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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-14
(45)【発行日】2023-11-22
(54)【発明の名称】ガス検出システム
(51)【国際特許分類】
   G01N 1/00 20060101AFI20231115BHJP
   G01N 1/02 20060101ALI20231115BHJP
   A47K 17/00 20060101ALI20231115BHJP
   E03D 9/00 20060101ALI20231115BHJP
【FI】
G01N1/00 101R
G01N1/00 101X
G01N1/00 A
G01N1/02 W
A47K17/00
E03D9/00 Z
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2021516109
(86)(22)【出願日】2020-04-20
(86)【国際出願番号】 JP2020017090
(87)【国際公開番号】W WO2020218256
(87)【国際公開日】2020-10-29
【審査請求日】2021-10-14
(31)【優先権主張番号】P 2019086575
(32)【優先日】2019-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100132045
【弁理士】
【氏名又は名称】坪内 伸
(74)【代理人】
【識別番号】100203264
【弁理士】
【氏名又は名称】塩川 未久
(72)【発明者】
【氏名】阿部 真一
(72)【発明者】
【氏名】清水 悦朗
(72)【発明者】
【氏名】上山 大輔
【審査官】野田 華代
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/022081(WO,A1)
【文献】特開2017-067751(JP,A)
【文献】特開2017-067748(JP,A)
【文献】特開平10-227725(JP,A)
【文献】特開2000-291100(JP,A)
【文献】国際公開第2019/058021(WO,A1)
【文献】特開2001-258799(JP,A)
【文献】特開2000-240127(JP,A)
【文献】特開2020-180460(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 1/00-1/44
G01N 1/02
A47K 17/00
E03D 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定ガスの濃度に応じた電圧を出力する第1センサ部と、
前記第1センサ部に供給するサンプルガス又はパージガスを貯留可能な貯留槽と、
前記第1センサ部の検出結果に基づいて、前記サンプルガスに含まれるガスの種類及び濃度を検出する制御部と、を備え、
前記制御部は、所定空間内のガスをサンプルガス又はパージガスとして前記貯留槽に収集する収集期間と、前記第1センサ部にサンプルガス又はパージガスを供給する供給期間とが、各々異なる時間帯になるように設定し、
前記貯留槽は、前記パージガスを貯留可能な第1貯留槽を含み、
前記制御部は、前記所定空間内のガスを前記第1センサ部に定期的に供給し、前記第1センサ部が定期的に出力する検出結果に基づいて、前記所定空間内のガスの清浄度が所定値を上回ると判定した時点を、前記所定空間内のガスをパージガスとして前記第1貯留槽に収集する前記収集期間としての第1期間の開始時点に設定する、ガス検出システム。
【請求項2】
請求項1に記載のガス検出システムであって、
前記制御部は、前記第1期間と、前記供給期間とが、各々異なる時間帯になるように設定する、ガス検出システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のガス検出システムであって、
前記貯留槽は、前記サンプルガスを貯留可能な第2貯留槽を含み、
前記制御部は、前記所定空間内のガスをサンプルガスとして前記第2貯留槽に収集する前記収集期間としての第2期間と、前記供給期間とが、各々異なる時間帯になるように設定する、ガス検出システム。
【請求項4】
請求項3に記載のガス検出システムであって、
前記制御部は、前記所定空間内のガスを前記第1センサ部に定期的に供給し、前記第1センサ部が定期的に出力する検出結果に基づいて、前記第2期間を設定する、ガス検出システム。
【請求項5】
請求項3又は4に記載のガス検出システムであって、
前記所定空間のユーザを検出する第2センサ部をさらに備え、
前記制御部は、前記第2センサ部が、前記ユーザが便座に座ったことを検出した時点に基づいて、前記第2期間の開始時点を設定する、ガス検出システム。
【請求項6】
請求項3又は4に記載のガス検出システムであって、
前記第2貯留槽は、壁によって複数の領域に区画されている、ガス検出システム。
【請求項7】
請求項3又は4に記載のガス検出システムであって、
前記制御部は、前記供給期間において、前記第1センサ部に前記サンプルガスと前記パージガスとを交互に供給し、
前記制御部は、前記供給期間における第1センサ部が取得した波形に基づいて、前記サンプルガスに含まれるガスの種類及び濃度を検出する、ガス検出システム。
【請求項8】
請求項1に記載のガス検出システムであって、
前記所定空間へのユーザの入退室を検出する第2センサ部をさらに備え、
前記制御部は、前記第2センサ部の検出結果に基づいてユーザが前記所定空間から退室したことを検出してから、所定時間経過した時点を、前記第1期間の開始時点に設定する、ガス検出システム。
【請求項9】
請求項1に記載のガス検出システムであって、
前記所定空間内のガスの清浄度を検出する第2センサ部をさらに備え、
前記制御部は、前記第2センサ部の検出結果に基づいて前記所定空間内のガスの清浄度が所定値を上回ると判定した時点を、前記第1期間の開始時点に設定する、ガス検出システム。
【請求項10】
請求項1に記載のガス検出システムであって、
前記所定空間には、前記所定空間内のガスと前記所定空間外のガスとを入替え可能な換気扇が設置され、
前記制御部は、前記換気扇が駆動状態であることに基づいて、前記第1期間の開始時点を設定する、ガス検出システム。
【請求項11】
請求項1から10までの何れか一項に記載のガス検出システムであって、
前記第1貯留槽は、検出対象外のガスを吸着する吸着剤を有する、ガス検出システム。
【請求項12】
請求項1から10までの何れか一項に記載のガス検出システムであって、
前記所定空間は、トイレ室であり、
前記制御部は、前記トイレ室の水洗便器の便器ボウルの外側のガスをパージガスとして前記第1貯留槽に収集する、ガス検出システム。
【請求項13】
請求項3又は4に記載のガス検出システムであって、
前記所定空間は、トイレ室であり、
前記制御部は、前記トイレ室の水洗便器の便器ボウルの内側のガスをサンプルガスとして前記第2貯留槽に収集する、ガス検出システム。
【請求項14】
請求項1から10までの何れか一項に記載のガス検出システムであって、
前記制御部は、
前記所定空間内のガスによって前記第1センサ部に対する1回目のリフレッシュ処理を実行し、
前記第1貯留槽に貯留させたパージガスによって前記第1センサ部に対する2回目のリフレッシュ処理を実行する、ガス検出システム。
【請求項15】
請求項1から10までの何れか一項に記載のガス検出システムであって、
前記制御部は、
前記第1貯留槽に残留しているガスによって前記第1センサ部に対する1回目のリフレッシュ処理を実行し、
前記第1貯留槽に貯留させたパージガスによって前記第1センサ部に対する2回目のリフレッシュ処理を実行する、ガス検出システム。
【請求項16】
特定ガスの濃度に応じた電圧を出力する第1センサ部と、
前記第1センサ部に供給するパージガスを貯留可能な第1貯留槽と、
前記第1センサ部の検出結果に基づいて、サンプルガスに含まれるガスの種類及び濃度を検出する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記第1貯留槽に残留しているガスによって又は所定空間内のガスによって、前記第1センサ部に対する1回目のリフレッシュ処理を実行し、
前記第1貯留槽に貯留させたパージガスによって前記第1センサ部に対する2回目のリフレッシュ処理を実行する、ガス検出システム。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2019年4月26日に日本国に特許出願された特願2019-086575の優先権を主張するものであり、この先の出願の開示全体を、ここに参照のために取り込む。
【技術分野】
【0002】
本開示は、ガス検出システムに関する。
【背景技術】
【0003】
従来、被検者が排出した便から発生する臭気性ガスを検出するシステムが知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-142584号公報
【発明の概要】
【0005】
本開示の一実施形態に係るガス検出システムは、
特定ガスの濃度に応じた電圧を出力する第1センサ部と、
前記第1センサ部に供給するサンプルガス又はパージガスを貯留可能な貯留槽と、
前記第1センサ部の検出結果に基づいて、前記サンプルガスに含まれるガスの種類及び濃度を検出する制御部と、を備え、
前記制御部は、所定空間内のガスをサンプルガス又はパージガスとして前記貯留槽に収集する収集期間と、前記第1センサ部にサンプルガス又はパージガスを供給する供給期間とが、各々異なる時間帯になるように設定し
前記貯留槽は、前記パージガスを貯留可能な第1貯留槽を含み、
前記制御部は、前記所定空間内のガスを前記第1センサ部に定期的に供給し、前記第1センサ部が定期的に出力する検出結果に基づいて、前記所定空間内のガスの清浄度が所定値を上回ると判定した時点を、前記所定空間内のガスをパージガスとして前記第1貯留槽に収集する前記収集期間としての第1期間の開始時点に設定する
【0007】
本開示の一実施形態に係るガス検出システムは、
特定ガスの濃度に応じた電圧を出力する第1センサ部と、
前記第1センサ部に供給するパージガスを貯留可能な第1貯留槽と、
前記第1センサ部の検出結果に基づいて、前記サンプルガスに含まれるガスの種類及び濃度を検出する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記第1貯留槽に残留しているガスによって又は所定空間内のガスによって、前記第1センサ部に対する1回目のリフレッシュ処理を実行し、
前記第1貯留槽に貯留させたパージガスによって前記第1センサ部に対する2回目のリフレッシュ処理を実行する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の第1実施形態に係るガス検出システムの外観図である。
図2図1に示すガス検出システムの概略図である。
図3図1に示すガス検出システムの機能ブロック図である。
図4図1に示すガス検出システムの動作を示すフローチャートである。
図5】本開示の第1実施形態に係るガス検出システムのパージガス収集時の動作の一例を示すフローチャートである。
図6】本開示の第1実施形態に係るガス検出システムのパージガス収集時の動作の他の例を示すフローチャートである。
図7】本開示の第1実施形態に係るガス検出システムのパージガス収集時の動作のさらに他の例を示すフローチャートである。
図8】本開示の第2実施形態に係るガス検出システムのリフレッシュ時の動作を示すフローチャートである。
図9】本開示の変形例に係るガス検出システムの機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
従来のシステムには、改善の余地がある。
【0010】
本開示は、改善されたガス検出システムを提供することに関する。
【0011】
本開示の一実施形態によれば、改善されたガス検出システムが提供され得る。
【0012】
以下、本開示に係る実施形態について、模式的に示した図面を参照して説明する。
【0013】
(第1実施形態)
[ガス検出システムの構成例]
図1は、本開示の第1実施形態に係るガス検出システム1の外観図である。図2は、図1に示すガス検出システム1の概略図である。図2には、ガス検出システム1が備える筐体10の一部を取り除いた状態を示す。図3は、図1に示すガス検出システム1の機能ブロック図である。
【0014】
図1に示すように、ガス検出システム1は、トイレ室100(所定空間)に、配置されている。本実施形態では、ガス検出システム1が配置される所定空間は、図1に示すようなトイレ室100であるものとする。ただし、本開示における所定空間は、トイレ室100に限定されない。所定空間は、本開示のガス検出システムの検出対象となるガスが発生し得る空間であれば、任意の空間であってよい。ガス検出システム1は、「ガス検出装置」ともいう。
【0015】
ガス検出システム1は、図1に示すように、便器2に設置されている。便器2は、限定ではないが、水洗便器であってよい。ガス検出システム1は、便器2の任意の箇所に設置されていてよい。一例として、ガス検出システム1は、図1に示すように、便器ボウル2Aと便座2Bとの間から便器2の外部にわたって配置されていてよい。ガス検出システム1の一部は、便座2Bの内部に埋め込まれていてよい。便器2の便器ボウル2Aには、被検者の便が排出され得る。ガス検出システム1は、便器ボウル2Aに排出された便から発生するガスを、サンプルガスとして取得し得る。ガス検出システム1は、サンプルガスに含まれるガスの種類及びガスの濃度等を検出し得る。ガス検出システム1は、検出結果等を電子機器3に送信し得る。
【0016】
ガス検出システム1の用途は、上述の用途に限定されない。例えば、ガス検出システム1は、所定空間としての冷蔵庫内に、設置されていてよい。この場合、ガス検出システム1は、食品から発生するガスをサンプルガスとして取得し得る。例えば、ガス検出システム1は、所定空間としての工場又は実験室に設置されていてよい。この場合、ガス検出システム1は、薬品等から発生するガスをサンプルガスとして取得し得る。
【0017】
便器2は、住宅又は病院等のトイレ室100に設置され得る。便器2は、被検者によって使用され得る。便器2は、便器ボウル2Aと、便座2Bとを備える。便器ボウル2Aには、被検者の便が排出され得る。
【0018】
電子機器3は、例えば、被検者が利用するスマートフォンである。ただし、電子機器3は、スマートフォンに限定されず、任意の電子機器であってよい。電子機器3は、被検者によってトイレ室100に持ち込まれる場合、図1に示すようにトイレ室100の内部に存在し得る。ただし、電子機器3は、例えば被検者がトイレ室100に電子機器3を持ち込まない場合、トイレ室100の外部に存在してよい。電子機器3は、ガス検出システム1から検出結果を、無線通信又は有線通信によって、受信し得る。電子機器3は、受信した検出結果を、表示部3Aに表示し得る。表示部3Aは、文字等を表示可能なディスプレイと、ユーザ(被検者)の指等の接触を検出可能なタッチスクリーンとを含んで構成されていてよい。当該ディスプレイは、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、有機ELディスプレイ(OELD:Organic Electro‐Luminescence Display)又は無機ELディスプレイ(IELD:Inorganic Electro‐Luminescence Display)等の表示デバイスを含んで構成されていてよい。当該タッチスクリーンの検出方式は、静電容量方式、抵抗膜方式、表面弾性波方式、超音波方式、赤外線方式、電磁誘導方式又は荷重検出方式等の任意の方式でよい。
【0019】
換気扇4は、トイレ室100の天井に設置されていてよい。換気扇4は、駆動状態になることにより、トイレ室100内の空気とトイレ室100外の空気とを入替え可能である。換気扇4は、ガス検出システム1と通信可能であってよい。換気扇4は、換気扇4の状態を示す信号を、ガス検出システム1に送信してよい。例えば、換気扇4は、換気扇4が駆動状態であるとき、換気扇4が駆動状態であることを示す信号を、ガス検出システム1に送信してよい。例えば、換気扇4は、換気扇4が非稼働状態であるとき、換気扇4が非稼働状態であることを示す信号を、ガス検出システム1に送信してよい。
【0020】
図2に示すように、ガス検出システム1は、筐体10と、吸引孔20と、吸引孔21と、排出路22と、流路23,24と、チャンバ30と、供給部50と、供給部51と、回路基板60とを備える。ガス検出システム1は、図1に示すようなトイレ室100内の空気(所定空間内のガス)をサンプルガス又はパージガスとして貯留可能な貯留槽を備える。本実施形態では、貯留槽は、サンプルガスを貯留可能な貯留槽40(第2貯留槽)と、パージガスを貯留可能な貯留槽41(第1貯留槽)とを含む。ただし、貯留槽は、貯留槽40及び貯留槽41の何れか1つのみを含めばよい。図2に示すように、ガス検出システム1は、チャンバ30の内部に、センサ部31(第1センサ部)を備える。流路23は、流路23-1と、流路23-2とを含む。流路24は、流路24-1と、流路24-2とを含む。ガス検出システム1は、弁20Bと、弁21Bとを備えてよい。ガス検出システム1は、弁25,26と、流路27と、流路28と、供給部52とを備えてよい。流路27は、流路27-1と、流路27-2と、流路27-3とを含む。図3に示すように、ガス検出システム1は、回路基板60内に、記憶部61と、通信部62と、制御部64とを備える。ガス検出システム1は、センサ部63(第2センサ部)を備える。さらに、ガス検出システム1は、バッテリ及びスピーカ等を備えてよい。
【0021】
筐体10には、ガス検出システム1の各種部品が収容されている。筐体10は、任意の材料で構成されていてよい。例えば、筐体10は、金属又は樹脂等の材料で構成されていてよい。
【0022】
吸引孔20は、図1に示すように、便器ボウル2Aの内側へ露出し得る。吸引孔20の一部は、便座2Bに埋め込まれていてよい。吸引孔20は、便器ボウル2Aに排出された便から発生するガスを、サンプルガスとして吸引する。吸引孔20が吸引したサンプルガスは、図2に示すような弁20Bを介して貯留槽40に供給されて貯留される。図1に示すように、吸引孔20の一端は、便器ボウル2Aの内部に向けられてよい。図2に示すように、吸引孔20の他端は、貯留槽40に接続されていてよい。吸引孔20は、樹脂製チューブ或いは金属製又はガラス製配管等の管状の部材で構成されていてよい。
【0023】
吸引孔20は、図2に示すように、その外側に、送風機20Aを有してよい。送風機20Aは、ファン及びモータを含んで構成されていてよい。送風機20Aは、制御部64の制御に基づいて、モータを駆動させることにより、ファンを回転させ得る。送風機20Aは、ファンを回転させることにより、便から発生するガスを、吸引孔20の近傍へ引き込む。送風機20Aが便から発生するガスを吸引孔20の近傍へ引き込み、さらに弁25が流路23-1と流路23-2とを接続させた状態にし、且つ、供給部50が駆動することにより、吸引孔20は、便器ボウル2A内の便から発生するガスを吸引し得る。
【0024】
弁20Bは、吸引孔20と貯留槽40と流路28との間に位置する。弁20Bは、吸引孔20に接続される接続口と、貯留槽40の入口部に接続される接続口と、流路28に接続される接続口とを含む。弁20Bは、電磁駆動、ピエゾ駆動又はモータ駆動等の弁によって構成されていてよい。
【0025】
弁20Bは、制御部64の制御に基づいて、吸引孔20と貯留槽40と流路28との間の接続状態を切替える。例えば、弁20Bは、これらの間の接続状態を、吸引孔20と貯留槽40とを接続させた状態、貯留槽40と流路28とを接続させた状態、又は、吸引孔20と貯留槽40と流路28とを接続させない状態に切替える。
【0026】
弁20Bは、吸引孔20がサンプルガスを吸引する際、制御部64の制御に基づいて、吸引孔20と貯留槽40とを接続させた状態にする。また、弁20Bは、貯留槽40にサンプルガスが貯留されると、制御部64の制御に基づいて、吸引孔20と貯留槽40と流路28とを接続させない状態にする。弁20Bが貯留槽40と吸引孔20とを接続させない状態にすることにより、貯留槽40内のサンプルガスが外気に接触する蓋然性が低減され得る。
【0027】
吸引孔21は、図1に示すように、便器ボウル2Aの外側へ露出し得る。吸引孔21の一部は、便座2Bに埋め込まれていてよい。吸引孔21は、例えば、便器ボウル2Aの外側にあるトイレ室100の空気(環境ガス)を、パージガスとして吸引する。吸引孔21が吸引したパージガスは、図2に示すような弁21Bを介して貯留槽41に供給されて貯留される。図1に示すように、吸引孔21の一端は、便器2の外側に向けられてよい。図2に示すように、吸引孔21の他端は、貯留槽41に接続されていてよい。吸引孔21は、樹脂製チューブ或いは金属製又はガラス製配管等の管状の部材で構成されていてよい。
【0028】
吸引孔21は、図2に示すように、その外側に、送風機21Aを有してよい。送風機21Aは、ファン及びモータを含んで構成されていてよい。送風機21Aは、制御部64の制御に基づいて、モータを駆動させることにより、ファンを回転させ得る。送風機21Aは、ファンを回転させることにより、トイレ室100内の空気を吸引孔21の近傍へ引き込む。送風機21Aがトイレ室100内の空気を吸引孔21の近傍へ引き込み、さらに弁26が流路24-1と流路24-2とを接続させた状態にし、且つ、供給部51が駆動することにより、吸引孔21は、トイレ室100内の空気をパージガスとして吸引し得る。
【0029】
弁21Bは、吸引孔21と貯留槽41との間に位置する。弁21Bは、吸引孔21に接続される接続口と、貯留槽41の入口部に接続される接続口とを含む。弁21Bは、電磁駆動、ピエゾ駆動又はモータ駆動等の弁によって構成されていてよい。
【0030】
弁21Bは、制御部64の制御に基づいて、吸引孔21と貯留槽41との間の接続状態を切替える。例えば、弁21Bは、これらの間の接続状態を、吸引孔21と貯留槽41とを接続させた状態、又は、吸引孔21と貯留槽41とを接続させない状態に切替える。
【0031】
弁21Bは、吸引孔21がパージガスを吸引する際、制御部64の制御に基づいて、吸引孔21と貯留槽41とを接続させた状態にする。また、弁21Bは、貯留槽41にパージガスが貯留されると、制御部64の制御に基づいて、吸引孔21と貯留槽41とを接続させない状態にする。弁20Bが貯留槽40と吸引孔20とを接続しない状態にすることにより、貯留槽41内のパージガスが外気に接触する蓋然性が低減され得る。
【0032】
排出路22の一部は、図1に示すように、便器ボウル2Aの外側へ露出し得る。図2に示すような排出路22は、チャンバ30からの排気を外部に排出する。この排気には、検出処理後のサンプルガス及びパージガスが含まれ得る。また、排出路22は、貯留槽40内の残留ガス等を、流路23-1、弁25、流路27-1,27-3及び供給部52を介して、外部に排出し得る。また、排出路22は、貯留槽41内の残留ガス等を、流路24-1、弁26、流路27-2,27-3及び供給部52を介して、外部に排出し得る。排出路22は、樹脂製チューブ或いは金属製又はガラス製配管等の管状の部材で構成されていてよい。
【0033】
図2に示すような流路23は、弁25が流路23-1と流路23-2とを接続させた状態にする場合、貯留槽40に貯留されたサンプルガスを、供給部50を介してチャンバ30に供給する。流路23-1の一端は、貯留槽40の出口部に接続されている。流路23-1の他端は、弁25に接続されている。流路23-2の一端は、弁25に接続されている。流路23-2の他端は、チャンバ30に接続されている。流路23は、樹脂製チューブ或いは金属製又はガラス製配管等の管状の部材で構成されていてよい。
【0034】
図2に示すような流路24は、弁26が流路24-1と流路24-2とを接続させた状態にする場合、貯留槽41に貯留されたパージガスを、供給部51を介してチャンバ30に供給する。流路24-1の一端は、貯留槽41の出口部に接続されている。流路24-1の他端は、弁26に接続されている。流路24-2の一端は、弁26に接続されている。流路24-2の他端は、チャンバ30に接続されている。流路24は、樹脂製チューブ或いは金属製又はガラス製配管等の管状の部材で構成されていてよい。
【0035】
図2に示すように、弁25は、流路23-1と流路23-2と流路27-1との間に位置する。弁25は、流路23-1に接続される接続口と、流路23-2に接続される接続口と、流路27-1に接続される接続口とを含む。弁25は、電磁駆動、ピエゾ駆動又はモータ駆動等の弁によって構成されていてよい。
【0036】
弁25は、制御部64の制御に基づいて、流路23-1と流路23-2と流路27-1との間の接続状態を切替える。例えば、弁25は、これらの間の接続状態を、流路23-1と流路23-2とを接続させた状態、又は、流路23-1と流路27-1とを接続させた状態に切替える。
【0037】
図2に示すように、弁26は、流路24-1と流路24-2と流路27-2との間に位置する。弁26は、流路24-1に接続される接続口と、流路24-2に接続される接続口と、流路27-2に接続される接続口とを含む。弁26は、電磁駆動、ピエゾ駆動又はモータ駆動等の弁によって構成されていてよい。
【0038】
弁26は、制御部64の制御に基づいて、流路24-1と流路24-2と流路27-2と流路28との間の接続状態を切替える。例えば、弁26は、これらの間の接続状態を、流路24-1と流路24-2とを接続させた状態、流路24-1と流路27-2とを接続させた状態、又は、流路24-1と流路28とを接続させた状態に切替える。
【0039】
図2に示すような流路27は、弁25が流路23-1と流路27-1とを接続させた状態する場合、貯留槽40内の残留ガス等を、供給部52を介して排出路22に供給する。流路27は、弁26が流路24-1と流路27-2とを接続させた状態にする場合、貯留槽41内の残留ガス等を、供給部52を介して排出路22に供給する。流路27-1の一端は、弁25に接続されている。流路27-1の他端は、流路27-3の一端に接続されている。流路27-2の一端は、弁26に接続されている。流路27-2の他端は、流路27-3の一端に接続されている。流路27-3の一端は、流路27-1の他端及び流路27-2の他端に接続されている。流路27-3の他端は、排出路22に接続されている。流路27は、樹脂製チューブ或いは金属製又はガラス製配管等の管状の部材で構成されていてよい。
【0040】
図2に示すような流路28は、弁26が流路24-1と流路28とを接続させた状態にし、且つ、弁20Bが流路28と貯留槽40とを接続させた状態にする場合、貯留槽41内のパージガスを貯留槽40に供給する。流路28を介してパージガスが貯留槽40に供給されることにより、貯留槽40内のサンプルガスは、流路23-1に押し出される。流路28の一端は、弁20Bに接続されている。流路28の他端は、弁26に接続されている。流路28は、樹脂製チューブ或いは金属製又はガラス製配管等の管状の部材で構成されていてよい。
【0041】
図2に示すようなチャンバ30は、その内部に、センサ部31を有する。チャンバ30は、複数のセンサ部31を有してよい。チャンバ30は、複数に分かれていてよい。各センサ部31は複数に分かれた各チャンバ30に配されていてよい。複数に分かれた各チャンバ30同士は、接続されていてよい。チャンバ30には、流路23-2が接続されている。チャンバ30には、流路23-2からサンプルガスが供給される。また、チャンバ30には、流路24-2が接続されている。チャンバ30には、流路24-2からパージガスが供給される。さらに、チャンバ30には、排出路22が接続されている。チャンバ30は、検出処理後のサンプルガス及びパージガスを排出路22から排出する。
【0042】
センサ部31は、チャンバ30内に配置されている。センサ部31は、特定ガスの濃度に応じた電圧を制御部64に出力する。特定ガスには、検出対象の特定ガスと、検出対象外の特定ガスとが含まれる。サンプルガスが便から発生するガスである場合には、検出対象の特定ガスの一例として、メタン、水素、二酸化炭素、メチルメルカプタン、硫化水素、酢酸及びトリメチルアミン等が挙げられる。また、サンプルガスが便から発生するガスである場合には、検出対象外の特定ガスの一例として、アンモニア及び水等が挙げられる。複数のセンサ部31の各々は、これらのガスの少なくとも何れかの濃度に応じた電圧を、制御部64に出力し得る。
【0043】
図2に示すように、貯留槽40は、弁20Bの接続口に接続されている。貯留槽40における弁20Bの接続口との接続部分は、「入口部」とも称する。貯留槽40は、流路23-1に接続されている。貯留槽40における流路23-1との接続部分は、「出口部」とも称する。
【0044】
貯留槽40は、サンプルガスを貯留可能である。貯留槽40に貯留されたサンプルガスは、流路23-1,23-2及び供給部50を介して、チャンバ30に供給される。また、貯留槽40内の残留ガス等は、流路23-1、弁25、流路27-1,27-3及び供給部52を介して、排出路22から外部に排出され得る。
【0045】
貯留槽40の内部には、吸着剤40aが配されていてよい。また、貯留槽40において、サンプルガスの濃縮が行われてよい。この場合、貯留槽40の内部には、吸着剤40bが配されていてよい。吸着剤40a及び吸着剤40bの各々は、用途に応じた任意の材料を各々含んでよい。吸着剤40a及び吸着剤40bの各々は、例えば、活性炭、シリカゲル、ゼオライト及びモレキュラーシーブの少なくとも何れかが含まれてよい。吸着剤40a及び吸着剤40bは、複数種類のものであってよいし、多孔質材料を含んでよい。
【0046】
吸着剤40aは、サンプルガスに含まれる検出対象外のガスを吸着するものであってよい。検出対象外のガスを吸着する吸着剤40aの例としては、シリカゲル及びゼオライト等が挙げられる。
【0047】
吸着剤40bは、サンプルガスに含まれる検出対象のガスを吸着するであってよい。検出対象のガスを吸着する吸着剤40bの例としては、活性炭及びモレキュラーシーブ等が挙げられる。ただし、これらの組み合わせは、吸着するガス分子の極性によって適宜変更されてよい。
【0048】
貯留槽40において、吸着剤40aは、壁40cによって、区画された場所に配されていてよい。吸着剤40aが位置する場所が区画されることにより、貯留槽40内におけるガスの流路が長くなり得る。貯留槽40内におけるガスの流路が長くなることにより、ガスと吸着剤40aとが接する時間が長くなり得る。同様に、貯留槽40において、吸着剤40bは、壁40cによって、区画されて配されていてよい。吸着剤40bが位置する場所が区画されることにより、貯留槽40において、ガスと吸着剤40bとが接する時間が長くなり得る。
【0049】
貯留槽40において、吸着剤40aは、貯留槽40が吸引孔20に接続される側に配されていてよい。貯留槽40において、吸着剤40bは、貯留槽40が流路23-1に接続される側に配されていてよい。
【0050】
貯留槽40は、直方体状、円筒状、袋状、又は、筐体10内部に収容される各種部品の隙間を埋めるような形状のタンク等で構成されていてよい。貯留槽40には、貯留槽40の内壁及び吸着剤40aの少なくとも一方を加熱するためのヒータが設けられていてよい。
【0051】
貯留槽40の全体が、壁40cによって、区画されていてよい。貯留槽40の全体が区画されることにより、貯留槽40において、ガスの流路の断面積がガスの流路の体積に対して小さくなり得る。ガスの流路の断面積がガスの流路の体積に対して小さくなることで、貯留槽40からチャンバ30にサンプルガスが押し出される際に、弁20Bから貯留槽40へ流入するガスと貯留槽40内に貯留されたサンプルガスとの接触面積が小さくなり得る。弁20Bから貯留槽40へ流入するガスと貯留槽40内に貯留されたサンプルガスとの接触面積が小さくなることにより、弁20Bから貯留槽40へ流入するガスが、貯留槽40内のサンプルガスに混ざることが低減され得る。
【0052】
図2に示すように、貯留槽41は、弁21Bの接続口に接続されている。貯留槽41における弁21Bの接続口との接続部分は、「入口部」とも称する。貯留槽41は、流路24-1に接続されている。貯留槽41における流路24-1との接続部分は、「出口部」とも称する。
【0053】
貯留槽41は、パージガスを貯留可能である。貯留槽41に貯留されたパージガスは、流路24-1,24-2及び供給部51を介して、チャンバ30に供給される。また、貯留槽41内の残留ガス等は、流路24-1、弁26、流路27-2,27-3及び供給部52を介して、排出路22から外部に排出され得る。
【0054】
貯留槽41の内部には、吸着剤41a及び吸着剤41bが配されていてよい。吸着剤41a及び吸着剤41aの各々は、用途に応じた任意の材料を各々含んでよい。吸着剤41a及び吸着剤41bの各々は、例えば、活性炭、シリカゲル、ゼオライト及びモレキュラーシーブの少なくとも何れかを含んでよい。吸着剤41a及び吸着剤41bは、複数種類のものであってよいし、多孔質材料を含んでよい。
【0055】
吸着剤41aは、パージガスに混入した検出対象外のガスを吸着するものであってよい。トイレ室100内の空気をパージガスとする場合、パージガスに、検出対象外のガスが混入する場合がある。吸着剤41aがパージガスに混入した検出対象外のガスを吸着することにより、貯留槽41内のパージガスが浄化され得る。検出対象外のガスを吸着する吸着剤41aの例としては、シリカゲル及びゼオライト等が挙げられる。また、吸着剤41bは、パージガスに混入した検出対象のガスを吸着するであってよい。トイレ室100内の空気をパージガスとする場合、パージガスに、検出対象のガスが混入する場合がある。吸着剤41aがパージガスに混入した検出対象のガスを吸着することにより、貯留槽41内のパージガスが浄化され得る。検出対象のガスを吸着する吸着剤41bの例としては、活性炭及びモレキュラーシーブ等が挙げられる。ただし、これらの組み合わせは、吸着するガス分子の極性によって適宜変更させてよい。
【0056】
貯留槽41において、吸着剤41aは、壁41cによって、区画されて配されていてよい。吸着剤41aを区画することにより、貯留槽41内におけるガスの流路が長くなり得る。貯留槽41内におけるガスの流路が長くなることにより、ガスと吸着剤41aとが接する時間が長くなり得る。同様に、貯留槽41において、吸着剤41bは、壁41cによって、区画されて配されていてよい。吸着剤41bを区画することにより、貯留槽41において、ガスと吸着剤41bとが接する時間が長くなり得る。
【0057】
貯留槽41において、吸着剤41aは、貯留槽41が吸引孔21に接続される側に配されていてよい。貯留槽41において、吸着剤41bは、貯留槽41が流路24-1に接続される側に配されていてよい。
【0058】
貯留槽41は、直方体状、円筒状、袋状、又は、筐体10内部に収容される各種部品の隙間を埋めるような形状のタンク等で構成されてもよい。貯留槽41には、貯留槽41の内壁、吸着剤41a及び吸着剤41bの少なくとも1つを加熱するためのヒータが設けられてもよい。
【0059】
貯留槽41の全体が、壁41cによって、区画されていてよい。貯留槽41の全体が区画されることにより、貯留槽41において、ガスの流路の断面積がガスの流路の体積に対して小さくなり得る。ガスの流路の断面積がガスの流路の体積に対して小さくなることで、貯留槽41からチャンバ30にパージガスが押し出される際に、弁21Bから貯留槽41へ流入するガスと貯留槽41内に貯留されたパージガスとの接触面積が小さくなり得る。弁21Bから貯留槽41へ流入するガスと貯留槽41内に貯留されたパージガスとの接触面積が小さくなることにより、弁21Bから貯留槽41へ流入するガスが、貯留槽41内のパージガスに混ざることが低減され得る。このような構成により、例えば吸引孔21の付近のガスが汚染されている場合、その汚染されたガスが貯留槽41内のパージガスに混ざることが低減され得る。
【0060】
図2に示すような供給部50は、流路23-2に取り付けられている。供給部50は、弁25が流路23-1と流路23-2とを接続させた状態にする場合、貯留槽40に貯留されたサンプルガスを、チャンバ30に供給可能である。例えば、供給部50は、制御部64の制御に基づいて、所定タイミングで、貯留槽40に貯留されたサンプルガスをチャンバ30に供給する。供給部50に示される矢印は、供給部50がサンプルガスを送る方向を示す。供給部50は、ピエゾポンプ又はモータポンプ等で構成されていてよい。
【0061】
図2に示すような供給部51は、流路24-2に取り付けられている。供給部51は、弁26が流路24-1と流路24-2とを接続させた状態にする場合、貯留槽41に貯留されたパージガスをチャンバ30に供給可能である。例えば、供給部51は、制御部64の制御に基づいて、所定タイミングで、貯留槽41に貯留されたパージガスをチャンバ30に供給する。供給部51に示される矢印は、供給部51がパージガスを送る方向を示す。供給部51は、ピエゾポンプ又はモータポンプ等で構成されていてよい。
【0062】
図2に示すような供給部52は、流路27-3に取り付けられている。供給部52は、弁25が流路23-1と流路27-1とを接続させた状態にする場合、貯留槽40内の残留ガス等を排出路22に供給可能である。また、供給部52は、弁26が流路24-1と流路27-2とを接続させた状態にする場合、貯留槽41内の残留ガス等を排出路22に供給可能である。供給部52は、制御部64の制御に基づいて、貯留槽40及び貯留槽41の少なくとも何れかの残留ガス等を排出路22に供給する。供給部52に示される矢印は、排出路22へ残留ガス等を送る方向を示す。供給部52は、ピエゾポンプ又はモータポンプ等で構成されていてよい。
【0063】
供給部52は、弁20Bが吸引孔20と貯留槽40とを接続させた状態にし、且つ、弁25が流路23-1と流路27-1とを接続させた状態にする場合、吸引孔20からのサンプルガスを、貯留槽40に供給可能である。また、供給部52は、弁21Bが吸引孔21と貯留槽41とを接続させた状態にし、且つ、弁26が流路24-1と流路27-2とを接続させた状態にする場合、吸引孔21からのパージガスを、貯留槽41に供給可能である。
【0064】
図3に示すような回路基板60は、電気信号が伝搬する配線、記憶部61、通信部62及び制御部64等を実装する。
【0065】
図3に示すような記憶部61は、例えば、半導体メモリ又は磁気メモリ等で構成される。記憶部61は、各種情報、及び、ガス検出システム1を動作させるためのプログラム等を記憶する。記憶部61は、ワークメモリとして機能してよい。
【0066】
図3に示すような通信部62は、図1に示すような電子機器3及び換気扇4と通信可能である。通信部62と電子機器3及び換気扇4との通信において用いられる通信方式は、近距離無線通信規格又は携帯電話網へ接続する無線通信規格であってよいし、有線通信規格であってよい。近距離無線通信規格は、例えば、WiFi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、赤外線及びNFC(Near Field Communication)等を含んでよい。携帯電話網へ接続する無線通信規格は、例えば、LTE(Long Term Evolution)又は第4世代以上の移動通信システム等を含んでよい。また、通信部62と電子機器3及び外部サーバとの通信において用いられる通信方式は、例えばLPWA(Low Power Wide Area)又はLPWAN(Low Power Wide Area Network)等の通信規格でもよい。
【0067】
図3に示すようなセンサ部63は、画像カメラ、個人識別スイッチ、赤外線センサ、圧力センサ及び清浄度センサ等の少なくとも何れかを含んで構成されていてよい。センサ部63は、検出結果を、制御部64に出力する。
【0068】
例えば、センサ部63は、赤外線センサを含んで構成される場合、赤外線センサが照射した赤外線の対象物からの反射光を検出することにより、被検者がトイレ室100へ入室したことを検出し得る。センサ部63は、検出結果として、被検者がトイレ室100へ入室したことを示す信号を、制御部64に出力する。
【0069】
例えば、センサ部63は、赤外線センサを含んで構成される場合、赤外線センサが照射した赤外線の対象物からの反射光を検出することにより、被検者がトイレ室100から退室したことを検出し得る。センサ部63は、検出結果として、被検者がトイレ室100から退室したことを示す信号を、制御部64に出力する。
【0070】
例えば、センサ部63は、圧力センサを含んで構成される場合、図1に示すような便座2Bにかかる圧力を検出することにより、被検者が便座2Bに座ったことを検出し得る。センサ部63は、検出結果として、被検者が便座2Bに座ったことを示す信号を、制御部64に出力する。
【0071】
例えば、センサ部63は、圧力センサを含んで構成される場合、図1に示すような便座2Bにかかる圧力の低減を検出することにより、被検者が便座2Bから立ち上がったことを検出し得る。センサ部63は、検出結果として、被検者が便座2Bから立ち上がったことを示す信号を、制御部64に出力する。
【0072】
例えば、センサ部63は、画像カメラ及び個人識別スイッチ等を含んで構成される場合、顔画像、座高及び体重等のデータを収集する。センサ部63は、収集したデータから個人を特定識別して検出する。センサ部63は、検出結果として、特定識別した個人を示す信号を制御部64に出力する。
【0073】
例えば、センサ部63は、個人識別スイッチ等を含んで構成される場合、個人識別スイッチの操作に基づいて、個人を特定(検出)する。この場合、記憶部61には、予め個人情報が登録(記憶)されてよい。センサ部63は、検出結果として、特定した個人を示す信号を制御部64に出力する。
【0074】
例えば、センサ部63は、清浄度センサを含んで構成される場合、トイレ室100内の空気の清浄度を検出する。センサ部63は、トイレ室100内の空気として便器ボウル2Aの外側の空気の清浄度を検出してよい。センサ部63は、図2に示すようなセンサ部31と同様の構成であってよい。本開示において「ガスの清浄度が高い」とは、当該ガスにおいて、検出対象の特定ガスの濃度が低いことを意味する。センサ部63は、検出結果として、トイレ室100内の空気の清浄度を、制御部64に出力する。
【0075】
図3に示すような制御部64は、1以上のプロセッサを含む。プロセッサは、特定のプログラムを読み込ませて特定の機能を実行する汎用のプロセッサ、及び、特定の処理に特化した専用のプロセッサの少なくとも何れかを含んでよい。専用のプロセッサは、特定用途向けIC(ASIC;Application Specific Integrated Circuit)を含んでよい。プロセッサは、プログラマブルロジックデバイス(PLD;Programmable Logic Device)を含んでよい。PLDは、FPGA(Field-Programmable Gate Array)を含んでよい。制御部64は、1つ又は複数のプロセッサが協働するSoC(System-on-a-Chip)、及び、SiP(System-in-a-Package)の少なくとも何れかを含んでもよい。
【0076】
制御部64は、トイレ室100内の空気をサンプルガス又はパージガスとして、ガス検出システム1が備える貯留槽に収集する。制御部64がトイレ室100内の空気をサンプルガス又はパージガスとして貯留槽に収集する期間は、「収集期間」ともいう。
【0077】
制御部64は、ガス検出システム1が貯留槽として貯留槽41を備える場合、トイレ室100内の空気を、パージガスとして貯留槽41に収集する。本実施形態では、制御部64は、トイレ室100の便器2の便器ボウル2Aの外側のガスを、パージガスとして貯留槽41に収集する。例えば送風機21Aがファンを含む場合、制御部64は、送風機21Aに送風機21Aのファンを回転させることにより、吸引孔21の近傍にパージガスを引き込む。制御部64は、弁26に流路24-1と流路24-2とを接続させた状態にさせ、且つ、供給部51を制御することにより、吸引孔21の近傍に引き込んだパージガスを、吸引孔21に吸引させる。制御部64は、吸引孔21にパージガスに吸引させることにより、パージガスを貯留槽41に収集する。
【0078】
制御部64は、第1期間中、トイレ室100内の空気をパージガスとして貯留槽41に収集する。換言すると、第1期間は、トイレ室100内の空気をパージガスとして貯留槽41に収集する期間である。第1期間の長さは、貯留槽41の容積等を考慮して、適宜設定されてよい。第1期間の設定例については、後述する。
【0079】
制御部64は、ガス検出システム1が貯留槽として貯留槽40を備える場合、サンプルガスを貯留槽40に収集する。本実施形態では、制御部64は、トイレ室100内の便器2の便器ボウル2Aの内側のガスを、サンプルガスとして貯留槽40に収集する。例えば送風機20Aがファンを含む場合、制御部64は、送風機20Aに送風機20Aのファンを回転させることにより、吸引孔20の近傍にサンプルガスを引き込む。制御部64は、弁25に流路23-1と流路23-2とを接続させた状態にさせ、且つ、供給部50を制御することにより、吸引孔20に引き込んだサンプルガスを、吸引孔20に吸引させる。制御部64は、吸引孔20にサンプルガスを吸引させることにより、サンプルガスを貯留槽40に収集する。
【0080】
制御部64は、第2期間中、トイレ室100内の空気をサンプルガスとして貯留槽40に収集する。換言すると、第2期間は、トイレ室100内の空気をサンプルガスとして貯留槽40に収集する期間である。第2期間の長さは、貯留槽40の容積等を考慮して、適宜設定されてよい。第2期間の設定例については、後述する。
【0081】
制御部64は、チャンバ30のセンサ部31に、貯留槽40に貯留させたサンプルガス又は貯留槽41に貯留させたパージガスを供給する。制御部64がチャンバ30のセンサ部31にサンプルガス又はパージガスを供給する期間は、「供給期間」ともいう。本実施形態では、制御部64は、供給部50及び供給部51を制御することにより、貯留槽40に貯留させたサンプルガスと、貯留槽41に貯留させたパージガスを、交互に、チャンバ30に供給する。
【0082】
例えば、制御部64は、チャンバ30にサンプルガスを供給するとき、弁25に流路23-1と流路23-2とを接続させた状態にさせる。制御部64は、弁25に流路23-1と流路23-2とを接続させた状態にさせ、供給部50を制御することにより、貯留槽40内のサンプルガスを、チャンバ30に供給する。また、制御部64は、チャンバ30にパージガスを供給するとき、弁26に流路24-1と流路24-2とを接続させた状態にさせる。制御部64は、弁26に流路24-1と流路24-2とを接続させた状態にさせ、供給部51を制御することにより、貯留槽41内のパージガスを、チャンバ30に供給する。ただし、サンプルガス及びパージガスをチャンバ30に供給する際の制御部64の制御処理は、これに限定されない。例えば、制御部64は、弁20Bに貯留槽40と流路28とを接続させた状態にさせ、且つ、弁26に流路24-1と流路28とを接続させた状態にさせることにより、貯留槽41内のパージガスを弁20B側から貯留槽40に供給してよい。制御部64は、パージガスを貯留槽40に供給して、貯留槽40内のサンプルガスを当該パージガスで流路23-1側に押し出すことにより、貯留槽40内のサンプルガスをチャンバ30に供給してよい。
【0083】
制御部64は、パージガスとサンプルガスを交互にチャンバ30に供給することにより、センサ部31から電圧波形を取得する。制御部64は、電圧波形に基づいて、サンプルガスに含まれるガスの種類及び濃度を検出する。例えば、制御部64は、センサ部31から取得した電圧波形に対する機械学習により、サンプルガスに含まれるガスの種類及び濃度を検出する。制御部64は、検出したガスの種類及び濃度を、検出結果として、通信部62を介して電子機器3に送信してよい。
【0084】
ここで、制御部64は、トイレ室100内の空気をサンプルガス又はパージガスとして貯留槽に収集する期間と、チャンバ30のセンサ部31にサンプルガス又はパージガスを供給する供給期間とが、各々異なる時間帯になるように設定する。以下、期間の設定例について、説明する。
【0085】
<期間の設定例1>
制御部64は、トイレ室100内の空気をパージガスとして貯留槽41に収集する第1期間と、貯留槽41に貯留させたパージガスをチャンバ30のセンサ部31に供給する供給期間とが、各々異なる時間帯になるように設定してよい。
【0086】
一例として、制御部64は、トイレ室100内の空気を定期的にチャンバ30のセンサ部31に供給してよい。トイレ室100内の空気をセンサ部31に供給する定期的な期間は、便器2の使用頻度を考慮して、適宜設定されてよい。制御部64は、供給部51を制御することにより、トイレ室100内の空気を、吸引孔21及び貯留槽41を介して、定期的に、チャンバ30に供給してよい。さらに、制御部64は、センサ部31が定期的に出力する検出結果に基づいて、パージガスを貯留槽41に収集する第1期間を設定してよい。例えば、制御部64は、センサ部31の検出結果に基づいて、トイレ室100内の空気の清浄度が所定値を上回ると判定した時点を、第1期間の開始時点に設定してよい。所定値は、パージガスとしての役割を果たし得るガスの清浄度を考慮して、適宜設定されてよい。このような構成により、清浄度が高いトイレ室100内の空気が、パージガスとして貯留槽41に収集され得る。加えて、制御部64は、設定した第1期間よりも、上述の供給期間が後の時間帯となるように設定することにより、1期間と供給期間とが各々異なる時間帯になるように設定してよい。このような構成により、供給期間よりも前に、トイレ室100内の空気をパージガスとして貯留槽41に収集することができる。供給期間よりも前にパージガスを収集することで、本実施形態では、ボンベ等を使用してパージガスを準備しなくてよい。本実施形態では、ボンベ等を使用しなくてよいため、ボンベ等を設置することにより装置が大型化する蓋然性、及び、ボンベ等を準備することによりコストが増加する蓋然性が低減され得る。
【0087】
他の例として、制御部64は、センサ部63の検出結果に基づいて、被検者がトイレ室100から退室してから所定時間経過した時点を、第1期間の開始時点に設定してよい。所定時間の長さは、被検者がトイレ室100から退出した後、トイレ室100内の空気の清浄度が所定値を上回るようになるまでの時間を想定して、適宜設定されてよい。所定値は、ガス検出システム1において、パージガスとしての役割を果たし得るガスの清浄度を考慮して、適宜設定されてよい。加えて、制御部64は、設定した第1期間よりも、上述の供給期間が後の時間帯となるように設定することにより、1期間と供給期間とが各々異なる時間帯になるように設定してよい。このような構成により、上述のように、ボンベ等を使用しなくてよいため、ボンベ等を設置することにより装置が大型化する蓋然性、及び、ボンベ等を準備することによりコストが増加する蓋然性が低減され得る。
【0088】
さらに他の例として、制御部64は、センサ部63の検出結果に基づいてトイレ室100内の空気の清浄度が所定値を上回ると判定した時点を、第1期間の開始時点に設定してよい。所定値は、パージガスとしての役割を果たし得るガスの清浄度を考慮して、適宜設定されてよい。加えて、制御部64は、設定した第1期間よりも、上述の供給期間が後の時間帯となるように設定することにより、第1期間と供給期間とが各々異なる時間帯になるように設定してよい。このような構成により、上述のように、ボンベ等を使用しなくてよいため、ボンベ等を設置することにより装置が大型化する蓋然性、及び、ボンベ等を準備することによりコストが増加する蓋然性が低減され得る。
【0089】
<期間の設定例2>
制御部64は、トイレ室100内の空気をサンプルガスとして貯留槽40に収集する第2期間と、貯留槽40に貯留させたサンプルガスをチャンバ30のセンサ部31に供給する供給期間とが、各々異なる時間帯になるように設定してよい。
【0090】
一例として、制御部64は、トイレ室100内の空気を定期的にチャンバ30のセンサ部31に供給してよい。トイレ室100内の空気をセンサ部31に供給する定期的な期間は、便器2の使用頻度を考慮して、適宜設定されてよい。制御部64は、供給部51を制御することにより、トイレ室100内の空気を、吸引孔21及び貯留槽41を介して、定期的に、チャンバ30に供給してよい。さらに、制御部64は、センサ部31が定期的に出力する検出結果に基づいて、サンプルガスを貯留槽40に収集する第2期間を設定してよい。例えば、制御部64は、センサ部31の検出結果に基づいて、トイレ室100内の空気に含まれる検出対象のガスが所定量を超える期間を、第2期間として設定してよい。所定量は、トイレ室100の容積等を考慮して、適宜設定されてよい。このような構成により、例えば被検者が便器2を使用している間に、サンプルガスが貯留槽40に収集され得る。加えて、制御部64は、センサ部31が定期的に出力する検出結果に基づいて、貯留槽40に貯留したサンプルガスをセンサ部31に供給する供給期間を設定してよい。例えば、制御部64は、センサ部31の検出結果に基づいて、トイレ室100内の空気に含まれる検出対象のガスが所定量を下回る期間を、供給期間として設定してよい。このような構成により、例えば被検者が便器2を使用していないときに、貯留槽40のサンプルガスがセンサ部31に供給されて、サンプルガスに含まれるガスの濃度及び種類の検出が実行され得る。ここで、例えば被検者が便器2を使用する時間が短い場合、ガス検出システム1は、サンプルガスの貯留槽40への収集と、サンプルガスに含まれるガスの種類及び濃度の検出とを、被検者が便器2を使用している間に、実施できない場合がある。このような場合でも、上述の制御により、ガス検出システム1は、被検者が便器2を使用している間に、サンプルガスを貯留槽40に収集することができる。さらに、ガス検出システム1は、被検者の便器2の使用後に、貯留槽40に貯留されたサンプルガスを用いて、サンプルガスに含まれるガスの種類及び濃度の検出を実行することができる。従って、上述の制御により、例えば被検者が便器2を使用する時間が短い場合でも、ガス検出システム1は、サンプルガスを収集して、サンプルガスに含まれるガスの種類及び濃度を検出することができる。
【0091】
さらに他の例として、制御部64は、センサ部63の検出結果に基づいて、第2期間を設定してよい。例えば、制御部64は、センサ部63の検出結果に基づいて被検者が便座2Bに座ったことを検出してから一定時間が経過した時点を、第2期間の開始時点に設定してよい。一定時間の長さは、被検者が便座2Bに座ってから排便を開始するまでの時間を考慮して、適宜設定されてよい。このような構成によって、第2期間は、被検者が便器2を使用して排便している期間となり得る。さらに、制御部64は、設定した第2期間よりも、上述の供給期間が後の時間帯となるように設定することにより、第2期間と供給期間とが各々異なる時間帯になるように設定してよい。
【0092】
<期間の設定例3>
制御部64は、第1期間と第2期間とが各々異なる時間帯になるように設定してよい。第2期間は、被検者が便器2を使用して排便している期間である蓋然性が高い。つまり、第2期間中は、便器ボウル2A内の便から発生したサンプルガスが便器ボウル2Aの外にも漏れだしている蓋然性が高い。本実施形態では、第1期間と第2期間とが各々異なる時間帯になるように設定することにより、より清浄度が高いパージガスが、貯留槽41に収集され得る。
【0093】
一例として、制御部64は、被検者のトイレ室100からの退室に基づいて、第1期間を設定してよい。上述のように、第2期間は、被検者が便器2を使用して排便している期間となり得る。そのため、被検者のトイレ室100からの退室に基づいて第1期間を設定することにより、第1期間は、第2期間とは異なる時間帯に設定され得る。具体的には、制御部64は、センサ部63の検出結果に基づいて、被検者がトイレ室100から退室してから所定時間経過した時点を、第1期間の開始時点に設定してよい。所定時間の長さは、被検者がトイレ室100から退出した後、トイレ室100内の空気の清浄度が所定値を上回るようになるまでの時間を考慮して、適宜設定されてよい。所定値は、ガス検出システム1において、パージガスとしての役割を果たし得るガスの清浄度を考慮して、適宜設定されてよい。
【0094】
他の例として、制御部64は、センサ部63の検出結果に基づいてトイレ室100内の空気の清浄度が所定値を上回ると判定した時点を、第1期間の開始時点に設定してよい。所定値は、パージガスとしての役割を果たし得るガスの清浄度を考慮して、適宜設定されてよい。上述のように、第2期間は、被検者が便器2を使用して排便している蓋然性が高い。また、トイレ室100内の空気の清浄度が所定値を上回るときは、被検者が便器2を使用していないときである蓋然性が高い。トイレ室100内の空気の清浄度が所定値を上回ると制御部64が判定した時点を第1期間の開始時点に設定することにより、第1期間は、第2期間とは異なる時間帯に設定され得る。センサ部63の代わりに、制御部64は、センサ部31の検出結果に基づいてトイレ室100内の空気の清浄度が所定値を上回ると判定した時点を、第1期間の開始時点に設定してよい。この場合、制御部64は、供給部51を制御することにより、トイレ室100内の空気を、吸引孔21及び貯留槽41を介して、チャンバ30に供給してよい。
【0095】
さらに他の例として、制御部64は、トイレ室100の換気扇4が稼働状態であることに基づいて、第1期間を設定してよい。この例は、被検者がトイレ室100から退室した後に、換気扇4が駆動状態になるよう設定されている場合に、採用されてよい。換気扇4が稼働状態であることに基づいて第1期間を設定することにより、第1期間は、第2期間とは異なる時間帯に設定され得る。制御部64は、通信部62を介した換気扇4との通信によって、換気扇4が稼働状態にあると判定した時点を、第1期間の開始時点に設定してよい。換気扇4が稼働することにより、トイレ室100内の空気の清浄度が高まり得る。従って、換気扇4が稼働状態であることに基づいて第1期間を設定することにより、より清浄度の高いパージガスが収集され得る。
【0096】
[ガス検出システムの動作例]
図4は、本開示の第1実施形態に係るガス検出システム1の動作を示すフローチャートである。
【0097】
制御部64は、第1期間中、パージガスを貯留槽41に収集する(ステップS10)。ステップS10の処理の詳細の一例は、図5から図7を参照して後述する。制御部64は、第2期間中、サンプルガスを貯留槽40に収集する(ステップS11)。
【0098】
制御部64は、供給期間中、貯留槽40に貯留させたサンプルガスと、貯留槽41に貯留させたパージガスを、交互に、チャンバ30に供給する(ステップS12)。
【0099】
制御部64は、パージガスとサンプルガスを交互にチャンバ30に供給することにより、センサ部31から電圧波形を取得する(ステップS13)。
【0100】
制御部64は、ステップS13の処理によりセンサ部31から取得した電圧波形に基づいて、サンプルガスに含まれるガスの種類及び濃度を検出する(ステップS14)。
【0101】
図5は、本開示の第1実施形態に係るガス検出システム1のパージガス収集時の動作の一例を示すフローチャートである。図5に示すような処理は、図4に示すようなステップS10の処理の一例に相当する。
【0102】
制御部64は、センサ部63の検出結果に基づいて、被検者がトイレ室100から退出したことを検出する(ステップS20)。制御部64は、被検者がトイレ室100から退出してから所定時間経過したか否か判定する(ステップS21)。
【0103】
制御部64は、被検者がトイレ室100から退出してから所定時間経過したと判定するとき(ステップS21:Yes)、被検者がトイレ室100から退室してから所定時間経過した時点を第1期間の開始時点に設定する(ステップS22)。一方、制御部64は、被検者がトイレ室100から退出してから所定時間経過したと判定しないとき(ステップS21:No)、再びステップS21の処理を実行する。
【0104】
ステップS23の処理では、制御部64は、第1期間中、トイレ室100の空気をパージガスとして貯留槽41に収集する。
【0105】
制御部64は、ステップS23の処理を実行する前に、センサ部63の検出結果に基づいて、被検者がトイレ室100へ入室したことを検出したとき、ステップS23の処理を実行しなくてよい。
【0106】
図6は、本開示の第1実施形態に係るガス検出システム1のパージガス収集時の動作の他の例を示すフローチャートである。図6に示すような処理は、図4に示すようなステップS10の処理の他の例に相当する。
【0107】
制御部64は、センサ部63の検出結果に基づいて、トイレ室100内の空気の清浄度を検出する(ステップS30)。制御部64は、トイレ室100内の空気の清浄度が所定値を上回るか否か判定する(ステップS31)。制御部64は、トイレ室100内の空気の清浄度が所定値を上回ると判定するとき(ステップS31:Yes)、トイレ室100内の空気の清浄度が所定値を上回ると判定した時点を第1期間の開始時点に設定する(ステップS32)。一方、制御部64は、トイレ室100内の空気の清浄度が所定値を上回ると判定しないとき(ステップS31:No)、ステップS30の処理に戻る。
【0108】
ステップS33の処理では、制御部64は、第1期間中、トイレ室100の空気をパージガスとして貯留槽41に収集する。
【0109】
ステップS30の処理では、制御部64は、センサ部31の検出結果に基づいて、トイレ室100内の空気の清浄度を検出してよい。この場合、制御部64は、供給部51を制御することにより、トイレ室100内の空気を、吸引孔21及び貯留槽41を介して、チャンバ30に供給してよい。
【0110】
図7は、図1に示すガス検出システム1のパージガス収集時の動作のさらに他の例を示すフローチャートである。図7に示すような処理は、図4に示すようなステップS10の処理のさらに他の例に相当する。
【0111】
制御部64は、通信部62を介して換気扇4から、換気扇4の状態を示す信号を取得する(ステップS40)。制御部64は、取得した換気扇4の状態を示す信号に基づいて、換気扇4が稼働状態であるか否か判定する(ステップS41)。制御部64は、換気扇4が稼働状態であると判定するとき(ステップS41:Yes)、例えば換気扇4が稼働状態であると判定した時点を第1期間の開始時点に設定する(ステップS42)。一方、制御部64は、換気扇4が稼働状態であると判定しないとき(ステップS41:No)、ステップS40の処理に戻る。
【0112】
ステップS43の処理では、制御部64は、第1期間中、トイレ室100の空気をパージガスとして貯留槽41に収集する。
【0113】
このように第1実施形態では、制御部64は、トイレ室100内の空気をサンプルガス又はパージガスとして貯留槽に収集する収集期間と、サンプルガス又はパージガスをチャンバ30のセンサ部31に供給する供給期間とが各々異なる時間帯になるように設定する。このような構成により、例えばトイレ室100内の空気をパージガスとして貯留槽41に収集する第1期間と供給期間とが各々異なる時間帯になるように設定する場合、上述のように、ボンベ等を使用してパージガスを準備しなくてよい。そのため、本実施形態に係るガス検出システム1では、ボンベ等を設置することにより装置が大型化する蓋然性、及び、ボンベ等を準備することによりコストが増加する蓋然性が低減され得る。
【0114】
従って、本実施形態によれば、改善された、ガス検出システム1が提供され得る。
【0115】
(第2実施形態)
[ガス検出システムの構成例]
第2実施形態に係るガス検出システムには、図1から3に示すようなガス検出システム1と同様の構成を採用することができる。以下、図1から3を参照しつつ、第2実施形態に係るガス検出システム1について説明する。
【0116】
第2実施形態では、制御部64は、センサ部31に対するリフレッシュ処理を2回実行する。リフレッシュ処理とは、センサ部31に付着した物質を除去する処理である。
【0117】
1回目のリフレッシュ処理では、制御部64は、例えば任意のタイミングで取得した、トイレ室100内の空気によって、センサ部31に対するリフレッシュ処理を実行する。制御部64は、1回目のリフレッシュ処理を、任意のタイミングで実行してよい。制御部64は、供給部51を制御することにより、トイレ室100内の空気を吸引孔21及び貯留槽41を介して、チャンバ30に供給する。制御部64は、トイレ室100内の空気をチャンバ30に供給するにより、トイレ室100内の空気をセンサ部31に供給する。トイレ室100内の空気がセンサ部31に供給されることにより、センサ部31に付着した物質が、ある程度、除去され得る。
【0118】
代替的に1回目のリフレッシュ処理において、制御部64は、貯留槽41に残留しているガスによって、センサ部31に対するリフレッシュ処理を実行してよい。この場合、制御部64は、供給部51を制御することにより、貯留槽41に残留しているガスを、チャンバ30に供給する。
【0119】
2回目のリフレッシュ処理では、制御部64は、貯留槽41に貯留されたパージガスによって、センサ部31に対するリフレッシュ処理を実行する。制御部64は、例えばセンサ部31によるガス検出処理の実行直前に、2回目のリフレッシュ処理を実行してよい。制御部64は、第1実施形態にて上述した処理によって、パージガスを貯留槽41に収集してよい。貯留槽41に貯留されたパージガスの清浄度は、1回目のリフレッシュ処理で使用したトイレ室100内の空気等の洗浄度よりも高い。より洗浄度の高いパージガスによってセンサ部31に対するリフレッシュ処理を実行することにより、センサ部31に付着した物質が、さらに除去され得る。
【0120】
[ガス検出システムの動作例]
図8は、本開示の第2実施形態に係るガス検出システム1のリフレッシュ時の動作を示すフローチャートである。制御部64は、ガス検出処理後に、すなわち、図4に示すような処理の終了後に、図8に示すような処理を実行してよい。
【0121】
制御部64は、トイレ室100内の空気によって、センサ部31に対する1回目のリフレッシュ処理を実行する(ステップS50)。
【0122】
制御部64は、上述の図5から図7の何れかに示すような処理を実行することにより、トイレ室100内の空気をパージガスとして、貯留槽41に収集する(ステップS51)。
【0123】
制御部64は、貯留槽41に貯留されたパージガスによって、センサ部31に対するリフレッシュ処理を実行する(ステップS52)。
【0124】
ステップS50の処理において、制御部64は、貯留槽41に残留しているガスによって、センサ部31に対する1回目のリフレッシュ処理を実行してよい。
【0125】
このように第2実施形態では、制御部64は、トイレ室100内の空気等によってセンサ部31に対する1回目のリフレッシュ処理を実行した後、貯留槽41に貯留されたパージガスによってセンサ部31に対する2回目のリフレッシュ処理を実行する。このような構成によって、本実施形態に係るガス検出システム1では、貯留槽41に貯留されたパージガスを節約しつつ、センサ部31に対するリフレッシュ処理を実行することができる。
【0126】
本開示に係る実施形態について説明する図は模式的なものである。図面上の寸法比率等は、現実のものとは必ずしも一致していない。
【0127】
本開示に係る実施形態について、諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形又は修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形又は修正は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部等に含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【0128】
例えば、上述の実施形態では、図3に示すような制御部64が、図2に示すような供給部50を制御して、サンプルガスを吸引孔20に吸引させて、貯留槽40に収集するものとして説明した。ただし、貯留槽40にサンプルガスを収集させる際の制御部64の処理は、これに限定されない。例えば、制御部64は、供給部52を制御して、サンプルガスを吸引孔20に吸引させて、貯留槽40に収集してよい。この場合、制御部64は、弁20Bに吸引孔20と貯留槽40とを接続させた状態にさせ、且つ、弁25に流路23-1と流路27-1とを接続させた状態にさせる。さらに、制御部64は、供給部52を制御することにより、サンプルガスを吸引孔20に吸引させて、貯留槽40に収集する。
【0129】
例えば、上述の実施形態では、図3に示すような制御部64が、図2に示すような供給部51を制御して、パージガスを吸引孔21に吸引させて、貯留槽41に収集するものとして説明した。ただし、貯留槽41にパージガスを収集する際の制御部64の処理は、これに限定されない。例えば、制御部64は、供給部52を制御して、パージガスを吸引孔21に吸引させて、貯留槽41に収集してよい。この場合、制御部64は、弁21Bに吸引孔21と貯留槽41とを接続させた状態にさせ、弁26に流路24-1と流路27-2とを接続させた状態にさせる。さらに、制御部64は、供給部52を制御することにより、パージガスを吸引孔21に吸引させて、貯留槽41に収集する。
【0130】
例えば、上述の実施形態では、換気扇4がトイレ室100から被検者が退室した後に駆動状態になるよう設定されているものとして説明した。ただし、換気扇4が駆動状態になるタイミングは、これに限定されない。換気扇4は、被検者がトイレ室100に在室しているか不在であるかに関わらず、任意のタイミングで駆動状態になってよい。この場合、制御部64は、換気扇4が駆動状態であるときに、トイレ室100の便器2の便器ボウル2Aの外側のガスを、パージガスとして貯留槽41に収集してよい。制御部64は、通信部62を介した換気扇4との通信によって、換気扇4が稼働状態であるときを検出してよい。また、制御部64は、センサ部63の検出結果に基づいて被検者が便座2Bに座ったことを検出してから一定時間が経過した後、トイレ室100の便器2の便器ボウル2Aの内側のガスを、サンプルガスとして貯留槽40に収集してよい。
【0131】
例えば、上述の実施形態では、図3に示すように、ガス検出システム1は、1つの装置であるものとして説明した。ただし、本開示のガス検出システムは、1つの装置に限定されず、独立した複数の装置を含んでよい。本開示のガス検出システムは、例えば、図9に示すような構成であってよい。
【0132】
図9に示すように、ガス検出システム1Aは、ガス検出装置5と、サーバ装置6とを備える。ガス検出装置5とサーバ装置6は、ネットワーク7を介して通信可能である。ネットワーク7の一部は、有線であってよいし、無線であってよい。ガス検出装置5の構成は、図2及び図3に示すようなガス検出システム1の構成と同様である。サーバ装置6は、記憶部6Aと、通信部6Bと、制御部6Cとを備える。制御部6Cは、上述した図3に示すような制御部64の処理を実行可能である。例えば、制御部6Cは、トイレ室100内の空気をサンプルガス又はパージガスとして貯留槽に収集する収集期間と、サンプルガス又はパージガスをチャンバ30のセンサ部31に供給する供給期間とが、各々異なる時間帯になるように設定する。
【0133】
本開示において「第1」及び「第2」等の記載は、当該構成を区別するための識別子である。本開示における「第1」及び「第2」等の記載で区別された構成は、当該構成における番号を交換することができる。例えば、第1貯留槽は、第2貯留槽と識別子である「第1」と「第2」とを交換することができる。識別子の交換は同時に行われる。識別子の交換後も当該構成は区別される。識別子は削除してよい。識別子を削除した構成は、符号で区別される。本開示における「第1」及び「第2」等の識別子の記載のみに基づいて、当該構成の順序の解釈、小さい番号の識別子が存在することの根拠に利用してはならない。
【符号の説明】
【0134】
1,1A ガス検出システム
2 便器
2A 便器ボウル
2B 便座
3 電子機器
3A 表示部
4 換気扇
5 ガス検出装置
6 サーバ装置
6A 記憶部
6B 通信部
6C 制御部
7 ネットワーク
10 筐体
20,21 吸引孔
20A,21A 送風機
20B,21B,25,26 弁
22 排出路
23,23-1,23-2,24,24-1,24-2,27,27-1,27-2,27-3,27-4,28,29B 流路
30 チャンバ
31 センサ部(第1センサ部)
40 貯留槽(第1貯留槽)
40a,40b 吸着剤
40c 壁
41 貯留槽(第2貯留槽)
41a,41b 吸着剤
41c 壁
50,51,52 供給部
60 回路基板
61 記憶部
62 通信部
63 センサ部(第2センサ部)
64 制御部
100 トイレ室(所定空間)

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9