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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-14
(45)【発行日】2023-11-22
(54)【発明の名称】タイヤ縦力を動的に判断するための方法
(51)【国際特許分類】
   B60C 19/00 20060101AFI20231115BHJP
【FI】
B60C19/00 H
B60C19/00 B
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020543507
(86)(22)【出願日】2019-03-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-08-26
(86)【国際出願番号】 EP2019057848
(87)【国際公開番号】W WO2019185788
(87)【国際公開日】2019-10-03
【審査請求日】2022-03-04
(31)【優先権主張番号】102018204893.2
(32)【優先日】2018-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】591005165
【氏名又は名称】ディーア・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】DEERE AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100117640
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 達己
(72)【発明者】
【氏名】ショット,フロリアン
(72)【発明者】
【氏名】フリッツ,ノルベルト
【審査官】松岡 美和
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-159031(JP,A)
【文献】特開2009-154674(JP,A)
【文献】特開2005-343281(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0207796(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0065834(KR,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0058118(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60C 19/00
B60C 23/06
B60C 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤビード(32,34)に配置された加速度センサ(40)によってタイヤ径方向加速度変化が判断される、タイヤ縦力を動的に判断する方法において、前記タイヤ径方向加速度変化は前記タイヤビード(32,34)内に発生する径方向加速度を特徴付け、判断した前記タイヤ径方向加速度変化から、タイヤ接触面開始点(64)と地面に接触していない部分で最もタイヤ径方向加速度が低い位置である加速度最高点(72)との間の第1の時間または角度(t,φ)と、前記加速度最高点(72)とタイヤ接触面終了点(66)との間の第2の時間または角度(t,φ)とがプロセッサユニット(20)により判断され、タイヤ縦力を特徴付けるタイヤ縦力変化の大きさ及び/または向きは、前記第1の時間または角度(t ,φ と前記第2の時間または角度(t ,φ )との間で検出された前記加速度最高点(72)に対する円周方向のシフトから前記プロセッサユニット(20)によって推定される、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、前記タイヤ縦力変化は、使用されるタイヤの種類に固有の割当テーブルに基づいて前記プロセッサユニット(20)によって判断されることを特徴とする、方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法において、前記割当テーブルは、前記タイヤ(56)の充填圧力及び/またはタイヤ温度に関する情報に応じて、前記プロセッサユニット(20)によって修正されることを特徴とする、方法。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の方法において、駆動力または制動力の影響を受けない移動状態中に判断されたタイヤ縦力変化に基づいて、前記プロセッサユニット(20)によって転がり抵抗変化が判断されることを特徴とする、方法。
【請求項5】
請求項1乃至のいずれか1項に記載の方法において、前記プロセッサユニット(20)の前記タイヤ径方向加速度変化は、前記加速度センサ(40)によって無線で供給されることを特徴とする、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はタイヤ縦力を動的に判断するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
タイヤと支持表面と間の接触領域内で生じるタイヤ縦力を判断するための従来の方法は、通常はドライブトレイン内で生じるトルク比の評価に基づいていた。この種の評価は、複雑であり被駆動輪に関連してのみ可能であった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これにより、本発明の目的は、車両の車輪が駆動しているとき及び自由に回転しているときの両方におけるタイヤ縦力の判断を容易に行うことを可能にする最初に言及した方法を特定することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この目的は、請求項1の発明の特徴を有する方法により達成される。
タイヤビードに配置された加速度センサによってタイヤ加速度変化が判断される、タイヤ縦力を動的に判断する方法の場合では、前記変化は前記タイヤビード内で発生する加速度を特徴付け、タイヤ接触面開始点と加速度最高点との間の第1の時間または角距離と、前記加速度最高点とタイヤ接触面終了点との間の第2の時間または角距離とが、判断した前記タイヤ加速度変化から、プロセッサユニットにより判断され、タイヤ縦力を特徴付けるタイヤ縦力変化の大きさ及び/または向きは、2つの前記時間または角距離の間で検出された対称シフトから前記プロセッサユニットよって推定される。
【0005】
本発明による方法は、空気が充填されたタイヤの支持表面が、硬い円筒と同様に、例えば直線状ではなく、むしろタイヤ接触面とみなされる圧縮の結果生じる接触面の領域で接触するという事実を用いている。縦方向及び横方向に作用するタイヤの力は、ここでタイヤ接触面内の支持表面に伝わる。タイヤ接触面を通って回転するように誘導されている間に、タイヤ半径は、タイヤ接触面終了点のタイヤ接触面の最後でその半径が元々の名目上の半径になる前に、タイヤ接触面開始点で減少される。これは、タイヤ接触面内に円周方向(接戦方向)に作用する力を生じさせる。本発明によると、反対に、その力において外部で生じた変化は、2つの時間または角距離の対称性に応じて配置されたタイヤ接触面に導かれることがわかる。力の比におけるそのような変化は、例えば、車輪の加速または減速している間に、タイヤ接触面と支持表面との間の転がり抵抗によっても生じる。
【0006】
タイヤ縦力変化は、タイヤ加速度変化に基づいて、プロセッサユニットによって、すなわち、タイヤまたはタイヤ接触面の動的挙動を評価することにより、動的に判断され、これにより、タイヤに生じる駆動力及び制動力、及びその転がり抵抗によって概ね特徴付けられる。後者は、対応する転がり抵抗力で表され、それは判断されるタイヤ縦力変化についても同様であることは明らかである。
【0007】
対称シフトは、2つの時間あるいは2つの角距離を比較することにより検出される。後者は、対称シフトはタイヤ円周速度によらないという利点を有している。タイヤにおける加速力または減速力の存在は、検出した対称シフトの向きまたは兆候に応じて直接的に推定することができる。
【0008】
さらに、本発明による方法の有利な改良は、従属請求項からも生じる。
通常、タイヤ縦力変化は、使用されるタイヤの種類に固有の割当テーブルに基づいてプロセッサユニットによって判断され、割当テーブルでは、対称シフトのための多様な所定値が経験的に各々の対応するタイヤ縦力変化の値にリンクされていてもよい。データの品質を向上させるために、割当テーブルは、タイヤの充填圧力及び/またはタイヤ温度に関する情報に応じて、プロセッサユニットによって修正されることが考えられる。これは、これらの2つの変化が、それぞれについて、タイヤ接触面の設計について直接的な影響を有するからである。
【0009】
既に初めに言及したように、判断されたタイヤ縦力変化は、タイヤに沿って転がっている間に生じる転がり抵抗に関する要素と車両の駆動力または制動力に由来する要素とを通常は含んでいる。このように一義的な割当を行うことを可能にするために、先ず第1に、転がり抵抗を特定するために、対応するタイヤ転がり抵抗変化が判断されてもよい。この判断は、駆動力または制動力の影響を受けない移動状態中に判断されたタイヤ縦力変化に基づいて、プロセッサユニットによって行われる。車両がそのような移動状態にあるか否かは、関連する駆動システムまたは制動システムの動作状態から、プロセッサユニットによって容易に推定されることができる。
【0010】
これに関連して、プロセッサユニットによるタイヤの転がり抵抗変化の判断は、駆動力または制動力の影響を受けないそのような移動状態が認識される度に行われてもよく、これにより、支持表面の各々の構成要素に関する最新の値が常に供給される。
【0011】
タイヤ加速度変化は、特に、タイヤ接触面内で接線方向または半径方向に作用する加速度の手段により、加速度センサによって特徴付けられる。また、タイヤ接触面を通って回転するように誘導されている間に生じた半径の変化によるタイヤ円周速度における変動は、プロセッサユニットによって判断されてタイヤ加速度変化を特徴付けるのに用いられる。この用途に、加速度センサに内蔵された慣性測定ユニットが用いられてもよい。
【0012】
さらに、プロセッサユニットのタイヤ加速度変化は、加速度センサによって無線で供給されてもよい。さらにまた、タイヤの種類、及びタイヤの充填圧力及び/またはタイヤ温度に関する情報は、この情報を使用されているタイヤの種類に固有の割当テーブルを選択したり割当テーブルを修正したりするのに用いるために送信されてもよい。Bluetooth(登録商標)またはRFIDトランスポンダによる手段が無線送信として用いられてもよい。タイヤの種類に関連した詳細は、Bluetooth(登録商標)またはRFIDトランスポンダに割り当てられたストレージユニットに格納されている一方、充填圧力及び/またはタイヤ温度はセンサによって供給される。
【0013】
本発明による方法は、添付の図面を参照して以下により詳細に説明される。対応するまたはその機能に関して同等の構成要素は、同じ符号によって示されている。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】例として表され、本発明による方法が実施されている車両の環境を示す。
図2】自由に動いている車輪に生じるタイヤ接触面を示す。
図3】駆動力の増加である追加の動作下で生じるタイヤ接触面の図を示す。
図4】本発明による方法の例示的な実施形態をフローチャートで示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、本発明によるタイヤ縦力を動的に判断するための方法が実行される例として表された車両の環境を示している。
図1に概略的に示す車両環境10は、操舵可能な前輪14と内燃エンジン16で駆動される後輪18とを有する農業用トラクタ12に関連している。ここでの場合では、前輪14は自由に動く状態に形成されているが、代替的に、これらは機械的前輪駆動(MFWD)により農業用トラクタ12の内燃エンジン16に駆動的に接続されていてもよい。
【0016】
さらに、農業用トラクタ12の制御装置構造の一部であるプロセッサユニット20を備えており、この制御装置構造は、CANデータバス22としてだけ示されている。プロセッサユニット20は、Bluetooth(登録商標)またはRFIDレシーバ24、WLANインターフェース26、及び運転者の運転席28に収容された操作制御ユニット30に接続されている。
【0017】
後輪または前輪14,18のそれぞれのタイヤビード32,34に組み込まれたデータ検出ユニット36,38は、それぞれ加速度センサ40、充填圧力センサ42、及び温度センサ44を有している。また、タイヤの種類に固有の詳細が格納された格納ユニット46を有している。代替的に、この詳細は、中央データサーバ48内のWLANインターフェース26を介して読み出されてもよい。データ検出ユニット38と格納ユニット40または中央データサーバ48とから提供された情報は、農業用トラクタ12のBluetoothまたはRFIDレシーバ24とのデータ交換通信52を生成するBluetoothまたはRFIDのトランスポンダ50に供給される。データ検出ユニット36,38は、BluetoothまたはRFIDのトランスポンダ50に含まれたアンテナ54を介して、BluetoothまたはRFIDレシーバ24により誘導的に電力が供給される。代替的に、このデータ検出ユニットは、任意に置き換えられることのできる(リチウム)バッテリまたは車輪の動作を用いる発電機を搭載している。
【0018】
図2は、自由に動いている車輪に生じるタイヤ接触面をさらに示す。
この場合では、「自由に動いている」という記載は、駆動力または制動力の影響を受けていない車輪、すなわち、関連するタイヤが回転運動している間に生じる転がり抵抗による作用下にだけあることを意味していることを理解されたい。
【0019】
農業用トラクタ12の前輪または後輪14,18に割り当てられたタイヤ56は、名目上の半径R=rnomを有している。図2の説明では、タイヤ56は、農業用トラクタ12の現在の移動方向58により、反時計回りに回転している。タイヤ接触力の作用下では、タイヤ56は接触表面60の領域内で圧縮される。この接触表面60は、タイヤ接触面62を形成する。タイヤ接触面62を通って回転するように誘導されている間に、タイヤ半径rは、タイヤ接触面開始点64で減少され、タイヤ接触面62の後端におけるこのタイヤ半径がタイヤ接触面終了点66内で最初の名目上の半径rnomになる前に、最小値rminまで減少する。
【0020】
タイヤビード32,34に組み込まれた加速度センサ40は、ここで生じる加速度をタイヤ加速度変化の形態で測る。例えば、タイヤ加速度変化は、加速度センサ40によって検出された半径方向に作用する加速度を特性付ける。
【0021】
期間Tにおける車輪の1回転について重力加速度gと比較したタイヤ加速度変化の典型的な分析結果を図2の図面に再現する。これによると、それぞれの場合における顕著な加速度ピーク68,70は、タイヤ接触面開始点64とタイヤ接触終了点44とで発生している。タイヤ接触面62の外側では、タイヤ加速度変化は加速度最高点72を経ている。第1、第2、及び第3の時間t,t、tまたは角距離φ,φ,φは、タイヤ接触面開始点64、タイヤ接触面終了点66、及び加速度最高点72の間で発生している。
【0022】
タイヤ56が完全に力を受けない状態では、タイヤ接触面開始点64と加速度最高点72との間の第1の時間tまたは角距離φは、加速度最高点72とタイヤ接触面終了点66との間の第2の時間tまたは角距離φと同じである。これにより、加速度最高点72は、加速度ピーク69,70の間の中央位置Aを有している。円周方向に作用する力がタイヤ接触面62に作用する場合、及びタイヤ56の転がり抵抗から生じる転がり抵抗力Fが存在する場合、これは2つの時間t,tまたは2つの角距離φ,φの間の対称シフトをもたらす。次に加速度最高点72は、現在の移動方向58とは逆向きのオフセットである位置Bとなり、t>tまたはφ>φである。これは、遅れた状態で、タイヤ接触面62を通って回転するように誘導されることに逆らう転がり抵抗力Fの影響に基づいている。
【0023】
図3は、加速させる駆動力である追加的な動作におけるタイヤ接触面の挙動を示している。
駆動力Fは、転がり抵抗力Fに反対向きに重ね合され、図3に示すように、加速度最高点72が位置Cに戻るようにシフト移動され、t´>t>tまたはφ´>φ>φとなる。これに反して、減速させる制動力(不図示)がタイヤ接触面62に作用する場合、加速度最高点72は、反対向きにシフト移動される。
【0024】
タイヤ56に生じる駆動力または制動力と転がり抵抗力とは、タイヤ接触面62に作用するタイヤ縦力である。このタイヤ縦力は、本発明の方法による手段で判断されるタイヤ縦力変化によって以下のように特徴付けられる。
【0025】
図4は、本発明による方法の実施例をフローチャートで示す。
プロセッサユニット20内で行われている方法は、農業用トラクタ12が始動するとき、あるいは操作制御ユニット30を介して手動により、初期化ステップ100で開始される。
【0026】
続いて、第1のメインステップ102では、タイヤ加速度変化は、1回転または複数の回転、または期間Tを介して加速度センサ40によって判断され、タイヤ接触面開始点64と加速度最高点72との間の第1の時間tまたは角距離φ、及び、加速度最高点72とタイヤ接触面終了点66との間の第2の時間tまたは角距離φを判断するためにプロセッサユニット20によって評価される。タイヤ接触面開始点64及びタイヤ接触面終了点は、2つの加速度最高点68,70により、ここでは明確な状態で提供されている(これに関しては図2及び図3参照)。
【0027】
時間t,tについて相互に比較可能な値を得るために、これらはプロセッサユニット20によって、センサで検出された車輪回転速度に基づいて、均一なタイヤ円周速度に標準化されている。このような標準化は、角距離φ,φが用いられる場合は考慮されなくてもよい。後者は、最終的には、センサによって検出された車輪回転速度と相互関係を有するタイヤ円周速度の時間積分によって得られる。
【0028】
第2のメインステップでは、2つの時間t,tまたは角距離φ,φの間で生じる対称シフトがプロセッサユニット20によって判断される。これは、第1及び第2の時間t,tまたは角距離φ,φの間に生じる偏差を判断することによって行われ、t-tまたはφ-φである。
【0029】
使用されるタイヤの種類に固有の割当テーブルに基づいて、プロセッサユニット20はタイヤ縦力変化の大きさ及び/または向きを続いて判断し、割当テーブルでは、対称シフトのための多数の所定値が各々対応する値に経験的にリンクされている。データの品質を向上させるために、タイヤ56の充填圧力及び/またはタイヤ温度に関する情報に応じて、割当テーブルはプロセッサユニット20によって修正される。関連する情報は、プロセッサユニット20のデータ交換接続52を介して、充填圧力センサ42または温度センサ44によって供給される。そのような方法で判断されるタイヤ縦力変化は、通常は転がり抵抗に関連した要素だけでなく、農業用トラクタ12の駆動力または制動力によって生じる要素を含んでいる。このため、明確な割当を行うことを可能にするために、何よりもまず転がり抵抗を特定するために、対応するタイヤ転がり抵抗変化が判断される。これは、第3のメインステップ106でタイヤ縦力変化を再び判断することによって行われ、具体的には、関連する駆動システムまたは制動システムの動作状態に基づいて、農業用トラクタ12が駆動力または制動力の影響を受けていない移動状態であるかをプロセッサユニット20が特定する度に行われる。これは、支持表面のそれぞれの要素に応じて、常に現在のタイヤ転がり抵抗変化のための値をもたらす。
【0030】
第4のメインステップ108では、プロセッサユニット20は、タイヤ転がり抵抗変化によって生成された転がり抵抗に応じて調節されたタイヤ縦力抵抗をもたらす。このタイヤ縦力変化に基づいて、タイヤ56に作用する駆動力及び制動力に関する直接的な結果を出すことができる。
【0031】
例として、これにより調節された転がり抵抗変化だけでなくタイヤ縦力変化が農業用トラクタ12の駆動管理システムの範囲である第5のメインステップ110で用いられる。この駆動管理システムは、とりわけ、農業用トラクタ12の耕作等を行っているときのけん引力を最適化することができる。続いて、本発明による方法は、その後の最終ステップ112で終了する。
(項目1)
タイヤビード(32,34)に配置された加速度センサ(40)によってタイヤ加速度変化が判断される、タイヤ縦力を動的に判断する方法において、前記変化は前記タイヤビード(32,34)内に発生する加速度を特徴付け、判断した前記タイヤ加速度変化から、タイヤ接触面開始点(64)と加速度最高点(72)との間の第1の時間または角距離(t ,φ )と、前記加速度最高点(72)とタイヤ接触面終了点(66)との間の第2の時間または角距離(t ,φ )とがプロセッサユニット(20)により判断され、タイヤ縦力を特徴付けるタイヤ縦力変化の大きさ及び/または向きは、2つの前記時間または角距離(t ,t ,φ ,φ )の間で検出された対称シフトから前記プロセッサユニット(20)によって推定される、方法。
(項目2)
項目1に記載の方法において、前記タイヤ縦力変化は、使用されるタイヤの種類に固有の割当テーブルに基づいて前記プロセッサユニット(20)によって判断されることを特徴とする、方法。
(項目3)
項目2に記載の方法において、前記割当テーブルは、前記タイヤ(56)の充填圧力及び/またはタイヤ温度に関する情報に応じて、前記プロセッサユニット(20)によって修正されることを特徴とする、方法。
(項目4)
項目1乃至3のいずれか1項に記載の方法において、駆動力または制動力の影響を受けない移動状態中に判断されたタイヤ縦力変化に基づいて、前記プロセッサユニット(20)によって転がり抵抗変化が判断されることを特徴とする、方法。
(項目5)
項目1乃至4のいずれか1項に記載の方法において、前記タイヤ加速度変化は、前記タイヤ接触面(62)内で接線方向または半径方向に作用する加速度により、前記加速度センサ(40)によって特徴付けられることを特徴とする、方法。
(項目6)
項目1乃至4のいずれか1項に記載の方法において、前記タイヤ接触面(62)を通って回転するように誘導されている間に生じた半径の変化によるタイヤ円周速度における変動は、前記プロセッサユニット(20)によって判断されて前記タイヤ加速度変化を特徴付けるのに用いられることを特徴とする、方法。
(項目7)
項目1乃至6のいずれか1項に記載の方法において、前記プロセッサユニット(20)の前記タイヤ加速度変化は、前記加速度センサ(40)によって無線で供給されることを特徴とする、方法。
図1
図2
図3
図4