(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-14
(45)【発行日】2023-11-22
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20231115BHJP
【FI】
A63F7/02 320
(21)【出願番号】P 2021115925
(22)【出願日】2021-07-13
【審査請求日】2022-09-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000154679
【氏名又は名称】株式会社平和
(74)【代理人】
【識別番号】100104547
【氏名又は名称】栗林 三男
(74)【代理人】
【識別番号】100206612
【氏名又は名称】新田 修博
(74)【代理人】
【識別番号】100209749
【氏名又は名称】栗林 和輝
(74)【代理人】
【識別番号】100217755
【氏名又は名称】三浦 淳史
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 義之
【審査官】上田 正樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-147941(JP,A)
【文献】特開2021-104180(JP,A)
【文献】「ぱちんこ 仮面ライダー 轟音」,[online],DMMぱちタウン,2021年06月10日,https://p-town.dmm.com/machines/3689,[2023年7月26日検索]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示手段と、
キャラクタの表示と、キャラクタの動きに関連する表示としての動作関連表示と、からなる表示要素が前記表示手段に複数表示される群予告演出の実行を制御する演出制御手段と、を備え、
前記群予告演出には、
複数の前記表示要素
として、第1表示要素と、第2表示要素と、第3表示要素と、
第4表示要素と、が表示される第1群予告演出と、
前記第4表示要素が表示されない第2群予告演出と、があり、
前記第1群予告演出は、前記第2群予告演出よりも所定の特典の付与に関する期待度が高く、
前記演出制御手段は、前記
第1群予告演出において、
前記第1表示要素の動作関連表示の少なくとも一部が前記第2表示要素のキャラクタの表示の少なくとも一部と重なるが、前記第1表示要素のキャラクタの表示が前記第2表示要素のキャラクタの表示と重ならず、
前記第2表示要素のキャラクタの表示および動作関連表示が、前記第3表示要素のキャラクタの表示および動作関連表示のいずれとも重なら
ず、
前記第4表示要素が、1画面に同時に複数表示されることがなく、
前記第4表示要素と同一の軌跡を辿って移動する前記表示要素がない表示を前記表示手段に表示させることを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スロットマシンやパチンコ遊技機等の遊技機において、液晶ディスプレイにおいて群予告演出を行うことが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、遊技機では、演出効果を向上させることが求められている。
【0005】
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、演出効果を向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明の遊技機は、
表示手段と、
キャラクタの表示と、キャラクタの動きに関連する表示としての動作関連表示と、からなる表示要素が前記表示手段に複数表示される群予告演出の実行を制御する演出制御手段と、を備え、
複数の前記表示要素には、第1表示要素と、第2表示要素と、第3表示要素と、が含まれ、
前記演出制御手段は、前記群予告演出において、
前記第1表示要素の動作関連表示の少なくとも一部が前記第2表示要素のキャラクタの表示の少なくとも一部と重なるが、前記第1表示要素のキャラクタの表示が前記第2表示要素のキャラクタの表示と重ならず、
前記第2表示要素のキャラクタの表示および動作関連表示が、前記第3表示要素のキャラクタの表示および動作関連表示のいずれとも重ならないように、前記表示手段に表示させることを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、第1表示要素と第2表示要素とについて、キャラクタの表示同士は重ならないようにしつつも、動作関連表示がキャラクタの表示に重なるようにすることで、動作関連表示がキャラクタの表示同士の間に入り込み、1群の表示となっている様子を表現でき、演出効果を高めることができる。また、これにより、群予告演出が実行されていること(群となっていること)を遊技者にしっかりと認識させることができる。また、第2表示要素と第3表示要素とについて、キャラクタの表示および動作関連表示が重ならないようにすることで、第1表示要素と第2表示要素と第3表示要素とが密集し過ぎ各キャラクタの存在感が低下して演出効果が低下してしまうことを防止できる。
【0008】
また、本発明の前記構成において、
前記表示要素のキャラクタの表示は、前記表示手段における表示上、当該キャラクタの表示の背面側にある表示物が表れないように表示され、
前記表示要素の動作関連表示は、前記表示手段における表示上、当該動作関連表示の背面側にある表示物が表れるように表示されてもよい。
【0009】
このような構成によれば、動作関連表示がキャラクタの表示の上に重なる場合であってもキャラクタの表示を遊技者に見える状態とすることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、演出効果を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施の形態に係る遊技機の一例を示すもので、その外観構成を示す斜視図である。
【
図3】同、状態表示部の外観構成を示す正面図である。
【
図4】同、遊技機の概略的な構成を示すブロック図である。
【
図6】同、群予告演出に係る表示について説明するための図である。
【
図7】同、群予告演出に使用するムービーの作成方法について説明するための図である。
【
図8】同、群予告演出における発光部の点灯態様について説明するための図である。
【
図9】同、群予告演出における表示要素の軌跡について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。以下の説明において、基本的に「前後」とは、遊技機の前側に遊技者が居る場合に、遊技者側が「前」で、遊技機側が「後」を意味し、「上下」とは遊技機の上面側が「上」で、下面側が「下」を意味し、「左右」とは遊技機で遊技する遊技者の左手側が「左」を意味し、右手側が「右」を意味する。
【0013】
図1は、本実施形態に係る遊技機の外観構成を示す斜視図である。本実施形態の遊技機は、遊技場から貸し出された遊技球(遊技媒体)を用いて遊技を行うものであり、遊技機の外側面を形成する外枠2と、遊技機の内部に設けられ、遊技球が移動する遊技領域4を形成する遊技盤6と、遊技盤6を保持する内枠7と、遊技盤6を遊技者が視認可能かつ接触不可能にするガラスユニット8と、ガラスユニット8が取り付けられている前枠10とを備えている。内枠7は、ヒンジ機構を介して外枠2に開閉可能に取り付けられている。また、前枠10は、ヒンジ機構を介して内枠7に開閉可能に取り付けられている。そして、内枠7(および前枠10)は、外枠2の開口部を塞ぐ閉位置(閉鎖状態)と外枠2の開口部を開放する開位置(開放状態)との間で開閉可能となっている。
【0014】
前枠10のうちガラスユニット8を取り囲む部分は、光を透過する半透明の素材により構成されており、半透明の素材により構成されている部分の内部には、遊技を盛り上げるための演出光などを出力する複数の前枠ランプ12が設けられている。また、前枠10の上部の左右および下部の左右には、遊技を盛り上げるための演出音などを出力するスピーカ14(音響装置)が設けられている。
【0015】
前枠10の下部中央には、遊技球を貯留するための上皿16が設けられており、上皿16の内側側面の左部には、遊技機から遊技者に遊技球を払い出すための払出口18が設けられている。また、前枠10の下部右側には、グリップユニット20が設けられており、遊技者がグリップユニット20を遊技機に向かって右回りに回転させる操作を行うと、遊技機内部に設けられた図示しない発射装置が作動して、遊技領域4内に遊技球が発射されるようになっている。なお、本実施形態の発射装置は、1分間に99個(1秒間に1.65個)の遊技球を発射することができる。
【0016】
上皿16の内側側面の右部には、上皿16から遊技球を発射装置に供給するための供給口22が設けられている。また、上皿16の下方には、上皿16に遊技球を貯留しきれなくなった場合に余剰の遊技球を貯留しておく下皿24が設けられている。
【0017】
また、上皿16の縁部手前側には、演出ボタン26(演出操作手段)が設けられており、遊技者が演出ボタン26を操作すると、遊技機で行われる演出が変化する。
【0018】
図2は、
図1で示した遊技盤6の外観構成を示す正面図である。
図2に示すように、遊技盤6には、円形状に外レール28が設けられており、外レール28に囲まれた領域が、遊技球が移動する遊技領域4となっている。また、遊技領域4の左端部には、外レール28に沿うように円弧状に内レール30が設けられており、外レール28と内レール30は、遊技盤6の下方に設けられた図示しない発射装置から発射された遊技球を遊技領域4に誘導する。
【0019】
遊技盤6の中央部には、遊技を盛り上げるための演出画像などを表示する液晶ディスプレイ32(演出表示手段)と、液晶ディスプレイ32を取り囲むように形成されたディスプレイ枠34を備える演出ユニット36が設けられている。そしてディスプレイ枠34には、液晶ディスプレイ32の中央上方に、遊技を盛り上げるための演出光などを出力するディスプレイ枠ランプ38,39が設けられている。
【0020】
本実施形態では、液晶ディスプレイ32の手前側を遊技球が通過できないようになっており、発射装置から発射された遊技球は、液晶ディスプレイ32の左側の遊技領域4aか右側の遊技領域4bを落下するようになっている。また、遊技領域4には、遊技盤6の表面に交差するように図示しない多数の遊技釘が打ち付けられており、遊技領域4を移動する遊技球の移動方向がランダムに変化するようになっている。
【0021】
またディスプレイ枠34の左部には、液晶ディスプレイ32の左側の遊技領域4aを落下する遊技球が通過できる開口40が形成されており、この開口40を通過した遊技球はディスプレイ枠34に設けられている通路42を通過して、液晶ディスプレイ32の下方に設けられたステージ44に落下するようになっている。このステージ44の上面は滑らかな曲面となっているとともに、ステージ44とガラスユニット8との間に遊技球がステージ44から下方に落下できる隙間が形成されており、通路42からステージ44上に落下した遊技球がステージ44上を左右に往復移動した後にステージ44の中央部付近から下方に落下するようになっている。
【0022】
ステージ44の中央部の下方には、ステージ44の中央部付近から下方に落下した遊技球が進入可能な第1始動口46が設けられている。また、第1始動口46内には、第1始動口46に入球した遊技球を検出する第1始動口スイッチ100(
図4参照)が配設されている。第1始動口スイッチ100は、遊技球(第1始動口46への遊技球の入球)を検出すると、検出信号を主制御基板200に対して出力する。また、主制御基板200は、第1始動口スイッチ100からの検出信号の入力に基づいて、特別図柄抽選としての第1特別図柄抽選を実行する。また、主制御基板200は、第1始動口スイッチ100からの検出信号の入力に基づいて、払出装置130に賞球の払い出しを実行させる。また、第1始動口46に進入した遊技球は、遊技機内部に回収される。
【0023】
遊技領域4における第1始動口46の左方には、複数(3個)の一般入賞口47(左上一般入賞口47a、左中一般入賞口47bおよび左下一般入賞口47c)が設けられている。また、遊技盤6には、左上一般入賞口47a、左中一般入賞口47bまたは左下一般入賞口47cに入球した遊技球を検出する一般入賞口スイッチ101(
図4参照)が配設されている。一般入賞口スイッチ101は、遊技球(左上一般入賞口47a、左中一般入賞口47bまたは左下一般入賞口47cへの遊技球の入球)を検出すると、検出信号を主制御基板200に対して出力する。また、主制御基板200は、一般入賞口スイッチ101からの検出信号の入力に基づいて、払出装置130に賞球の払い出し動作を実行させる。なお、一般入賞口スイッチ101は、左上一般入賞口47aと左中一般入賞口47bと左下一般入賞口47cとのそれぞれについて1個ずつ設けてもよく、複数(例えば3個)の一般入賞口47に対して1個だけ設けてもよい。また、左上一般入賞口47a、左中一般入賞口47bおよび左下一般入賞口47cの他にも一般入賞口47およびこの一般入賞口に対応する一般入賞口スイッチを設けてもよい。
【0024】
また、液晶ディスプレイ32の右側の遊技領域4bには、遊技球が遊技機内部に回収されずに通過する通過ゲート48が設けられている。また、通過ゲート48内には、遊技球が通過したことを検知するゲートスイッチ102(
図4参照)が配設されている。ゲートスイッチ102は、遊技球(遊技球の通過ゲート48の通過)を検出すると、検出信号を主制御基板200に対して出力する。また、主制御基板200は、ゲートスイッチ102からの検出信号の入力に基づいて、普通当りの当否を決定する普通図柄抽選を実行する。
【0025】
また、液晶ディスプレイ32の右側の遊技領域4bには、通過ゲート48の下方に、第2始動口49が設けられている。また、第2始動口49内には、第2始動口49に入球した遊技球を検出する第2始動口スイッチ103(
図4参照)が配設されている。第2始動口スイッチ103は、遊技球(第2始動口49への遊技球の入球)を検出すると、検出信号を主制御基板200に対して出力する。また、主制御基板200は、第2始動口スイッチ103からの検出信号の入力に基づいて、特別図柄抽選としての第2特別図柄抽選を実行する。また、主制御基板200は、第2始動口スイッチ103からの検出信号の入力に基づいて、払出装置130に賞球の払い出しを実行させる。また、第2始動口49に進入した遊技球は、遊技機内部に回収される。
【0026】
第2始動口49には、第2始動口49に遊技球が進入しにくい縮小状態(進入を補助しない状態・非補助状態)と遊技球が進入しやすい拡大状態(進入を補助する状態・補助状態)との間で動作可能な普通役物54(補助手段)が設けられている。普通役物54は、ソレノイドなどの駆動装置を内蔵しており、普通図柄抽選で普通当りが当選すると所定条件下で拡大状態となるように制御される。
【0027】
また、液晶ディスプレイ32の右側の遊技領域4bには、大入賞口50が設けられている。また、大入賞口50内には、大入賞口50に入球した遊技球を検出するカウントスイッチ104(
図4参照)が配設されている。カウントスイッチ104は、遊技球(大入賞口50への遊技球の入球)を検出すると、検出信号を主制御基板200に対して出力する。また、主制御基板200は、カウントスイッチ104からの検出信号の入力に基づいて、払出装置130に賞球の払い出し動作を実行させる。また、主制御基板200は、カウントスイッチ104からの検出信号の入力に基づいて、大入賞口50に入球した遊技球の数をカウントする。また、大入賞口50に進入した遊技球は、遊技機内部に回収される。
【0028】
大入賞口50には、大入賞口50に遊技球が進入不可能な閉状態(第2状態、進入不可状態)と遊技球が進入可能な開状態(第1状態、進入可能状態)との間で動作可能な特別役物56が設けられている。特別役物56は、ソレノイドなどの駆動装置を内蔵しており、特別図柄抽選(第1特別図柄抽選または第2特別図柄抽選)で大当りに当選すると開始される特別遊技状態において所定条件下で開状態となるように制御される。
【0029】
また、遊技領域4の最下部には、いずれの入賞口46,47,49,50にも進入せずに遊技領域4を落下した遊技球を遊技機内部に回収するアウト口62が設けられている。ここで、遊技機内部には、遊技領域4から回収(排出)された遊技球が通過する排出路(図示せず)が設けられている。本遊技機では、遊技領域4に打ち出された全ての遊技球(遊技領域4から回収された全ての遊技球)が、排出路を通過するように構成されている。すなわち、遊技領域4に打ち出された遊技球は、いずれかの入賞口46,47,49,50に入球またはアウト口62を通過することによって、遊技領域4から回収され排出路へ流入する。具体的には、各入賞口46,47,49,50に入球した遊技球は、入賞口内に配設されたスイッチ100,101,103,104により検出された後に、排出路に誘導される。また、アウト口62から回収された遊技球は、排出路に誘導される。また、排出路には、アウトスイッチ106(
図4参照)が配設されている。アウトスイッチ106は、排出路を通過する遊技球(遊技領域4からの遊技球の排出)を検出すると、検出信号を主制御基板200に対して出力する。また、主制御基板200は、アウトスイッチ106からの検出信号の入力に基づいて、遊技領域4から排出された遊技球の数をカウントする。
【0030】
遊技球の発射装置は、
図1で示したグリップユニット20(ハンドル)の回転量を調整することにより遊技球の射出力が変化するように構成されており、グリップユニット20の回転量が少ない場合には液晶ディスプレイ32の左側の遊技領域4aを遊技球が落下するように遊技球が発射され、グリップユニット20の回転量が多い場合には液晶ディスプレイ32の右側の遊技領域4bを遊技球が落下するように遊技球が発射される。
【0031】
したがって遊技者は、遊技状況に応じてグリップユニット20の回転量を調整し、遊技球が左側の遊技領域4aを落下して、あるいは開口40と通路42とステージ44を通過して第1始動口46に入賞するように遊技球を発射させたり(左打ち)、遊技球が右側の遊技領域4bを落下して、通過ゲート48を遊技球が通過するように、あるいは第2始動口49に遊技球が入賞するように、あるいは大入賞口50に遊技球が入賞するように遊技球を発射させたりする(右打ち)。
【0032】
なお、本実施形態の遊技機では、遊技球が左側の遊技領域4aを落下する場合には、通過ゲート48を遊技球が通過することがなく、第2始動口49および大入賞口50に遊技球が入球(入賞)することがないようになっている。また、遊技球が右側の遊技領域4bを落下する場合には、第1始動口46、左上一般入賞口47a、左中一般入賞口47bおよび左下一般入賞口47cに遊技球が入賞することがないようになっている。
【0033】
遊技盤6の右下部であって、遊技領域4の外側には、遊技機の各種状態をランプ等の点灯および消灯により示す状態表示部70が設けられている。
【0034】
図3は、状態表示部70の外観構成を示す正面図である。状態表示部70は、
図3に示すように、普通図柄表示部72、普通保留表示部74、第1特別図柄表示部76、第1特別保留表示部78、第2特別図柄表示部80、第2特別保留表示部82、遊技状態表示部84が設けられている。
【0035】
普通図柄表示部72は、2つのランプにより構成され、普通図柄抽選が行われる場合に2つのランプを点滅させることにより普通図柄を変動表示し、2つのランプを点灯または消灯させることにより普通図柄を停止表示して、普通図柄抽選の結果を表示する。
【0036】
普通保留表示部74は、2つのランプにより構成され、通過ゲート48を遊技球が通過した時点で既に普通図柄が変動表示中または停止表示中である場合など、普通図柄抽選用乱数値を取得しても普通図柄抽選を行うことができないことにより普通図柄抽選用乱数値が保留された場合に、保留されている普通図柄抽選用乱数値の数に対応する普通保留数を表示するものであり、2つのランプを点灯または消灯または点滅させることの組み合わせによって、0~4個の普通保留数を表示する。
【0037】
第1特別図柄表示部76は、7セグメントディスプレイにより構成され、第1始動口46に遊技球が進入することにより第1特別図柄抽選が行われる場合に、7セグメントディスプレイを点滅させることにより第1特別図柄を変動表示し、7セグメントディスプレイを複数種類の態様のうちいずれかの態様で点灯させることにより第1特別図柄を停止表示して、第1特別図柄抽選の結果を表示する。
【0038】
第1特別保留表示部78は、2つのランプにより構成され、第1始動口46に遊技球が進入した時点で既に第1特別図柄または第2特別図柄が変動表示中または停止表示中である場合など、特別図柄抽選用乱数値(抽選情報)を取得しても特別図柄抽選を行うことができないことにより特別図柄抽選用乱数値が第1特別乱数値として保留された場合に、保留されている第1特別乱数値の数に対応する第1特別保留数を表示するものであり、2つのランプを点灯または消灯または点滅させることの組み合わせによって、0~4個の第1特別保留数を表示する。
【0039】
第2特別図柄表示部80は、7セグメントディスプレイにより構成され、第2始動口49に遊技球が進入することにより第2特別図柄抽選が行われる場合に、7セグメントディスプレイを点滅させることにより第2特別図柄を変動表示し、7セグメントディスプレイを複数種類の態様のうちいずれかの態様で点灯させることにより第2特別図柄を停止表示して、第2特別図柄抽選の結果を表示する。
【0040】
第2特別保留表示部82は、2つのランプにより構成され、第2始動口49に遊技球が進入した時点で既に第1特別図柄または第2特別図柄が変動表示中または停止表示中である場合など、特別図柄抽選用乱数値を取得しても特別図柄抽選を行うことができないことにより特別図柄抽選用乱数値が第2特別乱数値として保留された場合に、保留されている第2特別乱数値の数に対応する第2特別保留数を表示するものであり、2つのランプを点灯または消灯または点滅させることの組み合わせによって、0~4個の第2特別保留数を表示する。
【0041】
遊技状態表示部84は、6つのランプにより構成され、6つのランプを点灯または消灯または点滅させることの組み合わせによって、現在設定されている遊技状態の種類を表示する。本実施形態では、通常状態(低確率状態)と、通常状態よりも大当りの当選確率が高く設定された確変状態(高確率状態・特殊状態)と、特別図柄抽選で大当りに当選すると開始される特別遊技状態と、第1特別図柄あるいは第2特別図柄の変動時間を短縮させて特別図柄抽選の実行契機を頻繁に到来させる時短状態(特殊状態)の4種類の遊技状態が設定可能となっており、6つのランプを点灯または消灯または点滅させることの組み合わせによって、いずれの遊技状態に設定されているかを表示する。
【0042】
図4は、本実施形態の遊技機の機能ブロック図である。本実施形態の遊技機は、主制御基板200(主制御手段)および副制御基板202(副制御手段)を含む制御基板によって制御される。そして、主制御基板200や副制御基板202等の各基板の機能は、各種のプロセッサ(CPU、DSPなど)、ASIC(ゲートアレイなど)、ROM(情報記憶媒体の一例)、あるいはRAMなどのハードウェアや、ROMなどに予め記憶されている所与のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
【0043】
主制御基板200は、遊技の進行を制御する。主制御基板200は、第1始動口スイッチ100、一般入賞口スイッチ101、ゲートスイッチ102、第2始動口スイッチ103、カウントスイッチ104またはアウトスイッチ106等の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて、状態表示部70、普通役物54、特別役物56または払出装置130等の出力手段の動作制御を行う。
【0044】
副制御基板202は、主制御基板200から送信される情報に基づいて演出の実行を制御する。副制御基板202は、主制御基板200から送られてくる信号や、演出ボタン26に対する操作を検出する演出ボタンスイッチ150からの入力信号を受けて、遊技の進行状況に合わせた演出を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて、液晶ディスプレイ32、ランプ12,38,39、スピーカ14、演出物駆動装置等の演出装置の動作制御を行う。
【0045】
主制御基板200は、乱数発生手段210、普通図柄抽選手段220、普通表示制御手段222、普通役物制御手段224、特別図柄抽選手段230、特別表示制御手段240、遊技状態移行制御手段250、特別遊技実行手段260、払出制御手段270、通信制御手段280およびメインメモリ290を含んで構成されている。
【0046】
乱数発生手段210は、抽選用の乱数値を発生させる手段であり、ハードウェア乱数を発生させる乱数発生器や、ソフトウェア乱数を発生させるプログラムにより実現される。ソフトウェア乱数は、例えば、インクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお、本実施形態において「乱数値」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、その発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
【0047】
普通図柄抽選手段220は、通過ゲート48を通過する遊技球を1個ずつ検出するゲートスイッチ102から検出信号が入力されたことに基づいて、乱数発生手段210から普通図柄抽選用乱数値を取得してメインメモリ290の普通乱数記憶手段2912に格納し、普通乱数記憶手段2912から読み出した普通図柄抽選用乱数値について普通当りの当否などを決定する普通図柄抽選を行う。具体的には、普通図柄抽選手段220は、普通図柄抽選として、普通当り決定処理などを行う。
【0048】
普通当り決定処理は、普通当りの当否を決定する処理である。普通当り決定処理では、普通図柄抽選手段220は、メインメモリ290の抽選テーブル記憶手段2910に記憶されている複数種類の普通図柄抽選テーブルのうち、いずれの普通図柄抽選テーブルを参照して乱数判定処理を行うかを遊技状態に応じて選択する。ここで、各普通図柄抽選テーブルは、0~99の100個の普通図柄抽選用乱数値のそれぞれに対して、普通当りまたはハズレが対応付けられたものである。そして、普通図柄抽選手段220は、選択した普通図柄抽選テーブルを参照して、普通乱数記憶手段2912から読み出した1つの普通図柄抽選用乱数値が普通当りに対応づけられているか否かを判定することにより、普通当りが当選したか否かを判定する。そして、普通図柄抽選手段220は、普通当りが当選した場合には、メインメモリ290のフラグ記憶手段2916において、普通当りの当選フラグをON状態に設定し、ハズレとなった場合には、普通当りの当選フラグをOFF状態に設定する。
【0049】
また、遊技状態が確変状態あるいは時短状態である場合に選択される普通図柄抽選テーブルは、遊技状態が確変状態でも時短状態でもない場合に選択される普通図柄抽選テーブルに比べ、普通当りが当選する確率が高く設定されている。換言すると、遊技状態が確変状態あるいは時短状態である場合に行われる普通図柄抽選は、遊技状態が確変状態でも時短状態でもない場合に行われる普通図柄抽選に比べ、普通当りが当選する確率が高くなっている。
【0050】
普通表示制御手段222は、普通図柄抽選の抽選結果に基づいて状態表示部70の表示を制御する手段であって、普通図柄表示制御処理、普通保留表示制御処理を行う。
【0051】
普通図柄表示制御処理では、普通表示制御手段222は、所定の変動時間が経過するまで、普通図柄表示部72の2つのランプを点滅させることにより普通図柄を変動表示させ、普通当り決定処理において普通当りが当選したか否かに応じて、普通図柄表示部72の2つのランプを点灯または消灯させることにより普通図柄を停止表示させることにより、普通図柄表示部72に普通図柄抽選の結果を表示させる。
【0052】
具体的には、本実施形態では、普通図柄抽選が行われた時点の遊技状態が確変状態でも時短状態でもない場合には、普通図柄の変動時間が20秒に設定され、普通図柄抽選が行われた時点の遊技状態が確変状態あるいは時短状態である場合には、普通図柄の変動時間が1秒に設定されるようになっており、遊技状態が確変状態あるいは時短状態である場合の方が、普通図柄抽選の実行契機が頻繁に到来するようになっている。
【0053】
普通保留表示制御処理では、普通表示制御手段222は、普通乱数記憶手段2912に格納されている普通図柄抽選用乱数値の数に応じて、普通保留表示部74の2つのランプを点灯または消灯または点滅させることの組み合わせによって、0~4個の普通保留数を表示する。
【0054】
普通役物制御手段224は、普通図柄抽選の抽選結果に基づいて普通役物54を制御する手段である。普通役物制御手段224は、遊技状態が確変状態でも時短状態でもない場合に、普通図柄が普通当りの当選を示す態様で停止表示されたことを契機として、0.1秒が経過するまで普通役物54が拡大状態となってから縮小状態に復帰するように普通役物54を動作させる制御を行う。また、普通役物制御手段224は、遊技状態が確変状態あるいは時短状態である場合に、普通図柄が普通当りの当選を示す態様で停止表示されたことを契機として、20秒が経過するまで普通役物54が拡大状態となってから縮小状態に復帰するように普通役物54を動作させる制御を行う。
【0055】
したがって、普通図柄抽選において普通当りとなった場合に、遊技状態が確変状態でも時短状態でもなければ、第2始動口49への遊技球の進入しやすさがほとんど増加しないように普通役物54が動作するが、遊技状態が確変状態あるいは時短状態であれば、第2始動口49への遊技球の進入しやすさが増加するように普通役物54が動作する。
【0056】
特別図柄抽選手段230は、第1始動口46に進入する遊技球を1個ずつ検出する第1始動口スイッチ100から検出信号が入力されたことに基づいて、乱数発生手段210から特別図柄抽選用乱数値を取得して、メインメモリ290の特別乱数記憶手段2914に第1特別乱数値として格納する。また、特別図柄抽選手段230は、第2始動口49に進入する遊技球を1個ずつ検出する第2始動口スイッチ103から検出信号が入力されたことに基づいて、乱数発生手段210から特別図柄抽選用乱数値を取得して、特別乱数記憶手段2914に第2特別乱数値として格納する。そして、特別図柄抽選手段230は、特別乱数記憶手段2914から読み出した第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値を用いて、大当りの当否などを決定する特別図柄抽選を行う。具体的には、特別図柄抽選手段230は、特別図柄抽選として、大当り決定処理、図柄決定処理などを行う。
【0057】
大当り決定処理は、特別乱数記憶手段2914に格納されている第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値に含まれる1つの大当り決定乱数値を読み出して、大当りの当否を決定する処理である。ここで、1つの大当り決定乱数値は、第1始動口スイッチ100あるいは第2始動口スイッチ103から検出信号が入力されたことに基づいて、0~65535の65536個の大当り決定乱数値から取得され、特別乱数記憶手段2914に第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値として格納されたものである。
【0058】
大当り決定処理では、特別図柄抽選手段230は、メインメモリ290の抽選テーブル記憶手段2910に記憶されている複数種類の大当り抽選テーブルのうちいずれを参照して乱数判定処理を行うかを遊技状態に応じて選択する。ここで、各大当り抽選テーブルは、0~65535の65536個の大当り決定乱数値のそれぞれに対して、大当りまたはハズレが対応付けられたものである。そして、特別図柄抽選手段230は、選択した大当り抽選テーブルを参照して、読み出した1つの大当り決定乱数値が大当りに対応づけられているか否かを判定することにより、大当りに当選したか否かを決定する。また、特別図柄抽選手段230は、大当りに当選した場合には、フラグ記憶手段2916において、大当りの当選フラグをON状態に設定し、ハズレとなった場合には、大当りの当選フラグをOFF状態に設定する
【0059】
また、遊技状態が確変状態である場合に選択される大当り抽選テーブルは、遊技状態が通常状態または時短状態である場合に選択される大当り抽選テーブルに比べ、大当りに当選する確率が高く設定されている。換言すると、遊技状態が確変状態である場合に行われる大当り決定処理(特別図柄抽選)は、遊技状態が通常状態または時短状態ある場合に行われる大当り決定処理(特別図柄抽選)に比べ、大当りが当選する確率が高くなっている。
【0060】
図柄決定処理は、大当り決定処理で大当りに当選した場合に行われる処理であり、特別乱数記憶手段2914に格納されている第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値に含まれる1つの図柄決定乱数値を読み出して、大当り図柄(大当りの種別)を16ラウンド確変図柄、4ラウンド確変図柄、16ラウンド通常図柄、4ラウンド通常図柄のうちいずれにするかを決定する処理である。ここで1つの図柄決定乱数値は、第1始動口スイッチ100あるいは第2始動口スイッチ103から検出信号が入力されたことに基づいて、0~99の100個の図柄決定乱数値から取得され、特別乱数記憶手段2914に第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値として格納されたものである。
【0061】
図柄決定処理では、特別図柄抽選手段230は、抽選テーブル記憶手段2910に記憶されている複数種類の図柄抽選テーブルのうちいずれを参照して乱数判定処理を行うかを、読み出した1つの図柄決定乱数値が第1特別乱数値として格納されていたか第2特別乱数値として格納されていたかに応じて選択する。ここで、各図柄抽選テーブルは、0~99の100個の図柄決定乱数値のそれぞれに対して、16ラウンド確変図柄、4ラウンド確変図柄、16ラウンド通常図柄、4ラウンド通常図柄のいずれかが対応付けられたものである。そして、特別図柄抽選手段230は、選択した図柄抽選テーブルを参照して、読み出した1つの図柄決定乱数値が複数種類の大当り図柄のいずれに対応づけられているかを判定することにより、複数種類の大当り図柄のいずれが当選したかを決定する。また、特別図柄抽選手段230は、フラグ記憶手段2916において、当選した大当り図柄に対応する当選フラグをON状態に設定する。
【0062】
特別表示制御手段240は、特別図柄抽選の抽選結果に基づいて状態表示部70の表示を制御する手段であって、第1特別図柄表示制御処理、第2特別図柄表示制御処理、第1特別保留表示制御処理、第2特別保留表示制御処理を行う。
【0063】
第1特別図柄表示制御処理は、特別乱数記憶手段2914から第1特別乱数値が読み出されて特別図柄抽選が行われた場合に行われる処理であり、特別表示制御手段240は、所定の変動時間が経過するまで、第1特別図柄表示部76の7セグメントディスプレイを点滅させることにより第1特別図柄を変動表示させた後に、第1特別図柄表示部76の7セグメントディスプレイを所定の態様で点灯させることにより第1特別図柄を停止表示させる。
【0064】
本実施形態では、4種類の大当り図柄およびハズレのそれぞれに対応して7セグメントディスプレイの表示態様が予め定められており、特別表示制御手段240は、大当り決定処理で大当りに当選したか否かに応じた態様で、そして大当り決定処理で大当りに当選した場合には図柄決定処理で決定された大当り図柄に応じた態様で、第1特別図柄表示部76の7セグメントディスプレイを点灯させることにより第1特別図柄を停止表示させ、第1特別図柄表示部76に特別図柄抽選の結果を表示させる。
【0065】
第2特別図柄表示制御処理は、特別乱数記憶手段2914から第2特別乱数値が読み出されて特別図柄抽選が行われた場合に行われる処理であり、特別表示制御手段240は、所定の変動時間が経過するまで、第2特別図柄表示部80の7セグメントディスプレイを点滅させることにより第2特別図柄を変動表示させた後に、第2特別図柄表示部80の7セグメントディスプレイを所定の態様で点灯させることにより第2特別図柄を停止表示させる。
【0066】
そして特別表示制御手段240は、大当り決定処理で大当りに当選したか否かに応じた態様で、そして大当り決定処理で大当りに当選した場合には図柄決定処理で決定された大当り図柄に応じた態様で、第2特別図柄表示部80の7セグメントディスプレイを点灯させることにより第2特別図柄を停止表示させ、第2特別図柄表示部80に特別図柄抽選の結果を表示させる。
【0067】
第1特別保留表示制御処理では、特別表示制御手段240は、特別乱数記憶手段2914に格納されている第1特別乱数値の数に応じて、第1特別保留表示部78の2つのランプを点灯または消灯または点滅させることの組み合わせによって、0~4個の第1特別保留数を表示させる。
【0068】
第2特別保留表示制御処理では、特別表示制御手段240は、特別乱数記憶手段2914に格納されている第2特別乱数値の数に応じて、第2特別保留表示部82の2つのランプを点灯または消灯または点滅させることの組み合わせによって、0~4個の第2特別保留数を表示させる。
【0069】
遊技状態移行制御手段250は、
図5に示すように、所定の移行条件の成立に基づいて、通常状態、特別遊技状態、確変状態、時短状態の間で遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理を行う。遊技状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の予め定められた条件のうち1の条件が成立したこと、あるいは複数の予め定められた条件の全てが成立したことに基づいて、遊技状態を別の遊技状態へ移行させることができる。
【0070】
通常状態は、複数種類の遊技状態の中で初期状態に相当する遊技状態で、通常状態からは特別遊技状態への移行が可能となっている。そして通常状態では、普通当りの当選確率が約1/20に設定された普通図柄抽選テーブルを参照して普通図柄抽選が行われ、大当りの当選確率が1/319に設定された大当り抽選テーブルを参照して特別図柄抽選が行われる。
【0071】
そして、通常状態では、普通図柄抽選における普通当りの当選確率が約1/20と低い上に、普通図柄の変動時間が長く設定されており、普通役物54が拡大状態となる期間が0.1秒と短くなっているため、第2始動口49に遊技球を進入させにくくなっている。
【0072】
特別遊技状態は、通常状態、確変状態または時短状態における特別図柄抽選において大当りに当選したことに基づいて開始され、大当り図柄の種類に応じて予め定められたラウンド数(実行回数)の特別遊技が実行されると終了する。
【0073】
具体的には、特別図柄抽選において16ラウンド確変図柄の当選フラグがON状態に設定されたことに基づいて特別遊技状態が開始されると、第1ラウンド~第16ラウンドの16ラウンドの特別遊技が実行されたことを条件に特別遊技状態が終了する。
【0074】
また、特別図柄抽選において4ラウンド確変図柄の当選フラグがON状態に設定されたことに基づいて特別遊技状態が開始されると、第1ラウンド~第4ラウンドの4ラウンドの特別遊技が実行されたことを条件に特別遊技状態が終了する。
【0075】
また、特別図柄抽選において16ラウンド通常図柄の当選フラグがON状態に設定されたことに基づいて特別遊技状態が開始されると、第1ラウンド~第16ラウンドの16ラウンドの特別遊技が実行されたことを条件に特別遊技状態が終了する。
【0076】
また、特別図柄抽選において4ラウンド通常図柄の当選フラグがON状態に設定されたことに基づいて特別遊技状態が開始されると、第1ラウンド~第4ラウンドの4ラウンドの特別遊技が実行されたことを条件に特別遊技状態が終了する。
【0077】
確変状態は、16ラウンド確変図柄または4ラウンド確変図柄(確変図柄)の当選フラグがON状態に設定されたことに基づいて開始された特別遊技状態が終了したことを契機として開始され、確変状態からは特別遊技状態または通常状態への移行が可能となっている。また、確変状態では、普通当りの当選確率が約19/20に設定された普通図柄抽選テーブルを参照して普通図柄抽選が行われ、大当りの当選確率が1/31に設定された大当り抽選テーブルを参照して特別図柄抽選が行われる点で、通常状態よりも遊技者に有利になっている。そして、確変状態は、確変状態において特別図柄抽選が行われた回数が9999回に達したことを条件に終了し、通常状態に移行される。
【0078】
具体的には、遊技状態移行制御手段250は、特別遊技状態が終了するとメインメモリ290の確変終了判定カウンタ2930に所定の遊技回数(例えば、9999回)に相当する値(例えば、9999)を書き込み、確変状態において特別図柄抽選が行われるごとに確変終了判定カウンタ2930の記憶値から1回分の遊技回数に相当する値(例えば、1)を減算するデクリメント更新を行う。そして、確変終了判定カウンタ2930の記憶値がしきい値(例えば、0)に達すると、確変状態を終了させて通常状態を開始させる。ただし、確変状態では、特別図柄抽選における大当りの当選確率が1/31に設定されるため、確変状態において特別図柄抽選が行われた回数が9999回に達する前に特別遊技状態が開始され、確変状態から通常状態に移行することはほとんどないようになっている。
【0079】
また、確変状態では、普通図柄抽選における普通当りの当選確率が約19/20と高い上に、普通図柄の変動時間が1秒と短く、普通役物54が拡大状態となる期間が20秒と長くなっているため、通常状態よりも第2始動口49に遊技球を進入させやすくなっている点で遊技者に有利になっている。
【0080】
また、確変状態では、保留数に関わらず第1特別図柄あるいは第2特別図柄の変動時間としてより短い変動時間が設定されることが多くなるため、通常状態よりも特別図柄抽選の実行契機が頻繁に到来するようになっている。
【0081】
時短状態は、16ラウンド通常図柄または4ラウンド通常図柄の当選フラグがON状態に設定されたことに基づいて開始された特別遊技状態が終了したことを契機として開始され、時短状態からは特別遊技状態または通常状態への移行が可能となっている。また、時短状態では、確変状態と同様に普通当りの当選確率が約19/20に設定された普通図柄抽選テーブルを参照して普通図柄抽選が行われるものの、通常状態と同様に大当りの当選確率が約1/319に設定された大当り抽選テーブルを参照して特別図柄抽選が行われる点で、確変状態よりも遊技者に不利になっている。そして、時短状態は、時短状態において特別図柄抽選が行われた回数が100回に達したことを条件に終了し、通常状態に移行される。
【0082】
具体的には、遊技状態移行制御手段250は、遊技状態が時短状態に移行されたことを契機として、メインメモリ290の時短終了判定カウンタ2932に所定の遊技回数(例えば、100回)に相当する値(例えば、100)を書き込み、時短状態において特別図柄抽選が行われるごとに時短終了判定カウンタ2932の記憶値から1回分の遊技回数に相当する値(例えば、1)を減算するデクリメント更新を行う。そして時短終了判定カウンタ2932の記憶値がしきい値(例えば、0)に達すると、時短状態を終了させる。
【0083】
また、時短状態では、確変状態と同様に、普通図柄抽選における普通当りの当選確率が約19/20と高い上に、普通図柄の変動時間が1秒と短く、普通役物54が拡大状態となる期間が20秒と長くなっているため、通常状態よりも第2始動口49に遊技球を進入させやすくなっている点で遊技者に有利になっている。
【0084】
また、時短状態では、確変状態と同様に、保留数に関わらず第1特別図柄あるいは第2特別図柄の変動時間としてより短い変動時間が設定されることが多くなるため、通常状態よりも特別図柄抽選の実行契機が頻繁に到来するようになっている。
【0085】
特別遊技実行手段260は、特別図柄抽選の抽選結果に基づいて特別遊技を実行する手段であって、特別遊技実行処理1~特別遊技実行処理4などを行う。
【0086】
特別遊技実行処理1は、特別図柄抽選において16ラウンド確変図柄が当選したことに基づいて実行され、特別遊技実行手段260は、ラウンドカウンタ2933の上限値として16ラウンド確変図柄について予め定められたラウンド数である16回に相当する値(例えば、16)を設定し、各ラウンドにおいて予め定められた態様で特別役物56が動作を完了するごとに、ラウンドカウンタ2933の記憶値に1回分のラウンド数に相当する値(例えば、1)を加算するインクリメント更新を行う。そして、ラウンドカウンタ2933の記憶値が上限値(例えば、16)に達すると、特別遊技状態が終了する。
【0087】
具体的には、特別遊技実行処理1では、第1ラウンド~第16ラウンドの各ラウンドの特別遊技において、特別役物56が開状態となってから開放タイマー2934が29秒をカウントするか、カウントスイッチ104が1個の遊技球の進入を検出すると1個分の遊技球に相当する値(例えば、1)が加算される大入賞数カウンタ2936の値が上限値(例えば、10)に達すると特別役物56が閉状態となるように特別役物56の駆動制御が行われる。すると、1回分のラウンドの終了条件が満たされたとして、ラウンドカウンタ2933の値に「1」が加算される。
【0088】
特別遊技実行処理2は、特別図柄抽選において4ラウンド確変図柄が当選したことに基づいて実行され、特別遊技実行手段260は、ラウンドカウンタ2933の上限値として4ラウンド確変図柄について予め定められたラウンド数である4回に相当する値(例えば、4)を設定し、各ラウンドにおいて予め定められた態様で特別役物56が動作を完了するごとに、ラウンドカウンタ2933の記憶値に1回分のラウンド数に相当する値(例えば、1)を加算するインクリメント更新を行う。そして、ラウンドカウンタ2933の記憶値が上限値(例えば、4)に達すると、特別遊技状態が終了する。
【0089】
具体的には、特別遊技実行処理2では、第1ラウンド~第4ラウンドの各ラウンドの特別遊技において、特別役物56が開状態となってから開放タイマー2934が29秒をカウントするか、大入賞数カウンタ2936の値が上限値(例えば、10)に達すると特別役物56が閉状態となるように特別役物56の駆動制御が行われる。すると、1回分のラウンドの終了条件が満たされたとして、ラウンドカウンタ2933の値に「1」が加算される。
【0090】
特別遊技実行処理3は、特別図柄抽選において16ラウンド通常図柄が当選したことに基づいて実行され、特別遊技実行手段260は、ラウンドカウンタ2933の上限値として16ラウンド通常図柄について予め定められたラウンド数である16回に相当する値(例えば、16)を設定し、各ラウンドにおいて予め定められた態様で特別役物56が動作を完了するごとに、ラウンドカウンタ2933の記憶値に1回分のラウンド数に相当する値(例えば、1)を加算するインクリメント更新を行う。そして、ラウンドカウンタ2933の記憶値が上限値(例えば、16)に達すると、特別遊技状態が終了する。
【0091】
具体的には、特別遊技実行処理3では、第1ラウンド~第16ラウンドの各ラウンドの特別遊技において、特別役物56が開状態となってから開放タイマー2934が29秒をカウントするか、大入賞数カウンタ2936の値が上限値(例えば、10)に達すると特別役物56が閉状態となるように特別役物56の駆動制御が行われる。すると、1回分のラウンドの終了条件が満たされたとして、ラウンドカウンタ2933の値に「1」が加算される。
【0092】
特別遊技実行処理4は、特別図柄抽選において4ラウンド通常図柄が当選したことに基づいて実行され、特別遊技実行手段260は、ラウンドカウンタ2933の上限値として4ラウンド通常図柄について予め定められたラウンド数である4回に相当する値(例えば、4)を設定し、各ラウンドにおいて予め定められた態様で特別役物56が動作を完了するごとに、ラウンドカウンタ2933の記憶値に1回分のラウンド数に相当する値(例えば、1)を加算するインクリメント更新を行う。そして、ラウンドカウンタ2933の記憶値が上限値(例えば、4)に達すると、特別遊技状態が終了する。
【0093】
具体的には、特別遊技実行処理4では、第1ラウンド~第4ラウンドの各ラウンドの特別遊技において、特別役物56が開状態となってから開放タイマー2934が29秒をカウントするか、大入賞数カウンタ2936の値が上限値(例えば、10)に達すると特別役物56が閉状態となるように特別役物56の駆動制御が行われる。すると、1回分のラウンドの終了条件が満たされたとして、ラウンドカウンタ2933の値に「1」が加算される。
【0094】
払出制御手段270は、第1始動口スイッチ100からの検出信号、一般入賞口スイッチ101からの検出信号、第2始動口スイッチ103からの検出信号またはカウントスイッチ104からの検出信号が入力されたことに基づいて、検出信号ごとに予め定められている賞球数に相当する数の遊技球を払出装置130に払い出させる制御を行う。なお、賞球数は1個以上であれば何個でもよく、また、第1始動口スイッチ100、一般入賞口スイッチ101、第2始動口スイッチ103またはカウントスイッチ104のそれぞれで払い出す賞球数を異ならせてもよいし、同じ賞球数に設定してもよい。
【0095】
払出装置130は、払出制御手段270によって指示された払出数の遊技球を払い出す動作を行う。この払出装置130には、遊技球を貯めておく遊技球タンクに払出モーターが設けられており、払出制御手段270は、払出モーターの回転角度を制御することにより、指示通りの数の遊技球を遊技球タンクから払い出させる。また、払出装置130には、遊技球を1個払い出すごとに作動する払出スイッチが備えられており、払出制御手段270は、払出スイッチからの払出信号に基づいて払出装置130から実際に払い出された遊技球の数を管理することができる。
【0096】
通信制御手段280は、主制御基板200における各種の演算結果に応じて生成された各種のコマンドを副制御基板202に送信する制御を行っている。なお、本実施形態の遊技機では、主制御基板200と副制御基板202との間では、主制御基板200から副制御基板202への単方向通信のみが可能となっており、副制御基板202からは主制御基板200へ情報を送信することができないように通信接続されている。
【0097】
続いて、副制御基板202について説明する。副制御基板202は、演出制御手段300と、サブメモリ302と、を備えている。また、サブメモリ302は、複数種類のRAMおよびROMを備えており、サブメモリ302に記憶される各種データは、各RAMやROMに記憶される。演出制御手段300は、主制御基板200から送信される各種のコマンドや、演出ボタンスイッチ150からの入力信号や、サブメモリ302のROMに記憶されている演出データに基づいて、液晶ディスプレイ32に演出画像を表示させたり、ランプ12,38,39等の発光部を点灯させたり、スピーカ14から演出音を出力させたり、演出物駆動装置を駆動して演出物を動作させたりするなど、演出装置を制御することにより、遊技を盛り上げたり、遊技を補助したりするための演出を演出装置に実行させる。
【0098】
液晶ディスプレイ32は、その表示面に演出画像を表示させることにより、演出を実行する。また、液晶ディスプレイ32に表示される演出画像は、描画素材(素材画像)が配置された複数のレイヤを重ね合せて形成された合成画像となっている。
【0099】
液晶ディスプレイ32に表示される演出画面は、例えば1秒間が30コマ(以下、フレームという)で構成されている(いわゆる30fpsのフレームレート)。したがって、例えば1分間の長さを持った演出パターンの場合、その演出画面は全体で60秒×30フレームの計1800フレームにより成り立っている。
【0100】
各フレームの実体は、複数の描画素材が重ね合わせられた1つの合成画像である。各フレーム内には仮想的なレイヤがN枚存在し、各レイヤに各描画素材が配置される。重ね合わせられる個々の描画素材には優先度が設定されており、優先度のより低い描画素材が下位のレイヤに配置され、優先度のより高い描画素材が上位のレイヤに配置される。なお、各フレームを成す合成画像は、N枚全てのレイヤに描画素材を配置することにより最大N個の描画素材を重ね合わせて構成することが可能であるが、演出の内容に応じて各合成画像を構成する描画素材の数は変動し、必ずしもN個の描画素材から構成されるものではない。また、合成画像を構成する描画素材がN個に満たない場合に、レイヤが必ずしも空き番なく下位から詰めて使用されるとは限らず、フレーム画像の合成処理における効率等を考慮してレイヤが使用されるため、不使用のレイヤが中間部分に適宜発生し得る。
【0101】
1つのフレームを描画する際には、優先度の低い描画素材から1つずつ順に相応のレイヤに描画される。例えば、1つのフレームが5個の描画素材で構成される場合には、まず優先度が最も低い(優先順位5位の)描画素材が最も下位のレイヤに配されて所定の位置に描画される。次に優先度が2番目に低い(優先順位4位の)描画素材が、優先順位5位の描画素材が描画されたレイヤよりも上位のレイヤに配されて所定の位置に描画される。このようにして優先度に従い描画素材が次々と描画されていき、最後に優先度が最も高い(優先順位1位の)描画素材が優先順位2位の描画素材が描画されたレイヤよりも上位のレイヤに配されて所定の位置に描画される。全ての描画素材を各レイヤに描画し終えた段階で、これらのレイヤを上位側(前面側)からみた合成画像が、そのフレームに対応する合成画像として液晶ディスプレイ32に表示される。換言すると、合成画像を液晶ディスプレイ32で見た場合、下位のレイヤに配置された描画素材は、上位のレイヤに配置された描画素材に覆われた状態となる。さらに換言すると、上位側のレイヤほど、液晶ディスプレイ32における表示上の優先度が高いといえる。
【0102】
なお、各合成画像の描画処理は、サブメモリ302のVRAM内の1領域であるフレームバッファを用いて実行され、演出制御手段300が描画処理を行う。新たな描画素材を上位のレイヤに描画することは、新たな描画素材をフレームバッファにバッファされた画像の上に重ねて描画することを意味する。あるフレームを構成する描画素材を優先度の低い方から順にフレームバッファに描画していき、全ての描画素材を描画し終えると、フレームバッファ上に完成した合成画像が当該フレームの画像として液晶ディスプレイ32に表示されることとなる。なお、描画素材は、サブメモリ302の描画素材記憶領域(ROM)に記憶されている。また、各描画素材は、静止画であってもよく、動画(ムービー)であってもよい。
【0103】
優先度の低い描画素材は、その上から優先度のより高い描画素材が重ねて描画されることにより、その一部又は全部が視認できない場合がある。ただし、各描画素材には透明度の設定が可能であり、上位に重ねられる描画素材に設定された透明度が0(完全に不透明)でない場合はこの限りではなく、透明度の度合いに応じてその下位側に隠れた描画素材の存在をフレーム画像で視認できる場合もある。加えて、さらに詳細に説明すると、描画素材は2次元のピクセルで構成されるとともに、各ピクセルはRGBA(RGB+A(アルファ値))で表現され、Aが透明度(不透明度)を示す。そして、例えば、Aが255(Aを8ビットで示す場合の上限値)に設定されたピクセルは透明となる。したがって、Aが所定値以上(例えば255)のピクセルの数によっては下位側の描画素材を確認できる。
【0104】
本実施形態では、液晶ディスプレイ32を用いた予告演出として、群予告演出が用意されている。群予告演出は、例えば、大役抽選等の所定の抽選の結果を示唆するものであってもよい。換言すると、群予告演出は、所定の特典の付与(例えば大当り等の所定の当り)に関する期待度(遊技者にとっての有利度合い)を示唆するものであってもよい。換言すると、群予告演出では、遊技機の状態に関する所定の示唆がされる。
【0105】
群予告演出は、液晶ディスプレイ32において複数のキャラクタが移動する表示が行われる演出である。すなわち、群予告演出においては、液晶ディスプレイ32にキャラクタの表示が複数表示される。ここで、所定の(ある1つの)群予告演出について、「キャラクタの表示が複数表示される」とは、同一の(1種類の)キャラクタが複数登場するものであってもよく、複数種類のキャラクタが登場するものであってもよい。また、群予告演出において複数種類のキャラクタが登場する場合に、特定のキャラクタについては同時に複数表示されない(1画面に最大1体しか表示されない(1回の群予告演出において1体しか表示されない場合も含む))ようになっていてもよい。また、当該特定のキャラクタが登場する群予告演出と登場しない群予告演出とが用意されていてもよく、この場合に、当該特定のキャラクタが登場する群予告演出の方が遊技者にとっての有利度合い(特典の付与に関する期待度等)が高くなっていてもよい。
【0106】
また、群予告演出においては、液晶ディスプレイ32に、キャラクタの動きに関連する表示(動作関連表示)が表示される。ここで、「キャラクタの動きに関連する表示(動作関連表示)」とは、例えば、キャラクタの移動(走る等の動作)によって発生する砂煙等の表示や、キャラクタの移動を表す効果線の表示(線状の表示や帯状の表示等)や、キャラクタの移動に伴って移動するエフェクト(キラキラしたエフェクト等)の表示等が挙げられる。また、「キャラクタの動きに関連する表示」とは、キャラクタの動作(移動)を強調する表示ともいえる。
【0107】
本実施形態の群予告演出では、各キャラクタの表示と動作関連表示とが1組の表示となっており、この1組の表示が複数組表示されるようになっている。具体的には、1つのキャラクタの表示と、キャラクタの走る動作によって発生する砂煙を表す表示とで1組の表示となっており、この1組の表示が複数表示されるようになっている。すなわち、1つのキャラクタの表示に対し、1つの動作関連表示が付加されている。以下では、このようなキャラクタの表示と動作関連表示とからなる1組の表示のことを、単に「1組の表示」あるいは「表示要素」と呼ぶ。
【0108】
群予告演出における1組の表示のそれぞれは、表示位置(液晶ディスプレイ32の表示領域内のどこに表示されるか)の他、移動方向、表示サイズ、形状の要素を有している。
【0109】
群予告演出では、1組の表示のそれぞれが、液晶ディスプレイ32の表示領域内において所定の方向(例えば、上下方向(下から上など)、左右方向(右から左など)、斜め方向(右上から左下など)、中心から周縁部に向かって広がる方向、または奥側から手前側に向かってくる方向など)に移動するようになっている。本実施形態では、1組の表示のそれぞれ(1群の1組の表示)が、右から左に向かって動くようになっている。
【0110】
また、群予告演出では、1組の表示が同時に複数組表示される。換言すると、群予告演出における所定の時点においては、1画面に1組の表示が複数表示される。ここで、同時に表示される複数の1組の表示(複数のキャラクタの表示)について、その表示サイズは全て同一であってもよい。また、異なる表示サイズの1組の表示(キャラクタの表示)が混同していてもよい。換言すると、同一の(1種類の)キャラクタが同時に複数表示される場合に、当該キャラクタが複数種類(例えば大小2種類)の大きさで表示されるようにしてもよい。ここで、1組の表示について、「表示サイズが同一」とは、キャラクタの姿勢(例えば右足を前に出しているか左足を前に出している状態か)が異なっていること等により、1組の表示の上下幅や左右幅がわずかに異なる場合等を含むものである。すなわち、比較される2つの1組の表示について、キャラクタが同じ姿勢を取った場合に表示サイズが同等となる場合には、「表示サイズが同一」といえる。換言すると、見た目上(表示上の縮尺が)同等とみなすことができる場合には、「表示サイズが同一」といえる。また、1組の表示の表示サイズは、群予告演出の進行(1組の表示の移動)に応じて変化するようになっていてもよい。すなわち、例えば、1組の表示が、液晶ディスプレイ32の表示領域に現れてから消えるまでの間に、移動とともに徐々に拡大されるようになっていてもよい。
【0111】
また、群予告演出においては、形状の異なる複数種類の1組の表示が登場してもよい。すなわち、例えば、前述のように、群予告演出において複数種類のキャラクタが登場してもよい。また、同一のキャラクタについての表示(例えば特定の人物の表示)として、表示態様(キャラクタの表情あるいは服装等)が異なる複数種類の1組の表示が用意されており、群予告演出においてこの複数種類の1組の表示が登場してもよい。また、キャラクタ自体、キャラクタの表情あるいはキャラクタの服装等が異なる複数種類の1組の表示が登場する場合に、異なる種類の1組の表示に対して、同一の動作関連表示が対応付けられていてもよい。換言すると、群予告演出においては、キャラクタの表示(キャラクタ自体、キャラクタの表情あるいはキャラクタの服装等)は少なくとも一部異なるが、動作関連表示が同一である複数種類の1組の表示が登場するようになっていてもよい。
【0112】
群予告演出の所定時点における液晶ディスプレイ32の表示を
図6に示す。
図6に示すように、本実施形態の群予告演出では、第1表示要素Xと第2表示要素Yと第3表示要素Zとを含む複数の1組の表示が表示される。
【0113】
ここで、第1表示要素Xの動作関連表示の少なくとも一部が第2表示要素Yのキャラクタの表示の少なくとも一部と重なっているが、第1表示要素Xのキャラクタの表示が第2表示要素Yのキャラクタの表示と重なっていない。なお、第1表示要素X(第1表示要素Xの動作関連表示)と、第2表示要素Y(第2表示要素Yのキャラクタの表示)とは、表示上どちらが前面側に位置していてもよい。なお、第1表示要素Xと第2表示要素Yとのこの表示関係は、第1表示要素Xと第2表示要素Yとの両方が液晶ディスプレイ32の表示領域に表示されている期間において常に成り立つようにしてもよく、当該期間のうちの少なくとも半分以上の時間について成り立つようにする等してもよい。なお、特定の期間のうちの半分以上の時間などといった場合に、当該「半分以上の時間」は、連続する1つの期間によって構成されてもよく、離れた複数の期間によって構成されてもよい。
【0114】
第1表示要素Xと第3表示要素Zとは、互いに、一方のキャラクタの表示の少なくとも一部が他方のキャラクタの表示の少なくとも一部と重なっているが、一方の動作関連表示が他方のキャラクタの表示および動作関連表示のいずれとも重なっていない。なお、第1表示要素Xのキャラクタの表示と、第3表示要素Zのキャラクタの表示とは、表示上どちらが前面側に位置していてもよい。なお、第1表示要素Xと第3表示要素Zとのこの表示関係は、第1表示要素Xと第3表示要素Zとの両方が液晶ディスプレイ32の表示領域に表示されている期間において常に成り立つようにしてもよく、当該期間のうちの少なくとも半分以上の時間について成り立つようにする等してもよい。
【0115】
また、第2表示要素Yと第3表示要素Zとは、互いに、一方のキャラクタの表示および動作関連表示が、他方のキャラクタの表示および動作関連表示のいずれとも重なっていない。なお、第2表示要素Yと第3表示要素Zとのこの表示関係は、第2表示要素Yと第3表示要素Zとの両方が液晶ディスプレイ32の表示領域に表示されている期間において常に成り立つようにしてもよく、当該期間のうちの少なくとも半分以上の時間について成り立つようにする等してもよい。
【0116】
なお、前述のように、特定のキャラクタが登場する群予告演出と登場しない群予告演出とが用意される場合(かつ、当該特定のキャラクタが登場する群予告演出の方が遊技者にとっての有利度合い(特典の付与に関する期待度等)が高くなっている場合)に、当該特定のキャラクタの表示(特定のキャラクタの表示に係る表示要素)については、第1表示要素X、第2表示要素Yおよび第3表示要素Zを含む他の表示要素(他の全ての表示要素)のキャラクタの表示と重ならないようになっていてもよい。さらに、当該特定のキャラクタの表示(特定のキャラクタの表示に係る表示要素)については、第1表示要素X、第2表示要素Yおよび第3表示要素Zを含む他の表示要素のキャラクタの表示および動作関連表示のいずれとも重ならないようになっていてもよい。
【0117】
また、本実施形態では、各表示要素のキャラクタの表示は非透明である(透過性を有さない)のに対し、動作関連表示は少なくとも一部が半透明となっている(透過性を有している)。すなわち、キャラクタの表示の部分は、背面側にある表示物(背景画像や、キャラクタの表示や、動作関連表示等)が液晶ディスプレイ32の表示上表れないのに対し、動作関連表示の部分は、背面側にある表示物(背景画像や、キャラクタの表示や、動作関連表示等)が少なくとも一部、液晶ディスプレイ32の表示上表れる(遊技者に視認可能な状態となる)ようになっている。すなわち、例えば、本実施形態において第1表示要素Xの動作関連表示が第2表示要素Yのキャラクタの表示の前面側に位置する場合に、第2表示要素Yのキャラクタの表示のうち、第1表示要素Xの動作関連表示が重なる部分の少なくとも一部が視認可能となる。
【0118】
ここで、このような背面側にある表示物が表示されないキャラクタの表示と、背面側にある表示物が表示される動作関連表示とを含む群予告演出の実現手法について説明する。
【0119】
本実施形態においては、サブメモリ302の描画素材記憶領域に、群予告演出用の描画素材としての1つの動画(群予告演出ムービー)が用意されている。そして、演出制御手段300が、複数のレイヤのうちの1つのレイヤにおいて、当該群予告演出ムービーを再生(描画)することにより、液晶ディスプレイ32を用いた群予告演出が実行される。
【0120】
群予告演出ムービーは、例えばパーソナルコンピュータ等においていわゆるオーサリングソフト(オーサリングツール)を用いて作成することができる。そして、オーサリングソフトで作成された群予告演出ムービーが、描画素材記憶領域に格納され、この描画素材記憶領域に格納された群予告演出ムービーに基づいて、液晶ディスプレイ32における群予告演出が実行される。
【0121】
群予告演出ムービーは、オーサリングソフトにおいて、群予告演出における表示を構成する構成画像を複数のレイヤに配置し、これら複数のレイヤを重ね合わせることにより作成される。
【0122】
オーサリングソフトにおいては、仮想的なレイヤがM枚存在し、1枚のレイヤに1個の構成画像が配置される。そして、相応のレイヤに各構成画像を配置していき、全ての構成画像を各レイヤに配置し終えた段階で、これらのレイヤを上位側からみた合成画像が、群予告演出ムービー(群予告演出ムービーの1フレームを構成する画像)となる。したがって、下位のレイヤに配置された構成画像は上位のレイヤに配置された構成画像に覆われた状態となる。換言すると、上位側のレイヤほど、群予告演出ムービーの表示における優先度が高いといえる。本実施形態の遊技機の製作に用いられるオーサリングソフトでは、レイヤ1~レイヤMのM枚のレイヤが存在し、番号の小さいレイヤほど群予告演出ムービーの表示上の優先度が低く、番号の大きいレイヤほど群予告演出ムービーの表示上の優先度が高くなっている。なお、群予告演出ムービーは、M枚全てのレイヤに構成画像を配置することにより最大M個の構成画像を重ね合わせて構成することが可能であるが、作成したい群予告演出ムービーに応じて構成画像の数は変動し、必ずしもM個の構成画像から構成されるものではない。また、群予告演出ムービーを構成する構成画像がM個に満たない場合に、レイヤが必ずしも空き番なく下位から詰めて使用されるとは限らず、群予告演出ムービーの作成作業における効率等を考慮してレイヤが使用されるため、不使用のレイヤが中間部分に適宜発生し得る。
【0123】
また、オーサリングソフトにおいては、下位レイヤの画像(下位画像:例えばレイヤ1~レイヤP-1(PはM以下の自然数)の構成画像の合成画像)に対して上位レイヤの画像(上位画像:例えばレイヤPの構成画像)を合成する合成処理が行われる。そして、合成処理によって複数の構成画像が合成されることにより群予告演出ムービーが作成される。
【0124】
ここで、合成処理について説明する。なお、以下の合成処理の式の説明では、上位画像の各画素の画素値(RGB値)をA、下位画像の各画素の画素値(RGB値)をB、上位画像と下位画像とを合成した合成画像(合成処理後画像)の各画素の画素値(RGB値)をCとし、それぞれの画素値A、B、Cは取り得る最大値により正規化し0~1の値を取るものとして記述している。また、合成処理の式の説明では、画素値のリミットに関する処理や0値での割算に対する処理等は、当然行われるものなので省略している。なお、画像は例えばRGBの3色で表現されるものであり、画像の合成は例えば色毎に行われる。また、以下の説明では、画素値は、0~255までの値を取り得るものとして説明するが、これに限定されるものではない。
【0125】
合成処理には、「加算」(覆い焼きリニア)、「スクリーン」、「通常」等の複数種類の処理が含まれる。
【0126】
「加算」では、式(1)に従って、合成処理が行われる。
C=A+B ・・・(1)
【0127】
「スクリーン」では、式(2)に従って合成処理が行われる。
C=1-(1-A)×(1-B) ・・・(2)
【0128】
「通常」では、式(3)に従って合成処理が行われる
C=A ・・・(3)
【0129】
式(1)、(2)に示すように、「加算」や「スクリーン」等の処理では、合成画像の画素値は、上位画像の画素値だけでなく、下位画像の画素値も反映したものとなる。すなわち、「加算」や「スクリーン」等の処理によって合成が行われると、下位画像の表示物が上位画像の表示物に覆われる場合であっても、下位画像の表示物が合成画像にも表れることとなる。
【0130】
一方、式(3)に示すように、「通常」は、下位画像の上に上位画像を単純に重ねる合成処理となっている。そして、「通常」では、上位画像が重なる部分の画素値は上位画像の画素値そのものとなる。ただし、上位画像に透明度の設定(アルファチャンネルの設定)がされている場合、設定された透明度に応じた割合で、下位画像の色に対して上位画像の色が重ねられる。すなわち、「通常」で合成する構成画像に透過させたい部分がある場合、その構成画像にアルファチャンネルを設けることとなる。換言すると、構成画像に透明度の情報を持たせて、描画素材の一部または全体を透過させる。さらに換言すると、「通常」で合成する構成画像に透明度の設定がされていない場合、合成画像の画素値には下位画像の画素値が反映されず、下位画像の表示物が上位画像の表示物に覆われる場合には、下位画像の表示物は合成画像に表れないこととなる。
【0131】
なお、上位レイヤの画像を下位レイヤの画像に対して「加算」(覆い焼きリニア)、「スクリーン」または「通常」等の各合成処理によって合成することを、上位レイヤの描画モードを「加算」(覆い焼きリニア)、「スクリーン」または「通常」等に設定するともいう。
【0132】
本実施形態の遊技機における群予告演出ムービーの作成においては、
図7に示すように、オーサリングソフト上のレイヤに各種構成画像が配置されて合成される。また、構成画像としては、キャラクタの表示に係る構成画像と、動作関連表示に係る構成画像とが用意されている。キャラクタの表示に係る構成画像は、キャラクタが描かれた画像である。動作関連表示に係る構成画像は、砂煙が描かれた画像である。
【0133】
オーサリングソフトにおいては、レイヤ1に第1表示要素Xのキャラクタの表示に係る構成画像401が配置され、レイヤ2に第1表示要素Xの動作関連表示に係る構成画像402が配置され、レイヤ3に第2表示要素Yのキャラクタの表示に係る構成画像403が配置され、レイヤ4に第2表示要素Yの動作関連表示に係る構成画像404が配置され、レイヤ5に第3表示要素Zのキャラクタの表示に係る構成画像405が配置され、レイヤ6に第3表示要素Zの動作関連表示に係る構成画像406が配置される。
なお、ここで例示したレイヤ番号は、第1表示要素X~第3表示要素Zに係る各構成画像401~406が配置されるレイヤの上下関係の一例を説明するために便宜上付したものである。各構成画像401~406が配置されるレイヤの上下関係はこの通りでなくてもよい。また、各構成画像401~406が配置されるレイヤの間に、他の構成画像が配置されるレイヤが存在していてもよい。
【0134】
また、レイヤ1の描画モードは「通常」に設定され、レイヤ2の描画モードは「加算」または「スクリーン」に設定され、レイヤ3の描画モードは「通常」に設定され、レイヤ4の描画モードは「加算」または「スクリーン」に設定され、レイヤ5の描画モードは「通常」に設定され、レイヤ6の描画モードは「加算」または「スクリーン」に設定される。すなわち、動作関連表示に係る構成画像402,404,406は、「加算」または「スクリーン」の合成処理によって合成される。また、キャラクタの表示に係る構成画像401,403,405は、「通常」の合成処理によって合成される。
【0135】
前述のように、「加算」や「スクリーン」等の合成処理では、合成画像の画素値は、上位画像の画素値だけでなく、下位画像の画素値も反映したものとなる。したがって、動作関連表示に係る構成画像402,404,406は、アルファチャンネル(アルファ値)の設定の有無に関わらず、動作関連表示によって覆われる下位画像の表示物が透けて見えるように合成される。一方、「通常」の合成処理では、アルファチャンネル(アルファ値)が設定されていない限り、合成画像の画素値は、上位画像の画素値そのものとなり、下位画像の画素値が反映されない。本実施形態では、キャラクタの表示に係る構成画像401,403,405についてはアルファチャンネル(アルファ値)が設定されていない(透明度が0となっている)。したがって、キャラクタの表示に係る構成画像401,403,405は、キャラクタの表示によって覆われる下位画像の表示物が見えないように合成される。
【0136】
そして、このようにして作成された群予告演出ムービーが群予告演出において再生されると、各キャラクタの表示は、キャラクタの表示の背面側にある表示物(背景画像や、キャラクタの表示や、動作関連表示等)が液晶ディスプレイ32の表示上表れないように表示され、各動作関連表示は、背面側にある表示物(背景画像や、キャラクタの表示や、動作関連表示等)が、液晶ディスプレイ32の表示上表れる(遊技者に視認可能な状態となる)ように表示される。なお、以上の説明から明らかなように、「背面側にある表示物」とは、背面側に存在しているであろうと遊技者が想像し得る表示物のことをいい、演出制御手段300が所定のレイヤに実際に描画を行う表示物に限らない。
【0137】
なお、本実施形態では、各構成画像をオーサリングソフトにおいて合成することで予め群予告演出ムービーを作成しておくこととしたが、各構成画像を素材画像としてサブメモリ302の描画素材記憶領域に記憶しておき、群予告演出の実行時等に各構成画像を合成することとしてもよい。すなわち、ここで説明したオーサリングソフト上のレイヤと各構成画像との関係を、前述のフレームバッファでの描画に係るレイヤと各素材画像との関係として読み替えてもよい。換言すると、演出制御手段300が、ここで説明した各種合成処理によって、各種構成画像をフレームバッファ(各レイヤ)に描画していくことで、本実施形態と同様の群予告演出に係る表示が実現されてもよい。
【0138】
群予告演出は、演出図柄を変動表示させる所定の演出、所定のリーチ演出あるいは遊技者にとっての有利度合い(特典の付与に関する期待度等)の示唆を行う所定の予告演出等の他の演出と重複して実行され得る。なお、群予告演出が他の演出と重複して実行される場合に、群予告演出に係る液晶ディスプレイ32の表示は、他の演出に係る表示の前面側で(他の演出に係る表示に用いられるレイヤよりも上位のレイヤを利用して)行われてもよく、背面側で(他の演出に係る表示に用いられるレイヤよりも下位のレイヤを利用して)行われてもよい。また、群予告演出に係る表示が、他の演出に係る表示の前面側で行われる場合に、当該他の演出に係る表示が、群予告演出に係る表示に覆われて一切見えない状態となってもよく、複数のキャラクタの表示の隙間や、半透明の動作関連表示等を介して当該他の演出に係る表示の少なくとも一部が見える状態となっていてもよい。
なお、演出図柄とは、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に伴って、液晶ディスプレイ32において変動表示される表示物である。本実施形態では、演出図柄として1~9のいずれかの数字が記された9種類の演出図柄が用意されており、9種類の演出図柄から構成される3つの演出図柄群が、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に伴って変動表示された後に停止表示される。そして、3つの演出図柄群の停止態様(停止表示される3つの演出図柄の組合せ)によって特別図柄抽選の結果が報知される。
【0139】
なお、群予告演出は、所定のタイミングで開始されるが、例えば、演出図柄のリーチ表示に応じて(リーチ表示がされる前やされている状況(所定のリーチ演出中等)において)(リーチ演出がされる遊技において)開始され得るものであってもよく、所定の状況において演出ボタン26に対する操作を契機として開始され得るもの等であってもよい。
【0140】
また、演出制御手段300は、液晶ディスプレイ32における群予告演出に合わせて、ランプ38を用いた演出およびスピーカ14を用いた演出を実行する。すなわち、群予告演出の実行中においては、ランプ38は群予告演出に応じた態様で点灯し、スピーカ14は群予告演出に応じた態様で音の出力を行う。
【0141】
本実施形態では、演出制御手段300は、群予告演出におけるキャラクタ(表示要素)の移動に合わせてランプ38の点灯を制御する。換言すると、演出制御手段300は、群予告演出の実行時に、1群のキャラクタの表示の移動に連動する態様でランプ38を点灯させる。具体的には、群予告演出の実行時には、演出制御手段300は、ランプ38のうちの、群予告演出の進行に応じた所定箇所を所定態様で光らせる。本実施形態では、ランプ38の所定箇所を、所定の色(例えば青色)で明滅させるようになっている。また、当該所定箇所は、群予告演出の進行に応じて変化するようになっている。なお、当該所定の色は、複数の色であってもよい。
【0142】
本実施形態の群予告演出におけるランプ38の点灯制御について、
図8を参照しながら説明する。なお、
図8では、ランプ38の所定態様で光っている箇所を斜線で示している。ここで、
図8は、ランプ38が消灯している状態から、群予告演出が単独で実行された場合の群予告演出の各進行段階において所定態様で光る箇所(および消灯している箇所)を示すものである。なお、
図8においては、動作関連表示の記載を省略しているが、各キャラクタの表示に動作関連表示が付されていてもよい。
【0143】
図8(a)に示すように、演出制御手段300は、群予告演出の進行の初期においては、ランプ38の右側の領域、すなわち1群のキャラクタの表示が出現する側の領域を所定態様で光らせる。換言すると、1群のキャラクタの表示のうちの先頭のキャラクタの表示が開始された時点(先頭のキャラクタの表示が液晶ディスプレイ32の右側の領域に位置している所定時点)においては、ランプ38の右側の領域が所定態様で明滅した状態となるとともに、ランプ38の少なくとも左側の領域(本実施形態においては中央の領域および左側の領域)が消灯した状態(当該所定態様で明滅していない状態)となる。また、
図8(b)に示すように、演出制御手段300は、群予告演出の進行の中期においては、ランプ38の全体(左側の領域、中央の領域および右側の領域)を所定態様で光らせる。換言すると、1群のキャラクタの表示が液晶ディスプレイ32の全体(液晶ディスプレイ32の左右方向(キャラクタの表示の移動方向)の全体)に広がっている所定時点においては、ランプ38の全体が所定態様で明滅した状態となる。また、
図8(c)に示すように、演出制御手段300は、群予告演出の進行の後期においては、ランプ38の左側の領域、すなわち1群のキャラクタの表示が向かっていく側(消えていく側)の領域を所定態様で光らせる。換言すると、1群のキャラクタの表示のうちの最後尾のキャラクタの表示が消える直前(例えば最後尾のキャラクタの表示が液晶ディスプレイ32の左側の領域に位置している所定時点)においては、ランプ38の左側の領域が所定態様で明滅した状態となるとともに、ランプ38の少なくとも右側の領域(本実施形態においては中央の領域および右側の領域)が消灯した状態(当該所定態様で明滅していない状態)となる。また、演出制御手段300は、1群のキャラクタの表示のうちの最後尾のキャラクタの表示が消えるタイミングに合わせて、ランプ38を所定態様で光らせるのを終了させる。換言すると、1群のキャラクタの表示のうちの最後尾のキャラクタの表示が消えるとランプ38のいずれの箇所(領域)も所定態様で明滅していない状態となる。
なお、先頭のキャラクタの表示が開始されるよりも前に、
図8(a)に示す状態、すなわち、ランプ38の右側の領域が所定態様で点灯し、左側(および中央)の領域が当該所定態様で点灯していない状態となっていてもよい。また、最後尾のキャラクタの表示が終了した後においても、
図8(c)に示す状態、すなわち、ランプ38の左側の領域が所定態様で点灯し、右側(および中央)の領域が当該所定態様で点灯していない状態となっており、その後、ランプ38の全体が当該所定態様で点灯していない状態となるようにしてもよい。
【0144】
すなわち、群予告演出の実行時においては、演出制御手段300は、液晶ディスプレイ32の周囲に配置された所定の発光部(ランプ38)の所定態様で光る箇所を、群予告演出の進行に応じて遷移させるようになっている。換言すると、群予告演出の実行中においては、1群のキャラクタの表示の移動に合わせて、発光部(ランプ38)の所定態様で光る箇所が変化するようになっている。さらに換言すると、群予告演出の実行中においては、発光部(ランプ38)から発せられる所定態様の光が、1群のキャラクタの表示の移動に合わせて移動するようになっている。さらに換言すると、群予告演出の実行中においては、発光部(ランプ38)の所定態様で光る範囲が、1群のキャラクタの表示の移動に合わせて徐々に広がっていき、その後キャラクタの表示の移動に合わせて徐々に狭まっていくようになっている。さらに換言すると、群予告演出の実行中においては、発光部(ランプ38)の所定態様で光る範囲が、液晶ディスプレイ32に表示されるキャラクタの数の増加に伴って広くなるとともに、液晶ディスプレイ32に表示されるキャラクタ数の減少に伴って狭くなる。
なお、ここで、液晶ディスプレイ32の周囲に配置された所定の発光部とは、本実施形態のランプのように、液晶ディスプレイ32の一辺に沿って配置される発光部等であってもよく、液晶ディスプレイ32の外周全体を囲うような発光部であってもよい。また、当該所定の発光部は、常に液晶ディスプレイ32の周囲に配置されていなくてもよく、実行する演出に応じて位置が移動するようになっており、群予告演出の際等に液晶ディスプレイ32の周囲に配置されるようになっていてもよい。また、当該所定の発光部は、1つのランプ(1つのランプの一部または全体)によって構成されていてもよく、複数のランプによって構成されていてもよい。例えば、本実施形態においては、発光部としてのランプ38が所定の形状(星形)を表す部分と所定の文字(「ABCDE」の文字)を表す部分とを有しているが、当該所定の形状を表す部分と所定の文字を表す部分とが1つのランプによって構成されていてもよく、複数のランプによって構成されていてもよい。また、当該所定の形状を表す部分と当該所定の文字を表す部分との少なくとも一方について、群予告演出に係る前述の点灯制御(所定態様で光る箇所を、群予告演出の進行に応じて遷移させる制御)を行うようになってもよい。
なお、ここでいう「合わせて」、「応じて」、「伴って」などは、演出制御手段300が、制御上、液晶ディスプレイ32の表示と発光部の発光態様とを合わせる処理を積極的に行う場合のみならず、結果として、液晶ディスプレイ32の表示と発光部の発光態様とが見た目上連動したものとなる場合を含む。
【0145】
なお、本実施形態の群予告演出においては、演出制御手段300は、ランプ39についてもランプ38と同様の点灯制御を行う。すなわち、演出制御手段300は、ランプ39から発せられる所定態様の光(青色の点滅光)が、1群のキャラクタの表示の移動に合わせて移動するように、ランプ39の点灯制御を行う。なお、ランプ38とランプ39とは、液晶ディスプレイ32の、互いに対向する2つの辺それぞれに近接して配置されている。
【0146】
また、前述のように群予告演出は、他の所定の演出と重複して実行されるが、群予告演出に係るランプ38,39の点灯制御は、当該他の所定の演出に係る点灯制御に優先して行われる。例えば、当該他の所定の演出の一例としての所定のリーチ演出が実行されている状況において、群予告演出が重複して実行される場合を例に説明する。まず、群予告演出が開始される前においては、演出制御手段300は、リーチ演出に対応する態様でランプ38,39を点灯させる。次いで、群予告演出の実行中においては、演出制御手段300は、群予告演出に対応する前述の態様でランプ38,39を点灯させる。このとき、ランプ38,39の、群予告演出が単独で(当該他の所定の演出と重複せずに)実行される場合に消灯した状態となる部分(LED)(例えば
図8(a)に示す状態におけるランプ38の左側(および中央)の領域)は、リーチ演出に対応する態様で点灯させ、群予告演出が単独で(当該他の所定の演出と重複せずに)実行される場合に所定態様で光る部分(LED)(例えば
図8(a)に示す状態におけるランプ38の右側の領域)は、当該所定態様で光ることとなる。換言すると、リーチ演出と群予告演出が重複して実行される場合には、リーチ演出に対応する態様での点灯の上に重複(上書き)させるようにして群予告演出に対応する態様での点灯が行われる。そして、群予告演出が終了すると(最後尾のキャラクタの表示が消えると)、ランプ38,39において、群予告演出に対応する態様での点灯が重複される部分が無くなり、ランプ38,39の全体がリーチ演出に対応する態様で点灯するようになる。なお、当然、群予告演出に係る点灯制御を優先して実行している状況において、当該他の演出に係る液晶ディスプレイ32の表示は行っていてもよい。なお、群予告演出と他の所定の演出とが重複して実行される場合に、群予告演出に対応する態様でランプ38,39を点灯させている間は、ランプ38,39の全体において、当該他の演出に対応する態様での点灯を行わないこととしてもよい。換言すると、群予告演出と他の演出とが重複して実行される場合に、ランプ38,39の、群予告演出が単独で(当該他の所定の演出と重複せずに)実行される場合に消灯した状態となる部分(LED)について、当該他の演出が単独で(群予告演出と重複せずに)実行される場合に点灯する部分(LED)であっても、消灯した状態となるようにしてもよい。
【0147】
このような点灯制御は、以下のようにして実現できる。すなわち、本実施形態においては、点灯制御はレイヤ管理されており、当該点灯制御に係るレイヤとしてのランプレイヤには、複数段階の階層が用意されている。そして、複数種類の演出が重複する場合には、各演出に係る各点灯制御が、ランプレイヤの所定のレイヤに配される。また、複数のレイヤに点灯制御が配されている場合には、演出制御手段300は、より上位のレイヤに配されている点灯制御を優先して実行する。本実施形態では、群予告演出に係る点灯制御は、他の所定の演出に係る点灯制御よりも上位のレイヤに配されるようになっており、群予告演出が、当該他の所定の演出と重複して発生する場合には、群予告演出に係る点灯制御が優先して実行される。
【0148】
なお、ここでは、他の所定の演出としての所定のリーチ演出が開始されてから群予告演出が開始されることとしたが、当該他の所定の演出は、群予告演出の開始以降に開始されるものであってもよい。このような場合であっても、群予告演出に係る点灯制御を優先して実行することができる。例えば、演出制御手段300は、群予告演出の開始に伴い群予告演出に係る点灯制御を開始するとともに、群予告演出の実行中において当該他の所定の演出(当該他の所定の演出に係る液晶ディスプレイ32の表示)が開始されても群予告演出に係る点灯制御を行い(当該他の所定の演出に係る点灯制御を開始せず)、群予告演出が終了すると(最後尾のキャラクタの表示が消えると)当該他の所定の演出に係る点灯制御を行うこととしてもよい。
【0149】
また、本実施形態では、演出制御手段300は、群予告演出に合わせてスピーカ14から出力する音の制御を行う。具体的には、例えば、群予告演出における所定のタイミング(例えば、1群のキャラクタの表示のうちの先頭のキャラクタの表示が開始されるタイミング)に合わせて、所定の効果音(例えば「ガキーン」などの音)がスピーカ14から出力されてもよい。また、例えば、1群のキャラクタの表示の移動に合わせて、この移動を表す効果音(例えば「ドタドタドタ」などの足音を表す音など)がスピーカ14から出力されてもよい。また、例えば、1群のキャラクタの表示の移動に合わせて、キャラクタが喋る音声(例えば「いけいけいけー」などの音声)がスピーカ14から出力されてもよい。また、例えば、群予告演出中に、特定の音楽(メロディ)がスピーカ14から出力されてもよい。また、群予告演出に係るこれらの各音の出力は、1群のキャラクタ(先頭のキャラクタ)の表示の開始よりも前の所定のタイミングで開始されてもよく、1群のキャラクタの表示の開始と同時(略同時を含む)に開始されてもよく、1群のキャラクタの表示の開始よりも後の所定のタイミングで開始されてもよい。また、群予告演出に係るこれらの各音が出力されている期間は、1群のキャラクタの表示がされている期間(先頭のキャラクタの表示が開始されてから最後尾のキャラクタの表示が消えるまでの期間)よりも長くなっていてもよい。例えば、先頭のキャラクタの表示が開始されるよりも前の所定のタイミングにおいて所定の効果音の出力が開始され、その後1群のキャラクタの表示がされ最後尾のキャラクタの表示が消えた以降に、当該所定の効果音の出力が終了するようになっていてもよい。また、群予告演出に係るこれらの各音は、フェードインにより音の出力が開始されたり、フェードアウトにより音の出力が終了してもよい。例えば、1群のキャラクタの表示の移動を表す効果音あるいはキャラクタの音声の音量を、1群のキャラクタの表示のうちの最後尾のキャラクタの表示が消えるよりも前の所定のタイミングから徐々に小さくしてもよい(フェードアウトさせてもよい)。また、例えば、1群のキャラクタの表示の移動を表す効果音あるいはキャラクタの音声を、先頭のキャラクタの表示の開始から徐々に大きくしてもよい(フェードインさせてもよい)。なお、ここで「先頭のキャラクタの表示の開始から」とは、先頭のキャラクタの表示が開始されるよりも前にフェードインが開始される場合を含む。フェードインやフェードアウトを利用することにより、1群のキャラクタが移動する様子を効果的に表現できるとともに、他の演出との繋ぎを滑らかにすることができる。また、フェードアウトにより徐々に小さくなる音等の各音が消えるタイミングを、最後尾のキャラクタの表示の終了よりも後のタイミングとしたり、各音の出力が開始されるタイミングを、先頭のキャラクタの表示の開始よりも前のタイミングとしたりすることで、群予告演出に対する期待感を向上させたり、他の演出との繋ぎをより滑らかにすることが可能となる。
【0150】
また、群予告演出に係る音を用意せず、演出制御手段300は、群予告演出の実行中も、重複して実行される他の演出の音をスピーカ14から出力させるようにしてもよい。すなわち群予告演出に係る音(専用の音)は出力されないようにしてもよい。
【0151】
なお、群予告演出における液晶ディスプレイ32の表示の態様や、発光部の点灯態様や、スピーカ14からの出力音の態様は、遊技状態や演出ステージ等に応じて異なっていてもよい。例えば、遊技状態が通常状態である場合には、1群のキャラクタの表示が下から上に移動するのに対し、遊技状態が確変状態あるいは時短状態である場合には、1群のキャラクタの表示が奥側から手前側に移動するようになっていてもよい。また、遊技状態や演出ステージ等に応じて登場するキャラクタの種類が異なっていてもよく、同一になっていてもよい。また、このように、液晶ディスプレイ32の表示の態様や、発光部の点灯態様や、スピーカ14からの出力音の態様が異なる複数種類の群予告演出が用意されている場合に、当該複数種類の群予告演出について、本実施形態で示す各構成が適用されてもよい。また、当該複数種類の群予告演出とは、当該遊技機における全ての群予告演出を指すものであってもよい。
なお、演出ステージとは、基本的な演出の状態を分類するものであり、演出ステージに応じた背景の表示やBGMの出力がされる。すなわち、本実施形態では複数種類の演出ステージが用意されており、演出ステージ毎に、液晶ディスプレイ32に表示される背景や、演出図柄や、スピーカ14から出力されるBGM等が設定されている。
【0152】
本実施形態の遊技機は、表示手段(液晶ディスプレイ)32と、キャラクタの表示とキャラクタの動きに関連する表示としての動作関連表示とからなる表示要素が前記表示手段32に複数表示される群予告演出の実行を制御する演出制御手段300と、を備え、複数の前記表示要素には、第1表示要素と、第2表示要素と、第3表示要素と、が含まれ、前記演出制御手段300は、前記群予告演出において、前記第1表示要素の動作関連表示の少なくとも一部が前記第2表示要素のキャラクタの表示の少なくとも一部と重なるが、前記第1表示要素のキャラクタの表示が前記第2表示要素のキャラクタの表示と重ならず、前記第2表示要素のキャラクタの表示および動作関連表示が、前記第3表示要素のキャラクタの表示および動作関連表示のいずれとも重ならないように、前記表示手段32に表示させる。
本構成によれば、第1表示要素と第2表示要素とについて、キャラクタの表示同士は重ならないようにしつつも、動作関連表示がキャラクタの表示に重なるようにすることで、動作関連表示がキャラクタの表示同士の間に入り込み、1群の表示となっている様子を表現でき、演出効果を高めることができる。また、これにより、群予告演出が実行されていること(群となっていること)を遊技者にしっかりと認識させることができる。また、第2表示要素と第3表示要素とについて、キャラクタの表示および動作関連表示が重ならないようにすることで、第1表示要素と第2表示要素と第3表示要素とが密集し過ぎ各キャラクタの存在感が低下して演出効果が低下してしまうことを防止できる。
なお、ここで、ある表示と他の表示とが「重なる」とは、遊技者からの見た目上、重なっていると認識(知覚、想像)されるような表示となっていればよい。換言すると、演出制御手段300が描画処理を行う際等に当該ある表示と当該他の表示とをそれぞれ描画する処理等を行っていなくてもよい。
【0153】
また、本実施形態の前記構成において、前記表示要素のキャラクタの表示は、前記表示手段32における表示上、当該キャラクタの表示の背面側にある表示物が表れないように表示され、前記表示要素の動作関連表示は、前記表示手段32における表示上、当該動作関連表示の背面側にある表示物が表れるように表示されることとしてもよい。
このような構成によれば、動作関連表示がキャラクタの表示の上に重なる場合であってもキャラクタの表示を遊技者に見える状態とすることができる。
なお、前述のように、「背面側にある表示物」とは、背面側に存在しているであろうと遊技者が想像し得る表示物のことをいい、演出制御手段300が所定のレイヤに実際に描画を行う表示物に限らない。
【0154】
なお、群予告演出においては、表示要素の軌跡は以下のようになっていてもよい。すなわち、まず群予告演出においては、特定表示態様の表示要素が少なくとも1つ存在することとする。ここで、「特定表示態様の表示要素」とは、ある特定のキャラクタが特定の表示態様となっている(例えば特定の表情や服装をしている)表示要素であってもよく、ある特定のキャラクタを表す表示要素(表情や服装は問わない)であってもよい。すなわち、特定表示態様の表示要素が複数ある場合に、これら複数の表示要素は互いに同一の表示要素であってもよいが、少なくとも一部に共通する部分を有するものであってもよい。換言すると、特定表示態様の表示要素と、他の表示態様の表示要素とは、表されるキャラクタの種類に応じて分類されてもよく、キャラクタがさらにどのような表示態様となっているかに応じて分類されてもよい。また、群予告演出に登場する全ての表示要素を特定表示態様の表示要素と解すこともできる。ここでは、特定のキャラクタが特定の表情および服装をしている表示要素(
図9において笑っているとともに帽子を被ったキャラクタについての表示要素)が特定表示態様の表示要素であるものとして説明する。
【0155】
この群予告演出における先頭の表示要素は、特定表示態様の表示要素となっている。また、この群予告演出においては、特定表示態様の表示要素が複数登場するが、最初に登場する特定表示態様の表示要素と同一の軌跡を辿って移動する特定表示態様の表示要素は存在しないようになっている。より具体的には、最初に登場する特定表示態様の表示要素と同一の軌跡を辿って移動する表示要素(特定表示態様の表示要素および他の表示要素)は存在しないようになっている。換言すると、この群予告演出においては、先頭の表示要素と同一の軌跡を辿って移動する表示要素(特定表示態様の表示要素および他の表示要素)は存在しないようになっている。なお、全ての特定表示態様の表示要素について、同一の軌跡を辿って移動する表示要素(あるいは特定表示態様の表示要素)が存在しないようになっていてもよい。また、全ての表示要素について、同一の軌跡を辿って移動する表示要素が存在しないようになっていてもよい。
【0156】
なお、同一の軌跡を辿るとは、表示要素の特定の点が描く軌跡(
図9において破線L1で示す)が、他の表示要素の特定の点が描く軌跡(
図9において破線L2で示す)と一致することを意味する。ここでいう「特定の点」とは、例えば表示要素(キャラクタの表示)の中心点、上端または下端等の所定の部分とすることができ、基準点等と言い換えてもよい。
【0157】
なお、群予告演出における最後尾の表示要素が、特定表示態様の表示要素となっていてもよい。また、群予告演出において特定表示態様の表示要素が複数登場することとし、最後に登場する特定表示態様の表示要素と同一の軌跡を辿って移動する特定表示態様の表示要素は存在しないようになっていてもよい。また、最後に登場する特定表示態様の表示要素と同一の軌跡を辿って移動する表示要素(特定表示態様の表示要素および他の表示要素)が存在しないようになっていてもよい。換言すると、最後尾の表示要素と同一の軌跡を辿って移動する表示要素(特定表示態様の表示要素および他の表示要素)が存在しないようになっていてもよい。
【0158】
また、特定表示態様の表示要素を、複数の表示要素のうち液晶ディスプレイ32の表示上最も大きく表示される表示要素としてもよい。そして、当該特定表示態様の表示要素と同一の軌跡を辿って移動する表示要素(あるいは特定態様の表示要素)が存在しないようになっていてもよい。
【0159】
また、前述のように、特定のキャラクタが登場する群予告演出と登場しない群予告演出とが用意される場合(かつ、当該特定のキャラクタが登場する群予告演出の方が遊技者にとっての有利度合い(特典の付与に関する期待度等)が高くなっている場合)に、当該特定のキャラクタの表示に係る表示要素を、特定表示態様の表示要素としてもよい。
【0160】
以上のように、群予告演出において特定の表示要素(キャラクタの表示)と同一の軌跡を辿る所定の表示要素(キャラクタの表示)が存在しないようにすることで、群予告演出に登場する多数のキャラクタがバラバラな動きをしているように表現され、単調な表示となってしまうこと等を防止できる。
【0161】
(スロットマシンへの適用)
上記実施形態では、遊技価値として遊技球を用いるパチンコ遊技機に本発明を適用する例について説明したが、遊技価値としてメダルあるいは電子的情報を用いて賭数を設定し、スタートレバーに対する遊技開始操作によりリールを回転させ、回転するリールをストップボタンに対する停止操作により停止させ、リールが停止したときの図柄の種類や図柄の組み合わせにより入賞が発生可能なスロットマシンに適用してもよい。
【0162】
例えば、スロットマシンに上記実施形態に係る構成を適用する場合は、群予告演出を、遊技開始操作や所定の停止操作等の所定の操作を契機として行われるものとしてもよい。また、群予告演出は、遊技開始操作を契機として実行される所定の抽選で所定の結果が得られた場合(例えば、役の当否を決定する内部抽選で所定の役に当選した場合等)に実行され得ることとしてもよい。また、スロットマシンは、特定の役に当選した場合に、この特定役の入賞を可能とする停止操作の態様(操作順序や操作タイミングなど)を、表示手段32でのナビ画像の表示やスピーカ14からの所定の演出音の出力により報知(示唆)するナビ演出(指示演出、入賞補助演出)を行い特定役の入賞を補助するもの、すなわち、いわゆるAT(アシストタイム)を設けたスロットマシンとしてもよい。そして、群予告演出においては、ナビ演出に関する所定の期待度(例えば、ナビ演出の実行が可能であって遊技者に有利な所定の状態(AT演出状態)への移行の期待度や、ナビ演出の実行回数の増加に係る期待度等)が示唆されてもよい。また、群予告演出は、ボーナスの当選に係る期待度を示唆するもの等であってもよい。
【0163】
なお、本発明は、前述した実施の形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。例えば、パチンコ遊技機やスロットマシンの遊技制御形態および構成等は前述した実施の形態のそれに限定されない。また、前述した制御動作は、メダルレス遊技機等の他の遊技機にも適用できる。
【0164】
なお、本発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の各構成要素の自由な組み合わせ、あるいは各構成要素の任意の変形、もしくは各構成要素の省略等が可能である。
【符号の説明】
【0165】
32 液晶ディスプレイ(表示手段)
300 演出制御手段