(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-14
(45)【発行日】2023-11-22
(54)【発明の名称】既存のサーボドライブ変数を使用したモーションシステムの状態管理
(51)【国際特許分類】
H02P 29/00 20160101AFI20231115BHJP
【FI】
H02P29/00
(21)【出願番号】P 2021514943
(86)(22)【出願日】2019-05-16
(86)【国際出願番号】 US2019032730
(87)【国際公開番号】W WO2019222542
(87)【国際公開日】2019-11-21
【審査請求日】2022-04-18
(32)【優先日】2018-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520449367
【氏名又は名称】アーカス テクノロジー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ARCUS TECHNOLOGY,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】チャン、クリストファー シー.
【審査官】佐藤 彰洋
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-020388(JP,A)
【文献】特開2009-068950(JP,A)
【文献】国際公開第2017/213182(WO,A1)
【文献】特開2013-128387(JP,A)
【文献】特開2016-009481(JP,A)
【文献】特開2013-081282(JP,A)
【文献】特開2010-244505(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02P 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーボドライブを備えたモーションシステムの状態を管理する方法であって、
モーションコマンドに応答して前記モーションシステムのモータを駆動するために前記サーボドライブによって使用されるモーション変数を収集すること、
収集された前記モーション変数のみを使用して、前記モーションシステムに関する状態指標値を算出すること、および
前記状態指標値に応答して、前記モーションシステムのメンテナンスのための通知を生成すること、を含
み、
前記状態指標値は、収集された前記モーション変数に基づく加速度の変化を使用して算出される総衝撃値を含む、方法。
【請求項2】
前記サーボドライブによって使用されるモーション変数を収集することは、位置値、速度値、および駆動電流値のうちの少なくとも1つを収集することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記状態指標値は、前記サーボドライブによって使用される収集された前記モーション変数のみを使用して算出される摩擦係数値
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記摩擦係数値は、粘性摩擦係数値またはクーロン摩擦係数値である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記粘性摩擦係数値および前記クーロン摩擦係数値のうちの少なくとも1つは、式T=J*A+B*w+C*(dw)を使用して導出され、Tはトルク、Jは慣性、Aは加速度、Bは粘性摩擦係数値、wは速度値、Cはクーロン摩擦係数値、dwは速度の方向である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記状態指標値は、現在のトルク値と、収集された前記モーション変数に基づくトルクモデルからのモデルトルク値とを使用して算出されるトルク偏差値
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記トルクモデルは、速度、位置およびトルクの値によって定義される3次元モデルである、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
複数のインスタンスにおける加速度の変化の大きさの和を算出するとともに、前記和に前記モーションシステムの慣性を乗算することによって、前記総衝撃値を算出することを含む、請求項
1に記載の方法。
【請求項9】
サーボドライブを備えたモーションシステムの状態を管理する方法であって、
前記サーボドライブを使用して前記モーションシステムのモータを駆動することによって、3次元トルクモデルを構築するための一連の動作を実行すること、
前記モータが駆動されているときに、前記モータを駆動するために使用される電流I、前記モータの位置P、および前記モータの速度Vを、各動作について一緒に同時に収集することによって、電流I、位置P、および速度Vの複数のセットを生成すること、
前記電流I、前記位置P、および前記速度Vの各セットについて、式T=Kt*Iを使用して対応するトルク値を算出することであって、Tはトルク値であり、Ktはトルク定数であり、Iは駆動電流であること、
前記位置P、速度V、および対応するトルク値を使用して、前記モーションシステムについての前記3次元トルクモデルを構築することであって、前記3次元トルクモデルは、位置、速度、およびトルクによって定義される空間内の3次元モデルであること、
前記3次元トルクモデルを構築した後、モーションコマンドに応答して前記モーションシステムの前記モータを駆動するために前記サーボドライブによって使用されるモーション変数を収集することであって、前記モーション変数は、前記モータを駆動するための実際の電流I、前記モータの実際の位置P、および前記モータの実際の速度Vを含むこと、
収集された前記モーション変数のみを使用して、前記モーションシステムに関する状態指標値を算出すること、および
前記状態指標値に応答して、前記モーションシステムのメンテナンスのための通知を生成すること、を含み、
前記状態指標値を算出することは、
前記実際の電流Iを用いて実際のトルク値を演算すること、および
前記実際のトルク値と前記3次元トルクモデルからのモデルトルク値との間の差をとることによって、前記状態指標値として使用されるトルク偏差値を導出すること、を含み、前記モデルトルク値は、前記実際の位置Pおよび前記実際の速度Vを使用して選択される、方法。
【請求項10】
モーションシステムであって、
モータと、
前記モータを駆動するように構成されたサーボドライブと、を備え、
前記サーボドライブは、メモリと、少なくとも1つのプロセッサと、を含み、該プロセッサは、
モーションコマンドに応答して前記モーションシステムの前記モータを駆動するために前記サーボドライブによって使用されるモーション変数を収集し、
収集された前記モーション変数のみを使用して、前記モーションシステムに関する状態指標値を算出し、
前記状態指標値に応答して、前記モーションシステムのメンテナンスのための通知を生成する、ように構成され、
前記状態指標値は、収集された前記モーション変数に基づく加速度の変化を使用して算出される総衝撃値を含む、モーションシステム。
【請求項11】
前記少なくとも1つのプロセッサは、位置値、速度値、および駆動電流値のうちの少なくとも1つを収集するように構成される、請求項10に記載のモーションシステム。
【請求項12】
前記状態指標値は、前記サーボドライブによって使用される収集された前記モーション変数のみを使用して算出される摩擦係数値
を含む、請求項10に記載のモーションシステム。
【請求項13】
前記摩擦係数値は、粘性摩擦係数値またはクーロン摩擦係数値である、請求項12に記載のモーションシステム。
【請求項14】
前記粘性摩擦係数値および前記クーロン摩擦係数値のうちの少なくとも1つは、式T=J*A+B*w+C*(dw)を使用して導出され、Tはトルク、Jは慣性、Aは加速度、Bは粘性摩擦係数値、wは速度値、Cはクーロン摩擦係数値、dwは速度の方向である、請求項13に記載のモーションシステム。
【請求項15】
前記状態指標値は、現在のトルク値と、収集された前記モーション変数に基づくトルクモデルからのモデルトルク値とを使用して算出されるトルク偏差値
を含む、請求項10に記載のモーションシステム。
【請求項16】
前記トルクモデルは、速度、位置およびトルクの値によって定義される3次元モデルである、請求項15に記載のモーションシステム。
【請求項17】
前記少なくとも1つのプロセッサは、
複数のインスタンスにおける加速度の変化の大きさの和を算出するとともに、前記和に前記モーションシステムの慣性を乗算することによって、前記総衝撃値を算出するように構成される、請求項
10に記載のモーションシステム。
【請求項18】
モーションシステムであって、
モータと、
前記モータを駆動するように構成されたサーボドライブと、を備え、
前記サーボドライブは、メモリと、少なくとも1つのプロセッサと、を含み、該プロセッサは、
前記モーションシステムの前記モータを駆動することによって、3次元トルクモデルを構築するための一連の動作を実行すること、
前記モータが駆動されているときに、前記モータを駆動するために使用される電流I、前記モータの位置P、および前記モータの速度Vを、各動作について一緒に同時に収集することによって、電流I、位置P、および速度Vの複数のセットを生成すること、
前記電流I、前記位置P、および前記速度Vの各セットについて、式T=Kt*Iを使用して対応するトルク値を算出することであって、Tはトルク値であり、Ktはトルク定数であり、Iは駆動電流であること、
前記位置P、速度V、および対応するトルク値を使用して、前記モーションシステムについての前記3次元トルクモデルを構築することであって、前記3次元トルクモデルは、位置、速度、およびトルクによって定義される空間内の3次元モデルであること、
前記3次元トルクモデルを構築した後、モーションコマンドに応答して前記モーションシステムの前記モータを駆動するために前記サーボドライブによって使用されるモーション変数を収集することであって、前記モーション変数は、前記モータを駆動するための実際の電流I、前記モータの実際の位置P、および前記モータの実際の速度Vを含むこと、
収集された前記モーション変数のみを使用して、前記モーションシステムに関する状態指標値を算出すること、および
前記状態指標値に応答して、前記モーションシステムのメンテナンスのための通知を生成すること、を実行するように構成され、
前記状態指標値を算出することは、
前記実際の電流Iを用いて実際のトルク値を演算すること、および
前記実際のトルク値と前記3次元トルクモデルからのモデルトルク値との間の差をとることによって、前記状態指標値として使用されるトルク偏差値を導出すること、を含み、前記モデルトルク値は、前記実際の位置Pおよび前記実際の速度Vを使用して選択される、モーションシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、既存のサーボドライブ変数を使用したモーションシステムの状態管理に関する。
【背景技術】
【0002】
典型的なサーボモータ駆動システム100が
図1に示されている。
図1に示すように、サーボモータ駆動システム100は、エンコーダなどの位置センサ104を備えたモータ102、マイクロプロセッサとモータを駆動するための電源回路(図示せず)とを含むサーボドライブ106、および、サーボドライブにモーションコマンドを出すマスターコントローラ108を備えている。エンコーダ104は、予想される動きからの逸脱を補正するために、サーボドライブ106にフィードバック信号を提供する。
【0003】
モーションコマンドは、シリアル接続やイーサネット(登録商標)接続などの通信手段を介して、マスターコントローラ108からサーボドライブ106に発せられる。マスターコントローラ108からサーボドライブ106に送信することができるモーションコマンドの例には、(1)特定の位置、例えば位置Aに特定の速度および加速度で移動すること、および(2)特定の速度で特定の時間だけ進んで停止すること、が含まれる。
【0004】
通常、サーボモータ駆動システムのモータは、目的のアクションを実行するために負荷を移動させる伝達システムに接続される。サーボモータ駆動システム100のモータ102に接続された伝達システム200の例を
図2に示す。図示の例では、伝達システム200は、負荷用のリニアガイド204上の移動ステージ202と、移動ステージを変位させるねじ206と、を含むボールねじリニアアクチュエータである。モータ102は、モータケーブル208を介してサーボドライブ106に接続され、サーボドライブから駆動信号を受信する。エンコーダ104は、エンコーダケーブル210を介してサーボドライブ106に接続され、フィードバック信号をサーボドライブに送信する。サーボドライブ106は、マスターコントローラ108と通信して、マスターコントローラからモーションコマンドを受信する。サーボモータ駆動システムと伝達システムとを含むシステム全体は、モーションシステムと見なすことができる。
【0005】
サーボモータ駆動システムのサーボドライブでは、閉ループサーボアルゴリズムを使用して目的の動作を実行する。閉ループサーボアルゴリズムの理論と実装はよく知られているため、ここでは詳しく説明しない。
図3に閉ループサーボアルゴリズムを示す。
図3に示されるように、基準入力302およびフィードバックループ306上のフィードバック信号304は、エラー検出器308で受信され、エラー検出器308は、2つの入力に応答してエラー信号310を生成する。基準入力302は被制御デバイス316の目標位置または所望位置を表し、フィードバック信号304は被制御デバイスの実際の位置を表す。エラー信号310は、目標位置と実際の位置との間の位置誤差を表す。エラー信号310は増幅器312で受信され、増幅器312は、受信したエラー信号に基づいてサーボモータ314を駆動するための電流を生成して、位置誤差を減少させる。それに応じて、サーボモータ314は被制御デバイス316を移動させる。
【0006】
モーションシステムがさまざまなサイクルで負荷を移動させる作業を実行すると、さまざまな理由で最終的に故障が発生する。故障の例としては、(1)負荷の変化によるベアリングの摩耗、(2)潤滑剤の喪失または汚れの増加による摩擦の増加、(3)強い衝撃運動によるリンク装置の破損、などがある。
【発明の概要】
【0007】
モーションシステムおよびモーションシステムの状態を管理する方法は、モーションシステムのサーボドライブによって使用されるモーション変数のみを使用して、モーションシステムに関する少なくとも1つの状態指標値を算出する。状態指標値は、モーションシステムのメンテナンスに関する通知を生成するために使用される。
【0008】
本発明の実施形態による、サーボドライブを備えたモーションシステムの状態を管理する方法は、モーションコマンドに応答してモーションシステムのモータを駆動するためにサーボドライブによって使用されるモーション変数を収集すること、収集されたモーション変数のみを使用してモーションシステムに関する状態指標値を算出すること、および、状態指標値に応じてモーションシステムのメンテナンスに関する通知を生成すること、を含む。
【0009】
本発明の実施形態によるモーションシステムは、モータと、モータを駆動するように構成されたサーボドライブと、を備える。サーボドライブは、メモリと、少なくとも1つのプロセッサと、を含み、該少なくとも1つのプロセッサは、モーションコマンドに応答してモーションシステムのモータを駆動するためにサーボドライブによって使用されるモーション変数を収集し、収集されたモーション変数のみを使用してモーションシステムに関する状態指標値を算出し、その状態指標値に応じてモーションシステムのメンテナンスに関する通知を生成する、ように構成される。
【0010】
本発明の他の態様および利点は、本発明の原理の例として示される、添付の図面と併せて参照される以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】従来技術による典型的なサーボモータ駆動システムのブロック図である。
【
図2】従来技術によるサーボモータ駆動システムのモータに接続された伝達システムのブロック図である。
【
図3】従来技術によるサーボモータ駆動システムのサーボドライブで実行される閉ループサーボアルゴリズムを示す。
【
図4】本発明の実施形態による、状態管理機能を備えたモーションシステムのブロック図である。
【
図5】本発明の実施形態によるモーションシステムによって使用される三次元トルクモデルを示す。
【
図6】本発明の実施形態によるモーションシステムの距離、速度および加速度のプロファイルを示す。
【
図7】本発明の実施形態による、衝撃の総量を算出するために使用することができる加速度グラフの例を示す。
【
図8】本発明の実施形態による、状態管理機能を備えたモーションシステムの処理の流れ図である。
【
図9】本発明の実施形態による、サーボドライブを備えたモーションシステムの状態を管理する方法の手順流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図4を参照して、本発明の実施形態による、状態管理機能を備えたモーションシステム400を説明する。モーションシステム400は、
図2に示されるモーションシステムと類似している。しかしながら、従来のモーションシステムとは異なり、モーションシステム400は、モーションシステムの包括的なリアルタイム作動状態を監視してモーションシステムの様々な機械的故障を予測し、それによって予防保守を実行できる方法を実装する。この方法では、サーボドライブの閉ループアルゴリズムで一般的に使用されるモーション変数を使用しており、以下で詳細に説明するように、外部デバイスやセンサを必要としない。
【0013】
図4に示されるように、モーションシステム400は、マスターコントローラ402と、サーボドライブ404と、エンコーダ等の位置センサ408を備えた電気モータ406と、ボールねじリニアアクチュエータの形態の伝達システム410と、を含む。しかしながら、他の実施形態では、伝達システム410は、リニアベルト駆動アクチュエータなどの別のタイプのモーションアクチュエータであり得る。
【0014】
マスターコントローラ402は、モーションシステム400を制御するように動作する。マスターコントローラ402は、サーボドライブに送信されたモーションコマンドを使用して、サーボドライブ404を介してモーションシステムを制御するための1つまたは複数のプログラムを備えたコンピュータシステムであり得る。したがって、マスターコントローラ402は、CPU、メモリ、不揮発性ストレージ、および、マウスやキーボードなどの入力デバイスのような、コンピュータに一般的に見られる構成要素を含み得る。マスターコントローラ402は、USB、シリアルまたはイーサネット(登録商標)通信ケーブル412などの一般的な通信手段を介してサーボドライブ404と通信する。
【0015】
サーボドライブ404は、エンコーダケーブル414を介して、位置および/または速度を含み得るエンコーダ408からのモーションデータを読み取るとともに、モータケーブル416を介して電気モータに適切な電力を供給して電気モータを駆動することにより、電気モータ406を制御する。モータ406に適切な電力を供給するために、サーボドライブ404は、マスターコントローラ402からのモーションコマンドおよびエンコーダ408からのモーションデータを使用して、閉ループサーボアルゴリズムを実行する。サーボドライブ404は、メモリ、プロセッサ、例えばマイクロプロセッサ、および、駆動電力または駆動電流を供給するための電力回路など(図示せず)の、典型的なサーボドライブに一般的に見られる構成要素を含む。
【0016】
しかしながら、従来のサーボドライブとは異なり、サーボドライブ404は、モーションシステムの包括的なリアルタイム作動状態を監視してモーションシステムの様々な機械的故障を予測するための状態管理モジュール418を含む。以下で詳細に説明するように、状態管理モジュール418は、状態指標値を算出し、モーションシステム400の状態を判定し、そして修理、潤滑剤の付与、機械部品の交換など、モーションシステムにメンテナンスが必要かどうかを判断するように動作する。状態管理モジュール418は、ハードウェアとソフトウェアの任意の組み合わせで実装することができる。特定の実装形態では、状態管理モジュール418は、サーボドライブ404のプロセッサによって実行される1つまたは複数のソフトウェアであり得る。状態管理モジュール418は、以下でより詳細に説明される。
【0017】
モータ406は、ボールねじリニアアクチュエータ410のねじ420に接続されたシャフト(図示せず)を含む。モーターシャフトが回転すると、ねじは、負荷プレート422に取り付けられた負荷を移動させて、1つまたは複数の所望の動作を実行する。
【0018】
サーボドライブ404の状態管理モジュール418は、モーションシステムの包括的なリアルタイム作動状態を監視してモーションシステムの様々な機械的故障を予測する方法を実行するように構成される。上記のように、この方法は、サーボドライブの閉ループアルゴリズムで一般的に使用されるモーション変数を使用する。特に、この方法は、モータ406を駆動するために使用される変数を使用する。
【0019】
この方法で使用されるモーション変数は、サーボドライブで一般的に使用される2つの主要なタイプの変数、すなわち(1)P-位置および(2)I-電流、から導出される。速度(V)および加速度(A)は、次のように、既知のサンプリング時間Δtによって位置から導出できることに留意されたい。
【0020】
V=P/Δt
A=V/Δt=P/Δt^2
一般的なサーボドライブで使用される上記の既存の変数を使用して、次の3つの作動状態パラメータを既存のサーボ変数から算出できる。
【0021】
1.摩擦係数値-クーロンおよび粘性
2.位置と速度に基づくトルクモデル
3.総衝撃値
これらの3つの作動状態パラメータは、モーションシステム400の状態の良好な指標を提供し、モーションシステムで発生する可能性のある将来の故障の予測を可能にする。たとえば、摩擦係数の上昇が検出された場合、摩擦が増大しており、ベアリングの摩耗や潤滑剤の喪失があると判断できる。また、通常のトルクモデルからの逸脱がある場合、同じ作業を実行するにはより多くのトルクが必要であることに注意することができる。トルク偏差の増加は、同じ作業を行うためにトルクの増加を必要とするシステムの何らかの障害または劣化を示している可能性がある。別の例として、総衝撃値が増大している場合、機械システムへの応力が増大し、リンク装置、ギア、またはベルトの寿命が尽きたことを示している可能性がある。
【0022】
実施形態では、状態管理モジュール418は、摩擦係数値を算出するように構成される。摩擦係数値は、モーション制御の分野でよく知られている次の方程式に基づき算出される。
【0023】
T=J*A+B*w+C*(dw) (式1)
ここで、Tはトルク、Jは慣性、Aは加速度、Bは粘性摩擦係数、wは速度、Cはクーロン摩擦係数、dwは速度の方向である。
【0024】
上記の式では、トルクは次のように電流にトルク定数を乗算したものに等しくなる。
T=Kt*I
ここで、Tはトルク、Ktはトルク定数、Iは駆動電流である。したがって、式1は次のように表すことができる。
【0025】
Kt*I=J*A+B*w+C*(dw) (式2)
加速度は、デルタ時間における速さの変化または時間の変化である。速さは、デルタ時間における位置の変化である。したがって、速さ(速度)と加速度は次のように表すことができる。
【0026】
V=P/Δt
A=V/Δt=P/Δt^2
したがって、式2は次のように表すことができる。
【0027】
Kt*I=J*(P/Δt^2)+B*P/Δt+C*(dw) (式3)
式3において、モータの慣性Jはわかっている。したがって、2つの未知の値はC(クーロン摩擦値)とB(粘性係数値)である。式における他のすべての変数Kt,I,P,J,Δt,dwは既知である。多くのサンプル値を取得して回帰分析を使用することにより、粘性およびクーロン摩擦係数値B,Cを決定できる。粘性およびクーロン摩擦係数値B,Cは、モーションシステム400の状態指標値である。
【0028】
状態管理モジュール418はまた、3次元(3D)トルクモデルを生成する。位置、速度及び電流の値のセットを収集することにより、3Dトルクモデルを生成できる。状態管理モジュール418は、モーションシステムが作動されるときに生成される位置、速度および電流の値を同時に繰り返し収集する。これらの値を使用して、モーションシステムのトルクに関する優れたパフォーマンスモデルを構築できる。実施形態では、各3D点(位置、速度、およびトルク)について、最大値、最小値、および平均値を決定することができる。これらの値を使用して、トルク値の最大および最小極値モデルを作成したり、平均値を使用してトルク値の平均点モデルを作成したりできる。
【0029】
3Dトルクモデル500の例が
図5に示されている。
図5に示すように、3Dトルクモデル500は、モーションシステムが作動していた期間にわたって収集された位置、速度および電流の値を使用して生成される。
図5に示すように、3Dトルクモデル500は、速度、位置、およびトルクによって定義される空間内の3Dモデルである。
【0030】
3Dトルクモデルが構築されると、そのモデルの最小、最大、および/または平均のトルク値を使用して、リアルタイムトルクをそのモデルと比較できる。トルク偏差値は、所与の各位置および速度ポイントにおいて決定される。各トルク偏差値は、所与の位置および速度ポイントで同じタイプの作業を実行するために必要な力の量の差を表す。したがって、トルク偏差値は、モーションシステム400に関する別の状態指標値である。
【0031】
状態管理モジュール418はまた、総衝撃値を算出する。モーションシステムの典型的なモーションプロファイルを
図6に示し、これは、距離、速度、および加速度のプロファイルを示している。以下は、加速度に関連する力(または角度でのトルク)の式である。
【0032】
F=M*A
ここで、Fは力、Mは質量、Aは加速度である。
衝撃は、システムに加えられる力の変化として定義され、次の式で表すことができる。
【0033】
ΔF=M*ΔA
上記の式は、力の変化が加速度の変化に比例することを定義している。
加速度の変化の大きさを判定することにより、衝撃の量を決定することができる。加速度グラフの例を
図7に示し、これは、衝撃の総量を算出するために使用できる。加速度グラフは、加速度変化の5つのインスタンス702,704,706,708,710を示している。第1のインスタンス702では、加速度は4から0にまで、4だけ変化した。第2のインスタンス704では、加速度は0から-2にまで、2だけ変化した。第3のインスタンス706では、加速度は-2から0にまで、2だけ変化した。第4のインスタンス708では、加速度は0から4にまで、4だけ変化した。第5のインスタンス710では、加速度は4から0にまで、4だけ変化した。したがって、衝撃の総量は次のように算出される。
【0034】
総衝撃=J*(4+2+2+4+4)
ここで、Jは慣性(Mの角度置換)である。
総衝撃値は、モーションシステム400の寿命にわたって加算され、モーションシステムに加えられた応力と歪みと摩耗との総量として決定される。したがって、累積総衝撃値を使用して、機械システムの残りの寿命を決定することができるとともに、モーションシステムの交換またはメンテナンスのスケジュールを決定することができる。したがって、総衝撃値は、モーションシステム400の別の状態指標値である。
【0035】
本発明の実施形態による状態管理機能を備えたモーションシステム400の動作を、
図8の手順流れ図を参照して説明する。ブロック802において、モータ406を駆動するためにサーボドライブ404で使用されるモーション変数のいくつかが、モーションシステム400に関する3Dトルクモデルを構築するために状態管理モジュール418によって選択される。実施形態では、これらのモーション変数は、モータ406を駆動するために使用される電流I、ならびに特定の時点でのモータ406の実際の位置Pおよび速度Vを含み得るが、これらに限定されない。実際の位置Pおよび速度Vは、モータ406に取り付けられたエンコーダ408によって提供される。速度Vがエンコーダ408によって提供されない場合、速度Vは、ある期間にわたる複数の位置Pの値から算出され得る。
【0036】
次に、ブロック804において、モータ406が、モータに適切な電流Iを供給することによって、3Dトルクモデルを構築するために少なくとも1つの一連の動作を実行するように駆動される。一連の動作は、ボールねじリニアアクチュエータ410のロードプレート422を移動させるためにモータ406を介して実行されるべき1つまたは複数の動作を含み得る。
【0037】
次に、ブロック806において、モータ406が駆動されているときに、選択されたモーション変数が、モーションシステム400によって実行されている様々な動作について、状態管理モジュール418によって同時に収集される。電流I、位置Pおよび速度Vが選択される実施形態では、電流Iと、結果として生じる位置Pおよび速度Vとが、各動作について同時に一緒に収集される。
【0038】
次に、ブロック808において、状態管理モジュール418によって収集されたモーション変数の各セットについて、対応するトルクが算出される。特に、各トルク値は、式T=Kt*Iを使用して計算される。ここで、Tはトルク、Ktはトルク定数、Iは駆動電流である。
【0039】
次に、ブロック810において、モーションシステム400についての3Dトルクモデルが、収集されたモーション変数および算出されたトルク値を使用して、状態管理モジュール418によって構築される。実施形態では、3Dトルクモデルは、位置Pおよび速度Vの値ならびに対応するトルク値を使用して構築される。これで、3Dトルクモデルをリアルタイムで使用してモーションシステムの状態を検出する準備が整う。
【0040】
次に、ブロック812において、モータが、通常の動作のために1つまたは複数の動作を実行するように駆動される。モータは、モーションシステム400のマスターコントローラ402からの1つまたは複数のモーションコマンドに応答して、サーボドライブ404から電気モータに適切な電流Iを供給することによって駆動される。
【0041】
次に、ブロック814において、モータ406が駆動されているときに、モータを駆動するためにサーボドライブ404で使用されるモーション変数のいくつかが、状態管理モジュール418によって収集される。実施形態では、これらのモーション変数は、モータ406を駆動するために使用される電流Iと、特定の時点におけるモータの実際の位置Pおよび速度Vとを再び含み得る。速度Vがエンコーダ408によって提供されない場合、速度Vは、ある期間にわたる複数の位置Pの値から算出され得る。
【0042】
次に、ブロック816において、モーションシステム400における1つまたは複数の摩擦係数が、状態管理モジュール418によって収集されたモーション変数を使用して算出される。実施形態では、クーロン摩擦係数値Cおよび粘性係数値Bが算出される。これらの摩擦係数値は、式3、すなわちKt*I=J*(P/Δt^2)+B*P/Δt+C*(dw)を使用して算出できる。これは、クーロン摩擦値Cおよび粘性係数値Bを除くすべての変数が既知である、または既知の値から導出できるからである。
【0043】
次に、ブロック818において、現在の摩擦係数が、状態管理モジュール418によって前回算出された摩擦係数と比較されて、摩擦係数の傾向、例えば、摩擦係数が増大しているか、減少しているか、またはほぼ同じレベルに留まっているかどうか、が判断される。前述のように、摩擦係数値の増大は、ベアリングの摩耗または潤滑剤の喪失を示している可能性があり、交換、修理、または潤滑が必要になる場合がある。
【0044】
次に、ブロック820において、現在のトルク偏差値が、3Dトルクモデルおよび現在のトルク値を使用して、状態管理モジュール418によって算出される。トルク偏差値は、現在の実際の位置Pおよび速度Vについての3Dトルクモデルからのトルク値(最小、最大、または平均)と、対応する駆動電流Iを使用して算出された現在のトルク値との差をとることによって算出される。
【0045】
次に、ブロック822において、現在の加速度値Aが、収集された速度値Vおよび前回収集された速度値を使用して、状態管理モジュール418によって算出される。したがって、加速度の変化は時間の経過とともに算出できる。
【0046】
次に、ブロック824において、現在の総衝撃値が、現在の加速度値を使用して、状態管理モジュール418によって算出される。現在の加速度値Aが前回の加速度値と同じである場合、現在の総衝撃値は前回の総衝撃値と同じになる。しかし、現在の加速度値Aが前回の加速度値と同じでない場合は、その差の大きさが前回の総衝撃値に加算されて、現在の総衝撃値が導出される。したがって、総衝撃値は累積値である。
【0047】
次に、ブロック826において、状態管理モジュール418によって、算出された摩擦係数、現在のトルク偏差値、および現在の総衝撃値のうちの1つまたは複数がメンテナンスの必要性を示すかどうかの判定が行われる。否定判定の場合、処理はブロック812に戻る。しかしながら、肯定判定の場合、処理はブロック828に進み、メンテナンスが必要であることを示す通知が生成される。通知は、モーションシステム400における機械的構成要素の修理、交換または潤滑の必要性を含み得るが、これらに限定されない。通知は、マスターコントローラ402に接続された表示装置に表示されるなど、任意の手段でユーザに提示され得る。次に、処理はブロック812に戻り、モーションシステムの状態をさらに監視する。
【0048】
モーションシステム400のメンテナンスが必要かどうかの判断は、算出された摩擦係数、現在のトルク偏差値、および現在の総衝撃値を、経験的または理論的に決定され得る閾値とそれぞれ比較することによって行うことができる。実施形態では、特定のタイプの故障は、様々なシナリオケースをテストすることによって予測することができる。たとえば、メンテナンスが必要な潤滑剤が失われるシナリオケースを構築することができる。このケースを構築するために、潤滑剤を人為的に押し出し、モーションシステムの作動中に変化する摩擦係数およびトルクモデルのパターンを観察することができる。ケースが構築されると、監視される値を観察された値と比較して、潤滑が低く、サービスが必要な時期を判断できる。構築できるケースには、低い潤滑、ベルトまたはギアの摩耗、アセンブリの緩みなどが含まれるが、これらに限定されない。これらのケースは、モーションシステム400に対して予測できる故障のタイプを判定するために構築および使用することができる。
【0049】
上記のように、モーション変数の監視および状態指標値の様々な計算は、サーボドライブ404内の状態管理モジュール418によって実行される。したがって、生データを、遅延および圧倒的なデータトラフィックをもたらす可能性があるマスターコントローラ402またはクラウドなどの他の場所に送信する必要はない。
【0050】
実施形態では、上記の方法は、単一のモーションシステムの状態を判定するためだけでなく、プラントレベルであっても、モーションシステムのグループの状態を判定するためにも使用することができる。したがって、この方法を使用して、個々のモーションシステムおよび/またはモーションシステムのグループの状態および状態の傾向を監視することができる。
【0051】
別の実施形態では、上記の方法は、参照としてここに組み込まれる「モーションシステムの多次元運動性能モデリングおよびリアルタイム監視」という名称の米国特許出願第15/865,088号に記載されている技術とともに使用することができる。
【0052】
本発明の実施形態による、サーボドライブを備えたモーションシステムの状態を管理する方法を、
図9の手順流れ図を参照して説明する。ブロック902において、モーションコマンドに応答してモーションシステムのモータを駆動するためにサーボドライブによって使用されるモーション変数が収集される。ブロック904では、モーションシステムに関する状態指標値が、収集されたモーション変数のみを使用して算出される。ブロック906では、状態指標値に応答して、モーションシステムのメンテナンスのための通知が生成される。
【0053】
ここに一般的に記載されるとともに添付の図面に示されている実施形態の構成要素は、多種多様な異なる構成で配置および設計することができる。したがって、図面に示されるような、様々な実施形態の以下のより詳細な説明は、本開示の範囲を限定することを意図するものではなく、単に様々な実施形態を代表するものである。実施形態の様々な態様が図面に示されているが、図面は、特に示されない限り、必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではない。
【0054】
本発明は、その精神または本質的な特徴から逸脱することなく、他の特定の形態で具体化することができる。説明された実施形態は、すべての点で例示としてのみ考慮されるべきであり、限定的ではないと見なされるべきである。したがって、本発明の範囲は、この詳細な説明ではなく、添付の特許請求の範囲によって示される。クレームの均等の意味および範囲内にあるすべての変更は、それらクレームの範囲内に含まれるものとする。
【0055】
本明細書全体を通して、特徴、利点、または同様の言語への言及は、本発明で実現され得るすべての特徴および利点が、本発明の任意の単一の実施形態にあるべきである、またはそうであることを意味するものではない。むしろ、特徴および利点に言及する言語は、実施形態に関連して説明される特定の特徴、利点、または特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味すると理解される。したがって、本明細書全体にわたる特徴および利点、ならびに同様の言語の議論は、必ずしもそうではないが、同じ実施形態を参照することができる。
【0056】
さらに、本発明の記載された特徴、利点、および特徴は、1つまたは複数の実施形態において任意の適切な方法で組み合わせることができる。関連技術の当業者は、本明細書の説明に照らして、本発明が、特定の実施形態の1つまたは複数の特定の特徴または利点なしで実施できることを認識するであろう。他の例では、本発明のすべての実施形態に存在しない可能性がある特定の実施形態では、追加の特徴および利点が認識され得る。
【0057】
本明細書全体を通して「一実施形態」、「実施形態」、または同様の言語への言及は、示された実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、または特性が本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、「一実施形態において」、「実施形態において」という句、および本明細書全体にわたる同様の言語は、必ずしもそうではないが、すべてが同じ実施形態を指す場合がある。
【0058】
本明細書における方法の処理は、特定の順序で示され、説明されているが、各方法の処理の順序は、特定の処理が逆の順序で実行され得るように、または特定の処理が少なくとも部分的に他の処理と同時に実行され得るように、変更され得る。別の実施形態では、別個の処理の命令またはサブ処理は、断続的および/または交互の態様で実施され得る。
【0059】
また、方法の処理の少なくとも一部は、コンピュータによる実行のためにコンピュータで使用可能な記憶媒体に格納されたソフトウェア命令を使用して実施され得ることに留意されたい。一例として、コンピュータプログラム製品の実施形態は、コンピュータ上で実行されると、本明細書に記載されるように、コンピュータに処理を実行させるコンピュータ可読プログラムを格納するためのコンピュータ使用可能な記憶媒体を含む。
【0060】
さらに、本発明の少なくとも一部の実施形態は、コンピュータまたは任意の命令実行システムによって、またはそれらに関連して使用するためのプログラムコードを提供するコンピュータ使用可能媒体またはコンピュータ可読媒体からアクセス可能なコンピュータプログラム製品の形態をとることができる。この説明の目的のために、コンピュータ使用可能媒体またはコンピュータ可読媒体は、命令実行システム、装置またはデバイスによって、またはそれらに関連して使用するためのプログラムを含み、格納し、通信し、伝播し、または運ぶことができる任意の装置であり得る。
【0061】
コンピュータ使用可能媒体またはコンピュータ可読媒体は、電子、磁気、光学、電磁気、赤外線または半導体システム(または装置またはデバイス)、または伝搬媒体であり得る。コンピュータ可読媒体の例には、半導体またはソリッドステートメモリ、磁気テープ、リムーバブルコンピュータディスケット、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、リジッド磁気ディスク、および光ディスクが含まれる。光ディスクの現在の例には、読み取り専用メモリを備えたコンパクトディスク(CD-ROM)、読み取り/書き込みができるコンパクトディスク(CD-R/W)、デジタルビデオディスク(DVD)、およびBlu-ray(登録商標)ディスクが含まれる。
【0062】
上記の説明では、様々な実施形態の特定の詳細が提供される。しかしながら、いくつかの実施形態は、これらの特定の詳細のすべてよりも少ないもので実施され得る。他の例では、特定の方法、手順、構成要素、構造、および/または機能が、簡潔さおよび明確さのために、本発明の様々な実施形態を可能にすることよりも詳細に説明されていない。
【0063】
本発明の特定の実施形態が説明および図示されてきたが、本発明は、そのように説明および図示された部品の特定の形態または配置に限定されるべきではない。本発明の範囲は、本明細書に添付された特許請求の範囲およびそれらの均等物によって定義されるべきである。