IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ルネサスエレクトロニクス株式会社の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-14
(45)【発行日】2023-11-22
(54)【発明の名称】半導体装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/8238 20060101AFI20231115BHJP
   H01L 27/092 20060101ALI20231115BHJP
   H10B 43/30 20230101ALI20231115BHJP
   H10B 10/00 20230101ALI20231115BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20231115BHJP
   H01L 29/788 20060101ALI20231115BHJP
   H01L 29/792 20060101ALI20231115BHJP
   H01L 27/088 20060101ALI20231115BHJP
   H01L 29/786 20060101ALI20231115BHJP
【FI】
H01L27/092 F
H10B43/30
H10B10/00
H01L29/78 371
H01L27/092 A
H01L27/088 331E
H01L29/78 616K
H01L29/78 616S
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2020148113
(22)【出願日】2020-09-03
(65)【公開番号】P2022042639
(43)【公開日】2022-03-15
【審査請求日】2023-01-10
(73)【特許権者】
【識別番号】302062931
【氏名又は名称】ルネサスエレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】前田 一史
(72)【発明者】
【氏名】三原 竜善
(72)【発明者】
【氏名】新川田 裕樹
【審査官】多賀 和宏
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0194211(US,A1)
【文献】国際公開第2005/038931(WO,A1)
【文献】特開2002-094058(JP,A)
【文献】特開2002-280551(JP,A)
【文献】特開2013-026502(JP,A)
【文献】特開2016-004845(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/336、21/8238
H01L 27/088
H01L 29/78、29/786
H10B 10/00
H10B 43/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)半導体基板、前記半導体基板上に形成された絶縁層、および、前記絶縁層上に形成された半導体層を有するSOI基板を準備する工程;
(b)前記(a)工程後、前記半導体層上に、第1導電性膜を形成する工程;
(c)前記(b)工程後、前記第1導電性膜上に、第1絶縁膜を形成する工程;
(d)前記(c)工程後、前記第1導電性膜および前記第1絶縁膜をパターニングすることで、ゲートパターンおよびキャップ膜を形成する工程;
(e)前記(d)工程後、前記ゲートパターンの両側に位置する前記半導体層に不純物を注入することで、第1不純物領域を形成する工程;
(f)前記(e)工程後、前記ゲートパターンの側面上に、第2絶縁膜からなる第1サイドウォールスペーサを形成する工程;
(g)前記(f)工程後、前記ゲートパターン、前記キャップ膜および前記第1サイドウォールスペーサを覆うように、前記第1不純物領域上に、第2導電性膜を形成する工程;
(h)前記(g)工程後、前記キャップ膜が露出されるまで、前記第2導電性膜に対して研磨処理を施す工程;
(i)前記(h)工程後、前記第2導電性膜の一部をパターニングすることで、残された前記第2導電性膜からなるパッド層を形成する工程;
(j)前記(i)工程後、前記第2導電性膜が除去された箇所に対して、第3絶縁膜を埋め込む工程;
を備える、半導体装置の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の半導体装置の製造方法において、
(k)前記(j)工程後、前記キャップ膜が除去され、且つ、前記ゲートパターンが露出されるまで、前記キャップ膜、前記第1サイドウォールスペーサ、前記第3絶縁膜および前記パッド層に対して研磨処理を施す工程;
を更に備える、半導体装置の製造方法。
【請求項3】
請求項2に記載の半導体装置の製造方法において、
(l)前記(k)工程後、前記ゲートパターンおよび前記パッド層に、不純物を注入する工程;
(m)前記(l)工程後、前記ゲートパターンおよび前記パッド層の各々の上面に、シリサイド層を形成する工程;
を更に備える、半導体装置の製造方法。
【請求項4】
請求項2に記載の半導体装置の製造方法において、
(n)前記(a)工程と前記(b)工程との間に、前記半導体層および前記絶縁層を貫通し、且つ、前記半導体基板に達する溝を形成し、前記溝内に第4絶縁膜を埋め込むことで、素子分離部を形成する工程;
を更に備え、
前記素子分離部によって、前記半導体層、前記絶縁層および前記半導体基板は、複数の活性領域に区画され、
前記複数の活性領域は、第1活性領域、および、平面視において前記素子分離部を介して前記第1活性領域に隣接する第2活性領域を含み、
前記第1活性領域の前記半導体層に形成された前記第1不純物領域と、前記第2活性領域の前記半導体層に形成された前記第1不純物領域とは、同一の前記パッド層によって接続されている、半導体装置の製造方法。
【請求項5】
請求項4に記載の半導体装置の製造方法において、
前記第3絶縁膜は、前記素子分離部上に位置している、半導体装置の製造方法。
【請求項6】
請求項4に記載の半導体装置の製造方法において、
(o)前記(k)工程後、前記ゲートパターン上および前記パッド層上に、複数のプラグを形成する工程;
を更に備え、
前記複数の活性領域は、平面視において前記素子分離部を介して前記第1活性領域に隣接する第3活性領域を含み、
前記第3活性領域の前記ゲートパターンは、前記第3活性領域の前記第1サイドウォールスペーサを介して前記第1活性領域の前記パッド層に隣接するように、前記素子分離部上に延在し、
前記複数のプラグは、前記第3活性領域の前記ゲートパターンおよび前記第1活性領域の前記パッド層の両方に接続されるシェアードコンタクトプラグを含む、半導体装置の製造方法。
【請求項7】
請求項1に記載の半導体装置の製造方法において、
前記(g)工程は、前記第2導電性膜上に、塗布法によって第5絶縁膜を形成する工程を更に含み、
前記第5絶縁膜は、前記(h)工程の前記研磨処理によって除去される、半導体装置の製造方法。
【請求項8】
請求項1に記載の半導体装置の製造方法において、
前記第2導電性膜は、シリコンからなる、半導体装置の製造方法。
【請求項9】
請求項1に記載の半導体装置の製造方法において、
前記第1絶縁膜および前記第3絶縁膜は、酸化シリコンからなり、
前記第2絶縁膜は、窒化シリコンからなる、半導体装置の製造方法。
【請求項10】
請求項1に記載の半導体装置の製造方法において、
(p)前記(j)工程後、前記パッド層の上面が前記ゲートパターンの上面よりも低くなるように、前記パッド層の上面を後退させる工程;
(q)前記(p)工程後、前記ゲートパターン、前記キャップ膜および前記第1サイドウォールスペーサを覆うように、前記パッド層上に第6絶縁膜を形成する工程;
(r)前記(q)工程後、前記第6絶縁膜および前記キャップ膜に対して異方性エッチング処理を施すことで、前記キャップ膜を除去し、前記ゲートパターンの側面上に、前記第6絶縁膜からなる第2サイドウォールスペーサを形成する工程;
(s)前記(r)工程後、前記第2サイドウォールスペーサから露出している前記ゲートパターンの上面および前記パッド層の上面に、それぞれ第1シリサイド層および第2シリサイド層を形成する工程;
(t)前記(s)工程後、前記第1シリサイド層上および前記第2シリサイド層上に、第7絶縁膜を形成する工程;
(u)前記(t)工程後、前記パッド層の上面に形成されている前記第2シリサイド層が前記第7絶縁膜によって覆われ、且つ、前記ゲートパターンの上面に形成されていた前記第1シリサイド層が除去されるように、前記第7絶縁膜に対して研磨処理を施す工程;
(v)前記(u)工程後、前記ゲートパターンを除去し、前記ゲートパターンが除去された箇所に、金属膜を埋め込む工程;
(w)前記(v)工程後、前記第2シリサイド層が露出するまで、前記第7絶縁膜に対して研磨処理を施す工程;
を更に備える、半導体装置の製造方法。
【請求項11】
請求項10に記載の半導体装置の製造方法において、
(n)前記(a)工程と前記(b)工程との間に、前記半導体層および前記絶縁層を貫通し、且つ、前記半導体基板に達する溝を形成し、前記溝内に第4絶縁膜を埋め込むことで、素子分離部を形成する工程;
を更に備え、
前記第3絶縁膜は、前記素子分離部上に位置しており、
前記素子分離部によって、前記半導体層、前記絶縁層および前記半導体基板は、複数の活性領域に区画され、
前記複数の活性領域は、第1活性領域、および、平面視において前記素子分離部を介して前記第1活性領域に隣接する第2活性領域を含み、
前記第1活性領域の前記半導体層に形成された前記第1不純物領域と、前記第2活性領域の前記半導体層に形成された前記第1不純物領域とは、同一の前記パッド層によって接続されている、半導体装置の製造方法。
【請求項12】
請求項11に記載の半導体装置の製造方法において、
(x)前記(w)工程後、前記金属膜上および前記第2シリサイド層上に、複数のプラグを形成する工程;
を更に備え、
前記複数の活性領域は、平面視において前記素子分離部を介して前記第1活性領域に隣接する第3活性領域を含み、
前記第3活性領域の前記金属膜は、前記第3活性領域の前記第1サイドウォールスペーサを介して前記第1活性領域の前記パッド層に隣接するように、前記素子分離部上に延在し、
前記複数のプラグは、前記第3活性領域の前記金属膜および前記第1活性領域の前記第2シリサイド層の両方に接続されるシェアードコンタクトプラグを含む、半導体装置の製造方法。
【請求項13】
請求項10に記載の半導体装置の製造方法において、
(y)前記(a)工程と前記(b)工程の間に、前記SOI基板の前記半導体層および前記絶縁層の一部を除去することで、バルク領域を形成する工程;
を更に備え、
前記バルク領域の前記半導体基板上においても、前記(b)工程~前記(j)工程および前記(p)工程~前記(w)工程が行われ、
前記(v)工程では、前記バルク領域の前記ゲートパターンは残され、
前記(w)工程後、前記バルク領域の前記ゲートパターンの上面に、第3シリサイド層を形成する工程が行われる、半導体装置の製造方法。
【請求項14】
(a)半導体基板上に、第1導電性膜を形成する工程;
(b)前記(a)工程後、前記第1導電性膜上に、第1絶縁膜を形成する工程;
(c)前記(b)工程後、前記第1導電性膜および前記第1絶縁膜をパターニングすることで、ゲートパターンおよびキャップ膜を形成する工程;
(d)前記(c)工程後、前記ゲートパターンの両側に位置する前記半導体基板に不純物を注入することで、第1不純物領域を形成する工程;
(e)前記(d)工程後、前記ゲートパターンの側面上に、第2絶縁膜からなる第1サイドウォールスペーサを形成する工程;
(f)前記(e)工程後、前記ゲートパターン、前記キャップ膜および前記第1サイドウォールスペーサを覆うように、前記第1不純物領域上に、第2導電性膜を形成する工程;
(g)前記(f)工程後、前記キャップ膜が露出されるまで、前記第2導電性膜に対して研磨処理を施す工程;
(h)前記(g)工程後、前記第2導電性膜の一部をパターニングすることで、パッド層を形成する工程;
(i)前記(h)工程後、前記第2導電性膜がパターニングされた箇所に対して、第3絶縁膜を埋め込む工程;
を備える、半導体装置の製造方法。
【請求項15】
請求項14に記載の半導体装置の製造方法において、
(j)前記(i)工程後、前記パッド層の上面に、シリサイド層を形成する工程;
を更に備え、
前記第1導電性膜および前記第2導電性膜は、それぞれシリコンからなる、半導体装置の製造方法。
【請求項16】
請求項14に記載の半導体装置の製造方法において、
(k)前記(e)工程と前記(f)工程との間に、前記第1サイドウォールスペーサを介して前記ゲートパターンの両側に位置する前記半導体基板に不純物を注入することで、前記第1不純物領域よりも高い不純物濃度を有する第2不純物領域を形成する工程;
(l)前記(k)工程と前記(f)工程との間に、前記第2不純物領域上にシリサイド層を形成する工程;
を更に備え、
前記(f)工程において、前記第2導電性膜は、前記シリサイド層上に形成され、
前記第2導電性膜は、バリアメタル膜、および、前記バリアメタル膜上に形成された金属膜を含む積層膜からなる、半導体装置の製造方法。
【請求項17】
請求項14に記載の半導体装置の製造方法において、
(m)前記(a)工程前、前記半導体基板の一部に対してエッチング処理を施すことで、前記半導体基板の上面から突出した突出部を形成する工程;
を更に備え、
前記ゲートパターンおよび前記パッド層は、前記突出部の上面および側面を覆うように、前記半導体基板の上面に形成されている、半導体装置の製造方法。
【請求項18】
請求項14に記載の半導体装置の製造方法において、
(n)前記(a)工程前に、前記半導体基板に溝を形成し、前記溝内に第4絶縁膜を埋め込むことで、素子分離部を形成する工程;
を更に備え、
前記第3絶縁膜は、前記素子分離部上に位置している、半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造方法に関し、特に、ソース領域またはドレイン領域となる不純物領域上に形成された導電性膜を有する半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
低消費電力向けの半導体装置として、半導体基板と、半導体基板上に形成された絶縁層と、絶縁層上に形成されたシリコン層とを有するSOI(Silicon On Insulator)基板に、MISFET(Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor)を形成する技術がある。このSOI基板上に形成したMISFETでは、シリコン層に形成される拡散領域に起因する寄生容量を低減することができる。このため、MISFETの動作速度向上および低消費電力化を図ることができる。
【0003】
例えば、特許文献1には、MISFETのソース領域およびドレイン領域が形成されるシリコン層上に、エピタキシャル層を形成する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2013-219181号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
SOI基板のシリコン層の厚さは非常に薄いので、ソース領域およびドレイン領域が形成されるシリコン層にシリサイド化を行うことが困難である。それ故、ソース領域およびドレイン領域のそれぞれの上にエピタキシャル層を形成し、このエピタキシャル層においてシリサイド化を行うことが有効である。
【0006】
一方で、SOI基板に形成されるMISFETでは、シリコン層上に形成されるゲート電極だけでなく、半導体基板に形成されたウェル領域にも電圧を印加することで、MISFETの駆動電流を制御している。
【0007】
ここで、ソース領域上に形成するコンタクトホールおよびドレイン領域上に形成されるコンタクトホールの両方、または、どちらか一方が、エピタキシャル層が形成されていない素子分離部上に形成される場合がある。すなわち、コンタクトホールが所望の位置に形成されない場合があり、この結果、コンタクトホールが素子分離部を突き抜けるという不具合が発生する場合がある。また、上記したように、シリコン層の厚さは非常に薄いので、エピタキシャル層の成長が不完全な場合には、たとえコンタクトホールが所望の位置に形成されたとしても、このコンタクトホールがシリコン層、さらには、このシリコン層の下に形成された絶縁層を突き抜けるという不具合が発生する場合もある。そして、コンタクトホールが素子分離部またはシリコン層を突き抜けると、コンタクトホール内に形成されるプラグを介して、ソース領域またはドレイン領域と、ウェル領域とが互いに短絡するという不良が発生する。
【0008】
従って、そのような不良を抑制できる技術の開発が望まれ、MISFETを有する半導体装置の信頼性を向上させることが望まれる。その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一実施の形態によれば、半導体装置の製造方法は、(a)半導体基板、前記半導体基板上に形成された絶縁層、および、前記絶縁層上に形成された半導体層を有するSOI基板を準備する工程;(b)前記(a)工程後、前記半導体層上に、第1導電性膜を形成する工程;(c)前記(b)工程後、前記第1導電性膜上に、第1絶縁膜を形成する工程;(d)前記(c)工程後、前記第1導電性膜および前記第1絶縁膜をパターニングすることで、ゲートパターンおよびキャップ膜を形成する工程;(e)前記(d)工程後、前記ゲートパターンの両側に位置する前記半導体層に不純物を注入することで、第1不純物領域を形成する工程;(f)前記(e)工程後、前記ゲートパターンの側面上に、第2絶縁膜からなる第1サイドウォールスペーサを形成する工程;(g)前記(f)工程後、前記ゲートパターン、前記キャップ膜および前記第1サイドウォールスペーサを覆うように、前記第1不純物領域上に、第2導電性膜を形成する工程;(h)前記(g)工程後、前記キャップ膜が露出されるまで、前記第2導電性膜に対して研磨処理を施す工程;(i)前記(h)工程後、前記第2導電性膜の一部をパターニングすることで、残された前記第2導電性膜からなるパッド層を形成する工程;(j)前記(i)工程後、前記第2導電性膜が除去された箇所に対して、第3絶縁膜を埋め込む工程;を備える。
【0010】
また、一実施の形態によれば、半導体装置の製造方法は、(a)半導体基板上に、第1導電性膜を形成する工程;(b)前記(a)工程後、前記第1導電性膜上に、第1絶縁膜を形成する工程;(c)前記(b)工程後、前記第1導電性膜および前記第1絶縁膜をパターニングすることで、ゲートパターンおよびキャップ膜を形成する工程;(d)前記(c)工程後、前記ゲートパターンの両側に位置する前記半導体基板に不純物を注入することで、第1不純物領域を形成する工程;(e)前記(d)工程後、前記ゲートパターンの側面上に、第2絶縁膜からなる第1サイドウォールスペーサを形成する工程;(f)前記(e)工程後、前記ゲートパターン、前記キャップ膜および前記第1サイドウォールスペーサを覆うように、前記第1不純物領域上に、第2導電性膜を形成する工程;(g)前記(f)工程後、前記キャップ膜が露出されるまで、前記第2導電性膜に対して研磨処理を施す工程;(h)前記(g)工程後、前記第2導電性膜の一部をパターニングすることで、パッド層を形成する工程;(i)前記(h)工程後、前記第2導電性膜がパターニングされた箇所に対して、第3絶縁膜を埋め込む工程;を備える。
【発明の効果】
【0011】
一実施の形態によれば、半導体装置の信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施の形態1における半導体装置のメモリセルを示す回路図である。
図2】実施の形態1における半導体装置のメモリセルを示す平面図である。
図3】実施の形態1における半導体装置の製造工程を示す断面図である。
図4図3に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
図5図4に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
図6図5に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
図7図6に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
図8図7に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
図9図8の状態における半導体装置のメモリセルを示す平面図である。
図10図8に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
図11図10に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
図12図11に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
図13図12に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
図14図13の状態における半導体装置のメモリセルを示す平面図である。
図15図13に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
図16図13の状態における半導体装置の他の箇所の断面図である。
図17】実施の形態2における半導体装置の製造工程を示す断面図である。
図18図17に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
図19図18に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
図20図19に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
図21図20に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
図22図21に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
図23図22に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
図24図23に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
図25図24に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
図26】実施の形態3における半導体装置を示す断面図である。
図27】変形例1における半導体装置を示す断面図である。
図28】変形例2における半導体装置を示す断面図である。
図29】変形例2における半導体装置を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、以下の実施の形態では、特に必要なとき以外は同一または同様な部分の説明を原則として繰り返さない。
【0014】
また、本願で用いられる図面では、図面を見易くするために、断面図であってもハッチングが省略されている場合があり、平面図であってもハッチングが付されている場合もある。
【0015】
また、本願で説明されるX方向、Y方向およびZ方向は、互いに交差し、互いに直交している。本願では、Z方向をある構造体の上下方向、高さ方向または厚さ方向として説明する場合もある。また、本願で用いられる「平面視」という表現は、X方向およびY方向によって構成される面を、Z方向から見ることを意味する。
【0016】
(実施の形態1)
<メモリセルMCの構成>
以下に実施の形態1における半導体装置およびこの半導体装置の製造方法を説明するが、まず、図1および図2を用いて、半導体装置に含まれるSRAM回路のメモリセルMCについて説明する。
【0017】
図1に示されるように、メモリセルMCは、一対のビット線BL、/(バー)BLと、ワード線WLとの交差部に配置される。このメモリセルMCは、一対のロードトランジスタLo1、Lo2、一対のアクセストランジスタAcc1、Acc2および一対のドライバトランジスタDr1、Dr2を有する。ロードトランジスタLo1、Lo2は、pチャネル型のトランジスタであり、アクセストランジスタAcc1、Acc2およびドライバトランジスタDr1、Dr2は、nチャネル型のトランジスタである。
【0018】
メモリセルMCを構成する6つのトランジスタのうち、ロードトランジスタLo1およびドライバトランジスタDr1はCMOSインバータを構成し、ロードトランジスタLo2およびドライバトランジスタDr2は、他のCMOSインバータを構成している。これら一対のCMOSインバータの相互の入出力端子であるノードN1、N2は、交差結合され、1ビットの情報を記憶する情報蓄積部として、フリップフロップ回路を構成している。
【0019】
以下に、上記6つのトランジスタの接続について説明する。
【0020】
電源電圧VddとノードN1との間にロードトランジスタLo1が接続され、ノードN1と基準電圧Vssとの間にドライバトランジスタDr1が接続され、ロードトランジスタLo1およびドライバトランジスタDr1の各々のゲート電極は、ノードN2に接続されている。電源電圧VddとノードN2との間にロードトランジスタLo2が接続され、ノードN2と基準電圧Vssとの間にドライバトランジスタDr2が接続され、ロードトランジスタLo2およびドライバトランジスタDr2の各々のゲート電極は、ノードN1に接続されている。
【0021】
ビット線BLとノードN1との間にアクセストランジスタAcc1が接続され、ビット線/BLとノードN2との間にアクセストランジスタAcc2が接続され、アクセストランジスタAcc1およびアクセストランジスタAcc2の各々のゲート電極は、ワード線WLに接続されている。
【0022】
後述するように、上記6つのトランジスタは、半導体基板SUB、絶縁層BOXおよび半導体層SLを有するSOI基板に形成される。図2に示されるように、SOI基板は、半導体層SLおよび絶縁層BOXを貫通する素子分離部STIによって、複数の活性領域に区画される。メモリセルMCには、複数の活性領域のうち活性領域AcP1、AcP2、AcN1、AcN2が設けられている。
【0023】
活性領域AcP1、AcP2、AcN1、AcN2は、それぞれY方向に延在し、X方向において互いに離間している。また、平面視において、活性領域AcN1は、素子分離部STIを介して活性領域AcN2および活性領域AcP1に隣接し、活性領域AcN2は、素子分離部STIを介して活性領域AcN1および活性領域AcP2に隣接している。
【0024】
ロードトランジスタLo1は活性領域AcN1に形成され、ロードトランジスタLo2は活性領域AcN2に形成され、アクセストランジスタAcc1およびドライバトランジスタDr1は活性領域AcP1に形成され、アクセストランジスタAcc2およびドライバトランジスタDr2は活性領域AcP2に形成されている。
【0025】
活性領域AcP1、AcP2における半導体基板SUBにはp型のウェル領域PWが形成され、活性領域AcN1、AcN2における半導体基板SUBにはn型のウェル領域NWが形成されている。
【0026】
活性領域AcN1、AcN2におけるn型のウェル領域NWには、バックゲート電圧Vbg1が印加され、活性領域AcP1、AcP2におけるp型のウェル領域PWには、バックゲート電圧Vbg1と異なるバックゲート電圧Vbg2が印加される。
【0027】
ロードトランジスタLo1の閾値は、ゲート電極GE2に印加される電圧およびバックゲート電圧Vbg1によって制御され、ロードトランジスタLo2の閾値は、ゲート電極GE1に印加される電圧およびバックゲート電圧Vbg1によって制御される。アクセストランジスタAcc1の閾値は、ゲート電極GE3に印加される電圧およびバックゲート電圧Vbg2によって制御され、アクセストランジスタAcc2の閾値は、ゲート電極GE4に印加される電圧およびバックゲート電圧Vbg2によって制御される。ドライバトランジスタDr1の閾値は、ゲート電極GE2に印加される電圧およびバックゲート電圧Vbg2によって制御され、ドライバトランジスタDr2の閾値は、ゲート電極GE1に印加される電圧およびバックゲート電圧Vbg2によって制御される。
【0028】
<半導体装置>
以下に、実施の形態1における半導体装置を、図15を用いて説明する。まず、半導体装置が備える各領域1A~4Aについて説明する。
【0029】
領域1Aは、pチャネル型のトランジスタが形成される活性領域AcN1であり、図14に示されるA-A線(直線)に沿った断面図に対応している。領域2Aは、nチャネル型のトランジスタが形成される活性領域AcP1であり、図14に示されるB-B線(直線)に沿った断面図に対応している。
【0030】
領域3Aは、領域1Aおよび領域2Aのトランジスタよりも高い電圧で駆動する高耐圧トランジスタが形成される活性領域である。ここでは、pチャネル型の高耐圧トランジスタが形成される場合を例示する。領域4Aは、不揮発性メモリセルが形成される活性領域である。ここでは、窒化シリコン膜を電荷蓄積層として有するメモリトランジスタと、メモリトランジスタに隣接する選択トランジスタとを備えた不揮発性メモリセルを例示する。
【0031】
なお、領域3Aおよび領域4Aは、半導体層SLおよび絶縁層BOXが除去されたバルク領域であり、高耐圧トランジスタおよび不揮発性メモリセルは、半導体基板SUBに形成される。
【0032】
各領域1A~4Aの詳細な構成については、本実施の形態1における半導体装置の製造方法と合わせて、説明する。
【0033】
<半導体装置の製造方法>
次に、本実施の形態1における半導体装置の製造方法を、図3図16を用いて説明する。
【0034】
まず、図3に示されるように、支持基材である半導体基板SUBと、半導体基板SUB上に形成された絶縁層BOXと、絶縁層BOXの上に形成された半導体層SLと、を有する、SOI基板を準備する。
【0035】
半導体基板SUBは、好ましくは1Ωcm~10Ωcm程度の比抵抗を有する単結晶シリコンからなり、例えばp型の単結晶シリコンからなる。絶縁層BOXは、例えば酸化シリコンからなり、絶縁層BOXの厚さは、例えば10nm~20nm程度である。半導体層SLは、好ましくは1Ωcm~10Ωcm程度の比抵抗を有する単結晶シリコンからなり、半導体層SLの厚さは、例えば10nm~20nm程度である。なお、半導体層SLには、イオン注入などによって不純物が導入されていない。
【0036】
このようなSOI基板を準備する工程の一例を以下に説明する。SOI基板は、例えば、貼り合わせ法により形成される。貼り合わせ法では、例えば、シリコンからなる第1半導体基板の表面を酸化して絶縁層BOXを形成した後、その第1半導体基板にシリコンからなる第2半導体基板を高温下で圧着することにより貼り合わせる。その後、第2半導体基板を薄膜化する。この結果、絶縁層BOX上に残存する第2半導体基板の薄膜が半導体層SLとなり、絶縁層BOX下の第1半導体基板が半導体基板SUBとなる。
【0037】
次に、半導体層SLおよび絶縁層BOXを貫通し、且つ、半導体基板SUBに達する溝を形成する。次に、上記溝内に、例えば酸化シリコン膜のような絶縁膜を埋め込むことで、素子分離部STIが形成される。素子分離部STIは、各領域1A~4Aに形成され、素子分離部STIによって複数の活性領域が区画される。なお、領域1Aは、図2に示されるA-A線に沿った断面図に対応している。また、領域2Aは、図2に示されるB-B線に沿った断面図に対応している。すなわち、図2に示されるA-A線およびB-B線は、図14に示されるA-A線およびB-B線に、それぞれ対応している。
【0038】
次に、フォトリソグラフィ技術およびエッチング処理によって、領域3Aおよび領域4Aの半導体層SLおよび絶縁層BOXの一部を選択的に除去する。これにより、領域3Aおよび領域4Aは、バルク領域となる。
【0039】
次に、フォトリソグラフィ技術およびイオン注入法によって、領域1Aおよび領域3Aの半導体基板SUBにn型のウェル領域NWを形成し、領域2Aおよび領域4Aの半導体基板SUBにp型のウェル領域PWを形成する。
【0040】
なお、領域1Aのウェル領域NWおよび領域2Aのウェル領域PWに、バックゲート電圧Vbg1およびバックゲート電圧Vbg2を印加するために、領域1Aおよび領域2Aの半導体層SLおよび絶縁層BOXの一部が除去され、その領域を給電領域としているが、ここでは給電領域の説明は省略する。
【0041】
次に、図4に示されるように、各領域1A~4Aに各ゲート絶縁膜を形成する。まず、各領域1A~4Aに、例えば熱酸化法によって、例えば酸化シリコンからなるゲート絶縁膜GI2を形成する。次に、フォトリソグラフィ技術およびエッチング処理によって、領域1Aおよび領域2Aと、領域4Aの一部とに形成されていたゲート絶縁膜GI2を除去する。
【0042】
次に、各領域1A~4Aに、ゲート絶縁膜GI3を形成する。ゲート絶縁膜GI3は、例えば酸化シリコン膜、窒化シリコン膜および酸化シリコン膜が順次積層された積層膜によって構成される。また、上記窒化シリコン膜は、不揮発性メモリセルの電荷蓄積層として機能する。次に、フォトリソグラフィ技術およびエッチング処理によって、領域1A~3Aと、領域4Aのゲート絶縁膜GI2上に形成されていたゲート絶縁膜GI3を除去する。
【0043】
次に、領域1Aおよび領域2Aに、例えば熱酸化法によって、例えば酸化シリコンからなるゲート絶縁膜GI1を形成する。ゲート絶縁膜GI1の厚さは、ゲート絶縁膜GI2の厚さ、および、ゲート絶縁膜GI3の厚さよりも薄い。
【0044】
次に、領域1Aおよび領域2Aのゲート絶縁膜GI1上と、領域3Aおよび領域4Aのゲート絶縁膜GI2上と、領域4Aのゲート絶縁膜GI3上と、素子分離部STI上とに、例えばCVD(Chemical Vapor Deposition)法によって、例えばアモルファスシリコンからなる導電性膜CF1を形成する。次に、導電性膜CF1上に、例えばCVD法によって、例えば酸化シリコンからなる絶縁膜IF1を形成する。
【0045】
次に、図5に示されるように、フォトリソグラフィ技術およびエッチング処理によって、絶縁膜IF1および導電性膜CF1をパターニングする。導電性膜CF1がパターニングされたことにより、各領域1A~4Aに、それぞれゲートパターンGPが形成される。また、各ゲートパターンGP上には、絶縁膜IF1がパターニングされたことにより、それぞれキャップ膜CPが形成される。
【0046】
次に、フォトリソグラフィ技術およびイオン注入法によって、各領域1A~4Aにおいて、ゲートパターンGPの両側(ゲートパターンGPの2つの側面のうちの一方側と他方側)に位置する半導体層SLまたは半導体基板SUBに、不純物を注入する。これにより、領域1Aの半導体層SLにp型のエクステンション領域(不純物領域)EXPが形成され、領域2Aの半導体層SLにn型のエクステンション領域(不純物領域)EXNが形成され、領域3Aの半導体基板SUBにp型のエクステンション領域(不純物領域)EXPが形成され、領域4Aの半導体基板SUBにn型のエクステンション領域(不純物領域)EXNが形成される。
【0047】
次に、各領域1A~4Aにおいて、ゲートパターンGPおよびキャップ膜CPを覆うように、例えばCVD法によって、例えば窒化シリコンからなる絶縁膜を形成する。次に、上記絶縁膜に対して異方性エッチング処理を施すことで、図5に示すように、ゲートパターンGPの側面上に、上記絶縁膜からなるサイドウォールスペーサSWを形成する。
【0048】
ここで、仮に、サイドウォールスペーサSWが素子分離部STIと同様に酸化シリコンからなると、異方性エッチング処理によって素子分離部STIもエッチングされ、素子分離部STIの上面が大きく後退する恐れがある。しかし、サイドウォールスペーサSWは、素子分離部STIと異なる材料からなり、異方性エッチング処理における素子分離部STIとの選択比が高い材料からなり、窒化シリコンからなる。従って、素子分離部STIの上面の後退を、できる限り抑制することができる。
【0049】
次に、図6に示されるように、各領域1A~4Aにおいて、ゲートパターンGP、キャップ膜CPおよびサイドウォールスペーサSWを覆うように、エクステンション領域EXP上またはエクステンション領域EXN上に、例えばCVD法によって、導電性膜CF2を形成する。導電性膜CF2は、シリコンからなり、好ましくはアモルファスシリコンからなる。
【0050】
次に、導電性膜CF2上に、例えば塗布法によって、例えば有機絶縁膜のような絶縁膜IF2を形成する。CVD法によって形成された導電性膜CF2の上面には段差が発生しているが、この段差を絶縁膜IF2で埋めることによって、平坦性を向上させることができる。このような平坦化処理が成されていれば、次工程の研磨処理が行い易くなる。
【0051】
次に、図7に示されるように、例えばCMP法によって、導電性膜CF2に対して研磨処理を施す。この研磨処理は、キャップ膜CPが露出するまで行われる。研磨処理によって、各ゲートパターンGPの間に、サイドウォールスペーサSWを介して、導電性膜CF2が自己整合的に埋め込まれる。また、絶縁膜IF2は、この研磨処理によって除去される。また、各領域1A~4Aにおいて、エクステンション領域EXPおよびエクステンション領域EXNは、導電性膜CF2に直接的に接続されている。
【0052】
次に、図8および図9に示されるように、フォトリソグラフィ技術およびエッチング処理によって、導電性膜CF2の一部をパターニングすることで、残された導電性膜CF2(すなわち、導電性膜CF2のうち、パターニングされずに残存する部分)からなるパッド層PADを形成する。この際、フォトリソグラフィ技術によるエッチングマスクは、キャップ膜CP上に位置することになる。従って、エッチング処理時には、エッチングマスクから露出している導電性膜CF2だけでなく、サイドウォールスペーサSWもエッチングされる。しかし、サイドウォールスペーサSWが、完全に除去されずに残されていても特に問題はない。なお、図9に示されるA-A線およびB-B線は、図2に示されるA-A線およびB-B線の位置に、それぞれ対応している。
【0053】
次に、図10に示されるように、各領域1A~4Aに、例えばCVD法によって、例えば酸化シリコンからなる絶縁膜IF3を形成する。次に、例えばCMP法によって、絶縁膜IF3に対して研磨処理を施す。この研磨処理は、パッド層PADが露出するまで行われる。この研磨処理によって、導電性膜CF2が除去された箇所に、絶縁膜IF3が埋め込まれる。なお、導電性膜CF2が除去された箇所は、素子分離部STI上に位置する箇所である。従って、絶縁膜IF3は、素子分離部STI上に位置することになる。
【0054】
次に、図11に示されるように、例えばCMP法によって、キャップ膜CP、サイドウォールスペーサSW、絶縁膜IF3およびパッド層PADに対して研磨処理を施す。この研磨処理は、キャップ膜CPが除去され、且つ、ゲートパターンGPが露出されるまで行われる。
【0055】
次に、図12に示されるように、フォトリソグラフィ技術およびイオン注入法によって、ゲートパターンGPおよびパッド層PADに不純物を注入する。領域1Aおよび領域3AのゲートパターンGPおよびパッド層PADには、p型の不純物が注入され、領域2Aおよび領域4AのゲートパターンGPおよびパッド層PADには、n型の不純物が注入される。
【0056】
ここで、メモリセルMC(図2を参照)では、ゲート電極GE1のうち、ロードトランジスタLo2の部分がp型となり、ドライバトランジスタDr2の部分がn型となる。また、ゲート電極GE2のうち、ロードトランジスタLo1の部分がp型となり、ドライバトランジスタDr1の部分がn型となる。また、アクセストランジスタAcc1、Acc2のゲート電極GE3、GE4はn型となる。また、領域3Aのゲート電極GE5はp型となり、領域4Aのゲート電極GE6、GE7はn型となる。
【0057】
また、各領域1A~4Aにおいて、不純物が注入されたパッド層PADが、エクステンションEXPまたはエクステンションEXNと共に、各トランジスタのソース領域およびドレイン領域を構成する。
【0058】
なお、イオン注入時におけるチャネリングを防止し易いという観点から、パッド層PAD(導電性膜CF2)の成膜時には、導電性膜CF2がアモルファスシリコンであることが好ましい。
【0059】
次に、各領域1A~4Aにおいて、サリサイド(Salicide:Self Aligned Silicide)技術によって、ゲートパターンGPおよびパッド層PADの各々の上面に、シリサイド層SIを形成する。まず、各領域1A~4Aと、抵抗素子などの他の半導体素子が形成される領域とにおいて、例えばCVD法によって、酸化シリコン膜を形成する。次に、シリサイド化を行わない領域のみを覆うように、酸化シリコン膜をパターニングする。
【0060】
次に、領域1A~領域4Aを覆うように、シリサイド層SI形成用の金属膜を形成する。次に、半導体基板SUBに熱処理を施すことによって、ゲートパターンGPおよびパッド層PADに含まれる材料と、金属膜とを反応させる。これにより、ゲートパターンGPおよびパッド層PADの各々の上面上に、シリサイド層SIが形成される。その後、未反応の金属膜を除去する。なお、金属膜は、例えばコバルト、ニッケルまたはニッケル-プラチナ合金からなり、シリサイド層SIは、例えばコバルトシリサイド(CoSi)、ニッケルシリサイド(NiSi)またはニッケルプラチナシリサイド(NiPtSi)からなる。
【0061】
以上より、各領域1A~4Aにおいて、各トランジスタが形成される。
【0062】
図13は、層間絶縁膜IL0、プラグPGおよびシェアードコンタクトプラグSPGの形成工程を示している。
【0063】
まず、領域1A~領域4Aにおいて、各トランジスタを覆うように、シリサイドSI上および絶縁膜IF3上に、例えばCVD法によって、例えば酸化シリコンからなる層間絶縁膜IL0を形成する。
【0064】
次に、フォトリソグラフィ技術およびドライエッチング処理などによって、層間絶縁膜IL0内に複数のコンタクトホールを形成し、各コンタクトホール内に、バリアメタル膜、および、バリアメタル膜上に形成された金属膜を含む積層膜を埋め込むことにより、層間絶縁膜IL0内に複数のプラグPGを形成する。なお、バリアメタル膜は、例えばCVD法によって形成でき、例えば窒化チタンまたは窒化タングステンからなる。金属膜は、例えばCVD法によって形成でき、例えばタングステンからなる。また、複数のプラグPGは、他のプラグPGよりも大きな平面サイズを有するシェアードコンタクトプラグSPGも含む。
【0065】
例えば、図2および図9に示されるように、活性領域AcN2のゲートパターンGP(ゲート電極GE1)は、活性領域AcN2のサイドウォールスペーサSWを介して活性領域AcN1のパッド層PADに隣接するように、素子分離部STI上に延在している。
【0066】
図14に示されるように、シェアードコンタクトプラグSPGは、活性領域AcN2のゲートパターンGP(ゲート電極GE1)および活性領域AcN1のパッド層PADの両方に接続される。
【0067】
次に、複数のプラグPGが埋め込まれた層間絶縁膜IL0上に、層間絶縁膜IL1を形成する。その後、層間絶縁膜IL1に配線用の溝を形成した後、配線用の溝内に例えば銅を主成分とする導電性膜を埋め込むことにより、層間絶縁膜IL1内に複数のプラグPGと接続する複数の配線M1を形成する。この配線M1の構造は、所謂ダマシン(Damascene)配線構造と呼ばれる。
【0068】
次に、図15に示されるように、複数の配線M1が埋め込まれた層間絶縁膜IL1上に、層間絶縁膜IL2を形成する。その後、層間絶縁膜IL2に、孔および配線用の溝を形成した後、孔内および溝内に例えば銅を主成分とする導電性膜を埋め込むことにより、層間絶縁膜IL2内に複数の配線M1と接続する複数の配線M2を形成する。この配線M1の構造は、デュアルダマシン(Dual Damascene)配線構造と呼ばれる。その後、3層目以降の配線を形成するが、ここでは図示およびその説明は省略する。
【0069】
以上のようにして、実施の形態1における半導体装置が製造される。
【0070】
上述の課題で示したように、SOI基板を用いた半導体装置では、コンタクトホールの位置がずれると、コンタクトホールが素子分離部STIを貫通し、コンタクトホール内に形成されるプラグを介して、半導体層SLに形成されるソース領域およびドレイン領域と、半導体基板SUBに形成されるウェル領域とが短絡するという不良が発生する場合がある。
【0071】
実施の形態1では、半導体層SL上にパッド層PADが形成されているので、そのような不良が発生し難い。すなわち、仮に、プラグPGの位置がパッド層PADからずれたとしても、パッド層PADが無い箇所には絶縁膜IF3が形成されているので、コンタクトホール(プラグPG)が素子分離部STIまで到達し難い。
【0072】
また、半導体層SL上にエピタキシャル層を形成する場合、エピタキシャル層の成長を安定して行うことが難しく、エピタキシャル層の形状が不安定となり易い。実施の形態1では、パッド層PADの形成はCVD法によって行うことができ、パターニングによって形状の安定化を図ることができる。また、各ゲートパターンGPの間に、サイドウォールスペーサSWを介して、導電性膜CF2が自己整合的に埋め込まれるので、パッド層PADの形成が容易である。
【0073】
このように、実施の形態1によれば、パッド層PADの適用によって、半導体装置の信頼性を向上させることができる。
【0074】
また、メモリセルMC内では、シェアードコンタクトプラグSPGのように、ゲートパターンGPおよびパッド層PADの両方に接続されるプラグPGも存在する。しかし、ゲートパターンGPの高さとパッド層PADの高さとが同じであるので、ゲートパターンGPと不純物領域(ソース領域、ドレイン領域)との間に、段差がほぼ発生していない。従って、シェアードコンタクトプラグSPGの形成が容易であり、ゲートパターンGPおよびパッド層PAD(ソース領域、ドレイン領域)の接続が容易となる。従って、半導体装置の信頼性を更に向上させることができる。
【0075】
また、図14に示されるように、メモリセルMCに形成されている複数のパッド層PADのうち、パッド層PAD1は図1のノードN1に対応し、パッド層PAD2は図1のノードN2に対応し、パッド層PAD3は図1の基準電圧Vssに対応している。すなわち、活性領域AcP2のエクステンション領域EXNと、活性領域AcN2のエクステンション領域EXPとは、同一のパッド層PAD1によって接続され、活性領域AcP1のエクステンション領域EXNと、活性領域AcN1のエクステンション領域EXPとは、同一のパッド層PAD2によって接続されている。そして、パッド層PAD3は、4つのメモリセルMCで共通して使用される。
【0076】
従来であれば、これらのパッド層PAD1~PAD3に対応する構造として、配線M1などが使用される。実施の形態1では、パッド層PAD1~PAD3をローカル配線として利用できるので、メモリセルMCを結線するために、1層分の配線を省略することができる。従って、省略した分の配線を他の回路の結線に利用できるので、配線設計の自由度を高めることができる。
【0077】
図16は、実施の形態1における半導体装置の構造的な特徴を示しており、図2のC-C線(直線)に沿った断面図である。図16に示されるように、ゲート電極GE1(ゲートパターンGP)の下面の位置は、パッド層PADの下面の位置、および、絶縁膜IF3の下面の位置よりも高い。また、図16に示されるように、パッド層PADの下面の位置は、絶縁膜IF3の下面の位置よりも高い。言い換えれば、ゲート電極GE1の下面の位置からパッド層PADの下面の位置までの距離L1は、ゲート電極GE1の下面の位置から絶縁膜IF3の下面の位置までの距離L2よりも小さい。
【0078】
このような差が発生する主な要因としては、図5のサイドウォールスペーサSWの形成時におけるエッチング処理と、図8の導電性膜CF2のパターニング時におけるエッチング処理とが挙げられる。絶縁膜IF3の下面に対応する素子分離部STIの上面は、図5のエッチング処理だけでなく、図8のエッチング処理によっても後退する。
【0079】
また、ゲート電極GE1と絶縁膜IF3との間のサイドウォールスペーサSWは、ゲート電極GE1とパッド層PADとの間のサイドウォールスペーサSWと比較して、図8のエッチング処理によって無くなるか細くなっている。
【0080】
(実施の形態2)
以下に、実施の形態2における半導体装置の製造方法を、図17図25を用いて説明する。なお、以下の説明では、実施の形態1との相違点を主に説明する。
【0081】
実施の形態1では、シリコンからなるゲートパターンGPに不純物を注入することで、ゲート電極GE1~GE5が形成されていた。実施の形態2では、シリコンからなるゲートパターンGPを金属膜に置換することで、ゲート電極GE1~GE5が形成される。
【0082】
実施の形態2では、図3図10までの製造工程は、実施の形態1と同じである。図17は、図10に続く製造工程を示している。
【0083】
まず、図17に示されるように、酸化シリコン膜がエッチングされ難い条件下においてドライエッチング処理を行い、パッド層PADの上面がゲートパターンGPの上面よりも低くなるように、パッド層PADの上面を選択的に後退させる。この際、サイドウォールスペーサSWもパッド層PADと共にエッチングされる。
【0084】
次に、フォトリソグラフィ技術およびイオン注入法によって、ゲートパターンGPおよびパッド層PADに不純物を注入する。領域1Aおよび領域3AのゲートパターンGPおよびパッド層PADには、p型の不純物が注入され、領域2Aおよび領域4AのゲートパターンGPおよびパッド層PADには、n型の不純物が注入される。これにより、領域4Aのゲートパターンが、n型のゲート電極GE6、GE7となる。
【0085】
次に、図18に示されるように、ゲートパターンGP、キャップ膜CPおよびサイドウォールスペーサSWを覆うように、パッド層PAD上に、例えばCVD法によって、例えば酸化シリコンからなる絶縁膜IF4を形成する。
【0086】
次に、絶縁膜IF4およびキャップ膜CPに対して異方性エッチング処理を施すことで、キャップ膜CPを除去し、ゲートパターンGPの側面上に、サイドウォールスペーサとして絶縁膜IF4を残す。
【0087】
次に、サイドウォールスペーサ状の絶縁膜IF4から露出しているゲートパターンGPの上面およびパッド層PADの上面に、上述の図12と同様の手法によって、それぞれシリサイド層SIを形成する。
【0088】
次に、図19に示されるように、ゲートパターンGPの上面およびパッド層PADの上面に形成されたシリサイド層SI上に、例えばCVD法によって、例えば酸化シリコンからなる絶縁膜IF5を形成する。
【0089】
次に、図20に示されるように、絶縁膜IF5に対して研磨処理を施す。この研磨処理は、パッド層PADの上面に形成されているシリサイド層SIが絶縁膜IF5によって覆われ、且つ、ゲートパターンGPの上面に形成されていたシリサイド層SIが除去されるように行われる。また、ゲートパターンGPの一部も研磨され、ゲートパターンGPの高さが低くなる。
【0090】
次に、図21に示されるように、領域1Aおよび領域4Aを覆い、且つ、領域2Aおよび領域3Aを開口するパターンを有するレジストパターンRPを形成する。次に、レジストパターンRPをマスクとして、酸化シリコン膜がエッチングされ難い条件下においてエッチング処理を施すことで、領域2Aおよび領域3AのゲートパターンGPを除去する。その後、アッシング処理などによって、レジストパターンRPを除去する。
【0091】
次に、図22に示されるように、ゲートパターンGPが除去された箇所を埋め込むように、例えばスパッタリング法またはCVD法によって、金属膜を堆積する。次に、CMP法によって、埋め込まれた金属膜以外の金属膜を除去する。これによって、領域2Aおよび領域3Aにおいて、ゲートパターンGPが、金属膜からなるゲート電極GE3~GE5に置換される。
【0092】
次に、図23に示されるように、領域1Aに対しても同様の工程を行う。すなわち、領域2A~4Aを覆い、且つ、領域1Aを開口するパターンを有するレジストパターンをマスクとして、領域1AのゲートパターンGPを除去する。その後、ゲートパターンGPが除去された箇所に金属膜を埋め込むことで、金属膜からなるゲート電極GE1、GE2が形成される。
【0093】
このようにして、領域1A~3Aにおいて、ゲートパターンGPを除去し、ゲートパターンGPが除去された箇所に金属膜を埋め込むことで、金属膜からなるゲート電極GE1~GE5が形成される。
【0094】
なお、このような金属膜は、例えば、窒化タンタル膜、チタンアルミニウム膜、窒化チタン膜、タングステン膜、若しくは、アルミニウム膜からなる単層の金属膜、または、これらの膜を適宜積層させた積層膜からなる。また、p型のトランジスタまたはn型のトランジスタに使用される金属膜は、各トランジスタの特性を考慮して、適宜適切な材料を選択することができる。
【0095】
また、ここでは図示していないが、金属膜を堆積する前に高誘電率膜を形成し、この高誘電率膜を各トランジスタのゲート絶縁膜の一部とすることもできる。高誘電率膜は、酸化シリコン膜よりも高い誘電率を有する絶縁膜であり、例えば酸化ハフニウム(HfO)またはハフニウムシリケート(HfSiO)である。
【0096】
次に、図24に示されるように、領域4Aのゲート電極GE6、GE7の各々の上面に、上述の図12と同様の手法によって、選択的にシリサイド層SIを形成する。
【0097】
次に、図25に示されるように、層間絶縁膜IL0、プラグPGおよびシェアードコンタクトプラグSPGを形成する。メモリセルMC内におけるプラグPGおよびシェアードコンタクトプラグSPGの配置は、図14と同様である。また、以降の製造工程は、実施の形態1の図16と同様である。
【0098】
このように、シリコンからなるゲートパターンGPを金属膜に置換することで、ゲート電極GE1~GE5を形成した場合でも、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
【0099】
(実施の形態3)
以下に、実施の形態3における半導体装置の製造方法を、図26を用いて説明する。なお、以下の説明では、実施の形態2との相違点を主に説明する。
【0100】
実施の形態2では、SRAM回路のメモリセルMCが、SOI基板に形成されていた。実施の形態3では、メモリセルMCは、バルク領域(半導体層SLおよび絶縁層BOXが除去された半導体基板SUB)に形成される。図26は、図2に示されるA-A線およびB-B線に沿った断面図である。
【0101】
実施の形態3における半導体装置の製造方法は、図3の領域3Aおよび領域4Aのように、領域1Aおよび領域2Aの半導体層SLおよび絶縁層BOXを除去することでバルク領域を形成する点を除き、実施の形態2と同様である。
【0102】
なお、図26では、実施の形態2と同様に、ゲート電極GE1~GE5に金属膜を適用した場合が例示されているが、ゲート電極GE1~GE5は、実施の形態1と同様に、シリコンからなるゲートパターンGPに不純物を注入したものであってもよい。
【0103】
(変形例1)
以下に、実施の形態3の変形例1における半導体装置の製造方法を、図27を用いて説明する。なお、以下の説明では、実施の形態3との相違点を主に説明する。
【0104】
実施の形態3では、パッド層PADは、不純物が注入されたシリコンからなり、ソース領域またはドレイン領域の一部を構成していた。そして、パッド層PADの上面にシリサイド層SIが形成されていた。
【0105】
変形例1では、図27に示されるように、パッド層PADの代わりに金属パッド層MPADが形成されている。そして、半導体基板SUBに、エクステンション領域EXP、EXNよりも高い不純物濃度を有する拡散領域(不純物領域)PD、NDが形成され、拡散領域PD、NDが、エクステンション領域EXP、EXNと共に、ソース領域またはドレイン領域の一部を構成している。そして、拡散領域PD、NDの各々の上面に、シリサイド層SIが形成されている。
【0106】
拡散領域PD、NDを形成する工程は、図5のサイドウォールスペーサSWを形成する工程と、図6の導電性膜CF2を形成する工程との間に行われる。すなわち、フォトリソグラフィ技術およびイオン注入法によって、サイドウォールスペーサSWを介してゲートパターンGPの両側に位置する半導体基板SUBに、不純物を注入する。
【0107】
これにより、領域1Aの半導体基板SUBにp型の拡散領域PDが形成され、領域2Aの半導体基板SUBにn型の拡散領域NDが形成される。なお、図示はしないが、領域3Aの半導体基板SUBにp型の拡散領域PDが形成され、領域4Aの半導体基板SUBにn型の拡散領域NDが形成される。
【0108】
その後、拡散領域PD、NDの各々の上面に、上述の図12と同様の手法によって、選択的にシリサイド層SIを形成する。
【0109】
次に、図6のように導電性膜CF2を形成し、図7のように導電性膜CF2を研磨し、図8のように導電性膜CF2をパターニングすることで、金属パッド層MPADが形成される。
【0110】
変形例1では、金属パッド層MPADの基となる導電性膜CF2として、バリアメタル膜、および、バリアメタル膜上に形成された金属膜を含む積層膜が適用される。バリアメタル膜は、例えばCVD法によって形成でき、例えば窒化チタンまたは窒化タングステンからなる。金属膜は、例えばCVD法によって形成でき、例えばタングステンからなる。
【0111】
このように、メモリセルMCをバルク領域に形成する場合には、SOI基板の半導体層SLが薄いことに起因して、シリサイド化を行うことが困難となる問題が無いので、シリサイド層SIを形成した後、金属パッド層MPADを形成することができる。そして、金属パッド層MPADを実施の形態3のパッド層PADと同様に機能させることができる。
【0112】
(変形例2)
以下に、実施の形態3の変形例2における半導体装置の製造方法を、図28および図29を用いて説明する。なお、以下の説明では、実施の形態3との相違点を主に説明する。図28および図29は、それぞれ図2に示されるD-D線(直線)およびE-E線(直線)に沿った断面図である。
【0113】
実施の形態3では、各トランジスタはプレーナ型トランジスタであったが、実施の形態4では、各トランジスタはフィン型トランジスタである。
【0114】
図28および図29に示されるように、半導体基板SUBには、半導体基板の上面から突出したフィン(突出部)FAが形成されている。図中の活性領域AcP1、AcN1を含む各活性領域は、フィンFAとして構成される。このようなフィンFAは、半導体基板SUBを一部に対してエッチング処理を施すことで形成できる。
【0115】
図28および図29に示されるように、平面視において活性領域AcP1、AcN1の延在方向と直交する方向(X方向)において、各ゲートパターンGP(各ゲート電極)および各パッド層PADは、フィンFAの上面および側面を覆うように、半導体基板SUBの上面に形成されている。なお、図8で説明したように、ゲート電極GE1と絶縁膜IF3との間のサイドウォールスペーサSWは、導電性膜CF2のパターニング時に除去されていてもよいが、残されていてもよい。
【0116】
なお、活性領域AcP1、AcN1の延在方向(Y方向)における断面図は、素子分離部STIの深さなど、若干異なる点があるが、図26に示される断面図とほぼ同じである。
【0117】
このように、各ゲートパターンGP(各ゲート電極)がフィンFAの上面および側面を覆っていることで、各トランジスタの実効チャネル幅が増えるので、各トランジスタの電流量を増加させることができる。
【0118】
また、各パッド層PADがフィンFAの上面および側面を覆っていることで、エクステンション領域EXP、EXNと、パッド層PADとの接触面積が増えるので、拡散抵抗の低減を図ることができる。
【0119】
以上、本発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【符号の説明】
【0120】
1A~4A 領域
Acc1、Acc2 アクセストランジスタ
AcN1、AcN2 活性領域
AcP1、AcP2 活性領域
BL、/BL ビット線
BOX 絶縁層
CF1、CF2 導電性膜
CP キャップ膜
Dr1、Dr2 ドライバトランジスタ
EXN エクステンション領域
EXP エクステンション領域
FA フィン(突出部)
GE1~GE7 ゲート電極
GP ゲートパターン
GI1~GI3 ゲート絶縁膜
IF1~IF5 絶縁膜
IL0~IL2 層間絶縁膜
Lo1、Lo2 ロードトランジスタ
M1、M2 配線
MC メモリセル
MPAD 金属パッド層
N1、N2 ノード
ND 拡散領域
NW ウェル領域
PAD パッド層
PD 拡散領域
PG プラグ
RP レジストパターン
SI シリサイド層
SL 半導体層
SPG シェアードコンタクトプラグ
STI 素子分離部
SUB 半導体基板
SW サイドウォールスペーサ
Vbg1、Vbg2 バックゲート電圧
Vdd 電源電圧
Vss 基準電圧
WL ワード線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29