(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-14
(45)【発行日】2023-11-22
(54)【発明の名称】情報処理装置、制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20231115BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20231115BHJP
【FI】
G06F3/12 339
G06F3/12 355
G06F3/12 303
B41J29/38 202
(21)【出願番号】P 2019101551
(22)【出願日】2019-05-30
【審査請求日】2022-03-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112335
【氏名又は名称】藤本 英介
(74)【代理人】
【識別番号】100101144
【氏名又は名称】神田 正義
(74)【代理人】
【識別番号】100101694
【氏名又は名称】宮尾 明茂
(74)【代理人】
【識別番号】100124774
【氏名又は名称】馬場 信幸
(72)【発明者】
【氏名】粟田 智
【審査官】征矢 崇
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-272602(JP,A)
【文献】特開2011-159193(JP,A)
【文献】特開2007-310768(JP,A)
【文献】特開2007-323324(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F3/12
B41J29/00-29/70
H04N1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機能に応じた処理を実行する装置に接続された情報処理装置であって、
機能に応じた処理の実行を許可する選択肢を表示する表示手段と、
前記機能のうちグループポリシーにより特定された第1の機能の選択肢の表示を制限する制限手段と、
利用者が選択した選択肢に応じて許可された機能に応じた処理を前記装置に実行させる実行手段と、
を備え、
前記制限手段は、利用者により第2の機能において、実行を許可する選択肢が選択されたときは、前記第1の機能の選択肢の表示の制限を解除
し、
前記表示手段は、
片面印刷機能又は両面印刷機能を選択する第1の選択肢と、
製本印刷機能を利用する又は利用しないを選択する第2の選択肢と、
を表示し、
前記制限手段は、
前記グループポリシーによって、前記片面印刷機能の実行が禁止されているときは、前記第1の選択肢として両面印刷機能の選択肢のみを表示し、
前記第2の選択肢において、前記製本印刷機能を利用すると選択されたときは、前記グループポリシーによって前記片面印刷機能の実行が禁止されているにも関わらず、前記第1の選択肢に前記片面印刷機能の選択肢を表示する
情報処理装置。
【請求項2】
前記第1の機能と、前記第2の機能とは連動する機能であることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記制限手段は、
前記第1の機能の実行を許可する選択肢を非表示にすることで、前記第1の機能の選択肢の表示を制限し、
前記第1の機能の実行を許可する選択肢を表示することで、前記第1の機能の選択肢の表示の制限を解除する
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記制限手段は、前記第1の機能の実行を許可する選択肢を表示したとき、当該第1の機能の実行を許可する選択肢が選択された状態にする、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記制限手段は、
前記グループポリシーによって前記片面印刷機能の実行が禁止されているにも関わらず、前記第1の選択肢に前記片面印刷機能の選択肢を表示するときは、前記第1の選択肢は利用者が直接変更できないように表示する
請求項
1から4の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
機能に応じた処理を実行する装置に接続された情報処理装置の制御方法であって、
機能に応じた処理の実行を許可する選択肢を表示する表示ステップと、
前記機能のうちグループポリシーにより特定された第1の機能の選択肢の表示を制限する制限ステップと、
利用者が選択した選択肢に応じて許可された機能に応じた処理を前記装置に実行させる実行ステップと、
を含み、
前記制限ステップは、利用者により第2の機能において、実行を許可する選択肢が選択されたときは、前記第1の機能の選択肢の表示の制限を解除
し、
前記表示ステップは、
片面印刷機能又は両面印刷機能を選択する第1の選択肢と、
製本印刷機能を利用する又は利用しないを選択する第2の選択肢と、
を表示し、
前記制限ステップは、
前記グループポリシーによって、前記片面印刷機能の実行が禁止されているときは、前記第1の選択肢として両面印刷機能の選択肢のみを表示し、
前記第2の選択肢において、前記製本印刷機能を利用すると選択されたときは、前記グループポリシーによって前記片面印刷機能の実行が禁止されているにも関わらず、前記第1の選択肢に前記片面印刷機能の選択肢を表示する
制御方法。
【請求項7】
機能に応じた処理を実行する装置に接続された情報処理装置のプログラムであって、
前記情報処理装置に、
機能に応じた処理の実行を許可する選択肢を表示する表示機能と、
前記機能のうちグループポリシーにより特定された第1の機能の選択肢の表示を制限する制限機能と、
利用者が選択した選択肢に応じて許可された機能に応じた処理を前記装置に実行させる実行機能と、
を実現させ、
前記制限機能は、利用者により第2の機能において、実行を許可する選択肢が選択されたときは、前記第1の機能の選択肢の表示の制限を解除
し、
前記表示機能は、
片面印刷機能又は両面印刷機能を選択する第1の選択肢と、
製本印刷機能を利用する又は利用しないを選択する第2の選択肢と、
を表示し、
前記制限機能は、
前記グループポリシーによって、前記片面印刷機能の実行が禁止されているときは、前記第1の選択肢として両面印刷機能の選択肢のみを表示し、
前記第2の選択肢において、前記製本印刷機能を利用すると選択されたときは、前記グループポリシーによって前記片面印刷機能の実行が禁止されているにも関わらず、前記第1の選択肢に前記片面印刷機能の選択肢を表示する
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の画像形成装置は様々な機能を搭載しており、画像形成に使用する機能を適切に設定するための技術も提案されている。
【0003】
例えば、サーバ装置と端末装置と画像形成装置とが接続されたネットワークにおいて、サーバ装置は、端末装置にインストールされたプリンタドライバで設定値の変更を許可する設定項目を制限(決定)する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、複数の設定項目に設定された設定値間に不整合(コンフリクト)が発生した場合、あとから設定された設定値によって、他の設定項目の設定値をコンフリクトが発生しない設定値に変更し、該設定値の変更を不能とする技術が提案されている(例えば、特許文献2、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2010-039926号公報
【文献】特許第5106660号公報
【文献】特許第5025684号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1と特許文献2及び特許文献3とによれば、設定値の変更を許可する設定項目を制限したうえで、コンフリクトが発生しない設定値に変更することが可能である。しかし、設定値の変更を許可する設定項目の制限が解除できないため、コンフリクトが発生しないように変更された設定値を別の設定値に変更できない場合がある。その結果、利用者は使用を所望する機能を適切に選択できないという問題が生じる。
【0007】
本願は上述した課題に鑑み、所定の機能に対してされた制限を、適切に解除することが可能な情報処理装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するために、本発明の情報処理装置は、
複数の機能のうち利用者によって選択される機能に応じた処理を実行する装置に接続された情報処理装置であって、
前記複数の機能から第1の機能と第2の機能とを設定する設定手段と、
前記第1の機能を制限する制限手段と、
を備え、
前記制限手段は、利用者により前記第2の機能が選択された場合には、前記第1の機能の制限を解除することを特徴とする。
【0009】
本発明の制御方法は、
複数の機能のうち利用者によって選択される機能に応じた処理を実行する装置に接続された情報処理装置の制御方法であって、
前記複数の機能から第1の機能と第2の機能とを設定する設定ステップと、
前記第1の機能を制限する制限ステップと、
を備え、
前記制限ステップは、利用者により前記第2の機能が選択された場合には、前記第1の機能の制限を解除することを特徴とする。
【0010】
本発明のプログラムは、
複数の機能のうち利用者によって選択される機能に応じた処理を実行する装置に接続された情報処理装置のプログラムであって、
前記複数の機能から第1の機能と第2の機能とを設定する設定機能と、
前記第1の機能を制限する制限機能と、
を備え、
前記制限機能は、利用者により前記第2の機能が選択された場合には、前記第1の機能の制限を解除することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、所定の機能に対してされた制限を、適切に解除することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】第1実施形態における印刷システム全体構成を説明するための図である。
【
図2】第1実施形態におけるサーバ装置の機能構成を説明するための機能ブロック図である。
【
図3】第1実施形態におけるレジストリデータを説明するための図である。
【
図4】第1実施形態における情報処理装置の機能構成を説明するための機能ブロック図である。
【
図5】第1実施形態における選択肢定義データを説明するための図である。
【
図6】第1実施形態における制限定義データを説明するための図である。
【
図7】第1実施形態における画像形成装置の機能構成を説明するための機能ブロック図である。
【
図8】第1実施形態におけるサーバ装置のメイン処理を説明するためのフロー図である。
【
図9】第1実施形態における端末装置のメイン処理を説明するためのフロー図である。
【
図10】第1実施形態における印刷設定画面表示処理説明するためのフロー図である。
【
図11】第1実施形態における動作例を示す図である。
【
図12】第1実施形態における動作例を示す図である。
【
図13】第1実施形態における動作例を示す図である。
【
図14】第1実施形態における動作例を示す図である。
【
図15】第1実施形態における動作例を示す図である。
【
図16】第2実施形態における選択肢定義データを説明するための図である。
【
図17】第2実施形態における制限定義データを説明するための図である。
【
図18】第2実施形態における動作例を示す図である。
【
図19】第2実施形態における動作例を示す図である。
【
図20】第2実施形態における動作例を示す図である。
【
図21】第3実施形態における印刷設定画面表示処理説明するためのフロー図である。
【
図22】第3実施形態における動作例を示す図である。
【
図23】第3実施形態における動作例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、本実施形態では、一例として、本発明の情報処理装置を適用した端末装置を含む印刷システムについて説明する。以下に記載した実施の形態は、本発明を実現するための一例であり、実施の形態に記載した内容に本発明の内容が限定されるものではない。
【0014】
[1.第1実施形態]
[1.1 全体構成]
まず、本実施形態の印刷システム1の全体構成について、
図1に基づいて説明する。
図1に示すように、サーバ装置10と、端末装置20と、画像形成装置30とが、ネットワークNWを介して接続されて構成される。ネットワークNWは、例えば、LAN(Local Area Network)である。
【0015】
サーバ装置10は、端末装置20を管理する情報処理装置である。サーバ装置10は、例えば、PC(Personal Computer)によって構成される。サーバ装置10と端末装置20とは、例えば、Active Directoryによって管理される。
【0016】
端末装置20は、画像形成装置30に対して、画像形成装置30が出力可能な画像データを送信する情報処理装置である。端末装置20は、例えば、PCによって構成されるが、タブレットや、スマートフォンといった装置によって構成されてもよい。また、端末装置20は、
図1の20a、20b、20cのように、ネットワークNWに複数接続されてもよい。
【0017】
画像形成装置30は、外部から入力される画像データに基づく画像を記録用紙等に形成したりすることで印刷を実行する装置であり、いわゆる複合機と呼ばれる装置である。
【0018】
画像形成装置30は、両面印刷機能、製本機能、ポスター機能といった複数の機能を備える。画像形成装置30は、利用者によって選択された機能や、設定されたパラメータに基づいて処理を実行し、画像を形成する。
【0019】
[1.2 機能構成]
[1.2.1 サーバ装置]
サーバ装置10の機能構成について、
図2を参照して説明する。
図2に示すように、サーバ装置10は、制御部100と、表示部110と、操作入力部120と、通信部130と、記憶部140とを備えて構成されている。
【0020】
制御部100は、サーバ装置10の全体を制御するための機能部である。制御部100は、各種プログラムを読み出して実行することにより各種機能を実現しており、1又は複数の演算装置(例えば、CPU(Central Processing Unit))により構成されている。
【0021】
表示部110は、利用者に各種情報を表示するための機能部であり、例えばLCD(Liquid crystal display)や、有機EL(Electro-luminescence)ディスプレイ等により構成される。
【0022】
操作入力部120は、利用者が各種操作を行う為の機能部である。操作入力部120は、例えば、マウス、キーボードといった種々の操作装置によって構成される。
【0023】
通信部130は、サーバ装置10が外部の装置と通信を行うための機能部である。例えば、有線/無線LANで利用されるNIC(Network Interface Card)等の通信モジュールにより構成される。
【0024】
記憶部140には、サーバ装置10の設定を示すデータであるレジストリデータ142と、グループポリシー変更プログラム144と、グループポリシー適用プログラム146とが記憶される。
【0025】
レジストリデータ142は、サーバ装置10に関する全体的な設定を示す設定データである。本実施形態では、設定データとして、Windows(登録商標)によって管理されるレジストリに記憶されているデータ(レジストリデータ)を用いる。
【0026】
本実施形態では、レジストリデータ142は、画像形成装置30が実行可能な機能のうち、制限する機能や、設定の許可をする機能の情報を記憶する。制限する機能とは、選択又は不選択を強制したり、所定のパラメータしか選択できないようにしたりする機能をいう。また、設定の許可をする機能とは、選択又は不選択の設定を許可する機能をいう。
【0027】
図3(a)は、レジストリデータ142の例を示した図である。レジストリは階層構造を持ったデータベースであり、それぞれの階層はレジストリキーによって識別される。
図3(a)は、レジストリデータ142のうち、画像形成装置30の印刷に関する機能について規定した「PrintSettings」というレジストリキーの値を表示している状態を示す。
図3(a)に示すように、1つのレジストリキーに対して1又は複数の値が記憶される。例えば、レジストリキー「PrintSettings」の値としては、例えば、D100に示すように「ForcedDuplex=0x00000001(1)」といった値(フラグ)や、D102に示すように、「PermissionBooklet=0x00000001(1)」といった値が記憶される。
【0028】
レジストリキーの値が示す内容は、レジストリキーの値を読み出すプログラムによって解釈される。
図3(b)及び
図3(c)は、レジストリキーの値として取り得る値と内容の例を示した表である。
図3(b)に示すように、「ForcedDuplex=0x00000000(0)」の値は、画像形成装置30が備える両面印刷機能の選択を強制する制限をOFFにすることを示す。一方で、「ForcedDuplex=0x00000001(1)」の値は、画像形成装置30が備える両面印刷機能の選択を強制する制限をONにすることを示す。
【0029】
また、
図3(c)に示すように、「PermissionBooklet=0x00000000(0)」という値は、両面印刷機能の選択が強制されているときに、画像形成装置30が備える製本機能に対する設定を許可しないことを示す。一方で、「PermissionBooklet=0x00000001(1)」という値は、両面印刷機能の選択が強制されているときに、画像形成装置30が備える製本機能に対する設定を許可することを示す。
【0030】
本実施形態では、画像形成装置30が実行可能な機能のうち、制限する機能を第1の機能という。また、設定の許可をする機能を第2の機能という。
図3(a)の例では、第1の機能が両面印刷機能であり、第2の機能が製本機能である。
【0031】
グループポリシー変更プログラム144は、画像形成装置30が実行する機能の制限や、画像形成装置30が実行する機能に対する設定の許可の設定や変更を行うグループポリシー変更画面を表示するプログラムである。グループポリシー変更プログラム144は、例えば、Active Directoryの機能であるグループポリシーのエディット機能によって実現される。
【0032】
グループポリシー適用プログラム146は、グループポリシー変更プログラム144によって変更されたグループポリシーを、端末装置20に適用するプログラムである。グループポリシー適用プログラム146は、例えば、Active Directoryの機能であるグループポリシーを適用する機能によって実現される。
【0033】
[1.2.2 端末装置]
端末装置20の機能構成について、
図4を参照して説明する。
図4に示すように、端末装置20は、制御部200と、表示部210と、操作入力部220と、通信部230と、記憶部240とを備えて構成されている。
【0034】
制御部200は、端末装置20の全体を制御するための機能部である。制御部200は、各種プログラムを読み出して実行することにより各種機能を実現しており、1又は複数の演算装置(例えば、CPU)により構成されている。
【0035】
表示部210は、利用者に各種情報を表示するための機能部であり、例えばLCDや、有機ELディスプレイ等により構成さる。
【0036】
操作入力部220は、利用者が各種操作を行う為の機能部である。操作入力部220は、例えば、マウス、キーボードといった種々の操作装置によって構成される。
【0037】
通信部230は、端末装置20が外部の装置と通信を行うための機能部である。例えば、無線LANで利用されるNIC等の通信モジュールにより構成される。
【0038】
記憶部240は、端末装置20の動作に必要な各種プログラムや、各種データを記憶する機能部である。記憶部240は、例えば、半導体メモリであるSSDや、HDD等により構成される。
【0039】
記憶部240には、端末装置20の設定を示すデータであるレジストリデータ242と、プリンタドライバ244と、選択肢定義データ246と、制限定義データ248とが記憶される。
【0040】
レジストリデータ242は、端末装置20に関する全体的な設定を示す設定データである。本実施形態では、設定データとして、Windowsによって管理されるレジストリに記憶されているデータ(レジストリデータ)を用いる。レジストリデータ242は、レジストリデータ142と同様に階層構造を持ったデータベースである。
【0041】
プリンタドライバ244は、利用者によって作成・編集された文章データやプレゼンテーションデータ等を、画像形成装置30が画像形成可能な画像データに変換する機能を備えるプログラムである。また、プリンタドライバ244は、画像形成装置30で画像データを出力する際に実行する機能の選択やパラメータの設定を行う印刷設定画面を表示部210に表示する機能を備える。さらに、プリンタドライバ244は、印刷設定画面においてされた設定の内容を印刷設定情報に変換し、印刷設定情報と画像データとを画像形成装置30に送信する機能を備える。
【0042】
選択肢定義データ246は、印刷設定画面に表示する設定項目と、利用者が選択可能な選択肢を定義したデータである。選択肢定義データ246は、例えば、
図5に示すように、設定項目名(例えば、「両面印刷」)と、選択肢(例えば、「なし、長辺とじ、短辺とじ」)とを含んで構成される。
【0043】
本実施形態では、画像形成装置30が備える機能の単位で、設定項目を表示することとして説明する。例えば、設定項目名が「両面印刷」である設定項目は両面印刷機能に関する設定を行う設定項目であり、設定項目名が「製本」である設定項目は製本機能に関する設定を行う設定項目である。また、本実施形態では、選択肢のうち「なし」は、その機能を選択しないことを示し、「あり」はその機能を選択することを示す。「なし」及び「あり」以外の選択肢は、その機能を選択し、さらにその機能のパラメータとして、選択された選択肢の値を用いることを示す。
【0044】
また、選択肢定義データ246には、機能が選択された場合に、他の設定項目の設定が可能か否かを定義した設定可否情報が記憶される。
【0045】
具体的には、
図5のD106は、設定項目名が「両面印刷」である設定項目において、利用者は選択肢として「なし」「長辺とじ」「短辺とじ」の何れかが選択可能であることを示す。選択肢の中から「長辺とじ」が選択された場合は、両面印刷機能を選択し、パラメータを「長辺とじ」とする設定がされたことを表す。また、「長辺とじ」「短辺とじ」が選択された場合は、製本機能及びポスター機能に関する設定ができないことを示す。具体的には、設定項目名が「両面印刷」である設定項目において「長辺とじ」や「短辺とじ」された場合は、設定項目名が「製本」である設定項目や、設定項目名が「ポスター」である設定項目の設定の変更をできなくする。ある機能が選択された場合に、設定できなくなる機能は、例えば、同時に選択できない機能(ある機能の選択がされたときに連動して選択できなくなる機能)であったり、同時に選択するとユーザに不都合が生じる機能であったりする。
【0046】
制限定義データ248は、所定の機能の選択が強制された場合に、その制限に連動して他の機能に対して及ぶ制限を定義したデータである。例えば、
図6のD108は、両面印刷機能の選択が強制される場合は、画像形成装置30が画像を形成する記録用紙のサイズを選択する原稿サイズ機能に対するパラメータとして、両面印刷できない用紙サイズを設定できないことを示す。また、
図6のD110は、両面印刷機能の選択が強制される場合は、製本機能に対する設定ができないことを示す。
【0047】
[1.2.3 画像形成装置]
画像形成装置30の機能構成について、
図7を参照して説明する。
図7に示すように、画像形成装置30は、制御部300と、画像入力部310と、画像処理部320と、画像形成部330と、表示部340と、操作入力部350と、通信部360と、記憶部370とを備えて構成されている。
【0048】
制御部300は、画像形成装置30の全体を制御するための機能部である。制御部300は、各種プログラムを読み出して実行することにより各種機能を実現しており、1又は複数の演算装置(例えば、CPU)により構成されている。
【0049】
画像入力部310は、画像形成装置30に入力される画像データを読み取るための機能部である。例えば、スキャナといった原稿読取装置接続され、原稿読取装置から出力される画像データを入力する。また、USB(Universal Serial Bus)メモリや、SDカード等の記憶媒体から画像データを入力してもよい。
【0050】
画像処理部320は、画像データに各種画像処理を施す機能部である。例えば、画像データの鮮鋭化処理を行ったり、色変換処理を行ったりする。
【0051】
画像形成部330は、画像データ記憶領域372に記憶された画像データを、印刷設定情報記憶領域374に記憶された印刷設定情報に基づき、記録媒体(例えば、記録用紙)に形成するための機能部である。例えば、電子写真方式を利用したレーザプリンタ等により構成されている。
【0052】
表示部340は、利用者に各種情報を表示するための機能部である。例えば、LCD等により構成されている。また、操作入力部350は、利用者が各種操作を行うための機能部である。例えば、表示部340の上に重ねて設けられるタッチパネルによって構成される。タッチパネルによるタッチの検出は、静電誘導方式であったり、感圧方式であったり、公知の技術によって実現する。なお、操作入力部350は、ハードキーによって実現してもよいし、タッチパネルとハードキーとを組み合わせてもよい。
【0053】
通信部360は、画像形成装置30が外部の装置と通信を行うための機能部である。例えば、無線LANで利用されるNIC等の通信モジュールにより構成される。
【0054】
記憶部370は、画像形成装置30の動作に必要な各種プログラムや、各種データを記憶する機能部である。記憶部370は、例えば、半導体メモリであるSSDや、HDD等により構成される。
【0055】
記憶部370には、端末装置20から受信した画像データを記憶する画像データ記憶領域372と、端末装置20から受信した印刷設定情報を記憶する印刷設定情報記憶領域374とが確保される。画像データと印刷設定情報とは対応付けて記憶され、画像データは、対応する印刷設定情報に基づき記録媒体に形成される。
【0056】
[1.3 処理の流れ]
[1.3.1 サーバ装置の処理の流れ]
本実施形態における処理の流れを、図を参照して説明する。はじめに、サーバ装置10の処理の流れについて、
図8を参照して説明する。
【0057】
制御部100は、利用者によってグループポリシー変更プログラム144を実行させる操作がされたか否かを判定する(ステップS102)。グループポリシー変更プログラム144を実行させる操作がされた場合は、制御部100は、グループポリシー変更プログラム144を実行することで、表示部110にグループポリシー変更画面を表示する(ステップS102;Yes→ステップS104)。制御部100は、利用者の操作に基づき、画像形成装置30の機能のうち、第1の機能と第2の機能との設定を行う(ステップS106)。
【0058】
制御部100は、利用者によって適用操作がされた場合は、グループポリシー変更画面において設定された内容を端末装置20に適用する(ステップS108;Yes→ステップS110)。適用操作は、例えば、グループポリシー変更画面に表示された「適用」ボタンが、利用者によって選択される操作である。また、グループポリシーを端末装置20に適用する処理として、制御部100は、グループポリシー変更画面において設定された内容をレジストリデータ142にレジストリキーの値として記憶する。そして、制御部100は、グループポリシー適用プログラム146を実行し、レジストリデータ142に記憶された印刷に関する機能について規定したレジストリキーの値を、端末装置20に送信する。
【0059】
つづいて、制御部100は、利用者によってグループポリシー変更プログラム144を終了させる操作である終了操作がされた場合は、グループポリシー変更プログラム144を終了する(ステップS112;Yes→ステップS114)。終了操作とは、例えば、グループポリシー変更画面に表示された「OK」ボタンや「キャンセル」ボタンが利用者によって選択される操作である。なお、制御部100は「OK」ボタンが選択された場合は端末装置20に対してグループポリシーを適用した上で終了し、「キャンセル」ボタンが選択された場合は端末装置20に対してグループポリシーを適用しないで終了してもよい。終了操作がされない場合は、ステップS106へ戻る(ステップS112;No→ステップS106)。
【0060】
[1.3.2 端末装置の処理の流れ]
つづいて、端末装置20の処理の流れについて、
図9を参照して説明する。はじめに、制御部200は、サーバ装置10から、グループポリシーが適用されたか否かを判定する(ステップS132)。グループポリシーが適用されたか否かは、例えば、制御部200がサーバ装置10に対して問い合わせを行うことで判定する。なお、サーバ装置10から印刷に関する機能について規定したレジストリキーの値を受信した場合にグループポリシーが適用されたと判定してもよい。
【0061】
グループポリシーが適用された場合は、制御部200は、第1の機能と第2の機能とを設定する(ステップS132;Yes→ステップS134)。例えば、制御部200は、サーバ装置10から受信したレジストリキーの値をレジストリデータ242に記憶する。このようにすることで、サーバ装置10と端末装置20とで、印刷に関する機能について規定したレジストリキーの値が共有され、サーバ装置10で設定された第1の機能と第2の機能とが、端末装置20にも設定される。
【0062】
つづいて、制御部200は、利用者によって、印刷設定画面を表示する操作がされたか否かを判定する(ステップS136)。印刷設定画面を表示する操作がされた場合は、制御部200は、印刷設定画面を表示する処理(印刷設定画面表示処理)を実行する(ステップS136;Yes→ステップS138)。印刷設定画面表示処理については、
図10を参照して説明する。
【0063】
はじめに、制御部200は、プリンタドライバ244が備える印刷設定画面を表示する機能を実行し、表示部210に印刷設定画面を表示する(ステップS152)。具体的には、制御部200は、選択肢定義データ246を読み出し、設定項目毎に選択肢を表示するリストを生成し、生成したリストを印刷設定画面の所定の位置に配置した印刷設定画面を表示する。
【0064】
つづいて、制御部200は、第1の機能と第2の機能とを特定する(ステップS154)。例えば、制御部200は、レジストリデータ242を参照し、両面印刷機能の選択を強制する制限をONにすることを示す値が記憶されていた場合は、制御部200は、第1の機能が両面印刷機能であることを特定する。同様に、レジストリデータ242を参照し、製本機能に対する設定を許可することを示す値が記憶されていた場合は、制御部200は、第2の機能が製本機能であることを特定する。
【0065】
つづいて、制御部200は、レジストリデータ242に記憶された値の内容に基づき、印刷設定画面から、第1の機能に対応する設定項目を制限する(ステップS156)。例えば、制御部200は、第1の機能が両面印刷機能であり、制限の内容が両面印刷の選択を強制することである場合は、両面印刷の設定項目の選択肢から「なし」を削除し、必ず「なし」以外の選択肢(例えば、「長辺とじ」)が選択されるようにする。その結果、利用者は、片面印刷機能を選択することができず、両面印刷機能の選択が強制される。このように、第1の機能に対応する設定項目から所定の選択肢を削除することにより、機能の選択を強制させたり、機能の選択を不可能にしたり、所定のパラメータだけを選択可能にすることができる。
【0066】
つづいて、制御部200は、制限定義データ248を読み出し、第1の機能が制限されることにより、連動して制限される機能に対応する設定項目の調整を行う(ステップS158)。例えば、
図6の例では、両面印刷機能の選択を強制する制限がされた場合は、出力用紙サイズタイプのパラメータとして両面印刷できない用紙サイズを設定できなくなったり、製本の設定ができなくなったりするという制限が加わる。したがって、制御部200は、出力用紙サイズ機能に対応する設定項目から両面印刷できない用紙サイズのパラメータに対応する選択肢を削除したり、製本機能に対応する設定項目を無効化(グレーアウト)したりする。
【0067】
つづいて、制御部200は、選択肢定義データ246を読み出し、ステップS156及びステップS158の処理の結果選択された機能によって、設定が不可能となる設定項目を無効化する(ステップS160)。例えば、ステップS156の処理により両面印刷機能が選択される場合には、製本機能やポスター機能に関する設定を不可能にするために、製本やポスターの設定項目をグレーアウトする。
【0068】
つづいて、制御部200は、第2の機能に対応する設定項目を有効化する(ステップS162)。例えば、第2の機能が製本機能である場合、ステップS160において製本の設定項目が無効化されていても、制御部200は、製本の設定項目を有効化させる。
【0069】
つづいて、制御部200は、利用者によって選択肢が変更されたか否かを判定する(ステップS164)。選択肢が変更された場合は、制御部200は、第2の機能が選択されたか否かを判定する(ステップS164;Yes→ステップS166)。
【0070】
第2の機能が選択された場合は、制御部200は、第1の機能に対応する設定項目の制限を解除する(ステップS166;Yes→ステップS168)。例えば、ステップS156において第1の機能に対応する選択項目から選択肢を削除した場合は、ステップS156で削除した選択肢を第1の機能に対応する選択項目に追加することで制限を解除する。また、制御部200は、解除された制限を選択し、その選択を変更不能にする(ステップS170)。このようにすることで、ステップS168で解除した制限が選択され続けるようにすることができる。
【0071】
例えば、第1の機能が両面印刷機能であり、制限の内容が両面印刷の選択を強制することである場合は、ステップS168において、両面印刷の強制という制限を解除して、片面印刷機能を選択可能にする。そして、ステップS170において、片面印刷機能を選択して(両面印刷機能を選択しないようにして)、その状態の変更を不能にする。
【0072】
一方で、ステップS166において第2の機能が選択されなかった場合は、制御部200は、ステップS156と同様の処理により、第1の機能に対応する設定項目を制限する(ステップS166;No→ステップS172)。また、第1の機能に対応する設定項目を有効化し、選択肢の変更を可能にする(ステップS174)。なお、ステップS166の時点で、既に第1の機能に対応する設定項目に制限が加えられていた場合は、制御部200は、ステップS172及びステップS174の処理をスキップしてもよい。
【0073】
つづいて、制御部200は、印刷設定画面から、印刷操作又はキャンセル操作がされたか否かを判定する。印刷操作とは、例えば、印刷設定画面に表示された「印刷」ボタンが利用者によって選択される操作である。また、キャンセル操作とは、例えば、印刷設定画面に表示された「キャンセル」ボタンが利用者によって選択される操作である。印刷操作又はキャンセル操作がされた場合は、制御部200は印刷設定画面を消去する(ステップS176;Yes→ステップS178)。印刷操作又はキャンセル操作がされなかった場合は、制御部200はステップS164へ戻る(ステップS176;No→ステップS164)。
【0074】
図9に戻り、制御部200は、ステップS176において印刷操作がされたか否かを判定する(ステップS140)。印刷操作がされた場合は、制御部200は、プリンタドライバ244の機能により、利用者により出力が指示されたデータ(例えば、文章データ)を、画像形成装置30が画像形成可能な画像データに変換する(ステップS140;Yes→ステップS142)。また、制御部200は、プリンタドライバ244の機能により、印刷設定画面で設定された内容を印刷設定情報として、ステップS142で変換した画像データとともに画像形成装置30に送信する(ステップS144)。このようにして、印刷設定画面により選択された機能や、選択された選択肢に対応するパラメータの情報が、画像形成装置30に送信される。なお、画像形成装置30は、受信した画像データを画像データ記憶領域372に記憶し、印刷設定情報を印刷設定情報記憶領域374に記憶する。そして、画像形成装置30は、印刷設定情報に従って、画像データを出力する処理を実行する。
【0075】
[1.4 動作例]
[1.4.1 グループポリシー変更画面の動作例]
本実施形態の動作例について説明する。
図11は、グループポリシー変更画面W100の例である。グループポリシー変更画面W100には、印刷に関する機能について設定が可能な領域E100を含む。
【0076】
領域E100には、両面印刷機能の選択を強制する制限に関するグループポリシー「Duplex(Forced)」を設定することが可能な領域E102と、製本機能の設定を許可するグループポリシー「Booklet(Permission)」を設定することが可能な領域E104とが含まれる。利用者は、領域E102から「ON」又は「OFF」の何れかを選択することが可能である。また、利用者は、領域E104から「ON」又は「OFF」の何れかを選択することが可能である。
【0077】
また、グループポリシー変更画面W100には、適用操作を実行するための適用ボタンB100と、終了操作を実行するためのキャンセルボタンB102とが含まれる。なお、適用操作を実行し、そのままレジストリデータ変更プログラムを終了させるためのOKボタンB104が含まれてもよい。
【0078】
利用者によって、適用ボタンB100又はOKボタンB104が選択されることにより、サーバ装置10のレジストリデータ142には、グループポリシー変更画面W100で設定されたグループポリシーが記憶される。
【0079】
この動作例では、グループポリシー「Duplex(Forced)」とレジストリデータ142の「ForcedDuplex」が対応し、グループポリシー「Booklet(Permission)」とレジストリデータ142の「PermissionBooklet」とが対応する。したがって、グループポリシー「Duplex(Forced)」が「ON」である場合は、レジストリデータ142のレジストリキー「PrintSettings」に、「ForcedDuplex=0x00000001(1)」という値が記憶される。グループポリシー「Duplex(Forced)」が「OFF」である場合は、レジストリデータ142のレジストリキー「PrintSettings」に、「ForcedDuplex=0x00000001(0)」という値が記憶される。同様にして、グループポリシー「Booklet(Permission)」が「ON」である場合は、レジストリデータ142のレジストリキー「PrintSettings」に、「PermissionBooklet=0x00000001(1)」という値が記憶される。グループポリシー「Booklet(Permission)」が「OFF」である場合は、レジストリデータ142のレジストリキー「PrintSettings」に、「PermissionBooklet=0x00000000(0)」という値が記憶される。
【0080】
[1.4.2 印刷設定画面の動作例]
図12は、印刷設定画面W120の画面例である。印刷設定画面W120には、両面印刷機能に対応する設定項目E120と、製本機能に対応する設定項目E122とが含まれる。なお、両面印刷機能と製本機能とは、同時には選択できない機能であるとする。
【0081】
図13を参照して、第1の機能も第2の機能も設定されない場合における両面印刷の設定項目と、製本の設定項目との関係を説明する。
図13(a)は、両面印刷の設定項目の選択肢と、製本の設定項目の選択肢とを示した図である。印刷設定画面W120が表示された時点では、両面印刷及び製本の設定項目から「なし」が選択される。また、利用者は、印刷設定画面W120において、製本の設定項目から「なし」又は「あり」が選択可能である。
【0082】
図13(b)は、両面印刷の設定項目から「長辺とじ」が選択されたときの、製本の設定項目の状態を示す図である。両面印刷機能が選択されているので、製本の設定項目は「なし」が選択された状態でグレーアウト(無効化)し、「あり」を選択することができない。また、
図13(c)は、製本の設定項目から「あり」が選択されたときの、両面印刷の設定項目の状態を示す図である。この場合、製本機能が選択されているので、両面印刷の設定項目は「なし」が選択された状態でグレーアウトし、他の選択肢を選択することができない。このように、両面印刷機能と製本機能とは同時には選択できないため、一方の機能が選択された場合は、他方の機能を選択することができない。
【0083】
つづいて、
図14は、第1の機能として両面印刷機能が設定され、第2の機能は設定されていない場合における、両面印刷と製本との設定項目の関係を示した図である。両面印刷機能の選択が強制されているため、両面印刷の設定項目から「なし」が削除され、「長辺とじ」又は「短辺とじ」の何れかが選択される。一方で、製本の設定項目は「なし」が選択されたままグレーアウトし、「あり」を選択することができない。このように、利用者は、両面印刷機能の選択が強制される制限に連動して、製本機能が選択できないこととなる。
【0084】
つづいて、
図15は、第1の機能として両面印刷機能が設定され、第2の機能として製本機能が設定された場合における、両面印刷と製本との設定項目の関係を示した図である。
図15(a)は、両面印刷の設定項目の選択肢と製本の設定項目の選択肢とを示した図である。両面印刷機能の選択が強制されているため、両面印刷の設定項目から「なし」が削除され、「長辺とじ」又は「短辺とじ」の何れかが選択されることとなる。一方で、製本機能の設定が許可されていることにより、製本の設定項目が有効化され、「なし」又は「あり」が選択できる。
【0085】
図15(b)は、製本の設定項目から「あり」が選択された場合の、両面印刷の設定項目を示す図である。本来であれば、両面印刷機能の選択が強制されているため、両面印刷の設定項目から「なし」を選択することができない。しかし、製本の設定項目から「あり」が選択された場合は、両面印刷機能の制限が解除され、両面印刷の設定項目から「なし」が選択される。そして、そのままグレーアウトされ、変更できないようになる。したがって、製本機能が選択された場合は、両面印刷機能を選択しない(片面印刷機能を選択する)という状態となる。
【0086】
図15(c)は、製本の設定項目から「なし」が選択された場合の、両面印刷の設定項目の状態を示す図である。この場合は、両面印刷の設定項目から「なし」が削除され、「長辺とじ」又は「短辺とじ」の何れかが選択される。このようにすることで、製本機能を選択しない場合は、両面印刷機能の選択が強制される。
【0087】
このように、製本の設定項目が「あり」の場合と、「なし」の場合とが切り替わることにより、両面印刷の設定項目の状態が変わる。これにより、利用者は、両面印刷機能の選択が強制されている場合には本来選択できない製本機能を選択することが可能となる。
【0088】
なお、上述の説明では両面印刷機能の選択を強制するとして説明したが、これは、片面印刷機能を選択できないようにしたことと同じである。特定の機能に対する制限の内容の解釈は、画像形成装置30や印刷システム1の設計による。
【0089】
また、上述した説明では、第1の機能を両面印刷機能とし、第2の機能を製本機能として説明したが、第2の機能は製本機能以外であってもよい。例えば、
図6の制限定義データ248の例に示すように、両面印刷機能の選択を強制すると、ポスター機能の選択や、出力用紙として選択できる用紙サイズが制限される。これに対して、ポスター機能や、出力用紙サイズの選択機能を第2の機能としてもよい。
【0090】
例えば、第2の機能をポスター機能とした場合は、制御部200は、ステップS162において、ポスターの設定項目を有効化する。そして、利用者によってポスター機能が選択されたとき(選択肢から「あり」が選択されたとき)は、制御部200は、両面印刷の設定項目から「なし」を選択してグレーアウトすればよい。
【0091】
また、第2の機能を出力用紙サイズの選択機能とした場合は、制御部200は、ステップS162において、出力用紙サイズの設定項目の選択肢に、両面印刷できない用紙サイズを追加する。そして、利用者によって両面印刷できない用紙サイズが選択されたときは、制御部200は、両面印刷の設定項目から「なし」を選択してグレーアウトすればよい。
【0092】
また、本実施形態では、印刷設定画面において利用者がパラメータを選択することが可能リストを配置し、リストに含まれるパラメータを削除する方法により制限を加える例を説明したが、このような方法以外の方法によって制限を加えてもよい。例えば、機能に対して設定できるパラメータをラジオボタンによって選択できるようにし、制限を加える場合は、ラジオボタンの中から選択不可能とするラジオボタンをグレーアウトさせたり、非表示させたりしてもよい。また、リストを用いる場合であっても、制限を加える場合は、利用者が選択可能なパラメータを選択した状態でグレーアウトさせてもよい。すなわち、ユーザに対して、選択が強制された機能を選択されるようにしたり、不選択が強制された機能を選択できないようにしたり、特定のパラメータのみが選択できるようにしたりできればよい。
【0093】
また、本実施形態では、Active Directory機能を用いてグループポリシーをレジストリに記憶し、サーバ装置10から端末装置20に適用することとして説明したが、上述以外の方法でサーバ装置10から端末装置20に設定を適用してもよい。すなわち、第1の機能と第2の機能とがサーバ装置10で設定され、端末装置20に適用できる技術であれば、どのような技術を用いてもよい。例えば、サーバ装置10から端末装置20に対して、第1の機能と第2の機能とを示した設定ファイルやデータストリームを送信してもよい。
【0094】
また、上述した実施形態は、情報処理装置を端末装置に適用した場合について説明したが、画像形成装置に適用することとしてもよい。例えば、画像形成装置30に対して第1の機能と第2の機能とを設定し、操作パネルに印刷設定画面を表示し、
図10に示した印刷設定表示処理と同様の処理を実行してもよい。また、画像形成装置30は、端末装置20から印刷設定情報受信した後に、ステップS166~ステップS170の処理を実行してもよい。すなわち、印刷設定情報として第2の機能が選択されたときに、画像形成装置30は、第1の機能の制限を解除して、第2の機能に基づく処理を実行してもよい。
【0095】
本実施形態によれば、第1の機能が制限された場合に本来選択ができない機能であっても、第2の機能を選択されたときには制限を解除することができる。第1の機能の制限により、本来では選択できない第2の機能が選択できるため、利用者に対して第1の機能又は第2の機能の何れかを選択させることが可能となる。
【0096】
[2.第2実施形態]
つづいて第2実施形態について説明する。第2実施形態は、第1実施形態と異なり、第1の機能が両面印刷機能以外の場合についての実施形態である。本実施形態では、第1の機能をページ集約機能とし、第2の機能をポスター機能として説明する。本実施形態は、第1実施形態の
図5を
図16に、
図6を
図17にそれぞれ置き換えたものである。なお、同一の機能部及び処理には同一の符号を付し、説明については省略する。
【0097】
本実施形態の選択肢定義データ246を
図16に示す。
図16に示すように、ページ集約機能を選択する場合はポスター機能の設定はできず、ポスター機能を選択する場合はページ集約機能の設定はでない。すなわち、ページ集約機能とポスター機能とは同時には選択できない。
【0098】
本実施形態の制限定義データ248を
図17に示す。
図17に示すように、ページ集約機能の選択を強制すると、ズーム機能、ポスター機能、章分け機能に対する設定ができない。また、オーバーレイ-印刷方法機能のパラメータとして「ページ挿入」の選択ができず、原稿サイズ機能のパラメータとして「長尺」の選択ができなくなる。
【0099】
このような場合において、ページ集約とポスターとの設定項目の関係を、図を参照して説明する。
図18(a)は、第1の機能も第2の機能も設定されていない場合における、ページ集約機能とポスターとの選択肢を示した図である。この場合は、印刷設定画面W120が表示された時点では、ページ集約及びポスターの設定項目の選択肢は、いずれも「なし」が選択される。また、利用者は、ポスターの設定項目から、「なし」又は「あり」が選択可能である。
【0100】
図18(b)は、ページ集約機能を選択することを示す選択肢(例えば、「2 in 1」)が選択された場合の、ポスターの設定項目の状態を示す図である。ポスターの設定項目は「なし」のままグレーアウトし、他の選択肢を選択することができない。
図18(c)は、ポスター機能を選択することを示す選択肢(例えば、「2x2」)が選択された場合の、ページ集約の設定項目の状態を示す図である。ページ集約の設定項目は「なし」のままグレーアウトし、他の選択肢を選択することができない。
【0101】
図19は、第1の機能としてページ集約機能が設定されているが、第2の機能が設定されていない場合における、ページ集約とポスターとの設定項目の関係を示した図である。ページ集約機能の選択が強制されているため、ページ集約の設定項目から「なし」が削除される。一方で、ポスターの設定項目は「なし」が選択されたままグレーアウトし、変更することができない。したがって、ページ集約機能の選択が強制される制限に連動して、利用者はポスター機能が選択できないこととなる。
【0102】
図20は、第1の機能としてページ集約機能の選択が設定され、第2の機能としてポスター機能が設定されている場合における、ページ集約とポスターとの設定項目の関係を示した図である。
図20(a)は、ページ集約の設定項目の選択肢と、ポスターの設定項目の選択肢を示した図である。ここで、ページ集約機能の選択が強制されているため、ページ集約の設定項目から「なし」が削除される。一方で、ポスター機能の設定が許可されていることにより、ポスターの設定項目が有効化され、「なし」や「2x2」といった選択肢が選択可能となる。
【0103】
図20(b)は、ポスターの設定項目から「2x2」が選択された場合の、ページ集約の設定項目を示す図である。ページ集約機能の選択が強制されているため、本来であれば、ページ集約の設定項目として「なし」を選択することができない。しかし、ポスターの設定項目から「2x2」が選択された場合は、ページ集約の設定項目から、削除された「なし」が選択され、グレーアウトされ、変更できないようになる。
【0104】
図20(c)は、ポスターの設定項目から「なし」が選択された場合のページ集約の設定項目の状態を示す図である。この場合は、ページ集約の設定項目から「なし」が削除され、「2 in 1」又は「4 in 1」の何れかが選択できるようになる。このようにすることで、ポスター機能を選択しない場合は、ページ集約機能の選択が強制される。
【0105】
なお、上述した説明では、第1の機能をページ集約機能とし、第2の機能をポスター機能として説明したが、第2の機能はポスター機能以外であってもよい。例えば、
図17に示すように、ページ集約機能の選択を強制すると、ズーム機能等が制限される。このような場合に、第2の機能としてズーム機能が設定され、利用者によってズーム機能の選択がされたときは、制御部200は、ページ集約の設定項目から「なし」を選択してグレーアウトすればよい。
【0106】
本実施形態によれば、ページ印刷機能以外の機能が第1の機能として設定された場合であっても、第2の機能が選択されたときには制限を解除することができる。
【0107】
[3.第3実施形態]
つづいて第3実施形態について説明する。第3実施形態は、第1実施形態と異なり、第2の機能が選択されることで第1の機能の制限を解除したときに、制限された機能を選択するか否かを選択可能な実施形態である。本実施形態は、第1実施形態の
図10を
図21にそれぞれ置き換えたものである。なお、同一の機能部及び処理には同一の符号を付し、説明については省略する。
【0108】
図21を参照して、本実施形態における印刷設定画面表示処理を説明する。本実施形態では、制御部200は、ステップS164において選択肢が変更されたと判定したときに、第2の機能が選択されたか否かを判定する(ステップS164;Yes→ステップS166)。
【0109】
第2の機能が選択された場合は、制御部200は、第1の機能の制限を解除する(ステップS302;Yes→ステップS168)。例えば、制御部200は、ステップS156で削除した選択肢を追加したりする。なお、第1実施形態と異なり、本実施形態では、制御部200は、ステップS168で追加された選択肢を選択したり、変更不可能にしたりする処理を実行しない。このようにすることで、利用者に対して、第1の機能を選択するか否かを設定可能にする。
【0110】
一方で、第2の機能が選択されなかった場合は、ステップS156と同様の処理により、第1の機能に対応する設定項目に制限を加える(ステップS166;No→ステップS172)。このようにすることで、ステップS168の処理による制限の解除が取り消される。
【0111】
図を参照して具体例を説明する。具体例として、第1の機能はカラーモード機能であり、制限の内容はパラメータとして「モノクロ」の選択を強制するものであるとする。また、第2の機能は、「はがきサイズの用紙を出力する」機能であるとする。
【0112】
図22は、第1の機能も第2の機能も設定されていない場合におけるカラーモードの設定項目と出力用紙サイズの設定項目との選択肢を示した図である。
図22に示すように、カラーモードの設定項目から「モノクロ」又は「カラー」が選択できる。また、出力用紙サイズの設定項目から「A4」「B5」「はがき」が選択できる。
【0113】
図23は、第1の機能がカラーモード機能とし、第2の機能が「はがきサイズの用紙を出力する」機能と設定された場合におけるカラーモードの設定項目と出力用紙サイズの設定項目との選択肢を示した図である。
【0114】
図23(a)は、出力用紙サイズの設定項目として「A4」が選択された場合について示した図である。このとき、第2の機能である「はがきサイズの用紙を出力する」機能が選択されていないため、第1の機能に対応する選択項目であるカラーモードから、「モノクロ」以外のパラメータ、すなわち、「カラー」に対応する選択肢が削除される。したがって、利用者は、出力用紙サイズがA4である場合、カラーの出力ができない。
【0115】
図23(b)は、出力用紙サイズの設定項目として「B5」が選択された場合について示した図である。このときも、第2の機能である「はがきサイズの用紙を出力する」機能が選択されていないため、第1の機能に対応する選択項目であるカラーモードから、「カラー」が削除される。
【0116】
図23(c)は、出力用紙サイズの設定項目として「はがき」が選択された場合について示した図である。このとき、第2の機能である「はがきサイズの用紙を出力する」機能が選択されているため、第1の機能の制限を解除される。具体的には、カラーモードの設定項目に、「モノクロ」以外のパラメータに対応する選択肢、すなわち、「カラー」が追加される。この結果、利用者は、カラーモードの設定項目から、「カラー」又は「モノクロ」を選択することが可能となる。
【0117】
本実施形態によれば、利用者は、所定の機能が選択することで制限された機能を解除することができ、さらに、制限されていた機能を選択するか否かを選択することができる。
【0118】
[4.変形例]
本発明は上述した各実施の形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。すなわち、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施の形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0119】
また、上述した実施形態は、説明の都合上、それぞれ別に説明している部分があるが、技術的に可能な範囲で組み合わせて実行してもよいことは勿論である。
【0120】
また、実施形態において各装置で動作するプログラムは、上述した実施形態の機能を実現するように、CPU等を制御するプログラム(コンピュータを機能させるプログラム)である。そして、これら装置で取り扱われる情報は、その処理時に一時的に一時記憶装置(例えば、RAM)に蓄積され、その後、各種ROM(Read Only Memory)やHDD等の記憶装置に格納され、必要に応じてCPUによって読み出し、修正・書き込みが行なわれる。
【0121】
ここで、プログラムを格納する記録媒体としては、半導体媒体(例えば、ROMや、不揮発性のメモリカード等)、光記録媒体・光磁気記録媒体(例えば、DVD(Digital Versatile Disc)、MO(Magneto Optical Disc)、MD(Mini Disc)、CD(Compact Disc)、BD(Blu-ray Disc)(登録商標)等)、磁気記録媒体(例えば、磁気テープ、フレキシブルディスク等)等の何れであってもよい。また、ロードしたプログラムを実行することにより、上述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、オペレーティングシステムあるいは他のアプリケーションプログラム等と共同して処理することにより、本発明の機能が実現される場合もある。
【0122】
また、市場に流通させる場合には、可搬型の記録媒体にプログラムを格納して流通させたり、インターネット等のネットワークを介して接続されたサーバコンピュータに転送したりすることができる。この場合、サーバコンピュータの記憶装置も本発明に含まれるのは勿論である。
【符号の説明】
【0123】
1 印刷システム
10 サーバ装置
100 制御部
110 表示部
120 操作入力部
130 通信部
140 記憶部
142 レジストリデータ
144 グループポリシー変更プログラム
146 グループポリシー適用プログラム
20 情報処理装置
200 制御部
210 表示部
220 操作入力部
230 通信部
240 記憶部
242 レジストリデータ
244 プリンタドライバ
246 選択肢定義データ
248 制限定義データ
30 画像形成装置
300 制御部
310 画像入力部
320 画像処理部
330 画像形成部
340 表示部
350 操作入力部
360 通信部
370 記憶部
372 画像データ記憶領域
374 印刷設定情報記憶領域