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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-14
(45)【発行日】2023-11-22
(54)【発明の名称】軟組織インプラントポケット
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/12 20060101AFI20231115BHJP
   C08G 18/08 20060101ALI20231115BHJP
【FI】
A61F2/12
C08G18/08
【請求項の数】 23
(21)【出願番号】P 2020554331
(86)(22)【出願日】2018-12-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-02-22
(86)【国際出願番号】 AU2018051385
(87)【国際公開番号】W WO2019119060
(87)【国際公開日】2019-06-27
【審査請求日】2021-12-17
(31)【優先権主張番号】2017905178
(32)【優先日】2017-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(73)【特許権者】
【識別番号】520221671
【氏名又は名称】ポリノボ バイオマテリアルズ ピーティーワイ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ブレナン,ポール
(72)【発明者】
【氏名】ムーア,ティモシー グレーム
【審査官】細川 翔多
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2011/0309541(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0249924(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0256777(US,A1)
【文献】特表2009-508598(JP,A)
【文献】特開2014-014720(JP,A)
【文献】特表2011-502719(JP,A)
【文献】特表2013-526344(JP,A)
【文献】特開2016-174938(JP,A)
【文献】国際公開第2017/037649(WO,A1)
【文献】特開2004-130118(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/12
A61F 2/52
C08G 18/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内表面、外表面および乳房インプラントを入れるサイズを有する開口部を含む、軟組織インプラントポケットであって、
前記ポケットの少なくとも前記外表面が、生分解性ポリウレタンフォームを含み、前記生分解性ポリウレタンフォームが、細胞浸潤のために構成された細孔構造を含み、
前記ポリウレタンフォームの平均細孔径が、50μm~600μmの範囲であり、
前記ポリウレタンフォームが、1つまたは複数の生分解性ポリオールおよび1つまたは複数のイソシアネートから誘導されるか、または、前記ポリウレタンフォームが、1つまたは複数の生分解性ポリオール、および1つまたは複数の非生分解性ポリオールの混合物、ならびに1つまたは複数のイソシアネートから誘導され、
前記インプラントポケットが、添加された細胞の生物学的実体を含まない、
軟組織インプラントポケット。
【請求項2】
前記ポケットの前記内表面が、ポリウレタンフォームを含む、請求項1に記載の軟組織インプラントポケット。
【請求項3】
前記フォームが、熱硬化性である、請求項1または2に記載の軟組織インプラントポケット。
【請求項4】
前記フォームが、約0.1mm~約10mmの間、または約0.2mm~約5mmの間、または約0.3mm~約3mmの間、または約0.3mm~約2mmの間の厚さを有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の軟組織インプラントポケット。
【請求項5】
前記ポリウレタンフォームの平均細孔径が、75μm超、または100μm超、または200μm超、または300μm超、または400μm超である、請求項1~4のいずれか一項に記載の軟組織インプラントポケット。
【請求項6】
前記フォームの平均細孔径が、100~300μmの間である、請求項1~5のいずれか一項に記載の軟組織インプラントポケット。
【請求項7】
ASTM F1635条件下で、前記フォームの質量が、1年もしくはそれ未満、または11カ月もしくはそれ未満、または10カ月もしくはそれ未満、または9カ月もしくはそれ未満、または8カ月もしくはそれ未満、または7カ月もしくはそれ未満、または6カ月もしくはそれ未満、または5カ月もしくはそれ未満、または4カ月もしくはそれ未満、または3カ月もしくはそれ未満、または2カ月もしくはそれ未満、または1カ月もしくはそれ未満の期間で10%~90%の間低減するように、前記ポリウレタンフォームが分解する、請求項1~6のいずれか一項に記載の軟組織インプラントポケット。
【請求項8】
前記インプラントが、芳香族官能基を実質的に含まない、請求項1~7のいずれか一項に記載の軟組織インプラントポケット。
【請求項9】
前記軟組織インプラントポケットの前記フォームが、in vivo条件下で10日経過した後、いずれの表面の表面積においても、その収縮が、独立に20%未満、または15%未満、または10%未満、または5%未満である、請求項1~8のいずれか一項に記載の軟組織インプラントポケット。
【請求項10】
前記生分解性ポリオールが、ポリエステルポリオールである、請求項1~9のいずれか一項に記載の軟組織インプラントポケット。
【請求項11】
前記生分解性ポリオールが、約10,000ダルトンもしくはそれ未満、または約8,000ダルトンもしくはそれ未満、または約6,000ダルトンもしくはそれ未満、または約4,000ダルトンもしくはそれ未満、または約2,000ダルトンもしくはそれ未満、または約1,500ダルトンもしくはそれ未満、または約1,000ダルトンもしくはそれ未満、または約800ダルトンもしくはそれ未満、または約600ダルトンもしくはそれ未満、または約500ダルトンもしくはそれ未満、または約400ダルトンもしくはそれ未満、または約350ダルトンもしくはそれ未満、または約300ダルトンもしくはそれ未満の分子量を有する、請求項1~10のいずれか一項に記載の軟組織インプラントポケット。
【請求項12】
前記生分解性ポリオールが、1つまたは複数のポリオール開始剤、および1つまたは複数のヒドロキシ酸、二酸または環式エステル、ならびにそれらの組合せから誘導される、請求項11のいずれか一項に記載の軟組織インプラントポケット。
【請求項13】
前記1つまたは複数の非生分解性ポリオールが、ポリエーテルポリオールである、請求項12のいずれか一項に記載の軟組織インプラントポケット。
【請求項14】
前記ポリエーテルポリオールが、グリセロールエトキシレート、グリセロールプロポキシレート、グリセロールエトキシレート-コ-プロポキシレート、グリセロールエトキシレート-ブロック-プロポキシレート、ペンタエリスリトールエトキシレート、ペンタエリスリトールプロポキシレートおよびトリメチロールプロパンプロポキシレートの1つまたは複数から選択される、請求項13に記載の軟組織インプラントポケット。
【請求項15】
前記非生分解性ポリオールが、約10,000ダルトンもしくはそれ未満、または約8,000ダルトンもしくはそれ未満、または約6,000ダルトンもしくはそれ未満、または約4,000ダルトンもしくはそれ未満、または約2,000ダルトンもしくはそれ未満、または約1,500ダルトンもしくはそれ未満、または約1,000ダルトンもしくはそれ未満、または約800ダルトンもしくはそれ未満、または約600ダルトンもしくはそれ未満、または約500ダルトンもしくはそれ未満、または約400ダルトンもしくはそれ未満、または約350ダルトンもしくはそれ未満、または約300ダルトンもしくはそれ未満の分子量を有する、請求項13または14に記載の軟組織インプラントポケット。
【請求項16】
前記ポケットが、前記ポケットの前記内表面上に位置し、前記ポケットの前記内表面を覆うようなサイズを有するポリウレタンライナーをさらに含む、請求項1~15のいずれか一項に記載の軟組織インプラントポケット。
【請求項17】
前記ポケットの前記内表面および前記外表面の間に位置するポリウレタンライナーをさらに含む、請求項2に記載の軟組織インプラントポケット。
【請求項18】
前記ポリウレタンライナーが、熱可塑性であり、及び/又は、
前記ポリウレタンライナーが、生分解性であり、及び/又は、
前記ポリウレタンライナーが、約20μm~約1000μmの間、または約50μm~約500μmの間、または約50μm~約400μmの間の厚さを有する、請求項16または17に記載の軟組織インプラントポケット。
【請求項19】
前記ポリウレタンライナーが、多孔性である、請求項17または18に記載の軟組織インプラントポケット。
【請求項20】
前記多孔性が、積層体を構成する前に、前記ポリウレタンライナーに1つまたは複数の開口を導入することによって付与される、請求項19に記載の軟組織インプラントポケット。
【請求項21】
前記開口のサイズが、0.1mm~5mmの間である、請求項20に記載の軟組織インプラントポケット。
【請求項22】
請求項1~21のいずれか一項に記載の軟組織インプラントポケット、および前記ポケット内に収納されたインプラントを含む、軟組織インプラント。
【請求項23】
請求項1~22のいずれか一項に記載の軟組織インプラントポケットを調製する方法であって、
(a)第1のポリウレタンフォームシートを第2のポリウレタンフォームシート上に置き、それにより前記シートの縁を実質的に整列させる工程と、
(b)インプラントを導入するためのサイズを有する開口部を残すように、前記整列させた縁をヒートシールする工程と
を含み、
前記フォームシートが、請求項1~15のいずれか一項に記載のポリウレタンフォームを含むか、または、
(a)ポリウレタンフォームシートを折り畳んで、シートの縁を実質的に整列させる工程と、
(b)インプラントを導入するためのサイズを有する開口部を残すように、前記整列させた縁をヒートシールする工程と
を含み、
前記フォームシートが、請求項1~15のいずれか一項に記載のポリウレタンフォームを含むか、または、
(a)フォーム/ライナー/フォーム積層体を折り畳んで、前記積層体の縁を実質的に整列させる工程と、
(b)インプラントを導入するためのサイズを有する開口部を残すように、前記整列させた縁をヒートシールする工程と
を含み、
前記フォーム/ライナー/フォーム積層体が、請求項1~15のいずれか一項に記載のポリウレタンフォームおよび請求項1621のいずれか一項に記載のライナーを含むか、または、
(a)第1のフォーム/ライナー/フォーム積層体を第2のフォーム/ライナー/フォーム積層体上に置いて、前記積層体の縁を実質的に整列させる工程と、
(b)インプラントを導入するためのサイズを有する開口部を残すように、前記整列させた縁をヒートシールする工程と
を含み、
前記フォーム/ライナー/フォーム積層体が、請求項1~15のいずれか一項に記載のポリウレタンフォームおよび請求項1621のいずれか一項に記載のライナーを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本開示は、被膜拘縮の発生を低減し、またインプラントの移動を低減する、軟組織インプラントポケットに関する。そのポケットは、生分解性の生体適合性ポリウレタンフォームを含み、例えば、豊胸術および乳房再建術に使用される。
【背景技術】
【0002】
[0002] 軟組織インプラントは、化粧用、美容用、および再建用の目的で広範に使用されている。ある場合には、軟組織インプラントの導入によって生じる潜在的な有害事象の1つが、被膜拘縮である。インプラントが導入された直後、身体の自然な炎症応答が始まって、インプラントの周囲に線維性被膜の形態のコラーゲンが沈着する。
【0003】
[0003] 被膜形成および被膜拘縮に伴う問題は、ペースメーカー、硬膜(dura matter)代用品、埋込式心臓除細動器、ならびに乳房インプラントおよび他の美容用のインプラントなどの多くのインプラントタイプに関連して生じる。
【0004】
[0004] 豊胸術の被膜拘縮は、内部瘢痕組織が、乳房インプラントの周囲に密なまたは収縮する被膜を形成すると生じて、変形し硬化するまで被膜を収縮させる。その結果、乳房に痛みおよび硬さを感じる場合があり、被膜は、乳房の外観または形状に影響を及ぼすおそれがある。これは、シリコーンおよび生理食塩水のインプラントの両方に関して生じ得る。
【0005】
[0005] 乳房インプラントの被膜拘縮は、さらなる手術の最も一般的な指標となる。臨床的に重大な被膜拘縮の報告率は、15~45%の間である(Incidence of capsular contracture in silicone versus saline cosmetic augmentation mammoplasty: A meta-analysis, Y. El-Sheik et al, Can J Plast Surg Vol 16, No 4, 211)。
【0006】
[0006] 表面が平坦なインプラントは、被膜形成および被膜拘縮を最も受けやすく、拘縮を低減するための研究では、表面のテクスチャリングが使用されてきた。一部の環境では、特にインプラントの表面形態がテクスチャ的に一貫していない場合、コラーゲンの形成が不均一になって、身体的に不快な、視覚的に目障りな塊、すなわち「縫い目」または不均一な身体外表面が形成されるおそれがある。
【0007】
[0007] これに関して、被膜形成および被膜拘縮を低減するための研究では、テクスチャ加工されたポリウレタンコーティングが使用されてきた(Polyurethane-coated Breast Implants Revisited: A 30-Year Follow-Up, N. Castel et al, Arch Plast Surg 2015, 42, 186)。
【0008】
[0008] しかし1992年に、食品医薬局(FDA)は、シリコーン乳房インプラントが乳がんに関連する可能性を理由として、シリコーン乳房インプラントの使用の一時停止を発表した。また、芳香族イソシアネートから誘導されたポリウレタンは、in vitroで潜在的に発癌性のある副生成物に分解することが示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
[0009] したがってこの分野では、生体適合性の生成物を使用して、被膜形成および被膜拘縮を低減し、または失くしさえする手段が必要である。本開示は、これらの必要に対処する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
[00010] 従来の任意の刊行物(またはそれから導き出される情報)または公知の任意の事項への本明細書における言及は、その従来の刊行物(またはそれから導き出された情報)または公知の任意の事項が、本明細書が関係する技術分野における一般常識の一部を形成することを確認もしくは承認するものでもなく、または示唆するいかなる形態でもなく、そのように解釈されるべきではない。
【0011】
[00011] 第1の態様では、本開示は、内表面、外表面およびインプラントを入れるサイズを有する開口部を含む、軟組織インプラントポケットであって、ポケットの少なくとも外表面が、ポリウレタンフォームを含み、前記フォームが、細胞浸潤のために構成された細孔構造を含む、軟組織インプラントポケットを提供する。
【0012】
[00012] 第2の態様では、本開示は、内表面および外表面を含む軟組織インプラントポケット、ならびにポケット内にシールされたインプラントを含む、軟組織インプラントであって、ポケットの少なくとも外表面が、ポリウレタンフォームを含み、前記フォームが、細胞浸潤のために構成された細孔構造を含む、軟組織インプラントを提供する。
【0013】
[00013] 一部の実施形態では、インプラントポケットの内表面は、ポリウレタンフォームを含む。換言すれば、ポケットの構造材料は、実質的にポリウレタンフォームからなっていてもよい。
【0014】
[00014] 他の実施形態では、インプラントポケットの内表面を画定するフォームおよび外表面を画定するフォームは、それらの間に位置するポリウレタンライナー(liner)を有する。換言すれば、ポケットは、例えば、フォーム-ライナー-フォーム材料の2つのシートから構成される。ライナーは、ポケットに強度をもたらす。
【0015】
[00015] 一部の実施形態では、ポリウレタンフォームは、インプラントの表面に固定される。一部の実施形態では、ポリウレタンフォームは、インプラントの表面には固定されないが、フォームポケットの内表面とインプラントの表面の間の空間を最小限に抑えるために、インプラントの表面と密接する。
【0016】
[00016] ポリウレタンフォームは、生分解性であり得る。
【0017】
[00017] 一部の実施形態では、ポケットは、ポケットの内表面を裏打ちする内側ポリウレタンライナーをさらに含む。
【0018】
[00018] 別の態様では、本開示は、
(a)2つまたはそれよりも多い生分解性ポリウレタンフォーム層、および
(b)1つまたは複数のポリウレタンライナー
から構成される軟組織インプラントポケットであって、
ポリウレタンライナーが、フォーム層の間に位置し、
前記フォーム層が、細胞浸潤のために構成された細孔構造を含む、
軟組織インプラントポケットを提供する。
【0019】
[00019] 軟組織インプラントポケットは、使用の際に、被膜拘縮を最小限に抑えるので有利である。
【0020】
[00020] 軟組織インプラントポケットは、以下:
・ポケットを、異なるインプラント形状に適合させることができること、
・ポケットが、インプラントの移動および/または回転および/または転位を最小限に抑えること、
・ポケットの外側表面が、実質的によれず、重なり合わないこと、
・ポリウレタンフォームが、in vivoでの収縮に対して実質的に耐性があること、
・ポリウレタンフォームが、組織の一体化(tissue integration)を可能にすること、
・ポリウレタンフォームが、経時的に分解することができ、したがって、外科的に除去する必要がないこと、
・ポリウレタンフォームが、生体適合性であること
の1つまたは複数を含めたいくつかのさらなる利点を有する。
【0021】
[00021] インプラントポケットは、フォームの1つの連続シートから形成することができ、そのシートは、ポケットを形成するために成型し、形成し、または折り畳むことができる。あるいは、インプラントポケットは、フォームの2つ以上のシートから形成され得る。フォームの2つ以上のシートが使用される場合、シートは、フォームの縁に近いところで共に融合され、縫い目を有するポケットを形成してもよい。一実施形態では、ポケットの結合した縁は、ポケットの外部にある。別の実施形態では、ポケットの結合した縁は、ポケットの内部にある。縫い目の位置は、被膜拘縮を低減する一助になり得る。
【0022】
[00022] 他の実施形態では、縫い目は、外部または内部のいずれにもなく、実質的に突出していない。
【0023】
[00023] ポリウレタンフォームは、熱硬化性ポリウレタンを含んでいてもよく、または熱可塑性ポリウレタンを含んでいてもよい。好ましくは、ポリウレタンフォームは、熱硬化性ポリウレタンを含む。好ましくは、フォームは、架橋ポリウレタンを含む。
【0024】
[00024] ポリウレタンライナーは、熱硬化性ポリウレタンを含んでいてもよく、または熱可塑性ポリウレタンを含んでいてもよい。好ましくは、ポリウレタンライナーは、熱可塑性ポリウレタンを含む。
【0025】
[00025] ポリウレタンライナーは、生分解性ポリウレタンまたは非分解性ポリウレタンを含んでいてもよい。ポリウレタンライナーは、ポリウレタンフォームと異なる速度で、または実質的に同じ速度で分解するように設計することができる。
【0026】
[00026] 本明細書で使用される場合、「生分解性」という用語は、一般に、生物/組織の正常な機能により、好ましくは、無害性、非毒性または生体適合性の生成物に分解することができる能力を指す。
【0027】
[00027] 一部の実施形態では、ポリウレタンフォームは、ポリウレタンライナーよりも急速に分解することができる。
【0028】
[00028] 一部の実施形態では、ライナーは、細胞成長がポリウレタンフォーム内で生じる一方、インプラントの表面とは相互作用できないように、細胞浸潤に対するバリアを提供する。
【0029】
[00029] 軟組織インプラントポケットは、様々なインプラントのためのカバーとして使用される。ポケットは、シリコーンまたは生理食塩水の乳房インプラントのための被覆として使用することができる。
【0030】
[00030] ポリウレタンフォームは、in vivo条件下で10日経過した後、いずれの表面の表面積においても、その収縮が、独立に20%未満、または15%未満、または10%未満、または5%未満であり得る。
【0031】
[00031] ポリウレタンフォームは、in vivo条件下で20日経過した後、またはin vivo条件下で60日経過した後、またはin vivo条件下で90日経過した後、またはin vivo条件下で120日経過した後、またはin vivo条件下で200日経過した後、またはin vivo条件下で1年経過した後、またはin vivo条件下で2年経過した後、いずれの表面の表面積においても、その収縮が、独立に20%未満、または15%未満、または10%未満、または5%未満であり得る。
【0032】
[00032] ポリウレタンライナーは、in vivo条件下で10日経過した後、いずれの表面の表面積においても、その収縮が、20%未満、または15%未満、または10%未満、または5%未満であり得る。
【0033】
[00033] ポリウレタンライナーは、in vivo条件下で20日経過した後、またはin vivo条件下で60日経過した後、またはin vivo条件下で90日経過した後、またはin vivo条件下で120日経過した後、またはin vivo条件下で200日経過した後、またはin vivo条件下で1年経過した後、またはin vivo条件下で2年経過した後、いずれの表面の表面積においても、その収縮が、独立に20%未満、または15%未満、または10%未満、または5%未満であり得る。
【0034】
[00034] 軟組織インプラントポケットのポリウレタンフォームは、約0.1mm~約10mmの間、または約0.2mm~約5mmの間、または約0.3mm~約3mmの間、または約0.3mm~約2mmの間の厚さを有してもよい。フォームは、約10mm未満、または約6mm未満、または約4mm未満、または約2mm未満、または約1mm未満、または約0.5mm未満の厚さを有してもよい。
【0035】
[00035] 好ましくは、フォームは、0.3mm~約3mmの間の厚さを有する。
【0036】
[00036] ポリウレタンライナーは、約20μm~約1000μmの間、または約50μm~約500μmの間、または約50μm~約400μmの間の厚さを有してもよい。
【0037】
[00037] 一部の実施形態では、フォームは、約0.3mm~約3mmの間の厚さを有することができ、ライナーは、約50μm~約400μmの間の厚さを有してもよい。
【0038】
[00038] 一部の実施形態では、フォームは、約0.3mm~約1mmの間の厚さを有することができ、ライナーは、約100μm~約300μmの間の厚さを有してもよい。
【0039】
[00039] 一部の実施形態では、フォームは、非網状フォームであり得る。一部の実施形態では、フォームは、網状フォームであり得る。フォームは、相互接続する細孔を有してもよい。好ましくは、フォームは、非網状フォームである。
【0040】
[00040] 本明細書で使用される場合、「非網状」ポリウレタンフォームという用語は、化学物質(例えば、アルカリ溶液)、熱(例えば、制御された水素および酸素の燃焼)、または溶媒のいずれかを使用する、セル膜(cell window)を除去するための製造後工程を受けていないポリウレタンフォームを指す。
【0041】
[00041] 一部の実施形態では、フォームは、3g/100ml~12g/100mlの間、または4g/100ml~10g/100mlの間、または5g/100ml~8g/100mlの間の密度を有してもよい。
【0042】
[00042] 一部の実施形態では、フォームの多孔性は、50%超、または75%超、または80~95%、または95~99.9%であり得る。多孔性は、可能な限り高いと同時に、他の機械的仕様を維持するべきであることが望ましい。多孔性が低すぎると、細孔は、相互接続することができない。多孔性が高すぎると、フォームの構造的完全性が、機械的に損なわれるおそれがある。
【0043】
[00043] 一部の実施形態では、フォームの平均細孔径は、50μm超、または75μm超、または100μm超、または200μm超、または100~600μmの範囲、または100~400μmの範囲であり得る。
【0044】
[00044] 一部の実施形態では、フォームの平均細孔径は、50~600μmの範囲、または60~600μmの範囲、または70~600μmの範囲、または75~400μmの範囲、または75~300μmの範囲、または100~300μmの範囲である。
【0045】
[00045] 好ましくは、フォームの平均細孔径は、75μm超、より好ましくは約100~約300μmの間である。
【0046】
[00046] より好ましくは、平均細孔径は、約100~約300μmの範囲である。
【0047】
[00047] 一部の実施形態では、軟組織インプラントポケットは、フォームとライナーの間に配置された1つまたは複数のさらなる層を含むことができる。1つまたは複数のさらなる層は、接着層および/またはさらなるフォーム層であり得る。
【0048】
[00048] 一部の実施形態では、軟組織インプラントポケットは、芳香族官能基を実質的に含まない。この文脈では、「実質的に含まない」とは、軟組織インプラントポケットが、ポケットの総重量に対して0.1wt%未満、または0.01wt%未満、または0.001wt%未満、または0%の芳香族官能基を含有することを意味する。
【0049】
[00049] 軟組織インプラントポケットは、任意の形状であってよい。好ましい形状には、球形、楕円体、卵形等が含まれる。
【0050】
ポリウレタンフォーム
[00050] 生分解性ポリウレタンフォームは、生物内で生体適合性の分解生成物に生分解可能であり得る。
【0051】
[00051] ポリウレタンフォームは、in vivoで分解可能であり得る。ポリウレタンフォームは、約35℃~約42℃の間の温度で分解可能であり得る。
【0052】
[00052] ポリウレタンフォームは、加水分解によって分解され得る。ポリウレタンフォームは、エステル官能基の加水分解によって分解され得る。
【0053】
フォームのポリオール
[00053] ポリウレタンフォームは、1つまたは複数の生分解性ポリオールおよび1つまたは複数のイソシアネートから誘導され得る。あるいは、ポリウレタンフォームは、1つまたは複数の生分解性ポリオール、および1つまたは複数の非生分解性ポリオールの混合物、ならびに1つまたは複数のイソシアネートから誘導され得る。好ましくは、生分解性ポリオールは、ポリエステルポリオールである。
【0054】
[00054] フォームは、約2000ダルトンもしくはそれ未満、または約1500ダルトンもしくはそれ未満、または約1300ダルトンもしくはそれ未満の分子量を有する1つまたは複数の生分解性ポリオールから誘導され得る。
【0055】
[00055] 生分解性ポリオールは、約200~約2,000ダルトンの間、または約200~約1,500ダルトンの間、または約200~約1,300ダルトンの間、または約600~約1500ダルトンの間、または約900~約1300ダルトンの間の分子量を有してもよい。
【0056】
[00056] 生分解性ポリオールは、約10,000ダルトンもしくはそれ未満、または約8,000ダルトンもしくはそれ未満、または約6,000ダルトンもしくはそれ未満、または約4,000ダルトンもしくはそれ未満、または約2,000ダルトンもしくはそれ未満、または約1,500ダルトンもしくはそれ未満、または約1,000ダルトンもしくはそれ未満、または約800ダルトンもしくはそれ未満、または約600ダルトンもしくはそれ未満、または約500ダルトンもしくはそれ未満、または約400ダルトンもしくはそれ未満、または約350ダルトンもしくはそれ未満、または約300ダルトンもしくはそれ未満の分子量を有してもよい。
【0057】
[00057] 生分解性ポリオールは、500ダルトン未満、または400ダルトン未満、または350ダルトン未満、または300ダルトン未満の分子量を有してもよい。
【0058】
[00058] 生分解性ポリオールは、20℃および大気圧で液体状態であり得る。あるいは、生分解性ポリオールは、20℃および大気圧で固体状態であり得る。一部の実施形態では、ポリオールは、20℃で固体および液体の混合物の形態であり得る。
【0059】
[00059] 生分解性ポリオールは、1つまたは複数のポリオール開始剤、および1つまたは複数のヒドロキシ酸、二酸または環式エステル、ならびにそれらの組合せから誘導され得る。
【0060】
[00060] 一部の実施形態では、生分解性ポリオールは、1つまたは複数のポリオール開始剤および少なくとも1つのヒドロキシ酸から誘導され得る。
【0061】
[00061] 一部の実施形態では、生分解性ポリオールは、1つまたは複数のポリオール開始剤および少なくとも1つの二酸から誘導され得る。
【0062】
[00062] 一部の実施形態では、生分解性ポリオールは、1つまたは複数のポリオール開始剤および少なくとも1つの環式エステルから誘導され得る。
【0063】
[00063] 一部の実施形態では、生分解性ポリオールは、1つまたは複数のポリオール開始剤、少なくとも1つのヒドロキシ酸、および少なくとも1つの二酸から誘導され得る。
【0064】
[00064] 一部の実施形態では、生分解性ポリオールは、1つまたは複数のポリオール開始剤、少なくとも1つのヒドロキシ酸、および少なくとも1つの環式エステルから誘導され得る。
【0065】
[00065] 一部の実施形態では、生分解性ポリオールは、1つまたは複数のポリオール開始剤、少なくとも1つの二酸、および少なくとも1つの環式エステルから誘導され得る。
【0066】
[00066] 一部の実施形態では、生分解性ポリオールは、1つまたは複数のポリオール開始剤、少なくとも1つのヒドロキシ酸、少なくとも1つの二酸、および少なくとも1つの環式エステルから誘導され得る。
【0067】
[00067] 1つまたは複数のポリオール開始剤は、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、グリセロール、1,4-ブタンジオール、エチレングリコール、ソルビトール、グルコース、スクロース、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、ペンタンジオール、ミオイノシトール、ヘキサメチレンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール、ドデカンジオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール(EHD)、2,2,4-トリメチルペンタン-1,3-ジオール(TMPD)、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、およびそれらの組合せであり得る。
【0068】
[00068] ヒドロキシ酸の非限定的な例として、l-乳酸、d-乳酸、d,l-乳酸、マンデル酸、フェニル-乳酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸またはグリコール酸、およびそれらの組合せが挙げられる。
【0069】
[00069] 環式エステルの非限定的な例として、ε-カプロラクトン、グリコリド、ラクチド、マンデリド(mandelide)およびρ-ジオキサノン、ならびにそれらの組合せが挙げられる。生分解性ポリオールは、開環重合反応または縮合反応を介して調製され得る。
【0070】
[00070] 二酸の非限定的な例として、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸およびヘキサデカン二酸、ならびにそれらの組合せが挙げられる。
【0071】
[00071] 生分解性ポリオールは、開環重合反応もしくは縮合反応を介して、または開環重合反応および縮合反応の両方を介して調製され得る。
【0072】
[00072] 1つまたは複数の非生分解性ポリオールは、ポリエーテルポリオールであり得る。ポリエーテルポリオールは、グリセロールエトキシレート、グリセロールプロポキシレート、グリセロールエトキシレート-コ-プロポキシレート、グリセロールエトキシレート-ブロック-プロポキシレート、ペンタエリスリトールエトキシレート、ペンタエリスリトールプロポキシレートおよびトリメチロールプロパンプロポキシレートの1つまたは複数であり得る。
【0073】
[00073] 1つまたは複数の非生分解性ポリオールは、約2000ダルトンもしくはそれ未満、または約1500ダルトンもしくはそれ未満、または約1300ダルトンもしくはそれ未満の分子量を有してもよい。
【0074】
[00074] 非生分解性ポリオールは、約200~約2,000ダルトンの間、または約200~約1,500ダルトンの間、または約200~約1,300ダルトンの間、または約600~約1500ダルトンの間、または約900~約1300ダルトンの間の分子量を有してもよい。
【0075】
[00075] 非生分解性ポリオールは、約10,000ダルトンもしくはそれ未満、または約8,000ダルトンもしくはそれ未満、または約6,000ダルトンもしくはそれ未満、または約4,000ダルトンもしくはそれ未満、または約2,000ダルトンもしくはそれ未満、または約1,500ダルトンもしくはそれ未満、または約1,000ダルトンもしくはそれ未満、または約800ダルトンもしくはそれ未満、または約600ダルトンもしくはそれ未満、または約500ダルトンもしくはそれ未満、または約400ダルトンもしくはそれ未満、または約350ダルトンもしくはそれ未満、または約300ダルトンもしくはそれ未満の分子量を有してもよい。
【0076】
[00076] 非生分解性ポリオールは、500ダルトン未満、または400ダルトン未満、または350ダルトン未満、または300ダルトン未満の分子量を有してもよい。
【0077】
[00077] 生分解性ポリオールは、フォームに生分解性を付与する。ポリオールは、分子量を制御するために、高い割合の開始剤(または出発剤)を用いて縮合重合または開環重合によって調製することができる。開始剤の量は、ポリオール200g当たり1モルの開始剤~ポリオール5000g当たり1モルの開始剤の間、またはポリオール500g当たり1モルの開始剤~ポリオール2000g当たり1モルの開始剤の間の範囲であり得る。開始剤に適したモノマーの非限定的な例として、ペンタエリスリトール(4個の腕)、トリメチロールプロパン(3個の腕)、グリセロール(3個の腕)、1,4-ブタンジオール(2個の腕)、ミオイノシトール(6個の腕)が挙げられる。開始剤の混合物を利用することができる。ポリオールの混合物を利用することができる。構成成分の数を、最小限に抑えることが好ましい場合がある。しかしある場合には、2個以上または3個以上のポリオールを利用することが有利な場合がある。ポリオールは、2またはそれを超えるヒドロキシル官能価を有することができる。単一のヒドロキシル官能価だけを有するポリオールは、多量に使用される場合、適切なフォームを生じることができない。しかし、少量を使用すると、フォームの特性を調整することができ、例えば、長鎖の親油性鎖を有する数パーセントのモノ-ヒドロキシル化合物を添加すると、フォームの疎水性/親水性に影響を及ぼすことができる。
【0078】
[00078] フォームの分解速度は、非生分解性ポリオールに対する生分解性ポリオールの比を変えることによって制御することができる。製剤から非生分解性ポリオールを低減または排除することによって、より急速に分解するフォームを生成することができ、これは、ある特定の用途において望ましい場合がある。モノマーの選択も、異なるエステル連結の加水分解速度の反応速度差に起因して、分解速度に影響を及ぼすことができる。
【0079】
[00079] 生分解性および非生分解性ポリオールは、軟組織インプラントポケットのフォームにおいて異なる機能を有する。非生分解性ポリオールは、ポリエーテルポリオール、例えばグリセロールエトキシレート、グリセロールプロポキシレートおよびグリセロールエトキシレート-コ-プロポキシレートから選択することができる。このような非生分解性ポリオールは、非生分解性官能基の導入を介して、フォームを安定化することができる。さらに、例えばエトキシレート/プロポキシレート含量によって、親水性/疎水性バランスを制御するための機序を提供することができる。それらは、ガラス転移温度(Tg)を低下させることによって、フォームの弾性を改善することもできる。
【0080】
[00080] 生分解性ポリオールは、非生分解性ポリオールよりも低い分子量では固体であり得、例えば、分子量500のポリカプロラクトンジオールは、室温で固体であり、一方、ポリ(プロピレングリコール)は、かなり高い分子量になるまで液体のままである。高分子量の非生分解性液体ポリオールは、イソシアネート含量を低減するための「フィラー」として作用することができ、したがって、フォームの調製中の過度の発熱反応によるスコーチの可能性を低減することができる。
【0081】
[00081] 生分解性ポリオールは、1つもしくは複数のポリオール開始剤、および少なくとも1つのヒドロキシ酸、および/または環式エステルから誘導され得る。それらは、非生分解性ポリエーテルによってTgが十分に低下しなかった状況で、Tgの低下に寄与することができる。ポリオールは、グリセロールを開始剤とした、ε-カプロラクトン、およびグリコール酸または乳酸の1つに基づく、3個の腕を有するポリオールであり得る。CL:(LAおよび/またはGA)の量は、ガラス転移ならびに分解時間の両方に影響を及ぼし得る。カプロラクトンが多いほど、Tgが低下し、分解速度が上昇する。分子量は、800~1200ダルトンであり得る。分子量は、液体であるのに十分低くてよいが、スコーチを回避するために、反応に多量のイソシアネートを必要としないほど十分に高い。
【0082】
フォームのイソシアネート
[00082] フォームを調製するためのポリウレタンは、1つまたは複数の生分解性ポリオールおよび1つまたは複数のイソシアネートから誘導され得る。フォームを誘導するためのヒドロキシおよび他のイソシアネート反応性官能基に対するイソシアネート官能基のモル比(イソシアネート指数)は、1.0もしくはそれ未満、または0.9もしくはそれ未満、または0.8もしくはそれ未満、または0.7もしくはそれ未満、または0.6もしくはそれ未満であり得る。イソシアネート指数は、0.4~1.0の間、または0.6~0.9の間であり得る。
【0083】
[00083] ポリウレタンフォームは、ポリオールおよびイソシアネートの総重量に対して、20重量%未満、または19重量%未満、または18重量%未満、または17重量%未満、または16重量%未満、または15重量%未満、または14重量%未満、または13重量%未満、または12重量%未満、または11重量%未満、または10重量%未満、または9重量%未満、または8重量%未満のイソシアネート含量(すなわち、NCO官能基の含量)を有する、ポリオールおよびイソシアネートから誘導され得る。フォームは、ポリオールおよびイソシアネートの総重量に対して、5重量%~20重量%の間、または8重量%~17重量%の間、または11重量%~14重量%の間のイソシアネート含量を有してもよい。
【0084】
[00084] 脂肪族イソシアネート由来の分解生成物(例えば、エチルリシンジイソシアネート(ELDI))は、一般に、芳香族ジイソシアネート由来の分解生成物よりも生体適合性が高いとみなされる。したがって、例えばヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)およびELDIのようなイソシアネートは、特に適している場合がある。イソホロンジイソシアネート(IPDI)を使用することもできるが、より高いガラス転移温度を付与する場合があり、それによってフォームが硬化するおそれがある。イソシアネートの組合せを使用することができ、ある場合には、組合せが好ましい場合があり、例えば、HDIおよびIPDIの組合せによって、ガラス転移を調整することができる。トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,4-ブタンジイソシアネート、メチル-リシンジイソシアネート(MLDI)およびポリウレタンの合成において一般に使用される他のイソシアネートも適している場合がある。
【0085】
[00085] イソシアネート指数が低下すると、より急速に分解する、より軟質でより軟弱なフォームが得られる。イソシアネート指数を増大すると、分解時間が増大し得るが、より強力なフォームが得られる。
【0086】
[00086] 生分解性ポリウレタンフォームは、弾性、早期の分解に対する耐性、収縮への耐性、過度の酸性分解生成物の防止、生体適合性、吸水制御、他のポリウレタン層との適合性、および合成中の添加剤の組み込みやすさの特性を含むように設計することができるので、有利である。フォームは、軟質であり、望ましい形状に適合させることができる。
【0087】
[00087] フォームは、特定の速度で分解するように設計することができる。フォームは、例えば3カ月以上、構造的完全性を保持するように設計することができ、または例えば数日、さらには1日もしくは2日もの短期間、構造的完全性を保持するように設計することができる。
【0088】
[00088] ポリウレタンフォームは、ASTM F1635条件下で、フォームの質量が、1年またはそれ未満の期間で約10%~約90%の間低減するように分解することができる。
【0089】
[00089] あるいは、フォームの質量は、11カ月もしくはそれ未満、または10カ月もしくはそれ未満、または9カ月もしくはそれ未満、または8カ月もしくはそれ未満、または7カ月もしくはそれ未満、または6カ月もしくはそれ未満、または5カ月もしくはそれ未満、または4カ月もしくはそれ未満、または3カ月もしくはそれ未満、または2カ月もしくはそれ未満、または1カ月もしくはそれ未満の期間で約10%~約90%の間低減することができる。
【0090】
[00090] ASTM F1635条件下の分解速度は、ポリウレタンフォームの構成成分の性質および比を変えることによって制御することができる。したがって、ポリウレタンは、特定の期間内に分解するように設計することができる。このことは、特定の期間で、例えばポリウレタンフォーム層の機能的態様がもはや必要なくなったときに、部分的に、完全に、または実質的に完全に分解可能な材料を提供するのに有利である。
【0091】
[00091] ポリウレタンは患者の身体から外科的に除去される必要がないので、このことは、ポリウレタンがin vivo適用を標的とする場合に、特に有用である。
【0092】
[00092] フォームの分解速度は、非生分解性ポリオールに対する生分解性ポリオールの比を変えることによって、またはモノマーを選択することによって制御することができる。製剤から非生分解性ポリオールを低減または排除することによって、より急速に分解する材料を生成することができ、これは、ある特定の用途において望ましい場合がある。
【0093】
[00093] フォームは、1つもしくは複数の生分解性ポリオールおよび/または1つもしくは複数のポリオール開始剤を1つまたは複数のポリイソシアネートと接触させることによって調製され得る、少なくとも1つのプレポリマーから誘導され得る。ポリオール開始剤の非限定的な例は、例えば、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、グリセロール、1,4-ブタンジオールおよびミオイノシトール、エチレングリコール、ソルビトール、グルコース、スクロース、1,2-プロパンジオール、ならびにそれらの混合物である。フォームは、そのようにして形成されたこのようなプレポリマーおよびさらなるポリイソシアネートの混合物から誘導され得る。フォームは、これらの構成成分を組み合わせた重量に対して、50重量%未満のプレポリマーおよび50重量%超のポリイソシアネートを含有し得る。フォームは、これらの構成成分を組み合わせた重量に対して、30重量%未満のプレポリマーおよび70重量%超のポリイソシアネートを含有し得る。このように調製されたフォームは、有利なことに、高い強度および微細セル構造を有することができる。
【0094】
[00094] フォームは、約1300ダルトンまたはそれ未満の分子量を有する生分解性ポリオールから誘導され得、ならびにポリオールおよびポリイソシアネートの総重量に対して20%未満、または19重量%未満、または18重量%未満、または17重量%未満、または16重量%未満、または15重量%未満、または14重量%未満、または13重量%未満、または12重量%未満、または11重量%未満、または10重量%未満、または9重量%未満、または8重量%未満のイソシアネート(NCO)含量を有する、ポリオールおよびポリイソシアネートから誘導され得る。
【0095】
[00095] フォームは、生分解性ポリオールの分子量が約1300ダルトンまたはそれ未満である生分解性ポリオールおよび非生分解性ポリオールから誘導され得、ならびにポリオールおよびポリイソシアネートの総重量に対して20重量%未満、または19重量%未満、または18重量%未満、または17重量%未満、または16重量%未満、または15重量%未満、または14重量%未満、または13重量%未満、または12重量%未満、または11重量%未満、または10重量%未満、または9重量%未満、または8重量%未満のイソシアネート(NCO)含量を有する、ポリオールおよびポリイソシアネートから誘導され得る。
【0096】
[00096] フォームは、約1300ダルトンまたはそれ未満の分子量を有する生分解性ポリオールから誘導され得、ならびにポリオールおよびポリイソシアネートの総重量に対して20重量%未満、または19重量%未満、または18重量%未満、または17重量%未満、または16重量%未満、または15重量%未満、または14重量%未満、または13重量%未満、または12重量%未満、または11重量%未満、または10重量%未満、または9重量%未満、または8重量%未満のイソシアネート(NCO)含量を有し、ヒドロキシおよび他のイソシアネート反応性官能基に対するイソシアネート官能基のモル比(イソシアネート指数)が1.0またはそれ未満である、ポリオールおよびポリイソシアネートから誘導され得る。
【0097】
[00097] フォームは、生分解性ポリオールの分子量が約1300ダルトンまたはそれ未満である生分解性ポリオールおよび非生分解性ポリオールから誘導され得、ならびにポリオールおよびポリイソシアネートの総重量に対して20重量%未満、または19重量%未満、または18重量%未満、または17重量%未満、または16重量%未満、または15重量%未満、または14重量%未満、または13重量%未満、または12重量%未満、または11重量%未満、または10重量%未満、または9重量%未満、または8重量%未満のイソシアネート(NCO)含量を有し、ヒドロキシおよび他のイソシアネート反応性官能基に対するイソシアネート官能基のモル比(イソシアネート指数)が1.0またはそれ未満である、ポリオールおよびポリイソシアネートから誘導され得る。
【0098】
[00098] ポリウレタンフォーム技術および組織工学の分野で公知の様々な添加剤を、フォームに添加してもよい。これらの添加剤は、フォームの合成中または合成後に添加してもよい。添加剤は、ある場合には、フォームの合成中に反応することができ、共有結合によってフォームに組み込むことができる。例示的な添加剤として、抗微生物剤、可塑剤、細孔開口薬(opener)、抗酸化剤、帯電防止剤、触媒、フィラー、難燃剤、軟化剤/柔軟剤、セル制御剤、放出剤、安定剤、フィラー、染料、顔料、顔料分散剤、溶媒、麻酔薬、細胞、酵素、タンパク質、成長因子、成長阻害剤、止血剤および生物活性剤、例えば薬物が挙げられる。添加剤は、フォームと化学的に結合してもよく、または結合しなくてもよい。
【0099】
触媒
[00099] 本開示のポリウレタンの調製に使用することができる多数の触媒が、ポリウレタン合成の分野で公知である。様々な触媒を、組成物の調製に使用することができ、これらは、異なる特質を提供することができる。例えば、ジラウリン酸ジブチルスズ(DBTL)、オクチル酸スズおよびアミンベースの触媒、例えばDABCOが挙げられる。ビスマス、亜鉛およびチタンベースの触媒は、ウレタン形成を有効に触媒し、低毒性を示すことも知られている。COSCAT Z-22は、亜鉛ベースの触媒であり、低毒性であり、有効な結果をもたらす、使用できる触媒の一例である。水銀および鉛を含有する触媒は、有効であるが、毒性(非生体適合性)とみなされ、したがって適していない。触媒の組合せは、有効であることが知られている。触媒量を最小限に抑えることも望ましい。
【0100】
界面活性剤
[000100] 界面活性剤(安定剤、発泡剤)の機能は、反応中にフォームの気泡が形成されるときにその気泡が破裂するのを防止することを補助することであり、それによって気泡を生じさせ、安定なフォームを作製し、次にそのフォームは硬化することができる。
【0101】
[000101] 界面活性剤は、シロキサン-エーテルコポリマー、フルオロ-エーテルコポリマー、または疎水性部分および親水性部分を含有する他の両親媒性化合物であり得る。ポリウレタンフォームのために具体的に開発された界面活性剤が、多く市販されている。使用量は、製剤全体の質量の0.01%~1.5%で可変である。好ましい量は、製剤の0.01%~0.20%の範囲である。最も適切な量は、界面活性剤の分子量、ならびにその組成およびタイプ、ならびに製剤の残部に応じて決まる。ある製剤は、より疎水性であってよく、ある製剤は、より親水性であってよく、したがって、異なる量の安定化剤が必要になる場合がある。有用な界面活性剤は、単純ブロックコポリマーおよびブラシ型コポリマーであり得る。界面活性剤の濃度を変え、どの濃度がフォーム層の安定化に最も有効であるかを決定することは、当業者に明らかである。
【0102】
発泡剤
[000102] フォームは、当技術分野で公知の任意の方法によって発泡され得る。発泡剤は、フォームの形成中に発生させることができ、および/または1つもしくは複数のさらなる構成成分として添加してもよい。製剤に水を使用してイソシアネートと反応させることにより、尿素連結およびCOガスを形成してもよい。COガスは、気泡を生じさせ、フォームを発泡させる。界面活性剤の温度、混合および選択は、例えば、すべて気泡のサイズ(セルサイズ)に影響を及ぼし得る。商業的には、ポリウレタンフォームは、微孔性(低密度の靴底)から、オープンセルのラージセルフォーム(例えば、フィルターまたはフォームマットレスにおける)までの細孔径の範囲である。望ましい多孔度は、製剤全体に0.1~4重量%の水、好ましくは1.0~1.5重量%の水を使用することによって得ることができる。これにより、適切なレベルの発泡が得られる。水が少ないほど、高密度なフォームが得られる。水の量が多い方が有用な場合があるが、機械特性が負の影響を受け、スコーチが生じる可能性が高いという制限がある。
【0103】
[000103] ペンタンおよび他の低沸点炭化水素も、発泡剤として適している場合がある。この方式で生成されたフォームは、水が存在しないことに起因して、有利なことに尿素を含まなくてよい。望ましくは、水が存在しないことにより製剤において反応するのに必要なイソシアネートの量が低減されるが、それによって結果的に、フォームが生成されるときに生じる熱量が低減される。このことは、反応熱がフォームから放散することがより困難となり得る大規模調製において、特に有利である。
【0104】
[000104] フォーム層は、独立に、本明細書に開示される特徴の任意の1つまたは複数を任意の組合せで含むことができる。
【0105】
ポリウレタンフォームの調製
[000105] フォームは、ワンポット法によって簡単に調製することができる。すべての構成成分を、熱を付与するかまたは付与せずに組み合わせ、混合することができ、これによりフォームが生じ、硬化する。あるいは、フォームは、当技術分野で周知の連続または半連続プロセスのいずれかによって調製してもよい。
【0106】
[000106] 一実施形態では、1つまたは複数のポリオールまたはポリオール開始剤を、最初にポリイソシアネートで処理して、プレポリマーを形成する。次に、このプレポリマーをさらなる構成成分で処理して、フォームを形成する。別の実施形態では、プレポリマーを形成するために利用されるものに加えて、さらなるポリイソシアネートを利用してもよい。
【0107】
[000107] 別の実施形態では、ポリイソシアネート構成成分以外のすべての構成成分を、共に混合して、一部分を形成する。次に、反応を開始させるために、ポリイソシアネートを添加する。このことは、2つの部分を共に混合する前に、それらの部分が共に安定であるという点で有利である。
【0108】
[000108] フォームは、溶媒を用いないプロセスで調製してもよい。
【0109】
[000109] フォームは、有利なことに、中間材料の単離または精製を必要としなくてよいワンポットバッチ手順によって調製することができる。フォームは、低コスト原料から調製することができる。
【0110】
網状化(Reticulation)
[000110] ある場合には、フォームを網状化することが有利な場合がある。網状化により、セル膜を除去して、オープンセル材料の量を増大する。これは、流体移動が必要である場合に有利となり得る。これは、水素および酸素をフォームに導入し、任意のセル膜を破壊し、除去するために燃やす、特別なチャンバ(網状化チャンバ)内で実施することができる。
【0111】
[000111] セル開口薬またはセル開口剤は、例えば、発泡プロセス中に細孔構造を破壊し、それによって自然なスポンジ構造を有するフォームを作製するために、フォーム混合物に添加してもよい。セル開口薬は、フォームの堅固さおよび収縮を低減して、相互接続した細孔を有する寸法的に安定なフォームを生成することができる。セル開口薬およびポリウレタンフォームの他の反応成分は、例えば、Szycher, M, Szycher's Handbook of Polyurethanes, CRC Press, New York, N.Y., 9-6 to 9-8 (1999)に論じられている。使用に適したセル開口薬には、約1~22個の炭素原子を有する長鎖脂肪酸の二価金属塩粉末が含まれる。ステアリン酸の二価金属塩、例えばステアリン酸カルシウムおよびステアリン酸マグネシウムは、セル開口薬の例である。樹脂混合物におけるセル開口薬の濃度は、およそ0.1~7.0重量%の範囲またはおよそ0.3~1重量%の範囲であり得る。
【0112】
生物活性剤
[000112] 生物活性剤を、任意にフォーム混合物に添加してもよい。本明細書で使用される場合、「生物活性剤」という用語は、一般に、宿主の生物学的または化学的事象に影響を及ぼす薬剤、分子、または化合物を指す。
【0113】
ポリウレタンライナー
[000113] ポリウレタンライナーは、存在する場合、2つ以上の層からなっていてもよい。例えば、ライナーは、同じまたは異なるポリウレタンの2つまたはそれよりも多いシートの積層体であってもよい。
【0114】
[000114] ライナーは、生分解性ポリウレタンを含んでいてもよい。ライナーは、1つまたは複数のポリオール、1つまたは複数のイソシアネート、および1つまたは複数の鎖延長剤から誘導され得る。鎖延長剤は、生分解性または非分解性であり得る。
【0115】
[000115] 一部の実施形態では、ライナーは、延伸ポリウレタンを含む。
【0116】
[000116] 一部の実施形態では、ライナーは、二軸延伸ポリウレタンを含む。
【0117】
[000117] 一部の実施形態では、延伸ポリウレタンは、アニール処理されている。
【0118】
[000118] ライナーは、軟組織インプラントポケットのフォームの形状に合致するのに十分可撓性であるべきである。ライナーは、1つまたは複数のポリウレタン層から構成され得る。
【0119】
[000119] ライナーは、生分解性または非生分解性であり得るが、好ましくは生体適合性であるべきである。
【0120】
[000120] ライナーは、繊維の織布または不織布層であり得、例えばエレクトロスピニングによって得ることができる。
【0121】
[000121] 厚さ50~400μmのライナーは、強度(厚さと共に増大する)、透過性(厚さと共に低下する)および取扱い(厚さが増すにつれて困難になる)の良好なバランスをもたらす。さらに、ライナーの質量は、ライナーが厚すぎると、フォームの質量と比較して大きくなり過ぎるおそれがある。
【0122】
[000122] 一部の実施形態では、ライナーは、多孔性であり得る。多孔性は、積層体を構成する前に、ライナーに1つまたは複数の開口を導入することによって付与することができる。好ましくは、開口は、細胞液が通過できるサイズを有する。
【0123】
[000123] 一部の実施形態では、開口のサイズは、約0.1mm~約5mmの間、好ましくは約1mm~約5mmの間であり得る。
【0124】
[000124] 好ましくは、個々の開口の間の距離は、約0.5mm~5mmの間、より好ましくは約1mm~約3mmの間、最も好ましくは約2mmであり得る。開口は、フィルムを介して組織が成長し、インプラントポケット中に血管新生(vascularization)を生じさせるように構成される。
【0125】
[000125] 軟組織インプラントポケットは、フォームとライナーの間に位置する生体適合性および/または生分解性の接着剤を含むことができる。
【0126】
[000126] 他の実施形態では、接着剤は利用しなくてもよく、ライナーは、フォーム上に直接融合してもよい。
【0127】
[000127] ポリウレタンライナーは、式(1)または式(2)によって表される1つまたは複数の鎖延長剤、
1つまたは複数の脂肪族ポリエステルポリオール、および
1つまたは複数の脂肪族ジイソシアネート
から誘導され得る。
【0128】
【化1】
[式中、R、RおよびRは、任意に置換されているC1~20アルキレンおよび任意に置換されているC2~20アルケニレンから独立に選択される]
【0129】
[000128] ポリウレタンライナーは、200,000ダルトンまで、または150,000ダルトンまで、または100,000ダルトンまで、または60,000ダルトンまで、または40,000ダルトンまで、または20,000ダルトンまでの数平均分子量(Mw)を有してもよい。
【0130】
[000129] ポリウレタンライナーは、2,000~200,000ダルトンの間、または5,000~150,000ダルトンの間、または10,000~100,000ダルトンの間、または20,000~100,000ダルトンの間、または2,000~60,000ダルトンの間、または2,000~40,000ダルトンの間、または2,000~20,000ダルトンの間の数平均分子量(Mw)を有してもよい。
【0131】
[000130] ポリウレタンは、100,000ダルトンまで、または75,000ダルトンまで、または50,000ダルトンまで、または30,000ダルトンまで、または20,000ダルトンまで、または10,000ダルトンまでの数平均分子量(Mn)を有してもよい。好ましくは、ポリウレタンの数平均分子量は、50,000~100,000ダルトンの間である。
【0132】
[000131] ポリウレタンは、1.0~4.0の間、または1.0~3.5の間、または1.5~3.0の間の多分散性(Mw/Mn)を有してもよい。好ましくは、多分散性は、1.0~2.0の間である。
【0133】
ライナーのポリオール
[000132] ポリオールは、約200~約2,000ダルトンの間、または約200~約1,500ダルトンの間、または約200~約1,300ダルトンの間の分子量を有してもよい。
【0134】
[000133] ポリオールは、約10,000ダルトンもしくはそれ未満、または約8,000ダルトンもしくはそれ未満、または約6,000ダルトンもしくはそれ未満、または約4,000ダルトンもしくはそれ未満、または約2,000ダルトンもしくはそれ未満、または約1,500ダルトンもしくはそれ未満、または約1,000ダルトンもしくはそれ未満、または約800ダルトンもしくはそれ未満、または約600ダルトンもしくはそれ未満、または約500ダルトンもしくはそれ未満、または約400ダルトンもしくはそれ未満、または約350ダルトンもしくはそれ未満、または約300ダルトンもしくはそれ未満の分子量を有してもよい。
【0135】
[000134] ポリオールは、500ダルトン未満、または400ダルトン未満、または350ダルトン未満、または300ダルトン未満の分子量を有してもよい。
【0136】
[000135] ポリオールは、20℃および大気圧で液体状態であり得る。あるいは、ポリオールは、20℃および大気圧で固体状態であり得る。
【0137】
[000136] ポリオールは、1つまたは複数のジオール開始剤、および1つまたは複数のヒドロキシ酸、二酸または環式エステル、ならびにそれらの組合せから誘導され得る。
【0138】
[000137] 一実施形態では、ポリオールは、1つまたは複数のジオール開始剤および少なくとも1つのヒドロキシ酸から誘導され得る。
【0139】
[000138] 一実施形態では、ポリオールは、1つまたは複数のジオール開始剤および少なくとも1つの二酸から誘導され得る。
【0140】
[000139] 一実施形態では、ポリオールは、1つまたは複数のジオール開始剤および少なくとも1つの環式エステルから誘導され得る。
【0141】
[000140] 一実施形態では、ポリオールは、1つまたは複数のジオール開始剤、少なくとも1つのヒドロキシ酸、および少なくとも1つの二酸から誘導され得る。
【0142】
[000141] 一実施形態では、ポリオールは、1つまたは複数のジオール開始剤、少なくとも1つのヒドロキシ酸、および少なくとも1つの環式エステルから誘導され得る。
【0143】
[000142] 一実施形態では、ポリオールは、1つまたは複数のジオール開始剤、少なくとも1つの二酸、および少なくとも1つの環式エステルから誘導され得る。
【0144】
[000143] 一実施形態では、ポリオールは、1つまたは複数のジオール開始剤、少なくとも1つのヒドロキシル 酸、少なくとも1つの二酸、および少なくとも1つの環式エステルから誘導され得る。
【0145】
[000144] 1つまたは複数のジオール開始剤の非限定的な例として、エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,2-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサメチレンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール、ドデカンジオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール(EHD)、2,2,4-トリメチルペンタン-1,3-ジオール(TMPD)、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、およびそれらの組合せが挙げられる。二酸の非限定的な例として、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸およびヘキサデカン二酸、ならびにそれらの組合せが挙げられる。ヒドロキシ酸の限定的な例として、l-乳酸、d-乳酸、d,l-乳酸、マンデル酸、フェニル-乳酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸またはグリコール酸、およびそれらの組合せが挙げられる。環式エステルの非限定的な例として、ε-カプロラクトン、グリコリド、ラクチド、マンデリドおよびρ-ジオキサノン、ならびにそれらの組合せが挙げられる。ポリオールは、開環重合反応もしくは縮合反応を介して、または開環重合反応および縮合反応の両方を介して調製され得る。
【0146】
ライナーの鎖延長剤
[000145] 一部の実施形態では、式(1)および(2)のR1、R2およびR3は、任意に置換されているC1~6アルキレンおよび任意に置換されているC2~6アルケニレンから独立に選択される。
【0147】
[000146] 「任意に置換されている」という用語は、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、ハロ、ハロC1~6アルキル、ハロC2~6アルケニル、ハロC2~6アルキニル、ヒドロキシ、C1~6アルコキシ、C2~6アルケニルオキシ、ハロC1~6アルコキシ、ハロアルケニルオキシ、ニトロ、ニトロC1~6アルキル、ニトロC2~6アルケニル、ニトロC-6アルキニル、ニトロヘテロシクリル、アミノ、C1~6アルキルアミノ、C1~6ジアルキルアミノ、C2~6アルケニルアミノ、C2~6アルキニルアミノ、アシル、アルケニルアシル、アルキニルアシル、アシルアミノ、ジアシルアミノ、アシルオキシ、C1~6アルキルスルホニルオキシ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルアミノ、ハロヘテロシクリル、C1~6アルキルスルフェニル、カルボアルコキシ、メルカプト、C1~6アルキルチオ、アシルチオ、リン含有基等から選択される1つまたは複数の基でさらに置換されていてもよく、または置換されていなくてもよい基を指す。好ましい任意の置換基は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、およびフェニルである。
【0148】
[000147] 式(1)または式(2)の鎖延長剤は、好ましくは、ヒドロキシ-酢酸3-ヒドロキシ-プロピルエステル、6-ヒドロキシ-ヘキサン酸2-ヒドロキシエチルエステル、6-ヒドロキシ-ヘキサン酸4-ヒドロキシブチルエステル、エチレングリコールコハク酸ジエステルジオール、エチレングリコールフマル酸ジエステルジオール、グリコール酸-エチレングリコールダイマー、乳酸-エチレングリコールダイマー、およびそれらの混合物である。
【0149】
[000148] 式(1)または式(2)の鎖延長剤は、1つもしくは複数のジオール、および1つもしくは複数のヒドロキシ酸、および/または環式エステルから調製することができる。
【0150】
[000149] 1つまたは複数のジオールの非限定的な例として、エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,2-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサメチレンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール、ドデカンジオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール(EHD)、2,2,4-トリメチルペンタン-1,3-ジオール(TMPD)、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、およびそれらの組合せが挙げられる。ヒドロキシ酸の非限定的な例として、l-乳酸、d-乳酸、d,l-乳酸、マンデル酸、フェニル-乳酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸またはグリコール酸、およびそれらの組合せが挙げられる。環式エステルの非限定的な例として、ε-カプロラクトン、グリコリド、ラクチド、マンデリドおよびρ-ジオキサノン、ならびにそれらの組合せが挙げられる。
【0151】
[000150] ポリウレタンは、in vivo条件下で加水分解によって分解できない、1つまたは複数の脂肪族ポリオール鎖延長剤をさらに含むことができる。例えば、ポリウレタンは、骨格にエステル官能基を含有していない1つまたは複数のジオール鎖延長剤をさらに含むことができる。好ましくは、非分解性鎖延長剤は、30個までの炭素原子を有するアルカンジオール、例えばエチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,2-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサメチレンジオール、ヘプタンジオール、ノナンジオール、ドデカンジオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール(EHD)、2,2,4-トリメチルペンタン-1,3-ジオール(TMPD)、1,6-ヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、およびそれらの混合物である。
【0152】
ライナーのジイソシアネート
[000151] 脂肪族ジイソシアネートは、好ましくは、4,4’-メチレンジシクロヘキシルジイソシアネート(HMDI)、1,6-ヘキサンジイソシアネート(HDI)、1,4-ブタンジイソシアネート(BDI)、L-リシンジイソシアネート(LDI)、エチル-L-リシンジイソシアネート(ELDI)、メチル-L-リシンジイソシアネート(MLDI)、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、他の類似のジイソシアネート、およびそれらの混合物である。
【0153】
[000152] 脂肪族イソシアネート由来の分解生成物(例えば、エチルリシンジイソシアネート(ELDI))は、一般に、芳香族ジイソシアネート由来の分解生成物よりも生体適合性が高いとみなされる。したがって、例えばヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)およびELDIのようなイソシアネートは、特に適している場合がある。イソホロンジイソシアネート(IPDI)を使用することもできる。イソシアネートの組合せを使用することができ、ある場合には、イソシアネートの組合せが好ましい場合があり、例えば、HDIおよびIPDIの組合せによって、ガラス転移を調整することができる。トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,4-ブタンジイソシアネート、メチル-リシンジイソシアネート(MLDI)およびポリウレタンの合成において一般に使用される他のイソシアネートも適している場合がある。
【0154】
ライナーのポリウレタンの分解
[000153] ポリウレタンは、硬質セグメントおよび軟質セグメントを含有することができる。軟質セグメントに対する硬質セグメントの比は、ポリウレタンの融点に影響を及ぼす。
【0155】
[000154] ポリウレタンの硬質セグメント含量(HS%)(すなわち、式(1)または式(2)の鎖延長剤およびイソシアネートから誘導された成分の総含量を重量百分率によって表したもの)は、2~100wt%、または5~80wt%、または10~70wt%の範囲であり得る。
【0156】
[000155] ポリウレタンの軟質セグメント含量(SS%)(すなわち、ポリエステルポリオールから誘導された成分の重量百分率)は、5~98%の範囲であってよく、一部の実施形態では、少なくとも25%または少なくとも40%である。
【0157】
[000156] 一部の実施形態では、ポリウレタンは、硬質セグメントおよび軟質セグメントを含み、ポリウレタンの硬質セグメント含量(HS%)は、60%未満、好ましくは30~60%の間である。
【0158】
[000157] ポリウレタンにおける式(1)または式(2)の鎖延長剤の量を変えて、硬質セグメントにおける連続ウレタンの非分解部の長さ(non-degradable length)を変えることができる。例えば、硬質セグメントの非分解部の長さは、100~10,000ダルトンの間、または200~5,000ダルトンの間、または400~2,000ダルトンの間、または200~700ダルトンの間、または320~700ダルトンの間の分子量を有してもよい。
【0159】
[000158] ライナーのポリウレタンは、ASTM F1635条件下で、1年またはそれ未満の期間で、ポリウレタンの数平均分子量(Mn)が10%~90%の間低減するように分解することができる。
【0160】
[000159] ライナーのポリウレタンは、in vivoで分解可能であり得る。ポリウレタンは、35~42℃の間の温度で分解可能であり得る。
【0161】
[000160] あるいは、ポリウレタンの数平均分子量(Mn)は、11カ月もしくはそれ未満、または10カ月もしくはそれ未満、または9カ月もしくはそれ未満、または8カ月もしくはそれ未満、または7カ月もしくはそれ未満、または6カ月もしくはそれ未満、または5カ月もしくはそれ未満、または4カ月もしくはそれ未満、または3カ月もしくはそれ未満、または2カ月もしくはそれ未満、または1カ月もしくはそれ未満の期間で10%~90%の間低減することができる。
【0162】
[000161] 分解速度は、ASTM F1635条件下で、ポリウレタンの構成成分の性質および比を変えることによって制御することができる。したがって、ポリウレタンは、特定の期間内に分解するように設計することができる。このことは、特定の期間で、例えばポリウレタンの機能的態様がもはや必要なくなったときに、部分的に、完全に、または実質的に完全に分解可能な材料を提供するのに有利である。
【0163】
融点
[000162] ライナーのポリウレタンの融点は、60℃~190℃の間であり得る。融点は、60℃~180℃の間、または60℃~170℃の間、または60℃~160℃の間、または60℃~150℃の間、または60℃~140℃の間、または60℃~130℃の間、または60℃~120℃の間、または60℃~110℃の間、または60℃~100℃の間、または60℃~100℃の間、または60℃~90℃の間、または60℃~80℃の間、または60℃~70℃の間であり得る。
【0164】
[000163] 明らかな融解転移が生じる場合、融点は、示差走査熱量測定によって決定することができる。当業者に公知の他の技術、例えば、動的機械的熱分析を利用することもできる。
【0165】
接着剤
[000164] 様々な接着剤を利用して、ライナーをフォームに固定してもよい。接着層は、融合層または不連続層であり得る。適切な接着剤には、それに限定されるものではないが、溶媒ベースの接着剤、ラテックス接着剤、感圧接着剤、熱溶融接着剤、および反応性接着剤、例えば生分解性または非生分解性熱硬化性ポリウレタン反応性混合物が含まれる。適切な感圧接着剤には、それに限定されるものではないが、アクリル樹脂、天然ラテックス、スチレン-ブタジエンゴム、および再生ゴムから作製された感圧接着剤が含まれる。適切な熱溶融接着剤には、それに限定されるものではないが、ポリアミド、ポリオレフィン、およびポリ(エチレン-コ-酢酸ビニル)が含まれる。
【0166】
[000165] 一実施形態では、ライナーは、それ自体が接着剤であり得る。他の実施形態では、接着剤は利用しなくてもよく、ライナーは、フォーム上に直接的に溶融される。
【0167】
[000166] 本明細書に開示される通りのライナーの生分解性ポリウレタンは、in vivoで加水分解によって分解され得る。
【0168】
インプラントポケットの製造
[000167] 一実施形態では、軟組織インプラントポケットは、本明細書に開示される通り、ポリウレタンフォームのシートを折り畳み、縁をヒートシールして、それらを共に融合しつつも、選択したインプラントを導入するためのサイズを有する開口部を残すことによって、製造してもよい。
【0169】
[000168] あるいは、別の実施形態では、軟組織インプラントポケットは、ポリウレタンフォームの2つのシートの縁を共にヒートシールして、それらを共に融合しつつも、選択したインプラントを導入するためのサイズを有する開口部を残すことによって、製造してもよい。
【0170】
[000169] あるいは、別の実施形態では、軟組織インプラントポケットは、ヒートシールが円周の50~80%をたどるように、2つのオーバーサイズのシートをヒートシールし、次に残りの外周を切り落とすことによって、製造してもよい。
【0171】
[000170] シールは、熱および圧力の組合せによって達成することができる。
【0172】
[000171] 別の実施形態では、軟組織インプラントポケットは、本明細書に開示される通り、ポリウレタンライナーが積層されたポリウレタンフォームのシートを折り畳み、縁をヒートシールして、それらを共に融合しつつも、選択したインプラントを導入するためのサイズを有する開口部を残すことによって、製造してもよい。
【0173】
[000172] ライナーがポケットの内側または外側に位置するポケットが得られるように、シートを折り畳むことができる。ライナーが、ポケットの外側に位置する場合、ライナーがポケットの内側に位置するように、ポケットを容易に裏返してもよい。
【0174】
[000173] ライナーは、材料との間に間隙(例えば、空気の気泡)が実質的に存在しないように、ポケットを形成する前にフォームに積層してもよい。
【0175】
[000174] フォーム層およびライナー層は、実質的に等しい寸法の長さおよび幅を有していてもよい。
【0176】
[000175] ライナーは、熱もしくは圧力、または熱および圧力の組合せを付与することによって、材料の間の相互作用によりフォームに積層してもよい。あるいはライナーは、フォームに、共有結合により結合してもよい。代替のおよび/または追加の実施形態では、ライナーは、前述の実施形態のいずれかに従って、適切な接着剤を用いてフォーム層に積層してもよい。
【0177】
[000176] 別の実施形態では、インプラントポケットは、フォーム層をライナーの各側面上に融合して、フォーム-ライナー-フォーム構築物を形成することによって形成してもよい。得られた構築物を折り畳み、インプラントを導入することができる開口部を残すように両側面を共に融合することができる。得られたポケットは、間にライナーが位置する内側および外側フォーム表面を含む。ライナーは、構造強度を増大することができる。
【0178】
[000177] ライナーは、溶融加圧によって形成され得る。
【0179】
[000178] 溶融加圧は、100~200℃の間の温度で実施され得る。
【0180】
[000179] 溶融加圧は、30tまでの圧力で実施され得る。
【0181】
[000180] 溶融加圧は、2つの平坦な、または実質的に平坦なシートの間で実施され得る。溶融加圧は、2つのPTFEシート、例えばガラス繊維強化PTFEシートの間で実施され得る。
【0182】
[000181] フォームとのライナーの融合は、圧力を付与することなく実施してもよい。
【0183】
[000182] 融合は、ライナーの表面に熱を加えることによって、例えば第2の主要表面を100~200℃の間の温度に曝露することによって実施してもよい。
【0184】
[000183] 融合は、5秒~数分の間、好ましくは15秒~90秒の間、実施してもよい。
【0185】
[000184] 本開示の別の態様では、軟組織インプラントポケットを調製する方法であって、
(a)本明細書に開示される通り、ポリウレタンフォームシートを折り畳んで、シートの縁を実質的に整列させる工程と、
(b)インプラントを導入するためのサイズを有する開口部を残すように、整列させた縁をヒートシールする工程と
を含む、方法が提供される。
【0186】
[000185] 一部の実施形態では、ヒートシールを切断と組み合わせて、最終的なインプラントポケットを提供する。
【0187】
[000186] 他の実施形態では、切断は、ヒートシール後に実施され得る。
【0188】
[000187] 本開示の別の態様では、軟組織インプラントポケットを調製する方法であって、
(a)第1のポリウレタンフォームシートを第2のポリウレタンフォームシート上に置き、それによりシートの縁を実質的に整列させる工程と、
(b)インプラントを導入するためのサイズを有する開口部を残すように、整列させた縁をヒートシールする工程と
を含む、方法が提供される。
【0189】
[000188] 本開示の別の態様では、軟組織インプラントポケットを調製する方法であって、
(a)本明細書に開示される通り、フォーム/ライナー積層体を折り畳んで、積層体の縁を実質的に整列させる工程と、
(b)インプラントを導入するためのサイズを有する開口部を残すように、整列させた縁をヒートシールする工程と
を含む、方法が提供される。
【0190】
[000189] 本開示の別の態様では、軟組織インプラントポケットを調製する方法であって、
(a)本明細書に開示される通り、フォーム/ライナー/フォーム積層体を折り畳んで、積層体の縁を実質的に整列させる工程と、
(b)インプラントを導入するためのサイズを有する開口部を残すように、整列させた縁をヒートシールする工程と
を含む、方法が提供される。
【0191】
[000190] 本開示の別の態様では、軟組織インプラントポケットを調製する方法であって、
(a)第1のポリウレタンフォーム/ライナー積層体を第2のポリウレタンフォーム/ライナー積層体上に置き、したがって、積層体の縁を実質的に整列させる工程と、
(b)インプラントを導入するためのサイズを有する開口部を残すように、整列させた縁をヒートシールする工程と
を含む、方法が提供される。
【0192】
[000191] 本明細書に開示される方法のいずれか1つまたは複数では、フォーム層は、超音波溶接によって互いに、またはライナーに、結合させることができる。これは、延伸ライナーが利用される層を結合する、特に有用な方法である。
【0193】
[000192] 本開示の別の態様では、被膜拘縮を低減または失くすための、本明細書に開示されるような軟組織インプラントポケットの使用が提供される。
【0194】
[000193] 本開示の別の態様では、被膜拘縮を低減または失くす方法であって、インプラントを、本明細書に開示されるような軟組織インプラントポケットに入れる工程と、ポケットをシールする工程と、ポケットを対象に埋め込む工程とを含む、方法が提供される。
【0195】
[000194] 本開示のさらなる特徴および利点は、以下の図および詳細な説明を参照することによって理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0196】
図1】[000195] 図1は、本開示の一実施形態による軟組織インプラントポケットの模式図である。
図2】[000196] 図2は、本開示の別の実施形態による軟組織インプラントポケットの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0197】
[000197] 以下は、当業者が本開示を実施する一助にするために提供された本開示の詳細な説明である。当業者は、本開示の精神または範囲から逸脱することなく、本明細書に記載される実施形態を改変し、変更することができる。
【0198】
[000198] 本明細書に記載されるものに類似のまたは等価な任意の方法および材料を、本開示の実施または試験において使用することもできるが、ここでは好ましい方法および材料を記載する。
【0199】
[000199] 本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される通り、単数形「a」、「an」および「the」は、別段の指定がない限り複数の指示対象を含むことにも留意しなければならない。したがって、例えば「鎖延長剤」への言及は、2つ以上の鎖延長剤などを含むことができる。
【0200】
[000200] 本明細書を通して、「含む(comprises)」または「含む(comprising)」という用語またはその文法的変形は、記載される特徴、整数、工程または構成成分の存在を特定すると解釈されるものであるが、具体的に言及されていない他の1つまたは複数のその特徴、整数、工程、構成成分または群の存在または添加を除外するものではない。
【0201】
[000201] 別段定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術的用語および科学用語は、本開示が属する分野の技術者によって一般に理解される意味を有する。
【0202】
[000202] 本明細書で使用される場合、具体的に記載されない限り、または文脈から明らかでない限り、「約」という用語は、当技術分野におけるある範囲の正常許容差内、例えば平均の二標準偏差(2シグマ)内にあると理解される。「約」は、記載される値の10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、0.1%、0.05%、または0.01%以内にあると理解することができる。文脈から別段明らかにならない限り、本明細書および特許請求の範囲において、本明細書で提示されるすべての数値は、「約」という用語によって修正され得る。
【0203】
[000203] 本明細書に提示される範囲は、その範囲内の値のすべてについての略記法であると理解される。例えば、1~50の範囲は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、または50からなる群の任意の数、数の組合せ、または部分範囲を含むと理解される。
【0204】
[000204] 本明細書に開示される通り、軟組織インプラントポケットの1つまたは複数の実施形態の調製において使用される主な構成成分および特徴は、以下の節で詳細に論じられる。
【0205】
好ましい実施形態の例
[000205] 一実施形態では、本開示は、ライナーのポリウレタンが:
ヒドロキシ-酢酸3-ヒドロキシ-プロピルエステル、6-ヒドロキシ-ヘキサン酸2-ヒドロキシエチルエステル、6-ヒドロキシ-ヘキサン酸4-ヒドロキシブチルエステル、エチレングリコールコハク酸ジエステルジオール、エチレングリコールフマル酸ジエステルジオール、グリコール酸-エチレングリコールダイマーおよび乳酸-エチレングリコールダイマーから選択される1つまたは複数の鎖延長剤、
1つまたは複数の脂肪族ポリエステルポリオール、ならびに
1つまたは複数の脂肪族ジイソシアネート
から誘導され、
ポリウレタンが、60℃~190℃の間の融点を有し、
ASTM F1635条件下で、ライナーのポリウレタンの数平均分子量(Mn)および/またはフォームの質量が、独立に、1年またはそれ未満の期間で10%~90%の間低減するように、フォームまたはライナーのポリウレタンが分解する、
軟組織インプラントポケットを提供する。
【0206】
[000206] 一実施形態では、本開示は、ライナーのポリウレタンが:
ヒドロキシ-酢酸3-ヒドロキシ-プロピルエステル、6-ヒドロキシ-ヘキサン酸2-ヒドロキシエチルエステル、6-ヒドロキシ-ヘキサン酸4-ヒドロキシブチルエステル、エチレングリコールコハク酸ジエステルジオール、エチレングリコールフマル酸ジエステルジオール、グリコール酸-エチレングリコールダイマーおよび乳酸-エチレングリコールダイマーから選択される1つまたは複数の鎖延長剤、
1つまたは複数の脂肪族ポリエステルポリオール、ならびに
4,4’-メチレンジシクロヘキシルジイソシアネート(HMDI)、1,6-ヘキサンジイソシアネート(HDI)、1,4-ブタンジイソシアネート(BDI)、L-リシンジイソシアネート(LDI)、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートから選択される1つまたは複数の脂肪族ジイソシアネート
から誘導され、
ポリウレタンが、60℃~190℃の間の融点を有し、
ASTM F1635条件下で、ライナーのポリウレタンの数平均分子量(Mn)および/またはフォームの質量が、独立に、1年またはそれ未満の期間で10%~90%の間低減するように、フォームまたはライナーのポリウレタンが分解する、
軟組織インプラントポケットを提供する。
【0207】
[000207] 一実施形態では、本開示は、ライナーのポリウレタンが:
ヒドロキシ-酢酸3-ヒドロキシ-プロピルエステル、6-ヒドロキシ-ヘキサン酸2-ヒドロキシエチルエステル、6-ヒドロキシ-ヘキサン酸4-ヒドロキシブチルエステル、エチレングリコールコハク酸ジエステルジオール、エチレングリコールフマル酸ジエステルジオール、グリコール酸-エチレングリコールダイマーおよび乳酸-エチレングリコールダイマーから選択される1つまたは複数の鎖延長剤、
1つまたは複数のジオール開始剤および少なくとも1つのヒドロキシ酸および/または環式エステルから誘導された1つまたは複数の脂肪族ポリエステルポリオール、ならびに
4,4’-メチレンジシクロヘキシルジイソシアネート(HMDI)、1,6-ヘキサンジイソシアネート(HDI)、1,4-ブタンジイソシアネート(BDI)、L-リシンジイソシアネート(LDI)、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートから選択される1つまたは複数の脂肪族ジイソシアネート
から誘導され、
ポリウレタンが、60℃~190℃の間の融点を有し、
ASTM F1635条件下で、ライナーのポリウレタンの数平均分子量(Mn)および/またはフォームの質量が、独立に、1年またはそれ未満の期間で10%~90%の間低減するように、フォームまたはライナーのポリウレタンが分解する、
軟組織インプラントポケットを提供する。
【0208】
[000208] 一実施形態では、本開示は、ライナーのポリウレタンが:
ヒドロキシ-酢酸3-ヒドロキシ-プロピルエステル、6-ヒドロキシ-ヘキサン酸2-ヒドロキシエチルエステル、6-ヒドロキシ-ヘキサン酸4-ヒドロキシブチルエステル、エチレングリコールコハク酸ジエステルジオール、エチレングリコールフマル酸ジエステルジオール、グリコール酸-エチレングリコールダイマーおよび乳酸-エチレングリコールダイマーから選択される1つまたは複数の鎖延長剤、
1つまたは複数のジオール開始剤および少なくとも1つのヒドロキシ酸、二酸または環式エステル、またはそれらの組合せから誘導された1つまたは複数の脂肪族ポリエステルポリオール[ここで、1つまたは複数のジオール開始剤は、エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,2-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサメチレンジオール、ヘプタンジオール、ノナンジオール、ドデカンジオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール(EHD)、2,2,4-トリメチルペンタン-1,3-ジオール(TMPD)、1,6-ヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、およびそれらの組合せから選択され、少なくとも1つのヒドロキシ酸は、l-乳酸、d-乳酸、d,l-乳酸、マンデル酸、フェニル-乳酸、吉草酸またはグリコール酸から選択され、1つまたは複数の二酸は、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、およびヘキサデカン二酸から選択され、環式エステルは、ε-カプロラクトン、グリコリド、ラクチド、マンデリド、およびρ-ジオキサノンから選択される]、ならびに
4,4’-メチレンジシクロヘキシルジイソシアネート(HMDI)、1,6-ヘキサンジイソシアネート(HDI)、1,4-ブタンジイソシアネート(BDI)、L-リシンジイソシアネート(LDI)、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートから選択される1つまたは複数の脂肪族ジイソシアネート
から誘導され、
ポリウレタンが、60℃~190℃の間の融点を有し、
ASTM F1635条件下で、ライナーのポリウレタンの数平均分子量(Mn)および/またはフォームの質量が、独立に、1年またはそれ未満の期間で10%~90%の間低減するように、フォームまたはライナーのポリウレタンが分解する、
軟組織インプラントポケットを提供する。
【0209】
生物活性物質
[000209] 生物活性物質は、任意に、フォーム、ライナーまたはその両方のポリウレタンに添加してもよい。
【0210】
[000210] 生物活性物質は、ポリウレタンと共に製剤化して、組成物を形成してもよい。製剤化は、例えば、溶融処理、付加製造(additive manufacturing)または適切な溶媒への溶解によって容易にしてもよい。
【0211】
[000211] 生物活性物質は、合成分子、生体分子、または多分子成分であってよく、それには、それに限定されるものではないが、酵素、有機触媒、リボザイム、有機金属、タンパク質、糖タンパク質、ペプチド、ポリアミノ酸、抗体、核酸、ステロイド系分子、抗生物質、銀、酸化銀、抗ウイルス薬、抗真菌薬、抗がん剤、鎮痛剤、抗拒絶反応剤、免疫抑制薬、サイトカイン、炭水化物、疎油性物質、脂質、細胞外マトリックスおよび/またはその個々の構成成分、脱灰骨マトリックス、ヒドロキシアパタイト、リン酸三カルシウム、医薬、化学療法薬、ならびに治療薬が含まれる。細胞および非細胞の生物学的実体、例えばウイルス、ウイルスベクターおよびプリオンも、生物活性物質になり得る。生物活性物質は、ポリウレタンに化学的に結合してもよい。
【0212】
[000212] ヒトまたは動物における生物学的効果は、医療、治療、美容および獣医学目的のためのものであり、薬物、機能性化粧品、機能性食品、および栄養剤を含む医薬を包含する。生物活性化合物の一部は、これらのクラスの2つ以上に分類され得ることを理解されよう。
【0213】
[000213] 広範な生物活性物質を、本開示のポリウレタンに組み込むことができ、結果的に、本明細書に開示される通り、軟組織インプラントポケットを用いて送達することができる。
【0214】
[000214] 例として、心血管治療薬物、特に降圧剤(例えば、カルシウムチャネル遮断薬またはカルシウム拮抗薬)および抗不整脈剤;うっ血性心不全の医薬;強心剤;血管拡張薬;ACE阻害剤;利尿薬;炭酸脱水酵素阻害剤;強心配糖体;ホスホジエステラーゼ阻害剤;α-遮断薬;β-遮断薬;ナトリウムチャネル遮断薬;カリウムチャネル遮断薬;β-アドレナリン作動薬;血小板阻害剤;アンギオテンシン拮抗薬;抗凝固薬;血栓溶解剤;出血の処置薬;貧血の処置薬;トロンビン阻害剤;駆虫剤;抗菌剤;インスリン;ヒト成長ホルモンおよびペプチド;ワクチン;抗炎症剤、特に非ステロイド系抗炎症剤(NSAID)、より具体的にはCOX-2阻害剤;ステロイド系抗炎症剤;予防的抗炎症剤;抗緑内障剤;マスト細胞安定剤;散瞳薬;呼吸器系に影響を及ぼす薬剤;アレルギー性鼻炎の医薬;αアドレナリン作動薬;コルチコステロイド;慢性閉塞性肺疾患の医薬;キサンチン-オキシダーゼ阻害剤;抗関節炎薬剤;痛風の処置薬;オータコイドおよびオータコイド拮抗薬;抗マイコバクテリア剤;抗真菌剤;抗原虫薬;駆虫剤;特に呼吸器、ヘルペス、サイトメガロウイルス、ヒト免疫不全ウイルスおよび肝炎感染のための抗ウイルス剤;白血病およびカポジ肉腫のための処置薬;疼痛管理剤、特にオピオイド、麻酔薬および鎮痛剤;神経遮断薬;交感神経刺激性の医薬;アドレナリン作動薬;神経伝達物質の取込みまたは放出に影響を及ぼす薬物;抗コリン作用医薬;抗痔核の処置薬;放射線または化学療法の作用を防止または処置するための薬剤;脂肪生成薬物;脂肪を低減する処置薬;抗肥満ペプチド;抗肥満剤、例えばリパーゼ阻害剤;交感神経刺激剤;胃潰瘍および炎症のための処置薬、例えばプロトンポンプ阻害剤;プロスタグランジン;VEGF阻害剤;抗脂質異常症剤、特にスタチン;中枢神経系(CNS)に影響を及ぼす薬物、例えば抗精神病薬、抗てんかん薬および抗けいれん薬物(抗けいれん薬)、向精神薬物、刺激薬、抗不安薬および睡眠薬物、抗うつ薬物;抗パーキンソンの医薬;ホルモンおよびその断片、例えば性ホルモン;成長ホルモン拮抗薬;ゴナドトロピン放出ホルモンおよびその類似体;ステロイドホルモンおよびそれらの拮抗薬;選択的エストロゲンモジュレーター;成長因子;抗糖尿病の医薬、例えばインスリン、インスリンフラグメント、インスリン類似体、グルカゴン様ペプチドおよび低血糖剤;H1、H2、H3およびH4抗ヒスタミン薬;ペプチド、タンパク質、ポリペプチド、核酸およびオリゴヌクレオチド医薬;天然タンパク質、ポリペプチド、オリゴヌクレオチドおよび核酸ならびにこのような類似の化合物の類似体、フラグメントおよび変異体;片頭痛を処置するために使用される薬剤;喘息の医薬;コリン作動性拮抗薬;グルココルチコイド;アンドロゲン;抗アンドロゲン;アドレノコルチコイド生合成の阻害剤;骨粗鬆症の処置薬、例えばビスホスホネート(biphosphonate);抗甲状腺の医薬;サイトカイン作動薬;サイトカイン拮抗薬;抗がん薬物;抗アルツハイマー薬物;HMGCoAレダクターゼ阻害剤;フィブレート系薬剤;コレステロール吸収阻害剤;HDLコレステロール上昇剤;トリグリセリド低減剤;老化防止または皺取り剤;ホルモン産生のための前駆体分子;タンパク質、例えばコラーゲンおよびエラスチン;抗菌剤;抗座瘡剤;抗酸化剤;ヘアトリートメントおよび美白剤;日焼け止め、日焼け防止薬およびフィルター;ヒトアポリポタンパク質の変異体;ホルモン産生のための前駆体分子;タンパク質およびそのペプチド;アミノ酸;植物エキス、例えばブドウ種子エキス;DHEA;イソフラボン;ビタミン、フィトステロールおよびイリドイドグリコシド(gylcoside)、セスキテルペンラクトン、テルペン、フェノール性グリコシド、トリテルペン、ヒドロキノン誘導体、フェニルアルカノンを含めた栄養剤;抗酸化剤、例えばレチノール、ならびにレチノイン酸および補酵素Q10を含む他のレチノイド;オメガ-3-脂肪酸;グルコサミン;核酸、オリゴヌクレオチド、アンチセンス医薬;酵素;サイトカイン;サイトカイン類似体;サイトカイン作動薬;サイトカイン拮抗薬;免疫グロブリン;抗体;抗体医薬;遺伝子治療薬;リポタンパク質;エリスロポエチン;ワクチン;ヒトおよび動物の疾患、例えばアレルギー/喘息、関節炎、がん、糖尿病、成長機能障害、心血管疾患、炎症、免疫学的障害、脱毛症、疼痛、眼疾患、てんかん、婦人科障害、CNS疾患、ウイルス感染、細菌感染、寄生虫感染、GI疾患、肥満、および血液(haemological)疾患の処置または防止のための小分子および高分子治療剤が挙げられるが、それらに限定されない。
【0215】
[000215] 生物活性物質の薬学的、栄養補助食品的に(nutraceutically)または薬用化粧的に許容される誘導体は、本開示の範囲内に含まれることを理解されたい。
【0216】
[000216] 「薬学的、栄養補助食品的または薬用化粧的に許容される誘導体」という用語は、それを必要とする対象(例えば、患者、ヒトまたは動物)に投与されると、本明細書で他所に記載される通り生物活性物質を直接的または間接的に提供することができる、(それに限定されるものではないが、)薬学的、栄養補助食品的または薬用化粧的に許容される塩、エステル、このようなエステルの塩、エーテル、またはプロドラッグおよび代謝産物を含めた他の任意の誘導体を含む。
【0217】
[000217] 本明細書で使用される場合、「薬学的、栄養補助食品的または薬用化粧的に許容される塩」という用語は、適切な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー応答なしにヒトおよび下等動物の組織と接触させて使用するのに適し、妥当な損益比に見合うような塩を指す。
【0218】
[000218] 薬学的、栄養補助食品的または薬用化粧的に許容される塩は、当技術分野で周知である。例えば、S. M. Bergeらは、J. Pharmaceutical Sciences, 66:1-1 9, 1977で薬学的、栄養補助食品的または薬用化粧的に許容される塩を詳説している。
【0219】
[000219] 薬学的、栄養補助食品的または薬用化粧的に許容される非毒性の酸付加塩の例は、無機酸、例えば塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸および過塩素酸を用いて、または有機酸、例えば酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸 クエン酸、コハク酸もしくはマロン酸を用いて、または当技術分野で使用される他の方法、例えばイオン交換を使用することによって形成されたアミノ基の塩である。
【0220】
[000220] 他の薬学的に許容される塩には、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、ショウノウ酸塩、カンファースルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素酸塩、2ヒドロキシ-エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩等が含まれる。
【0221】
[000221] 代表的なアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩には、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム等が含まれる。薬学的に許容されるさらなる塩には、適切な場合、対イオン、例えばハロゲン化物イオン、水酸化物イオン、カルボン酸イオン、硫酸イオン、リン酸イオン、硝酸イオン、低級アルキルスルホン酸イオンおよびアリールスルホン酸イオンを使用して形成された、非毒性のアンモニウムカチオン、第四級アンモニウムカチオン、およびアミンカチオンが含まれる。
【0222】
[000222] 「薬学的、栄養補助食品的または薬用化粧的に許容されるエステル」という用語は、in vivoで加水分解されるエステルを指し、ヒトの体内で容易に分解して、親化合物またはその塩を残すエステルを含む。適切なエステル基には、例えば、薬学的、栄養補助食品的または薬用化粧的に許容される脂肪族カルボン酸、特にアルカン、アルケン、シクロアルカンおよびアルカン二酸から誘導されたものが含まれ、ここで各アルキルまたはアルケニル部分は、有利には6個以下の炭素原子を有する。エステルの例として、ギ酸エステル、酢酸エステル、プロピオン酸エステル、酪酸エステル、アクリル酸エステルおよびエチルコハク酸エステルが挙げられる。
【0223】
[000223] 「薬学的、栄養補助食品的または薬用化粧的に許容されるプロドラッグ」という用語は、本明細書で使用される場合、適切な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー応答なしに対象の組織と接触させて使用するのに適し、妥当な損益比に見合い、その意図される使用に有効な、生物学的に活性な物質のプロドラッグ、ならびに可能な場合には生物学的に活性な物質の双性イオン形態を含む。
【0224】
[000224] 「プロドラッグ」という用語は、例えば血中での加水分解によってin vivoで急速に変換されて、親化合物をもたらす化合物を指す。T. Higuchi and V. Stella, Pro-drugs as Novel Delivery Systems, Vol. 14 of the A.C.S. Symposium Series, and in Edward B. Roche, ed., Bioreversible Carriers in Drug Design, American Pharmaceutical Association and Pergamon Press, 1987に、完全な議論が提供されている。
【0225】
[000225] 本開示はさらに、1つの生物学的に活性な物質の投与だけに限定されない。2つ以上の生物学的に活性な物質または他の治療用化合物を、フォーム層および/または構造層に組み込むことができる。
【0226】
分解
[000226] フォームもしくはライナー(存在する場合)のいずれか、または本開示の軟組織インプラントポケットの両方のポリウレタンを、in vivoで、またはin vivo条件下で、制御された速度で分解するように設計することができる。ポリウレタンは、35~42℃の間の温度で分解可能であり得る。
【0227】
[000227] 一部の実施形態では、ライナーのポリウレタンの数平均分子量(Mn)およびフォームの質量は、独立に、11カ月もしくはそれ未満、または10カ月もしくはそれ未満、または9カ月もしくはそれ未満、または8カ月もしくはそれ未満、または7カ月もしくはそれ未満、または6カ月もしくはそれ未満、または5カ月もしくはそれ未満、または4カ月もしくはそれ未満、または3カ月もしくはそれ未満、または2カ月もしくはそれ未満、または1カ月もしくはそれ未満の期間で20%~90%の間低減し得る。
【0228】
[000228] 一部の実施形態では、ライナーのポリウレタンの数平均分子量(Mn)およびフォームの質量は、独立に、11カ月もしくはそれ未満、または10カ月もしくはそれ未満、または9カ月もしくはそれ未満、または8カ月もしくはそれ未満、または7カ月もしくはそれ未満、または6カ月もしくはそれ未満、または5カ月もしくはそれ未満、または4カ月もしくはそれ未満、または3カ月もしくはそれ未満、または2カ月もしくはそれ未満、または1カ月もしくはそれ未満の期間で30%~90%の間低減し得る。
【0229】
[000229] 一部の実施形態では、ライナーのポリウレタンの数平均分子量(Mn)およびフォームの質量は、独立に、11カ月もしくはそれ未満、または10カ月もしくはそれ未満、または9カ月もしくはそれ未満、または8カ月もしくはそれ未満、または7カ月もしくはそれ未満、または6カ月もしくはそれ未満、または5カ月もしくはそれ未満、または4カ月もしくはそれ未満、または3カ月もしくはそれ未満、または2カ月もしくはそれ未満、または1カ月もしくはそれ未満の期間で40%~90%の間低減し得る。
【0230】
[000230] 一部の実施形態では、ライナーのポリウレタンの数平均分子量(Mn)およびフォームの質量は、独立に、11カ月もしくはそれ未満、または10カ月もしくはそれ未満、または9カ月もしくはそれ未満、または8カ月もしくはそれ未満、または7カ月もしくはそれ未満、または6カ月もしくはそれ未満、または5カ月もしくはそれ未満、または4カ月もしくはそれ未満、または3カ月もしくはそれ未満、または2カ月もしくはそれ未満、または1カ月もしくはそれ未満の期間で50%~90%の間低減し得る。
【0231】
[000231] 一部の実施形態では、ライナーのポリウレタンの数平均分子量(Mn)およびフォームの質量は、独立に、11カ月もしくはそれ未満、または10カ月もしくはそれ未満、または9カ月もしくはそれ未満、または8カ月もしくはそれ未満、または7カ月もしくはそれ未満、または6カ月もしくはそれ未満、または5カ月もしくはそれ未満、または4カ月もしくはそれ未満、または3カ月もしくはそれ未満、または2カ月もしくはそれ未満、または1カ月もしくはそれ未満の期間で60%~90%の間低減し得る。
【0232】
[000232] 一部の実施形態では、ライナーのポリウレタンの数平均分子量(Mn)およびフォームの質量は、独立に、11カ月もしくはそれ未満、または10カ月もしくはそれ未満、または9カ月もしくはそれ未満、または8カ月もしくはそれ未満、または7カ月もしくはそれ未満、または6カ月もしくはそれ未満、または5カ月もしくはそれ未満、または4カ月もしくはそれ未満、または3カ月もしくはそれ未満、または2カ月もしくはそれ未満、または1カ月もしくはそれ未満の期間で70%~90%の間低減し得る。
【0233】
[000233] 一部の実施形態では、ライナーのポリウレタンの数平均分子量(Mn)およびフォームの質量は、独立に、11カ月もしくはそれ未満、または10カ月もしくはそれ未満、または9カ月もしくはそれ未満、または8カ月もしくはそれ未満、または7カ月もしくはそれ未満、または6カ月もしくはそれ未満、または5カ月もしくはそれ未満、または4カ月もしくはそれ未満、または3カ月もしくはそれ未満、または2カ月もしくはそれ未満、または1カ月もしくはそれ未満の期間で80%~90%の間低減し得る。
【0234】
[000234] 一部の実施形態では、ライナーのポリウレタンの数平均分子量(Mn)およびフォームの質量は、独立に、11カ月もしくはそれ未満、または10カ月もしくはそれ未満、または9カ月もしくはそれ未満、または8カ月もしくはそれ未満、または7カ月もしくはそれ未満、または6カ月もしくはそれ未満、または5カ月もしくはそれ未満、または4カ月もしくはそれ未満、または3カ月もしくはそれ未満、または2カ月もしくはそれ未満、または1カ月もしくはそれ未満の期間で20%~70%の間低減し得る。
【0235】
[000235] 一部の実施形態では、ライナーのポリウレタンの数平均分子量(Mn)およびフォームの質量は、独立に、11カ月もしくはそれ未満、または10カ月もしくはそれ未満、または9カ月もしくはそれ未満、または8カ月もしくはそれ未満、または7カ月もしくはそれ未満、または6カ月もしくはそれ未満、または5カ月もしくはそれ未満、または4カ月もしくはそれ未満、または3カ月もしくはそれ未満、または2カ月もしくはそれ未満、または1カ月もしくはそれ未満の期間で30%~70%の間低減し得る。
【0236】
[000236] 一部の実施形態では、ライナーのポリウレタンの数平均分子量(Mn)およびフォームの質量は、独立に、11カ月もしくはそれ未満、または10カ月もしくはそれ未満、または9カ月もしくはそれ未満、または8カ月もしくはそれ未満、または7カ月もしくはそれ未満、または6カ月もしくはそれ未満、または5カ月もしくはそれ未満、または4カ月もしくはそれ未満、または3カ月もしくはそれ未満、または2カ月もしくはそれ未満、または1カ月もしくはそれ未満の期間で40%~70%の間低減し得る。
【0237】
[000237] 一部の実施形態では、ライナーのポリウレタンの数平均分子量(Mn)およびフォームの質量は、独立に、11カ月もしくはそれ未満、または10カ月もしくはそれ未満、または9カ月もしくはそれ未満、または8カ月もしくはそれ未満、または7カ月もしくはそれ未満、または6カ月もしくはそれ未満、または5カ月もしくはそれ未満、または4カ月もしくはそれ未満、または3カ月もしくはそれ未満、または2カ月もしくはそれ未満、または1カ月もしくはそれ未満の期間で50%~70%の間低減し得る。
【0238】
[000238] 一部の実施形態では、ライナーのポリウレタンの数平均分子量(Mn)およびフォームの質量は、独立に、11カ月もしくはそれ未満、または10カ月もしくはそれ未満、または9カ月もしくはそれ未満、または8カ月もしくはそれ未満、または7カ月もしくはそれ未満、または6カ月もしくはそれ未満、または5カ月もしくはそれ未満、または4カ月もしくはそれ未満、または3カ月もしくはそれ未満、または2カ月もしくはそれ未満、または1カ月もしくはそれ未満の期間で60%~70%の間低減し得る。
【0239】
[000239] 図1は、外側フォーム表面(2)および内側フォーム表面(3)を含む、本開示の一実施形態による軟組織インプラントポケット(1)を示す。
【0240】
[000240] 図2は、フォーム層(2)およびポリウレタンライナー(3)を含む、本開示の一実施形態による軟組織インプラントポケット(1)を示す。
【0241】
[000241] 以下の実施例は、本開示による軟組織インプラントポケットの調製および使用を記載し、本開示を例示することが意図される。実施例は、本開示の範囲を決して制限すると解釈されるべきではない。
【実施例
【0242】
フォームの調製
[000242] 生分解性ポリウレタンフォームを、本開示に従って調製した。フォームを、従来のフォームスライス装置を使用して厚さ2mmのシートに切断した。
【0243】
ライナーの調製
ポリオールの合成
[000243] 1,4-ブタンジオール(BDO)3887g、90%乳酸3953g、およびε-カプロラクトン10520gを、撹拌器および凝縮器を取り付けた窒素雰囲気の反応器に添加した。混合物を200℃で加熱し、酸価がKOH1.9mg/gになった後、加熱器を除去した。
【0244】
鎖延長剤の合成
[000244] ε-カプロラクトン706.5gおよびBDO2792.5gを、加熱器および撹拌器を取り付けた反応器に添加した。ε-カプロラクトンがGCによってそれ以上検出されなくなるまで、混合物を200℃で加熱した。生成物のGC試験によって、67.9%のBDO、26.7%のダイマーおよび3.8%の三量体が示された。
【0245】
プレポリマーの合成
[000245] 調製した上述のポリオール6000.5gを、撹拌下および窒素中で反応器に充填し、1,6-ヘキサンジイソシアネート(HDI)3467.5gを添加した。混合物を60℃に加熱し、反応熱により90℃に達した。次に、混合物を60℃に冷却し、調製した上述の鎖延長剤128.27gおよび触媒0.2gを添加した。発熱は82℃に達した。プレポリマーのNCO含量は、7.607%であることが見出された。
【0246】
ポリマーの合成
[000246] 調製した上述のプレポリマー9458.5gを秤量して、20リットルの容器に入れ、乾燥BDO771.5gを、触媒0.7gと共に添加した。混合物を撹拌し、次にPTFE加工のトレーに注ぎ、オーブン内で120℃において2時間硬化させた。次に、ポリマーを、Zerma GSL180/300造粒機を使用して造粒した。
【0247】
ライナーの製造
[000247] 上述の通り調製したポリマー顆粒を、Carver加圧機で、ガラス繊維強化PTFEシートの間で175℃において10tの圧力で溶融加圧して、厚さ0.2mmのフィルムを形成した。
【0248】
フォームポケットの製造
[000248] 一例では、上述の通り調製した2mmのフォームシートを、縁が整列するように折り畳んだ。次に、整列させた縁を熱処理して、それらを共にシールしたが、選択したインプラントを入れるためのサイズを有する開口部は残した。
【0249】
[000249] 別の例では、上述の通り調製した2mmのフォームシート2つを、縁で整列させ、次に縁を熱処理して、それらを共にシールしたが、選択したインプラントを入れるためのサイズを有する開口部は残した。
【0250】
[000250] 一つの変形例では、そのように形成されたポケットを裏返し、したがって、ヒートシールした縁が、今度はポケットの内側に位置するようにした。
【0251】
ポリウレタンライナーを有するフォームポケットの製造
[000251] 上述の通り調製した2mmのフォームシートを、溶融加圧された0.2mmのライナーシートの最上部に重ね、溶融加圧プラテン上で、圧力をかけずに175℃で45秒間加熱して、2つの層を共に結合した。
【0252】
[000252] 一例では、上述の通り調製したフォーム/ライナー積層体を、縁が整列するように折り畳み、それによりライナー表面が内側に位置するようにした。次に、整列させた縁を熱処理して、それらを共にシールしたが、選択したインプラントを入れるためのサイズを有する開口部は残した。
【0253】
[000253] 別の例では、上述の通り調製されたフォーム/ライナー積層体の2つのシートを、縁で整列させ、それによりライナー表面が内側に位置するようにし、次に、縁を熱処理して、それらを共にシールしたが、選択したインプラントを入れるためのサイズを有する開口部は残した。
【0254】
[000254] 別の例では、上述の通り調製されたフォーム/ライナー積層体の2つのシートを、縁で整列させ、それによりライナー表面が外側に位置するようにし、次に、縁を熱処理して、それらを共にシールしたが、選択したインプラントを入れるためのサイズを有する開口部は残した。
【0255】
[000255] 一つの変形例では、そのようにして形成されたポケットを裏返し、したがって、ヒートシールした縁が、今度はポケットの内側に位置し、ライナー表面がポケットの内側に位置するようにした。
【0256】
フォーム/ライナー/フォーム積層体からのポケットの製造
[000256] 上述の通り調製した厚さ1mmのフォームシートを、溶融加圧されたライナーの最上部に適用し、溶融加圧プラテン上で、圧力をかけずに175℃で45秒間加熱して、2つの層を共に結合した。第2の厚さ1mmのフォームシートを、構造層の曝露した表面に適用して、2つのフォーム層の間に挟まれたライナーを含む積層体を形成した。
【0257】
[000257] 一例では、上述の通り調製したフォーム/ライナー/フォーム積層体を、縁が整列するように折り畳んだ。次に、整列させた縁を熱処理して、それらを共にシールしたが、選択したインプラントを入れるためのサイズを有する開口部は残した。
【0258】
[000258] 別の例では、上述の通り調製したフォーム/ライナー/フォーム積層体の2つのシートを、縁で整列させ、次に、縁を熱処理して、それらを共にシールしたが、選択したインプラントを入れるためのサイズを有する開口部は残した。
【0259】
[000259] 本願を通して引用されたすべての参考文献、ならびに公開された特許および特許出願の内容は、参照によって本明細書に組み込まれる。当業者は、開示された構造、材料、組成物および方法に変更を加えて本開示を実施することができ、このような変更は、本開示の範囲内にあるとみなされることを認識されよう。
【0260】
[000260] 当業者は、単に日常的な実験方法を使用して、本明細書に記載される具体的な実施形態および方法の多くの等価物を認識し、または確認することができよう。このような等価物は、以下の特許請求の範囲によって包含されることが意図される。
【0261】
[000261] 本明細書に記載される詳細な実施例および実施形態は、例えば例示目的のためだけに示されており、決して本開示を制限するものとみなされないと理解される。当業者には、本開示に照らして様々な改変または変化が示唆され、それらの様々な改変または変化は、本願の精神および範囲に含まれ、添付の特許請求の範囲内にあるとみなされる。例えば、成分の相対量は、所望の効果を最適化するために変えることができ、追加の成分を添加することができ、かつ/または類似の成分で、記載される成分の1つもしくは複数を置換することができる。本開示の系、方法、およびプロセスと関連する追加の有利な特徴および機能性は、添付の特許請求の範囲から明らかになろう。さらに当業者は、単に日常的な実験方法を使用して、本明細書に記載される本開示の具体的な実施形態の多くの等価物を認識し、または確認することができよう。このような等価物は、以下の特許請求の範囲によって包含されることが意図される。
図1
図2