(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-14
(45)【発行日】2023-11-22
(54)【発明の名称】パッケージング機械における連続循環容器コンベア装置
(51)【国際特許分類】
B65G 33/06 20060101AFI20231115BHJP
【FI】
B65G33/06
(21)【出願番号】P 2020550727
(86)(22)【出願日】2019-03-20
(86)【国際出願番号】 EP2019000085
(87)【国際公開番号】W WO2019179657
(87)【国際公開日】2019-09-26
【審査請求日】2022-03-07
(31)【優先権主張番号】102018002280.4
(32)【優先日】2018-03-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】512240327
【氏名又は名称】エルカ
【氏名又は名称原語表記】ERCA
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】シュティークラー,アヒム
(72)【発明者】
【氏名】ピラット,マルセル
(72)【発明者】
【氏名】グリュック,モリッツ
(72)【発明者】
【氏名】グラーフ,ティモ
(72)【発明者】
【氏名】クルル,ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ヴァアス,ダニエル
【審査官】三宅 達
(56)【参考文献】
【文献】特開昭58-171321(JP,A)
【文献】特開2000-128336(JP,A)
【文献】実開平07-043863(JP,U)
【文献】特開2004-212093(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 33/00-33/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パッケージング機械における連続循環容器コンベア装置(10)において、
複数の容器受け(15)を有する
複数のプレート形状の容器キャリア(13)、
互いに対して上下に配置される少なくとも二つの直線コンベア(11、28)であって、
各前記直線コンベア(11、28)は、互いに隣り合って平行に距離を置いて配置される二つの回転従動スクリューコンベア(12、29)を有し、前記容器キャリア(13)
の少なくとも一つは、当該スクリューコンベア(12、29)間の距離に跨るように配置され、当該スクリューコンベア(12、29)にそれぞれ対向するそれぞれの前側に少なくとも一つの係合部(14)を
持ち、該係合部(14)は、駆動運動を伝達するために前記スクリューコンベア(12、29)
の螺旋間に係合するように適合されている、直線コンベア(11、28)、
少なくとも二つの曲線コンベア(20、34)であって、該曲線コンベア(20、34)は、各々曲線案内軌道(21、35)を有し、かつ、各々回転駆動装置(22、36)を有し、該回転駆動装置(22、36)は少なくとも一つの受け口(25)を有し、該受け口(25)は前記容器キャリア(13)と係合させることができる、曲線コンベア(20、34)を備え、
前記曲線コンベア(20、34)のそれぞれが、運搬方向に前記二つの直線コンベア(11、28)の間に配置され、前記スクリューコンベア(12、29)の端部にて、前記容器キャリア(13)は該スクリューコンベア(12、29)から係脱されることができ、かつ後続の前記曲線コンベア(20、34)の前記回転駆動装置(22、30)と係合させることができ、前記直線コンベア(11、28)と前記曲線コンベア(20、34)は循環運搬軌道を形成し、
複数の容器キャリア(13)が、30mm未満の相互の第一の間隔で、かつ平均速度Voで直列になって上側
の前記直線コンベア(11)に沿って運搬されることができること、および該容器キャリア(13)は、前記第一の間隔よりも大きな相互の第二の間隔で、かつ平均速度Vuで下側
の前記直線コンベア(28)に沿って運搬されることができ、該速度Vuが前記速度Voよりも速く、Vu≧1.5Voであることを特徴とする、容器コンベア装置。
【請求項2】
Vu≧2.5Voであることを特徴とする、請求項1に記載の容器コンベア装置。
【請求項3】
前記第一の間隔は10mm未満であることを特徴とする、請求項1または2に記載の容器コンベア装置。
【請求項4】
前記スクリューコンベア(12、29)のうちの少なくとも一つは、軸方向に互いに対して前後に配置される複数のスクリューコンベア部(12a、29a)から形成され、該スクリューコンベア部(12a、29a)は、互いに対して回転固定的に接続されることを特徴とする、請求項1から
3のいずれかに記載の容器コンベア装置。
【請求項5】
レール(17、30)が各スクリューコンベア(12、29)に割り当てられ、該レール(17、30)上で前記容器キャリア(13)は移動されることができることを特徴とする、請求項
1から
4のいずれかに記載の容器コンベア装置。
【請求項6】
前記曲線コンベア(20、34)は、互いに隣り合って距離を置いて配置される二つの案内キャリア(26、38)を有し、該案内キャリア(26、38)には、いずれの場合も、案内軌道(21)が組み込まれることを特徴とする、請求項1から
5のいずれかに記載の容器コンベア装置。
【請求項7】
前記曲線コンベア(20、34)の前記回転駆動装置(22、36)は、互いに隣り合って距離を置いて配置される二つの回転従動ロータ(23、39)を有し、該回転従動ロータ(23、39)は、各々、外周上に分散して配置される数個のロータアーム(24、40)を有することを特徴とする、請求項1から
6のいずれかに記載の容器コンベア装置。
【請求項8】
前記受け口(25、37)の少なくとも一つは、前記ロータアーム(24、40)の各々に配置されることを特徴とする、請求項
7に記載の容器コンベア装置。
【請求項9】
前記受け口(25、37)は、それぞれの前記ロータアーム(24、40)の径方向外側の自由端に配置されることを特徴とする、請求項
8に記載の容器コンベア装置。
【請求項10】
前記受け口(25、37)は、前記容器キャリア(13)の前記係合部(14)と係合させることができることを特徴とする、請求項1から
9のいずれかに記載の容器コンベア装置。
【請求項11】
前記容器キャリア(13)
の少なくとも一つは、
前記スクリューコンベア(12、29)にそれぞれ対向する前記前側に複数のローラ(16)を有し、
各前記前側における該ローラ(16)は前記運搬方向に離間し、前記容器キャリア(13)
の少なくとも一つは、複数の前記ローラ(16)によって前記レール(17、30)上に支持されることを特徴とする、請求項
5に記載の容器コンベア装置。
【請求項12】
前記係合部(14)の一つは、前記容器キャリア(13)とは反対の前記それぞれのローラ(16)の側に取り付けられることを特徴とする、請求項
11に記載の容器コンベア装置。
【請求項13】
それぞれの前記直線コンベア(11、28)の前記スクリューコンベア(12、29)は実質的に構造的に同一であり、下側の前記直線コンベア(28)の前記スクリューコンベア(29)は、上側の前記直線コンベア(11)の前記スクリューコンベア(12)よりも高速に駆動されることを特徴とする、請求項1から12のいずれかに記載の容器コンベア装置。
【請求項14】
請求項1から13のいずれかに記載の連続循環容器コンベア装置を備えるパッケージング機械。
【請求項15】
前記パッケージング機械はカップ充填機械であることを特徴とする、請求項14に記載のパッケージング機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パッケージング機械、特にカップ充填機械における連続循環容器コンベア装置、および対応する容器コンベア装置を備えるパッケージング機械に関する。
【背景技術】
【0002】
下記では、一例としてカップ充填機械を前記パッケージング機械とみなすが、本発明はこの例に制限されない。
【0003】
カップ充填機械には、典型的にはプラスチック製の数個の空のカップが、容器受け、すなわち、いわゆるセルプレートに挿入され、当該容器受けとともに、前記カップ充填機械の様々なワークステーションを通って運搬される。当該ワークステーションとしては、特に、滅菌ステーション、充填ステーション、封止ステーションまたは除去ステーションがある。
【0004】
数個の容器受けが設けられ、当該数個の容器受けは、平行に配置された一対のチェーンの形をした連続循環コンベア装置上に搭載される。前記容器受けが前記コンベア装置の上側走路上にある間は、当該容器受けは、前記カップ充填機械の前記ワークステーションを通って案内されるだろう。前記コンベア装置の前記上側走路の端部にて、前記カップは前記容器受けから除去され、当該容器受けは、特にチェーンホイールを介して下側走路に180°案内され、当該下側走路に沿って前記コンベア装置の反対側の端部まで案内されてから、チェーンホイールによって前記上側走路に戻される。
【0005】
循環チェーンの形をした対応する循環コンベア装置は昔から知られているが、いくつかの不利益と関連している。特に、個々のチェーンリンク間には僅かなあそびがあるが、当該僅かなあそびは、前記チェーンの長さにわたって合計され、ゆえに非精密なコンベアの動きにつながることが不利である。さらに、前記チェーンは、長期の稼働時間のうちに摩耗し、その結果、当該チェーンが伸びるため、前記個別のワークステーションに対する前記コンベア装置の位置は繰り返し調整および再調整されなければならず、これは、一方では時間と費用が掛かり、他方では、この間は前記カップ充填機械が停止するという不利益を有する。
【0006】
チェーンを使用する際、前記容器キャリアは、等しい相互間隔で当該チェーンの全行程にわたって連続的な直列に配置される。前記容器キャリアに挿入された前記カップの操作および充填が行われる前記上側走路の領域では、可能な限り切れ目のない狭いカップ配列ひいては容器キャリア列がなくてはならないため、それに対応して狭い配列は前記上側走路の領域でのみ必要であるが、前記容器キャリアは、前記チェーンの全長にわたって狭い配列で配置されている。このように、多数の容器キャリアが設けられるが、当該多数の容器キャリアのうち、常にごく一部しか同時にカップを充填されていない。その結果、前記カップコンベア装置は比較的高コストである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、容器キャリアの数が最適化されることができる、パッケージング機械における連続循環容器コンベア装置を作製するという問題に対処する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この課題は、請求項1の特徴を有する容器コンベア装置によって解決される。
【0009】
本発明によれば、当該容器コンベア装置は、前記従来の循環チェーンをいくつかの個別のコンベアに分割し、当該数個の個別のコンベアが互いに協働して、連続循環チェーンの運搬運動を再現するという理論から生じる。その際、それぞれ少なくとも一つの回転従動スクリューコンベアの形をした少なくとも二つの直線コンベアが設けられる。前記容器キャリアは少なくとも一つの係合部を有し、当該係合部は、駆動運動の伝達のために前記スクリューコンベアと係合させることができる。前記スクリューコンベアが回転されると、前記係合部の前記係合を介した当該回転運動が、前記容器キャリアの直線変位を引き起こす。
【0010】
さらに、少なくとも二つの曲線コンベアが設けられ、当該曲線コンベアは、各々曲線案内軌道を有する。前記容器キャリアの少なくとも一つの突起は、当該曲線案内軌道と係合させることができるため、前記容器コンベアは、曲線運搬運動中に前記案内軌道に沿って確実に案内される。
【0011】
前記曲線案内軌道に沿う前記駆動運動のために、各曲線コンベアには回転駆動装置が割り当てられ、当該回転駆動装置は少なくとも一つの受け口を有し、当該受け口は前記容器キャリアと係合させることができるため、前記駆動運動は、前記駆動装置から前記容器キャリアに伝達されることができる。
【0012】
前記連続循環コンベア装置を再現するために、前記曲線コンベアのそれぞれは、運搬方向に前記二つの直線コンベアの間に配置されること、すなわち、前記直線コンベアと前記曲線コンベアは、好ましくは交互に配置されることが規定される。その際、特に、前記直線コンベアは、間隔を空けて互いに対して上下に配置されること、および前記直線コンベアの端部領域は、各々曲線コンベアを介して互いに接続されることが規定される。
【0013】
前記直線コンベアおよび曲線コンベアにおける前記連続循環運搬軌道の分割により、一方では、摩耗の結果として生じるチェーンの伸びという不利益が防止され、他方では、より長い稼働期間にわたって精密な運搬運動を保証することができる。前記コンベアのうちの一つが取り替えられなければならない場合、これは、対応する交換可能なモジュールを用いて迅速かつ容易に達成されることができる。
【0014】
前記容器コンベア装置の稼働の際、前記スクリューコンベアの前記回転により、前記容器キャリアは、前記例えば上側の直線コンベアに沿って走行する。前記直線コンベアの前記スクリューコンベアの端部にて、前記容器キャリアの前記係合部は、前記スクリューコンベアから係脱され、同時に、運搬方向に続く前記曲線コンベアの前記回転駆動装置と係合させるため、前記回転駆動装置の前記駆動運動により、前記容器キャリアは、次は前記曲線コンベアに沿って移動される。その際、前記スクリューコンベアの前記駆動運動と前記回転駆動装置の前記駆動運動は同期される。
【0015】
前記曲線コンベアの端部にて、前記容器キャリアは、前記曲線コンベアの前記回転駆動装置から係脱され、同時に、当該容器キャリアの係合部によって前記下側直線コンベアの前記スクリューコンベアと係合させるため、当該容器キャリアは、続いて前記下側直線コンベアに沿って移動される。前記下側直線コンベアの端部にて、この容器キャリアは、上述の方法で前記第二の曲線コンベアに乗り換え、当該曲線コンベアに沿って前記対応する回転駆動装置によって移動され、当該移動の終わりに、前記上側直線コンベアの前記スクリューコンベアに戻される。このようにして、前記直線コンベアと前記曲線コンベアは、循環運搬軌道を形成し、当該循環運搬軌道は、好ましくは、互いに間隔を空けて互いに対して上下に配置される二つの直線コンベアと、前記容器キャリアを180°方向転換させる、前記直線コンベアの端部に配置される曲線コンベアとによって形成される。
【0016】
前記上側直線コンベアに沿って、すなわち、前記上側走路の領域では、複数の容器キャリアが、30mm未満の相互の第一の間隔で、かつ平均速度Voで直列に運搬されることができる。連続した容器キャリアは相互に接触していることもできるため、閉じた直列が形成される。好ましくは、連続した容器キャリア間には、10mm未満のより小さな間隔が設けられる。このようにして、前記上側走路の領域または前記上側直線コンベアの領域に配置される前記ワークステーションが、前記容器キャリアに受容された前記カップおよび容器を連続的に処理し、特に充填および封止を行うことができることが保証される。
【0017】
容器キャリアが、前記上側直線コンベアの端部に配置される前記曲線コンベアによって前記下側直線コンベアに移された後、当該容器キャリアは、前記上側直線コンベアに沿う運搬の前記速度Voよりも速い平均速度Vuで運搬されるが、ここでVu≧1.5Vo、特にVu≧2.5Voである。前記下側直線コンベアに沿う前記運搬中、前記容器キャリアは、したがって、前記第一の間隔よりも大きな相互の第二の間隔で運搬される。このようにして、前記上側走路の領域における連続的な直列の容器キャリアを保証するために要する必要な容器キャリアの数が減少される。
【0018】
好ましくは、前記二つの直線コンベアは実質的に構造的に同一であり、その結果、前記容器コンベア装置の製造が簡素になる。
【0019】
本発明の好適な一実施形態では、前記直線コンベアは、間隔を空けて平行に互いに隣り合って配置される二つのスクリューコンベアを有することが規定される。当該スクリューコンベアは水平に整列されることができ、各々当該スクリューコンベアの長手軸周りに回転可能である。当該スクリューコンベアの前記回転運動は同期され、同じ方向または反対方向に発生し得る。
【0020】
本発明の好適な一実施形態では、前記スクリューコンベアの少なくとも一つ、好ましくは全てのスクリューコンベアは、軸方向に互いに対して前後に配置され、かつ互いに回転固定的に接続されるいくつかのスクリューコンベア部から形成されることが規定される。前記スクリューコンベア部の前記接続は、締め付け、掛止または螺合によって行われることができるため、個別のスクリューコンベア部は、必要に応じて、容易に取り外しおよび取り替えが行われることができる。一つのスクリューコンベアにおける前記スクリューコンベア部の前記接続には、当該スクリューコンベアに対して一つの駆動装置だけで済むという利点がある。
【0021】
前記好ましくはプレート形状の容器キャリアは、前記スクリューコンベア間に配置され、当該容器キャリアは、当該スクリューコンベア間の距離に跨り、当該スクリューコンベアに対向する前側に前記それぞれの係合部を持ち、当該係合部は当該スクリューコンベアの螺旋間に係合するため、当該スクリューコンベアの回転運動中は、軸方向の運搬運動が前記容器キャリアに伝達される。
【0022】
さらなる展開においては、各スクリューコンベアに一つのレールが割り当てられ、当該レール上で前記容器キャリアが移動されることができると規定されることができる。この目的のため、前記容器キャリアは、前記スクリューコンベアに対向する当該容器キャリアの前記前側に、複数の、特にいずれの場合も二つのローラを有することができ、当該ローラは運搬方向に離間させ、当該ローラによって、前記容器キャリアは前記レール上に可動的に支持される。前記レールは、したがって、前記容器キャリアの重量と、場合によっては前記挿入したカップの重量とを受け、当該容器キャリアを方向転換させる。このようにして、前記スクリューコンベアは、前記容器キャリアへの前記運搬運動の伝達のためにのみ機能することができる。
【0023】
前記スクリューコンベア間の前記距離が比較的大きい場合、当該スクリューコンベア間に形成される中間にある空間の中央領域には、さらなる中央レールが形成されることができ、当該中央レール上に前記容器キャリアがさらに支持される。このようにして、比較的大きな容器および重い製品の場合でも、前記容器キャリアのたるみが最大限少なくとも防止されることができる。
【0024】
前記二つの曲線コンベアは好ましくは構造的に同一であり、それにより構成が簡素になる。本発明の好適な一実施形態では、前記曲線コンベアは、互いに隣り合って距離を置いて配置される二つの案内キャリアを有し、当該案内キャリアには、好ましくは180°循環するそれぞれの曲線案内軌道が組み込まれる。当該二つの案内軌道は、前記容器キャリアが、前記曲線コンベアに沿う当該容器キャリアの移動中に確実に案内されることを保証する。
【0025】
前記ローラは、当該ローラを介して前記容器キャリアが当該容器キャリア自体を前記レール上に支持するものだが、各々、特に当該ローラに対して同軸的に配置されることが好ましい係合ローラの形をした前記係合部のうちの好ましくは一つを持つ。このようにして、各容器キャリアは、当該容器キャリアの前側で前記レール上に運搬方向に離間した二つのローラを介して支持され、さらに、運搬方向に互いに離間した二つの係合部または係合ローラを介して前記直線コンベアと係合している。共通のモジュールユニットに、またはさらには共通の構成部品において前記ローラと前記係合部を組み合わせることにより、コンパクトで、機能的に安全な構成になる。
【0026】
前記回転駆動装置は、好ましくは駆動力を前記容器キャリア上の両方の案内キャリアに加えるものであり、前記曲線コンベアに設けられる。前記曲線コンベアの前記回転駆動装置は、距離を置いて互いに隣り合って配置される二つの回転従動ロータを有することができ、当該回転従動ロータは、各々、外周上に分散して配置されるいくつかのロータアームを有する。その際、各案内キャリアに一つのロータが割り当てられることができる。好ましくは、当該ロータは、共通の回転従動軸上に取り付けられるが、ロータごとに別々の駆動装置が設けられることもできる。当該駆動装置は、連続的に、または間欠的に、すなわち、不規則な経路対時間の運動曲線をたどって動作することもできる。
【0027】
前記ロータは、好ましくは中央ハブを有し、当該中央ハブから、前記ロータアームは径方向外方に延出し、自在に突出する。径方向外方に開口する少なくとも一つの受け口が、各ロータアームに割り当てられることができる。当該受け口は、前記容器キャリアが前記直線コンベアから前記曲線コンベアへ移送されるときに当該容器キャリアの前記係合部と係合させることができる。好ましくは、前記結合部は、各自のロータアームの径方向外側の自由端上に配置される。
【0028】
前記容器キャリアが前記直線コンベアに沿って移動され、当該直線コンベアの前記端部に到達すると、運搬方向に進む前記容器キャリアの前記係合部は、まず、前記ロータの前記ロータアームの前記受け口のうちの一つに係合するため、当該容器キャリアは、運搬方向に進む当該容器キャリアの部分が前記曲線コンベアによって引き受けられる。同時に、前記運搬方向に先行する前記係合部は、前記スクリューコンベアから解放される。さらなる運搬運動により、運搬方向に引きずる前記係合部も、前記ロータの前記ロータアームの前記受け口の一つに係合するため、前記容器キャリアのさらなる移動は、前記ロータの回転のみによって生じ、当該回転は、前記ロータアームおよび前記受け口を介して前記容器キャリアに伝達される。その際、前記スクリュー容器の前記駆動運動と前記ロータの前記駆動運動は同期される。
【0029】
前記曲線コンベアの前記端部にて、他方の直線コンベアへの前記容器部の対応する反転移送が生じる。このようにして、前記容器キャリアの移動が高精度で達成されることができる連続循環容器コンベア装置が存在する。
【0030】
本発明は、上記の説明に係る連続循環容器コンベア装置を備えるパッケージング機械も含み、当該パッケージング機械は、好ましくはカップ充填機械である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
本発明のさらなる詳細および特徴は、図面を参照する例示的な一実施形態の下記の説明から見えてくる。当該図面は以下を示す。
【
図1】本発明に係る連続循環容器コンベア装置の斜視図である。
【
図2】運搬運動の第一の段階における
図1に係る前記容器コンベア装置のいくつかの構成部品の斜視図である。
【
図3】前記運搬運動の第二の段階における
図1に係る前記容器コンベア装置のいくつかの構成部品の斜視図である。
【
図4】前記運搬運動の第三の段階における
図1に係る前記容器コンベア装置のいくつかの構成部品の斜視図である。
【
図5】前記運搬運動の第四の段階における
図1に係る前記容器コンベア装置のいくつかの構成部品の斜視図である。
【
図6】前記運搬運動の第五の段階における
図1に係る前記容器コンベア装置のいくつかの構成部品の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1は、パッケージング機械、特にカップ充填機械における本発明に係る連続循環容器コンベア装置10の基本的な構成部品の斜視図を示す。当該容器コンベア装置10は、上側直線コンベア11を有し、当該上側直線コンベア11は、距離を置いて互いに隣り合いかつ互いに平行に配置される二つのスクリューコンベア12を有し、当該二つのスクリューコンベア12は、実質的に水平に延在し、いずれの場合も、
図1の矢印R
1で示すように、当該スクリューコンベア12の長手軸周りに回転駆動される。前記図示の例示的な実施形態における各スクリューコンベア12は、二つの同軸的に配置されたスクリューコンベア部12aからなり、当該二つのスクリューコンベア部12aは、接続領域で互いに対して回転固定的に接続されているため、一体的に回転する。
【0033】
容器受け15として機能する複数の凹みを各々が持つ複数のプレート形状の容器キャリア13は、前記二つのスクリューコンベア12間に配置される。対応する容器キャリアは、セルプレートとも呼ばれている。
【0034】
レール17(
図2も参照)は、各スクリューコンベア12に平行に、前記それぞれの他方のスクリューコンベア12に対向する側で延在している。当該レール17は、前記上側直線コンベア11内での前記容器キャリア13の移動中に当該容器キャリア13の支持を担う。前記スクリューコンベア12に対向する前記容器キャリア13の各々の前側には、二つのローラ16が運搬方向に互いに離間して配置され、当該二つのローラ16を介して、前記容器キャリア13は前記レール17上に支持される(
図8を参照)。
【0035】
さらなる中央レール18は、前記二つのスクリューコンベア12間の中間にある空間に配置され、当該中央レールは、前記レール17に平行に延在し、前記容器キャリア13を当該中央レール18上に載置することによって、中央領域において、前記上側直線コンベア11内での前記容器キャリア13の運搬中に当該容器キャリア13を支持するように機能する。
【0036】
構造が実質的に同一の下側直線コンベア28は、前記上側直線コンベア11の下方に間隔を空けて配置され、当該下側直線コンベアは、同様に二つの平行なスクリューコンベア29を有し、当該スクリューコンベア29は、矢印R
2で示すように、回転駆動される。前記図示の例示的な実施形態における各スクリューコンベア29は、二つの同軸的に配置されたスクリューコンベア部29aからなり、当該二つのスクリューコンベア部29aは、接続領域で互いに回転固定的に接続されているため、一体的に回転する。前記下側直線コンベア28も二つのレール30(
図2を参照)を有し、当該二つのレール30は、前記それぞれのスクリューコンベア29に平行に延在する。さらに、前記容器キャリア13を支持する中央レール31が設けられる。
【0037】
前記スクリューコンベア12または29に対向する前記ローラ16の前側に、前記容器キャリア13は係合部14を有し、当該係合部14は、前記それぞれのローラ16に対して同軸的に配置される係合ローラの形で組み込まれる(
図8を参照)。当該係合部14は、前記スクリューコンベア12または29の回転が、前記レール17または30に沿う前記容器キャリア13の直線変位を生じるように、前記スクリューコンベア12または29と係合することができる。
【0038】
曲線コンベア20または34は、前記上側直線コンベア11または前記下側コンベア28の軸方向端部にそれぞれ設けられる。当該曲線コンベア20または34は、各々二つの案内キャリア26、38を有し、当該二つの案内キャリア26、38には、いずれの場合も、幾分半円形の曲線状の案内軌道21または35が組み込まれる。当該案内軌道21または35は、前記上側直線コンベア11の前記割り当てられたレール17の端部を前記下側直線コンベア28の前記割り当てられたレール30の端部に接続する。
【0039】
さらに、各曲線コンベア20または34は、回転駆動装置22または36を有する。当該駆動装置22または36は回転従動シャフト27または41を備え、当該回転従動シャフト27または41は、矢印R
3またはR
4によって示すように、当該回転従動シャフト27または41の長手軸周りに回転可能である。当該シャフト27または41に対して固定的に接続されるそれぞれのロータ23または39は、それぞれ前記案内キャリア26または38の領域で当該シャフト27または41上に着座させる。各ロータ23または39は、前記シャフト27または41から径方向外方に延出する三つのロータアーム24または40(
図7も参照)を有し、当該三つのロータアーム24または40は、当該ロータアーム24または40の径方向外側の自由端で径方向外方に開口する複数の受け口25または37を有する。当該受け口は、当該受け口の設計において前記容器キャリア13の前記係合部14の大きさに適応させているため、係合部14は、前記受け口25または37にぴったりと嵌るように受容される。
【0040】
下記では、
図2から
図6に基づき、前記上側直線コンベア11から前記曲線コンベア20へ、次に当該曲線コンベア20から前記下側直線コンベア28への容器キャリア13の移送を説明する。
図2に描写する位置では、前記容器キャリア13は前記上側直線コンベア11にある。前記スクリューコンベア12を回転させることにより、前記レール17に沿う前記容器キャリア13の直線運搬運動は、当該スクリューコンベア12に前記係合部14が係合することによって生じ、前記容器キャリア13は、当該容器キャリア13自体を、前記ローラ16を介して前記レール17上さらには前記中央レール18上に支持する。前記コンベアの方向の前記容器キャリア13の前記係合部14同士の距離は、前記スクリューコンベア12に沿う前記運搬運動の際に、前記軸方向に配置されたスクリューコンベア部12a間の前記接続領域12bにおいて得られる間隔を跨ぐ、すなわち、前記コンベアの動きのいずれの状態においても、少なくとも一つの係合部14が、前記スクリューコンベア部12aのうちの一つと係合しているような距離である。
【0041】
前記直線運搬運動の終わりでは、前記容器キャリア13は、前記上側直線コンベア11の前記スクリューコンベア12の端部領域に到達している。前記スクリューコンベア12の動きと前記ロータ23の動きは、前記ロータアーム24の前記自由端上に組み込まれた前記受け口25が、前記運搬方向に走行する前記容器キャリア13に取り付けられた前記ローラ16の前記係合部14と下方から係合するように同期される。その直後(
図3)、前記運搬方向に引きずる前記ローラ16の前記係合部14は、前記上側直線コンベア11の前記スクリューコンベア12から解放されるため、さらなる運搬運動は前記ロータ23によって発生する。前記容器キャリア13は、ここで全ての係合部14によって前記ロータ23の前記受け口25に係合する。
【0042】
前記ロータ23の回転運動により、前記容器キャリア13は、前記曲線案内軌道21に沿って移動し(
図4)、その際、当該容器キャリア13が前記案内軌道21の端部に到達するまで旋回し、
図5に描写するように、少なくとも前記運搬方向に走行する当該容器キャリア13のローラ16が、前記下側直線コンベア28の前記レール30上にある状態で停止する。
【0043】
前記容器キャリア13のさらなる送り運動の際、前記運搬方向に走行する当該容器キャリア13の係合部14は、前記下側直線コンベア28のスクリューコンベア29に係合する。同時に、前記ロータ23の前記受け口25は、前記運搬方向に引きずる前記容器キャリア13の前記係合部14から係脱される(
図5)ため、前記下側直線コンベア28の前記スクリューコンベア29の回転運動の結果、前記容器キャリアは、
図6に描写するように、前記レール30に沿って移動するが、当該容器キャリア13は、前記下側直線コンベア28の前記中央レール31上にも載っている。
【0044】
前記下側直線コンベア28の前記端部では、同様にして、前記容器キャリア13の移送およびさらなる運搬が前記曲線コンベア34によって行われ(
図1を参照)、その直後に、当該容器キャリア13は、上記のようにして再度前記上側直線コンベア11への移送が行われる。
【0045】
図1が示すように、前記上側直線コンベア11とともに、複数の容器キャリア13が、連続的な直列になって同時に運搬され、前記運搬方向に前後に配置された二つの容器キャリア13は、直接当接しているか、好ましくは30mm未満、特に10mmという短い距離を置いて運搬される。このようにして、連続的な配列の容器キャリアひいては当該容器キャリアに配置される容器があり、当該容器は、前記上側直線コンベア11に沿う運搬中に、様々なワークステーションを通過し、特に充填および封止が行われる。
【0046】
前記二つの曲線コンベア20と34間の前記上側直線コンベア11に沿う前記容器キャリア13の運搬の際、当該容器キャリア13は、平均速度V
oで運搬されることが想定される。原理上は、前記下側直線コンベア28に沿う前記容器キャリアの運搬の際も同じ速度で当該容器キャリアを運搬することが可能だろう。これは結果的に、前記上側直線コンベア11の運搬軌道の始めに一つの容器キャリア13が常に利用可能であることを保証するために、前記下側直線コンベア28に沿っても、連続的な直列の容器キャリア13が提供されなければならなくなるだろう。これは多くの容器キャリア13を必要とすることになるため、前記下側直線コンベア28に沿う前記容器キャリア13の運搬の際は、当該容器キャリア13は、前記速度V
oよりも実質的に速い平均速度V
uで運搬されることが規定される。特に、V
u≧1.5V
oと規定されることができる。特に、V
u≧2.5V
o、またはV
u≧3V
oでもよい。その結果、
図1に示すように、より少ない容器キャリア13で済む。