(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-14
(45)【発行日】2023-11-22
(54)【発明の名称】皮膚管理装置
(51)【国際特許分類】
A61M 37/00 20060101AFI20231115BHJP
【FI】
A61M37/00 516
(21)【出願番号】P 2019073975
(22)【出願日】2019-04-09
【審査請求日】2022-04-07
(73)【特許権者】
【識別番号】512136695
【氏名又は名称】株式会社オイコス
(74)【代理人】
【識別番号】100125265
【氏名又は名称】貝塚 亮平
(74)【代理人】
【識別番号】100142158
【氏名又は名称】岩田 啓
(72)【発明者】
【氏名】洪 又植
【審査官】川上 佳
(56)【参考文献】
【文献】韓国登録特許第10-1820711(KR,B1)
【文献】国際公開第2018/115312(WO,A1)
【文献】特開2013-230211(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0174386(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口を有する一方端と、当該一方端から最遠位の他方端と、を有するハウジングと、
前記ハウジングの内部の前記一方端に結合され、前記一方端方向への往動及び前記他方端方向への復動が可能な薬液槽ケースと、
前記ハウジングの内部に設けられ、外部から電力の供給を受けて電気を充電後、装置に電気を提供するバッテリと、
前記ハウジングの内部に設けられ、
前記薬液槽ケースに連結された動力出力用軸を有し、前記バッテリに電気的に接続され、前記バッテリから電力の供給を受け、モータの回転運動をカム運動に変換させ、
前記動力出力用軸を往動させることによって、前記薬液槽ケースを往動させるポンピング動力提供手段と、
前記薬液槽ケースの外周縁に設置
され、一側が前記ハウジング内側の係止爪に固定され、他側が前記薬液槽ケースの係止爪に固定されて、前記薬液槽ケースを弾性支持して、
往動された前記薬液槽ケース
を復動させる弾性ばねと、
薬物を内部に収容する薬液槽であって、前記薬液槽ケースの内側に挿入結合され、前記薬液槽ケースの
往復動にしたがって
往復動しつつ、
当該薬物を
前記一方端側に供給する前記薬液槽と、
前記薬液槽
における前記一方端側の端部に結合され
た薬物塗布手段であって、前記薬液槽から前記一方端側に供給された前記薬物
を排出
するための薬物排出用ホール
と、
皮膚に微細に傷を付けて薬物の
当該皮膚
への投入が円滑
に行われるように導く針
とを有する薬物塗布手段と、
を備えて構成することを特徴とする皮膚管理装置。
【請求項2】
前記薬液槽ケースにおける前記他方端側の端部に薬液槽吐出手段をさらに設けてなり、
前記薬液槽吐出手段は、
前記薬液槽ケースに挿入結合されて固定される第1ケースと、
前記第1ケースに摺動結合され、前記薬液槽が前記薬液槽ケースに結合時、前記第1ケースに挿入され、前記薬液槽を前記薬液槽ケースから分離するときに前記薬液槽を押して吐出させる第2ケースと、
前記第1ケースと前記第2ケースとの間に挿入結合され、前記薬液槽ケースに結合時、前記第1ケースと前記第2ケース内部で収縮され、前記薬液槽を前記薬液槽ケースから分離するときに付勢しながら前記第2ケースを押し、これにより、前記薬液槽を押して吐出させる弾性ばねと、を備えて構成することを特徴とする請求項1に記載の皮膚管理装置。
【請求項3】
前記ハウジングの前記一方端に結合し、前記薬物塗布手段の前記一方端側の端部の枠面に突出された間隔材をさらに備え、
前記間隔材は、前記薬物塗布手段の頭皮への衝突時に、当該薬物塗布手段と当該頭皮との間を所定間隔離間させ、前記薬物が当該頭皮から所定距離離間した状態で散布されるように導くことを特徴とする請求項1に記載の皮膚管理装置。
【請求項4】
前記薬液槽を前記薬液槽ケースに容易に挿入するために、前記薬液槽ケースの内周縁に、前記薬液槽ケースの挿入方向に延びる縦溝と、前記挿入方向に直交する方向に延びる横溝とが連続する形状の誘導溝を形成させ、
前記誘導溝に結合されるように前記薬液槽の外周縁に結合用突起口を形成してなることを特徴とする請求項1に記載の皮膚管理装置。
【請求項5】
前記針は、傾斜面を有する円錐状であり、当該傾斜面に沿って2個または4個の溝が形成されてなることを特徴とする請求項1に記載の皮膚管理装置。
【請求項6】
前記バッテリを充電するための皮膚管理装置充電手段と、前記皮膚管理装置充電手段の前記一方端側の端部に結合される充電装置結合用ケースとをさらに備えてなり、
前記薬液槽の殺菌のための紫外線LED(発光ダイオード)を前記充電装置結合用ケースの前記他方端側の端部にさらに設けてなることを特徴とする請求項1に記載の皮膚管理装置。
【請求項7】
前記薬液槽の外周縁には、ユーザに光治療効果を導く赤外線LED(発光ダイオード)をさらに設けてなることを特徴とする請求項1に記載の皮膚管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚管理装置に関し、特に、薬液槽を薬液槽ケースに内蔵し、前記薬液槽ケースを上下に駆動する薬物ポンピング動力提供手段にてポンピングして薬液槽に入れられた薬液が外部に吐出されるように構成し、前記薬物ポンピング動力提供手段を利用して頭皮または顔に直接薬物を塗布することにより、頭皮または顔管理が容易になされ得るように構成したことを特徴とする薬物ポンピング手段を有する皮膚管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、皮膚は、乾燥しやすいが、このようになる場合、様々なマッサージや保湿を介して乾燥化または老化等を抑制できなければならない。皮膚の中でも頭皮の健康は脱毛と直結するので、極めて重要である。脱毛の原因は、大別して、遺伝的な要因と非遺伝的な要因とに分けることができ、この中で遺伝的な要因は先天的なものであり、脱毛を防ぐための努力をするとしても、脱毛の進行を抑制することは容易でないが、非遺伝的な脱毛の原因は、各種疾病や肉体的なストレス、または精神的なストレスの累積にあり、これにより脱毛が促進されることがある。
【0003】
医学的にみるとき、脱毛現象を根本的になくすことはできないが、現在の状態で脱毛がそれ以上進行されることを抑制するための各種の方法が工夫されており、そのうち、頭皮に一定の強さの刺激を与えながら血液循環を促進し、毛根を強化させて脱毛を減らすための方案が提示されている。
【0004】
これに対する先行技術文献をみると、特許文献1の
図1は、マイクロニードルを用いた頭皮管理機の斜視図であり、
図2は、先行技術文献によるマイクロニードルを用いた頭皮管理機の分解斜視図であり、
図3a及び
図3bは、先行技術文献によるマイクロニードルを用いた頭皮管理機のニードルベースとマイクロニードルとの結合の斜視図であり、
図4a及び
図4bは、先行技術文献によるマイクロニードルを用いた頭皮管理機のニードルベースと本体部との結合斜視図である。
【0005】
特許文献1に記載のマイクロニードルを用いた頭皮管理機は、同文献の
図1~
図4bに示されたように、所定間隔でマイクロニードル11を形成したニードルベース10を半円状の本体部20の一側と他側に結合し、本体部20の左右側面にニードルベース10と本体部20の脱離を防止するように、半円板ディスク30をボルト32により締め付け、本体部20の上端には、取っ手部40を形成して、頭皮管理の際、ユーザが手に取って容易に使用できるようにし、取っ手部40と本体部20との間に本体部20と取っ手部40とを連結する垂直支持台50を形成した構造からなる。ニードルベース10は、両側面に固定結合突起12を形成して、本体部20の一側と他側に複数形成された固定結合溝21に結合されるように構成し、半円板ディスク30は、枠に係止爪31を形成して、本体部20とニードルベース10とが脱離されないようにする。
【0006】
ところが、この特許文献1に記載のマイクロニードルを用いた頭皮管理機は、頭皮管理の際、取っ手部40を頭皮と密着させた後、左右に振ってニードルベース10のマイクロニードル11が頭皮に当接するようにしなければならず、長時間使用するとき、手動作業による肩の痛みなどを誘発して使用上の不便を招き、さらに、単にマイクロニードル11にのみ依存して頭皮に刺激を与えるため、頭皮治療の効果を大きく期待できないという限界を抱えている。なお、本段落とその前二段落において記載した符号は、特許文献1で用いられている図面参照符号である。
【0007】
一方、これを解決するために、特許文献2には、皮膚管理機が案出されたところ、上記特許の主な技術内容をみると、スイッチ11のオンによってバッテリ12の電源で駆動されるモータ13を内蔵したハウジング10と、上部大径孔21及び下部小径孔22に連通されるとともに、前記モータ13を直立固定させる上部板30を支持しつつ、前記ハウジング10に結合されたメイントランク20と、サイン波形駆動カムライン41aを有する上部円筒軸41及び前記下部小径孔22に達するまで挟まれて下部に露出する下部長軸42を有しつつ、前記モータ13の駆動に合わせて回転されるシャフト40と、前記下部小径孔22上に装着される上部ばねS1と、前記サイン波形駆動カムライン41aに連動されるサイン波形被動カムライン51aを有する上部昇降筒51及び前記下部長軸42を収容するとともに、前記上部ばねS1を通過して前記下部小径孔22に達するまで挟まれる下部昇降筒52を備えながら、前記上部ばねS1により弾性昇降される昇降筒50と、センターホール61を有するとともに、下部筒溝62を備えて、前記メイントランク20に装着されるサブトランク60と、前記センターホール61上に装着される下部ばねS2と、前記下部ばねS2を通過しながら、前記センターホール61を経由して前記下部筒溝62に露出し、前記昇降筒50の下部昇降筒52が下降する場合、瞬間下降し、前記下部昇降筒52が上昇する場合、前記下部ばねS2により弾性的に上昇して前記シャフト40の下部長軸42に噛み合うとともに瞬間回転される昇降回転軸70と、皮膚を刺激する刺激棒81を有するとともに、前記下部筒溝62に挟まれながら前記昇降回転軸70に固定され、前記サイン波形駆動カムライン41a及びサイン波形被動カムライン51aの相互連動によって瞬間昇降に続いて瞬間回転される昇降回転刺激体80を備えてなることが特徴である。なお、本段落において記載した符号は、特許文献2で用いられている図面参照符号である。
【0008】
この特許文献2の技術は、スイッチのオンによってバッテリの電源で駆動されるモータを活用して刺激棒の自動昇降により皮膚、例えば、頭皮をマッサージできるようにして、
使用上の便利さを大きく増進させることができる皮膚管理機を提供するところ、昇降筒の昇降動作によって刺激棒が針の場合、下降時には、皮膚、例えば、頭皮を微細に刺すことができるようにし、上昇時には、昇降回転刺激体の回転方向位置変更を保障して、針が皮膚、例えば、頭皮を刺した状態で回転される場合、傷が生じる恐れを事前に防止できるようにする皮膚管理機を提供する技術である。
【0009】
しかし、特許文献2の技術は、垂直往復と回転機能を備えなければならないので、複雑な構造を有するという問題があり、特に、頭皮を刺した状態で回転されることを防止しなければならないので、必要以上に非常に複雑になる構造を有するようになり、故障が多く発生し、維持補修が難しくなるという問題がある。
【0010】
なお、モータの回転運動が垂直往復運動と回転運動とに分離されるので、装置の動作が円滑に進行され得ないという問題があった。
【0011】
また、特許文献2の技術では、ワンタッチによる分離着脱が容易でなく、分離過程で手が汚染され得るという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【文献】大韓民国登録実用新案第20-0439106号
【文献】大韓民国登録特許第10-1820711号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、上記のような問題を解決しようとするものであって、その目的は、薬液槽に薬物を注入した状態で薬液槽ケースに収納し、前記薬液槽ケースをポンピング動力提供手段にてポンピングして外部に吐出させることにより、円滑に薬液が皮膚に染み込むように構成することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するための手段として、本発明にかかる皮膚管理装置(100)は、開口を有する一方端と、当該一方端から最遠位の他方端と、を有するハウジング(10)と、前記ハウジング(10)の内部の前記一方端に結合され、前記一方端方向への往動及び前記他方端方向への復動が可能な薬液槽ケース(40)と、前記ハウジング(10)の内部に設けられ、外部から電力の供給を受けて電気を充電後、装置に電気を提供するバッテリ(20)と、前記ハウジング(10)の内部に設けられ、前記薬液槽ケース(40)に連結された動力出力用軸(35)を有し、前記バッテリ(20)に電気的に接続され、前記バッテリ(20)から電力の供給を受け、モータ(31)の回転運動をカム運動に変換させ、前記動力出力用軸(35)を往動させることによって、前記薬液槽ケース(40)を往動させるポンピング動力提供手段(30)と、前記薬液槽ケース(40)の外周縁に設置され、一側が前記ハウジング(10)内側の係止爪に固定され、他側が前記薬液槽ケース(40)の係止爪に固定されて、前記薬液槽ケース(40)を弾性支持して、往動された前記薬液槽ケースを復動させる弾性ばね(50)と、薬物を内部に収容する薬液槽(60)であって、前記薬液槽ケース(40)の内側に挿入結合され、前記薬液槽ケース(40)の往復動にしたがって往復動しつつ、当該薬物を前記一方端側に供給する前記薬液槽(60)と、前記薬液槽(60)における前記一方端側の端部に結合された薬物塗布手段(70)であって、前記薬液槽(60)から前記一方端側に供給された前記薬物を排出するための薬物排出用ホール(71)と、皮膚に微細に傷を付けて薬物の当該皮膚への投入が円滑に行われるように導く針(72)とを有する薬物塗布手段(70)と、を備えて構成することを特徴とする。
【0015】
また、前記薬液槽ケース(40)における前記他方端側の端部に薬液槽吐出手段(80)をさらに設けてなり、前記薬液槽吐出手段(80)は、前記薬液槽ケース(40)に挿入結合されて固定される第1ケース(81)と、前記第1ケース(81)に摺動結合され、前記薬液槽(60)が前記薬液槽ケース(40)に結合時、前記第1ケース(81)に挿入され、前記薬液槽(60)を前記薬液槽ケース(40)から分離するときに前記薬液槽を押して吐出させる第2ケース(82)と、前記第1ケース(81)と前記第2ケース(82)との間に挿入結合され、前記薬液槽ケース(40)に結合時、前記第1ケース(81)と前記第2ケース(82)内部で収縮され、前記薬液槽(60)を前記薬液槽ケース(40)から分離するときに付勢しながら前記第2ケース(82)を押し、これにより、前記薬液槽(60)を押して吐出させる弾性ばね(83)と、を備えて構成してもよい。
【0016】
また、前記ハウジング(10)の前記一方端に結合し、前記薬物塗布手段(70)の前記一方端側の端部の枠面に突出された間隔材(90)をさらに備え、前記間隔材(90)は、前記薬物塗布手段(70)の頭皮への衝突時に、当該薬物塗布手段(70)と当該頭皮との間を所定間隔離間させ、前記薬物が当該頭皮から所定距離離間した状態で散布されるように導くようにしてもよい。
【0017】
また、前記薬液槽(60)を前記薬液槽ケース(40)に容易に挿入するために、前記薬液槽ケース(40)の内周縁に、前記薬液槽ケース(40)の挿入方向に延びる縦溝と、前記挿入方向に直交する方向に延びる横溝とが連続する形状の誘導溝(41)を形成させ、前記誘導溝(41)に結合されるように前記薬液槽(60)の外周縁に結合用突起口(60)を形成してなるようにしてもよい。
【0018】
また、前記針(72)は、傾斜面を有する円錐状であり、当該傾斜面に沿って2個または4個の溝(72a)が形成されてなるようにしてもよい。
【0019】
また、前記バッテリ(20)を充電するための皮膚管理装置充電手段(200)と、前記皮膚管理装置充電手段(200)の前記一方端側の端部に結合される充電装置結合用ケース(300)とをさらに備えてなり、前記薬液槽(60)の殺菌のための紫外線LED(発光ダイオード)(130)を前記充電装置結合用ケース(300)の前記他方端側の端部にさらに設けてなるようにしてもよい。
【0020】
また、前記薬液槽(60)の外周縁には、ユーザに光治療効果を導く赤外線LED(発光ダイオード)(140)をさらに設けてなるようにしてもよい。
【0021】
あるいは、上記目的を達成するための手段として、本発明にかかる皮膚管理装置(100)は、ハウジング(10)と、前記ハウジング(10)の内部に設けられ、外部から電力の供給を受けて電気を充電後、装置に電気を提供するバッテリ(20)と、前記ハウジング(10)の内部一端に設けられ、前記バッテリ(20)に電気的に接続され、バッテリ(20)から電力の供給を受け、モータの回転運動をカム運動に変換させ、昇降作動力を外部に伝達するようになされるポンピング動力提供手段(30)と、前記ハウジング(10)の内部一端に設けられ、前記ポンピング動力提供手段(30)の動力出力用軸(35)に連結されて昇降作動をし、内部に搭載される薬液槽(60)の薬液が外部に吐出されるように導く薬液槽ケース(40)と、前記薬液槽ケース(40)の外周縁に設置し、一側がハウジング(10)内側の係止爪に固定され、他側が薬液槽ケース(40)の係止爪に固定されて、薬液槽ケース(40)を弾性支持して薬液槽ケース(40)が昇降作動を維持できるようにする昇降保持用弾性ばね(50)と、前記薬液槽ケース(40)の内側に挿入結合され、内部に薬液を保存させ、薬液槽ケース(40)の動きにしたがって上下に流動しつつ、顔または頭皮に薬物を供給する役割をする薬液槽(60)と、前記薬液槽(60)の下部に螺合または強制嵌合によって結合されて、薬液槽(60)内部に存在する薬物が外部に吐出されるように導き、薬物が排出されるための薬物排出用ホール(71)を複数個形成し、頭皮や顔に微細に傷を付けて薬物の皮膚投入が円滑なように導く針(72)を複数個設けてなる薬物塗布手段(70)とを備えて構成することが特徴である。
【0022】
また、前記ポンピング動力提供手段(30)は、前記ハウジング(10)の内部に設置し、バッテリ(20)から電源の供給を受けて回転運動し、これにより、モータ軸(31a)が回転する駆動用モータ(31)と、前記モータ軸(31a)の終端部に挿入結合され、一側の外表面が楕円状に突出してなるカムシャフト(32)と、前記カムシャフト(32)に結合し、長方形のパネル形状で中央に空間部を形成し、前記カムシャフト(32)に空間部が結合されて、カムシャフト(32)の回転によって本体が左右に流動する左右流動手段(33)と、前記左右流動手段(33)に結合し、長方形のパネル形状で前記左右流動手段(33)の一側にヒンジで結合され、左右流動手段(33)の動きを垂直往復運動に変換させる動力中継用コネクタ(34)と、前記動力中継用コネクタ(34)に結合し、傾斜パネルと垂直パネルとが一体型に結合されてなり、動力中継用コネクタ(34)の終端部にヒンジで結合され、動力中継用コネクタ(34)で発生された駆動力を外部に出力して昇降動作がなされるようにする動力出力用軸(35)からなるようにしてもよい。
【0023】
また、前記薬液槽ケース(40)の一端に薬液槽吐出手段(80)をさらに設けてなり、前記薬液槽吐出手段(80)は、薬液槽ケース(40)に挿入結合されて固定される上部ケース(81)と、前記上部ケース(81)に摺動結合され、薬液槽(60)が薬液槽ケース(40)に結合時、上部ケース(81)に挿入され、薬液槽(60)を薬液槽ケース(40)から分離するときに薬液槽(60)を押して吐出させる下部ケース(82)と、前記上部ケース(81)と下部ケース(82)との間に挿入結合され、薬液槽ケース(40)に結合時、上部ケース(81)と下部ケース(82)内部で収縮され、薬液槽(60)を薬液槽ケース(40)から分離するときに付勢しながら下部ケース(82)を押し、これにより、薬液槽(60)を押して吐出させる弾性ばね(83)とを備えて構成してもよい。
【0024】
また、前記ハウジング(10)の下部に結合し、薬物塗布器の枠面下端に突出され、薬物塗布器を頭皮に衝突するときに薬物塗布器と頭皮との間を所定間隔離間させ、薬物が頭皮から所定距離離間した状態で散布されるように導く間隔材(90)をさらに設けてなるようにしてもよい。
【0025】
また、前記薬液槽(60)を薬液槽ケース(40)に容易に挿入するために、薬液槽ケース(40)の内周縁に水平溝と垂直溝とが連続する形状の誘導溝(41)を形成させ、
前記誘導溝(41)に結合されるように薬液槽(60)の外周縁に結合用突起口(61)を形成してなるようにしてもよい。
【0026】
また、前記針(72)は、円錐形からなり、一端表面の傾斜面に沿って2個または4個の溝(72a)が形成されてなるようにしてもよい。
【0027】
また、前記バッテリ(20)を充電するための皮膚管理装置充電手段(200)と、前記皮膚管理装置充電手段(200)の下端に結合される充電装置結合用ケース(300)とをさらに備えてなり、前記薬液槽(60)の殺菌のための紫外線LED(130)を充電装置結合用ケース(300)の上部一端にさらに設けてなるようにしてもよい。
【0028】
また、前記薬液槽(60)の外周縁には、ユーザに光治療効果を導く赤外線LED(140)をさらに設けてなるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0029】
本発明は、薬液槽に薬物を注入した状態で薬液槽ケースに収納し、前記薬液槽ケースをポンピング動力提供手段にてポンピングして外部に吐出させることにより、円滑に薬液が皮膚に染み込んで皮膚美容を極大化させるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】本発明の皮膚管理装置の全体構成を示した斜視図。
【
図3】本発明の皮膚管理装置の全体構成を示した断面図。
【
図4】本発明のポンピング動力提供手段の第1の作動状態図。
【
図5】本発明のポンピング動力提供手段の第2の作動状態図。
【
図9】本発明の薬液槽ケース及び薬液槽吐出手段の構成図。
【
図10】本発明の薬液槽ケース及び薬液槽吐出手段の結合前の状態図。
【
図12】本発明の薬液槽と薬液槽ケース、及び薬物塗布手段の構成図。
【
図13】本発明の薬液槽及び薬物塗布手段の構成図。
【
図14】本発明の薬物塗布手段を説明するための斜視図。
【
図18】本発明の薬物塗布手段の針の第1の実施形態の斜視図。
【
図19】本発明の薬物塗布手段の針の第1の実施形態の平面図。
【
図20】本発明の薬物塗布手段の針の第2の実施形態の斜視図。
【
図21】本発明の薬物塗布手段の針の第2の実施形態の平面図。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、添付された図面と説明を参照し、本発明の好ましい実施形態とその動作原理を詳細に説明する。ただし、下記に図示される図面と後述する説明とは、本発明の特徴を効果的に説明するための種々の方法のうち、好ましい実施方法に関するものであり、本発明が下記の図面と説明だけに限定されるものではない。
【0032】
また、下記において本発明を説明するにあって、関連した公知機能または構成についての具体的な説明が本発明の要旨を不要に濁す恐れがあると判断される場合には、その詳細な説明を省略する。そして、後述する用語は、本発明における機能を考慮して定義された用語であって、これは、ユーザ、運用者の意図または慣例などによって変わることができる。したがって、その定義は、本発明において全般にわたった内容に基づいて下されるべきであろう。
また、以下に実施される本発明の好ましい実施形態は、本発明をなす技術的構成要素を効率的に説明するために、それぞれのシステム機能構成に既に備えられているか、または本発明の属する技術分野において通常的に備えられるシステム機能構成はなるべく省略し、本発明のために追加的に備えられなければならない機能構成を中心に説明する。
もし、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、下記に図示せずに省略された機能構成のうち、従来に既に使用されている構成要素の機能を容易に理解できるであろうし、また、上記のように省略された構成要素と本発明のために追加された構成要素との間の関係も明らかに理解できるであろう。
また、以下の実施形態は、本発明の核心的な技術的特徴を効率的に説明するために、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が明らかに理解できるように、用語を適宜変形して使用するが、これにより本発明が限定されるものでは決してない。
結果的に、本発明の技術的思想は、請求の範囲により決定され、以下の実施形態は、進歩的な本発明の技術的思想を本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に効率的に説明するための1つの手段に過ぎない。
【0033】
本発明の皮膚管理装置100の主な構成要素は、ハウジング10と、バッテリ20と、
ポンピング動力提供手段30と、薬液槽ケース40と、昇降保持用弾性ばね50と、薬液槽60と、薬物塗布手段70と、薬液槽吐出手段80と、間隔材90とからなる。未説明符号91は、薬物塗布器の下部を閉鎖して、使用前に薬物塗布器を保護するための保護用キャップである。
【0034】
前記ハウジング10は、内部に空間部を有し、各種装置を内蔵してなる。すなわち、ハウジング10は、一側がオープンされた2個のケースを各々相互接合して構成し、前記ケースが接合される過程で発生する空間部に各種装置が設けられるものである。このようなハウジング10は、一般的に、内部に空間部を有する手段等と類似した構造である。
【0035】
前記バッテリ20は、ハウジング10の内部に設けられ、外部から電力の供給を受けて電気を充電後、装置に電気を提供する役割をする。すなわち、バッテリ20は、ハウジング10の上部に設けられ、外部電力供給装置と電気的に接続されて電気の供給を受け、供給された電力を臨時保存して、電力を必要とする各種装置に電気を供給する。
【0036】
前記ポンピング動力提供手段30は、バッテリ20に電気的に接続されて、バッテリ20から電力の供給を受けて、モータの回転運動をカム運動に変換させて昇降作動力を外部に伝達するように構成される。具体的には、駆動用モータ31と、カムシャフト32と、
左右流動手段33と、動力中継用コネクタ34と、動力出力用軸35とからなる。前記駆動用モータ31は、バッテリ20から電源の供給を受けて回転運動をし、これにより、モータ軸31aが回転される。前記カムシャフト32は、モータ軸の終端部に挿入結合され、一側の外表面が楕円状に突出してなる。前記左右流動手段33は、長方形のパネル形状で中央に空間部33aを形成し、カムシャフト32が空間部33aに挿入結合されて、カムシャフト32の空間部内部で偏心回転によって左右流動手段33が左右に流動する。前記動力中継用コネクタ34は、長方形のパネル形状で左右流動手段33の一側にヒンジで結合され、左右流動手段33の動きを垂直円弧運動に変換させる。前記動力出力用軸35は、傾斜パネル35aと垂直パネル35bとが一体形に結合されてなり、動力中継用コネクタ34の終端部にヒンジで結合され、動力中継用コネクタ34から発生された駆動力を外部に出力して昇降動作がなされるようにする。
【0037】
前記薬液槽ケース40は、前記ポンピング動力提供手段30の動力出力用軸35に連結されて昇降作動をし、内部に搭載される薬液槽60の薬液が外部に吐出されるように導く。
【0038】
前記昇降保持用弾性ばね50は、薬液槽ケース40の外周縁に設置し、一側がハウジング10内側の係止爪に固定され、他側が薬液槽ケース40の係止爪に固定されて、薬液槽ケース40を弾性支持して薬液槽ケース40が昇降作動を維持できるようにする。すなわち、昇降保持用弾性ばね50は、薬液槽ケース40を上部方向に押し上げ続ける弾性作用をするので、ポンピング動力提供手段30の動力出力用軸の下降作動により薬液槽ケース40が下降し、ポンピング動力提供手段30の動力出力用軸が上昇すれば、昇降保持用弾性ばね50によって薬液槽ケース30が上昇する。したがって、薬液槽ケース40は、連続的に上下運動がなされるようになる。
【0039】
前記薬液槽60は、シリンダー形状であり、薬液槽ケース40の内側に挿入結合され、
薬液槽ケース40の動きにしたがって上下に流動しつつ、顔または頭皮に薬物を供給する役割をする。
【0040】
また、薬液槽60は、内部に保存される薬物を薬物塗布手段70を介して塗布するところ、前記薬物塗布手段70は、薬液槽60上部を閉鎖する栓の役割をするとともに、薬物を一定量ずつ外部に吐出できるように本体に薬物通過用ホール71が複数個形成されてなる。すなわち、薬物通過用ホール71を介して外部に排出されるようにし、このとき、薬液槽60は、薬液槽ケース40の内部に設けられるので、薬液槽ケース40の上下作動時に薬液槽60が打撃されて慣性の法則によって外部に薬物を出力するようになる。また、
前記薬物塗布手段70の本体に頭皮または顔を微細に刺すことができるように針72をさらに備えてなり、前記針72は、頭皮または顔皮膚に微細に傷を付けて、薬物がより円滑に頭皮または顔皮膚に浸透されるように導く。
【0041】
前記薬液槽吐出手段80は、薬液槽ケース40の上部一端に設置し、2個が一組に設けられ、、上部ケース81と下部ケース82、及び弾性ばね83の結合からなり、薬液槽60を薬液槽ケース40に結合するときに、上部ケース81が下部ケース82の内部に挿入され、このとき、弾性ばね83が収縮されて弾性支持し、薬液槽60を薬液槽ケース40から分離するときに、弾性ばね83が伸びながら下部ケース82を押して弾性圧力を薬液槽60の本体に伝達して薬液槽60が薬液槽ケース40から容易に分離されるように導く。
【0042】
前記間隔材90は、ハウジング10の下部に結合し、薬物塗布器70の枠面下端に突出され、薬物塗布器70を頭皮に衝突するときに、薬物塗布器70と頭皮との間を所定間隔離間させ、薬物が頭皮から所定距離離間した状態で散布されるように導く。すなわち、前記間隔材90は、ハウジング10の下部に位置して、頭皮や顔から薬物塗布器70を所定間隔離間させ、薬物塗布器70が所定高さで頭皮または顔に薬物を出力するように導くものである。
【0043】
さらに、本発明は、薬液槽60を薬液槽ケース40に容易に挿入するために、薬液槽ケース40の内周縁に「¬」形の誘導溝41を形成させ、薬液槽60の外周縁に結合用突起口61を形成し、前記薬液槽60を薬液槽ケース40に結合するときに、前記薬液槽60の結合用突起口61を「¬」形の誘導溝41に挿入後に回転させることにより、薬液槽60が薬液槽ケース40から容易に分離されないようにし、また、薬液槽60を薬液槽ケース40から分離させるときには、薬液槽60を薬液槽ケース40を中心に回転させると、
薬液槽ケース40に設けられた薬液槽吐出手段80が作動されて薬液槽60を外部に押し出しながら、薬液槽60が薬液槽ケース40からより容易に分離されるように導く。
【0044】
以下において本発明の結合関係を説明すれば、次のとおりである。
本発明は、ハウジング10と、バッテリ20と、ポンピング動力提供手段30と、薬液槽ケース40と、昇降保持用弾性ばね50と、薬液槽60と、薬物塗布手段70と、薬液槽吐出手段80と、間隔材90とからなるところ、ハウジング10の内部の最も上部側にバッテリ20が結合され、ハウジング10の中間にポンピング動力提供手段30が結合され、ハウジング10の下端部に薬液槽ケース40が結合されてなる。
【0045】
そして、前記薬液槽ケース40の外周縁には、昇降保持用弾性ばね50が装着され、薬液槽ケース40内部に薬液槽60が結合され、薬液槽60の出口側に薬物塗布手段70が結合されてなる。
【0046】
そして、前記薬液槽ケース40の上端に薬液槽吐出手段80が結合されて、薬液槽60と薬液槽ケース40との間を弾性支持しており、ハウジング10の下部外周縁には間隔材90が設けられて、ハウジング10と皮膚との間を離間させる。
【0047】
以下において本発明の作用効果を説明すれば、次のとおりである。
まず、薬液槽ケース40に薬液槽60を収納し、薬液槽60の外周縁に設けられた結合用突起口61を薬液槽ケース40の内周縁に形成した「¬」形の誘導溝41に一致させ、
垂直に押し込んだ後、回転させて固定させる。
このとき、前記薬液槽ケース40に設けられた薬液槽吐出手段80は、弾性ばね83が圧縮されながら、薬液槽ケース40から薬液槽60を弾性支持するようになる。
【0048】
この状態で皮膚管理装置100を作動させるようになると、バッテリ20の電源がポンピング動力提供手段30に印加されながらポンピング動力提供手段30が作動されるようになり、これによって薬液槽ケース40を下降させ、これにより、薬液槽ケース40の内部に挿入された薬液槽60が下部に移動しつつ、薬液槽60に入れられた薬物を薬物塗布手段70を介して外部に出力させる。すなわち、薬液槽60に入れられた薬物は、薬物塗布手段70の薬物通過用ホール71を介して外部に出力されて、顔や頭皮に散布されるようになるものである。
【0049】
このとき、前記薬物塗布手段70には針72が設けられているところ、前記針72が顔皮膚及び頭皮に浸透するようになって微細な傷を生じさせ、前記微細な傷に薬物が挿入されながら薬物浸透効果を極大化させる。
【0050】
そして、薬液槽ケース40の外周縁には、昇降保持用弾性ばね50が装着されているところ、薬液槽ケース40が下降した後にポンピング動力提供手段30の作動によって動力出力用軸35が上昇するとき、前記昇降保持用弾性ばね50の作動によって薬液槽ケース40が元の位置に戻る。
【0051】
上記のように、ポンピング動力提供手段30と昇降保持用弾性ばね50との繰り返された昇降作動によって薬液槽ケース40は速い速度で昇降するようになり、これにより、薬液槽ケース40の内部に装着された薬液槽60が速く昇降しながら、薬液槽60内部に入れられた薬物を外部に塗布するようになるものである。
【0052】
以下において、前記ポンピング動力提供手段30の動作をより詳細に説明すれば、次のとおりである。
前記ポンピング動力提供手段30は、駆動用モータ31と、カムシャフト32と、左右流動手段33と、動力中継用コネクタ34と、動力出力用軸35とからなっているところ、まず、前記駆動用モータ31は、バッテリ20から電源の供給を受けて回転運動をし、
これにより、モータ軸31aが回転するようになる。そして、前記モータ軸31aの終端部に挿入されたカムシャフト32が回転運動するようになり、前記カムシャフト32の回転運動によって左右流動手段33が左右運動に変えられて運動するようになる。
【0053】
そして、前記左右流動手段33が動くようになると、左右流動手段33にヒンジ結合された動力中継用コネクタ34が垂直円弧運動をするようになり、前記動力中継用コネクタ34に結合された動力出力用軸35が昇降作動に変換されて薬液槽ケース40を昇降させる。
【0054】
すなわち、本発明のポンピング動力提供手段30は、駆動用モータ31から発生された水平回転力を動力出力用軸35の上下昇降運動に切り換えて薬液槽ケース40の昇降作動が可能なようにすることで、薬液槽ケース40の内部に結合された薬液槽60から薬液が外部に出力されるようにするものである。
【0055】
図22~
図24は、本発明の実施形態の構成図であって、皮膚管理装置100と、皮膚管理装置充電手段200と、充電装置結合用ケース300とを例示している。
前記皮膚管理充電手段200は、皮膚管理装置100を挿入させて充電させるための電力を供給する手段であり、充電装置結合用ケース300は、皮膚管理充電手段200の下部に結合されてケーシングする手段である。
【0056】
また、本発明は、薬液槽60の殺菌のための紫外線LED130を充電装置結合用ケース300の上部一端にさらに設置し、且つ、薬液槽60の外周縁には、ユーザに光治療効果を導く赤外線LED140をさらに設けてなる。
参考として、赤外線LED140は、2つの種類を混合して設けることができるところ、630-660nm帯域の波長を出力するLEDと、830-890nm帯域の波長を出力するLEDとを設けることができる。前記630-660nm帯域の波長は、老化防止に効果があり、830-890nm帯域の波長は、痛み緩和に効果がある。
本発明は、痛み緩和と老化防止の効果がある赤外線LEDを適用して、ユーザに付加的な助けを与えることができるようにする。
【符号の説明】
【0057】
10 ハウジング
20 バッテリ
30 ポンピング動力提供手段
40 薬液槽ケース
50 昇降保持用弾性ばね
60 薬液槽
70 薬物塗布手段
80 薬液槽吐出手段
90 間隔材
100 皮膚管理装置