(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-14
(45)【発行日】2023-11-22
(54)【発明の名称】防音壁のパネル取付構造
(51)【国際特許分類】
E01F 8/00 20060101AFI20231115BHJP
E01B 19/00 20060101ALI20231115BHJP
G10K 11/16 20060101ALI20231115BHJP
【FI】
E01F8/00
E01B19/00 C
G10K11/16 130
(21)【出願番号】P 2020188799
(22)【出願日】2020-11-12
【審査請求日】2023-08-03
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】594075765
【氏名又は名称】日本環境アメニティ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】508061549
【氏名又は名称】阪神高速技術株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100102048
【氏名又は名称】北村 光司
(74)【代理人】
【識別番号】100146503
【氏名又は名称】高尾 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】吹戸 淳一
(72)【発明者】
【氏名】浦田 欽一
(72)【発明者】
【氏名】木山 雅和
(72)【発明者】
【氏名】木元 肖吾
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 知明
(72)【発明者】
【氏名】原田 大樹
(72)【発明者】
【氏名】徳増 健
【審査官】佐久間 友梨
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-101747(JP,A)
【文献】特開2016-211344(JP,A)
【文献】特開2019-52528(JP,A)
【文献】国際公開第2015/114929(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/077959(WO,A1)
【文献】特開2005-315015(JP,A)
【文献】特開2003-41525(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01F 8/00
E01B 19/00
G10K 11/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
横方向に間隔を空けて配置してある一対のパネル取付用支柱の間に、複数の第1防音パネルを上下方向に複数段に並設し、
一対のパネル落下防止用第1索状体を、前記第1防音パネル夫々の横側両端部において、上下方向に段積みした複数の前記第1防音パネルにわたって貫通する状態に各別に設け、
前記パネル落下防止用第1索状体を夫々前記パネル取付用支柱に貫通させて抜け止めしてある防音壁において、複数の前記第1防音パネルの内の最上段の物の更に上に、補助パネルを取り付けてある防音壁のパネル取付構造であって、
前記パネル取付用支柱の上端部夫々に、上方に延設する補助パネル取付用支柱を連結した状態で立設し、
横方向に互いに隣り合う前記補助パネル取付用支柱間に前記補助パネルを配設し、
一対の前記パネル落下防止用第1索状体夫々の上端部を、前記補助パネル取付用支柱に抜け止めした状態で取り付けてあるとともに、
パネル落下防止用第2索状体を前記補助パネルの横側両端部において貫通する状態で、前記補助パネル取付用支柱に固定してある防音壁のパネル取付構造。
【請求項2】
前記パネル落下防止用第1索状体の上端部と前記パネル落下防止用第2索状体とを、共に挿通させて抜け止めする索状体挿通孔を、前記補助パネル取付用支柱に設けてある請求項1に記載の防音壁のパネル取付構造。
【請求項3】
前記パネル落下防止用第1索状体の端部には、第1索状体本体部の径よりも大きい第1抜け止め頭部を一体に設けるとともに、
前記パネル落下防止用第2索状体の端部には、第2索状体本体部の径よりも大きい第2抜け止め頭部を一体に設け、
前記索状体挿通孔に、前記第1抜け止め頭部及び第2抜け止め頭部22の外径よりは大で、且つ、前記第1抜け止め頭部と前記パネル落下防止用第2索状体の第2索状体本体部の径の合計よりは小さい径の大径孔部を設けると共に、前記第1抜け止め頭部よりも小幅の小幅孔部を、前記大径孔部に繋がる状態で前記大径孔部の下側に設け、前記小幅孔部を前記第1索状体本体部が挿通可能な大きさに形成してある請求項2に記載の防音壁のパネル取付構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、横方向に間隔を空けて配置してある一対のパネル取付用支柱の間に、複数の第1防音パネルを上下方向に複数段に並設し、一対のパネル落下防止用第1索状体を、前記第1防音パネル夫々の横側両端部において、上下方向に段積みした複数の前記第1防音パネルにわたって貫通する状態に各別に設け、前記パネル落下防止用第1索状体を夫々前記パネル取付用支柱に貫通させて抜け止めしてある防音壁において、複数の前記第1防音パネルの内の最上段の物の更に上に、補助パネルを取り付けてある防音壁のパネル取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、既設の防音壁などに、環境の変化に対応させるためや、性能改良のために、複数の前記第1防音パネルの内の最上段の物の更に上に、補助パネルを取り付けるには、既設の防音壁の隣り合う一対のパネル取付用支柱間に亘って補助パネル取付用鋼材を架設して、その補助パネル取付用鋼材にボルトナットで補助パネルを固定することが行われていた(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来の従来構造では、防音壁における複数枚の第1防音パネルの内の一部を取り外す必要がある場合、補助パネル及び前記補助パネル取付用鋼材をパネル取付用支柱から取り外す必要があり、作業手間と時間が多くかかるという問題があった。
【0005】
従って、本発明の目的は、上記問題点を解消し、既設の防音壁に短時間で、且つ、簡単に補助パネルを取り付けられるようにするところにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の特徴構成は、横方向に間隔を空けて配置してある一対のパネル取付用支柱の間に、複数の第1防音パネルを上下方向に複数段に並設し、一対のパネル落下防止用第1索状体を、前記第1防音パネル夫々の横側両端部において、上下方向に段積みした複数の前記第1防音パネルにわたって貫通する状態に各別に設け、前記パネル落下防止用第1索状体を夫々前記パネル取付用支柱に貫通させて抜け止めしてある防音壁において、複数の前記第1防音パネルの内の最上段の物の更に上に、補助パネルを取り付けてある防音壁のパネル取付構造であって、前記パネル取付用支柱の上端部夫々に、上方に延設する補助パネル取付用支柱を連結した状態で立設し、横方向に互いに隣り合う前記補助パネル取付用支柱間に前記補助パネルを配設し、一対の前記パネル落下防止用第1索状体夫々の上端部を、前記補助パネル取付用支柱に抜け止めした状態で取り付けてあるとともに、パネル落下防止用第2索状体を前記補助パネルの横側両端部において貫通する状態で、前記補助パネル取付用支柱に固定してあるところにある。
【0007】
本発明の第1の特徴構成によれば、パネル取付用支柱の上端部夫々に、上方に延設する補助パネル取付用支柱を連結した状態で立設し、横方向に互いに隣り合う前記補助パネル取付用支柱間に前記補助パネルを配設することにより、従来のように、既設の防音壁の隣り合う一対のパネル取付用支柱間に亘って補助パネル取付用鋼材を架設して、その補助パネル取付用鋼材にボルトナットで補助パネルを取り付けるのに比べて、補助パネルは、補助パネル取付用支柱間に、短時間に1枚のみならず複数枚でも簡単に複数段に上下方向に並設でき、しかも、補助パネルより下方の第1防音パネルをメンテナンス等のために取り外す必要があるときには、横方向に並設したパネル取付用支柱及びその上端部夫々に延設した補助パネル取付用支柱間から、補助パネル及び第1防音パネルを、短時間で簡単に上方に抜き取ってメンテナンスすることができる。
その上、第1防音パネル及び補助パネルは、パネル落下防止用第1索状体及びパネル落下防止用第2索状体を介して補助パネル取付用支柱に取り付けてあるために、各パネルを安全に設置できる。
【0008】
本発明の第2の特徴構成は、前記パネル落下防止用第1索状体の上端部と前記パネル落下防止用第2索状体とを、共に挿通させて抜け止めする索状体挿通孔を、前記補助パネル取付用支柱に設けたところにある。
【0009】
本発明の第2の特徴構成によれば、本発明の第1の特徴構成による上述の作用効果を叶えることができるのに加えて、補助パネル取付用支柱に設けた共通の索状体挿通孔により、パネル落下防止用第1索状体とパネル落下防止用第2索状体とを、挿通させて抜け止めさせることができるために、既設のパネル取付用支柱に加工を施すことなくパネル落下防止用第1索状体とパネル落下防止用第2索状体の抜け止めが行え、そのために、全体としての施工の手間を少なくできる。
【0010】
本発明の第3の特徴構成は、前記パネル落下防止用第1索状体の端部には、第1索状体本体部の径よりも大きい第1抜け止め頭部を一体に設けるとともに、前記パネル落下防止用第2索状体の端部には、第2索状体本体部の径よりも大きい第2抜け止め頭部を一体に設け、前記索状体挿通孔に、前記第1抜け止め頭部及び第2抜け止め頭部の外径よりは大で、且つ、前記第1抜け止め頭部と前記パネル落下防止用第2索状体の第2索状体本体部の径の合計よりは小さい径の大径孔部を設けると共に、前記第1抜け止め頭部よりも小幅の小幅孔部を、前記大径孔部に繋がる状態で前記大径孔部の下側に設け、前記小幅孔部を前記第1索状体本体部が挿通可能な大きさに形成したところにある。
【0011】
本発明の第3の特徴構成によれば、パネル落下防止用第1索状体とパネル落下防止用第2索状体とを共通に挿通させる索状体挿通孔を設けるのに、大径孔部とその大径孔部に繋がる小幅孔部を形成するだけで、大径孔部を介して第1抜け止め頭部及び第2抜け止め頭部を挿通させれば、大径孔部からは、パネル落下防止用第2索状体が挿通する状態では第1抜け止め頭部が挿通することはなくなり、そのために、パネル落下防止用第1索状体の抜け止めが可能となる。
尚、補助パネルは、パネル落下防止用第2索状体を補助パネル取付支柱の索状体挿通孔から抜き取らなくとも、ワイヤ抜け止めキャップを外して、例えば、補助パネルに設けた索状体貫通孔やアイボルトなどの索状体貫通部からパネル落下防止用第2索状体を抜き取るだけで、補助パネル取付用支柱から取り外すことができる。
したがって、補助パネル取付用支柱の簡単な加工により、第1防音パネル及び補助パネルの脱落防止と、簡単な取り出しを可能にでき、施工及びメンテナンスの短時間化とコストダウンを可能にできる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図7】第2パネル落下防止用索状体の正面図である。
【
図8】パネル取付用支柱及び補助パネル取付用支柱の連結状態を示す側面図(a)と、正面図(b)である。
【
図9】パネル取付用支柱及び補助パネル取付用支柱の分解側面図である。
【
図10】ワイヤ抜け止めキャップの取り付け状態を示す斜視図である。
【
図11】ワイヤ抜け止めキャップの分解斜視図である。
【
図12】別実施形態のパネル取付用支柱及び補助パネル取付用支柱の連結状態を示す側面図である。
【
図13】別実施形態の補助パネル取付用支柱の分解斜視図(a)と、組み立て斜視図(b)である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1、
図2に示すように、例えば道路等の防音壁は、道路の側方において道路とその周辺とを隔てるように、道路に沿って一定間隔置きに立設させたH鋼から成るパネル取付用支柱10の縦溝内に、第1防音パネル1Aを上下方向に複数段に積み上げた状態で、道路に沿って並べて設置することで構成されている。
【0014】
[第1実施形態]
前記第1防音パネル1Aを積み上げた既設の防音壁に対し、追加施工を行って、更に、防音性能を上げた防音壁を形成するために、
図1、
図2に示すように、前記第1防音パネル1Aの最上段の物の更に上に、補助パネル1Bを取り付けてある。
図1、
図2に示すように、第1防音パネル1Aは、グラスウールからなる第1吸音材3Aを内装した第1吸音空間4Aを内部に形成すると共に、音源となる道路とその道路の周囲とを隔てる隔壁を形成自在な金属板から成る第1外枠体5Aを設け、第1吸音空間4Aに外方の音を取り入れ自在な音導入孔を多数形成してあるガラリ構造からなる音透過面を、第1外枠体5Aの音源側表面部に形成すると共に、第1外枠体5Aの音源側とは反対側の背面部には孔の開いてない鉄板製の遮音板を設けて、道路側からの発生音を防音壁の背面側には逃がさないように構成してある。
尚、第1外枠体5Aは、2部材以上の板金部材から成り、それらの複数の板金部材をリベットやボルトナット又は接着、溶接などで一体に箱状に組み付けて形成してある。
【0015】
図2~
図9に示すように、補助パネル1Bは、第2吸音材3Bを内装した第2吸音空間4Bを内部に形成すると共に、音源とその音源の周囲とを隔てる隔壁を形成自在な第2外枠体5Bを設け、第2吸音空間4Bに外方の音を取り入れ自在な音導入孔6を多数設けてある音透過面を、第2外枠体5Bの音源側表面部7及び、背面部8に形成してある。そして、第2吸音材3Bが上端部側ほどその流れ抵抗値及び面密度が小さくなるように形成されており、第2外枠体5Bの内面との間に間隙を設けてある。
図中14aは、ワイヤ(図外)を通す孔で、図中14bのように、切り欠いてもよい。図中15はアイボルトで、ワイヤを通すことで、補助パネル1Bの脱落を防止してある。
尚、第2外枠体5Bは、2部材以上の板金部材から成り、それらの複数の板金部材をリベットやボルトナット又は接着、溶接などで一体に箱状に組み付けて形成してある。
【0016】
更に、第2外枠体5Bは、アルミニウム製のパンチングメタルで、第2外枠体5Bの正面、上面、背面の3面を形成してある。また、第2吸音空間4Bには、多孔質系吸音材であるポリエステル(PET)ウールで第2吸音材3Bを形成し、その第2吸音材3Bが、上端部側ほどその流れ抵抗値及び面密度が小さくなるように形成されており、しかも、パンチングメタルからなる第2外枠体5Bの内面とは密接させずに、その内面との間に1mm以上の間隙を開けて空気層を設けてある。
前記第2吸音材3Bには、その表面に難燃性のクロス(図外)を貼り付けて耐候性を保持してあると共に、前記パンチングメタルの開口率は、50%以上では防音壁上端縁近傍での音の回折現象の抑制効果は変わりないが、パネル剛性が低下しないように約32%にしてある。
【0017】
つまり、
図1、
図2に示すように、従来の既設の防音壁において、補助パネル1Bを追加取り付けするだけで、道路側の発生音が、防音壁の背面側に回り込んで拡がるのを防止できる。
【0018】
補助パネル1Bを取り付ける前の防音壁は、横方向に間隔を空けて配置してある一対のパネル取付用支柱10の間に、複数の第1防音パネル1Aを上下方向に複数段に並設し、
図4、
図10、
図11に示すように、ワイヤの両端部にそのワイヤの径よりも大径の第1抜け止め頭部11を設けた一対のパネル落下防止用第1索状体12を、第1防音パネル1A夫々の横側両端部において、上下方向に段積みした複数の第1防音パネル1Aにわたって貫通する状態に各別に設け、パネル落下防止用第1索状体12を夫々パネル取付用支柱10の下部に形成した貫通孔13に貫通させ、且つ、パネル取付用支柱10の上端部に着脱自在にボルトBを介して取り付ける板金製のワイヤ抜け止めキャップ17に、パネル落下防止用第1索状体12の両端部を夫々抜け止めしてある。
複数の第1防音パネル1Aの内の最上段の物の更に上に、補助パネル1Bを取り付けて防音壁を構成するのに、
図4~
図9、
図11に示すように、ワイヤ抜け止めキャップ17を取り外した状態で、前記パネル取付用支柱10の上端部夫々に、上方に延設する補助パネル取付用支柱20を連結プレート21を介してボルト連結して立設させ、横方向に互いに隣り合う補助パネル取付用支柱20間に補助パネル1Bを配設し、一対のパネル落下防止用第1索状体12夫々の上端部を、補助パネル取付用支柱20に抜け止めした状態で取り付けてあるとともに、パネル落下防止用第1索状体12と同様に両端部に夫々ワイヤの径よりも大径の第2抜け止め頭部22を設けたワイヤから成るパネル落下防止用第2索状体23を、補助パネル1Bの横側両端部において貫通する状態で、補助パネル取付用支柱20に固定してある。
【0019】
前記補助パネル1B及び第1防音パネル1Aを抜け止めして固定するのに、
図4~
図6、
図8に示すように、前記パネル落下防止用第1索状体12の上端部とパネル落下防止用第2索状体23とを、共に挿通させて抜け止めする索状体挿通孔24を、H型鋼から成る補助パネル取付用支柱20のウェブ部分に設けてある。
【0020】
つまり前述のように、
図4~
図8に示すように、パネル落下防止用第1索状体12の端部には、第1索状体本体部18の径よりも大きい第1抜け止め頭部11を一体に設けるとともに、パネル落下防止用第2索状体23の端部には、第2索状体本体部25の径よりも大きい第2抜け止め頭部22を一体に設けてある状態で、H型鋼の補助パネル取付用支柱20のウェブ部分の下側部分に、索状体挿通孔24を設けるのに、第1抜け止め頭部11及び第2抜け止め頭部22の外径よりは大で、且つ、第1抜け止め頭部11とパネル落下防止用第2索状体23の第2索状体本体部25の径の合計よりは小さい径の大径孔部24Aを形成すると共に、第1抜け止め頭部11よりも小幅の小幅孔部24Bを、大径孔部24Aに繋がる状態で大径孔部24Aの下側に形成し、小幅孔部24Bを第1索状体本体部18が挿通可能な大きさに形成してある。
そのために、パネル落下防止用第1索状体12の第1抜け止め頭部11及び第1索状体本体部18を大径孔部24Aに挿通させた後に、小幅孔部24Bに移動させ、パネル落下防止用第2索状体23の第2抜け止め頭部22及び第2索状体本体部25を大径孔部24Aに挿通させることで、パネル落下防止用第1索状体12は補助パネル取付用支柱20に係止して抜け止めされ、また、補助パネル取付用支柱20の上端部に、パネル落下防止用第2索状体23の両端部を抜け止めするように挿通した前記ワイヤ抜け止めキャップ17をボルトで固定することで、補助パネル1Bも脱落防止できる。
【0021】
尚、パネル落下防止用第2索状体23は、
図7に示すように、第2抜け止め頭部22が、亜鉛メッキ等のサビ止め塗装をしてあり、又は、ステンレス素材で形成されると共に、第2索状体本体部25がワイヤ33にナイロンコート34被覆してある。
また、必要に応じてワッシャー26を設けるとよい。
【0022】
尚、前記ワイヤ抜け止めキャップ17には、
図10、
図11に示すように、第1抜け止め頭部11及び第2抜け止め頭部22を挿通可能な中央大径孔部27Cと、第1抜け止め頭部11及び第2抜け止め頭部22の径よりも小幅の小幅孔部27Dを、中央大径孔部27Cの両側に連設させて索状体挿通孔27を形成してあって、中央大径部に第1抜け止め頭部11または第2抜け止め頭部22を挿通させた後に、第1索状体本体部18または第2索状体本体部25を小幅孔部27Dに移動させて、ワイヤ抜け止めキャップ17をH型鋼から成るパネル取付用支柱10または補助パネル取付用支柱20の上端部に、ボルトBで固定することで、H型鋼のウェブ部分が障害になってパネル落下防止用第1索状体12又はパネル落下防止用第2索状体23は抜け止めされる。
【0023】
〔別実施形態〕
以下に他の実施の形態を説明する。
〈1〉 前記索状体挿通孔24は、
図12に示すように、パネル落下防止用第1索状体12を挿通させる第1挿通孔30と、その第1挿通孔30の上側にパネル落下防止用第2索状体23を挿通させる第2挿通孔31とから構成して、補助パネル取付用支柱20に設けてあってもよい。この場合は、パネル落下防止用第1索状体12を挿通させた状態で、例えばボルトBなどの第1挿通孔30の大径孔部24Aを塞ぐものを設ける必要がある。
〈2〉 また、前記索状体挿通孔24は、
図13(a)、(b)に示すように、パネル落下防止用第1索状体12を挿通させる第1挿通孔30と、その第1挿通孔30の上側にパネル落下防止用第2索状体23を挿通させる第2挿通孔31とから構成して、第2挿通孔31を補助パネル取付用支柱20のウェブ部分に形成すると共に、第1挿通孔30を補助パネル取付用支柱20の下端部に連接した底板部32に形成してあってもよい。
〈3〉 前記第1、第2吸音材3A,3Bは、ポリエステルウール以外に、グラスウールやロックウール等の無機繊維からなる多孔質体や、ステンレス繊維などの金属繊維からなる多孔質体の他に、アルミニウム焼結板から構成してあってもよい。
〈4〉 前記パンチングメタルを、アルミニウム以外に、ステンレス、亜鉛引き鋼板などの金属板から形成してあってもよい。
〈5〉 前記防音壁は、道路用以外に、鉄道用、一般の防音壁、室内のパーティションに利用することもできる。
〈6〉 前記第1実施形態の第2吸音材3Bは、上下方向に連続的に厚み及び流れ抵抗値が変化するもの以外に、厚みが均等で下端部ほど面密度が大きくなるものや、密度一定で厚みを上端側程薄く形成してあったり、密度一定の吸音材マットを、厚み方向に積層して上端側より下端部ほど積層枚数を増加させてあってもよく、つまり、空気の流れ抵抗値を下端部ほど大になるように設定してあればよい。
〈7〉 第2外枠体5Bの表面部を、パンチングメタル以外に、金属メッシュやガラリ構造やルーバー形式の金属板で形成してあってもよい。
【0024】
尚、上述のように、図面との対照を便利にするために符号を記したが、該記入により本発明は添付図面の構成に限定されるものではない。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0025】
1A 第1防音パネル
1B 補助パネル
10 パネル取付用支柱
11 第1抜け止め頭部
12 パネル落下防止用第1索状体
18 第1索状体本体部
20 補助パネル取付用支柱
22 第2抜け止め頭部
23 パネル落下防止用第2索状体
24 索状体挿通孔
24A 大径孔部
24B 小幅孔部
25 第2索状体本体部