(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-14
(45)【発行日】2023-11-22
(54)【発明の名称】鉄道車両用シート
(51)【国際特許分類】
B60N 2/90 20180101AFI20231115BHJP
B61D 33/00 20060101ALI20231115BHJP
【FI】
B60N2/90
B61D33/00 A
(21)【出願番号】P 2019186068
(22)【出願日】2019-10-09
【審査請求日】2022-09-12
(73)【特許権者】
【識別番号】521475989
【氏名又は名称】川崎車両株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000221616
【氏名又は名称】東日本旅客鉄道株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三木 剛
(72)【発明者】
【氏名】白木 直樹
(72)【発明者】
【氏名】田中 倫子
【審査官】齊藤 公志郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-213237(JP,A)
【文献】特開2012-162120(JP,A)
【文献】特開2011-120672(JP,A)
【文献】実開昭52-007208(JP,U)
【文献】特開2016-168320(JP,A)
【文献】実開昭64-019343(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 2/00-90
A47C 1/00-17/86
B61D 33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
人が着座したときに人の背中を支持するシートバックと、
横方向に延びる横フレーム部を有する座フレームと、
シートの外形を構成するクッション材と、下面から下方に突出した突起とを有し、前記クッション材と前記突起とが一体に形成され、前記座フレームに載置されるシートクッションと
、
前記シートクッションの前記下面に設けられた第1面ファスナーと、
前記座フレームの上面に設けられ、前記第1面ファスナーに係合する第2面ファスナーと、を備え、
前記横フレーム部及び前記突起により、前記シートクッションの前後方向の位置が規制され
、
前記第1面ファスナー及び前記第2面ファスナーは、前記突起よりも左右方向の外側に設けられる、鉄道車両用シート。
【請求項2】
前記座フレームは、前後方向に延びる縦フレーム部を更に有し、
前記突起は、前記シートクッションの載置面の四隅のうち少なくとも二隅に設けられ、
前記横フレーム部、前記縦フレーム部及び前記突起により、前記シートクッションの前後左右方向の位置が規制される、請求項1に記載の鉄道車両用シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄道車両の客室で用いられる鉄道車両用シートに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、鉄道車両の客室等で用いられているシートとしては、例えば特許文献1に開示された構成のものがある。特許文献1には、座フレームにおける人の臀部が載せられる位置にシートクッションが取り付けられるシートについて開示され、シートクッションが座フレームに対し着脱可能に取り付けられた構成について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されたシートでは、シートクッションの下面に係止片が設けられ、シートクッションよりも下方の位置で係止片が座フレームに係止されることにより、シートクッションが座フレームに取り付けられている。特許文献1では、係止片は、押し込み力によって弾性変形しながら座フレームに係止し、その後弾性復元することにより座フレームとの係止状態が維持される。そのため、シートクッションを取り外す際には、係止片と座フレームとの間の弾性変形による係止を解除する、つまりシートクッションを支える力に加え、押し込み力と同等の引き上げる力が必要になり、シートクッションを座フレームから取り外す際に力任せに取り外すことになる。
【0005】
そこで、本発明は上記の事情に鑑み、シートクッションが座フレームから容易に取り外される鉄道車両用シートを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る鉄道車両用シートは、人が着座したときに人の背中を支持するシートバックと、横方向に延びる横フレーム部を有する座フレームと、シートの外形を構成するクッション材と、下面から下方に突出した突起とを有し、前記クッション材と前記突起とが一体に形成され、前記座フレームに載置されるシートクッションと、を備え、前記横フレーム部及び前記突起により、前記シートクッションの前後方向の位置が規制される。
【0007】
上記構成の鉄道車両用シートでは、突起が横フレーム部に当接することによってシートクッションの前後方向の位置が規制されるので、シートクッションの位置のずれが生じることを確実に抑えながら、シートクッションを持ち上げるだけでシートクッションの取り外しを行うことができ、シートクッションの取り外しを容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の鉄道車両用シートによれば、シートクッションをより容易に取り外すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】
図1のシートからシートクッションが取り外された状態についてのシートの斜視図である。
【
図3】
図1のシートにおけるシートクッションについて、下方から見たときの斜視図である。
【
図4】
図1のIV-IV線についての断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態について、各図を参照して説明する。
【0011】
図1は、実施形態に係る鉄道車両用シート1の斜視図である。本実施形態では、シート1は、鉄道車両の客室の内部に取り付けられ、乗客が座るために設けられたものであり、2つのシート1が横に並べられて1組として用いられている。
【0012】
シート1は、シートバック2と、座フレーム3と、シートクッション4とを有している。シートバック2は、シート1における、人が着座したときに人の背中を支持する部分である。シートバック2は、略鉛直方向に延びるように立設されている。座フレーム3は、シート1の下部を構成する部分であり、座フレーム3にシートクッション4が載置される。シートクッション4は、座フレーム3に対し着脱自在に取り付けられる。座フレーム3は、シート1に人が着座したときに、シートクッション4を介して人の臀部を支持する部分である。
【0013】
図2に、シート1からシートクッション4が取り外された状態のシート1の斜視図を示す。座フレーム3は、フレーム枠5を有している。本実施形態では、座フレーム3は、上面が面一となるように、4つの角パイプが組み合わされてフレーム枠5が構成されている。本実施形態では、フレーム枠5は、長方形の形状を有するように構成されている。フレーム枠5は、前方において横方向に延びる前方横フレーム部5a、後方において横方向に延びる後方横フレーム部5b、正面から見て左側に位置し前後方向に延びる左縦フレーム部5c及び正面から見て右側に位置し右縦フレーム部5dを備えている。本実施形態では、前方横フレーム部5aと後方横フレーム部5bとを合わせて横フレーム部というものとする。つまり、横方向に延びているフレームを横フレーム部というものとする。また、本実施形態では、左縦フレーム部5cと右縦フレーム部5dとを合わせて縦フレーム部というものとする。つまり、前後方向に延びているフレームのことを縦フレーム部というものとする。
【0014】
なお、本実施形態においては、前後方向及び横方向との用語は、厳密なシート1の前後方向及び横方向のみに限定されるわけではない。前後方向及び横方向から多少ずれていたとしても構わない。前後方向及び横方向の成分を有する方向であればよい。
【0015】
また、フレーム枠5のうち、左縦フレーム部5c及び右縦フレーム部5dには、上面に、第2面ファスナー6が設けられている。つまり、座フレーム3にシートクッション4が載置された際に、左縦フレーム部5c及び右縦フレーム部5dにおけるシートクッション4に対向する面に、第2面ファスナー6が設けられている。
【0016】
左縦フレーム部5cの上面には、第2面ファスナー6aが設けられ、右縦フレーム部5dには、第2面ファスナー6bが設けられている。第2面ファスナー6a、6bは、例えば、接着によって左縦フレーム部5c及び右縦フレーム部5dの上面に貼り付けられている。
【0017】
図3に、シートクッション4の斜視図を示す。
図3には、シート1に取り付けられたときとは上下逆の姿勢の状態のシートクッション4について示されている。つまり、
図3には、下面が見えるような姿勢のシートクッション4について示されている。
【0018】
シートクッション4の下面には、突起4aが設けられている。突起4aは、シートクッション4の下面から下方に突出して設けられている。つまり、突起4aは、シートクッション4が座フレーム3に載置された際に、シートクッション4の下面から座フレーム3に向かう方向に突出するように設けられている。本実施形態では、シートクッション4の下面に2つの突起4aが設けられている。突起4aは、座フレーム3にシートクッション4が載置された際に、それぞれ前方横フレーム部5aに近接する位置に設けられている。突起4aのうち、シートクッション4が座フレーム3に載置された際に、左縦フレーム部5cにおける内側の側面に近接した位置に配置される突起を突起4bとし、右縦フレーム部5dにおける内側の側面に近接した位置に配置される突起を突起4cとしている。
【0019】
突起4aは、シートクッション4の座フレーム3への載置面において、四隅のうち少なくとも二隅に設けられている。本実施形態では、シートクッション4の座フレーム3への載置面における四隅のうち、前方の左右両端部の二隅に突起4b及び突起4cが設けられている。なお、突起の位置については、他の構成であってもよい。例えば、シートクッション4の座フレーム3への載置面における四隅のうち、後方の左右両端部の二隅にそれぞれ突起が設けられていてもよい。また、突起は、シートクッション4の座フレーム3への載置面における四隅のうち、三隅に設けられてもよいし、四隅に設けられてもよい。
【0020】
シートクッション4は、その下面を構成する樹脂製の下板4dを有して構成されている。本実施形態では、下板4dに、軽量化のために、開口4eが設けられている。突起4aは、軽量化のための開口4eから突出して設けられている。
【0021】
また、シートクッション4の下板4dの下面には、第1面ファスナー7が設けられている。本実施形態では、シートクッション4の下板4dの下面に2つの第1面ファスナー7が設けられている。第1面ファスナー7は、座フレーム3にシートクッション4が載置された際に、それぞれ左縦フレーム部5c及び右縦フレーム部5dの上面に貼り付けられた第2面ファスナー6a、6bに対向する位置に設けられている。2つの第1面ファスナー7のうち、座フレーム3にシートクッション4が載置された際に、第2面ファスナー6aに対向する位置に設けられた面ファスナーを第1面ファスナー7aとし、第2面ファスナー6bに対向する位置に設けられた面ファスナーを第1面ファスナー7bとする。
【0022】
図4に、
図1におけるIV-IV線についての断面図を示す。
図4には、
図1の2つのシート1のうちの一方のシート1について、シートクッション4が座フレーム3に取り付けられた取付部分が拡大されて示されている。
図4では、シートバック2等の構成については省略している。シートクッション4は、上面を構成する表皮4fを有して構成されている。また、シートクッション4は、表皮4fと下板4dとの間に介在されるクッション材4gを有して構成されている。本実施形態では、クッション材4gは、突起4b及び突起4cと一体に形成されている。
【0023】
図4に示されるように、シートクッション4が座フレーム3上に載置されると、突起4bが、シート1における前後方向において、前方横フレーム部5aの後方の位置に配置されるので、シート1の前後方向について、シートクッション4の位置決めが行われる。従って、シート1の前後方向において、シートクッション4が適切な位置に配置される。
【0024】
このとき、他方の突起4cについても、突起4cが、シート1における前後方向において、前方横フレーム部5aの後方の位置に配置されるので、突起4cによっても、シート1の前後方向について、シートクッション4の位置決めが行われる。このとき、シートクッション4は、突起4b及び突起4cの前端が前方横フレーム部5aの後方における内側の側面に当接するように配置されることにより、シートバック2から前方へ向かう方向へのフレーム枠5に対する位置が規制される。つまり、突起4b及び突起4cが前方横フレーム部5aに当接することによって、シートクッション4の前後方向の位置が規制されている。
【0025】
また、シートクッション4は、一部が前方横フレーム部5aの前方に配置されているので、これによってもシートクッション4の前後方向についての位置の規制を行うことができる。シートクッション4における前方横フレーム部5aの前方に回り込んだ部分が前方横フレーム部5aに当接することにより、シートクッション4を前後方向に適切な位置に配置することができる。
【0026】
また、本実施形態では、シートクッション4が座フレーム3上に載置されると、シート1の横方向において、突起4b及び突起4cは、左縦フレーム部5cと右縦フレーム部5dとのそれぞれの内側の側面の間の位置に配置される。従って、突起4b及び突起4cは、シート1の横方向においても、フレーム枠5によって囲まれた領域の内側に近接配置されることにより、シートクッション4の位置が規制される。つまり、突起4b及び突起4cにおける横方向の外側の端部が、左縦フレーム部5c及び右縦フレーム部5dそれぞれの内側の側面に当接するように配置されることにより、シートクッション4の横方向の位置が規制される。従って、シート1の横方向において、シートクッション4が適切な位置に配置される。
【0027】
また、フレーム枠5に対するシートクッション4の位置決めが行われながらシートクッション4が座フレーム3上に載置されると、シートクッション4は、前方横フレーム部5aに対する前後方向への移動が抑えられる。例えば、シート1上に着座した人が、シートバック2のリクライニングや、シート1から立ち上がる動作を行うことにより、シートクッション4へシート1の前方向への力が作用したとしても、突起4b及び突起4cの前端が前方横フレーム部5aの後端に当接することにより、シートクッション4のフレーム枠5に対する移動を抑えることができる。そのため、シート1に着座している人の動作に起因してシートクッション4に前方向へのずれが生じることを抑えることができる。また、本実施形態では、突起4b及び突起4cがクッション材4gと一体に形成されているので、車両からの振動が突起4b及び突起4cに伝わり突起4b及び突起4cが振動しても、クッション材4gの弾性変形によって振動を吸収することができるように構成されている。従って、乗客が着座した状態において車両走行中の微小振動をクッション材4gが吸収することができ、振動が乗客に伝わることを抑えることができる。また、シートクッション4は、一部が前方横フレーム部5aの前方に配置されているので、シートクッション4に後方向への力が作用したとしても、シートクッション4における前方横フレーム部5aの前方に回り込んだ部分が前方横フレーム部5aに当接することにより、それ以上後方へのずれは生じない。これにより、シートクッション4の前後方向への位置が適切な位置で維持され、シートクッション4の位置のずれが生じることによって乗客に違和感を与えることを抑えることができる。
【0028】
また、シートクッション4が座フレーム3上に取り付けられると、シートクッション4は、左縦フレーム部5c及び右縦フレーム部5dに対する横方向への移動が抑えられる。例えば、シート1上に着座した人がシート1から立ち上がる動作を行うことにより、シートクッション4へシート1の横方向への力が作用したとしても、突起4b及び突起4cの外側の端部が、左縦フレーム部5c及び右縦フレーム部5dの内側の端部に当接することにより、シートクッション4のフレーム枠5に対する横方向への移動を抑えることができる。そのため、シート1に着座している人の動作に起因してシートクッション4にそれ以上横方向へのずれが生じない。これにより、シートクッション4の横方向への位置が適切な位置で維持され、シートクッション4の位置のずれが生じることによって乗客に違和感を与えることを抑えることができる。また、突起4b及び突起4cがクッション材4gと一体に形成されているので、クッション材4gが横方向の振動についても吸収することができる。従って、乗客が着座した状態において車両走行中の横方向の微小振動をクッション材4gが吸収することができ、横方向の振動についても乗客に伝わることを抑えることができる。
【0029】
また、シートクッション4が座フレーム3上に載置されると、左縦フレーム部5c上の位置では、左縦フレーム部5cに貼り付けられた第2面ファスナー6aと、シートクッション4に貼り付けられた第1面ファスナー7aとが当接して係合する。同様に、右縦フレーム部5d上の位置では、右縦フレーム部5dに貼り付けられた第2面ファスナー6bと、シートクッション4に貼り付けられた第1面ファスナー7bとが当接して係合する。このように、左縦フレーム部5c及び右縦フレーム部5dの両方の上面で、第2面ファスナー6と第1面ファスナー7との係合が行われることにより、シートクッション4はフレーム枠5上に保持される。そのため、第2面ファスナー6と第1面ファスナー7との間の係合を解除させるのに大きな力を必要としない構成でありながら、シートクッション4とフレーム枠5との間の接続が維持される。このようにして、座フレーム3上にシートクッション4が取り付けられた状態が維持される。
【0030】
上記のように構成されたシート1においては、シートクッション4の座フレーム3への装着は、突起4b及び突起4cの前端が前方横フレーム部5aの後方に配置されるように座フレーム3の上面にシートクッション4が載置されて、左縦フレーム部5c及び右縦フレーム部5dの上面での、第2面ファスナー6aと第1面ファスナー7aとの間の係合及び第2面ファスナー6bと第1面ファスナー7bとの間が係合されることによって行われている。突起4b及び突起4cは、フレーム枠5に接続されているわけではなく、フレーム枠5に対して突起4b及び突起4cが当接することで水平方向の位置が規制されているだけである。そのため、第2面ファスナー6aと第1面ファスナー7aとの間の係合及び第2面ファスナー6bと第1面ファスナー7bとの間の係合さえ解放させれば、シートクッション4を持ち上げることができ、シートクッション4を座フレーム3から容易に取り外すことができる。
【0031】
第2面ファスナー6と第1面ファスナー7との間の係合を解放する場合においては、あまり大きな力は必要としない。そのため、例えば、一般の乗客が、特別な工具を用いずに、シートクッション4を座フレーム3から引っ張り上げれば、シートクッション4を容易に取り外すことができる。従って、乗客は、いざというときには、シートクッション4を取り外し、シートクッション4を盾として用いることができる。
【0032】
近年においては、鉄道車両の車内において、不審者によるトラブルが多く発生している。また、不審者が、車内で刃物を持っているようなケースも考えられる。そのような場合に、乗客は、シート1からシートクッション4を引っ張り上げて、シートクッション4を盾として用いることにより、自らの身体の安全をより確実に守ることができる。
【0033】
なお、上記実施形態では、突起4b及び突起4cが、シートクッション4の前後方向及び横方向の両方について位置の規制を行う形態について説明した。しかしながら、上記の実施形態に限定されず、突起4b及び突起4cは、前後方向のみの位置の規制を行う形態であってもよい。
【0034】
また、上記実施形態では、突起4b及び突起4cの2つの突起によってシートクッション4の位置決めを行う形態について説明したが、上記の実施形態に限定されない。突起は1つであってもよい。また、突起は、3つ以上であってもよい。シートクッション4の位置の規制を行うことができるのであれば、突起の数はいくつであってもよい。
【0035】
また、上記実施形態では、シートクッション4の前方に配置された突起4b及び突起4cの位置が前方横フレーム部5aによって規制されることによりシートクッション4の位置が規制される形態について説明したが、上記の実施形態に限定されない。シートクッション4の後方に突起が設けられ、後方の突起が後方横フレーム部よりも後側の位置に配置されることによりシートクッション4の前後方向の位置の規制が行われてもよい。また、シートクッション4の前方及び後方の両方に突起が設けられ、前方の突起の位置が前方横フレーム部5aによって規制されると共に後方の突起の位置が後方横フレーム部5bによって規制されるように構成されてもよい。これにより、シートクッション4が前方向及び後方向の両方向に行き過ぎないように、突起によって位置の規制を行うことができる。
【0036】
また、上記実施形態では、左縦フレーム部5c及び右縦フレーム部5dに、座フレーム3側の第2面ファスナー6が貼り付けられる形態について説明したが、上記の実施形態に限定されない。座フレーム3側の第2面ファスナーが貼り付けられる位置は、前方横フレーム部5aであってもよいし、後方横フレーム部5bであってもよい。また、必ずしも左縦フレーム部5c及び右縦フレーム部5dの両方に貼り付けられなくてもよく、いずれか一方にのみ貼り付けられる形態であってもよい。また、座フレーム3とシートクッション4との間の接続を行うことができるのであれば、フレーム枠5の上面でなくてもよく、座フレーム3側の面ファスナーは、フレーム枠5以外の位置に貼り付けられてもよい。
【0037】
また、上記実施形態では、面ファスナー同士の係合によって座フレーム3とシートクッション4との間の接続を行う形態について説明したが、上記の実施形態に限定されない。シートクッション4の位置の規制が、突起による位置の規制だけで十分である場合には、面ファスナー同士の係合による接続は必ずしも行われなくてもよい。また、面ファスナー以外の係合によって座フレーム3とシートクッション4との間の接続が行われてもよい。乗客が特別な工具を用いずに容易にシートクッション4を持ち上げることができるのであれば、座フレーム3とシートクッション4との間の接続には、面ファスナー同士の係合以外の方法によって係合が行われてもよい。
【符号の説明】
【0038】
1 シート
2 シートバック
3 座フレーム
4 シートクッション
4a、4b、4c 突起
5a 横フレーム部
5b 左縦フレーム部
5c 右縦フレーム部
5d 後方フレーム
6a、6b 第2面ファスナー
7a、7b 第1面ファスナー