IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 富士通株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-情報処理装置 図1
  • 特許-情報処理装置 図2
  • 特許-情報処理装置 図3
  • 特許-情報処理装置 図4
  • 特許-情報処理装置 図5
  • 特許-情報処理装置 図6
  • 特許-情報処理装置 図7
  • 特許-情報処理装置 図8
  • 特許-情報処理装置 図9
  • 特許-情報処理装置 図10
  • 特許-情報処理装置 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-14
(45)【発行日】2023-11-22
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 1/20 20060101AFI20231115BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20231115BHJP
【FI】
G06F1/20 C
G06F1/20 B
H05K7/20 G
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020037684
(22)【出願日】2020-03-05
(65)【公開番号】P2021140462
(43)【公開日】2021-09-16
【審査請求日】2022-11-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087480
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 修平
(72)【発明者】
【氏名】幸谷 隆則
【審査官】白石 圭吾
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-107897(JP,A)
【文献】特開2013-182581(JP,A)
【文献】特開2012-210115(JP,A)
【文献】特開2008-251067(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 1/20
G06F 1/18
H05K 7/20
H01L 23/34 - 23/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面に形成された空気の導入口、第1装置が配置される第1領域、前記第1装置とは異なる装置を挿入可能な第2領域、第2面に形成された空気の排出口を順に経由する第1冷却経路と、前記第1冷却経路とは異なる第2冷却経路と、を有する装置本体と、
前記第2領域に挿脱可能であり、冷却対象部を搭載した第2装置と、
を、備え、
前記第2装置は、前記第2装置が前記第2領域に挿入されたときに、前記冷却対象部を前記第1冷却経路から前記第2冷却経路に移動させる移動機構部を備えた情報処理装置。
【請求項2】
前記装置本体は、前記第1冷却経路と前記第2冷却経路とを連通する連通部を備え、
前記移動機構部は、前記連通部を通じて前記冷却対象部を前記第1冷却経路から前記第2冷却経路に移動させる請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記移動機構部は、前記第2装置が前記第2領域に挿入されたときに、前記冷却対象部を前記第2冷却経路に移動させた状態で前記連通部を閉塞する閉塞部材をさらに備えた請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記装置本体は、
前記第2装置が前記第2領域から抜き取られている状態のときに前記連通部を閉塞するとともに、前記第2装置の前記第2領域への挿入に伴って、前記連通部を開放状態とするシャッター部を備えた請求項2又は3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記移動機構部は、前記第2装置が前記第2領域から抜き取られているときに前記冷却対象部を前記第2装置が備える筐体の内側に位置させた格納状態に維持する格納状態維持部を含み、
当該格納状態維持部は、前記第2装置の前記第2領域への挿入に伴って前記冷却対象部の前記格納状態を解除し
前記解除により、前記冷却対象部前記筐体の外側に位置した突出状態遷移る請求項1から4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンピュータシステムなどの情報処理装置や電子機器を冷却する提案が種々なされている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-8085号公報
【文献】特開2013-182581号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、情報処理装置は、冷却空気の導入側に配置される第1装置と、冷却空気の排出側に挿脱可能に配置される第2装置とを備える場合がある。この場合、第2装置には、第1装置を冷却した後の暖められた空気が供給される。このため、第2装置と接続される冷却対象部を第2装置と分離して、冷却空気の導入側に近い側に配置することが考えられる。
【0005】
しかしながら、第2装置と冷却対象部とを分離して情報処理装置内に配置しようとすると、第2装置と冷却対象部との接続ケーブルを配置するスペースを確保しなければならなくなる等、情報処理装置における高密度実装の点で不利となる。
【0006】
特許文献1や特許文献2は、挿脱可能に設けられる第2装置については考慮されておらず、挿脱可能な第2装置が設けられた情報処理装置の実装密度の向上を図るものとはなっていない。
【0007】
1つの側面では、本発明は、冷却対象部を備えるとともに装置本体に対して挿脱可能に設けられる装置を備えた情報処理装置の実装密度の向上を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
1つの態様では、情報処理装置は、第1面に形成された空気の導入口、第1装置が配置される第1領域、前記第1装置とは異なる装置を挿入可能な第2領域、第2面に形成された空気の排出口を順に経由する第1冷却経路と、前記第1冷却経路とは異なる第2冷却経路と、を有する装置本体と、前記第2領域に挿脱可能であり、冷却対象部を搭載した第2装置と、を備え、前記第2装置は、前記第2装置が前記第2領域に挿入されたときに、前記冷却対象部を前記第1冷却経路から前記第2冷却経路に移動させる移動機構部を備えている。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、冷却対象部を備えるとともに装置本体に対して挿脱可能に設けられる装置を備えた情報処理装置の実装密度の向上が図られる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1(A)は第1実施形態の情報処理装置の概略構成を示す説明図であり、図1(B)は第1実施形態の情報処理装置における第1冷却経路と第2冷却経路とを示す説明図である。
図2図2は第1実施形態の情報処理装置においてバックアップユニットが突出状態に遷移し、第2冷却経路へ配置される様子の概略を示す説明図である。
図3図3(A)は第1実施形態の情報処理装置における装置本体を示す説明図であり、図3(B)は装置本体に挿脱されるIOユニットを示す説明図である。
図4図4(A)は第1実施形態の情報処理装置が備えるシャッター部を示す説明図であり、図4(B)は第1実施形態の情報処理装置が備える移動機構部を示す説明図である。
図5図5(A1)から図5(B3)は第1実施形態の情報処理装置が備えるシャッター部が作動して開口部を開放する様子を時系列的に示し、図5(A1)から図5(A3)は側方から観た状態を示す説明図、図5(B1)から図5(B3)は上方から観た状態を示す説明図である。
図6図6(A)から図6(C)は第1実施形態の情報処理装置が備える移動機構部によって格納状態から突出状態に遷移するバックアップユニットを上方から観た様子を時系列的に示す説明図である。
図7図7(A)から図7(C)は第1実施形態の情報処理装置が備える移動機構部によって突出状態から格納状態へ遷移するバックアップユニットを上方から観た様子を時系列的に示す説明図である。
図8図8(A)は第2実施形態の情報処理装置における装置本体を示す説明図であり、図8(B)は装置本体に挿脱されるIOユニットを示す説明図である。
図9図9は第2実施形態の情報処理装置が備える移動機構部を示す説明図である。
図10図10(A)から図10(C)は第2実施形態の情報処理装置が備える移動機構部によって格納状態から突出状態に遷移するバックアップユニットを上方から観た様子を時系列的に示す説明図である。
図11図11(A)から図11(C)は第2実施形態の情報処理装置が備える移動機構部によって突出状態から格納状態へ遷移するバックアップユニットを上方から観た様子を時系列的に示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。ただし、図面中、各部の寸法、比率等は、実際のものと完全に一致するようには図示されていない場合がある。また、図面によっては、説明の都合上、実際には存在する構成要素が省略されていたり、寸法が実際よりも誇張されて描かれていたりする場合がある。
【0012】
(第1実施形態)
まず、図1(A)及び図1(B)を参照して、第1実施形態の情報処理装置100の概略構成について説明する。図1(A)は第1実施形態の情報処理装置100の概略構成を示す説明図であり、図1(B)は第1実施形態の情報処理装置100における第1冷却経路11と第2冷却経路16を示す説明図である。図1(B)では、第1冷却経路11と第2冷却経路16を分かり易くするために、内部に配置されるいくつかの部品が省略され、第1冷却経路11にハッチングが付されている。
【0013】
情報処理装置100は、装置本体10、HDD(Hard Disk Drive)12、第1装置としてのシステムボードユニット13、第1冷却ファン14、シャッター部17、電源ユニット18を備える。情報処理装置100は、さらに、ストッパ部材19と、第2装置としてのIO(Input/Output)ユニット20を備えている。
【0014】
装置本体10は、第1面10aと、この第1面10aの反対側となる第2面10bを備えている。装置本体10の内部には、第1冷却経路11と第2冷却経路16とが形成されている。情報処理装置100は、第1面10aを前側とし、第2面10bを後側として使用される。
【0015】
第1冷却経路11は、図1(B)に示すように、装置本体10の中央部を通過するように設けられており、装置本体10の第1面10a側を空気の導入口11aとし、装置本体10の第2面10b側を空気の排出口11bとしている。第1冷却経路11において、冷却空気は、矢示1aのように流れる。第1冷却経路11は、装置本体10の第1面10aから第2面10bに向かって、順に、第1領域Ar1と第2領域Ar2を備えている。
【0016】
第1領域Ar1の最も前面側には、複数のHDD12が幅方向に並列されて配置されている。HDD12は、発熱する装置であり、第1冷却経路11に配置されることで冷却される。
【0017】
第1領域Ar1において、HDD12の後側には、システムボードユニット13が配置されている。システムボードユニット13は、ボード本体13a上に、CPU(Central Processing Unit)13b及びDIMM(Dual Inline Memory Module)13cが搭載されている。CPU13bは、発熱部品であり、第1冷却経路11に配置されることで冷却される。
【0018】
第1領域Ar1において、システムボードユニット13の後側には、第1冷却ファン14が配置されている。第1冷却ファン14が作動することで、矢示1aで示すように導入口11aから導入されて排出口11bから排出される空気の流れが形成される。
【0019】
第2領域Ar2は、拡張部を形成しており、第2領域Ar2には、IOユニット20が挿脱される。IOユニット20は、ボード本体20aに複数のIO(Input/Output)カード20bが幅方向に並列されて挿し込まれている。IOユニット20は、ボード本体20aの辺縁に沿って立設された壁部21を備えている。壁部21は、IOユニット20が備える筐体の一部である。壁部21には、開口部21aが設けられている。IOユニット20には、冷却対象部としてのバックアップユニット22が設けられている。バックアップユニット22は、停電時にデータが消失しないようにIOカード20bに給電すべく、接続ケーブル23を介してIOカード20bと接続されている。
【0020】
IOユニット20は、移動機構部30を有しており、バックアップユニット22は、移動機構部30を介してIOユニット20に搭載されている。バックアップユニット22及び移動機構部30は、図1(A)においてIOユニット20の前方右側に位置している。バックアップユニット22は、リチウム電池やコンデンサを含んでおり、発熱するため、冷却することが求められる。
【0021】
移動機構部30は、IOユニット20が第2領域Ar2から抜き取られているときに、バックアップユニット22を格納状態に維持する。格納状態とは、バックアップユニット22がIOユニット20の壁部21の内側に位置し、IOユニット20のボード本体20aと重なる状態である。また、移動機構部30は、IOユニット20の第2領域Ar2への挿入に伴ってバックアップユニット22の格納状態を解除してバックアップユニット22を突出状態に遷移させる。突出状態とは、バックアップユニット22がIOユニット20の壁部21の外側に飛び出した状態である。バックアップユニット22は、IOユニット20が第2領域Ar2に挿入されたときに、突出状態となることで、第1冷却経路11から第2冷却経路16へ移動する。移動機構部30については、後に詳説する。
【0022】
第2冷却経路16は、図1(B)に示すように、第1冷却経路11の幅方向の両側にそれぞれ設けられており、それぞれ、装置本体10の第1面10a側を空気の導入口16aとし、装置本体10の第2面10b側を空気の排出口16bとしている。第2冷却経路16において、冷却空気は、矢示1bのように流れる。
【0023】
第2冷却経路16は、装置本体10の左右に、第1面10aから第2面10bに亘ってそれぞれ設けられ仕切部材15によってそれぞれ第1冷却経路11と仕切られている。図1(A)や図1(B)において右側に位置している仕切部材15には、第2領域Ar2に挿入された状態のIOユニット20のバックアップユニット22の位置に合わせて矩形の開口部15aが設けられている。開口部15aは、第1冷却経路11と第2冷却経路16とを連通する連通部として機能する。IOユニット20が第2領域Ar2へ挿入されて突出状態へ遷移するバックアップユニット22は、開口部15aを通じて第1冷却経路11から第2冷却経路16へ移動することができる。開口部15aは、第2領域Ar2からIOユニット20が抜き取られた状態のとき、シャッター部17によって閉塞され、第1冷却経路11と第2冷却経路16との分離状態が維持されるようになっている。開口部15aは、バックアップユニット22を第1冷却経路11から第2冷却経路16へ移動させることができるものであれば、例えば、切欠き形状などの他の形状としてもよい。
【0024】
各第2冷却経路16の排出口16b近傍には、電源ユニット18が配置されている。電源ユニット18には、第2冷却ファン18aが組み込まれている。第2冷却ファン18aが作動することで、矢示1bで示すように導入口16aから導入されて排出口16bから排出される空気の流れが形成される。
【0025】
バックアップユニット22は、IOユニット20に挿し込まれているIOカード20bと接続されるものであり、IOユニット20に搭載されることで、情報処理装置100の高密度実装が図られている。しかし、バックアップユニット22が冷却要求の高い装置であるにも拘わらず、IOユニット20は装置本体10の第2領域Ar2に挿入される。第2領域Ar2の前方の第1領域Ar1には、発熱装置であるHDD12や、発熱部品であるCPU13bが実装されているシステムボードユニット13が配置されている。このため、第2領域Ar2には、HDD12やCPU13bを冷却することで暖まった空気が供給され、前方の第1領域Ar1と比較して第2領域Ar2における冷却効果は低下する。そこで、情報処理装置100は、図2に示されるように、IOユニット20が第2領域Ar2に挿入されたときに、移動機構部30によって、バックアップユニット22を格納状態から突出状態に遷移させ、第1冷却経路11から第2冷却経路16に移動させる。これにより、バックアップユニット22の冷却が図られる。
【0026】
以下、図3(A)から図7(C)を参照しつつ、第1冷却経路11と第2冷却経路16とを連通させる開口部15aを開閉するシャッター部17と、移動機構部30について、詳細に説明する。なお、図4(A)に示すシャッター部と図4(B)に示す移動機構部とは、縮尺が異なっている。
【0027】
シャッター部17は、図3(A)に示すように、装置本体10に設けられている。シャッター部17は、IOユニット20の第2領域Ar2への挿入に伴って、開口部15aを開放状態とする。また、シャッター部17は、IOユニット20が第2領域Ar2から抜き取られると、開口部15aを閉塞する。
【0028】
シャッター部17は、図4(A)を参照すると、シャッター本体17a、レール部材17b、第1ばね部材17c及びばね支持部17dを有している。シャッター本体17aは、装置本体10にその前後方向に沿って設けられたレール部材17bに移動可能に支持されている。シャッター本体17aの前側の端部には、鍔状部17a1が設けられている。ばね支持部17dは、開口部15a及びレール部材17bの前方に設けられており、シャッター本体17aとの間に第1ばね部材17cを挟持している。第1ばね部材17cは、矢示1cで示すようにシャッター本体17aを開口部15aが閉塞される側に付勢している。
【0029】
ここで、シャッター部17の動作について図5(A1)から図5(B3)を参照して説明する。図5(A1)から図5(A3)はシャッター部17を側方から観た状態を示し、図5(B1)から図5(B3)はシャッター部17を上方から観た状態を示している。シャッター部17は、IOユニット20が第2領域Ar2から抜き取られている状態のとき、図5(A1)及び図5(B1)に示すように、シャッター本体17aによって開口部15aを閉塞している。これに対し、IOユニット20が第2領域Ar2に挿し込まれるとき、まず、図5(A2)及び図5(B2)に示すように、IOユニット20の前端部20a1が鍔状部17a1に当接する。そして、IOユニット20がさらに押し込まれると、図5(A3)及び図5(B3)に示すように、IOユニット20によって押し込まれたシャッター本体17aは、第1ばね部材17cを圧縮しつつ移動して、開口部15aを開放状態とする。IOユニット20が引き抜かれたときは、シャッター本体17aは、第1ばね部材17cの弾性力によって元の位置に復帰し、開口部15aを閉塞した状態とする。
【0030】
移動機構部30は、図3(B)に示すように、IOユニット20に搭載されている。移動機構部30は、IOユニット20が第2領域Ar2に挿入されたときに、バックアップユニット22を第1冷却経路11から第2冷却経路16に移動させる。
【0031】
移動機構部30は、図4(B)を参照すると、リンク機構部31、第2ばね部材34a及びばね支持部34bを備えている。リンク機構部31は、第1部材31a、第1接合部材31b、第2接合部材31c及び第2部材31dを含んでいる。第1部材31aと第2部材31dは、第1接合部材31b及び第2接合部材31cを介して接合されており、4節のリンク機構を形成している。
【0032】
第1部材31aは、長手方向がIOユニット20の挿入方向に沿うようにIOユニット20に設けられている。IOユニット20は、装置本体10に挿入されるとき、第1部材31aの第1端部31a1が装置本体10に設けられているストッパ部材19と対向するように配置される。第1部材31aは第2ばね部材34aとともに、バックアップユニット22の格納状態を維持する格納状態維持部として機能する。
【0033】
第1部材31aは、その両側に長手方向に沿って配置された第1ガイド部材33a、第2ガイド部材33b、第3ガイド部材33c及び第4ガイド部材33dによって、前後方向に移動可能に支持されている。第1ガイド部材33aから第4ガイド部材33dは、IOユニット20のボード本体20aに立設されている。第1ガイド部材33aと第2ガイド部材33bは、前後方向に並べて配置され、第1部材31aよりも開口部21aに近い側に設けられている。第3ガイド部材33cと第4ガイド部材33dは、前後方向に並べて配置され、第1部材31aを挟んだ反対側に設けられている。
【0034】
第1接合部材31bと第2接合部材31cは、いずれも棒状の部材であり、平行に設けられ、それぞれ第1部材31aと第2部材31dとを接合している。第1接合部材31bは、第1ガイド部材33aと接するように設けられており、第2接合部材31cは、第2ガイド部材33bと接するように設けられている。第1接合部材31bは、第1ガイド部材33aと接していることで、第1部材31aのボード本体20aに対する前後方向の位置の変化に伴って、その姿勢を変化させる。第2接合部材31cも同様に、第2ガイド部材33bと接していることで、第1部材31aのボード本体20aに対する前後方向の位置の変化に伴って、その姿勢を変化させる。
【0035】
第2部材31dは、板状の部材であって、バックアップユニット22の設置台とされている。第2部材31dは、リンク機構部31に含まれている。このため、IOユニット20の第2領域Ar2への挿入に伴って第1部材31aが移動し、リンク機構部31が作動すると、第2部材31dは、ボード本体20aと重なった状態から、ボード本体20aの側方へ突出した状態へ遷移する。これにより、バックアップユニット22が第1冷却経路11から第2冷却経路16へ移動する。
【0036】
第2部材31dには、閉塞部材32が設けられている。閉塞部材32は、IOユニット20が第2領域Ar2に挿入されたときに、バックアップユニット22を第2冷却経路16に移動させた状態で開口部21aを閉塞する。IOユニット20が第2領域Ar2に挿入されたとき、開口部21aの位置と開口部15aの位置とは一致するため、閉塞部材32は、開口部21aを閉塞するとともに開口部15aを閉塞する。閉塞部材32が開口部15a及び開口部21aを閉塞することで、第1冷却経路11と第2冷却経路16との分離状態が維持され、両者間での空気の移動が制限される。すなわち、第1冷却経路11から第2冷却経路16へ向かって暖かい空気が流れ込むことがないので、第2冷却経路16における冷却機能が維持される。なお、IOユニット20が第2領域Ar2に挿入された状態となるとき、IOカード20bは、第1冷却経路11に位置し、バックアップユニット22は、第2冷却経路16に位置する。このため、IOカード20bとバックアップユニット22を接続する接続ケーブル23は、閉塞部材32を貫通させて設けられている。
【0037】
第1部材31aの後側には、第1部材31aの第2端部31a2と接するように第2ばね部材34aが配置されている。第2ばね部材34aは、第1部材31aの後側に配置されたばね支持部34bとの間に狭持されている。第2ばね部材34aは、矢示1dで示すように第1部材31aを前方へ向かって付勢している。これにより、第2ばね部材34aは、IOユニット20が第2領域Ar2から抜き取られているときに、バックアップユニット22を格納状態に維持する。また、第2ばね部材34aは、IOユニット20の第2領域Ar2への挿入に伴って、バックアップユニット22を格納状態から突出状態へ遷移させる。さらに、第2ばね部材34aは、IOユニット20の第2領域Ar2からの抜き取りに伴ってリンク機構部31を作動させ、バックアップユニット22を格納状態に復帰させる。すなわち、IOユニット20の引き抜きに伴って、第1部材31aの第1端部31a1がストッパ部材19から離れると、第2ばね部材34aは、第1部材31aを前方へ押し出す。このような第1部材31aの移動に伴ってリンク機構部31が元の状態に復帰する。
【0038】
移動機構部30は、第2領域Ar2からIOユニット20が抜き取られた状態となっているとき、図6(A)に示すように、第1部材31aの第1端部31a1がストッパ部材19から離れている。このとき、第1部材31aは、第2ばね部材34aによって付勢され、ボード本体20aに対して前方に突き出る状態とされている。第1部材31aがこのような状態であるとき、第1接合部材31bと第2接合部材31cは、いずれも第1部材31aと重なる方向に折り畳まれ、第1部材31aと第2部材31dとが接近した状態となっている。これにより、第2部材31dに搭載されているバックアップユニット22は、平面視において、ボード本体20aと重なる格納状態となっており、図6(A)や図6(B)に示すように、第1冷却経路11側に位置している。
【0039】
これに対し、IOユニット20が第2領域Ar2に挿し込まれると、まず、図6(B)に示すように、第1部材31aの第1端部31a1がストッパ部材19に接触する。そして、IOユニット20がさらに押し込まれると、第1部材31aがボード本体20aに対して、相対的に後退する。これにより、ボード本体20aに立設されている第1ガイド部材33aに接している第1接合部材31bと、第2ガイド部材33bに接している第2接合部材31cとが回転する。これにより、最終的に図6(C)に示すように、第2部材31dが第1部材31aから離れ、第2部材31dに搭載されているバックアップユニット22は突出状態となる。このとき、シャッター部17も同時に作動しており、シャッター本体17aは、開口部15aを開放状態としているので、バックアップユニット22は、開口部15a及び開口部21aを通過して、第2冷却経路16に位置することができる。バックアップユニット22が第2冷却経路16に移動した後、開口部15a及び開口部21aは、閉塞部材32によって閉塞される。
【0040】
一方、IOユニット20が図7(A)に示す状態から引き抜かれるとき、図7(B)に示すようにボード本体20aがストッパ部材19から離れると、第2ばね部材34aに付勢されている第1部材31aが相対的に前方へ移動する。これにより、第2部材31dは、リンク機構部31を介して元の位置に復帰し、バックアップユニット22は、突出状態から格納状態に復帰する。そして、図7(C)に示すように、第1部材31aがストッパ部材19から離れた状態となっても、第1部材31aは第2ばね部材34aに付勢されているため、バックアップユニット22の格納状態が維持される。
【0041】
なお、第1部材31aと第1接合部材31bとの間には、リンク機構部31を図6(A)で示すように、第1部材31aと第2部材31dとが近づいた状態に維持するための図示しないばね部材が組み込まれている。このようなばね部材は、他の箇所に組み込んでもよい。
【0042】
本実施形態では、IOユニット20にバックアップユニット22が搭載されている。このため、情報処理装置100の高密度実装が実現される。
【0043】
また、IOユニット20にバックアップユニット22が搭載されていることで、IOユニット20が装置本体10から引き抜かれた状態であっても、IOカード20bへの給電が継続される。このため、IOユニット20の活性保守が可能となる。
【0044】
本実施形態では、IOユニット20が装置本体10の第2領域Ar2に挿入されたとき、バックアップユニット22が第2冷却経路16に移動するので、バックアップユニット22が適切に冷却される。
【0045】
本実施形態の情報処理装置100は、IOユニット20が第2領域Ar2から引き抜かれた状態にあるときに、シャッター部17によって開口部15aが閉塞されている。このため、第1冷却経路11と第2冷却経路16との分離状態が維持され、第1冷却経路11から第2冷却経路16へ暖かい空気が流れ込むことがない。このため、第2冷却経路16に配置されている電源ユニット18が適切に冷却される。
【0046】
(第2実施形態)
つぎに、図8(A)から図11(C)を参照して第2実施形態の情報処理装置200について説明する。第2実施形態の情報処理装置200では、第1実施形態の移動機構部30に替えて移動機構部40が採用され、IOユニット20に搭載されている。第2実施形態における装置本体10は、図8(A)に示すように、第1実施形態の装置本体10と同一であるため、その詳細な説明は省略する。
【0047】
移動機構部40は、図9を参照すると、第1部材41、第2部材42、第3ばね部材43a及びばね支持部43bを備えている。
【0048】
第1部材41は、棒状の部材であり、回転支点41aにおいて回転可能にボード本体20aに取り付けられている。第1部材41は、第1端部41bがボード本体20aから突出し、装置本体10に設けられているストッパ部材19と対向するように配置される。第1端部41bと反対側の第2端部41cは、ボード本体20aと重なる状態とされている。第1部材41は、捩りばね45によって、各図に示す状態において時計回りに方向に付勢されている。第1部材41と捩りばね45は、バックアップユニット22の格納状態を維持する格納状態維持部として機能する。
【0049】
IOユニット20が装置本体10に挿し込まれると、図9に示すように第1部材41の第1端部41bがストッパ部材19に当接する。IOユニット20がさらに押し込まれると、第1端部41bが矢示1eで示すようにストッパ部材19に沿って移動する。これにより、第1部材41は、捩りばね45の弾性に抗して反時計回りに回転する。この結果、第1部材41の第2端部41cは、矢示1fのように移動する。
【0050】
第2部材42は、板状部42aと、設置台部42bを含んでいる。第2部材42は、図9に示すように平面視したときに、開口部21aの後側の端部の近傍を回転支点42cとしてボード本体20aに取り付けられている。第2部材42は、ボード本体20aに設けられたばね支持部43bとの間に第3ばね部材43aを挟持している。第3ばね部材43aは、矢示1gで示すように第2部材42を第1冷却経路11から第2冷却経路16に移動させる方向に付勢する。なお、板状部42aは、閉塞部材としての機能を有している。
【0051】
板状部42aは、IOユニット20が第2領域Ar2から抜き取られている状態において、第1部材41の第2端部41cに掛け止めされる。第2端部41cが板状部42aを掛け止めしているとき、バックアップユニット22は格納状態とされている。第1部材41は、IOユニット20の第2領域Ar2への挿入に伴って回転する。これにより、第2端部41cが図9における矢示1fのように移動する。この結果、第2端部41cと板状部42aとの掛け止め状態が解消され、第2部材42の掛止状態が解除される。掛止状態が解除された第2部材42は、第3ばね部材43aに付勢されることで、矢示1hのように回転移動して、ボード本体20aの外側へ突出した突出状態となる。
【0052】
設置台部42bには、バックアップユニット22が搭載されている。設置台部42bは、三角形状を有しており、板状部42aに対して傾斜している辺縁が摺接部42b1とされている。摺接部42b1は、IOユニット20の抜き取り動作に伴って、IOユニット20に対して相対移動する箇所に摺接することで、第2部材42をバックアップユニット22が第1冷却経路11に留まる状態に復帰させる。第2部材42がこのような状態に復帰することで、板状部42aは、第1部材41の第2端部41cに掛け止めされた格納状態に復帰する。本実施形態では、摺接部42b1は、装置本体10に設けられた仕切部材15に設けられた開口部15aに摺接することで、第2部材42を回転移動させる。なお、本実施形態では、設置台部42bの三角形状の一辺を摺接部42b1としているが、摺接部は、必ずしも直線状とされていなくてもよく、例えば、ボード本体20aの側方へ飛び出す方向に突状に設けられている部分であれば、摺接部とすることができる。また、摺接部は、必ずしも設置台部42bに設けられていなくてもよく、第2部材42の他の部分に摺接部を設けるようにしてもよい。さらに、本実施形態では、摺接部42b1は、開口部15aに摺接するようにしているが、摺接部42b1は、必ずしも開口部15aに摺接しなくてもよく、例えば、第2冷却経路16に設けた他の部分に摺接させるようにしてもよい。
【0053】
移動機構部40は、第2領域Ar2からIOユニット20が抜き取られた状態となっているとき、図10(A)に示すように、第1部材41の第1端部41bがストッパ部材19から離れている。このとき、第1部材41は、捩りばね45に付勢されている。第1部材41がこのような状態にあるとき、第1部材41の第2端部41cは、第2部材42の板状部42aに掛け止めされた状態とされている。これにより、第2部材42の設置台部42bに搭載されているバックアップユニット22は、平面視において、ボード本体20aと重なる格納状態となっており、図10(A)や図10(B)に示すように、第1冷却経路11側に位置している。
【0054】
これに対し、IOユニット20が第2領域Ar2に挿し込まれると、まず、図10(B)に示すように、第1部材41の第1端部41bが矢示1eのように移動する。すると、矢示1fのように付勢されている第2部材42が回転し、図10(C)に示すようにバックアップユニット22を突出状態とする。このとき、図8(A)に示すシャッター部17も同時に作動しており、シャッター本体17aは、開口部15aを開放状態としているので、バックアップユニット22は、開口部15a及び開口部21aを通過して、第2冷却経路16に位置することができる。バックアップユニット22が第2冷却経路16に移動した後、開口部15a及び開口部21aは、板状部42aによって閉塞される。
【0055】
一方、IOユニット20が図11(A)に示す状態から引き抜かれるとき、図11(B)に示すようにボード本体20aがストッパ部材19から離れると、捩りばね45に付勢されている第1部材41の第2端部41cは、矢示1iのように移動する。また、これと同時に、摺接部42b1が、開口部15aに摺接し、第2部材42が矢示1jのように回転移動する。これにより、第2部材42は図11(C)に示すようにバックアップユニット22を格納状態に復帰させる。また、第2部材42の板状部42aが第1部材41の第2端部41cに掛け止められた状態に復帰するため、バックアップユニット22の格納状態が維持される。
【0056】
本実施形態は、IOユニット20にバックアップユニット22が搭載されている点で、第1実施形態と共通している。このため、本実施形態では、第1実施形態と同様に、情報処理装置100の高密度実装が実現される。
【0057】
また、本実施形態にあっても、第1実施形態と同様に、IOユニット20の活性保守が可能となる。また、バックアップユニット22が適切に冷却される。
【0058】
移動機構部としては、第1実施形態や第2実施形態以外の形態であっても、バックアップユニット22の格納状態を維持し、また、格納状態を解除して突出状態へ遷移させる機能を発揮できるものであれば、適宜採用することができる。
【0059】
以上本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
【符号の説明】
【0060】
10 装置本体
11 第1冷却経路
11a 導入口
11b 排出口
13 システムボードユニット(第1装置)
15 仕切部材
15a 開口部(連通部)
16 第2冷却経路
16a 導入口
16b 排出口
20 IOユニット(第2装置)
30、40 移動機構部
31 リンク機構部
31a、41 第1部材
31d、42 第2部材
32 閉塞部材
42a 板状部(閉塞部材)
100、200 情報処理装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11