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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-14
(45)【発行日】2023-11-22
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21K 9/00 20160101AFI20231115BHJP
   F21K 9/233 20160101ALI20231115BHJP
   F21V 17/00 20060101ALI20231115BHJP
   F21V 19/00 20060101ALI20231115BHJP
   F21V 29/503 20150101ALI20231115BHJP
   F21V 29/77 20150101ALI20231115BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20231115BHJP
   F21V 3/02 20060101ALI20231115BHJP
   F21W 131/40 20060101ALN20231115BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20231115BHJP
【FI】
F21K9/00 100
F21K9/233 100
F21V17/00 155
F21V19/00 170
F21V19/00 150
F21V19/00 450
F21V29/503
F21V29/77
F21V23/00 120
F21V3/02 400
F21V3/02 500
F21W131:40
F21Y115:10
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019207391
(22)【出願日】2019-11-15
(65)【公開番号】P2021082432
(43)【公開日】2021-05-27
【審査請求日】2022-09-26
(73)【特許権者】
【識別番号】391001457
【氏名又は名称】アイリスオーヤマ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167438
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 淳司
(74)【代理人】
【識別番号】100166800
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 裕治
(72)【発明者】
【氏名】狩野 泰希
(72)【発明者】
【氏名】笹嶋 潤
【審査官】山崎 晶
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-006204(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21K 9/00
F21K 9/233
F21V 17/00
F21V 19/00
F21V 29/503
F21V 29/77
F21V 23/00
F21V 3/02
F21W 131/40
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数個のLED素子が基板に実装されてなるLEDモジュールと、
前記LEDモジュールを表側に載置すると共に中央部が裏側に凹入する凹入部を有する載置板と、
前記載置板の前記凹入部に固定される筒状体と、
前記載置板の裏側であって前記筒状体の周りに配される複数枚のフィンと
を備え、
前記筒状体の表側端部の横断面形状が筒状をし、当該表側端部が前記凹入部の底部分に裏側から当接する状態で固定され
前記基板は、表面は平坦であり、
前記基板における前記凹入部に対応する部分が、前記凹入部に入り込むように厚くなっている
照明装置。
【請求項2】
複数個のLED素子が基板に実装されてなるLEDモジュールと、
前記LEDモジュールを表側に載置すると共に中央部が裏側に凹入する凹入部を有する載置板と、
前記載置板の前記凹入部に固定される筒状体と、
前記載置板の裏側であって前記筒状体の周りに配される複数枚のフィンと
前記筒状体の裏側端から径方向の外方へ延伸し且つ前記複数枚のフィンを支持する支持板と、
前記支持板の裏側には搭載され且つ前記LED素子に点灯電力を供給する電源回路と、
前記電源回路を覆い且つ前記支持板に固定される電源カバー体と
を備え、
前記筒状体の表側端部の横断面形状が筒状をし、当該表側端部が前記凹入部の底部分に裏側から当接する状態で固定され
前記支持板は周縁から表側に延伸する側壁部を有し、
前記電源カバー体の開口側端部は、前記支持板の前記側壁部の外周側で対向し且つ前記側壁部の表側端よりも表側に延伸する
照明装置。
【請求項3】
複数個のLED素子が基板に実装されてなるLEDモジュールと、
前記LEDモジュールを表側に載置すると共に中央部が裏側に凹入する凹入部を有する載置板と、
前記載置板の前記凹入部に固定される筒状体と、
前記載置板の裏側であって前記筒状体の周りに配される複数枚のフィンと
前記筒状体の裏側端から径方向の外方へ延伸し且つ前記複数枚のフィンを支持する支持板と、
前記支持板の裏側には搭載され且つ前記LED素子に点灯電力を供給する電源回路と、
前記電源回路を覆い且つ前記支持板に固定される電源カバー体と
を備え、
前記筒状体の表側端部の横断面形状が筒状をし、当該表側端部が前記凹入部の底部分に裏側から当接する状態で固定され
前記支持板は周縁から表側に延伸する側壁部を有し、
前記電源カバー体の開口側端部は、前記支持板の前記側壁部の外周側で対向し且つ前記側壁部の表側端よりも表側に延伸し、
前記基板は、表面は平坦であり、
前記基板における前記凹入部に対応する部分が、前記凹入部に入り込むように厚くなっている
照明装置。
【請求項4】
前記電源カバー体の開口側端部の外面は、表側拡がりに傾斜している
請求項2又は3に記載の照明装置。
【請求項5】
前記支持板の側壁部の外面は、表側拡がりに傾斜している
請求項2~4の何れか1項に記載の照明装置。
【請求項6】
前記電源カバー体は前記載置板の上方にあり、
前記載置板の側壁部の最外周縁は、前記電源カバー体の側壁部の最外周縁を通り且つ重力方向に延伸する仮想線より内側に位置する
請求項~5の何れか1項に記載の照明装置。
【請求項7】
前記複数枚のフィンは、上下方向に延伸する板状をすると共に上方から見たときに放射状に配され、
前記フィンの径方向の外方端は、前記電源カバー体の前記開口側端部の外周面の最下端と、前記載置板の前記側壁部の外周面の最上端とを結ぶ仮想線上に位置する
請求項~6の何れか1項に記載の照明装置。
【請求項8】
前記LEDモジュールを覆い且つ前記載置板に固定される光源カバー体をさらに備え、
前記光源カバー体は、前記LEDモジュールと対向する被覆部と、前記被覆部の周縁から裏側に延伸して前記載置板に当接する当接部を有し、
前記載置板は、前記光源カバー体の当接部の外周側で対向し且つ前記当接部の表側面よりも表側に延伸する側壁部を有する
請求項1~7の何れか1項に記載の照明装置。
【請求項9】
前記載置板の側壁部の外周面は、表側拡がりに傾斜している
請求項8に記載の照明装置。
【請求項10】
前記光源カバー体の当接部の外周面は、裏側拡がりに傾斜している
請求項8又は9に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源としてのLED素子を備える照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
LED照明装置として、大型店舗、倉庫、工場等の屋内で使用されたり、建物やオブジェを照らすために屋外で使用されたりする高輝度の照明装置がある。
例えば、特許文献1に記載のLEDランプは、LED素子を実装したLED基板を載置する基板載置部と、前記基板載置部の裏面から延びる筒状部と、前記基板載置部の裏面に、前記筒状部の周方向に間隔をあけて設けられた複数の放熱フィンと、前記放熱フィン同士を連結する連結部と、を備え、基板載置部は、中央部分に凹部を有し、当該凹部が筒状部から径方向の外方へと延びるフランジにより支持されることで、筒状部に固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-35398号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のLEDランプでは、基板載置部の凹部が筒状部のフランジの分だけ大きくなっている。そして、凹部にはフィンがないため、LED基板における凹部に対応する領域には、発熱量の大きなLED素子を配置することができず、結果的に、必要なLED素子を配置するためにはLED基板が大きくなる。
本発明は、LED基板の小型化を図ることができる照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る照明装置は、複数個のLED素子が基板に実装されてなるLEDモジュールと、前記LEDモジュールを表側に載置すると共に中央部が裏側に凹入する凹入部を有する載置板と、前記載置板の前記凹入部に固定される筒状体と、前記載置板の裏側であって前記筒状体の周りに配される複数枚のフィンとを備え、前記筒状体の表側端部の横断面形状が筒状をし、当該表側端部が前記凹入部の底部分に裏側から当接する状態で固定されている。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、表側端部が凹入部の底部分に当接するため基板を小型化できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】(a)は照明装置を表側から見た斜視図であり、(b)は照明装置を裏側から見た斜視図である。
図2】照明装置の断面図であり、要部を拡大している。
図3】分解した照明装置の斜視図であり、(a)は表側から見た図であり、(b)は裏側から見た図である。
図4】固定部材、固定具、フィンの一部を支持板から外した状態の斜視図であり、(a)は表側から見た図であり、(b)は裏側から見た図である。
図5】(a)は無線通信ユニットを取り外した状態も拡大斜視図であり、(b)は装着状態の無線通信ユニット部分の拡大断面図である。
図6】無線通信ユニットの分解斜視図であり、(a)は径方向の内側から見た図であり、(b)は径方向の外側から見た図である。
図7】筒状体の載置板への取り付けを説明する拡大図である。
図8】変形例に係る照明装置の要部の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<概要>
実施形態の一態様に係る照明装置は、複数個のLED素子が基板に実装されてなるLEDモジュールと、前記LEDモジュールを表側に載置すると共に中央部が裏側に凹入する凹入部を有する載置板と、前記載置板の前記凹入部に固定される筒状体と、前記載置板の裏側であって前記筒状体の周りに配される複数枚のフィンとを備え、前記筒状体の表側端部の横断面形状が筒状をし、当該表側端部が前記凹入部の底部分に裏側から当接する状態で固定されている。これにより、凹入部を小さくでき、基板にLED素子を実装できる面積を大きくできる。
実施形態の別態様に係る照明装置において、前記基板は、表面は平坦であり、前記基板における前記凹入部に対応する部分が、前記凹入部に入り込むように厚くなっている。これにより、基板における凹入部に対応する部分の放熱性を高めることができる。
実施形態の別態様に係る照明装置において、前記筒状体の裏側端から径方向の外方へ延伸し且つ前記複数枚のフィンを支持する支持板と、前記支持板の裏側には搭載され且つ前記LED素子に点灯電力を供給する電源回路と、前記電源回路を覆い且つ前記支持板に固定される電源カバー体とをさらに備え、前記支持板は周縁から表側に延伸する側壁部を有し、前記電源カバー体の開口側端部は、前記支持板の前記側壁部の外周側で対向し且つ前記側壁部の表側端よりも表側に延伸する。これにより、電源回路側への結露等の水分の侵入を防止できる。
【0009】
実施形態の別態様に係る照明装置において、前記電源カバー体の開口側端部の外面は、表側拡がりに傾斜している。これにより電源回路側への結露等の水分の侵入を防止できる。
実施形態の別態様に係る照明装置において、前記支持板の側壁部の外面は、表側拡がりに傾斜している。これにより、電源回路側への結露等の水分の侵入を防止できる。
実施形態の別態様に係る照明装置において、前記電源カバー体は前記載置板の上方にあり、前記載置板の側壁部の最外周縁は、前記電源カバー体の側壁部の最外周縁を通り且つ重力方向に延伸する仮想線より内側に位置する。これにより、電源カバー体の外面から水滴が載置板上に落下するのを防止できる。
実施形態の別態様に係る照明装置において、前記複数枚のフィンは、上下方向に延伸する板状をすると共に上方から見たときに放射状に配され、前記フィンの径方向の外方端は、前記電源カバー体の前記開口側端部の外周面の最下端と、前記載置板の前記側壁部の外周面の最上端とを結ぶ仮想線上に位置する。これにより、電源カバー体の外面から水滴がフィンの外方端を伝わって載置板へと流れやすくなる。
【0010】
実施形態の別態様に係る照明装置において、前記LEDモジュールを覆い且つ前記載置板に固定される光源カバー体をさらに備え、前記光源カバー体は、前記LEDモジュールと対向する被覆部と、前記被覆部の周縁から裏側に延伸して前記載置板に当接する当接部を有し、前記載置板は、前記光源カバー体の当接部の外周側で対向し且つ前記当接部の表側面よりも表側に延伸する側壁部を有する。これにより、LEDモジュール側への結露等の水分の侵入を防止できる。
実施形態の別態様に係る照明装置において、前記載置板の側壁部の外周面は、表側拡がりに傾斜している。これによりLEDモジュール側への結露等の水分の侵入を防止できる。
実施形態の別態様に係る照明装置において、前記光源カバー体の当接部の外周面は、裏側拡がりに傾斜している。これにより、LEDモジュール側への結露等の水分の侵入を防止できる。
【0011】
<実施形態>
1.概要
実施形態に係る照明装置1は、大型店舗、倉庫、工場等の屋内でソケット(図示省略)に装着されて使用される、所謂、口金付きの高輝度ランプである。
照明装置1は、図1図3に示すように、光源であるLEDモジュール10、LEDモジュール10を表面に載置する載置板11、LEDモジュール10を表側から覆う光源カバー体12、載置板11に固定される筒状体13(図2参照)、載置板11の裏側に設けられた1以上のフィン14、フィン14を裏側から支持する支持板15、支持板15の裏側に載置される電源回路16、電源回路16を裏側から覆う電源カバー体17、電源カバー体17に設けられた口金178と、載置板11に固定される無線通信ユニット18とを備える。
ここでは、筒状体13と支持板15とが一体化し、一体化したものを固定部材130とする。また、実施形態では、照明装置1の表裏方向は上下方向と一致し、LEDモジュール10の中心と筒状体13の筒軸とを通る仮想線を照明装置1の中心軸とし、単に、周方向、径方向とする場合、照明装置1の中心軸を基準にしている。
なお、文中に表側、裏側と表記があるが、表側とは光を照射する方向側を指し、裏側とはフィン14のある方向側を指す。
以下、各部について説明する。
【0012】
2.各部構成
(1)LEDモジュール
LEDモジュール10は、図3の(a)に示すように、複数個のLED素子101と、複数個のLED素子が実装される1枚又は複数枚(例えば、1枚である)の基板103と、電源回路16と電気的に接続するためのコネクタ105(図2参照)とを有する。なお、基板103はLED基板とし、電源回路16の基板である電源基板と個別する。
LED基板103は、円板状をし、例えば中央に配線用の貫通孔を有する。
【0013】
(2)載置板
載置板11は、図4に示すように、平坦部111と、平坦部111の周縁から表側に延伸する側壁部113と、平坦部111の中央に形成されて凹入部115とを有する。載置板11は、例えば、金属板をプレスしてなる。
【0014】
平坦部111は例えば円環状をしている。平坦部111の表面は、光源カバー体12を固定するための固定領域を外周側に、LEDモジュール10を支持(当接)するための支持領域を固定領域の内側にそれぞれ有している。固定領域には、光源カバー体12を固定するためのねじ129(図3参照)用のねじ孔111bを有するボス部分111aが周方向に沿って複数個形成されている。支持領域には、LEDモジュール10を固定するためのねじ孔111cや、後述のフィン14を位置決めする突部分111d等が複数個形成されている。なお、ボス部分111aは、カレイナット等の圧入ナットにより構成されている。
【0015】
側壁部113は、図2の拡大図に示すように、表側拡がりに延伸する。つまり、側壁部113の外周面113aは下側に移るにしたがって平坦部111の中心から離れる傾斜面となっている。ここでは、側壁部113の内周面113bも下側に移るにしたがって平坦部111の中心から離れる傾斜面となっている。これにより、側壁部113の外面に付着した結露や結露による水分がLEDモジュール10側に流れるのを防止できる。
凹入部115は、図4に示すように、円状をし、裏側(LEDモジュール10と反対側)に凹入している。凹入部115は、筒状体13を固定する固定部を構成する。凹入部115の表側には、筒状体13を固定するための固定具117が収容される。凹入部115の裏側には、筒状体13の表側端面が凹入部115の底部分115aに当接する状態で、筒状体13が固定される。凹入部115の底部分115aには、筒状体13の表側端部の「L」字状の係止片部132を裏側から表側に挿通させるための貫通孔115bと、固定具117と筒状体13の表側端部とを結合させるねじ118用の貫通孔115cとを有する。なお、凹入部115の底部分115aの中央に、電源回路16とLEDモジュール10とを接続するためのケーブル用の貫通孔115dを有する。
【0016】
固定具117は、図4に示すように、円環形状の中心を対向する2領域に、大径部117a、中径部117b、小径部117cをこの順で有し、中央にケーブル用の貫通孔117dを有する。
大径部117aは、載置板11の凹入部115の直径に対応し、凹入部115内での固定具117の回転をガイドする。なお、固定具117は、筒状体13のねじ穴133aに表側から螺合するねじ118が挿通するための貫通孔117d(図7参照)を有している。
小径部117cは、筒状体13の係止片部132の表裏方向の通過を許容する大きさであり、載置板11の貫通孔115bを挿通した係止片部132と、凹入部115の底部分115aとの間に固定具117を配置させるためのものである。
中径部117bは、固定具117をその中心周りに回転させた際に、筒状体13の係止片部132と係合する大きさである。
【0017】
(3)光源カバー体
光源カバー体12は、図3に示すように、LEDモジュール10と対向する被覆部121と、被覆部121の周縁に設けられ且つ載置板11の表面(の固定領域)に当接する当接部122とを有している。なお、光源カバー体12は透光性樹脂材料により構成されている。
被覆部121は、LEDモジュール10に対応した形状をし、円盤ドーム状をしている。当接部122は、被覆部121の周縁から径方向へと延伸する環状の平坦部分123と、平坦部分123の内周縁から裏側に延伸する内筒部分124と、平坦部分123の外周縁から裏側に延伸する外筒部分125と、内筒部分124と外筒部分125とを径方向に連結するリブ部分126とを有する。
当接部122は、平坦部分123の内縁及び外縁から裏側に延伸する内筒部分124と外筒部分125とを有しているため、当接部122と載置板11との間から水分が進入しても、平坦部分123に貯留することになり、LEDモジュール10側に流れるのを防止できる。
平坦部分123には、光源カバー体12を載置板11に固定するためのねじ129が挿通するための貫通孔をリブ部分126と重ならない位置に有する。平坦部分123の表側面123aは、図2の拡大図に示すように、載置板11の側壁部113の表側端113cよりも裏側に位置する。換言すると、載置板11の側壁部113は、光源カバー体12の当接部122の外周側で対向し且つ光源カバー体12の当接部122の表側端よりも表側に延伸する。これにより、光源カバー体12に結露等の水分が付着するのを防止できる。
外筒部分125は裏側拡がりに傾斜する。つまり、外筒部分125の外周面125aは裏側に移るにしたがってLEDモジュール10から離れる傾斜面となっている。これにより、外筒部分125と載置板11の側壁部113との間隔が表側に移るにしたがって大きくなる。したがって、外筒部分125と載置板11の側壁部113との間に結露した水分が付着するのを防止できる。
【0018】
(4)筒状体
筒状体13は、電源回路16とLEDモジュール10とを接続するためのケーブル用の空間を内部に有する。筒状体13は、ここでは、支持板15と一体で形成され、図2に示すように、支持板15を載置板11と表裏方向に間隔を空けて支持(固定)する。
筒状体13は、図4に示すように、横断形状が円環状又は円環状に近い形状をする本体部131と、本体部131の表側端部に設けられた係止片部132と、本体部131の表側端部であって内周側に設けられ且つねじ穴133aを有するボス部133とを有する。
係止片部132は、筒軸を挟んで対向する2部位に設けられている。係止片部132は表側に延伸した後に筒軸に向かって屈曲する「L」字状をしている。これにより、載置板11の凹入部115の小径化を図ることができる。
ボス部133は、筒軸を挟んで対向する2部位に設けられている。ボス部133の表面は、本体部131の表端と面一に構成されている。これにより、載置板11の凹入部115(底部分115a)との接触面積を大きくでき、安定した状態で筒状体13を載置板11に固定できる。
筒状体13は、本体部131の外周面に筒軸に沿って延伸するリブ部134を周方向に間隔をおいて有している。
【0019】
(5)フィン
フィン14は、図3に示すように、載置板11の裏側であって筒状体13の周りに配されている。フィン14は、図4に示すように、表裏方向に延伸する板状をすると共に裏側から見たときに放射状に配されている。なお、放射状の中心は、筒状体13の筒軸や載置板11の凹入部115の中心と略一致する。
フィン14は、図3の(b)に示すように、周方向に隣接する2枚のフィン14に相当する2個のフィン部の表側端を連結した「コ」字状のコ字状体141から構成され、連結部分142が載置板11に載置されている。
コ字状体141の位置決めは、連結部分142の貫通孔に、載置板11の平坦部111の突部分111d(図4の(b)参照)が嵌合することで行われる。なお、フィン14の裏側端は支持板15により支持されており、連結部分142の貫通孔に突部分111dを嵌合させた状態でスポット溶接により固定を施す。
【0020】
(6)支持板
支持板15は、図4に示すように、筒状体13の裏側端から径方向の外方へ延伸する。支持板15は、複数枚のフィン14の裏側に配され、フィン14の裏側部分を支持する支持部を有する。支持部は、各フィン14の外周側を支持する第1支持部(153a)と、フィン14における第1支持部よりも内周側を支持する第2支持部(154a)とを有する。
支持板15は、図4の(a)に示すように、複数枚のフィン14の裏側に位置する支持板本体部151と、支持板本体部151の周縁から表側に延伸する側壁部152と、支持板本体部151の外周側部位から表側に延伸する外周側リブ部153と、支持板本体部151の内周側部位から表側に延伸する内周側リブ部154と、支持板本体部151から表側に突出すると共に径方向に延伸する径方向リブ部155とを有する。
【0021】
支持板本体部151は、円盤状をし、筒状体13の内部と連通する貫通孔151fを中央に有する。支持板本体部151は、LED素子101に点灯電力を供給する電源回路16を裏面に搭載する。つまり、支持板本体部151の裏側が回路搭載部となり、支持板本体部151は、図4の(b)に示すように、電源回路16の電源基板163(図2参照)を表側から支持するボス部分151aと、ボス部分151aに形成され且つ電源基板163を固定するねじが螺合するねじ孔151bと、電源基板163の貫通孔に嵌合して電源基板163を位置決めする位置決め突起151cとを裏面に有する。
支持板本体部151の外周部は、電源カバー体17を固定するための固定部となっており、固定のためのねじ用の貫通孔151dが複数個設けられている。貫通孔151dは、図4の(a)に示すように、側壁部152と外周側リブ部153との間の領域に設けられている。
【0022】
外周側リブ部153と内周側リブ部154とは、支持板本体部151の中央を中心とした同心円状をしている。
外周側リブ部153は、周方向に間隔をおいて形成された第1凹部153aを複数個有している。第1凹部153aには、フィン14の裏側端の外周側部分が嵌合する。つまり、第1支持部は外周側リブ部153に形成された第1凹部153aにより構成されている。第1凹部153aは、表側が広がる「V」字状をしている。
内周側リブ部154は、周方向に間隔をおいて形成された第2凹部154aを複数個有している。第2凹部154aには、フィン14の裏側端の内周側部分が嵌合する。つまり、第2支持部は内周側リブ部154に形成された第2凹部154aにより構成されている。第2凹部154aは、表側が広がる「V」字状をしている。
これにより、複数枚のフィン14を薄肉の板状部材により構成しても、フィン14は支持板15により強固に支持される。また、フィン14を径方向の2か所で支持するため、周方向に隣接するフィン14の間隔を一定に維持でき、放熱効果を高めることができる。
【0023】
側壁部152は、図2の拡大図に示すように、表側拡がりに延伸し、側壁部152の外周面が表拡がりに傾斜する。つまり、側壁部152の外周面は下側に移るにしたがって支持板本体部151の中心から離れる傾斜面となっている。ここでは、側壁部152の内周面も下側に移るにしたがって中心から離れる傾斜面となっている。これにより、電源カバー体17の外面、特に、開口側端部171aに付着した結露が電源回路16側に進入するのを防止できる。
【0024】
(7)電源回路
電源回路16は、図2に示すように、LED素子101に点灯電力を供給する回路を構成する電子部品161と、電子部品161を実装する電源基板163とを有する。なお、図2では、複数個の電子部品161を1つのブロック状で示している。
電源回路16は、電源基板163の貫通孔に支持板15の位置決め突起151cの先端部が嵌合し、ボス部分151aに支持された状態で、拡大図に示すように、ねじ169が電源基板163の貫通孔を挿通してボス部分151aのねじ孔151bに螺合することで、支持板15に支持固定される。
【0025】
(8)電源カバー体
電源カバー体17は、図2及び図3に示すように、表側が開放する表側拡がりの円錐台状部171と、円錐台状部171の裏側端壁から裏側に延伸する筒状部172と、円錐台状部171の開口側端部に設けられた固定部173とを有し、固定部173が支持板15に固定される。
円錐台状部171は主に電源回路16を収容する機能を有する。筒状部172は、筒状部172の裏側端部の口金178と電源回路16とを接続するケーブルを収容する機能を有する。
固定部173は、図3の(a)及び図2の拡大図に示すように、円錐台状部171の内周面であって周方向に間隔をおいて形成されたボス部分173aと、ボス部分173aの表側から形成されたねじ穴173bとから構成される。電源カバー体17は、図2に示すように、ボス部分173aの表面が支持板15の支持板本体部151の周縁部の裏面に当接する状態で、支持板本体部151の貫通孔151dを表側から挿通するねじ159が螺合することで、支持板15に固定される。
【0026】
円錐台状部171の開口側端部171aは、図2の拡大図に示すように、表側拡がりに延伸し、開口側端部171aの外周面171bが表拡がりに傾斜する。つまり、開口側端部171aの外周面171bは下側に移るにしたがって円錐台状部171の中心軸から離れる傾斜面となっている。ここでは、開口側端部171aの内周面171cも下側に移るにしたがって中心軸から離れる傾斜面となっている。これにより、電源カバー体17の外面、特に、開口側端部171aに付着した結露が電源回路16側に進入するのを防止できる。
円錐台状部171の開口側端171dは、図2に示すように、支持板15の側壁部152の表側端152aよりも表側に位置する。換言すると、開口側端部171aは、支持板15の側壁部152の外周側で対向し且つ側壁部152の表側端152aよりも表側に延伸する。これにより、外周面171bを伝う結露等の水分が開口側端171dで流れ落ちるため、電源回路16側に結露等の水分が進入するのを防止できる。
なお、電源基板163は、図2に示すように、支持板15から裏側に離間する状態で支持されているため、支持板15の裏面に沿って水分が進入しても、電源基板163に水分が付着することはない。
電源カバー体17は、円錐台状部171の中心軸及び筒状部172の筒軸と平行に延伸するリブ部174を周方向に間隔をおいて複数本有する。
【0027】
(9)無線通信ユニット
無線通信ユニット18は、図5に示すように、取付具181を介して載置板11に取り付けられている。取付具181は、L字状をし、その短辺部181aがねじ119により載置板11に固定され、長辺部181bに無線通信ユニット18が取付けられる。
ねじ119は、短辺部181aの貫通孔を挿通し、載置板11の平坦部111のねじ孔111f(図4参照)に螺合する。
無線通信ユニット18の固定は、ねじ180(図6参照)を利用して行われ、長辺部181bに当該ねじ180用のねじ孔181cが設けられている。
取付具181は、長辺部181bの幅方向の端部から無線通信ユニット18側に屈曲する屈曲部181dを有している。屈曲部181dにより無線通信ユニット18は幅方向への移動が規制される。
【0028】
無線通信ユニット18は、図外のコントローラから点灯信号を受信して電源回路16に点灯条件を出力したり、複数の照明装置1が1つのコントローラにより制御されている場合に受信した受信信号が自装置に関するか否か等を判断したりする無線モジュール182を通信ケース183内に収容してなる。
無線モジュール182は、図6に示すように、上記機能を行うための電子部品184を通信基板185に備え、自装置に関する識別情報を格納する記憶デバイス(図示省略)をケース186内に収容するドングル187を着脱可能に装着する。
【0029】
通信ケース183は、ベース188とカバー189とからなる。
ベース188は、取付具181と対向する表対向部188aと、表対向部188aの裏側(照明装置1の表方向の裏側である)に形成され且つ電源カバー体17の開口側端側と対向する裏対向部188bと、裏対向部188bから電源カバー体17内へと進入する筒状部188cと、カバー189と係合するための係合部188dを有する。
表対向部188aは、表方向に長い形状をし、無線通信ユニット18を取付具181に固定するためのねじ180が挿通する貫通孔188eや、取付具181の欠け部181e(図5の(a)参照)に嵌合及び係合する凸部分188f等を有する。
筒状部188cは、図5の(b)に示すように、電源カバー体17の円錐台状部171の開口側部分の貫通孔171eの内側に嵌合する。これにより、無線モジュール182と電源回路16とを接続するケーブル(図示省略)は、外部に露出することがなくなり、結露等による水分が付着したり、ケーブルに沿って電源カバー体17内に進入したりするのを防止できる。なお、裏対向部188bにおける筒状部188cの周辺部と、電源カバー体17の円錐台状部171との間に弾性体(パッキン)を介在させても良い。これにより、密閉性を向上できる。
【0030】
カバー189は、表対向部188aを覆う表カバー部189aと、裏対向部188bを覆う裏カバー部189bとを有する。表カバー部189aは矩形箱状をし、裏カバー部189bの天板は表カバー部189aから離れるにしたがって裏対向部188bに近づくように傾斜している。表カバー部189aは、ドングル187を着脱可能に装着するための貫通孔189cや、ベース188の係合部188dが係合する被係合部189d等を有する。表カバー部189aと裏カバー部189bとの境界部分には、ベース188側に有底筒状に突出する有底筒状部189eを有し、その底部分にねじ180が挿通する貫通孔189fが設けられている。なお、ねじ180は、有底筒状部189eに挿入され、貫通孔189f、ベース188の貫通孔188eを挿通したのち、取付具181のねじ孔181c(図5の(a)参照)に螺合する。
【0031】
3.載置板と筒状体との固定
固定の手順の一例について図7を用いて説明する。
まず、筒状体13の係止片部132を、凹入部115の貫通孔115bを介して載置板11の裏側から表側に導出させる。この状態で、係止片部132に小径部117cを位置合わせして固定具117を凹入部115内に配置する。この状態を図7の(a)に示す。
次に、固定具117を、中径部117bが係止片部132の裏側に位置するように回転させる。この状態を図7の(b)に示す。これにより係止片部132が固定具117に係止する。
最後に、ねじ118を貫通孔117dを挿通させて、筒状体13のねじ穴133aに螺合させる。この状態を図7の(c)に示す。これにより、中径部117bと係止片部132との係合が解除される方向に固定具117が回転するのを規制できる。さらに、ねじ118により、筒状体13の表側端面と載置板11の凹入部115の底部分115aとを当接できる。
【0032】
以上、実施形態を説明したが、この実施形態に限られるものではなく、例えば、以下のような変形例であってもよい。また、実施形態と変形例、変形例同士を組み合わせたものであってよい。
また、実施形態や変形例に記載していていない例や、要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても本発明に含まれる。
<変形例>
【0033】
1.LEDモジュール
実施形態のLEDモジュール10は、厚みが一定のLED基板103に複数個のLED素子101を有していたが、LED基板103の中央部、つまり、載置板11の凹入部115に対応する部分を凹入部115に入り込むように厚くしてもよい。これにより、LED基板の中央部が載置板と当接しなくても、放熱性を向上させることができ、LED基板の中央部の表面にもLED素子を実装できる。これにより、中央部にLED素子を実装していないLEDモジュールよりも小型化できる。
【0034】
2.載置板
実施形態の載置板11の凹入部115の直径は、LED基板103との接触面積を確保する観点から小径の方が好ましいが、凹入部の凹入量は特に限定するものではない。実施形態では、凹入部115に固定具117とねじ118とを収容しているが、筒状体13の固定方法によっては、実施形態の凹入部よりも凹入量を大きくしてもよいし、小さくしてもよい。
載置板11は、フィン14の位置決めを行う突部分111dを有しているが、例えば、支持板15の第1凹部153aや第2凹部154aのような凹みにより位置決めしてもよい。これにより、実施形態のコ字状体141を利用せずに、板状のフィンを利用できる。なお、フィン14との接触面を確保する観点からはコ字状体が好ましい。
載置板11は、金属板により構成し、ボス部分111aを圧入ナットにより構成していたが、例えばナットを溶接してボス部分を構成してもよい。また、載置板を例えば樹脂材料で構成してもよい。この場合、光源カバー体12を固定するためのボス部分を樹脂材料で構成し、ボス部分にねじ穴を形成してもよいし、ボス部分にナットを一体成形してもよいし、ボス部分にナットを接着してもよいし、ボス部分にカレイナット等の圧入ナットを圧入してもよい。
【0035】
3.筒状体
筒状体13の横断面形状は、円形以外の形状、例えば、方形状、矩形状等の多角形状であってもよいし、筒軸方向に一定であってもよいし、変化してもよい。
筒状体13は、フィン14を保持する機構を有していないが、例えば、支持板15の第1凹部153aや第2凹部154aのような凹み(溝)を有してもよい。
筒状体13は、載置板11の凹入部115に収容される固定具117に係止する係止片部132を有しているが、例えば、筒状体13の表側端面に貫通孔を、支持板側の凹入部に係止片部をそれぞれ設けてもよい。
筒状体13は支持板15と一体化されていたが、支持板15と別体であってもよい。
【0036】
4.フィン
フィン14は、コ字状体141を利用して、連結部分142が載置板11に固定されていたが、例えば、フィンは、L字状体を利用し、その短辺部が載置板に固定されるようにしてもよい。フィン14と載置板11とが金属板である場合、両者を溶接により結合してもよい。
【0037】
5.支持板
支持板15は、フィン14の裏側端部を支持する第1支持部(153a)と第2支持部(154a)を有していたが、1個の支持部でフィン14を支持してもよいし、3個以上の支持部で支持するようにしてもよい。
支持板15は、フィン14側が開口する「V」字状の第1凹部153aと第2凹部154aを有していたが、フィン14を支持できればよく、例えば、「I」字状であってもよいし、「Y」字状であってもよい。また、支持板15は、フィン14の裏側端が嵌る溝を径方向に延伸するように備えてもよい。
支持板15は、電源回路16を離間して保持するボス部分151aや位置決め突起151cを有しているが、例えば、ボス部分を段付き状のボスとして、段差により電源回路を位置決めしてもよい。
【0038】
6.支持板、フィン及び電源カバー体の位置、
実施形態では、フィン14の径方向の外方端は、電源カバー体17の開口側端部171aの外周面171bの最下端と、載置板11の側壁部113の外周面113aの最上端とを結ぶ仮想線よりも径方向の内側に位置していたが、図8の(a)に示すように、フィン14の径方向の外方端が、電源カバー体17の外周面171bの最下端と載置板11の外周面113aの最上端とを結ぶ仮想線と一致するようにしてもよい。これにより、電源カバー体17の外周面171bに付着した水分が、フィン14の径方向の外方端を伝わって、載置板11の外周面113aへと流下しやすくなる。
【0039】
7.支持板と電源カバー体との位置
実施形態では、載置板11の平坦部111の最外周縁は、電源カバー体17の開口側端部171aの外周面171bの最外周縁よりも径方向の内側に位置している。つまり、電源カバー体17の開口側端部171aの外周面171bの最外周縁は、載置板11の平坦部111の最外周縁を通り且つ重力方向に延伸する仮想線Xよりも照明装置1の中心軸側に位置する。
しかしながら、電源カバー体17の開口側端部171aの外周面171bの最外周縁は、載置板11の平坦部111の最外周縁を通り且つ重力方向に延伸する仮想線と一致又は仮想線よりも照明装置1の中心軸と反対側に位置してもよい。これにより、電源カバー体17の外周面171bに付着した水分が、載置板11の平坦部111に落下し難くできる。
【符号の説明】
【0040】
1 照明装置
10 LEDモジュール
11 載置板
13 筒状体
14 フィン
15 支持板
16 電源回路
17 電源カバー体
115 凹入部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8