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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-14
(45)【発行日】2023-11-22
(54)【発明の名称】乗物用シート
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/90 20180101AFI20231115BHJP
   B60N 3/10 20060101ALI20231115BHJP
   A47C 7/62 20060101ALI20231115BHJP
【FI】
B60N2/90
B60N3/10 A
A47C7/62 A
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021143570
(22)【出願日】2021-09-02
(62)【分割の表示】P 2017198552の分割
【原出願日】2017-10-12
(65)【公開番号】P2021183495
(43)【公開日】2021-12-02
【審査請求日】2021-10-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000220066
【氏名又は名称】テイ・エス テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001379
【氏名又は名称】弁理士法人大島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】古田 将也
(72)【発明者】
【氏名】斎藤 翔子
(72)【発明者】
【氏名】パク ヒヒョク
(72)【発明者】
【氏名】大園 直樹
(72)【発明者】
【氏名】田中 将樹
【審査官】瀧本 絢奈
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-004871(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第10120201(DE,A1)
【文献】特開2000-201772(JP,A)
【文献】特開平03-074228(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 2/90
B60N 3/10
A47C 7/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートクッションと、
前記シートクッションの前方に設けられたオットマンと、
容器を収容すべく開口する収容凹部を備えた容器収容部材と、を有し、
前記オットマンは、前記シートクッションの前方において前方に延出し、乗員の足を支持可能な支持位置と、前記シートクッションの前方において垂下する収納位置とに変位可能であり、
前記シートクッションは、左右一対のサイドフレームを備え、
前記サイドフレームの一方には前記サイドフレームの前端に固定されて、前方に延出する支持フレームが設けられ、
前記支持フレームに前記容器収容部材が結合されることにより、前記容器収容部材は前記収納位置にある前記オットマンに、側面視で重なる位置にて前記サイドフレームに支持され
前記サイドフレームに支持され、且つ、前記サイドフレームの少なくとも前部を左右両側から覆うカバー部材を更に有し、
前記カバー部材の前部には前記容器収容部材を収容する貫通孔が設けられている乗り物用シート。
【請求項2】
前記支持フレームは、左右に間隔をおいて前後に延在し、且つ、後端において前記サイドフレームの前部に固定された一対の縦部と、前記縦部の前端を互いに接続する横部とを備えた支持ワイヤを含み、
前記容器収容部材は前記支持ワイヤに上側から結合している請求項1に記載の乗り物用シート。
【請求項3】
前記カバー部材は、前記サイドフレームの前記一方のシート外側に配置されたアウタカバーと、前記サイドフレームの前記一方のシート内側に配置されたインナカバーとを有し、
前記アウタカバー及び前記インナカバーそれぞれに設けられた切欠部によって、前記貫通孔が画定されている請求項1に記載の乗物用シート。
【請求項4】
前記容器収容部材は、前記貫通孔を画定する縁部の前記アウタカバー及び前記インナカバーの境界から前方に延びる仮想面に対して左右対称をなすように配置されている、請求項3に記載の乗物用シート。
【請求項5】
前記貫通孔を画定する前記縁部に設けられた加飾部材と、を更に備え、
前記貫通孔に前記容器収容部材が収容され、
前記加飾部材は前記縁部と、前記収容凹部の開口縁との間に設けられ、
前記加飾部材の少なくとも一部は、前記縁部と、前記収容凹部の開口縁とを覆い、且つ、前記容器収容部材に相対変位可能に結合している請求項4に記載の乗物用シート。
【請求項6】
前記収容凹部の開口縁は、前記収納位置にある前記オットマンの上端よりも下方に位置している請求項1~請求項4のいずれか1つの項に記載の乗物用シート。
【請求項7】
前記収容凹部の開口縁の前縁は、前記収納位置にある前記オットマンの後端よりも前方に位置している請求項1~請求項6のいずれか1つの項に記載の乗物用シート。
【請求項8】
前記収容凹部の開口縁の後縁は、前記収納位置にある前記オットマンの前縁よりも後方に位置している請求項1~請求項7のいずれか1つの項に記載の乗物用シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の内装部品の間に設けられる加飾部材に関する。
【背景技術】
【0002】
車両には、隣接する2つの内装部品の隙間を埋めるため、加飾部材が設けられることがある(例えば、特許文献1)。特許文献1の乗物用シートでは、リクライニングカバーと、電装品を操作するためのスイッチユニットとの間に加飾部材が設けられている。リクライニングカバーには開口が設けられ、その開口にスイッチユニットが挿入されている。加飾部材はその開口縁とスイッチユニットとの間には配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-94878号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
乗物用シートにカップホルダを設けるため、特許文献1と同様に、リクライニングカバーに貫通孔を設け、その貫通孔に飲料容器を受容するカップ状の容器収容部材を挿入することが考えられる。このとき、飲料容器を安定して支持するため、容器収容部材は乗物用シートのフレームに結合している。ライニングカバーの貫通孔の縁部と容器収容部材の開口縁部との間には、その隙間を埋める加飾部材が設けられる。
【0005】
しかしながら、衝突時の荷重によって、リクライニングカバーが変形すると、加飾部材がカバー部材及び容器収納容器から脱落する虞がある。
【0006】
本発明は、以上の背景に鑑み、2つの内装部品の間に設けられる加飾部材において、加飾部材の脱落を防止することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、車両に設けられた第1内装部品(6)及び第2内装部品(60)の間に設けられる加飾部材(110)であって、前記第1内装部品及び前記第2内装部品が共に前記車両に設けられたフレーム(40)に支持され、当該加飾部材が、前記第1内装部品の縁部及び前記第2内装部品の縁部を覆う遮蔽部(111)と、横方向に延在する板状の加飾部材板部(112)と、前記加飾部材板部の後方において、前記加飾部材板部の後側に間隔をおいて、横方向に延在する横部(113)とを備え、前記フレームが、基体(116)と、前記基体の前側に間隔をおいて上方に延出する係止片(117)と、前記係止片の前側に間隔をおいて下方に延出する抜止片(118)とを備え、前記係止片の上端は、前記抜止片の下端よりも上方に位置し、前記横部が前記係止片と前記基体との間に配置されたときに、上面視で前記横部の前方に前記抜止片が位置していることを特徴とする。
【0008】
この態様によれば、横部を係止片と基体との間に配置することによって、加飾部材のフレームに対する前後の移動を規制され、抜止片が設けられることによって、横部がフレームから抜けることが防止される。そのため、加飾部材がフレームから外れ難くなる。第1内装部品及び第2内装部品は共にフレームに支持されているため、加飾部材の第1内装部品及び第2内装部品からの脱落を防止することができる。
【0009】
上記の態様において、前記係止片の後面には、前記横部を支持する上向きの肩面(119)が形成されているとよい。
【0010】
この態様によれば、フレームによって加飾部材に加わる下方への荷重を支持されるため、加飾部材の下方への移動が規制される。
【0011】
上記の態様において、前記加飾部材板部には前記基体に向けて突出し、前記基体に当接する突起(121)が設けられているとよい。
【0012】
この態様によれば、突起と基体との間の摩擦によって、加飾部材のフレームに対する上下方向の移動を規制することができる。
【0013】
上記の態様において、前記フレームには、前記フレームには、前記係止片が左右に並んで一対設けられ、正面視で前記抜止片は前記係止片の間に配置されているとよい。
【0014】
この態様によれば、横部が2つの係止片にまたがって配置することによって、左右に離間した2つの係止片によって、基体に対する横部の前方への移動を規制することができる。よって、加飾部材の前後の移動をより確実に規制することができる。また、抜止片が係止片の間に配置されているため、抜止片によって横部のフレームからの脱落がより防止される。
【0015】
上記の態様において、前記フレームは乗物用シート(1)のシートクッション(2)を構成するサイドフレーム(11)に結合するブラケット(42)であって、前記第1内装部品は前記サイドフレームの少なくとも一部を覆い、且つ、貫通孔(108)を備えたカバー部材(6)であり、前記第2内装部品は前記貫通孔に挿入され、飲料容器を収容する凹部を備えた容器収容部材(60)であるとよい。
【0016】
この態様によれば、カバー部材と容器収容部材との間に脱落し難い加飾部材を設けることができる。
【0017】
上記の態様において、前記遮蔽部は前記貫通孔の縁部及び前記容器収容部材の開口縁部に沿う枠状をなすとよい。
【0018】
この態様によれば、遮蔽部が貫通孔の縁部及び容器収容部材の開口縁部に沿う形状をなすため、貫通孔の縁部及び容器収容部材の開口縁を覆うことができ、且つ、遮蔽部を簡素にすることができる。
【0019】
上記の態様において、前記貫通孔を画定する縁部には、複数の係止孔(102、107)が設けられ、前記遮蔽部には、前記係止孔に挿入される係止突起(115)が設けられているとよい。
【0020】
この態様によれば、遮蔽部を貫通孔の縁部に結合させることができる。
【0021】
上記の態様において、前記遮蔽部には、前記容器収容部材の開口縁部を変位可能に受容する溝(114)が設けられているとよい。
【0022】
この態様によれば、遮蔽部によって貫通孔の縁部及び容器収容部材の開口縁部を覆うことができ、容器収容部材とカバー部材との間の相対位置のずれに応じて、容器収容部材を変位させて、ずれを補償することができる。
【0023】
上記の態様において、フレームは更に、前記サイドフレームに結合する棒状部材(41)を備え、前記容器収容部材は、底面に下方に突出する左右一対の係止部(61)を有し、前記係止部はそれぞれ下方に開口して上方に凹む係止凹部(61D)を備え、前記棒状部材はそれぞれ、対応する前記係止凹部に収容されているとよい。
【0024】
この態様によれば、棒状部材を係止凹部に収容することによって、係止部のそれぞれが対応する棒状部材に嵌合する。これによって、容器収容部材を容易に棒状部材に結合させて、サイドフレームに支持させることができる。更に、棒状部材を係止凹部に収容することによって、容器収容部材のサイドフレームに対する移動を規制することができる。
【0025】
上記の態様において、前記係止部のそれぞれは、下方に突出する左右一対の壁部(61B)と、前記壁部の下端それぞれにおいて互いに対向する方向に突出する爪部(61C)とを有し、対をなす前記壁部は前記棒状部材を介して対向し、前記爪部は前記棒状部材の下側に位置しているとよい。
【0026】
この態様によれば、壁部を設けることによって、サイドフレームに対する容器収容部材の左右方向の移動を規制することでき、爪部を設けることによってサイドフレームに対する容器収容部材の上方への移動を規制することができる。
【発明の効果】
【0027】
上記の態様によれば、横部を係止片と基体との間に配置することによって、加飾部材のフレームに対する前後の移動を規制され、抜止片が設けられることによって、横部がフレームから抜けることを防止されて、加飾部材の脱落を防止することができる。
【0028】
上記の態様において、係止片の後面に肩面が形成されている態様によれば、フレームによって加飾部材に加わる下方への荷重を支持されるため、加飾部材の下方への移動が規制される。
【0029】
上記の態様において、加飾部材板部には基体に当接する突起が設けられている態様によれば、突起と基体との間の摩擦によって、加飾部材のフレームに対する上下方向の移動を規制することができる。
【0030】
上記の態様において、正面視で2つの係止片の間に抜止片が配置された態様によれば、抜止片によって横部のフレームからの脱落がより防止される。
【0031】
上記の態様において、カバー部材と容器収容部材との間にフレームに結合した加飾部材が設けられた態様によれば、加飾部材の脱落を防止することができる。
【0032】
上記の態様において、遮蔽部が貫通孔の縁部及び容器収容部材の開口縁部に沿う態様によれば、貫通孔の縁部及び容器収容部材の開口縁を覆うことができ、且つ、遮蔽部を簡素にすることができる。
【0033】
上記の態様において、貫通孔の縁部に係止孔が設けられ、遮蔽部に係止突起が設けられた態様によれば、遮蔽部を貫通孔の縁部に結合させることができる。
【0034】
上記の態様において、遮蔽部に容器収容部材の開口縁部を変位可能に受容する溝が設けられている態様によれば、遮蔽部によって貫通孔の縁部及び容器収容部材の開口縁部を覆うことができ、容器収容部材とカバー部材との間の相対位置のずれに応じて、容器収容部材を変位させて、ずれを補償することができる。
【0035】
上記の態様において、フレームは更に、サイドフレームに結合する棒状部材を備え、容器収容部材は、底面に下方に突出する左右一対の係止部を有し、係止部はそれぞれ下方に開口して上方に凹む係止凹部を備え、棒状部材はそれぞれ、対応する係止凹部に収容されている態様によれば、棒状部材を係止凹部に収容することによって、係止部のそれぞれが対応する棒状部材に嵌合する。これによって、容器収容部材を容易に棒状部材に結合させて、サイドフレームに支持させることができる。更に、棒状部材を係止凹部に収容することによって、容器収容部材のサイドフレームに対する移動を規制することができる。
【0036】
上記の態様において、係止部のそれぞれは、下方に突出する左右一対の壁部と、壁部の下端それぞれにおいて互いに対向する方向に突出する爪部とを有し、対をなす壁部は棒状部材を介して対向し、爪部は棒状部材の下側に位置している態様によれば、壁部を設けることによって、サイドフレームに対する容器収容部材の左右方向の移動を規制することでき、爪部を設けることによって、サイドフレームに対する容器収容部材の上方への移動を規制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】実施形態に係る乗物用シートの斜視図
図2】乗物用シートの下部の側面図
図3】乗物用シートのリクライニングカバー前端部分の拡大図
図4】サイドフレーム、及びサブフレームの斜視図
図5】サイドフレーム、及びサブフレームの下面図
図6】インナカバーの斜視図
図7】アウタカバーの斜視図
図8】カバー部材の斜視図
図9】加飾部材の斜視図
図10】容器収容部材の斜視図
図11図3のXI-XI断面図
図12図3のXII-XII断面図
図13図3のXIII-XIII断面図
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、図面を参照して、本発明に係る乗物用シートの実施形態について説明する。以下では、必要に応じて、車幅方向に関する方向として、着座した乗員に向く側をシート内側(内方)、乗員から離れる側をシート外側(外方)と記載する。
【0039】
<<全体構成>>
図1に示すように、乗物用シート1はミニバン等の自動車の2列目に配置されている。乗物用シート1は車体のフロアに公知のスライド機構を介して、前後に移動可能に支持されている。乗物用シート1は、自動車のフロアに設けられたシートクッション2と、シートクッション2の後部に支持されたシートバック3と、各シートバック3の上部に設けられたヘッドレスト4と、シートクッション2の前方に設けられたオットマン5とを有している。
【0040】
シートバック3は、公知のリクライニング機構R(図2参照)を介して、シートクッション2の後端に回動可能に結合している。オットマン5は扁平な直方体状に形成され、オットマン作動機構を介して、シートクッション2に接続している。オットマン5はオットマン作動機構によって、シートクッション2の前方に突出して、その主面がシートクッション2の座面に概ね連続し、載置された乗員の足を支持する支持位置(図1の破線)と、支持位置よりも後方に位置し、その主面が概ね前方を向く収納位置(図1の実線)との間で変位する。
【0041】
シートクッション2の左右側縁には、リクライニングカバー6が設けられている。リクライニングカバー6は、シートクッション2の左右前端から左右後端にまで前後に延在し、シートクッション2のリクライニング機構Rをシート外方から覆っている。リクライニングカバー6には、オットマン5を回動させるためのレバー(不図示)、シートバック3のシートクッション2に対する回動を調節するためのレバー(不図示)等が設けられている。
【0042】
車内側のリクライニングカバー6の前端にはカップホルダが設けられている。カップホルダは、ペットボトルや飲料缶等の飲料容器を収容すべく、前上方に向けて開口する収容凹部8を備えている。図2に示すように、収容凹部8は収納位置にあるオットマン5に側面視で少なくとも一部が重なるように配置されている。これにより、オットマン5が設けられた乗物用シート1において、カップホルダを設けることによって乗員の通行を妨げられ難くなる。
【0043】
リクライニングカバー6の前端下部には、後方に凹む逃げ部9が設けられている。逃げ部9を設けることによって、乗員の足がリクライニングカバー6に当たり難くなる。よって、リクライニングカバー6が破損し難くなり、乗員の足を保護することができる。
【0044】
<<シートクッション>>
図2に示すように、シートクッション2は左右一対のサイドフレーム11と、左右のサイドフレーム11それぞれ前後動及び傾動可能に結合された左右一対の可動部材13と、可動部材13に支持されたパンフレーム(不図示)と、パンフレームに支持されたパッド部材と、パッド部材を覆う表皮材とを備える。サイドフレーム11はそれぞれ前後に延在し、シートクッション2の左右の骨組みを構成している。左側の可動部材13は左側のサイドフレーム11に回動可能に結合したフロントリンク15及びリアリンク16のそれぞれに回動可能に結合している。右側の可動部材13も同様に右側のサイドフレーム11に結合したフロントリンク15及びリアリンク16のそれぞれに結合している。パンフレームは左右のサイドフレーム11の間に配置され、上下を向く板状をなしている。パッド部材はパンフレームの上面に設けられ、ウレタンフォーム等のクッション性を有する材料によって形成されている。表皮材は合成皮革や布地等によって形成され、パッド部材の上面に被されている。本実施形態では、可動部材13がシートバック3の傾動動作に連動して前後動および傾動するように構成されている。
【0045】
サイドフレーム11は前後に延びる第1フレーム21と、第1フレーム21のシート内方に結合した第2フレーム22と、第1フレーム21のシート外方に結合した第1ブラケット23と、第1フレーム21及び第2フレーム22の下面に結合した第2ブラケット24とを有している。
【0046】
第1フレーム21は前後に延びる第1フレーム基部26と、第1フレーム基部26の前端から上方に延びる第1延長部27とを有している。第1フレーム基部26は左右方向に主面を有する板状をなしている。第1延長部27は第1フレーム基部26に沿って延びる板状をなしている。第1延長部27には、フロントリンク15が回転可能に結合されている。第1延長部27の上端には第1支持部28が形成されている。第1支持部は第1延長部27の上端から上方に延び、シート内方に屈曲した板状をなしている。
【0047】
第1フレーム基部26は、その後端に設けられたリクライニング機構Rを介して、シートバック3のフレームに結合している。第1フレーム基部26の後部には、掛止部29が設けられている。本実施形態では、掛止部29は環状に屈曲され、第1フレーム基部26の外面に溶接されたワイヤ部材によって形成されている。第1フレーム基部26の縁部は、シートバック3のフレームが通過する部分を除いて、シート内方に向かって折り曲げられている。第1延長部27の縁部は上端を除いて、シート内方に向かって折り曲げられている。
【0048】
第2フレーム22は前後に延びる板状をなし、第1フレーム21の内側に配置されている。第2フレーム基部30は第1フレーム基部26に概ね左右対称に形成され、第1フレーム21と対応する形状をなしている。図4に示すように、第2フレーム22は前後に延びる第2フレーム基部30と、第2フレーム基部30の前端から上方に延びる第2延長部31とを備える。第2延長部31の上端には左右に貫通する第1係止孔32が設けられている。第1係止孔32は前後に延びる長円状をなしている。第2フレーム基部30及び第2延長部31の縁部はシート外側に向かって折り曲げられて、対応する第1フレーム基部26及び第1延長部27の縁部に当接している。これらの縁部が所定の位置において溶接されることによって、第1フレーム21と第2フレーム22とが結合している。
【0049】
第1ブラケット23は第1フレーム基部26の前端下部に設けられている。第1ブラケット23は上下に延びる板状の幅狭部33と、幅狭部33から下方に延び、前後幅は幅狭部33より広い板状の幅広部34とを有している。幅狭部33は車幅方向を向く板状をなし、その左縁及び右縁がシート内方に延出するように折り曲げられている。その左右の延出端は第1フレーム基部26に沿うように前後に折り曲げられ、それぞれ第1フレーム基部26に溶接されている。幅広部34には、車幅方向を向く板状の幅広基部34Aと、幅広基部34Aの左縁、右縁及び下縁から内方に延出する幅広縁壁34Bと、幅広縁壁34Bの左右上端縁から内方に延びる突片34Cとを備えている。突片34Cの上端は第1フレーム基部26の下縁に溶接されている。
【0050】
幅広基部34Aには左右に貫通する第2係止孔36が設けられている。第2係止孔36は前後方向に延びる略方形をなしている。幅広基部34Aには左右に貫通する略正方形状の肉抜き孔37が設けられている。
【0051】
第2ブラケット24はシート内外に延在し、上下方向に向く板状をなしている。第2ブラケット24は第1フレーム21及び第2フレーム22の前後方向における略中央において、第1フレーム21及び第2フレーム22の下面に溶接されている。第2ブラケット24の外縁は第1フレーム21のシート外方に位置している。第2ブラケット24の外縁には上方に延出した板状をなす係止部38が設けられている。係止部38はシート内外方向を向く板状をなしている。係止部38には、左右に貫通する第3係止孔39が設けられている。
【0052】
<<サブフレーム>>
図4及び図5に示すように、サイドフレーム11の前端にはサブフレーム40が結合している。サブフレーム40は、車内側に位置するサイドフレーム11の左右側面に溶接された支持ワイヤ部材41と、支持ワイヤ部材41の上側に設けられたサブブラケット42と、サブブラケット42の上端に溶接された保護ワイヤ部材43とを有する。
【0053】
支持ワイヤ部材41は円形の横断面形状を有する金属製の1本の丸棒を上面視でコの字状に屈曲することによって形成されている。支持ワイヤ部材41は、一端がサイドフレーム11の前端に結合され、互いに左右に間隔をおいて前後に延在する一対の第1縦部45と、左右の第1縦部45の前端を互いに接続する第1横部46とを備える。本実施形態では、シート外側の第1縦部45は、基端において幅広基部34Aの車外側側面に溶接され、下方に延びて、前方に屈曲している。シート内側の第1縦部45は、第2フレーム基部30の車内側側面に溶接され、前方に延びて下方に屈曲し、更に、屈曲して前方に延びている。第2横部57は略水平に延びている。左右の第1縦部45の前部は略平行をなしている。左右の第1縦部45の前部と第2横部57とによって、略水平な支持面Sが形成されている。
【0054】
サブブラケット42は折曲形成された板材によって形成されている。サブブラケット42は、2つの第1縦部45それぞれのシート内側及び外側において前後に延在する左右一対の内外側板部47、48と、2つの左右側板部の前端を互いに接続し、左右に延在する前側板部49とを備えている。内外側板部48はそれぞれシート内外を向く板状をなしている。前側板部49は前後を向く板状をなしている。2つの内外側板部48は前側板部49によって接続されて、上面視で後方に開口する略コの字状をなしている。以下、必要に応じて、内外側板部48のうち、シート内方に位置する内外側板部48を内側板部47、シート外方に位置する内外側板部48を外側板部48と記載する。
【0055】
サブブラケット42は更に、内外側板部48の下縁それぞれから対向する方向に折り曲げられた一対の内外延出部51、52と、前側板部49の下縁から後方に折り曲げられた前延出部53とを備える。シート内側の内外延出部51(以下、内延出部と記載する)は、内側板部47の下縁後部からシート外側に延びて、シート内側に位置する第1縦部45の上面に溶接されている。シート外側の内外延出部52(以下、外延出部と記載する)は、外側板部48の下縁後部からシート内側に延び、シート外側に位置する第1縦部45の上面に溶接されている。前延出部は、前側板部49の下縁から後方に延びて、第1横部46の上面に溶接されている。これによって、サブブラケット42は支持ワイヤ部材41に結合されている。内外延出部51、52及び前延出部53の3つの延出部においてサブブラケット42が第1縦部45の上面に溶接されているため、2つの延出部において溶接されている場合に比べて、サブブラケット42と支持ワイヤ部材41との結合が強固である。
【0056】
保護ワイヤ部材43は横断面形状を有する金属製の1本の丸棒を正面視で下方に開口する略コの字状に屈曲することによって形成されている。保護ワイヤ部材43は、一端が内側板部47及び外側板部48の上部にそれぞれ溶接され、上後方に延びる一対の第2縦部56と、左右の第2縦部56の他端を互いに接続する第2横部57を備えている。2つの第2縦部56は左右対称をなし、略平行に左右に間隔をおいて配置されている。第2横部57は略水平に、且つ、車幅方向に延在している。保護ワイヤ部材43は、第2横部57の略中央部分において第1支持部28の上面に溶接されている。
【0057】
<<容器収容部材>>
図12に示すように、支持ワイヤ部材41には、上側から容器収容部材60が結合している。容器収容部材60は、サブブラケット42の内側板部47及び外側板部48の間であり、前側板部49の後方に配置されている。収容凹部8は容器収容部材60において上部に開口する凹部として形成されている。容器収容部材60は樹脂によって形成され、収容凹部8に収容される飲料容器(ペットボトルや飲料缶等)に対応する上下に延びた形状をなしている。
【0058】
図10に示すように、容器収容部材60の底面には下方に突出する2つの係止部61が設けられている。係止部61は左右に対をなすように配置されている。係止部61はそれぞれ、正面視で略台形状をなして突出する基部61Aと、基部61Aの左右両縁から下方に突出する左右一対の壁部61Bと、壁部61Bの下端それぞれから対向する方向に突出する爪部61Cを備えている。係止部61には、基部61A及び壁部61Bによって、下方に開口し上方に凹む係止凹部61Dが形成されている。図11に示すように、第1縦部45は係止凹部61Dに収容されて、シート内側の係止部61はシート内側に位置する第1縦部45に上方から嵌合している。このとき、壁部61Bの間に第1縦部45が位置しているため、容器収容部材60の支持ワイヤ部材41に対するシート内外への移動が規制されている。また、爪部61Cはそれぞれ第1縦部45の下側に位置している。そのため、図12に示すように、爪部61Cと基部61Aとの間に第1縦部45が位置し、容器収容部材60の支持ワイヤ部材41に対する上下方向の移動が規制されている。同様に、シート外側の係止部61はシート外側に位置する第1縦部45に上方から嵌合している。これによって、容器収容部材60は底面において、支持ワイヤ部材41に対するシート内外及び上下方向の移動が規制されて、第1縦部45の上面に結合している。
【0059】
容器収容部材60の底面には、更に、下方に突出する突起であるストッパ62が設けられている。ストッパ62は2つの係止部61の前方に位置している。ストッパ62は突出方向に直交する方向の断面(横断面)が十字状をなしている。図5に示すように、サブブラケット42の前延出部53には第1横部46材の後方において上下に貫通するホルダ位置決め孔63が設けられ、ストッパ62はホルダ位置決め孔63に嵌合している。これによって、容器収容部材60の支持ワイヤ部材41に対する前後左右方向の移動が規制されると共に、容器収容部材60のサブフレーム40に対する前後左右の位置が定められている。
【0060】
図12に示すように、容器収容部材60には、収容凹部8の底部壁面に沿って、クッション部材65が設けられている。本実施形態では、容器収容部材60は、上方に向けて開口するカップ状の下部部材66と、下部部材66の上縁に結合する硬質プラスチック製の上部部材67とを備えている。下部部材66は硬質プラスチックによって形成されたカップ状をなしている。下部部材66の凹部にはオレフィン系エラストマーによって形成されたカップ状のクッション部材65が嵌め込まれている。容器収容部材60にクッション部材65が設けられることによって、車体の振動等による飲料容器の破損を防止することができる。また、飲料容器の振動がクッション部材65によって吸収されるため、飲料等が飲料容器からこぼれ難くなる。
【0061】
<<リクライニングカバー>>
リクライニングカバー6は、図3に示すように、サブフレーム40及びサイドフレーム11を外側から覆うアウタカバー71と、アウタカバー71の前部のシート内方に設けられ、サブフレーム40及びサイドフレーム11を内側から覆うインナカバー72とを有する。
【0062】
アウタカバー71は、図7に示すように、サイドフレーム11に対応する前後に延びる板状をなしている。アウタカバー71は、リクライニングカバー6の外側面を構成する外板部74と、外板部74の上縁からシート内方に延出する上板部75と、外板部74の後縁からシート内方に延出する後板部76と、外板部74の前縁からシート内方に延出する前板部77と、外板部74の下縁からシート内方に延出する下板部78とを有している。
【0063】
外板部74の内側の側面には、内方に突出する第1結合部80、第2結合部81が設けられている。第1結合部は外板部74の前後方向略中央部において板状に突出している。第1結合部80はクリップが装着されて、第2ブラケット24の第3係止孔39に嵌合されている。第2結合部81は外板部74の前後方向における後部に位置し、第1フレーム21の外面に設けられた掛止部29に掛止される。これらによって、アウタカバー71は第1フレーム21に結合している。
【0064】
インナカバー72は、図8に示すように、アウタカバー71の前部に対応する形状をなし、サイドフレーム11の内側に配置されている。インナカバー72は、左右に向く主面を有する板状の内板部84と、内板部84の上縁から外方に延出する上板部85と、内板部84の前縁から外方に延出する前板部87と、内板部84の下縁からシート外方に延出する下板部88とを備えている。
【0065】
インナカバー72の内板部84のシート外側の側面には、左方に突出する第3結合部90及び第4結合部91が設けられている。第3結合部90は第1結合部80と同様にクリップが装着されて、第2フレーム22の上部の第1係止孔32に嵌合している。第4結合部91は第1結合部80と同様にクリップが装着されて、第1ブラケット23の第2係止孔36に嵌合している。これらの嵌合によって、インナカバー72は第2フレーム22に結合している。
【0066】
図6に示すように、アウタカバー71の上板部75の前端及び前板部77の下端にはそれぞれ所定の係止爪94、95が設けられている。インナカバー72の上板部85の前端及び前板部87の下端にはそれぞれ係止爪94、95に係合する係止孔96、97が設けられている。係止爪94、95がそれぞれ対応する係止孔96、97に係合ことによって、アウタカバー71の上板部75とインナカバー72の上板部85とが結合し、アウタカバー71の前板部77とインナカバー72の前板部87とが結合する。
【0067】
アウタカバー71の前板部77にはシート外側に向けて切欠かれた外側切欠部100が設けられている。外側切欠部100のシート外方の縁部には、シート内方に向かって板状に延出する2つの延出部101が設けられている。2つの延出部101にはそれぞれ、複数の係止孔102が設けられている。
【0068】
図7に示すように、インナカバー72の前板部87にはシート内側に向けて切欠かれた内側切欠部105が設けられている。内側切欠部105のシート内方の縁部には、外側切欠部100と同様に、シート外側に延出する2つの延出部106が設けられている。2つの延出部106にはそれぞれ、複数の係止孔107が設けられている。内側切欠部105及び外側切欠部100によってリクライニングカバー6には貫通孔108が画定されている。貫通孔108には容器収容部材60が収容されている。本実施形態では、内側切欠部105と外側切欠部100とは略左右対称をなしている。
【0069】
<<加飾部材>>
容器収容部材60の開口縁部及び貫通孔108の縁部の間には、加飾部材110が設けられている。図9に示すように、加飾部材110は、下方に開口する逆U字状の遮蔽部111と、遮蔽部111の下端を接続し、前後方向を向く板状の加飾部材板部112と、加飾部材板部の後側に間隔をおいて、左右方向(横方向)に延在する加飾部材横部113とを備えている。
【0070】
図3に示すように、遮蔽部111は容器収容部材60の開口の左右縁及び後縁と、それらに対応する貫通孔108の左右縁及び後縁に沿う枠状をなし、容器収容部材60の開口の左右縁及び後縁と貫通孔108の左右縁及び後縁を前側から覆っている。これによって、貫通孔108の縁部と容器収容部材60の開口縁部との隙間が露出せず、意匠性が高められる。
【0071】
図9及び図13に示すように、遮蔽部111はその延在方向に沿って、容器収容部材60の左右縁及び後縁に向かって開口する溝114と、インナカバー72の延出部101及びアウタカバー71の延出部106に向かって突出する複数の係止爪115とを有している。溝114には容器収容部材60の開口縁部が変位可能に受容されている。各係止爪115が各延出部の係止孔102、107に挿入されることによって、加飾部材110がインナカバー72及びアウタカバー71に結合している。容器収容部材60の開口縁部が溝114に変位可能に受容されているため、容器収容部材60とリクライニングカバー6との間の相対位置のずれに応じて、加飾部材110と容器収容部材60とを相対的に変位させることができ、ずれを補償することができる。
【0072】
図11及び図12に示すように、加飾部材板部112はサブブラケット42の前側板部49に沿って配置されている。図4に示すように、前側板部49は前方を向く前側板部本体116と、前側板部本体116の前側に間隔をおいて上方に延出する左右一対の係止片117と、係止片117の前側に間隔をおいて下方に延出する抜止片118とを備えている。抜止片118は、正面視で2つの係止片117の間に略中間に位置している。図11に示すように、2つの係止片117の上端は、抜止片118の下端よりも上側に位置している。係止片117の下部には、上後方を向く肩面119が形成されている。
【0073】
図9に示すように、加飾部材横部113は、前後方向を向く主面を有する板状をなし、左右両端において後方に屈曲し、加飾部材板部112に接続している。図12に示すように、加飾部材横部113は、2つの係止片117と前側板部本体116との間に配置されている。これによって、加飾部材110は前側板部本体116に掛け止めされている。加飾部材横部113の下端は肩面119に当接し、加飾部材横部113は肩面119によって支持されている。これによって、肩面119によって加飾部材110の下方への移動が規制されている。図11に示すように、2つの係止片117及び抜止片118は、上面視で加飾部材横部113の前方に位置している。
【0074】
図9に示すように、加飾部材板部112には更に、左右に対をなして後方に突出する突起121が設けられている。突起121は突端において前側板部本体116の前面に当接している。更に、加飾部材横部113の後面が2つの係止片117に当接している。これによって、加飾部材110の前後方向への移動が規制されると共に、加飾部材110と前側板部49との間の摩擦によって、加飾部材110の上下方向の移動が規制されて、加飾部材110と前側板部49との結合がより強固になる。
【0075】
<<キャップ部材>>
加飾部材板部112の前側には、樹脂製のキャップ部材125が設けられている。キャップ部材125は、加飾部材板部112に対応する略方形な板状をなしている。加飾部材板部112には複数の係止孔126が設けられ、キャップ部材125の後面には後方に突出する複数の係止爪127が設けられている。係止孔126に係止爪127が係合することによって、キャップ部材125は加飾部材板部112の前側に結合されている。
【0076】
図12に示すように、前側板部49の上縁は後方に向かって折り曲げられている。キャップ部材125の上縁は前側板部49の上縁を覆い、前側板部49の上部背面にまで延びている。前側板部49の上縁が後方に折り曲げられることによって、容器収容部材60に収容された飲料容器が前方に倒れ難くなる。金属製の前側板部49の上縁を樹脂製のキャップ部材125で覆うことによって、飲料容器の破損が防止されると共に、意匠性を高めることができる。
【0077】
次に、リクライニングカバー6の組付、及び、加飾部材110及びキャップ部材125の組付について説明する。第1フレーム21に容器収容部材60を結合させた後、インナカバー72の第3結合部90にクリップを装着し、第2フレーム22の上部の第1係止孔32に嵌合させ、第4結合部91にクリップを装着し、第1ブラケット23の第2係止孔36に嵌合させて、インナカバー72をサイドフレーム11に結合させる。アウタカバー71の第1結合部80にクリップを装着し、第2ブラケット24の第3係止孔39に嵌合させ、第2結合部81を第1フレーム21の掛止部29に掛止する。これによって、アウタカバー71がサイドフレーム11に結合し、リクライニングカバー6がサイドフレーム11に組み付けられる。このように、リクライニングカバー6をインナカバー72及びアウタカバー71の2つの部材によって構成することによって、リクライニングカバー6を容易にサイドフレーム11に結合させることができる。
【0078】
このとき、内側切欠部105と外側切欠部100とによって、リクライニングカバー6に貫通孔108が形成される。このように、貫通孔108をインナカバー72及びアウタカバー71の切欠部によって構成することによって、容器収容部材60の開口を大きくすることができる。開口を大きくすることによって、飲料容器がより収容し易くなる。
【0079】
次に、加飾部材110を前側板部49に結合させる。まず、加飾部材横部113を抜止片118と係止片117の間を通過させて、係止片117と前側板部本体116との間に配置する。このとき、突起121が前側板部本体116に当接し、加飾部材横部113が係止片117に当接して、加飾部材の前側板部49に対する移動が規制されるため、加飾部材110は前側板部49に結合している。更に、遮蔽部111の係止爪115を貫通孔108の縁部に設けられた係止孔102、107に挿入し、溝114に容器収容部材60の開口縁を嵌め込むことによって、加飾部材110の組付が完了する。このとき、抜止片118が加飾部材横部113の前方に位置し、加飾部材110の前側板部49からの脱落を防止している。その後、キャップ部材125の係止爪127を加飾部材110の係止孔126に係合させることによって、キャップ部材125が加飾部材110に結合し、組付が完了する。
【0080】
次に、このように構成した加飾部材110の効果について説明する。加飾部材横部113を係止片117と前側板部本体116との間に配置することによって、加飾部材110の前側板部49に対する前後の移動を規制されている。更に、抜止片118が設けられることによって、加飾部材横部113がサブフレーム40から離れることをより防止することができる。リクライニングカバー6、容器収容部材60、及び、加飾部材110が全てサイドフレーム11に結合するため、加飾部材110がよりリクライニングカバー6及び容器収容部材60から脱落し難い。
【0081】
また、加飾部材横部113が2つの係止片117にまたがって配置されているため、左右の係止片117によって、前側板部49に対する加飾部材横部113の前方への移動が規制される。更に、抜止片118が2つの係止片117の間に配置されているため、抜止片118によって加飾部材横部113のサブフレーム40からの脱落をより防止することができる。
【0082】
容器収容部材60は支持ワイヤ部材41(第1棒状部材)に係止され、支持ワイヤ部材41(第1棒状部材)はサイドフレーム11に溶接されている。そのため、容器収容部材60がサイドフレーム11に第1棒状部材を介して結合し、容器収容部材60の姿勢が安定する。そのため、飲料容器を安定して保持することが可能となる。
【0083】
容器収容部材60は内外側板部48の間に配置されるため、左右側方からの荷重による飲料容器の破損を防止することができる。内外側板部48が保護ワイヤ部材43(第2棒状部材)によって接続されるため内外側板部48の左右方向に加わる荷重に対する剛性が高められ、より飲料容器の破損を防止することができる。また、容器収容部材60の前側に、前側板部49が設けられるため、前方からの荷重による飲料容器の破損が防止されている。
【0084】
保護ワイヤ部材43は第1延長部27、より詳細には第1支持部28の上面に結合している。そのため、保護ワイヤ部材43はサイドフレーム11によって下方から支持されている。保護ワイヤ部材43に上方からの荷重が加わると、サイドフレーム11に分散されるため、内外側板部47、48に荷重が伝わり難くなる。よって、内外側板部47、48の変形を防止することができる。また、第1延長部27はフロントリンク15を結合させるために予め形成された部分であるため、保護ワイヤ部材43をサイドフレーム11に結合させるための部材を必要とせず、構成を簡素にすることができる。
【0085】
第1縦部45はサイドフレーム11の内側及び外側に結合されている。そのため、サイドフレーム11に加わる上方からの荷重は、サイドフレーム11の内側及び外側に概ね均等に加わる。そのため、第1縦部45がサイドフレーム11の内側又は外側のみに結合されている場合に比べて、サイドフレーム11に加わる荷重が内外どちらか一方に偏ることがなく、サイドフレーム11の変形を防止することができる。
【0086】
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されることなく幅広く変形実施することができる。本実施形態では、正面視で2つの係止片117の間に、抜止片118が設けられていたが、係止片117と抜止片118とは正面視で重なる位置に配置されていてもよい。
【0087】
本実施形態では、加飾部材110はリクライニングカバー6と容器収容部材60との間に配置されていたが、2つの内装部品の間に配置されるものであればよく、例えば、加飾部材はリクライニングカバー6と、リクライニングカバー6に設けられるスイッチユニットの間に配置されていてもよい。
【符号の説明】
【0088】
1 :乗物用シート
2 :シートクッション
6 :リクライニングカバー(カバー部材、第1内装部品)
11 :サイドフレーム(フレーム)
41 :支持ワイヤ部材(棒状部材)
42 :サブブラケット
60 :容器収容部材(第2内装部品)
61 :係止部
61B :壁部
61C :爪部
61D :係止凹部
102 :係止孔
107 :係止孔
108 :貫通孔
110 :加飾部材
111 :遮蔽部
112 :加飾部材板部
113 :加飾部材横部(横部)
114 :溝
115 :係止爪(係止突起)
116 :前側板部本体(基体)
117 :係止片
118 :抜止片
119 :肩面
121 :突起
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13