(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-14
(45)【発行日】2023-11-22
(54)【発明の名称】媒体排出装置
(51)【国際特許分類】
B65H 31/38 20060101AFI20231115BHJP
【FI】
B65H31/38
(21)【出願番号】P 2020013685
(22)【出願日】2020-01-30
【審査請求日】2022-11-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000250502
【氏名又は名称】理想科学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004185
【氏名又は名称】インフォート弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【氏名又は名称】大菅 義之
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【氏名又は名称】天田 昌行
(72)【発明者】
【氏名】高橋 寿行
【審査官】正木 裕也
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-201590(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2017-112341(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 31/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体が積載される積載台と、
前記積載台に向けて排出される前記媒体を規制する規制位置と、当該規制位置から退避した退避位置との間を移動する規制部と、
前記媒体が突き当てられる突き当て面の下端が前記退避位置において前記規制位置よりも上方に位置するように前記規制部を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記規制位置以外では、前記積載台に積載された前記媒体の上面に接触しないように前記規制部を制御
し、
前記制御部は、前記規制部が前記退避位置から前記規制位置に、前記積載台に向けて排出される前記媒体の排出方向に移動するまでの間、前記突き当て面の前記下端が前記退避位置から下降していくように前記規制部を制御する
ことを特徴とする媒体排出装置。
【請求項2】
媒体が積載される積載台と、
前記積載台に向けて排出される前記媒体を規制する規制位置と、当該規制位置から退避した退避位置との間を移動する規制部と、
前記媒体が突き当てられる突き当て面の下端が前記退避位置において前記規制位置よりも上方に位置するように前記規制部を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記規制位置以外では、前記積載台に積載された前記媒体の上面に接触しないように前記規制部を制御し、
前記制御部は、前記規制位置において前記規制部と前記積載台に積載された前記媒体の前記上面とが接触する場合には、前記突き当て面の前記下端が前記退避位置において前記規制位置よりも上方に位置するように前記規制部を制御し、前記規制位置において前記規制部と前記媒体の前記上面とが接触しない場合には、前記突き当て面の前記下端が前記退避位置において前記規制位置と同じ高さに位置するように前記規制部を制御する
ことを特徴とす
る媒体排出装置。
【請求項3】
媒体が積載される積載台と、
前記積載台に向けて排出される前記媒体を規制する規制位置と、当該規制位置から退避した退避位置との間を移動する規制部と、
前記媒体が突き当てられる突き当て面の下端が前記退避位置において前記規制位置よりも上方に位置するように前記規制部を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記規制位置以外では、前記積載台に積載された前記媒体の上面に接触しないように前記規制部を制御し、
前記制御部は、前記積載台に向けて排出される前記媒体の排出媒体情報に基づいて、前記規制部が前記退避位置から前記規制位置へ移動を開始するタイミングの調整と、前記規制部の前記退避位置の調整とのうち少なくとも一方を行う
ことを特徴とす
る媒体排出装置。
【請求項4】
媒体が積載される積載台と、
前記積載台に向けて排出される前記媒体を規制する規制位置と、当該規制位置から退避した退避位置との間を移動する規制部と、
前記媒体が突き当てられる突き当て面の下端が前記退避位置において前記規制位置よりも上方に位置するように前記規制部を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記規制位置以外では、前記積載台に積載された前記媒体の上面に接触しないように前記規制部を制御し、
前記積載台における前記媒体の積載位置を、前記積載台に向けて排出される前記媒体の排出方向の前後にオフセットするオフセット動作を行うオフセット手段を更に備え、
前記制御部は、前記オフセット手段が前記排出方向の後方に前記オフセット動作を行った後、最初の所定枚数の前記媒体が排出される場合に、前記規制位置以外では、前記積載台に積載された前記媒体の前記上面に接触しないように前記規制部を制御する
ことを特徴とす
る媒体排出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、媒体が積載される媒体排出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、用紙等の媒体が積載される媒体排出装置において、積載台に向けて排出される媒体(積載位置)を規制する規制位置と、この規制位置から退避した退避位置との間を移動するエンドフェンス等の規制部を備える媒体排出装置が知られている。このような媒体排出装置では、規制部は、媒体が積載台に向けて排出される際に、退避位置から規制位置へ移動し、この規制位置から退避位置へ移動する規制動作(ジョガー動作)を行う。
【0003】
また、シート載置台上に排出されたシートをオフセット位置に向けて押し込む一対のジョガーと、このジョガーにより押し込まれるシートをオフセット位置に規制する一対のシートフェンスとを有するシート処理装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図9は、参考技術におけるエンドフェンス134及びオフセットガイド135を示す正面図である。
【0006】
図10は、参考技術におけるエンドフェンス134の規制動作を説明するための正面図である。
【0007】
図9に示すエンドフェンス134は、積載台131に向けて排出される媒体Mの排出方向Aにおける先端の位置を規制する。エンドフェンス134は、フェンス本体134aと、このフェンス本体134aから下方に突出する突き当て部材134bとを有する。
【0008】
オフセットガイド135は、媒体Mを挟んでエンドフェンス134に対向するように配置されている。
【0009】
エンドフェンス134及びオフセットガイド135は、媒体Mの排出方向Aの前後(
図9における左右方向)に移動可能に配置され、積載台131における媒体Mの積載位置を媒体Mの排出方向Aの前後にオフセットするオフセット動作を行う。
【0010】
また、
図10に示すように、エンドフェンス134は、積載台131に向けて排出される媒体Mの排出方向Aにおける先端の位置を規制する実線で示す規制位置と、この規制位置から退避した破線で示す退避位置(エンドフェンス134-1)との間で移動可能に配置され、媒体Mが積載台131に向けて排出される際に、退避位置から規制位置へ移動し、この規制位置から退避位置へ移動する上述の規制動作を行う。
【0011】
しかしながら、エンドフェンス134及びオフセットガイド135が上述のようにオフセット動作を行うことで排出方向Aにおける後方(
図10における左側)に媒体Mが積載されているときには、エンドフェンス134の下方に、積載された媒体Mが位置する。エンドフェンス134(突き当て部材134b)が退避位置と規制位置との間を移動する際に、下方に位置する媒体Mの上面Maに接触していると、媒体Mの位置がずれたり、媒体Mとエンドフェンス134とが擦れて媒体Mの上面Maに印刷された画像に画像不良が発生したりする。
【0012】
なお、上述のように一対のジョガーと一対のシートフェンスとを有するシート処理装置においても、同様に、ジョガーが規制位置と退避位置との間を移動する際にジョガーと媒体の上面とが接触していると、媒体の位置がずれたり、画像不良が発生したりする。
【0013】
本発明の目的は、媒体を規制する規制部が規制位置と退避位置との間を移動する際に、規制部と媒体の上面とが接触するのを抑制することができる媒体排出装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
1つの態様では、媒体排出装置は、媒体が積載される積載台と、前記積載台に向けて排出される前記媒体を規制する規制位置と、当該規制位置から退避した退避位置との間を移動する規制部と、前記媒体が突き当てられる突き当て面の下端が前記退避位置において前記規制位置よりも上方に位置するように前記規制部を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記規制位置以外では、前記積載台に積載された前記媒体の上面に接触しないように前記規制部を制御する。
【発明の効果】
【0015】
前記態様によれば、媒体を規制する規制部が規制位置と退避位置との間を移動する際に、規制部と媒体の上面とが接触するのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】一実施の形態に係る媒体排出装置を備える印刷システムの内部構成を示す図である。
【
図2】一実施の形態に係る媒体排出装置を備える印刷システムの主要な制御構成を示す図である。
【
図3】一実施の形態におけるサイドフェンス及びエンドフェンスの規制動作を説明するための平面図である。
【
図4】一実施の形態におけるエンドフェンス及びオフセットガイドを示す正面図である。
【
図5A】一実施の形態におけるエンドフェンスの規制動作を説明するための正面図(その1)である。
【
図5B】一実施の形態におけるエンドフェンスの規制動作を説明するための正面図(その2)である。
【
図5C】一実施の形態におけるエンドフェンスの規制動作を説明するための正面図(その3)である。
【
図6】比較例におけるエンドフェンスの規制動作を説明するための正面図である。
【
図7】一実施の形態におけるエンドフェンスと媒体の上面とが接触しない場合のエンドフェンスの規制動作を説明するための正面図(その1)である。
【
図8】一実施の形態におけるエンドフェンスと媒体の上面とが接触しない場合のエンドフェンスの規制動作を説明するための正面図(その2)である。
【
図9】参考技術におけるエンドフェンス及びオフセットガイドを示す正面図である。
【
図10】参考技術におけるエンドフェンスの規制動作を説明するための正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態に係る媒体排出装置について、図面を参照しながら説明する。
【0018】
図1は、一実施の形態に係る媒体排出装置30を備える印刷システム1の内部構成を示す図である。
【0019】
図2は、印刷システム1の主要な制御構成を示す図である。
【0020】
図1及び
図2に示す印刷システム1は、印刷装置10と、中間搬送装置20と、媒体排出装置30とを備える。
【0021】
なお、
図1には、印刷装置10における媒体Mの直進搬送経路R1、及び中間搬送装置20における媒体Mの排出経路R4を実線で示す。また、
図1には、印刷装置10における媒体Mの循環搬送経路R2を2点鎖線で、印刷装置10における反転搬送経路R3を破線で示す。一例ではあるが、媒体Mは、枚葉紙(用紙)などのシート状の媒体である。
【0022】
図1に示すように、印刷装置10は、媒体供給部11と、繰り出しローラ12と、複数の搬送ローラ対13と、吸着搬送部14と、印刷ヘッド15と、搬送経路切り替え部16,17と、積載台18とを備える。また、
図2に示すように、印刷装置10は、制御部19aと、記憶部19bと、インターフェース部19cとを備える。なお、印刷システム1は、単一の印刷装置10を備えるが、例えば、媒体Mの搬送経路に直列に配置された複数の印刷装置を備えてもよい。
【0023】
媒体供給部11には、媒体Mが積載される。媒体供給部11は、印刷装置10と一体に配置されているが、印刷装置10とは別体に配置されていてもよい。
【0024】
繰り出しローラ12は、媒体供給部11に積載された複数枚の媒体Mのうち最上位に位置する媒体Mを繰り出して搬送する。
【0025】
搬送ローラ対13は、印刷装置10内の直進搬送経路R1、循環搬送経路R2、及び反転搬送経路R3のそれぞれに複数対配置され、媒体Mをニップしながら搬送する。
【0026】
吸着搬送部14は、印刷ヘッド15に対向するように配置されている。吸着搬送部14は、媒体Mを吸着しながら例えばベルトによって媒体Mを搬送する。
【0027】
なお、繰り出しローラ12、複数の搬送ローラ対13、及び吸着搬送部14、並びに後述する中間搬送装置20の複数の搬送ローラ対21は、媒体Mを搬送する搬送部の一例である。
【0028】
印刷ヘッド15は、例えば、印刷に用いられる各色分の図示しないラインヘッド型インクジェットヘッドを有する。なお、印刷ヘッド15の印刷方式は、インクジェット印刷方式以外の印刷方式であってもよい。すなわち、印刷ヘッド15は、媒体Mに印刷を行う印刷部の一例にすぎず、この印刷部としてはインクジェット印刷方式の印刷ヘッド15に限られない。
【0029】
搬送経路切り替え部16は、印刷ヘッド15によって印刷が行われた媒体Mの搬送経路を、中間搬送装置20へ続く直進搬送経路R1と、積載台18又は反転搬送経路R3へ続く循環搬送経路R2とに切り替える。
【0030】
搬送経路切り替え部17は、媒体Mの循環搬送経路R2を、積載台18へ続く搬送経路と、反転搬送経路R3へ続く搬送経路とに切り替える。なお、媒体Mは、反転搬送経路R3において表裏が逆転し、再び印刷ヘッド15へ搬送される。
【0031】
積載台18には、媒体排出装置30へ排出されない媒体Mが積載される。
【0032】
図2に示す制御部19aは、印刷装置10全体の動作を制御する演算処理装置として機能するプロセッサ(例えばCPU:Central Processing Unit)を有し、繰り出しローラ12、複数の搬送ローラ対13、吸着搬送部14、印刷ヘッド15等の各部の動作を制御する。また、制御部19aは、後述する中間搬送装置20の複数の搬送ローラ対21を制御する。なお、印刷装置10の制御部19aと、後述する媒体排出装置30の制御部38aとを兼ねる制御部が印刷システム1に配置されていてもよい。
【0033】
記憶部19bは、例えば、所定の制御プログラムが予め記録されている読み出し専用半導体メモリであるROM(Read Only Memory)、プロセッサが各種の制御プログラムを実行する際に必要に応じて作業用記憶領域として使用される随時書き込み読み出し可能な半導体メモリであるRAM(Random Access Memory)などである。
【0034】
インターフェース部19cは、媒体排出装置30等の機器との間で各種情報の授受を行う。例えば、インターフェース部19cは、印刷ジョブ、媒体供給部11に配置された図示しないセンサの検知結果、印刷装置10の設定などに基づき、媒体Mのサイズ、向き、種類(例えば、厚さ、坪量、材質など)、搬送速度(すなわち、媒体排出装置30における排出速度)などの排出媒体情報を媒体排出装置30に送る。
【0035】
図1に示す中間搬送装置20は、複数の搬送ローラ対21と、媒体通過検知センサ22とを備える。
【0036】
複数の搬送ローラ対21は、印刷装置10から排出された媒体Mをニップしながら搬送する。
【0037】
媒体通過検知センサ22は、排出経路R4において、媒体Mの有無を検知する。
【0038】
図1に示すように、媒体排出装置30は、積載台31と、サイドフェンス32,33と、エンドフェンス34と、オフセットガイド35とを備える。また、
図2に示すように、媒体排出装置30は、規制駆動部36と、積載台駆動部37と、制御部38aと、記憶部38bと、インターフェース部38cとを備える。
【0039】
なお、媒体排出装置30は、印刷装置10とは別体に配置されているが、印刷装置10と一体に配置されていてもよい。また、媒体排出装置30は、印刷装置10において印刷が行われた媒体Mが積載されるのではなく、媒体Mに印刷以外の処理を行う処理装置や、媒体Mを搬送する搬送装置から排出される媒体Mが積載されてもよい。また、中間搬送装置20が省略される場合には、媒体排出装置30は、印刷装置10から直接的に媒体Mが排出されてもよい。
【0040】
積載台31には、中間搬送装置20から排出される媒体M、すなわち、印刷装置10から排出され、中間搬送装置20によって搬送された媒体Mが積載される。積載台31は、後述する積載台駆動部37の駆動によって昇降可能に配置されている。なお、積載台31は、媒体Mが積載されるベルトコンベアやローラコンベアなど、すなわち、搬送手段を有する積載台であってもよい。また、積載台31は、着脱自在に媒体排出装置30に配置され、媒体Mが取り出される際に、台車100上に下降して台車100に載置され、媒体Mとともに媒体排出装置30から取り出されてもよい。また、積載台31は、昇降可能に配置されているが、昇降不能に配置されていてもよい。
【0041】
図3に示すように、サイドフェンス32,33は、積載台31に向けて排出される媒体Mの排出方向Aに直交する媒体Mの幅方向に互いに対向するように配置されている。エンドフェンス34は、積載台31に積載される媒体Mよりも、排出方向Aの下流側(
図3における右側)に配置されている。
【0042】
図4に示すように、エンドフェンス34は、フェンス本体34aと、このフェンス本体34aから下方に突出し、媒体Mが突き当てられる上下動可能な突き当て部材34bとを有する。
【0043】
突き当て部材34bは、例えば、後述する規制駆動部36の駆動によって上昇可能に配置されるとともに自重で下降可能に配置されている。一例ではあるが、エンドフェンス34の下方に媒体Mが位置するとき、突き当て部材34bは、媒体Mの積載位置がオフセットされた後、積載台31が複数回下降するまでは突き当て部材34bが自重で下降し続けながら媒体Mの上面Maに接触する。その後も積載台31が下降すると、突き当て部材34bは、自重で最も下方まで下降した後、媒体Mの上面Maに接触しなくなる。なお、突き当て部材34bは、媒体Mの排出方向Aに直交する媒体Mの幅方向における長さがフェンス本体34aよりも短い。また、例えば、突き当て部材34bは、媒体Mの幅方向に間隔を隔てて2つ配置されている。
【0044】
図3に示すように、サイドフェンス32,33及びエンドフェンス34は、積載台31に向けて排出される媒体Mの端部に接触することで媒体M(媒体Mの積載位置)を規制する
図3に破線で示す規制位置P2と、この規制位置P2から退避した退避位置P1との間を移動する規制部の一例である。また、エンドフェンス34は、規制位置P2において積載台31に向けて排出される媒体Mの排出方向Aにおける先端の位置を規制する先端規制部の一例でもある。また、サイドフェンス32,33は、規制位置P2において積載台31に向けて排出される媒体Mの幅方向における端部の位置を規制する幅規制部の一例でもある。なお、このように退避位置P1と規制位置P2との間を移動するのは、エンドフェンス34(先端規制部)のみであってもよい。また、規制部(先端規制部及び幅規制部)は、エンドフェンスやサイドフェンスとは別体に配置されていてもよい。
【0045】
サイドフェンス32,33及びエンドフェンス34は、退避位置P1から規制位置P2へ移動し、例えば規制位置P2で静止せずに、規制位置P2から退避位置P1へ移動する規制動作(ジョガー動作)を行う。すなわち、規制動作は、退避位置P1から規制位置P2へ移動し、退避位置P1へ戻る往復動作といえる。この規制動作は、例えば、媒体Mが積載台31に向けて1枚排出される度に、又は複数枚排出される度に行われる。ここで、サイドフェンス32,33が行う規制動作を幅規制動作、エンドフェンス34が行う規制動作を先端規制動作と捉えることができる。サイドフェンス32,33及びエンドフェンス34は、積載台31とは異なり昇降不能に配置されているが、昇降可能に配置されていてもよい。
【0046】
図4に示すオフセットガイド35は、積載台31に積載される媒体Mよりも、排出方向Aの上流側(
図4における左側)に配置されている。
【0047】
エンドフェンス34及びオフセットガイド35は、積載台31に向けて排出される媒体Mの排出方向Aに対向するように配置されている。エンドフェンス34及びオフセットガイド35は、
図2に示す規制駆動部36の駆動によって、例えば印刷ジョブごとに、排出方向Aの前後(
図4における左右方向)に移動することによって、媒体Mの積載位置を排出方向Aの前後にオフセットするオフセット動作を行う。このように、エンドフェンス34及びオフセットガイド35は、積載台31における媒体Mの積載位置を排出方向Aの前後にオフセットするオフセット動作を行うオフセット手段の一例として機能する。なお、エンドフェンス34及びオフセットガイド35が排出方向Aの前後に移動する際には、規制駆動部36が突き当て部材34bを上昇させて保持することで、突き当て部材34bと媒体Mの上面Maとの接触を回避するとよい。また、オフセットガイド35にも下方に突出する突き当て部材が設けられている場合には、オフセットガイド35の突き当て部材も、エンドフェンス34及びオフセットガイド35が排出方向Aの前後に移動する際に突き当て部材34bとともに上昇させて保持することで、媒体Mの上面Maとの接触を回避するとよい。
【0048】
図2に示す規制駆動部36は、上述のオフセット動作を行うようにエンドフェンス34及びオフセットガイド35を駆動するとともに、排出途中の媒体Mに対する上述の規制動作を行うようにサイドフェンス32,33及びエンドフェンス34を駆動するモータ等の単一の又は複数のアクチュエータを有する。また、規制駆動部36は、上述のようにエンドフェンス34の突き当て部材34bを上昇させるモータ等のアクチュエータを有するとよい。
【0049】
積載台駆動部37は、例えば、モータ等のアクチュエータである。積載台駆動部37は、制御部38aの駆動制御によって、積載台31を昇降させる。なお、媒体排出装置30には、積載台31における媒体Mの積載面の高さが所定高さに達したことを検知する図示しない積載面検知センサが配置されている。後述する制御部38aは、この積載面検知センサの検知結果に基づいて、積載台31を例えば所定枚数分の高さ下降させるように積載台駆動部37を制御するとよい。
【0050】
制御部38aは、媒体排出装置30全体の動作を制御する演算処理装置として機能するプロセッサ(例えばCPU)を有し、規制駆動部36、積載台駆動部37等の各部を制御する。詳しくは後述するが、制御部38aは、
図5A~
図5Cに示すように、媒体Mが突き当てられる突き当て面S1,S2の下端S1a,S2aが退避位置P1(突き当て面S1の下端S1a)において規制位置P2(突き当て面S2の下端S2a)よりも上方に位置し、規制位置P2以外では、積載台31に積載された媒体Mの上面Maにエンドフェンス34が接触しないように、規制駆動部36を用いてエンドフェンス34を制御する。
【0051】
記憶部38bは、例えば、所定の制御プログラムが予め記録されている読み出し専用半導体メモリであるROM、プロセッサが各種の制御プログラムを実行する際に必要に応じて作業用記憶領域として使用される随時書き込み読み出し可能な半導体メモリであるRAMなどである。
【0052】
インターフェース部38cは、印刷装置10、中間搬送装置20等の機器との間で各種情報の授受を行う。例えば、インターフェース部38cは、印刷装置10から上述の排出媒体情報を取得するとともに、媒体通過検知センサ22の検知結果を取得する。制御部38aは、媒体Mが媒体通過検知センサ22を通過した後、所定時間経過後に上述のサイドフェンス32,33及びエンドフェンス34による規制動作が行われるように規制駆動部36を制御する。
【0053】
ここで、上述のエンドフェンス34の規制動作について、より詳細に説明する。
【0054】
図4は、エンドフェンス34及びオフセットガイド35を示す正面図である。
【0055】
図5A~
図5Cは、エンドフェンス34の規制動作を説明するための正面図である。
【0056】
上述のように、エンドフェンス34は、
図3に示すサイドフェンス32,33とともに、
図4に破線で示す退避位置P1から
図4に実線で示す規制位置P2へ移動し、例えば規制位置P2で静止せずに、規制位置P2から退避位置P1へ移動する規制動作を行う。ところが、エンドフェンス34及びオフセットガイド35が上述のオフセット動作を排出方向Aの後方である反対側に行うことで、エンドフェンス34の下方に媒体Mが積載されている場合がある。この場合に、オフセット動作後の媒体Mの積載枚数が少ないと、自重で下降する突き当て部材34bが媒体Mの上面Maに接触する。このように突き当て部材34bと媒体Mの上面Maとが接触する状態でエンドフェンス34が規制動作を行うと、エンドフェンス34が退避位置P1と規制位置P2との間を移動する際に、媒体Mの位置がずれたり、媒体Mの上面Maとエンドフェンス34とが擦れることで媒体Mの上面Maに印刷された画像に画像不良が発生したりする。
【0057】
そこで、
図2に示す制御部38aは、排出方向Aの後方にオフセット動作が行われた後、最初の所定枚数の媒体Mが排出される場合、すなわち、エンドフェンス34(突き当て部材34b)と媒体Mの上面Maとが接触する場合には、
図4に示すように、規制位置P2から退避位置P1にかけてエンドフェンス34の突き当て部材34bを上昇させ、上昇を止めて上昇位置に保持するように規制駆動部36を用いてエンドフェンス34を制御する。
【0058】
図5Aに示すように、積載台31に向けて排出される媒体Mが退避位置P1におけるエンドフェンス34に接触してから所定時間後、
図5Bに示すように、エンドフェンス34が規制位置P2に向けて移動を開始する。媒体Mが退避位置P1におけるエンドフェンス34に接触することは、上述の中間搬送装置20の媒体通過検知センサ22の検知結果、及び媒体Mの排出速度(搬送速度)に基づいて制御部38aが判別することが可能である。但し、媒体Mがエンドフェンス34に接触することは、例えば、エンドフェンス34における媒体Mの接触位置に検知光を照射するセンサや、エンドフェンス34に配置されたセンサなどによって検知されもよい。なお、エンドフェンス34は、媒体Mがエンドフェンス34に接触する前に規制位置P2に向けて移動を開始してもよい。
【0059】
制御部38aは、予め決められた距離をエンドフェンス34が移動した後、規制駆動部36を用いて突き当て部材34bの上昇位置における保持を停止させる。これにより、突き当て部材34bが自重で下降し、
図5Cに示すように、規制位置P2において、突き当て部材34bが媒体Mの上面Maに接触する。このように突き当て部材34b(エンドフェンス34)は、規制位置P2以外では、媒体Mの上面には接触しない。
【0060】
上述のように、制御部38aがエンドフェンス34の突き当て部材34bを上下動させることで、
図5A~
図5Cに示すように、突き当て面S1,S2の下端S1a,S2aが
図5Aに示す退避位置P1(突き当て面S1の下端S1a)において
図5Cに示す規制位置P2(突き当て面S2の下端S2a)よりも上方に位置する。
【0061】
制御部38aは、エンドフェンス34が退避位置P1から規制位置P2に到達するまでの間、突き当て面S1,S2の下端S1a,S2aが退避位置P1(突き当て面S1の下端S1a)から下降していくように規制駆動部36を用いて突き当て部材34bを自重で下降させる制御、すなわち突き当て部材34bの上昇位置における保持を停止させる制御を行うとよい。但し、制御部38aは、エンドフェンス34が規制位置P2に到達した後に、突き当て部材34bの上昇位置における保持を停止させ、突き当て部材34bを自重で下降させてもよい。
【0062】
また、
図7に示すように、オフセット動作後の媒体Mの積載枚数が増えていき、突き当て部材34bが自重で最も下方まで下降しても、媒体規制位置P2においてエンドフェンス34(突き当て部材34b)と媒体Mの上面Maとが接触しない場合には、制御部38aは、突き当て部材34bを上昇させる制御を行わなくともよい。なお、エンドフェンス34と媒体Mの上面Maとが接触しなくなることは、接触位置に検出光を照射するセンサなどを用いてもよいが、媒体Mの積載位置のオフセット後の積載台31の下降量、突き当て部材34bの最大下降量などに基づいて制御部38aが判別可能である。
【0063】
また、
図8に示すように、エンドフェンス34及びオフセットガイド35が上述のようにオフセット動作を行うことで排出方向Aにおける前方(
図8における右側)に媒体Mが積載されている状態(エンドフェンス34の下方に媒体Mが積載されていない状態)でも、媒体規制位置P2においてエンドフェンス34と媒体Mの上面Maとが接触しない。そのため、制御部38aは、突き当て部材34bを上昇させる制御を行わなくともよい。すなわち、制御部38aは、規制位置P2におけるエンドフェンス34の下方に媒体Mが積載されている状態でのみ、退避位置P1において突き当て部材34bを上昇させる制御を行ってもよい。
【0064】
ここで、制御部38aは、積載台31に向けて排出される媒体Mの排出媒体情報に基づいて、エンドフェンス34が退避位置P1から規制位置P2へ移動を開始するタイミングを調整するとよい。この移動開始タイミングは、媒体Mが退避位置P1におけるエンドフェンス34に接触してから所定時間後に限らず、媒体Mが退避位置P1におけるエンドフェンス34に接触する前であってもよい。なお、サイドフェンス32,33の移動開始タイミングもエンドフェンス34と同一にするとよい。
【0065】
排出媒体情報は、上述のように媒体Mのサイズ、向き、種類(例えば、厚さ、坪量、材質など)、搬送速度(すなわち、媒体排出装置30における排出速度)などであり、例えば、制御部38aが、印刷ジョブ、媒体供給部11に配置された図示しないセンサの検知結果、印刷装置10の設定などに基づいて印刷装置10(インターフェース部19c)から取得する。
【0066】
例えば、制御部38aは、媒体Mが薄紙で且つ排出速度が相対的に遅い場合には、媒体Mが落下するまでに時間を要するため、移動開始タイミングを早くしてもよい。また、制御部38aは、媒体Mが厚紙で且つ排出速度が相対的に速い場合には、媒体Mがエンドフェンス34の下方から抜け出てしまいやすいため、移動開始タイミングを早くしてもよい。なお、移動開始タイミングは、ユーザが排出媒体情報を変更しながら媒体Mの落下時間(整列度合い)やエンドフェンス34の下方からの抜け出やすさなどを実験で判定することで、排出媒体情報に応じたテーブルを作成し、このテーブルを制御部38aが参照することによって決定されるとよい。
【0067】
また、制御部38aは、上述の排出媒体情報に基づいて、エンドフェンス34の退避位置P1を調整するとよい。なお、制御部38aは、上述の排出媒体情報に基づいて、サイドフェンス32,33の退避位置P1も調整するとよい。
【0068】
例えば、制御部38aは、媒体Mが厚紙である場合や排出速度が相対的に速い場合には、媒体Mが積載台31に向けて排出される際に飛びやすいため、退避位置P1を規制位置P2から相対的に離れた位置にしてもよい。また、制御部38aは、媒体Mが薄紙である場合や排出速度が相対的に遅い場合には、媒体Mが積載台31に向けて排出される際に飛びにくいため、退避位置P1を規制位置P2から相対的に近い位置にしてもよい。なお、退避位置P1の位置調整についても、ユーザが排出媒体情報を変更しながら媒体Mの飛びやすさ、整列度合い、エンドフェンス34の下方からの抜け出やすさなどを実験で判定することで、排出媒体情報に応じたテーブルを作成し、このテーブルを制御部38aが参照することによって決定されるとよい。
【0069】
なお、エンドフェンス34は、突き当て部材34bを有さなくてもよい。その場合、フェンス本体34a自体が退避位置P1と規制位置P2との間で上下動することで、退避位置P1における突き当て面S1の下端S1aが規制位置P2における突き当て面S2の下端S2aよりも上方に位置するようにしてもよい。
【0070】
ところで、
図6に示す比較例のように、退避位置P1と同様に、規制位置P2において突き当て部材34bが上昇位置に保持されているままである場合、媒体Mがエンドフェンス34(突き当て部材34b)の下方から抜け出てしまう可能性がある。そのため、エンドフェンス34が規制位置P2に到達する前に突き当て部材34bの下降が開始するとよい。但し、エンドフェンス34が退避位置P1から規制位置P2に移動する途中に突き当て部材34bが媒体Mの上面Maに接触すると、突き当て部材34bと媒体Mの上面Maとが擦れるため、エンドフェンス34が規制位置P2に到達するタイミング以降で突き当て部材34bが媒体Mの上面Maに接触することが望ましい。
【0071】
以上説明した本実施の形態では、媒体排出装置30は、媒体Mが積載される積載台31と、この積載台31に向けて排出される媒体Mを規制する規制位置P2と、この規制位置P2から退避した退避位置P1との間を移動する規制部の一例であるエンドフェンス34と、媒体Mが突き当てられる突き当て面S1,S2の下端S1a,S2aが退避位置P1(突き当て面S1の下端S1a)において規制位置P2(突き当て面S2の下端S2a)よりも上方に位置するようにエンドフェンス34を制御する制御部38aとを備える。この制御部38aは、規制位置P2以外では、積載台31に積載された媒体Mの上面Maに接触しないようにエンドフェンス34を制御する。
【0072】
これにより、エンドフェンス34は、規制位置P2において媒体Mの上面Maに接触する場合であっても、規制位置P2以外では媒体Mの上面Maに接触しない。よって、本実施の形態によれば、媒体Mを規制するエンドフェンス34が規制位置P2と退避位置P1との間を移動する際に、エンドフェンス34と媒体Mの上面Maとが接触するのを抑制することができる。したがって、エンドフェンス34と媒体Mの上面Maとが接触することで、媒体Mの位置がずれたり、媒体Mとエンドフェンス34とが擦れて媒体Mの上面Maに印刷された画像に画像不良が発生したりすることを防止することもできる。
【0073】
また、本実施の形態では、規制部の一例であるエンドフェンス34は、媒体Mが突き当てられる上下動可能な突き当て部材34bを有し、突き当て面S1,S2の下端S1a,S2aは、突き当て部材34bが上昇することで、退避位置P1(突き当て面S1の下端S1a)において規制位置P2(突き当て面S2の下端S2a)よりも上方に位置する。
【0074】
このように突き当て部材34bが上下動することで、エンドフェンス34全体が上下動する態様と比較して簡素な構成で、エンドフェンス34と媒体Mの上面Maとが接触するのを抑制することができる。
【0075】
また、本実施の形態では、制御部38aは、規制部の一例であるエンドフェンス34が退避位置P1から規制位置P2に到達するまでの間、突き当て面S1,S2の下端S1a,S2aが退避位置P1(突き当て面S1の下端S1a)から下降していくようにエンドフェンス34を制御する。
【0076】
これにより、
図6に示す比較例のように、媒体Mがエンドフェンス34(突き当て部材34b)の下方から抜け出てしまうのを抑制することができる。また、エンドフェンス34が規制位置P2に到達してからの突き当て面S1,S2の下端S1a,S2aの下降量がより大きい態様と比較して、エンドフェンス34が媒体Mの上面Maに乗り上げたり或いは媒体Mの側面に擦れたりするのを抑制することもできる。
【0077】
また、本実施の形態では、制御部38aは、
図5Cに示すように規制位置P2において規制部の一例であるエンドフェンス34と媒体Mの上面Maとが接触する場合には、突き当て面S1,S2の下端S1a,S2aが退避位置P1(突き当て面S1)において規制位置P2(突き当て面S2)よりも上方に位置するようにエンドフェンス34を制御し、
図7及び
図8に示すように規制位置P2においてエンドフェンス34と媒体Mの上面Maとが接触しない場合には、突き当て面S1,S2の下端S1a,S2aが退避位置P1(突き当て面S1の下端S1a)において規制位置P2(突き当て面S2の下端S2a)と同じ高さに位置するようにエンドフェンス34を制御する。
【0078】
これにより、エンドフェンス34が規制位置P2において媒体Mの上面Maに接触しない場合には、突き当て面S1,S2の下端S1a,S2aが退避位置P1(突き当て面S1の下端S1a)において規制位置P2(突き当て面S2の下端S2a)よりも上方に位置するようにエンドフェンス34を制御する処理を省略することができる。更には、このようなエンドフェンス34の制御を省略することができることによって、
図6に示す比較例のように、媒体Mがエンドフェンス34(突き当て部材34b)の下方から抜け出てしまうのを抑制することもできる。
【0079】
また、本実施の形態では、制御部38aは、積載台31に向けて排出される媒体Mのサイズ、向き、種類(例えば、厚さ、坪量、材質など)、排出速度などの排出媒体情報に基づいて、規制部の一例であるエンドフェンス34が退避位置P1から規制位置P2へ移動を開始するタイミングの調整と、エンドフェンス34の退避位置P1の調整とのうち少なくとも一方を行う。
【0080】
これにより、制御部38aは、媒体Mが落下するまでの時間や、媒体Mのエンドフェンス34の下方からの抜け出やすさなどに応じたタイミングで、エンドフェンス34の退避位置P1から規制位置P2への移動を開始させることができる。また、制御部38aは、媒体Mが積載台31に向けて排出される際の飛びやすさ、媒体Mの整列度合い、媒体Mのエンドフェンス34の下方からの抜け出やすさなどに応じてエンドフェンス34の退避位置P1を調整することができる。したがって、媒体Mを積載位置において整列させやすくすることができるとともに、媒体Mがエンドフェンス34の下方から抜け出るのを抑制することができる。
【0081】
また、本実施の形態では、積載台31における媒体Mの積載位置を排出方向Aの前後にオフセットするオフセット動作を行うオフセット手段の一例であるエンドフェンス34及びオフセットガイド35を備え、制御部38aは、エンドフェンス34及びオフセットガイド35が排出方向Aの後方にオフセット動作を行った後、最初の所定枚数の媒体Mが排出される場合に、規制位置P2以外では、積載台31に積載された媒体Mの上面Maに接触しないようにエンドフェンス34を制御する。
【0082】
これにより、制御部38aは、排出方向Aの後方にオフセット動作が行われてから排出される最初の所定枚数の媒体Mの上面Maと、エンドフェンス34とが接触するのを抑制することができる。
【0083】
なお、本発明は、上述の実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階でその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上述の実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施の形態に示される全構成要素を適宜組み合わせても良い。このような、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用が可能であることはもちろんである。以下に、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
【0084】
[付記1]
媒体が積載される積載台と、
前記積載台に向けて排出される前記媒体を規制する規制位置と、当該規制位置から退避した退避位置との間を移動する規制部と、
前記媒体が突き当てられる突き当て面の下端が前記退避位置において前記規制位置よりも上方に位置するように前記規制部を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記規制位置以外では、前記積載台に積載された前記媒体の上面に接触しないように前記規制部を制御する
ことを特徴とする媒体排出装置。
【0085】
[付記2]
前記制御部は、前記規制部が前記退避位置から前記規制位置に到達するまでの間、前記突き当て面の前記下端が前記退避位置から下降していくように前記規制部を制御する
ことを特徴とする付記1記載の媒体排出装置。
【0086】
[付記3]
前記制御部は、前記規制位置において前記規制部と前記積載台に積載された前記媒体の前記上面とが接触する場合には、前記突き当て面の前記下端が前記退避位置において前記規制位置よりも上方に位置するように前記規制部を制御し、前記規制位置において前記規制部と前記媒体の前記上面とが接触しない場合には、前記突き当て面の前記下端が前記退避位置において前記規制位置と同じ高さに位置するように前記規制部を制御する
ことを特徴とする付記1又は2記載の媒体排出装置。
【0087】
[付記4]
前記制御部は、前記積載台に向けて排出される前記媒体の排出媒体情報に基づいて、前記規制部が前記退避位置から前記規制位置へ移動を開始するタイミングの調整と、前記規制部の前記退避位置の調整とのうち少なくとも一方を行う
ことを特徴とする付記1から3のいずれか記載の媒体排出装置。
【0088】
[付記5]
前記積載台における前記媒体の積載位置を、前記積載台に向けて排出される前記媒体の排出方向の前後にオフセットするオフセット動作を行うオフセット手段を更に備え、
前記制御部は、前記オフセット手段が前記排出方向の後方に前記オフセット動作を行った後、最初の所定枚数の前記媒体が排出される場合に、前記規制位置以外では、前記積載台に積載された前記媒体の前記上面に接触しないように前記規制部を制御する
ことを特徴とする付記1から4のいずれか記載の媒体排出装置。
【符号の説明】
【0089】
1 印刷システム
10 印刷装置
11 媒体供給部
12 繰り出しローラ
13 搬送ローラ対
14 吸着搬送部
15 印刷ヘッド
16,17 搬送経路切り替え部
18 積載台
19a 制御部
19b 記憶部
19c インターフェース部
20 中間搬送装置
21 搬送ローラ対
22 媒体通過検知センサ
30 媒体排出装置
31 積載台
32,33 サイドフェンス
34 エンドフェンス
34a フェンス本体
34b 突き当て部材
35 オフセットガイド
36 規制駆動部
37 積載台駆動部
38a 制御部
38b 記憶部
38c インターフェース部
100 台車
A 排出方向
M 媒体
Ma 上面
P1 退避位置
P2 規制位置
R1 直進搬送経路
R2 循環搬送経路
R3 反転搬送経路
R4 排出経路
S1,S2 突き当て面
S1a,S2a 下端