(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-14
(45)【発行日】2023-11-22
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20231115BHJP
【FI】
A63F7/02 308
A63F7/02 334
(21)【出願番号】P 2020192941
(22)【出願日】2020-11-20
【審査請求日】2021-12-24
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000135210
【氏名又は名称】株式会社ニューギン
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100148563
【氏名又は名称】山本 実
(72)【発明者】
【氏名】小島 俊幸
【審査官】中野 直行
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-057781(JP,A)
【文献】特開平05-023418(JP,A)
【文献】特開2001-204948(JP,A)
【文献】特開2012-245039(JP,A)
【文献】「管理遊技機 説明書」,日本遊技機工業組合提供の技術資料「管理遊技機」,日本遊技機工業組合,2020年05月18日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球の個数をデータとして記憶可能であって、前記データに基づいて遊技を可能に構成された遊技機において、
遊技球を発射させる操作が可能な発射操作手段と、
遊技球の発射を停止させる操作が可能な停止操作手段と、
遊技球を発射する発射機構と、
遊技球を前記発射機構へ供給する供給機構と、
所定の制御を行う制御手段と、を備え、
前記発射機構による発射動作、及び、前記供給機構による供給動作のうち少なくとも一方の動作に関連して、前記データとして記憶している遊技球の個数が減算され、
遊技球の発射が許容される発射許容状態である第1条件、前記発射操作手段への接触が検知されている接触検知状態である第2条件、前記発射操作手段の操作量が所定量を超えていることが検知されている操作検知状態である第3条件、及び、前記遊技球の発射を停止させる操作が検知されていない非停止状態である第4条件の全てが満たされて発射条件が成立している場合には、前記供給機構による供給動作と、前記発射機構による発射動作と、を行わせる通常制御が行われ、
前記第1条件、前記第2条件、前記第3条件、及び、前記第4条件のうち少なくとも1つである特定の条件が満たされなくなり、前記発射条件が成立しなくなると、前記供給機構による供給動作を停止した状態にて、前記発射機構による発射動作を行わせる特別制御が行われ、
前記制御手段は、主制御部と、前記供給機構を少なくとも制御する枠制御部と、前記発射機構を制御する発射制御部と、を有し、
前記特別制御が行われている期間中、当該特別制御が外部からの電力供給の遮断によって途中で終了されても、当該特別制御は、外部からの電力供給が開始された後に再び開始されうることを特徴とする遊技機
。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パチンコ遊技機を一例とする遊技機では、供給機構から供給される遊技球を発射機構によって発射し、遊技領域を流下する遊技球が入賞口へ入球すると、賞球を払い出すようになっている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、遊技球を内部循環させる遊技機では、遊技球の個数をデータとして記憶する必要がある。しかしながら、このような遊技機では、発射機構や供給機構の動作に関連して、データとして記憶している遊技球の個数を減算したにも関わらず、遊技球が発射されない状況が発生することも考えられる。このような状況は、データとして記憶された遊技球の個数と、遊技の状況とが不一致となってしまい、遊技球の個数に関するデータの信頼性が低下する虞がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する遊技機は、遊技球の個数をデータとして記憶可能であって、前記データに基づいて遊技を可能に構成された遊技機において、遊技球を発射させる操作が可能な発射操作手段と、遊技球の発射を停止させる操作が可能な停止操作手段と、遊技球を発射する発射機構と、遊技球を前記発射機構へ供給する供給機構と、所定の制御を行う制御手段と、を備え、前記発射機構による発射動作、及び、前記供給機構による供給動作のうち少なくとも一方の動作に関連して、前記データとして記憶している遊技球の個数が減算され、遊技球の発射が許容される発射許容状態である第1条件、前記発射操作手段への接触が検知されている接触検知状態である第2条件、前記発射操作手段の操作量が所定量を超えていることが検知されている操作検知状態である第3条件、及び、前記遊技球の発射を停止させる操作が検知されていない非停止状態である第4条件の全てが満たされて発射条件が成立している場合には、前記供給機構による供給動作と、前記発射機構による発射動作と、を行わせる通常制御が行われ、前記第1条件、前記第2条件、前記第3条件、及び、前記第4条件のうち少なくとも1つである特定の条件が満たされなくなり、前記発射条件が成立しなくなると、前記供給機構による供給動作を停止した状態にて、前記発射機構による発射動作を行わせる特別制御が行われ、前記制御手段は、主制御部と、前記供給機構を少なくとも制御する枠制御部と、前記発射機構を制御する発射制御部と、を有し、前記特別制御が行われている期間中、当該特別制御が外部からの電力供給の遮断によって途中で終了されても、当該特別制御は、外部からの電力供給が開始された後に再び開始されうることを要旨とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、遊技球の個数に関するデータの信頼性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】パチンコ遊技機、及びカードユニットの正面図。
【
図4】パチンコ遊技機の計数スイッチ、計数ランプ、及び遊技球数表示装置の拡大図。
【
図11】パチンコ遊技機にて検知可能なエラーを示す説明図。
【
図12】発射シーケンスにおける発射動作を説明するためのタイミングチャート。
【
図13】発射シーケンスにおける供給動作を説明するためのタイミングチャート。
【
図14】特殊制御(特殊シーケンス)を説明するためのタイミングチャート。
【
図15】空打ちシーケンスを説明するためのタイミングチャート。
【
図16】空打ちシーケンスを説明するためのタイミングチャート。
【
図17】空打ちシーケンスを説明するためのタイミングチャート。
【
図18】空打ちシーケンスを説明するためのタイミングチャート。
【
図19】第2実施形態における空打ちシーケンスを説明するためのタイミングチャート。
【
図20】第2実施形態における空打ちシーケンスを説明するためのタイミングチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(第1実施形態)
図1に示すように、島設備(遊技島)では、遊技機の一例であるパチンコ遊技機10と、管理装置の一例であるカードユニット100と、が交互に並ぶように設置される。つまり、パチンコ遊技機10には、カードユニット100が併設される。本実施形態の一例では、1台のパチンコ遊技機10に対して1台のカードユニット100が接続されるが、これに限らず、1台のパチンコ遊技機10に対して複数台のカードユニット100を接続する構成であってもよく、複数台のパチンコ遊技機10に対して1台のカードユニット100を接続する構成であってもよい。
【0012】
カードユニット100について説明する。
図1及び
図2に示すように、カードユニット100は、記憶媒体の一例である管理カードを挿入するためのカード挿入部101を備える。管理カードは、遊技を可能とする価値の一例として現金の残額、及び遊技者の有する遊技球の個数(以下、持ち球数と示す)をデータとして少なくとも記憶可能である。管理カードは、遊技者の個人情報をデータとして記憶可能であってもよい。管理カードは、現金の残額に代えて事前に支払いされた残額(プリペイド残額)を記憶する構成であってもよい。
【0013】
カードユニット100は、現金の一例として紙幣を挿入可能な紙幣挿入部102を備える。カードユニット100では、紙幣が紙幣挿入部102に挿入されると、挿入されている管理カード、又は初期化済みの管理カードに記憶されている残額に加算される。カードユニット100は、現金の一例として硬貨を投入可能な構成であってもよい。
【0014】
カードユニット100は、操作パネル104を備える。操作パネル104は、玉貸ボタン104a、払出ボタン104b、返却ボタン104c、持球数表示部104d、及び残額表示部104eを備える。玉貸ボタン104aは、管理カードに記憶されている残額に基づいて、パチンコ遊技機10で管理する遊技球数を増加させるに際して操作される。払出ボタン104bは、管理カードに記憶されている持ち球数に基づいて、パチンコ遊技機10で管理する遊技球数を増加させるに際して操作される。返却ボタン104cは、カードユニット100に挿入されている管理カードの返却を受けるに際して操作される。持球数表示部104dには、管理カードに記憶されている持ち球数を特定可能な情報(一例としてアラビア数字)が表示される。残額表示部104eには、管理カードに記憶されている残額を特定可能な情報(一例としてアラビア数字)が表示される。
【0015】
カードユニット100は、カードユニット制御基板105(以下、CU制御基板と示す)を備える。CU制御基板105は、CPU105aと、ROM105bと、RAM105cと、を備える。CPU105aは、カードユニット制御プログラムを実行することにより、所定の処理を行う。ROM105bは、カードユニット制御プログラムを記憶している。RAM105cは、カードユニット100の動作中に書き換えられる様々な情報を記憶する。例えば、RAM105cが記憶する情報は、フラグ、カウンタ、及びタイマなどである。カードユニット100は、パチンコ遊技機10と双方向に通信可能に接続される通信端子105dを備える。
【0016】
CU制御基板105は、カード挿入部101と接続されている。CPU105aは、カード挿入部101に挿入されている管理カードの記憶内容を書き換え可能に構成されている。CU制御基板105は、紙幣挿入部102と接続されている。CPU105aは、紙幣挿入部102に紙幣が挿入されたときに出力する紙幣信号を入力可能に構成されている。紙幣信号は、紙幣挿入部102に挿入された紙幣の金額(以下、現金投入額と示す)を特定可能な信号である。
【0017】
CU制御基板105は、操作パネル104と接続されている。CPU105aは、玉貸ボタン104aが操作されたときに出力する玉貸信号を入力可能に構成されている。CU制御基板105は、払出ボタン104bが操作されたときに出力する払出信号を入力可能に構成されている。CPU105aは、返却ボタン104cが操作されたときに出力する返却信号を入力可能に構成されている。CPU105aは、持球数表示部104dの表示内容を制御可能に構成されている。CPU105aは、残額表示部104eの表示内容を制御可能に構成されている。
【0018】
CU制御基板105は、通信端子105dを介してパチンコ遊技機10と接続されている。CPU105aは、パチンコ遊技機10が出力する各種の制御信号(制御情報)を入力可能に構成されている。CPU105aは、パチンコ遊技機10に対して各種の制御信号(制御情報)を出力可能に構成されている。カードユニット100は、通信端子105dからパチンコ遊技機10へと接続信号を出力する。なお、接続信号は、CU制御基板105(CPU105a)が生成するコマンドや電文であってもよく、CPU105aとは異なる出力回路(例えば電源回路)が生成する信号であってもよい。
【0019】
カードユニット100は、外部機器と接続するための外部通信端子(不図示)を備える。一例として、外部機器は、遊技場に設置されたホールコンピューターである。外部機器は、遊技場外のデータセンターに設置されたサーバー設備とネットワークを介して通信可能な管理コンピューターである。この場合、管理コンピューターとカードユニット100とは、相互に通信可能に接続されていることが好ましい。
【0020】
カードユニット100にて行われる処理について説明する。
CPU105aは、カード挿入部101に管理カードが挿入されると、管理カードに記憶されている残額、及び持ち球数を読み出し、RAM105cに記憶させる。そして、CPU105aは、管理カードが挿入されているとき、以下に説明する処理を行う。
【0021】
CPU105aは、紙幣挿入部102から紙幣信号を入力すると、紙幣信号から特定可能な現金投入額を残額に加算する。CPU105aは、残額が0ではないとき、玉貸ボタン104aから玉貸信号を入力すると、残額を規定額だけ減算するとともに、当該規定額に対応する個数の遊技球の付与を特定可能な付与情報をパチンコ遊技機10へ出力する。なお、CPU105aは、残額が0であるとき、玉貸信号を入力しても、付与情報を送信しない。
【0022】
CPU105aは、持ち球数が0以上であるとき、払出ボタン104bから払出信号を入力すると、持ち球数を規定数だけ減算し、当該規定数の遊技球の付与を特定可能な付与情報をパチンコ遊技機10へ出力する。なお、CPU105aは、持ち球数が0であるとき、払出信号を入力しても、付与情報を送信しない。このように、付与情報は、付与球数を特定可能である。CPU105aは、パチンコ遊技機10から計数情報を受信すると、当該計数情報から特定可能な遊技球の個数を持ち球数に加算する。詳しくは後述するが、計数情報は、遊技者がパチンコ遊技機10での遊技を終了するに際して出力される制御情報であって、カードユニット100へ管理を移管する遊技球の個数を特定可能である。
【0023】
CPU105aは、持球数表示部104dを制御し、その時々の持ち球数を特定可能な情報を表示するように表示内容を更新する。つまり、CPU105aは、持球数表示部104dにて持ち球数をリアルタイムで表示させる。CPU105aは、残額表示部104eを制御し、その時々の残額を特定可能な情報を表示するように表示内容を更新する。つまり、CPU105aは、残額表示部104eにて残額をリアルタイムで表示させる。
【0024】
CPU105aは、返却ボタン104cから返却信号を入力すると、RAM105cに記憶されている残額及び持ち球数を管理カードに記憶させるとともに、RAM105cに記憶されている残額及び持ち球数を初期化する。CPU105aは、管理カードがカード挿入部101から排出されるように、カード挿入部101を制御する。
【0025】
パチンコ遊技機10について説明する。
図1に示すように、遊技機の一例であるパチンコ遊技機10は、遊技媒体として規定数の遊技球が機内部に封入されており、規定数の遊技球を機内部にて循環させる封入式の遊技機(所謂、管理遊技機)として構成されている。パチンコ遊技機10に使用される遊技球は、ステンレス鋼などの非磁性体であるが、これに限らず、磁性体であってもよい。パチンコ遊技機10は、遊技球を貯留する部分(上皿及び下皿)を備えない。つまり、パチンコ遊技機10は、遊技者が遊技球に触れることができない構造である。
【0026】
パチンコ遊技機10は、遊技者に貸し出された遊技球の個数(以下、貸し玉数と示す)、遊技者が獲得した遊技球の個数(以下、獲得球数と示す)、及び遊技者が発射した遊技球の個数(以下、発射球数と示す)に基づいて、遊技者の有する遊技球の個数(以下、遊技球数と示す)を電磁的に管理する。なお、前述の持ち球数は、カードユニット100にて管理される遊技球の個数であり、パチンコ遊技機10にて管理する遊技球数とは異なるデータである。このように、管理遊技機としてのパチンコ遊技機10は、遊技球の個数をデータとして記憶可能であって、データに基づいて遊技を可能に構成されている。
【0027】
パチンコ遊技機10は、枠体11を備える。枠体11は、機体を島設備に固定するための外枠11aと、各種の遊技部品を搭載するための搭載枠11bと、保護枠11cと、を備える。搭載枠11bは、外枠11aに対して開閉可能に支持されている。保護枠11cは、搭載枠11bに対して開閉可能に支持されている。保護枠11cは、搭載枠11bに搭載された遊技部品を保護する保護ガラス(不図示)を有する。保護枠11cは、所謂前枠、又はガラス枠である。パチンコ遊技機10は、枠11b,11cを施錠する施錠装置(不図示)を備える。パチンコ遊技機10は、施錠装置に適合する鍵を用いて解錠しなければ、外枠11aに対して枠11b,11cを開放できないように構成される。
【0028】
パチンコ遊技機10は、スピーカを一例とする演出音声装置12を備える。演出音声装置12は、搭載枠11bの前面側に配設されている。演出音声装置12は、所定の音声を出力する演出(以下、音声演出と示す)、及び所定の音声を出力する報知(以下、音声報知と示す)を実行可能である。例えば、所定の音声は、楽曲、及び効果音等である。パチンコ遊技機10は、スピーカを一例とする報知音声装置13を備える。報知音声装置13は、音声報知を実行可能である。本実施形態の一例において、音声装置12,13は、搭載枠11bに配設されている。
【0029】
パチンコ遊技機10は、演出発光装置14を備える。演出発光装置14は、LEDなどを一例とする発光体(不図示)の点灯、点滅、及び消灯による演出(以下、発光演出と示す)を実行可能である。演出発光装置14は、発光体(不図示)の点灯、点滅、及び消灯による報知(以下、報知発光と示す)を実行可能である。本実施形態の一例において、演出発光装置14は、搭載枠11bに配設されている。これに限らず、演出発光装置14は、後述する遊技盤20に配設されていてもよい。
【0030】
パチンコ遊技機10は、遊技球を発射させる操作が可能な発射操作手段の一例である発射ハンドル15を備える。発射ハンドル15は、搭載枠11bの前面側に配設されている。詳しくは後述するが、パチンコ遊技機10は、発射ハンドル15の操作に応じた発射強度にて遊技球を打ち出すように発射装置50を駆動するように構成されている。発射装置50は、遊技球を発射する発射機構の一例を構成する。発射ハンドル15は、回動させる操作を可能に支持されたハンドルレバー15aと、タッチセンサD01と、発射停止スイッチD02と、ハンドルボリュームD03と、を備える。
【0031】
タッチセンサD01は、発射ハンドル15の側面を囲うように配設された通電リング15bに接続されている。タッチセンサD01は、遊技者が発射ハンドル15を把持し、遊技者の手指が通電リング15bに触れるとタッチ信号を出力する。タッチ信号は、遊技者の手指が通電リング15bに触れているときにオン状態となり、触れていないときにオフ状態となる。タッチセンサD01は、遊技者が発射ハンドル15に触れていることを検知する手段の一例である。
【0032】
発射停止スイッチD02は、発射ハンドル15の側方にむかって突出する発射停止ボタン15cが押し込まれるとストップ信号を出力する。ストップ信号は、発射停止ボタン15cが操作されているとオン状態となり、操作されていないとオフ状態となる。発射停止ボタン15cは、遊技球の発射を停止させる操作が可能な停止操作手段の一例である。ハンドルボリュームD03は、ハンドルレバー15aが回動操作されていると、その回動操作量に応じた電圧のボリューム信号を出力する。パチンコ遊技機10は、遊技者が演出用の操作可能な手段の一例として演出操作装置16を備える。演出操作装置16は、押下操作を可能なボタン型、表示装置を兼用するタッチセンサ型、又はレバー型であるとよい。
【0033】
パチンコ遊技機10は、内部に管理している遊技球数を特定可能な情報を表示する遊技球数表示装置17を備える。本実施形態の一例において、遊技球数表示装置17は、複数(例えば6個)の7セグを並べた構成とされており、複数(例えば6桁)の数字を表示可能である。遊技球数表示装置17は、所定の文字を表示することで、所定の情報の報知(以下、報知表示と示す)を実行可能である。遊技球数表示装置17は、データとして記憶されている遊技球の個数を報知する個数報知手段、個数表示手段、及び報知手段の一例である。
【0034】
図1及び
図4に示すように、パチンコ遊技機10は、計数スイッチ18を備える。計数スイッチ18は、遊技者がパチンコ遊技機10における遊技を終了するに際して操作される。詳しくは後述するが、計数スイッチ18は、予め定めた計数許容状態であるとき、計数スイッチ18を用いた計数操作が許容される。計数スイッチ18は、押込み操作がされると計数信号を出力する。パチンコ遊技機10は、計数許容状態であるか否かを報知する手段の一例である計数ランプ18aを備える。本実施形態の一例において、演出操作装置16、遊技球数表示装置17、計数スイッチ18、及び計数ランプ18aは、搭載枠11bの前面側において遊技者が操作可能な位置に纏まって配設されている。
【0035】
図3に示すように、パチンコ遊技機10は、遊技盤20を備える。遊技盤20は、搭載枠11bに組み付けられている。遊技盤20の前面には、正面視で略円形状の遊技領域20aが画成されている。遊技領域20aの略中央には、表示窓口20bが形成されている。遊技領域20aの左方には、発射装置50により発射された遊技球を遊技領域20aへと案内する打出通路20cが形成されている。遊技領域20a及び打出通路20cは、保護枠11cの保護ガラス(不図示)によって覆われている。
【0036】
遊技盤20は、各種の情報を表示する手段の一例を構成するメイン表示装置群21を備える。詳しくは後述するが、メイン表示装置群21は、主制御基板60によって制御される表示装置である。メイン表示装置群21には、第1特別図柄表示装置21a、第2特別図柄表示装置21b、第1保留表示装置21c、第2保留表示装置21d、普通図柄表示装置21e、及び普通保留表示装置21fが少なくとも含まれる。本実施形態の一例において、メイン表示装置群21を構成する複数の表示装置は、遊技者から視認可能な部分に纏めて配設されているが、これに限らず、一部又は全部が異なる部分に配設されていてもよい。
【0037】
第1特別図柄表示装置21aは、所定の図柄を変動表示させ、最終的に特別図柄を停止表示させる第1特別図柄変動ゲーム(以下、第1特別ゲームと示す)を実行可能である。第2特別図柄表示装置21bは、所定の図柄を変動表示させ、最終的に特別図柄を停止表示させる第2特別図柄変動ゲーム(以下、第2特別ゲームと示す)を実行可能である。特別図柄は、内部抽選(特別図柄の当り抽選)の結果を報知するための図柄である。以下、第1特別ゲーム、及び第2特別ゲームを纏めて「特別ゲーム」という。特別図柄には、大当り表示結果としての大当り図柄と、はずれ表示結果としてのはずれ図柄と、が少なくともある。パチンコ遊技機10では、特別図柄の当り抽選にて大当りに当選すると、特別ゲームにて大当り図柄が停止表示され、当該大当りの特別ゲームの終了後、大当り遊技が付与される。大当り遊技については後述する。
【0038】
第1保留表示装置21cは、保留条件が成立したものの、開始条件が未だ成立していないことによって、その実行が保留されている第1特別ゲームの回数(以下、第1保留数と示す)を特定可能な情報を表示する。第2保留表示装置21dは、保留条件が成立したものの、開始条件が未だ成立していないことによって、その実行が保留されている第2特別ゲームの回数(以下、第2保留数と示す)を特定可能な情報を表示する。
【0039】
普通図柄表示装置21eは、所定の図柄を変動表示させ、最終的に普通図柄を停止表示させる普通ゲームを実行可能である。普通図柄は、内部抽選(普通図柄の当り抽選)の結果を報知するための図柄である。普通図柄には、普通当り図柄と、普通はずれ図柄と、が少なくともある。本実施形態では、普通図柄の当り抽選に当選すると、普通ゲームにおいて普通当り図柄が停止表示され、当該普通ゲームの終了後、普通当り遊技が付与される。普通保留表示装置21fは、保留条件が成立したものの、開始条件が未だ成立していないことによって、その実行が保留されている普通ゲームの回数を特定可能な情報を表示する。メイン表示装置群21には、後述の右打ちを指示する情報を表示する右打ち表示装置や、後述するラウンド遊技の上限回数を報知するラウンド表示装置が含まれていてもよい。
【0040】
パチンコ遊技機10は、画像を表示可能な画像表示領域を有する演出表示装置19を備える。演出表示装置19は、表示窓口20bを介して、画像表示領域19aを視認可能となるように、遊技盤20に組み付けられている。例えば、演出表示装置19は、液晶装置である。演出表示装置19は、所定の画像を表示する演出(以下、表示演出と示す)を実行可能である。例えば、所定の画像は、演出図柄、キャラクタ、風景、文字(文字列)、数字、及び記号などの画像である。以下の説明では、これらキャラクタ等について単に「表示する」と示す場合、これらキャラクタ等を画像として表示することを意味する。演出表示装置19は、所定の画像を表示する態様にて報知表示を実行可能である。
【0041】
演出音声装置12、演出発光装置14、及び演出表示装置19は、何れも所定の演出を実行可能な演出装置であり、複数の演出装置からなる演出装置群ESを構成する。上述のように、演出音声装置12、演出発光装置14、及び演出表示装置19は、何れも所定の報知を実行可能であるから、演出装置群ESは、報知装置群として把握することも可能である。演出装置群ESに含む演出装置(報知装置)は、演出音声装置12、演出発光装置14、及び演出表示装置19であることに限定されず、これらの演出装置の一部を省略した構成であってもよい。演出装置群ESは、これらの演出装置に加えて、または任意に選択できる1つまたは複数に代えて、可動演出を実行する演出可動装置を備えてもよく、振動演出を実行する演出振動装置を備えてもよい。
【0042】
例えば、演出表示装置19における表示演出には、複数列の演出図柄(飾り図柄)を用いた演出図柄変動ゲーム(以下、演出ゲームと示す)がある。演出ゲームでは、複数列の演出図柄が変動表示され、最終的に演出図柄の組合せ(以下、図柄組合せと示す)が停止表示される。演出図柄(飾り図柄)は、キャラクタや模様等の装飾が施された図柄であって、表示演出を多様化させるための図柄である。例えば、本実施形態の演出ゲームは、左図柄列、中図柄列、及び右図柄列の演出図柄をそれぞれ所定方向に変動表示(スクロール表示)させて行われる。演出ゲームでは、リーチを形成して行うリーチ演出を含む場合がある。
【0043】
演出ゲームは、特別ゲームとともに開始され、特別ゲームとともに終了される。演出ゲームでは、特別ゲームで停止表示される特別図柄に応じた図柄組合せが停止表示される。特別ゲームにて大当り図柄が停止表示されるとき、演出ゲームでは、大当りの図柄組合せが停止表示される。特別ゲームにてはずれ図柄が停止表示されるとき、演出ゲームでは、はずれの図柄組合せが停止表示される。以下の説明では、特別ゲームと、当該特別ゲームとともに実行される演出ゲームと、を纏めて「変動ゲーム」と示す。
【0044】
遊技領域20aには、遊技球が入球可能な複数の入賞口(入球口)が形成されている。入賞口には、第1始動口23と、第2始動口24と、大入賞口25と、普通入賞口27と、が少なくともある。第1始動口23は、賞球の付与条件、及び第1特別ゲームの保留条件を成立させるに際して遊技球を入球させる入賞口である。第1始動口23は、演出表示装置19の下方にあり、常時、遊技球を入球させることができるように開口している。遊技盤20は、第1始動口23へ入球した遊技球を検知する第1始動センサD11を備える(
図10参照)。
【0045】
第2始動口24は、賞球の付与条件、及び第2特別ゲームの保留条件を成立させるに際して遊技球を入球させる入賞口である。第2始動口24は、第1始動口23の右方にある。第2始動口24は、扉状であることを一例とする普通開閉片24aを備えており、普通当り遊技が付与されていないとき、遊技球を入球させることができない、又は入球し難いように閉鎖されている。第2始動口24は、普通当り遊技が付与されると、遊技球を入球させることができる、又は入球し易いように開放される。遊技盤20は、第2始動口24を開放させる手段として、普通ソレノイドSL1を備える(
図10参照)。また、遊技盤20は、第2始動口24へ入球した遊技球を検知する第2始動センサD12を備える(
図10参照)。普通開閉片24aは、所謂「普通電動役物」である。
【0046】
大入賞口25は、賞球の付与条件を成立させるに際して、遊技球を入球させる入賞口である。大入賞口25は、演出表示装置19の右下方にある。大入賞口25は、扉状であることを一例とする特別開閉片25aを備えており、大当り遊技が付与されていないとき、遊技球を入球させることができない、又は入球し難いように閉鎖されている。大入賞口25は、大当り遊技が付与されると、遊技球を入球させることができる、又は入球し易いように開放される。遊技盤20は、大入賞口25を開放させる手段として、特別ソレノイドSL2を備える(
図10参照)。また、遊技盤20は、大入賞口25へ入球した遊技球を検知するカウントセンサD13を備える(
図10参照)。
【0047】
普通入賞口27は、賞球の付与条件を成立させるに際して、遊技球を入球させる入賞口である。普通入賞口27は、演出表示装置19の左下方、及び演出表示装置19の右下方にそれぞれある。普通入賞口27は、常時、遊技球を入球させることができるように開口している。遊技盤20は、普通入賞口27へ入球した遊技球を検知する普通センサD14を備える(
図10参照)。
【0048】
遊技領域20aには、ゲート28が配設されている。ゲート28は、遊技領域20aの右方領域であって、第2始動口24、及び大入賞口25の上方にある。ゲート28には、常時、遊技球を入球させることができるように開放されたゲート口28aを有する。ゲート口28aには、入球し、通過する遊技球を検知するゲートセンサD15が配設されている(
図10参照)。ゲート28は、普通ゲームの始動条件を成立させるに際して遊技球を入球させる入球口である。ゲート28は、遊技球が入球しても賞球の付与条件が成立しない。遊技領域20aの最下方には、第1始動口23、第2始動口24、大入賞口25、及び普通入賞口27の何れにも入球しなかった遊技球を遊技領域20aから排出するためのアウト口29が形成されている。パチンコ遊技機10は、アウト口29へ入球した遊技球を検知するアウトセンサ(不図示)を備える。アウト口29は、遊技領域20aからの排出口や返却口としても把握できる。
【0049】
また、搭載枠11bは、異常な電波として所定の強度を超える電波を検知する電波センサD16を備える(
図9参照)。電波センサD16は、異常な電波を検知すると電波検知信号を出力する。遊技盤20は、搭載枠11bにある電波センサD16に加えて、電波センサを備え、遊技盤20にて異常な電波を検出できる構成であってもよい。上述のように、パチンコ遊技機10は、磁性体の遊技球を使用せず、非磁性体の遊技球を使用する。このため、搭載枠11bは、異常な磁気として所定の強度を超える磁気を検知する磁気センサを備えない。これに限らず、パチンコ遊技機10は、搭載枠11b及び遊技盤20の一方又は両方に磁気センサを備え、磁石の接近を検知できる構成であってもよい。
【0050】
搭載枠11bは、当該搭載枠11bに対して保護枠11cが開放されていることを検知する第1扉開放スイッチD17を備える(
図9参照)。第1扉開放スイッチD17は、保護枠11cの開放を検知すると第1扉開放信号を出力する。搭載枠11bは、外枠11aに対して搭載枠11bが開放されていることを検知する第2扉開放スイッチD18を備える(
図9参照)。第2扉開放スイッチD18は、搭載枠11bの開放を検知すると第2扉開放信号を出力する。
【0051】
遊技者は、発射ハンドル15の操作により、遊技球の発射強度を調整し、表示窓口20bより左方にある左方領域、及び表示窓口20bより右方にある右方領域に遊技球を打ち分ける。例えば、発射強度を強めに調整して遊技球を発射した場合(以下、右打ちと示す)、遊技球は、右方領域に流下案内され易く、第2始動口24、大入賞口25、普通入賞口27、又はゲート28へ入球する可能性がある。右打ちは、遊技球を右方領域へ到達させるために勢いよく発射させる必要があることから、発射強度を最大強度又は最大強度よりも若干弱い強度に調整して行う。一方、発射強度を弱めに調整して遊技球を発射させた場合(以下、左打ちと示す)、遊技球は、左方領域に流下案内され易く、第1始動口23、又は普通入賞口27へ入球する可能性がある。左打ちは、右打ちのときほど遊技球を勢いよく発射させる必要がないため、発射させた遊技球が右方領域へ到達しない程度の強度に調整して行う。本実施形態では、右打ちした場合、第1始動口23へ遊技球が入球し得ないよう、遊技釘などの遊技部品によって遊技球の流路が形成されている。遊技部品は、右打ちしたときに第1始動口23への入球を規制するように配置されていてもよいし、左打ちしたときに比して、第1始動口23へ入球し難いように配置されていてもよい。
【0052】
本実施形態における左方領域は、遊技盤20を正面視したときに遊技領域20aを左右に二等分する中心線CLよりも左側に位置する領域である。本実施形態における右方領域は、遊技盤20を正面視したときに中心線CLよりも右側に位置する領域である。発射ハンドル15の操作によって発射された遊技球は、遊技領域20aの左側にある打出通路20cに案内され、遊技領域20aに到達する。このため、左方領域は、打出通路20c寄りの領域でもあり、右方領域は、打出通路20cから離れた領域でもある。左方領域を流下案内される遊技球は、正面視において遊技領域20aの中央に位置する演出表示装置19の左側を通り、遊技領域20aの最下方に位置するアウト口29へ向かう。一方、右方領域を流下案内される遊技球は、正面視において遊技領域20aの中央に位置する演出表示装置19の右側を通り、アウト口29へ向かう。
【0053】
図5に示すように、パチンコ遊技機10は、遊技球を回収する回収通路30と、遊技球に対して所定のメンテナンスを実施するメンテナンス装置35と、メンテナンスが実施された遊技球を1球ずつ切り出すように供給する供給装置40と、供給装置から供給される遊技球を発射する発射装置50と、を有する。供給装置40は、遊技球を発射機構の一例である発射装置50へ供給する供給機構の一例を構成する。パチンコ遊技機10は、上述した打出通路20cと、ファール球を回収するためのファール通路20fを有する。ファール球は、発射装置50によって発射されたが、遊技領域20aへ到達しなかった遊技球である。本実施形態の一例において、供給装置40及び発射装置50は、遊技領域20aの下方に配設されている。これに限らず、供給装置40及び発射装置50は、遊技領域20aの左上部分に配設されていてもよい。
【0054】
回収通路30は、第1始動口23、第2始動口24、大入賞口25、及び普通入賞口27にそれぞれ繋がる個別入賞通路31a、複数の個別入賞通路31aが合流する賞球合流部31b、及び賞球合流部31bに繋がる入賞通路31を有する。
【0055】
回収通路30は、アウト口29に繋がる非入賞通路32を有する。回収通路30は、入賞通路31、非入賞通路32、及びファール通路20fが合流する合流部33を有する。回収通路30は、合流部33とメンテナンス装置35とを繋ぐ供給通路34を有する。遊技領域20aに到達した遊技球は、遊技領域20aを流下する。遊技球は、第1始動口23、第2始動口24、大入賞口25、普通入賞口27、及びアウト口29の何れかに入球すると、入賞通路31又は非入賞通路32を流通して合流部33にて合流し、供給通路34を通ってメンテナンス装置35へと到達する。供給通路34の出口面積は、1球の遊技球が通過可能な大きさである。よって、遊技球は、供給通路34を通過することで一列に整列される。
【0056】
メンテナンス装置35は、所定のメンテナンスの一例として研磨を行う装置である。メンテナンス装置35は、遊技球と接触するように配設された研磨ベルト(不図示)を備える。遊技球は、メンテナンス装置35を通過するとき、研磨ベルトと接触して研磨される。本実施形態の一例において、メンテナンス装置35は、研磨ベルトと当該研磨ベルトを駆動するための機構とが一体となったユニットとして構成されている。メンテナンス装置35は、研磨ベルトの使用が完了するなどして交換時期が到来したとき、ユニットとして交換可能となるように搭載枠11bに組み付けられている。一例として、メンテナンス装置35は、搭載枠11bを開放したとき、搭載枠11bの裏側からアクセス可能な位置に配設されている。メンテナンス装置35にてメンテナンスが実施された遊技球は、一列に並んだ状態のまま供給装置40に供給される。
【0057】
メンテナンス装置35は、メンテナンス装置35の内部における球通路に近接した位置に磁石(不図示)を備える。この磁石には、解除レバー(不図示)が接続されており、解除レバーを近接位置に変位させることにより、磁石が球通路に近接する一方、解除位置に変位させることにより、磁石が球通路から離間する。解除レバーが近接位置にあり、磁石が球通路に近接している場合、仮に球通路内に磁性体からなる遊技球(鉄球など)が存在するとき、当該遊技球を磁力により捕捉できる。この場合、捕捉された遊技球の後に続く遊技球は、捕捉された遊技球によって進行が妨げられ、供給装置40への遊技球の供給が阻止される。そして、解除レバーが解除位置に変位されると、磁石が球通路から離間し、遊技球の捕捉が解除される。
【0058】
メンテナンス装置35は、遊技球の進行方向における前記磁石よりも上流側において、メンテナンス装置35の内部における球通路を通過する遊技球を検知する球通路球詰り監視センサD27を備える(
図9参照)。球通路球詰り監視センサD27は、メンテナンス装置35の内部における球通路に隣接して設けられており、当該球通路を通過する遊技球を検知すると、球詰り検知信号を出力する。球詰り検知信号は、球通路を通過する遊技球が検知されているときにオン状態となり、検知されていないときにオフ状態となる。球詰り検知信号のオン状態が継続する状態は、前記磁石によって磁性体からなる遊技球(鉄球など)が捕捉されている可能性が高い。
【0059】
供給装置40と、発射装置50とは、所定の方向(一例として前後方向)に並ぶように隣接する。供給装置40、及び発射装置50の詳細については後述する。供給装置40から1球ずつ供給される遊技球は、発射装置50に流入する。打出通路20cは、発射装置50と遊技領域20aとを繋ぐ。打出通路20cは、遊技盤20の前面側において、遊技領域20aの左側縁部に沿って、上下方向に沿って延びるように形成されている。発射装置50によって発射された遊技球は、打出通路20cを通過し、遊技領域20aへと案内される。
【0060】
ファール通路20fは、打出通路20cの途中の部分と、回収通路30の何れかの部分と、を繋ぐ通路である。打出通路20cからファール通路20fに流入した遊技球は、回収通路30へと還流され、供給通路34から再び供給装置40へ供給される。発射装置50によって発射された遊技球は、打出通路20cに流入するとともに案内され、遊技領域20aへ到達する。ここで、発射装置50による発射強度が不足することによって失速し、遊技領域20aへ到達せずに打出通路20cを逆流(落下)することもある。
【0061】
パチンコ遊技機10は、ファール通路20fを通過する遊技球(ファール球)を検知するファールセンサD21を備える。ファールセンサD21は、ファール通路20fに隣接して設けられており、当該ファール通路20fを通過する遊技球を検知すると、ファール信号を出力する。ファール信号は、ファール通路20fを通過する遊技球が検知されているときにオン状態となり、検知されていないときにオフ状態となる。
【0062】
パチンコ遊技機10は、入賞通路31を通過する遊技球を検知する入賞通路カウントセンサD25を備える。入賞通路カウントセンサD25は、入賞通路31に隣接して設けられており、当該入賞通路31を通過する遊技球を検知すると、入賞通路信号を出力する。入賞通路信号は、入賞通路31を通過する遊技球が検知されているときにオン状態となり、検知されていないときにオフ状態となる。
【0063】
パチンコ遊技機10は、非入賞通路32を通過する遊技球を検知する非入賞通路カウントセンサD26を備える。非入賞通路カウントセンサD26は、非入賞通路32に隣接して設けられており、当該非入賞通路32を通過する遊技球を検知すると、非入賞通路信号を出力する。非入賞通路信号は、非入賞通路32を通過する遊技球が検知されているときにオン状態となり、検知されていないときにオフ状態となる。
【0064】
パチンコ遊技機10は、供給通路34から遊技球を機外に排出するための排出口(不図示)と、当該排出口を開閉する開閉片(不図示)と、当該開閉片を開閉動作する際に操作される開閉レバー(不図示)と、を備える。本実施形態では、開閉レバーを操作して開閉片を変位させることにより排出口を開放し、当該開放口から遊技球を機外に排出することができる。なお、開閉レバーを操作していない状態では、排出口が開閉片によって閉鎖される。
【0065】
供給装置40について説明する。
図6及び
図7に示すように、供給装置40は、メンテナンス装置35から遊技球を受け入れる受入部41と、受入部41にて受け入れた遊技球を1球ずつ切り出すように動作する可動片42と、可動片42を駆動する供給ソレノイド43と、切り出された遊技球を発射装置50へ案内する供給部44と、を有する。供給装置40は、供給入口センサD22と、供給出口センサD23と、を備える。
【0066】
受入部41には、メンテナンス装置35から流出した遊技球が一列で並んだ状態で進行できる受入通路41aが形成されている。供給部44は、可動片42によって遊技球Kの列から切り出された遊技球を発射装置50へ進行させる供給通路44aが形成されている。可動片42は、受入通路41aと供給通路44aとの境界部分に配設されている。
【0067】
可動片42は、1球の遊技球Kを保持(収容)可能な保持部42aと、回動軸42bと、を有する。可動片42は、遊技球を係止可能な係止部の一例である。可動片42は、停止位置42P1と、停止位置42P1よりも下方に回動した供給位置42P2と、の間において、回動軸42bを回動中心として変位可能に支持されている。停止位置42P1は、受入通路41aから保持部42aへの遊技球Kの流入を許容し、保持部42aから供給通路44aへの遊技球Kの流出を規制する位置である。供給位置42P2は、受入通路41aから保持部42aへの遊技球Kの流入を規制し、保持部42aから供給通路44aへの遊技球Kの流出を許容する位置である。
【0068】
可動片42が停止位置42P1から供給位置42P2へ変位すると、受入通路41aにある遊技球Kが可動片42によってせき止められる一方、保持部42aに保持された遊技球Kが供給通路44aへ放出される。可動片42が供給位置42P2から停止位置42P1へ変位すると、受入通路41aにある遊技球Kが保持部42aへ流入する一方、遊技球Kが保持部42aから供給通路44aへ流出しない。供給ソレノイド43は、通電によってオン状態となり、可動片42が停止位置42P1に変位する。可動片42は、供給ソレノイド43がオン状態であることで停止位置42P1に保持される。一方、供給ソレノイド43は、通電の解除によってオフ状態になり、重力によって可動片42が供給位置42P2へと変位する。可動片42は、供給ソレノイド43がオフ状態であることによって供給位置42P2に保持される。供給ソレノイド43は、可動片42による係止を解除して遊技球が発射装置50へと供給されるように駆動する供給アクチュエータの一例である。
【0069】
供給入口センサD22は、受入通路41aに隣接して設けられており、当該受入通路41aを通過する遊技球Kを検知すると供給入口信号を出力する。供給入口信号は、受入通路41aを通過する遊技球Kが検知されているときにオン状態となり、検知されていないときにオフ状態となる。供給出口センサD23は、供給通路44aに隣接して設けられており、当該供給通路44aを通過する遊技球Kを検知すると供給出口信号を出力する。供給出口信号は、供給通路44aを通過する遊技球Kが検知されているときにオン状態となり、検知されていないときにオフ状態となる。
【0070】
発射装置50について説明する。
図8に示すように、発射装置50は、正面視において遊技盤20の下方に配設されている。発射装置50は、供給装置40から供給される遊技球Kを受け入れる発射部51と、発射部51にある遊技球Kを打ち出す発射ハンマー52と、発射ハンマー52が遊技球を打撃するように駆動する発射ソレノイド53を有する。発射装置50は、打出通路20cから逆流(落下)してくるファール球(遊技球K)を受け入れる受入部55と、ファール通路20fを形成するファール通路部56と、を有する。
【0071】
発射部51には、遊技球Kを保持する発射位置51aが形成されている。遊技球Kは、供給通路44aを流下し、発射位置51aに保持される。発射ハンマー52は、基端部にある回動軸52aと、先端部にある打球部52bと、を有する。発射ハンマー52は、打球部52bによって遊技球Kを打球する打球位置52P1と、打球位置52P1より下方に回動した退避位置52P2と、の間において、回動軸52aを回動中心として変位可能に支持されている。発射ハンマー52は、遊技球を打撃する打撃部の一例である。
【0072】
発射ソレノイド53は、通電によってオン状態となり、発射ハンマー52が打球位置52P1に変位する。矢印Y1に示すように、発射ハンマー52が打球位置52P1に変位すると、発射位置にある遊技球Kに打球部52bが打ち付けられ、遊技球Kが打出通路20cに向かって打ち出される。十分な強度にて発射された遊技球Kは、打出通路20cを通過し、遊技領域20aへ到達する。発射ソレノイド53は、通電が解除されると、重力によって発射ハンマー52が退避位置52P2に変位する。発射ハンマー52は、発射ソレノイド53がオフ状態であることによって退避位置52P2に保持される。発射ソレノイド53は、発射ハンマー52が遊技球を打撃するように駆動する発射アクチュエータの一例である。発射アクチュエータは、モーターであってもよい。
【0073】
受入部55は、打出通路20cの下方において開口する受入空間55aを形成している。受入部55の下端部は、ファール通路20fを形成する通路部材と繋がっている。つまり、受入空間55aの下端部は、ファール通路20fと繋がっている。矢印Y2,Y3に示すように、ファール球は、打出通路20cから受入空間55aへと流入し、ファール通路20fを通過して供給装置40へと還流される。また、上述のように、ファールセンサD21は、ファール通路20fに隣接して設けられている。
【0074】
次に、大当り遊技について説明する。
大当り遊技では、最初に、予め定めた時間(以下、オープニング時間と示す)にわたって所定の演出が行われる。例えば、所定の演出は、大当り遊技の開始を認識可能なオープニング演出である。大当り遊技では、オープニング時間の経過後に、大入賞口25を開放するラウンド遊技が予め定めた上限回数を上限として行われる。1回のラウンド遊技は、予め定めた上限個数の遊技球が入球する個数条件、又は予め定めた上限時間が経過する時間条件の成立により終了される。ラウンド遊技において、大入賞口25は、所定の開放態様(開放パターン)にて開放される。各ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。大当り遊技では、最終回のラウンド遊技が終了すると、予め定めた時間(以下、エンディング時間と示す)にわたって所定の演出が行われる。例えば、所定の演出は、大当り遊技の終了を認識可能なエンディング演出である。大当り遊技は、エンディング時間の経過に伴って終了される。
【0075】
パチンコ遊技機10は、確率変動機能(以下、確変機能と示す)を搭載している。
確率変動機能は、大当り抽選にて大当りに当選する確率(以下、大当り確率と示す)を変動させるための機能である。即ち、パチンコ遊技機10は、大当り確率が異なり得る状態として、確変機能が作動しない低確率状態と、確変機能が作動する高確率状態と、を備える。高確率状態は、低確率状態に比して大当り確率が高い。高確率状態では、大当り確率が低確率状態に比して高まることから、遊技者にとって極めて有利な状態となる。高確率状態は、所謂「確率変動状態(確変状態)」である。
【0076】
パチンコ遊技機10は、入球補助機能を搭載している。
入球補助機能は、第2始動口24への入賞を補助することにより、第2始動口24への入球率を変動させるための機能である。即ち、パチンコ遊技機10は、第2始動口24への入球率が異なり得る状態として、入球補助機能が作動しない低入球率状態と、入球補助機能が作動する高入球率状態と、を備える。高入球率状態は、低入球率状態に比して、遊技球が第2始動口24へ入球する確率が高い。高入球率状態では、遊技球が第2始動口24へ入球する確率が高まり、第2始動口24への遊技球の入球が容易になることから、遊技者にとって有利な状態(入球容易状態)となる。高入球率状態は、所謂「電サポ状態」であり、低入球率状態は、所謂「非電サポ状態」である。
【0077】
例えば、高入球率状態は、次に説明する3つの制御のうち、任意に選択された1の制御を行うことによって、又は複数の制御を組み合わせて行うことによって実現できる。1つめの制御は、普通ゲームの変動時間を、低入球率状態のときよりも短くする普通図柄の変動時間短縮制御である。2つめの制御は、普通当り抽選に当選する確率(普通当り確率)を、低入球率状態のときよりも高確率に変動させる普通図柄の確率変動制御である。3つめの制御は、1回の普通当り遊技における第2始動口24の合計開放時間を、低入球率状態のときよりも長くする開放時間延長制御である。開放時間延長制御は、1回の普通当り遊技における第2始動口24の開放回数を低入球率状態のときよりも多くする制御、及び普通当り遊技における第2始動口24の1回の開放時間を低入球率状態のときよりも長くする制御のうち、少なくとも一方であるとよい。高入球率状態は、次に説明する4つめの制御を組み合わせて実現してもよい。4つめの制御は、特別ゲームの変動時間(例えば平均の変動時間)を、低入球率状態のときよりも短くする特別図柄の変動時間短縮制御である。特別図柄の変動時間短縮制御を行う場合、高入球率状態は、特別図柄の変動時間短縮状態(時短状態)となり、低入球率状態は、特別図柄の非変動時間短縮状態(非時短状態)となる。
【0078】
パチンコ遊技機10では、確変機能の作動の有無と、入球補助機能の作動の有無と、の組み合わせによって遊技状態が作り出される。以下の説明では、低確率状態、且つ低入球率状態である遊技状態を「低確低入球率状態」と示し、高確率状態、且つ低入球率状態である遊技状態を「高確低入球率状態」と示す。また、低確率状態、且つ高入球率状態である遊技状態を「低確高入球率状態」と示し、高確率状態、且つ高入球率状態である遊技状態を「高確高入球率状態」と示す。
【0079】
パチンコ遊技機10の電気的構成について説明する。
図9に示すように、パチンコ遊技機10は、主制御基板60、及び演出制御基板70を機裏側に備える。主制御基板60は、主制御部の一例である。主制御基板60と、演出制御基板70とは、主制御基板60から演出制御基板70へと一方向に制御情報(制御コマンドなど)を出力可能となるように接続されている。主制御基板60は、所定の処理を実行し、演出制御基板70へ制御情報を出力する。演出制御基板70は、主制御基板60から入力した制御情報に基づいて所定の処理を実行する。
【0080】
パチンコ遊技機10は、枠制御基板80、及び発射制御基板90を機裏側に備える。枠制御基板80及び発射制御基板90は、所定の制御を行う制御手段の一例を構成する。枠制御基板80は、供給装置40を少なくとも制御する供給制御部及び枠制御部の一例となり、発射制御基板90は、発射装置50を制御する発射制御部の一例となる。主制御基板60と、枠制御基板80とは、双方向に制御情報(電文など)を出力可能となるように接続されている。枠制御基板80と、発射制御基板90とは、双方向に制御情報を出力可能となるように接続されている。パチンコ遊技機10の枠制御基板80と、カードユニット100のCU制御基板105とは、パチンコ遊技機10に設けられた接続端子板98を介して、双方向に制御情報(電文など)を出力可能となるように接続されている。
【0081】
パチンコ遊技機10は、電源ユニット99を機裏側に備える。電源ユニット99は、外部から電力供給を受けるとともに入力電圧を所定電圧に変換し、演出制御基板70及び枠制御基板80に供給する。枠制御基板80に供給された電力は、さらに主制御基板60及び発射制御基板90に対して供給される。電源ユニット99は、供給ソレノイド43、発射ソレノイド53、各種のセンサ、及びスイッチに対して電力を供給する。電源ユニット99は、メインスイッチ99aを備える。パチンコ遊技機10は、メインスイッチ99aをオン状態としたまま電源ユニット99に対して電力供給を開始するか、電力供給をした状態のままメインスイッチ99aをオン状態とすることによって、電源投入が可能に構成されている。
【0082】
主制御基板60について説明する。
図10に示すように、主制御基板60は、CPU61と、ROM62と、RAM63と、乱数生成回路64と、を備える。CPU61は、主制御プログラムを実行することにより、遊技の進行に関する処理を実行する。ROM62は、主制御プログラム、各種の判定や抽選に用いる判定値、及びテーブルなどを記憶している。ROM62は、複数種類の変動パターンを記憶している。変動パターンは、特別ゲームが開始してから終了するまでの変動時間を特定可能な情報である。変動パターンは、特別ゲームの実行中に行う演出ゲームの変動内容(演出内容)を特定可能な情報である。変動パターンには、大当り変動パターンと、はずれ変動パターンと、がある。大当り変動パターンに基づく演出ゲームは、リーチ演出を経て最終的に大当りの図柄組合せが停止表示される変動内容となる。はずれ変動パターンに基づく演出ゲームは、リーチ演出を経て、又はリーチ演出を経ないで最終的にはずれの図柄組合せが停止表示される変動内容となる。
【0083】
RAM63は、CPU61の処理結果に応じて書き換えられる様々な情報を記憶する。例えば、RAM63が記憶する情報は、フラグ、カウンタ、及びタイマなどである。RAM63は、情報を記憶可能な記憶手段の一例である。乱数生成回路64は、ハードウェア乱数を生成する。主制御基板60は、CPU61による乱数生成処理によって、ソフトウェア乱数を生成可能に構成されていてもよい。
【0084】
主制御基板60は、第1始動センサD11、第2始動センサD12、カウントセンサD13、普通センサD14、及びゲートセンサD15と接続されている。CPU61は、各センサD11~D15が遊技球を検知して出力する検知信号を入力可能である。主制御基板60は、各表示装置21a~21fと接続されている。CPU61は、各表示装置21a~21fの表示内容を制御可能である。主制御基板60は、各ソレノイドSL1,SL2と接続されている。CPU61は、各ソレノイドSL1,SL2の動作を制御することにより、第2始動口24、及び大入賞口25の開放態様を制御可能である。
【0085】
演出制御基板70について説明する。
演出制御基板70は、CPU71と、ROM72と、RAM73と、を備える。CPU71は、副制御プログラムを実行することにより、演出に関する処理を行う。ROM72は、副制御プログラム、及び所定の抽選に用いる判定値などを記憶している。ROM72は、表示演出に用いる表示演出データ、発光演出に用いる発光演出データ、及び音声演出に用いる音声演出データを記憶している。RAM73は、パチンコ遊技機10の動作中に書き換えられる様々な情報を記憶する。例えば、RAM73が記憶する情報は、フラグ、カウンタ、及びタイマなどである。演出制御基板70は、CPU71による乱数生成処理によって、ソフトウェア乱数を生成可能に構成されている。演出制御基板70は、乱数生成回路を備え、ハードウェア乱数を生成可能であってもよい。
【0086】
演出制御基板70は、演出表示装置19と接続されている。CPU71は、演出表示装置19の画像表示領域19aにおける表示内容を制御可能である。演出制御基板70は、演出音声装置12と接続されている。CPU71は、演出音声装置12の出力内容を制御可能である。演出制御基板70は、演出発光装置14と接続されている。CPU71は、演出発光装置14の発光態様を制御可能である。
【0087】
枠制御基板80について説明する。
図9に示すように、枠制御基板80は、CPU81、ROM82、RAM83、性能表示モニタ84、球抜きスイッチ85、エラー解除スイッチ86、遊技球クリアスイッチ87、RAMクリアスイッチ88、バックアップ電源89、バックアップ回路89a、及び発射許可回路89bを備える。CPU81は、枠制御プログラムを実行することにより、搭載枠11bの搭載部品の動作に関する処理を行う。ROM82は、枠制御プログラムなどを記憶している。RAM83は、パチンコ遊技機10の動作中に書き換えられる様々な情報を記憶する。例えば、RAM83が記憶する情報は、フラグ、カウンタ、及びタイマなどである。
【0088】
性能表示モニタ84は、ベース値を表示する。ベース値は、通常遊技時における有効球の総数に対する通常遊技時における賞球の総数の割合(比率)を示す値である。通常遊技は、低確低入球率状態であって、且つ大当り遊技が行われていないときの遊技である。有効球は、発射装置50から発射された遊技球のうち、遊技領域20aへと到達した遊技球である。ベース値は、大当り遊技中ではないことを前提とし、「通常遊技時における獲得賞球総数÷通常遊技時における有効球総数×100」の計算式によって求められる。性能表示モニタ84は、遊技球のベースに関する情報を表示可能なベース表示手段の一例である。
【0089】
球抜きスイッチ85は、パチンコ遊技機10の機内部に封入された遊技球を機外に排出可能とする球抜き状態を生起するに際して操作されるスイッチである。球抜きスイッチ85は、押込み操作がされると球抜き信号を出力する。球抜き信号は、球抜きスイッチ85が押込み操作されているとオン状態となり、押込み操作がされていないとオフ状態となる。球抜き信号は、CPU81に出力される。
【0090】
エラー解除スイッチ86は、所定のエラーが発生した場合に、当該エラーの要因解除後にエラー状態を解除するに際に操作されるスイッチである。エラー解除スイッチ86は、押込み操作がされるとエラー解除信号を出力する。エラー解除信号は、エラー解除スイッチ86が押込み操作されているとオン状態となり、押込み操作がされていないとオフ状態となる。エラー解除信号は、CPU81に出力される。
【0091】
遊技球クリアスイッチ87は、RAM83にデータとして記憶されている遊技球数(以下、遊技球数情報と示す)を0に初期化するに際して操作されるスイッチである。遊技球クリアスイッチ87は、押込み操作がされると遊技球クリア信号を出力する。遊技球クリア信号は、遊技球クリアスイッチ87が押込み操作されているとオン状態となり、押込み操作がされていないとオフ状態となる。遊技球クリア信号は、CPU81に出力される。
【0092】
RAMクリアスイッチ88は、RAM63に記憶されているメイン情報、及びRAM83に記憶されている情報の初期化(以下、RAMクリアと示す)するに際して操作されるスイッチである。RAMクリアスイッチ88は、押込み操作がされるとRAMクリア信号を出力する。RAMクリア信号は、RAMクリアスイッチ88が押込み操作されているとオン状態となり、押込み操作がされていないとオフ状態となる。RAMクリア信号は、CPU81に出力されるとともに、主制御基板60(CPU61)に出力される。
【0093】
バックアップ電源89は、外部からの電力供給が遮断された状態であっても、RAM83のほか、主制御基板60(RAM63)に対してバックアップ電力を供給する。RAM63,83は、バックアップ電源89からバックアップ電力の供給を受けることにより、電源断時におけるRAM63,83の記憶内容を電源断の後にも保持可能である。つまり、本実施形態のパチンコ遊技機10は、バックアップ機能を搭載している。これに限らず、RAM63,83の一方又は両方は、電力供給が停止されている状態であっても記憶内容を保持可能な不揮発性メモリであることにより、電源断がされた後にも記憶している情報を保持可能であってもよい。
【0094】
バックアップ電源89は、一例として、外部からの電力供給がされているときに蓄電する蓄電装置であるとよい。バックアップ電源89は、外部からの電力供給が遮断された状態であっても、少なくとも発射制御基板90(発射制御回路91)及び発射ソレノイド53が所定の動作を完了するのに要する所定の時間(以下、供給時間TAと示す)が経過する迄の間、これらに対してバックアップ電力を供給する。なお、供給時間TAは、発射制御基板90及び発射ソレノイド53に供給するために蓄電した電力容量に関連し、当該電力の放出に要する時間であってもよく、所定の回路によって規定される時間であってもよい。
【0095】
発射制御基板90(発射制御回路91)及び発射ソレノイド53は、バックアップ電源89からバックアップ電力の供給を受けることにより、外部からの電力供給が遮断された後にも所定の動作を実行することができる。詳しくは後述するが、発射装置50は、通常の発射動作(発射シーケンス)が行われている期間、及び特別な発射動作(空打ちシーケンス)が行われている期間のうち、少なくとも一方において、外部からの電力供給が遮断された場合であっても、外部からの電力供給が遮断された後に少なくとも1回の発射動作を可能に構成される。
【0096】
RAM63に記憶可能であり、且つバックアップの対象となる情報には、メイン情報がある。メイン情報は、遊技の進行に関する情報である。一例として、メイン情報には、大当り状態(ラウンド遊技の回数を含む)に関する情報、遊技状態に関する情報、保留数に関する情報、普通図柄及び特別図柄に関する情報、及びエラー状態に関する情報がある。
【0097】
RAM83に記憶可能であり、且つバックアップの対象となる情報には、遊技球数情報と、遊技情報と、性能情報と、がある。遊技球数情報は、遊技球数を特定可能な情報である。遊技情報は、遊技の進行状況に応じて主制御基板60から通知される情報である。一例として、遊技情報には、始動口入賞の発生、普通入賞の発生、大当り遊技における大入賞口入賞の発生、ゲート通過、特別図柄の確定(変動ゲームの終了)、大当りの発生、及び現在の遊技状態などを特定可能な情報がある。性能情報は、ベース値、及び当該ベース値の演算に係る情報である。ベース値の演算に係る情報には、通常遊技時における獲得賞球総数、及び通常遊技時における有効球総数がある。
【0098】
バックアップ回路89aは、電源ユニット99から供給される電源電圧が規定電圧よりも低下すると電源断検出信号をCPU81に出力するとともに、主制御基板60のCPU61に出力する。発射許可回路89bは、発射制御基板90に対し、遊技球の発射を許容する発射許可状態にあることを特定可能な信号(以下、発射許可信号と示す)を出力するための回路である。発射許可信号の出力条件については後述する。
【0099】
枠制御基板80は、計数スイッチ18と接続されている。CPU81は、計数スイッチ18が出力する計数信号を入力可能に構成されている。枠制御基板80は、電波センサD16、第1扉開放スイッチD17、第2扉開放スイッチD18、ファールセンサD21、供給入口センサD22、供給出口センサD23、入賞通路カウントセンサD25、非入賞通路カウントセンサD26、及び球通路球詰り監視センサD27と接続されている。CPU81は、これらのセンサやスイッチが出力する電波信号、第1扉開放信号、第2扉開放信号、ファール信号、供給入口信号、供給出口信号、入賞通路信号、非入賞通路信号、及び球詰り検知信号を入力可能に構成されている。枠制御基板80は、これらの信号のうち、第1扉開放信号及び第2扉開放信号を主制御基板60に出力する。
【0100】
枠制御基板80は、報知音声装置13と接続されている。CPU81は、報知音声装置13の出力内容を制御可能である。枠制御基板80は、遊技球数表示装置17と接続されている。CPU81は、遊技球数表示装置17の表示内容を制御可能に構成されている。
【0101】
枠制御基板80は、メンテナンス装置35と接続されている。CPU81は、メンテナンス装置35のメンテナンス動作を制御可能に構成されている。枠制御基板80は、供給ソレノイド43と接続されている。CPU81は、供給ソレノイド43に対する通電を制御することにより、可動片42を変位させることができる。つまり、CPU81は、供給装置40による遊技球の供給動作を制御可能に構成されている。
【0102】
上述のように、枠制御基板80は、カードユニット100と接続されている。CPU81は、CU制御基板105が送信する各種の電文を受信可能に構成されている。なお、カードユニット100が出力する接続信号は、接続端子板98からCPU81を経由せずに発射許可回路89bへと入力される。詳しくは後述するが、発射許可回路89bには、主制御基板60が出力する発射停止信号、及びCPU81が出力するエラー信号も入力される。
【0103】
発射制御基板90は、発射装置50の動作を制御するための発射制御回路91を備える。発射制御回路91は、枠制御基板80から入力する制御信号、センサやスイッチから入力する信号に基づき、発射ソレノイド53に対して駆動信号を出力する。
【0104】
発射制御基板90は、タッチセンサD01、発射停止スイッチD02、及びハンドルボリュームD03と接続されている。発射制御回路91は、これらのスイッチやセンサが出力するタッチ信号、ストップ信号、及びボリューム信号を入力可能に構成されている。発射制御基板90は、発射ソレノイド53と接続されている。発射制御回路91が発射ソレノイド53に対して駆動信号を出力することによって、発射ソレノイド53が駆動し、発射ハンマー52が打球位置52P1へ変位する。つまり、発射制御基板90は、発射装置50による遊技球の発射動作を制御可能に構成されている。
【0105】
発射制御回路91は、動作判定部、パルスクロック生成部、タイミングパルス生成部、保持回路、及びソレノイド駆動部を有する。動作判定部は、枠制御基板80からの発射許可信号がオン状態であり、発射停止スイッチD02からのストップ信号がオフ状態であり、且つタッチセンサD01からのタッチ信号がオン状態であることで動作可能条件が成立している場合、動作信号をタイミングパルス生成部に出力する。動作判定部は、枠制御基板80からの発射許可信号がオン状態であること、発射停止スイッチD02からのストップ信号がオフ状態であること、且つタッチセンサD01からのタッチ信号がオン状態であることの一部又は全部が満たされていないことにより動作可能条件が成立していない場合、動作信号をタイミングパルス生成部に出力しない。
【0106】
タイミングパルス生成部は、動作信号を入力している場合、当該動作信号と、パルスクロック生成部から入力するパルス信号とを合成し、発射タイミングパルスをソレノイド駆動部に出力する。ソレノイド駆動部は、発射タイミングパルスを入力する毎に、ハンドルボリュームD03から入力するボリューム信号(電圧)に応じた電圧の駆動電流を発射ソレノイド53へ供給(出力)する。これにより、発射ソレノイド53は、ハンドルレバー15aの回動操作量に応じた強度にて駆動し、遊技球が発射されることとなる。詳しくは後述するが、発射制御回路91は、所定のタイミングで減算基準信号を枠制御基板80へ出力する。保持回路は、動作可能条件が成立しているときに駆動電流が出力される場合、その時点におけるボリューム信号の電圧(電圧値)を保持する。発射制御回路91(ソレノイド駆動部)は、後述する空打ちシーケンスにおいて、ボリューム信号の電圧値ではなく、保持回路に保持(記憶)された電圧値に応じた電圧の駆動電流を発射ソレノイド53へ供給する。
【0107】
また、保持回路は、ボリューム信号の電圧(電圧値)が保持される。保持回路は、情報を保持する情報保持手段の一例を構成する。保持回路が保持可能な電圧値は、発射ハンドル15(ハンドルレバー15a)の操作量に応じて生成される操作量情報の一例である。
【0108】
枠制御基板80(CPU81)が実行する処理について説明する。
枠側電源断処理について説明する。
CPU81は、電源電圧が規定電圧よりも低下したときにバックアップ回路89aが出力する電源断検出信号を入力すると、電源断処理を実行する。電源断処理において、CPU81は、RAM83のチェックサム値を算出するとともに、算出したチェックサム値をRAM83に記憶させる。また、CPU81は、電源断処理が正常に実行されたことを特定可能な情報(以下、バックアップフラグと示す)をRAM83に記憶させる。その後、CPU81は、完全に電源断がされるまで待機する。電源断のときにRAM83に記憶されている各種情報は、前述したバックアップ機能によって電源断後にも保持される。
【0109】
枠側電源投入処理について説明する。
CPU81は、電源投入に伴って、枠制御基板80への供給電圧がCPU81の動作に必要な電圧に達して起動すると、バックアップされている情報が正常であるか否かを判定する。具体的に、CPU81は、RAM83にバックアップフラグが記憶されているか否かを判定する。また、CPU81は、RAM83のチェックサム値を算出するとともに、算出したチェックサム値と、電源断処理にて算出したチェックサム値とが一致するか否かを判定する。CPU81は、バックアップフラグが記憶されており、且つチェックサム値が一致する場合に正常と判定する一方、そうではない場合に異常と判定する。バックアップされた情報が異常と判定した場合、CPU81は、RAM83に記憶されている遊技球数情報及び遊技情報を初期化する。このとき、CPU81は、性能情報を初期化しない。その後、CPU81は、後述する通信チェック処理へ移行する。
【0110】
バックアップされた情報を正常と判定した場合、CPU81は、遊技球クリア信号がオン状態であるか否かに基づき、遊技球クリアスイッチ87が操作されているか否かを判定する。CPU81は、遊技球クリアスイッチ87が操作されているとき、RAM83に記憶されている遊技球数情報を初期化する。このとき、CPU81は、遊技情報及び性能情報を初期化しない。CPU81は、遊技球クリアスイッチ87が操作されていないとき、遊技球数情報を初期化しない。
【0111】
CPU81は、RAMクリア信号がオン状態であるか否かに基づき、RAMクリアスイッチ88が操作されているか否かを判定する。CPU81は、RAMクリアスイッチ88が操作されているとき、RAM83に記憶されている遊技情報を初期化する。このとき、CPU81は、遊技球数情報及び性能情報を初期化しない。CPU81は、RAMクリアスイッチ88が操作されていないとき、遊技情報を初期化しない。本実施形態において、性能情報は、遊技球クリアスイッチ87の操作に応じて遊技球数情報が初期化される状況、及びRAMクリアスイッチ88の操作に応じて遊技情報が初期化される状況の何れであっても初期化されない。その後、CPU81は、通信チェック処理へ移行する。
【0112】
通信チェック処理において、CPU81は、主制御基板60から起動時情報を受信したか否かを判定する。本実施形態の一例において、起動時情報は、遊技機設置情報である。一例として、遊技機設置情報は、遊技機の種類、CPU61のID番号、及びCPU61の製造者などを特定可能な情報である。CPU81は、起動時情報を正常に受信すると、応答情報を主制御基板60に送信する。その後、CPU81は、通信チェック処理を終了し、初期化又はバックアップされた遊技球数情報、遊技情報、及び性能情報に基づいて復帰し、後述する枠側通常処理を実行する。
【0113】
CPU81は、電源投入に伴う起動後、所定時間(例えば3分)が経過するまでの間に起動時情報を受信しない場合、通信回線断エラーの発生を特定可能なフラグをRAM83に記憶させる。つまり、CPU81は、通信回線断エラーを設定する。その後、CPU81は、起動時情報を受信するまで待機する。CPU81は、通信回線断エラーを設定中、主制御基板60から起動時情報を正常に受信すると、通信回線断エラーの設定を解除する。その後、CPU81は、通信チェック処理を終了し、初期化又はバックアップされた遊技球数情報、遊技情報、及び性能情報に基づいて復帰し、後述する枠側通常処理を実行する。これに限らず、CPU81は、起動時情報の受信と応答情報の送信が複数回(例えば3回)にわたって成功しなかったときに通信回線断エラーを設定してもよい。この場合、複数回にわたって受信する起動時情報は、1回目を遊技機設置情報とし、2回目以降には、遊技機設置情報とは異なる情報(一例として遊技機情報)としてもよい。
【0114】
枠制御基板80の枠側通常処理について説明する。
枠側通常処理のうち遊技情報記憶処理について説明する。
遊技情報生成処理は、主制御基板60から入力する遊技情報をRAM83に記憶する処理である。CPU81は、遊技状態を特定可能な遊技情報を受信すると、当該遊技情報をRAM83に記憶させる。CPU81は、RAM83に記憶された遊技情報を参照することにより、大当り遊技中であるか否か、高確率状態であるか否か、及び高入球率状態であるか否かを特定可能である。その他、CPU81は、各種の遊技情報を入力すると、入力した遊技情報を特定可能な情報を生成し、RAM83に記憶させる。また、CPU81は、遊技情報を受信すると、当該受信した遊技情報の一部又は全部を外部機器(ホールコンピューター等)に送信する。
【0115】
枠側通常処理のうち性能情報生成処理について説明する。
性能情報生成処理は、性能情報としてベース値を演算する処理である。CPU81は、遊技状態フラグを参照し、大当り遊技中ではなく、且つ現在の遊技状態が低確低入球率状態であるか否か(つまり通常遊技時であるか否か)を判定する。通常遊技時である場合、CPU81は、始動口入賞の発生を特定可能な遊技情報(以下、始動口入賞情報と示す)、又は普通入賞の発生を特定可能な遊技情報(以下、普通入賞情報と示す)を受信すると、通常遊技時における獲得賞球総数を加算する。獲得賞球総数は、性能情報の1つとしてRAM83に記憶される。CPU81は、入賞通路信号又は非入賞通路信号を入力すると、通常遊技時における有効球総数を加算する。有効球総数は、性能情報の1つとしてRAM83に記憶される。CPU81は、「通常遊技時における獲得賞球総数÷通常遊技時における有効球総数×100」の計算式によって、ベース値を演算する。CPU81は、1分間毎に区切って獲得賞球総数及び有効球総数を計数し、ベース値の演算を1分毎に行ってもよい。CPU81は、有効球総数が規定数になる毎に区切って獲得賞球総数を計数し、ベース値の演算を有効球総数が規定数になる毎に行ってもよい。一例として、規定数は、60000球であってもよく、発射装置50によって1分当りに発射可能な最大個数(例えば100球)であってもよい。CPU81は、演算したベース値を特定可能な情報を表示するように、性能表示モニタ84を制御する。
【0116】
CPU81は、性能情報として役物比率及び連続役物比率を演算し、性能表示モニタ84にて表示可能な構成であってもよい。役物比率は、全遊技状態を通した獲得賞球総数に占める、電動役物作動による獲得賞球総数の割合である。電動役物作動による獲得賞球総数とは、普通当り遊技(普通電動役物作動)による第2始動口24への入賞に伴う獲得賞球総数、及び大当り遊技(特別電動役物作動)による大入賞口25への入賞に伴う獲得賞球総数の和である。連続役物比率は、全遊技状態を通した獲得賞球総数に占める、連続役物作動による獲得賞球総数の割合である。連続役物作動による獲得賞球総数とは、大当り遊技による大入賞口25への入賞に伴う獲得賞球総数である。
【0117】
枠側通常処理のうち遊技球数情報生成処理について説明する。
遊技球数情報生成処理は、遊技球数を生成(管理)するための処理である。CPU81は、主制御基板60から獲得賞球数情報を受信すると、当該獲得賞球数情報から特定可能な獲得賞球数を遊技球数に加算する。獲得賞球数情報は、所定の入賞口への入賞に伴い、賞球の付与条件が成立すると主制御基板60が出力する制御情報であって、当該入賞口に設定された賞球数を特定可能に構成されている。CPU81は、カードユニット100から付与情報を受信すると、付与情報に示される付与球数を遊技球数に加算する。CPU81は、供給入口センサD22が出力する供給入口信号に基づいて、1球の遊技球が発射装置50へ供給されたことを検知すると、遊技球数を減算する。一例として、CPU81は、供給入口信号がオフ状態→オン状態→オフ状態のように遷移するとき、オン状態となったときに1球の遊技球が供給されたことを検知する。これにより、電磁的に管理する遊技球数が実態のある遊技球に変換されるともいえる。
【0118】
これに限らず、CPU81は、発射ソレノイド53の駆動により遊技球数を減算してもよく、打出通路20cにセンサを設け、当該センサにより発射装置50から発射された遊技球を検知したときに遊技球数を減算する構成であってもよい。本実施形態では、発射装置50による発射動作、及び、供給装置40による供給動作のうち少なくとも一方の動作に関連して、データとして記憶している遊技球の個数の一例として遊技球数が減算されるといえる。CPU81は、データとして記憶する遊技球数が所定数未満の個数の一例である「0」になると、遊技球数ゼロ信号を発射許可回路89bへ出力する。
【0119】
CPU81は、計数可能状態であるとき、計数スイッチ18から計数信号を入力すると、計数球数を特定可能な計数情報をカードユニット100に送信する。CPU81は、計数情報から特定可能な計数球数を遊技球数から減算する。CPU81は、遊技球数を減算してから計数情報を出力してもよく、計数情報を出力してから遊技球数を減算してもよい。一例として、計数可能状態は、必要な電力が供給されており、且つ遊技球数が0ではない状態である。CPU81は、計数可能状態であるとき、計数ランプ18aが点灯するように、計数ランプ18aに内蔵された発光体を制御する。本実施形態の一例では、計数情報をカードユニット100へ送信することによって、遊技球数の管理をカードユニット100へ移す。
【0120】
そして、CPU81は、加算又は減算した更新後の遊技球数を特定可能な情報を表示するように、遊技球数表示装置17を制御する。本実施形態の一例において、CPU81は、データとして記憶されている遊技球数を加算する手段、データとして記憶されている遊技球数を減算する手段、及びデータとして記憶されている遊技球数を表示させる手段として把握できる。詳しくは後述するが、遊技球数表示装置17は、枠制御基板80にて設定(検知)したエラー状態を特定可能な情報を表示可能な装置として兼用される。
【0121】
枠側通常処理のうちエラー設定処理について説明する。
図11に示すように、エラー設定処理は、エラー状態の発生を検知し、エラー状態を設定するための処理である。本実施形態の一例において、枠制御基板80(CPU81)が検知可能なエラー状態には、上述した通信回線断エラーの他に、第1扉開放エラー、第2扉開放エラー、電波エラー、鉄球検知エラー、供給入口センサエラー、循環球数過多エラー、及び循環球数過少エラーが少なくともある。
【0122】
CPU81は、第1扉開放スイッチD17から第1扉開放信号を入力すると、第1扉開放エラー状態の発生を特定可能なフラグをRAM83に記憶させる。つまり、CPU81は、保護枠11cが開放状態にある第1扉開放エラーを設定する。CPU81は、第1扉開放信号を入力しなくなると、第1扉開放エラーの設定を解除する。CPU81は、第2扉開放スイッチD18から第2扉開放信号を入力すると、第2扉開放エラー状態の発生を特定可能なフラグをRAM83に記憶させる。つまり、CPU81は、搭載枠11bが開放状態にある第2扉開放エラーを設定する。CPU81は、第2扉開放信号を入力しなくなると、第2扉開放エラーの設定を解除する。
【0123】
CPU81は、電波センサD16から電波検知信号を入力すると、電波エラー状態の発生を特定可能なフラグをRAM83に記憶させる。つまり、CPU81は、電波エラーを設定する。電波エラー状態は、電波を用いた不正(ゴト行為)が行われている可能性が高い状態である。CPU81は、電波エラーを設定すると、電源断がされるまで電波エラーを解除しない。なお、電源投入後、電波エラー状態が解消されておれば、電波エラーの設定がされず、電波エラー状態が再び検知されれば、電源投入後にも電波エラーが設定される。
【0124】
CPU81は、球通路球詰り監視センサD27が出力する球詰り検知信号に基づいて、球通路にて球詰りが発生していることを検知すると、鉄球検知エラー状態の発生を特定可能なフラグをRAM83に記憶させる。つまり、CPU81は、鉄球検知エラーを設定する。一例として、CPU81は、球詰り検知信号がオン状態となってからオフ状態とならずに規定時間が経過すると、鉄球検知エラーを設定する。上述のように、球詰り検知信号のオン状態が継続する状態は、球通路に設けた前記磁石によって、鉄球のように磁性を有する遊技球が捕捉されている可能性が高い。CPU81は、球詰り検知信号がオフ状態になると、鉄球検知エラーの設定を解除する。上述のように、仮に磁性を有する遊技球が補足されている場合、解除レバー(不図示)を解除位置に操作することによって球通路における球詰りを解除できる。
【0125】
CPU81は、供給入口センサD22が出力する供給入口信号に基づいて、1球の遊技球が発射装置50へ供給されたことを検知すると、RAM83に記憶されている循環球数を減算する。循環球数は、パチンコ遊技機10に封入された規定数を初期球数とする。一例として、CPU81は、供給入口信号がオン状態→オフ状態→オン状態のように遷移すると、1球の遊技球が供給されたことを検知する。
【0126】
これに限らず、CPU81は、発射ソレノイド53の駆動により遊技球数を減算してもよく、打出通路20cにセンサを設け、当該センサにより発射装置50から発射された遊技球を検知したときに遊技球数を減算する構成であってもよい。本実施形態では、発射装置50による発射動作、及び、供給装置40による供給動作のうち少なくとも一方の動作に関連して、データとして記憶している遊技球の個数の一例として循環球数が減算されるといえる。
【0127】
CPU81は、入賞通路カウントセンサD25が出力する入賞通路信号、非入賞通路カウントセンサD26が出力する非入賞通路信号に基づいて、1球の遊技球が供給装置40へ戻ったことを検知すると、RAM83に記憶されている循環球数を加算する。一例として、CPU81は、入賞通路信号又は非入賞通路信号がオン状態→オフ状態→オン状態のように遷移すると、1球の遊技球が戻ったことを検知する。つまり、パチンコ遊技機10は、遊技に使用された遊技球が検知されると、データとして記憶している遊技球の個数が加算される構成である。
【0128】
CPU81は、ファールセンサDが出力するファール信号に基づいて、1球の遊技球が供給装置40へ戻ったことを検知すると、RAM83に記憶されている循環球数を加算する。一例として、CPU81は、ファール信号がオン状態→オフ状態→オン状態のように遷移すると、1球の遊技球が戻ったことを検知する。つまり、パチンコ遊技機10は、発射装置50による発射動作がされても遊技領域20aに到達しなかった遊技球(ファール球)が検知されると、データとして記憶している遊技球の個数が加算される構成である。
【0129】
CPU81は、供給入口センサD22が出力する供給入口信号に基づいて、供給装置40の入口(受入通路41a)に球詰りが発生していることを検知すると、供給入口センサエラー状態の発生を特定可能なフラグをRAM83に記憶させる。つまり、CPU81は、供給入口センサエラーを設定する。一例として、CPU81は、供給ソレノイド43の駆動に伴い、供給入口信号がオン状態となってからオフ状態とならずに規定時間taが経過すると、供給入口センサエラーを設定する。供給ソレノイド43の駆動と、供給入口センサによる遊技球の検知態様の詳細については後述する。CPU81は、エラー解除スイッチ86が操作されると、供給入口センサエラーの設定を解除する。なお、供給入口センサエラーの設定が解除されても、受入通路41aにおける球詰りが解消されていなければ、所定時間の経過後に供給入口センサエラーが再設定される。
【0130】
CPU81は、循環球数が前記初期球数よりも多い第1循環球数以上になると、循環球数過多エラーの発生を特定可能なフラグをRAM83に記憶させる。つまり、CPU81は、循環球数過多エラーを設定する。CPU81は、循環球数が第1循環球数未満になると、循環球数過多エラーの設定を解除する。CPU81は、循環球数が前記初期球数よりも少ない第2循環球数未満になると、循環球数過少エラーの発生を特定可能なフラグをRAM83に記憶させる。つまり、CPU81は、循環球数過少エラーを設定する。CPU81は、循環球数が第2循環球数以上になると、循環球数過少エラーの設定を解除する。
【0131】
枠側通常処理のうちエラー報知処理について説明する。
CPU81は、エラーを設定中、当該設定中であるエラーを特定可能な情報の一例であるエラーコードを表示するように、遊技球数表示装置17の表示内容を制御する。エラーコードは、エラーごとに固有の情報である。例えば、図中の「エラーコード」の欄に示すように、通信回線断エラーには[E02]、供給入口センサエラーには[E03]、第1扉開放エラーでは[E21]、及び第2扉開放エラーでは[E22]など、それぞれにエラーコードが設定されている。CPU81は、エラーコードの表示と、遊技球数の表示と、を所定時間毎に交互に切り替える。また、CPU81は、複数通りのエラーを設定している場合、複数通りのエラー及び遊技球数を所定時間ずつ順に表示させる。これに限らず、CPU81は、エラーコードを表示させ、遊技球数を表示させない構成であってもよい。CPU81は、設定中のエラーが解除されると、解除されたエラーに対応するエラーコードの表示を終了するように、遊技球数表示装置17を制御する。本実施形態の一例において、枠制御基板80で検出できる全てのエラーは、遊技球数表示装置17におけるエラーコードの表示対象となっている。遊技球数表示装置17は、エラーを報知する手段として兼用されている。
【0132】
CPU81は、設定中であるエラーを特定可能とするエラーコードを表示するように、性能表示モニタ84の表示内容を制御する。つまり、エラーコードは、遊技球数表示装置17及び性能表示モニタ84の両方に表示される。CPU81は、エラーコードの表示と、ベース値(性能情報)の表示とを所定時間毎に交互に切り替える。また、CPU81は、複数通りのエラーを設定している場合、複数通りのエラーコード、及びベース値を所定時間ずつ順に表示させる。これに限らず、CPU81は、エラーコードを表示させ、ベース値を表示させない構成であってもよい。さらに、CPU81は、性能表示モニタ84において、ベース値及びエラーコードに加えて、遊技球数を表示させる構成であってもよい。この場合、CPU81は、これら3種類の情報を所定時間毎に切り替えながら順に表示させるとよい。CPU81は、設定中のエラーが解除されると、エラーコードの表示を終了するように、性能表示モニタ84を制御する。本実施形態の一例において、枠制御基板80で検出できる全てのエラーは、性能表示モニタ84におけるエラーコードの表示対象である。本実施形態の性能表示モニタ84は、エラーを報知する手段として兼用される。CPU81は、性能表示モニタ84におけるエラーコードの表示と、遊技球数表示装置17におけるエラーコードの表示と、を同じ又は略同じタイミングで開始させる。
【0133】
CPU81は、設定中であるエラーを特定可能とする音声パターンにて報知音声を出力するように、報知音声装置13を制御する。つまり、CPU81は、設定中であるエラーを報知する音声報知(以下、エラー音声報知と示す)を行わせる。本実施形態の一例において、CPU81は、電波エラー、鉄球検知エラー、供給入口センサエラー、循環球数過多エラー、及び循環球数過少エラーを報知対象とし、これらのエラーを設定中であるときにエラー音声報知を行わせる。CPU81は、通信回線断エラー、第1扉開放エラー、及び第2扉開放エラーを報知対象とせず、これらのエラーを報知するためのエラー音声報知を行わせない。エラー音声報知の音声パターンは、エラーの種類ごとに異なる内容であり、設定中であるエラーの概要を特定可能な内容である。一例として、電波エラーであれば、「エラーコードE31が発生しました、係員を呼んでください」の文字列を読み上げる音声である。
【0134】
CPU81は、複数通りのエラーのうち所定のエラー(一例として供給入口センサエラー)を設定中、遊技球の発射を規制する制御を行う。CPU81は、供給入口センサエラーが発生している場合、発射許可回路89bに対して所定の信号(エラー信号)を出力する。ここで、発射許可回路89bは、カードユニット100から接続信号を入力しており、主制御基板60から発射停止信号を入力しておらず、且つ、CPU81から遊技球数ゼロ信号及びエラー信号を入力していないときに発射許可信号を生成し、発射制御基板90に出力する。つまり、発射許可信号がオン状態になる。このように、発射許可回路89bにおける発射許可信号の出力条件は、カードユニット100から接続信号を入力しており、主制御基板60から発射停止信号を入力しておらず、且つ、CPU81からエラー信号及び遊技球数ゼロ信号を入力していないことによって成立する。カードユニット100から接続信号を入力していることは、カードユニット100とパチンコ遊技機10とが正常に接続されていることを示す。CPU81からエラー信号を入力していないことは、枠制御基板80にて遊技球の発射を禁止する必要があるエラーが発生していないことを示す。CPU81から遊技球数ゼロ信号を入力していないことは、遊技球数が0ではないことを示す。
【0135】
次に、主制御基板60(CPU61)が行う各種の処理について説明する。
メイン電源断処理について説明する。
CPU61は、枠制御基板80(バックアップ回路89a)から電源断検出信号を入力すると、電源断処理を実行する。電源断処理において、CPU61は、発射停止信号を枠制御基板80へ出力する。CPU61は、RAM63のチェックサム値を算出するとともに、算出したチェックサム値をRAM63に記憶させる。また、CPU61は、電源断処理が正常に実行されたことを特定可能な情報(以下、バックアップフラグと示す)をRAM63に記憶させる。その後、CPU61は、完全に電源断がされるまで待機する。電源断のときにRAM63に記憶されている各種情報は、前述したバックアップ機能によって電源断後にも保持される。
【0136】
メイン電源投入処理について説明する。
CPU61は、電源投入に伴って、主制御基板60への供給電圧がCPU61の動作に必要な電圧に達すると、タイマ割り込み処理を禁止する。続けて、CPU61は、起動時情報を枠制御基板80へ送信する。CPU61は、起動時情報を送信してから応答情報を受信することなく所定時間(一例として108ms)が経過すると、起動時情報を枠制御基板80へ送信する。以降、CPU61は、枠制御基板80から応答情報を受信しない場合、所定時間が経過するごとに起動時情報を枠制御基板80へ送信する。なお、複数回にわたって送信する場合の起動時情報は、同じ情報であってもよく、送信回数を特定可能なように異なる情報であってもよい。CPU61は、起動時情報の送信回数が規定回数(一例として10回)に達すると通信回線断を検知し、通信回線断エラーの発生を特定可能な情報をRAM63に記憶させる。つまり、CPU61は、通信回線断エラーを設定する。CPU61は、通信回線断エラーを設定すると、通信回線断エラーの発生を特定可能な制御情報(以下、通信回線断エラーコマンドと示す)を演出制御基板70へ出力する。その後、CPU61は、電源断がされるまで待機する。本実施形態において、枠制御基板80が通信回線断エラーを検知するのに要する時間(一例として3分)は、主制御基板60が通信回線断エラーを検知するのに要する時間(一例として1080ms)に比して長い。
【0137】
CPU61は、起動時情報に対する応答情報を受信すると、通信回線が正常であると判定する。通信回線が正常である場合、CPU61は、バックアップされている情報が正常であるか否かを判定する。具体的に、CPU61は、RAM63にバックアップフラグが記憶されているか否かを判定する。また、CPU61は、RAM63のチェックサム値を算出するとともに、算出したチェックサム値と、電源断処理にて算出したチェックサム値とが一致するか否かを判定する。CPU61は、バックアップフラグが記憶されており、且つチェックサム値が一致する場合に正常と判定する一方、そうではない場合に異常と判定する。
【0138】
バックアップされた情報が異常と判定した場合、CPU61は、RAM63に記憶されているメイン情報を初期化する。CPU61は、各種の情報が初期化されたことを特定可能な制御コマンド(以下、初期化コマンドと示す)を演出制御基板70へ出力する。その後、CPU61は、メイン電源投入処理を終了する。
【0139】
バックアップされた情報を正常と判定した場合、CPU61は、枠制御基板80(RAMクリアスイッチ87)からRAMクリア信号を入力しているか否かを判定する。RAMクリア信号を入力している場合、CPU61は、RAM63に記憶されているメイン情報を初期化する。CPU61は、初期化コマンドを演出制御基板70へ出力する。一方、RAMクリア信号を入力していない場合、CPU61は、バックアップされたメイン情報に基づいて復帰することを特定可能な制御コマンド(以下、復電コマンドと示す)を演出制御基板70へ出力する。
【0140】
そして、CPU61は、メイン電源投入処理を終了すると、タイマ割り込み処理を許可する。つまり、CPU61は、遊技を進行させるための処理(以下、メイン通常処理と示す)を実行可能となる。メイン通常処理は、メイン情報が初期化されておれば、初期化後のメイン情報に基づいて実行される。つまり、CPU61は、第1特別保留数及び第2特別保留数が何れも零であり、第1特別ゲーム及び第2特別ゲームが何れも実行中ではなく、大当り遊技も付与されていない状態に基づいて、メイン通常処理に含まれる各種処理を実行する。メイン通常処理は、メイン情報が初期化されていなければ、バックアップされているメイン情報に基づいて実行される。つまり、CPU61は、第1特別保留数及び第2特別保留数が電源断時の保留数であり、第1特別ゲーム及び第2特別ゲームの何れかが実行されておれば当該特別ゲームを実行させる処理へ復帰し、大当り遊技を付与中であれば、大当り遊技を付与する処理へ復帰する。
【0141】
CPU61は、所定の制御周期(例えば4ms)毎に行うタイマ割り込み処理として、特別図柄入力処理、及び特別図柄開始処理などを実行する。特別図柄入力処理、及び特別図柄開始処理は、何れもメイン通常処理である。
【0142】
特別図柄入力処理について説明する。
CPU61は、第1始動センサD11から検知信号を入力したか否かに基づいて、遊技球が第1始動口23へ入球したか否かを判定する。遊技球が第1始動口23へ入球した場合、CPU61は、RAM63に記憶されている第1保留数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。第1保留数が上限数未満である場合、CPU61は、第1保留数を1加算して更新する。続けて、CPU61は、更新後の第1保留数を特定可能な情報を表示するように、第1保留表示装置21cを制御する。本実施形態において、第1特別ゲームの保留条件は、第1保留数が上限数未満であるとき、遊技球が第1始動センサD11によって検知されると成立する。
【0143】
次に、CPU61は、乱数生成回路64が生成する乱数を取得し、当該取得した乱数に基づく乱数情報をRAM63に記憶させる。例えば、乱数は、特別図柄の当り抽選に用いる当り乱数、当り図柄の決定に用いる当り図柄乱数、及び変動パターンの決定に用いる変動パターン乱数などである。CPU61は、第1特別ゲーム用の乱数情報であること、及び乱数情報の記憶順序を特定可能となるように、乱数情報を記憶させる。乱数情報は、取得した乱数そのものであってもよく、乱数を所定の手法により加工した情報であってもよい。パチンコ遊技機10は、第1特別ゲームに用いる乱数情報をRAM63に記憶させておくことで、当該第1特別ゲームの開始条件が成立するまで、その実行を保留することができる。
【0144】
CPU61は、第1特別ゲーム用の乱数情報をRAM63に記憶させた場合、遊技球が第1始動口23へ入球していない場合、及び第1保留数が上限数未満ではない場合、第2始動センサD12から検知信号を入力したか否かに基づいて、遊技球が第2始動口24へ入球したか否かを判定する。遊技球が第2始動口24へ入球している場合、CPU61は、RAM63に記憶されている第2保留数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。第2保留数が上限数未満である場合、CPU61は、第2保留数を1加算して更新する。CPU61は、加算後の第2保留数を特定可能な情報を表示するように、第2保留表示装置21dを制御する。本実施形態において、第2特別ゲームの保留条件は、第2保留数が上限数未満であるとき、遊技球が第2始動センサD12によって検知されると成立する。
【0145】
次に、CPU61は、主制御基板60内で生成している乱数を取得し、当該取得した乱数に基づく乱数情報をRAM63に記憶させる。CPU61は、第2特別ゲームに用いる乱数情報であること、及び乱数情報の記憶順序を特定可能となるように、乱数情報を記憶させる。パチンコ遊技機10は、第2特別ゲームに用いる乱数情報をRAM63に記憶させておくことで、当該第2特別ゲームの開始条件が成立するまで、その実行を保留することができる。第2特別ゲーム用の乱数情報をRAM63に記憶させた場合、遊技球が第2始動口24へ入球していない場合、及び第2保留数が上限数未満ではない場合、CPU61は、特別図柄入力処理を終了する。
【0146】
特別図柄開始処理について説明する。
最初に、CPU61は、特別ゲームの開始条件が成立しているか否かを判定する。CPU61は、大当り遊技中ではなく、且つ特別ゲームの実行中ではない場合に肯定判定する一方、大当り遊技中又は特別ゲームの実行中である場合に否定判定する。特別ゲームの開始条件が成立していない場合、CPU61は、特別図柄開始処理を終了する。特別ゲームの開始条件が成立している場合、CPU61は、第2保留数が零よりも大きいか否かを判定する。第2保留数が零である場合、CPU61は、第1保留数が零よりも大きいか否かを判定する。第1保留数が零である場合、CPU61は、特別図柄開始処理を終了する。
【0147】
第1保留数が零よりも大きい場合、CPU61は、第1特別ゲームを実行させる処理を行う。具体的に、CPU61は、第1保留数を1減算して更新する。CPU61は、減算後の第1保留数を特定可能な情報を表示するように、第1保留表示装置21cを制御する。次に、CPU61は、第1特別ゲーム用の乱数情報のうち、最先に記憶された乱数情報をRAM63から取得する。続けて、CPU61は、取得した乱数情報から特定される当り乱数を用いて、特別図柄の当り抽選として、大当りに当選とするか否かの大当り抽選(大当り判定)を行う。CPU61は、現在の確率状態(確変機能の作動の有無)に応じた大当り確率にて大当り抽選を行う。
【0148】
大当りに当選した場合、CPU61は、大当り変動処理を行う。大当り変動処理において、CPU61は、乱数情報から特定可能な当り図柄乱数を用いて、大当り図柄抽選を行い、第1特別ゲームにて停止表示させる大当り図柄を決定する。CPU61は、乱数情報から特定可能な変動パターン乱数を用いて変動パターン決定抽選を行い、複数ある大当り変動パターンの中から変動パターンを決定する。その後、CPU61は、特別図柄開始処理を終了する。
【0149】
大当りに当選しなかった場合、CPU61は、はずれ変動処理を行う。はずれ変動処理において、CPU61は、第1特別ゲームにて停止表示させるはずれ図柄を決定する。CPU61は、乱数情報から特定可能な変動パターン乱数を用いて変動パターン決定抽選を行い、複数のはずれ変動パターンの中から変動パターンを決定する。その後、CPU61は、特別図柄開始処理を終了する。
【0150】
第2保留数が零よりも大きい場合、CPU61は、第2特別ゲームを実行させるための処理を行う。第2特別ゲームを実行させるための処理は、第1特別ゲームを実行させるための処理について、「第1特別ゲーム」を「第2特別ゲーム」に、「第1保留数」を「第2保留数」に、それぞれ読み替えた処理であるため、その詳細な説明を省略する。つまり、CPU61は、第2保留数の減算、大当り抽選、及び大当り抽選の結果に基づく何れかの変動処理を行った後、特別図柄開始処理を終了する。
【0151】
CPU61は、大当り変動処理、及びはずれ変動処理において、変動開始コマンド、及び特別図柄コマンドを演出制御基板70へ出力する。変動開始コマンドは、各変動処理にて決定した変動パターンと、変動ゲームの開始と、を特定可能な制御コマンドである。特別図柄コマンドは、各変動処理において決定した特別図柄(大当り図柄又ははずれ図柄)を特定可能な制御コマンドである。なお、変動開始コマンド、及び特別図柄コマンドは、第1特別ゲームの変動処理が実行されたときと、第2特別ゲームの変動処理が実行されたときとで異なる制御コマンドである。
【0152】
特別図柄開始処理を終了すると、CPU61は、特別図柄開始処理とは別の処理によって、第1特別ゲーム又は第2特別ゲームを実行させる。具体的に、CPU61は、第1特別ゲームを実行させる場合、所定の図柄の変動表示を開始するように、第1特別図柄表示装置21aを制御する。CPU61は、変動パターンに定められた変動時間を計測する。CPU61は、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、特別図柄開始処理において決定した特別図柄を停止表示するように、第1特別図柄表示装置21aを制御する。また、CPU61は、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、変動ゲームの終了を特定可能な制御コマンド(以下、変動終了コマンドと示す)を演出制御基板70に出力する。
【0153】
一方、CPU61は、第2特別ゲームを実行させる場合、所定の図柄の変動表示を開始するように、第2特別図柄表示装置21bを制御する。CPU61は、変動パターンに定められた変動時間を計測する。CPU61は、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、特別図柄開始処理において決定した特別図柄を停止表示するように、第2特別図柄表示装置21bを制御する。また、CPU61は、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、変動終了コマンドを演出制御基板70に出力する。以上のように、パチンコ遊技機10は、CPU61が特別図柄入力処理及び特別図柄開始処理を実行することによって、始動口への遊技球の入球を契機に当り抽選を行い、当該当り抽選の結果に基づき図柄変動ゲームを実行可能に構成されている。
【0154】
大当り遊技処理について説明する。
大当り遊技処理は、大当り遊技を付与するための処理である。CPU61は、特別ゲームにおいて大当り図柄を停止表示させると、大当りの特別ゲームの終了後に大当り遊技処理を実行する。CPU61は、特別図柄開始処理にて決定した大当り図柄(即ち、大当りの種類)に基づいて、大当り遊技の種類を特定する。CPU61は、特定した種類の大当り遊技を付与する。
【0155】
最初に、CPU61は、オープニング時間の開始を特定可能な制御コマンド(以下、オープニングコマンドと示す)を演出制御基板70に出力する。CPU61は、オープニング時間が経過すると、ラウンド遊技を実行させるための処理を行う。即ち、CPU61は、特定した大当り遊技用の開放制御データを用いて特別ソレノイドSL2を制御し、大入賞口25を開状態とする。CPU61は、カウントセンサD13による遊技球の検知数が上述の上限個数に達するか、又は上述の上限時間が経過すると、大入賞口25を閉状態とするように特別ソレノイドSL2を制御することで、ラウンド遊技を終了させる。CPU61は、このようなラウンド遊技を実行させるための処理を、大当り遊技に定められた上限回数のラウンド遊技が終了するまで繰り返し行う。CPU61は、ラウンド遊技を開始する毎に、ラウンド遊技の開始を特定可能な制御コマンド(以下、ラウンドコマンドと示す)を演出制御基板70に出力する。CPU61は、最終回のラウンド遊技が終了すると、エンディング時間の開始を特定可能な制御コマンド(以下、エンディング開始コマンドと示す)を演出制御基板70に出力する。CPU61は、エンディング時間が経過すると、大当り遊技を終了する。CPU61は、エンディング時間の経過を特定可能な制御コマンド(以下、エンディング終了コマンド)を演出制御基板70に出力する。
【0156】
状態移行処理について説明する。
CPU61は、大当り図柄のうち第1大当り図柄に基づく大当り遊技を終了すると、RAM63に高確フラグをセットする。即ち、CPU61は、高確率状態に制御する。なお、CPU61は、第1大当り図柄に基づく大当り遊技の終了後、次回の大当り遊技が付与されるまで、確変フラグを消去しない。一方、CPU61は、第1大当り図柄とは異なる第2大当り図柄に基づく大当り遊技を終了すると、RAM63に高確フラグをセットしない。即ち、CPU61は、低確率状態に制御する。CPU61は、大当り遊技を開始させる場合であって、高確フラグがセットされているとき、当該高確フラグを消去する。即ち、CPU61は、大当り遊技中、低確率状態に制御する。
【0157】
CPU61は、第1大当り図柄、又は第2大当り図柄に基づく大当り遊技が終了すると、RAM63に作動フラグをセットする。即ち、CPU61は、高入球率状態に制御する。CPU61は、第2大当り図柄に基づく大当り遊技の終了後、特別ゲームを開始させる毎に、RAM63に記憶されている実行カウンタの値を更新することによって、大当り遊技の終了後における特別ゲームの実行回数を計数する。CPU61は、大当り遊技の終了後における特別ゲームの実行回数が作動回数に達した特別ゲームが終了すると、RAM63に記憶されている作動フラグを消去する。即ち、CPU61は、第2大当り図柄に基づく大当り遊技の終了後、作動回数目の特別ゲームが終了すると低入球率状態に制御する。なお、CPU61は、第1大当り図柄に基づく大当り遊技の終了後、次回の大当り遊技が付与されるまで、作動フラグを消去しない。CPU61は、大当り遊技を開始させる場合であって、作動フラグがセットされているとき、当該作動フラグを消去する。即ち、CPU61は、大当り遊技中、低入球率状態に制御する。
【0158】
メイン通常処理のうちエラー設定処理について説明する。
図11に示すように、エラー設定処理は、エラー状態の発生を検知し、エラー状態を設定するための処理である。本実施形態の一例において、主制御基板60(CPU61)が検知可能なエラー状態には、上述した通信回線断エラーの他に、第1扉開放エラー、及び第2扉開放エラーが少なくともある。主制御基板60(CPU61)が検知可能なエラー状態には、電波エラー、及び磁気エラーがあってもよい。
【0159】
CPU61は、枠制御基板80(第1扉開放スイッチD17)から第1扉開放信号を入力すると、第1扉開放エラー状態の発生を特定可能なフラグをRAM83に記憶させる。つまり、CPU61は、保護枠11cが開放状態にある第1扉開放エラーを設定する。CPU61は、第1扉開放エラーを設定すると、第1扉開放エラーの発生を特定可能な制御情報(以下、第1扉開放エラー発生コマンドと示す)を演出制御基板70へ出力する。CPU61は、第1扉開放信号を入力しなくなると、第1扉開放エラーの設定を解除する。CPU61は、第1扉開放エラーの設定を解除すると、第1扉開放エラーの解消を特定可能な制御情報(以下、第1扉開放エラー解消コマンドと示す)を演出制御基板70へ出力する。
【0160】
CPU61は、枠制御基板80(第2扉開放スイッチD18)から第2扉開放信号を入力すると、第2扉開放エラー状態の発生を特定可能なフラグをRAM83に記憶させる。つまり、CPU61は、搭載枠11bが開放状態にある第2扉開放エラーを設定する。CPU61は、第2扉開放エラーを設定すると、第2扉開放エラーの発生を特定可能な制御情報(以下、第2扉開放エラー発生コマンドと示す)を演出制御基板70へ出力する。CPU61は、第2扉開放信号を入力しなくなると、第2扉開放エラーの設定を解除する。CPU61は、第2扉開放エラーの設定を解除すると、第2扉開放エラーの解消を特定可能な制御情報(以下、第2扉開放エラー解消コマンドと示す)を演出制御基板70へ出力する。
【0161】
CPU61は、複数通りのエラーのうち所定のエラー(一例として第1扉開放エラー)を設定中、遊技球の発射を規制する制御を行う。CPU61は、第1扉開放エラーが発生している場合、発射停止信号を枠制御基板80(発射許可回路89b)に対して出力する。つまり、発射停止信号がオン状態になる。上述のように、発射許可回路89bは、発射停止信号を入力すると、発射制御基板90に対する発射許可信号がオフ状態となり、その出力が停止される。以上のように、発射許可信号の出力条件は、遊技球の発射が許容される発射許容状態であることで成立する。つまり、発射許可信号の出力条件は、発射禁止状態であると成立しない。
【0162】
発射許容状態は、カードユニット100とパチンコ遊技機10とが正常に接続されており、主制御基板60にて特定のエラー(一例として第1扉開放エラー)が発生しておらず、且つ、枠制御基板80にて特定のエラー(一例として供給入口センサエラー)が発生していない状態である。発射禁止状態は、カードユニット100とパチンコ遊技機10とが正常に接続されていないこと、主制御基板60にて特定のエラーが発生していること、及び枠制御基板80にて特定のエラーが発生していること、のうち1つ又は複数が生じている状態である。本実施形態の一例では、同じ扉開放エラーであっても、第2扉開放エラーは、上記特定のエラーに該当せず、その発生によっては発射禁止状態とならない。
【0163】
第1条件が満たされないこととなる発射禁止状態には、外部からの電力供給が遮断された状態となることが含まれる。つまり、外部からの電力供給が遮断されると、主制御基板60(CPU61)は、発射停止を指示する信号出力状態(一例として発射停止信号をオン)となり、枠制御基板80(CPU81)は、発射不許可を指示する信号出力状態(発射許可信号をオフ)となる。発射禁止状態としての「外部からの電力供給が遮断された状態」は、枠制御基板80が発射不許可を指示する信号出力状態となっている状態である。
【0164】
第1条件が満たされないこととなる発射禁止状態には、データから特定される遊技球の個数が所定数未満である状態(一例として遊技球数=0)であることが含まれる。データから特定される遊技球の個数が所定数未満になると、枠制御基板80は、発射不許可を指示する信号出力状態(発射許可信号をオフ)となる。発射禁止状態としてのデータから特定される遊技球の個数が所定数未満である状態は、枠制御基板80が発射不許可を指示する信号出力状態となっている状態である。以上のように、本実施形態において、第1条件が満たされない発射禁止状態は、複数種類あるといえる。
【0165】
演出制御基板70(CPU71)が実行する各種の処理について説明する。
演出復電処理について説明する。
CPU71は、初期化コマンドを入力すると、演出装置群ESを構成する演出装置の一部又は全部を制御し、RAMクリア報知(初期化報知)を実行させる。一例として、RAMクリア報知は、「RAMクリア」の文字列を読み上げる音声など、RAMクリアの実行を特定可能な音声を演出音声装置12から出力する態様にて実行される。一例として、RAMクリア報知は、RAMクリア専用の発光パターンにて演出発光装置14を発光させる態様にて実行される。一例として、RAMクリア報知は、「RAMクリア」の文字列など、RAMクリアの実行を特定可能な画像を演出表示装置19に表示する態様にて実行される。CPU71は、RAMクリア報知を開始してから所定時間が経過すると、RAMクリア報知を終了するように演出装置群ESを制御する。また、CPU71は、初期化コマンドを入力すると、所定の背景画像、及び所定の演出図柄の組合せを表示するように演出表示装置19を制御する。
【0166】
CPU71は、復電コマンドを入力すると、演出装置群ESを構成する演出装置の一部又は全部を制御し、復電報知を実行させる。一例として、復電報知は、「復電中です」の文字列を読み上げる音声など、RAMクリアの実行を特定可能な音声を演出音声装置12から出力する態様にて実行される。一例として、復電報知は、復電専用の発光パターンにて演出発光装置14を発光させる態様にて実行される。一例として、復電報知は、「復電中です」の文字列など、RAMクリアの実行を特定可能な画像を演出表示装置19に表示する態様にて実行される。CPU71は、復電報知を開始してから所定時間が経過すると、復電報知を終了するように演出装置群ESを制御する。これに限らず、CPU71は、復電報知を実行させない構成であってもよい。また、CPU71は、復電コマンドを入力すると、所定の背景画像、及び所定の演出図柄の組合せとは異なる演出図柄の組合せを表示するように演出表示装置19を制御する。
【0167】
エラー報知処理について説明する。
CPU71は、第1扉開放エラー発生コマンド又は第2扉開放エラー発生コマンドを入力すると、演出装置群ESを構成する演出装置の一部又は全部を制御し、扉開放エラー報知を実行させる。一例として、扉開放エラー報知は、「扉が開いています」の文字列を読み上げる音声など、搭載枠11b及び保護枠11cの少なくとも一方の開放を特定可能な音声を演出音声装置12から出力する態様にて実行される。一例として、扉開放エラー報知は、扉開放エラー専用の発光パターンにて演出発光装置14を発光させる態様にて実行される。一例として、扉開放エラー報知は、「扉が開いています」の文字列など、搭載枠11b及び保護枠11cの少なくとも一方の開放を特定可能な画像を演出表示装置19に表示する態様にて実行される。CPU71は、第1扉開放エラー解消コマンド及び第2扉開放エラー解消コマンドの一方又は両方の入力により、全ての扉開放エラーが解消されたこと(搭載枠11b及び保護枠11cが何れも閉鎖されていること)を特定すると、扉開放エラー報知を終了するように、演出装置群ESを制御する。
【0168】
CPU71は、通信回線断エラーコマンドを入力すると、演出装置群ESを構成する演出装置の一部又は全部を制御し、通信回線断エラー報知を実行させる。一例として、通信回線断エラー報知は、「通信回線断エラーが発生しました」の文字列を読み上げる音声など、通信回線断エラーの発生を特定可能な音声を演出音声装置12から出力する態様にて実行される。一例として、通信回線断エラー報知は、通信回線断エラー専用の発光パターンにて演出発光装置14を発光させる態様にて実行される。一例として、通信回線断エラー報知は、「通信回線断エラー!」の文字列など、通信回線断エラーの発生を特定可能な画像を演出表示装置19に表示する態様にて実行される。なお、主制御基板60における通信回線断エラーの設定は、電源断がされるまで解除されない。つまり、CPU71は、通信回線断エラーの報知を開始させると、電源断がされるまで、通信回線断エラー報知を継続するように、演出装置群ESを制御する。
【0169】
本実施形態の一例において、枠制御基板80が通信回線断エラーを検知するのに要する時間は、主制御基板60が通信回線断エラーを検知するのに要する時間に比して長い。つまり、本実施形態では、遊技球数表示装置17及び性能表示モニタ84におけるエラーコードの表示を開始するタイミングは、演出装置群ESによる報知を開始するタイミングとは異なるタイミングである。より好ましくは、遊技球数表示装置17及び性能表示モニタ84によるエラーの報知は、演出装置群ESによるエラーの報知に先に実行される。
【0170】
大当り演出処理について説明する。
大当り演出処理は、大当り遊技中の演出(以下、大当り演出と示す)を実行させるための処理である。CPU71は、オープニングコマンドを受信すると、オープニング演出を実行するように演出装置群ESを制御する。CPU71は、ラウンドコマンドを受信すると、ラウンド演出を実行するように演出装置群ESを制御する。CPU71は、エンディング開始コマンドを受信すると、エンディング演出を実行するように演出装置群ESを制御する。CPU71は、エンディング終了コマンドを受信すると、エンディング演出を終了するように演出装置群ESを制御する。
【0171】
演出ゲーム処理について説明する。
演出ゲーム処理は、特別ゲームの実行中、当該特別ゲームに関連した表示演出の1つとして、演出ゲームを実行させるための処理である。CPU71は、変動開始コマンド及び特別図柄コマンドを受信すると、演出ゲームを実行するように演出表示装置19を含む演出装置群ESを制御する。具体的に、CPU71は、変動開始コマンドを受信すると、当該コマンドから特定可能な変動パターンに基づいて、演出ゲームの演出パターン(演出内容)を選択する。また、CPU71は、特別図柄コマンドを受信すると、当該コマンドから特定可能な特別図柄に基づいて、演出ゲームにて停止表示させる図柄組合せを決定する。CPU71は、特別図柄コマンドから大当り図柄を特定可能である場合、大当りの図柄組合せを決定する。CPU71は、特別図柄コマンドからはずれ図柄を特定可能である場合、はずれの図柄組合せを決定する。なお、CPU71は、リーチ演出を実行させる場合、リーチを含むはずれの図柄組合せを決定する。
【0172】
そして、CPU71は、変動開始コマンドの入力を契機として、各図柄列において演出図柄の変動表示を開始するように、演出表示装置19を制御する。即ち、CPU71は、演出ゲームを開始させる。また、CPU71は、演出ゲームに関連して所定の演出を実行させる場合、当該演出を実行するように、演出表示装置19を含む演出装置群ESを制御する。CPU71は、演出ゲームを開始させてから、所定のタイミングが到来すると、図柄組合せを仮で停止表示させるとともに、変動終了コマンドの入力を契機に、図柄組合せを確定で停止表示させる。なお、CPU71は、変動終了コマンドとは関係なく、変動パターンに定めた変動時間の経過を契機に図柄組合せを確定で停止表示させてもよい。この場合、変動終了コマンドは省略してもよい。
【0173】
遊技球を発射させるときの動作について説明する。
本実施形態の一例では、枠制御基板80(CPU81)による供給装置40の制御、及び発射制御基板90(発射制御回路91)による発射装置50の制御の組合せによって、遊技球の発射と供給とが実現される。以下、発射制御回路91が遊技球を発射させるために実行する一連の動作(以下、発射シーケンスと示す)と、枠制御基板80の処理とについて詳細に説明する。発射シーケンスは、発射条件が成立したときに実行可能であって、発射装置50による発射動作と、供給装置40による供給動作と、を行わせる通常制御(通常の発射動作)の一例となる。
【0174】
発射制御基板90(発射制御回路91)の動作について説明する。
図12に示すように、ストップ信号がオフ状態である状況において、時点Ta1にて枠制御基板80の発射許可信号がオン状態となり、時点Ta2にてタッチ信号がオン状態となることで、発射ソレノイド53の動作可能条件が成立する。続けて、時点Ta3において、ハンドルレバー15aの操作に応じてボリューム信号の入力が開始し、時点Ta4においてボリューム信号の電圧(図中においてダイヤル電圧と示す)がしきい値を超えると、遊技球の発射条件が成立する。なお、図中において示す「空打ち」は、発射装置50が発射動作をするものの遊技球が発射されない状況を示し、「発射」は、発射装置50が発射動作をして遊技球が発射される状況を示す。
【0175】
遊技球の発射条件は、第1条件、第2条件、第3条件、及び第4条件の全てが満たされることで成立する。第1条件は、遊技球の発射が許容される発射許容状態であることで満たされる。第2条件は、タッチ信号がオン状態となり、発射ハンドル15への接触が検知されている接触検知状態であることで満たされる。第3条件は、ボリューム信号の電圧がしきい値を超えることにより、発射ハンドル15(ハンドルレバー15a)の操作量が所定量を超えていることが検知されている操作検知状態であることで満たされる。第4条件は、ストップ信号がオフ状態であることにより、遊技球の発射を停止させる操作が検知されていない非停止状態であることにより満たされる。本実施形態の一例では、これら4つの条件のうち、第1条件、第2条件、及び第3条件が特定の条件の一例となる。
【0176】
発射条件が成立してから規定時間t1が経過する時点Ta5において、発射制御回路91は、発射タイミングパルスに応じて駆動電流を発射ソレノイド53に供給する。これにより、発射ソレノイド53が駆動する。このときの駆動電流の電圧は、時点Ta5におけるボリューム信号の電圧に応じた電圧となる。つまり、発射制御回路91は、ボリューム信号の電圧を参照して発射強度を設定する。発射制御回路91の保持回路は、このときのボリューム信号の電圧値を新たに保持する(更新する)。一例として、規定時間t1は、37.5msであり、駆動信号の出力時間t2は、16msである。発射制御回路91は、駆動電流を出力する時点Ta5から規定時間t3(一例として37.5ms)にわたって減算基準信号を枠制御基板80へ出力する。
【0177】
発射制御回路91は、発射ソレノイド53へ駆動電流を出力してから規定時間t4(一例として562.5ms)が経過した時点Ta6において、発射条件が成立していることから、時点Ta6から規定時間t1が経過した時点Ta7において、駆動電流を発射ソレノイド53に供給する。発射制御基板90(発射制御回路91)は、駆動電流を供給する時点Ta7から規定時間t3にわたって減算基準信号を枠制御基板80へ出力する。
【0178】
そして、規定時間t4が経過する前の時点Ta8において、発射停止ボタン15cが押し込まれてストップ信号がオン状態に遷移したとする。つまり、第4条件が非成立となる。その後、発射ソレノイド53へ駆動電流を供給してから規定時間t4が経過した時点Ta9では、発射条件が非成立となる。この場合、発射制御回路91は、時点Ta9から規定時間t1が経過した時点Ta10において、駆動電流を発射ソレノイド53に供給する。このときの駆動電流の電圧は、時点Ta10におけるボリューム信号の電圧に応じた電圧となる。つまり、発射ハンドル15の操作量を参照して発射装置50による発射動作の強度が設定される。また、発射制御回路91の保持回路は、このときのボリューム信号の電圧値を新たに保持する。一方、発射制御回路91は、時点Ta10において、減算基準信号を枠制御基板80へ出力しない(図中に破線で示す)。
【0179】
以降、ストップ信号がオン状態のままであると、前回の駆動電流の供給から規定時間t4が経過する時点Ta11,Ta13にて発射条件が成立しない。このため、発射制御回路91は、時点Ta11,Ta13からそれぞれ規定時間t1が経過する時点Ta12,Ta14にて駆動電流を供給する一方、減算基準信号を出力しない(図中に破線で示す)。このときの駆動電流の電圧は、時点Ta12,Ta14におけるボリューム信号の電圧に応じた電圧となる。発射制御回路91の保持回路は、それぞれの時点Ta12,Ta14におけるボリューム信号の電圧値を新たに保持する。つまり、保持回路は、発射シーケンスにおける発射動作ごとに、最新のボリューム信号の電圧を記憶する。このような構成により、発射ソレノイド53は、発射周期t5ごとに駆動することとなる。そして、発射周期t5を基準として規定時間t1だけ前のタイミングにおいて、発射条件が成立しているか否かが判定される。発射ソレノイド53の駆動タイミング(発射周期t5)を基準として規定時間t1前のタイミングは、発射条件が成立しているか否かを判定する判定タイミングとなる。発射周期t5は、規定時間t1と規定時間t4の和に等しい。一例として、発射周期t5は、600msである。
【0180】
枠制御基板80の制御について説明する。
図13に示すように、時点Tb1において、枠制御基板80のCPU81は、発射ソレノイド53の駆動に応じて減算基準信号がオン状態に遷移すると、規定時間t2aが経過する時点Tb2において、供給出口信号がオン状態であるか否かを判定する。発射ソレノイド53の駆動タイミング(発射周期t5)を基準として規定時間t2aが経過するタイミングは、供給条件が成立しているか否かを判定する判定タイミングとなる。ここでは、供給出口信号がオフ状態であるから、CPU81は、供給条件が成立していると判定し、規定時間t6(一例として75ms)にわたって供給ソレノイド43に駆動電流を供給し、供給ソレノイド43を駆動させ、可動片42を停止位置42P1へ変位させる。つまり、可動片42は、規定時間t6にわたって停止位置42P1に保持される。これにより、受入通路41aにある遊技球が可動片42の保持部42aに流入する。本実施形態において、規定時間t2aは、発射ソレノイド53の駆動時間である出力時間t2と等しい長さの時間(一例として16ms)である。よって、発射ソレノイド53(発射ハンマー52)の駆動が終了するタイミングにて、供給ソレノイド43が駆動される。
【0181】
時点Tb3において、供給入口センサD22からの供給入口信号がオフ状態→オン状態のように遷移し、その後にオン状態→オフ状態のように遷移する。枠制御基板80のCPU81は、供給入口信号がオフ状態からオン状態となると、遊技球の供給を検知し、RAM83に記憶させている遊技球数を減算する。遊技球数表示装置17では、時点Tb3において、表示中である遊技球数が1減少する。
【0182】
CPU81は、規定時間t6が経過すると、供給ソレノイド43に対する駆動電流の供給を停止し、供給ソレノイド43の駆動を終了して可動片42を供給位置42P2へ変位させる。これにより、可動片42の保持部42aに保持された遊技球が供給通路44aに放出される。供給通路44aに放出された遊技球は、供給通路44aを流下し、時点Tb4にて供給出口センサD23に検知され、供給出口信号がオフ状態→オン状態→オフ状態のように遷移する。
【0183】
CPU81は、減算基準信号がオン状態に遷移した時点Tb1から、発射周期t5が経過する時点Tb5にて、発射ソレノイド53の駆動に伴い減算基準信号がオン状態に遷移すると、規定時間t2aが経過する時点Tb6にて供給ソレノイド43(可動片42)を駆動する。そして、CPU81は、時点Tb7にて、供給入口センサD22からの供給入口信号の遷移に基づき遊技球数を減算し、減算後の遊技球数を遊技球数表示装置17に表示させる。その後、時点Tb8にて、遊技球が供給出口センサD23に検知される。
【0184】
以上のように、発射条件が成立しているとき、発射制御基板90(発射制御回路91)は、発射ソレノイド53が駆動することに応じて供給信号の一例として減算基準信号を出力する。枠制御基板80は、減算基準信号に基づいて供給装置40(供給ソレノイド43)に供給動作を行わせる。そして、減算基準信号の出力時間(一例として37.5ms)と発射ソレノイド53の駆動時間(一例として16ms)とは長さが異なる構成である。また、減算基準信号の出力時間(一例として37.5ms)と、供給ソレノイド43の駆動時間(一例として75ms)とは長さが異なる。
【0185】
供給出口センサD23によって球詰りを検知した場合の動作について説明する。
図14に示すように、時点Tc1にて、発射ソレノイド53の駆動に伴い減算基準信号がオン状態に遷移したとする。CPU81は、減算基準信号がオン状態に遷移した時点Tc1から規定時間t2aが経過する時点Tc2にて、供給条件が成立しているか否かを判定する。ここでは、供給規制フラグがRAM83に記憶されておらず、且つ供給出口信号がオフ状態であることにより、供給条件が成立しているから、CPU81は、供給ソレノイド43を駆動する。供給規制フラグは、供給通路44aにおける球詰り(以下、供給通路球詰りと示す)が発生していることを特定可能な情報である。CPU81は、時点Tc3にて、供給入口センサD22からの供給入口信号の遷移に基づき遊技球数を減算し、減算後の遊技球数を遊技球数表示装置17に表示させる。
【0186】
時点Tc4にて、遊技球が供給出口センサD23に検知され、供給出口信号がオン状態に遷移したとする。そして、何らかの要因により、遊技球が供給通路44aにて詰まってしまい、オン状態からオフ状態に遷移しなくなったものとする。なお、本実施形態の一例において、供給通路44aは、可動片42がある部分(保持部42a)と発射位置51aとを繋ぐ通路であって、且つ屈曲する部分を有しない直線状又は略直線状の通路である。つまり、供給通路44aは、球詰りが発生し難く、仮に球詰りが発生しても発射ソレノイド53の駆動による振動などによって比較的容易に解消し得るように構成される。
【0187】
その後、時点Tc5にて、発射ソレノイド53の駆動に伴い減算基準信号がオン状態に遷移し、規定時間t2aが経過して判定タイミングが到来したとする。CPU81は、供給規制フラグが設定されていないものの、供給出口センサD23からの供給出口信号がオン状態となっているから、供給条件が成立していないと判定し、特殊制御を開始する。このような状況は、供給ソレノイド43を駆動させようとするときに、供給通路球詰りが発生している可能性が高い。CPU81は、供給規制フラグをRAM83に記憶させる。供給規制フラグを設定中、CPU81は、減算基準信号を入力しても、供給ソレノイド43に対して駆動電流を供給せず、供給ソレノイド43を駆動させない。CPU81は、遊技球数を減算せず、遊技球数表示装置17にて表示される遊技球数も変化しない。時点Tc5から発射周期t5が経過する時点Tc7,Tc8についても同様の動作となる。
【0188】
時点Tc9にて、供給通路44aにおける球詰りが解消し、供給出口信号がオフ状態に遷移したとする。CPU81は、時点Tc10にて減算基準信号を入力し、規定時間t2aが経過する時点Tc11にて判定タイミングが到来すると、供給条件が成立したか否かを判定する。ここでは、供給規制フラグが設定されており、且つ供給出口信号がオフ状態であるから、CPU81は、RAM83に記憶されている供給条件の成立回数に1加算する一方、供給ソレノイド43に対して駆動電流を供給せず、供給ソレノイド43を駆動させない。
【0189】
CPU81は、時点Tc12にて減算基準信号を入力し、規定時間t2aが経過する時点Tc13にて判定タイミングが到来すると、供給条件が成立したか否かを判定する。ここでは、供給規制フラグが設定されており、且つ供給出口信号がオフ状態であるから、CPU81は、RAM83に記憶されている供給条件の成立回数に1加算する一方、供給ソレノイド43に対して駆動電流を供給せず、供給ソレノイド43を駆動させない。CPU81は、供給条件の成立回数が所定回数(一例として2回)になると、RAM83に記憶されている供給規制フラグを消去する。つまり、CPU81は、特殊制御を終了する。CPU81は、供給規制フラグを設定中、判定タイミングにて供給出口信号がオン状態であるとき、RAM83に記憶している供給条件の成立回数が0であれば当該成立回数に加算せず、1以上であれば成立回数を0にリセットする。
【0190】
CPU81は、時点Tc14にて減算基準信号を入力し、規定時間t2aが経過する時点Tc15にて判定タイミングが到来すると、供給条件が成立したか否かを判定する。ここでは、供給規制フラグが設定されておらず、且つ供給出口信号がオフ状態であるから、CPU81は、供給ソレノイド43を駆動する。そして、CPU81は、時点Tc16にて、供給入口センサD22からの供給入口信号の遷移に基づき遊技球数を減算し、減算後の遊技球数を遊技球数表示装置17に表示させる。時点Tc17にて、供給通路44aを流下する遊技球が供給出口センサD23によって検知され、供給出口信号が正常にオン状態になる。時点Tc1,Tc5,Tc7,Tc10,Tc12,Tc14において発射ソレノイド53に供給される駆動電流の電圧は、その時点におけるボリューム信号の電圧に応じた電圧である。つまり、発射ハンドル15の操作量を参照して発射装置50による発射動作の強度が設定される。発射制御回路91の保持回路は、それぞれの時点において入力しているボリューム信号の電圧値を新たに保持する。
【0191】
以上のように、本実施形態の一例では、発射シーケンスの実行中、予め定めた特殊エラーが発生すると、供給装置40による供給動作を制限した状態にて、発射装置50による発射動作を行わせる特殊制御(特殊シーケンス)が行われる。CPU81による特殊制御を実行中、発射制御基板90では、発射ハンドル15の操作量を参照して発射装置50による発射動作の強度が制御される。本実施形態において、この特殊エラーは、供給装置40(供給通路44a)における球詰りエラーである。
【0192】
そして、特殊制御(特殊シーケンス)は、供給出口信号がオフ状態となって、供給通路球詰りが解消されても、供給出口信号がオフ状態であることを連続して所定回数(一例として2回)にわたって判定しなければ解除されない。CPU81は、供給通路球詰りが発生しても、性能表示モニタ84及び遊技球数表示装置17においてエラーコードの表示を行わせないが、これに限らず、エラーコードの表示を行わせる構成であってもよい。CPU81は、供給規制フラグの設定中、供給出口信号がオフ状態であることを2回以上である特定回数にわたって判定すると、エラーコードの表示を行わせる構成であってもよい。
【0193】
発射制御基板90は、上述した発射シーケンスを実行中、特定の条件(第1条件、第2条件、及び第3条件)が成立しなくなることで発射条件が成立しなくなると、発射ソレノイド53を駆動させつつ減算基準信号を出力しないように構成されている。つまり、発射制御回路91は、空打ちさせるための一連の動作(以下、空打ちシーケンスと示す)を実行する。以下、空打ちシーケンスの一例について説明する。
【0194】
図15に示すように、発射制御回路91は、時点Te1にて発射条件の成立に基づき発射ソレノイド53へ駆動電流を供給し、発射ソレノイド53を駆動させ、減算基準信号を枠制御基板80へ出力する。枠制御基板80は、減算基準信号を入力後、時点Te2にて供給ソレノイド43を駆動し、遊技球を発射位置51aへ移動させる。
【0195】
時点Te3にてタッチ信号がオフ状態(第2条件が非成立)となり、遊技球の発射条件が成立しなくなったものとする。この場合、発射制御回路91は、判定タイミングである時点Te4aにて発射条件が成立しなくなっていることから、発射シーケンスを終了し、空打ちシーケンスを開始する。発射制御回路91の保持回路では、前回の時点Te1におけるボリューム信号の電圧値が保持されている。そして、時点Te1から発射周期t5が経過する時点Te4にて、発射制御回路91は、発射ソレノイド53に対して駆動電流を供給する一方、減算基準信号を枠制御基板80へ出力しない。このときの駆動電流の電圧は、保持回路に保持されている電圧値、つまり、前回の発射動作を行った時点Te1におけるボリューム信号の電圧に応じた電圧である。また、時点Te4では、減算基準信号が出力されないため、供給ソレノイド43が駆動されない。
【0196】
その後、空打ちシーケンスは、判定タイミングが到来する時点Te5a,Te6aにて発射条件が成立しないことで継続される。空打ちシーケンスでは、前回の発射ソレノイド53の駆動から発射周期t5が経過する時点Te5,Te6において発射ソレノイド53が駆動される一方、それぞれの時点において減算基準信号が枠制御基板80へと出力されない。このときの駆動電流の電圧は、保持回路に保持されている電圧値に応じた電圧である。空打ちシーケンスは、3回の発射ソレノイド53の駆動が実行されると終了する。つまり、空打ちシーケンスとしての3回目の発射ソレノイド53の駆動が行われる時点Te6から、発射周期t5が経過する時点Te7では、発射ソレノイド53の駆動が行われない。
【0197】
本実施形態において、時点Te4~Te6における3回の空打ちにおいて、発射ソレノイド53に供給される駆動電流の電圧は、発射シーケンスにおける最後の発射動作を行ったときに入力しているボリューム信号の電圧に応じた電圧であって、発射制御回路91の保持回路にて保持されている電圧値である。空打ちシーケンスでは、その時点において入力しているボリューム信号の電圧ではなく、保持回路が保持している電圧値に基づいて発射動作の強度が制御される。なお、空打ちシーケンスでは、発射装置50に発射動作を行わせても保持回路に記憶されている電圧値を更新しない。
【0198】
このように、空打ちシーケンスでは、複数回の発射動作が行われ、空打ちシーケンスにおける複数回の発射動作のうち初回の発射動作の強度は、空打ちシーケンスが行われる直前の発射シーケンスにおける最後の発射動作と同じ強度又は略同じ強度である。さらに、空打ちシーケンスにおける複数回の発射動作のうち2回目以降の発射動作の強度は、空打ちシーケンスが行われる直前の発射シーケンスにおける最後の発射動作と同じ強度又は略同じ強度である。
【0199】
空打ちシーケンスでは、減算基準信号が枠制御基板80へと出力されないことによって、供給装置40による遊技球の供給動作が規制されることとなる。本実施形態の空打ちシーケンスでは、発射ソレノイド53が最大で3回駆動する、つまり発射装置50の発射動作が最大で3回行われる内容である。以上のように、本実施形態では、第1条件、第2条件、第3条件、及び第4条件のうち少なくとも1つである特定の条件が満たされなくなり、発射条件が成立しなくなると、供給装置40による供給動作を制限した状態にて、発射装置50による発射動作を行わせる特別制御(特別の発射動作)の一例として空打ちシーケンスが行われる。
【0200】
また、パチンコ遊技機10では、発射シーケンスの実行中、所定のエラーの一例である第1扉開放エラー及び供給入口センサエラーのうち少なくとも一方が発生すると、発射禁止状態となり、発射許可信号がオフ状態に遷移する。つまり、第1条件が非成立となって、発射条件も成立しなくなるため、発射シーケンスが終了して空打ちシーケンスに移行することとなる。一方、発射シーケンスの実行中、第2扉開放エラーなど他のエラーが発生しても、発射許容状態のままであるから、発射許可信号がオン状態に維持される。つまり、発射シーケンスは、これらエラーの発生に基づいて終了されずに継続される。第1扉開放エラー及び供給入口センサエラーとは異なる他のエラーは、第1エラーの一例である。
【0201】
図16には、
図15と同じ状況のもとで空打ちシーケンスを実行中、時点Te10にて、タッチ信号がオン状態に遷移(第2条件が成立)し、遊技球の発射条件が成立した状況を示す。この場合、発射制御回路91は、時点Te4における前回の発射ソレノイド53の駆動から規定時間t4が経過する時点Te11(判定タイミング)にて、発射条件が成立したと判定し、発射シーケンスに切り替える。発射制御回路91は、時点Te11から規定時間t1が経過する時点Te5にて、発射ソレノイド53に駆動電流を供給するとともに、減算基準信号を枠制御基板80へ出力する。時点Te5において発射ソレノイド53に供給される駆動電流の電圧は、その時点におけるボリューム信号の電圧に応じた電圧である。枠制御基板80は、減算基準信号に基づいて供給ソレノイド43を駆動させる。
【0202】
発射制御回路91は、時点Te5における前回の発射ソレノイド53の駆動から発射周期t5が経過する時点Te6にて、発射ソレノイド53に駆動電流を供給するとともに、減算基準信号を枠制御基板80へ出力する。枠制御基板80は、減算基準信号に基づいて供給ソレノイド43を駆動させる。以降、発射制御回路91は、発射シーケンスを繰り返し実行する。このように、本実施形態の発射制御回路91は、空打ちシーケンスを実行中であっても、判定タイミングにて遊技球の発射条件が成立していることを判定すると、次回の発射ソレノイド53の駆動を発射シーケンスに切り替えて行うようになっている。
【0203】
以上のように、第1条件及び第4条件が満たされている一方、第2条件、及び第3条件の少なくとも一方が満たされていないことにより空打ちシーケンスが行われているとき、第2条件、及び第3条件が満たされることにより発射条件が成立すると、空打ちシーケンスが途中で終了して発射シーケンスが行われる。また、本実施形態において、発射シーケンスでは、当該発射シーケンスを行っているときの発射ハンドル15の操作量を参照して発射装置50による発射動作の強度が制御される。一方、空打ちシーケンスでは、当該空打ちシーケンスを行っているときの発射ハンドル15の操作量を参照せずに発射装置50による発射動作の強度が制御される。
【0204】
ここで、仮に、第2条件又は第3条件の非成立に基づき空打ちシーケンスを実行中、第1扉開放エラー及び供給入口センサエラーの少なくとも一方が発生し、さらに第1条件が非成立になったものとする。この場合、発射制御回路91は、新たに発射許可信号がオフ状態となるものの、動作可能条件が非成立である状況には違いがなく、新たな動作を行わない。よって、発射制御回路91では、新たに第1条件が非成立となっても、実行中の空打ちシーケンスを終了せず、継続させることとなる。つまり、パチンコ遊技機10は、空打ちシーケンスが行われているとき、特定のエラーの発生に基づいて終了されずに継続される構成である。第1扉開放エラー及び供給入口センサエラーは、特定のエラー及び第2エラーの一例である。また、特定のエラーには、鉄球検知エラーが含まれる。前述のように、鉄球検知エラーは、磁性を有する遊技球が検知されることである。
【0205】
発射制御回路91では、空打ちシーケンスが行われているときに、データから特定される遊技球の個数が所定数未満(一例として遊技球数=0)になっても、空打ちシーケンスが継続される。具体的に、発射制御回路91は、空打ちシーケンスの実行中、仮に、計数スイッチ18の操作によって計数情報が出力されることに伴い遊技球数が0になっても、動作可能条件が非成立である状況には違いなく、新たな動作を行わない。つまり、発射制御回路91は、空打ちシーケンスを実行中、遊技球数が0になっても、空打ちシーケンスを継続する。本実施形態の一例では、空打ちシーケンスが行われているときに、データから特定される遊技球の個数が所定数未満になっても、空打ちシーケンスが継続される。
【0206】
発射制御回路91では、空打ちシーケンスが行われているときに、発射条件が成立すれば、次回の判定タイミングの直後から発射シーケンスに移行する。つまり、特殊エラーとは異なるエラーの発生によって空打ちシーケンスが行われているとき、当該エラーが解消すると空打ちシーケンスが終了し、発射シーケンスが再開される。上述のように、特殊制御(特殊シーケンス)では、供給通路球詰りが解消しても、少なくとも2回の発射動作が完了しなければ供給ソレノイド43が駆動されず、遊技球が発射されない。つまり、実質的に発射シーケンスに移行しない。
【0207】
図17には、
図15に示す状況において、空打ちシーケンスの実行中、時点Te4が経過した時点Te21にて、外部からの電力供給が遮断された状況を示す(図中において電源断と示す)。
【0208】
この場合、時点Te21において、枠側電源断処理及びメイン側電源断処理が実行され、RAM63,83の記憶内容が保持される。時点Te21では、発射停止信号がオン状態となり、これに応じて発射許可信号がオフ状態となる。上述のように、バックアップ電源89は、外部からの電力供給が遮断されてから供給時間TAにわたり、発射制御基板90及び発射装置50(発射ソレノイド53)に対してバックアップ電力を供給する。ここで、供給時間TAは、発射周期t5と同じ長さ、又は僅かに長い時間に設定されている。よって、発射制御回路91は、時点Te21において電源断が発生した後、供給時間TAが経過する時点Te22までの間に、発射装置50による少なくとも1回の発射動作が完了する迄は空打ちシーケンスを継続できる。つまり、発射制御回路91は、電源断が発生した時点Te21が経過した時点Te5において、発射ソレノイド53に対して駆動電力を供給するとともに、減算基準信号を枠制御基板80へ出力しない。その後、時点Te6では、バックアップ電力の供給が既に停止しているから、発射ソレノイド53に対して駆動電流が供給されない(図中において破線で示す)。
【0209】
時点Te23にて、外部からの電力供給が再開されたものとする(図中において電源投入と示す)。この場合、電源投入から開始される発射周期t5が到来する時点Te24において、発射制御回路91は、電力供給の遮断により途中で終了した空打ちシーケンスを再開させない(図中において破線で示す)。発射制御回路91は、実行中であるシーケンスの進行状況を示す情報をバックアップするようには構成されていないからである。発射制御回路91は、新たに遊技球の発射条件が成立すると、当該発射条件の成立に基づいて遊技球の発射シーケンスを実行することとなる。また、主制御基板60及び枠制御基板80は、バックアップされた各種の情報に基づいて復帰し、それぞれの通常処理を実行することとなる。つまり、枠制御基板80は、バックアップされている遊技球の個数(遊技球数及び循環球数)を各種信号に基づいて更新(加算及び減算)したり、遊技球数表示装置17などに表示させたりする処理を再開できる。このように、本実施形態では、空打ちシーケンスが行われている期間中、当該空打ちシーケンスが外部からの電力供給の遮断によって途中で終了されると、当該途中で終了された空打ちシーケンスは、外部からの電力供給が開始された後には再開されない。一方、パチンコ遊技機10(枠制御基板80)は、外部からの電力供給の遮断によって途中で更新が終了された遊技球の個数から遊技に関する制御を再開可能に構成されている。
【0210】
図18には、
図15に示す状況において、発射シーケンスの実行中、時点Te1が経過した時点Te31にて、外部からの電力供給が遮断された状況を示す(図中において電源断と示す)。この場合、時点Te31において、枠側電源断処理及びメイン側電源断処理が実行され、RAM63,83の記憶内容が保持される。時点Te31では、主制御基板60が枠制御基板80に出力する発射停止信号がオン状態となり、これに応じて枠制御基板80が出力する発射許可信号がオフ状態となる。
【0211】
バックアップ電源89は、外部からの電力供給が遮断されてから供給時間TAにわたり、発射制御基板90及び発射ソレノイド53に対してバックアップ電力を供給する。ここで、供給時間TAは、発射周期t5と同じ長さ、又は僅かに長い時間に設定されている。よって、発射制御回路91は、時点Te31において電源断が発生した後、供給時間TAが経過する時点Te32までの間に、空打ちシーケンスへ移行するとともに、発射装置50による少なくとも1回の発射動作を完了することができる。つまり、発射制御回路91は、電源断が発生した時点Te31が経過した時点Te4において、発射ソレノイド53に対して駆動電力を供給するとともに、減算基準信号を枠制御基板80へ出力しない。その後、時点Te5,Te6では、バックアップ電力の供給が既に停止しているから、発射ソレノイド53に対して駆動電流が供給されない(図中において破線で示す)。
【0212】
その後、時点Te33にて、外部からの電力供給が再開されたものとする(図中において電源投入と示す)。この場合、
図17で説明した状況と同様に、発射制御回路91は、電力供給の遮断により途中で終了した空打ちシーケンスを再開させない。発射制御回路91は、新たに遊技球の発射条件が成立すると、当該発射条件の成立に基づいて遊技球の発射シーケンスを実行することとなる。以上のように、本実施形態では、発射シーケンスが行われている期間、及び空打ちシーケンスが行われている期間のうち少なくとも一方において、外部からの電力供給が遮断された場合であっても、発射装置50は、外部からの電力供給が遮断された後に少なくとも1回の発射動作を可能である。
【0213】
図12を参照し、発射条件が非成立になるタイミングと、空打ちシーケンスが開始されるタイミングとの関係について説明する。ここでは、繰り返される発射シーケンスの実行期間のうち、時点Ta7から時点Ta10までの期間に注目して説明する。以下の説明では、特定の条件(第1条件、第2条件、及び第3条件)が成立せず、発射条件が非成立である期間を「非成立期間TN」と示す。
【0214】
時点Ta6の経過後に開始された非成立期間TNが次の判定タイミング(時点Ta9)に到達する迄の間に終了する場合、当該非成立期間TNに発射ソレノイド53の駆動期間(出力時間t2)の一部又は全部が含まれるときには、時点Ta9の次に発射周期t5が到来する時点Ta10から空打ちシーケンスが開始されない。つまり、発射シーケンスが継続される。また、判定タイミング(時点Ta9)の経過後に開始された非成立期間TNが、次に発射ソレノイド53が駆動される時点Ta10が到来する迄の間に終了する場合には、時点Ta10から空打ちシーケンスが開始されない。つまり、発射シーケンスが継続される。
【0215】
一方、時点Ta6の経過後に開始された非成立期間TNに判定タイミング(時点Ta9)が含まれる場合には、当該非成立期間TNに発射ソレノイド53の駆動期間(出力時間t2)が含まれるとき、及び含まれないときの何れであっても、時点Ta9の次に発射周期t5が到来する時点Ta10から空打ちシーケンスが開始される。つまり、発射シーケンスが継続されない。
【0216】
本実施形態の効果について説明する。
(1-1)本実施形態によれば、第1条件、第2条件、第3条件、及び第4条件のうち少なくとも1つである特定の条件が満たされなくなることにより、遊技球の供給動作及び発射動作を行う「発射条件」が成立しなくなると、供給動作を制限した状態にて発射動作(所謂、空打ち)が行われる。これにより、データ上、遊技球の個数の減算が行われたにも関わらず、遊技球が発射されていない状況が発生することを抑制できる。よって、遊技球の個数に関するデータの信頼性を向上できる。
【0217】
(1-2)本実施形態によれば、外部からの電力供給が遮断されても、バックアップ電力によって、空打ちシーケンスとしての発射動作のうち少なくとも一方が可能である。よって、データ上、遊技球の個数の減算が行われたにも関わらず、遊技球が発射されていない状況が発生することをさらに抑制できる。
【0218】
(1-3)本実施形態によれば、バックアップ電源89によって電力供給が可能であるから、外部からの電力供給が遮断されても「空打ち」を実行できる。
(1-4)本実施形態によれば、発射位置51aに未発射の遊技球が存在する場合、当該遊技球は、空打ちシーケンスにおける少なくとも1回目の発射動作によって、発射シーケンスにおける最後の発射動作と同じ又は略同じ強度にて発射される。よって、遊技者の意図しない強度にて遊技球が発射されることを抑制できる。
【0219】
(1-5)本実施形態によれば、発射位置51aに未発射の遊技球が存在する場合、当該遊技球は、空打ちシーケンスにおける2回目以降の発射動作によって、発射シーケンスにおける最後の発射動作と同じ又は略同じ強度にて発射される。よって、遊技者の意図しない強度にて遊技球が発射されることを抑制できる。
【0220】
(1-6)本実施形態によれば、空打ちシーケンスの実行中、第2条件及び第3条件を満たすことにより発射条件が成立すると、速やかに遊技球の発射を再開できる。したがって、遊技者に対し、遊技球が発射されないことに対するストレスを感じさせ難くできる。
【0221】
(1-7)本実施形態によれば、性能表示モニタ84にてエラー報知を行う。よって、エラーを報知する手段を性能表示モニタ84とは別に専用で設ける必要がなく、パチンコ遊技機10の構成を簡単にできる。
【0222】
(1-8)本実施形態によれば、機裏側の性能表示モニタ84におけるエラーの報知と、機表側の遊技球数表示装置17におけるエラーの報知とは、開始タイミングが同じ又は略同じである。よって、搭載枠11bが開放状態及び閉鎖状態の何れであっても、同じタイミングにてエラー報知を把握させることができる。
【0223】
(1-9)本実施形態によれば、第1扉開放エラー及び供給入口センサエラーとは異なる他のエラーが発生しても発射シーケンスが中断されないから、空打ちシーケンス(空打ち)が必要となる状況の発生を抑制できる。
【0224】
(1-10)本実施形態によれば、空打ちシーケンスの実行中、新たに第1扉開放エラー及び供給入口センサエラーが発生しても空打ちシーケンスが中断されないから、未発射の遊技球が存在していたとしても、当該遊技球を確実に発射することができる。よって、遊技球の個数に関するデータの信頼性をさらに向上できる。
【0225】
(1-11)本実施形態によれば、遊技に使用された遊技球、又は遊技に使用できなかった遊技球(所謂、ファール球)の検知に基づいて、データとして記憶されている遊技球の個数(循環球数)が加算される。よって、遊技球の個数に関するデータの信頼性をさらに向上できる。
【0226】
(1-12)本実施形態によれば、空打ちシーケンスでは、発射ハンドル15の操作量に応じて生成されるボリューム信号の電圧ではなく、発射制御回路91の保持回路に保持された電圧値に基づいて、発射動作の強度が制御される。よって、遊技者の意図しない強度にて遊技球が発射されることをより確実に抑制できる。
【0227】
(1-13)本実施形態によれば、発射動作の強度を制御するにあたり、空打ちシーケンスでは、発射ハンドル15の操作量(ボリューム信号の電圧)が参照されない。よって、空打ちシーケンスでは、発射ハンドル15の操作量とは異なる強度にて遊技球を発射することが可能となる。つまり、発射ハンドル15の操作量とは関係なく、空打ちをそのときの状況に適した強度にて行うことができる。
【0228】
(1-14)本実施形態によれば、特殊エラー(一例として供給装置40における球詰りエラー)が発生しているときは、発射ハンドル15の操作量(ボリューム信号の電圧)が参照された状態にて特殊シーケンスによる空打ちが行われる。よって、特殊エラーが解消されたときから、速やかに発射ハンドル15の操作量に応じた強度にて遊技球を発射できる。
【0229】
(1-15)本実施形態によれば、特殊シーケンスにより、供給装置40における球詰りの発生に応じて空打ちを行うことができるとともに、球詰りの解消の直後から、発射ハンドル15の操作量に応じた強度にて遊技球を発射できる。
【0230】
(1-16)本実施形態によれば、所定のエラー(一例として供給入口センサエラー及び第1扉開放エラー)が発生すると、発射条件が成立しなくなるから、所定のエラーが発生しているにも関わらず、遊技球が発射され続けてしまうことを抑制できる。そして、このような状況であっても、所謂「空打ち」を実施することから、遊技球の個数に関するデータの信頼性をさらに向上できる。
【0231】
(1-17)本実施形態によれば、外部からの電力供給が遮断されると、発射条件が成立しなくなるから、外部からの電力供給の遮断に際して、遊技球の発射を速やかに停止できる。そして、このような状況であっても、所謂「空打ち」を実施することから、遊技球の個数に関するデータの信頼性をさらに向上できる。
【0232】
(1-18)本実施形態によれば、外部からの電力供給が遮断されると、主制御基板60が発射停止を指示する信号出力状態(発射停止信号がオン状態)となり、枠制御基板80が発射不許可を指示する信号出力状態(発射許可信号がオフ状態)となり、発射条件が成立しない状態となる。したがって、主制御基板60、及び枠制御基板80の動作に連動して遊技球の発射を停止できることから、制御基板同士の連動に齟齬が生じることを抑制できる。
【0233】
(1-19)本実施形態によれば、空打ちシーケンスを行っているときに特定のエラーが発生しても、空打ちシーケンスを中断することなく所謂「空打ち」を実施できることから、遊技球の個数に関するデータの信頼性をさらに向上できる。
【0234】
(1-20)本実施形態によれば、特定のエラーは、磁性を有する遊技球が検知されることである。磁性を有する遊技球は、磁石を用いてその挙動に影響を与えるゴト行為が可能であるものの、発射動作や供給動作が不能とまでは言えない。本実施形態では、磁性を有する遊技球が検知されることをエラーとしつつも、遊技球の発射及び所謂「空打ち」を可能とし、エラーの検知と遊技者の利益のバランスをとることができる。
【0235】
(1-21)本実施形態によれば、遊技球数表示装置17にて遊技球の個数(遊技球数)を報知可能であるとともに、この遊技球数表示装置17は、エラーを報知する手段としても兼用されている。よって、遊技球の個数とエラーとを1つの手段にて簡便に把握させ得る。
【0236】
(1-22)本実施形態によれば、データから特定される遊技球数が所定数未満になると、発射条件が成立しなくなるから、遊技球数が所定数未満になるに際して、遊技球の発射を速やかに停止できる。そして、このような状況であっても、所謂「空打ち」を実施することから、遊技球の個数に関するデータの信頼性をさらに向上できる。
【0237】
(1-23)本実施形態によれば、データから特定される遊技球の個数が所定数未満になると、枠制御基板80が発射不許可を指示する信号出力状態(発射許可信号がオフ状態)となり、発射条件が成立しない状態となる。したがって、枠制御基板80の動作に連動して遊技球の発射を停止できることから、制御基板同士の連動に齟齬が生じることを抑制できる。
【0238】
(1-24)本実施形態によれば、遊技球数表示装置17にて、データから特定可能な遊技球の個数を表示するから、データから特定される遊技球の個数が所定数未満となって遊技球の発射動作が停止されたとき、対処方法を容易に把握できる。
【0239】
(1-25)本実施形態によれば、空打ちシーケンスが行われているときに、データから特定される遊技球の個数が所定数未満となっても、空打ちシーケンスが継続される。よって、遊技球の個数に関するデータの信頼性をさらに向上できる。
【0240】
(1-26)本実施形態によれば、第1条件が満たされない発射禁止状態には、複数種類あることから、様々な状況に応じて発射シーケンスを終了させることができる。そして、何れの状況であっても、所謂「空打ち」を実施することから、遊技球の個数に関するデータの信頼性を好適に向上できる。
【0241】
(1-27)本実施形態によれば、空打ちシーケンスが行われているとき、当該空打ちシーケンスが外部からの電力供給の遮断によって途中で終了されても、外部からの電力供給が開始された後に再開されない。よって、外部からの電力供給が開始されても所謂「空打ち」が再開されないから、外部からの電力供給の開始後の制御の妨げとなってしまうことを抑制できる。
【0242】
(1-28)本実施形態によれば、発射シーケンス又は空打ちシーケンスが行われているとき、外部からの電力供給が遮断された場合であっても、発射装置50は、少なくとも1回の発射動作を可能である。よって、本実施形態によれば、外部からの電力供給が遮断された場合であっても、遊技球が発射されずに残存してしまうことを抑制できる。
【0243】
(1-29)本実施形態によれば、バックアップ電源89は、発射シーケンスにおける発射周期t5が経過する迄はバックアップ電力を供給可能である。よって、外部からの電力供給が遮断された場合であっても、少なくとも1回の発射動作を実行できる。
【0244】
(1-30)本実施形態によれば、第3条件が満たされなくなったときに、空打ちシーケンスを実行する。第3条件が非成立となったときの空打ちシーケンスでは、ボリューム信号のしきい値に対応(略対応)した電圧にて発射ソレノイド53が駆動される。つまり、遊技球は、発射ソレノイド53が駆動可能な最も弱い発射強度にて発射され得る。このため、略全ての遊技球がファール球となるものの、発射位置51aに遊技球が残ってしまうことがなく、遊技球数や循環球数に齟齬が生じることを抑制できる。
【0245】
(1-31)本実施形態によれば、遊技球数表示装置17及び性能表示モニタ84においてエラーコードの表示を開始するタイミングは、演出装置群ESにおいてエラーの報知を開始するタイミングとは異なるタイミングである。よって、エラーの報知手段として、それぞれの配設位置及び報知強度に応じて適切なタイミングにてエラーの報知を開始できる。なお、演出装置群ESによる報知は、知覚に対する訴求力が高く、単なるエラーコードの表示に比して報知強度が低いといえる。
【0246】
(1-32)本実施形態によれば、遊技球数表示装置17及び性能表示モニタ84によるエラーの報知は、演出装置群ESによるエラーの報知に先に実行される。よって、主に管理者を対象としたエラーの報知を先行させ、その後に遊技者にとっても理解し易いエラーの報知を開始できる。
【0247】
(1-33)本実施形態によれば、特殊制御の実行中、供給通路球詰りが解消されても、所定回数(一例として2回)の「空打ち」が行われなければ、特殊制御(特殊シーケンス)が終了しない。よって、供給通路44aや発射位置51aに遊技球が残存しているにもかかわらず、新たな遊技球が供給されてしまうことを抑制できる。
【0248】
(第2実施形態)
第1実施形態のパチンコ遊技機10は、空打ちシーケンスの実行中、遊技球の発射条件が成立すると、判定タイミングにて発射条件が成立したと判定されたときから、空打ちシーケンスを途中で終了して発射シーケンスを開始する。これに対して、第2実施形態のパチンコ遊技機10は、空打ちシーケンスが完了してから発射シーケンスを開始する点で異なる。本実施形態の空打ちシーケンスでは、発射ソレノイド53の駆動回数が2回、つまり発射装置50の発射動作が2回行われる内容である。
【0249】
図19に示すように、空打ちシーケンスの実行中に遊技球の発射条件が再成立しない場合、発射装置50の駆動回数が2回である点を除いて第1実施形態と同様であるので、詳細な説明を省略する。
【0250】
図20に示すように、
図19と同じ状況のもと、時点Te4から空打ちシーケンスを実行中、時点Te10にて、タッチ信号がオン状態に遷移し、遊技球の発射条件が再成立した状況を示す。
【0251】
この場合、発射制御回路91は、時点Te4における前回の発射ソレノイド53の駆動から規定時間t4が経過する時点Te11(判定タイミング)にて、発射条件が成立したと判定するものの、空打ちシーケンスを継続する。つまり、発射制御回路91は、時点Te11から規定時間t1が経過する時点Te5にて、発射ソレノイド53に駆動電流を供給する一方、減算基準信号を枠制御基板80へ出力しない。よって、枠制御基板80は、減算基準信号を入力せず、供給ソレノイド43を駆動させない。
【0252】
発射制御回路91は、時点Te5における前回の発射ソレノイド53の駆動から発射周期t5が経過する時点Te6にて、空打ちシーケンスを終了して発射シーケンスに移行し、発射ソレノイド53に駆動電流を供給するとともに、減算基準信号を枠制御基板80へ出力する。枠制御基板80は、減算基準信号に基づいて供給ソレノイド43を駆動させる。以降、発射制御回路91は、発射シーケンスを繰り返し実行する。このように、本実施形態の発射制御回路91は、空打ちシーケンスを実行中、判定タイミングにて遊技球の発射条件が成立していることを判定しても、空打ちシーケンスが完了するまで発射シーケンスに切り替えない。
【0253】
本実施形態の効果について説明する。
(2-1)本実施形態によれば、空打ちシーケンスの実行中、遊技球の発射条件が成立したとしても、空打ちシーケンスが完了してから発射シーケンスに移行する。つまり、所定回数の空打ちを確実に行うことができる。よって、遊技球の個数に関するデータの信頼性をさらに向上できる。
【0254】
上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・本実施形態において、特殊エラーは、供給通路球詰りであったが、これに限らず、CPU81にて検知(設定)可能なエラーのうち、任意に選択できる1つ又は複数を特殊エラーとし、特殊制御(特殊シーケンス)を実行する構成であってもよい。
【0255】
・本実施形態において、発射制御回路91は、発射ソレノイド53への駆動電流の供給と同じタイミングにて減算基準信号を枠制御基板80に出力したが、これに限らず、発射ソレノイド53への駆動電流の供給が終了するタイミングにて、減算基準信号を枠制御基板80へ出力する構成であってもよい。本変更例によれば、枠制御基板80にて規定時間t2aを計数するためのプログラムが必要ない。
【0256】
・本実施形態において、空打ちシーケンスは、特定の条件として、第1条件、第2条件、又は第3条件を満たさなくなることによって発射条件が非成立となったときに実行したが、これに限らない。空打ちシーケンスは、ストップ信号がオン状態となり、第4条件を満たさなくなったときに実行してもよい。また、空打ちシーケンスは、第1条件を満たさなくなったときに実行しない構成であってもよく、第2条件を満たさなくなったときに実行しない構成であってもよく、第3条件を満たさなくなったときに実行しない構成であってよい。つまり、特定の条件は、第1条件、第2条件、第3条件、及び第4条件のうち、任意に選択できる1又は複数の条件に定めることができる。
【0257】
・本実施形態において、性能表示モニタ84におけるエラーの報知と、遊技球数表示装置17におけるエラーの報知とは、開始タイミングが同じであったが、これに限らず、開始タイミングが異なっていてもよい。例えば、遊技球数表示装置17は、性能表示モニタ84に比して、先にエラーの報知を開始する構成であってもよい。この構成によれば、機表側にて、遊技者等に対して速やかにエラーを把握させることができる。例えば、性能表示モニタ84は、遊技球数表示装置17に比して、先にエラーの報知を開始する構成であってもよい。この構成によれば、管理者が搭載枠11bを開放してメンテナンスを実施している場合など、機表側を視認する遊技者等よりも先に管理者にエラーを把握させることができる。
【0258】
・本実施形態において、遊技球数表示装置17及び性能表示モニタ84においてエラーコードの表示を開始するタイミングは、演出装置群ESにおいてエラーの報知を開始するタイミングとは異なるタイミングであったが、これに限らず、同じ又は略同じタイミングであってもよい。また、遊技球数表示装置17及び性能表示モニタ84においてエラーコードの表示を開始するタイミングは、演出装置群ESにおいてエラーの報知を開始するタイミングよりも先のタイミングであってもよい。
【0259】
・本実施形態において、発射シーケンスの一単位は、発射ソレノイド53の駆動及び減算基準信号の出力を同時期に実行し、供給ソレノイド43を駆動する構成であったが、これに限らない。例えば、発射シーケンスの一単位は、減算基準信号の出力を最初に行い、供給ソレノイド43を駆動し、発射ソレノイド53の駆動(つまり発射)にて終了する構成であってもよい。本変更例によれば、発射シーケンスが遊技球の発射動作を最後に終了する。このため、例えば、発射シーケンスの実行中に電源断が発生しても、バックアップ電力によって発射シーケンスを完了できれば、新たに空打ちシーケンスを実行しなくても、少なくとも1回の発射動作を確保できる。つまり、外部からの電力供給が遮断されても、発射シーケンスとしての発射動作、及び空打ちシーケンスとしての発射動作のうち少なくとも一方が可能に構成されておればよい。
【0260】
・本実施形態において、空打ちシーケンスでは、ボリューム信号の電圧を参照しない構成であったが、これに限らず、空打ちシーケンスに含まれる所定回数の空打ち動作のうち、任意に選択できる一部、又は全部について、その時点におけるボリューム信号の電圧に応じた駆動電流を供給する構成であってもよい。例えば、空打ちシーケンスのうち、2回目以降の発射動作について、ボリューム信号の電圧を参照してもよい。
【0261】
・本実施形態において、発射シーケンスが行われている期間、及び空打ちシーケンスが行われている期間の両方において、発射装置50は、外部からの電力供給が遮断された後に少なくとも1回の発射動作を可能に構成されたが、これに限らない。例えば、バックアップ電源89は、発射シーケンスが行われている期間、及び空打ちシーケンスが行われている期間のうち、任意に選択できる一方の期間でのみ、バックアップ電力を発射制御基板90及び発射ソレノイド53に供給する構成であってもよい。
【0262】
・本実施形態において、発射制御基板90は、発射制御回路91を備えることによって、発射シーケンス及び空打ちシーケンスを実現した。これに限らず、発射制御基板90は、CPUと、ROMと、RAMと、を備え、CPUによる演算処理により、発射シーケンス及び空打ちシーケンスを実行する構成であってもよい。さらに、本変更例において、発射制御基板90のCPUは、外部からの電力供給が遮断されたときに、空打ちシーケンスの進行状況を特定可能な情報をRAMに記憶させ、外部からの電力供給が再投入されたときに、空打ちシーケンスを再開させる構成であってもよい。
【0263】
・本実施形態において、空打ちシーケンスを構成する規定回数(一例として5回)の空打ち動作のうち、予め定めた特定回数(一例として3回)の空打ち動作が完了する前に発射条件が再成立した場合、前記特定回数の空打ち動作が完了してから発射シーケンスに移行する構成であってもよい。本変更例では、前記特定回数の空打ち動作が完了しておれば、発射条件が成立した次の発射動作から空打ちシーケンスを終了し、発射シーケンスを実行するとよい。
【0264】
・本実施形態において、確変機能を搭載したパチンコ遊技機10として、次回の大当り遊技まで高確率状態を付与する仕様、転落抽選に当選するまで高確率状態を付与する仕様(所謂、転落機)、又は規定回数の変動ゲームが終了するまで高確率状態を付与する仕様(所謂、ST機)を採用できる。また、確変機能を搭載したパチンコ遊技機10として、遊技球が特定領域を通過することを条件に高確率状態を付与する仕様(所謂、V確変機)を採用できる。パチンコ遊技機10は、転落機の仕様と、V確変機の仕様と、を混合させた仕様であってもよい。
【0265】
・本実施形態において、特別図柄の当り抽選として、大当り抽選の他、小当り抽選を行うように構成してもよい。当り抽選にて小当りに当選した場合、特別ゲームの終了後に小当り遊技(当り遊技)が付与される。本実施形態において、通常の遊技状態(例えば、低確低入球率状態)に比して、単位時間あたりに小当りに当選する回数(頻度)、又は、単位時間あたりに小当り遊技が付与される回数(頻度)が向上する状態(所謂、小当りRUSH)に制御可能に構成してもよい。
【0266】
・本実施形態において、パチンコ遊技機10として、「羽根もの」、又は「ヒコーキタイプ」ともいわれる第2種に分類される仕様を採用してもよい。この種のパチンコ遊技機では、始動口への遊技球の入球を契機に入球装置(大入賞口)の開閉羽根(開閉部材)が開き、入球装置へ入球した遊技球が特別入賞口へ入球することによって大当り遊技が生起される。
【0267】
・本実施形態において、CPU61、ROM62、RAM63、及び乱数生成回路64は、ワンチップに構成されていてもよい。
・本実施形態において、遊技盤20の具体的な構成は任意に変更してもよい。
【0268】
・本実施形態において、演出制御基板70をサブ統括制御基板とし、演出制御基板70とは別に演出表示装置19を専門に制御する表示制御基板、演出発光装置14を専門に制御する発光制御基板、演出音声装置12を専門に制御する音制御基板を設けてもよい。このようなサブ統括制御基板とその他の演出を制御する基板を含めて副基板としてもよい。また、実施形態において、単一の基板にCPU61、及びCPU71を搭載してもよい。また、表示制御基板、発光制御基板、及び音制御基板を任意に組み合わせて単数又は複数の基板としてもよい。
【0269】
・本実施形態において、所定量の遊技媒体(一例として遊技球)の全部を循環させる遊技機として構成したが、これに限らず、遊技媒体の一部又は全部について、遊技機の外部にある遊技媒体と交換可能な構成であってもよい。
【0270】
次に、上記実施形態及び変更例から把握できる技術的思想について記載する。
(1)前記制御手段は、前記発射機構を制御する発射制御部と、前記供給機構を制御する供給制御部と、を有し、前記発射機構は、遊技球を打撃する打撃部と、前記打撃部が遊技球を打撃するように駆動する発射アクチュエータと、を有し、前記発射条件が成立しているとき、前記発射制御部は、前記発射アクチュエータが駆動することに応じて供給信号を出力し、前記供給制御部は、前記供給信号に基づいて前記供給機構に供給動作を行わせ、前記供給信号の出力時間と前記発射アクチュエータの駆動時間とは長さが異なるとよい。
【0271】
(2)前記供給機構は、遊技球を係止する係止部と、前記係止部による係止を解除して遊技球が前記発射機構へと供給されるように駆動する供給アクチュエータと、を有し、前記供給信号の出力時間と前記供給アクチュエータの駆動時間とは長さが異なるとよい。
【0272】
(3)前記第1条件、及び前記第4条件が満たされている一方、前記第2条件、及び前記第3条件が満たされていないことにより前記特別制御が行われているとき、前記第2条件、及び前記第3条件が満たされることにより前記発射条件が成立すると、前記特別制御が途中で終了して前記通常制御が行われるとよい。
【0273】
(4)遊技球のベースに関する情報を表示可能なベース表示手段を備え、前記ベース表示手段は、エラーを報知する手段として兼用されているとよい。
【符号の説明】
【0274】
10…パチンコ遊技機
15…発射ハンドル
15c…発射停止ボタン
17…遊技球数表示装置
20…遊技盤
20a…遊技領域
40…供給装置
42…可動片
43…供給ソレノイド
50…発射装置
52…発射ハンマー
53…発射ソレノイド
60…主制御基板
63…RAM
80…枠制御基板
83…RAM
84…性能表示モニタ
89…バックアップ電源
90…発射制御基板
91…発射制御回路
D22…供給入口センサ
D23…供給出口センサ