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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-14
(45)【発行日】2023-11-22
(54)【発明の名称】巻取りフィルム支持装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 41/12 20060101AFI20231115BHJP
   B65H 16/04 20060101ALI20231115BHJP
   B65H 23/185 20060101ALI20231115BHJP
【FI】
B65B41/12 502A
B65H16/04
B65H23/185
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019219965
(22)【出願日】2019-12-04
(65)【公開番号】P2021088391
(43)【公開日】2021-06-10
【審査請求日】2022-10-14
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和1年7月9日に開催されたFOOMA JAPAN 2019国際食品工業展 令和1年10月29日に開催されたJAPAN PACK 2019日本包装産業展
(73)【特許権者】
【識別番号】000148162
【氏名又は名称】株式会社川島製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100111659
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 聡
(72)【発明者】
【氏名】山本 博久
【審査官】西塚 祐斗
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-175725(JP,A)
【文献】実開平02-034401(JP,U)
【文献】米国特許第06464164(US,B1)
【文献】特開2014-168828(JP,A)
【文献】実開昭52-125682(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2012/0211585(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0134181(US,A1)
【文献】特開平11-130303(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 41/12
B65H 16/02 - 16/06
B65H 23/185
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
巻取りフィルムの中心穴が差し込まれて装着されるシャフトと、該シャフトを回転させるシャフト回転手段を備えた巻取りフィルム支持装置であって、
前記シャフトは、前記巻取りフィルムの中心穴が差し込まれて前記巻取りフィルムを保持するホルダと、該ホルダの先端側に固定される突出部を備え、
前記突出部は、厚みが一定で一対の平坦面を備えた扁平な板状部と、前記平坦面と連続する一対の平坦な傾斜面を有する傾斜部を備え、
前記シャフト回転手段は、前記板状部が水平状態となる位置まで回転させる回転制御手段を備えたことを特徴とする巻取りフィルム支持装置。
【請求項2】
前記板状部の先端部は、先にいくにつれて幅が小さくなることを特徴とする請求項1記載の巻取りフィルム支持装置。
【請求項3】
前記突出部は前記傾斜部に連続する円筒部を有し、該円筒部の外径は前記ホルダの外径と同じで、前記円筒部と前記ホルダの境界部分には段差が生じないことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の巻取りフィルム支持装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装機等における巻取り状のフィルムを支持する巻取りフィルム支持装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
縦ピロー包装機、横ピロー包装機、ラッピング包装機、上包み包装機等の包装機においては、フィルムが紙管に巻き取られた巻取りフィルムから包材となるフィルムを繰り出し、繰り出したフィルムで被包装品を包装した包装体を製造する。
このような包装機では、巻取りフィルム支持装置に巻取りフィルムが支持されるが、巻取りフィルム支持装置では、一端が片持ちに保持されたシャフトに、巻取りフィルムの紙管の穴で形成される中心穴が差し込まれて、巻取りフィルムが装着される。
この場合、巻取りフィルム支持装置への巻取りフィルムの装着は、作業者の手作業により行われる。具体的には、作業者が、巻取りフィルムの中心穴に左右の手の指を掛けて巻取りフィルムを両手で持ち上げ、持ち上げた巻取りフィルムを、その中心穴がシャフトに差し込まれるように移動させ、シャフトに巻取りフィルムを装着する。
また、フィルムが残った巻取りフィルム(以下「残巻取りフィルム」という」)をシャフトから取り外す場合は、残巻取りフィルムをシャフトの先端方向に押していき、残巻取りフィルムの中心穴がシャフトから外れる手前で、残巻取りフィルムの中心穴に左右の手の指を掛けて残巻取りフィルムを両手で持ち上げ、持ち上げた巻取りフィルムをシャフトから離して保管場所まで移動させる。
巻取りフィルムや残巻取りフィルムの中には、重量が10kg以上のものもあり、巻取りフィルムの中心穴をシャフトに差し込む作業や残巻取りフィルムをシャフトから取り外す作業には相当の負荷がかかるのみならず、作業者が中心穴の内壁とシャフトの間に手を挟まれる等の事故が生じるという問題がある。
【0003】
この点、特許文献1(特開2016-175725号公報)には、フィルムロールの装着作業において作業性に優れたフィルムロール支持装置を提供することを課題として、芯材にフィルムが巻かれたフィルムロールを支持するフィルムロール支持装置であって、前記フィルムロールの中心孔を貫通することで前記フィルムロールを装着されるシャフト本体部と、前記フィルムロールの中心孔に差し込まれる側の前記シャフト本体部の一端から、前記シャフトの軸方向に沿って延びるシャフト先端部と、前記シャフト先端部から前記シャフト本体部の軸方向に交差する方向に延び、前記フィルムロールの装着が行われる際、前記シャフト先端部上に仮置きされる前記フィルムロールの前記芯材に対し下方から当接する凸部とを備え、前記凸部には、前記シャフト本体部の軸方向に交差する方向に凹む切欠きが少なくとも1つ形成されるフィルムロール支持装置が提案されている。
しかしながら、特許文献1のフィルムロール支持装置では、シャフト先端部に、フィルムロール仮置き用の凸部が設けられているため、フィルムロールの中心孔をシャフト先端部から差し込む際や残ったフィルムロールの中心穴をシャフトから離す際に、中心孔を持つ作業者の手がこの凸部に当たったり、凸部と中心孔の内壁の間に手を挟まれたりする等の事故が生ずる恐れがあり、依然として作業性や事故防止の面で問題が残っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-175725号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、包装機の巻取りフィルム支持装置のシャフトに巻取りフィルムを装着したりシャフトから残巻取りフィルムを外したりするに際し、巻取りフィルムの中心穴を持つ作業者の手がシャフトの先端部に当たったり、シャフトの先端部と巻取りフィルムの中心穴の内壁の間に挟まれたりすることなく、巻取りフィルムをシャフトに装着したり残巻取りフィルムをシャフトから取り外したりできるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、巻取りフィルムの中心穴が差し込まれて装着されるシャフトと、該シャフトを回転させるシャフト回転手段を備えた巻取りフィルム支持装置であって、前記シャフトは、前記巻取りフィルムの中心穴が差し込まれて前記巻取りフィルムを保持するホルダと、該ホルダの先端側に固定される突出部を備え、前記突出部は、厚みが一定で一対の平坦面を備えた扁平な板状部と、前記平坦面と連続する一対の平坦な傾斜面を有する傾斜部を備え、前記シャフト回転手段は、前記板状部が水平状態となる位置まで回転させる回転制御手段を備えた巻取りフィルム支持装置を提供して、上記課題を解決するものである。
【0007】
請求項2の発明は、前記板状部の先端部は、先にいくにつれて幅が小さくなる巻取りフィルム支持装置を提供して、上記課題を解決するものである。
【0008】
請求項3の発明は、前記突出部は前記傾斜部に連続する円筒部を有し、該円筒部の外径は前記ホルダの外径と同じで、前記円筒部と前記ホルダの境界部分には段差が生じない巻取りフィルム支持装置を提供して、上記課題を解決するものである。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に記載の発明の巻取りフィルム支持装置においては、シャフトに巻取りフィルムを装着したりシャフトから残巻取りフィルムを外したりするに際し、巻取りフィルムの中心穴を持つ作業者の手がシャフトの先端部に当たったり、シャフトの先端部と巻取りフィルムの中心穴の内壁の間に挟まれたりすることなく、容易に巻取りフィルムをシャフトに装着したり残巻取りフィルムをシャフトから取り外したりできるという効果を奏する。
【0010】
請求項2に記載の発明の巻取りフィルム支持装置は、さらに、巻取りフィルムの端面を突出部にぶつけることなく、容易に巻取りフィルムの中心穴を突出部に挿入できるという効果を奏する。
【0011】
請求項3に記載の発明の巻取りフィルム支持装置においては、さらに、巻取りフィルムを傾斜部からホルダにかけて容易に滑らせることがきるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の巻取りフィルム支持装置の斜視図である。
図2図1に示す巻取りフィルム支持装置の平面図である。
図3図1に示す巻取りフィルム支持装置の正面図である。
図4図1に示す巻取りフィルム支持装置の突出部の拡大平面図である。
図5図1に示す巻取りフィルム支持装置の突出部の拡大左側面図である。
図6】モータユニットの構成を示すブロック図である。
図7】縦ピロー包装機の全体構成を表した斜視図である。
図8】巻取りフィルムMFをシャフト10に装着する前の状態を説明する説明図である。
図9】巻取りフィルムMFをシャフト10に装着している状態を説明する説明図である。
図10】巻取りフィルムMFをシャフト10に装着した後の状態を説明する説明図である。
図11】残巻取りフィルムをシャフトから取り外す動作を説明する説明図である。
図12】残巻取りフィルムをシャフトから離した状態の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[巻取りフィルム支持装置の構成]
図1は、本発明の巻取りフィルム支持装置の斜視図、図2は、図1に示す巻取りフィルム支持装置の平面図、図3は、図1に示す巻取りフィルム支持装置の正面図、図4は、図1に示す巻取りフィルム支持装置の突出部の拡大平面図、図5は、図1に示す巻取りフィルム支持装置の突出部の拡大左側面図である。
図において、1は巻取りフィルム支持装置、10はシャフト、11はホルダ、12は突出部、12aは板状部、12amは平坦面、12asは先端部、12bは傾斜部、12bmは傾斜面、12cは円筒部、13は回転軸、14はストッパー、20はシャフト支持部、21はフレーム、CAは中心軸であり、Chは巻取りフィルムの中心穴、Xは左右方向、Yは前後方向、Zは上下方向を示すものとする。
巻取りフィルム支持装置1は、シャフト10とシャフト支持部20を備え、シャフト10は、ホルダ11、突出部12及び回転軸13を備え、中心軸CAを有している。
ホルダ11は、周面に複数の爪又は突出帯(図示せず)を有し、圧縮空気等により周面から突出させた爪や突出帯でシャフトに差し込まれた巻取りフィルムの中心穴(紙管で形成される穴)を内側から押し付け、装着された巻取りフィルムをシャフト10(ホルダ11)に固定する。
突出部12は、板状部12a、傾斜部12b及び円筒部12cから構成され、略くさび形状を有している。
板状部12aは、一対の平坦面12am、12amと先端部12asを備えた偏平体であり、傾斜部12bは、一対の平坦面12am、12amと連続する一対の平坦な傾斜面12bm、12bmを有し、円筒部12cは傾斜部12bと連続し、その端面がホルダ11の端面に当接されてネジ(図示せず)等によりホルダ11に固定される(図3参照)。
この場合、後述するように円筒部12cとホルダ11の外径は同じであり、円筒部12cをホルダ11に固定した状態で両者の境界部分には段差が生じないこととなる。
また、突出部12の外形は、図1図4に示す状態において、Y方向とZ方向に対称で、突出部12のX方向の中心軸は、シャフト10(ホルダ11)の中心軸CAと一致し、中心軸CAは、板状部12aを通る。
回転軸13は、シャフト10の回転軸となるもので、シャフト支持部20のフレーム21に回転自在に支持されている。
ストッパー14は、巻取りフィルムのX方向の位置決めを行う円板であり、ホルダ11の周面にX方向に移動可能に取り付けられ、移動機構(図示せず)によりX方向に移動して調整位置で固定され、シャフト10(ホルダ11)に差し込まれた巻取りフィルムの端面がストッパー14の側面に突き当てられて、巻取りフィルムのX方向の位置決めが行われる。
【0014】
ここで、突出部12を構成する各部とホルダ11の寸法関係について説明する。
円筒部12cの外径をd、板状部12a(図4において灰色で示す部分)の高さ(厚み、Z方向の長さ)をh、先端部12asの幅(Y方向と長さ)をwとすると、ホルダ11の外径は外径dと同じであり、板状部12aの先端部12asを除く部分の幅(Y方向と長さ)は外径dと同じであり、高さhは外径dの1/10~1/3となる(図2図5参照)。
また、先端部12asは、平面視略等脚台形で最先端側の角部が丸くなっており、その幅wは先(X方向)にいくにつれて小さくなり、最先端部で幅w0となり、w0は巻取りフィルムの中心穴Chの直径Dのほぼ1/2となっている(図4図5参照)。
これにより、巻取りフィルムをシャフト10に装着するに際し、巻取りフィルムの端面が先端部12asに当たることなく、巻取りフィルムの中心穴Chを突出部12に挿入できる。
そして、巻取りフィルムの中心穴Chが突出部12の板状部12aに挿入された状態で、板状部12aの上側の平坦面12amと中心穴Chの内壁との間には、広い空間(図5に網点で示す部分)が形成され、後述するように、巻取りフィルムの中心穴を持つ作業者の手が突出部12に当たったり、突出部12と巻取りフィルムの中心穴の内壁の間に挟まれたりすることなく、巻取りフィルムをシャフト10に装着でき、残巻取りフィルムをシャフト10から取り外せることとなる。
【0015】
シャフト支持部20は、フレーム21、フレーム21内に設置された連結部(図示せず)、モータユニット等を備え、連結部は、クラッチ、減速機等を備え、出力側はシャフト10の回転軸13に連結されている。
図5は、モータユニットの構成を示すブロック図であり、図において、22はモータユニット、23はモータ、24は回転制御部、24aは動作制御部、24bは位置検出部である。
モータユニット22は、モータ23と回転制御部24からなり、回転制御部24は動作制御部24aと位置検出部24bを備えている。
モータ23は、連結部の入力側に連結され、フレーム21に設置された操作ボタン(図示せず)を押すことにより動作し、シャフト10の回転軸13を回転させる。
動作制御部24aは、モータ23の回転を制御し、位置検出部24bは、モータ23の位置(角度)を検出する。
そして、回転制御部24においては、位置検出部24bにより検出されるモータ23の位置(角度)が、突出部12の板状部12aが水平状態となる位置(図2図5に示す板状部12aの位置)となるように、動作制御部24aがモータ23の回転を制御する。
なお、シャフト10の回転軸13に、巻取りフィルムから繰り出されるフィルムのテンション制御用にサーボモータが取り付けられている場合は、モータユニット22に代えて、テンション制御用にサーボモータにより、突出部12の板状部12aが水平状態となる位置までシャフト10の回転軸13を回転させるようにしてもよい。
【0016】
[縦ピロー包装機]
次に、本発明の巻取りフィルム支持装置1が設置された縦ピロー包装機について説明する。
図7は、縦ピロー包装機の全体構成を表した斜視図である。
図7において、30は縦ピロー包装機、31はフィルム(包材)供給部、32は張力調整部、32aは搖動機構、33は日付印字部、33aは日付印字装置、33bは昇降ローラ、34は被包装品供給部、34aはホッパー、34bは充填筒、35は製筒部、35aは製筒器(フォーマ)、35bは押さえ部材、35cはスライドローラ、36はフィルム送り部、36aはプーリー、36bは送りベルト、37は縦シール部、37a、37bは縦シールブロック、38は横シール・切断部、38a、38bは横シールブロック、39は包装体排出部、39aはベルトコンベア、Fiはフィルム(包材)、grはガイドローラ、MFは巻取りフィルム、Baは袋、Pcは包装体、tsは縦シール部分、ysは横シール部分である。
縦ピロー包装機本体30は、フィルム(包材)供給部31、張力調整部32、印字部33、被包装品供給部34、製筒部35、包材送り部36、縦シール部37、横シール・切断部38、包装体排出部39等から構成される。
フィルム供給部(包材)31は、本発明の巻取りフィルム支持装置1を備え、シャフト10(ホルダ11)に装着された巻取りフィルムMFから包材となるフィルムFiを繰り出す。
張力調整部32は、複数のローラやフレーム等を搖動する搖動機構32aを備え、フィルム供給部31から繰り出されるフィルムFiに急激な張力がかからないようにその張力を調整する。
日付印字部33は、日付印字装置33a、昇降ローラ33b等を備え、フィルムFiに日付印字を行う。
被包装品供給部34は、上部がホッパー34aとなっている充填筒34b、被包装品投入装置(図示せず)等を備え、被包装品投入装置より投入されるスナック菓子等の被包装品をホッパー34aで受けて充填筒34bに充填する。
製筒部35は、製筒器35a、押さえ部材35b、スライドローラ35c等を備え、フィルム供給部31より繰り出されて日付印字部33で日付が印字されたフィルムFiを、スライドローラ35cで案内し、製筒器35aで筒状に成形して押さえ部材35bにより充填筒34b外周面に押し付ける。
フィルム送り部36は、プーリー36a、送りベルト36b、モータ(図示せず)等を備えた一対のフィルム送り機構を充填筒34bの両側に配置し、充填筒34bの外周面を包んでいるフィルムFiを、一定の長さだけ下方に送る。
縦シール部37は、縦シールブロック37a、37b、ヒータ(図示せず)等を備え、充填筒34bの外周面包んで重ね合わされたフィルムFiの両端部分に縦シールを施して縦シール部分tsを形成する。
横シール・切断部38は、横シールブロック38a、38b、ヒータ(図示せず)、切断装置(図示せず)等を備え、被包装品が充填された縦シール済フィルムに対して、横シールを施して横シール部分ysを形成し、横シール部分ysの中央部を切断して袋Baを形成し、袋Baの中に被包装品が詰め込まれた包装体Pcを生成する。
包装体排出部39は、ベルトコンベア39a等を備え、包装体Pcをベルトコンベア39aにより排出する。
【0017】
[巻取りフィルムをシャフトに装着する動作]
図8図10は、巻取りフィルムをシャフトに装着する動作を説明する説明図であって、図8は、巻取りフィルムMFをシャフト10に装着する前の状態の正面図、図9は、巻取りフィルムMFをシャフト10に装着している状態の正面図であり、図10は、巻取りフィルムMFをシャフト10に装着した後の正面図である。
図において、MFe1、MFe2は巻取りフィルムMFの端面、Ha1、Ha2は作業者の手であり、巻取りフィルムMFの外形と中心穴Chを2点鎖線で示す。
まず、作業者は、フレーム21に設置された操作ボタン(図示せず)を押し、モータ23を作動させて板状部12aが水平状態となるようにした後、図8に示すように、中心穴Chに手Ha1、Ha2を掛けて巻取りフィルムMFを持ち上げ、中心穴Chの中心部が、突出部12の板状部12aの先端側の近傍にくるように巻取りフィルムMFを移動させる。
中心穴Chの直径Dは、シャフト10(ホルダ11)の外形より少し大きく、容易に中心穴Chの中心部が板状部12aの先端側の近傍にくるようにすることができる。
【0018】
次いで、作業者は、巻取りフィルムMFを水平方向(X方向)に移動させ、図9(a)に示すように、突出部12の板状部12aの半分以上が中心穴Chの中に入るまで巻取りフィルムMFを移動させる。
この場合、先端部12asの幅wは先(X方向)にいくにつれて小さくなり、最先端部で中心穴Chの直径Dのほぼ1/2の幅w0となっていることから、巻取りフィルムMFの端面MFe1を先端部12as(突出部12)にぶつけることなく、容易に巻取りフィルムMFの中心穴Chを先端部12as(突出部12)に挿入することができる。
そして、中心穴Chに掛けられた作業者の手Ha1と、板状部12aの平坦面12amの間には広い空間(図5に網点で示す部分)があり、平坦面12amには突出した部分がなく、手Ha1が平坦面12amに当たったり、平坦面12amと中心穴Chの内壁との間に挟まれたりすることなく、作業者は、端面MFe1が板状部12aの中ほどを過ぎた位置にくるまで巻取りフィルムMFを移動させることができる。
この状態で作業者は、図9(b)に示すように、中心穴Chに掛けていた一方の手Ha1を外し、中心穴Chの上側の内壁を板状部12aの平坦面12amに上に載せる。
次いで、作業者は、図9(c)に示すように、手Ha2で端面MFe2を押して巻取りフィルムMFを水平方向(X方向)に移動させる。
この場合、突出部12の円筒部12cとホルダ11の境界部分には段差がなく、作業者は、中心穴Chの内壁を、傾斜面12bmから円筒部12c、円筒部12cからホルダ11へと容易に滑らせて、巻取りフィルムMFを移動させることができる。
最後に、作業者は、図10に示すように、端面MFe1をストッパー14の側面に突き当てて巻取りフィルムのX方向の位置決めを行い、ホルダ11の周面から複数の爪または突出帯を突出させ、装着された巻取りフィルムMFをシャフト10(ホルダ11)に固定し、巻取りフィルムMFの装着作業を終了する。
【0019】
[残巻取りフィルムをシャフトから取り外す動作]
次に、巻取りフィルムMFの一部のフィルムを使用して、外径が巻取りフィルムMFより小さくなった残巻取りフィルムをシャフト10から取り外す動作について説明する。
図11は、残巻取りフィルムをシャフトから取り外す動作を説明する説明図であって、同図(a)は、残巻取りフィルムがシャフト10に装着されている状態の正面図、同図(b)は、残巻取りフィルムを移動させて中心穴Chが突出部12aに載った状態の正面図、同図(c)は、残巻取りフィルムを持ち上げた状態の正面図、図12は、残巻取りフィルムをシャフト10から離した状態の正面図であり、図において、MRは残巻取りフィルム、MRe1、MRe2は残巻取りフィルムMRの端面である。
まず、図11(a)に示すように、ホルダ11の周面から突出させていた複数の爪または突出帯を引っ込ませ、残巻取りフィルムMRのシャフト10(ホルダ11)への固定を解除した後、残巻取りフィルムMRの端面MRe1を手Ha1で押し、残巻取りフィルムMRをシャフト10に沿って滑らせ、図11(b)に示すように、端面MRe1が板状部12aの平坦面12am上の位置にくるまで残巻取りフィルムMRを移動させる。
次いで、図11(c)に示すように、中心穴Chに手Ha1、Ha2を掛けて残巻取りフィルムMRを持ち上げ、図12に示すように、残巻取りフィルムMRをシャフト10(突出部12)から離し、残巻取りフィルムMRを保管場所まで移動させる。
この場合、中心穴Chに掛けられた作業者の手Ha1と、板状部12aの平坦面12amの間には広い空間(図5に網点で示す部分)があり、平坦面12amには突出した部分がなく、手Ha1が平坦面12amに当たったり、平坦面12amと中心穴Chの内壁との間に挟まれたりすることなく、作業者は、残巻取りフィルムMRをシャフト10(突出部12)から離すことができる。
【産業上の利用可能性】
【0020】
本発明の巻取りフィルム支持装置は、シャフトに巻取りフィルムを装着したりシャフトから残巻取りフィルムを外したりするに際し、巻取りフィルムの中心穴を持つ作業者の手がシャフトの先端部に当たったり、シャフトの先端部と巻取りフィルムの中心穴の内壁の間に挟まれたりすることなく、巻取りフィルムをシャフトに装着したり残巻取りフィルムをシャフトから取り外したりでき、縦ピロー包装機、横ピロー包装機、ラッピング包装機、上包み包装機等の包装機に利用できる。
【符号の説明】
【0021】
1 巻取りフィルム支持装置
10 シャフト
11 ホルダ
12 突出部
12a 板状部
12am 平坦面
12as 先端部
12b 傾斜部
12bm 傾斜面
12c 円筒部
13 回転軸
14 ストッパー
20 シャフト支持部
21 フレーム
22 モータユニット
23 モータ
24 回転制御部
24a 動作制御部
24b 位置検出部
30 縦ピロー包装機
31 フィルム(包材)供給部
32 張力調整部
32a 搖動機構
33 日付印字部
33a 日付印字装置
33b 昇降ローラ
34 被包装品供給部
34a ホッパー
34b 充填筒
35 製筒部
35a 製筒器(フォーマ)
35b 押さえ部材
35c スライドローラ
36 フィルム送り部
36a プーリー
36b 送りベルト
37 縦シール部
37a、37b 縦シールブロック
38 横シール・切断部
38a、38b 横シールブロック
39 包装体排出部
39a ベルトコンベア
CA 中心軸
Ch 中心穴
Fi フィルム(包材)
MF 巻取りフィルム
MR 残巻取りフィルム
MFe1、MFe1 端面
MRe1、MRe1 端面
Ha1、Ha2 手
Ba 袋
Pc 包装体
gr ガイドローラ
ts 縦シール部分
ys 横シール部分である。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12