(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-14
(45)【発行日】2023-11-22
(54)【発明の名称】作業計画作成装置及び作業計画作成方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/0631 20230101AFI20231115BHJP
G06Q 10/08 20230101ALI20231115BHJP
【FI】
G06Q10/0631
G06Q10/08
(21)【出願番号】P 2019227446
(22)【出願日】2019-12-17
【審査請求日】2022-09-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】グェンクァン ティン
【審査官】西村 純
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-137408(JP,A)
【文献】特開2000-293581(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の作業者に関する作業者情報を記憶する作業者情報記憶部と、
1以上の作業ユニットごとに定められた1以上の出荷時刻を記憶する出荷時刻記憶部と、
前記1以上の作業ユニットごとに、物品の出荷準備作業の予測作業量を示す作業量予測情報を作成する作業量予測情報作成部と、
前記1以上の作業ユニットごとに、前記出荷時刻記憶部に記憶された前記1以上の出荷時刻各々に対応する出荷準備作業時間帯を設定する出荷準備作業時間帯設定部と、
前記1以上の作業ユニットごとに、前記作業者情報及び前記作業量予測情報に基づいて、前記出荷準備作業時間帯の各々に前記出荷準備作業を行う作業者を前記複数の作業者のうちから割り当てて、前記複数の作業者の配置計画を作成する作業者配置計画作成部と
を備える、作業計画作成装置。
【請求項2】
前記作業者配置計画作成部は、
前記作業者情報及び前記作業量予測情報に基づいて、前記出荷準備作業時間帯の各々における出荷準備作業量の割り当てを行って、
当該割り当てられた前記出荷準備作業量の前記出荷準備作業が完了するように、前記出荷準備作業時間帯の各々に前記出荷準備作業を行う前記作業者の割り当てを行う、請求項1に記載の作業計画作成装置。
【請求項3】
前記作業者配置計画作成部は、前記作業量予測情報作成部が第1出荷時刻を基準として定められる第1時刻から、前記第1出荷時刻の次の出荷時刻である第2出荷時刻を基準として定められる第2時刻までの期間中に追加されると予想する前記出荷準備作業量を、前記第2出荷時刻に対応する前記出荷準備作業時間帯に割り当てる、請求項2に記載の作業計画作成装置。
【請求項4】
前記第1時刻は、前記第1出荷時刻よりも第1所定時間だけ過去の時刻であり、
前記第2時刻は、前記第2出荷時刻よりも第2所定時間だけ過去の時刻である、請求項3に記載の作業計画作成装置。
【請求項5】
前記作業者情報は、前記複数の作業者それぞれが出勤しているか否かを示す出勤情報を含む、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の作業計画作成装置。
【請求項6】
前記作業者情報は、前記複数の作業者それぞれの業務遂行能力についての情報を含み、
前記業務遂行能力は、前記複数の作業者それぞれが前記物品の出荷準備作業を遂行する指標によって表される、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の作業計画作成装置。
【請求項7】
前記作業者の割当モデルを記憶する割当モデル記憶部を更に備え、
前記割当モデルは、前記1以上の作業ユニットごとに、前記作業者情報及び前記作業量予測情報に対応した前記出荷準備作業時間帯の各々に割り当てられる前記作業者を示す情報を含み、
前記作業者配置計画作成部は、前記割当モデルに基づいて前記複数の作業者の割り当てを行う、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の作業計画作成装置。
【請求項8】
過去の実績データに基づいて前記割当モデルを更新する割当モデル更新部を更に備える、請求項7に記載の作業計画作成装置。
【請求項9】
前記作業者配置計画作成部は、前記作業ユニットが複数である場合、所定の条件に基づいて複数の前記作業ユニットのうちの特定の作業ユニットを優先して、前記複数の作業者のうちから選択された作業者を割り当てる、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の作業計画作成装置。
【請求項10】
前記所定の条件は、複数の前記作業ユニットのうち、最終出荷時刻が早い前記作業ユニットを優先するものである、請求項9に記載の作業計画作成装置。
【請求項11】
複数の作業者に関する作業者情報を記憶する作業者情報記憶ステップと、
1以上の作業ユニットごとに定められた1以上の出荷時刻を記憶する出荷時刻記憶ステップと、
前記1以上の作業ユニットごとに、物品の出荷準備作業の予測作業量を示す作業量予測情報を作成する作業量予測情報作成ステップと、
前記1以上の作業ユニットごとに、前記出荷時刻記憶ステップで記憶された前記1以上の出荷時刻各々に対応する出荷準備作業時間帯を設定する出荷準備作業時間帯設定ステップと、
前記1以上の作業ユニットごとに、前記作業者情報及び前記作業量予測情報に基づいて、前記出荷準備作業時間帯の各々に前記出荷準備作業を行う作業者を前記複数の作業者のうちから割り当てて、前記複数の作業者の配置計画を作成する作業者配置計画作成ステップと
を
コンピュータに実行させる、作業計画作成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業計画作成装置及び作業計画作成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載のコンピュータシステム(作業計画作成装置)は、センターコンピュータを備える。具体的には、センターコンピュータは、演算処理部と、記憶部とを備える。演算処理部は、作業仕分けデータの作成を実行する。作業仕分けデータは、複数の作業を複数の作業班が複数の作業場所で行うことを示す。複数の作業は、例えば、電話工事である。そして、演算処理部は、予め作成した作業仕分けデータの修正を実行する。詳細には、演算処理部は、実際の作業進捗状況や道路渋滞等に応じて、作業仕分けデータにおける作業案件の開始及び/又は終了予定時刻を所定インターバルで書き換える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のコンピュータシステムでは、道路渋滞等のトラブルが生じた場合に、終了予定時刻までに完了されない作業が生じることがあった。特に、特許文献1に記載のコンピュータシステムを出荷準備作業の管理に使用した場合、出荷時刻までに完了されない出荷準備作業が生じることがあった。
【0005】
本発明は、出荷時刻までに出荷準備作業が完了されないことを低減できる作業計画作成装置及び作業計画作成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一局面によれば、作業計画作成装置は、作業者情報記憶部と、出荷時刻記憶部と、作業量予測情報作成部と、出荷準備作業時間帯設定部と、作業者配置計画作成部とを備える。前記作業者情報記憶部は、複数の作業者に関する作業者情報を記憶する。前記出荷時刻記憶部は、1以上の作業ユニットごとに定められた1以上の出荷時刻を記憶する。前記作業量予測情報作成部は、前記1以上の作業ユニットごとに、物品の出荷準備作業の予測作業量を示す作業量予測情報を作成する。前記出荷準備作業時間帯設定部は、前記1以上の作業ユニットごとに、前記出荷時刻記憶部に記憶された前記1以上の出荷時刻各々に対応する出荷準備作業時間帯を設定する。前記作業者配置計画作成部は、前記1以上の作業ユニットごとに、前記作業者情報及び前記作業量予測情報に基づいて、前記出荷準備作業時間帯の各々に前記出荷準備作業を行う作業者を前記複数の作業者のうちから割り当てて、前記複数の作業者の配置計画を作成する。
【0007】
本発明の他の局面によれば、作業計画作成方法は、作業者情報記憶ステップと、出荷時刻記憶ステップと、作業量予測情報作成ステップと、出荷準備作業時間帯設定ステップと、作業者配置計画作成ステップとを含む。前記作業者情報記憶ステップでは、複数の作業者に関する作業者情報を記憶する。前記出荷時刻記憶ステップでは、1以上の作業ユニットごとに定められた1以上の出荷時刻を記憶する。前記作業量予測情報作成ステップでは、前記1以上の作業ユニットごとに、物品の出荷準備作業の予測作業量を示す作業量予測情報を作成する。前記出荷準備作業時間帯設定ステップでは、前記1以上の作業ユニットごとに、前記出荷時刻記憶ステップで記憶された前記1以上の出荷時刻各々に対応する出荷準備作業時間帯を設定する。前記作業者配置計画作成ステップでは、前記1以上の作業ユニットごとに、前記作業者情報及び前記作業量予測情報に基づいて、前記出荷準備作業時間帯の各々に前記出荷準備作業を行う作業者を前記複数の作業者のうちから割り当てて、前記複数の作業者の配置計画を作成する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の作業計画作成装置及び作業計画作成方法によれば、出荷時刻までに出荷準備作業が完了されないことを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施形態に係る作業計画作成装置が設置された物流倉庫の内部を示す図である。
【
図2】本実施形態に係る作業計画作成装置を示すブロック図である。
【
図3】本実施形態に係る受注情報を示すテーブルである。
【
図4】本実施形態に係る作業者情報を示すテーブルである。
【
図5】本実施形態に係る出荷時刻を示すテーブルである。
【
図6】本実施形態に係る配置計画を示すテーブルである。
【
図7】本実施形態に係る配置計画を示すテーブルである。
【
図8】本実施形態に係る制御部の処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0011】
図1を参照して、本実施形態に係る物流倉庫1について説明する。
図1は、作業計画作成装置100が設置された物流倉庫1の内部を示す図である。
図1に示すように、物流倉庫1は、複数の保管庫11と、複数の作業場12と、事務室10とを含む。物流倉庫1は、第1場所にある。第1場所は、例えば、「大阪」にある物流倉庫である。事務室10には、作業計画作成装置100が配置されている。
【0012】
物流倉庫1では、複数の作業者Pが、複数の出荷準備作業を行う。複数の作業者Pは、例えば、作業者P1と、作業者P2と、作業者P3と、作業者P4と、作業者P5とを含む。なお、作業者P5は、物流倉庫1にいないため、図示していない。また、作業者P1の識別情報を「P1」、作業者P2の識別情報を「P2」、作業者P3の識別情報を「P3」、作業者P4の識別情報を「P4」、作業者P5の識別情報を「P5」と図面に記載することがある。
【0013】
複数の保管庫11の各々には、複数の物品Sが保管される。複数の保管庫11は、例えば、第1保管庫11Aと、第2保管庫11Bとを含む。第1物品S1と第2物品S2と第3物品S3との各々は、例えば、完成品のうちの一部品である。複数の物品Sは、例えば、第1物品S1と、第2物品S2と、第3物品S3とを含む。具体的には、第1保管庫11Aには、例えば、多数の第1物品S1と、多数の第2物品S2とが保管されている。第2保管庫11Bには、例えば、多数の第3物品S3が保管されている。
【0014】
複数の保管庫11の各々では、複数の作業者Pが、出荷準備作業を行う。具体的には、出荷準備作業は、収集作業又は包装作業を含む。詳細には、第1保管庫11Aでは、所定数の第1物品S1又は所定数の第2物品S2を収集する収集作業、又は、所定数の第1物品S1又は所定数の第2物品S2を包装する包装作業を行う。第2保管庫11Bでは、所定数の第3物品S3を収集する収集作業、又は、所定数の第3物品S3を包装する包装作業を行う。
【0015】
複数の作業場12の各々では、複数の運送車20が複数の目的地に向かって出発する。複数の作業場12は、例えば、第1作業場12Aと、第2作業場12Bとを含む。複数の運送車20は、例えば、第1運送車20Aと、第2運送車20Bとを含む。複数の目的地は、例えば、第2場所と、第3場所とを含む。第2場所は、例えば、「京都」にある組立工場である。第3場所は、第1場所から第2場所より離れた場所であり、例えば、「東京」にある組立工場である。具体的には、第1作業場12Aでは、第1運送車20Aが「京都」にある組立工場に向かって出発する。第2作業場12Bでは、第2運送車20Bが「東京」にある組立工場に向かって出発する。
【0016】
複数の作業場12の各々では、複数の作業者Pが、出荷準備作業を行う。具体的には、出荷準備作業は、積込作業を含む。詳細には、第1作業場12Aでは、第1運送車20Aに所定数の第1物品S1、所定数の第2物品S2又は所定数の第3物品S3を積み込む積込作業を行う。第2作業場12Bでは、第2運送車20Bに所定数の第1物品S1、所定数の第2物品S2又は所定数の第3物品S3を積み込む積込作業を行う。
【0017】
図2を参照して、作業計画作成装置100について説明する。
図2は、作業計画作成装置100を示すブロック図である。
図2に示すように、作業計画作成装置100は、制御部50と、記憶部60とを備える。
【0018】
記憶部60は、作業者情報記憶部61と、出荷時刻記憶部62と、割当モデル記憶部63と、受注情報記憶部64とを含む。具体的には、記憶部60は、ストレージデバイス、半導体メモリ及び情報処理のためのデータベースによって構成される。ストレージデバイスは、例えば、ハードディスクドライブ(Hard Disk Drive:HDD)及び/又はソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)である。半導体メモリは、例えば、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)である。データベースは、例えば、Oracle(登録商標) Database、MySQL(登録商標)、SQLite、Microsoft(登録商標) SL Server等である。
【0019】
作業者情報記憶部61は、作業者情報DPを記憶する。作業者情報DPは、複数の作業者Pに関する。出荷時刻記憶部62は、1以上の出荷時刻DTを記憶する。
【0020】
制御部50は、取得部51を含む。具体的には、制御部50は、例えば、中央処理演算装置(Central Processing Unit:CPU)のようなプロセッサによって構成される。制御部50は、記憶部60に記憶された制御プログラムを実行する。
【0021】
取得部51は、LANのようなネットワーク網を介して複数の受注情報DRを取得する。具体的には、取得部51は、複数の受注情報DRを24時間、取得する。そして、受注情報記憶部64は、複数の受注情報DRを記憶する。
【0022】
続けて
図1から
図3を参照して、受注情報DRについて説明する。
図3は、受注情報DRを示すテーブルである。
図3に示すように、受注情報DRでは、例えば、日時と、物品情報と、目的地情報とが対応付けてられている。目的地情報は、目的地を示す。物品情報は、物品Sの種類及び個数を示す。つまり、受注情報DRは、目的地に所定種類の所定数の物品Sを運送することを示す。その結果、目的地に所定種類の所定数の物品Sを運送するための「作業ユニット」が定められる。なお、「作業ユニット」は、物品Sを出荷する物流倉庫1において、出荷準備作業を行う作業者Pが割り当てられる、作業グループ、作業班、又は、作業エリアによって定められてもよい。
【0023】
続けて
図1から
図4を参照して、作業者情報DPの詳細について説明する。
図4は、作業者情報DPを示すテーブルである。
図4に示すように、作業者情報DPでは、例えば、作業者Pと、出勤情報DPAと、業務遂行能力についての情報DPBとが対応付けられている。出勤情報DPAは、複数の作業者Pそれぞれが出勤しているか否かを示す。具体的には、作業者P1が出勤している場合、出勤情報DPAは「〇」を示す。作業者P5が欠勤している場合、出勤情報DPAは「×」を示す。
【0024】
また、業務遂行能力についての情報DPBは、複数の作業者Pそれぞれの業務遂行能力についての情報を含む。具体的には、業務遂行能力についての情報DPBは、作業速度を示すスキル情報である。業務遂行能力は、複数の作業者Pそれぞれが物品Sの出荷準備作業を遂行する指標によって表される。具体的には、業務遂行能力は、5段階で示される。詳細には、業務遂行能力は、「1」から「5」の内から選択された一つの数値を示す。例えば、作業者P1の業務遂行能力は、作業速度が速い「5」である。一方、作業者P5の業務遂行能力は、作業速度が遅い「1」である。
【0025】
続けて
図1から
図5を参照して、出荷時刻DTの詳細について説明する。
図5は、出荷時刻DTを示すテーブルである。
図5に示すように、第1運送車20Aの第1出発時刻は「12時」であり、第2出発時刻は「16時」であることを示す。つまり、「京都」への出荷時刻DTは「12時」及び「16時」であることを示す。出荷時刻DTは、目的地に所定種類の所定数の物品Sを運送するための作業ユニットごとに定められる。よって、「京都」に物品Sを運送するための作業ユニットには、出荷時刻DTは「12時」又は「16時」であると定められる。また、第2運送車20Bの第1出発時刻は「12時」であり、第2出発時刻は「14時」であることを示す。つまり、「東京」への出荷時刻DTは「12時」及び「14時」であることを示す。よって、「東京」に物品Sを運送するための作業ユニットには、出荷時刻DTは「12時」又は「14時」であると定められる。
【0026】
図2に示すように、制御部50は、取得部51に加えて、作業量予測情報作成部52と、出荷準備作業時間帯設定部53と、作業者配置計画作成部54と、割当モデル更新部55とを更に含む。
【0027】
作業量予測情報作成部52は、作業量予測情報を作成する。作業量予測情報は、1以上の作業ユニットごとに、物品Sの出荷準備作業の予測作業量を示す。具体的には、予測作業量は、数値で示される。例えば、作業量予測情報作成部52は、「京都」に所定数の第1物品S1と所定数の第2物品S2とを運送するための作業ユニットに予測作業量を割当てる場合、物品Sの数が多いため、大きな数値である予測作業量「80」を割当てる。一方、「東京」に所定数の第3物品S3を運送するための作業ユニットに予測作業量を割当てる場合、物品Sの数が少ないため、小さな数値である予測作業量「40」を割当てる。
【0028】
出荷準備作業時間帯設定部53は、1以上の作業ユニットごとに、出荷準備作業時間帯を設定する。出荷準備作業時間帯は、出荷時刻記憶部62に記憶された1以上の出荷時刻DT各々に対応する。例えば、出荷準備作業時間帯設定部53は、出荷準備作業時間帯として、出荷時刻の30分前から、出荷時刻までを設定する。
【0029】
作業者配置計画作成部54は、作業者情報DP及び作業量予測情報に基づいて、配置計画DAを作成する。具体的には、作業者配置計画作成部54は、複数の作業者Pのうちから少なくとも1人の作業者Pを、1以上の作業ユニットごとに割り当てて、複数の作業者Pの配置計画DAを作成する。作業者Pは、作業ユニットに設定された出荷準備作業時間帯の各々に出荷準備作業を行う。
【0030】
図6を参照して、配置計画DAについて説明する。
図6は、配置計画DAを示すテーブルである。
図6に示すように、配置計画DAでは、例えば、作業者Pと、時刻と、作業ユニットとが対応付けてられている。例えば、時刻は、9時から17時まで30分間隔で示される。作業ユニットは、第1作業場12Aで積込作業を行う出荷準備作業を「第1」で示す。第2作業場12Bで積込作業を行う出荷準備作業を「第2」で示す。
【0031】
例えば、作業速度が「5」である作業者P1は、11時から12時まで、予測作業量が多い第1作業場12Aで積込作業を行う。また、作業速度が「3」である作業者P3は、11時30分から12時まで、第1作業場12Aで積込作業を行う。一方、作業速度が「3」である作業者P2は、11時30分から12時まで、予測作業量が少ない第2作業場12Bで積込作業を行う。また、作業速度が「3」である作業者P4は、11時30分から12時まで、第2作業場12Bで積込作業を行う。
【0032】
以上のように、作業者配置計画作成部54は、作業者情報DP及び作業量予測情報に基づいて、配置計画DAを作成する。その結果、複数の作業者Pは、出荷準備作業時間帯の各々に出荷準備作業を行う。出荷準備作業時間帯は、1以上の出荷時刻DT各々に対応する。従って、出荷時刻DTまでに出荷準備作業を完了できる。更に、作業者情報DPは、出勤情報DPAを含む。従って、作業者配置計画作成部54は、作業者情報DPを用いて、より適切な配置計画DAを作成できる。そして、作業者情報DPは、業務遂行能力についての情報DPBを含む。従って、作業者配置計画作成部54は、作業者情報DPを用いて、より適切な配置計画DAを作成できる。
【0033】
詳細には、作業者配置計画作成部54は、出荷準備作業時間帯の各々における出荷準備作業量の割り当てを行う。出荷準備作業量は、予測作業量のうち、出荷時刻までに完了しなければならない所定の出荷準備作業の作業量を示す。例えば、作業者配置計画作成部54は、割り当てられた出荷準備作業量の出荷準備作業が完了するように、出荷準備作業時間帯の各々に出荷準備作業を行う作業者Pの割り当てを行う。従って、出荷準備作業量に応じて、複数の作業者Pの割り当てを行うことができる。その結果、出荷時刻DTまでに出荷準備作業を、より確実に完了できる。
【0034】
更に詳細には、作業量予測情報作成部52は、第1時刻から第2時刻までの期間中に追加されると予想する出荷準備作業量を予想する。第1時刻は、第1出荷時刻を基準として定められる。第2時刻は、第2出荷時刻を基準として定められる。第2出荷時刻は、第1出荷時刻の次の出荷時刻である。
【0035】
具体的には、第1時刻は、第1出荷時刻よりも第1所定時間だけ過去の時刻である。詳細には、第1所定時間は、1時間である。また、第2時刻は、第2出荷時刻よりも第2所定時間だけ過去の時刻である。詳細には、第2所定時間は、30分である。第2所定時間は、第2時刻までに出荷準備作業を行うことができる時間である。
【0036】
例えば、作業量予測情報作成部52は、1年前又は前日の受注情報DRに基づいて、出荷準備作業量を予想する。作業量予測情報作成部52は、前日の第1時刻から第2時刻までの期間中に取得した受注情報DRと同様の受注情報DRを当日も取得すると仮定する。例えば、作業量予測情報作成部52は、前日の11時から15時30分までの期間中に取得した「京都」に物品Sを運送する受注情報DRと同様の受注情報DRを取得すると仮定する。その結果、作業量予測情報作成部52は、受注情報DRによる出荷準備作業量を算出する。
【0037】
作業者配置計画作成部54は、出荷準備作業量を、第2出荷時刻に対応する出荷準備作業時間帯に割り当てる。例えば、当日の11時までに取得した「京都」に物品Sを運送する受注情報DRによる出荷準備作業量を、第1出荷時刻に対応する出荷準備作業時間帯に、作業者配置計画作成部54は割り当てる。そして、当日の11時から15時30分までの期間中に取得すると予想された出荷準備作業量を、第2出荷時刻に対応する出荷準備作業時間帯に、作業者配置計画作成部54は割り当てる。
【0038】
以上のように、作業量予測情報作成部52は、第1時刻から第2時刻までの期間中に追加されると予想する出荷準備作業量を予想する。そして、作業者配置計画作成部54は、出荷準備作業量を、第2出荷時刻に対応する出荷準備作業時間帯に割り当てる。従って、当日の第2時刻までに取得した受注情報DRに対して、出荷準備作業を行うことができる。その結果、当日中に対応できる。また、第1時刻は、第1出荷時刻よりも第1所定時間だけ過去の時刻であり、第2時刻は、第2出荷時刻よりも第2所定時間だけ過去の時刻である。従って、当日の第2時刻までに取得した受注情報DRに対して、第2所定時間をかけて出荷準備作業を行うことができる。その結果、当日中に、より確実に対応できる。
【0039】
作業者配置計画作成部54は、実績データを取得する。実績データは、例えば、実際に出荷準備作業を行った後、予測作業量の出荷準備作業が完了したか否かを示す情報を含む。出荷準備作業が完了しなかった場合、作業者配置計画作成部54は、作業者情報DP及び作業量予測情報に基づいて、配置計画DBを再作成する。例えば、「東京」に第3物品S3を運送する出荷準備作業が完了しなかった実績データを取得した場合、作業者配置計画作成部54は、配置計画DAから配置計画DBにリアルタイムで変更する。
【0040】
図6及び
図7を参照して、配置計画DBについて説明する。
図7は、配置計画DBを示すテーブルである。
図7に示すように、配置計画DBでは、例えば、作業者Pと、時刻と、作業ユニットとが対応付けてられている。
【0041】
図6で示す配置計画DAでは、作業者P3は、11時30分から12時まで、第1作業場12Aで積込作業を行い、15時30分から16時まで、第1作業場12Aで積込作業を行う。一方、
図7で示す配置計画DBでは、作業者P3は、11時30分から12時まで、第1作業場12Aで積込作業を行い、13時30分から14時まで、第2作業場12Bで積込作業を行い、15時30分から16時まで、第1作業場12Aで積込作業を行う。つまり、
図6で示す配置計画DAでは、予測作業量の出荷準備作業が完了しなかったため、
図7で示す配置計画DBでは、作業者P3は、13時30分から14時まで、第2作業場12Bで積込作業を行うことが追加される。従って、作業場12の出荷準備作業の変化に対応することができる。例えば、出荷時刻直前の出荷準備作業時間帯に、必要とする作業者Pの人数を一時的に増加することができる。その結果、出荷時刻DTまでに出荷準備作業を、より確実に完了できる。
【0042】
更に詳細には、割当モデル記憶部63は、作業者Pの割当モデルを記録する。割当モデルは、1以上の作業ユニットごとに、作業者情報DP及び作業量予測情報に対応した出荷準備作業時間帯の各々に割り当てられる作業者Pを示す情報を含む。
【0043】
具体的には、割当モデルは、複数の時間帯の各々に割り当てられる作業者Pの人数を示す雛形を含む。例えば、割当モデルは、「京都」に第1物品S1と第2物品S2とを運送するための作業ユニットに対応する11時00分から11時30分までの出荷準備作業時間帯に、1人の作業者Pを割り当て、11時30分から12時までの出荷準備作業時間帯に、2人の作業者Pを割り当てる情報を含む。
【0044】
作業者配置計画作成部54は、割当モデルに基づいて複数の作業者Pの割り当てを行う。従って、作業者配置計画作成部54は、配置計画DAを精度よく作成できる。
【0045】
割当モデル更新部55は、過去の実績データに基づいて割当モデルを更新する。従って、作業者配置計画作成部54は、配置計画DAを精度よく作成できる。例えば、割当モデル更新部55は、出荷準備作業が15分前までに完了した場合、割当モデルを更新する。詳細には、出荷準備作業時間帯に、2人の作業者Pを割り当てていたことを、出荷準備作業時間帯に、1人の作業者Pを割り当てる情報を含む。従って、作業場12の作業処理能力の不足又は余剰を抑制できる。
【0046】
また、割当モデル更新部55は、作業者情報記憶部61に記憶された作業者Pの業務遂行能力を更新してもよい。例えば、割当モデル更新部55は、作業者P5の業務遂行能力を「3」から「4」に変更する。
【0047】
作業者配置計画作成部54は、作業ユニットが複数である場合、所定の条件に基づいて複数の作業ユニットのうちの特定の作業ユニットを優先して、複数の作業者Pのうちから選択された作業者Pを割り当てる。従って、優先度の高い出荷準備作業を完了できる。所定の条件は、複数の作業ユニットのうち、最終出荷時刻が早い作業ユニットを優先することが好ましい。この好ましい例によれば、緊急度の高い出荷準備作業を完了できる。その結果、出荷時刻DTまでに出荷準備作業を、より確実に完了できる。
【0048】
次に、
図8を参照して、制御部50の処理について説明する。
図8は、制御部50の処理の一例を示すフローチャートである。
【0049】
図8に示すように、まず、ステップS101において、取得部51は複数の受注情報DRを次々と取得する。
【0050】
次に、ステップS102において、作業者情報記憶部61は、複数の作業者Pに関する作業者情報DPを記憶する。
【0051】
次に、ステップS103において、出荷時刻記憶部62は、1以上の出荷時刻DTを記録する。
【0052】
次に、ステップS104において、作業量予測情報作成部52は、作業量予測情報を作成する。
【0053】
次に、ステップS105において、出荷準備作業時間帯設定部53は、1以上の作業ユニットごとに、出荷準備作業時間帯を設定する。
【0054】
次に、ステップS106において、作業者配置計画作成部54は、作業者情報DP及び作業量予測情報に基づいて、作業者Pを、1以上の作業ユニットごとに割り当てて、配置計画DAを作成する。
【0055】
次に、ステップS107において、取得部51は複数の受注情報DRを次々と取得する。
【0056】
次に、ステップS108において、割当モデル更新部55は、実績データを取得する。
【0057】
次に、ステップS109において、作業者配置計画作成部54は、作業者情報DP及び作業量予測情報に基づいて、作業者Pを、1以上の作業ユニットごとに割り当てて、配置計画DBを作成する。その後、処理が終了する。
【0058】
以上、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数等は、図面作成の都合上から実際とは異なる。また、上記の実施形態で示す各構成要素の材質や形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0059】
(1)
図1~
図8を参照して説明した作業計画作成装置100では、作業者配置計画作成部54は、作業者情報DP及び作業量予測情報に基づいて、配置計画DAを作成したが、作業者配置計画作成部54は、機械学習して、配置計画DA及び配置計画DBを作成してもよい。
【0060】
(2)
図1~
図8を参照して説明した作業計画作成装置100では、第2出発時刻が最終出荷時刻であったが、本発明はこれに限定されない。例えば、第3出発時刻が更にあり、第3出発時刻が最終出荷時刻であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明は、作業計画作成装置の分野に利用可能である。
【符号の説明】
【0062】
12 作業場
20 運送車
50 制御部
52 作業量予測情報作成部
53 出荷準備作業時間帯設定部
54 作業者配置計画作成部
55 割当モデル更新部
60 記憶部
61 作業者情報記憶部
62 出荷時刻記憶部
63 割当モデル記憶部
100 作業計画作成装置
DP 作業者情報
DR 受注情報
DT 出荷時刻
P 作業者
S 物品