(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-14
(45)【発行日】2023-11-22
(54)【発明の名称】風呂釜の設置構造
(51)【国際特許分類】
F24H 9/02 20060101AFI20231115BHJP
【FI】
F24H9/02 301C
(21)【出願番号】P 2019169087
(22)【出願日】2019-09-18
【審査請求日】2022-09-15
(73)【特許権者】
【識別番号】591103955
【氏名又は名称】モリタ工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】598171508
【氏名又は名称】株式会社秀カンパニー
(73)【特許権者】
【識別番号】000150006
【氏名又は名称】日本総合住生活株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001623
【氏名又は名称】弁理士法人真菱国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】雨宮 浩一
(72)【発明者】
【氏名】野口 秀夫
【審査官】古川 峻弘
(56)【参考文献】
【文献】実開昭56-075543(JP,U)
【文献】実開昭56-012740(JP,U)
【文献】実開昭56-067408(JP,U)
【文献】実開平03-064327(JP,U)
【文献】特表2013-508465(JP,A)
【文献】実開昭52-013532(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24H 9/02
F23J 13/00
F23L 17/00-17/16
F16L 5/00-5/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右一方の内側面が浴室の内壁面に連なる外壁の開口部に対し、ユニットバスに設けた風呂釜の換気筒を左右他方の内側面側に寄せて設置する風呂釜の設置構造であって、
前記換気筒が挿通すると共に、一端側が前記ユニットバスに取り付けられ他端側が前記開口部に向かって延びるカバー筒と、
前記カバー筒が挿通される窓状開口を有し、前記開口部が形成された前記外壁の屋内側開口縁部に取り付けられた雨仕舞枠体と、
前記雨仕舞枠体と前記屋内側開口縁部および前記内壁面との間をシールする第1シール部と、
前記カバー筒と前記雨仕舞枠体との間をシールする第2シール部と、を備え、
前記雨仕舞枠体は、両縦枠部のうち前記内壁面に沿う一方の縦枠部に設けられ、前記内壁面との間に前記第1シール部用のシール空間を構成する縦折曲げ部を有していることを特徴とする風呂釜の設置構造。
【請求項2】
前記第1シール部は、
前記シール空間において、前記縦折曲げ部と前記内壁面との間に介設した縦シール部と、
前記雨仕舞枠体の上枠部、下枠部および前記両縦枠部のうちの他方の縦枠部と、前記屋内側開口縁部との間に介設されると共に、前記一方の縦枠部および前記縦シール部に亘って屋外側に設けた「ロ」字状シール部と、を有することを特徴とする請求項1に記載の風呂釜の設置構造。
【請求項3】
前記「ロ」字状シール部は、
前記屋内側開口縁部に塗着された縁部側シーリング材と、
前記雨仕舞枠体および前記縦シール部に塗着され、前記雨仕舞枠体を前記屋内側開口縁部に取り付けた状態で前記縁部側シーリング材と融合する枠体側シーリング材と、から成ることを特徴とする請求項2に記載の風呂釜の設置構造。
【請求項4】
前記第1シール部は、
前記「ロ」字状シール部の外側において、前記上枠部、前記下枠部および前記他方の縦枠部と、前記屋内側開口縁部との間に介設され、前記雨仕舞枠体と前記屋内側開口縁部との間に前記「ロ」字状シール部の充填空間を構成する「コ」字状のスペーサシール部を、更に有することを特徴とする請求項3に記載の風呂釜の設置構造。
【請求項5】
前記縦シール部は、
屋外側の縦バックアップ材と、
前記縦バックアップ材、前記縦折曲げ部および前記内壁面により画成された前記シール空間に充填した屋内側の縦シーリング材と、で構成されていることを特徴とする請求項2ないし4のいずれかに記載の風呂釜の設置構造。
【請求項6】
前記第2シール部は、前記雨仕舞枠体の屋内側枠面と前記カバー筒の外周面との為すコーナー部分を、四周に亘ってシールする環状シール部を、有していることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の風呂釜の設置構造。
【請求項7】
前記環状シール部は、
前記屋内側枠面に設けた環状シーリング材受けと、
前記カバー筒の外周面に設けた環状バックアップ材と、
前記環状シーリング材受けと前記環状バックアップ材との間の前記コーナー部分に充填され
、前記カバー筒を前記窓状開口に挿通した状態で前記環状シーリング材受けにより相対的に塗り広げられる環状シーリング材と、を有していることを特徴とする請求項6に記載の風呂釜の設置構造。
【請求項8】
前記屋内側開口縁部および前記内壁面には、塗膜防水材が塗着されていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の風呂釜の設置構造。
【請求項9】
ユニットバスが面する外壁の開口部に、換気筒を臨ませるようにして風呂釜を設置する風呂釜の設置構造であって、
前記換気筒が挿通すると共に、一端側が前記ユニットバスに取り付けられ他端側が前記開口部に向かって延びるカバー筒と、
前記カバー筒が挿通される窓状開口を有し、前記開口部が形成された前記外壁の屋内側開口縁部に取り付けられた雨仕舞枠体と、
前記雨仕舞枠体と前記屋内側開口縁部との間をシールする枠状シール部と、
前記雨仕舞枠体の屋内側枠面と前記カバー筒の外周面との為すコーナー部分を、四周に亘ってシールする環状シール部と、を備
え、
前記環状シール部は、
前記屋内側枠面に設けた環状シーリング材受けと、
前記カバー筒の外周面に設けた環状バックアップ材と、
前記環状シーリング材受けと前記環状バックアップ材との間の前記コーナー部分に充填され、前記カバー筒を前記窓状開口に挿通した状態で前記環状シーリング材受けにより相対的に塗り広げられる環状シーリング材と、を有していることを特徴とする風呂釜の設置構造。
【請求項10】
ユニットバスが面する外壁の開口部に、換気筒を臨ませるようにして風呂釜を設置する風呂釜の設置構造であって、
前記換気筒が挿通すると共に、一端側が前記ユニットバスに取り付けられ他端側が前記開口部に向かって延びるカバー筒と、
前記カバー筒が挿通される窓状開口を有し、前記開口部が形成された前記外壁の屋内側開口縁部に取り付けられた雨仕舞枠体と、
前記雨仕舞枠体と前記屋内側開口縁部との間をシールする枠状シール部と、
前記雨仕舞枠体の屋内側枠面と前記カバー筒の外周面との為すコーナー部分を、四周に亘ってシールする環状シール部と、を備
え、
前記雨仕舞枠体は、
前記窓状開口の下辺部位から屋外側に延び、前記カバー筒が載る台板部と、
前記台板部の屋外側端部に設けられ、前記カバー筒を介して前記換気筒の屋外側を前記開口部に支持する支持機構と、を更に有していることを特徴とする風呂釜の設置構造。
【請求項11】
前記枠状シール部は、
前記雨仕舞枠体の上枠部、下枠部および両縦枠部と、前記屋内側開口縁部との間に介設された「ロ」字状シール部を有し、
前記「ロ」字状シール部は、
前記屋内側開口縁部に塗着された縁部側シーリング材と、
前記雨仕舞枠体に塗着され、前記雨仕舞枠体を前記屋内側開口縁部に取り付けた状態で前記縁部側シーリング材と融合する枠体側シーリング材と、から成ることを特徴とする
請求項9または10に記載の風呂釜の設置構造。
【請求項12】
前記「ロ」字状シール部の外側において、前記上枠部、前記下枠部および前記両縦枠部と、前記屋内側開口縁部との間に介設され、前記雨仕舞枠体と前記屋内側開口縁部との間に前記「ロ」字状シール部の充填空間を構成する「ロ」字状のスペーサシール部を、更に有することを特徴とする
請求項11に記載の風呂釜の設置構造。
【請求項13】
前記屋内側開口縁部には、塗膜防水材が塗着されていることを特徴とする請求項9ないし12のいずれかに記載の風呂釜の設置構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユニットバスが面する外壁の開口部に、換気筒を臨ませて風呂釜を設置する風呂釜の設置構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の風呂釜の設置構造として、風呂釜の給排気筒を浴室壁面に開削した壁孔に臨ませ、これに風呂釜の排気接続筒を接続した風呂釜の取付構造が知られている(特許文献1参照)。
この取付構造では、給排気筒は、屋内側の端部にフランジ部を有しており、このフランジ部で壁孔の屋内側の縁部にビス止めされ、壁孔部分の雨仕舞が為されている。そして、風呂釜の排気接続筒が、この給排気筒に屋内側から差込み接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような、従来の風呂釜の取付構造では、接合を考慮して、風呂釜の排気接続筒のサイズに合わせ給排気筒(換気筒)のサイズが決定され、雨仕舞を考慮して、給排気筒のサイズに合わせ壁孔(開口部)のサイズが決定されている。このため、従来の風呂釜の取付構造では、新築の建物への設置が前提となっている。
一方、既設の建物において、既設の浴室をユニットバスに改修しこれに風呂釜を設置する場合等では、新設風呂釜の給排気筒(換気筒)のサイズに対し、既設の開口部が極端に大きなサイズとなることが想定される。かかる場合に、壁孔と給排気筒との間隙が大きくなり、従来のものでは、給排気筒を開口部に合わせて改造しない限り、この部分のシールが不可能となる問題があった。
また、既設の開口部が浴室の内壁面に極端に寄って形成されている場合には、内壁面に沿った部分のシールが不可能となる問題があった。
【0005】
本発明は、簡単な構造で、風呂釜の換気筒とこれが臨む開口部との間隙を、開口部の位置に係わらず適切にシールすることができる風呂釜の設置構造を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の風呂釜の設置構造は、左右一方の内側面が浴室の内壁面に連なる外壁の開口部に対し、ユニットバスに設けた風呂釜の換気筒を左右他方の内側面側に寄せて設置する風呂釜の設置構造であって、換気筒が挿通すると共に、一端側がユニットバスに取り付けられ他端側が開口部に向かって延びるカバー筒と、カバー筒が挿通される窓状開口を有し、開口部が形成された外壁の屋内側開口縁部に取り付けられた雨仕舞枠体と、雨仕舞枠体と屋内側開口縁部および内壁面との間をシールする第1シール部と、カバー筒と雨仕舞枠体との間をシールする第2シール部と、を備え、雨仕舞枠体は、両縦枠部のうち内壁面に沿う一方の縦枠部に設けられ、内壁面との間に第1シール部用のシール空間を構成する縦折曲げ部を有していることを特徴とする。
【0007】
左右一方の内側面が浴室の内壁面に連なる外壁の開口部に対し、換気筒を有する風呂釜を設置する場合には、ユニットバスとの納まりの関係で、換気筒を開口部の左右他方の内側面側に寄せて設置する必要がある。
上記の構成によれば、屋内側開口縁部に取り付けた雨仕舞枠体の窓状開口に、カバー筒を挿通するようにしているため、窓状開口の端を開口部の他方の内側面に極端に寄せるようにすれば、カバー筒を介して換気筒を開口部の他方の内側面に可能な限り寄せて設置することができる。
一方で、カバー筒と屋内側開口縁部との間に雨仕舞枠体を設け、雨仕舞枠体と屋内側開口縁部および内壁面との間を第1シール部でシールし、カバー筒と雨仕舞枠体との間を第2シール部でシールしているため、各シール箇所の形態に合わせて適切なシールを行うことができる。すなわち、換気筒が開口部の左右片側に極端に寄って設置されていても、この部分における換気筒の雨仕舞を確実なものとすることができる。
特に、雨仕舞枠体の内壁面に沿う一方の縦枠部に縦折曲げ部を形成し、この縦折曲げ部と内壁面との間に第1シール部用のシール空間を構成するようにしているため、この部分を適切にシールすることができる。
また、風呂釜やカバー筒は、ユニットバスを建て込んでから設置することになるが、雨仕舞枠体は、ユニットバスを建て込む前に屋内側から取り付けることができるため、雨仕舞枠体を屋内側開口縁部および内壁面に施工性良く取り付けることができる。
【0008】
この場合、第1シール部は、シール空間において、縦折曲げ部と内壁面との間に介設した縦シール部と、雨仕舞枠体の上枠部、下枠部および両縦枠部のうちの他方の縦枠部と、屋内側開口縁部との間に介設されると共に、一方の縦枠部および縦シール部に亘って屋外側に設けた「ロ」字状シール部と、を有することが好ましい。
【0009】
この構成によれば、縦シール部および「ロ」字状シール部により、第1シール部を環状に連続させることができ、雨仕舞枠体と屋内側開口縁部および内壁面との間を確実にシールすることができる。
【0010】
この場合、「ロ」字状シール部は、屋内側開口縁部に塗着された縁部側シーリング材と、雨仕舞枠体および縦シール部に塗着され、雨仕舞枠体を屋内側開口縁部に取り付けた状態で縁部側シーリング材と融合する枠体側シーリング材と、から成ることが好ましい。
【0011】
この構成によれば、雨仕舞枠体を屋内側開口縁部に取り付けることで、塗着により雨仕舞枠体および縦シール部に馴染ませた枠体側シーリング材と、塗着により屋内側開口縁部に馴染ませた縁部側シーリング材と、を融合させることができる。これにより、一方の縦枠部および縦シール部に亘って、すなわち雨仕舞枠体と内壁面との間を適切にシールすることができると共に、雨仕舞枠体と屋内側開口縁部との間を適切にシールすることができる。また、雨仕舞枠体の取付けは元より、枠体側シーリング材および縁部側シーリング材の塗着は、屋内側から行うことができ、シール作業を容易に且つ効率良く行うことができる。
【0012】
この場合、第1シール部は、「ロ」字状シール部の外側において、上枠部、下枠部および他方の縦枠部と、屋内側開口縁部との間に介設され、雨仕舞枠体と屋内側開口縁部との間に「ロ」字状シール部の充填空間を構成する「コ」字状のスペーサシール部を、更に有することが好ましい。
【0013】
この構成によれば、雨仕舞枠体と屋内側開口縁部との間にスペーサシール部を介設することで、スペーサシール部の内側において、雨仕舞枠体と屋内側開口縁部との間に所定の空隙が生じ、これを「ロ」字状シール部の充填空間とすることができる。したがって、雨仕舞枠体と屋内側開口縁部との間において、「ロ」字状シール部を所定の厚みをもって充填することができ、この部分にシール性をより一層高めることができる。
【0014】
また、縦シール部は、屋外側の縦バックアップ材と、縦バックアップ材、縦折曲げ部および内壁面により画成されたシール空間に充填した屋内側の縦シーリング材と、で構成されていることが好ましい。
【0015】
この構成によれば、縦バックアップ材、縦折曲げ部および内壁面により画成されたシール空間に、十分な量の縦シーリング材を充填することができ、雨仕舞枠体と内壁面との間を確実にシールすることができる。
【0016】
一方、第2シール部は、雨仕舞枠体の屋内側枠面とカバー筒の外周面との為すコーナー部分を、四周に亘ってシールする環状シール部を、有していることが好ましい。
【0017】
この構成によれば、環状シール部を設けることにより、第2シール部を環状に連続させることができ、カバー筒と雨仕舞枠体との間を確実にシールすることができる。また、環状シール部は、屋内側から施工することができ、シール作業を容易に行うことができる。
【0018】
この場合、環状シール部は、屋内側枠面に設けた環状シーリング材受けと、カバー筒の外周面に設けた環状バックアップ材と、環状シーリング材受けと環状バックアップ材との間のコーナー部分に充填され、カバー筒を窓状開口に挿通した状態で環状シーリング材受けにより相対的に塗り広げられる環状シーリング材と、を有していることが好ましい。
【0019】
この構成によれば、予め、環状シーリング材受けを雨仕舞枠体の屋内側枠面に設けると共に、環状バックアップ材をカバー筒の外周面に設けておく。この状態で、カバー筒を窓状開口に挿通する直前に、環状バックアップ材に添わせて環状シーリング材を塗着しておけば、ユニットバス側からカバー筒を挿入する過程で、環状シーリング材受けと環状バックアップ材との間のコーナー部分に、塗り広げるようにして環状シーリング材を充填することができる。したがって、カバー筒と雨仕舞枠体との間隙を施工性良く、且つ確実にシールすることができる。
【0020】
また、屋内側開口縁部および内壁面には、塗膜防水材が塗着されていることが好ましい。
【0021】
この構成によれば、雨仕舞枠体が取り付けられる屋内側開口縁部や内壁面に凹凸(不陸)が生じていても、これを塗膜防水材により均すことができる。すなわち、塗膜防水材と屋内側開口縁部および内壁面(コンクリート)との間をシールした上で、これに雨仕舞枠体を取り付けることができ、第1シール部と併せて雨仕舞枠体と屋内側開口縁部および内壁面との間を精度良くシールすることができる。また、屋内側開口縁部や内壁面にクラック等の欠損が生じていても、塗膜防水材によりこれを塞ぐことができる。
なお、塗膜防水材は、屋内側開口縁部および内壁面と連続するように、開口部の内周面にも塗着することが好ましい。
【0022】
本発明の他の風呂釜の設置構造は、ユニットバスが面する外壁の開口部に、換気筒を臨ませるようにして風呂釜を設置する風呂釜の設置構造であって、換気筒が挿通すると共に、一端側がユニットバスに取り付けられ他端側が開口部に向かって延びるカバー筒と、カバー筒が挿通される窓状開口を有し、開口部が形成された外壁の屋内側開口縁部に取り付けられた雨仕舞枠体と、雨仕舞枠体と屋内側開口縁部との間をシールする枠状シール部と、雨仕舞枠体の屋内側枠面とカバー筒の外周面との為すコーナー部分を、四周に亘ってシールする環状シール部と、を備え、環状シール部は、屋内側枠面に設けた環状シーリング材受けと、カバー筒の外周面に設けた環状バックアップ材と、環状シーリング材受けと環状バックアップ材との間のコーナー部分に充填され、カバー筒を窓状開口に挿通した状態で環状シーリング材受けにより相対的に塗り広げられる環状シーリング材と、を有していることを特徴とする。
【0023】
この構成によれば、カバー筒と屋内側開口縁部との間に雨仕舞枠体を設け、シール箇所を、雨仕舞枠体と屋内側開口縁部との間、およびカバー筒と雨仕舞枠体との間の2箇所に分散している。これにより、各箇所の形態に合わせて適切なシールを行うことができ、開口部の大きさや開口部内の換気筒の位置に係わらずこの部分における換気筒の雨仕舞い確実なものとすることができる。
特に、雨仕舞枠体と屋内側開口縁部との間は枠状シール部により、また雨仕舞枠体の屋内側枠面とカバー筒の外周面との間隙は環状シール部により、それぞれ適切にシールすることができ、換気筒と開口部との間隙を適切にシールすることができる。
また、風呂釜やカバー筒は、ユニットバスを建て込んでから設置することになるが、雨仕舞枠体は、ユニットバスを建て込む前に屋内側から取り付けることができるため、雨仕舞枠体を屋内側開口縁部に施工性良く取り付けることができる。
さらに、予め、環状シーリング材受けを雨仕舞枠体の屋内側枠面に設けると共に、環状バックアップ材をカバー筒の外周面に設けておく。この状態で、カバー筒を窓状開口に挿通する直前に、環状バックアップ材に添わせて環状シーリング材を塗着しておけば、ユニットバス側からカバー筒を挿入する過程で、環状シーリング材受けと環状バックアップ材との間のコーナー部分に、塗り広げるようにして環状シーリング材を充填することができる。したがって、カバー筒と雨仕舞枠体との間隙を施工性良く、且つ確実にシールすることができる。
【0024】
本発明の他の風呂釜の設置構造は、ユニットバスが面する外壁の開口部に、換気筒を臨ませるようにして風呂釜を設置する風呂釜の設置構造であって、換気筒が挿通すると共に、一端側がユニットバスに取り付けられ他端側が開口部に向かって延びるカバー筒と、カバー筒が挿通される窓状開口を有し、開口部が形成された外壁の屋内側開口縁部に取り付けられた雨仕舞枠体と、雨仕舞枠体と屋内側開口縁部との間をシールする枠状シール部と、雨仕舞枠体の屋内側枠面とカバー筒の外周面との為すコーナー部分を、四周に亘ってシールする環状シール部と、を備え、雨仕舞枠体は、窓状開口の下辺部位から屋外側に延び、カバー筒が載る台板部と、台板部の屋外側端部に設けられ、カバー筒を介して換気筒の屋外側を開口部に支持する支持機構と、を更に有していることを特徴とする。
【0025】
この構成によれば、カバー筒と屋内側開口縁部との間に雨仕舞枠体を設け、シール箇所を、雨仕舞枠体と屋内側開口縁部との間、およびカバー筒と雨仕舞枠体との間の2箇所に分散している。これにより、各箇所の形態に合わせて適切なシールを行うことができ、開口部の大きさや開口部内の換気筒の位置に係わらずこの部分における換気筒の雨仕舞い確実なものとすることができる。
特に、雨仕舞枠体と屋内側開口縁部との間は枠状シール部により、また雨仕舞枠体の屋内側枠面とカバー筒の外周面との間隙は環状シール部により、それぞれ適切にシールすることができ、換気筒と開口部との間隙を適切にシールすることができる。
また、風呂釜やカバー筒は、ユニットバスを建て込んでから設置することになるが、雨仕舞枠体は、ユニットバスを建て込む前に屋内側から取り付けることができるため、雨仕舞枠体を屋内側開口縁部に施工性良く取り付けることができる。
さらに、換気筒を介して風呂釜を、ユニットバスと支持機構とにより両持ちで支持することができる。このため、風呂釜の荷重がカバー筒、環状シール部および雨仕舞枠体等に直接作用することがなく、この荷重による各シール部分の経時的な損傷を防止することができる。
【0026】
これらの場合、枠状シール部は、雨仕舞枠体の上枠部、下枠部および両縦枠部と、屋内側開口縁部との間に介設された「ロ」字状シール部を有し、「ロ」字状シール部は、屋内側開口縁部に塗着された縁部側シーリング材と、雨仕舞枠体に塗着され、雨仕舞枠体を屋内側開口縁部に取り付けた状態で縁部側シーリング材と融合する枠体側シーリング材と、から成ることが好ましい。
【0027】
この構成によれば、雨仕舞枠体を屋内側開口縁部に取り付けることで、塗着により雨仕舞枠体に馴染ませた枠体側シーリング材と、塗着により屋内側開口縁部に馴染ませた縁部側シーリング材と、を融合させることができる。これにより、雨仕舞枠体と屋内側開口縁部との間を適切にシールすることができる。また、雨仕舞枠体の取付けは元より、枠体側シーリング材および縁部側シーリング材の塗着は、屋内側から行うことができ、シール作業を容易に且つ効率良く行うことができる。
【0028】
この場合、「ロ」字状シール部の外側において、上枠部、下枠部および両縦枠部と、屋内側開口縁部との間に介設され、雨仕舞枠体と屋内側開口縁部との間に「ロ」字状シール部の充填空間を構成する「ロ」字状のスペーサシール部を、更に有することが好ましい。
【0029】
この構成によれば、雨仕舞枠体と屋内側開口縁部との間にスペーサシール部を介設することで、スペーサシール部の内側に所定の空隙が生じ、これを「ロ」字状シール部の充填空間とすることができる。したがって、雨仕舞枠体と屋内側開口縁部との間において、「ロ」字状シール部を所定の厚みをもって充填することができ、雨仕舞枠体と屋内側開口縁部との間のシール性をより一層高めることができる。
【0030】
また、屋内側開口縁部には、塗膜防水材が塗着されていることが好ましい。
【0031】
この構成によれば、雨仕舞枠体が取り付けられる屋内側開口縁部に凹凸(不陸)が生じていても、これを塗膜防水材により均すことができる。すなわち、塗膜防水材と屋内側開口縁部との間をシールした上で、これに雨仕舞枠体を取り付けることができ、枠状シール部と併せて雨仕舞枠体と屋内側開口縁部との間を精度良くシールすることができる。また、屋内側開口縁部にクラック等の欠損が生じていても、塗膜防水材によりこれを塞ぐことができる。
なお、塗膜防水材は、屋内側開口縁部と連続するように、開口部の内周面にも塗着することが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】第1実施形態の風呂釜の設置構造を表した裁断平面図(a)、および裁断側面図(b)である。
【
図2】風呂釜の設置構造を拡大して表した裁断平面図である。
【
図3】風呂釜の設置構造を拡大して表した裁断側面図である。
【
図4】雨仕舞枠体の斜め上方屋内側から見た斜視図(a)、および斜め下方屋外側から見た斜視図(b)である。
【
図5】風呂釜の設置構造において、カバー筒を挿通する前段階の裁断側面図である。
【
図6】第2実施形態の風呂釜の設置構造を表した裁断平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、添付の図面を参照して、本発明の一実施形態に係る風呂釜の設置構造について説明する。この風呂釜の設置構造は、主として昭和40年代等の古い共同住宅において、タイル張りの浴室をユニットバスに改修するに際し、ユニットバスが面する外壁に形成された既設の開口部を利用して、ユニットバスに密閉式の風呂釜を設置するものである。
【0036】
既設の開口部は、浴室に面する外壁に設けられているものの、その左右方向の位置は区々となる。このため、既設の開口部が浴室の内壁面側に極端に寄っているものと、そうでないものとでは、設置されるユニットバスとの納まり関係で、風呂釜の設置構造が微妙に相違するものとなる。そこで、本実施形態では、風呂釜の設置構造において、開口部が内壁面に極端に寄った特殊仕様のものを第1実施形態とし、開口部が内壁面から離れた標準仕様のものを第2実施形態として、説明を進める。なお、この風呂釜の設置構造は、新設の建物にも適用可能である。
【0037】
[第1実施形態]
図1は、改修後のユニットバスUBおよび風呂釜10を表している。ユニットバスUBが面する外壁EWには、風呂釜10の換気筒11(給排気筒)を臨ませる既設の開口部OPが形成されている。開口部OPは、その一方の内側面が浴室の内壁面IWとほぼ面一となる位置に形成されており、ユニットバスUBとの位置関係を考慮して、換気筒11(風呂釜10)を、開口部OPの他方の内側面側に可能な限り寄せて臨ませるようにしている(特殊仕様)。
【0038】
風呂釜10は、密閉式のガス風呂釜であり、ユニットバスUBの側壁UBaにいわゆる壁貫通型で取り付けられている。風呂釜10の前面には、前面パネル12と、前面パネル12から突出した配管接続部13とが設けられている(
図1(b)参照)。図示では省略したが、ユニットバスUBに浴槽を設置すると、配管接続部13は浴槽のカウンターの下に隠蔽される。
【0039】
前面パネル12の後方には換気筒11が連なっており、特に図示しないが、換気筒11の屋内側部位には風呂釜10の主機構部が内蔵され、屋外側部位には給気流路および排気流路が構成されている。また、この風呂釜10には、ユニットバスUBから延び、換気筒11の屋内側部位を覆うカバー筒15が設けられている。この場合のカバー筒15は、風呂釜10のアタッチメントとして用意されているものを用いている。なお、換気筒11は、給気および排気を行う筒体の他、給気のみを行う筒体であってもよいし、排気のみを行う筒体であってもよい。
【0040】
ユニットバスUBには、開口部OPに面してカバー筒15が取り付けられており、カバー筒15は、換気筒11を内包した状態で開口部OPに向かって延びている。一方、開口部OPには、屋内側から板金製の雨仕舞枠体20が臨んでいる。雨仕舞枠体20は、開口部OPが形成された外壁EWの屋内側開口縁部OPaに取り付けられている。上述のように、開口部OPは、浴室の内壁面IW側に極端に寄っており、雨仕舞枠体20は、内壁面IWに突き当てた状態で、屋内側開口縁部OPaの3辺にビス止めされている。
【0041】
雨仕舞枠体20には、カバー筒15と相補的形状となる窓状開口21が形成されており(
図4参照)、カバー筒15は、屋外側がこの窓状開口21に挿通するようにして設置されている。すなわち、ユニットバスUBに取り付けた風呂釜10は、その換気筒11が、カバー筒15、雨仕舞枠体20(窓状開口21)および開口部OPを挿通し、開口部OPから屋外に突出するように設置されている。
【0042】
一方、カバー筒15と雨仕舞枠体20との相互間において、および雨仕舞枠体20と屋内側開口縁部OPaおよび内壁面IWとの相互間において、それぞれ雨仕舞いが為されている。雨仕舞枠体20と屋内側開口縁部OPaおよび内壁面IWとの間は、第1シール部23によりシールされ、カバー筒15と雨仕舞枠体20との間は、第2シール部24によりシールされている(
図2および
図3参照)。また、開口部OPの開口内周面OPbから屋内側開口縁部OPaおよび内壁面IWに亘って、既設コンクリートの表面には塗膜防水材26が塗着されている(
図2および
図3参照)。
【0043】
[カバー筒]
図2および
図3の拡大図に示すように、カバー筒15は、ステンレススチール等により、風呂釜10の換気筒11よりわずかに大きいサイズの方形の筒状に形成されている。また、カバー筒15は、ユニットバスUBの位置から、外壁EWとの間の配管スペースPSを越え、開口部OPに浅く挿入されている。カバー筒15の屋内側の端部には、段付きの取付けフランジ15aが形成されている。一方、ユニットバスUBの側壁UBaには、取付けフランジ15aの段付き部分に合わせて壁面開口UBbが形成されている。
【0044】
カバー筒15は、屋内側からユニットバスUBの壁面開口UBbを貫通し、その取付けフランジ15aの外側部位により、壁面開口UBbの開口縁部UBcに固定されている。そして、風呂釜10は、その前面パネル12を、取付けフランジ15aの内側部位に嵌め込むようにしてカバー筒15に固定されている。すなわち、風呂釜10は、カバー筒15にビス止め或いは接着等により取り付けられ、カバー筒15は、ユニットバスUBの側壁UBaにビス止め或いは接着等により取り付けられている。
【0045】
[雨仕舞枠体]
図2、
図3および
図4に示すように、雨仕舞枠体20は、カバー筒15が挿通される窓状開口21を有する額縁状の枠本体31と、窓状開口21の下辺縁から屋外側に水平に延びる台板部32と、台板部32の下面に設けた補強部材33と、台板部32の屋外側端部に設けた支持機構34と、を有している(
図4(b)参照)。風呂釜10は、屋内側をユニットバスUBに支持され、屋外側を、この支持機構34を介して開口部OPの下面に支持されている(
図3参照)。
【0046】
枠本体31、台板部32および補強部材33は、板金製であり、支持機構34を含め、いずれもステンレススチール等で形成されている。枠本体31は、屋内側開口縁部OPaに取り付けられるようにして屋内側に位置し、枠本体31から屋外側にのびる台板部32、補強部材33および支持機構34は、開口部OP内に臨んでいる。
【0047】
枠本体31は、窓状開口21を囲むように、上枠部36、下枠部37、内壁面IW側に位置する幅狭縦枠部38およびその反対側の幅広縦枠部39と、で一体に形成されている(
図4参照)。また、枠本体31は、幅狭縦枠部38を除く上枠部36、下枠部37および幅広縦枠部39の部分で、屋内側開口縁部OPaにビス止めされている。窓状開口21は、カバー筒15よりわずかに大きなサイズに形成され、カバー筒15が枠本体31(雨仕舞枠体20)を挿通する部位となっている。
【0048】
上枠部36、下枠部37および幅広縦枠部39の外縁部には、それぞれ屋内側に折り曲げた補強リブ41が形成されている。一方、幅狭縦枠部38の外縁部には、切起こすようにして屋内側に折り曲げた縦折曲げ部42が形成されている(いずれも、
図4(a)参照)。縦折曲げ部42は、窓状開口21に対応する縦方向の長さを有し、幅狭縦枠部38の補強部位を構成すると共に、内壁面IWとの間に第1シール部23用のシール空間43を構成している。なお、図中の符号45は、雨仕舞枠体20を屋内側開口縁部OPaにビス止めするためのビス用バカ孔である。
【0049】
枠本体31は、縦折曲げ部42の上下に位置する一対の突当て片部44を、内壁面IWに突き当てた状態で、屋内側開口縁部OPaに取り付けられている。この状態では、窓状開口21は、屋内側開口縁部OPa(開口部OP)に対し、内壁面IWから離れる方向に寄った位置に配設されている。これにより、窓状開口21に挿通したカバー筒15(および換気筒11)は、開口部OPにおいて内壁面IWとは逆側の内側面に可能な限り寄った位置に配設されている。
【0050】
台板部32は、カバー筒15および換気筒11が載る平板状の台板部本体46と、台板部本体46の屋内側端部を折り曲げるようにして形成した取付け片部47と、台板部本体46の屋外側半部の両サイドを折り曲げるようして形成した一対の補強片部48と、で一体に形成されている(
図4(b)参照)。台板部32は、窓状開口21と同幅に形成され、取付け片部47の部分で下枠部36の窓状開口21側の縁部(屋内側の下辺部位)に突き当てられるようにして溶着されている。また、台板部32は、開口部OP内において、窓状開口21の下辺の位置から屋外側にカバー筒15を越えて延在している。
【0051】
補強部材33は、一対の補強片部48の手前側において、台板部本体46を横断するように設けられている。補強部材33は、縦断面方向において逆「L」字状に形成され、横断面方向において「コ」字状に形成され、台板部本体46の下面に溶着されている。この補強部材33と一対の補強片部48とにより、換気筒11が載る台板部本体46が補強されている。
【0052】
支持機構34は、左右一対のアジャストボルト51と、各アジャストボルト51に取り付けられた左右一対のL字ブラケット52と、を有している。各L字ブラケット52は、内向きとなるように上記の補強片部48に固定され、その下板部54には雌ネジ54aが形成されている。各アジャストボルト51は、L字ブラケット52の雌ネジ54aに下側から螺合した調整ボルト55と、下板部54の下面に宛がうようにして調整ボルト55に螺合した止めナット56と、で構成されている。
【0053】
調整ボルト55の頭部は、開口部OPの下面(実際には、塗膜防水材26)に突き当てられており、アジャストボルト51は、換気筒11(風呂釜10)を、台板部32を介して開口部OPの下面に高さ調整可能に支持している。この支持機構34では、風呂釜10を設置した状態、すなわち換気筒11が台板部32に載った状態で、各アジャストボルト51により、換気筒11が水平になるよう調整が行われる。これにより、換気筒11を含む風呂釜10は、ユニットバスUBと支持機構34とにより、両持ちで且つ水平に支持される。なお、風呂釜10は、標準で20Kgを超える重量を有している。
【0054】
[第1シール部]
図2および
図3に示すように、第1シール部23は、雨仕舞枠体20と屋内側開口縁部OPaおよび内壁面IWとの間をシールするものである。第1シール部23は、上記のシール空間43において、縦折曲げ部42と内壁面IWとの間に介設した縦シール部61と、雨仕舞枠体20の上枠部36、下枠部37および幅広縦枠部39と屋内側開口縁部OPaとの間に介設されると共に、幅狭縦枠部38および縦シール部61に亘って屋外側に設けた「ロ」字状シール部62と、「ロ」字状シール部62の外側において、上枠部36、下枠部37および幅広縦枠部39と屋内側開口縁部OPaとの間に介設した「コ」字状のスペーサシール部63と、を有している(
図4(b)参照)。
【0055】
縦シール部61は、屋外側の縦バックアップ材65と、屋内側の縦シーリング材66とで構成されている(
図2参照)。縦バックアップ材65は、例えば断面方形の発泡ポリエチレンで構成され、その1の面には粘着加工が施されている。また、縦シーリング材66は、例えばポリウレア・ウレタン系のシーリング材で構成され、縦バックアップ材65、縦折曲げ部42および内壁面IWにより画成されたシール空間43に充填されている。
【0056】
縦バックアップ材65は、枠本体31の縦折曲げ部42の外面において屋外側に貼着され、枠本体31を内壁面IWに突き当てたとき、内壁面IWに押し当てられるようになっている。この状態で、縦折曲げ部42と内壁面IWとの間には、縦バックアップ材65を奥壁とする縦溝(シール空間43)が生じ、この縦溝に充填するようにして縦シーリンク材66が塗着されている。これにより、枠本体31の縦折曲げ部42と内壁面IWとの間が、水密にシールされている。
【0057】
スペーサシール部63は、例えば断面方形の独立気泡構造シール材で構成され、その表裏2つの面には粘着加工が施されている。「コ」字状を為すスペーサシール部63は、雨仕舞枠体20と屋内側開口縁部OPaとの間において、「ロ」字状シール部62の充填空間を構成している。そして、スペーサシール部63の両外端部は、それぞれ上記一対の突当て片部44の端まで延在している(
図4(b)参照)。
【0058】
「ロ」字状シール部62は、雨仕舞枠体20および縦シール部61に「ロ」字状に塗着された枠体側シーリング材62aと、屋内側開口縁部OPaに「コ」字状に塗着された縁部側シーリング材62bとから成り、いずれも、ポリウレア・ウレタン系のシーリング材で構成されている。詳細は後述するが、枠体側シーリング材62aと縁部側シーリング材62bとは、それぞれ雨仕舞枠体20を屋内側開口縁部OPaに取り付ける直前に塗着されようになっている。
【0059】
枠体側シーリング材62aのうち、雨仕舞枠体20の幅狭縦枠部38側に塗着した縦長部分は、幅方向において幅狭縦枠部38および縦バックアップ材65に亘るように塗着されており、開口部OP内に露出すると共に、「ロ」字状シール部62において縦シール部61との連続性を担保する部分となっている(
図2および
図4(b)参照)。一方、上記の縦長部分以外の雨仕舞枠体20の屋外側枠面31aに塗着した枠体側シーリング材62aと、縁部側シーリング材62bとは、雨仕舞枠体20を屋内側開口縁部OPaに取り付けることで、相互に融合し、スペーサシール部63により構成された上記の充填空間に充填された状態となる。
【0060】
上述のように、屋内側開口縁部OPaには、塗膜防水材26が塗着されており、雨仕舞枠体20は、厳密にはこの塗膜防水材26、「ロ」字状シール部62およびスペーサシール部63を介在した状態で、屋内側開口縁部OPaに取り付けられている。この場合、雨仕舞枠体20(枠本体31)は、スペーサシール部63から外側に外れた位置において、複数本のコンクリートビス67等により屋内側開口縁部OPaに固定されるが、その際、圧縮されたスペーサシール部63は、塗膜防水材26と雨仕舞枠体20と充填空間を構成し、この充填空間に「ロ」字状シール部62が充填された状態となる。したがって、屋内側開口縁部OPaにタイル張り等の不陸が生じていても、この部分が確実にシールされる。
【0061】
[第2シール部]
図2および
図3に示すように、第2シール部24は、カバー筒15と雨仕舞枠体20(枠本体31)との間をシールするものであり、枠本体31の屋内側枠面31bとカバー筒15の外周面15bとの為すコーナー部分を、四周に亘ってシールする環状シール部71を有している。環状シール部71は、屋内側枠面31bに固着した環状シーリング材受け72と、カバー筒15の外周面15bに固着した環状バックアップ材73と、環状シーリング材受け72と環状バックアップ材73との間に介設した環状シーリング材74と、で構成されている。
【0062】
環状バックアップ材73は、発泡ポリエチレン等で断面方形に形成され、その1の面には粘着加工が施されている。したがって、環状バックアップ材73は、剥離紙をはがしながら、墨出し線に倣って、カバー筒15の外周面15bに貼着される。
【0063】
環状シーリング材74は、例えばポリウレア・ウレタン系のシーリング材で構成されている。環状シーリング材74は、カバー筒15の雨仕舞枠体20(窓状開口21)への挿通に先立ち、カバー筒15の外周面15bにおいて、環状バックアップ材73に添わせて環状に且つ幾分盛り付けるように塗着される(
図5参照)。そして、カバー筒15の窓状開口21に挿通することにより、雨仕舞枠体20に設けた環状シーリング材受け72により、相対的に塗り広げられるようになっている(
図3参照)。
【0064】
環状シーリング材受け72は、ウレタンパッキン材等で断面方形に形成され、窓状開口21の縁部に添うようにして枠本体31に取り付けられている。環状シーリング材受け72は、成形したものを枠本体31に接着してもよいが、実施形態のものは、雨仕舞枠体20における窓状開口21の縁部を環状に粗面加工し、この面を成形型の一部として成型したものである。これにより、雨仕舞枠体20(枠本体31)と環状シーリング材受け72とは、水密に一体化されている。
【0065】
また、環状シーリング材受け72は、雨仕舞枠体20の屋内側枠面31bに固着された断面方形状の環状ベース部72aと、カバー筒15の外周面15bに対峙し、環状ベース部72aから突出する断面楔状の環状突起部72bとで一体に形成されている。環状突起部72bの先端は窓状開口21の縁と面一になるように位置決めされており、環状シーリング材受け72は屋外側に向かって狭まる形状となっている。なお、環状シーリング材受け72の下枠部37に沿う部分は、上記台板部32の取付け片部47を包含するように縦長に形成されている(
図3参照)。
【0066】
カバー筒15を雨仕舞枠体20(窓状開口21)に挿入してゆく過程で、環状シーリング材受け72(環状突起部72b)が挿入のガイドとして機能すると共に、塗着された環状シーリング材74が、環状シーリング材受け72の内側の形状に馴染むように変形し、カバー筒15との間で塗り広げられる(
図3および
図5参照)。そして、この挿通が完了すると、環状シーリング材74が、環状シーリング材受け72、環状バックアップ材73およびカバー筒15で囲まれた間隙、すなわちカバー筒15と雨仕舞枠体20とが為すコーナー部分に充填された状態となる。これにより、雨仕舞枠体20(枠本体31)とカバー筒15との間隙が、確実にシールされる。
【0067】
図2および
図3に示すように、塗膜防水材26は、ウレタン防水材等で構成され、屋内側開口縁部OPaおよび内壁面IWの部分から開口部OPの開口内周面OPbに亘って塗着されている。言うまでもないが、塗膜防水材26は、所定の膜厚となるように、複数回に亘って塗り重ねられている。これにより、例えば屋内側開口縁部OPaや内壁面IWがタイル張り(既設)であるときに、塗膜防水材26は、その目地を埋め目地による不陸を均すように機能する。したがって、屋内側開口縁部OPaや内壁面IWに不陸が生じていても、平坦なシール下地を構成することができる。
【0068】
[設置方法]
ここで、
図2ないし
図5を参照して、風呂釜10の設置方法について説明する。風呂釜10の設置は、既設の浴室をユニットバスUBに改修する一環として為されるものであり、この設置方法では、ユニットバスUBを建て付ける前に実施する前半の工程と、ユニットバスUBを建て付けた後に実施する後半の工程と、に分けられる。
【0069】
前半の工程では、屋内側開口縁部OPaおよび内壁面IWから開口部OPの開口内周面OPbに亘って塗膜防水材26を塗着する塗膜形成工程と、雨仕舞枠体20に環状シーリング材受け72、スペーサシール部63および縦バックアップ材65を固着する受け等固着工程と、雨仕舞枠体20および縦シール部61に枠体側シーリング材62aを塗着すると共に、屋内側開口縁部OPaに縁部側シーリング材62bを塗着する2面塗着工程と、雨仕舞枠体20を、屋内側開口縁部OPaに固定する枠体取付け工程と、縦バックアップ材65を受けとしてシール空間43に縦シーリング材66を塗着する縦塗着工程と、が実施される。
【0070】
後半の工程では、カバー筒15に環状バックアップ材73を貼着するバックアップ材貼着工程と、カバー筒15に環状シーリング材74を塗着する環状塗着工程と、カバー筒15を、雨仕舞枠体20に挿通すると共にユニットバスUBに取り付けるカバー筒取付け工程と、風呂釜10を、カバー筒15に挿通すると共にユニットバスUBに取り付ける風呂釜取付け工程と、風呂釜10の水平を調整する調整工程と、が実施される。
【0071】
塗膜形成工程では、屋内側開口縁部OPaおよび内壁面IWから開口部OPの開口内周面OPbに亘って、ウレタン防水材を所定の膜厚となるように重ね塗りする。その後、養生を行って塗膜防水材26を形成する。なお、塗膜防水材26の形成が完了したら、屋内側開口縁部OPaに、雨仕舞枠体20をビス止めするための下穴(複数個所)を現場合わせで穿孔する。
【0072】
受け等固着工程において、環状シーリング材受け72は、上述のように、雨仕舞枠体20の屋内側枠面31bを環状に粗面加工すると共に、この環状粗面部を成形型の一部として成型する。言うでもないが、環状シーリング材受け72の成型作業は工場で行われる。
【0073】
スペーサシール部63は、先ず独立気泡構造シール材の原材を、各部の寸法に合わせて切断する。具体的には、幅広縦枠部39に沿って設ける縦片を、枠本体31の高さ寸法に合わせて切断すると共に、上枠部36および下枠部37に設ける両横片を、縦片の位置から突当て片部44までの寸法に合わせて切断する。次に、雨仕舞枠体20の屋外側枠面31aに、上記のビス用バカ孔45に沿わせてスペーサシール部63の縦片を貼着すると共に、この縦片に突き当て且つビス用バカ孔45に沿わせて両横片を貼着する(
図4(b)参照)。
【0074】
縦バックアップ材65は、原材を縦折曲げ部42の寸法に合わせて切断し、縦折曲げ部42の屋外側に貼着する。なお、スペーサシール部63および縦バックアップ材65の雨仕舞枠体20への切断および貼着は、現場で行ってもよいし工場で行ってもよい。
【0075】
2面塗着工程において、枠体側シーリング材62aは、スペーサシール部63の内側に盛り付けるように塗着すると共に、幅狭縦枠部38および縦バックアップ材65の部分に盛り付けるように塗着する。次に、全体として「ロ」字状に盛り付けるように塗着した枠体側シーリング材62aを、ヘラ等により平坦に均す。特に、縦バックアップ材65側では、枠体側シーリング材62aが縦バックアップ材65の外端に達するように均す(
図4(b)参照)。なお、スペーサシール部63の剥離紙は、この均し作業に相前後して引き剥がすようにする。
【0076】
同様に、縁部側シーリング材62bは、屋内側開口縁部OPa(実際には、塗膜防水材26)に、枠体側シーリング材62aの寸法に合わせて「コ」字状に盛り付け、更にヘラ等により平坦に均す。特に、内壁面IW側では、縁部側シーリング材62bを内壁面IWに接するように均す。
【0077】
枠体取付け工程では、先ず雨仕舞枠体20を内壁面IWに突き当てつつ、墨出し線に合わせて屋内側開口縁部OPaに押し当てる。これにより、枠体側シーリング材62aと縁部側シーリング材62bとが融合し、且つスペーサシール部63の貼着により、雨仕舞枠体20が屋内側開口縁部OPa(塗膜防水材26)に仮固定される。続いて、雨仕舞枠体20の複数個所を屋内側開口縁部OPaにビス止めし、雨仕舞枠体20を本固定とする。
【0078】
縦塗着工程では、縦折曲げ部42、縦バックアップ材65および内壁面IWで囲まれたシール空間43に、縦シーリング材66を塗着する。この場合、縦シーリング材66は、シール空間43からはみ出して、上下の突当て片部44や内壁面IWにも塗着することが好ましい。またこのときに、雨仕舞枠体20の補強リブ41と、屋内側開口縁部OPa(塗膜防水材26)のコーナーにも、シーリング材を塗着することが好ましい。
【0079】
バックアップ材貼着工程では、墨出し線に沿って、カバー筒15の外周面15bに環状バックアップ材73を貼着する。この作業は、現場で行われる(現場合わせ)。
【0080】
環状塗着工程では、カバー筒15の外周面15bに、環状バックアップ材73に添わせて環状シーリング材74を塗着する。この場合、カバー筒15は、取付けフランジ15a側を下にして立て、環状シーリング材74を環状バックアップ材73に添わせ幾分盛り付けるように、且つ環状に連続するように塗着する。
【0081】
カバー筒取付け工程では、カバー筒15を、壁面開口UBbを介して、ユニットバスUBの内側から雨仕舞枠体20(窓状開口21)に挿入する。カバー筒15の窓状開口21への挿入では、環状シーリング材74が環状シーリング材受け72に接触した抵抗を感じつつ、カバー筒15の取付けフランジ15aを壁面開口UBbの開口縁部UBcに押し当てる。そして最後に、カバー筒15をユニットバスUBに固定する。
【0082】
上述のように、カバー筒15を雨仕舞枠体20(窓状開口21)に挿通する過程において、環状シーリング材受け72により、盛り付けた環状シーリング材74が挿入する方向に相対的に塗り広げられる。これにより、雨仕舞枠体20の屋内側枠面31bと環状バックアップ材73とで囲まれたコーナー部分に、環状シーリング材74が充填された状態となる。なお、環状シーリング材74と環状シーリング材受け72との接触状態を視認することはできないが、カバー筒15の雨仕舞枠体20への挿入に際し、環状シーリング材74の強い粘性抵抗を感じることで確認可能となる。
【0083】
風呂釜取付け工程では、ユニットバスUBの内側から風呂釜10の換気筒11をカバー筒15に挿入してゆく。カバー筒15を案内にして挿入されてゆく換気筒11は、開口部OPから大きく突出したところで、前面パネル12がカバー筒15の取付けフランジ15aに当接する。ここで、前面パネル12(風呂釜10)をカバー筒15の取付けフランジ15aに固定する。
【0084】
調整工程では、換気筒11の水準(水平)を取りながら、左右一対のアジャストボルト51により、換気筒11が水平になるように調整を行う。そして、換気筒11が水平になったところで、止めナット56を締め付けで(緩み止め)、作業を完了する。なお、この調整工程を行ってから、前面パネル12を取付けフランジ15aに固定するようにしてもよい。
【0085】
以上のように、第1実施形態によれば、カバー筒15と屋内側開口縁部OPaとの間に雨仕舞枠体20を設けているため、雨仕舞枠体20の窓状開口21の端を開口部OPの他方の内側面に寄せるようにすれば、窓状開口21に挿通するカバー筒15を介して換気筒11を開口部OPの他方の内側面に可能な限り寄せて設置することができる。これにより、開口部OPが内壁面IW側に極端に寄っていても、風呂釜10を適切に設置することができる。
【0086】
また、雨仕舞枠体20と屋内側開口縁部OPaおよび内壁面IWとの間を第1シール部23でシールし、カバー筒15と雨仕舞枠体20との間を第2シール部24でシールしているため、各シール箇所の形態に合わせて適切なシールを行うことができる。すなわち、換気筒11が開口部OPの左右片側に極端に寄って設置されていても、この部分における換気筒11の雨仕舞を確実なものとすることができる。
【0087】
特に、雨仕舞枠体20と内壁面IWとの間のシール空間43に、縦シール部61を設けると共に、この縦シール部61を含んで雨仕舞枠体20と屋内側開口縁部OPaとの間に「ロ」字状シール部62を設けるようにし、且つ屋内側開口縁部OPaや内壁面IWに塗膜防水材26を設けるようにしているため、雨仕舞枠体20と屋内側開口縁部OPaおよび内壁面IWとの間を、確実にシールすることができる。
【0088】
また、カバー筒15と雨仕舞枠体20との間に介設した環状シール部71は、カバー筒15を雨仕舞枠体20に挿通する過程で、環状シーリング材受け72と環状シーリング材74とを密接させることができるため、見えない部分のシール作業を確実に行うことができると共にその作業性を向上させることができる。しかも、雨仕舞枠体20、第1シール部23および第2シール部24は、屋内側から施工が可能であり、施工性を格段に向上させることができる。
【0089】
[第2実施形態]
次に、
図6(および
図3)を参照して、第2実施形態に係る風呂釜10の設置構造について説明する。この風呂釜10の設置構造は、開口部OPが内壁面IWから離れた標準仕様のものであり、以下、特殊仕様の第1実施形態と異なる部分を中心に説明を進める。なお、第2実施形態における裁断側面図は、
図3と同様となる。
【0090】
第2実施形態に係る風呂釜10の設置構造では、換気筒11が開口部OPの左右の中間に来るように風呂釜10が設置されている。そして、この場合も、風呂釜10の設置構造は、第1実施形態と同様に、換気筒11が挿通すると共に開口部OPに向かって延びるカバー筒15と、カバー筒15が挿通される窓状開口21を有し、屋内側開口縁部OPaに取り付けられた雨仕舞枠体20と、を備えている。
【0091】
但し、この場合の枠本体31には、幅狭縦枠部38(および縦折曲げ部42)は無く、左右対称に形成されている。すなわち、枠本体31は、窓状開口21を囲むように、上枠部36、下枠部37および両縦枠部39Aと、で一体に形成されている。また、枠本体31は、上枠部36、下枠部37および両縦枠部39Aの部分で、屋内側開口縁部OPaにビス止めされている。
【0092】
また、風呂釜10の設置構造は、雨仕舞枠体20と屋内側開口縁部OPaとの間をシールする枠状シール部23Aと、雨仕舞枠体20の屋内側枠面31bとカバー筒15の外周面15bとの為すコーナー部分を、四周に亘ってシールする環状シール部71Aと、を備えている。
【0093】
枠状シール部23Aは、上記の第1シール部23と異なり、縦シール部61は無い。すなわち、枠状シール部23Aは、雨仕舞枠体20の上枠部36、下枠部37および両縦枠部39Aと、屋内側開口縁部OPaとの間に介設された「ロ」字状シール部62と、「ロ」字状シール部62の外側において、上枠部36、下枠部37および両縦枠部39Aと、屋内側開口縁部OPaとの間に介設された「ロ」字状のスペーサシール部63と、を有している。
【0094】
この場合のスペーサシール部63は、雨仕舞枠体20の屋外側枠面31aに、「ロ」字状を為すように四周に亘って貼着されている。また「ロ」字状シール部62は、雨仕舞枠体20に「ロ」字状に塗着された枠体側シーリング材62aと、屋内側開口縁部OPaに「ロ」字状に塗着された縁部側シーリング材62bとで構成されている。したがって、雨仕舞枠体20を屋内側開口縁部OPaに取り付けることで、「ロ」字状シール部62(枠体側シーリング材62aおよび縁部側シーリング材62b)は、スペーサシール部63により構成された上記の充填空間に充填された状態となる。
【0095】
環状シール部71Aは、第1実施形態と同様に、雨仕舞枠体20の屋内側枠面31bに固着した環状シーリング材受け72と、カバー筒15の外周面15bに貼着した環状バックアップ材73と、屋内側枠面31bと環状バックアップ材73とで囲まれたコーナー部分に充填した環状シーリング材74と、で構成されている。この場合も、環状シーリング材74は、カバー筒15を雨仕舞枠体20に挿通する過程で、環状シーリング材受け72により相対的に塗り広げられる。
【0096】
第2実施形態の風呂釜10の設置方法でも、ユニットバスUBを建て付ける前に実施する前半の工程と、ユニットバスUBを建て付けた後に実施する後半の工程と、に分けられるが、標準仕様である第2実施形態は、特殊仕様である第1実施形態を一部簡略化したものとなる。
【0097】
前半の工程では、屋内側開口縁部OPaおよび開口部OPの開口内周面OPbに亘って塗膜防水材26を塗着する塗膜形成工程と、雨仕舞枠体20に環状シーリング材受け72およびスペーサシール部63を固着する受け等固着工程と、雨仕舞枠体20に枠体側シーリング材62aを塗着すると共に、屋内側開口縁部OPaに縁部側シーリング材62bを塗着する2面塗着工程と、雨仕舞枠体20を、屋内側開口縁部OPaに固定する枠体取付け工程と、が実施される。
【0098】
後半の工程では、カバー筒15に環状バックアップ材73を貼着するバックアップ材貼着工程と、カバー筒15に環状シーリング材74を塗着する環状塗着工程と、カバー筒15を、雨仕舞枠体20に挿通すると共にユニットバスUBに取り付けるカバー筒取付け工程と、風呂釜10を、カバー筒15に挿通すると共にユニットバスUBに取り付ける風呂釜取付け工程と、風呂釜10の水平を調整する調整工程と、が実施される。
【0099】
以上のように、第2実施形態によれば、第1実施形態と同様に、カバー筒15と屋内側開口縁部OPaとの間に雨仕舞枠体20を設け、シール箇所を、雨仕舞枠体20と屋内側開口縁OPaとの間、およびカバー筒15と雨仕舞枠体20との間の2箇所に分散しているため、シール箇所の形態に合わせて適切なシールを行うことができる。
【0100】
特に、雨仕舞枠体20と屋内側開口縁部OPaとの間に、「ロ」字状シール部62を設けるようにし、且つ屋内側開口縁部OPaに塗膜防水材26を設けるようにしているため、雨仕舞枠体20と屋内側開口縁部OPaとの間を、確実にシールすることができる。
【0101】
また、カバー筒15と雨仕舞枠体20との間に介設した環状シール部71Aは、カバー筒15を雨仕舞枠体20に挿通する過程で、環状シーリング材受け72と環状シーリング材74とを密接させることができるため、見えない部分のシール作業を確実に行うことができると共にその作業性を向上させることができる。しかも、雨仕舞枠体20、枠状シール部23Aおよび環状シール部71Aは、屋内側から施工が可能であり、施工性を格段に向上させることができる。
【符号の説明】
【0102】
10…風呂釜、11…換気筒、15…カバー筒、15b…外周面、20…雨仕舞枠体、21…窓状開口、23…第1シール部、23A…枠状シール部、24…第2シール部、26…塗膜防水材、31…枠本体、31b…屋内側枠面、32…台板部、34…支持機構、36…上枠部、37…下枠部、38…幅狭縦枠部、39…幅広縦枠部、39A…縦枠部、42…縦折曲げ部、43…シール空間、61…縦シール部、62…「ロ」字状シーリング部、63…スペーサシール部、65…縦バックアップ材、66…縦シーリング材、71,71A…環状シール部、72…環状シーリング材受け、73…環状バックアップ材、74…環状シーリング材、EW…外壁、IW…内壁面、OP…開口部、OPa…屋内側開口縁部、OPb…開口内周面、UB…ユニットバス、UBa…側壁、UBb…壁面開口、UBc…開口縁部。