(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-14
(45)【発行日】2023-11-22
(54)【発明の名称】血流促進、リラクゼーション及び運動能力向上のための粉体組成物及びその製造方法とその利用
(51)【国際特許分類】
A61N 5/10 20060101AFI20231115BHJP
C09D 11/03 20140101ALI20231115BHJP
C09D 7/61 20180101ALI20231115BHJP
C09D 5/03 20060101ALI20231115BHJP
A43B 13/02 20220101ALN20231115BHJP
【FI】
A61N5/10 A
C09D11/03
C09D7/61
C09D5/03
A43B13/02 Z
(21)【出願番号】P 2021212987
(22)【出願日】2021-12-27
【審査請求日】2022-01-21
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ウェブサイトのアドレス:https://camp-fire.jp/projects/view/344468 ウェブサイトの掲載日 : 令和3年1月5日 〔刊行物等〕 ウェブサイトのアドレス:https://naturalab.theshop.jp/ https://naturalab.theshop.jp/categories/3225060 ウェブサイトの掲載日 : 令和3年1月8日 〔刊行物等〕ウェブサイトのアドレス:https://benechan.shop/tky95851-002/ ウェブサイトの掲載日 : 令和3年3月24日 〔刊行物等〕ウェブサイトのアドレス:https://www.amazon.co.jp/スパオール血流改善はらまき(スパオール) -グレー/dp/B091PJ3YKY ウェブサイトの掲載日 : 令和3年4月1日 〔刊行物等〕 ウェブサイトのアドレス:https://alles-inc.com/spaore/ ウェブサイトの掲載日 : 令和3年10月1日 〔刊行物等〕 ウェブサイトのアドレス:hthttps://web-mihonichi.tokyo/company/natural-ab/index. ウェブサイトの掲載日 : 令和3年5月17日 〔刊行物等〕 ウェブサイトのアドレス:https://spaore.com/ https://www.sankeibiz.jp/business/news/210804/prl2108040933010-n1.htm ウェブサイトの掲載日 : 令和3年8月1日 〔刊行物等〕 ウェブサイトのアドレス:https://www.idog.jp/blog/2021/10/21/idogwellneswear/ ウェブサイトの掲載日 : 令和3年10月21日 〔刊行物等〕 発行者名:株式会社主婦と生活社 刊行物名:疲れとり「極」ミラクルシート 頒布日 :令和3年4月15日 (発行日 令和3年4月30日)
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520156937
【氏名又は名称】株式会社ナチュラルアビリティ
(73)【特許権者】
【識別番号】508115990
【氏名又は名称】株式会社アレス
(74)【代理人】
【識別番号】100067448
【氏名又は名称】下坂 スミ子
(74)【代理人】
【識別番号】100213746
【氏名又は名称】川成 渉
(74)【代理人】
【識別番号】100221752
【氏名又は名称】古川 雅与
(72)【発明者】
【氏名】小池 正樹
【審査官】石川 薫
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-197569(JP,A)
【文献】特開2007-153642(JP,A)
【文献】特開2021-176348(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09D 5/03
C09D 11/03
C09D 7/61
A43B 13/02
A61M 36/10-36/14
A61N 5/00- 5/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
微粉末状のラジウム1重量部に対し
て、微粉末状の炭化粉を5~50重量部の割合で含有
し、
前記微粉末状の炭化紛は、天然植物材料を
、焼成時間2~4時間の間で選ばれた任意の設定時間において、当該設定時間内に炭化させるために必要な焼成温度を800~1200℃の間から選択し、当該選択された温度と前記設定時間を焼成条件として加熱することにより得られた炭化物を微粉末状に粉砕したものであることを特徴とする、
血流促進用、又は脳波をリラックス状態へ遷移させるリラクゼーション用粉体組成物。
【請求項2】
前記炭化粉は、
35~
98%の割合でケイ素を含有することを特徴とする請求項1に記載の、粉体組成物。
【請求項3】
更に、微粉末状のゲルマニウムおよび微粉末状の銅の少なくとも1つを含有することを特徴とする請求項1または2に記載の、粉体組成物。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の、粉体組成物を含有することを特徴とするインキまたは塗料。
【請求項5】
繊維状、布状または板状基材に、請求項4に記載のインキまたは塗料を塗布もしくは含浸させたことを特徴とする繊維、布または板材。
【請求項6】
ラジウムを含有する鉱石を破砕して微粉末状の粉砕物を作成すると共に、
天然植物材料を
、焼成時間2~4時間の間で選ばれた任意の設定時間において、当該設定時間内に炭化させるために必要な焼成温度を800~1200℃の間から選択し、当該選択された温度と前記設定時間を焼成条件として加熱して得た炭化物を粉砕することにより微粉末状の炭化粉を作成し、
前記粉砕物と炭化粉とを混合することにより粉体組成物を作成することを特徴とする、請求項1に記載の粉体組成物の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血流促進、リラクゼーション及び運動能力向上の作用を有する粉体組成物に関し、より詳細には、腹まき、枕カバー、靴用インソール、シャツ、アクセサリー等、様々な物品に印刷等の手段によって適用できることより、形状や材質を問わず広範囲の物品が作成可能であり、適用後の当該物品に接近する者に対して血流促進、リラクゼーション及び運動能力向上の効果を付与することができる粉体組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
体の冷えや自律神経の乱れは、健康面で様々な不調を引き起こす原因となることが知られている。体の冷えが生じる一因としては血行不良がある。身体の血流が悪くなることで手足の末端まで血液が十分に循環されない状態となり、いわゆる「冷え性」が慢性化した状態となる。これにより、「体が温まり難い」「布団に入っても手足が冷たく眠れない」といった、いわゆる「冷え性」の症状を生じるばかりでなく、代謝が悪化することで更に種々の不調を生じることとなる。具体的には、肩のコリや痛み、頭痛、不眠、生理不順等、様々な症状に悩まさるといった症状が現れたり、また、代謝が落ちることで痩せ難い体質となり肥満に繋がり易い、便秘気味になって肌が荒れる等の美容面での悪影響を及ぼす場合もある。更に、免疫力が低下することにより、風邪などの病気にかかり易い体質となってしまうおそれすらもある。
【0003】
また、自律神経は、体を活発に動かすときに働く交感神経と、体を休めるときやリラックスした状態で働く副交感神経で成り立っている。この2つのバランスが崩れた場合、だるい、眠れない、疲れが取れない等の症状が現れ易くなる。また、自律神経が乱れると各個人の弱い部分に不調が現れ易いと言われており、頭痛やめまい、息切れ、動悸、下痢、便秘、冷え等に繋がることもある。更に、自律神経の乱れは、精神面への影響も大きく、情緒不安定や鬱等の症状の原因となることもある。
【0004】
このように、血行不良や自律神経の乱れは、身体面や精神面での様々の不調の原因となるため、血流を改善し血行をよくする効果や自律神経を整えるべく、様々な方法や器具・装置等がこれまで提案されてきた。例えば、微量の放射線による「ホルミシス効果」を利用したものも多数提案されている。一例をあげると「ホルミシス効果」に注目した遠赤外線照射装置がある(特許文献1参照)。これは、ラジウム粉末またはブラックシリカ粉末のうち少なくとも一方と、炭粉末をそれぞれ所定量混入した岩盤浴クッション芯材とその底面側に配した発熱体より構成される岩盤浴マットユニットの上に人体が横たわり、更に頭部以外の身体を覆部ですっぽりと覆うことで、微弱な放射線によって生成されるマイナスイオン及び遠赤外線を利用者に放射し、いわゆる岩盤浴効果により、温熱効果、新陳代謝、自然治癒力の向上、ストレス改善等の効果を有するとされるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、当該装置は、人体が横たわるに足るスペースが必要であり、それなりに大型な装置となることは避けられない。また、いわゆる岩盤浴であるため、効果を得るためには一定時間の間、そこに留まり続けることが必要であり、日常生活に気楽に取り込むのは難しい側面もあった。また、体の冷えや自律神経の乱れによる不調は、数回の処置によって全快するということは少ないため、これらの症状に悩まされる人にとっては、日常的に気楽に使用できる物や方法で健康を維持できるのであれば、その方が望ましいことは言うまでもない。本発明は、このような実情を鑑み、どのような物品にも応用が容易である粉体形状となっている。粉体であることから種々の物品への適用が極めて容易であり、使用者が普段から日常的に使用や着用している物品へも容易に適用することができる。このため、使用者は使用していることすらほとんど意識することなく、本発明の粉体組成物を日常生活に取り込むことが可能である。このように、本発明は、使用が極めて容易でありながら、確実に血行促進や自律神経を整える効果を有する血流促進及びリラクゼーションのための粉体組成物を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、「ホルミシス効果」により身体の重心を安定させることで、つまずき等の外的内的要因による転倒等を防止する効果を有する、微粉末状のラジウムと微粉末状の炭粉とを含有した粉体組成物を提案している(特許第6802940号公報)。
本発明者が鋭意検討を続けた結果、当該粉体組成物は、ラジウムと炭粉が特定の組成比率であるときに、特に神経コンディショニング効果を発揮することによって、血流促進作用や自律神経のバランスを整える作用が極めて優れていることを見出した。更に、この「神経のコンディションを整える」作用によって、身体パフォーマンスの向上等の運動能力向上の作用をも有していることを見出し、本発明の「血流促進、リラクゼーション及び運動能力向上のための粉体組成物」(以下、これらを総称する意において「本発明の粉体組成物」と称する)を完成するに至ったものである。
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の粉体組成物は、微粉末状のラジウム1重量部に対して、微粉末状の炭化粉を4.5~50重量部の割合で含有することを特徴としている。
【0009】
ここで、炭化粉は30~97%の割合でケイ素を含有してもよく、天然植物材料を炭化することで得られるものであってもよい。
【0010】
また、本発明の粉体組成物は、更に、微粉末状のゲルマニウムおよび微粉末状の銅の少なくとも1つを含有してもよい。
【0011】
そして、本発明の粉体組成物の製造方法は、ラジウムを含有する鉱石を破砕して微粉末状の粉砕物を作成すると共に、天然植物材料を温度700~1500℃で1~5時間加熱して得た炭化物を粉砕することにより微粉末状の炭化粉を作成し、前記粉砕物と炭化粉とを混合することにより粉体組成物を作成することを特徴としている。
【0012】
また、本発明の粉体組成物を含有することを特徴とするインキまたは塗料として使用することができ、繊維状、布状または板状基材に、本発明の粉体組成物を含有するインキまたは塗料を塗布もしくは含浸させたことを特徴とする繊維、布または板材として使用することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の粉体組成物は、粉体形状であることにより、広く種々の物品に適用することができる。具体的には、本発明の粉体組成物を、例えばインキや塗料に配合し印刷手段を介して物品に適用することにより、多種多様な種々の物品へ優れた「血流促進、リラクゼーション及び運動能力向上」の効果を付与することができる。一例を挙げれば、日常的に身に付ける物品である、腹まき、肩掛け、枕用シート、靴のインソール、アイマスクや、肩こり部分や冷え易い部位に貼付するパッチ、更には首から掛けたり胸に付けるIDカードのケースに入る大きさのシート等、の種々の物品に本発明の粉体組成物を適用することで、血流促進による冷えの防止、リラクゼーション効果による心身のリラックス効果、運動能力向上効果によるスポーツのパフォーマンス成績の向上の効果を手軽に得ることが可能となる。
【0014】
物品への適用は、例えば、本発明の粉体組成物を含有させたインキ等を印刷技術を介して物品に付与することで適用することができる。このため、岩盤浴装置のような大掛かりな装置等を製造するのに比較して、大幅に安価な製造コストで本発明の粉体組成物を適用した物品を製作することが可能である。また、腹まきや肩掛けを始めとする使用者が日常的に使用している物品に対して手軽に適用が可能であるため、使用者自身が普段から使用している物品に適用すれば、当該物品をいつも通りに身に着けていつも通りの日常生活を送るだけで、冷えの防止、心身のリラックスや運動能力の向上の効果が得られるメリットがある。
【0015】
また、安価に適用できることから、一つの物品に対して様々なデザインをラインアップすることも比較的容易である。市場において特定のデザインのものしか入手できない場合、当該デザインが個人的嗜好に合わず身に付けることを躊躇してしまうといったことが起こり得る。しかし、製造が比較的安価かつ容易であれば、各人それぞれの好みに合わせた多様なデザインのものをラインアップすることができ、利用者の選択の幅を広げることができる。
【0016】
本発明の粉体組成物の物品への付与について具体的な一例を挙げれば、例えば腹まきの場合には、シルクで作成した腹まきに印刷を介して本願発明の粉体組成物を適用(付加)して、当該腹まきに「血流促進、リラクゼーション及び運動能力向上」効果を付与することができる。品への適用は、必ずしも物品全体に均一に付加する必要はなく、
図1に示すようなドットパターンの他、文字や画像等、ある程度の面積を持って適用すれば十分であるためデザインに対する自由度も比較的高い。また、本願発明の粉体組成物を予め繊維に練り込み、当該繊維を用いて紡織することで繊維製品とすることもできる。このような方法によれば、更にデザインに対する自由度を高めることも可能である。
【0017】
また、本願発明の粉体組成物は、身体に接触させずともある程度まで接近させることで「血流促進、リラクゼーション及び運動能力向上」の効果が期待できる。このため、身体に直接触れる物品に限らず、衣服の上に身に付けるIDカードケースやアクセサリーといった物品に適用して利用することも可能である。この効果により、適用する物品の選択肢が広がるため、利用者が一番利用し易い物品に適用することで、物品の存在を意識することなく冷え防止やリラックス効果を得ることが期待できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の実施例の1形態である靴用インソールの一例を示す図である。
【
図2】本発明の実施例の1形態である靴用インソールの他の一例を示す図である。
【
図3】本発明の実施例の1形態であるシートの一例を示す図である。
【
図4】<簡易バランス試験>の試験方法例を示す図である。(実施例1)
【
図5】<関節の稼働域試験>の試験方法例を示す図である(実施例1)
【
図6】<脳波測定試験>で得られた脳波データの評価基準を示す図である。(実施例1)
【
図7】本発明の布シートを使用したときの、被験者Aの脳波を示す三次元グラフである(実施例4)
【
図8】本発明の布シートを使用したときの、被験者Bの脳波を示す三次元グラフである(実施例4)
【
図9】本発明の布シートを使用したときの、被験者Cの脳波を示す三次元グラフである(実施例4)
【
図10】本発明の布シートを使用したときの、被験者Dの脳波を示す三次元グラフである(実施例4)
【
図11】本発明の布シートを使用したときの、被験者Eの脳波を示す三次元グラフである(実施例4)
【
図12】本発明の布シートを使用した着席-立位試験における、被験者Aの脳波を示す三次元グラフである(実施例4)
【
図13】本発明の布シートを使用した着席-立位試験における、被験者Bの脳波を示す三次元グラフである(実施例4)
【
図14】本発明の布シートを使用した着席-立位試験における、被験者Cの脳波を示す三次元グラフである(実施例4)
【
図15】本発明の粉体組成物を適用した(a)腹まき、(b)IDカード状のシート及び(c)枕カバーを使用した脳波測定試験における、被験者の当該物品の装着状態の一例を示す図である(実施例4)。
【
図16】本発明の腹まきを使用したときの、被験者Fの脳波を示す三次元グラフである(実施例4)
【
図17】本発明の腹まきを使用したときの、被験者Gの脳波を示す三次元グラフである(実施例4)
【
図18】本発明の腹まきを使用したときの、被験者Hの脳波を示す三次元グラフである(実施例4)
【
図19】本発明のIDカード状のシートを使用したときの、被験者Hの脳波を示す三次元グラフである(実施例4)
【
図20】本発明のIDカード状のシートを使用したときの、被験者Iの脳波を示す三次元グラフである(実施例4)
【
図21】本発明の枕カバーを使用したときの、被験者Iの脳波を示す三次元グラフである(実施例4)
【
図22】本発明の枕カバーを使用したときの、被験者Fの脳波を示す三次元グラフである(実施例4)
【
図23】本発明のシートをメガネの弦に巻きつけて使用したときの、被験者Iの脳波を示す三次元グラフである(実施例4)
【
図24】本発明の腹まきを使用した被験者の体温測定試験における、腹まき装着前の被験者の体温を示すサーモグラフィである(実施例5)
【
図25】本発明の腹まきを使用した被験者の体温測定試験における、腹まき(未加工品)装着時の被験者の体温を示すサーモグラフィである(比較例)
【
図26】本発明の腹まきを使用した被験者の体温測定試験における、腹まき(加工済み品)装着時の被験者の体温を示すサーモグラフィである(実施例5)
【
図27】本発明の腹まきを使用した被験者の体温測定試験における、被験者の体温を示すサーモグラフィを比較した図である(実施例5)
【
図28】本発明のIDカード状のシートを使用した被験者の体温測定試験における、シート装着前の被験者の体温を示すサーモグラフィである(実施例5)
【
図29】本発明のIDカード状のシートを使用した被験者の体温測定試験における、シート装着後の被験者の体温を示すサーモグラフィである(実施例5)
【
図30】本発明のシートを使用した被験者の手の甲の体温測定試験における、(a)試験時のシート装着例を示す図、(b)被験者の右手の甲(本発明)と左手の甲(比較例)のサーモグラフィである(実施例5)
【
図31】本発明のシートを使用した被験者の手の平の体温測定試験における、被験者の右手の平(本発明)と左手の平(比較例)のサーモグラフィである(実施例5)
【
図32】神経線維の電位の乱れを説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の粉体組成物は、微粉末状のラジウム1重量部に対して微粉末状の炭化粉を4.5~50重量部の割合で含有するものである。当該比率で微粉末状のラジウムと微粉末状の炭化粉を配合することで、粉末状態としても、天然鉱石の発する微弱電磁波の効果と炭化粉による放射熱効果の両方を極めて効果的に発揮し、更に、神経コンディショニング効果も同時に発揮することで、優れた「血流促進、リラクゼーション及び運動能力向上」効果を発揮するものである。
【0020】
ここで「神経コンディショニング」とは、神経のコンディションを整える作用のことであり、「神経のコンディションが整う」とは、神経線維に興奮部が存在することで電位配列が乱れ電流(命令)の流れが阻害されているときに、何らかの働きかけにより正常な電位配列に戻った状態を指すものである。電流(命令)の流れがスムーズな状態に戻ることで、阻害されていた神経の命令伝達が末梢神経まで届くことになる。この働きにより、身体の重心バランスが安定し、更に高い効果を発揮する場合には運動パフォーマンスの向上といった運動能力向上効果となって現れることになる。また、神経の乱れによるストレスが軽減されることにより、副交感神経優位にスイッチし易い状態になって心身のリラクゼーション効果を得ることができる。本願発明の粉体組成物では、これらの働きに加えて、前述の天然鉱石の発する微弱電磁波の効果と炭化粉による放射熱効果も同時に発揮されることとなる。天然鉱石の発する微弱電磁波によってリラクゼーション効果は更に増大される。また、炭化粉による放射熱効果によって血行促進作用が得られる。血行が促進されて血流が良くなることで身体が温まり、よりリラックスし易い状態になるという相乗効果を発揮するものである。
【0021】
次に、本願発明の粉体組成物について詳述する。
本願発明の粉体組成物は、微粉末状ラジウムと微粉末状の炭粉の他に、更に、微粉末状のゲルマニウムおよび微粉末状の銅の少なくとも1つを含有させることができる。以下、それらの微粉末状物について具体例を示して説明するが、本発明に用いることができる物がそれらに限定されるものではない。
【0022】
本発明における微粉末状のラジウムとは、ラジウムを含む化合物、例えば、酸化ラジウム、水酸化ラジウム、フッ化ラジウム、塩化ラジウム、臭化ラジウム、ヨウ化ラジウム、炭酸ラジウム、硫酸ラジウム、硫化ラジウム、過酸化ラジウム等のラジウム化合物の他、ラジウムを含有する天然鉱石を原料として、これらの物質を公知の方法で微粉末状にしたものをいう。
【0023】
本発明における微粉末状のゲルマニウムとは、ゲルマニウムを含む化合物、例えば、二酸化ゲルマニウム、水酸化ゲルマニウム、ゲルマニウムテトラメトキシド、ゲルマニウムテトラエトキシド、ゲルマニウムテトラブトキシド、ゲルマニウムエチレングリコキシド等のゲルマニウムアルコキシド化合物、ゲルマニウムフェノレート、ゲルマニウム-β-ナフトレート等のゲルマニウムフェノキシド化合物、リン酸ゲルマニウム、亜リン酸ゲルマニウム、次亜リン酸ゲルマニウム等のリン含有ゲルマニウム化合物および酢酸ゲルマニウム化合物等のゲルマニウムを含む化合物の他、ゲルマニウムを含有する天然鉱石や天然鉱物を原料として、これらの物質を公知の方法で微粉末状にしたものをいう。
【0024】
本発明における微粉末状の銅とは、銅を含む化合物、例えば、酸化第一銅、酸化第二銅、塩化第一銅、塩化第二銅、硫化第一銅、硫化第二銅、酢酸第一銅、酢酸第二銅、硫酸第一銅、硫酸第二銅等の銅化合物の他、精製銅や銅鉱物を原料として、これらの物質を公知の方法で微粉末状にしたものをいう。なお、以上のゲルマニウム、ラジウム、銅の各化合物については、水溶液等の液状態のものを以下に述べる炭粉に含浸させてもよい。
【0025】
本発明における微粉末状の炭化粉とは、炭素を含有する物質を微粉末状にしたものを用いることができる。微粉末状の炭化粉の原材料としては、グラファイトや石墨、黒鉛等の結晶質物質であってもよいが、非晶質物質である植物材料を焼成して作成したいわゆる炭を特に好適に用いることができる。炭の場合には、木炭や竹炭等の他、ヤシ殻、石炭、木炭等を原料とした活性炭等、炭素を含有するものであればどのようなものも用いることができる。炭を用いる場合には、自身で焼成した炭を微粉末状にしたものであってもよいし、粉末の炭(パウダー状の炭)、炭の粉、木炭微粉、粉炭、炭パウダー等の種々の名称で市販されているものを用いてもよい。
【0026】
本発明における微粉末状の炭粉は、ケイ素を含むものを特に好ましく用いることができる。上記の結晶質炭素を粉末にしたものに、ケイ素化合物の粉末を混合したものであってもよいが、天然の植物材料を炭化させた炭を原料として作成した炭粉には植物由来のケイ素が含まれるため極めて好適に用いることができる。ケイ素化合物を用いる場合には、シリカ(二酸化ケイ素)、合成非晶質シリカ(二酸化ケイ素)、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸ジルコニウム、炭化ケイ素、ケイ藻土等のケイ素含有化合物を広く用いることができる。天然の植物材料を炭化させたものとしては、安価に広く流通しているもみ殻くん炭やその他のくん炭を用いることもできるし、自ら木材、竹、もみ殻等の植物材料を焼成した炭やくん炭を用いてもよい。
【0027】
自ら、もみ殻等の植物材料を焼成して炭やくん炭を作る場合には、植物材料を高温短時間で焼成したものを特に好ましく用いることができる。焼成条件は、700~1500℃で1~5時間、特に好ましくは800~1200℃で2~4時間の焼成が望ましい。焼成時には、焼成開始時からできるだけ早く800~1200℃の焼成温度にまで到達させることが望ましく、例えば焼成炉の電圧を一気に上げて焼成開始時から30~60分で焼成温度に到達させて焼成させることでケイ素含有量を高めることができる点で特に望ましい。微粒子状のラジウムに、このように高温短時間で焼成した炭やくん炭から作成されるケイ素含有率の高い炭粉を混合することで、特に好ましい本願発明の粉体組成物とすることができる。
【0028】
本願発明に用いる微粉末状物質を作成する方法としては、上記のそれぞれの化合物を、例えばミルと分級機を用いて粉砕し微粉末状にする等の公知の方法を用いることができる。粉砕後の粒径は特に限定されず、用途に合わせて粗くしてもよいし、微細粉としてもよい。扱い易さの点で、粒径は3μm~0.1mmが好ましく、5μm~7μmが特に好ましい。
【0029】
微粉末状にしたそれぞれの化合物を混合する方法は、特に限定されない。ある程度まで均一に混合されていれば本発明の効果を得るのに十分であるので、公知の一般的な方法にて混合することができる。本発明の粉体組成物における各成分の混合比は、ラジウム1重量部に対して微粉末状の炭粉を4.5~50重量部加えて混合したものが本発明の有意な効果を得るために好ましく、特に好ましくはラジウム1重量部に対して微粉末状の炭粉を5~20重量部加えて混合したものが顕著な効果を得るために好ましい。更に、微粉末状のゲルマニウムもしくは微粉末状の銅を混合する場合には、それぞれ重量比でラジウム1重量部に対して微粉末状のゲルマニウムもしくは微粉末状の銅をそれぞれ0.1~5重量部加えることができる。微粉末状のゲルマニウムもしくは微粉末状の銅を更に加えることで、効果を補強することができると共にラジウムの使用量を減量することができる。微粉末状のゲルマニウムもしくは微粉末状の銅は、それぞれどちらか一方を加えることもできるし、両方をそれぞれ上記の比率で加えることもできる。
【0030】
本発明の粉体組成物は、次のような方法で使用することができる。たとえば、本発明の粉体組成物をそのまま容器等に入れてそれを身に付ける等の手段により身体に接近させることで、血流促進、リラクゼーション及び運動能力向上の効果を得ることができる。他の方法としては、例えば本発明の粉体組成物をインキや塗料に混合させ、当該インキや塗料を用いて目的物品に印刷あるいは塗布をする方法がある。このように本発明の粉体組成物を適用させた物品に対して、身体を接近させることで本発明の「血流促進、リラクゼーション及び運動能力向上」の効果を得ることができる。
【0031】
また、本発明の粉体組成物は、例えば液体に分散させて流体形態としてもよいし、公知の方法により固化させて固形状としてもよい。どのような形態へ加工しても本発明の有する「血流促進、リラクゼーション及び運動能力向上」の効果が失われることはないため、使用目的や流通の利便性等により適宜最適な形態での使用が可能である。
【0032】
以下、具体的な使用方法についていくつか詳述するが、本発明はこれらの使用方法や使用形態に限定されず、どのような方法であれ、本発明の粉体組成物に対して身体が接近した状態となるように用いることで本発明の粉体組成物による「血流促進、リラクゼーション及び運動能力向上」の効果を得ることができる。
【0033】
第一の実施形態として、本発明の粉体組成物を含有させたインキや塗料を用いて目的物に付与することで、当該物品に本発明の「血流促進、リラクゼーション及び運動能力向上」の効果を具有させる方法がある。なお、本明細書において、インキ(インク)または塗料とは、一般的な意味でのインキ、塗料の他、塗装材、顔料、染料等を含む幅広い意味で用いるものである。
【0034】
本発明の粉体組成物は、適用対象である目的物品に、どのような手段であるかを問わず、付着、付加、含有等の方法により、物品に対していわゆる適用された状態とすることで、適用させた物品に接近した身体に対して「血流促進、リラクゼーション及び運動能力向上」効果を示すものである。このため、たとえば、本発明の粉体組成物を、分散、混合、溶解等の公知の方法でインキや塗料等に含有させ、当該インキや塗料等を用いて、印刷、塗布、含浸、表面に接着させる等の公知の手段により目的物品へ適用させることで、「血流促進、リラクゼーション及び運動能力向上」効果を持つ物品を製作することが可能となる。
【0035】
適用方法としては、印刷もしくはそれに類する手段の他、例えば、本発明の粉体組成物を接着剤に分散させて当該接着剤を物品表面に塗布する方法でもよいし、粉体組成物を分散させた水や油等の液体を目的物品に含浸させることで物品に適用する方法であってもよい。本明細書におけるインキまたは塗料とは、このようにどのような方法であるかを問わず、目的物品に粉体組成物を適用するために用いることができる液体や粘性物、個体等を含む広い意味で用いるものである。
【0036】
本発明の粉体組成物を含有させたインキや塗料の作成方法は特に限定されず、一般的な方法を用いることができる。どのような方法であれ、本発明の粉体組成物がインキや塗料に含まれた状態となればよい。ある程度均一に、本発明の粉体組成物が分散した状態のインキや塗料であれば、本発明の効果を得ることができる。例えば、通常用いられる印刷用インキに本発明の粉体組成物を加えた後によく撹拌して混合する方法であってもよい。本発明の粉体組成物のインキへの配合量の目安は、印刷により適用した目的物品の1m2あたり粉体組成物10g以上が含まれるように配合することで、本発明の重心安定効果を有意に得ることができる。
【0037】
インキや塗料に混ぜることで、布、紙、ゴム、塩ビ、金属板等広い素材に例えば印刷を介して本発明の粉体組成物を適用することが可能となり、多種多様な物品に本発明の血流促進、リラクゼーション及び運動能力向上効果を付与することが可能となる。一例を挙げれば、作成した腹まきの表面に本発明の粉体組成物を含有させたインキを用いて印刷を施すことで、血流促進、リラクゼーション及び運動能力向上の効果を有する腹まきを作成することができる。
【0038】
また、熱転写紙のインキに本発明の粉体組成物を含有させ作成した熱転写シートを用いて、いわゆるアイロンプリントの方法で靴下やシャツ等に本発明の粉体組成物を適用することもできる。このような方法によれば、本発明の「血流促進、リラクゼーション及び運動能力向上」効果が付与された物品を家庭でも手軽に作成可能となる。
【0039】
本発明の粉体組成物の適用対象は、このように印刷手段によって物品へ適用する場合には、対象物は印刷可能な物であれば、紙、布、不織紙、木材、プラスチック、金属等、どのような材料へも適用可能である。また、印刷を施すのが難しい材料の場合には、本発明の粉体組成物を分散させた適当な接着剤や溶剤を塗布や含浸させる等の手段によって物品へ適用することもできる。また、衣料品の場合には、繊維に本発明の粉体組成物を公知の方法で予め練り込み、当該繊維を用いて衣料品を作成する方法によって適用することも可能である。その他、方法を問わず物品に本発明の粉体組成物を付加、付着、含有した状態とすれば、当該物品に「血流促進、リラクゼーション及び運動能力向上」の作用を付加することが可能である。すなわち、薄くてペラペラした紙状の物質、ある程度の厚みや固さを有する板状基材等、あらゆる素材に対して、本発明の粉体組成物を含有させたインキや塗料等を塗布または含浸させることで、本発明の「血流促進、リラクゼーション及び運動能力向上」効果を有する布や板材等の材料を作成することが可能である。これは、これらの布や板を用いて物品を製作することで、本発明の「血流促進、リラクゼーション及び運動能力向上」効果を有する多種多様な製品を製造できることを意味している。
【0040】
物品に印刷される形態は特に制限されず、ドットパターンのような繰り返しパターンでもよいし、文字やイラスト等のデザインされたものでもよい。一例として、帆布を用いて作成した靴用インソールの表面に本発明の粉体組成物を、印刷を介して適用した例を
図1および2に示した。
図1は言語的意味を持たないドットパターンを印刷した例であり、
図2は文字を印刷した例である(
図2は2枚のインソールを重ねた状態を示したものであり、また、印刷されたSPAOREの文字は商標である)。ドットパターン、文字のどちらであっても本発明の「血流促進、リラクゼーション及び運動能力向上」効果に違いは生じない。このように、どのような文字や画像であっても本発明の効果に影響はないため、印刷される内容は物品のデザイン性を優先した図柄等であってもよいし、靴下の滑り止めパターンのような実用的なパターン模様等としてもよい。靴下の滑り止めパターンであれば、滑り止め用凹凸の生成材料に本発明の粉体組成物を含有させて凹凸を作成することで、靴下に滑り止め防止効果を付与するのと同時に、本発明の「血流促進、リラクゼーション及び運動能力向上」効果も付与することもできる。
【0041】
また、第二の使用形態として、本発明の粉体組成物そのものを身につける方法であってもよい。例えば、小瓶のような小さな容器に本発明の粉体組成物を封入し、それをペンダントのようなアクセサリー形態として身につける方法でも本発明の「血流促進、リラクゼーション及び運動能力向上」の効果を得ることができる。
【0042】
更に第三の使用形態として、本発明の粉体組成物を添加した成型材料を用いて種々の成型製品を製造することもできる。例えば、本発明の粉体組成物を添加したプラスチック樹脂やラバー樹脂等の合成樹脂を用いて杖やステッキ、ゴルフクラブのグリップ(握り)部分を成型製造することで、「血流促進、リラクゼーション及び運動能力向上」効果を有する杖やステッキ、ゴルフクラブを製造することができる。
【0043】
以下、いくつかの実施例に基づいて本発明の実施態様を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【実施例1】
【0044】
各成分を表1に示した比率(重量部)で混合して、比較例および本発明の実施例の重心安定用粉体組成物を作成した。ラジウムは、ラジウム天然鉱石を粉砕して微粒粉末とした市販品を用いた。炭化粉は、入手した稲のもみ殻を燃焼炉により800℃で4時間焼成してもみ殻くん炭を作成し、それを粉砕して微粒粉末としたものを用いた。それぞれの微粒粉末の粒径は概ね7μmとした。
【0045】
試験1-1 <簡易バランス試験>
各成分を表1の比率(重量部)で混合して作成した各サンプル番号の粉体組成物を、インキに混ぜてよく攪拌してインキ中に均等に分散させて印刷用インキとした。尚、サンプルNo.7~11は、ラジウム1重量部に対して、炭化粉を4.5~50重量部の割合で混合させた本発明の実施例であり、サンプルNo.1及び2は、ラジウムか炭化粉のいずれか一方のみを含む比較例、サンプルNo.3~6は、ラジウムに対する炭化粉の混合割合を本発明の範囲外とした比較例である。使用したインキは、東京インキ製油性黒色インキを用いた。このようにして作成したインキを用いて
図3に示したシートを作成した。具体的には、1000mm×600mmのシート状の帆布21の表面全面に
図3に示したドットパターン22を印刷し、粉体組成物を適用したシート2とした。尚、粉体組成物のインキへの配合量は、印刷後のシート1m
2あたり粉体組成物が概ね10~20g含まれるように調整した。
【0046】
【0047】
被験者である成人男女4人に対し、サンプル番号1~11のうちから無作為に抽出したサンプルを、1被験者あたり5~7つを割り当てた。ただし、サンプル番号1つあたりの被験者は最低2人となるように調整をおこなった。粉体組成物を適用したシート2を約12cm×10cmの大きさにカットし、被験者の服のポケット(上着のサイドポケット)に入れて身に着けてもらう形で以下に示す試験をおこなった。尚、ポケットにシートを入れる際に、被験者に何番のサンプルであるかはもちろん、どのような機能を持つシートであるかの告知は行っていない。
【0048】
[試験方法]
まず、被験者にはリラックスした状態でベンチに座ってもらい、左腕を真横にまっすぐ伸ばしてもらう。実験者は、被験者の伸ばした左腕をつかんで被験者の左方向へ軽く引っ張る。これにより被験者の身体がわずかに左に傾いた状態となる。その態勢のままで、実験者が被験者の左肩の上に手を置いて上から強く下方向へ被験者の肩を押す(
図4のa-1は押し始めるところを表す)。このとき、被験者が実験者の押す力に負けて体勢が崩れるか否かを見た。実験者の力に負けたときは被験者の上半身は左方向へ大きく傾くことになるが(
図4のa-2の状態)、実験者の押す力に耐えられる場合には被験者の体勢は崩れることがない。次に右側に対しても同様の所作により試験を行う。
【0049】
試験は、まずポケットに何も入れない状態で上記の肩を押す一連の動作を行って、被験者がどの程度まで体勢を崩してしまうのかを確認した。その後、リセット動作として、被験者に立ちあがってもらってその場で数回の足踏みをしてもらった。そして次に、再度着席してもらい、サンプルを被験者の上着ポケットに入れて、上記の肩を押す一連の動作を再度同様に行って体勢が崩れるかを見た。そして最後に確認試験として、再び立ち上がってもらって足踏みという上記のリセット動作後に着席してもらってから、ポケットからサンプルを取出して、同様の一連の動作によって被験者の体勢の崩れを確認した。評価は以下の基準により行った。尚、本試験においては被験者によるバラつきは見られず、同一サンプルに対する各被験者は皆ほぼ同じ挙動を示した。
[評価基準]
サンプルをポケットに入れていない場合には、どの被験者も肩を押されることで大きく体勢を崩した。
×:サンプルを入れた場合でも、肩を押されると大きく体勢を崩した。
△:サンプルを入れた場合は、入れない場合に比べて明らかに体勢の崩れが小さかった。
○:サンプルを入れた場合は、肩を押されてもほとんど体勢の崩れが見られなかった。
【0050】
[結果]
各サンプルの結果を表1の「簡易バランス試験」の欄に示した。
試験結果の一例として、サンプルNo.10の粉体組成物を適用したシートを用いた試験を撮影した動画映像からキャプチャーした画像を
図4に示す。
図4の(a-1)、(a-2)は、サンプルを入れない状態での試験画像である。(a-1)は、実験者が被験者の肩の上に手を置いて下方へ力を加えようとしている場面である。(a-2)は、実験者の押す力に負けて、被験者の体勢が崩れた状態である。次に、上記のリセット動作を行ってもらった後に、被験者の上着の右ポケットにサンプルのシートを入れて試験を行った。(b-1)は、これから力を加えようとする場面である。そして、(b-2)は、実験者に力を加えられても被験者がその力に負けずに体勢を崩していない場面である。ふたたびリセット動作を行ってもらった後に、被験者のポケットからサンプルを取出して同様に肩を押して力を加える試験を行ったときの画像が(c-1)、(c-2)である。
【0051】
本図から明らかなように、(a-2)及び(c-2)のサンプル無しの場合には、被験者の体勢が崩れているのに対して、(b-2)のサンプル有りの場合には、実験者の押す力に負けることなく、(b-1)の状態から体勢がほとんど崩れていないことが分かる。尚、(a-2)と(c-2)では、(c-2)の方が被験者の崩れが大きくなっているが、これはキャプチャー瞬間のわずかなズレに基づくもので、何れも被験者が大きく体勢を崩した度合いに有意な差はなかった。ここで、(a-2)(c-2)と(b-2)の実験者の体勢の違いに注目すると、(b-2)では実験者は腰を入れて強い力で押していることが伺える。それに比べて、(a-2)(c-2)では実験者がそのように強い力を加える前に被験者の体勢が崩れたために、実験者の体勢は力を加える前の(a-1)(c-1)からほとんど変わっていない。これらのことからも、サンプル有りの(b-2)では体幹のバランス(身体の重心)を安定させる効果を示していることが分かる。
【0052】
試験1-2 <関節の可動域試験>
表1に示した組成比の各サンプルを配合した印刷用インキを、上記の(1)<簡易バランス試験>と同様にして用意した。このインキを用いて、約70cm×60cmの綿布にドットパターンを印刷して本発明の粉体組成物を適用したシートとした。 被験者である成人男女4人に対し、サンプル番号1~11のうちから無作為に抽出した5~7つのサンプルを割り当てた。ただし、サンプル番号1つあたりの被験者は最低2人となるように調整をおこなった。
【0053】
[試験方法]
(i)肩関節の可動域テスト
被験者にベンチに座ってもらって両腕を後に伸ばした状態で、後ろから実験者が被験者の両手を持ち、被験者の両腕の間隔がどこまで狭まるかを試験した。最初に、本発明の粉体組成物を適用したシートを用いない状態で被験者の状態を確認した(
図5のa-1)。次に、上記の本発明の粉体組成物を適用したシートを被験者の両肩から上半身に掛けた状態で、同様の試験を行った(
図5のa-2)。
【0054】
(ii)股関節の可動域テスト(内旋)
まず、被験者にベンチに仰向けに横になってもらう。実験者は一方の手で被験者の踵を持ち、もう一方の手でひざ裏を支える。次に、実験者は被験者の股関節と膝関節をそれぞれ直角に屈曲させる。実験者は、ひざ裏を支えていた手を移動させて被験者のひざ頭押さえる。その状態で被験者のかかとを実験者側に引きつけるようにして、ひざを軸にして被験者の股関節を内旋させる。試験は、まず、本発明の粉体組成物を適用したシートを用いない状態で被験者の状態を確認した(
図5のb-1)。次に、上記の本発明の粉体組成物を適用したシートを被験者の下半身に掛けた状態で、同様の試験を行った(
図5のb-2)。
【0055】
評価は以下の基準により行った。尚、どのサンプルの場合も、(i)肩関節の可動域テストと(ii)股関節の可動域テスト(内旋)でほぼ同様の結果を示した。
[評価基準]
×:サンプル無しと有りの場合で、関節可動域に差が認められなかった。
△:サンプル有りの場合、サンプル無しのときに比べて若干、可動域が広がった。
○:サンプル有りの場合、サンプル無しのときに比べて明確に可動域が広がった。
【0056】
試験1-3 <脳波測定試験>
上記の(2)<関節の可動域試験>で使用したものと同じく、表1に示した各サンプルの粉体組成物を適用したシートを、被験者(男性○才代)に身に着けてもらって座位でリラックスした状態で脳波測定を行った。
測定方法:脳波計(IVBA Ver.3)を用いて、 臨床検査技師による脳波および眼球振動測定
測定時間:約10分
【0057】
脳波測定は、まず本発明の粉体組成物を適用したシートを身に着けない状態で測定を始め、約5分経過後に測定を継続したままシートを腹部に当てる等によって身に着けてもらって脳波に変化が生じるかを確認した。得られた脳波データの評価方法は以下の通りである(
図6を参照)。測定により
図6の(a)図のような脳波データを得る。水平長辺方向が時間軸であり、図の右奥から左手前へ向かって時間が進行している。水平短辺方向は測定される脳波の種類を示しており、左奥方向から手前に向かって順に眼球振動δ波、θ波、α波、β波であることを示している。直交縦軸が脳波電圧を示しており、各波形の高さが高いほど脳波電圧が高いことを示している。実測で得られるのは3次元カラー画像であり、脳波電圧が高い部分は赤からピンクに着色され、順に黄-緑-青と低くなる。実測データはこのようにデータの色分けによって脳波の高低が一目瞭然となっているが、本願に添付の図はモノクロ変換したものであるため、主に波形の形状によって以下の説明を行う(適宜、色の違いをグレー濃淡に変換して説明する場合もあり)。
【0058】
図6(a)に示すように、3Dチャートの一番奥に示される眼球振動の動きによって、被験者の眼球振動の有無を知ることができる。眼球振動が増えると波形が高くなるため、波形が低くかつ山状部分が疎らに見えるほど、眼球振動が少なく被験者がリラックスした状態であることを示す。
図6(b)はδ波を拡大したものであり、本図のδ-1図は被験者がストレスを感じている状態であり、δ-2を経てδ-3に行くほど被験者がリラックスしていることを示している。図においてδ-1及びδ-2図のおける山状や針状に見える部分は脳波電圧が高いことを示すピンクである。δ-3図の突起部はピンクであり、その手前の平坦部は緑-青で示される。
図6(c)図はβ波部分を拡大したものである。こちらも左のβ-1図は被験者がストレスを感じている状態であり、β-2を経てβ-3へ行くほどリラックス状態となる。
β-1及びβ-2の図において白く見える突起状部分は、カラーチャートでは脳波電圧が高いピンクで示された部分であり、β-2とβ-3図の手前側に現れた濃いグレーの平坦部は脳波電圧が一番低い青で示された部分である。その中間にある薄いグレー部分は、カラーチャートでは脳波が低いことを示す緑であった。
【0059】
[評価基準]
以上を踏まえて、測定により得られた脳波データから以下の基準によって本発明の粉体組成物を適用した各サンプルのシートについて、被験者に対するリラクゼーション効果の有無を確認した。評価は主に、眼球振動とβにおける波形に現れた山の数及び山の高さ変化により以下の通りとした。
○:被験者がシートを身に着ける前後で顕著にδ波とβ波にリラックス傾向が現れた
△:被験者がシートを身に着ける前後で、δ波とβ波にリラックス傾向が認められるがその度合いが小さい
×:被験者がシートを身に着ける前後で、δ波とβ波にリラックス傾向が現れたとまでは言えない
ここで、○評価と△評価の違いについては、例えば
図6(b)において、δ-1からδ-3へ変化した場合や、(c)においてβ-1からβ-3へ変化した場合のような顕著な減少が認められたときは○評価とした。変化度合がδ-1からδ-2へ程度だった場合や、β-1からβ-2へ程度のように、大きく減少したとまでは言えないものの明らかに減少したと認識できた場合には△評価とした。そして、グラフ上の変化が僅かであるため明らかに減少したとまでは認識できない場合、又は全く減少が認められない場合は、×評価とした。結果は表1に示した。
【0060】
比較例であるサンプルNo.1~6では、脳波データから被験者がリラックス状態に遷移したことは読み取れなかった。唯一、サンプルNo.4のみは、シート着衣によってリラックス方向へ波形が変化したと認められる部分もあったがその度合いは小さく、また、ほぼ変化なしと言える部分もありシートの効果としてはやや疑問であった。本発明の実施例であるサンプルNo.7~10は、シート着衣により被験者がリラックス状態になったことを示す顕著な波形変化が認められた。サンプルNo.11についてもリラックス状態への明らかな波形変化が認められたが、その変化度合が小さいため△評価とした。以上より、ラジウム粉末と炭化粉のいずれか一方のみ(サンプルNo.1及び2)ではリラクゼーション効果がないことが確認された。同時に、ラジウム粉末と炭化粉の両方を含有するのみ(サンプルNo.3~6)ではリラクゼーション効果は得られず、特定の比率で両方を含有する場合(サンプルNo.7~11)にのみリラクゼーション効果を有することが確認された。
【0061】
試験1-4 <被験者の効果実感アンケート>
本発明の粉体組成物を適用したシートを2日から10日程の間、日常生活で体に装着してもらい、なんらかの効果が感じられたかについてアンケート調査を行った。各被験者は、本発明の粉体組成物を適用したシートを、自身が日常生活で使用し易い形状となるようにカットしたものを身体に装着した。表1に示したサンプルNo.3~11について、各サンプル毎に13人から15人を被験者とした。被験者は、10代~70代の男女である。以下に示すような、何らかの効果を実感したと思われる回答について肯定的意見とし、装着前と比べて大きな変化が現れたとまで言えない場合は肯定的意見としてはカウントしていない。尚、装着することで症状が悪化したというような完全な否定的意見は全くなかった。各サンプル毎に、(肯定的意見を得た人数/当該サンプルの被験者数)により肯定的意見の%を求め、得られた値の一の位を四捨五入して10%毎の値として表1に結果を示した。
【0062】
[肯定的意見の例]
・円状にカットしたシートをインソールとして靴の中に入れたり、ズボンのポケットに入れて使用したところ、通勤時に疲労が軽減して電車内で立ちっ放しでも苦にならなくなった。
・アイマスクとして使用することで、目の疲労回復が実感できたと共に、ものが見易くなった気がする。
・メガネの弦にシートを巻いて使用したところ、眼精疲労の回復を感じる事ができ、以前よりはっきりと物が見えるようになったと感じる。
・自動車の運転時に、座席にシートを敷いて使用したところ、目が疲れることがなくなり、体の疲れもたまらなくなった。
・シートを折り畳んでベルト状として首に巻いて使用したところ、以前より体のだるさを感じなくなった。
・就寝時に頭や背中の下にシートを敷いて寝たところ熟睡できた。
【0063】
[総合評価]
以上の試験1-1~試験1-4の結果から、各サンプルについてリラクゼーション効果の有無を総合的に評価して結果を表1に示した。サンプルNo.4~6は簡易バランス試験の結果は良好であったが、脳波測定試験においてはリラクゼーション効果が認められなかったことから総合評価は×とした。本発明の実施例であるサンプルNo.7~11は、簡易バランス試験のみならず、脳波試験においても良好なリラクゼーション効果が認められた。また、これらの実施例サンプルNo.7~11では、関節可動域試験の結果も良好であった。尚、試験1-4のアンケート調査における肯定的意見(%)は、主観的なものであるため、総合評価を出すにあたっては判断材料としていない。
【実施例2】
【0064】
炭化粉の作成方法によって効果が異なるかを以下の試験により確認した。入手した稲のもみ殻を、焼却炉で表2の焼成温度及び焼成時間で焼成することで、もみ殻くん炭を作成し、それを粉砕して微粒粉末としたものを炭化粉とした。ラジウム粉末は、ラジウム天然鉱石を粉砕して微粒粉末とした市販品を用いた。実施例1で示した表1のサンプルNo.9と同様に、ラジウム1重量部に対して、炭化粉を10重量部の割合で混合して本発明の粉体組成物とした。当該粉体組成物を用いて実施例1における(1)<簡易バランス試験>と同様の方法にて印刷を介してシートを作成した。
【0065】
【0066】
試験2-1 <脳波測定試験>
実施例1の試験1-3<脳波測定試験>と同様の方法で脳波測定を行い、同基準にて評価を行った。結果を表2に示した。
試験2-2 <被験者の効果実感アンケート>
実施例1の試験1-4<被験者の効果実感アンケート>と同様の方法で、被験者の使用実感を調査した。得られた回答の内、どの程度の肯定的意見があったかを表2に示した。
【0067】
[総合評価]
前記の試験2-1<脳波測定試験>及び試験2-2<被験者の効果実感アンケート>の結果から総合評価を行って表2に示した。特に脳波測定試験の結果から、700~1500℃で1~5時間焼成した炭化粉を用いたサンプル(本願発明の実施例であるサンプルNo.25~29)で優れたリラックス効果が認められた。しかし、比較例を見ると、サンプルNo.23~25のように焼成温度が700~1500℃の範囲内であっても焼成時間が長い場合には、脳波データから読み取れるリラックス効果が弱いか、全く効果を示していないことが分かった。
【0068】
本試験における炭化粉を作成する際の焼成温度の設定は、焼却炉の温度設定ダイヤルを用いて行ったものであるため、それが焼却時間内における最高到達温度となる。実施例であるサンプルNo.26~29は、設定した時間内に炭化させるために、焼成スタートから強い火力を用いることとなった。これにより、サンプルNo.26~29は短時間で設定した到達最高温度に到達して焼成されることとなった。これに対してサンプルNo.21~25は設定した焼成時間に余裕がありスタートから強い火力を用いる必要がなかったため、焼成スタート時から最高到達温度に達するまでにより長い時間がかかった。結果的に、比較例であるサンプルNo.21~24は低温長時間焼成に近い焼成となり、実施例であるサンプルNo.25~29は高温短時間焼成となった。サンプルNo.22と25、23と26、24と27のように同じ焼成温度であっても効果に違いが出たのはこのためと考えられる。尚、サンプルNo.23及びNo.26の炭化粉についてケイ素含有量を分析したところ、No.23では40%であったのに対してNo.26では95%であった。
【0069】
試験2-3 <無機ケイ素を用いた試験>
上記の試験2-1及び2-2の結果について、ケイ素含有量の問題であるかを以下の試験により確認した。市販のカーボン粉末と金属シリコーン粉末を混合し、ケイ素含有量が表3に示した割合になるように各サンプルを調整した。使用した金属シリコーン粉末中のケイ素含有量は約99%である。表3はカーボン粉末と金属シリコーン粉末の混合割合を示したもので、表中の100%とは、カーボン粉末を全く混合しないことを意味する。
【0070】
【0071】
[評価基準]
実施例1と同様に脳波測定を行い以下の基準で評価を行った。
△:被験者がシートを身に着ける前後で、眼球振動とβ波にリラックス傾向が認められるがその度合いが小さい
×:被験者がシートを身に着ける前後で、眼球振動とβ波にリラックス傾向が現れたとまでは言えない
【0072】
表3に示した評価結果から、ケイ素含有率35~98%の炭粉を用いて本発明の粉体組成物を作成した場合に、被験者に対するリラクゼーション効果が見られた。しかしながら、植物由来のくん炭を使用した場合に比べると、その効果は明らかに弱かった。この結果から、ケイ素含有量によりリラクゼーション効果が異なる事が分かったが、無機ケイ素を用いた場合には、植物素材を焼成することで作成したくん炭を用いた炭化粉よりも効果が弱い結果となった。
【実施例3】
【0073】
各成分を表4の比率(重量部)で混合して作成した各サンプル番号の粉体組成物を用いてゲルマニウム及び銅を添加した場合の効果について確認を行った。各粉体組成物を用いて、実施例1と同様の方法で印刷を介してシートを作成した。尚、各粉体組成物におけるラジウムは、ラジウム天然鉱石を粉砕して微粒粉末とした市販品を用いた。炭化粉は、入手した稲のもみ殻を燃焼炉により800℃で4時間焼成することで、もみ殻くん炭を作成し、それを粉砕して微粒粉末としたものを用いた。それぞれの微粒粉末の粒径は概ね7μmとした。試験は、実施例1と同じ方法で<簡易バランス試験>と<脳波測定試験>を行った。それぞれの試験の評価方法についても実施例1と同様である。各試験の結果及び総合評価について表4に示した。
【0074】
【0075】
この結果より、ラジウム及び炭化粉の一方のみしか含まない粉体組成物(サンプルNo.41~43)では、ゲルマニウムや銅を添加してもリラクゼーション効果を示すことはなかった。また、ラジウムと炭化粉の組成比が本発明の組成比から外れている粉体組成物(サンプルNo.44)についてもゲルマニウムや銅を添加しても効果を示すことはなかった。これに対して、本発明の実施例であるサンプル45~48では、ゲルマニウムや銅を更に添加することで、ラジウムを減量できることが分かる。サンプルNo.10とNo.45の比較では、ゲルマニウムや銅を含有しないサンプルNo.10が十分なリラクゼーション効果を示すため、ゲルマニウムや銅を添加する効果はほとんど見られない。しかし、サンプルNo.11とサンプルNo.46~48の比較で顕著なように、炭化粉に対してゲルマニウムの含有量が少ないためにリラクゼーション効果がやや弱かったサンプルNo.11であっても、ゲルマニウムや銅の一方若しくは両方を添加することによって、ラジウム含有量の高いサンプルNo.10と同様のリラクゼーション効果が得られることが脳波試験の結果から分かる。
【実施例4】
【0076】
以上の実施例の試験において特に効果を示した粉体組成物(表1サンプルNo.9)について、印刷を介して本発明の粉体組成物を適用した様々な物品を作成し、被験者数を増やして脳波測定を行った。
【0077】
試験4-1(シートによる試験)
被験者の両肩に本願発明のシート(大きさ約30cm×20cm)を掛け、椅子に着席しリラックスした状態で脳波測定を行った。
・被験者A:40代女性
得られた測定結果を
図7に示した。
シート装着前、β波は標準より低めであったが眼球振動を示すδ波がやや高めに出ており、若干の緊張状態にあったと考えられる。
シートを装着した直後より、β波と眼球振動共に低下が認められた。特に眼球振動はピークの出現が疎らになり眼球振動が低下したことを示す。β波も同時に低下していることから、緊張状態から心身が弛緩したリラックス状態に遷移したと考えられる。
・被験者B:60代女性
得られた測定結果を
図8に示した。
シート装着前からβ波眼球振動共に標準よりやや低めであった。シート装着後は、β波は若干の低下に留まったが、眼球振動は顕著に低下し、眼球振動が抑制されたことが分かる。また、装着後はα波の活発化が見られたことから、心身リラックス状態となり副交感神経が優位になったと考えられる。
【0078】
・被験者C:50代男性
得られた測定結果を
図9に示した。
シート装着前は、β波は低め傾向にあったものの、眼球振動は高めに出ており緊張状態であったことが伺える。シート装着後は、β波部分は低下しフラットに近い状態となった。また、眼球振動も低下が認められ、眼球振動が低下したことを示している。脳波全体から、深いリラックス状態となって副交感神経優位になったと考えられる。
・被験者D:非公開
得られた測定結果を
図10に示した。
シート装着前は、眼球振動が高めであり眼球振動が活発であったことを示している。シート装着後は、眼球振動を示すδ波のピークが疎らとなって低下傾向を示し、眼球振動が抑制されたことが分かる。β波は装着前後で顕著な違いが認められなかったが、装着によりα波の活性化が認められ、副交感神経が優位となった心身リラックス状態になったと考えられる。
・被験者E:非公開
得られた測定結果を
図11に示した。
シート装着前は、δ波から眼球振動が若干高めであったことが分かる。シート楚着後は、δ波が大きく減少し眼球振動が安定したことが分かる。また、β波もシート装着によって減少が認められ、リラックス状態に遷移したと考えられる。
【0079】
試験4-2(シート用いた着席-立位での試験)
シート未装着で着席した状態 → 着席して足裏にシートを装着した状態 → 足裏にシートを装着したままで起立し立位状態と、装着-未装着及び姿勢の変化を行いながら脳波測定を行った。
・被験者A:40代女性
得られた測定結果を
図12に示した。
着席状態のまま、被験者の足裏にシートを敷くと、β波と眼球振動が共に低下した。
次に、立位の状態で足裏にシートを敷いた状態では、β波のピークが更に疎らになって低が認められた。δ波は、ピークの出現数が増加し、眼球振動が若干活発化したことが伺える。ただし、同時にリラックス状態になると増加するα波とθ波の活発化が認められることから、深いリラックス状態で副交感神経が優位になった状態は維持されていると考えられる。このことから、δ波の増加は、血流がよくなったことによる眼球運動の活発化に伴うものであると考察される。
【0080】
・被験者B:60代女性
得られた測定結果を
図13に示した。
着席状態でシート装着前のδ波は、ピークの高さは低いものの連続的に出現していた。着席状態のままシートを足裏に敷いた後は、ピークが高くはなったが出現頻度の低下が見られ、眼球振動の低下が認められた。次に、立位で足裏に敷いた状態では、更にδ波の出現頻度が低下しピークの高さも低くなった。また、β波は緩やかに減少しており、9分頃以降は脳波全体がフラットになり、心地よく心身がリラックスして副交感神経優位の状態にあると考えられる
・被験者C:50代男性
得られた測定結果を
図14に示した。
着席状態のまま足裏にシートを敷くと、β波に若干の低下が見られたものの、δ波は若干の活性化が見られた。
次に、立位で足裏にシートを敷いた状態では、β波の更なる低下が見られた。また、δ波についても徐々に低下傾向であることが認められた。δ波は高いものの、β波部分はフラットに近くなっており、メンタル的にはリラックスした状態だったと考察される。この状態で身体の活性化(眼球振動)が見られることから、δ波の活性は血流が良くなったことに伴うものと考えることができる。
【0081】
試験4-3(腹まきによる試験)
一辺が概ね30cm弱の略正方形の本願発明のシートを広げた状態で腹部の上に乗せ、椅子に着席したリラックス姿勢を取ってもらって脳波測定を行った。(
図15(a)を参照)測定スタート時には、腹まき未装着で測定を行い、概ね5分前後経過した後に腹まきを装着してもらい、そのまま脳波測定を継続した。
・被験者F:40代男性
得られた測定結果を
図16に示した。
装着により、δ波、β波共に著しく低下した。眼球振動が低下しリラックス状態へ遷移したことが認められた。
【0082】
・被験者G:50代男性
得られた測定結果を
図17に示した。
装着後は、デルタ波が大きく低下し眼球振動が抑制されたことが分かる。β波は未装着時の測定値でも低め傾向ではあったが時折やや高いピークが出現していた。装着後は、それらのピークが消失し、装着後はよりリラックス傾向へ遷移したことが分かる。
・被験者H:40代男性
得られた測定結果を
図18に示した。
装着前は、δ波β波共に高め傾向であった。装着後は、δ波の高さと出現頻度が低下し眼球振動が抑制されたことが分かる。β波も装着によって大きく低下し、リラックス状態へと遷移したことが分かる。
【0083】
試験4-4(IDカード状のシートによる試験)
概ね10cm×7cm弱のIDカードケースより一回り程小さい大きさとした本願発明のシートを、IDカードケースに入れて被験者の首から掛けてもらい着席状態で脳波測定を行った(
図15(b)を参照)。
・被験者H:40代男性
得られた測定結果を
図19に示した。
装着により、δ波とβ波共に著しく低下し、リラックス状態に遷移している事を示している
・被験者I:30代女性
得られた測定結果を
図20に示した。
装着により、β波のピークが消失し全体的にフラットに近づいていることが認められる。また、δ波はピークの密度が明らかに低下し全体に疎らとなった。これらのことより、カードの装着により被験者がリラックス状態に遷移したことが読み取れる。
【0084】
試験4-5(枕カバーによる試験)
リクライニングシートの頭部接触部に大きめの枕を設置して、本願発明のシートを枕の上に敷き、その上に頭部を乗せた状態でシートをリクライニングしてリラックス姿勢を取ってもらって脳波測定を行った。
・被験者I:30代女性
得られた測定結果を
図21に示した。
未装着時は、眼球振動を示すδ波が大きく見られた。装着により、δ波が大きく低下し眼球振動が減少したことが認められる。未装着時からやや低め傾向であったβ波についても、未装着時に見られていた低いピークが減少して全体的にピークの少ない平面的なグラフとなり、よりリラックス傾向へ遷移したことが認められた。
・被験者F:40代男性
得られた測定結果を
図22に示した。
未装着時には、δ波はやや疎らながら明確なピークが認められ、β波についても小さいピークがやや密に認められていた。装着後は、δ波、β波共に低下したことがはっきりを分かる。
【0085】
試験4-6(メガネの弦に巻きつけての試験)
概ね20cm×3cmの長方形の本願発明のシートを弦部分に巻きつけたメガネを装着し、椅子に着席したリラックス姿勢を取ってもらって脳波測定を行った。
・被験者I:30代女性
得られた測定結果を
図23に示した。
装着前後で、δ波β波共に明らかに低下していることが分かる。
【0086】
以上の実施例4-1から4-6の結果の通り、印刷等の手段を介して本発明の粉体組成物は適用した物品を身体に装着することで、手軽に確実なリラクゼーション効果を得ることが可能である。また同時に、これらの結果のように様々な物品に適用可能であるため、普段使い慣れた物品に適用すれば特別な使用を意識することなく効果を得ることが可能である。
【実施例5】
【0087】
<血流促進効果の確認>
本発明の粉体組成物の有する血流促進効果について、以下の試験により確認した。
試験5-1(腹まき)
実施例4の試験4-3で用いた腹まきを使用し、本発明の粉体組成物の有する血流促進効果について試験を行った。試験は、腹まきを装着時と未装着時の被験者の身体表面温度をサーモグラフィを用いて測定することで行った。結果を
図24~27及び表5に示す。
サーモグラフィで得られる画像は色の違いによって温度の違いを表すものであるが、今回の試験では、身体表面のいくつかのポイントで測定温度を表示した。表5における「ポイント記号」とは対応する図に表示されている身体箇所を示すアルファベット小文字を意味している。
【0088】
【0089】
試験は、最初に何も装着しない状態で元の体温を測定し(
図24)、次に本発明の粉体組成物を適用していない「未加工腹まき」を装着して(
図25)、身体の表面温度を測定した。更に、本発明の粉体組成物を適用した「加工済み腹まき」を装着してもらって(
図26)、身体の表面温度の測定を行った。尚、未加工品から加工品へ着替える際には、身体の表面温度が概ね元の温度に戻ってから加工品を装着してもらった。
【0090】
表5の温度[A]欄は装着前の身体表面温度であり、[B]は未加工品装着時、[C]は本発明の加工品装着時の身体表面温度の測定値である。[B]-[A]は、装着前と未加工品装着時の差であり、[C]-[A]は装着前と加工品装着時の差である。そして、[C]-[B]は未加工品と加工品それぞれ装着時の身体表面温度の差を示す。この[C]-[B]欄の結果を見ると、本発明の粉体組成物を適用した腹まきを装着した場合には、未加工の腹まき装着時に比べて、0.3~1.6℃、平均0.88℃身体の表面温度が高くなっていること分かる。また、未加工品では、当然ながら腹まきが触れていない首や脇下では身体表面温度の上昇が認められないのに対して、本発明の粉体組成物を適用した加工品では、身体全体で表面温度の上昇が認められ、単なる保温効果ではなく血流促進による身体の温め効果を示していることが分かる。身体の全体に渡って温度が上昇していることは
図26で示したサーモグラフィを見るとより明確である。
【0091】
図27は、比較例である未加工品(左図)と本発明である加工品(右図)を装着した場合の温度分布を比較する図である。色の違いによって温度分布を示したカラー元画像における画像上の表示色を文字で示している。元画像では温度の高い順に赤-橙-黄-緑-紺-紫で示されている。
図27より、加工品では首回り(赤)、脇腹(橙)付近において、広い範囲で身体の表面温度が上昇していることが分かる。また胸部とへそ下の温度が低いことを示す紺の部分が、加工品では未加工品を装着した場合に比べてかなり狭い範囲となっている。その他の部分を比較しても、加工品の装着時は、未加工品を装着したときに比べて身体の全体に渡って表面温度が上昇したことが認められる。同じ面積、同じ素材の腹まきでありながら、本発明の粉体組成物を適用した腹まきを装着した場合には、このように身体全体で温度が上昇していることから、血流が促進されたことが伺える。
【0092】
試験5-2(IDカードケース)
実施例4の試験4-4で用いたIDカードとほぼ同等の大きさの本発明シートをIDカードケースに入れたものを、被験者の首から掛けてもらい(
図15(c)を参照)、装着前と装着から概ね10分経過後の身体の表面温度をサーモグラフィを用いて測定した。結果は表6及び
図28~29に示した。本出願では本来のカラー画像をモノクロに変換したものを添付する関係で、実施例5-1と同様にいくつかの測定ポイントについて位置を特定するアルファベット小文字と当該位置における測定温度を図中に表示した。表中の温度[D]欄は装着前、[E]欄は装着後の身体表面温度である。[E]-[D]はその差を示したものである。装着により全ての測定箇所で身体表面温度が上昇していることが分かる。また、図より明らかなように、実施例5-1の腹まきと同様に、シートが身体に触れている(接近している)箇所およびその周辺のみならず、腹部、首、脇の下等の大きな血管が通っている部分を中心に身体の全体で温度上昇が見られる。本実施例のIDカードケースは、実施例5-1の腹まきに比べて大幅に身体に接触する面積が小さいにも関わらず、このように身体全体に対して温め効果を示していることからも、単なる保温効果ではなく、血流促進によって身体が温まっていることが分かる。
【0093】
【0094】
実施例5-3(手の甲、手のひら)
本発明の粉体組成物を適用したシート(加工品)を概ね5cm×6cmにカットしたものを、被験者の右手に貼付け、左手には粉体組成物が適用される前の帆布(未加工品)を同じ大きさにカットしたものを貼り付けてサーモグラフィを用いて表面温度の測定を行った。試験は、手のひらに貼付けた場合と、手の甲に貼り付けた場合について行った。シートを貼付けてから10分経過後の表面温度の測定結果を、表7及び
図30~31に示した。尚、測定試験は、1回の計測が終了した後に被験者からシートを外してから約20分のインターバルを取り、被験者の表面温度が初期値に戻ったことを確認してから、次の測定を行った。
【0095】
【0096】
表7に示した右手(加工品)と左手(未加工品)の温度差で明らかなように、未加工品に比べて加工品を貼り付けた方の手は、1.0℃前後の温度上昇が認められた。
図30及び31から明らかなように、本実施例についても、加工品を貼り付けた箇所及びその周辺のみならず手のひらや手の甲全体で温度が上昇していることが分かる。このことから、加工品によって手の血流が促進されたことによって手全体の温度が上昇したものと考えられる。
【実施例6】
【0097】
<運動能力向上効果の試験>
試験6-1(懸垂逆上がり)
被験者として、鉄棒の懸垂逆上がりができない10代女性に協力頂き、本発明の粉体組成物を適用したシートを身体に装着することで運動能力の向上が見られるかを試験した。
試験は、最初にシートを全く装着しない状態で懸垂逆上がりに挑戦してもらい、次に、本発明のシートを身体に装着してもらって同様に懸垂逆上がりに挑戦してもらった。
更に、装着したシートを全て外して、未装着状態で3回目の挑戦を行い、その後に再度シートを身体に装着して4回目の挑戦をしてもらった。
【0098】
[結果]
第1回目(未装着)
懸垂後、両足を上へ伸ばして太ももを鉄棒に付ける動作までは問題なかったが、そこから鉄棒に体を巻きつけるように足を降ろして体を回転させる動作に入ることができず失敗となった。すぐに再挑戦を行ったが、結果は同様であった。懸垂逆上がりができるまであと一歩のところで失敗した感じとなった。
第2回目(装着)
500円硬貨より一回り程大きい円状にカットしたシートを首の後ろに貼付け、約3cm×2.5cmの長方形状にカットしてシートを両肘とへそ下に貼付けることで、本発明の粉体組成物を適用したシートを身体に装着した状態とした。この状態で、懸垂逆上がりに挑戦してもらった。
その結果、懸垂後に両足を上へ伸ばして太ももを鉄棒に付けたところで動作が止まってしまったが、そこでほんのわずかな間であるが踏ん張ることができ、次の動作である鉄棒に体を巻きつけるように足を降ろして体を回転させる動作に進むことができ、懸垂逆上がりを成功させることができた。
【0099】
第3回目(未装着)
第2回目の挑戦後に、装着したシートを全て外してもらって、ふたたび未装着の状態で懸垂逆上がりに挑戦してもらった。
その結果、第1回目と同様に、両足を上へ伸ばして太ももを鉄棒に付ける動作までは進むものの、そこで力が入らずその先に動作に進むことができず失敗となった。
第4回目(装着)
第2回目での、首、両肘、へそ下に加えて横隔膜にも長方形状にカットしたシートを貼付けて、懸垂逆上がりに挑戦してもらった。その結果、両足を上へ伸ばして太ももを鉄棒に付けた後、ほとんど動作が止まることなく、次の鉄棒に体を巻きつけるように足を降ろして体を回転させる動作へとスムーズに進み、懸垂逆上がりを成功させた。被験者は、装着時は両足を上げた後、力を入れて次の体を巻きつける動作に入る際にスムーズに体が動いたとの感想を述べた。
【0100】
試験6-2(陸上競技大会での使用)
陸上選手を被験者とし、本発明の粉体組成物を適用したシートを身体に装着して、2021年春に行われた競技大会に出場してもらった。シートは、一辺が数cm程度の方形や同程度の大きさの円形状のものを、各被験者が自身の競技パフォーマンスに支障がないと考える枚数、貼付け場所等を自由に決めて装着してもらった。
被験者の競技成績を表8に示した。12被験者(個人10名と各4名で構成された2チーム)が出場し、その内の7被験者が自己新記録若しくはシーズンベストを記録した。
【0101】
【0102】
以上のように、本発明の粉体組成物は、その神経コンディショニング効果により、優れた「血流促進、リラクゼーション及び運動能力向上」効果を発揮するものである。
医学博士・篠浦伸禎医師の考察によれば、本発明の粉体組成物の作用機序は次のように考えられる。ストレスや有害物質、損傷などの影響を受け、神経のコンディションは必ずしも万全ではない。いわば神経が不健康な状態であり、それによって様々な体の不都合が発生する。逆に言えば、神経のコンディションを整えることで健康な状態となれば、例えば自律神経の切り換えがスムーズになる等の現象が生じることは自明である。
【0103】
ここで、「神経のコンディションが整う」とは、神経線維の電位が乱れていた部分が整うことであり、その結果、命令伝達がスムーズになると考えられる。
電位配置の乱れは知覚神経と運動神経である体性神経の情報伝達に不具合を生じ、反応が鈍くなる等、いわゆるパフォーマンスの低下を招くこととなる。本発明の粉体組成物を適用した物品を装着することでこうした状態が改善される事例は、神経のコンディションが改善されていることを示唆するものある。
また同時に、本発明の粉体組成物を適用した物品を身体に装着することで、副交感神経優位に誘導される傾向を持った脳波変化が再現性をもって現れることも事実としてある。
【0104】
本発明の粉体組成物の働きは以下のように考察される。粉体組成物から発せられる微弱電磁波が末梢神経を刺激することで神経のコンディションが整う。ここで神経構造について考えると、神経細胞の軸索は、密な膜構造である髄鞘により何重にも取り囲まれている。髄鞘は脂質に富み絶縁体として働く。髄鞘は軸索全体を覆っているのではなく、ところどころくびれて消失していることにより一定の間隔が開いたものである。この隙間は、ランビエ絞輪(node of Ranvier)と呼ばれ、この部分でしか活動電位を発生させることができない。
【0105】
図32の(a)は、神経線維の電位配列が正常な状態を示している。
図32(b)は、興奮部が存在することで、興奮部(1)から興奮部(2)への電流(命令)の流れが阻害されている状態を示す。このように、絞輪部の電位配列が狂っていると電流が流れず命令が伝わらないことになる。本発明の粉体組成物から発せられる微弱電磁波は神経を刺激し、電位配列を正常化させる働きを持つと考えられる。これにより、神経の伝達がスムーズになり、上記のような各種効果となって表れる。
このように神経のコンディションが整うことで、神経の命令伝達が届かなかった末梢神経にも命令が届くようになる。このような働きの結果、老犬の歩行改善や重心バランスの安定、運動パフォーマンスの向上といった現象が効果として表れることとなる。
また、神経のコンディションが整うことで、神経の乱れによるストレスが軽減され、副交感神経優位にスイッチし易い状態になることも脳波データから読み取れるものである。
【産業上の利用可能性】
【0106】
本発明の粉体組成物を用いれば、種々の物品に対して血流促進作用、リラクゼーション及び運動能力向上の効果を付与することが可能となるため、服飾品、健康用品、スポーツ器具、建築材料等を始めとする幅広い分野において利用可能である。
【符号の説明】
【0107】
1 靴用中敷(インソール)
11 インソール本体(帆布)
12 印刷されたパターン
2 シート
21 シート本体(布)
22 印刷されたパターン