(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-14
(45)【発行日】2023-11-22
(54)【発明の名称】絞り弁制御装置
(51)【国際特許分類】
F02D 9/02 20060101AFI20231115BHJP
【FI】
F02D9/02 321Z
(21)【出願番号】P 2022101336
(22)【出願日】2022-06-23
【審査請求日】2023-02-15
(73)【特許権者】
【識別番号】595054589
【氏名又は名称】株式会社デンソーダイシン
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】100096998
【氏名又は名称】碓氷 裕彦
(72)【発明者】
【氏名】長屋 拓見
(72)【発明者】
【氏名】清水 泰
【審査官】櫻田 正紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-161091(JP,A)
【文献】特開2016-075179(JP,A)
【文献】特開2003-328828(JP,A)
【文献】特開平10-047135(JP,A)
【文献】特開2016-020653(JP,A)
【文献】特開平08-261050(JP,A)
【文献】特開2004-011564(JP,A)
【文献】特開2001-073817(JP,A)
【文献】特開2021-032088(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02D 9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通路及びモータ空間を有するボデー(300)と、
このボデーの前記通路に配置され、シャフト(402)と共に回動して前記通路を開閉するバルブ(400)と、
前記ボデーの前記モータ空間に保持され、前記シャフトを、前記バルブの全閉位置(P0)、全開位置(P2)、及び前記全閉位置と前記全開位置との間のバルブ中間位置(P1)に回動するモータ(100)と、
前記ボデー内に配置され、前記シャフトが前記バルブ中間位置から前記全閉位置に移動する際及び前記バルブ中間位置から前記全開位置に移動する際にバネ力による抗力を付加するコイルスプリング(450)と、
前記バルブの開度を検知する回転角センサ(510)を備え、
前記バルブ中間位置を挟んで全開方向側に設定した全開閾値と全閉方向側に設定した全閉閾値との範囲内でのバルブ中間位置制御と、
前記全開閾値より前記全開位置側の範囲内での全開位置側制御と、
前記全閉閾値より前記全閉位置側の範囲内での全閉位置側制御とを行い、
前記全開位置側制御と前記全閉位置側制御とは同じ第1制御(S104)であり、
前記バルブ中間位置制御は、前記第1制御と異なる第2制御(S105)であ
り、
前記第1制御及び前記第2制御は、比例項と積分項とを含む制御であり、
前記第2制御での前記積分項のゲイン値は、前記第1制御での前記積分項のゲイン値より小さく、
前記第2制御での前記積分項のオフセット量は、前記第1制御での前記積分項のオフセット量より大きい
ことを特徴とする絞り弁制御装置。
【請求項2】
通路及びモータ空間を有するボデー(300)と、
このボデーの前記通路に配置され、シャフト(402)と共に回動して前記通路を開閉するバルブ(400)と、
前記ボデーの前記モータ空間に保持され、前記シャフトを、前記バルブの全閉位置(P0)、全開位置(P2)、及び前記全閉位置と前記全開位置との間のバルブ中間位置(P1)に回動するモータ(100)と、
前記ボデー内に配置され、前記シャフトが前記バルブ中間位置から前記全閉位置に移動する際及び前記バルブ中間位置から前記全開位置に移動する際にバネ力による抗力を付加するコイルスプリング(450)と、
前記バルブの開度を検知する回転角センサ(510)を備え、
前記バルブの目標開度位置と、前記回転角センサにより検知された実位置との偏差に基づき、前記偏差の小さい状態での定常時制御(S103)と前記偏差の大きい状態での過渡時制御(S102)との切り替えを行い、
前記バルブ中間位置を挟んで全開方向側に設定した全開閾値と全閉方向側に設定した全閉閾値との範囲内でのバルブ中間位置制御と、
前記全開閾値より前記全開位置側の範囲内での全開位置側制御と、
前記全閉閾値より前記全閉位置側の範囲内での全閉位置側制御とを行い、
前記全開位置側制御と前記全閉位置側制御とは同じ第1制御(S104)であり、
前記バルブ中間位置制御は、前記第1制御と異なる第2制御(S105)であり、
前記第1制御及び前記第2制御は、前記定常時制御で行い、
前記過渡時制御と、前記定常時制御の前記第1制御及び前記第2制御は、比例項と積分項とを含む制御であり、
前記積分項のゲイン値は、前記定常時制御と前記過渡時制御とで異なる制御で設定され、
前記積分項のゲイン値は、前記定常時制御の前記全開位置側制御と前記全閉位置側制御とで同じ前記第1制御で設定され、
前記積分項のゲイン値は、前記定常時制御の前記バルブ中間位置制御で前記第1制御と異なる前記第2制御で設定され、
前記定常時制御の前記第1制御での前記積分項のゲイン値は、前記過渡時制御での前記積分項のゲイン値とは異なり、
前記定常時制御の前記第2制御での前記積分項のゲイン値は、前記第1制御での前記積分項のゲイン値より小さい
ことを特徴とする絞り弁制御装置。
【請求項3】
前記バルブを、前記全開位置から前記バルブ中間位置に回動させる際、及び前記全閉位置から前記バルブ中間位置に回動させる際に、前記バルブ中間位置で前記コイルスプリングのバネ力が掛らない不感帯領域(L1)が生じる
ことを特徴とする請求項1
若しくは請求項2に記載の絞り弁制御装置。
【請求項4】
前記全開閾値は前記不感帯領域より前記全開位置側であり、
前記全閉閾値は前記不感帯領域より前記全閉位置側である
ことを特徴とする請求項
3に記載の絞り弁制御装置。
【請求項5】
前記バルブ中間位置及び前記全閉位置の少なくともいずれか一方を学習する制御を更に備え、前記全開閾値及び前記全
閉閾値は、この学習した値に基づいて決定される
ことを特徴とする請求項1
若しくは請求項2に記載の絞り弁制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、絞り弁制御装置に関する。本開示の制御を行う絞り弁は、エンジンの吸気をコントロールする電子スロットル装置、排気ガス循環システムに用いられるEGRバルブ、ディーゼルエンジンの吸気通路圧力制御弁、燃料電池の水素濃度を制御するための負圧制御バルブ等の用途がある。
【0002】
本開示は、特にバルブを付勢するコイルスプリングによって、バルブが通路を全閉とする位置ではなく、若干開いた位置(以下、この位置をバルブ中間位置という。)で保持する絞り弁装置に関する。
【背景技術】
【0003】
例えば電子スロットル装置では、エンジンの運転状態をコントロールするエンジンコントロールユニット、または電子スロットル装置に何らかの故障が生じた場合にも、自動車を退避走行可能とするようにしている。具体的には、電子スロットル装置のモータが駆動力を生じない時に、スロットルバルブが吸気通路を全閉とする位置ではなく、バルブ中間位置で停止するよう構成されている。
【0004】
特許文献1に記載の電子スロットル装置では、コイルスプリングを用いて、コイルスプリングの両端にそれぞれガイドを配置している。そして、コイルスプリング端をバルブギヤの駆動部に係止させて、バルブギヤによりバルブをバルブ中間位置から回動している。また、コイルスプリング端をボデーの保持部に係止させて、バルブをバルブ中間位置に保持できるようにしている。ただ、特許文献1はコイルスプリングを用いたスロットルバルブ装置の構造の説明はなされているが、制御に関しての開示は無い。
【0005】
一方、特許文献2に記載の電子スロットル制御装置では、スロットルバルブの開度はモータを用いて制御している。そして、制御として比例項、積分項、微分項を用いた制御を採用している。ただ、特許文献2では、スロットルバルブ装置がコイルスプリングを用いているのか不明であり、また、特許文献2の制御は全閉位置から全開位置まで単一の制御を行うようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2003-120335号
【文献】特開2003-314335号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本開示は、コイルスプリングを用いてバルブをバルブ中間位置に保持可能な絞り弁に用いる制御装置である。本開示は、バルブ中間位置を含めて全閉位置から全開位置までバルブの開度を適切に制御することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の第1の絞り弁制御装置は、通路及びモータ空間を有するボデー(300)と、このボデーの通路に配置されシャフト(402)と共に回動して通路を開閉するバルブ(400)と、ボデーのモータ空間に保持されシャフトをバルブの全閉位置(P0)、全開位置(P2)、及び全閉位置と全開位置との間のバルブ中間位置(P1)に回動するモータ(100)と、ボデー内に配置されモータの回転がシャフトに伝達される際にバネ力による抗力を付加するコイルスプリング(450)と、バルブの開度を検知する回転角センサ(510)を備える絞り弁の制御装置である。
【0009】
本開示の第1の制御装置は、バルブ中間位置を挟んで全開方向側に設定した全開閾値と全閉方向側に設定した全閉閾値との範囲内でのバルブ中間位置制御と、全開閾値より全開位置側の範囲内での全開位置側制御と、全閉閾値より全閉位置側の範囲内での全閉位置側制御とを行う。そして、全開位置側制御と全閉位置側制御とは同じ第1制御(S104)とし、バルブ中間位置制御は、第1制御と異なる第2制御(S105)としている。
【0010】
バルブ中間位置ではコイルスプリングのバネ力が印加されないので、バルブ中間位置でのバルブ中間位置制御を、それ以外の位置である全開位置制御や全閉位置制御と同じとすると、バルブ中間位置で、ハンチングやオーバーシュート、アンダーシュートが発生する恐れがある。本開示では、バルブ中間位置での制御を第2制御とし、それ以外の位置での第1制御と異なるようにして、ハンチングやオーバーシュート、アンダーシュートの発生を抑制する制御とすることができる。
【0011】
本開示の第2は、過渡時制御と定常時制御の第1制御及び第2制御は、比例項と積分項とを含む制御としている。そして、積分項のゲイン値は、定常時制御と過渡時制御とで異なる制御で設定される。また、定常時制御の全開位置側制御と全閉位置側制御とで同じ第1制御で設定される。且つ、積分項のゲイン値は、定常時制御のバルブ中間位置制御で第1制御と異なる第2制御で設定される。本開示の第2では定常時制御と過渡時制御とでの積分項のゲイン値を設定する制御を特定している。
【0012】
本開示の第2は、定常時制御の第1制御での積分項のゲイン値は、過渡時制御での積分項のゲイン値とは異なり、定常時制御の第2制御での積分項のゲイン値は、第1制御での積分項のゲイン値より小さい。本開示の第2では、積分項のゲイン値をより具体的に特定している。即ち、過渡時制御、定常時制御の第1制御及び定常時制御の第2制御で積分項のゲイン値が異なり、且つ、積分項のゲイン値は、定常時制御の第1制御と定常時制御の第2制御の順で小さくなる。
【0013】
本開示の第3は、バルブを全開位置からバルブ中間位置に回動させる際及び全閉位置からバルブ中間位置に回動させる際に、バルブ中間位置でコイルスプリングのバネ力が掛らない不感帯領域(L1)が生じることを前提とした制御としている。ボデーとコイルスプリングとの組付け時に生じる寸法差等により、バルブ中間位置ではコイルスプリングのバネ力が掛らない不感帯領域が生じる可能性がある。この不感帯領域では、ハンチングやオーバーシュート、アンダーシュートがより発生しやすい。本開示の制御を採用することで、ハンチングやオーバーシュート、アンダーシュートの発生を抑制することができる。
【0014】
本件の第4の開示は、全開閾値は不感帯領域より全開位置側としている。かつ、全閉閾値を不感帯領域より全閉位置側としている。本開示では、不感帯領域を全開閾値と全閉閾値との間に入れることで、不感帯領域で生じるハンチングやオーバーシュート、アンダーシュートを確実に抑制することができる。
【0015】
本開示の第1では、第1制御及び第2制御を、比例項と積分項とを含む制御としている。そして、第2制御での積分項のゲイン値を、第1制御での積分項のゲイン値より小さくしている。積分項のゲイン値を小さくすることで、第2制御を第1制御に比して制御感度を抑えた制御とすることができ。これにより、ハンチングやオーバーシュート、アンダーシュートの発生が抑制できる。
【0016】
本開示の第1では、第1制御及び第2制御を、比例項と積分項とを含む制御としている。そして、第2制御での積分項のオフセット量を、第1制御での積分項のオフセット量より大きくしている。第2制御での積分項のオフセット量を引き上げることで、第2制御を第1制御に比して応答性を高めた制御とすることができる。本開示の第1では、応答性を高めることで、制御感度を抑える制御の不利益を補うことが可能となる。
【0017】
本開示の第5は、バルブ中間位置及び全閉位置の少なくともいずれか一方を学習する制御を更に備えている。そして、全開閾値及び全閉閾値は、この学習した値に基づいて決定する。本開示の第5では、実際のバルブ中間位置や全閉位置に基づいてバルブ中間位置制御を行うことができるので、バルブ中間位置において確実に第2制御を行うことができる。
【0018】
本開示の第2は、バルブの目標開度位置と、回転角センサにより検知された実位置との偏差に基づき、偏差の小さい状態での定常時制御(S103)と偏差の大きい状態での過渡時制御(S102)との切り替えを更に備える制御としている。そして、第1制御及び第2制御は、定常時制御で行うようにしている。ハンチングやオーバーシュート、アンダーシュートの発生に対する対応は過渡時より定常時の方がより求められるので、本開示のバルブ中間位置制御での第2制御は定常時に行うようにしている。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】
図1は、電子スロットル装置の縦断面図である。
【
図3】
図3は、バルブギヤ、コイルスプリング、第1ガイド、第2ガイド及び軸受を分解して示す斜視図である。
【
図4】
図4は、
図2より中間ギヤ及びバルブギヤを取り外した正面図である。
【
図8】
図8は、第1ガイド、コイルスプリング、第2ガイドのサブアッセンブリを示す斜視図である。
【
図9】
図9は、第1ガイド、第2ガイドを示す正面図である。
【
図10】
図10は、コイルスプリング変位状態を説明する図である。
【
図11】
図11は、ガイドと駆動部及び保持部の位置関係を示す正面図である。
【
図12】
図12は、ガイドと駆動部及び保持部の他の位置関係を示す正面図である。
【
図13】
図13は、コイルスプリングのバネ力のヒステリシスを示す図である。
【
図14】
図14は、電子スロットル制御装置を示すブロック図である。
【
図18】
図18は、電子スロットル制御装置の制御を示すブロック図である。
【
図19】
図19は、電子スロットル制御装置の制御を示すフローチャートである。
【
図20】
図20は、電子スロットル制御装置の制御を示すフローチャートである。
【
図21】
図21は、コイルスプリング変位状態の他の例を説明する図である。
【
図22】
図22は、積分ゲイン値を小さくした制御を説明する図である。
【
図23】
図23は、積分オフセット量を大きくした制御を説明する図である。
【
図24】
図24は、第1磁石及び第2磁石の磁気回路と回転角センサとの関係を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下本開示の絞り弁制御装置を電子スロットル装置1に用いた実施形態を、図に基づいて説明する。なお、本開示の絞り弁制御装置は、上述の通り、EGRバルブ、ディーゼルエンジン吸気通路圧力制御弁、燃料電池用負圧制御バルブ等、絞り弁の制御装置として幅広く利用可能である。従って、スロットルシャフトやスロットルバルブ等の名称は本開示を電子スロットル装置1に用いた場合の例で、シャフトやバルブの用途はスロットルに限定されるものではない。
【0021】
図1は電子スロットル装置1の縦断面図で、この
図1に基づいて電子スロットル装置1の概要を説明する。電子スロットル装置1はエンジンルームに配置され、エンジンに吸入される吸気の流量を制御する。ドライバーのアクセルペダル操作や、エンジンの回転状態等に応じて、エンジンコントロールユニット(以下ECUという。)710(
図14図示)が最適な吸気量を演算して、演算結果に応じた回転量をモータ100に出力する。
【0022】
アルミニウム若しくはアルミニウム合金製のボデー300のモータ空間330にモータ100が配置される。モータ100の回転は、モータシャフト101(
図2図示)に圧入固定されたモータピニオン102から、減速機構200に伝達される。減速機構200は、
図2に示すように、モータピニオン102、中間ギヤ201及びバルブギヤ210により形成される。
【0023】
中間ギヤ201の大径歯車202は、モータピニオン102と歯合する。中間ギヤ201は中間シャフト203を中心として回転自在に保持されている。中間シャフト203はボデー300の嵌合穴301に圧入固定されている。中間ギヤ201の小径歯車204が、バルブギヤ210の外周に円弧状に形成された歯部211と歯合しており、モータピニオン102の回転は中間ギヤ201を介してバルブギヤ210に伝達される。従って、モータシャフト101の回転は、中間ギヤ201とバルブギヤ210によって減速されてスロットルシャフト402に伝達される。
【0024】
バルブギヤ210のコップ状中心部212の内周には、円筒状のヨーク213が配置されている。このヨーク213の対抗する位置に第1磁石220及び第2磁石221が配置され、第1磁石220、第2磁石221及びヨーク213により磁気回路が形成される。バルブギヤ210のコップ状中心部212の奥部(
図1の下方)には円盤状のレバー401が配置されている。そして、第1磁石220、第2磁石221とレバー401はバルブギヤ210にインサート成形されている。
【0025】
スロットルシャフト402の端面には、係合部4021が形成されており、レバー401にもこの係合部4021と係合する面が形成されている。そして、レバー401はスロットルシャフト402の係合部4021と係合した状態で、スロットルシャフト402の端面にカシメ固定される。従って、バルブギヤ210は、レバー401を介してスロットルシャフト402に連結し、バルブギヤ210の回転がスロットルシャフト402に伝達される。スロットルシャフト402には、円盤状のスロットルバルブ400がネジ403により固定されている。スロットルバルブ400は、その回動に応じてボデー300に形成された吸気通路320の開口面積を増減させる。
【0026】
ボデー300の開口端303(
図1の上側、
図2の正面)は、カバー500によって覆われている。カバー500は、ボデー300の形状に対応して凡そ長方形状をしている。カバー500は、ポリブチルテレフタレートPBTなどの樹脂で成形されており、所定部位にリブを形成して強度を得ている。
【0027】
カバー500のうち、スロットルシャフト402の軸線407に対応する位置には、ホールICからなる一対の回転角センサ510が配置されている。回転角センサ510はカバー500に固定されているが、その外周にバルブギヤ210にインサート成形されたヨーク213及び一対の第1磁石220、第2磁石221が配置されている。そして、第1磁石220、第2磁石221はスロットルシャフト402の回動に応じて軸線407周りを回動するので、磁気回路はスロットルバルブ400の回転角に応じた位置に変化する(
図24図示)。回転角センサ510は、この磁気回路の位置変化に起因する磁力の変化を検知して、スロットルバルブ400の開度を検出する。そして、検出した位置情報を、ECU710にフィードバックする。
【0028】
スロットルシャフト402はスロットルバルブ400を挟んで両側に配置された第1軸受405、第2軸受406によって、ボデー300に回転自在に支持されている。第1軸受405は滑り軸受であり、第2軸受406はボールベアリングである。ボデー300の開口部302は、第1軸受405を挿入するための開口で、プラグ310によって覆われている。
【0029】
ボデー300にはバルブギヤ210を収容する空間321が形成されており、この空間321にはスロットルシャフト402をバネ力で付勢するコイルスプリング450が配置されている。コイルスプリング450は、バネ鋼製で、
図3に示すように、直径が15ミリメートル程度の円筒状をしている。そして、円筒状のコイルスプリング450の内周にスロットルシャフト402が配置されている。換言すれば、コイルスプリング450はスロットルシャフト402の外周に回転自在に配置されている。コイルスプリング450の一端側の第1スプリング端451、及び他端側の第2スプリング端452が径方向外側に折れ曲がって5ミリメートル程度外方に突出している。
【0030】
コイルスプリング450の一面側の第1端面453は第1ガイド460により覆われている。また、コイルスプリング450の他面側の第2端面454は第2ガイド461により覆われている。第1ガイド460も第2ガイド461も共に66ナイロン樹脂製である。以下、第1ガイド460に付いて説明するが、説明は第2ガイド461にも適用される。
【0031】
第1ガイド460には、
図8及び
図9に示すように、円筒状をしたコイルスプリング450の第1端面453を覆う第1円盤部462が形成されている。そして、この第1円盤部462にコイルスプリング450の第1端面453が収納される。第1ガイド460は、第1円盤部462の中心部にハブ463を形成し、ハブ463の中心部には第1貫通穴464が形成されている。そして、この第1貫通穴464内にスロットルシャフト402が遊嵌入される。その為、第1ガイド460はスロットルシャフト402の周りに回転自在に配置される。
【0032】
第1ガイド460の第1円盤部462からは、第1ガイドフック468が径方向に突出形成されている。第1ガイドフック468は、
図8及び
図9に示すように、第1スプリング端451が当接してコイルスプリング450のバネ力を受ける係止面4682と、この係止面4682の反対側に形成され第1スプリング端451の側面を覆う保護部4683とを備えている。また、第1円盤部462の第1ガイドフック468の付け根には第1スプリング端451が貫通する第1スプリング穴465が開口している。第1スプリング穴465によりコイルスプリング450の組付け性が向上し、保護部4683によりコイルスプリング450の脱落防止が図れる。この第1スプリング穴465と保護部4683とにより、第1スプリング端451のバネ力が確実に係止面4682に伝達されることとなる。
【0033】
以上は第1ガイド460に関して説明したが、上述の通り、第2ガイド461も第1ガイド460と同一形状をしている。従って、第1ガイド460に関する説明は第2ガイド461にも適用できる。従って、第2ガイド461の符号も
図9に併記している。第2ガイド461も、第2円盤部4621が形成され、中心部にハブ4631が形成され、かつ、第2貫通穴4641が開口している。同様に、第2円盤部4621の外周からは第2ガイドフック4681が径方向外方に延出している。また、第2円盤部4621には、第2スプリング穴4651が開口している。なお、
図8及び
図9に基づいて第1ガイド460及び第2ガイド461の説明を行ったが、
図1の第1ガイド460と第2ガイド461も同形状となっている。
【0034】
このように、第1ガイド460と第2ガイド461とを同一形状とすることで、組付け時に第1ガイド460と第2ガイド461との層別を行う必要がなくなり、組み付け時間の短縮が図れる。加えて、同一形状とすることで、組み付け設備のコストも低減でき、かつ、部品コストも低減できる。
【0035】
ただ、第2ガイド461は第1ガイド460に対して反転して配置されている。そのため、
図3に示すように、第1ガイド460の第1円盤部462がコイルスプリング450の第1端面453を収納して保持するのに対し、第2ガイド461の第2円盤部4621は、コイルスプリング450の第2端面454を収納保持することとなる。
【0036】
第1ガイド460、コイルスプリング450及び第2ガイド461は、
図1に示すように、バルブギヤ210の背面(
図1の下方)でスロットルシャフト402の周囲に配置される。配置された状態で、第1ガイド460のハブ463は金属製のレバー401に当接し、第2ガイド461のハブ463はボールベアリング(第2軸受406)のインナーレースと当接している。
【0037】
図10に概要を示すように、ボデー300にはコイルスプリング450のバネ力を受ける保持部3050が形成されている。そして、コイルスプリング450の付勢力によって、スロットルバルブ400は吸気通路320をバルブ中間位置に保持する。このバルブ中間位置は閉位置ではあるが、故障時の退避走行が可能なように、スロットルバルブ400は吸気通路320を全閉にすることはなく、所定量の吸気は流入できるように多少開いた位置となっている。なお、
図10では簡略のため、コイルスプリング450の第1スプリング端451及び第2スプリング端452が直接保持部3050と当接するように記載しているが、実際には、第1ガイド460の第1ガイドフック468及び第2ガイド461の第2ガイドフック4681が保持部3050と当接している。
【0038】
また、コイルスプリング450のバネ力は、バルブギヤ210に一体形成された駆動部2100にも加わっている。上記と同様、実際には、第1ガイド460の第1ガイドフック468と第2ガイド461の第2ガイドフック4681との間に、駆動部2100が配置されている。
図10において、四半円形で示したのは、駆動部2100の移動領域であり、駆動部2100はバルブ中間位置から全閉位置まで時計方向に回動し、また、バルブ中間位置から全開位置まで反時計方向に回動する。この回動時、駆動部2100は、第1ガイド460の第1ガイドフック468と第2ガイド461の第2ガイドフック4681のいずれか一方と係合して、コイルスプリング450の第1スプリング端451及び第2スプリング端452のいずれか一方を捩る。この際、第1ガイド460の第1ガイドフック468と第2ガイド461の第2ガイドフック4681のいずれか他方は保持部3050に係止され、コイルスプリング450の第1スプリング端451及び第2スプリング端452のいずれか他方はその位置が保持される。
【0039】
図10では概要を示したが、次に、スロットルバルブ400の開閉をコイルスプリング450の挙動と共に説明する。本開示では、保持部3050が第1ボデーフック305と第2ボデーフック307とで構成されている。第1ボデーフック305及び第2ボデーフック307は、共にボデー300の外表面に一体形成されている。エンジンの回転数を上昇させるためにスロットルバルブ400が吸気通路320を開く場合、コイルスプリング450の第2スプリング端452は第1ボデーフック305と当接して、その位置を保持する。そして、第1スプリング端451がスロットルシャフト402の回動に応じて移動する。この移動に応じ、コイルスプリング450はスロットルシャフト402やバルブギヤ210、ひいてはモータ100にリターン側の付勢力を付加する。
【0040】
一方で、アイドリング状態とすべく、スロットルバルブ400が吸気通路320を閉じる場合には、スロットルシャフト402はバルブ中間位置から全閉位置に回動する。その場合には、全開方向とは逆に、コイルスプリング450の第1スプリング端451は第2ボデーフック307に当接して、その位置を保持し、第2スプリング端452がスロットルシャフト402の回動に応じて移動する。
【0041】
この移動を
図4乃至
図7を用いて説明する。
図4は、
図2より中間ギヤ201やバルブギヤ210を取り外した正面図で、スロットルバルブ400のバルブ中間位置である。第1ガイド460の第1ガイドフック468はボデー300に形成された第1ボデーフック305に当接している。同時に、第2ガイド461の第2ガイドフック4681もボデー300に形成された第2ボデーフック307に当接している。従って、バルブ中間位置ではコイルスプリング450のバネ力はバルブギヤ210に印加されない。
【0042】
図5は、
図4のV‐V線に沿う断面図で、図に示すように、第1ガイド460と第2ガイドは、レバー401と第2軸受406によって挟持されている。
図6及び
図7は、それぞれ
図5のVI‐VI線及びVII-VII線に沿う断面図である。また、
図6及び
図7の(a)はバルブ中間位置、(b)は全閉位置、(c)は全開位置を示す。バルブギヤ210に形成された駆動部2100は、
図3に示すように、歯部211に近い側が第1バルブギヤフック2101となり、第1ガイド460の第1ガイドフック468と当接可能となっている。また、駆動部2100の内、歯部211より遠い側は第2バルブギヤフック2102となって、第2ガイド461の第2ガイドフック4681と当接可能となっている。
【0043】
図6に示すように、バルブ中間位置((a)位置)から全閉((b)位置)の間は、第1スプリング端451を保持する第1ガイドフック468は、ボデー300の第1ボデーフック305に当接したままである。単にバルブギヤ210の第1バルブギヤフック2101が第1ガイドフック468から離れるのみである。逆に、バルブ中間位置((a)位置)から全開((c)位置)の間は、第1ガイドフック468はバルブギヤ210の第1バルブギヤフック2101により時計回り方向に移動する。
【0044】
次に、第2ガイドフック4681の移動を
図7に示す。バルブ中間位置((a)位置)から全閉((b)位置)の間は、第2スプリング端452を保持する第2ガイドフック4681は、バルブギヤ210の第2バルブギヤフック2102の回動に合わせてボデー300の移動溝306内を反時計回りに移動する。一方、バルブ中間位置((a)位置)から全開((c)位置)の間は、第2ガイドフック4681はボデー300の移動溝306の一端である第2ボデーフック307に係止したままで移動はない。
【0045】
このように、バルブ中間位置では、第1ガイドフック468と第2ガイドフック4681は、ともに保持部3050と駆動部2100と当接していることを前提としている。この前提のもと、バルブ中間位置からモータ100が回転してバルブギヤ210が回動すれば直ちにスロットルバルブ400が吸気通路320を開いたり閉じたりすることができるとしている。
【0046】
ただ、第1バルブギヤフック2101と第2バルブギヤフック2102とは、駆動部2100の異なる部位に設けられている。そのため、加工や組付けの誤差や部品の公差により、保持部3050の位置と駆動部2100の位置がずれる可能性もある。このような位置ずれが生じれば、第1ガイドフック468と第1ボデーフック305との間、第1ガイドフック468と第1バルブギヤフック2101との間、第2ガイドフック4681と第2ボデーフック307との間、第2ガイドフック4681と第2バルブギヤフック2102との間のいずれかで、当接しない部位ができる。
【0047】
例えば、
図11に示すように、第1ガイドフック468の基端側では駆動部2100と当接しているが、先端側では保持部3050と非当接であるとする。すると、非当接部に間隙Aが生じる。この間隙Aの大きさは公差の積み重ねにより0.2ミリメートル程度となる場合があり、これに加工誤差が加わればより大きくなる可能性もある。この間隙Aの領域ではコイルスプリング450のバネ力が働かないため、スロットルバルブ400の位置は安定しない。
【0048】
図12に示すように、第1ガイドフック468の基端側で駆動部2100と非当接で、先端側が保持部3050と当接である例でも同様である。この場合も、非当接の間隙Aの領域ではコイルスプリング450のバネ力が働かない。従って、間隙Aの領域はコイルスプリング450の不感帯領域となる。
【0049】
非当接の部位が生じれば、モータ100を回転させ、バルブギヤ210を回動させても、コイルスプリング450のバネ力が生じないこととなる。
図13に示すように、バルブ中間位置P1が定まらないこととなり、スロットルバルブ400の位置も安定しない。そのため、スロットルバルブ400から流れる吸入空気の量もバラツキ、退避走行にも支障をきたす懸念がある。なお、
図13の横軸は、スロットルバルブ400の開度Xを示す。縦軸は、スロットルシャフト402の軸トルクTを示し、コイルスプリング450のバネ力の大きさを表す。
【0050】
縦軸の上方側は
図6の時計方向への移動トルクを示し、下方側は
図7の反時計方向への移動トルクを示す。共に中心より遠ざかるほど、トルクは大きくなる。そして、バルブ中間位置P1から全開位置P2に向けて
図6の時計方向に移動させる際にはコイルスプリング450のバネ力に抗して移動させるので大きなトルクが必要となる。逆に、全開位置P2からバルブ中間位置P1への移動はコイルスプリング450のバネ力に押されることになるが、位置を保持するためには所定のトルクが必要となる。この全開位置P2からバルブ中間位置P1への移動時のトルクは、バルブ中間位置P1から全開位置P2への移動時のトルクより小さく、従って、モータ100に求められるトルクにはヒステリシスが生じる。このヒステリシスは、バルブ中間位置P1から全閉位置P0への移動においても同様である。
【0051】
コイルスプリング450の不感帯領域L1は、上述の通り、バルブ中間位置P1が定まらないことで問題が生じるが、加えて、モータ100に求められるトルクがバルブ中間位置P1でも零とならず、不感帯領域L1で不連続に変化することとなる。即ち、不感帯領域L1でも、モータ100のトルクにヒステリシスが生じることとなる。このヒステリシスは、バルブ中間位置P1から全開位置P2への移動時やバルブ中間位置P1から全閉位置P0への移動時のヒステリシスとは異質である。何故なら、バルブ中間位置P1から全開位置P2への移動時やバルブ中間位置P1から全閉位置P0への移動時のヒステリシスは、コイルスプリング450のバネ力に起因するもので、大きさを予め計算することが可能である。それに対し、不感帯領域L1でのヒステリシスは存在の有無を含めて影響が予測しにくいからである。
【0052】
その結果、バルブ中間位置P1から全開位置P2への移動時やバルブ中間位置P1から全閉位置P0への移動時と同一の制御を不感帯領域L1で行うと、
図15に示すように、スロットルバルブ400の位置が一定しないハンチングを生じたりする恐れがある。なお、
図15ではスロットルバルブ400の目標角度をL10で示し、実角度をL11で示している。同様に、目標角度L10以上にスロットルバルブ400の実角度L11が開くオーバーシュート(
図16図示)や、逆に、目標角度L10以上にスロットルバルブ400の実角度L11が閉じるアンダーシュート(
図17図示)が生じる恐れがある。
【0053】
その為、本開示の制御装置700では、バルブ中間位置P1を跨ぐ領域でのバルブ中間位置制御を、他の領域での全開位置側制御及び全閉位置側制御と異ならせている。以下制御装置700に付いて説明する。制御装置700は、
図14に示すようにECU710を備えている。ECU710には、アクセルペダルセンサ720からのエンジン出力要求信号が入力される。ECU710は、この要求信号に基づいて燃料噴射量や点火タイミング等と共に、吸入空気量を演算する。ECU710の演算は、比例項と積分項と微分項を用いて行う。そして、積分項には、積分定数Tiが用いられ、かつ、積分定数Tiは更に積分ゲイン定数Tigと積分オフセット定数Tioとからなる。
【0054】
演算した吸入空気量に応じてモータ駆動回路730に駆動量を出力する。モータ駆動回路730は出力に応じてモータ100を回転させて、スロットルバルブ400を所定の位置に回動させる。この回動に加えて、モータ駆動回路730は、スロットルバルブ400を所定の位置で保持するのに必要なトルクをモータ100に印加する。モータ100がスロットルバルブ400を所定の位置で保持するトルクは、デューティ比制御で行う。
【0055】
スロットルバルブ400の実際の開度は回転角センサ510で検知され、フィードバック信号としてECU710に入力される。ECU710の演算回路711は、この回転角センサ510からのフィードバック信号とアクセルペダルセンサ720からの要求信号に基づいて、スロットルバルブ400の開度を演算する。この演算の内容を、
図18を用いて説明する。回転角センサ510からの信号でスロットルバルブ400の実開度C100を定め、アクセルペダルセンサ720からの信号でスロットルバルブ400の指令開度C101を定める。実開度C100を微分することで、位相進み開度C102を計算する。また、指令開度C101の変化から目標開度変化量C103を計算する。
【0056】
スロットルバルブ400の実開度C100と指令開度C101との差から開度偏差C104を計算する。この開度偏差C104は目標開度と実開度とのずれであり、ずれが大きければ過渡時であると判断し、ずれが小さければ定常時であると判断する過渡定常判断C105を行う。一例としてずれ量はスロットルバルブ400の開度の角度で0.5度を判断基準としている。即ち、目標に対して実開度のずれが0.5度より大きければ過渡時であると判断する。
【0057】
過渡時と判断されれば、過渡時制御C106を行う。この過渡時制御C106は、位相進み開度C102と目標開度変化量C103と開度偏差C104に用いて、比例項と積分項を含む制御を行う。この過渡時制御において、比例項のゲイン値と積分項のゲイン値を過渡時制御の値としている。この過渡時のゲイン値は、開度偏差C104に対応した過渡マップから抽出する。
【0058】
定常時と判断されれば、定常時制御C107を行う。この定常時制御C107も、位相進み開度C102と目標開度変化量C103と開度偏差C104に用いて、比例項と積分項を含む制御を行う。ただ、この定常時制御においては、比例項のゲイン値及び積分項のゲイン値は定常時制御の値としている。この定常時のゲイン値は、定常時マップから抽出する。過渡時の方が、より早くスロットルバルブ400の開度を変化する必要がある。換言すれば、定常時は過渡時ほど急激にスロットルバルブ400の開度を変化させる必要がないので、定常時マップのゲイン値は過渡時マップのゲイン値より小さい。従って、比例項や積分項の制御でゲイン値を大きくすれば制御感度が高い制御とすることができる。逆にゲイン値を小さくすれば、制御感度を抑えた制御とすることができる。
【0059】
定常時制御C107では、更に、スロットルバルブ400の開度がバルブ中間位置の近傍であるのかどうかに応じて、制御の内容を変えている。
図19及び
図20に基づいて、定常時制御C107の内容を説明する。
図19でスタートS100の後、開度偏差C104が所定値、例えば0.5度より大きいかの過渡定常判断S101を行う。この過渡定常判断S101のステップは、上述の過渡定常判断C105の演算と同じである。過渡時であると判断されれば(Y)、過渡時制御S102に進む。この過渡時制御S102のステップは、上記の過渡時制御C106の演算と同じである。過渡時での開度偏差C104に応じてゲイン値を過渡マップから読み出して過渡時に応じた比例項及び積分項の制御を行う。上述の通り、過渡時には制御感度を高めた制御を行う。
【0060】
過渡定常判断S101のステップで、定常時であると判断されれば(N)、指令開度C101がバルブ中間位置P1の近傍であるか否かのバルブ中間位置判断S103を行う。具体的には、全閉位置P0を学習制御し、全閉位置P0からバルブ中間位置P1の角度を計算して、バルブ中間位置P1も学習制御する。そして、
図13に示す不感帯領域L1も学習制御して定める。なお、学習制御はエンジンの停止時に全閉位置P0を記憶し、先回のエンジンの停止時に記憶した全閉位置P0と差があれば、今回のエンジン停止時の全閉位置P0を上書きすることで行う。
【0061】
不感帯領域L1より更に全開位置P2側に所定角度開いた位置に全開閾値L2を定め、不感帯領域L1より更に全閉位置P0側に所定角度開いた位置に全閉閾値L0を定める。この全閉閾値L0や全開閾値L2を定める所定角度は、例えば、2度程度である。バルブ中間位置判断S103は、指令開度C101が全閉閾値L0と全開閾値L2との間に入っているか否かの判断である。
【0062】
バルブ中間位置判断S103で、バルブ中間位置P1でないと判断すれば(N)、通常の定常時制御である第1制御S104を行う。換言すれば、全開閾値L2より全開位置P2側の全開位置側制御と、全閉閾値L0より全閉位置P0側の全閉位置側制御とは第1制御S104とする。この第1制御S104では、上述した定常時マップ(第1マップ)のゲイン値を用いて、比例項及び積分項の制御を行う。上述の通り、定常時マップ(第1マップ)のゲイン値は過渡時マップのゲイン値より小さくなっている。従って、定常時に対応したスロットルバルブ400の開度制御が達成できる。
【0063】
バルブ中間位置判断S103で、バルブ中間位置P1であると判断すれば(Y)、バルブ中間位置における定常時制御を第2制御S105で行う。即ち、第2制御は定常時制御のバルブ中間位置制御である。第1制御で用いる定常時マップ(第1マップ)のゲイン値は過渡時マップのゲイン値より小さくなっている。しかし、第1制御は全開閾値L2より全開位置P2側と全閉閾値L0より全閉位置P0側で行われる制御であるので、コイルスプリング450のバネ力の影響は一定である。そのため、ゲイン値もある程度の大きさがある。その大きさのゲイン値を用いて比例項制御及び積分項制御を行うと、バルブ中間位置P1では、ハンチングやオーバーシュート、アンダーシュートが生じる恐れがある。その為、第2制御S105では、第1制御S104に比べて更に比例項及び積分項のゲイン値を小さくした第2マップを用いた制御としている。ゲイン値を小さくすることで、制御感度を抑えた制御とすることができ、これにより、
図22にゲイン値制御L12で示すように、ハンチング、オーバーシュート、アンダーシュートの発生を抑制することができる。
【0064】
一方で、ゲイン値を小さくすることは、制御感度を抑えた制御となり、これは応答感度D(
図22図示)を悪化させることにもつながる。そこで、
図20に示すように、指令開度C101がバルブ中間位置P1近傍であるか否かで、積分項のオフセット量を異ならせている。バルブ中間位置判断S103で、バルブ中間位置P1でないと判断すれば(N)、通常の定常時制御である第1制御S104を行うことは
図19の制御と同じである。バルブ中間位置判断S103で、バルブ中間位置P1であると判断すれば(Y)、バルブ中間位置の定常時制御である第2制御S105を行うことも
図19の制御と同じである。
【0065】
ただ、
図19の第1制御S104では、比例項と積分項のゲイン値を第1マップから選び、第2制御S105ではゲイン値を第2マップから選んでいた。それに対し、
図20の第1制御S104は、積分項のオフセット量を第1オフセットマップから選び、第2制御S105は積分項のオフセット量を第2オフセットマップから選んでいる。積分項のオフセット量は制御の応答性に関連する。オフセット量が大きくなればより少ない時間でスロットルバルブ400を回動させることができる。即ち、
図23のオフセット量制御L13で示すように、オフセット量を大きくすることで、制御の動き出しEを早くし、応答性を改善することができる。従って、第2オフセットマップのオフセット量を、本例では第1オフセットマップのオフセット量より大きくしている。これにより、第2制御S105でゲイン値を小さくして応答感度Dを抑えて悪化した応答性を、オフセット量を増すことで補うことができる。
【0066】
図19及び
図20の制御で、第1制御S104若しくは第2制御S105を行って通常時制御を行った後、制御ルーティンは終了する(S106)。
図18に戻ると、過渡時制御C106からのゲイン値、定常時制御C107からのゲイン値やオフセット量、及び開度偏差C104を用いて比例積分微分PID制御C108を行う。このPID制御C108の演算結果によって、モータ100の回転数やモータ100がスロットルバルブ400の開度を維持するための駆動デューティ比C109を算出する。計算された駆動デューティ比C109に基づいて、上述の通り、モータ駆動回路730がモータ100を駆動する。
【0067】
なお、上述の例では、比例項制御や積分項制御のゲイン値をマップから読み取るようにしたが、開度偏差C104やスロットルバルブ400の実開度C100等に基づいて、ゲイン値を計算して求めても良い。また、過渡時制御C106か定常時制御C107か、そして、定常時制御C107の場合は第1制御S104か第2制御S105かでゲイン値を予め定めておいても良い。
【0068】
また、制御としても、必ずしもPID制御を用いる必要は無く、積分項のみや比例項のみによる制御とすることも可能である。更には、スライディング制御等他の制御を用いることも可能である。本開示の特徴は定常時制御C107においては、バルブ中間位置P1を跨ぐ範囲での第2制御を他の範囲での第1制御と異なる制御とすることが重要である。従って、ゲイン値を変えたりオフセット量を変えたりするのは制御を異ならすための一例である。定性的には、不感帯領域L1を跨ぐ際のハンチング、オーバーシュート、アンダーシュートを抑えることができる制御を第2制御とすれば良い。
【0069】
第2制御は、第1制御に対して制御感度を抑えた制御である。その為に、積分項のゲイン値を小さくすることは望ましい制御である。ただ、上述の通り、積分制御自体は必須ではなく、制御感度を抑えることができる制御であればよい。同様に、第2制御は、第1制御に対して応答性を高めた制御であり、その為、積分項のオフセット量を大きくすることは応答感度Dを高めて望ましい制御である。しかしながら、積分制御自体は必須ではないので、応答感度Dを高めることができる制御であれば、他の制御でもよい。
【0070】
また、上述の例では全閉位置P0を学習制御していた。全閉位置P0は位置が確定しており学習制御の対象とするのに望ましい。ただ、学習制御する位置は全閉位置P0に限られるものではない。バルブ中間位置P1も、エンジンの停止時にバルブギヤ210の駆動部2100がボデー300の保持部3050に当接する位置として学習制御の対象とすることができる。なお、学習制御はスロットルシャフト402の位置を確定する上で望ましい制御であるが、必須の制御ではない。回転角センサ510からの信号で、全閉位置P0、バルブ中間位置P1及び全開位置P2を検知するようにしてもよい。
【0071】
また、上述の例では過渡定常判断S101のステップを用いて、過渡時の制御(過渡時制御S102)と定常時の制御(バルブ中間位置判断S103)とを異なるものとしていた。そして、本開示の第2制御S105は定常時の制御(バルブ中間位置判断S103)で行うとしていた。ハンチングやオーバーシュート、アンダーシュートの発生に対する対応は過渡時より定常時の方がより求められるので、本開示のバルブ中間位置制御での第2制御S105を定常時の制御(バルブ中間位置判断S103)で行うのは合理的である。
【0072】
ただ、本開示は、過渡時の制御(過渡時制御S102)に第2制御S105を行うことを除外するものではない。また、本開示は、定常時の制御(バルブ中間位置判断S103)で第2制御S105を行うことを特徴としているのであるため、本開示は過渡時制御S102を行わない制御装置に対しても利用可能である。
【0073】
また、本開示の制御は、バルブ中間位置P1で不感帯領域L1が存在することを前提としているが、不感帯領域L1の存在は必須ではない。公差等の積み重ねてたまたま不感帯領域L1が発生しない場合もある。また、経年変化で不感帯領域L1がたまたま消滅することもある。従って、バルブ中間位置P1は不感帯領域L1が発生する可能性のある領域であればよく、実際に不感帯領域L1が存在していることは必要で無い。
【0074】
なお、
図9の例では第1ガイド460の第1円盤部462の全周に覆い壁を形成していたが、第1ガイド460や第2ガイド461の形状は、
図9の形状には限らない。例えば、第1円盤部462のうち第1ガイドフック468の近傍のみに覆い壁を形成するようにしても良い。このようにすれば、覆い壁の面積を小さくして、軽量化が図れる。かつ、第1ガイドフック468の近傍で覆い壁がコイルスプリング450を保持するので、コイルスプリング450の保持が不充分となることは無い。また、第1ガイドフック468や第2ガイドフック4681を廃止することも可能である。
【0075】
また、本例ではバルブ中間位置から全閉開度の回動ではコイルスプリング450の第2ガイド461側の第2スプリング端452が変動し、バルブ中間位置から全開開度の回動で第1ガイド460側の第1スプリング端451が変動する構成としたが、コイルスプリング450の動作を逆にしてもよい。モータ100の回転方向が逆になるが、動作は本例と同様である。本開示において、第1ガイドフック468はその位置が全開位置側にあるか全閉位置側にあるかによって特定されるものではない。
【0076】
また、上述の例では、バルブギヤ210の駆動部2100を第1スプリング端451及び第2スプリング端452の内側に配置し、駆動部2100が第1スプリング端451と第2スプリング端452とによって挟持される構成としていた。これを、
図21に示すように、バルブギヤ210の駆動部2100を第1スプリング端451及び第2スプリング端452の外側に配置するようにしても良い。即ち、第1バルブギヤフック2101と第2バルブギヤフック2102とによって、コイルスプリング450の第1スプリング端451及び第2スプリング端452を挟持する構造としても良い。この場合には、ボデー300の保持部3050も第1スプリング端451及び第2スプリング端452の外側に配置される。その為、第1ボデーフック305と第2ボデーフック307とによって、コイルスプリング450の第1スプリング端451及び第2スプリング端452を挟持する構造となる。
【0077】
また、上述の例では第1ガイド460と第2ガイド461とを同一形状として、組付け時間の短縮、組付け設備コストの低減、及び部品コストの低減を図っていた。但し、バルブギヤ210やボデー300の形状との関係で、第1ガイド460と第2ガイド461との形状を異ならせる必要がある場合には、形状変更は許容せざるを得ない。いずれか一方のガイドに第1ガイドフック468や第2ガイドフック4681を形成することが出来ない場合も、許容せざるを得ない。
【0078】
更に、上述の材料や寸法は一例であり、電子スロットル装置1に求められる要請に応じて適宜選択することが可能である。
【0079】
上述の通り、本件開示の絞り弁制御装置は、エンジンの吸気量を制御する電子スロットル装置1や、排気ガス循環量を制御するEGRバルブ、ディーゼルエンジンの吸気を制御する吸気通路圧力制御弁、燃料電池の水素濃度を制御する負圧制御バルブ等の制御にも適用可能である。
【0080】
なお、この明細書には、以下に列挙する複数の技術的思想と、それらの複数の組み合わせが開示されている。
【0081】
(技術的思想1)
通路及びモータ空間を有するボデー(300)と、
このボデーの前記通路に配置され、シャフト(402)と共に回動して前記通路を開閉するバルブ(400)と、
前記ボデーの前記モータ空間に保持され、前記シャフトを、前記バルブの全閉位置、全開位置、及び前記全閉位置と前記全開位置との間のバルブ中間位置に回動するモータ(100)と、
前記ボデー内に配置され、前記シャフトが前記バルブ中間位置から前記全閉位置に移動する際及び前記バルブ中間位置から前記全開位置に移動する際にバネ力による抗力を付加するコイルスプリング(450)と、
前記バルブの開度を検知する回転角センサ(510)を備え、
前記バルブ中間位置を挟んで全開方向側に設定した全開閾値と全閉方向側に設定した全閉閾値との範囲内でのバルブ中間位置制御と、
前記全開閾値より前記全開位置側の範囲内での全開位置側制御と、
前記全閉閾値より前記全閉位置側の範囲内での全閉位置側制御とを行い、
前記全開位置側制御と前記全閉位置側制御とは同じ第1制御(S104)であり、
前記バルブ中間位置制御は、前記第1制御と異なる第2制御(S105)である
ことを特徴とする絞り弁制御装置。
【0082】
A(第1制御)+B(第2制御)を行う制御装置
【0083】
(技術的思想2)
前記第2制御は、前記第1制御に比して制御感度を抑えた制御である
ことを特徴とする技術的思想1に記載の絞り弁制御装置。
【0084】
A+b1(制御感度を抑える制御)である制御装置
【0085】
(技術的思想3)
前記第2制御は、前記第1制御に比して応答性を高めた制御である
ことを特徴とする技術的思想2に記載の絞り弁制御装置。
【0086】
A+b1+b2(応答性を高める制御)である制御装置
【0087】
(技術的思想4)
前記バルブを、前記全開位置から前記バルブ中間位置に回動させる際、及び前記全閉位置から前記バルブ中間位置に回動させる際に、前記バルブ中間位置で前記コイルスプリングのバネ力が掛らない不感帯領域(L1)が生じる
ことを特徴とする技術的思想1ないし3のいずれかに記載の絞り弁制御装置。
【0088】
A+B+C(不感帯領域)である制御装置、A+b1+Cである制御装置、A+b1+b2+Cである制御装置
【0089】
(技術的思想5)
前記全開閾値は前記不感帯開度域より前記全開位置側であり、
前記全閉閾値は前記不感帯開度域より前記全閉位置側である
ことを特徴とする技術的思想4に記載の絞り弁制御装置。
【0090】
A+B+C+D(全開閾値、全閉閾値)である制御装置、A+b1+C+Dである制御装置、A+b1+b2+C+Dである制御装置
【0091】
(技術的思想6)
前記第1制御及び前記第2制御は、比例項と積分項とを含む制御であり、
前記第2制御での前記積分項のゲイン値は、前記第1制御での前記積分項のゲイン値より小さい
ことを特徴とする技術的思想1ないし5のいずれかに記載の絞り弁制御装置。
【0092】
A+B+E(ゲイン値)である制御装置、A+b1+Eである制御装置、A+b1+b2+Eである制御装置
A+B+C+E(ゲイン値)である制御装置、A+b1+C+Eである制御装置、A+b1+b2+C+Eである制御装置
A+B+C+D+E(ゲイン値)である制御装置、A+b1+C+D+Eである制御装置、A+b1+b2+C+D+Eである制御装置
【0093】
(技術的思想7)
前記第2制御での前記積分項のオフセット量は、前記第1制御での前記積分項のオフセット量より大きい
ことを特徴とする技術的思想6に記載の絞り弁制御装置。
【0094】
A+B+E+F(オフセット量)である制御装置、A+b1+E+Fである制御装置、A+b1+b2+E+Fである制御装置
A+B+C+E+F(オフセット量)である制御装置、A+b1+C+E+Fである制御装置、A+b1+b2+C+E+Fである制御装置
A+B+C+D+E+F(オフセット量)である制御装置、A+b1+C+D+E+Fである制御装置、A+b1+b2+C+D+E+Fである制御装置
【0095】
(技術的思想8)
前記バルブ中間位置及び前記全閉位置の少なくともいずれか一方を学習する制御を更に備え、前記全開閾値及び前記全開閾値は、この学習した値に基づいて決定される
ことを特徴とする技術的思想1ないし7のいずれかに記載の絞り弁制御装置。
【0096】
A+B+G(学習制御)である制御装置、A+b1+Gである制御装置、A+b1+b2+Gである制御装置
A+B+C+G(学習制御)である制御装置、A+b1+C+Gである制御装置、A+b1+b2+C+Gである制御装置
A+B+C+D+G(学習制御)である制御装置、A+b1+C+D+Gである制御装置、A+b1+b2+C+D+Gである制御装置
A+B+E+G(学習制御)である制御装置、A+b1+E+Gである制御装置、A+b1+b2+E+Gである制御装置
A+B+C+E+G(学習制御)である制御装置、A+b1+C+E+Gである制御装置、A+b1+b2+C+E+Gである制御装置
A+B+C+D+E+G(学習制御)である制御装置、A+b1+C+D+E+Gである制御装置、A+b1+b2+C+D+E+Gである制御装置
A+B+E+F+G(学習制御)である制御装置、A+b1+E+F+Gである制御装置、A+b1+b2+E+F+Gである制御装置
A+B+C+E+F+G(学習制御)である制御装置、A+b1+C+E+F+Gである制御装置、A+b1+b2+C+E+F+Gである制御装置
A+B+C+D+E+F+G(学習制御)である制御装置、A+b1+C+D+E+F+Gである制御装置、A+b1+b2+C+D+E+F+Gである制御装置
【0097】
(技術的思想9)
前記バルブの目標開度位置と、前記回転角センサにより検知された実位置との偏差に基づき、前記偏差の小さい状態での定常時制御と前記偏差の大きい状態での過渡時制御との切り替えを更に備え、第2制御は、前記定常時制御で行う
ことを特徴とする技術的思想1ないし8のいずれかに記載の絞り弁制御装置。
【0098】
A+B+H(定常時制御)である制御装置、A+b1+Hである制御装置、A+b1+b2+Hである制御装置
A+B+C+H(定常時制御)である制御装置、A+b1+C+Hである制御装置、A+b1+b2+C+Hである制御装置
A+B+C+D+H(定常時制御)である制御装置、A+b1+C+D+Hである制御装置、A+b1+b2+C+D+Hである制御装置
A+B+E+H(定常時制御)である制御装置、A+b1+E+Hである制御装置、A+b1+b2+E+Hである制御装置
A+B+C+E+H(定常時制御)である制御装置、A+b1+C+E+Hである制御装置、A+b1+b2+C+E+Hである制御装置
A+B+C+D+E+G(学習制御)である制御装置、A+b1+C+D+E+Gである制御装置、A+b1+b2+C+D+E+Gである制御装置
A+B+E+F+H(定常時制御)である制御装置、A+b1+E+F+Hである制御装置、A+b1+b2+E+F+Hである制御装置
A+B+C+E+F+H(定常時制御)である制御装置、A+b1+C+E+F+Hである制御装置、A+b1+b2+C+E+F+Hである制御装置
A+B+C+D+E+F+H(定常時制御)である制御装置、A+b1+C+D+E+F+Hである制御装置、A+b1+b2+C+D+E+F+Hである制御装置
A+B+G+H(定常時制御)である制御装置、A+b1+Gである制御装置、A+b1+b2+Gである制御装置
A+B+C+G+H(定常時制御)である制御装置、A+b1+C+G+Hである制御装置、A+b1+b2+C+G+Hである制御装置
A+B+C+D+G+H(定常時制御)である制御装置、A+b1+C+D+G+Hである制御装置、A+b1+b2+C+D+G+Hである制御装置
A+B+E+G(定常時制御)である制御装置、A+b1+E+Gである制御装置、A+b1+b2+E+Gである制御装置
A+B+C+E+G+H(定常時制御)である制御装置、A+b1+C+E+G+Hである制御装置、A+b1+b2+C+E+G+Hである制御装置
A+B+C+D+E+G+H(定常時制御)である制御装置、A+b1+C+D+E+G+Hである制御装置、A+b1+b2+C+D+E+G+Hである制御装置
A+B+E+F+G+H(定常時制御)である制御装置、A+b1+E+F+G+Hである制御装置、A+b1+b2+E+F+G+Hである制御装置
A+B+C+E+F+G+H(定常時制御)である制御装置、A+b1+C+E+F+G+Hである制御装置、A+b1+b2+C+E+F+G+Hである制御装置
A+B+C+D+E+F+G+H(定常時制御)である制御装置、A+b1+C+D+E+F+G+Hである制御装置、A+b1+b2+C+D+E+F+G+Hである制御装置
【符号の説明】
【0099】
1 電子スロットル装置
100 モータ
2100 駆動部
3050 保持部
400 スロットルバルブ
450 コイルスプリング
510 回転角センサ
700 制御装置
710 ECU
P0 全閉位置
P1 バルブ中間位置
P1 全開位置
【要約】
【課題】コイルスプリングを用いてバルブをバルブ中間位置に保持可能な絞り弁の制御で、バルブ中間位置を含めて全閉位置から全開位置までバルブの開度を適切に制御する。
【解決手段】バルブ中間位置を挟んで全開方向側に設定した全開閾値と全閉方向側に設定した全閉閾値との範囲内でのバルブ中間位置制御と、全開閾値より全開位置側の範囲内での全開位置側制御と、全閉閾値より全閉位置側の範囲内での全閉位置側制御とを行う。そして、全開位置側制御と全閉位置側制御とは同じ第1制御(S104)とし、バルブ中間位置制御は、第1制御と異なる第2制御(S105)としている。バルブ中間位置での制御を第2制御とし、それ以外の位置での第1制御と異なるようにして、ハンチングやオーバーシュート、アンダーシュートの発生を抑制することができる。
【選択図】
図19