(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-14
(45)【発行日】2023-11-22
(54)【発明の名称】カスタマイズされた眼科手術プロファイル
(51)【国際特許分類】
A61F 9/008 20060101AFI20231115BHJP
A61B 34/10 20160101ALI20231115BHJP
【FI】
A61F9/008
A61F9/008 120A
A61F9/008 120E
A61F9/008 120D
A61B34/10
(21)【出願番号】P 2020516706
(86)(22)【出願日】2018-10-04
(86)【国際出願番号】 IB2018057740
(87)【国際公開番号】W WO2019077434
(87)【国際公開日】2019-04-25
【審査請求日】2021-09-16
(32)【優先日】2017-10-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】319008904
【氏名又は名称】アルコン インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100211177
【氏名又は名称】赤木 啓二
(72)【発明者】
【氏名】イムレ ヘゲダス
(72)【発明者】
【氏名】ハディー スラッス
【審査官】細川 翔多
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2010/0256965(US,A1)
【文献】国際公開第2015/070092(WO,A1)
【文献】特表2005-530572(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 9/008
A61B 34/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カスタマイズされた眼科手術プロファイルを検証するためのシステムの作動方法であって、前記システムは1つ又は複数のプロセッサと、メモリとを備え、前記システムの作動方法は、
前記プロセッサが、カスタマイズされた眼科手術プロファイルを取得することであって、前記カスタマイズされた眼科手術プロファイルは、手術パターンと、前記手術パターンに関連する少なくとも1つのパラメータとを含む、カスタマイズされた眼科手術プロファイルを取得することと、
前記プロセッサが、前記カスタマイズされた眼科手術プロファイルに基づいて、レーザベースの眼科手術システムにより実行可能なパターン定義ファイルを生成することと、
前記プロセッサが、前記パターン定義ファイルに基づいて、前記レーザベースの眼科手術システムでの前記カスタマイズされた眼科手術プロファイルの実行をシミュレートすることと、
前記プロセッサが、前記シミュレーションの出力に基づいて前記パターン定義ファイルを検証することと、
前記プロセッサが、前記レーザベースの眼科手術システムでの実行に向けて前記検証されたパターン定義ファイルを提供することと、
を含
み、
前記カスタマイズされたレーザ手術プロファイルの実行をシミュレートすることは、
前記プロセッサが、前記カスタマイズされた眼科手術プロファイルのレーザスキャン座標を計算することと、
前記プロセッサが、前記レーザスキャン座標のそれぞれのレーザパルスエネルギーを特定することと、
を含む、システムの作動方法。
【請求項2】
前記パターン定義ファイルを生成することは、前記手術パターン及び前記少なくとも1つのパラメータに基づいて、前記レーザベースの眼科手術システムの構成要素の複数のパラメータを生成することを含む、請求項1に記載のシステムの作動方法。
【請求項3】
前記カスタマイズされた眼科手術プロファイルの実行をシミュレートすることは、前記レーザベースの眼科手術システムの特性に基づいて前記レーザスキャン座標の少なくとも1つのレーザパルスパラメータを最適化することを更に含む、請求項
1又は2に記載のシステムの作動方法。
【請求項4】
前記カスタマイズされた眼科手術プロファイルの実行をシミュレートすることは、前記カスタマイズされた眼科手術プロファイルの実行中、前記レーザベースの眼科手術システムの少なくとも1つの手術制御要素をシミュレートすることを含む、請求項1~
3の何れか一項に記載のシステムの作動方法。
【請求項5】
前記パターン定義ファイルを評価することは、
前記プロセッサが、前記カスタマイズされた手術レーザプロファイルの前記シミュレートされた適用の手術ボリューム、合計エネルギー、及び処置時間を計算することと、
前記プロセッサが、前記手術ボリューム、前記合計エネルギー、及び前記処置時間が所定の閾値を満たすか否かを判断することと、
を含む、請求項1~
4の何れか一項に記載のシステムの作動方法。
【請求項6】
前記カスタマイズされた眼科手術プロファイルは、検証及びライセンス確認要求を含み、前記パターン定義ファイルを検証することは、前記レーザベースの眼科手術システムでの前記パターン定義ファイルの実行を確認することと、前記レーザベースの眼科手術システムのオペレータを認証することと、前記
パターン定義ファイルを前記レーザベースの眼科手術システムで実行できるように前記パターン定義ファイルを変更することとを含む、請求項1~
5の何れか一項に記載のシステムの作動方法。
【請求項7】
前記手術パターンは、水晶体断片化パターン、角膜切開パターン、又は嚢切開パターンを含み、前記少なくとも1つのパラメータは、前記手術パターンの切開線のレーザエネルギーレベル又はレーザパルス反復率を含む、請求項1~
6の何れか一項に記載のシステムの作動方法。
【請求項8】
前記カスタマイズされた眼科手術プロファイルを取得することは、前記レーザベースの眼科手術システムから離れて配置された第1のコンピュータシステムにおいて前記カスタマイズされた眼科手術プロファイルを受信することを含み、前記レーザベースの眼科手術システムでの実行に向けて前記検証されたパターン定義ファイルを提供することは、前記第1のコンピュータシステムから、前記レーザベースの眼科手術システムに通信可能に結合された第2のコンピュータシステムに前記検証されたパターン定義ファイルを送信することを含む、請求項1~
7の何れか一項に記載のシステムの作動方法。
【請求項9】
非一時的コンピュータ可読媒体に記憶される眼科手術コンピュータプログラムであって、
パターン定義エンジンであって、
カスタマイズされた眼科手術プロファイルを取得することであって、前記カスタマイズされた眼科手術プロファイルは、手術パターンと、前記手術パターンに関連する少なくとも1つのパラメータとを含む、取得すること及び
前記カスタマイズされた眼科手術プロファイルに基づいて、レーザベースの眼科手術システムにより実行可能なパターン定義ファイルを生成すること
を行うように構成されたパターン定義エンジンと、
前記パターン定義ファイルに基づいて、前記レーザベースの眼科手術システムでの前記カスタマイズされた眼科手術プロファイルの実行をシミュレートするように構成されたパターンシミュレーションエンジンと、
前記シミュレーションの出力に基づいて前記パターン定義ファイルを検証するように構成されたパターン検証エンジンと、
前記カスタマイズされた眼科手術プロファイル及び前記カスタマイズされた眼科手術プロファイルのシミュレーション実行結果の少なくとも一方のユーザへの表現を生成するように構成されたパターンビューアエンジンと、
を備え、
前記パターンシミュレーションエンジンは、
前記手術パターンのレーザスキャン座標を計算すること及び
前記
レーザスキャン座標のそれぞれのレーザパルスエネルギーを特定すること
を行うように構成され、
前記パターン検証エンジンは、
前記カスタマイズされた手術レーザパターンの前記シミュレートされた適用の手術ボリューム、合計エネルギー、及び処置時間を計算すること及び
前記手術ボリューム、前記合計エネルギー、及び前記処置時間が所定の閾値を満たすか否かを判断すること
を行うように構成される、眼科手術プログラム。
【請求項10】
前記パターンシミュレーションエンジンは、前記レーザベースの眼科手術システムの特性に基づいて前記レーザスキャン座標の少なくとも1つのレーザパルスパラメータを最適化するように構成される、請求項
9に記載の眼科手術プログラム。
【請求項11】
システムであって、
1つ又は複数のプロセッサと、
命令を含むメモリであって、前記命令は、前記1つ又は複数のプロセッサにより実行されると、
カスタマイズされた眼科手術プロファイルを取得することであって、前記カスタマイズされた眼科手術プロファイルは、手術パターンと、前記手術パターンに関連する少なくとも1つのパラメータとを含む、取得すること、
前記カスタマイズされた眼科手術プロファイルに基づいて、前記手術パターン及び前記少なくとも1つのパラメータに基づいて、レーザベースの眼科手術システムにより実行可能なパターン定義ファイルを生成すること、
前記パターン定義ファイルに基づいて、前記レーザベースの眼科手術システムでの前記カスタマイズされた眼科手術プロファイルの実行をシミュレートすること、
前記シミュレーションの出力に基づいて前記パターン定義ファイルを検証すること、及び
前記レーザベースの眼科手術システムでの実行に向けて前記検証されたパターン定義ファイルを提供すること
を行うように動作可能である、メモリと、
前記カスタマイズされた眼科手術プロファイル、前記カスタマイズされた眼科手術プロファイルのシミュレーション実行結果、及び検証されたパターン定義ファイルの少なくとも1つのユーザへの表現を提供するように動作可能なディスプレイと、
を備え、
前記カスタマイズされた眼科手術プロファイルの実行をシミュレートする命令は、
前記カスタマイズされたレーザ手術パターンのレーザスキャン座標を計算することと、
前記
レーザスキャン座標のそれぞれのレーザパルスエネルギーを特定することと、
を行うように動作可能である、システム。
【請求項12】
前記パターン定義ファイルを検証する命令は、
前記カスタマイズされた手術レーザパターンの前記シミュレートされた適用の手術ボリューム、合計エネルギー、及び処置時間を計算することと、
前記手術ボリューム、前記合計エネルギー、及び前記処置時間が所定の閾値を満たすか否かを判断することと、
を行うように動作可能である、請求項
11に記載のシステム。
【請求項13】
前記パターン定義ファイルを検証する命令は、前記レーザベースの眼科手術システムでの前記パターン定義ファイルの実行を確認し、前記
パターン定義ファイルを前記レーザベースの眼科手術システムで実行できるように前記パターン定義ファイルを変更するように動作可能である、請求項
11又は
12に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、手術デバイスに関し、特に眼科手術レーザシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
レーザベースの手術システムは、多くの眼科処置の実行に使用されている。例えば、Alcon(登録商標)製のLenSx(登録商標)レーザは、角膜、眼球皮膜、及び水晶体を含め、目の前眼房のあらゆる平面で精密な画像誘導切開を行うことが可能なフェムト秒レーザシステムである。他の例には、両方ともAlcon(登録商標)製のWaveLight(登録商標)FS200及びEX500並びに他の企業製の白内障屈折手術レーザがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
現在、多くのレーザベースの眼科手術システムが利用可能であるが、多用途性、柔軟性、カスタマイズ機能、及びネットワーキング機能を改善する必要性が存在する。本開示は、これらの利点等を提供するプラットフォームを記載する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
特定の実施形態では、方法は、カスタマイズされた眼科手術プロファイルを取得することを含む。カスタマイズされた眼科手術プロファイルは、手術パターンと、手術パターンに関連する少なくとも1つのパラメータとを含む。本方法は、カスタマイズされた眼科手術プロファイルに基づいて、レーザベースの眼科手術システムにより実行可能なパターン定義ファイルを生成することと、パターン定義ファイルに基づいて、レーザベースの眼科手術システムでのカスタマイズされた眼科手術プロファイルの実行をシミュレートすることも含む。本方法は、シミュレーションの出力に基づいてパターン定義ファイルを検証することと、レーザベースの眼科手術システムでの実行に向けて検証されたパターン定義ファイルを提供することとを更に含む。
【0005】
特定の実施形態では、眼科手術コンピュータプログラムは、非一時的コンピュータ可読媒体に記憶され、パターン定義エンジン、パターンシミュレーションエンジン、及びパターン検証エンジンを含む。パターン定義エンジンは、手術パターンと、手術パターンに関連する少なくとも1つのパラメータとを含むカスタマイズされた眼科手術プロファイルを取得し、カスタマイズされた眼科手術プロファイルに基づいて、レーザベースの眼科手術システムにより実行可能なパターン定義ファイルを生成するように構成される。パターンシミュレーションエンジンは、パターン定義ファイルに基づいて、レーザベースの眼科手術システムでのカスタマイズされた眼科手術プロファイルの実行をシミュレートするように構成される。パターン検証エンジンは、シミュレーションの出力に基づいてパターン定義ファイルを検証するように構成される。
【0006】
特定の実施形態では、システムは、1つ又は複数のプロセッサと、命令を含むメモリとを含む。命令は、1つ又は複数のプロセッサにより実行されると、手術パターンと、手術パターンに関連する少なくとも1つのパラメータとを含むカスタマイズされた眼科手術プロファイルを取得することと、カスタマイズされた眼科手術プロファイルに基づいて、レーザベースの眼科手術システムにより実行可能なパターン定義ファイルを生成することとを行うように動作可能である。命令は、パターン定義ファイルに基づいて、レーザベースの眼科手術システムでのカスタマイズされた眼科手術プロファイルの実行をシミュレートすることと、シミュレーションの出力に基づいてパターン定義ファイルを検証することと、レーザベースの眼科手術システムでの実行に向けて検証されたパターン定義ファイルを提供することとを行うようにも動作可能である。ディスプレイは、カスタマイズされた眼科手術プロファイル及びカスタマイズされた眼科手術プロファイルのシミュレーション実行結果の少なくとも一方のユーザへの表現を提供するように動作可能であり得る。
【0007】
特定の実施形態は、幾つかの場合、1つ又は複数の技術的利点を提供し得る。例えば、手術パターン及びレーザベースの眼科手術システムのパラメータは変更又は他の方法でカスタマイズし得る。幾つかの場合、システムのオペレータ(例えば、外科医)は、例えば、特定の患者の目に手術パターンをカスタマイズする等のように、前に作成された手術パターン及びパラメータを変更することができる。カスタム手術パターン及びパラメータは、パターン及びパラメータがターゲット手術システムにより安全に適宜実行し得ることを保証するために、第三者(例えば、手術システムの製造業者)等により検証し得る。幾つかの場合、検証された手術パターン及びパラメータは、リポジトリに記憶され、他の手術システムオペレータと共有し得る。第三者によるカスタムパターン及びパラメータの開発を可能にすることにより、パターン及びパラメータの開発サイクルを短縮し得る。
【0008】
これら及び他の利点は、本図面及び本明細書に鑑みて当業者に明らかになろう。
【0009】
実施形態例を以下に記載する。
【0010】
1.カスタマイズされた眼科手術プロファイルを検証する方法であって、カスタマイズされた眼科手術プロファイルを取得することであって、カスタマイズされた眼科手術プロファイルは、手術パターンと、手術パターンに関連する少なくとも1つのパラメータとを含む、取得することと、カスタマイズされた眼科手術プロファイルに基づいて、レーザベースの眼科手術システムにより実行可能なパターン定義ファイルを生成することと、パターン定義ファイルに基づいて、レーザベースの眼科手術システムでのカスタマイズされた眼科手術プロファイルの実行をシミュレートすることと、シミュレーションの出力に基づいてパターン定義ファイルを検証することと、レーザベースの眼科手術システムでの実行に向けて検証されたパターン定義ファイルを提供することとを含む、方法。
【0011】
2.パターン定義ファイルを生成することは、手術パターン及び少なくとも1つのパラメータに基づいて、レーザベースの眼科手術システムの構成要素の複数のパラメータを生成することを含む、請求項1に記載の方法。
【0012】
3.カスタマイズされた手術プロファイルの実行をシミュレートすることは、カスタマイズされたレーザ手術プロファイルのレーザスキャン座標を計算することと、スキャン座標のそれぞれのレーザパルスエネルギーを特定することとを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【0013】
4.カスタマイズされた手術プロファイルの実行をシミュレートすることは、レーザベースの眼科手術システムの特性に基づいてレーザスキャン座標の少なくとも1つのレーザパルスパラメータを最適化することを更に含む、請求項1~3の何れか一項に記載の方法。
【0014】
5.カスタマイズされた眼科手術プロファイルの実行をシミュレートすることは、カスタマイズされた眼科手術プロファイルの実行中、レーザベースの眼科手術システムの少なくとも1つの手術制御要素をシミュレートすることを含む、請求項1~4の何れか一項に記載の方法。
【0015】
6.パターン定義ファイルを検証することは、カスタマイズされた手術レーザプロファイルのシミュレートされた適用の手術ボリューム、合計エネルギー、及び処置時間を計算することと、手術ボリューム、合計エネルギー、及び処置時間が所定の閾値を満たすか否かを判断することとを含む、請求項1~5の何れか一項に記載の方法。
【0016】
7.カスタマイズされた眼科手術プロファイルは、検証及びライセンス確認要求を含み、パターン定義ファイルを検証することは、レーザベースの眼科手術システムでのパターン定義ファイルの実行を確認することと、レーザベースの眼科手術システムのオペレータを認証することと、ファイルをレーザベースの眼科手術システムで実行できるようにパターン定義ファイルを変更することとを含む、請求項1~6の何れか一項に記載の方法。
【0017】
8.手術パターンは、水晶体断片化パターン、角膜切開パターン、又は嚢切開パターンを含み、少なくとも1つのパラメータは、手術パターンの切開線のレーザエネルギーレベル又はレーザパルス反復率を含む、請求項1~7の何れか一項に記載の方法。
【0018】
9.カスタマイズされた眼科手術プロファイルを取得することは、レーザベースの眼科手術システムから離れて配置された第1のコンピュータシステムにおいてカスタマイズされた眼科手術プロファイルを受信することを含み、レーザベースの眼科手術システムでの実行に向けて検証されたパターン定義ファイルを提供することは、第1のコンピュータシステムから、レーザベースの眼科手術システムに通信可能に結合された第2のコンピュータシステムに検証されたパターン定義ファイルを送信することを含む、請求項1~8の何れか一項に記載の方法。
【0019】
10.非一時的コンピュータ可読媒体に記憶される眼科手術コンピュータプログラムであって、パターン定義エンジンであって、カスタマイズされた眼科手術プロファイルを取得することであって、カスタマイズされた眼科手術プロファイルは、手術パターンと、手術パターンに関連する少なくとも1つのパラメータとを含む、取得すること及びカスタマイズされた眼科手術プロファイルに基づいて、レーザベースの眼科手術システムにより実行可能なパターン定義ファイルを生成することを行うように構成されたパターン定義エンジンと;パターン定義ファイルに基づいて、レーザベースの眼科手術システムでのカスタマイズされた眼科手術プロファイルの実行をシミュレートするように構成されたパターンシミュレーションエンジンと;シミュレーションの出力に基づいてパターン定義ファイルを検証するように構成されたパターン検証エンジンと;カスタマイズされた眼科手術プロファイル、カスタマイズされた眼科手術プロファイルのシミュレーション実行結果、及び検証されたパターン定義ファイルの少なくとも1つのユーザへの表現を生成するように構成されたパターンビューアエンジンを備える。
【0020】
11.パターンシミュレーションエンジンは、手術パターンのレーザスキャン座標を計算すること及びスキャン座標のそれぞれのレーザパルスエネルギーを特定することを行うように構成される、請求項10に記載の眼科手術プログラム。
【0021】
12.パターンシミュレーションエンジンは、レーザベースの眼科手術システムの特性に基づいてレーザスキャン座標の少なくとも1つのレーザパルスパラメータを最適化するように構成される、請求項10又は11に記載の眼科手術プログラム。
【0022】
13.パターンシミュレーションエンジンは、カスタマイズされた眼科手術プロファイルの実行中、レーザベースの眼科手術システムの少なくとも1つの手術制御要素をシミュレートするように構成される、請求項10~12の何れか一項に記載の眼科手術プログラム。
【0023】
14.パターン検証エンジンは、カスタマイズされた手術レーザパターンのシミュレートされた適用の手術ボリューム、合計エネルギー、及び処置時間を計算すること及び手術ボリューム、合計エネルギー、及び処置時間が所定の閾値を満たすか否かを判断することを行うように構成される、請求項10~13の何れか一項に記載の眼科手術プログラム。
【0024】
15.システムであって、1つ又は複数のプロセッサと、命令を含むメモリであって、命令は、1つ又は複数のプロセッサにより実行されると、カスタマイズされた眼科手術プロファイルを取得することであって、カスタマイズされた眼科手術プロファイルは、手術パターンと、手術パターンに関連する少なくとも1つのパラメータとを含む、取得すること、カスタマイズされた眼科手術プロファイルに基づいて、レーザベースの眼科手術システムにより実行可能なパターン定義ファイルを生成すること、パターン定義ファイルに基づいて、レーザベースの眼科手術システムでのカスタマイズされた眼科手術プロファイルの実行をシミュレートすること、シミュレーションの出力に基づいてパターン定義ファイルを検証すること、及びレーザベースの眼科手術システムでの実行に向けて検証されたパターン定義ファイルを提供することを行うように動作可能である、メモリと、カスタマイズされた眼科手術プロファイル、カスタマイズされた眼科手術プロファイルのシミュレーション実行結果、及び検証されたパターン定義ファイルの少なくとも1つのユーザへの表現を提供するように動作可能なディスプレイを備える、システム。
【0025】
16.前記パターン定義ファイルを生成する命令は、手術パターン及び少なくとも1つのパラメータに基づいて、レーザベースの眼科手術システムの構成要素の複数のパラメータを生成するように動作可能である、請求項15に記載のシステム。
【0026】
17.カスタマイズされた眼科手術プロファイルの実行をシミュレートする命令は、カスタマイズされたレーザ手術パターンのレーザスキャン座標を計算することと、スキャン座標のそれぞれのレーザパルスエネルギーを特定することと、を行うように動作可能である、請求項15又は16に記載のシステム。
【0027】
18.カスタマイズされた眼科手術プロファイルの実行をシミュレートする命令は、カスタマイズされた眼科手術プロファイルの実行中、レーザベースの眼科手術システムの少なくとも1つの手術制御要素をシミュレートするように動作可能である、請求項15~17の何れか一項に記載のシステム。
【0028】
19.パターン定義ファイルを検証する命令は、カスタマイズされた手術レーザパターンのシミュレートされた適用の手術ボリューム、合計エネルギー、及び処置時間を計算することと、手術ボリューム、合計エネルギー、及び処置時間が所定の閾値を満たすか否かを判断することと、を行うように動作可能である、請求項15~18の何れか一項に記載のシステム。
【0029】
20.パターン定義ファイルを検証する命令は、レーザベースの眼科手術システムでのパターン定義ファイルの実行を確認し、ファイルをレーザベースの眼科手術システムで実行できるようにパターン定義ファイルを変更するように動作可能である、請求項15~17の何れか一項に記載のシステム。
【0030】
本開示及びその利点をより完全に理解するために、これより、同様の参照番号が同様の特徴を示す添付図面と併せて行われる以下の説明を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図2】一例の手術プロファイル設計システムのブロック図である。
【
図3A-3B】眼科手術パターン例を示す図である。
【
図4】カスタマイズされた眼科手術プロファイルを検証する一例のプロセスを示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下に説明する図面が単に例示を目的とし、出願の開示の範囲の限定を意図しないことを当業者は理解しよう。
【0033】
本開示の原理の理解を促進するために、これより、図面に示される実施形態を参照し、特定の用語を使用して実施形態を説明する。それにも関わらず、本開示の範囲の限定が意図されないことが理解されよう。通常、本開示が関連する技術分野の当業者が思い付く、記載されるシステム、デバイス、及び方法の代替及び更なる変更並びに本開示の原理の任意の更なる適用が考えられる。特に、一実施形態に関して説明されるシステム、デバイス、及び/又は方法は、本開示の他の実施形態に関して説明される特徴、構成要素、及び/又はステップと組み合わせ得ると考えられる。しかしながら、簡潔にするために、これらの組合せの多くの繰り返しは別個に説明しない。簡単にするために、幾つかの場合、同じ参照番号は、図面全体を通して同じ又は同様のパーツの参照に使用される。
【0034】
図1は、一例の手術プロファイル検証システム100のブロック図である。一例のシステム100は、パターン設計システム104に通信可能に結合される複数のターゲット手術システム102を備える。ターゲット手術システム102及びパターン設計システム104はまた、ネットワーク106を通してパターン検証システム108及びパターンリポジトリ110に通信可能に結合される。ネットワーク106は、有線ネットワーク及び/又は無線ネットワーク(例えば、Ethernet(登録商標)、光ファイバ、IEEE802.11、セルラ、インターネット等)の任意の適した組合せを介して含み得る。幾つかの場合、ターゲットシステム102及びパターン設計システム104は、クリニックにより管理され得、同じ場所に配置されてもよく、又は異なる地理的場所に分散してもよい。例えば、示される例では、ターゲットシステム102A、102B及びパターン設計システム104Aは第1のクリニックに関連し得、ターゲットシステム102C、102D及びパターン設計システム104Bは第2のクリニックに関連し得る。システム100は、1つ又は複数のクリニックに関連する、パターン検証システム108及びパターンリポジトリ110に通信可能に結合された追加のパターン設計システム104及びターゲットシステム102を含み得る。
【0035】
ターゲット手術システム102は任意の適した手術システムを含み得る。例えば、幾つかの場合、ターゲット手術システム102のそれぞれは、屈折、白内障、硝子体-網膜(vitro retinal)、又は他の眼科手術処置の実行に適したレーザベースの眼科手術システムである。レーザベースの眼科手術システムは、パルスをレーザから患者の眼内の所定のロケーションに向ける他の光学構成要素(例えば、レンズ、ミラー、又は回折格子)と共にレーザシステム(例えば、フェムト秒、ピコ秒、又はエキシマレーザシステム)を含み得る。例えば、幾つかの実施形態では、ターゲット手術システム102は、パルスレーザビームを生成するように構成されたレーザシステム、パルスレーザビームを三次元でスキャンするように構成されたスキャン光学要素、及びパターン定義ファイルを実行して、パターン定義ファイルにより定義されるカスタマイズされた手術プロファイルに従ってレーザシステム及びスキャン光学要素を制御するように構成されたレーザコントローラを含む。一例として、ターゲットシステム102のそれぞれは、LenSx(登録商標)システム又はWaveLight(登録商標)FS200若しくはEX500システムであり得る。
【0036】
パターン設計システム104は、ターゲット手術システム102で実行するために手術プロファイルを設計又はカスタマイズするのに適した任意のシステムを含み得る。カスタマイズされた手術プロファイルは、1組のスキャンパターン、切開、形状、及びレーザエネルギーパラメータ、パルス持続時間パラメータ、及び反復率パラメータ等を含み得、これらは集合的に、手術レーザ及び関連する構成要素が特定のレーザ手術処置をいかに実行するかを定義し制御する。カスタマイズされた手術プロファイルは、本明細書に記載されるように、パターン定義ファイルで実施し得る。例えば、パターン設計システム104は、オペレーティングシステム(例えば、Windows(登録商標)、Linux(登録商標)、macOS、iOS、Android等)を走らせ、例えば、ターゲット手術システム102で実行される手術処置に関連する1つ又は複数の手術パターン、形状、又はパラメータを選択又は変更することにより、ユーザがカスタマイズされた手術プロファイル(非一時的コンピュータ可読媒体に記憶されたファイル又はデータとして実施し得る)を設計できるようにする、記憶されたコンピュータプログラムを実行するコンピュータシステム(例えば、サーバ、PC、ラップトップ、タブレット、又は他のコンピュータ若しくはモバイルデバイス)であり得る。コンピュータプログラムは、カスタマイズされた手術プロファイルの設計に関連する様々な機能を提供する論理が符号化された1つ又は複数のソフトウェアモジュール又はエンジンを含み得る。例えば、コンピュータプログラムは、
図2のパターン設計システム210に関して後述するソフトウェアエンジンの1つ又は複数を含み得る。
【0037】
パターン検証システム108は、パターン設計システム104を使用して作成された、カスタマイズされた手術プロファイルを検証する任意の適したシステムを含み得る。例えば、パターン検証システム108は、オペレーティングシステム(例えば、Windows(登録商標)、Linux(登録商標)、macOS、iOS、Android等)を走らせ、カスタマイズされた手術プロファイルの実行をシミュレートし、シミュレーションに基づいて安全性及び有効性パターンを検証し、ターゲット手術システム102での実行に向けて、検証されたパターン定義ファイルを提供する、記憶されたコンピュータプログラムを実行するコンピュータシステム(例えば、サーバ、PC、ラップトップ、タブレット、又は他のコンピュータ若しくはモバイルデバイス)であり得る。コンピュータプログラムは、パターン設計システム104により作成された、カスタマイズされた手術プロファイルの検証に関連する様々な機能を提供する1つ又は複数のソフトウェアモジュール又はエンジンを含み得る。例えば、コンピュータプログラムは、
図2のパターン設計システム210に関して後述するソフトウェアエンジンの1つ又は複数を含み得る。幾つかの場合、パターン検証システム108は、検証中、パターン設計システム104に関連するライセンス、許可、又は他の情報を確認する(例えば、パターン設計システム104が、手術プロファイルをカスタマイズし、プロファイルを検証に向けて提出する許可を受けていることを保証するために)ように動作可能なライセンシングモジュールを含むこともできる。例えば、オペレータが、ターゲットシステム102での実行に特定のパターン定義ファイルを選択したことに応答して、ターゲットシステム102又はパターン設計システム104は、ターゲットシステム又はオペレータの識別子又は認証情報及びパターン定義ファイル識別子を含む検証及びライセンス確認要求をパターン検証システム108に送信し得る。検証システム108の検証モジュールは、選択されたパターン定義ファイルがターゲットシステム102による使用に安全で有効であることを検証するプロセスを実行し得る。例えば、検証要求は、幾つかの場合、患者固有情報(例えば、目バイオメトリデータ、OCT像データ、危険因子データ等)を含み得、検証モジュールは、検証プロセスを走らせて、患者固有情報に基づいて、選択されたパターン定義ファイルがターゲットシステム102による使用に安全で有効であることを確認し得る。さらに、検証システム108のライセンシングモジュールは、例えば、オペレータ又はターゲットシステムが現在、選択されたパターン定義ファイルを実行するライセンスを有するか否か、又は他の方法で実行する許可を有するか否かを判断することにより、要求側オペレータ又はターゲットシステムを認証し得る(例えば、検証及びライセンス確認要求内の情報を、オペレータライセンスデータを記憶したデータベース内の情報と比較することにより)。検証要求及びライセンスチェックの両方が確認される場合、ライセンシングモジュールは確認をターゲットシステム102に送信し得、選択されたパターン定義ファイルを進められるようにする。検証要求又はライセンスチェックが確認されない場合、ライセンシングモジュールは拒絶をターゲットシステム102に送信し得る。幾つかの実施形態では、拒絶は、検証要求又はライセンスチェックが確認されなかった理由の説明を含み得、ターゲットシステム102のオペレータが検証チェックをパス又はライセンスを取得するために、パターン定義ファイルを変更し得る(例えば、1回使用、複数回使用、又はサブスクリプションライセンス料を提出することによりプロセスを開始し得る。したがって、幾つかの実施態様では、カスタマイズされた手術プロファイルは、パターン検証システム108がパターン定義ファイルを検証し、ユーザがパターン定義ファイルを使用するライセンスを有することを確認するまで、ターゲット手術システム102(例えば、実際の患者)に対して実行可能ではないことがある。
【0038】
パターン検証システム108により検証された手術プロファイルは、パターンリポジトリ110に記憶し得る。ターゲット手術システム102は、パターンリポジトリ110に記憶された、検証された手術プロファイルにアクセスし実行することができる。幾つかの場合、例えば、手術プロファイルはまず、ターゲット手術システム102Aでの実行に向けてパターン設計システム104Aにより設計し得る。パターンが検証された後、ターゲット手術システム102Aは、パターンリポジトリ110からのパターンにアクセスし、パターンを患者に対して実行し得る。ターゲット手術システム102Aは、パターンリポジトリ110に記憶された同じパターンにアクセスし、別の患者に対して実行し得る。同様に、ターゲット手術システム102B、102C、102Dは、パターンリポジトリ110に記憶された同じパターンにアクセスし、別の患者に対して実行し得る。幾つかの実施態様では、パターン検証システム108は、手術システム102によるパターンの実行を可能にする前に、患者固有データに基づいて個人についてパターン定義ファイルを再検証し得る。
【0039】
示される例では、パターン検証システム108は、プロセッサ112、メモリ114、及びインターフェース116を含む。一例のプロセッサ112は、例えば、データ入力に基づいて出力データを生成する命令を実行する。命令は、メモリに記憶されたプログラム、コード、スクリプト、又は他のタイプのデータを含むことができる。代替又は追加として、命令は、予めプログラムされたか、又は再プログラム可能な論理回路、論理ゲート、又は他のタイプのハードウェア若しくはファームウェア構成要素として符号化することができる。プロセッサ112は、汎用マイクロプロセッサ及び専用コプロセッサ又は別のタイプのデータ処理装置であり得、又は含み得る。幾つかの場合、プロセッサ112は、パターン検証システム108の高水準演算を実行する。例えば、プロセッサ112は、メモリ114に記憶されたソフトウェア、スクリプト、プログラム、関数、実行可能ファイル、又は他の命令を実行又は解釈して、カスタマイズされたパターン定義ファイルの実行をシミュレートし、シミュレーションに基づいてパターン定義ファイルを検証する(例えば、
図4のプロセス400において後述するように)ように構成し得る。幾つかの場合、プロセッサ112は複数のプロセッサを含み得る。
【0040】
一例のメモリ114は、コンピュータ可読媒体、例えば、揮発性メモリデバイス、不揮発性メモリデバイス、又は両方を含む。メモリ114は、1つ又は複数の読み取り専用メモリデバイス、ランダムアクセスメモリデバイス、バッファメモリデバイス、又はこれら及び他のタイプのメモリデバイスの組合せを含むことができる。メモリ114は、プロセッサ112により実行可能な命令を記憶し得る。例えば、命令は、カスタマイズされたパターン定義ファイルの実行をシミュレートし、シミュレーションに基づいてパターン定義ファイルを検証する(例えば、
図4のプロセス400において後述するように)命令を含み得る。
【0041】
一例のインターフェース116は、パターン検証システム108と1つ又は複数の他のデバイスとの間の通信を提供する。例えば、インターフェース116は、ネットワーク106を介してパターン設計システム104の1つ又は複数と通信するように動作可能なネットワークインターフェース(例えば、無線インターフェース又は有線インターフェース)を含み得る。インターフェース116は、キーボード、マウス、及びタッチスクリーン等のユーザによるパターン検証システム108との対話を可能にするインターフェースを含むこともできる。
【0042】
一例のシステム100は、特定の実施形態では、
図1に示されるものに追加、より少数、又は異なる構成要素を含み得る。例えば、システム100は異なるタイプのターゲット手術システム102(例えば、異なるタイプ又はモデルのレーザベースの眼科手術システム)を含むことができる。さらに、特定の実施形態では、システム100の構成要素は同じシステムの部分であり得る。例えば、パターン検証システム108及びパターンリポジトリ110は、同じコンピュータシステムの論理部分を含み得る。
【0043】
図2は、一例の手術プロファイル設計システム200のアーキテクチャを示すブロック図である。一例の手術プロファイル設計システムは、オペレーティングシステムを走らせる1つ又は複数のコンピュータにより実行されるように設計された眼科手術コンピュータプログラムを構成するソフトウェアエンジンを含む。一例の手術プロファイル設計システム200は、パターン設計及び検証システム210と、ターゲット手術システム230とを含む。特定の実施形態では、パターン設計及び検証システム210は、ターゲット手術システム230での実行に向けて提供されるパターン定義ファイル220を生成し検証する。パターン定義ファイル220は、1つ又は複数の異なるタイプ又はモデルのターゲット手術システム230で実行し得るという点で、システム非依存であり得る。パターン設計及び検証システム210は、1つ又は複数のソフトウェアエンジンを使用してパターン定義を生成し検証し得る。例えば、示される例では、パターン設計及び検証システム210は、パターン設計エンジン211、パラメータ定義エンジン212、パターンシミュレーションエンジン213、パターン検証エンジン214、レーザエネルギー管理エンジン215、パターンビューアエンジン216、及びパターンライブラリ217を含む。ターゲット手術システム230は、光学コヒーレンストモグラフィ(OCT)スキャンエンジン231、パラメータユーザインターフェース232、パターン生成エンジン233、及びパターン実行エンジン234を含む。
【0044】
一例のパターン設計エンジン211は、カスタマイズされた手術プロファイルの設計及び構成に関連する1つ又は複数の動作を実行する。パターン設計エンジン211は、オペレータが空のテンプレートからカスタマイズされた手術プロファイルを作成し、又はパターンライブラリ217に記憶された手術パターンの1つ又は複数の側面を変更して、カスタマイズされた手術プロファイルを生成できるようにし得る。例えば、パターンライブラリ217は、パターン設計エンジン211がアクセスし、テンプレートとして使用するためにオペレータに提供し得る、予め定義された手術パターン(例えば、
図3A及び
図3Bに示されるものと同様の二次元又は三次元パターン)を含み得る。幾つかの場合、パターン設計エンジン211は、オペレータがパターンを複製し、1つ又は複数のパターンを結合し、パターン内の1つ又は複数の切開線、幾何学的形状、又は自由形式形状を変更(例えば、削除、回転、チルト、スケーリング、又は他の方法で変更)し、又は空のテンプレートから新しいパターンを作成できるようにし得る。パターン設計エンジン211は、オペレータが、手術ボリューム制限、切開開始場所、切開プロファイル特性、スキャンパターン特性(例えば、スパイラル、円、ラスタ等)、又はパターン内の様々な切開線の順序等のカスタマイズされた手術プロファイルの態様を定義できるようにし得る。
【0045】
一例のパラメータ定義エンジン212は、パターン設計エンジン211を用いて設計された、カスタマイズされた手術プロファイルに関連するパラメータの定義に関連する1つ又は複数の動作を実行する。例えば、幾つかの実施形態では、パラメータ定義エンジン212は、データをパターン設計エンジン211、レーザエネルギー管理エンジン215、又はユーザインターフェースを介してシステムオペレータから受信し、その情報を使用して、パターン定義ファイル220内のレーザ反復率及びパルスエネルギー等の推奨又は必須パラメータを生成し得る。パラメータ定義エンジン212により定義又は生成されるパラメータ例には、レーザパルス反復率、レーザパルスエネルギープロファイル、レーザパルススポットサイズ、レーザパルス持続時間、レーザスキャン速度、及びレーザスキャンパターン(例えば、ラスタ、スパイラル等)がある。そのようなパラメータは、カスタマイズされた手術プロファイルの異なるエリア又は段階で均一又は異なり得る。パラメータ定義エンジン212により生成される情報は、ターゲット手術システム230でのカスタマイズされた手術プロファイルの実行に関連する1つ又は複数のパラメータを含み得る。例えば、パラメータ定義エンジン212は、特定のターゲット手術システム230又はその構成要素(例えば、レーザエンジン、レーザ伝送システム、レーザスキャナ、OCT造影システム、顕微鏡、視覚化システム、又はモータ、アクチュエータ、レンズ、光学要素等のサブ構成要素)の機能又は制限を識別する情報の受信又はアクセスを行い、そのような情報に基づいて、カスタマイズされた手術プロファイルの実行中、ターゲット手術システムの構成要素のパラメータを生成し得る。幾つかの例では、パラメータ定義エンジン212は、既知のシステム制限又は機能に基づいてユーザ選択パラメータをオーバーライドし得る。生成されたパラメータは、カスタマイズされた手術プロファイルの実行中、ターゲット手術システム230の様々な構成要素の制御及び操作に使用し得る。幾つかの場合、パラメータ定義エンジン212はまた、パターン定義ファイル220の生成に使用される1つ又は複数のパラメータの生成に使用されるデータをレーザエネルギー管理エンジン215から受信することもできる。
【0046】
一例のレーザエネルギー管理エンジン215は、ターゲット手術システム230においてレーザ(又は他の構成要素)の動作の定義に関連する1つ又は複数の動作を実行する。例えば、レーザエネルギー管理エンジン215は、パターン設計エンジン211、パラメータ定義エンジン212から受信した情報、又はターゲット手術システム230の既知の機能及び制限に基づいて、パターン内の切開線に沿った様々なポイントにおける推奨又は必須レーザエネルギー、スポットサイズ、又は反復率パラメータを生成し得る。幾つかの実施態様では、パラメータ定義エンジン212により生成されるパラメータは、パターン設計及び検証システム210により生成されるパターン定義ファイル220に含まれる。
【0047】
一例のパターンシミュレーションエンジン213は、パラメータ定義エンジン212により生成されたパラメータの仮想実行に関連する1つ又は複数の動作を実行する。例えば、パターンシミュレーションエンジン213は、各ポイントのそれぞれのレーザパルスエネルギーレベルと共に手術パターンの切開線に関連する一連のスキャンポイントを生成し得、ターゲット手術システム230がパターン定義ファイル220のパラメータをいかに実行するかをモデリングする。幾つかの実施形態では、例えば、パターンシミュレーションエンジン213は、指定された切開線及びカスタマイズされた手術プロファイルに基づいてパラメータ定義エンジン212により生成されたパラメータに対応する複数のx-y-zスキャン座標を計算し、x-y-zスキャン座標のそれぞれのパルスエネルギーを特定する。幾つかの実施形態では、パラメータシミュレーションエンジン212はまた、パターン定義エンジン212により生成されたパラメータにおいて指定される一定又は可変レーザパルス反復率において手術パターンの実行をシミュレートする。幾つかの実施形態では、パターンシミュレーションエンジン213はまた、x-y-zスキャン座標の階層パターンを定義する。一例のパターン検証エンジン214は、パターン定義ファイル220におけるデータ検証に関連する1つ又は複数の動作を実行する。幾つかの実施形態では、パターン検証エンジン214は、パターンシミュレーションエンジン213により生成されたデータを受信し、データを解析して、ターゲット手術システム230によりパターンを適宜又は安全に実行し得るか否かを判断する。例えば、パターン検証エンジン214は、パターン実行により生成されたx-y-zスキャン座標間の距離を解析し、ターゲット手術システム230が、x-y-zスキャン座標のそれぞれにおいてパルスを安全且つ正確に生成するようにレーザを操作しスキャンすることができるか否かを判断する。そのような判断は、レーザスキャナ検流計速度及び到達範囲、最大レーザ反復率、又はレーザ反復率が可変であるか否か、及び可変である場合、可変速度等のターゲット手術システムの側面の既知の機能及び制限を考慮に入れ得る。別の例として、パターン検証エンジン214は、様々なx-y-zスキャン座標における又はカスタマイズされた手術パターン全体にわたるエネルギーレベルを解析して、ターゲット手術システム230のレーザシステムにより生成し得るエネルギーレベルを特定し、そのエネルギーレベルが患者で実行される手術処置での使用に安全であるか否かを評価し得る。幾つかの実施態様では、検証エンジン214は、オペレータ選択設計要素又はパラメータ(例えば、形状、ボリューム、反復率、反復可変性、エネルギープロファイル)をオーバーライドして、カスタマイズされたパターンをターゲット手術システム230による使用に安全且つ有効にし得る。幾つかの例では、検証エンジン214は、カスタマイズされたパターンを安全且つ有効にするように設計要素又はパラメータをいかに変更するかについての示唆をオペレータに提示し得る。検証エンジン214は、ユーザインターフェースを介して通知又はメッセージを提供して、検証プロセスの動作及び結果を伝達し得る。
【0048】
一例のパターンビューアエンジン216は、カスタマイズされた手術プロファイルの視覚化に関連する1つ又は複数の動作を実行する。例えば、パターンビューアエンジン216は、設計フェーズ中、パターンがオペレータにより変更されたとき、カスタマイズされた手術プロファイルの手術パターンの視覚化を生成し得る。幾つかの実施形態では、視覚化は、カスタマイズされた手術プロファイルの異なるビューの二次元視覚化であり得る(例えば、
図3A及び
図3Bに示されるパターン300と同様、又はカスタマイズされた手術プロファイルの三次元レンダリングであり得る。二次元又は三次元視覚化は、幾つかの実施態様では、例えば、回転、ズームイン又はズームアウト、階層化、掘り下げ等によりユーザにより操作し得る。特定の実施態様では、パターンビューアエンジン216は、カスタマイズされた手術プロファイルの手術スキャンパターンに関連するパルスエネルギー及び合計エネルギーの視覚化を生成し得る。例えば、パターンビューアエンジン216は、手術パターンにおける異なるロケーションでのパルスエネルギーを示すエネルギーマップ(例えば、手術プロファイルの領域に関連するエネルギーのヒートマップ)を生成し得る。特定の実施態様では、パターンビューアエンジン216は、そのような検流計位置レーザエンジン又はスキャナ特性を表す視覚化を生成し得る。1つ又は複数のそのような視覚化は、パターン設計及び検証システム210に通信可能に結合されたディスプレイ、タブレット、プロジェクタ、又は3D視覚化システム等を使用してオペレータに提示し得る。
【0049】
パターン設計エンジン211、パラメータ定義エンジン212、パターンシミュレーションエンジン213、パターン検証エンジン214、レーザエネルギー管理エンジン215、パターンビューアエンジン216、及びパターンライブラリエンジン217は一緒に、オペレータがカスタマイズされた手術プロファイルを構築、閲覧、且つ変更するための直観的なユーザインターフェース(ディスプレイ、タブレット、プロジェクタ、又は3D視覚化システム等への出力)を提供し得る。例えば、パターン設計エンジン211及びパターンビューアエンジン216は一緒に又は独立して、カスタマイゼーションプロセス中、ディスプレイ、タブレット、プロジェクタ、又は3D視覚化システム等を使用してパターンの二次元又は三次元視覚化(例えば、
図3A及び
図3Bに示される図と同様)をオペレータに提供し得る。ユーザインターフェースは、オペレータが、カスタマイズされたパターンのビュー及び切開の位置、形状、及びサイズ(パターン設計エンジン211に関して上述したように)等のカスタマイズされたパターンの定義可能な側面の位置決め、スケーリング、チルト、回転、又は他の方法での変更を行えるようにし得る。さらに、パラメータ定義エンジン212及びパターンビューアエンジン216は一緒に又は独立して、ユーザインターフェース内に、オペレータがカスタマイズされたパターンに関連するパラメータ値を選べるようにする(パラメータ定義エンジン212に関して上述したように)選択可能な要素(例えば、アイコン、メニュー、テキスト入力等)を提供し得る。したがって、パターン設計及び検証システム210の複数の構成要素は対話して、カスタマイズされたスキャンパターンの構築、変更、及び閲覧を行うためのユーザインターフェースを提供し得る。
【0050】
ターゲット手術システム230を参照すると、一例のOCTスキャンエンジン231は、患者の目に対してOCTスキャンを実行することに関連する1つ又は複数の動作を実行する。OCTスキャンは、干渉法を使用して目の表面上又は眼内の表面又は組織を撮像するOCT造影システムを制御し、患者の実際の眼内の構造の視覚化を生成することができる。幾つかの実施形態では、OCTスキャンエンジン231は、パターン定義ファイル220から、OCTスキャンがターゲット手術システム230に統合され、私達結合されたOCT造影システムのスキャン及び動作をいかに実行し制御すべきかを示す情報(例えば、命令)を受信し得る。
【0051】
一例のパラメータユーザインターフェース232は、パターン定義ファイル220により定義されたカスタマイズされた手術プロファイルの1つ又は複数の側面の視覚化に関連する1つ又は複数の動作を実行する。例えば、パラメータユーザインターフェース232は、パターン定義ファイル220に含まれる手術パターン及びパラメータの視覚化を生成し表示させ得る。幾つかの実施形態では、パラメータユーザインターフェース232は、実行されたとき、カスタマイズされた手術プロファイルがどのように見え得るかの二次元又は三次元視覚化を生成し表示する。幾つかの実施態様では、視覚化は、OCT造影システム、外科用顕微鏡、又は3D視覚化システム等により生成される画像又はビデオフィードにおいて結合、並置、又は重ね得る。例えば、ターゲット手術システム230の顕微鏡及びOCT造影システムからのデータは、パラメータユーザインターフェース232により生成された手術パターンの視覚化と結合して、患者の実際の目に適用される、カスタマイズされた手術プロファイルの視覚化を生成し得る(例えば、外科医に対して)。パラメータユーザインターフェース232は、特定の実施形態では、オペレータ(例えば、外科医)がキーボード、マウス、及びタッチスクリーン等から受信した入力コマンドを使用して、カスタマイズされた手術プロファイルに1つ又は複数の変更を行えるようにし得る。変更は、パターン定義ファイル220に含まれる1つ又は複数の変更制限に基づいて行い得る。
【0052】
一例のパターン生成エンジン233は、パターン定義ファイル220に基づいてターゲット手術システム230の実行可能命令の生成に関連する1つ又は複数の動作を実行する。幾つかの実施形態では、例えば、パターン生成エンジン233は、パターン定義ファイル220において指定される切開及びパラメータに対応する複数のx-y-zスキャン座標を計算し、x-y-zスキャン座標のそれぞれのパルスエネルギーを特定する。幾つかの実施形態では、パターン生成エンジン233は、ターゲット手術システム230の1つ又は複数の特性に基づいて(例えば、ターゲット手術システム230のモデルに基づいて)パターン定義ファイルにおける1つ又は複数のパラメータを最適化することができる。例えば、パターン生成エンジン233は、パターン定義ファイル220を実行するように選択された特定のターゲット手術システム230の機能に基づいて、1つ又は複数の手術制御要素(例えば、レーザエンジン、レーザ伝送システムのスキャン光学要素、又はターゲット手術システム230の他の構成要素)の速度、加速度、又は反復率を最適化し得る。例えば、ターゲット手術システムがレーザパルス反復率変更を「即座」に行うことができる場合、レーザパルス反復率は、手術パターンにおける様々なセグメントで最適化し得る(例えば、切開深度に基づいて)。同様に、ターゲット手術システムがレーザパルスエネルギー変更を「即座」に行うことができる場合、パルス固有のレーザパルスエネルギーは、手術パターンにおける様々なセグメントで最適化し得る(例えば、切開深度に基づいて)。加えて、パターン生成エンジン233は、ターゲット手術システム230に関連する特定のレーザスキャナの物理的特性及び制限を考慮してスキャンパターンを最適化し得る。例えば、パターン生成エンジン233は、y-zスキャン座標に特定のスキャンパターン(例えば、スパイラル、ラスタ等)又はレイヤパターンを生成し得、パターンは、利用されるレーザスキャナの機能及び制限に合わせられ得る。幾つかの場合、そのような最適化は、例えば、スキャンパターンの部分のレーザパルス反復率を増大させ、又はレーザスキャン要素の機能(例えば、検流計ミラーの手術到達範囲等)を考慮に入れること等により、合計処置時間を最短化し得る。幾つかの場合、そのような最適化は、患者の目に適用されている合計エネルギーを制限又は低減し得る。幾つかの実施形態では、最適化は、レーザスポット精度及び正確性を改善し、又はレーザスキャン要素への機械的歪みを低減し得る。
【0053】
一例のパターン実行エンジン234は、ターゲット手術システムでのカスタマイズされた手術プロファイルの実行に関連する1つ又は複数の動作を実行する。例えば、パターン実行エンジン234は、パターン生成エンジン233により生成された命令を実行し得る。パターン実行エンジン234は、ターゲット手術システムの1つ又は複数の手術制御要素を制御し得る。例えば、パターン実行エンジンは、レーザエンジンの発射、レーザスキャナ(x-y-zスキャン座標を通してレーザパルスをスキャンする)におけるスキャン光学要素(例えば、ミラー、集束レンズ等)の運動、又はターゲット手術システム230の他の構成要素を制御し得る。
【0054】
一例のシステム200は、特定の実施形態では、
図2に示されるものに追加、より少数、又は異なる構成要素を含み得る。例えば、パターン設計及び検証システム210又はターゲット手術システム230はそれぞれ、示されるものへの追加のソフトウェアエンジン又はモジュールを含み得る。さらに、システム200の構成要素は、特定の実施形態では、別個のシステムの部分であり得る。例えば、パターン設計及び検証システムに示される特定のエンジンは、異なるコンピュータシステムにおいて記憶又は実行し得る(例えば、エンジンによっては、パターン設計システムに記憶され実行されるものもあれば、パターン検証システムに記憶され実行されるものもある)。
【0055】
図3A及び
図3Bは、例としての眼科手術パターン300を示す図である。示される例では、パターン300は水晶体断片化パターンである。しかしながら、幾つかの実施態様では、眼科手術パターンは、角膜切開パターン、嚢切開パターン、アブレーションパターン、切開開始、又は他のタイプの眼科レーザ手術パターンを含み得る。
図3A及び
図3Bに示される図は、切開線304、306の上面図及び側面図を含み、各パターンは水晶体302に重ねられる。特定の実施形態では、一例の眼科手術パターン300は、レーザベースの眼科手術システムにより患者の目の水晶体に対して実行し得る。幾つかの実施形態では、パターン300は、切開線304に関連する1つ又は複数のパラメータを含み得る(例えば、切開線に沿った1つ又は複数のポイントにおけるレーザパルスエネルギー、切開線の様々なセグメントにおけるレーザパルス反復率、又は両方)。パターン及びパラメータは、パターンをカスタマイズしているか、又はターゲット手術システムでパターンをまさに実行しようとしているオペレータに対してグラフィカルユーザインターフェースにより表示し得る。
図3Aに示される例では、上面図は、水晶体302にセンタリングされた同心円切開線304のパターンを示し、側面図は、水晶体302内の異なる深度における切開線306のパターンを示す。
図3Bに示される例では、上面図は、水晶体302に沿った矩形切開線304のパターンを示し、側面図は、水晶体302内の異なる深度における切開線306のパターンを示す。
【0056】
幾つかの実施形態では、パターン設計システム(例えば、
図1のパターン設計システム104)のオペレータは、
図3A及び
図3Bに示されるパターンの1つ又は複数の態様を定義し変更し得る。例えば、
図1のシステム100を参照すると、パターン300は、パターンリポジトリ110又はパターン設計システム104にローカルに記憶し得る。オペレータにより使用されているパターン設計システム104は、パターン300にアクセスし、ユーザインターフェースを介してパターン及び関連するパラメータをオペレータに表示し得る。幾つかの実施形態では、ユーザインターフェースは、
図3A及び
図3Bに示されるように、パターン300を表示し得る。パターン300は同様に、別の様式で(例えば、テキストベースのインターフェース、3D視覚化等)オペレータに表示することもできる。パターン設計システム104を通して、オペレータはパターン300の1つ又は複数の態様を定義又は変更し得る。例えば、オペレータは、パターン300における特定の切開線304、306を移動させ、切開線304、306をパターン300から削除し、又は追加の切開線304、306をパターン300に追加し得る。オペレータは、切開線304、306を操作し、又は新しい切開線を作成して、カスタマイズされた幾何学的形状若しくは自由形式形状、ボリューム、又はパターンを定義し得る。別の例として、オペレータは、水晶体302内の異なる深度におけるレーザパルスエネルギーレベルを上げる等のように(水晶体を通してより深いところに向かって移動するにつれて、レーザパルスの減衰増大を考慮に入れて)、切開線304、306の1つ又は複数のエネルギーレベルを変更し得る。別の例として、レーザパルス反復率は、手術パターン内の1つ又は複数のセグメントにおいて変更し得る(例えば、減速又は加速)。パターン300の他の態様も同様に変更し得る。パターン300は、カスタマイズされた後、
図4のプロセス400に関して後述するように検証し得る。
【0057】
図4は、カスタマイズされた眼科手術プロファイルを検証する一例のプロセス400を示す流れ図である。一例のプロセス400における動作は、データ処理装置(例えば、
図1の一例のパターン検証システム108のプロセッサ112)により実行し得る。一例のプロセス400における動作は、1つ又は複数の多数のコンピュータデバイスにより実行し得る。例えば、プロセス400の1つ又は複数の動作は、パターン設計コンピュータシステムにより実行し得(例えば、
図1のパターン設計システム104と同様に実施される)、プロセス400の他の動作は、パターン検証コンピュータシステムにより実施し得る(例えば、
図1のパターン検証システム108と同様に実施される)。一例のプロセス400は、追加又は異なる動作を含み得、動作は示される順序又は別の順序で実行し得る。幾つかの場合、
図4に示される動作の1つ又は複数は、複数の動作、サブプロセス、又は他のタイプのルーチンを含むプロセスとして実施される。幾つかの場合、動作は、結合することができ、別の順序で実行することができ、並列に実行することができ、反復することができ、又は他の方法で繰り返し、若しくは別の様式で実行することができる。
【0058】
402において、カスタマイズされた眼科手術プロファイルが取得される。カスタマイズされた眼科手術プロファイルは、眼科手術パターンと、眼科手術パターンに関連する1つ又は複数のパラメータとを含み得る。眼科手術パターンは、水晶体断片化パターン、角膜切開パターン、嚢切開パターン、別のタイプの眼科手術パターン、又はそれらの組合せを含み得る。眼科手術パターンに関連するパラメータは、例えば、眼(例えば、水晶体内)内の様々な切開ポイントにおけるレーザエネルギーレベル、切開線を定義する幾何学的形状又は自由形式形状、眼科手術パターンにおける切開線間の距離(例えば、
図3Aに示されるような同心円切開線の半径又は
図3Bに示されるような断片化パターンにより形成される立方体形状の寸法)、レーザパルス反復率(手術パターンの全体又は異なるセグメントにおける)、又は他のパラメータ(例えば、カスタマイズされた手術プロファイルを実行するターゲット手術システムの動作に関連するパラメータ)を含むことができる。例えば、
図1のシステム100を参照すると、パターン検証システム108は、ターゲット手術システム102の1つ又は複数で実行されることが意図されるカスタマイズされた眼科手術プロファイルを取得し得る。カスタマイズされた眼科手術プロファイルは、実施されるコンピュータプログラムを使用してパターン設計システム104により生成し得る。例えば、
図2のシステム200を参照して、カスタマイズされた眼科手術プロファイルは、上述したように、パターン設計及び検証ツール210におけるエンジンの1つ又は複数を使用して生成し得る。カスタマイズされた眼科手術プロファイルは、更に後述するように、カスタマイズされた眼科手術プロファイルの実行の確認及びカスタマイズされた眼科手術プロファイルを提供するオペレータの認証を要求する検証及びライセンス確認要求を含み得る。
【0059】
404において、パターン定義ファイルが生成される。パターン定義ファイルは、レーザベースの眼科手術システム又はパターン設計及び検証システム210をサポートするコンピュータ若しくはサーバにより実行可能なフォーマットにおいて生成し得る。パターン定義ファイルは、402において取得されたカスタマイズされた眼科手術プロファイルに基づいて、任意の適したシステムにより生成し得る。例えば、
図1のシステム100を参照すると、パターン設計システム104又はパターン検証システム108の何れかは、パターン設計システム104の1つにより開発されたカスタマイズされた眼科手術プロファイルに基づいてパターン定義ファイルを生成し得る。幾つかの実施形態では、パターン定義ファイルは、ターゲット手術システムのタイプ又はモデルに対して非依存であることができる。例えば、パターン定義ファイルは、多くの異なるモデルの眼科手術システムで直接又は間接的に実行し得るようにフォーマットし得る。幾つかの例では、パターン定義ファイルは、異なるモデルの眼科手術システムにより実行されるように実行可能ファイルにコンパイルし得る。
【0060】
406において、402において取得されたカスタマイズされた眼科手術プロファイルの実行がシミュレートされる。シミュレーションは、404において生成されたパターン定義ファイルに基づき得る。幾つかの実施形態では、シミュレーションは、カスタマイズされた眼科手術プロファイルの実行中、レーザベースの眼科手術システムにおける1つ又は複数の手術制御要素をモデリングする。幾つかの実施形態では、カスタマイズされた眼科手術プロファイルをシミュレートすることは、カスタマイズされた手術パターンのレーザスキャン座標、スキャン座標のそれぞれのレーザパルスエネルギーパラメータ、スキャン座標及びシーケンスのそれぞれの検流計位置、並びに処置時間を計算することを含む。例えば、パターン定義ファイル内のパラメータに対応する複数のx-y-zスキャン座標は、カスタマイズされた手術プロファイル内の眼科手術パターンに基づいて生成し得、x-y-zスキャン座標のそれぞれのパルスエネルギーは、カスタマイズされた手術プロファイル内のパラメータに基づいて特定し得る。幾つかの実施形態では、x-y-zスキャン座標の階層パターンを特定することもできる。x-y-zスキャン座標は、ターゲットのレーザベースの眼科手術システムの動作をシミュレートするシミュレーションエンジンにより実行し得る。幾つかの場合、シミュレーションエンジンは、
図2のパターンシミュレーションエンジン213と同様に実施し得る。幾つかの実施形態では、カスタマイズされた眼科手術プロファイルの実行をシミュレートすることは、レーザベースの眼科手術システムの特性に基づいてレーザスキャン座標のレーザパルスパラメータ(例えば、パルスの周波数、持続時間、エネルギー)、スキャンパターン、及び検流計ミラー位置を最適化することを含む。例えば、カスタマイズされた手術プロファイルにより必要とされるレーザパルスの持続時間又はエネルギーは、プロファイルが実行されるターゲットのレーザベースの眼科手術システムの機能に基づいて変更し得る。別の例として、レーザパルス反復率及びスキャンパターンは、ターゲットのレーザベースの眼科手術システムの機能に基づいて変更し得る。手術パターンがターゲット手術システムで実行されるのにかかる全体時間等の実行の他の態様も同様にシミュレートし得る。
【0061】
408において、パターン定義ファイルは、406におけるシミュレーションに基づいて検証される。検証プロセスは、カスタマイズされた手術プロファイルのシミュレートされた実行の各態様の検証を含み得る。幾つかの実施形態では、例えば、検証は、カスタマイズされた手術レーザパターンのシミュレートされた適用の手術ボリューム、局所及び合計エネルギー、及び処置時間を計算し、手術ボリューム、合計エネルギー、及び処置時間がターゲット手術システムの所定の閾値に準拠するか否かを判断することを含む。例えば、検証プロセスは、パターン定義ファイルによって決まる手術ボリュームが所定のボリュームパラメータを超えないこと、レーザエネルギーレベルが所定の合計エネルギー又はダメージ閾値を超えないこと、レーザエネルギーレベルは手術処置に適切である(例えば、意図される処置に安全で有効である)こと、又はレーザパルス反復率及びスキャンパターンがターゲット手術システムの制限を超えない(例えば、レーザスキャナの検流計ミラーの手術到達範囲により課される)ことを確認し得る。幾つかの実施形態では、パターン定義ファイルを検証することは、ファイルをレーザベースの眼科手術システムで実行することができるようにパターン定義ファイルを変更することを含む。例えば、検証前に生成されたパターン定義ファイルは、ターゲット手術システムにより実行可能なフォーマットではないことがある。検証に成功した場合、パターン定義ファイルは、ターゲット手術システムにより実行可能であり得るように変更し得る。幾つかの実施態様では、検証は、パターン定義ファイルに基づいてターゲットのレーザベースの眼科手術システムのシミュレートされた動作を解析するソフトウェアエンジンにより実行し得る。幾つかの場合、検証エンジンは、
図2のパターン検証エンジン214と同様に実施し得る。
【0062】
幾つかの実施形態では、検証プロセスは認証プロセスも含む。認証プロセスは、認証情報確認、ライセンス確認、又はターゲット手術システム若しくはそのオペレータがパターン定義ファイルを実行する許可を有する(例えば、ターゲット手術システムの製造業者若しくはターゲット手術システムのソフトウェアプロバイダから)ことを保証する他のタイプの確認を含み得る。例えば、カスタマイズされた眼科手術プロファイルは、ターゲット手術システムのオペレータの認証情報(例えば、ユーザ名/パスワードの組合せ)又はライセンス認証情報(例えば、オペレータが所有するライセンスのタイプを識別する)を含むライセンス確認要求を含み得、認証プロセスは、認証情報をデータベース内の情報(例えば、オペレータライセンスデータ)と比較して、オペレータがパターン定義ファイルをターゲットシステムで実行する許可を有するか否かを判断し得る。オペレータが許可を有さない場合、オペレータへのメッセージを生成し得る。メッセージは、オペレータが許可を持たなかった理由の説明を含み得る。メッセージはまた、ターゲット手術システムのオペレータがライセンスを取得することができるプロセス(例えば、1回使用、複数回使用、又はサブスクリプションライセンス料を提出することにより)を開始することもできる。
【0063】
410において、検証されたパターン定義ファイルは、ターゲット眼科手術システムでの実行に向けて提供される。例えば、
図1の一例のシステム100を参照すると、パターン検証システム108は、パターン定義ファイルの検証されたバージョンをターゲット手術システム102に直接、又は実行のためにパターン定義ファイルをターゲット手術システム102にロードするパターン設計システム104に提供し得る。幾つかの実施形態では、408においてパターン定義ファイルが検証されない場合、エラーメッセージ又は他の通知を送信し得る。例えば、
図1のシステム100を参照すると、パターン検証システム108は、検証失敗を示すメッセージを生成し、検証のためにパターン定義ファイルをアップロードしたパターン設計システム104に送信し得る。幾つかの実施形態では、410における検証後、パターン定義ファイルはパターンリポジトリに記憶し得る。例えば、
図1の一例のシステム100を参照すると、パターン検証システム108は、パターン定義ファイルを検証し、検証されたパターン定義ファイルをパターン設計システム104又はターゲット手術システム102の1つ又は複数に提供し、次に、検証されたパターン定義ファイルをパターンリポジトリ110に記憶し得、それにより、後にパターンにアクセスし得る(例えば、更なる変更のために又は別のターゲット手術システムによる別の実行のために)。
【0064】
本明細書に記載される趣旨及び動作の幾つかは、デジタル電子回路、本明細書に開示される構造及びその構造的均等物を含むコンピュータソフトウェア、ファームウェア、若しくはハードウェア、又はそれらの1つ又は複数の組合せにおいて実施することができる。本明細書に記載される趣旨の幾つかは、データ処理装置により実行するため又はデータ処理装置の動作を制御するために、コンピュータ可読記憶媒体に符号化された1つ又は複数のコンピュータプログラム、すなわち、コンピュータプログラム命令の1つ又は複数のモジュールとして実施することができる。コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータ可読記憶装置、コンピュータ可読記憶基板、ランダム又はシリアルアクセスメモリアレイ若しくはデバイス、又はそれらの1つ若しくは複数の組合せであることができ、又はそれ(ら)に含まれることができる。さらに、コンピュータ可読記憶媒体は伝搬信号ではないが、コンピュータ可読記憶媒体は、人工的に生成された伝搬信号に符号化されたコンピュータプログラム命令の送信元又は宛先であることができる。コンピュータ可読記憶媒体はまた、1つ又は複数の別個の物理的構成要素又は媒体(例えば、複数のCD、ディスク、又は他の記憶装置)であることもでき、又はそれ(ら)に含まれることもできる。
【0065】
本明細書に記載される動作の幾つかは、1つ若しくは複数のコンピュータ可読記憶装置に記憶されたデータ又は他のソースから受信したデータのデータ処理装置により実行される動作として実施することができる。「データ処理装置」という用語は、例として、プログラマブルプロセッサ、コンピュータ、システムオンチップ、マルチコア、又は上記の組合わせを含め、データを処理する全ての種類の装置、デバイス、及び機械を包含する。装置は、専用論理回路、例えば、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)又はASIC(特定用途向け集積回路)を含むことができる。装置はまた、ハードウェアに加えて、該当するコンピュータプログラムの実行環境を作成するコード、例えば、プロセッサファームウェア、プロトコルスタック、データベース管理システム、オペレーティングシステム、クロスプラットフォーム実行時環境、仮想マシン、又はそれらの1つ若しくは複数の組合せを構成するコードを含むこともできる。
【0066】
コンピュータシステムは、1つの計算デバイス又は互いの近く又は一般に遠くで動作し、通常、通信ネットワークを通して対話する複数のコンピュータを含み得る。通信ネットワークの例には、ローカルエリアネットワーク(「LAN」)及びワイドエリアネットワーク(「WAN」)、インターネットワーク(例えば、インターネット)、衛星リンクを含むネットワーク、及びピアツーピアネットワーク(例えば、アドホックピアツーピアネットワーク)がある。コンピュータシステムは、1つ又は複数のデータ処理装置により実行し得る1つ又は複数のコンピュータプログラムを記憶するコンピュータ可読媒体に結合された1つ又は複数のデータ処理装置と、他のコンピュータシステムと通信するための1つ又は複数のインターフェースとを含み得る。
【0067】
コンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、スクリプト、又はコードとしても知られる)は、コンパイル型言語又はインタプリタ型言語、宣言型言語又は手続き型言語を含め、任意の形態のプログラミング言語で書くことができ、スタンドアロンプログラム又はモジュール、コンポーネント、サブルーチン、オブジェクト、若しくは計算環境での使用に適した他のユニットとして含め、任意の形態で展開することができる。コンピュータプログラムは、ファイルシステム内のファイルに対応しうるが、そうである必要はない。プログラムは、他のプログラム又はデータ(例えば、マークアップ言語ドキュメントで記憶された1つ又は複数のスクリプト)を保持するファイルの一部、プログラム専用の1つのファイル、又は複数の調整されたファイル(例えば、1つ若しくは複数のモジュール、サブプログラム、若しくはコードの部分を記憶するファイル)に記憶することができる。コンピュータプログラムは、1つの場所に配置されるか、又は複数の場所にわたり分散し、通信ネットワークにより相互接続された1つ又は複数のコンピュータで実行されるように展開することができる。
【0068】
本開示の実施形態は、従来のシステム及び方法の制限を克服し得る、カスタマイズされた手術プロファイルの作成、検証、及び再使用を行う方法及びシステムを提供する。上記開示した特徴及び機能、他の特徴及び機能、又はそれらの代替が、本開示に従って、所望のように結合して多くの他の異なるシステム又はアプリケーションにし得ることを理解されよう。現在予期できないか、又は予測できない様々な代替、変更、変形、又は改善を当業者により続けて行い得、それらの代替、変形、及び改善も以下の特許請求の範囲による包含が意図されることも理解されよう。