(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-14
(45)【発行日】2023-11-22
(54)【発明の名称】コーン
(51)【国際特許分類】
E01F 13/02 20060101AFI20231115BHJP
【FI】
E01F13/02 A
(21)【出願番号】P 2020078338
(22)【出願日】2020-04-27
【審査請求日】2022-10-31
(73)【特許権者】
【識別番号】502257580
【氏名又は名称】トーアン株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】591006944
【氏名又は名称】三甲株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111095
【氏名又は名称】川口 光男
(72)【発明者】
【氏名】神事 潤三
(72)【発明者】
【氏名】市橋 隆
【審査官】小林 謙仁
(56)【参考文献】
【文献】実開昭54-096593(JP,U)
【文献】実開平01-136522(JP,U)
【文献】実開昭55-126322(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01F 13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外形状が略円錐形状をなす本体部を備えるコーンにおいて、
前記コーンは、
前記本体部の下側の部位である下本体部を備える下パーツと、
前記本体部の上側の部位である上本体部を備え、前記下パーツの上部に対して着脱自在に設けられる上パーツとにより構成され、
前記コーンを、前記下パーツと、前記上パーツとに分離した分離状態において、前記上パーツを前記下パーツの内側に収容可能に構成され、
前記上パーツには、前記上本体部の内面から突出する係止突起が設けられ、
前記下パーツは、
前記下パーツと、前記上パーツとを連結した連結状態において、前記上本体部の下縁部と当接して前記上パーツを支持する受部と、
前記連結状態において、前記上本体部の内面と略当接する規制部とを備え、
前記規制部には、前記下本体部の内外方向において貫通する係止孔が設けられ、
前記連結状態において、前記上パーツの前記係止突起が前記係止孔に挿入され、前記係止突起と、前記係止孔の周縁部とが略係止状態とされ
、
前記規制部のうち、前記係止孔の周縁部は、前記規制部のその他の部位である一般部よりも厚肉な厚肉部とされ、
前記規制部のうち、前記係止孔と、前記規制部の上縁部との間であって、前記係止孔の上縁部に隣接する前記厚肉部の上方に位置する部位は、外面が前記厚肉部の外面よりも前記下本体部の内方側に一段低く構成されていることを特徴とするコーン。
【請求項2】
前記下パーツと、前記上パーツとで、着色、及び、材質のうち少なくとも一方が異なる構成であることを特徴とする請求項1に記載のコーン。
【請求項3】
特定数からなる複数の前記コーンを、前記下パーツと、前記上パーツとに分離するとともに、分離された前記特定数からなる複数の前記上パーツ同士を上下に積み重ねた上パーツ集合体に対し、分離された前記特定数からなる複数の前記下パーツ同士を上下に積み重ねた下パーツ集合体を、前記上パーツ集合体を囲むようにして配置した場合に、前記上パーツ集合体の全体が前記下パーツ集合体の内側に収容されるように構成されていることを特徴とする請求項
1又は2に記載のコーン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、路面等に設置され、通行人に所定の情報を教示するコーンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、略円錐形状の本体部と、本体部の下縁部に連結された台座部とを備え、路面等に立設されて通行の案内等を行うコーン(ロードコーン)が知られている。また、コーンを上下方向において3つ以上のパーツに分けて上下に伸縮自在とし、コーンを使用しない状態では、上側のパーツを下側のパーツの内側に収容させるようにしてコーンを下方に収縮させ、コーンを使用する状態では、上側のパーツを下側のパーツから上方に突出させるようにしてコーンを上方に伸長させるといった技術がある(例えば、特許文献1等参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記特許文献1のコーンを非使用時において保管等する場合には、当該コーンの設置に必要なスペースを極力小さくするべく、当該コーンを収縮させることが考えられる。しかしながら、上記特許文献1のコーンを収縮させた状態とすると、コーンを構成する3つ以上のパーツが完全に分離した状態とされる。このため、複数のコーンをまとめて運搬、及び、保管する場合には、収縮させた状態のコーンを単純に積み重ねることはできず、収縮させた状態のコーンを梱包する等してから積み重ねる、或いは、コーンを伸長させて、コーンのパーツ同士を互いに連結させた状態で積み重ねることが考えられる。ここで、コーンの非使用時の運搬効率、及び、保管効率の向上が求められている。
【0005】
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであって、その目的は、非使用時の運搬効率、及び、保管効率の向上を図ることのできるコーンを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下、上記課題等を解決するのに適した各手段につき項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果等を付記する。
【0007】
手段1.外形状が略円錐形状をなす本体部を備えるコーンにおいて、
前記コーンは、
前記本体部の下側の部位である下本体部を備える下パーツと、
前記本体部の上側の部位である上本体部を備え、前記下パーツの上部に対して着脱自在に設けられる上パーツとにより構成され、
前記コーンを、前記下パーツと、前記上パーツとに分離した分離状態において、前記上パーツを前記下パーツの内側に収容可能に構成され、
前記上パーツには、前記上本体部の内面から突出する係止突起が設けられ、
前記下パーツは、
前記下パーツと、前記上パーツとを連結した連結状態において、前記上本体部の下縁部と当接して前記上パーツを支持する受部と、
前記連結状態において、前記上本体部の内面と略当接する規制部とを備え、
前記規制部には、前記下本体部の内外方向において貫通する係止孔が設けられ、
前記連結状態において、前記上パーツの前記係止突起が前記係止孔に挿入され、前記係止突起と、前記係止孔の周縁部とが略係止状態とされ、
前記規制部のうち、前記係止孔の周縁部は、前記規制部のその他の部位である一般部よりも厚肉な厚肉部とされ、
前記規制部のうち、前記係止孔と、前記規制部の上縁部との間であって、前記係止孔の上縁部に隣接する前記厚肉部の上方に位置する部位は、外面が前記厚肉部の外面よりも前記下本体部の内方側に一段低く構成されていることを特徴とするコーン。
【0008】
手段1によれば、コーンを下パーツと、上パーツとに分離して、上パーツを下パーツの内側に収容することで、非使用時のコーンをコンパクトにまとめることができる。さらに、上パーツ同士を積み重ねるとともに、当該上パーツを囲むようにして下パーツ同士を積み重ねることで、複数のコーンをコンパクトにまとめることができる。従って、非使用時の運搬効率、及び、保管効率の向上を図ることができる。
【0009】
また、下パーツは、下パーツと上パーツとを連結したコーンの連結状態において、上パーツの上本体部の下縁部と当接して支持する受部を備えており、上パーツに対して下向きの力が加えられた場合に、上パーツの下方への変位を効果的に規制することができる。さらに、下パーツには、コーンの連結状態において、上パーツの上本体部の内面と略当接する規制部が設けられており、コーンの連結状態において、上パーツが下パーツに対して水平方向に相対変位して脱落してしまうといった事態を防止することができる。特に、下パーツの規制部が上本体部の内側に嵌まり込む構成のため、上パーツが下パーツの内方側に脱落するといった事態を回避することができ、コーンを連結状態として使用している最中に、不用意にコーンが分離状態とされてしまうといった事態をより確実に防止することができる。従って、たとえ、連結状態にあるコーンの上パーツに下向きの力が加えられたとしても(例えば、一対のコーンの上パーツ間に掛け渡すようにしてコーンバーが設けられる等しても)、コーンの連結状態(使用形態)を確実に維持することができ、コーンを路面等に設置して通行人に所定の情報を教示するといった機能を確実に発揮させることができる。
【0010】
さらに、上パーツには、上本体部の内面から突出する係止突起が設けられ、下パーツの規制部には、下本体部の内外方向において貫通し、係止突起と係止状態とされる係止孔が設けられている。このため、例えば、規制部を貫通する係止孔ではなく規制部の厚みに収まる凹部に係止突起を係止させるような構成に比べて、規制部を厚肉にすることなく係止突起の突出長を極力大きくすることができ、係止状態の安定化を図ることができる。
【0011】
また、上パーツの上本体部の内側に下パーツの規制部を挿入して係止突起を係止孔に挿入させるだけで上パーツと下パーツとを連結させることができる。従って、例えば、上パーツと、下パーツとを連結させる際に、下パーツの上方から上パーツを被せる動作以外の動作を必要とするような構成(例えば、上パーツの下縁部と下パーツの上縁部とを螺着させる等)に比べて、連結作業性の向上を図ることができる。
【0012】
加えて、コーンの連結状態において、係止孔や係止突起がコーンの外面側に露出することを回避することができる。従って、連結状態とされたコーンの本体部の外面側に段部や凹部が形成されることを抑制することができ、該段部や凹部に対し、別の物体が引っ掛かる、埃等が堆積する等の事態を回避しつつ、コーンの意匠性の向上等を図ることができる。
【0013】
また、上記のように、下パーツに受部、及び、規制部が設けられていることにより、コーンの連結状態において上パーツに下向きの力が加えられたとしても、係止突起、及び、係止孔周縁部に対して比較的大きな負担が掛けられてしまうことを回避することができる。従って、係止突起、及び、係止孔周縁部の劣化や損傷等を抑止することができ、結果として、耐久性の向上等を図ることができる。
【0014】
さらに、下本体部と、規制部との間には、受部が設けられており、例えば、下本体部に対して側方から力が加えられて下本体部が若干変形したとしても、該変形を規制部にまで波及し難くすることができる。従って、例えば、下パーツの規制部と、上本体部の係止突起が設けられている部位とが離間するようにして規制部が変形してしまい、係止突起の係止状態が解除されるといった事態を防止することができる。加えて、コーンの連結状態において下パーツの規制部が上パーツの内側に嵌まり込む構成のため、コーンの連結状態において、上本体部に対して側方から力が加えられたとしても、係止突起と係止孔との係止状態が解除される側に上本体部が変形してしまうといった事態を回避することができる。
【0015】
尚、「前記上パーツの高さは、前記下パーツの前記受部の上面までの高さと同じ、又は、それよりも高い(かつ、前記下パーツの高さよりも低い)こと」としてもよい。この場合、上パーツを下パーツの内側に収容して運搬効率の向上等を図るといった作用効果がより一層奏される。
また、係止孔の周縁部の剛性を高めて変形し難くすることができ、結果として、係止突起の係止状態の安定化を図ることができる。また、一般部に比べて規制部の厚みを外方側に厚くすることで厚肉部を構成する場合には、規制部は、厚肉部において上パーツの上本体部の内面と当接することとなる。このため、例えば、規制部の外面の全体が上パーツの上本体部の内面と当接する場合に比べ、上パーツと下パーツとを連結する際に、規制部を上本体部の内側に挿入させ易くなり、連結作業性の向上等を図ることができる。
さらに、上パーツと下パーツとを連結する際に、係止突起を係止孔に挿入させ易くなり、連結作業性の向上等を図ることができる。
【0016】
手段2.前記下パーツと、前記上パーツとで、着色、及び、材質のうち少なくとも一方が異なる構成であることを特徴とする手段1に記載のコーン。
【0017】
手段2によれば、下パーツと、上パーツとで、それぞれ着色、及び、材質を選択することができ、利便性の向上等を図ることができる。すなわち、例えば、上パーツと、下パーツとで着色を異ならせることにより、下パーツ集合体の内側に上パーツ集合体が挿入されていることを認識し易くすることができる。さらに、視認態様の多様化を図ることができる上、上パーツ、及び、下パーツの一方を代えることなく他方を代えるだけで視認態様を大きく変化させることができ、付替えも容易に行うことが可能である。従って、例えば、下パーツは共通の1種類であるが、上パーツは色違いで複数種類存在し、用途に応じて上パーツを適宜選択する等といった具合に、汎用性、利便性の向上等を図ることができる。
加えて、例えば、上パーツと、下パーツとで材質を異ならせることにより、それぞれが求められる機能に合わせた材質を選択することができる。例えば、作業者の足や車輪等との接触機会が多い下パーツは、比較的軟質の樹脂で構成して破損等を防止し、上パーツは、比較的硬質の樹脂で構成することで、例えば、上パーツも軟質樹脂で構成する場合に比べて、下パーツとの連結作業(規制部を上本体部の内側に挿入させる作業)を比較的スムースにするといった構成等を採用することができる。また、上パーツ、及び、下パーツの一方(の少なくとも一部)を透明樹脂とすることで、全体を透明樹脂とする場合に比べてコストの抑制等を図りつつ、コーンの内部に不審物が設置されていることを発見し易くすることができる。
【0018】
手段3.特定数からなる複数の前記コーンを、前記下パーツと、前記上パーツとに分離するとともに、分離された前記特定数からなる複数の前記上パーツ同士を上下に積み重ねた上パーツ集合体に対し、分離された前記特定数からなる複数の前記下パーツ同士を上下に積み重ねた下パーツ集合体を、前記上パーツ集合体を囲むようにして配置した場合に、前記上パーツ集合体の全体が前記下パーツ集合体の内側に収容されるように構成されていることを特徴とする手段1又は2に記載のコーン。
【0021】
手段3によれば、分離された特定数からなる複数の上パーツ同士を上下に積み重ねた上パーツ集合体に対し、分離された特定数からなる複数の下パーツ同士を上下に積み重ねた下パーツ集合体を、上パーツ集合体を囲むようにして配置することで、特定数からなる複数のコーンをコンパクトにまとめることができる。従って、非使用時の運搬効率、及び、保管効率の向上を図ることができる。
【0024】
尚、「上パーツ集合体の全体が下パーツ集合体の内側に収容される」とは、特定数からなる複数の上パーツ集合体を特定数からなる複数の下パーツ集合体の内側に収容しても、上パーツ集合体と、下パーツ集合体とを互いに当接させることなく、上パーツ集合体、及び、下パーツ集合体のそれぞれを設置面に接地可能であり、また、上パーツ集合体が下パーツ集合体から上方に突出しないことを意図している。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図4】上パーツと、下パーツとの連結部位を示す一部断面を含む部分拡大斜視図である。
【
図5】上パーツと、下パーツとの連結部位を示す一部断面を含む部分拡大斜視図である。
【
図6】コーンを積み重ねた状態を示す断面図である。
【
図7】上パーツ集合体を下パーツ集合体の内側に収容した状態を示す断面図である。
【
図8】別の実施形態における下パーツを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に、一実施形態について図面を参照して説明する。
図1等に示すように、コーン1(ロードコーン)は、外形状が下方に向けて次第に拡径する略円錐形状をなす本体部2と、本体部2の下縁部に連結された台座部3とを備えている。
図2に示すように、本実施形態のコーン1は、台座部3と、本体部2の下側の部位である下本体部2aとを備える下パーツ4と、本体部2の上側の部位である上本体部2bを備え、下パーツ4の上部に対して着脱自在に設けられる上パーツ5とにより構成されている。また、本実施形態では、コーン1を、下パーツ4と、上パーツ5とに分離した分離状態において、上パーツ5を下パーツ4の内側に収容可能に構成されている。さらに、
図6に示すように、下パーツ4と、上パーツ5とを連結した連結状態のコーン1同士を上下に積み重ねることが可能となっている。加えて、詳しくは後述するが、分離された下パーツ4同士を積み重ねることが可能であるとともに、分離された上パーツ5同士を積み重ねることが可能に構成されている(
図7参照)。尚、下パーツ4、及び、上パーツ5は、それぞれ低密度ポリエチレンによって一体的に形成されている。さらに、本実施形態では、上パーツ5の着色と、下パーツ4の着色とが異なっている。
【0027】
図2、
図3、
図5等に示すように、上パーツ5の上本体部2bは、外形状が略円錐形状をなし、中空で下方に開口している。上本体部2bの上端部は略ドーム状をなしており、その裏面側には、
図3、
図6等に示すように、上本体部2bの内面(内側の側面)から内方側に突出し、上本体部2bの上端部の裏面(天井面)と連結される上側段積みリブ7が設けられている。また、
図4、
図5に示すように、上本体部2bの下縁部から若干上方に離間した位置には、上本体部2bの内面から内方側に突出する縦断面略三角形状の係止突起8が設けられている。本実施形態では、係止突起8は、上本体部2bの周方向において等間隔で3箇所に設けられ、各係止突起8は、上本体部2bの周方向に沿って所定長延在している。
【0028】
上パーツ5同士を上下に積み重ねた場合には、上側の上パーツ5の上側段積みリブ7の下縁部が、下側の上パーツ5の上本体部2bの上端部に当接して支持されるようになっている。これにより、上パーツ5同士を上下に積み重ねた状態において、上側の上パーツ5の全ての係止突起8と、下側の上パーツ5の上本体部2bの外面とが圧接することを回避しつつ、上側の上パーツ5の係止突起8と、下側の上パーツ5の上本体部2bの外面とが互いに当接、又は、近接するように構成されている(
図7参照)。以下、上下に積み重ねられた複数の上パーツ5を「上パーツ集合体9」とも称する。
【0029】
図2~
図4に示すように、下パーツ4の下本体部2aは、上下に開口する略円錐台筒状をなしている。下パーツ4は、コーン1の連結状態において、上本体部2bの下縁部と当接して上パーツ5を支持する受部11と、コーン1の連結状態において、上本体部2bの内面に略当接する規制部12とを備えている。
図4に示すように、本実施形態では、下本体部2aの上縁部と、上本体部2bの下縁部とが同径とされている。さらに、下本体部2aの厚みと、上本体部2bの厚みとが同じとなっている。そして、コーン1の連結状態では、上本体部2bの下縁部が、下本体部2aの上縁部と当接して支持されるようになっている。本実施形態では、下本体部2aの上縁部により受部11が構成されている。
【0030】
また、
図4、
図5に示すように、本実施形態の規制部12は、下本体部2aの上縁部を下本体部2aの内方側に向けて下本体部2aの厚み程度突出させた部位から、下本体部2aの形状(傾斜、及び、湾曲)に倣って上方に突出する略円形枠状に構成されている。
図2、
図5等に示すように、規制部12には、下本体部2aの内外方向において貫通する係止孔13が設けられている。係止孔13は、上パーツ5の係止突起8に対応して3箇所に設けられている。
【0031】
また、
図2等に示すように、規制部12のうち、係止孔13の周縁部は、規制部12のその他の部位である一般部14よりも厚肉な厚肉部15とされている。本実施形態では、厚肉部15の厚みは、下本体部2aの厚みと同じとなっており、下本体部2aの周方向において厚肉部15の対象とされた範囲では、規制部12の下縁部から上縁部にかけて厚肉部15とされている。さらに、
図5に示すように、厚肉部15は、一般部14に比べて、規制部12の厚みを外方側に厚くすることで構成されている。加えて、下パーツ4は、規制部12の上縁部から内方側に突出する上縁突部16を備えており、下パーツ4(規制部12)の上縁部における補強が図られている。
【0032】
図3、
図4に示すように、コーン1の連結状態では、上パーツ5の係止突起8が係止孔13に挿入され、係止突起8と、係止孔13の周縁部(上縁部)とが略係止状態(上パーツ5と下パーツ4とを上下に離間させるような力が作用した場合に係止突起8が係止孔13の上縁部に当接する状態)とされる。係止突起8の上本体部2bからの突出長は、規制部12(厚肉部15)の厚みよりも長くなっており、
図4に示すように、コーン1の連結状態では、係止突起8は、上本体部2bの内面よりも内方側に若干突出している。また、
図2等に示すように、下パーツ4の外面側には、下本体部2aの上縁部の所定位置(本例では、所定の係止孔13の横幅方向中央部)に対応して下側位置決め部17a(本例では突形状)が設けられている。さらに、上パーツ5の外面側には、上本体部2bの下縁部の所定位置(本例では、所定の係止突起8の横幅方向中央部)に対応して上側位置決め部17b(本例では突形状)が設けられている。
図1に示すように、下パーツ4と、上パーツ5とを連結する場合に、下側位置決め部17aと、上側位置決め部17bとの位置を合わせることで、係止突起8が正確に係止孔13へ挿入されることとなる。
【0033】
図2、
図3、
図6等に示すように、台座部3は、下本体部2aの下縁部から外方側に延びる略円盤状の横延出部21と、横延出部21の外縁部から下方に延びる略円形枠状の縦延出部22と、縦延出部22の下縁部から外方側に突出する平面視における外形状が略正方形状の台板部23と、台板部23の外縁部から下方に延びる略四角枠状の裾部24とを備えている。
【0034】
図3等に示すように、下パーツ4は、横延出部21の下面から下方に突出する下側段積みリブ25を備えている。下側段積みリブ25は、下本体部2aの周方向において等間隔で4箇所に設けられている。また、下側段積みリブ25は、水平断面略十字状に構成されており、縦延出部22の内面と連結されている。さらに、下側段積みリブ25は、下本体部2aの内面を下方に延長させた仮想面よりも外方側に位置するように構成されている。加えて、下側段積みリブ25の下縁部は、縦延出部22の下縁部(台板部23の上面)よりも若干上方に位置している。
【0035】
下パーツ4同士を積み重ねた場合に、上側の下パーツ4の下側段積みリブ25の下縁部が、下側の下パーツ4の横延出部21の上面に当接して支持されるようになっている(
図7参照)。これにより、下パーツ4同士を積み重ねた状態において、上側の下パーツ4の内面側と、下側の下パーツ4の外面とが圧接することを回避しつつ、上側の下パーツ4の内面側(規制部12)と、下側の下パーツ4の下本体部2aの外面とが互いに当接、又は、近接するように構成されている。以下、上下に積み重ねられた複数の下パーツ4を「下パーツ集合体26」とも称する。
【0036】
尚、下パーツ4に対して下パーツ4を積み重ねた場合の高さの増加量は、上パーツ5に対して上パーツ5を積み重ねた場合の高さの増加量よりも若干大きく構成されている。また、下パーツ4同士を積み重ねた状態において、上側の下パーツ4の係止孔13は、下側の下パーツ4(規制部12)の上縁部よりも上方に位置しており、下パーツ集合体26から最上段の下パーツ4を1つずつ取り出す際に、最上段の下パーツ4の係止孔13を介して当該係止孔13の上縁部に指先を掛けて最上段の下パーツ4を持ち上げることができる。
【0037】
図3、
図6等に示すように、台板部23の下面側には、縦延出部22の下縁部に沿って、台板部23から下方に突出する略円形枠状の支持リブ27と、支持リブ27の外面から裾部24にかけて延びる補強リブ28とが設けられている。支持リブ27の下縁部は、裾部24の下縁部と同じ高さとされ、補強リブ28の下縁部は、外方側に向けて上方に傾斜している。尚、支持リブ27は、縦延出部22の内面を下方に延長させた仮想面よりも外方側に位置し、下パーツ4同士を積み重ねた場合に、上側の下パーツ4の支持リブ27が、下側の下パーツ4の横延出部21及び縦延出部22と干渉しないように構成されている。
【0038】
上記のように、コーン1は、下パーツ4と、上パーツ5とに分離して、上パーツ5を下パーツ4の内側に収容可能とされている。本実施形態の上パーツ5の高さは、下パーツ4の受部11の上面までの高さとほぼ同じであって、上パーツ5の全体を下パーツ4の内側に収容可能となっている。特に、
図7に示すように、本実施形態では、最大で10個のコーン1を下パーツ4と上パーツ5とに分離し、10個の上パーツ5同士を積み重ねて上パーツ集合体9を形成するとともに、当該上パーツ集合体9を囲むようにして、10個の下パーツ4同士を積み重ねて下パーツ集合体26を形成しても、上パーツ集合体9の全体が下パーツ集合体26の内側に収容されるようになっている。
【0039】
10個の上パーツ5よりなる上パーツ集合体9を10個の下パーツ4よりなる下パーツ集合体26の内側に収容した状態では、上パーツ集合体9と、下パーツ集合体26とを互いに当接させることなく、上パーツ集合体9を下パーツ集合体26から上方に突出させることもなく、上パーツ集合体9、及び、下パーツ集合体26のそれぞれを設置面に接地させることが可能となっている。本実施形態では、該下パーツ集合体26の最下段の下パーツ4の上縁部(上縁突部16)と、該上パーツ集合体9の最上段の上パーツ5との間に1mm程度の隙間が形成される設定となっている。
【0040】
加えて、
図6に示すように、連結状態のコーン1を上下に積み重ねた場合には、上側の下パーツ4の下側段積みリブ25の下縁部が、下側の下パーツ4の横延出部21の上面に当接して支持されるようになっている。また、連結状態のコーン1を上下に積み重ねた状態では、上側のコーン1の規制部12、及び、係止突起8と、下側のコーン1(上本体部2b)の外面とが当接、又は、近接するものの、圧接はしない構成となっている。
【0041】
以上詳述したように、本実施形態によれば、コーン1を下パーツ4と、上パーツ5とに分離して、上パーツ5を下パーツ4の内側に収容することで、非使用時のコーン1をコンパクトにまとめることができる。さらに、10個のコーン1を上パーツ5と、下パーツ4とに分離し、分離された10個の上パーツ5同士を上下に積み重ねた上パーツ集合体9に対し、分離された10個の下パーツ4同士を上下に積み重ねた下パーツ集合体26を、上パーツ集合体9を囲むようにして配置することで、10個のコーン1をコンパクトにまとめることができる。従って、非使用時の運搬効率、及び、保管効率の向上を図ることができる。
【0042】
また、下パーツ4は、下パーツ4と上パーツ5とを連結したコーン1の連結状態において、上パーツ5の上本体部2bの下縁部と当接して支持する受部11を備えており、上パーツ5に対して下向きの力が加えられた場合に、上パーツ5の下方への変位を効果的に規制することができる。さらに、下パーツ4には、コーン1の連結状態において、上パーツ5の上本体部2bの内面と略当接する規制部12が設けられており、コーン1の連結状態において、上パーツ5が下パーツ4に対して水平方向に相対変位して脱落してしまうといった事態を防止することができる。特に、下パーツ4の規制部12が上本体部2bの内側に嵌まり込む構成のため、上パーツ5が下パーツ4の内方側に脱落するといった事態を回避することができ、コーン1を連結状態として使用している最中に、不用意にコーン1が分離状態とされてしまうといった事態をより確実に防止することができる。従って、たとえ、連結状態にあるコーン1の上パーツ5に下向きの力が加えられたとしても(例えば、一対のコーン1の上パーツ5間に掛け渡すようにしてコーンバーが設けられる等しても)、コーン1の連結状態(使用形態)を確実に維持することができ、コーン1を路面等に設置して通行人に所定の情報を教示するといった機能を確実に発揮させることができる。
【0043】
さらに、上パーツ5には、上本体部2bの内面から突出する係止突起8が設けられ、下パーツ4の規制部12には、下本体部2aの内外方向において貫通し、係止突起8と係止状態とされる係止孔13が設けられている。このため、例えば、規制部12を貫通する係止孔13ではなく規制部12の厚みに収まる凹部に係止突起8を係止させるような構成に比べて、規制部12を厚肉にすることなく係止突起8の突出長を極力大きくすることができ、係止状態の安定化を図ることができる。
【0044】
また、上パーツ5の上本体部2bの内側に下パーツ4の規制部12を挿入して係止突起8を係止孔13に挿入させるだけで上パーツ5と下パーツ4とを連結させることができる。従って、例えば、上パーツ5と、下パーツ4とを連結させる際に、下パーツ4の上方から上パーツ5を被せる動作以外の動作を必要とするような構成(例えば、上パーツ5の下縁部と下パーツ4の上縁部とを螺着させる等)に比べて、連結作業性の向上を図ることができる。
【0045】
加えて、コーン1の連結状態において、係止孔13や係止突起8がコーン1の外面側に露出することを回避することができる。従って、連結状態とされたコーン1の本体部2の外面側に段部や凹部が形成されることを抑制することができ、該段部や凹部に対し、別の物体が引っ掛かる、埃等が堆積する等の事態を回避しつつ、コーン1の意匠性の向上等を図ることができる。
【0046】
また、上記のように、下パーツ4に受部11、及び、規制部12が設けられていることにより、コーン1の連結状態において上パーツ5に下向きの力が加えられたとしても、係止突起8、及び、係止孔13周縁部に対して比較的大きな負担が掛けられてしまうことを回避することができる。従って、係止突起8、及び、係止孔13周縁部の劣化や損傷等を抑止することができ、結果として、耐久性の向上等を図ることができる。
【0047】
また、下本体部2aと、規制部12との間には、受部11が設けられており、例えば、下本体部2aに対して側方から力が加えられて下本体部2aが若干変形したとしても、該変形を規制部12にまで波及し難くすることができる。従って、例えば、下パーツ4の規制部12と、上本体部2bの係止突起8が設けられている部位とが離間するようにして規制部12が変形してしまい、係止突起8の係止状態が解除されるといった事態を防止することができる。加えて、コーン1の連結状態において下パーツ4の規制部12が上パーツ5の内側に嵌まり込む構成のため、コーン1の連結状態において、上本体部2bに対して側方から力が加えられたとしても、係止突起8と係止孔13との係止状態が解除される側に上本体部2bが変形してしまうといった事態を回避することができる。
【0048】
尚、上パーツ5の高さは、下パーツ4の受部11の上面までの高さとほぼ同じとなっている。このため、上パーツ集合体9を下パーツ集合体26の内側に収容して運搬効率の向上等を図るといった作用効果がより一層奏される。
【0049】
また、規制部12のうち、係止孔13の周縁部は、規制部12の一般部14よりも厚肉な厚肉部15とされている。このため、係止孔13の周縁部の剛性を高めて変形し難くすることができ、結果として、係止突起8の係止状態の安定化を図ることができる。さらに、一般部14に比べて規制部12の厚みを外方側に厚くすることで厚肉部15が構成されていることから、規制部12は、厚肉部15において上パーツ5の上本体部2bの内面と当接することとなる。このため、例えば、規制部12の外面の全体が上パーツ5の上本体部2bの内面と当接する(連結作業に際して摺接する)場合に比べ、上パーツ5と下パーツ4とを連結する際に、摩擦を減らして規制部12を上本体部2bの内側に挿入させ易くなり、連結作業性の向上等を図ることができる。
【0050】
また、下パーツ4と、上パーツ5とが別パーツとして構成されているため、下パーツ4と、上パーツ5とで、それぞれ着色、及び、材質を選択することができ、利便性の向上等を図ることができる。すなわち、本実施形態では、上パーツ5と、下パーツ4とで着色が異なっており、下パーツ集合体26の内側に上パーツ集合体9が挿入されていることを認識し易くすることができる。さらに、視認態様の多様化を図ることができる上、上パーツ5、及び、下パーツ4の一方を代えることなく他方を代えるだけで視認態様を大きく変化させることができ、付替えも容易に行うことが可能である。従って、例えば、下パーツ4は共通の1種類であるが、上パーツ5は色違いで複数種類存在し、用途に応じて上パーツ5を適宜選択する等といった具合に、汎用性、利便性の向上等を図ることができる。
【0051】
また、下パーツ4同士を積み重ねた場合に、上側の下パーツ4の下側段積みリブ25の下縁部が、下側の下パーツ4の横延出部21の上面に当接して支持されるように構成されている。このため、例えば、上側の下パーツ4と、下側の下パーツ4の外面とを圧接させることで、上下に積み重ねられた下パーツ4同士の上下方向の位置決めを行う構成に比べ、下パーツ集合体26の傾きを防止しつつ、下パーツ集合体26の高さのばらつきを抑制することができる。さらに、上パーツ5同士を積み重ねた場合に、上側の上パーツ5の上側段積みリブ7の下縁部が、下側の上パーツ5の上本体部2bの上端部に当接して支持されるように構成されている。このため、例えば、上側の上パーツ5の全ての係止突起8と、下側の上パーツ5の上本体部2bの外面とを圧接させることで、上下に積み重ねられた上パーツ5同士の上下方向の位置決めを行う構成に比べ、上パーツ集合体9の傾きを防止しつつ、上パーツ集合体9の高さのばらつきを抑制することができる上、係止突起8の保護が図られるようになっている。
【0052】
従って、下パーツ集合体26、及び、上パーツ集合体9の姿勢の安定化を図りつつ、下パーツ4に対して下パーツ4を積み重ねた場合の高さの増加量、及び、上パーツ5に対して上パーツ5を積み重ねた場合の高さの増加量をそれぞれ一定とすることができる。これにより、例えば、上パーツ集合体9が傾いて、下パーツ集合体26を積み重ねる際の作業性の低下を招くといった事態を回避することができる。さらに、例えば、上パーツ集合体9の高さや下パーツ集合体26の高さのばらつきが大きくなり、上パーツ集合体9が下パーツ集合体26の上部の開口から上方に突出してしまう、或いは、上パーツ集合体9が下パーツ集合体26と当接して下パーツ集合体26を構成する下パーツ4の一部が上パーツ集合体9によって持ち上げられてしまう等といった事態をより確実に回避することができる。
【0053】
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
【0054】
(a)
図8に示すように、規制部12のうち、係止孔13と、規制部12の上縁部との間であって、係止孔13の上縁部に隣接する厚肉部15の上方に位置する部位を、厚肉部15よりも薄く、その外面が厚肉部15の外面よりも下本体部2aの内方側に一段低く構成された薄肉部31としてもよい。この場合、上パーツ5と下パーツ4とを連結する際に、係止突起8を係止孔13に挿入させ易くなり、連結作業性の向上等を図ることができる。尚、規制部12のいずれの部位においても厚みを一定とすることも可能である。尚、薄肉部31の両側方においては、厚肉部15が規制部12の上縁部にまで延在するようにして設けられている。
【0055】
(b)上記実施形態では、下本体部2aの上縁部により受部11が構成されているが、下本体部2aの上縁部から外方に突出するリブにより受部を構成し、当該受部の上面に上本体部2bの下縁部が当接するように構成してもよい。当該構成を採用する場合には、下本体部2aをそのまま上方に延長させることで規制部を設けることとする。
【0056】
また、下パーツ4同士を積み重ねた場合に、上側の下パーツ4の下側段積みリブ25の下縁部が、下側の下パーツ4の横延出部21の上面に当接して支持されるように構成されているが、下パーツ4同士を傾きなく同じ高さ位置で支持させるための構成については特に限定されるものではなく、例えば、縦延出部22の上下幅が、裾部24の上下幅よりも短く、上側の下パーツ4の支持リブ27(及び補強リブ28)が、下側の下パーツ4の台板部23の上面に当接して支持されるように構成する等、適宜変更可能である。尚、台座部3の構成は特に限定されるものではなく、例えば、横延出部21及び縦延出部22を省略したような形状としたり、台板部23及び裾部24を省略したような形状としたりすることも可能である。
【0057】
(c)上記実施形態では、上パーツ5に係止突起8が設けられ、該規制突起8が下パーツ4に設けられた係止孔13に挿入されることで、上パーツ5と、下パーツ4とが連結されるように構成されているが、別の構成(例えば、下パーツ4の規制部12の外面側に規制突起を設け、上パーツの上本体部2bに係止孔、又は、係止凹部を設ける等)により連結されるように構成してもよい。さらに、上記実施形態では、係止突起8の上本体部2bからの突出長が規制部12(厚肉部15)の厚みよりも長く構成されているが、係止突起8の突出長と規制部12(厚肉部15)の厚みとが(ほぼ)同じとなるように(コーン1の連結状態では、係止突起8が、上本体部2bの内面よりも内方側に突出しないように)構成してもよい。
【0058】
また、上記実施形態では、上パーツ5同士を積み重ねた場合に、上側の上パーツ5の上側段積みリブ7の下縁部が、下側の上パーツ5の上本体部2bの上端部に当接して支持されるように構成されているが、上パーツ5同士を傾きなく同じ高さ位置で支持させるための構成については特に限定されるものではなく、適宜変更可能である。
【0059】
尚、上記実施形態において、上本体部2bの上端部において、上本体部2bを上下に貫通する(略円形状の)貫通孔を設けることとしてもよい。この場合、上パーツ5同士を積み重ねた状態から最上段の上パーツ5を1つずつ取出す場合に、最上段の上パーツ5と、その下の上パーツ5との間が負圧になることを回避するとともに、貫通孔を介して上パーツ5の裏面側に指先を掛けて、最上段の上パーツ5を持ち上げることが可能となる。
【0060】
(d)上記実施形態では、上パーツ5、及び、下パーツ4が低密度ポリエチレンにより構成されているが、高密度ポリエチレンやポリプロピレン等の別の樹脂材料に適宜変更可能である。さらに、上記実施形態において、上パーツ5の材質と、下パーツ4の材質とを異ならせることとしてもよい。この場合、上パーツ5、及び、下パーツ4のそれぞれが求められる機能に合わせた材質を選択することができる。例えば、作業者の足や車輪等との接触機会が多い下パーツ4は、比較的軟質の樹脂で構成して破損等を防止し、上パーツ5は、比較的硬質の樹脂で構成することで、例えば、上パーツ5も軟質樹脂で構成する場合に比べて、下パーツ4との連結作業(規制部12を上本体部2bの内側に挿入させる作業)を比較的スムースにするといった構成等を採用することができる。また、上パーツ5、及び、下パーツ4の一方(の少なくとも一部)を透明樹脂とすることで、全体を透明樹脂とする場合に比べてコストの抑制等を図りつつ、コーン1の内部に不審物が設置されていることを発見し易くすることができる。
【0061】
また、上記実施形態では、上パーツ5の着色と、下パーツ4の着色とが異なるように構成されているが、同じ着色とすることも可能である。さらに、上記実施形態では、最大で10個の上パーツ5よりなる上パーツ集合体9の全体を、それと同数(10個)の下パーツ4よりなる下パーツ4の内側に収容可能とされているが、特にかかる構成に限定されるものではなく、10個以外の複数個を上限として、特定数からなる複数個の上パーツ集合体9の全体を、それと同数の下パーツ4よりなる下パーツ4の内側に収容可能に構成してもよい。
【符号の説明】
【0062】
1…コーン、2…本体部、2a…下本体部、2b…上本体部、4…下パーツ、5…上パーツ、8…係止突起、9…上パーツ集合体、11…受部、12…規制部、13…係止孔、14…一般部、15…厚肉部、26…下パーツ集合体、31…薄肉部。