(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-14
(45)【発行日】2023-11-22
(54)【発明の名称】空気調和装置
(51)【国際特許分類】
F24F 13/22 20060101AFI20231115BHJP
F24F 1/32 20110101ALI20231115BHJP
F24F 1/34 20110101ALI20231115BHJP
F24F 11/36 20180101ALI20231115BHJP
F24F 11/89 20180101ALI20231115BHJP
F24F 110/65 20180101ALN20231115BHJP
【FI】
F24F1/0007 361A
F24F1/32
F24F1/34
F24F11/36
F24F11/89
F24F110:65
(21)【出願番号】P 2021503961
(86)(22)【出願日】2020-02-20
(86)【国際出願番号】 JP2020006861
(87)【国際公開番号】W WO2020179481
(87)【国際公開日】2020-09-10
【審査請求日】2021-08-30
(31)【優先権主張番号】P 2019039346
(32)【優先日】2019-03-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】小島 誠
【審査官】沖田 孝裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-015324(JP,A)
【文献】特開2018-124009(JP,A)
【文献】特開2015-230136(JP,A)
【文献】特開2014-215010(JP,A)
【文献】特開2016-011771(JP,A)
【文献】特開2016-011772(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 13/22
F24F 1/32
F24F 1/34
F24F 11/36
F24F 11/89
F24F 110/65
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配管用開口(64a)を有するケーシング(30)と、
前記ケーシング内に配置される熱交換器(51)と、
前記ケーシングの外側に位置する配管接続端部(75)を有し、前記ケーシングの前記配管用開口を介して前記熱交換器から前記配管接続端部まで延びている冷媒配管(53、54)と、
前記冷媒配管のうち少なくとも前記ケーシングの前記配管用開口を通過している部分を周囲から覆う筒状の第1防露部材(71)と、
前記第1防露部材または前記第1防露部材とは異なる第2防露部材(72、73)によって前記配管接続端部が覆われた部分の第1空間と、前記ケーシングの内部空間と、を連通させる連通路(91)と、
前記ケーシング(30)内部に配置されており、漏洩した冷媒を検知する冷媒漏洩センサ(59)と、
を備え、
前記連通路(91)は、前記第1防露部材と前記冷媒配管との間において、前記冷媒配管(53、54)の軸方向に沿って
前記配管用開口(64a)を通過して前記ケーシングの内部まで延びている、
空気調和装置(1、3)。
【請求項2】
前記連通路は、非金属製のパイプで構成されている、
請求項1に記載の空気調和装置。
【請求項3】
前記パイプは、前記第1空間側の先端部が、斜めにカットされた形状を有している、
請求項2に記載の空気調和装置。
【請求項4】
前記連通路は、前記冷媒配管と前記第1防露部材との少なくともいずれかに対して接着固定されている、
請求項1から3のいずれか1項に記載の空気調和装置。
【請求項5】
前記連通路と、前記冷媒配管と、前記第1防露部材とを、前記配管接続端部よりも前記ケーシングの内部空間側において締結させる内側締結部材(81)をさらに備えた、
請求項1から4のいずれか1項に記載の空気調和装置。
【請求項6】
前記配管接続端部に接続され、前記冷媒配管と連通される配管(4、5)と、前記第1防露部材(71)と、を締結させる外側締結部材(82)をさらに備えた、
請求項1から5のいずれか1項に記載の空気調和装置。
【請求項7】
前記ケーシング外部には、漏洩した冷媒を検知するセンサは設けられていない、
請求項1から6のいずれか1項に記載の空気調和装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、空気調和装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、空気調和装置において冷媒の漏洩が生じた場合に、漏洩が生じていることを把握して適切な処置を行うことができるように、空気調和装置においてガスセンサを設けたものがある。
【0003】
例えば、特許文献1(特開2016-197006号公報)には、室内機の筐体の内部であって、吸込開口部の近傍にガスセンサを設けたものが提案されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、従来の室内機では、ケーシングの外部で冷媒の漏洩が生じた場合には、冷媒が漏洩していることを把握することが困難になる場合がある。
【0005】
本開示の内容は、上述した点に鑑みたものであり、ケーシングの外部で冷媒が漏洩した場合であっても、漏洩した冷媒がケーシングの内部に導かれやすい空気調和装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1観点に係る空気調和装置は、ケーシングと、熱交換器と、冷媒配管と、第1防露部材と、連通路と、を備えている。ケーシングは、配管用開口を有している。熱交換器は、ケーシング内に配置されている。冷媒配管は、ケーシングの外側に位置する配管接続端部を有している。冷媒配管は、ケーシングの配管用開口を介して熱交換器から配管接続端部まで延びている。第1防露部材は、冷媒配管のうち少なくともケーシングの配管用開口を通過している部分を周囲から覆っている。連通路は、第1空間とケーシングの内部空間を連通させる。第1空間は、配管接続端部が、第1防露部材または第2防露部材によって覆われた部分である。第2防露部材は、第1防露部材とは異なる部材である。
【0007】
なお、ここでの空気調和装置は、例えば、空気調和装置が室外ユニットと室内ユニットを有して構成されている場合には、空気調和装置の室内ユニットのみにおいて上記構成を備えたものであってもよい。
【0008】
なお、連通路としては、特に限定されず、配管接続端部が第1防露部材によって覆われている場合には配管接続端部の管外部であって第1防露部材の内側の空間と、ケーシングの内部空間と、を連通させたものであってもよいし、配管接続端部が第2防露部材によって覆われている場合には配管接続端部の管外部であって第2防露部材の内側の空間と、ケーシングの内部空間と、を連通させたものであってもよいし、配管接続端部が第1防露部材および第2防露部材によって覆われている場合には配管接続端部の管外部であって第1防露部材の内側であって第2防露部材の内側の空間と、ケーシングの内部空間と、を連通させたものであってもよい。
【0009】
この空気調和装置は、配管接続端部またはその周囲から冷媒が漏洩することがあったとしても、配管接続端部の第1防露部材または第2防露部材によって覆われた部分の空間と、ケーシングの内部空間と、が連通路によって連通しているため、漏洩した冷媒がケーシングの内部に導かれやすい。
【0010】
第2観点に係る空気調和装置は、第1観点の空気調和装置であって、連通路を、第1防露部材と冷媒配管との間と、第1防露部材の中と、第1防露部材の外周部と、のいずれかに有している。
【0011】
第3観点に係る空気調和装置は、第1観点または第2観点の空気調和装置であって、連通路は、非金属製のパイプで構成されている。
【0012】
この空気調和装置は、連通路が非金属製のパイプで構成されているため、連通路において結露が生じにくい。
【0013】
第4観点に係る空気調和装置は、第3観点の空気調和装置であって、パイプは、第1空間側の先端部が、斜めにカットされた形状を有している。
【0014】
この空気調和装置は、パイプの第1空間側の先端部が広く開口しているため、閉塞を生じさせにくくすることが可能になる。
【0015】
第5観点に係る空気調和装置は、第1観点から第4観点のいずれかの空気調和装置であって、連通路は、冷媒配管と第1防露部材との少なくともいずれかに対して接着固定されている。
【0016】
この空気調和装置は、冷媒配管または第1防露部材からの連通路の脱落を抑制できる。
【0017】
第6観点に係る空気調和装置は、第1観点から第5観点のいずれかの空気調和装置であって、内側締結部材をさらに備えている。内側締結部材は、連通路と、冷媒配管と、第1防露部材と、を、配管接続端部よりもケーシングの内部空間側において締結させる。
【0018】
この空気調和装置は、連通路と、冷媒配管と、第1防露部材とが、配管接続端部よりもケーシングの内部空間側において、内側締結部材によって締結されているため、連通路と、冷媒配管と、第1防露部材と、の位置関係を安定化させることが可能になる。
【0019】
第7観点に係る空気調和装置は、第1観点から第6観点のいずれかの空気調和装置であって、外側締結部材をさらに備えている。外側締結部材は、配管接続端部に接続され、冷媒配管と連通される配管と、第1防露部材と、を締結させる。
【0020】
この空気調和装置は、配管接続端部に接続され、冷媒配管と連通される配管と、第1防露部材とが、外側締結部材によって締結される。このため、配管接続端部だけでなく冷媒配管に対して接続される配管との接続箇所の周囲における結露についても、第1防露部材によって抑制させることができる。
【0021】
第8観点に係る空気調和装置は、第1観点から第7観点のいずれかの空気調和装置であって、冷媒漏洩センサをさらに備えている。冷媒漏洩センサは、ケーシング内部に配置されている。冷媒漏洩センサは、漏洩した冷媒を検知する。
【0022】
この空気調和装置は、配管接続端部またはその周囲において冷媒漏洩が生じたとしても、ケーシング内部に配置された冷媒漏洩センサによって、連通路を介してケーシング内部に導かれた漏洩冷媒を検出することが可能になる。
【0023】
第9観点に係る空気調和装置は、第8観点の空気調和装置であって、ケーシング外部には、漏洩した冷媒を検知するセンサは設けられていない。
【0024】
この空気調和装置は、ケーシング外部に冷媒の漏洩を検知するセンサが設けられていない場合であっても、配管接続端部またはその周囲において生じた冷媒漏洩を検出することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図4】室内ユニットの
図3のA-A断面における側面視概略構成図である。
【
図5】ガス側接続配管54(液側接続配管53)とガス側冷媒連絡管5(液側冷媒連絡管4)の接続を示す側面視概略構成図である。
【
図6】
図5におけるB-B断面をガス側接続配管54(液側接続配管53)の軸方向から見た断面図である。
【
図7】変形例Aのガス側接続配管54(液側接続配管53)とガス側冷媒連絡管5(液側冷媒連絡管4)の接続を示す側面視概略構成図である。
【
図8】
図7におけるB-B断面をガス側接続配管54(液側接続配管53)の軸方向から見た断面図である。
【
図9】変形例Bのガス側接続配管54(液側接続配管53)とガス側冷媒連絡管5(液側冷媒連絡管4)の接続を示す側面視概略構成図である。
【
図10】
図9におけるB-B断面をガス側接続配管54(液側接続配管53)の軸方向から見た断面図である。
【
図11】変形例Cの液側接続配管53(ガス側接続配管54)と液側冷媒連絡管4(ガス側冷媒連絡管5)の接続を示す側面視概略構成図である。
【
図12】
図11におけるB-B断面を液側接続配管53(ガス側接続配管54)の軸方向から見た断面図である。
【
図13】変形例Dの液側接続配管53(ガス側接続配管54)と液側冷媒連絡管4(ガス側冷媒連絡管5)の接続を示す側面視概略構成図である。
【
図14】
図13におけるB-B断面を液側接続配管53(ガス側接続配管54)の軸方向から見た断面図である。
【
図15】変形例Eのパイプの端部の形状を示す概略外観図である。
【
図16】変形例Fの液側接続配管53(ガス側接続配管54)と液側冷媒連絡管4(ガス側冷媒連絡管5)の接続を示す側面視概略構成図である。
【
図17】変形例Gの液側接続配管53(ガス側接続配管54)と液側冷媒連絡管4(ガス側冷媒連絡管5)の接続を示す側面視概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
(1)空気調和装置の構成
図1に、空気調和装置1の概略構成図を示す。
【0027】
空気調和装置1は、蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行うことによって、建物等の室内の冷房および暖房を行うことが可能な装置である。
【0028】
空気調和装置1は、主として、室外ユニット2と、室内ユニット3と、室外ユニット2と室内ユニット3とを接続する冷媒経路である液側冷媒連絡管4およびガス側冷媒連絡管5と、を有している。そして、空気調和装置1の蒸気圧縮式の冷媒回路6は、室外ユニット2と、室内ユニット3とが冷媒連絡管4、5を介して接続されることによって構成されている。冷媒連絡管4、5は、空気調和装置1を建物等の設置場所に設置する際に、現地にて施工される冷媒配管である。特に限定されないが、本実施形態では、当該冷媒回路6に作動冷媒としてR32が充填されている。
【0029】
(2)室外ユニット
室外ユニット2は、室外(建物の屋上や建物の壁面近傍等)に設置されており、冷媒回路6の一部を構成している。室外ユニット2は、主として、アキュムレータ7、圧縮機8と、四路切換弁10と、室外熱交換器11と、膨張機構としての室外膨張弁12と、液側閉鎖弁13と、ガス側閉鎖弁14と、室外ファン15と、を有している。
【0030】
アキュムレータ7は、ガス冷媒を圧縮機に供給するための容器であり、圧縮機8の吸入側に設けられている。
【0031】
圧縮機8は、低圧のガス冷媒を吸入し、圧縮して高圧のガス冷媒を吐出する。
【0032】
室外熱交換器11は、冷房運転時には圧縮機8から吐出された冷媒の放熱器または凝縮器として機能し、暖房運転時には室内熱交換器51から送られてくる冷媒の蒸発器として機能する熱交換器である。室外熱交換器11は、その液側が室外膨張弁12に接続されており、ガス側が四路切換弁10に接続されている。
【0033】
室外膨張弁12は、冷房運転時には室外熱交換器11において放熱された冷媒を室内熱交換器51に送る前に減圧し、暖房運転時には室内熱交換器51において放熱された冷媒を室外熱交換器11に送る前に減圧することが可能な電動膨張弁である。
【0034】
室外ユニット2の液側閉鎖弁13には、液側冷媒連絡管4の一端が接続されている。室外ユニット2のガス側閉鎖弁14には、ガス側冷媒連絡管5の一端が接続されている。
【0035】
室外ユニット2の各機器および弁間は、配管16~22によって接続されている。
【0036】
四路切換弁10は、圧縮機8の吐出側が室外熱交換器11側に接続されるとともに圧縮機8の吸入側がガス側閉鎖弁14側に接続される状態(
図1における四路切換弁10の実線を参照)と、圧縮機8の吐出側がガス側閉鎖弁14側に接続されるとともに圧縮機8の吸入側が室外熱交換器11側に接続される状態(
図1における四路切換弁10の破線を参照)と、を切り換えることにより、後述する冷房運転の接続状態と暖房運転の接続状態とを切り換える。
【0037】
室外ファン15は、室外ユニット2の内部に配置され、室外空気を吸入して、室外熱交換器11に室外空気を供給した後に、ユニット外に排出する空気流れを形成する。このように、室外ファン15によって供給される室外空気は、室外熱交換器11の冷媒との熱交換における冷却源又は加熱源として用いられる。
【0038】
(3)室内ユニット
(3-1)室内ユニットの概略構成
図2に、室内ユニット3の外観斜視図を示す。
図3に、室内ユニット3の天板を取り除いた状態を示す概略平面図を示す。
図4に、
図3中にA-Aで示す切断面における室内ユニット3の概略側面断面図を示す。
【0039】
室内ユニット3は、本実施形態では、空調対象空間である室内等の天井に設けられた開口に埋め込まれることで設置されるタイプの室内機であり、冷媒回路6の一部を構成している。室内ユニット3は、主として、室内熱交換器51と、液側接続配管53、ガス側接続配管54、室内ファン52と、ケーシング30と、フラップ39と、ベルマウス33と、ドレンパン32と、室内制御ユニット58、冷媒漏洩センサ59と、を有している。
【0040】
室内熱交換器51は、冷房運転時には室外熱交換器11で放熱または凝縮した冷媒の蒸発器として機能し、暖房運転時には圧縮機8から吐出された冷媒の放熱器または凝縮器として機能する熱交換器である。室内熱交換器51は、液側において液側接続配管53が接続されており、ガス側においてガス側接続配管54が接続されている。液側接続配管53の室内熱交換器51側とは反対側の端部は、液側冷媒連絡管4の室内側端部に接続されている。ガス側接続配管54の室内熱交換器51側とは反対側の端部は、ガス側冷媒連絡管5の室内側端部に接続されている。
【0041】
より詳細には、室内熱交換器51は、
図5に示すように、熱交換器本体51aと、ガス側ヘッダ51dとを有しており、図示しない分流器および複数のキャピラリーチューブを有している。熱交換器本体51aは、複数のフィン51bと複数の伝熱管51cとを有する、クロスフィンチューブタイプの熱交換器として構成されている。また、ガス側ヘッダ51dは、複数の伝熱管51cが接続されており、ガス冷媒を分流または合流させる。ここで、ガス側ヘッダ51dと複数の伝熱管51cとは溶接により接続固定されている。ガス側冷媒連絡管5に接続されているガス側接続配管54とガス側ヘッダ51dも溶接により接続固定されている。なお、分流器には、複数のキャピラリーチューブを介して複数の伝熱管51cが接続されている。また、分流器には、液側冷媒連絡管4に接続されている液側接続配管53が接続されている。ここで、分流器と複数のキャピラリーチューブとは溶接により接続固定されている。また、複数のキャピラリーチューブと複数の伝熱管51cも、溶接により接続固定されている。さらに、分流器と液側接続配管53も、溶接により接続固定されている。
【0042】
室内ファン52は、室内ユニット3のケーシング本体31の内部に配置された遠心送風機である。室内ファン52は、室内の空気を化粧パネル35の吸込口36を通じてケーシング30内に吸入し、室内熱交換器51を通過させた後、化粧パネル35の吹出口37を通じてケーシング30外へ吹き出す空気流れ(
図4において矢印で示す。)を形成する。このように、室内ファン52によって供給される室内空気は、室内熱交換器51の冷媒と熱交換することにより温度が調節される。
【0043】
ケーシング30は、ケーシング本体31と、化粧パネル35と、を主として有している。
【0044】
ケーシング本体31は、空調室の天井Uに形成された開口に挿入されるようにして設置されている。ケーシング本体31は、平面視において、長辺と短辺とが交互に繋がって形成された略8角形状の箱状体であり、下面が開口している。このケーシング本体31は、天板61、第1側板62、第2側板63、接続用側板64を有している。第1側板62は、天板61の平面視における縁のうち長辺を構成する箇所から下方に向けて広がっている。第2側板63は、天板61の平面視における縁のうち短辺を構成する3箇所のうちの3箇所から下方に向けて広がっている。接続用側板64は、天板61の平面視における縁のうち短辺を構成する残りの1箇所から下方に向けて広がっている。接続用側板64には、開口64aが形成されている。室内熱交換器51に接続された液側接続配管53およびガス側接続配管54は、接続用側板64の開口64aを介して、室内ユニット3のケーシング30内から外に延びている。
【0045】
化粧パネル35は、天井Uの開口に嵌め込まれるようにして配置されており、ケーシング本体31の天板61、第1側板62、第2側板63、接続用側板64よりも平面視における外側に広がっており、ケーシング本体31の下方に室内側から取り付けられる。化粧パネル35は、内枠35aと外枠35bを有している。内枠35aの内側には、下方に向けて開口した略四角形状の吸込口36が形成されている。吸込口36の上方には、吸込口36から吸入された空気中の塵埃を除去するためのフィルタ34が設けられている。外枠35bの内側であって内枠35aの外側には、下方または斜め下方に向けて開口した吹出口37と角部吹出口38が形成されている。吹出口37は、化粧パネル35の平面視における略四角形状の各辺に対応する位置に、第1吹出口37aと、第2吹出口37bと、第3吹出口37cと、第4吹出口37dと、を有している。角部吹出口38は、化粧パネル35の平面視における略四角形状の4角に対応する位置に、第1角部吹出口38aと、第2角部吹出口38bと、第3角部吹出口38cと、第4角部吹出口38dと、を有している。
【0046】
フラップ39は、吹出口37を通過する空気流れの方向を変更可能な部材である。フラップ39は、第1吹出口37aに配置される第1フラップ39aと、第2吹出口37bに配置される第2フラップ39bと、第3吹出口37cに配置される第3フラップ39cと、第4吹出口37dに配置される第4フラップ39dと、を有している。各フラップ39a~dは、ケーシング30の所定の位置において回動可能に軸支されている。
【0047】
ドレンパン32は、室内熱交換器51の下側に配置され、室内熱交換器51において空気中の水分が凝縮して生じるドレン水を受けとる。このドレンパン32は、ケーシング本体31の下部に装着されている。ドレンパン32には、平面視において、室内熱交換器51の内側において上下方向に伸びた円筒形状の部分が形成されている。当該円筒形状部分の内側下方にベルマウス33が配置されている。ベルマウス33は、吸込口36から吸入される空気を室内ファン52に案内する。また、ドレンパン32には、平面視において、室内熱交換器51の外側において上下方向に伸びた複数の吹出流路47a~d、角部吹出流路48a~cが形成されている。吹出流路47a~dは、下端において第1吹出口37aと連通する第1吹出流路47aと、下端において第2吹出口37bと連通する第2吹出流路47bと、下端において第3吹出口37cと連通する第3吹出流路47cと、下端において第4吹出口37dと連通する第4吹出流路47dと、を有している。角部吹出流路48a~cは、下端において第1角部吹出口38aと連通する第1角部吹出流路48aと、下端において第2角部吹出口38bと連通する第2角部吹出流路48bと、下端において第3角部吹出口38cと連通する第3角部吹出流路48cと、を有している。
【0048】
室内制御ユニット58は、室内ユニット3内に配置された各種センサ等と電気的に接続されており、これらからの情報に基づいて、室内ファン52の駆動制御等や、図示しない室外制御ユニットに対する情報の送信等を行う。室内制御ユニット58は、ドレンパン32の下方であって、平面視における室内熱交換器51の内側に配置されている。
【0049】
冷媒漏洩センサ59は、室内ユニット3およびその周辺において冷媒が漏洩した場合に、漏洩を検知するセンサであり、室内制御ユニット58と図示しない伝送線で電気的に接続されている。冷媒漏洩センサ59としては、特に限定されないが、例えば、半導体式ガスセンサ、熱線型半導体式ガスセンサ等の公知の冷媒センサを用いることができる。なお、冷媒漏洩センサ59は、室内ユニット3のケーシング30内部に配置されている。具体的には、冷媒漏洩センサ59は、室内熱交換器51における、分流器と複数のキャピラリーチューブとの溶接箇所や、複数のキャピラリーチューブと複数の伝熱管51cとの溶接箇所や、液側接続配管53と分流器との溶接箇所や、ガス側ヘッダ51dと複数の伝熱管51cの溶接箇所や、室内熱交換器51におけるガス側ヘッダ51dとガス側接続配管54との接続箇所から漏洩した冷媒だけでなく、後述するケーシング30の外部での液側接続配管53と液側冷媒連絡管4との接続箇所やガス側接続配管54とガス側冷媒連絡管5との接続箇所から漏洩した冷媒についても、検知することが可能となるように、これらの漏洩可能性がある箇所よりも低い位置に配置されている。冷媒漏洩センサ59は、例えば、ドレンパン32の下方における室内制御ユニット58の横に併設されていてもよいし、ドレンパン32の上方に載置されていてもよいし、吸込口36から吹出口37に至るまでの経路の途中の任意の場所に配置されていてもよい。なお、本実施形態では、冷媒漏洩センサ59は、ケーシング30の内部であって、上述した漏洩可能性がある箇所よりも低い位置であり、且つ、後述する室内側防露部材71に形成された連通路91のケーシング30内の端部に対してケーシング30の接続用側板64の開口64a側とは反対側に配置されている。なお、冷媒漏洩センサ59は、上述した漏洩可能性がある箇所よりも低い位置であり、且つ、上述した漏洩可能性がある箇所と室内側防露部材71に形成された連通路91のケーシング30内の端部との間に配置されていることが特に好ましい。
【0050】
なお、室内ユニット3のケーシング30の外側には、漏洩した冷媒を検出するセンサは、設けられていない。
【0051】
(4)室内ユニットと液側冷媒連絡管およびガス側冷媒連絡管との接続
図5に、ケーシング30の接続用側板64の開口64aを貫通した液側接続配管53およびガス側接続配管54が、液側冷媒連絡管4およびガス側冷媒連絡管5に接続される様子を示す側面視概略構成図を示す。なお、
図5には、雲の形状で示す各部分において冷媒漏洩が生じた場合において、当該漏洩冷媒が冷媒漏洩センサにより検出されるまでの冷媒の移動経路を一点鎖線で示している。また、
図6に、
図5におけるB-B断面をガス側接続配管54(液側接続配管53)の軸方向から見た断面図を示す。
【0052】
室内ユニット3は、ガス側接続配管54を介してガス側冷媒連絡管5と接続されており、液側接続配管53を介して液側冷媒連絡管4と接続される。
【0053】
ガス側接続配管54は、一端が、室内熱交換器51のうちのガス側ヘッダ51dに接続されている。ガス側接続配管54の他端は、室内ユニット3のケーシング30の外部にまで延びだしており、室内ユニット3のケーシング30の外部において、ガス側冷媒連絡管5とフレア接続されている。具体的には、ガス側接続配管54は、ケーシング30の外側に位置する端部において、継手本体75が取り付けられている。これに対して、ガス側冷媒連絡管5のガス側接続配管54と接続される側の端部には、フレアナット76が設けられている。これにより、ガス側接続配管54に取り付けられている継手本体75に対して、ガス側冷媒連絡管5の先端を当てた状態でフレアナット76を締め付けることで、ガス側接続配管54とガス側冷媒連絡管5が締結固定される。
【0054】
ここで、本実施形態のガス側接続配管54の径方向外側部分には、運転時の結露発生を抑制させるための室内側防露部材71が設けられている。この室内側防露部材71は、非金属であり、樹脂等で構成された筒状の発泡体であり、断熱性を備えている。なお、本実施形態においては、室内側防露部材71は、ガス側接続配管54の径方向外側を覆うだけでなく、ケーシング30側とは反対側まで延長されており、ガス側接続配管54とガス側冷媒連絡管5とが接続された状態で、フレアナット76とその近傍のガス側冷媒連絡管5の一部の周囲を覆うことが可能になっている。ガス側冷媒連絡管5の径方向外側部分についても同様に、運転時の結露発生を抑制させるための連絡側防露部材72が設けられている。この連絡側防露部材72も、非金属であり、樹脂等で構成された筒状の発泡体であり、断熱性を備えている。本実施形態では、連絡側防露部材72は、ガス側冷媒連絡管5のうちフレアナット76の手前までの部分の径方向外側を覆うように設けられている。
【0055】
室内ユニット3が現地に施工される前の状態では、ケーシング30の接続用側板64の開口64aから延びだしたガス側接続配管54および継手本体75が室内側防露部材71によって覆われた状態となっている。ここで、室内側防露部材71は、ケーシング30内において、室内側防露部材71の径方向外側から第1タイラップ81によって締め付けられることにより、ガス側接続配管54に対して固定されている。
【0056】
施工時には、ガス側接続配管54および継手本体75が、連絡側防露部材72で覆われたガス側冷媒連絡管5およびフレアナット76と接続される。ここで、本実施形態では、室内側防露部材71のうち、ガス側接続配管54および継手本体75よりもさらに延びだした箇所が、ガス側冷媒連絡管5およびフレアナット76を覆っている連絡側防露部材72をさらに径方向外側から覆うようにして取り付けられる。なお、連絡側防露部材72の外側を覆う室内側防露部材71は、径方向外側から第2タイラップ82によって締め付けられることで、連絡側防露部材72と室内側防露部材71とが互いに固定されている。
【0057】
ここで、室内側防露部材71の径方向内側には、
図6に示すように、径方向外側に向けて切り欠かれた部分が軸方向に連続するようにして形成された切り欠き部71aが設けられている。室内側防露部材71の内周部分に切り欠き部71aが設けられているため、室内側防露部材71の内周面とガス側接続配管54の外周面とが径方向に離れて位置することで形成された空間である連通路91が形成されている。この連通路91は、ガス側接続配管54の軸方向に沿って、ケーシング30の接続用側板64の開口64aを通過し、ケーシング30の内部まで延びている。また、連通路91のケーシング30の内部側の端部は、ケーシング30内の空間に向けて開放されている。
【0058】
なお、液側接続配管53と液側冷媒連絡管4との接続についても、上記ガス側接続配管54とガス側冷媒連絡管5との接続と同様であるため、説明を省略する。
【0059】
(5)本実施形態の特徴
室内ユニット3のケーシング30の内部には、冷媒漏洩センサ59が設けられている。このため、ケーシング30内の室内熱交換器51、液側接続配管53、ガス側接続配管54、およびこれらの接続箇所等のケーシング30内部の任意の箇所から冷媒漏洩が生じた場合であっても、冷媒漏洩センサ59によって検知することが可能となっている。
【0060】
そして、室内ユニット3は、室内熱交換器51からケーシング30の外部にまで延びている液側接続配管53とガス側接続配管54が、液側冷媒連絡管4とガス側冷媒連絡管5にそれぞれ接続されることで施工される。このため、室内ユニット3のケーシング30の外部においても、冷媒配管同士の接続箇所が生じており、当該接続箇所から冷媒が漏洩するおそれもある。
【0061】
これに対して、本実施形態の室内ユニット3では、室内側防露部材71の内周部分に切り欠き部71aが設けられることで、室内側防露部材71の内周面と液側接続配管53の外周面との間の空間である連通路91が形成されている。このため、液側接続配管53と液側冷媒連絡管4との接続箇所が室内側防露部材71によって覆われた空間、および、ガス側接続配管54とガス側冷媒連絡管5との接続箇所が室内側防露部材71によって覆われた空間は、いずれも、各連通路91を介して、室内ユニット3のケーシング30の内部空間まで連通した状態となっている。
【0062】
したがって、液側接続配管53と液側冷媒連絡管4との接続箇所またはガス側接続配管54とガス側冷媒連絡管5との接続箇所から冷媒漏洩が生じることがあっても、漏洩した冷媒は、各連通路91を介して、室内ユニット3のケーシング30の内部空間まで導かれる(
図5の一点鎖線参照)。こうして、ケーシング30の外部で生じた冷媒漏洩についても、ケーシング30の内部空間に配置されている冷媒漏洩センサ59によって検知することが可能になっている。
【0063】
なお、本実施形態では、室内ユニット3のケーシング30の外部には、冷媒漏洩を検知するためのセンサが設けられていないため、漏洩検知センサの数を増大させることなく、ケーシング30の外部で生じた冷媒漏洩を検知することが可能になっている。
【0064】
(6)変形例
(6-1)変形例A
上記実施形態では、室内側防露部材71に切り欠き部71aを設けることで連通路91を形成させた場合について例に挙げて説明した。
【0065】
これに対して、室内ユニット3においては、例えば、
図7、
図8に示すように、室内側防露部材71に形成された切り欠き部71aを補強するための別部材である連通路形成部材88がさらに用いられていてもよい。
【0066】
なお、連通路形成部材88の形状は、特に限定されないが、例えば、室内側防露部材71に形成された切り欠き部71aの形状に対応した形状を有しているものであることが、補強を確実にできる点で好ましい。なお、連通路形成部材88のケーシング30内の端部は、室内側防露部材71のケーシング30内の端部よりも接続用側板64の開口64aから遠い側に向けて延びており、冷媒漏洩センサ59に近づくように延びた延長部分88aを有していることが好ましい。このように連通路形成部材88が延長部分88aを有していることで、液側接続配管53と液側冷媒連絡管4との接続箇所が室内側防露部材71によって覆われた空間等において冷媒漏洩が生じた場合に、漏洩冷媒を冷媒漏洩センサ59の近くまで導きやすくなる。
【0067】
そして、このように、室内側防露部材71とは別部材の連通路形成部材88を用いる場合には、脱落を抑制するために、連通路形成部材88は、室内側防露部材71に対して接着固定されているか、液側接続配管53またはガス側接続配管54に対して接着固定されていることが好ましい。
【0068】
また、連通路形成部材88自体の表面において結露が生じることを抑制させるために、連通路形成部材88は、樹脂等の非金属で構成されていることが好ましい。
【0069】
また、室内側防露部材71とは別部材の連通路形成部材88は、室内側防露部材71よりも変形しにくいものであることが好ましい。これにより、第1タイラップ81によって締結固定される場合であっても、第1タイラップ81により縛られる箇所において連通路91が潰れてしまうことを抑制し、連通路91の連通状態をより確実に確保することが可能になる。
【0070】
(6-2)変形例B
上記実施形態では、室内側防露部材71に切り欠き部71aを設けることで連通路91を形成させた場合について例に挙げて説明した。
【0071】
これに対して、室内ユニット3においては、例えば、
図9、
図10に示すように、室内側防露部材71がくり抜き部71bを有していてもよい。このくり抜き部71bは、液側接続配管53と液側冷媒連絡管4との接続箇所近傍やガス側接続配管54とガス側冷媒連絡管5との接続箇所近傍の空間が、室内側防露部材71の厚み部分(外周面と内周面の間の部分)を介して、ケーシング30の内部空間まで連通するように、室内側防露部材71の一部がくり抜いて形成されている。
【0072】
この場合であっても、液側接続配管53と液側冷媒連絡管4との接続箇所やガス側接続配管54とガス側冷媒連絡管5との接続箇所において漏洩した冷媒は、くり抜き部71bの内側として構成される連通路91を介して、ケーシング30内の冷媒漏洩センサ59で検出することが可能になる。
【0073】
(6-3)変形例C
上記変形例Bでは、室内側防露部材71にくり抜き部71bを設けることで連通路91を形成させた場合について例に挙げて説明した。
【0074】
これに対して、室内ユニット3においては、例えば、
図11、
図12に示すように、室内側防露部材71のくり抜き部71bの強度を高めるために、くり抜き部71bの内側にパイプ86が設けられていてもよい。なお、パイプ86のケーシング30内の端部は、室内側防露部材71のケーシング30内の端部よりも接続用側板64の開口64aから遠い側に向けて延びており、冷媒漏洩センサ59に近づくように延びた延長部分86aを有していることが好ましい。このようにパイプ86が延長部分86aを有していることで、液側接続配管53と液側冷媒連絡管4との接続箇所が室内側防露部材71によって覆われた空間等において冷媒漏洩が生じた場合に、漏洩冷媒を冷媒漏洩センサ59の近くまで導きやすくなる。
【0075】
なお、パイプ86自体の表面において結露が生じることを抑制させるために、パイプ86は、樹脂等の非金属製であることが好ましい。
【0076】
また、室内側防露部材71とは別部材のパイプ86は、室内側防露部材71よりも変形しにくいものであることが好ましい。これにより、第1タイラップ81によって締結固定される場合であっても、第1タイラップ81により縛られる箇所において連通路91が潰れてしまうことを抑制し、連通路91の連通状態をより確実に確保することが可能になる。
【0077】
(6-4)変形例D
上記変形例Cでは、室内側防露部材71の内部に形成されたくり抜き部71bにパイプ86を埋め込むことで連通路91を確保させた場合について例に挙げて説明した。
【0078】
これに対して、室内ユニット3においては、例えば、
図13、
図14に示すように、室内側防露部材71が貫通部71cを有し、パイプ87が当該貫通部71cを介してケーシング30の内部空間まで延びるように設けられていてもよい。
【0079】
室内側防露部材71の貫通部71cは、液側接続配管53と液側冷媒連絡管4との接続箇所近傍やガス側接続配管54とガス側冷媒連絡管5との接続箇所近傍の空間と、室内側防露部材71の径方向外側の空間と、が連通させるために、室内側防露部材71の一部を貫通させて形成されたものである。
【0080】
そして、パイプ87は、液側接続配管53と液側冷媒連絡管4との接続箇所近傍やガス側接続配管54とガス側冷媒連絡管5との接続箇所近傍の空間から、室内側防露部材71の貫通部71cを介して室内側防露部材71の径方向外側まで延びた後、室内側防露部材71に沿ってケーシング30の内部空間まで延びている。
【0081】
この場合であっても、液側接続配管53と液側冷媒連絡管4との接続箇所やガス側接続配管54とガス側冷媒連絡管5との接続箇所において漏洩した冷媒を、パイプ87の内部空間として構成される連通路91を介して、ケーシング30内の冷媒漏洩センサ59で検出することが可能になる。
【0082】
なお、パイプ87のケーシング30内の端部は、室内側防露部材71のケーシング30内の端部よりも接続用側板64の開口64aから遠い側に向けて延びており、冷媒漏洩センサ59に近づくように延びた延長部分87aを有していることが好ましい。このようにパイプ87が延長部分87aを有していることで、液側接続配管53と液側冷媒連絡管4との接続箇所が室内側防露部材71によって覆われた空間等において冷媒漏洩が生じた場合に、漏洩冷媒を冷媒漏洩センサ59の近くまで導きやすくなる。
【0083】
なお、パイプ87自体の表面において結露が生じることを抑制させるために、パイプ87は、樹脂等の非金属製であることが好ましい。
【0084】
また、室内側防露部材71とは別部材のパイプ87は、室内側防露部材71よりも変形しにくいものであることが好ましい。これにより、第1タイラップ81によって締結固定される場合であっても、第1タイラップ81により縛られる箇所において連通路91が潰れてしまうことを抑制し、連通路91の連通状態をより確実に確保することが可能になる。
【0085】
(6-5)変形例E
上記変形例C、Dでは、パイプ86、87を有している室内ユニット3を例に挙げて説明した。
【0086】
ここで、パイプ86、87は、
図15に示すように、端部が斜めにカットされて構成されているものであることが好ましい。具体的には、パイプ86、87の端部が、パイプ86、87の軸方向を法線方向とする面は非平行の面によって切断されるようにして構成されていることが好ましい。なお、パイプ86、87は、端部が塵等により閉塞されることを抑制しやすい観点から、端部の開口が斜め下方を向く姿勢で用いられることが好ましい。
【0087】
(6-6)変形例F
上記実施形態では、室内側防露部材71の端部が連絡側防露部材72の端部を径方向外側から覆うようにして防露部材が連なる状態を確保した場合を例に挙げて説明した。
【0088】
これに対して、例えば、
図16に示すように、室内側防露部材71が継手本体75の手前まで設けられ、連絡側防露部材72がフレアナット76や継手本体75を超えてケーシング30側まで延びるように設けられている場合には、連絡側防露部材72の端部が室内側防露部材71の端部を径方向外側から覆うようにして防露部材が連なる状態を確保してもよい。この場合には、室内側防露部材71の外側を覆う連絡側防露部材72は、径方向外側から第3タイラップ83によって締め付けられることで、連絡側防露部材72と室内側防露部材71とが互いに固定されている。
【0089】
なお、この場合であっても、連通路91の確保の仕方は、上記実施形態および各変形例の態様を適用することができる。
【0090】
(6-7)変形例G
上記実施形態では、室内側防露部材71の端部が連絡側防露部材72の端部を径方向外側から覆うようにして防露部材が連なる状態を確保した場合を例に挙げて説明した。
【0091】
これに対して、例えば、
図17に示すように、室内側防露部材71が継手本体75の手前まで設けられ、連絡側防露部材72もフレアナット76の手前まで設けられている場合には、継手本体75やフレアナット76の外側の部分を追加防露部材73によって覆うことで、室内側防露部材71と連絡側防露部材72と追加防露部材73とによって、防露部材が連なる状態を確保してもよい。この場合には、追加防露部材73のうち室内側防露部材71の外側を覆う部分は、径方向外側から第4タイラップ84によって締め付けられ、追加防露部材73のうち連絡側防露部材72の外側を覆う部分は、径方向外側から第5タイラップ85によって締め付けられることで、室内側防露部材71と連絡側防露部材72と追加防露部材73とが互いに固定されている。
【0092】
なお、この場合であっても、連通路91の確保の仕方は、上記実施形態および各変形例の態様を適用することができる。
【0093】
(6-8)変形例H
上記実施形態では、室内ユニット3のケーシング30の内部空間に冷媒漏洩センサ59が設けられている場合を例に挙げて説明した。
【0094】
これに対して、室内ユニット3自体には、冷媒漏洩センサが設けられていなくてもよい。例えば、サービスエンジニア等が所持する冷媒漏洩センサによって冷媒漏洩の有無を調査する場合には、連通路91を漏洩冷媒が流れることにより、天井裏等のケーシング30の外部空間を対象とした調査を行わなくても、室内ユニット3のケーシング30の内部空間を対象とした調査を行うだけで、ケーシング30の外部での冷媒配管の接続箇所からの冷媒の漏洩を検出することが可能となる。
【0095】
(6-9)変形例I
上記実施形態では、室内ユニット3のケーシング30の外部で生じた冷媒漏洩をケーシング30の内部で検知するための構成を室内ユニット3に備えさせた場合を例に挙げて説明した。
【0096】
これに対して、当該構成を設けるユニットとしては、特に限定されるものではない。例えば、室外ユニット2のケーシングの外部で生じた冷媒漏洩を室外ユニット2のケーシングの内部で検知するための構成を室外ユニット2に備えさせるようにしてもよい。
【0097】
以上、本開示の実施形態を説明したが、特許請求の範囲に記載された本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
【符号の説明】
【0098】
1 空気調和装置
3 室内ユニット(空気調和装置)
4 液側冷媒連絡管(冷媒配管に対して接続される配管)
5 ガス側冷媒連絡管(冷媒配管に対して接続される配管)
30 ケーシング
51 室内熱交換器(熱交換器)
53 液側接続配管(冷媒配管)
54 ガス側接続配管(冷媒配管)
59 冷媒漏洩センサ
64 接続用側板
64a 開口(配管用開口)
71 室内側防露部材(第1防露部材)
72 連絡側防露部材(第2防露部材)
73 連絡側防露部材(第2防露部材)
75 継手本体(配管接続端部)
81 第1タイラップ(内側締結部材)
82 第2タイラップ(外側締結部材)
86 パイプ
87 パイプ
88 連通路形成部材
91 連通路
【先行技術文献】
【特許文献】
【0099】