図26に示すように、演出ランプ基板410の前面側に実装された、第1演出LED411と、第2演出LED412と、第3演出LED413とを有して構成される。第1演出LED411は、演出ランプ基板410の前面左側に、上下方向に6個並んで配設される。第2演出LED412は、演出ランプ基板410の前面右側に、上下方向に4個並んで配設される。第3演出LED413は、演出ランプ基板410の前面における左右方向の中間部に、上下方向に4個並んで配設される。
【0090】
演出ランプハウス420は、
図26に示すように、樹脂材料を用いて前側が開口した箱状に形成される。演出ランプハウス420の後側に、演出基板保持部425が形成される。演出基板保持部425は、ランプハウスカバー440とともに、スロットマシン1の前方を向くように演出ランプ基板410を保持する。演出ランプハウス420の底部左側に、第1ランプ露出穴421が形成される。第1ランプ露出穴421は、演出ランプ基板410の第1演出LED411と位置整合して6個形成され、第1演出LED411を演出ランプハウス420の前側に露出させる。演出ランプハウス420の底部右側に、第2ランプ露出穴422が形成される。第2ランプ露出穴422は、演出ランプ基板410の第2演出LED412と位置整合して4個形成され、第2演出LED412を演出ランプハウス420の前側に露出させる。演出ランプハウス420の底部における左右方向の中間部に、第3ランプ露出穴423が形成される。第3ランプ露出穴423は、演出ランプ基板410の第3演出LED413と位置整合して4個形成され、第3演出LED413を演出ランプハウス420の前側に露出させる。
【0091】
演出ランプハウス420の前縁部内側に、ランプカバー取付部427が形成される。ランプカバー取付部427には、演出透光部材450および演出シート部材460とともに演出ランプカバー470が取り付けられる。演出ランプハウス420におけるランプカバー取付部427の近傍に、演出ランプカバー470の係合爪部474と係合可能な係合穴部428が形成される。演出ランプハウス420の左前側に、仕切板状の第1仕切り部431が形成される。第1仕切り部431は、演出ランプハウス420における第1ランプ露出穴421と第3ランプ露出穴423との間の部分に配置される。演出ランプハウス420の右前側に、演出ランプハウス420と別体に形成された仕切板状の第2仕切り部432が取り付けられる。第2仕切り部432は、演出ランプハウス420における第2ランプ露出穴422と第3ランプ露出穴423との間の部分に配置される。
【0092】
また、演出ランプハウス420の左側部に、上下方向に延びるリブ状のスクリーン固定部429が形成される。
図21に示すように、右上部演出ランプ400bのスクリーン固定部429は、スクリーン部材310の右側部前面側に接触して、スクリーン部材310の右側部をベースフレーム301に対して固定するようになっている。同様に、左上部演出ランプ400aのスクリーン固定部(図示せず)は、スクリーン部材310の左側部前面側に接触して、スクリーン部材310の左側部をベースフレーム301に対して固定するようになっている。このように、左右の上部演出ランプ400a,400bのランプハウスに、スクリーン部材310の左右側部を固定する機能を持たせる(すなわち、演出ランプハウス420に、上述のスクリーン固定部429を設ける)ことで、ランプハウス420にスクリーン部材310に対する側方のベゼル部材の役割を持たせ、別途ベゼル部材を配置しなくて済む構成となり、スクリーン部材310の画像表示部311を従来よりも左右方向に大きくすることが可能になる。
【0093】
ランプハウスカバー440は、
図26に示すように、樹脂材料を用いて演出ランプ基板410の外周形状に合わせた板状に形成される。ランプハウスカバー440は、カバー取付ネジ445を用いて、演出ランプ基板410の後面側を覆って演出ランプハウス420に取り付け固定される。ランプハウスカバー440の前面側に、演出ランプ基板410の後面側を支持するリブ状の後側基板支持部441が形成される。ランプハウスカバー440の上部に、演出ランプ基板410の後面上側に配設された電気コネクタ(図示せず)を露出させる上側コネクタ露出穴442が形成される。ランプハウスカバー440の下部に、演出ランプ基板410の後面下側に配設された電気コネクタ(図示せず)を露出させる下側コネクタ露出穴443が形成される。また、演出ランプハウス420の後側におけるランプハウスカバー440の上方に、演出ランプ基板410等から延びるケーブル(図示せず)を保持するクランプ部材435が取り付けられる。
【0094】
演出透光部材450は、
図26に示すように、透明の樹脂材料を用いて、水平面に沿った方向において屈曲した板状に形成される。演出透光部材450は、スロットマシン1の前方中央側を向く板状の第1透光部451と、スロットマシン1の前方右外側を向く板状の第2透光部452と、第1透光部451と第2透光部452とに繋がる第3透光部453とを有している。演出透光部材450は、後述する演出ランプカバー470と一体化されて演出シート部材460を挟持した状態で、演出ランプハウス420の前側を覆うようにして演出ランプハウス420のランプカバー取付部427に取り付けられる。
【0095】
このとき、
図27に示すように、演出ランプハウス420の第1仕切り部431および第2仕切り部432は、演出ランプハウス420の前側における演出透光部材450と演出ランプ基板410との間の空間を、第1透光部451と演出ランプ基板410との間の第1空間S1と、第2透光部452と演出ランプ基板410との間の第2空間S2と、第3透光部453と演出ランプ基板410との間の第3空間S3とに仕切るようになっている。これにより、演出ランプ基板410の第1演出LED411は、演出ランプハウス420の第1ランプ露出穴421を介して第1空間S1に露出する。演出ランプ基板410の第2演出LED412は、演出ランプハウス420の第2ランプ露出穴422を介して第2空間S2に露出する。演出ランプ基板410の第3演出LED413は、演出ランプハウス420の第3ランプ露出穴423を介して第3空間S3に露出する。
【0096】
演出シート部材460は、
図26に示すように、透明の樹脂材料を用いて、演出透光部材450の外周形状に合わせたシート状に形成される。演出シート部材460は、演出透光部材450の前面に重なって演出ランプハウス420のランプカバー取付部427に取り付けられる。演出シート部材460は、第1透光部451の前面に重なる第1シート部461と、第2透光部452の前面に重なる第2シート部462と、第1シート部461と第2シート部462とに繋がって第3透光部453の前面に重なる第3シート部463とを有している。第1シート部461には、第1の絵柄461aが印刷形成される。第2シート部462には、第2の絵柄462aが印刷形成される。第1の絵柄461aおよび第2の絵柄462aは、装飾的な図形、文字、記号等のうち少なくともいずれかを含むものであり、
図26において簡略化して示す。第3シート部463は、絵柄を有しておらず、一様に透明(もしくは半透明)である。また、第3シート部463には、第1シート部461と第2シート部462とを部分的に分断する切り欠き部464が形成される。
【0097】
演出ランプカバー470は、
図26に示すように、透明の樹脂材料を用いて、演出透光部材450に合わせて屈曲した板状に形成される。演出ランプカバー470は、演出シート部材460の前面に重なって演出ランプハウス420のランプカバー取付部427に取り付けられる。演出ランプカバー470は、第1シート部461の前面に重なる第1カバー部471と、第2シート部462の前面に重なる第2カバー部472と、第1カバー部471と第2カバー部472とに繋がって第3シート部463の前面に重なる第3カバー部473とを有している。第3カバー部473の表面には、微細な溝(ローレット溝)が上下に並んで複数形成され、第3カバー部473の表面に装飾性を持たせている。また、演出ランプカバー470の第3カバー部473、演出シート部材460の第3シート部463、および演出透光部材450の第3透光部453を介して、演出ランプ基板410の第3演出LED413等を視認され難くしている。
【0098】
また、演出ランプカバー470の後縁部には、演出ランプハウス420の係合穴部428と位置整合して係合爪部474が形成される。演出ランプカバー470を演出ランプハウス420に取り付ける際、まず、演出透光部材450と演出ランプカバー470との間に演出シート部材460を挟む。次に、演出シート部材460を挟んだ演出透光部材450と演出ランプカバー470を、演出ランプハウス420のランプカバー取付部427に取り付ける。そしてこのとき、演出ランプカバー470の係合爪部474と演出ランプハウス420の係合穴部428と係合させる。このようにして、演出ランプカバー470は、演出透光部材450および演出シート部材460とともに、演出ランプハウス420のランプカバー取付部427に取り付け保持される。ここで、演出シート部材460は、第1シート部461と第2シート部462とに繋がる第3シート部463を有しているため、第1シート部461と第2シート部462とが分離しないことから、演出透光部材450と演出ランプカバー470との間に演出シート部材460を挟んだ状態を容易に保つことができる。そのため、第1シート部461と第2シート部462とが別体に設けられる場合と比べて、演出シート部材460を含む右上部演出ランプ400b(左上部演出ランプ400a)を容易に組み立てることが可能になる。
【0099】
以上のように構成される右上部演出ランプ400bにおいて、演出ランプ基板410の第1演出LED411、第2演出LED412、および第3演出LED413は、副制御装置100の演出制御に応じて、前方の演出透光部材450に向かって光を発光させる。演出ランプ基板410の第1演出LED411から発光した光は、第1空間S1を通り、演出透光部材450の第1透光部451を透過する。演出透光部材450の第1透光部451を透過した光は、演出シート部材460の第1シート部461を透過する。演出シート部材460の第1シート部461を透過した光は、演出ランプカバー470の第1カバー部471を透過し、第1カバー部471を介して第1シート部461の第1の絵柄461aが発光する。
【0100】
演出ランプ基板410の第2演出LED412から発光した光は、第2空間S2を通り、演出透光部材450の第2透光部452を透過する。演出透光部材450の第2透光部452を透過した光は、演出シート部材460の第2シート部462を透過する。演出シート部材460の第2シート部462を透過した光は、演出ランプカバー470の第2カバー部472を透過し、第2カバー部472を介して第2シート部462の第2の絵柄462aが発光する。
【0101】
演出ランプ基板410の第3演出LED413から発光した光は、第3空間S3を通り、演出透光部材450の第3透光部453を透過する。演出透光部材450の第3透光部453を透過した光は、演出シート部材460の第3シート部463を透過するか、もしくは演出シート部材460の切り欠き部464を通過する。演出シート部材460の第3シート部463を透過し、もしくは演出シート部材460の切り欠き部464を通過した光は、演出ランプカバー470の第3カバー部473を透過し、第3カバー部473の前面から、上述の微細な溝の形状に応じた装飾的な光が発光する。
【0102】
これにより、第1カバー部471を介して第1シート部461の第1の絵柄461aを発光させ、第2カバー部472を介して第2シート部462の第2の絵柄462aを発光させるだけでなく、第1カバー部471と第2カバー部472とに繋がる第3カバー部473からも装飾的な光を発光させることができる。例えば、第3演出LED413としてフルカラーLEDを使用し、小役告知の演出やボーナス時の演出等を行う際に、第3カバー部473から各小役に対応した色の光(例えば、リプレイ役の際は青、ベル役の際は黄色など)や虹色の光を発光させてもよい。そのため、装飾的な3種類の光を用いた発光演出を行うことができ、多彩な演出を行うことが可能になる。
【0103】
<上部演出ランプの特徴構成>
本実施形態において、演出透光部材450は、第1透光部451と、第1透光部451と異なる方向を向く第2透光部452と、第1透光部451と第2透光部452とに繋がる第3透光部453とを有している。演出シート部材460は、第1の絵柄461aが形成されて第1透光部451の前面に重なる第1シート部461と、第2の絵柄462aが形成されて第2透光部452の前面に重なる第2シート部462と、第1シート部461と第2シート部462とに繋がって第3透光部453の前面に重なる第3シート部463とを有している。演出ランプカバー470は、第1シート部461の前面に重なる第1カバー部471と、第2シート部462の前面に重なる第2カバー部472と、第1カバー部471と第2カバー部472とに繋がって第3シート部463の前面に重なる第3カバー部473とを有している。また、演出ランプハウス420に、演出透光部材450と演出ランプ基板410との間の空間を、第1空間S1と、第2空間S2と、第3空間S3とに仕切る第1仕切り部431および第2仕切り部432が設けられ、第1空間S1、第2空間S2、および第3空間S3にそれぞれ、第1演出LED411、第2演出LED412、および第3演出LED413が配置されている。
【0104】
これにより、第1カバー部471を介して第1シート部461の第1の絵柄461aを発光させ、第1カバー部471とは異なる方向を向く第2カバー部472を介して第2シート部462の第2の絵柄462aを発光させることができる。さらに、第1カバー部471と第2カバー部472とに繋がる第3カバー部473からも装飾的な光を発光させることで、多彩な演出を行うことが可能になる。また、演出シート部材460は、第1シート部461と第2シート部462とに繋がる第3シート部463を有しているため、第1シート部461と第2シート部462とが分離しないことから、演出透光部材450と演出ランプカバー470との間に演出シート部材460を挟んだ状態を容易に保つことができる。そのため、第1シート部461と第2シート部462とが別体に設けられる場合と比べて、演出シート部材460を含む右上部演出ランプ400b(左上部演出ランプ400a)を容易に組み立てることが可能になる。
【0105】
<第2実施形態>
次に、本発明に係る遊技機の一例として第2実施形態に係るスロットマシンの基本的な構成について、
図28および
図29を参照して説明する。なお、以下の説明では、
図29において各矢印で示す方向をそれぞれ、上下方向、前後方向、左右方向として説明する。
【0106】
<スロットマシンの外部構成>
第2実施形態に係るスロットマシン501は、
図28および
図29に示すように、前面(前方)が開口した箱状の筐体505と、筐体505の前面開口部に開閉可能に取り付けられた前扉502とを備えている。前扉502は、正面視において、筐体505の左前部に配設されたヒンジ機構(図示せず)を用いて筐体505の前面開口部に対し横開き開閉可能に取り付けられている。
【0107】
前扉502の上部から中間部に亘る部分には、その後面側に配設された画像表示装置511の表示画面511aが前方を臨むように配置されている。画像表示装置511の下側には、第1実施形態と同様に、筐体505内に横並びに配設された3個のリール(図示せず)の表面が臨むリール窓W2が設けられている。リール窓W2の後方には、不図示の液晶シャッタおよびバックライトの役割を果たす導光板が配置されており、液晶シャッタの透過状態および導光板の点灯/消灯を切り替えることで、各リールを視認可能な状態と各リールを視認困難な状態とにリール窓W2を切り替え可能な表示画面511aが形成される。前扉502の上部における表示画面511aの左上方には、所定の装飾が施された装飾部材512が設けられている。前扉502の上部における装飾部材512の左上方には、左上部演出ランプ800が設けられている。前扉502の上部における表示画面511aの右上方には、右上部演出ランプ900が設けられている。前扉502の中間部における表示画面511aの下方には、操作パネル521が設けられている。
【0108】
第1実施形態と同様に、操作パネル521の上面側には、遊技メダル(遊技媒体)を投入するためのメダル投入口522、クレジットされた範囲内で遊技メダルをベットするためのBETスイッチユニット523、および演出に関する操作を行うための演出スイッチユニット524等が取り付けられている。操作パネル521の前面側には、全リール(図示せず)を回転開始させる際に操作されるスタートレバー(スタートスイッチ)525、および各リールの回転を個別に停止させるための3個のストップスイッチ526a,526b,526c等が取り付けられている。メダル投入口522の内部は、第1実施形態と同様に、受入通路と返却通路とに分岐しており、その分岐部にはブロッカが設けられている。
【0109】
前扉502の中間部における左右側部には、左右のランプユニット600a,600bが取り付けられている。前扉502の下部前面側には、透明な下パネルカバー531が取り付けられている。下パネルカバー531の裏面側には、所定の図柄が設けられた半透明の下パネルベースおよび下パネル照明灯(いずれも図示せず)が取り付けられており、この下パネル照明灯を点灯させることにより、下パネルベースの図柄を後面側から照明するように構成されている。
【0110】
前扉502の下部には、遊技メダルを払い出すための遊技メダル払出口541が開設されているとともに、遊技メダル払出口541に臨むようにして遊技メダルを貯留するための遊技メダル貯留皿542が設けられている。遊技メダル払出口541の左右には、その後側に配設された左右の下部スピーカーユニット543a,543bの振動板と位置整合して複数の小孔544a,544bが形成されている。
【0111】
<スロットマシンの内部構成>
筐体505内の下部には、第1実施形態と同様に、メダル払出装置、補助収納庫、満杯検出部、および電源装置(いずれも図示せず)等が設けられている。筐体505内の中央部には、第1実施形態と同様に、3個のリール(図示せず)と3個のステッピングモータ(図示せず)とを有して構成されリールユニット(図示せず)が設けられている。筐体505内の右上部には、遊技の進行に係る主たる制御(リールの駆動制御や役決定処理等を含む)を行う主制御装置(図示せず)が設けられている。筐体505内の左上部には、遊技状況に応じて遊技の興趣向上等を目的とする種々の演出制御(画像表示装置511による演出画像表示制御や、下部スピーカーユニット543a,543bによる音声発生制御等)を行う副制御装置(図示せず)が設けられている。主制御装置および副制御装置は、第1実施形態の主制御装置80および副制御装置100と同様に構成される。
【0112】
<遊技を行うための基本操作>
スロットマシン501で遊技を行うには、第1実施形態と同様に、まず実際にメダル投入口522に遊技メダルを投入することによりベットするか、BETスイッチユニット523を操作してクレジットの範囲内で規定数の遊技メダルをベットすることにより、入賞ラインを有効化する。次に、遊技者がスタートレバー525を操作すると、ベット数が確定するとともに、役決定処理が行われ、その後、最小遊技時間が経過したことを確認した後、各リール(図示せず)が回転を開始し、リールの外周表面に表示された複数種類の図柄がリール窓W2内を上下に(通常、上から下に)移動表示される。そして、リールの回転が所定の速度に達して定速回転となると各ストップスイッチ526a~526cが有効化され、遊技者が左ストップスイッチ526aを操作すると左リールの回転が停止し、中ストップスイッチ526bを操作すると中リールの回転が停止し、右ストップスイッチ526cを操作すると右リールの回転が停止するように構成されている。ここで、有効ライン上に停止表示された図柄組合せが予め定めた入賞態様となっている場合には、各入賞態様に対応した枚数の遊技メダルがメダル払出装置(図示せず)により払い出されるか、またはクレジットとして加算される。
【0113】
<ランプユニットの構成>
次に、左右のランプユニット600a,600bについて、
図30~
図42を参照して説明する。左右のランプユニット600a,600bは、互いに左右対称(面対称)で同様の構成であるため、左ランプユニット600aについて詳細な説明を省略し、右ランプユニット600bについて詳細な説明を行う。右ランプユニット600bは、
図30~
図32に示すように、ランプベース601と、ランプベース601の下部前面側に配設される下側ランプ部620と、ランプベース601の上部前面側に配設される上側ランプ部650と、ランプベース601の中間部前面側に配設されるスピーカー部680とを有して構成される。
【0114】
ランプベース601は、
図32および
図33に示すように、樹脂材料を用いて上下方向に延びる板状に形成される。ランプベース601は、ネジ等の固定部材(図示せず)を用いて、前扉502の中間部における右側部に取り付け固定される。ランプベース601の下端部に、ベース側仮固定用係合穴部602が形成される。ベース側仮固定用係合穴部602は、ランプベース601の前方に突出するボス穴状に形成され、仮固定部材701の第1係合部704と係合する。
【0115】
ランプベース601の下部におけるベース側仮固定用係合穴部602の近傍に、ランプベース601の前方に突出するボス穴状の第1下側ネジ挿通穴部604が形成される。第1下側ネジ挿通穴部604には、第1下側ランプ固定ネジ645が挿通される。ランプベース601の下部における第1下側ネジ挿通穴部604の上方に、ランプベース601の前方に突出するボス穴状の第2下側ネジ挿通穴部605が形成される。第2下側ネジ挿通穴部605には、第2下側ランプ固定ネジ646が挿通される。ランプベース601の中間部下側に、下側ケーブル挿通穴606が形成される。下側ケーブル挿通穴606には、下側ランプ基板621から延びるケーブル(図示せず)が挿通される。
【0116】
ランプベース601の中間部上側に、ランプベース601の前方に突出するボス穴状の上側ネジ挿通穴部607が形成される。上側ネジ挿通穴部607には、第1上側ランプ固定ネジ675が挿通される。ランプベース601の上端部前面側に、第2上側ランプ固定ネジ676が螺合する上側ネジ穴部608が形成される。ランプベース601の上部における上側ネジ挿通穴部607および上側ネジ穴部608の近傍に、2つの上側ケーブル挿通穴609が形成される。上側ケーブル挿通穴609には、上側ランプ基板651から延びるケーブル(図示せず)が挿通される。
【0117】
また、ランプベース601の中間部下側に、ランプベース601の前方に突出するボス穴状の第1中間ネジ挿通穴部610が形成される。第1中間ネジ挿通穴部610には、第1スピーカー固定ネジ687が挿通される。ランプベース601の中間部上側に、ランプベース601の前方に突出するボス穴状の第2中間ネジ挿通穴部611が形成される。第2中間ネジ挿通穴部611には、第2スピーカー固定ネジ688が挿通される。ランプベース601の中間部における第1中間ネジ挿通穴部610と第2中間ネジ挿通穴部611との間に、中間ケーブル挿通穴612が形成される。中間ケーブル挿通穴612には、サイドスピーカーユニット681から延びるケーブル(図示せず)が挿通される。
【0118】
下側ランプ部620は、
図34および
図37に示すように、下側ランプ基板621と、下側ランプハウス631と、下側ランプカバー641とを有して構成される。また、下側ランプ基板621は、基板固定部材711を用いて、下側ランプハウス631の前面側に固定される。
【0119】
下側ランプ基板621は、下側ランプ基板621の前面側に実装された下側LED622と、下側ランプ基板621の後面側に実装された電気コネクタ623とを有して構成される。下側LED622は、下側ランプ基板621の前面において上下方向に複数並んで配設される。電気コネクタ623は、下側ランプ基板621の上部後面側に配設される。下側ランプ基板621の中間部および下部に、基板側固定用係合穴部624が形成される。基板側固定用係合穴部624は、基板固定部材711の他端側(前端側)と係合する。下側ランプ基板621の下部右側に、長穴状の第1切り欠き部625が形成される。第1切り欠き部625には、下側ランプカバー641の第1ボス部645が挿通される。下側ランプ基板621の中間部左側に、長穴状の第2切り欠き部626が形成される。第2切り欠き部626には、ランプベース601の第2下側ネジ挿通穴部605が挿通される。
【0120】
下側ランプハウス631は、樹脂材料を用いて、下側ランプ基板621の外周形状に合わせて前側が開口した薄い箱状に形成される。下側ランプハウス631の上部に、下側ランプ基板621の電気コネクタ623を後方に露出させるコネクタ露出穴633が形成される。下側ランプハウス631の中間部および下部に、ハウス側固定用係合穴部634が形成される。ハウス側固定用係合穴部634は、下側ランプ基板621の基板側固定用係合穴部624と位置整合して形成され、基板固定部材711の一端側(後端側)と係合する。また、下側ランプハウス631の下部に、第1挿通穴635が形成される。第1挿通穴635には、ランプベース601の第1下側ネジ挿通穴部604および下側ランプカバー641の第1ボス部645が挿通される。下側ランプハウス631の中間部に、第2挿通穴636が形成される。第2挿通穴636には、ランプベース601の第2下側ネジ挿通穴部605が挿通される。
【0121】
下側ランプカバー641は、透光性を有する樹脂材料を用いて、後側が開口した箱状に形成される。下側ランプカバー641は、第1下側ランプ固定ネジ645および第2下側ランプ固定ネジ646を用いて、下側ランプ基板621および下側ランプハウス631を覆ってランプベース601の下部前面側に固定される。下側ランプカバー641の下端部後側に、カバー側仮固定用係合穴部642(
図41を参照)が形成される。カバー側仮固定用係合穴部642は、ランプベース601のベース側仮固定用係合穴部602と位置整合して形成され、仮固定部材701の第2係合部707と係脱可能に係合する。下側ランプカバー641の下部後側に、ネジ穴を有する第1ボス部645が形成される。第1ボス部645は、ランプベース601の第1下側ネジ挿通穴部604と位置整合して形成され、第1下側ランプ固定ネジ645と螺合する。下側ランプカバー641の中間部後側に、ネジ穴を有する第2ボス部(図示せず)が形成される。第2ボス部は、ランプベース601の第2下側ネジ挿通穴部605と位置整合して形成され、第2下側ランプ固定ネジ646と螺合する。
【0122】
上側ランプ部650は、
図35および
図38に示すように、上側ランプ基板651と、上側ランプハウス661と、上側ランプカバー671とを有して構成される。また、上側ランプ基板651は、基板固定部材711を用いて、上側ランプハウス661の前面側に固定される。
【0123】
上側ランプ基板651は、上側ランプ基板651の前面側に実装された上側LED652と、上側ランプ基板651の後面側に実装された電気コネクタ653とを有して構成される。上側LED652は、上側ランプ基板651の前面において上下方向に複数並んで配設される。電気コネクタ653は、上側ランプ基板651の上部および下部の後面側に配設される。上側ランプ基板651の中間部の上下に、基板側固定用係合穴部654が形成される。基板側固定用係合穴部654は、基板固定部材711の他端側(前端側)と係合する。上側ランプ基板651の上部右側に、L字状の切り欠き部655が形成される。切り欠き部655には、第2上側ランプ固定ネジ676が挿通される。
【0124】
上側ランプハウス661は、樹脂材料を用いて、上側ランプ基板651の外周形状に合わせて前側が開口した薄い箱状に形成される。上側ランプハウス661の中間部の上下に、ハウス側固定用係合穴部662が形成される。ハウス側固定用係合穴部662は、上側ランプ基板651の基板側固定用係合穴部654と位置整合して形成され、基板固定部材711の一端側(後端側)と係合する。また、上側ランプハウス661の上部右側に、ネジ挿通穴663が形成される。ネジ挿通穴663には、第2上側ランプ固定ネジ676が挿通される。上側ランプハウス661の上部および下部に、上側ランプ基板651の電気コネクタ653を後方に露出させるコネクタ露出穴664が形成される。上側ランプハウス661の下端部後面側に、クランプ部材678が取り付けられる。
【0125】
上側ランプカバー671は、透光性を有する樹脂材料を用いて、後側が開口した箱状に形成される。上側ランプカバー671は、第1上側ランプ固定ネジ675および第2上側ランプ固定ネジ676を用いて、上側ランプ基板651および上側ランプハウス661を覆ってランプベース601の上部前面側に固定される。上側ランプカバー671の下部後側に、ネジ穴部672が形成される。ネジ穴部672は、ランプベース601の上側ネジ挿通穴部607と位置整合して形成され、第1上側ランプ固定ネジ675と螺合する。上側ランプカバー671の上部後側に、ネジ挿通部673が形成される。ネジ挿通部673は、ランプベース601の上側ネジ穴部608と位置整合して形成され、第2上側ランプ固定ネジ676が挿通される。
【0126】
スピーカー部680は、
図36および
図39に示すように、サイドスピーカーユニット681と、後側スピーカーカバー691と、前側スピーカーカバー696とを有して構成される。後側スピーカーカバー691は、透光性を有する樹脂材料を用いて、前側が開口した箱状に形成される。後側スピーカーカバー691は、後側カバー結合ネジ685を用いて、サイドスピーカーユニット681の後側を覆ってサイドスピーカーユニット681と結合される。後側スピーカーカバー691の後部には、サイドスピーカーユニット681から延びるケーブル(図示せず)が挿通されるケーブル挿通穴693が形成される。
【0127】
前側スピーカーカバー696は、銀色のめっき塗装を施した樹脂材料を用いて、後側が開口した箱状に形成される。前側スピーカーカバー696は、前側カバー結合ネジ686を用いて、サイドスピーカーユニット681の前側を覆って後側スピーカーカバー691と結合される。なお、前側スピーカーカバー696とサイドスピーカーユニット681との間に、スペーサ699が配置される。図示省略するが、スペーサ699の中央の空間には、細かな編み目状のスピーカーグリル部材が保持されるようになっている。前側スピーカーカバー696の下部後側に、第1ネジ穴部697が形成される。第1ネジ穴部697は、ランプベース601の第1中間ネジ挿通穴部610と位置整合して形成され、第1スピーカー固定ネジ687と螺合する。前側スピーカーカバー696の上部後側に、第2ネジ穴部698が形成される。第2ネジ穴部698は、ランプベース601の第2中間ネジ挿通穴部611と位置整合して形成され、第2スピーカー固定ネジ688と螺合する。
【0128】
仮固定部材701は、
図40および
図41に示すように、樹脂材料を用いて棒状に形成され、胴部702と、胴部702の一端側(後端側)に設けられた第1係合部704と、胴部702の他端側(前端側)に設けられた第2係合部707とを有している。仮固定部材701の胴部702は、ランプベース601のベース側仮固定用係合穴部602および、下側ランプカバー641のカバー側仮固定用係合穴部642よりも、大きい幅(外径)を有している。第1係合部704は、一対のロック片705,705を有する矢尻状に形成される。第1係合部704は、ベース側仮固定用係合穴部602を通過可能な幅形状に弾性変形可能であり、ベース側仮固定用係合穴部602に挿通された状態において、各ロック片705が弾性により拡開しベース側仮固定用係合穴部602の後縁部に係合するようになっている。第2係合部707は、仮固定部材701の延伸方向に沿って並んだ複数の接触片708を有する櫛状に形成される。第2係合部707は、各接触片708がカバー側仮固定用係合穴部642の内周面に接触し、先端が挿入方向と反対方向に撓んで弾性変形した状態で、カバー側仮固定用係合穴部642と係脱可能に係合するようになっている。
【0129】
基板固定部材711は、
図42に示すように、樹脂材料を用いて棒状に形成され、胴部712と、胴部712の一端側(後端側)に設けられた第1係合部714と、胴部712の他端側(前端側)に設けられた第2係合部717とを有している。基板固定部材711の胴部712は、下側ランプ基板621の基板側固定用係合穴部624および、下側ランプハウス631のハウス側固定用係合穴部634よりも、大きい幅(外径)を有している。また、基板固定部材711の胴部712は、上側ランプ基板651の基板側固定用係合穴部654および、上側ランプハウス661のハウス側固定用係合穴部662よりも、大きい幅(外径)を有している。第1係合部714は、4つの第1ロック片715,715,…を有する矢尻状に形成される。第1係合部714は、ハウス側固定用係合穴部634,662を通過可能な幅形状に弾性変形可能であり、ハウス側固定用係合穴部634,662に挿通された状態において、各第1ロック片715がハウス側固定用係合穴部634,662の縁部に係合するようになっている。第2係合部717は、第1係合部714と同様に、4つの第2ロック片718,718,…を有する矢尻状に形成される。第2係合部717は、基板側固定用係合穴部624,654を通過可能な幅形状に弾性変形可能であり、基板側固定用係合穴部624,654に挿通された状態において、各第2ロック片718が基板側固定用係合穴部624,654の縁部に係合するようになっている。
【0130】
なお、基板固定部材711において、第2係合部717が第1係合部714と同様に形成されるため、基板固定部材711の方向が上述の場合と逆でもよい。すなわち、第1係合部714が基板側固定用係合穴部624,654に挿通されて、各第1ロック片715が基板側固定用係合穴部624,654の縁部に係合し、第2係合部717がハウス側固定用係合穴部634,662に挿通されて、各第2ロック片718がハウス側固定用係合穴部634,662の縁部に係合してもよい。
【0131】
以上のように構成される右上部演出ランプ400bにおいて、上側ランプ基板651の上側LED652および、下側ランプ基板621の下側LED622は、副制御装置(図示せず)の演出制御に応じて、前方に向かって光を発光させる。上側ランプ基板651の上側LED652から発光した光は、上側ランプカバー671を透過し、上側ランプ部650を構成する上側ランプカバー671の前面が発光する。下側ランプ基板621の下側LED622から発光した光は、下側ランプカバー641を透過し、下側ランプ部620を構成する下側ランプカバー641の前面が発光する。また、スピーカー部680のサイドスピーカーユニット681は、副制御装置(図示せず)の演出制御に応じて、前方に向かって音を発する。
【0132】
このような右上部演出ランプ400bを組み立てるには、まず、基板固定部材711を用いて、下側ランプ基板621を下側ランプハウス631の前面側に固定する。このとき、基板固定部材711の第1係合部714を下側ランプハウス631のハウス側固定用係合穴部634に係合させ、基板固定部材711の第2係合部717を下側ランプ基板621の基板側固定用係合穴部624に係合させる。次に、下側ランプ基板621および下側ランプハウス631をランプベース601の下部前面側に組み付けた状態で、仮固定部材701を用いて、下側ランプカバー641をランプベース601の下部前面側に仮固定する。このとき、仮固定部材701の第1係合部704をランプベース601のベース側仮固定用係合穴部602に係合させ、仮固定部材701の第2係合部707を下側ランプカバー641のカバー側仮固定用係合穴部642に係脱可能に係合させる。
【0133】
ここで、第1係合部704の各ロック片705は、ベース側仮固定用係合穴部602とほぼ同じ幅に弾性変形しつつ当該ベース側仮固定用係合穴部602に挿通され、ベース側仮固定用係合穴部602の後側に達すると、元の形状に戻ってベース側仮固定用係合穴部602の後縁部に係合する。これにより、仮固定部材701の第1係合部704は、ベース側仮固定用係合穴部602と係合するが、ロック片705によってベース側仮固定用係合穴部602から離脱できないようになっている。一方、第2係合部707の各接触片708は、カバー側仮固定用係合穴部642の内周面に接触して弾性変形し、カバー側仮固定用係合穴部642に対して摺動可能に圧接する。これにより、仮固定部材701の第2係合部707は、カバー側仮固定用係合穴部642と係合するが、接触片708をカバー側仮固定用係合穴部642に対して相対移動(摺動)させることで、カバー側仮固定用係合穴部642から離脱することが可能である。
【0134】
そのため、仮固定部材701を用いて、下側ランプ部620(下側ランプカバー641)を容易にランプベース601に組み付けることができ、さらに、下側ランプ部620(下側ランプカバー641)を容易にランプベース601から取り外すことができる。なお、第2係合部707の各接触片708が弾性変形してカバー側仮固定用係合穴部642に圧接する力(各接触片708の弾性力)の大きさは、第2係合部707が鉛直下方を向くように、すなわち、下側ランプカバー641がランプベース601の下側に位置して鉛直下方を向くように配置されても、自重により下側ランプカバー641がランプベース601から落下して離脱しない程度の大きさに設定される。
【0135】
次に、基板固定部材711を用いて、上側ランプ基板651を上側ランプハウス661の前面側に固定する。このとき、基板固定部材711の第1係合部714を上側ランプハウス661のハウス側固定用係合穴部662に係合させ、基板固定部材711の第2係合部717を上側ランプ基板651の基板側固定用係合穴部654に係合させる。次に、上側ランプ基板651および上側ランプハウス661をランプベース601の上部前面側に組み付けた状態で、第2上側ランプ固定ネジ676を用いて、上側ランプカバー671の上側をランプベース601の上部前面側に固定する。このとき、第2上側ランプ固定ネジ676を上側ランプカバー671のネジ挿通部673に挿通させて、ランプベース601の上側ネジ穴部608と螺合させる。なお、上側ランプカバー671の上端部前面側において、第2上側ランプ固定ネジ676が挿通されたネジ挿通部673が露出するが、上側ランプカバー671の上端部前面側は、右上部演出ランプ900に覆われるようになっている。これにより、第2上側ランプ固定ネジ676への不正なアクセスを防止することができる。
【0136】
次に、後側カバー結合ネジ685を用いて、後側スピーカーカバー691を、サイドスピーカーユニット681の後側を覆うようにサイドスピーカーユニット681に結合する。次に、前側カバー結合ネジ686を用いて、前側スピーカーカバー696を、サイドスピーカーユニット681の前側を覆うように後側スピーカーカバー691に結合する。なおこのとき、前側スピーカーカバー696とサイドスピーカーユニット681との間に、スペーサ699を配置する。次に、サイドスピーカーユニット681を覆う前側スピーカーカバー696および後側スピーカーカバー691を、ランプベース601の中間部前面側に組み付ける。このとき、前側スピーカーカバー696の上端部を上側ランプカバー671の下端部の前方に重ね、前側スピーカーカバー696の下端部を下側ランプカバー641の上端部の前方に重ねるようにする。
【0137】
このようにして、下側ランプ部620と、上側ランプ部650と、スピーカー部680とが、ランプベース601に対して仮組みされる。上述したように、下側ランプ部620の下側ランプカバー641は、仮固定部材701を用いて、ランプベース601の下部前面側に仮固定される。このとき、仮固定部材701の第2係合部707は、下側ランプカバー641のカバー側仮固定用係合穴部642と係脱可能に係合する。これにより、下側ランプ部620における下側ランプ基板621や下側ランプハウス631等の部品の付け忘れや部品の付け間違い等が生じた場合に、下側ランプ部620を容易にランプベース601から一旦取り外して、下側ランプ部620をランプベース601に再び組み付けることができる。そのため、右ランプユニット600bを組み立てる際の作業工数を低減させることができ、スロットマシン1(右ランプユニット600a)の製造時の作業工数を低減させることが可能になる。
【0138】
次に、第1スピーカー固定ネジ687および第2スピーカー固定ネジ688を用いて、前側スピーカーカバー696をランプベース601の中間部前面側に固定する。このとき、第1スピーカー固定ネジ687をランプベース601の第1中間ネジ挿通穴部610に挿通させて、前側スピーカーカバー696の第1ネジ穴部697と螺合させる。また、第2スピーカー固定ネジ688をランプベース601の第2中間ネジ挿通穴部611に挿通させて、前側スピーカーカバー696の第2ネジ穴部698と螺合させる。
【0139】
次に、第1上側ランプ固定ネジ675を用いて、上側ランプカバー671の下側をランプベース601の上部前面側に固定する。このとき、第1上側ランプ固定ネジ675をランプベース601の上側ネジ挿通穴部607に挿通させて、上側ランプカバー671のネジ穴部672と螺合させる。
【0140】
そして、第1下側ランプ固定ネジ645および第2下側ランプ固定ネジ646を用いて、下側ランプカバー641をランプベース601の下部前面側に固定する。このとき、第1下側ランプ固定ネジ645をランプベース601の第1下側ネジ挿通穴部604に挿通させて、下側ランプカバー641の第1ボス部645と螺合させる。また、第2下側ランプ固定ネジ646をランプベース601の第2下側ネジ挿通穴部605に挿通させて、下側ランプカバー641の第2ボス部(図示せず)と螺合させる。
【0141】
<ランプユニットの特徴構成>
本実施形態において、仮固定部材701は、ランプベース601のベース側仮固定用係合穴部602に挿通されて当該ベース側仮固定用係合穴部602と係合する第1係合部704と、下側ランプカバー641のカバー側仮固定用係合穴部642の内周面に接触して弾性変形する複数の接触片708を有して、カバー側仮固定用係合穴部642と係脱可能に係合する第2係合部707とを有している。これにより、下側ランプ部620をランプベース601に組み付けて固定する際に、下側ランプ部620における部品の付け忘れや部品の付け間違い等が生じた場合に、下側ランプ部620を容易にランプベース601から一旦取り外して、下側ランプ部620をランプベース601に再び組み付けることができる。そのため、右ランプユニット600b(および左ランプユニット600a)を組み立てる際の作業工数を低減させることができ、スロットマシン1(左右のランプユニット600a,600b)の製造時の作業工数を低減させることが可能になる。
【0142】
また、本実施形態において、右ランプユニット600b(および左ランプユニット600a)を組み立てる際、少なくとも下側ランプ部620をランプベース601に対して仮固定した後、上側ランプ部650およびスピーカー部680をランプベース601に対して仮組み(位置決め)する。そして、これらを裏返した状態で、上側ランプ部650、スピーカー部680、および下側ランプ部620を、各固定ネジによりランプベース601に対してネジ固定する。これにより、ランプベース601に対して仮組みされた3つの部材(上側ランプ部650、スピーカー部680、および下側ランプ部620)のうち、2つの部材(上側ランプ部650およびスピーカー部680)のみを落下しないように片手で持って保持しながら、ネジ固定作業を行うことができ、右ランプユニット600b(および左ランプユニット600a)の組み立て作業を容易に行うことが可能になる。
【0143】
なお、ランプベース601のベース側仮固定用係合穴部602の配置と、下側ランプカバー641のカバー側仮固定用係合穴部642の配置は、上述した配置に限られるものではない。例えば、ランプベース601の第2下側ネジ挿通穴部605に代えて、仮固定部材701の第1係合部704と係合するボス穴状のベース側仮固定用係合穴部を設け、下側ランプカバー641の第2ボス部(図示せず)に代えて、仮固定部材701の第2係合部707と係脱可能に係合するボス穴状のカバー側仮固定用係合穴部を設けるようにしてもよい。
【0144】
また、仮組みを行う際、仮固定部材701を用いて、下側ランプ部620をランプベース601の下部前面側に仮固定しているが、これに限られるものではなく、さらに、他の仮固定部材701を用いて、上側ランプ部650をランプベース601の上部前面側に仮固定してもよく、スピーカー部680をランプベース601の中間部前面側に仮固定してもよい。このようにすれば、下側ランプ部620に加え、上側ランプ部650またはスピーカー部680がランプベース601から落下することを防止することができ、右ランプユニット600b(および左ランプユニット600a)の組み立て作業を容易に行うことが可能になる。
【0145】
<上部演出ランプの構成>
次に、左上部演出ランプ800について、
図43~
図50を参照して説明する。左上部演出ランプ800は、
図43および
図46に示すように、演出ランプ基板810と、演出ランプハウス820と、ランプハウスカバー830と、演出シート部材840と、導光板850と、演出ランプカバー860とを有して構成される。
【0146】
演出ランプ基板810は、
図47に示すように、演出ランプ基板810の前面側に実装された第1演出LED811および第2演出LED812と、演出ランプ基板810の後面側に実装された電気コネクタ813(
図43(B)を参照)とを有して構成される。第1演出LED811は、演出ランプ基板810の前面中央側に、左右方向に複数並んで配設される。第2演出LED812は、演出ランプ基板810の前面下側に、左右方向に複数並んで配設される。電気コネクタ813は、演出ランプ基板810の右側中間部の後面側に配設される。
【0147】
演出ランプハウス820は、
図47に示すように、樹脂材料を用いて前側が開口した箱状に形成される。演出ランプハウス820の後側に、演出基板保持部821が形成される。演出基板保持部821は、ランプハウスカバー830とともに、スロットマシン1の前方を向くように演出ランプ基板810を保持する。演出ランプハウス820の底部中央側に、ランプ露出穴822が形成される。ランプ露出穴822は、演出ランプ基板810の第1演出LED811と位置整合して左右方向に延びて形成され、第1演出LED811を演出ランプハウス820の前側に露出させる。
【0148】
演出ランプハウス820の前縁部内側に、シート部材取付部823が形成される。シート部材取付部823には、演出シート部材840および導光板850の前板部851が取り付けられる。演出ランプハウス820の下部に、導光板挿通部824が形成される。導光板挿通部824は、演出ランプ基板810の第2演出LED812と位置整合して左右方向に延びる枠状に形成され、導光板850の側板部858が挿通される。演出ランプハウス820の上面部における左右2箇所に、演出ランプカバー860の上側係合片部861と係合可能な上側係合爪部825が形成される。演出ランプハウス820の上面部における上側係合爪部825の後方に、上側係合片部861の先端部(後端部)が係止可能なリブ状の上側係止部826が形成される。演出ランプハウス820の下面部における左右2箇所に、演出ランプカバー860の下側係合片部863と係合可能な下側係合爪部827が形成される。
【0149】
なお、リブ状に形成された上側係止部826の中間部には、上側係合爪部825と同程度の幅を有する切り欠きが設けられている。これにより、上側係合爪部825と係合した演出ランプカバー860の上側係合片部861の先端部(後端部)に対し、上側係止部826の切り欠き部分から人間の指を引っ掛けることが可能であり、上側係合爪部825と上側係合片部861との係合を解除する操作を行い易くなっている。
【0150】
ランプハウスカバー830は、
図45および
図47に示すように、樹脂材料を用いて演出ランプ基板810の外周形状に合わせた板状に形成される。ランプハウスカバー830は、カバー取付ネジ835を用いて、演出ランプ基板810の後面側を覆って演出ランプハウス820に取り付け固定される。ランプハウスカバー830の前面側に、演出ランプ基板810の後面側を支持するリブ状の後側基板支持部831が形成される。ランプハウスカバー830の右側中間部に、演出ランプ基板810の電気コネクタ813を露出させるコネクタ露出穴832が形成される。
【0151】
また、ランプハウスカバー830の中央部後面側に、カバー側仮固定用係合穴部833が形成される。カバー側仮固定用係合穴部833は、前述した右ランプユニット600bのベース側仮固定用係合穴部602と同様に形成され、仮固定部材701の第1係合部704と係合する。左上部演出ランプ800に用いられる仮固定部材701の第2係合部707は、前扉502の左上部に設けられた扉側仮固定用係合穴部(図示せず)と係脱可能に係合する。これにより、仮固定部材701を用いて、左上部演出ランプ800を前扉502の上部における装飾部材512の左上方に仮固定することが可能である。ランプハウスカバー830の左右後面側に、固定ボス部834が形成される。固定ボス部834は、ランプハウスカバー830の後面側から後方へ突出するボス状に形成され、ネジ等の固定部材(図示せず)を用いて前扉502に固定される。これにより、左上部演出ランプ800は、前扉502の上部における装飾部材512の左上方に取り付け固定される。
【0152】
演出シート部材840は、
図45および
図48に示すように、透光性を有する樹脂材料を用いてシート状に形成される。演出シート部材840は、演出ランプハウス820のシート部材取付部823に取り付けられて、演出ランプ基板810の前方に配置される。また、演出シート部材840は、スロットマシン501(左上部演出ランプ800)の前方中央側を向いて演出ランプハウス820のシート部材取付部823に取り付けられ、演出シート部材840の向きが遊技者の視線の向きと略一致するように設定される。演出シート部材840の中央部分に、演出ランプ基板810の第1演出LED811からの光が透過可能な透光領域841が設けられる。透光領域841は、例えば、稲妻の形状を模した左右に細長く延びる線状に形成される。なお、透光領域841の形状は、稲妻の形状に限らず、装飾的な図形、文字、記号等の絵柄形状であればよく、
図48において簡略化して示す。また、透光領域841は、透明であってもよく、黄色等の有色半透明であってもよい。
【0153】
演出シート部材840における透光領域841を除いた部分に、演出ランプ基板810の第1演出LED811からの光を遮光する遮光領域842が設けられる。遮光領域842は、例えば黒色インキ等により印刷形成される。なお、第1演出LED811は、演出ランプ基板810において演出シート部材840の遮光領域842と対向する部分に配設される。これにより、第1演出LED811からの光が直接的に遮光領域842に入射することを防止することができ、透光領域841での発光ムラを抑えて、透光領域841を均一に発光させることができる。なお、第1演出LED811は、演出シート部材840の透光領域841と遊技者のアイポイント(設計的な目の位置)とを結ぶ仮想直線に対しオフセットして配置される。すなわち、遊技者が左上部演出ランプ800(演出シート部材840の透光領域841)を視認したときに、透光領域841の後方で第1演出LED811が点光りして見えないように第1演出LED811が配置される。
【0154】
導光板850は、
図45および
図48に示すように、透明の樹脂材料を用いて、断面視略L字形に屈曲(湾曲)した板状に形成される。導光板850は、演出ランプカバー860の前側形状に合わせて形成された前板部851と、前板部851の下端部から後方へ延びる側板部858とを有している。導光板850は、前板部851が演出シート部材840の前方を覆うようにして演出ランプハウス820のシート部材取付部823に取り付けられる。
【0155】
前板部851の後面には、側板部858から近い順に、第1溝部853と、第2溝部854と、第3溝部855と、第4溝部856とが形成される。第1溝部853は、前板部851の後面下側に、左右方向に延びる断面視V字形の溝状に形成される。第1溝部853では、側板部858の後縁部に入射した光の一部が前方に反射して、前板部851の前面下側の部分が発光するようになっている。第2溝部854は、前板部851の後面下側における第1溝部853の上方近傍に、左右方向に延びる断面視V字形の溝状に形成される。第2溝部854では、側板部858の後縁部に入射した光の他の一部が前方に反射して、前板部851の前面下側の部分が発光するようになっている。前板部851の前面において、第1溝部853および第2溝部854での反射により発光する領域を、第1発光領域852aと称する。
【0156】
第3溝部855は、前板部851の後面上側に、左右方向に延びる断面視V字形の溝状に形成される。第3溝部855では、側板部858の後縁部に入射した光の他の一部が前方に反射して、前板部851の前面上側の部分が発光するようになっている。第4溝部856は、前板部851の後面上側における第3溝部855の上方近傍に、左右方向に延びる断面視V字形の溝状に形成される。第4溝部856では、側板部858の後縁部に入射した光の他の一部が前方に反射して、前板部851の前面上側の部分が発光するようになっている。前板部851の前面において、第3溝部855および第4溝部856での反射により発光する領域を、第2発光領域852bと称する。
【0157】
第1発光領域852aおよび第2発光領域852bは、演出シート部材840における透光領域841の前方に所定距離だけ離間して配置される。第1発光領域852aおよび第2発光領域852bは、透光領域841と同様に、例えば、稲妻の形状を模した左右に細長く延びる線状に形成される。なお、第1発光領域852aおよび第2発光領域852bの形状は、稲妻の形状に限らず、装飾的な図形、文字、記号等の絵柄形状であればよく、
図48において簡略化して示す。また、所定距離は、例えば左上部演出ランプ800の前方から見たときに、第1発光領域852aおよび第2発光領域852bが透光領域841に対して前後方向の位置が異なることを認識可能な距離に設定される。
【0158】
なお、第1溝部853の一方の傾斜面853aには、シボ加工により微細な凹凸が形成されている。また、第2溝部854の一方の傾斜面854aには、シボ加工により微細な凹凸が形成されている。これにより、第1溝部853の一方の傾斜面853aにおいて光が拡散反射することで、第1溝部853で前方に反射する光の量を低減させることができる。また、第2溝部854の一方の傾斜面854aにおいて光が拡散反射することで、第2溝部854で前方に反射する光の量を低減させることができる。そのため、側板部858の後縁部から比較的遠い第3溝部855および第4溝部856で反射する光の量を増加させることができ、第1発光領域852aと第2発光領域852bとを同様の明るさで発光させて、発光演出の際の見栄えを向上させることが可能になる。
【0159】
前述したように、第1溝部853および第2溝部854により形成される第1発光領域852aと、第3溝部855および第4溝部856により形成される第2発光領域852bは、左右方向に延びる稲妻の形状を模した絵柄形状を有し、上下方向にも変化(傾斜)を有する絵柄模様として形成されている。側板部858の後縁部から各溝部853~856の傾斜面(反射面)に達して正反射する光の反射角は、各溝部853~856の位置ごとに変化しやすく、稲妻の絵柄模様がきれいに発光しないおそれがあった。このような課題に対しても、第1溝部853の一方の傾斜面853aおよび、第2溝部854の一方の傾斜面854aに、シボ加工により微細な凹凸を形成して、拡散反射する光の割合を増やすことで、稲妻の絵柄模様をきれいに発光させることができ、発光演出の際の見栄えを向上させることが可能になる。
【0160】
側板部858は、演出ランプハウス820の内部において、シート部材取付部823(すなわち、演出シート部材840)の下方周辺部に位置する導光板挿通部824に挿通され、演出ランプ基板810の下部の前方近傍まで達するようになっている。なお、演出ランプ基板810の第2演出LED812は、演出ランプ基板810において側板部858の後縁部と対向する部分に配設される。
【0161】
演出ランプカバー860は、
図45および
図48に示すように、透明の樹脂材料を用いて、後側が開口した箱状に形成される。演出ランプカバー860は、演出シート部材840および導光板850を覆って演出ランプハウス820に取り付けられる。演出ランプカバー860の後縁部上側における左右2箇所に、演出ランプハウス820の上側係合爪部825と係合可能な上側係合片部861が形成される。上側係合片部861は、中央部に上側係合爪部825が挿通される上側係合穴862を有している。演出ランプカバー860の後縁部下側における左右2箇所に、演出ランプハウス820の下側係合爪部827と係合可能な下側係合片部863が形成される。下側係合片部863は、中央部に下側係合爪部827が挿通される下側係合穴864を有している。また、演出ランプカバー860の内部には、導光板850の前板部851を押さえて演出ランプハウス820のシート部材取付部823に固定する導光板固定部(図示せず)が形成される。
【0162】
演出ランプカバー860を演出ランプハウス820に取り付ける際、
図49および
図50に示すように、まず、演出ランプカバー860の上側係合片部861の先端部(後端部)を、演出ランプハウス820の上側係止部826に当接させて係止させる。そして、演出ランプハウス820の上側係止部826を支点として、演出ランプカバー860を演出ランプハウス820に対して近づく方向に揺動させ、演出ランプカバー860の下側係合片部863を、演出ランプハウス820の下側係合爪部827と係合させる。なおこのとき、演出ランプカバー860の上側係合片部861も、演出ランプハウス820の上側係合爪部825と係合する。
【0163】
ところで、演出ランプハウス820の上面部と、演出ランプハウス820の上面部に近接する演出ランプカバー860の上壁部とがV字型に形成されている。これにより、演出ランプカバー860の左右の上側係合片部861および、演出ランプハウス820の左右の上側係止部826が略左右対称に傾斜して配置される。そのため、演出ランプカバー860を揺動させる際、演出ランプカバー860の上側係合片部861の先端部は、演出ランプハウス820の上側係止部826に係止した状態で左右にずれ難く、演出ランプカバー860の揺動が容易になっている。このように、演出ランプカバー860の上側係合片部861は、演出ランプカバー860に対して左右にずれ難くなるため、演出ランプハウス820の上側係合爪部825と係合する際の反動を最小限に抑えることができる。また、演出ランプカバー860の下側係合片部863も、演出ランプカバー860に対して左右にずれ難くなるため、演出ランプハウス820の下側係合爪部827と係合する際の反動を最小限に抑えることができる。従って、演出ランプカバー860を演出ランプハウス820に取り付ける際の振動を抑えることができ、演出ランプハウス820のシート部材取付部823において演出シート部材840の位置がずれるのを防止することが可能になる。
【0164】
以上のように構成される左上部演出ランプ800において、演出ランプ基板810の第1演出LED811は、演出シート部材840に向かって光を発光させる。第1演出LED811から発光した光は、演出シート部材840の透光領域841に入射し、当該透光領域841が発光する。透光領域841から発光した光は、導光板850の前板部851を透過して、演出ランプカバー860を透過する。従って、
図44の破線で模式的に示すように、導光板850の前板部851および演出ランプカバー860を介して、稲妻の形状を模した透光領域841が発光する。
【0165】
一方、演出ランプ基板810の第2演出LED812は、導光板850の側板部858に向かって光を発光させる。第2演出LED812から発光した光は、導光板850の側板部858の後縁部に入射し、導光板850の側板部858を透過して前板部851に達する。導光板850の前板部851に達した光の一部は、前板部851の第1溝部853で前方に反射する。導光板850の前板部851に達した光の他の一部は、前板部851の第2溝部854で前方に反射する。これにより、前板部851の前面の第1発光領域852aが発光する。第1発光領域852aから発光した光は、演出ランプカバー860を透過する。従って、
図44の二点鎖線で模式的に示すように、演出ランプカバー860を介して、稲妻の形状を模した第1発光領域852aが発光する。
【0166】
また、導光板850の前板部851に達した光の他の一部は、前板部851の第3溝部855で前方に反射する。また、導光板850の前板部851に達した光の他の一部は、前板部851の第4溝部856で前方に反射する。これにより、前板部851の前面の第2発光領域852bが発光する。第2発光領域852bから発光した光は、演出ランプカバー860を透過する。従って、
図44の二点鎖線で模式的に示すように、演出ランプカバー860を介して、稲妻の形状を模した第2発光領域852bが発光する。
【0167】
演出シート部材840の透光領域841と、前板部851の第1発光領域852aおよび第2発光領域852bとが発光すると、前後方向の位置が異なる、透光領域841と第1発光領域852aおよび第2発光領域852bとが組み合わされて形成される絵柄(稲妻形状の絵柄)は、左上部演出ランプ800の前方から見たときに立体的に視認され得る。そのため、本実施形態によれば、装飾性の高い立体的な発光演出を行うことができ、多彩な演出を行うことが可能になる。
【0168】
なお、右上部演出ランプ900は、左上部演出ランプ800と同様に構成される。そのため、右上部演出ランプ900は、左上部演出ランプ800と同様、装飾性の高い立体的な発光演出を行うことができ、多彩な演出を行うことが可能である。
【0169】
<上部演出ランプの特徴構成>
本実施形態において、導光板850における前板部851の発光領域852a,852bは、演出シート部材840の透光領域841の前方に所定距離だけ離間して配置され、第1演出LED811から発光した光が演出シート部材840の透光領域841に入射して当該透光領域841が発光し、第2演出LED812から発光した光が導光板850における側板部858の縁部に入射して前板部851の発光領域852a,852bが発光する。これにより、演出シート部材840の透光領域841と前板部851の発光領域852a,852bとが発光すると、前後方向の位置が異なる、透光領域841と発光領域852a,852bとが組み合わされて形成される絵柄(稲妻形状の絵柄)は、左上部演出ランプ800の前方から見たときに立体的に視認され得る。そのため、装飾性の高い立体的な発光演出を行うことができ、多彩な演出を行うことが可能になる。
【0170】
<変形例>
上述の第1実施形態において、前扉2におけるリール窓W1の左方に、小型表示装置200が取り付けられているが、これに限られるものではなく、第2実施形態の前扉502におけるリール窓W2の左方に、小型表示装置200が取り付けられるようにしてもよい。また、小型表示装置に限らず、例えば第2実施形態の画像表示装置511に対しても、画像表示装置511(表示画面511a)がスロットマシン1の前下方を向いて配置される場合に、第1実施形態の小型表示装置200と同様の構成を適用することが可能である。
【0171】
上述の第1実施形態において、小型表示装置200を構成するカバー固定ネジ236として、なべ小ネジが用いられているが、これに限られるものではなく、例えば、六角穴付きボルトや、六角ボルト等のネジ部材が用いられてもよい。また、ネジ部材に限らず、先端側に穴部に係止可能な係止部が設けられたクランプピン等、第1部材を第2部材に対して固定可能な固定部材であればよい。
【0172】
上述の第1実施形態において、小型表示装置200を構成する後カバー部材230に、斜め方向に貫通した貫通穴232を有するカバー固定片部231が形成されているが、これに限られるものではない。例えば、左右の上部スピーカーユニット340a,340bがスロットマシン1の前方中央側を向いて配置される場合、左右の上部スピーカーユニット340a,340bのフランジ部341a,341bに、斜め方向に貫通した貫通穴を有する固定片部が形成されてもよい。また例えば、スクリーン部材310の画像表示部311がスロットマシン1の前下方を向いて配置される場合、スクリーン部材310の隅部に、斜め方向に貫通した貫通穴を有する固定片部が形成されてもよい。このように、演出に関わる部材が被固定部材に対し傾斜して固定される場合に、当該演出に関わる部材に、被固定部材のネジ穴部の延伸方向に対し傾斜した方向に延びる貫通穴部が形成されてもよい。
【0173】
上述の第2実施形態において、前扉502に、左右のランプユニット600a,600bが取り付けられているが、これに限られるものではない。例えば、第1実施形態に係る前扉2に、小型表示装置200や右演出ランプ27等に代えて、第2実施形態と同様の左右のランプユニットが取り付けられてもよい。
【0174】
上述の第1実施形態において、左右の上部演出ランプ400a,400bの内部構造が、第2実施形態に係る左右の上部演出ランプ800,900の内部構造と同様の構造であってもよい。また、上述の第2実施形態において、左右の上部演出ランプ800,900の内部構造が、第1実施形態に係る左右の上部演出ランプ400a,400bの内部構造と同様の構造であってもよい。
【0175】
上述の実施形態において、遊技機の一例として、遊技メダルを使用するスロットマシン(回胴式遊技機)1,501を例示して説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、遊技球を使用する回胴式遊技機や、遊技メダルを用いずに遊技可能な封入式の回胴式遊技機、雀球遊技機、アレンジボール機、パチンコ機、カジノマシンなどについても同様に適用し、同様の効果を得ることが可能である。
【符号の説明】
【0176】
1 スロットマシン(遊技機の第1実施形態)
2 前扉(開閉部材)
5 筐体(本体部材)
100 副制御装置
101 演出回路基板
110 演出基板ケース
131 副制御基板
132 サブCPU
141 ROM基板
142 プログラムROM
143 ROMシール
149 情報記載シール
150 副基板ケース
151 副基板ケース本体(151a めっき被膜)
152 第1の結合穴部
153 第2の結合穴部
157 第1の結合ネジ
158 第2の結合ネジ
161 副基板ケース蓋(161a めっき被膜)
166 挿通穴部
167 収容穴部
168 通気穴部
169 シール貼り付け部
172 中央側天井開口部
173 前側天井開口部
174 上側天井開口部
175 前壁開口部
176 後壁開口部
177 上壁開口部
179 封印シール
200 小型表示装置
210 前フレーム部材
212 カバー固定ボス
213 ネジ穴
220 液晶ユニット
230 後カバー部材
231 カバー固定片部(231a 頭部接触面部)
232 貫通穴
236 カバー固定ネジ236(236a 頭部)
400a 左上部演出ランプ
400b 右上部演出ランプ
410 演出ランプ基板
411 第1演出LED
412 第2演出LED
412 第3演出LED
420 演出ランプハウス
431 第1仕切り部
432 第2仕切り部
440 ランプハウスカバー
450 演出透光部材
451 第1透光部
452 第2透光部
453 第3透光部
460 演出シート部材
461 第1シート部(461a 第1の絵柄)
462 第2シート部(462a 第2の絵柄)
463 第3シート部
470 演出ランプカバー
471 第1カバー部
472 第2カバー部
473 第3カバー部
501 スロットマシン(遊技機の第2実施形態)
502 前扉(開閉部材)
505 筐体(本体部材)
600a 左ランプユニット
600b 右ランプユニット
601 ランプベース
602 ベース側仮固定用係合穴部
620 下側ランプ部
621 下側ランプ基板
631 下側ランプハウス
641 下側ランプカバー
642 カバー側仮固定用係合穴部
650 上側ランプ部
680 スピーカー部
701 仮固定部材
702 胴部
704 第1係合部
705 ロック片
707 第2係合部
708 接触片
800 左上部演出ランプ
810 演出ランプ基板
811 第1演出LED
812 第2演出LED
820 演出ランプハウス
830 ランプハウスカバー
840 演出シート部材
841 透光領域
842 遮光領域
850 導光板
851 前板部
852a 第1発光領域
852b 第2発光領域
858 側板部
860 演出ランプカバー
900 右上部演出ランプ