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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-14
(45)【発行日】2023-11-22
(54)【発明の名称】電磁弁
(51)【国際特許分類】
   F16K 31/06 20060101AFI20231115BHJP
   F16K 1/44 20060101ALI20231115BHJP
   F16K 11/044 20060101ALI20231115BHJP
   F16K 17/04 20060101ALI20231115BHJP
【FI】
F16K31/06 305L
F16K1/44 A
F16K11/044 Z
F16K17/04 Z
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020044325
(22)【出願日】2020-03-13
(65)【公開番号】P2021143746
(43)【公開日】2021-09-24
【審査請求日】2022-04-15
(73)【特許権者】
【識別番号】592056908
【氏名又は名称】浜名湖電装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096998
【弁理士】
【氏名又は名称】碓氷 裕彦
(72)【発明者】
【氏名】兼子 史聖
(72)【発明者】
【氏名】菅野 正
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 裕
(72)【発明者】
【氏名】久田 昌弘
【審査官】藤森 一真
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-141565(JP,A)
【文献】特開2013-047539(JP,A)
【文献】特開2015-132386(JP,A)
【文献】実開平01-076359(JP,U)
【文献】実開昭63-142249(JP,U)
【文献】特開2006-010228(JP,A)
【文献】実開昭48-114329(JP,U)
【文献】実開昭60-143970(JP,U)
【文献】実開昭63-146270(JP,U)
【文献】実開平03-007983(JP,U)
【文献】特開2004-314746(JP,A)
【文献】特開2019-002308(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60S 1/48 - 1/52
F16K 11/00 - 11/24
F16K 31/06 - 31/11
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通電時に励磁するコイルと、
このコイルの通電時磁気回路内に配置される磁性材製のコアと、
前記コイルの通電時磁気回路内にこのコアと磁気間隙を介して対向配置されるプランジャと、
このプランジャとともに移動する弁体と、
常に作動流体が流入する流入通路、常に作動流体が流出する流出通路、前記流入通路とこの流出通路との間に形成され前記弁体が当接するノーマルクローズ弁座、このノーマルクローズ弁座をバイパスして前記流入通路と前記流出通路とを結ぶ圧力逃がし通路とを有するバルブボディと、
前記弁体を前記ノーマルクローズ弁座側に押圧するノーマルクローズ圧縮バネと、
前記バルブボディ内前記圧力逃がし通路を開閉するように配置され、前記流出通路内の作動流体の圧力が前記流入通路内の作動流体の圧力より低いとき、同等のとき、および所定の逃がし圧力未満の圧力差で高いとき前記圧力逃がし通路を閉じ、前記流出通路内の作動流体の圧力が前記流入通路内の作動流体の圧力より前記逃がし圧力以上の圧力差で高いとき前記圧力逃がし通路を開く圧力逃がし弁とを備え、
作動流体は、液体であり、
前記ノーマルクローズ圧縮バネは、前記流出通路内の圧力が前記流入通路内の圧力より大きいときもその圧力差に抗して自身の押圧力で前記弁体を前記ノーマルクローズ弁座に押し付け、
前記逃がし圧力は前記ノーマルクローズ圧縮バネの押圧力より低い
ことを特徴とする電磁弁。
【請求項2】
通電時に励磁するコイルと、
このコイルの通電時磁気回路内に配置される磁性材製のコアと、
前記コイルの通電時磁気回路内にこのコアと磁気間隙を介して対向配置されるプランジャと、
このプランジャとともに移動する弁体と、
常に作動流体が流入する流入通路、常に作動流体が流出する流出通路、前記流入通路とこの流出通路との間に形成され前記弁体が当接するノーマルクローズ弁座、このノーマルクローズ弁座をバイパスして前記流入通路と前記流出通路とを結ぶ圧力逃がし通路とを有するバルブボディと、
前記弁体を前記ノーマルクローズ弁座側に押圧するノーマルクローズ圧縮バネと、
前記バルブボディ内に前記圧力逃がし通路を開閉するように配置され、前記流出通路内の作動流体の圧力が前記流入通路内の作動流体の圧力より低いとき、同等のとき、および所定の逃がし圧力未満の圧力差で高いとき前記圧力逃がし通路を閉じ、前記流出通路内の作動流体の圧力が前記流入通路内の作動流体の圧力より前記逃がし圧力以上の圧力差で高いとき前記圧力逃がし通路を開く圧力逃がし弁とを備え、
前記流出通路は、ノーマルクローズ流出通路とノーマルオープン流出通路との二つであり、
前記バルブボディには、前記流入通路と前記ノーマルクローズ流出通路との間に形成される前記ノーマルクローズ弁座と、前記流入通路と前記ノーマルオープン流出通路との間に形成されるノーマルオープン弁座が形成され、
前記ノーマルオープン弁座側に前記弁体を押圧するノーマルオープン圧縮バネを備え、
作動流体は、液体であり、
前記逃がし圧力は前記ノーマルクローズ圧縮バネの押圧力より低い
ことを特徴とする電磁弁。
【請求項3】
前記圧力逃がし通路の通路断面積は、前記流入通路及び前記流出通路の通路断面積に比べて小さい
ことを特徴とする請求項1もしくは2記載の電磁弁。
【請求項4】
前記圧力逃がし弁は、前記圧力逃がし通路に形成された圧力逃がし弁座と、この圧力逃がし弁座の前記流入通路側に配置される圧力逃がし弁体と、この圧力逃がし弁体を前記圧力逃がし弁座側に押圧する圧力逃がしバネとを備える
ことを特徴とする請求項1ないし3いずれか記載の電磁弁。
【請求項5】
前記圧力逃がし通路は円管状であり、
前記圧力逃がし弁体はこの円管状の前記圧力逃がし通路内を摺動する円柱状であり、
この円柱状の前記圧力逃がし弁体の周面に圧力逃がし溝が形成されている
ことを特徴とする請求項4記載の電磁弁。
【請求項6】
前記圧力逃がし弁は、先端にスリットを形成したダックビルバルブであり、
前記流出通路内の作動流体の圧力が前記流入通路内の作動流体の圧力より低いとき、同等のとき、および所定の逃がし圧力未満の圧力差で高いとき前記スリットを閉じ、前記流出通路内の作動流体の圧力が前記流入通路内の作動流体の圧力より前記逃がし圧力以上の圧力差で高いとき前記スリットを開く
ことを特徴とする請求項1ないし3いずれか記載の電磁弁。
【請求項7】
前記電磁弁は、作動流体のタンクと、このタンクから作動流体を吸引して高圧の作動流体を吐出するポンプと、このポンプからの作動流体が流れる配管と、この配管に配置され前記配管内の作動流体の圧力が解放圧力以上のとき前記配管を開き、前記配管内の作動流体の圧力が前記解放圧力未満のとき前記配管を閉じるストップ弁と共に用いられ、
前記電磁弁は、前記配管の前記ポンプと前記ストップ弁の間に配置され、
かつ、前記ストップ弁の前記解放圧力より、前記圧力逃がし弁の前記逃がし圧力の方が小さい
ことを特徴とする請求項1ないし6いずれか記載の電磁弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、作動流体の流路を開閉する電磁弁及び電磁弁を用いた作動流体の制御装置に関し、例えば、ウォッシャー液の流路の制御に用いて好適である。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電磁弁を用いてウォッシャー液の流路を切り替え、電磁弁に通電されない状態ではウィンドガラスに流れるようにし、通電時にはリアカメラに流れるようにする技術が開示されている。
【0003】
特許文献1には開示がないが、図1に示すように、ウォッシャー液を噴出するノズル100の手前には、一定圧で開くストップ弁101を用いることがある。ストップ弁101により、ウォッシャー液は配管102内に閉じ込められ、次回作動時の応答性を向上させることができるからである。なお、図1の110はウォッシャー液のタンクであり、120はウォッシャー液を高圧で吐出するポンプ、200は電磁弁である。
【0004】
特許文献1に示すような電磁弁を、図1に示す配管102で用いた場合には、電磁弁200に通電されない状態で閉じている配管(以下ノーマルクローズ配管102a)内のウォッシャー液は、電磁弁とストップ弁101との間に閉じ込められる。
【0005】
そのため、配管102の温度が上昇すると、ノーマルクローズ配管102a内の空気やウォッシャー液が膨張し、内圧が上昇する。そして、特許文献1の電磁弁はノーマルクローズ配管がリアカメラに接続されているので、内圧の上昇がストップ弁101の設定された解放圧力より高くなると、ストップ弁101が開いてウォッシャー液がリアカメラに垂れるという懸念がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2014-66309号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本開示は、上記点に鑑み、ノーマルクローズ配管内で作動流体の圧力が上昇しても、意図せぬ作動流体の流出を防ぐことを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の第1は、通電時に励磁するコイルと、このコイルの磁気回路内に配置されるコアと、コイルの磁気回路内にこのコアと磁気間隙を介して対向配置されるプランジャと、このプランジャとともに移動する弁体と、弁体をノーマルクローズ弁座側に押圧するノーマルクローズ圧縮バネとを備えている。コイルの通電によるコイル励磁力で弁体の移動を行う電磁弁で、非通電時はノーマルクローズ弁座が弁体によって閉じられる。
【0009】
また、常に作動流体が流入する流入通路、常に作動流体が流出する流出通路、流入通路と流出通路との間に形成され弁体が当接するノーマルクローズ弁座、このノーマルクローズ弁座をバイパスして流入通路と流出通路とを結ぶ圧力逃がし通路とを有するバルブボディも備えている。第1の開示では、ノーマルクローズ弁座が閉じている際にも、圧力逃がし通路によって流入通路と流出通路とを連通させることが可能である。
【0010】
かつ、第1の開示は、バルブボディ内圧力逃がし通路を開閉するように圧力逃がし弁を配置している。この圧力逃がし弁は、流出通路内の作動流体の圧力が流入通路内の作動流体の圧力より低いとき、同等のとき、および所定の逃がし圧力未満の圧力差で高いとき圧力逃がし通路を閉じる。そして、流出通路内の作動流体の圧力が流入通路内の作動流体の圧力より逃がし圧力以上の圧力差で高いとき、圧力逃がし弁は圧力逃がし通路を開く。また、作動流体は、液体である。
【0011】
第1の開示では、ノーマルクローズ圧縮バネは、流出通路内の圧力が流入通路内の圧力より大きいときもその圧力差に抗して自身の押圧力で弁体をノーマルクローズ弁座に押し付けるようになっている。即ち、ノーマルクローズ圧縮バネの押圧力は圧力逃がし弁の逃がし圧力と同じ方向に加わるようになっており、かつ、逃がし圧力はノーマルクローズ圧縮バネの押圧力より低く設定されている。これにより、圧力逃がし弁を開くことで、流出通路内の作動流体の圧力が所定の逃がし圧力以上高くなるのを防止することができる。
【0012】
本開示の第2は、流出通路として、ノーマルクローズ流出通路とノーマルオープン流出通路との二つを備えている。そして、バルブボディには、ノーマルクローズ弁座と、ノーマルオープン弁座が形成されている。
【0013】
第2の開示では、コイルの通電時に流入通路からの作動流体をノーマルクローズ流出通路に流し、コイル非通電時には作動流体をノーマルオープ流出流路に流す。これにより、コイルの通電、非通電で作動流体の流れを切り替えることができる。
【0014】
本開示の第3は、圧力逃がし通路の通路断面積が、流入通路及び流出通路の通路断面積に比べて小さくなっている。圧力逃がし通路は圧力の解放が可能であればよく、作動流体を多量に流す必要がない。通路断面積を小さくすることで、バルブボディの小型化が図れる。
【0015】
本開示の第4は、圧力逃がし弁の構造に関する。圧力逃がし弁は、圧力逃がし通路に形成された圧力逃がし弁座と、この圧力逃がし弁座の流入通路側に配置される圧力逃がし弁体と、この圧力逃がし弁体を圧力逃がし弁座側に押圧する圧力逃がしバネとを備えている。圧力逃がし弁体を圧力逃がし弁座に押圧するというシンプルな構造で、圧力逃がしが可能となる。
【0016】
本開示の第5も圧力逃がし弁の構造に関する。圧力逃がし通路が円管状であり、圧力逃がし弁体はこの円管状の圧力逃がし通路内を摺動する円柱状であり、かつ、この円柱状の圧力逃がし弁体の周面に圧力逃がし溝が形成されている。
【0017】
圧力逃がし弁体が圧力逃がし通路によってガイドされるので、圧力逃がし弁体の移動をスムーズにすることができる。圧力逃がし弁体が圧力逃がし弁座より離れた状態では、圧力逃がし溝で作動流体の圧力を解放することができる。
【0018】
本開示の第6も、圧力逃がし弁の構造に関する。圧力逃がし弁として、先端にスリットを形成したダックビルバルブを用いる。よりシンプルな構造で圧力逃がし弁を構成することができる。
【0019】
本開示の第7は、電磁弁を用いた作動流体の制御装置である。即ち、電磁弁は、作動流体のタンクと、このタンクから作動流体を吸引して高圧の作動流体を吐出するポンプと、このポンプからの作動流体が流れる配管と、この配管に配置され配管内の作動流体の圧力が解放圧以上のとき配管を開き、解放圧力未満のとき配管を閉じるストップ弁と共に用いている。かつ、電磁弁は、配管のポンプとストップ弁との間に配置されている。
【0020】
そして、ストップ弁の解放圧力より、電磁弁の圧力逃がし弁の逃がし圧力の方が小さくなるように設定している。第7の制御装置では、配管内の作動流体の圧力を常に解放圧力未満とすることができ、意図しない状態で作動流体がストップ弁から漏れ出ることが防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】電磁弁の配管構成を説明する図である。
図2】第1実施形態の電磁弁の断面図である。
図3図2図示電磁弁の斜視図である。
図4図2のA―A線に沿う断面図である。
図5図2図示弁体の斜視図である。
図6図2図示弁体の上面図である。
図7図2図示圧力逃がし弁体の斜視図である。
図8図2図示圧力逃がし弁体の上面図である。
図9】第2実施形態の電磁弁の断面図である。
図10】第3実施形態の電磁弁の断面図である。
図11図10図示ダックビルバルブの斜視図である。
図12】第4実施形態の電磁弁の断面図である。
図13図12のB-B線に沿う断面図である。
図14】第5実施形態の電磁弁の断面図である。
図15】第6実施形態の電磁弁の断面図である。
図16】第7実施形態の電磁弁の断面図である。
図17】第8実施形態の電磁弁の断面図である。
図18】電磁弁の他の配管構成を説明する図である。
図19】第9実施形態の電磁弁の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
(第1実施形態)
第1実施形態は、図1に示すように配管102を配置した作動流体の制御装置であり、電磁弁200として流路の切り替えを行う三方弁を用いている。ノーマルクローズ配管102aのノズル100はリアウィンドガラス130対向し、ウォッシャー液をリアウィンドガラス130に噴出する。ノーマルオープン配管102bのノズルは、ウォッシャー液をカメラ131に噴出する。特許文献1と異なり、本開示では、電磁弁200の非通電時には、ポンプ120からのウォッシャー液がカメラ131に吹き付けられる。これは、使用頻度がカメラ131の方がリアウィンドガラス130より多いためである。
【0023】
図2ないし図4に示すように、電磁弁200は樹脂製のコイルボビン204の周囲に銅線からなるコイル205が多数回巻装されている。コイルボビン204の内周にはスリーブ210を介してステータ211が配置される。なお、スリーブ210は非磁性材で、例えばSUS304が用いられる。一方、ステータ211は磁性材で、例えばSUS430が用いられる。
【0024】
また、コイルボビン204の外周は樹脂製の外郭220によって覆われている。外殻220は、コネクタ202と一体に形成されている。コネクタ202内には一対の端子221が埋込成形されており、一対の端子221はコイル205のプラス側及びマイナス側にそれぞれ接続している。
【0025】
コイルボビン204の内側には、磁性材製のコア206が配置されている。コア206は上端が閉じた円筒形状をしており、開口端部はテーパ形状をしている。
【0026】
このコア206のテーパ形状部と対向してプランジャ209が配置されている。プランジャ209は円柱形状で、上端はコア206のテーパ形状に対応するテーパ形状となっている。プランジャ209はテーパ形状の上端に連続して肩部209aを有しており、この肩部209aにワッシャ208が係合している。ワッシャ208は、例えばSUS304等の非磁性材料で、磁性材製のコア206とプランジャ209が通電終了後の残留磁力によって吸引したままとなるのを防止する。なお、プランジャ209はステータ211の円筒状部211aによってガイドされ、図2の上下方向に移動する。
【0027】
コア206内には、プランジャ209をコア206から引き離す方向に付勢するノーマルクローズ圧縮バネ207が配置される。コイルボビン204の外郭220の更に外周に、ヨーク201が配置される。ヨーク201は磁性材の鋼製で、コイル205通電時に、このヨーク201とコア206、プランジャ209及びステータ211によって磁気回路が形成される。
【0028】
以上の構成によって、電磁部230が構成される。この電磁部230はOリング213を介して流路部240と結合する。流路部240は、バルブボディからなり、バルブボディは、アッパボディ212とロアボディ219とに分かれる。
【0029】
アッパボディ212には、ポンプ120からの高圧のウォッシャー液が流入する流入通路222と、カメラ131に向かうノーマルオープン配管102bと接続されるノーマルオープン流出通路223が形成されている。流入通路222及びノーマルオープン流出通路223の端部の外周は、配管102の接続が容易になるようテーパ形状となっている。テーパ形状の端部には肩部224が形成され、配管102の抜け止めを図っている。
【0030】
アッパボディ212には弁室225が形成されており、弁室225は連通穴226を介して流入通路222と連通している。弁室225は、また、ノーマルオープン弁座227を介してノーマルオープン流出通路223と連通している。
【0031】
アッパボディ212の上部には、電磁部230との接続部241が形成されている。接続部241は円管形状で、内部にプランジャ209が配置される。また、接続部241の上部は広がって、Oリング213を受ける面242を形成すると共に、ヨーク201と係止する肩部243を形成する。
【0032】
ロアボディ219には、リアウィンドガラス130に向かうノーマルクローズ配管102aと接続されるノーマルクローズ流出通路228が形成されている。端部がテーパ形状となり、肩部224が形成されるのは、上述の流入通路222と同様である。このノーマルクローズ流出通路228と、流入通路222及びノーマルオープン流出通路223は共に内径が3ミリメートル程度の大きさである。
【0033】
ロアボディ219には、弁室225に突出する円筒状のノーマルクローズ弁座229が形成されている。ノーマルオープン弁座227とノーマルクローズ弁座229との間の弁室225に球状の弁体214が配置される。なお、ノーマルオープン弁座227とノーマルクローズ弁座229とはテーパ形状であり、ともに内径は5ミリメートル弱である。
【0034】
弁体214は、図5及び図6に示すように、直径が7ミリメートル強の球状であり、赤道部分に円環状のバネ受け214aが1ミリメートル弱突出している。弁体214は、バネ受け214aと共に耐水性ゴムにより一体成形され、表面にコーティングがされている。このゴム材料は、Oリング213と同様である。コーティング材料は、フッ素やモリブデンといったゴムの表面融解防止や弁体と相手弁座の着座性を向上させる物質である。
【0035】
円筒状のノーマルクローズ弁座229の外周には、ノーマルオープン圧縮バネ231が配置されている。このノーマルオープン圧縮バネ231の内径はノーマルクローズ弁座229の外径より多少大きく、ノーマルクローズ弁座229によって保持されている。そして、このノーマルオープン圧縮バネ231は、弁体214のバネ受け214aに係合して、弁体214をノーマルオープン弁座227側に付勢する。
【0036】
この結果、弁体214には、プランジャ209を介して受けるノーマルクローズ圧縮バネ207の付勢力とノーマルオープン圧縮バネ231の付勢力の双方が加わることとなる。ここで、ノーマルオープン圧縮バネ231の付勢力に比して、ノーマルクローズ圧縮バネ207の付勢力は充分に大きいので、コイル205の非通電時には、弁体214はノーマルクローズ弁座229に押し付けられ、ノーマルクローズ流出通路228を閉じる。
【0037】
ロアボディ219には、ノーマルクローズ弁座229をバイパスして流入通路222とノーマルクローズ流出通路228とを結ぶ圧力逃がし通路232が形成されている。また、アッパボディ212にも、圧力逃がし通路232が形成されている。圧力逃がし通路232の内径は2ミリメートル程度である。
【0038】
アッパボディ212には、この圧力逃がし通路232を開閉する圧力逃がし弁233が配置されている。圧力逃がし弁233は、圧力逃がし弁座218と、圧力逃がし弁体217と、圧力逃がしバネ216からなる。圧力逃がし弁座218は、弁体214と同様の表面にフッ素コーティングしたゴム材料製で、アッパボディ212とロアボディ219とで挟持される。
【0039】
圧力逃がし弁体217は樹脂製で、円柱形状をしており、アッパボディ212に形成された圧力逃がしガイド234に沿って移動可能である。圧力逃がし弁体217の外径も、圧力逃がしガイド234の内径も共に5ミリメートル強である。
【0040】
圧力逃がし弁体217の外周には、図7及び図8に示すように、圧力逃がし溝217aが3か所形成されている。圧力逃がし溝217aは半径0.3ミリメートル程度の半円形である。圧力逃がし弁体217の上面には、圧力逃がしバネ216を受ける圧力逃がしバネ受け217bが、円柱状に突出形成されている。
【0041】
従って、圧力逃がしバネ216は、この圧力逃がしバネ受け217bとアッパボディ212の圧力逃がし通路232の下端に形成されたバネ受けによって挟持され、圧力逃がし弁体217を圧力逃がし弁座218側に押圧する。この圧力逃がしバネ216の設定圧力(逃がし圧力)は、5キロパスカル程度で、ストップ弁101の設定圧力(解放圧力)の半分程度である。
【0042】
次に、上記構造の電磁弁200の組み立て方法を説明する。
【0043】
まず、電磁部230を説明する。コイルボビン204の外周にコイル205を多数回巻装し、一対の端子221をコイル205の両端に接続し、その状態で、外殻220とコネクタ202とを樹脂でモールド成形する。樹脂としては、例えばポリフェニレンサルファイトを用いる。次いで、コイルボビン204の内周にスリーブ210を介してコア206とステータ211とを配設する。その後、外殻220の外周にヨーク201を配置する。
【0044】
アッパボディ212の上面242にOリング213を配置し、ヨーク201の下端をアッパボディ212の肩部243に向けてカシメる。カシメの状態を図4に示すが、コネクタ202が位置する部分を除いてヨーク201の全周でカシメを行う。
【0045】
このヨーク201のカシメによって、アッパボディ212の上端がステータ211の下端と当接し、Oリング213はステータ211の下端とアッパボディ212の上面242によって圧縮されて変形する。
【0046】
流路部240は、アッパボディ212の圧力逃がしガイド234に圧力逃がしバネ216と圧力逃がし弁体217を配置する。その後、圧力逃がしガイド234の開口部に圧力逃がし弁座218を配置する。また、ノーマルオープン弁座227上に弁体214を配置し、ノーマルオープン圧縮バネ231をバネ受け214aに当たるように配置する。
【0047】
その状態で、アッパボディ212のフランジ212aとロアボディ219のフランジ219aとを当接させて、両者間を溶着する。
【0048】
本開示によれば、電磁部230を組み立てた後に流路部240を組み立てているので、アッパボディ212以降の部品形状を選択でき、電磁部230の共通化を図ることができる。第2実施形態以降で説明するが、流路部240は、流入通路222やノーマルオープン流出通路223、ノーマルクローズ流出通路228の方向を変更する場合がある。更には、ノーマルオープン流出通路223を廃止して2方弁とする場合もある。このように流路部240が変更されても、電磁部230は同一のものを共通使用することが可能である。
【0049】
次に、本開示の電磁弁200の作動を説明する。
【0050】
ノズル100からカメラ131に向けてウォッシャー液を噴出する際には、電磁弁200には通電しない。そのため、弁体214はノーマルクローズ圧縮バネ207の付勢力をプランジャ209を介して受けて、ノーマルクローズ弁座229を閉じている。
【0051】
ポンプ120の運転を開始すると、配管102を介して高圧のウォッシャー液が電磁弁200に送られる。送られたウォッシャー液は流入通路222に流入し、次いで、連通穴226、弁室225、ノーマルオープン弁座227を介してノーマルオープン流出通路223より流出する。
【0052】
電磁弁200のウォッシャー液はノーマルオープン配管102b介してノズル100より噴射される。ウォッシャー液の圧力は400キロパスカル程度まで上がるので、ストップ弁101の解放圧力(10キロパスカル程度)はほとんど問題とならない。
【0053】
カメラ131の洗浄が終了すると、ポンプ120を停止させる。ポンプ停止に伴い配管102内の圧力は大気圧となるので、配管102はストップ弁101によって閉じられる。ストップ弁101が閉じることで、噴射終了の液切れを良くすることができる。かつ、配管102内にウォッシャー液を貯めることができ、次回作動時の応答性を良くすることができる。
【0054】
リアウィンドガラス130にウォッシャー液を噴射する際には、電磁弁200に通電する。通電によりコイル205が励磁し、ヨーク201、コア206、プランジャ209、ステータ211に磁気回路が形成される。コア206のテーパ形状部とプランジャ209のテーパ形状部との間の磁気間隙が磁力によって狭まり、プランジャ209はノーマルクローズ圧縮バネ207の圧縮力に反してコア206側に移動する。
【0055】
プランジャ209の移動に伴い、弁体214はノーマルオープン圧縮バネ231によって押し上げられて、ノーマルオープン弁座227を閉じる。なお、電磁弁200の以上の動作は、ポンプ120の運転開始前に行われる。そのため、弁体214にはポンプ120からの高圧ウォッシャー液圧力は加わっておらず、弁体214の移動が妨げられることはない。
【0056】
かつ、弁体214は球状をしており、ノーマルオープン弁座227も弁体214に対応したテーパ形状であるので、ノーマルオープン圧縮バネ231の伸長に伴い多少ずれたとしても、ノーマルオープン弁座227を確実にシールすることができる。特に、弁体214はゴム製であるので、自身の弾力性でノーマルオープン弁座227に密着でき、シール性を一層高めることができる。
【0057】
電磁弁200に通電して流路の切替を行った後に、ポンプ120の運転を開始する。ポンプ120からの高圧のウォッシャー液は流入通路222に流入し、次いで、連通穴226、弁室225、ノーマルクローズ弁座229を介してノーマルクローズ流出通路228より流出する。流出したウォッシャー液は、ノーマルクローズ配管102aからストップ弁101を介してノズル100よりリアウィンドガラス130に噴射される。
【0058】
リアウィンドガラス130の洗浄が終了すると、ポンプ120の運転を停止し、ノーマルクローズ配管102aの圧力がストップ弁101の解放圧力以下に下がるとストップ弁101も閉じる。かつ、電磁弁200への通電も終了する。コア206とプランジャ209との間に非磁性材製のワッシャ208が介在しているので、通電終了と共に、ノーマルクローズ圧縮バネ207によりプランジャ209は押し下げられる。
【0059】
ノーマルクローズ圧縮バネ207の付勢力の方がノーマルオープン圧縮バネ231の付勢力より大きいので、弁体214はノーマルクローズ弁座229に押し付けられる。ノーマルクローズ弁座229も弁体214の球形に対応したテーパ形状であるので、上記のノーマルオープン弁座227と同様、確実にシールすることができる。
【0060】
このように、本開示によれば、弁体214を球状にし、ノーマルオープン弁座227及びノーマルクローズ弁座229のテーパ形状内に収まるように配置しているので、弁体214用のガイドを設ける必要がなく、弁体214の組付けが容易となる。即ち、ノーマルオープン圧縮バネ231やウォッシャー液流れの影響で弁体214の軸芯が多少ずれたとしても、弁体214のずれはオープン弁座227及びノーマルクローズ弁座229の範囲内であるので、ノーマルクローズ圧縮バネ207やウォッシャー液圧力によってオープン弁座227若しくはノーマルクローズ弁座229に押し付けられる。そして、オープン弁座227及びノーマルクローズ弁座229は共にテーパ形状しているので、テーパ形状によって案内されて、弁体214はその全周でオープン弁座227若しくはノーマルクローズ弁座229と当接することとなる。
【0061】
ポンプ120の運転が終了した状態で周囲温度が上昇すると、配管102内のウォッシャー液や空気が膨張する。ノーマルオープン配管102bはストップ弁101によって閉じられていても、ノーマルオープン弁座227が開いているため、圧力はポンプ120側に解放されて高くなることはない。しかし、ノーマルクローズ配管102aは、ノーマルクローズ弁座229とストップ弁101の双方が閉じているため、ノーマルクローズ配管102a内にウォッシャー液が閉じ込められることとなる。そのため、ウォッシャー液や空気の膨張によりノーマルクローズ配管102a内の圧力が上昇する恐れがある。
【0062】
圧力がストップ弁101の解放圧力以上となれば、ノーマルクローズ配管102a内のウォッシャー液がノズル100からリアウィンドガラス130に垂れ出る恐れもある。しかしながら、本開示では、圧力逃がし弁233が開いて圧力を解放するので、ウォッシャー液の漏洩は確実に阻止できる。
【0063】
ノーマルクローズ配管102a内の圧力が逃がし圧力より高くなれば、圧力逃がしバネ216の付勢力に打ち勝って圧力逃がし弁体217を持ち上げる。その結果、圧力逃がし弁座218が開き、圧力逃がし通路232が開かれる。ノーマルクローズ流出通路228は、圧力逃がし弁体217の圧力逃がし溝217a、圧力逃がしガイド234を介して、流入通路222と連通する。
【0064】
そして、圧力逃がし弁233の逃がし圧力は、ストップ弁101の解放圧力の半分程度であるので、ストップ弁101が開く前に、圧力逃がし弁233が開いて、ノーマルクローズ配管102a内の圧力上昇を抑えることができる。
【0065】
ここで、圧力逃がし通路232は、閉じ込められたウォッシャー液の圧力を解放するものであるので、圧力逃がし通路232内をウォッシャー液が多量に流れるものではない。従って、圧力逃がし溝217aのように流路断面積が小さい部分があっても、作動に不良は生じない。図7図8では圧力逃がし溝217aを3か所形成したが、これは軸芯周りに対称形状としてバランスを図ったものであり、流路断面積では圧力逃がし溝217aの数は1つでよい。
【0066】
また、圧力逃がし弁体217はガイド234によって保持されているので、圧力逃がしバネ216の設定圧が小さくても、圧力逃がし弁座218との間のシールは確実になされる。
【0067】
(第2実施形態)
第2実施形態では、図9に示すように、圧力逃がし弁座218を特別な部材ではなく、ロアボディ219の上面に形成している。ロアボディ219はポリフェニレンサルファイト等の樹脂製であるので、圧力逃がし弁体217をゴム材料製としてシール性を確保している。即ち、第2実施形態の圧力逃がし弁体217は、第1実施形態の圧力逃がし弁座218と同様の表面にコーティング処理を行ったゴム材料製にしている。
【0068】
(第3実施形態)
第3実施形態では、図10に示すように、圧力逃がし弁233として、ダックビルバルブを用いている。ダックビルバルブは、図11に示すように、上端部分にテーパ部244を形成して、先細りとなった円筒形状をしており、先端にスリット245を形成している。かつ、ダックビルバルブはゴム材料でできている。
【0069】
そのため、流入通路222の圧力がノーマルクローズ流出通路228の圧力より高い時は、テーパ部244に圧力を受けて、スリット245は閉じる。逆に、ノーマルクローズ流出通路228の圧力が高くなれば、スリット245を開いてウォッシャー液を流入通路222側に逃がし圧力の上昇を防ぐことができる。
【0070】
また、第3実施形態では、ノーマルクローズ流出通路228を、流入通路222やノーマルオープン流出通路223と並行に形成している。配管102の取り回しに自由度を持たせている。
【0071】
更に、第3実施形態では、弁体214を円盤状にしてプランジャ209と一体に形成している。弁体214の上面には、ノーマルオープン弁座227と当接してシールを保つゴム材料製のシール部材246が配置され、下面には、ノーマルクローズ弁座229と当接してシールを保つゴム材料製のシール部材247が配置されている。弁体214をプランジャ209と一体に形成したため、第1実施形態や第2実施形態で用いたノーマルオープン圧縮バネ231は廃止している。
【0072】
(第4実施形態)
図12及び図13に示すように、第4実施形態では圧力逃がし通路232を弁室225に開口させている。即ち、ガイド234の一部が開いて弁室225と連通している。弁室225は、ノーマルクローズ弁座229より流入通路222側に形成されるので、ノーマルクローズ流出通路228側の圧力が逃がし圧力以上に高くなった際には、圧力逃がし弁233が開いて流入通路222側に圧力を解放することができる。
【0073】
第4実施形態も、第3実施形態と同様、弁体214を円盤状としている。ただ、第3実施形態では弁体214をプランジャ209と一体形成したのに対し、第4実施形態では弁体214をリング状としてプランジャ209にカシメ固定している。
【0074】
また、第4実施形態では圧力逃がし通路232を流入通路222に開口させる必要がないので、流入通路222は図12の断面位置より紙面奥側に位置させている。かつ、ノーマルオープン流出通路223も図12の紙面奥方向に位置して、ノーマルオープン流出通路223が流入通路222に対して直交する形状としている。このようにすることで、配管102の取り回し自由度を高めている。
【0075】
(第5実施形態)
第5実施形態では、図14に示すように、圧力逃がし弁233のガイド234をロアボディ219に形成している。そして、圧力逃がし通路232をノーマルクローズ弁座229に開口させ、ガイド234は弁室225に開口させている。そして、圧力逃がし弁座218をロアボディ219の圧力逃がし通路232周囲に形成して、圧力逃がし弁体217及び圧力逃がしバネ216を水平方向に配置している。
【0076】
作動は第4実施形態と同様で、ノーマルクローズ流出通路228側の圧力が流入通路222側の圧力より逃がし圧力以上高くなると、ノーマルクローズ流出通路228内のウォッシャー液が、圧力逃がし通路232、ガイド234及び弁室225を経て、流入通路222側に流れ、圧力の解放を行う。
【0077】
(第6実施形態)
上述の実施形態では、流入通路222をアッパボディ212に形成していたが、第6実施形態は、図15に示すように、流入通路222をロアボディ219に形成している。そのため、圧力逃がし通路232も全てロアボディ219で形成される。252は、圧力逃がし通路232を閉じる密栓である。
【0078】
第6実施形態では、ガイド234が水平方向に形成され、圧力逃がし弁座218はロアボディ219のノーマルクローズ流出通路228の周囲に形成される。ガイド234に圧力逃がし弁体217及び圧力逃がしバネ216が挿入された後、ガイド234はバネ受けを兼ねたストッパ251で閉じられる。
【0079】
なお、第6実施形態では、圧力逃がし弁体217は球状である。また、弁体214は、第3実施形態と同様プランジャ209に一体成形されている。そして、第6実施形態では、アッパボディ212とロアボディ219とをフランジを用いずに溶着している。
【0080】
(第7実施形態)
第7実施形態は、図16に示すように、圧力逃がし弁座218とガイド234とをロアボディ219に形成している。そして、圧力逃がし弁体217を球状とし、圧力逃がし弁体217にはバネ受け253を介して圧力逃がしバネ216の付勢力が加わる。また、圧力逃がしバネ216の他方の端部はアッパボディ212により支持される。
【0081】
第6実施形態と同様に、圧力逃がし弁233をロアボディ219に配置しているが、密栓252やストッパ251を用いない構造である。
【0082】
(第8実施形態)
第8実施形態も、図17に示すように、圧力逃がし弁座218とガイド234とをロアボディ219に形成している。第8実施形態では、圧力逃がし弁体217を先端が丸くなった筒状とし、側面に圧力逃がし溝217aを形成している。
【0083】
また、圧力逃がし弁体217の後端には、圧力逃がしバネ216のバネ受けとなる肩部217bが形成されている。圧力逃がしバネ216の他方の端部は、第7実施形態と同様、アッパボディ212により支持される。
【0084】
(第9実施形態)
上述の実施形態は、流出通路としてノーマルクローズ流出通路228とノーマルオープン流出通路223とを備える三方弁であったが、第9実施形態は流出通路がノーマルクローズ流出通路228のみのオンオフ二方弁である。図19に第9実施形態を示すが、ノーマルオープン流出通路223を省いた点を除き、電磁弁200の構造は第1実施形態と同様である。
【0085】
二方弁は、図18に示すように、ノーマルクローズ配管102aが複数ある作動流体の制御装置に用いると効果的である。ウォッシャー液で洗浄すべきセンサが複数存在するような事例である。なお、図18では、一つの配管102をノーマルオープン配管102bとして、ポンプ120の作動時にはウォッシャー液が常時ノズル100に流れるようにしているが、このノーマルオープン配管102bを廃止してもよい。逆に、ノーマルオープン配管102bを複数としてもよい。
【0086】
また、図18ではノーマルクローズ配管102aを4本としているが、この本数は用途に応じて増減し、1本とすることも可能である。
【0087】
(他の実施形態)
以上の実施形態では、アッパボディ212とロアボディ219とを溶着したが、ボルト固定やクリップ止め等他の固定方法を用いても良い。
【0088】
また、バルブボディはアッパボディ212とロアボディ219との2部材で構成する構造に限らない。3部材以上で構成してもよい。
【0089】
また、作動流体としてウォッシャー液を用いたが、水やオイル等他の液体を作動流体としてもよい。
【0090】
この明細書および図面等における開示は、例示された実施形態に制限されない。開示は、例示された実施形態と、それらに基づく当業者による変形態様を包含する。
【符号の説明】
【0091】
102a・・・ノーマルクローズ配管
102b・・・ノーマルオープン配管
205・・・コイル
206・・・コア
207・・・・ノーマルクローズ圧縮バネ
209・・・プランジャ
214・・・弁体
222・・・流入通路
223・・・ノーマルオープン流出通路
227・・・ノーマルオープン弁座
228・・・ノーマルクローズ流出通路
229・・・ノーマルクローズ弁座
231・・・ノーマルオープン圧縮バネ
232・・・圧力逃がし通路
233・・・圧力逃がし弁
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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図17
図18
図19