(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-14
(45)【発行日】2023-11-22
(54)【発明の名称】情報処理方法、情報処理プログラム、情報処理装置及び情報処理システム
(51)【国際特許分類】
H04L 67/00 20220101AFI20231115BHJP
G03B 21/00 20060101ALI20231115BHJP
G06K 7/10 20060101ALI20231115BHJP
G06K 19/06 20060101ALI20231115BHJP
【FI】
H04L67/00
G03B21/00 D
G06K7/10 372
G06K7/10 464
G06K19/06 112
(21)【出願番号】P 2020556510
(86)(22)【出願日】2018-11-14
(86)【国際出願番号】 JP2018042157
(87)【国際公開番号】W WO2020100235
(87)【国際公開日】2020-05-22
【審査請求日】2021-11-02
(73)【特許権者】
【識別番号】514318600
【氏名又は名称】コネクトフリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】帝都 久利寿
【審査官】木村 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-021228(JP,A)
【文献】特開2007-179134(JP,A)
【文献】特開2014-016896(JP,A)
【文献】特開2015-011578(JP,A)
【文献】国際公開第2016/031062(WO,A1)
【文献】特開2008-271601(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 67/00
G03B 21/00
G06K 7/10
G06K 19/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1装置の公開鍵に基づいて、前記第1装置のネットワークアドレス全体を生成するステップと、
前記第1装置のネットワークアドレスに関連付けられた2次元パターンを生成するステップと、
前記2次元パターンを前記第1装置の表示部に表示させるステップと、
第2装置の撮像部から前記2次元パターンを示す画像データを取得するステップと、
前記取得された画像データに基づいて前記ネットワークアドレスを特定するステップとを含む、情報処理方法。
【請求項2】
前記ネットワークアドレスを用いて前記第1装置に所定の情報を送信するステップをさらに含む、請求項
1に記載の情報処理方法。
【請求項3】
前記ネットワークアドレスを用いて前記第1装置に前記第2装置の表示画面を示す画像データを送信するステップと、
送信された前記第2装置の表示画面を示す画像データに基づいて前記第2装置の表示画面を前記第1装置の表示部に表示させるステップとをさらに含む、請求項
1または
2に記載の情報処理方法。
【請求項4】
前記第2装置と通信可能に接続された第3装置から前記第3装置の表示画面を示す画像データを受信するステップと、
前記ネットワークアドレスを用いて前記第1装置に前記第3装置の表示画面を示す画像データを送信するステップと、
送信された前記第3装置の表示画面を示す画像データに基づいて前記第3装置の表示画面を前記第1装置の表示部に表示させるステップと、をさらに含む、請求項
1または
2に記載の情報処理方法。
【請求項5】
第1装置のネットワークアドレスに関連付けられた2次元パターンを生成するステップと、
前記2次元パターンを前記第1装置の表示部に表示させるステップと、
第2装置の撮像部から前記2次元パターンを示す画像データを取得するステップと、
前記取得された画像データに基づいて前記ネットワークアドレスを特定するステップと、
前記第2装置と通信可能に接続された第3装置から前記第3装置の表示画面を示す画像データを受信するステップと、
前記ネットワークアドレスを用いて前記第1装置に前記第3装置の表示画面を示す画像データを送信するステップと、
送信された前記第3装置の表示画面を示す画像データに基づいて前記第3装置の表示画面を前記第1装置の表示部に表示させるステップとを含む、情報処理方法。
【請求項6】
前記ネットワークアドレスを用いて前記第1装置に所定の情報を送信するステップをさらに含む、請求項
5に記載の情報処理方法。
【請求項7】
前記第2装置が前記第1装置の付近にいるかどうかを判定するステップと、
前記第2装置が前記第1装置の付近にいる場合に、前記第1装置と前記第2装置との間の通信接続を許可するステップとをさらに含む、請求項1から6のうちいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項8】
前記第2装置が前記第1装置の付近にいるかどうかを判定するステップは、前記第1装置に対するユーザの入力操作に応じて前記第2装置が前記第1装置の付近にいることを判定するステップを含む、請求項7に記載の情報処理方法。
【請求項9】
前記第2装置が前記第1装置の付近にいるかどうかを判定するステップは、前記第1装置と前記第2装置との間の近距離無線通信が確立されたことを判定するステップを含む、請求項7に記載の情報処理方法。
【請求項10】
前記第2装置が前記第1装置の付近にいるかどうかを判定するステップは、
所定の表示情報を前記第1装置の表示部に表示させるステップと、
前記第2装置に対するユーザの入力操作を通じてユーザ入力情報を前記第2装置によって取得するステップと、
前記ユーザ入力情報を前記第2装置から前記第1装置に送信するステップと、
前記送信されたユーザ入力情報と前記所定の表示情報との比較に基づいて、前記第2装置が前記第1装置の付近にいるかどうかを判定するステップとを含む、請求項7に記載の情報処理方法。
【請求項11】
前記所定の表示情報は、ワンタイムパスワードである、請求項10に記載の情報処理方法。
【請求項12】
前記第2装置の構成情報を受信するステップをさらに含む、請求項1から11のうちいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項13】
前記2次元パターンは、1次元又は2次元バーコードである、請求項1から12のうちいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項14】
前記2次元パターンは、複数の分割領域を含み、
前記複数の分割領域の各々は、前記ネットワークアドレスの一部に関連付けられた色情報を有する、請求項1から13のうちいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項15】
前記第1装置は、プロジェクタである、請求項1から14のうちいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項16】
請求項1から15のうちいずれか一項に記載の情報処理方法をコンピュータに実行させるための情報処理プログラム。
【請求項17】
請求項16に記載の情報処理プログラムが保存されたコンピュータ読取可能な記憶媒体。
【請求項18】
少なくとも一つのプロセッサと、
コンピュータ可読命令を記憶するメモリと、
表示部と、
を備えた情報処理装置であって、
前記コンピュータ可読命令が前記プロセッサにより実行されると、前記情報処理装置は、請求項1から13のうちいずれか一項に記載の情報処理方法を実行するように構成されている、情報処理装置。
【請求項19】
表示部を備える第1装置と、撮像部を備える第2装置とを含む情報処理システムであって、
前記第1装置は、
前記第1装置の公開鍵に基づいて、前記第1装置のネットワークアドレス全体を生成し、
前記第1装置のネットワークアドレスに関連付けられた2次元パターンを生成し、
前記2次元パターンを前記表示部に表示させ、
前記第2装置は、
前記撮像部から前記2次元パターンを示す画像データを取得し、
前記取得された画像データに基づいて前記ネットワークアドレスを取得する、情報処理システム。
【請求項20】
表示部を備える第1装置と、撮像部を備える第2装置と、前記第2装置と通信可能に接続された第3装置とを含む情報処理システムであって、
前記第1装置は、
前記第1装置のネットワークアドレスに関連付けられた2次元パターンを生成し、
前記2次元パターンを前記表示部に表示させ、
前記第2装置は、
前記撮像部から前記2次元パターンを示す画像データを取得し、
前記取得された画像データに基づいて前記ネットワークアドレスを取得し、
前記第2装置と通信可能に接続された第3装置から前記第3装置の表示画面を示す画像データを受信し、
前記ネットワークアドレスを用いて前記第1装置に前記第3装置の表示画面を示す画像データを送信し、
前記第1装置は、前記第3装置の表示画面を示す画像データに基づいて前記第3装置の表示画面を前記表示部に表示させる、情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理方法、情報処理プログラム、情報処理装置及び情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年の情報通信技術の発展は目覚ましく、パーソナルコンピュータ、スマートフォンやタブレットだけでなく、自動車、家電、センサ装置等のあらゆるモノ(things)がインターネット等の通信ネットワークに接続されつつある。このように、地球上の数兆個の装置が通信ネットワークに接続されるIoT(Internet of Things)社会が近い将来に到来することが予想されている(特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に開示されているように、現在のIoT技術では、インターネットサービス事業者(ISP)がインターネットに接続される各デバイスのネットワークアドレス(典型にはIPアドレス)を管理している。例えば、所定の装置がインターネットに接続される場合、ISPが当該所定の装置にIPアドレス(特に、グローバルIPアドレス)を割り当てる。その後、当該所定の装置は、ISPによって割り当てられたIPアドレスを用いてインターネット上のWEBサーバにアクセスすることが可能となる。このように、インターネット等の通信ネットワークに装置を接続させる場合では、ISP等のIPアドレスを管理する事業者の介入が必要となっている。
【0005】
装置A及び装置Bのうちどちらか一方が他方のIPアドレスを知ることができれば、装置Aと装置Bとの間の通信が確立される。このように、装置Aと装置Bとが互いに通信可能に接続されるためには、装置Aと装置Bのうちの少なくとも一方が他方のIPアドレスを事前に把握していなくてはならない。
【0006】
この点において、装置Aのユーザは、装置BのIPアドレスを把握した上で、装置BのIPアドレスを装置Aに手動で入力することが考えられる。しかしながら、装置BのIPアドレスを把握した上で当該装置BのIPアドレスを装置Aに手動で入力する作業は非常に手間がかかる作業となる。上記観点より、ユーザの利便性をさらに改善できる余地がある。
【0007】
本開示は、装置間の通信接続におけるユーザの利便性を向上させることが可能な情報処理方法、情報処理プログラム、情報処理装置及び情報処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様に係る情報処理方法は、
第1装置のネットワークアドレスに関連付けられた2次元パターンを生成するステップと、
前記2次元パターンを前記第1装置の表示部に表示させるステップと、
第2装置の撮像部から前記2次元パターンを示す画像データを取得するステップと、
前記取得された画像データに基づいて前記ネットワークアドレスを特定するステップと、
を含む。
【0009】
上記方法によれば、第1装置の表示部に表示された2次元パターンを示す画像データから当該第1装置のネットワークアドレスが第2装置によって自動的に特定される。このように、ユーザは、第1装置のネットワークアドレスを把握した上で、当該第1装置のネットワークアドレスを第2装置に手動で入力する等の作業を行う必要がないため、第1装置と第2装置間との間の通信接続においてユーザの利便性を向上させることが可能な情報処理方法を提供することができる。
【0010】
また、前記情報処理方法は、前記ネットワークアドレスを用いて前記第1装置に所定の情報を送信するステップをさらに含んでもよい。
【0011】
上記方法によれば、第1装置のネットワークアドレスを用いて第1装置と第2装置との間の通信接続が確立されうる。
【0012】
また、前記情報処理方法は、
前記ネットワークアドレスを用いて前記第1装置に前記第2装置の表示画面を示す画像データを送信するステップと、
送信された前記第2装置の表示画面を示す画像データに基づいて前記第2装置の表示画面を前記第1装置の表示部に表示させるステップと、
をさらに含んでもよい。
【0013】
上記方法によれば、第1装置の表示部に第2装置の表示画面を表示させることができる。このように、例えば、第1装置の表示部を通じて第2装置の表示画面を複数人で共有することができる。
【0014】
また、前記情報処理方法は、
前記第2装置と通信可能に接続された第3装置から前記第3装置の表示画面を示す画像データを受信するステップと、
前記ネットワークアドレスを用いて前記第1装置に前記第3装置の表示画面を示す画像データを送信するステップと、
送信された前記第3装置の表示画面を示す画像データに基づいて前記第3装置の表示画面を前記第1装置の表示部に表示させるステップと、
をさらに含んでもよい。
【0015】
上記方法によれば、第2装置と通信可能に接続された第3装置の表示画面を示す画像データが第2装置を介して第1装置に送信される。このように、第1装置に直接的に接続されていない第3装置の表示画面を第1装置の表示部に表示させることができる。
【0016】
また、前記情報処理方法は、
前記第2装置が前記第1装置の付近にいるかどうかを判定するステップと、
前記第2装置が前記第1装置の付近にいる場合に、前記第1装置と前記第2装置との間の通信接続を許可するステップと、
をさらに含んでもよい。
【0017】
上記方法によれば、第2装置が第1装置の付近にいる場合に第1装置と第2装置との間の通信接続が許可される。このように、第1装置から離れた場所に存在する外部装置と第1装置が互いに通信接続される状況が好適に防止されうる。
【0018】
また、前記第2装置が前記第1装置の付近にいるかどうかを判定するステップは、
前記第1装置に対するユーザの入力操作に応じて前記第2装置が前記第1装置の付近にいることを判定するステップを含んでもよい。
【0019】
上記方法によれば、第1装置に対するユーザの入力操作に応じて第2装置が第1装置の付近にいることが判定される。このように、比較的簡易な手法により第2装置が第1装置の付近にいるかどうかを判定することができる。
【0020】
また、前記第2装置が前記第1装置の付近にいるかどうかを判定するステップは、
前記第1装置と前記第2装置との間の近距離無線通信が確立されたことを判定するステップを含んでもよい。
【0021】
上記方法によれば、第1装置と第2装置との間の近距離無線通信(NFC)の確立に応じて第2装置が第1装置の付近にいることが判定される。このように、比較的簡易な方法により第2装置が第1装置の付近にいるかどうかを判定することができる。
【0022】
また、前記第2装置が前記第1装置の付近にいるかどうかを判定するステップは、
所定の表示情報を前記第1装置の表示部に表示させるステップと、
前記第2装置に対するユーザの入力操作を通じてユーザ入力情報を前記第2装置によって取得するステップと、
前記ユーザ入力情報を前記第2装置から前記第1装置に送信するステップと、
前記送信されたユーザ入力情報と前記所定の表示情報との比較に基づいて、前記第2装置が前記第1装置の付近にいるかどうかを判定するステップと、
を含んでもよい。
【0023】
上記方法によれば、第2装置に対するユーザの入力操作を通じてユーザ入力情報が第2装置によって取得される。その後、ユーザ入力情報と所定の表示情報との比較に基づいて第2装置が第1装置の付近にいるかどうかが判定される。このように、第1装置の表示部に表示された所定の表示情報を用いて第2装置が第1装置の付近にいるかどうかを判定することができる。
【0024】
また、前記所定の表示情報は、ワンタイムパスワードであってもよい。
【0025】
上記方法によれば、第1装置の表示部に表示されたワンタイムパスワードを用いて第2装置が第1装置の付近にいるかどうかを確実に判定することができる。
【0026】
また、前記情報処理方法は、前記第2装置の構成情報を受信するステップをさらに含んでもよい。
【0027】
また、前記2次元パターンは、1次元又は2次元バーコードであってもよい。
【0028】
また、前記2次元パターンは、複数の分割領域を含んでもよい。前記複数の分割領域の各々は、前記ネットワークアドレスの一部に関連付けられた色情報を有してもよい。
【0029】
前記第1装置は、プロジェクタであってもよい。
【0030】
本開示の一態様に係る情報処理方法は、
表示部を有する装置のプロセッサによって実行され、
前記装置のネットワークアドレスに関連付けられた2次元パターンを生成するステップと、
前記2次元パターンを前記表示部に表示させるステップと、
を含む。
【0031】
上記方法によれば、装置間の通信接続においてユーザの利便性を向上させることが可能な情報処理方法を提供することができる。
【0032】
また、前記情報処理方法は、前記2次元パターンを生成するステップの前に前記装置のプロセッサによって前記装置のネットワークアドレスを生成するステップをさらに含んでもよい。
【0033】
また、前記情報処理方法をコンピュータに実行させるための情報処理プログラムが提供される。さらに、当該情報処理プログラムが保存されたコンピュータ読取可能な記憶媒体が提供される。
【0034】
本開示の一態様に係る情報処理装置は、少なくとも一つのプロセッサと、コンピュータ可読命令を記憶するメモリと、表示部とを備える。前記コンピュータ可読命令が前記プロセッサにより実行されると、前記情報処理装置は、前記情報処理方法を実行するように構成されている。
【0035】
上記構成によれば、装置間の通信接続においてユーザの利便性を向上させることが可能な情報処理装置を提供することができる。
【0036】
本開示の一態様に係る情報処理システムは、表示部を備える第1装置と、撮像部を備える第2装置とを含む。
前記第1装置は、
前記第1装置のネットワークアドレスに関連付けられた2次元パターンを生成し、
前記2次元パターンを前記表示部に表示させる。
前記第2装置は、
前記撮像部から前記2次元パターンを示す画像データを取得し、
前記取得された画像データに基づいて前記ネットワークアドレスを取得する。
【0037】
上記構成によれば、第1装置と第2装置との間の通信接続においてユーザの利便性を向上させることが可能な情報処理システムを提供することができる。
【発明の効果】
【0038】
本開示によれば、装置間の通信接続におけるユーザの利便性を向上させることが可能な情報処理方法、情報処理プログラム、情報処理装置及び情報処理システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【
図1】第1装置と第2装置とからなる情報処理システムを示す図である。
【
図2】第1装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】第2装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図4】本発明の実施形態(以下、単に本実施形態という。)の情報処理方法を説明するためのシーケンス図である。
【
図5】第1装置の表示部に表示された2次元バーコードの一例を示す図である。
【
図6】第1装置の表示部に表示された2次元色パターンの一例を示す図である。
【
図7】第2装置が第1装置の付近にいるかどうかを判定するステップの一例を説明するためのフローチャートである。
【
図8】第1装置の表示部に表示されたワンタイムパスワードの一例を示す図である。
【
図9】通信ネットワークを介してデータが第2装置から第1装置に送信される様子を説明するための図である。
【
図10】第1装置の表示部に表示された第2装置の表示画面の一例を示す図である。
【
図11】第1装置と2つの第2装置とからなる情報処理システムを示す図である。
【
図12】第1装置の表示部に表示された複数の第2の装置の表示画面の一例を示す図である。
【
図13】第1装置、第2装置及び第3装置とからなる情報処理システムを示す図である。
【
図14】第1装置の表示部に表示された第3装置の表示画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、本実施形態について図面を参照しながら説明する。最初に、
図1を参照して本発明の実施形態(以下、単に「本実施形態」という。)に係る情報処理システム6について説明する。
図1に示すように、情報処理システム6は、表示部16を備える第1装置1と第2装置2とを備える。第1装置1と第2装置2は通信ネットワーク4に接続されるように構成されている。通信ネットワーク4は、IPネットワークであって、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、無線アクセスネットワーク(RAN)及びインターネットのうちの少なくとも一つを含む。第1装置1と第2装置2は、無線LANルータや無線基地局等のアクセスポイントを介して通信ネットワーク4に接続されてもよい。また、第1装置1と第2装置2は、有線ケーブルによりルータに接続されていてもよい。
【0041】
また、第2装置2を携帯しているユーザUと第1装置1の表示部16を見ている他のユーザは閉鎖された空間K(例えば、会議室等)内にいるものとする。
【0042】
第1装置1の種類は特に限定されるものではなく、ネットワークアドレスを用いて通信ネットワーク4に接続されると共に、表示部と、プロセッサと、メモリと、ネットワークインターフェースとを備える全てのモノが対象となる。例えば、第1装置1は、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット、プロジェクタであってもよい。さらに、第1装置1は、スマート家電(例えば、スマートテレビ)、車両に搭載されたカーナビゲーションシステム又はオフィス機器(例えば、プリンタや複合機)であってもよい。
【0043】
同様に、第2装置2の種類は特に限定されるものではなく、ネットワークアドレスを用いて通信ネットワークに接続されると共に、プロセッサと、メモリと、カメラ等の撮像部と、ネットワークインターフェースとを備える全てのモノが対象となる。例えば、第2装置2は、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット、又はユーザの身体(例えば、腕や頭等)に装着されるウェアラブルデバイス(例えば、スマートウォッチやARグラス等)であってもよい。
【0044】
次に、
図2を参照して第1装置1(情報処理装置の一例)のハードウェア構成について以下に説明する。
図2は、第1装置1のハードウェア構成の一例を示す図である。
図1に示すように、第1装置1は、制御部10と、記憶装置12と、ネットワークインターフェース13と、表示部16と、入力操作部14とを備える。これらは、バス18を介して互いに通信可能に接続されている。
【0045】
制御部10は、第1装置1の動作を制御するように構成されており、メモリとプロセッサを備えている。メモリは、コンピュータ可読命令(例えば、情報処理プログラム)を記憶するように構成されている。例えば、メモリは、各種プログラム等が格納されたROM(Read Only Memory)及びプロセッサにより実行される各種プログラム等が格納される複数のワークエリアを有するRAM(Random Access Memory)等から構成されてもよい。また、メモリは、フラッシュメモリ等によって構成されてもよい。プロセッサは、例えば、CPU、MPU(Micro Processing Unit)及びGPU(Graphics Processing Unit)のうちの少なくとも一つを含む。CPUは、複数のCPUコアによって構成されてもよい。GPUは、複数のGPUコアによって構成されてもよい。プロセッサは、記憶装置12又はROMに組み込まれた各種プログラムから指定されたプログラムをRAM上に展開し、RAMとの協働で各種処理を実行するように構成されてもよい。特に、プロセッサがメモリに記憶された情報処理プログラムを実行することで、第1装置1は本実施形態に係る情報処理方法を実行するように構成される。
【0046】
記憶装置12は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等の記憶装置(ストレージ)であって、プログラムや各種データを格納するように構成されている。記憶装置12には、インターネット上のサーバから送信された本実施形態に係る情報処理プログラムが保存されてもよい。
【0047】
ネットワークインターフェース13は、第1装置1を通信ネットワーク4に接続するように構成されている。具体的には、ネットワークインターフェース13は、通信ネットワーク4を介してサーバ等の外部装置と通信するための各種有線接続端子を含んでもよい。また、ネットワークインターフェース13は、無線ルータ若しくは無線基地局と通信するための各種処理回路及びアンテナ等を含んでもよい。無線通信の規格は、例えば、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)、LPWA又は第5世代移動通信システム(5G)である。
【0048】
表示部16は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等の表示装置であってもよい。また、第1装置1がプロジェクタである場合、表示部16は、スクリーンと、画像(光)を当該スクリーン上に投影するように構成された画像投影部とから構成される。
【0049】
入力操作部14は、第1装置1を操作するユーザの入力操作を受付けると共に、当該入力操作に応じた指示信号を生成するように構成されている。入力操作部14は、例えば、表示部26上に重ねて配置されたタッチパネル、筐体に取り付けられた操作ボタン、マウス及び/又はキーボード等である。入力操作部14によって生成された指示信号がバス18を介して制御部10に送信された後、制御部10は、指示信号に応じて所定の動作を実行する。表示部16及び入力操作部14は、USB等の入出力インターフェースを介して第1装置1に接続されてもよい。
【0050】
次に、
図3を参照して第2装置2のハードウェア構成について以下に説明する。
図3は、第2装置2のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3に示すように、第2装置2は、制御部20と、記憶装置22と、カメラ25(撮像部の一例)と、ネットワークインターフェース23と、表示部26と、入力操作部24とを備える。これらは、バス28を介して互いに通信可能に接続されている。
【0051】
制御部20は、第2装置2の動作を制御するように構成されており、メモリとプロセッサを備えている。メモリは、コンピュータ可読命令を記憶するように構成されている。例えば、メモリは、ROM及びRAMを含む。プロセッサは、例えば、CPU、MPU及びGPUのうちの少なくとも一つを含む。プロセッサは、記憶装置22又はROMに組み込まれた各種プログラムから指定されたプログラムをRAM上に展開し、RAMとの協働で各種処理を実行するように構成されてもよい。
【0052】
記憶装置22は、例えば、HDD、SSD、フラッシュメモリ等の記憶装置(ストレージ)であって、プログラムや各種データを格納するように構成されている。ネットワークインターフェース23は、第2装置2を通信ネットワーク4に接続するように構成されている。具体的には、ネットワークインターフェース23は、通信ネットワーク4を介してサーバ等の外部装置と通信するための各種有線接続端子を含んでもよい。また、ネットワークインターフェース23は、無線ルータ若しくは無線基地局と通信するための各種処理回路及びアンテナ等を含んでもよい。無線通信の規格の一例は上記したとおりである。
【0053】
表示部26は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等の表示装置であってもよいし、ユーザUの頭部に装着されたヘッドマウントディスプレイであってもよい。入力操作部24は、第2装置2を操作するユーザの入力操作を受付けると共に、当該入力操作に応じた指示信号を生成するように構成されている。入力操作部24は、例えば、表示部26上に重ねて配置されたタッチパネル、筐体に取り付けられた操作ボタン、マウス及び/又はキーボード等である。
【0054】
次に、
図4を参照して本実施形態の情報処理方法について以下に説明する。
図4は、本実施形態の情報処理方法を説明するためのシーケンス図である。
図4に示すように、ステップS1において、第1装置1の制御部10は、第1装置1に対するユーザUの所定のアクションが検出されたかどうかを判定する。ここで、所定のアクションとは、2次元パターンの生成及び表示のトリガーとなるアクションである。所定のアクションの一例としては、第1装置1の操作ボタン(特に、表示部16に表示された操作ボタン)を押すアクションである。ステップS1の判定結果がYESの場合、本処理はステップS2に進む。一方、ステップS2の判定結果がNOである場合、ステップS1の判定処理が再度実行される。
【0055】
次に、制御部10は、第1装置1のIPアドレス(例えば、グローバルIPアドレス)に関連付けられた2次元パターンを生成する(ステップS2)。その後、制御部10は、生成された2次元パターンを表示部16に表示させる(ステップS3)。
【0056】
第1装置1のIPアドレスは、例えば、16進数の32桁で表示されたIPv6に対応するIPアドレス(128ビット)である。当該IPアドレスは、認証局で認証された第1装置1の公開鍵に基づいて生成されてもよい。具体的には、制御部10は、第1装置1の秘密鍵(512ビット)及び当該秘密鍵に対応する公開鍵(256ビット)を生成した後に、公開鍵と所定のハッシュ関数とに基づいてハッシュ値(256ビット)を生成する。当該生成されたハッシュ値が所定の条件を満たす場合に、制御部10は、ハッシュ値に基づいて第1装置1のIPアドレスを生成する。その後、第1装置1は、公開鍵に関連付けられた電子証明書を認証局から取得する。このように、第1装置1の公開鍵が認証局で認証されているため、当該公開鍵に基づいて生成されたIPアドレスも認証局によって間接的に認証されている。本実施形態では、第1装置1のIPアドレス(128ビット)は既に生成されていることを前提している。一方、制御部10は、ステップS1の所定のアクションが検出されたと判定した後に、第1装置1のIPアドレスを生成してもよい。
【0057】
また、生成された2次元パターンは、第1装置1のIPアドレスに関する情報(128ビットの情報)を少なくとも含んでいる。また、2次元パターンは、IPアドレス以外の第1装置1に関する情報を含んでいてもよい。2次元パターンは、1次元バーコード又は2次元バーコード(QRコード(登録商標))であってもよい。例えば、
図5に示すように、第1装置1のIPアドレスに関する情報を含むQRコード32が表示部16に表示されてもよい。この場合、QRコード32は128ビット以上の情報量を含んでいる。
【0058】
また、
図6に示すように、2次元パターンは2次元色パターン33であってもよい。2次元色パターン33は、複数の分割領域R(本例では、16個の分割領域R)を含んでいる。複数の分割領域Rの各々は、第1装置1のIPアドレスの一部に関連付けられた色情報を有する。例えば、IPアドレスが128ビットの情報量を有する場合に、16個の分割領域Rの各々は8ビットの色情報(256色)を有してもよい。16個の分割領域Rの色情報(8ビット)によって128ビットのIPアドレスに関する情報を構成することができる(8ビット×16=128ビット)。さらに、2次元色パターン33がIPアドレス以外の第1装置1に関する情報を含む場合には、分割領域Rの数は17個以上であってもよい。
【0059】
図4に戻ると、ステップS4において、ユーザUが第1装置1の表示部16に表示された2次元パターンを第2装置2のカメラ25を用いて撮像する。その後、第2装置2の制御部20は、カメラ25から2次元パターンを示す画像データを取得する(ステップS5)。次に、ステップS6において、制御部20は、取得された画像データに基づいて第1装置1のIPアドレスを特定する。この点において、2次元パターンがQRコード32(
図5参照)である場合、制御部20は、QRコード32を示す画像データを解析することでQRコード32に含まれるIPアドレスに関する情報(128ビット)を取得する。また、2次元パターンが2次元色パターン33(
図6参照)である場合、制御部20は、2次元色パターン33を示す画像データを解析することで2次元色パターン33に含まれるIPアドレスに関する情報を取得する。この場合、制御部20は、2次元色パターン33の各分割領域Rの色情報(例えば、赤、青、黄色等)を特定した上で、256色の色情報と8ビットのデータとが互いに関連付けられたテーブルを参照することで、各分割領域Rの色情報に対応する8ビットのデータを特定してもよい。
【0060】
次に、制御部20は、第1装置1との通信接続を要求するための信号(通信接続要求信号)を通信ネットワーク4(
図9参照)を介して
第1装置1に送信する(ステップS7)。ここで、通信接続要求信号(IPパケット)は、送信先として第1装置1のIPアドレスを含むと共に、送信元として第2装置2のIPアドレスを含む。尚、第2装置2のIPアドレスも16進数の32桁で表示されたIPv6に対応するIPアドレス(128ビット)であってもよい。さらに、第2装置2のIPアドレスは、認証局で認証された第2装置2の公開鍵に基づいて生成されてもよい。
【0061】
その後、第1装置1の制御部
10は、第2装置2から通信接続要求信号を受信した後に(ステップS8)、第2装置2が第1装置1の付近にいるかどうかを判定する処理(ステップS9)を実行する。
図7を参照してステップS9の判定処理の一例について以下に説明する。
図7は、第2装置2が第1装置1の付近にいるかどうかを判定する処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【0062】
図7に示すように、ステップS20において、第1装置1の制御部10は、ワンタイムパスワード(所定の表示情報の一例)を表示部16に表示させる。ここで、
図8に示すように、所定の桁数を有するワンタイムパスワード34が表示部16に表示されるものとする。次に、ステップS21において、第2装置2の制御部20は、ユーザUの入力操作を通じてユーザ入力情報を受付ける。この点において、ユーザUはワンタイムパスワード34に対応するユーザ入力情報("1D5F698ABC”)を第2装置2に入力しようと試みる。次に、制御部20は、ユーザ入力情報を含むIPパケットを通信ネットワーク4を介して第1装置1に送信する(ステップS22)。その後、第1装置1の制御部10は、ステップS23においてユーザ入力情報を受信した後に、第2装置2から送信されたユーザ入力情報とワンタイムパスワード34を比較することで、ユーザ入力情報とワンタイムパスワード34が互いに一致しているかどうかを判定する(ステップS24)。制御部10は、ユーザ入力情報とワンタイムパスワード34が互いに一致していると判定した場合には(ステップS24でYES)、第2装置2が第1装置1の付近にいると判定する(ステップS25)。その後、
図4のステップS10において、第2装置2との通信接続を許可する旨を示す信号(通信接続許可信号)を通信ネットワーク4を介して第2装置2に送信する。一方、制御部10は、ユーザ入力情報とワンタイムパスワード34が互いに一致していないと判定した場合には(ステップS24でNO)、第2装置2が第1装置1の付近にいないと判定する(ステップS26)。その後、制御部10は、通信接続許可信号を第2装置2に送信せずに第2装置2との通信を終了する(ステップS27)。この場合、制御部10は、第2装置2との通信を終了する旨のメッセージを表示部16に表示させてもよい。
【0063】
尚、制御部10は、ステップS23において、ワンタイムパスワード34を表示部16に表示してから所定の期間の間(例えば、60秒間)ユーザ入力情報を受信しなかった場合には、ステップS27の処理を実行してもよい。さらに、ステップS24の判定結果がNOである場合には、制御部10は、ユーザ入力情報とワンタイムパスワード34が互いに一致していない旨を表示部16に表示させると共に、新たなワンタイムパスワードを表示部16に表示してもよい(ステップS20)。この場合、ステップS24の判定結果が再びNOとなった場合に、制御部10は、ステップS26及びS27の処理を実行してもよい。
【0064】
また、ステップS9の判定処理の第2の例としては、第1装置1の制御部10は、第1装置1に対するユーザUの入力操作に応じて第2装置2が第1装置1の付近にいることを判定してもよい。具体的には、制御部10は、第1装置1の所定の操作ボタンを押すように促すメッセージを表示部16に表示させる。その後、制御部10は、所定期間の間(例えば、30秒間)に当該所定の操作ボタンが押された場合に、第2装置2が第1装置1の付近にいると判定してもよい。第2の例によれば、比較的簡易な手法により第2装置2が第1装置1の付近にいるかどうかを判定することができる。
【0065】
さらに、ステップS9の判定処理の第3の例としては、第1装置1の制御部10は、第1装置1と第2装置2との間の近距離無線通信(NFC)の確立に応じて第2装置2が第1装置1の付近にいることを判定してもよい。具体的には、制御部10は、第1装置1のNFC用のインターフェース(以下、「NFCインターフェース」という。)に第2装置2をタッチするように促すメッセージを表示部16に表示させる。その後、制御部10は、所定期間の間(例えば、30秒間)に第1装置1のNFCインターフェースに対する第2装置2のタッチアクションを検出した場合に、第2装置2が第1装置1の付近にいると判定してもよい。第3の例によれば、比較的簡易な手法により第2装置2が第1装置1の付近にいるかどうかを判定することができる。
【0066】
次に、
図4に戻ると、第2装置2の制御部20は、第1装置1から通信接続許可信号を受信した後に(ステップS11)、第2装置2の構成情報(ディスクリプタ)を第1装置1に送信する(ステップS12)。その後、ステップS13において、第1装置1は、第2装置2の構成情報を受信する。例えば、第2装置2の構成情報は、画像データの符号化方式に関する情報や表示画面サイズに関する情報を含んでもよい。尚、制御部20は、第1装置1から送信された構成情報の送信を要求する信号(構成情報要求信号)に応じて、第2装置2の構成情報を第1装置1に送信してもよい。
【0067】
次に、ステップS14において、第2装置2の制御部20は、メモリに保存された第2装置2の表示部26に表示された表示画面を示す画像データを通信ネットワーク4を介して第1装置1に送信する(
図9参照)。その後、第1装置1の制御部10は、
第2装置2から第2装置2の表示画面を示す画像データを受信した後に(ステップS15)、第2装置2の表示画面を示す画像データに基づいて、第2装置2の表示画面を表示部16に表示させる(ステップS16)。例えば、
図10に示すように、第2装置2の表示画面35が表示部16に表示される。このように、
図4に示す一例の処理が実行される。
【0068】
本実施形態によれば、第1装置1の表示部16に表示された2次元パターンがカメラ25によって撮像された上で、カメラ25によって撮像された2次元パターンを示す画像データから第1装置1のIPアドレスが第2装置2によって自動的に特定される。このように、ユーザUは、第1装置1のIPアドレスを把握した上で、第1装置1のIPアドレスを第2装置2に手動で入力する等の手間がかかる作業を行う必要がない。このように、第1装置1と第2装置2との間の通信接続においてユーザUの利便性を向上させることができる。
【0069】
さらに、カメラ25によって撮像された画像データから第1装置1のIPアドレスが第2装置2によって自動的に特定された後に、所定のアプリケーションが起動したときに特定されたIPアドレスを用いて第1装置1の表示部16に第2装置の表示画面35(
図10参照)を表示することができる。このように、
図1に示すように、閉鎖された空間K内において表示部16を通じて第2装置2の表示画面35を複数人で共有することができる。例えば、表示部16に表示された表示画面35を用いて複数人に対してプレゼンテーションを行うことができる。この点において、第2装置2に保存された会議資料(例えば、プレゼンテーション資料)が第2装置2の表示部26に表示される場合には、当該会議資料を第2装置2の表示画面35として表示部16に表示させることが可能となる。
【0070】
また、本実施形態では、第2装置2が第1装置1の付近にいる場合に第1装置1と第2装置2との間の通信接続が許可される。このように、第1装置1から離れた場所に存在する(特に、閉鎖された空間K内に存在しない)外部装置と第1装置1とが互いに通信接続される状況が好適に防止されうる。この点において、第1装置1の表示部16に表示されたワンタイムパスワード34(
図8参照)を用いて第2装置2が第1装置1の付近にいるかどうか(特に、第2装置2が空間K内にいるかどうか)を判定することができる。
【0071】
尚、
図4に示す一連の処理において、第1装置1のIPアドレスを認証するための処理がステップS6の処理の後に実行されてもよい。この場合、第2装置2の制御部20は、第1装置1のIPアドレスを認証した後に、通信接続要求信号を第1装置1に送信してもよい。また、第1装置1と第2装置2との間のセキュアな通信を確保するために、ステップS14の処理が実行される前に、第1装置1は、第1装置1の認証された公開鍵及び当該公開鍵の電子証明書を第2装置2に送信してもよい。同様に、第2装置2は、第2装置2の認証された公開鍵及び当該公開鍵の電子証明書を
第1装置1に送信してもよい。このように、第2装置2は、第1装置1の公開鍵に基づいて送信データを暗号化した上で、暗号化された送信データを第1装置1に送信することができる。同様に、第1装置1は、第2装置2の公開鍵に基づいて送信データを暗号化した上で、暗号化された送信データを第2装置2に送信することができる。このように、第1装置1と第2装置2の公開鍵を用いて第1装置1と第装置2との間のセキュアな通信を実行することができる。
【0072】
(第1変形例)
次に、本実施形態の第1変形例に係る情報処理システム6aについて
図11及び
図12を参照して説明する。
図11は、第1装置1と2つの第2装置2a,2bとからなる情報処理システム6aを示す図である。
図12は、第1装置1の表示部16に表示された第2装置2aの表示画面35と第2装置2bの表示画面36の一例を示す図である。尚、本変形例では、第2装置2a,2bの各々は、本実施形態で説明された第2装置2と同一の構成を備えているものとする。
【0073】
本変形例によれば、第1装置1の表示部16に表示された2次元パターンが第2装置2aのカメラによって撮像された上で、カメラによって撮像された2次元パターンを示す画像データから第1装置1のIPアドレスが第2装置2aによって自動的に特定される。さらに、第2装置2aは特定されたIPアドレスを用いて第1装置1と通信可能に接続されるため、
図12に示すように、表示部16の分割領域40aに第2装置2aの表示画面35を表示させることができる。同様に、第1装置1の表示部16に表示された2次元パターンが第2装置2bのカメラによって撮像された上で、カメラによって撮像された2次元パターンを示す画像データから第1装置1のIPアドレスが第2装置2bによって自動的に特定される。さらに、第2装置2bは特定されたIPアドレスを用いて第1装置1と通信可能に接続されるため、
図12に示すように、表示部16の分割領域40bに第2装置2bの表示画面36を表示させることができる。
【0074】
このように、閉鎖された空間K内において表示部16を通じて第2装置2aの表示画面35及び第2装置2bの表示画面36を複数人で共有することができる。このように、第2装置2aを携帯しているユーザU1は、表示部16に表示された表示画面35を用いて複数人に対してプレゼンテーションを行うことができる。また、第2装置2bを携帯しているユーザU2は、表示部16に表示された表示画面36を用いて複数人に対してプレゼンテーションを行うことができる。
【0075】
尚、情報処理システム6aは3つ以上の第2装置を備えてもよい。この場合、第1装置1の表示部16には第2装置の数に対応する数の分割領域が設定されてもよい。
【0076】
(第2変形例)
次に、本実施形態の第2変形例に係る情報処理システム6bについて
図13及び
図14を参照して説明する。
図13は、第1装置1、第2装置2及び第3装置8とからなる情報処理システム6bを示す図である。
図14は、第1装置1の表示部16に表示された第3装置8の表示画面37の一例を示す図である。尚、本変形例では、第3装置8は、カメラを備えていない点で
図3に示す第2装置2のハードウェア構成とは相違するものとする。つまり、第3装置8は、表示部16に表示された2次元パターンを撮像することができないものとする。また、第3装置8は、第2装置2とは通信可能に接続されている一方で、第1装置1とは通信可能に接続されていないものとする。
【0077】
本変形例によれば、第1装置1の表示部16に表示された2次元パターンが第2装置2のカメラによって撮像された上で、カメラによって撮像された2次元パターンを示す画像データから第1装置1のIPアドレスが第2装置2によって自動的に特定される。さらに、第2装置2は特定されたIPアドレスを用いて第1装置1と通信可能に接続される。このように、第1装置1の表示部16に第2装置2の表示画面を表示させることができる。さらに、
図14に示すように、第2装置2は第3装置8と通信可能に接続されているので、表示部16に第3装置8の表示画面37を表示させることができる。この点において、第3装置8が第2装置2に通信可能に接続されているため、第3装置8の表示画面37を示す画像データが第2装置2に送信される。その後、第2装置2は、第1装置1のIPアドレスを用いて表示画面37を示す画像データを通信ネットワーク4を介して第1装置1に送信する。その後、第1装置1は、送信された画像データに基づいて表示部16に表示画面37を表示させる。
【0078】
このように、第1装置1に直接的に接続されていない第3装置8の表示画面37を表示部16に表示させることができる。また、閉鎖された空間K内において表示部16を通じて第3装置8の表示画面37を複数人で共有することができる。このように、第3装置8を携帯しているユーザUは、表示部16に表示された表示画面37を用いて複数人に対してプレゼンテーションを行うことができる。
【0079】
また、本実施形態に係る第1装置1をソフトウェアによって実現するためには、情報処理プログラムが記憶装置12又はROMに予め組み込まれていてもよい。同様に、本実施形態に係る第2装置2をソフトウェアによって実現するためには、情報処理プログラムが記憶装置22又はROMに予め組み込まれていてもよい。また、情報処理プログラムは、磁気ディスク(例えば、HDD、フロッピーディスク)、光ディスク(例えば、CD-ROM,DVD-ROM、Blu-ray(登録商標)ディスク)、光磁気ディスク(例えば、MO)、フラッシュメモリ(例えば、SDカード、USBメモリ、SSD)等のコンピュータ読取可能な記憶媒体に格納されていてもよい。この場合、コンピュータ読取可能な記憶媒体に格納された情報処理プログラムが記憶装置に組み込まれてもよい。さらに、記憶装置に組み込まれた当該情報処理プログラムがRAM上にロードされた上で、プロセッサがRAM上にロードされた当該情報処理プログラムを実行してもよい。このように、本実施形態に係る情報処理方法が第1装置1(又は第2装置2)によって実行される。
【0080】
また、情報処理プログラムは、インターネット等の通信ネットワーク上のサーバからネットワークインターフェースを介してダウンロードされてもよい。この場合も同様に、ダウンロードされた当該情報処理プログラムが記憶装置に組み込まれてもよい。
【0081】
以上、本発明の実施形態について説明をしたが、本発明の技術的範囲が本実施形態の説明によって限定的に解釈されるべきではない。本実施形態は一例であって、請求の範囲に記載された発明の範囲内において、様々な実施形態の変更が可能であることが当業者によって理解されるところである。本発明の技術的範囲は請求の範囲に記載された発明の範囲及びその均等の範囲に基づいて定められるべきである。
【0082】
本実施形態では、第1装置1及び第2装置2のネットワークアドレスの一例としてインターネットプロトコルに対応したネットワークアドレスであるIPアドレスについて説明しているが、ネットワークアドレスはIPアドレスに限定されるものではない。例えば、第1装置1及び第2装置2のネットワークアドレスは、インターネットプロトコル以外の所定の通信プロトコルに対応したネットワークアドレスであってもよい。
【0083】
また、本実施形態では、第1装置1と第2装置2は通信ネットワーク4を介して互いに通信可能に接続されているが、第1装置1と第2装置2は通信ネットワーク4を介さずに通信可能に接続されてもよい。例えば、第1装置1と第2装置2はアドホックモードで互いに通信可能に接続されてもよいし、又は通信ネットワークに接続されていないアクセスポイントを介して互いに通信可能に接続されてもよい。
【符号の説明】
【0084】
1:第1装置
2,2a,2b:第2装置
4:通信ネットワーク
6,6a,6b:情報処理システム
8:第3装置
10:制御部
12:記憶装置
13:ネットワークインターフェース
14:入力操作部
16:表示部
18:バス
20:制御部
22:記憶装置
23:ネットワークインターフェース
24:入力操作部
25:カメラ
26:表示部
28:バス
32:QRコード
34:ワンタイムパスワード
35,36,37:表示画面
40a,40b:分割領域