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特許7385660分析物監視システムにおける環境検出および/または温度補償
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-14
(45)【発行日】2023-11-22
(54)【発明の名称】分析物監視システムにおける環境検出および/または温度補償
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/1473 20060101AFI20231115BHJP
   A61B 5/1455 20060101ALI20231115BHJP
【FI】
A61B5/1473
A61B5/1455
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021524034
(86)(22)【出願日】2019-11-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-07
(86)【国際出願番号】 US2019059374
(87)【国際公開番号】W WO2020092890
(87)【国際公開日】2020-05-07
【審査請求日】2022-09-27
(31)【優先権主張番号】62/754,780
(32)【優先日】2018-11-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/850,769
(32)【優先日】2019-05-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】501078166
【氏名又は名称】センセオニクス,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100138759
【弁理士】
【氏名又は名称】大房 直樹
(72)【発明者】
【氏名】デヘニス,アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】ラストギ,ラビ
(72)【発明者】
【氏名】テュルクソイ,カムラン
【審査官】藤原 伸二
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0125364(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0281092(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0267802(US,A1)
【文献】特開2017-148583(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/145-5/1495
A61B 5/01
G01N 27/26-27/416
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
分析物監視システムであって、
分析物センサであって、
(i)第1体液における分析物レベルを示すセンサ測定値を生成するように構成された1つ以上のセンサであって、前記センサがセンサ温度測定値を生成するように構成された温度変換器を含み、前記センサ測定値がセンサ温度測定値を含む、1つ以上のセンサと、
(ii)筐体であって、前記センサ温度測定値が、前記分析物センサの前記筐体内部の温度測定値である、筐体と、
(iii)前記筐体の外面の少なくとも一部の上または内部にある分析物指示薬と、
(iv)前記センサ測定値を伝えるように構成されたトランシーバ・インターフェースと
を含む、分析物センサと、
トランシーバであって、
(i)前記分析物センサによって伝えられたセンサ測定値を受信するように構成されたセンサ・インターフェースと、
(ii)プロセッサであって、
前記センサ温度測定値を調節する動作であって、前記調節したセンサ温度測定値が前記分析物指示薬の温度の推定値であり、前記調節したセンサ温度測定値が、前記分析物センサの筐体内部の温度と分析物指示薬の温度との間の時間遅延を補償するものであり、
少なくとも前記センサ温度測定値と、前記分析物センサから以前に受信した1つ以上のセンサ温度測定値とを使用して、前記分析物センサの温度変化率を計算する動作と、
少なくとも前記センサ温度測定値と、計算した前記分析物センサの温度変化率とを使用して、前記調節したセンサ温度測定値を計算する動作と、
を含む、動作と、
少なくとも前記調節したセンサ温度測定値および前記センサ測定値の内1つ以上を使用して、第2体液における分析物レベルを計算する動作と、
を実施するように構成されたプロセッサと
を含む、トランシーバと、
を備える、分析物監視システム。
【請求項2】
請求項1に記載の分析物監視システムにおいて、少なくとも前記調節したセンサ温度測定値と、前記センサ測定値の内1つ以上とを使用して前記第2体液における分析物レベルを計算する動作が、少なくとも前記調節したセンサ温度測定値と前記センサ測定値の内1つ以上を使用して前記第1体液における分析物レベルを計算する動作と、少なくとも前記第1体液において計算した分析物レベルを使用して、前記第2体液において前記分析物レベルを計算する動作とを含む、分析物監視システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の分析物監視システムであって、前記トランシーバが、温度測定値を生成するように構成された温度センサを備え、前記プロセッサが、前記温度センサによって生成された少なくとも前記温度測定値を使用して、前記センサ温度測定値を調節するように構成される、分析物監視システム。
【請求項4】
請求項3に記載の分析物監視システムにおいて、前記センサ温度測定値を調節する動作が、少なくとも前記温度センサによって生成された温度測定値と、前記温度センサによって以前に生成された1つ以上の温度測定値とを使用して、前記トランシーバの温度変化率を計算する動作を含む、分析物監視システム。
【請求項5】
請求項4に記載の分析物監視システムにおいて、前記センサ温度測定値を調節する動作が、少なくとも前記温度センサによって生成された温度測定値と、前記計算したトランシーバの温度変化率とを使用して、前記調節したセンサ温度測定値を計算する動作を含む、分析物監視システム。
【請求項6】
請求項5に記載の分析物監視システムにおいて、
前記調節したセンサ温度測定値を計算する動作が、少なくとも前記センサ温度測定値と、前記計算した分析物センサの温度変化率と、前記温度センサによって生成された温度測定値と、前記計算したトランシーバの温度変化率とを使用する、分析物監視システム。
【請求項7】
方法であって、
分析物センサの1つ以上のセンサを使用して第1体液における分析物レベルを示すセンサ測定値を生成するステップであって、前記センサが温度変換器を含み、前記センサ測定値が、前記温度変換器によって生成されたセンサ温度測定値を含み、前記センサ温度測定値が、前記分析物センサの筐体内部の温度測定値である、ステップと、
前記分析物センサのトランシーバ・インターフェースを使用して、前記センサ測定値を伝えるステップと、
トランシーバのセンサ・インターフェースを使用して、前記分析物センサによって伝えられたセンサ測定値を受信するステップと、
前記トランシーバを使用して、前記センサ温度測定値を調節するステップであって、前記調節したセンサ温度測定値が、前記分析物センサの前記筐体の外面の少なくとも一部の上または内部にある分析物指示薬の温度の推定値であり、前記調節したセンサ温度測定値が、前記分析物センサの筐体内部の温度と分析物指示薬の温度との間の時間遅延を補償するものであり、
少なくとも前記センサ温度測定値と、前記分析物センサから以前に受信した1つ以上のセンサ温度測定値とを使用して、前記分析物センサの温度変化率を計算するステップと、
少なくとも前記センサ温度測定値と、計算した前記分析物センサの温度変化率とを使用して、前記調節したセンサ温度測定値を計算するステップと、
を含む、ステップと、
前記トランシーバを使用し、少なくとも前記調節したセンサ温度測定値と前記センサ測定値の内1つ以上とを使用して、第2体液における分析物レベルを計算するステップと、
を含む、方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法において、少なくとも前記調節したセンサ温度測定値と、前記センサ測定値の内1つ以上とを使用して前記第2体液における分析物レベルを計算するステップが、少なくとも前記調節したセンサ温度測定値と前記センサ測定値の内1つ以上を使用して前記第1体液における分析物レベルを計算するステップと、少なくとも前記第1体液において計算した分析物レベルを使用して、前記第2体液において前記分析物レベルを計算するステップとを含む、方法。
【請求項9】
請求項7または8に記載の方法であって、更に、前記トランシーバの温度センサを使用して温度測定値を生成するステップを含み、前記トランシーバが、前記温度センサによって生成された少なくとも前記温度測定値を使用して、前記センサ温度測定値を調節するように構成される、方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法において、前記センサ温度測定値を調節するステップが、少なくとも前記温度センサによって生成された温度測定値と、前記温度センサによって以前に生成された1つ以上の温度測定値とを使用して、前記トランシーバの温度変化率を計算するステップを含む、方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法において、前記センサ温度測定値を調節するステップが、少なくとも前記温度センサによって生成された温度測定値と、前記計算したトランシーバの温度変化率とを使用して、前記調節したセンサ温度測定値を計算するステップを含む、方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法において、
前記調節したセンサ温度測定値を計算するステップが、少なくとも前記センサ温度測定値と、前記計算した分析物センサの温度変化率と、前記温度センサによって生成された温度測定値と、前記計算したトランシーバの温度変化率とを使用する、方法。
【請求項13】
請求項1から6のいずれか1項に記載の分析物監視システムにおいて、前記調節したセンサ温度測定値は、τ×dT/dt+Tとして計算され、ここでTは前記分析物センサの温度であり、τは皮下組織と前記分析物センサとの間の速度定数であり、dT/dtは時間に関する前記分析物センサの温度の導関数であり、前記センサ温度測定値が前記分析物センサの前記温度として用いられ、前記計算した前記分析物センサの温度変化率が時間に関する前記分析物センサの前記温度の前記導関数として用いられる、分析物監視システム。
【請求項14】
請求項7から12のいずれか1項に記載の方法において、前記調節したセンサ温度測定値は、τ×dT/dt+Tとして計算され、ここでTは前記分析物センサの温度であり、τは皮下組織と前記分析物センサとの間の速度定数であり、dT/dtは時間に関する前記分析物センサの温度の導関数であり、前記センサ温度測定値が前記分析物センサの前記温度として用いられ、前記計算した前記分析物センサの温度変化率が時間に関する前記分析物センサの前記温度の前記導関数として用いられる、方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
[0001] 本願は、2019年5月21日に出願された米国仮特許出願第62/850,769号、および2018年11月2日に出願された米国仮特許出願第62/754,780号の優先権を主張する。これらの特許出願をここで引用したことにより、その内容全体が本願にも含まれるものとする。
【技術分野】
【0002】
[0002] 発明の背景
[0003] 本発明の態様は、分析物監視システムおよび方法に関する。具体的には、本発明の態様は、分析物監視システムにおける環境検出および/または温度補償に関するとしてよい。更に特定すると、温度補償は遅延の認識(lag cognizant)であると言ってもよい。
【背景技術】
【0003】
[0004] 背景の論述
[0005] 糖尿病の有病率は、工業国において増加し続けており、予測では、2030年までにこの数字は世界人口の4.4%(3億6千6百万人)に上昇することが示唆されている。血糖管理は、糖尿病患者における長期成果の主要な決定要素であり、血糖管理が不十分であると、網膜症、腎症、心筋梗塞のリスク増加、脳血管障害、および四肢切断を必要とする末梢血管疾患が併発する。新たなインシュリンおよび他の部類の抗糖尿病治療の開発にも拘わらず、全ての糖尿病患者の大凡半分は、推奨される目標のヘモグロビンAlc(HbA1c)レベル<7.0%を達成していない。
【0004】
[0006] 糖尿病患者、特にインシュリン治療を必要とする糖尿病患者において厳しい血糖管理を達成するためには、頻繁な血糖自己監視(SMBG:self-monitoring of blood glucose)が必要である。しかしながら、現在の(フィンガ-スティック)血糖検査は厄介であり、構造化臨床研究(structured clinical studies)においてでさえ、推奨される頻度のSMBGに忠実な患者は、ときの経過と共に大幅に減少する。更に、フィンガ-スティック測定は、一時点についての情報を提供するに過ぎず、血糖レベルの日中変動に関する情報が得られないが、血糖レベルの日中変動には、何らかの臨床的成果と更に密接な相関があるはずである。
【0005】
[0007] フィンガ-スティックSMBGの限界を克服し、それによって患者の転帰の改善に資する取り組みにおいて、持続血糖値モニタ(CGM:continuous glucose monitor)が開発された。これらのシステムは、血糖値(glucose)測定の頻度増加を可能にし、更に認識されなかった低血糖症の発症を含む動的血糖値変動を特徴付けする際の改良を可能にする。更に、CGMを自動インシュリン・ポンプと統合することにより、閉ループ「人工膵臓」システムを確立して、生理的インシュリン放出に増々近づき、忠実性を高めることができる。
【0006】
[0008] ワイヤレス分析物監視センサ(1つまたは複数)によって生体からのリアル・タイム分析物測定値を監視することにより、健康および研究に関する利点を多数得ることができる。このような分析物監視システムを技術改革によって改良することが求められている。
【発明の概要】
【0007】
[0009] 本発明の一態様では、分析物センサとトランシーバとを含む分析物監視システムを提供することができる。分析物センサは、1つ以上のセンサ素子とトランシーバ・インターフェースとを含むことができる。1つ以上のセンサ素子は、第1媒体における分析物レベルを示す1つ以上のセンサ測定値を生成するように構成することができる。トランシーバ・インターフェースは、1つ以上のセンサ測定値を伝えるように構成することができる。トランシーバは、センサ・インターフェースと、1つ以上の環境センサと、プロセッサとを含むことができる。センサ・インターフェースは、分析物センサによって伝えられた1つ以上のセンサ測定値を受け取るように構成することができる。1つ以上の環境センサは、1つ以上の環境測定値を生成するように構成することができる。プロセッサは、少なくとも1つ以上のセンサ測定値および1つ以上の環境測定値を使用して、第2媒体における分析物レベルを計算するように構成することができる。
【0008】
[0010] 本発明の他の態様では、分析物センサと、1つ以上の環境センサと、トランシーバとを含む分析物監視システムを提供することができる。分析物センサは、1つ以上のセンサ素子とトランシーバ・インターフェースとを含むことができる。1つ以上のセンサ素子は、第1媒体における分析物レベルを示す1つ以上のセンサ測定値を生成するように構成することができる。トランシーバ・インターフェースは、1つ以上のセンサ測定値を伝えるように構成することができる。1つ以上の環境センサは、1つ以上の環境測定値を生成するように構成することができる。トランシーバは、1つ以上の環境測定値を受け取るように構成することができる。トランシーバは、センサ・インターフェースとプロセッサとを含むことができる。センサ・インターフェースは、分析物センサによって伝えられた1つ以上のセンサ測定値を受け取るように構成することができる。プロセッサは、少なくとも1つ以上のセンサ測定値および1つ以上の環境測定値を使用して、第2媒体における分析物レベルを計算するように構成することができる。
【0009】
[0011] ある態様では、1つ以上の環境センサが姿勢検出器を含んでもよく、1つ以上の環境測定値が、トランシーバのユーザの姿勢を示す1つ以上の姿勢測定値を含んでもよく、プロセッサは、少なくとも1つ以上のセンサ測定値および1つ以上の姿勢測定値を使用して、第2媒体における分析物レベルを計算するように構成されてもよい。ある態様では、姿勢検出器が加速度計およびバロメータを含んでもよく、1つ以上の姿勢測定値が1つ以上の加速度測定値および1つ以上の大気圧測定値を含んでもよく、少なくとも1つ以上のセンサ測定値および1つ以上の姿勢測定を使用して第2媒体における分析物レベルを計算する動作が、(i)少なくとも1つ以上の姿勢測定値を使用して、トランシーバのユーザの姿勢を計算する動作と、(ii)少なくとも1つ以上のセンサ測定値および計算した姿勢を使用して、第2媒体における分析物レベルを計算する動作とを含んでもよい。ある態様では、少なくとも1つ以上のセンサ測定値および計算した姿勢を使用して、第2媒体における分析物レベルを計算する動作が、少なくとも計算した姿勢に基づいて変換関数の1つ以上のパラメータを調節し、調節した変換関数および1つ以上のセンサ測定値を使用して、第2媒体における分析物レベルを計算する動作を含んでもよい。
【0010】
[0012] ある態様では、1つ以上の環境センサが圧力センサを含んでもよく、1つ以上の環境測定値が、トランシーバ上における圧力を示す1つ以上の圧力測定値を含んでもよく、プロセッサは、少なくとも1つ以上のセンサ測定値および1つ以上の圧力測定値を使用して、第2媒体における分析物レベルを計算するように構成されてもよい。ある態様では、圧力センサがボタンを含んでもよい。ある態様では、少なくとも1つ以上のセンサ測定値および1つ以上の圧力測定値を使用して第2媒体における分析物レベルを計算する動作が、少なくとも1つ以上の圧力測定値に基づいて変換関数の1つ以上のパラメータを調節する動作と、調節した変換関数および1つ以上のセンサ測定値を使用して第2媒体における分析物レベルを計算する動作とを含んでもよい。
【0011】
[0013] ある態様では、1つ以上の環境センサが加速度計を含んでもよく、1つ以上の環境測定値が、加速度計によって生成された1つ以上の加速度測定値を含んでもよく、プロセッサは、少なくとも1つ以上のセンサ測定値および1つ以上の加速度測定値を使用して、第2媒体における分析物レベルを計算するように構成されてもよい。ある態様では、少なくとも1つ以上のセンサ測定値および1つ以上の加速度測定値を使用して第2媒体における分析物レベルを計算する動作が、少なくとも1つ以上の加速度測定値を使用して、トランシーバに対して衝撃が起こったか否か判定する動作と、少なくとも1つ以上のセンサ測定値およびトランシーバに対して衝撃が起こったか否かについての判定を使用して、第2媒体における分析物レベルを計算する動作とを含んでもよい。ある態様では、少なくとも1つ以上のセンサ測定値およびトランシーバに対して衝撃が起こったか否かについての判定を使用して、第2媒体における分析物レベルを計算する動作が、少なくともトランシーバに対して衝撃が起こったか否についての判定に基づいて、変換関数の1つ以上のパラメータを調節する動作と、調節した変換関数および1つ以上のセンサ測定値を使用して、第2媒体における分析物レベルを計算する動作とを含んでもよい。
【0012】
[0014] ある態様では、1つ以上の環境センサが温度センサを含んでもよく、1つ以上の環境測定値が、温度センサによって生成された1つ以上の温度測定値を含んでもよく、プロセッサは、少なくとも1つ以上のセンサ測定値および1つ以上の温度測定値を使用して、第2媒体における分析物レベルを計算するように構成されてもよい。ある態様では、少なくとも1つ以上のセンサ測定値および1つ以上の温度測定値を使用して第2媒体における分析物レベルを計算する動作が、1つ以上の温度測定値に基づいて1つ以上のセンサ測定値の内少なくとも1つのセンサ測定値を調節する動作と、調節したセンサ測定値を含む1つ以上のセンサ測定値を使用して、第2媒体における分析物レベルを計算する動作とを含んでもよい。
【0013】
[0015] ある態様では、トランシーバが、更に、1つ以上の環境測定値の内少なくとも1つ以上を使用して、1つ以上の環境センサの内1つ以上のサンプリング頻度を調節するように構成されてもよい。ある実施形態では、トランシーバが、更に、1つ以上の環境測定値の内少なくとも1つ以上を使用して、環境イベントが発生したか否か判定し、環境イベントが発生したことをトランシーバが判定した場合、トランシーバまたはディスプレイ・デバイスにその環境イベントを示すアイコンを表示させるように構成されてもよい。
【0014】
[0016] 本発明の他の態様では、分析物センサの1つ以上のセンサ素子を使用して、第1媒体における分析物レベルを示す1つ以上のセンサ測定値を生成するステップを含む方法を提供することができる。この方法は、分析物センサのトランシーバ・インターフェースを使用して、1つ以上のセンサ測定値を伝えるステップを含むことができる。この方法は、トランシーバのセンサ・インターフェースを使用して、分析物センサによって伝えられた1つ以上のセンサ測定値を受け取るステップを含むことができる。この方法は、トランシーバの1つ以上の環境センサを使用して、1つ以上の環境測定値を生成するステップを含むことができる。この方法は、トランシーバを使用して、少なくとも1つ以上のセンサ測定値および1つ以上の環境測定値を使用して、第2媒体における分析物レベルを計算するステップを含むことができる。
【0015】
[0017] ある態様では、1つ以上の環境センサが姿勢検出器を含んでもよく、1つ以上の環境測定値がトランシーバのユーザの姿勢を示す1つ以上の姿勢測定値を含んでもよく、トランシーバが、少なくとも1つ以上のセンサ測定値および1つ以上の姿勢測定値を使用して、第2媒体における分析物レベルを計算することもできる。ある態様では、姿勢検出器が加速度計およびバロメータを含んでもよく、1つ以上の姿勢測定値が1つ以上の加速度測定値および1つ以上の大気圧測定値を含んでもよく、少なくとも1つ以上のセンサ測定値および1つ以上の姿勢測定を使用して第2媒体における分析物レベルを計算する動作が、少なくとも1つ以上の姿勢測定値を使用して、トランシーバのユーザの姿勢を計算する動作と、少なくとも1つ以上のセンサ測定値および計算した姿勢を使用して、第2媒体における分析物レベルを計算する動作とを含んでもよい。ある態様では、少なくとも1つ以上のセンサ測定値および計算した姿勢を使用して、第2媒体における分析物レベルを計算する動作が、少なくとも計算した姿勢に基づいて変換関数の1つ以上のパラメータを調節する動作と、調節した変換関数および1つ以上のセンサ測定値を使用して、第2媒体における分析物レベルを計算する動作を含んでもよい。
【0016】
[0018] ある態様では、1つ以上の環境センサが圧力センサを含んでもよく、1つ以上の環境測定値がトランシーバ上における圧力を示す1つ以上の圧力測定値を含んでもよく、トランシーバが、少なくとも1つ以上のセンサ測定値および1つ以上の圧力測定値を使用して、第2媒体における分析物レベルを計算することもできる。ある態様では、少なくとも1つ以上のセンサ測定値および1つ以上の圧力測定値を使用して第2媒体における分析物レベルを計算する動作が、少なくとも1つ以上の圧力測定値に基づいて変換関数の1つ以上のパラメータを調節する動作と、調節した変換関数および1つ以上のセンサ測定値を使用して第2媒体における分析物レベルを計算する動作とを含んでもよい。
【0017】
[0019] ある態様では、1つ以上の環境センサが加速度計を含んでもよく、1つ以上の環境測定値が1つ以上の加速度測定値を含んでもよく、トランシーバが、少なくとも1つ以上のセンサ測定値および1つ以上の加速度測定値を使用して、第2媒体における分析物レベルを計算することもできる。ある態様では、少なくとも1つ以上のセンサ測定値および1つ以上の加速度測定値を使用して第2媒体における分析物レベルを計算する動作が、少なくとも1つ以上の加速度測定値を使用して、トランシーバに対して衝撃が起こったか否か判定する動作と、少なくとも1つ以上のセンサ測定値およびトランシーバに対して衝撃が起こったか否かについての判定を使用して、第2媒体における分析物レベルを計算する動作とを含んでもよい。ある態様では、少なくとも1つ以上のセンサ測定値およびトランシーバに対して衝撃が起こったか否かについての判定を使用して、第2媒体における分析物レベルを計算する動作が、少なくともトランシーバに対して衝撃が起こったか否についての判定に基づいて、変換関数の1つ以上のパラメータを調節する動作と、調節した変換関数および1つ以上のセンサ測定値を使用して、第2媒体における分析物レベルを計算する動作とを含んでもよい。
【0018】
[0020] ある態様では、1つ以上の環境センサが温度センサを含んでもよく、1つ以上の環境測定値が温度センサによって生成された1つ以上の温度測定値を含んでもよく、プロセッサが、少なくとも1つ以上のセンサ測定値および1つ以上の温度測定値を使用して、第2媒体における分析物レベルを計算するように構成されてもよい。ある態様では、少なくとも1つ以上のセンサ測定値および1つ以上の温度測定値を使用して第2媒体における分析物レベルを計算する動作が、1つ以上の温度測定値に基づいて1つ以上のセンサ測定値の内少なくとも1つのセンサ測定値を調節する動作と、調節したセンサ測定値を含む1つ以上のセンサ測定値を使用して、第2媒体における分析物レベルを計算する動作とを含んでもよい。
【0019】
[0021] ある態様では、前述の方法が、1つ以上の環境測定値の内少なくとも1つ以上を使用して、1つ以上の環境センサの内1つ以上のサンプリング頻度を調節するステップを含んでもよい。ある態様では、前述の方法が、1つ以上の環境測定値の内少なくとも1つ以上を使用して、環境イベントが発生したことを判定し、その環境イベントを示すアイコンを表示するステップを含んでもよい。
【0020】
[0022] 本発明の更に他の態様では、分析物センサとトランシーバとを含む分析物監視システムを提供することができる。分析物センサは、1つ以上のセンサ素子とトランシーバ・インターフェースとを含むことができる。1つ以上のセンサ素子は、第1媒体における分析物レベルを示すセンサ測定値を生成するように構成することができる。センサ素子は、センサ温度測定値を生成するように構成された温度変換器を含むことができる。センサ測定値は、センサ温度測定値を含むことができる。トランシーバ・インターフェースは、センサ測定値を伝えるように構成することができる。
【0021】
[0023] ある実施形態では、分析物センサが、更に、筐体と、センサ筐体の外面の少なくとも一部の上または内部にある(on or in)分析物指示薬とを含んでもよい。ある実施形態では、センサ温度測定値が、分析物センサの筐体内部における温度の測定値であってもよく、調節されたセンサ温度測定値が、分析物指示薬の温度の推定値であってもよい。ある実施形態では、調節されたセンサ温度測定値が、分析物センサの筐体内部における温度と、分析物指示薬の温度との間の遅延(lag)を考慮に入れることができる。
【0022】
[0024] ある実施形態では、センサ温度測定値を調節する動作が、少なくともセンサ温度測定値および分析物センサから以前に受け取った1つ以上のセンサ温度測定値を使用して、分析物センサの温度変化率を計算する動作を含んでもよい。ある実施形態では、少なくとも調節したセンサ温度測定値およびセンサ測定値の内1つ以上を使用して第2媒体における分析物レベルを計算する動作が、少なくとも調節したセンサ温度測定値およびセンサ測定値の内1つ以上を使用して、第1媒体における分析物レベルを計算し、少なくとも第1媒体において計算した分析物レベルを使用して、第2媒体における分析物レベルを計算する動作を含んでもよい。
【0023】
[0025] ある実施形態では、分析物監視システムが、更に、温度測定値を生成するように構成された温度センサを含んでもよく、プロセッサは、少なくとも温度センサによって生成された温度測定値を使用して、センサ温度測定値を調節するように構成されてもよい。ある実施形態では、トランシーバが温度センサを含んでもよい。ある実施形態では、調節されたセンサ温度測定値が、温度センサによって測定された温度と、分析物指示薬の温度との間における遅延を考慮に入れることができる。ある実施形態では、センサ温度測定値を調節する動作が、少なくとも温度センサによって生成された温度測定値および温度センサによって以前に生成された1つ以上の温度測定値を使用して、トランシーバの温度変化率を計算する動作を含んでもよい。ある実施形態では、センサ温度測定値を調節する動作が、少なくとも温度センサによって生成された温度測定値および計算した変換器の温度変化率を使用して、調節されたセンサ温度測定値を計算する動作を含んでもよい。ある実施形態では、センサ温度測定値を調節する動作が、少なくともセンサ温度測定値および分析物センサから以前に受け取った1つ以上のセンサ温度測定値を使用して、分析物センサの温度変化率を計算する動作を含んでもよく、調節したセンサ温度測定値を計算する動作が、少なくともセンサ温度測定値、計算した分析物センサの温度変化率、温度センサによって生成された温度測定値、および計算した変換器の温度変化率を使用してもよい。
【0024】
[0026] 本発明の更に他の態様では、分析物センサの1つ以上のセンサ素子を使用して、第1媒体における分析物レベルを示すセンサ測定値を生成するステップを含む方法を提供することができる。センサ素子は温度変換器を含んでもよく、センサ測定値は、温度変換器によって生成されたセンサ温度測定値を含んでもよい。この方法は、分析物センサのトランシーバ・インターフェースを使用して、センサ測定値を伝えるステップを含むことができる。この方法は、トランシーバのセンサ・インターフェースを使用して、分析物センサによって伝えられたセンサ測定値を受け取るステップを含むことができる。この方法は、トランシーバを使用してセンサ温度測定値を調節するステップを含むことができる。この方法は、トランシーバを使用して、少なくとも調節したセンサ温度測定値およびセンサ測定値の内1つ以上を使用して、第2媒体における分析物レベルを計算するステップを含むことができる。
【0025】
[0027] ある実施形態では、分析物センサが、更に、筐体と、センサ筐体の外面の少なくとも一部の上または内部にある分析物指示薬とを含んでもよく、センサ温度測定値が、分析物センサの筐体内部における温度の測定値であってもよく、調節されたセンサ温度測定値が、分析物指示薬の温度の推定値であってもよい。ある実施形態では、調節されたセンサ温度測定値が、分析物センサの筐体内部における温度と、分析物指示薬の温度との間の遅延を考慮に入れることができる。
【0026】
[0028] ある実施形態では、センサ温度測定値を調節するステップが、少なくともセンサ温度測定値および分析物センサから以前に受け取った1つ以上のセンサ温度測定値を使用して、分析物センサの温度変化率を計算するステップを含んでもよい。ある実施形態では、センサ温度測定値を調節するステップが、少なくともセンサ温度測定値および計算した分析物センサの温度変化率を使用して、調節したセンサ温度測定値を計算するステップを含んでもよい。ある実施形態では、少なくとも調節したセンサ温度測定値およびセンサ測定値の内1つ以上を使用して第2媒体における分析物レベルを計算するステップが、少なくとも調節したセンサ温度測定値およびセンサ測定値の内1つ以上を使用して、第1媒体における分析物レベルを計算するステップと、少なくとも第1媒体において計算した分析物レベルを使用して、第2媒体における分析物レベルを計算するステップとを含んでもよい。
【0027】
[0029] ある実施形態では、前述の方法が、更に、温度センサを使用して温度測定値を生成するステップを含んでもよく、プロセッサは、温度センサによって生成された少なくとも温度測定値を使用して、センサ温度測定値を調節するように構成される。ある実施形態では、調節されたセンサ温度測定値が、温度センサによって測定された温度と、分析物指示薬の温度との間における遅延を考慮に入れることができる。ある実施形態では、センサ温度測定値を調節するステップが、少なくとも温度センサによって生成された温度測定値および温度センサによって以前に生成された1つ以上の温度測定値を使用して、トランシーバの温度変化率を計算するステップを含んでもよい。ある実施形態では、センサ温度測定値を調節するステップが、少なくとも温度センサによって生成された温度測定値および計算した変換器の温度変化率を使用して、調節されたセンサ温度測定値を計算するステップを含んでもよい。ある実施形態では、センサ温度測定値を調節するステップが、少なくともセンサ温度測定値および分析物センサから以前に受け取った1つ以上のセンサ温度測定値を使用して、分析物センサの温度変化率を計算するステップを含んでもよく、調節されたセンサ温度測定値を計算するステップが、少なくともセンサ温度測定値、計算した分析物センサの温度変化率、温度センサによって生成された温度測定値、および計算した変換器の温度変化率を使用してもよい。
【0028】
[0030] 本システムおよび方法内に含まれる(encompassed)更に他の変形については、発明の詳細な説明において以下で説明する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
[0031] 添付図面は、本明細書に組み込まれその一部を形成するが、本発明の種々の非限定的な実施形態を例示する。図面において、同様の参照番号は同一のまたは機能的に同様の要素を示す。
図1A】本発明の態様を具体化する分析物監視システムを示す模式図である。
図1B】本発明の態様を具体化する分析物監視システムを示す模式図である。
図2】本発明の態様を具体化する分析物監視システムのセンサおよびトランシーバを示す模式図である。
図3】本発明の態様を具体化するトランシーバを示す模式図である。
図4】本発明の態様を具体化する分析物センサの外面上または内における分析物指示薬の温度と、分析物センサ内部の温度との間の時間遅延を示す模式図である。
図5A】本発明の態様を具体化する分析物センサの分析物指示薬の温度と、分析物センサ内部の温度との間の遅延の単一仕切モデルを示す模式図である。
図5B】本発明の態様を具体化する分析物センサの分析物指示薬の温度と、分析物センサ内部の温度との間の遅延の単一仕切モデルを示す模式図である。
図6】本発明の態様を具体化する分析物センサの分析物指示薬の温度と、分析物センサ内部の温度との間の遅延の多重仕切モデルを示す模式図である。
図7】本発明の態様を具体化する分析物レベル計算プロセスを示すフロー・チャートである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
[0039] 図1Aおよび図1Bは、本発明の態様を具体化する例示的な分析物監視システム120の模式図である。分析物監視システム120は、持続型分析物監視システム(例えば、持続型血糖値監視システム)としてもよい。ある実施形態では、図1Aおよび図1Bに示すように、システム120は、分析物センサ100、トランシーバ101、およびディスプレイ・デバイス102の内1つ以上を含むことができる。ある実施形態では、センサ100およびトランシーバ101は、以下の米国特許出願公開の内1つ以上に記載されている構造的および/または機能的特徴の内1つ以上を含んでもよい。
【0031】
米国特許出願公開第2013/0241745号、
米国特許出願公開第2013/0211213号、
米国特許出願公開第2014/0350359号、
米国特許出願公開第2014/0018644号、および
米国特許出願公開第2017/0119288号。これらをここで引用したことにより、その内容全体が本願にも含まれるものとする。
【0032】
[0040] ある実施形態では、図1Aに示すように、センサ100は、小型の完全皮下埋植可能なセンサであってもよく、生動物(例えば、生きている人間)の媒体(例えば、間質液)における分析物(例えば、グルコース、酸素、心臓マーカ、低比重リポタンパク質(LDL)、高比重リポタンパク質(HDL)、または中性脂肪)のレベルを測定する。しかしながら、これは必須ではなく、ある代替実施形態では、センサ100は部分的に埋植可能(例えば、経皮)センサまたは完全に外部のセンサであってもよい。ある実施形態では、トランシーバ101は、ハンドヘルドまたは身体装着式トランシーバ(例えば、アームバンド、リストバンド、ウエストバンド、または接着パッチによって接着する)であってもよい。ある実施形態では、図1Aに示すように、トランシーバ101は、離れてセンサに給電し、および/またはセンサと通信して、測定を開始し測定値を受信することができる(例えば、近場通信(NFC)によって)。しかしながら、これは必須ではなく、ある代替実施形態では、トランシーバ101が、1つ以上の優先接続を介して、センサ100に給電し、センサ100と通信してもよい。ある非限定的な実施形態では、トランシーバ101はスマートフォンであってもよい(例えば、NFC対応スマートフォン)。ある実施形態では、トランシーバ101が、情報(例えば、1つ以上の分析物レベル)をワイヤレスで(例えば、Bluetooth(商標)通信規格、例えば、そして限定ではなく、Bluetooth Low Energy等によって)、ディスプレイ・デバイス102(例えば、スマートフォン)上で実行するハンド・ヘルド・アプリケーションに伝達することができる。
【0033】
[0041] ある実施形態では、トランシーバ101は測定コマンド(即ち、測定情報を求める要求)をセンサ100に伝える(例えば、2分毎または五分毎というように周期的に、および/またはユーザの開始時に)ことができる。トランシーバ101がハンドヘルド・デバイスである実施形態では、センサ埋植部位(sensor implant site)(即ち、センサ100の近傍内)上の範囲内にトランシーバ101を位置付けると(即ち、空中に保持する、または振る(swiping)/揺する(waving)/通過させる(passing))、トランシーバ101に自動的に測定コマンドをセンサ100に伝えさせ、センサ100によって伝えられた1つ以上のセンサ測定値を受信させることができる。
【0034】
[0042] ある実施形態では、図1Bに示すように、分析物センサ100は、トランシーバ・インターフェース103を含むことができる。トランシーバ・インターフェース103は、トランシーバ101と通信するために分析物センサ100が使用することができる。トランシーバ101は、センサ・インターフェース104を含むことができ、センサ・インターフェース104は、分析物センサ100と通信するためにトランシーバ101が使用することができる。ある非限定的な実施形態では、トランシーバ・インターフェース103およびセンサ・インターフェース104は、各々、例えば、1つ以上のコイルのような、1つ以上の誘導性素子を含むことができる。ある実施形態では、トランシーバ101のセンサ・インターフェース104は、センサ100のトランシーバ・インターフェース103内に電流を誘導するために、電磁波または電気力学場(例えば、コイルを使用することによって)を生成することができる。ある非限定的な実施形態では、センサ100のトランシーバ・インターフェース103内に誘導される電流は、センサ100に給電するために使用することができる。ある実施形態では、センサ100のトランシーバ・インターフェース103内に誘導される電流は、加えてまたは代わりに、通信のために使用することができる。例えば、ある実施形態では、トランシーバ101は、センサ・インターフェース104を使用してデータ(例えば、コマンド)をセンサ100に伝えることができる。ある非限定的な実施形態では、トランシーバ101は、センサ・インターフェース104を使用し、センサ100に給電するために使用される電磁波を変調することによって、データを伝えることができる(例えば、トランシーバ101のセンサ・インターフェース104のコイルを通過する電流を変調することによって)。ある実施形態では、トランシーバ101のセンサ・インターフェース104によって生成された電磁波における変調は、センサ100によって(例えば、センサ100のトランシーバ・インターフェース103によって)検出/抽出することができる。更に、トランシーバ101は、センサ・インターフェース104を使用して、センサ100によって伝えられたセンサ・データ(例えば、1つ以上のセンサ測定値)を受信することができる。例えば、ある非限定的な実施形態では、トランシーバ101は、センサ100のトランシーバ・インターフェース103によって生成された電磁波における変調を検出することによって、例えば、トランシーバ101のセンサ・インターフェース104のコイルを通過する電流における変調を検出することによって、センサ・データを受信することができる。
【0035】
[0043] ある非限定的な実施形態では、図1Bに示すように、分析物センサ100は1つ以上のセンサ素子112を含んでもよい。ある非限定的な実施形態では、センサ素子112は分析物指示薬を含んでもよい。ある実施形態では、分析物指示薬は、1つ以上の検出可能な特性を有する、1つ以上の指示薬分子を含むことができる。検出可能な特性は、分析物指示薬に近接する分析物の量、レベル、または濃度に応じて変化する。
【0036】
[0044] ある実施形態では、センサ100は光センサであってもよい。しかしながら、これは必須ではなく、1つ以上の代替実施形態では、センサ100は、例えば、電気化学センサ、拡散センサ、または圧力センサのような、異なる型式の分析物センサであってもよい。また、ある実施形態では、分析物センサ100は完全に埋植可能なセンサであってもよいが、これは必須ではなく、ある代替実施形態では、センサ100は、トランシーバ101への有線接続を有する経皮センサであってもよい。例えば、ある代替実施形態では、センサ100が経皮ニードル内または経皮ニードル上に(例えば、その先端に)配置されてもよい。これらの実施形態では、トランシーバ・インターフェース103およびセンサ・インターフェース103を使用してワイヤレスで通信するセンサ100およびトランシーバ101の代わりに、トランシーバ・インターフェース103およびセンサ・インターフェース104が、センサ100とトランシーバ101との間で有線通信を可能にすればよい。ある非限定的な経皮型の実施形態では、トランシーバ101とセンサ100を含むトランシーバ経皮ニードルとの間に、1本以上のワイヤを接続してもよい。他の例をあげると、ある代替実施形態では、センサ100をカテーテル内(例えば、静脈内血糖監視用の)に配置することもでき、トランシーバ101と通信する(ワイヤレスでまたはワイヤを使用して)ことができる。
【0037】
[0045] ある実施形態では、図1Bに示すように、トランシーバ101が、1つ以上の環境測定値を生成するように構成された1つ以上の環境センサを含むことができる。ある実施形態では、1つ以上の環境センサは、(i)1つ以上の姿勢センサ110、(ii)1つ以上の圧力センサ111、(iii)1つ以上の衝撃センサ113、および(iv)1つ以上の温度センサ105の内1つ以上を含んでもよい。ある実施形態では、1つ以上の姿勢センサ110は、トランシーバ101のユーザの姿勢を示す1つ以上の姿勢測定値を生成することができる。ある実施形態では、1つ以上の姿勢センサ110は加速度計とバロメータとを含んでもよい。ある実施形態では、1つ以上の圧力センサ111は、トランシーバ101上の圧力(例えば、トランシーバ101のユーザがトランシーバ101上に横たわることによる)を示す1つ以上の圧力測定値を生成することができる。ある非限定的な実施形態では、1つ以上の圧力測定値は、どの位の圧力がトランシーバ101に加えられているか示すこともできる。ある代替実施形態では、1つ以上の圧力測定値が、単に、ユーザがトランシーバ101上に横たわっているか否かを示すのでもよい(例えば、はいまたはいいえ)。ある実施形態では、1つ以上の圧力センサ111は、1つ以上のボタン(例えば、ユーザが面するトランシーバ101の表面上にある1つ以上のボタン)を含んでもよい。ある実施形態では、1つ以上の衝撃センサ113が加速度計を含み、1つ以上の加速度測定値を生成してもよい。ある実施形態では、1つ以上の加速度測定値が、トランシーバ101に対して衝撃が発生したか否かを示すのでもよい。ある実施形態では、1つ以上の温度センサ105は、トランシーバ101の温度を示す1つ以上の温度測定値を生成することができる。
【0038】
[0046] ある実施形態では、トランシーバ101は、分析物センサ100によって伝えられた1つ以上の測定値を受信することができる。ある実施形態では、トランシーバ101は、分析物センサ100によって伝えられた少なくとも1つ以上の測定値を使用して、1つ以上の分析物レベルを計算することができる。ある実施形態では、トランシーバ101は、加えて、1つ以上の環境測定値を使用して、1つ以上の分析物レベルを計算することもできる。しかしながら、トランシーバ101自体が分析物レベルの計算を行うことは必須ではなく、ある代替実施形態では、トランシーバ101は、代わりに、センサ100によって伝えられ受信した測定情報を、分析物レベルの計算のために(例えば、ディスプレイ・デバイス102上で実行する移動体医療アプリケーションによる)他のデバイス(例えば、ディスプレイ・デバイス102)に伝える/中継するのでもよい。ある非限定的な実施形態では、分析物レベルの計算は、米国特許出願公開第2014/0018644号に記載されている1つ以上の特徴を含んでもよい。この特許出願をここで引用したことにより、その内容全体が本願にも含まれるものとする。
【0039】
[0047] ある実施形態では、トランシーバ101および/またはディスプレイ・デバイス102が、1つ以上の分析物レベルおよび/または1つ以上の環境測定値に基づいて、1つ以上のアラート、アラーム、または通知を生成するように構成することもできる。ある実施形態では、トランシーバ101およびディスプレイ・デバイス102の1つ以上が、アラート(alert)、アラーム(alarm)、および/または通知をユーザに伝達することもできる。ある実施形態では、アラート、アラーム、および/または通知は、性質上、見えるもの、聞き取れるもの、および/または振動によるものであってもよい。
【0040】
[0048] ある実施形態では、図1Bに示すように、トランシーバ101は、ディスプレイ・インターフェース106を含むこともできる。ディスプレイ・インターフェース106は、ディスプレイ・デバイス102と通信するためにトランシーバ101が使用することができる。ディスプレイ・デバイス102はトランシーバ・インターフェース107を含むことができ、ディスプレイ・インターフェース107は、トランシーバ101と通信するためにディスプレイ・デバイス102が使用することができる。ある実施形態では、ディスプレイ・インターフェース106およびトランシーバ・インターフェース107が、トランシーバ101とディスプレイ・デバイス102との間におけるワイヤレス通信を可能にするのでもよい。ある実施形態では、ディスプレイ・インターフェース106およびトランシーバ・インターフェース107は、1つ以上のワイヤレス・プロトコルを使用して通信することもできる。ある非限定的な実施形態では、ワイヤレス・プロトコルは、Bluetoothプロトコル(例えば、Bluetooth Low Energy(BLE)プロトコル)を含んでもよい。ある実施形態では、トランシーバ101は、ディスプレイ・インターフェース106を使用して、1つ以上の分析物測定値、1つ以上の分析物レベル、1つ以上のアラート、アラーム、または通知、および/または1つ以上の環境測定値をディスプレイ・デバイス102に伝達することができる。
【0041】
[0049] ある実施形態では、システム120は1つ以上のディスプレイを含んでもよい。例えば、ある実施形態では、図1Bに示すように、ディスプレイ・デバイス102は、1つ以上の分析物レベル、1つ以上のアラート、アラーム、または通知、および/または1つ以上の環境測定値を表示するように構成されたディスプレイ108を含んでもよい。ある実施形態では、トランシーバ101は、加えてまたは代わりに、1つ以上の分析物レベル、1つ以上のアラート、アラーム、または通知、および/または1つ以上の環境測定値を表示するように構成されたディスプレイを含んでもよい。
【0042】
[0050] ある実施形態では、図1Bに示すように、トランシーバ101は、情報(例えば、アラートおよび/または分析物レベル)を1つ以上のディスプレイ・デバイス102に伝えるように構成されたディスプレイ・インターフェース106を含んでもよい。ある実施形態では、ディスプレイ・デバイス102は、携帯用デバイスおよび/またはハンドヘルド・デバイスであってもよい。ある実施形態では、ディスプレイ・デバイス102はスマートフォンであってもよい。しかしながら、これは必須ではなく、ある代替実施形態では、ディスプレイ・デバイス102は、ラップトップ・コンピュータ、タブレット、ノートブック、パーソナル・データ・アシスタント(「PDA」)、パーソナル・コンピュータ、または専用分析物監視ディスプレイ・デバイスであってもよい。ある実施形態では、ディスプレイ・デバイス102は、トランシーバ・インターフェース107を含むこともできる。トランシーバ・インターフェース107は、有線またはワイヤレス接続を介して、トランシーバ101のディスプレイ・インターフェース106と通信するように構成することができる。ある実施形態では、ディスプレイ・デバイス102がプロセッサ109を含んでもよく、プロセッサ109は、ディスプレイ・デバイス102のメモリに格納されている移動体医療アプリケーションを実行するように構成することができる。
【0043】
[0051] 図2は、本発明のある実施形態による分析物監視システム120のセンサ100およびトランシーバ101の非限定的な例を示す模式図である。ある実施形態では、センサ100のセンサ素子112は、1つ以上の分析物指示薬206、1つ以上の光源208、1つ以上の光検出器224、226、1つ以上の温度変換器670、基板216、増幅器211、および/またはアナログ/ディジタル変換器(ADC)213を含むことができる。ある非限定的な実施形態では、図2に示すように、剛性で生物適合性があるとよいセンサ筐体202(即ち、本体、シェル、カプセル、または容器(encasement))にセンサ100を入れてもよい。ある実施形態では、分析物指示薬206は、例えば、そして限定ではなく、センサ筐体202の外面の少なくとも一部の上または内部に、ヒドロゲルまたはポリマー・グラフトで表面加工(coated)されても、拡散されても、接着されても、もしくは埋め込まれてもよい。ある実施形態では、センサ100の分析物指示薬206(例えば、ポリマー・グラフト)は、分析物指示薬206に近接する分析物の量または濃度に基づいて1つ以上の検出可能な特性(例えば、光学特性)を呈する指示薬分子204(例えば、蛍光指示薬分子)を含むのでもよい。
【0044】
[0052] ある実施形態では、図2に示すように、光源208は、指示薬分子204と相互作用する波長範囲で励起光329を放出することができる。ある実施形態では、光検出器224は、指示薬分子204によって放出された放出光331(例えば、蛍光光)に感応し、光検出器224が放出光331に応答して生成する信号は、指示薬分子104の放出光331のレベル、つまり、対象分析物(例えば、グルコース)の量を示すことができる。ある非限定的な実施形態では、光検出器226は、反射光333のような、分析物指示薬206から反射した励起光329に感応してもよい。ある非限定的な実施形態では、光検出器の内1つ以上が、光の波長の特定の部分集合のみ(例えば、放出光331に対応する波長の部分集合、または反射光333に対応する波長の部分集合)が通過することを許容し、残りの波長を反射する1つ以上のフィルタによって覆われてもよい。ある非限定的な実施形態では、温度変換器670は、センサ100の筐体202の内部温度を示す信号を出力することができる。ある非限定的な実施形態では、センサ100は、1つ以上の治療薬(例えば、抗炎症薬)を分散させた薬剤溶出ポリマー・マトリクスを含むこともできる。
【0045】
[0053] ある実施形態では、光検出器224、226および温度変換器670の内1つ以上の出力を増幅器211によって増幅することもできる。ある非限定的な実施形態では、増幅器211は比較器であってもよい。比較器は、光検出器224、226からのアナログ光測定信号を受け取り、受け取ったアナログ光測定信号間の差を示すアナログ光差測定信号を出力する。ある非限定的な実施形態では、増幅器211はトランスインピーダンス増幅器であってもよい。しかしながら、ある代替実施形態では、差動増幅器を使用してもよい。ある実施形態では、光検出器224、226、温度変換器670、および増幅器211の内1つ以上の出力を、アナログ/ディジタル変換器(ADC)213によってディジタル信号に変換することもできる。
【0046】
[0054] ある実施形態では、増幅器211の利得および光源108の駆動電流の内1つ以上は、品質管理プロセス中に初期設定することができる。ある実施形態では、増幅器211の利得および光源208の駆動電流の内1つ以上は、高ダイナミック・レンジを許容し、動作範囲内に変調信号を維持するように設定することもできる。ある実施形態では、光源208の駆動電流および増幅器211の利得の内1つ以上が何らかの変化(例えば、増加または減少)があると、それに応じて変調信号レベルも変化するのはもっともである。
【0047】
[0055] ある実施形態では、図2に示すように、センサ100は基板216を含むことができる。ある実施形態では、基板216は、回路部品(例えば、アナログおよび/またはディジタル回路部品)を実装することができ、または別の方法で取り付けることができる回路ボード(例えば、印刷回路ボード(PCB)または可撓性PCB)であってもよい。しかしながら、ある代替実施形態では、基板216は、回路が内部に製作されている半導体基板であってもよい。この回路はアナログおよび/またはディジタル回路を含むことができる。また、ある半導体基板の実施形態では、半導体基板内に製作された回路に加えて、半導体基板216に回路を実装することができ、または別の方法で取り付けることもできる。言い換えると、ある半導体基板の実施形態では、回路の一部または全部は、ディスクリート回路素子、集積回路(例えば、特定用途集積回路(ASIC))および/または他の電子部品(例えば、不揮発性メモリ)を含むことができ、半導体基板216内に製作することができ、回路の残りは、半導体基板216および/または送受信インターフェース103の誘導性素子のコア(例えば、フェライト・コア)に固着される。ある実施形態では、半導体基板216および/またはコアが種々の固着された部品の間に通信経路を設けることもできる。
【0048】
[0056] ある実施形態では、センサ筐体202、分析物指示薬206、指示薬分子204、光源208、光検出器224、226、温度変換器670、基板216、およびセンサ100のトランシーバ・インターフェース103の内1つ以上が、以下の特許出願の内1つ以上において記載されている特徴の一部または全部を含んでもよい。これらの特許をここで引用したことにより、それら全ての内容全体が本願にも含まれるものとする。
【0049】
2013年2月7日に出願された米国特許出願第13/761,839号、
2013年7月9日に出願された米国特許出願第13/937,871号、および
2012年10月11日に出願された米国特許出願第13/650,016号。
【0050】
同様に、センサ100および/またはトランシーバ101の構造および/または機能は、米国特許出願第13/761,839号、第13/937,871号、および第13/650,016号の内1つ以上において記載されている通りであってもよい。
【0051】
[0057] 図3は、非限定的な実施形態によるトランシーバ101の模式図である。ある実施形態では、図3に示すように、トランシーバ101は、例えば、そして限定ではなく、Micro-Universal Serial Bus(USB)コネクタのような、コネクタ902を有してもよい。ある実施形態では、コネクタ902は、パーソナル・コンピュータ(例えば、パーソナル・コンピュータ109)またはディスプレイ・デバイス102(例えば、スマートフォン)のような外部デバイスへの有線接続を可能にするのでもよい。
【0052】
[0058] ある実施形態では、トランシーバ101は、コネクタ902を介して、外部デバイスとの間でデータを交換することができ、および/またはコネクタ902を介して電力を受けることができる。トランシーバ101は、例えば、USB-ICのようなコネクタ集積回路(IC)904を含むこともでき、USB-ICはコネクタ902を介したデータの送信および受信を制御することができる。また、トランシーバ101は充電IC906も含むことができ、コネクタ902を介して電力を受け、バッテリ908(例えば、リチウム-ポリマー・バッテリ)を充電または再充電することができる。
【0053】
[0059] ある実施形態では、図3に示すように、トランシーバ101は、Micro-USBコネクタ902に加えて(またはその代わりとして)1つ以上のコネクタを含むこともできる。例えば、一代替実施形態では、トランシーバ101が、Micro-USBコネクタ902に加えて(またはその代わりとして)ばねを用いたコネクタ(例えば、Pogoピン・コネクタ)を含んでもよく、トランシーバ101は、このばねを用いたコネクタを介して確立された接続を、パーソナル・コンピュータ(例えば、パーソナル・コンピュータ109)またはディスプレイ・デバイス102(例えば、スマートフォン)への有線通信のため、および/または電力を受けるために使用することができ、この電力は、例えば、バッテリ908を充電するために使用することができる。
【0054】
[0060] ある実施形態では、図3に示すように、トランシーバ101は、ワイヤレス通信用IC910を有することができる。ワイヤレス通信用IC910は、例えば、1つ以上のパーソナル・コンピュータ(例えば、パーソナル・コンピュータ109)または1つ以上のディスプレイ・デバイス102(例えば、スマートフォン)のような、外部デバイスとのワイヤレス通信を可能にする。非限定的な一実施形態では、ワイヤレス通信用IC910は、データをワイヤレスで送信するために、1つ以上のワイヤレス通信規格を採用すればよい。採用されるワイヤレス通信規格は、ANT規格、Bluetooth規格、またはBluetooth Low Energy(BLE)規格(例えば、BLE4.0)のような、任意の適したワイヤレス通信規格でよい。ある非限定的な実施形態では、ワイヤレス通信用IC910は、1ギガヘルツよりも高い周波数(例えば、2.4または5GHz)でデータをワイヤレスで送信するように構成することもできる。ある実施形態では、ワイヤレス通信用IC910はアンテナ(例えば、Bluetoothアンテナ)を含むこともできる。ある非限定的な実施形態では、ワイヤレス通信用IC910のアンテナは、トランシーバ101の筐体(例えば、筐体206および220)内に全体的に内蔵されてもよい。しかしながら、これは必須ではなく、代替実施形態では、ワイヤレス通信用IC910のアンテナの全部または一部がトランシーバ筐体の外部に出てもよい。
【0055】
[0061] ある実施形態では、図1Bに示すように、トランシーバ101はディスプレイ・インターフェース106を含むこともできる。ディスプレイ・インターフェース106は、トランシーバ101による1つ以上のディスプレイ・デバイス102との通信を可能にするのであればよい。ある実施形態では、ディスプレイ・インターフェース106は、図3に示すワイヤレス通信用IC910のアンテナおよび/またはコネクタ902を含んでもよい。ある非限定的な実施形態では、ディスプレイ・インターフェース106は、加えて、図3に示すワイヤレス通信用IC910および/またはコネクタIC904を含んでもよい。
【0056】
[0062] ある実施形態では、図3に示すように、トランシーバ101は、電圧レギュレータ912および/または電圧ブースタ914を含むこともできる。バッテリ908は、無線周波数識別(RFID)リーダIC916に電力を(電圧ブースタ914を介して)供給することができ、無線周波数識別(RFID)リーダIC916は、誘導性素子919を使用して情報(例えば、コマンド)をセンサ101に伝え、センサ100から情報(例えば、測定情報)を受け取ることができる。ある非限定的な実施形態では、センサ100およびトランシーバ101は、近場通信(NFC)を使用して(例えば、13.56MHzの周波数で)通信してもよい。図示する実施形態では、誘導性素子919はフラット・アンテナを含むことができる。ある非限定的な実施形態では、アンテナは可撓性でもよい。しかしながら、トランシーバ101の誘導性素子919は、センサ100の誘導性素子に対して適当な物理的近接域内に持ち込まれると、適正な磁場強度を達成することを可能にするのであれば、いずれの構成でもよい。ある実施形態では、トランシーバ101は、誘導性素子919によってセンサ100に伝えられる信号を増幅するために、電力増幅器918を含むこともできる。
【0057】
[0063] ある実施形態では、図3に示すように、トランシーバ101は、周辺インターフェース・コントローラ(PIC)マイクロコントローラ920とメモリ922(例えば、フラッシュ・メモリ)とを含むことができる。メモリ922は、不揮発性であっても、および/または電子的に消去および/または再書き込みができるのでもよい。PICマイクロコントローラ920は、トランシーバ101の動作全体を制御することができる。例えば、PICマイクロコントローラ920は、コネクタIC904またはワイヤレス通信用IC910を制御して、有線またはワイヤレス通信によってデータを送信し、および/またはRFIDリーダIC916を制御して、誘導性素子919によってデータを伝えることができる。また、PICマイクロコントローラ920は、誘導性素子919、コネクタ902、またはワイヤレス通信用IC910を介して受け取ったデータの処理を制御することもできる。
【0058】
[0064] ある実施形態では、図1Bに示すように、トランシーバ101はセンサ・インターフェース104を含むこともできる。センサ・インターフェース104は、トランシーバ101とセンサ100との間における通信を可能にするのであればよい。ある実施形態では、センサ・インターフェース104は、図3に示す誘導性素子919を含んでもよい。ある非限定的な実施形態では、センサ・インターフェース104は、加えて、図3に示すRFIDリーダIC916および/または電力増幅器918も含んでもよい。しかしながら、センサ100とトランシーバ101との間に有線接続が存在する代替実施形態では(例えば、経皮型の実施形態)、センサ・インターフェース104は有線接続を含んでもよい。
【0059】
[0065] ある実施形態では、図3に示すように、トランシーバ101は、ディスプレイ924(例えば、液晶ディスプレイおよび/または1つ以上の発光ダイオード)を含むことができ、PICマイクロコントローラ920がこのディスプレイ924を制御して、データ(例えば、分析物レベル)を表示することができる。ある実施形態では、トランシーバ101はスピーカ926(例えば、ビーパー(beeper))および/または振動モータ928を含むこともでき、例えば、アラーム条件(例えば、低血糖または高血糖状態の検出)が満たされる場合、これらを有効化することができる。
【0060】
[0066] ある実施形態では、図3に示すように、トランシーバ101は1つ以上の環境センサ930を含むことができる。ある実施形態では、環境センサ930は、図1Bに示す、1つ以上の姿勢センサ110、圧力センサ111、衝撃センサ113、および温度センサ105を含むことができる。
【0061】
[0067] ある実施形態では、トランシーバ101は、再充電可能で、センサ埋植または挿入部位上に装着される外部デバイスである、身体装着式トランシーバであってもよい。トランシーバ101は、電力を近接センサ100に供給し、センサ100から受け取ったデータから分析物レベルを計算し、および/または計算した分析物レベルをディスプレイ・デバイス102(図1Aおよび図1B参照)に送信することができる。誘導性リンク(例えば、13.56MHzの誘導性リンク)を介して、センサ100に電力を供給することができる。ある実施形態では、接着パッチまたは特別に設計されたストラップもしくはベルトを使用して、トランシーバ101を配置してもよい。外部トランシーバ101は、測定された分析物データを皮下センサ100(例えば、2cm以上の深さまで)から読み取ることができる。トランシーバ101は、周期的に(例えば、2、5、または10分毎に)センサ・データを読み取り、分析物レベルおよび分析物レベルのトレンドを計算することができる。この情報から、トランシーバ101は、アラートおよび/またはアラーム状態が存在するか否か判定することができ、(例えば、振動モータ928による振動および/またトランシーバのディスプレイ924のLEDおよび/またはディスプレイ・デバイス102のディスプレイ108を介して)ユーザに通知することができる。トランシーバ101からの情報(例えば、計算した分析物レベル、計算した分析物レベルのトレンド、アラート、アラーム、および/または通知)は、ディスプレイ・デバイス102によって実行されている移動体医療アプリケーション(MMA)による表示のために、ディスプレイ・デバイス102に送信することができる(例えば、高度暗号化標準(AES)-逆CBC-MAC(CCM)暗号化を用いた暗号化Bluetooth Low Energyによって)。ある非限定的な実施形態では、MMAは、トランシーバ101から任意のアラート、アラーム、および/または通知を受信することに加えて、アラーム、アラート、および/または通知を供給することができる。一実施形態では、MMAは、このような通知を供給するように構成することもできる。
【0062】
[0068] ある実施形態では、分析物監視システム120のトランシーバ101は、分析物センサ100に近接する第1媒体(例えば、間質液(「ISF」)における分析物の量、レベル、または濃度を示す1つ以上のセンサ測定値を受信することができる。ある実施形態では、トランシーバ101は、周期的に(例えば、1、2、5、10、15、または20分毎に)、センサ100によって伝えられるセンサ測定値を受信することができる。ある実施形態では、1つ以上のセンサ測定値は、例えば、そして限定ではなく、(i)センサ素子112の指示薬分子からの放出光量を示す1つ以上の測定値(例えば、センサ素子112の1つ以上の光検出器によって測定される)、(ii)基準光の量を示す1つ以上の測定値(例えば、センサ素子112の1つ以上の光検出器によって測定される)、および(iii)1つ以上の温度測定値(例えば、センサ素子112の1つ以上の温度変換器670によって測定される)の内1つ以上を含むのでもよい。ある実施形態では、トランシーバ101は、受信したセンサ測定値を使用して、第1媒体の分析物レベル(例えば、ISF分析物レベル)を計算することができる。
【0063】
[0069] ある実施形態では、トランシーバ101は、計算した第1媒体分析物レベルおよび少なくとも1つ以上の以前に計算した第1媒体分析物レベルを使用して、第1媒体分析物レベルの変化率(「M1_ROC」)を計算することができる。ある非限定的な実施形態では、M1_ROCを計算するために、トランシーバ101は、丁度計算したばかりの第1媒体分析物レベルおよび以前に計算したものの内最新の(most recent previously calculated)第1媒体分析物レベルを使用し、計算した第1媒体分析物レベルと、以前に計算した第1媒体分析物レベルの内最新のものとの差を、計算した第1媒体分析レベルのタイム・スタップと、以前に計算した第1媒体分析物レベルの内最新のもののタイム・スタンプとの間の時間差で除算した値として、M1_ROCを判定することができる。ある代替実施形態では、M1_ROCを計算するために、トランシーバ101は、計算した第1媒体分析物レベルおよび以前に計算した第1媒体分析物レベルの内複数の最新のものを使用してもよい。ある非限定的な実施形態では、以前に計算した第1媒体分析物レベルの内複数の最新のものは、例えば、そして限定ではなく、以前に計算した媒体分析物レベルの内直前の2つ、計算した第1媒体分析物レベルの内直前の20個、または以前に計算した第1媒体分析物レベルの内これらの間の任意の数(例えば、計算した第1媒体分析物レベルの内直前の5つ)であってもよい。他の代替実施形態では、M1_ROCを計算するために、トランシーバ101は、計算した第1媒体分析物レベルおよびある時間期間の間に計算された、以前に計算した第1媒体分析物レベルを使用してもよい。ある非限定的な実施形態では、この時間期間は、例えば、そして限定ではなく、最後の1分、最後の60分、またはこれらの間の任意の時間量(例えば、最後の25分)であってもよい。トランシーバ101が計算した第1媒体分析物レベルおよび1つよりも多い以前に計算した第1媒体分析物レベルを使用してM1_ROCを計算する実施形態では、トランシーバ101は、例えば、線形または非線形回帰を使用してM1_ROCを計算することもできる。
【0064】
[0070] ある実施形態では、トランシーバ101は、遅延補償(lag compensation)を実行することによって、計算した第1媒体分析物レベルを、第2媒体分析物レベル(例えば、血中分析物レベル)に変換することができる。遅延補償は、第2媒体分析物レベルと第1媒体分析物レベルとの間の時間遅延(例えば、血中分析物レベルとISF分析物レベルとの間の時間遅延)を補償する。ある実施形態では、トランシーバ101は、少なくとも計算した第1媒体分析物レベルおよび計算したM1_ROCを使用して、第2媒体分析物レベルを計算することができる。ある非限定的な実施形態では、トランシーバ101は、第2媒体分析物レベルを、M1_ROC/p+(1+p/p)×M1_analyteとして計算することもできる。ここで、pは分析物拡散速度、pは分析物消費速度、そしてM1_analyteは計算した第1媒体分析物レベルである。
【0065】
[0071] ある実施形態では、1つ以上の環境要因が、第2媒体分析物レベルと第1媒体分析物レベルとの間の遅延に影響をおよぼす可能性がある。例えば、そして限定ではなく、1つ以上の環境要因は、(i)センサ100に近接するユーザの血流、および/または(ii)第2媒体(例えば、血液)からセンサ100に近接する第1媒体(例えば、間質液)への分析物の転送(transfer)に影響をおよぼす可能性がある。環境要因は、例えば、そして限定ではなく、ユーザの姿勢、検知領域上の圧力、検知領域に対する衝撃、および検知領域における温度変化を含むことができる。ある実施形態では、分析物監視システム120は、1つ以上の環境要因を示す1つ以上の環境測定値を使用して、第2媒体分析物レベルの計算を改善することができる。ある非限定的な実施形態では、分析物監視システム120は、1つ以上の環境要因を示す1つ以上の環境測定値を使用して、第1分析物媒体レベルから第2媒体分析物レベルへの変換を改善することができる。
【0066】
[0072] ある実施形態では、トランシーバ101は、分析物センサ100から受信した1つ以上のセンサ測定値と、1つ以上の環境測定値(例えば、1つ以上の環境センサ930によって生成された1つ以上の環境測定値)とを使用して、第2媒体分析物レベルを計算することができる。ある非限定的な実施形態では、トランシーバ101は、1つ以上の環境センサ930によって生成された1つ以上の環境測定値に基づいて、第2媒体分析物レベルを計算するために使用される変換関数を調節することができる。ある非限定的な実施形態では、トランシーバ101は、変換関数の1つ以上のパラメータ(例えば、分析物拡散速度および分析物消費速度パラメータの内1つ以上)を調節することによって、変換関数を調節することができる。ある非限定的な実施形態では、トランシーバ101は、第2媒体分析物レベルをM1_ROC/p+(1+p/p)×M1_analyteとして計算する変換関数におけるpおよびp(または1/pおよびp/pの内1つ以上)を調節することもできる。ある代替実施形態では、トランシーバ101は、1つ以上の環境センサ930によって生成された1つ以上の環境測定値に基づいて、複数の変換関数から1つを選択することもできる。
【0067】
[0073] ある実施形態では、ユーザの姿勢(例えば、ユーザが横たわっているか、着座しているか、または起立しているか)が、(i)センサ100に近接するユーザの血流、および/または(ii)第2媒体(例えば、血液)からセンサ100に近接する第1媒体(例えば、間質液)への分析物の転送に影響をおよぼす可能性がある。ある実施形態では、トランシーバ101は、分析物センサ100から受信した少なくとも1つ以上のセンサ測定値および姿勢センサ110によって生成された1つ以上の姿勢測定値を使用して、第2媒体分析物レベル(例えば、血中分析物レベル)を計算することができる。ある非限定的な実施形態では、トランシーバ101は、姿勢センサ110によって生成された1つ以上の姿勢測定値を使用して、トランシーバ101のユーザの姿勢を計算することができる。ある非限定的な実施形態では、トランシーバ101は、分析物センサ100から受信した少なくとも1つ以上のセンサ測定値および計算した姿勢を使用して、第2媒体分析物レベルを計算することができる。ある非限定的な実施形態では、トランシーバ101は、少なくとも計算した姿勢に基づいて、変換関数の1つ以上のパラメータ(例えば、分析物拡散速度)を調節し、調節した変換関数および分析物センサ100から受信した1つ以上のセンサ測定値を使用して、第2媒体分析物レベルを計算することができる。ある非限定的な代替実施形態では、トランシーバ101は、計算した姿勢に基づいて複数の変換関数から1つを選択し、選択した変換関数および分析物センサ100から受信した1つ以上のセンサ測定値を使用して、第2媒体における分析物レベルを計算することができる。
【0068】
[0074] ある非限定的な実施形態では、トランシーバ101は、加えてまたは代わりに、計算した姿勢に基づいて、1つ以上のセンサのサンプリング頻度(例えば、1つ以上の姿勢センサ110、1つ以上の圧力センサ111、1つ以上の衝撃センサ113、および/または1つ以上の温度センサ105が測定値を生成する頻度)を変更することができる。ある非限定的な実施形態では、計算した姿勢に基づいて、トランシーバ101は、加えてまたは代わりに、トランシーバ101およびディスプレイ・デバイス102の内1つ以上に、環境イベントを示す1つ以上のアイコン(例えば、トランシーバ101のユーザの姿勢を示すアイコン)を表示させることができる。
【0069】
[0075] ある実施形態では、センサ100に近接するユーザの身体にかかる圧力(例えば、ユーザがセンサ100上に横たわっているか、またはセンサ100の周りにきつい衣服を着ているか)は、(i)センサ100に近接するユーザの血流、および/または(ii)第2媒体(例えば、血液)からセンサ100に近接する第1媒体(例えば、間質液)への分析物の転送に影響をおよぼす可能性がある。ある実施形態では、トランシーバ101は、分析物センサ100から受信した少なくとも1つ以上のセンサ測定値および圧力センサ111によって生成された1つ以上の圧力測定値を使用して、第2媒体分析物レベル(例えば、血中分析物レベル)を計算することができる。ある非限定的な実施形態では、トランシーバ101は、少なくとも1つ以上の圧力測定値に基づいて変換関数の1つ以上のパラメータ(例えば、分析物拡散速度)を調節し、調節した変換関数および分析物センサ100から受信した1つ以上のセンサ測定値を使用して、第2媒体分析物レベルを計算することができる。ある非限定的な実施形態では、トランシーバ101は、1つ以上の圧力測定値に基づいて複数の変換関数から1つを選択し、選択した変換関数および分析物センサ100から受信した1つ以上のセンサ測定値を使用して、第2媒体分析物レベルを計算することができる。
【0070】
[0076] ある非限定的な実施形態では、トランシーバ101は、加えてまたは代わりに、1つ以上の圧力測定値に基づいて、1つ以上のセンサのサンプリング頻度(例えば、1つ以上の姿勢センサ110、1つ以上の圧力センサ111、1つ以上の衝撃センサ113、および/または1つ以上の温度センサ105が測定値を生成する頻度)を変更することができる。ある非限定的な実施形態では、1つ以上の圧力測定値に基づいて、トランシーバ101は、加えてまたは代わりに、トランシーバ101およびディスプレイ・デバイス102の1つ以上に、環境イベントを示す1つ以上のアイコン(例えば、センサ100に近接するユーザの身体にかかる圧力を示すアイコン)を表示させることができる。
【0071】
[0077] ある実施形態では、センサ100に近接するあざ(bruising)および/または血液(例えば、ユーザの身体に対する衝撃または衝突(impact)による)が、(i)センサ100に近接するユーザの血流、および/または(ii)第2媒体(例えば、血液)からセンサ100に近接する第1媒体(例えば、間質液)への分析物の転送に影響をおよぼす可能性がある。ある実施形態では、トランシーバ101は、分析物センサ100から受信した少なくとも1つ以上のセンサ測定値および衝撃センサ113によって生成された1つ以上の加速度測定値を使用して、第2媒体分析物レベル(例えば、血中分析物レベル)を計算することができる。ある非限定的な実施形態では、トランシーバ101は、衝撃センサ113によって生成された1つ以上の加速度測定値を使用して、トランシーバ101に対する衝撃が発生したか否か判定することができる。ある非限定的な実施形態では、トランシーバ101は、分析物センサ100から受信した少なくとも1つ以上のセンサ測定値およびトランシーバ101に対する衝撃が発生したか否かの判定を使用して、第2媒体分析物レベルを計算することができる。ある非限定的な実施形態では、トランシーバ101は、少なくとも衝撃の判定に基づいて変換関数の1つ以上のパラメータ(例えば、分析物拡散速度)を調節し、調節した変換関数および分析物センサ100から受信した1つ以上のセンサ測定値を使用して、第2媒体分析物レベルを計算することができる。ある非限定的な代替実施形態では、トランシーバ101は、衝撃の判定に基づいて複数の変換関数から1つを選択し、選択した変換関数および分析物センサ100から受信した1つ以上のセンサ測定値を使用して、第2媒体分析物レベルを計算することができる。
【0072】
[0078] ある非限定的な実施形態では、トランシーバ101は、加えてまたは代わりに、衝撃の判定に基づいて、1つ以上のセンサのサンプリング頻度(例えば、1つ以上の姿勢センサ110、1つ以上の圧力センサ111、1つ以上の衝撃センサ113、および/または1つ以上の温度センサ105が測定値を生成する頻度)を変更することができる。ある非限定的な実施形態では、衝撃判定に基づいて、トランシーバ101は、加えてまたは代わりに、トランシーバ101およびディスプレイ102の内1つ以上に、環境イベントを示す1つ以上のアイコン(例えば、ユーザに身体に対する衝撃または衝突を示すアイコン)を表示させることができる。
【0073】
[0079] ある非限定的な実施形態では、トランシーバ101は、加えてまたは代わりに、受信したセンサ測定値(例えば、受信したセンサ測定値の内1つ以上の温度測定値)の1つ以上の調節することができる。例えば、そして限定ではなく、トランシーバ101は、受信したセンサ測定値の内1つ以上の温度測定値を調節することができる。ある実施形態では、温度測定値は、センサ100の外面上にあるとしてよい分析物指示薬206の温度ではなく、センサ100内部の温度(例えば、センサ100の温度変換器670によって測定された基板216の温度)を反映することができる。ある実施形態では、図4に示すように、センサ100内部の温度は分析物指示薬206の温度よりも遅れる可能性があるので、トランシーバ101は1つ以上の温度測定値を調節することができる。
【0074】
[0080] ある実施形態では、図4に示すように、埋植されたセンサ100の分析物指示薬206は、皮下組織480と接触することができ、皮下組織480の間質液が分析物指示薬206に浸透することができる。したがって、分析物指示薬206の温度は、センサ100に近接する皮下組織480の温度に対応するとしてよい。ある非限定的な実施形態では、分析物指示薬206の温度とセンサ100内部の温度との間の時間遅延(温度変換器670によって測定される)は、センサ本体の材料の熱特性(例えば、熱伝導性)によるとしてよい。その結果、分析物指示薬206の温度が変化したときに、分析物センサ100のセンサ素子112の1つ以上の温度変換器670によって取り込まれる温度測定値に変化が反映される前に、遅延が生ずる可能性がある。ある実施形態では、分析物監視システム120(例えば、システム120のトランシーバ101)は、分析物レベル(例えば、分析物濃度)の計算において、センサ100から受信した1つ以上の温度測定値を使用することがある。このため、測定された温度と分析物指示薬206の温度との間の遅延が、計算される分析物レベルの精度に悪影響を与えるおそれがある。
【0075】
[0081] ある実施形態では、トランシーバ101は、分析物センサ100から受信した1つ以上の温度測定値を調節し、測定された温度と分析物指示薬206の温度との間の時間遅延を補償することができる。ある実施形態では、トランシーバ101は、センサ100内部の温度の測定値の代わりに、分析物指示薬206の温度の推定値となるように、1つ以上の受信した温度測定値を調節することができる。ある非限定的な実施形態では、トランシーバ101は、調節した温度測定値を使用して、1つ以上の分析物レベル(例えば、1つ以上の第1媒体分析物レベルおよび/または1つ以上の第2媒体分析物レベル)を計算することができる。
【0076】
[0082] ある非限定的な実施形態では、トランシーバ101は単一仕切モデルを使用して、分析物指示薬206の温度を推定することができる。図5Aおよび図5Bは、分析物指示薬206に近接する皮下組織480における間質液の温度を推定するための単一仕切モデルの例を示す。単一仕切モデル、dT/dt=TSub/τ-T/τにおいて、TSubは皮下組織480の温度であり、Tはセンサ100の温度であり、τは皮下組織480とセンサ100との間の速度定数であり、dT/dtは、時間に関するセンサ100の温度の導関数である。この式に基づくと、TSub=τ×dT/dt+Tとなる。ある非限定的な実施形態では、τは、例えば、そして限定ではなく、センサ100の電子包材に対して、ミリ秒から分の範囲に及ぶことができる。
【0077】
[0083] ある実施形態では、トランシーバ101はセンサ100から温度測定値を受信することができる。ある実施形態では、トランシーバ101は、少なくとも受信した温度測定値および1つ以上の以前の温度測定値を使用して、センサ100の温度変化率(T_ROC)を計算することができる。ある非限定的な実施形態では、T_ROCを計算するために、トランシーバ101は、丁度計受信した温度測定値、および以前に受信した温度測定値の内最新のものを使用し、受信した温度測定値と以前に受信した温度測定値の内最新のものとの間の差を、受信した温度測定値と関連付けられたタイム・スタンプと、以前に受信した温度測定値の内最新のものと関連付けられたタイム・スタンプとの間の時間差で除算した値として、T_ROSを判定することができる。ある代替実施形態では、T_ROCを計算するために、トランシーバ101は、受信した温度測定値および以前に受信した温度測定値の内複数の最新のものを使用することもできる。ある非限定的な実施形態では、以前に受信した温度測定値の内複数の最新のものは、例えば、そして限定ではなく、直前の2つの受信した温度測定値、直前の20個の受信した温度測定値、または以前に計算され受信された温度測定値(calculated received temperature measurements)の内これらの値の間の任意の数(例えば、受信した温度測定値の内直前の5つ)であってもよい。他の代替実施形態では、T_ROCを計算するために、トランシーバ101は、受信した温度測定値およびある時間期間中に受信された以前の温度測定値を使用することもできる。ある非限定的な実施形態では、この時間期間は、例えば、そして限定ではなく、最後の1分、最後の60分、またはこれらの間の任意の量(例えば、最後の25分)であってもよい。トランシーバ101が受信した温度測定値および1つよりも多い以前に受信した温度測定値を使用してT_ROSを計算する実施形態では、トランシーバ101は、例えば、線形または非線形回帰を使用してT_ROCを計算することもできる。
【0078】
[0084] ある非限定的な実施形態では、トランシーバ101は、少なくとも受信した温度測定値および計算したセンサ100の温度変化率(T_ROC)を使用して、分析物指示薬206の推定温度を計算することができる。ある実施形態では、皮下組織480の間質液は分析物指示薬206に浸透するので、トランシーバ101は、分析物指示薬206の温度を、皮下組織の温度480(TSub)に等しいものとして扱い、皮下組織480の温度(TSub)についての先の式を使用して、分析物指示薬206の推定温度を計算することができる。ある実施形態では、トランシーバ101は、受信した温度測定値および計算したセンサ100の温度変化率(T_ROC)を、それぞれ、センサ100の温度(T)および時間に関するセンサ100の温度の導関数(dT/dt)として、皮下組織の温度480(TSub)についての先の式において使用することができる。ある実施形態では、トランシーバ101は、分析物指示薬206の推定温度を(受信した温度測定値の代わりに)使用して、第2媒体分析物レベル(例えば、血中分析物レベル)を計算することができる。ある非限定的な実施形態では、トランシーバ101は、分析物指示薬206の推定温度を(受信した温度測定値の代わりに)使用して、第2媒体分析物レベル(例えば、血中分析物レベル)を計算することができる。ある非限定的な実施形態では、トランシーバ101は、分析物指示薬206の推定温度を(受信した温度測定値の代わりに)使用して、第1媒体分析物レベル(例えば、ISF分析物レベル)を計算することができ、第1媒体分析物レベルは、第2媒体分析物レベルを計算するために使用することができる。
【0079】
[0085] ある非限定的な代替実施形態では、トランシーバ101は、多重仕切モデルを使用して、分析物指示薬206の温度を推定することができる。図6は、分析物指示薬206に近接する皮下組織480において間質液の温度を推定するための多重仕切モデルの例を示す。ある実施形態では、図6に示すように、センサ100を皮下層(hypodermis)即ち皮下組織480に埋植することができる。これは、核の上で、真皮および表皮の下にある。
【0080】
[0086] ある実施形態では、トランシーバ101の1つ以上の温度センサ105は、分析物センサ100のセンサ素子112の1つ以上の温度変換器670の前に、温度変化を検出することができる。例えば、そして限定ではなく、ユーザが氷浴または温水浴槽に入ると、トランシーバ101の1つ以上の温度センサ105が、分析物センサ100のセンサ素子112の1つ以上の温度変換器670の前に、結果的に生じる温度変化を検出することができる。ある実施形態では、トランシーバ101は、トランシーバ101の1つ以上の温度センサ105によって生成された1つ以上の温度測定値を使用して、センサ100に近接する皮下組織480における間質液の変化を予測することができる。ある実施形態では、トランシーバ101は、トランシーバ101の1つ以上の温度センサ105によって生成された1つ以上の温度測定値を使用して、分析物センサ100のセンサ素子112の1つ以上の温度変換器670によって生成された1つ以上の温度測定値を調節することができる。ある実施形態では、調節は、(i)センサ100の分析物指示薬206に浸透する皮下組織480の間質液の温度変化と(ii)センサ100の温度変化との間の遅延を考慮することができる。ある実施形態では、調節された温度測定値は、調節されていない温度測定値よりも精度高く、センサ100の分析物指示薬206の温度を反映することができる。ある実施形態では、トランシーバ101は、1つ以上の調節した温度測定値を(センサ100によって伝えられた元の温度測定値の代わりに)使用して、第2媒体分析物レベル(例えば、血中分析物レベル)を計算することができる。ある非限定的な実施形態では、トランシーバ101は、1つ以上の調節した温度測定値を(センサ100によって伝えられた元の温度測定値の代わりに)使用して、第1媒体分析物レベル(例えば、ISF分析物レベル)を計算することができ、第1媒体分析物レベルは、第2分析物レベルを計算するために使用することができる。
【0081】
[0087] ある実施形態では、トランシーバ101は、センサ100によって伝えられた温度測定値を受信することができる。ある実施形態では、トランシーバ101は、少なくとも受信した温度測定値および以前にセンサ100から受信した1つ以上の温度測定値を使用して、センサ100の温度変化率(T_ROC)を計算することができる。ある実施形態では、トランシーバ101は、少なくとも温度センサ105によって生成された温度測定値(例えば、トランシーバ101の)および温度センサ105によって以前に生成された1つ以上の温度測定値を使用して、トランシーバ101の温度変化率(T_ROC)を計算することができる。ある非限定的な実施形態では、T_ROCは、T_ROCを計算するために使用することができる方法のいずれかと同様に計算することができる。ある非限定的な実施形態では、トランシーバ101は、少なくともセンサ100から受信した温度測定値、計算したセンサ100の温度変化率(T_ROC)、温度センサ105によって生成された温度測定値、および計算したトランシーバ101の温度変化率(T_ROC)を使用して、分析物指示薬206の推定温度を計算することができる。ある実施形態では、トランシーバ101は、分析物指示薬206の推定温度を(センサ100から受信した温度測定値の代わりに)使用して、第2媒体分析物レベル(例えば、血中分析物レベル)を計算することができる。ある非限定的な実施形態では、トランシーバ101は、分析物指示薬206の推定温度を(センサ100から受信した温度測定値の代わりに)使用して、第1媒体分析物レベル(例えば、ISF分析物レベル)を計算することができ、第1媒体分析物レベルは、第2媒体分析物レベルを計算するために使用することができる。
【0082】
[0088] ある非限定的な実施形態では、先に説明したように、1つ以上の測定された温度(例えば、温度変換器670によって測定されたセンサ100の温度および/または温度センサ105によって測定されたトランシーバ101の温度)と、分析物指示薬206の温度の温度(the temperature of the temperature of analyte indicator 206)との間の遅延を補償するために、単一補償モデルを使用することができる。ある実施形態では、単一補償モデルは遅延補償モデルにおいて1つの媒体を補償することができる。ある単一補償モデルの実施形態では、単一可変温度推定(single variable temperature estimation)によって温度を補償することができる。ある非限定的な実施形態では、1つの変数はτ(即ち、皮下組織480とセンサ100との間の速度定数(rate constant))であってもよい。ある非限定的な代替実施形態では、1つ以上の測定された温度(例えば、温度変換器670によって測定されたセンサ100の温度および/または温度センサ105によって測定されたトランシーバ101の温度)と、分析物指示薬206の温度の温度(the temperature of the temperature of analyte indicator 206)との間の遅延を補償するために、多重補償モデルを使用してもよい。ある多重補償モデルの実施形態では、多変数変数温度推定(multivariable variable temperature estimation)によって温度を補償することもできる。ある実施形態では、複数の変数は、補償が適用される異なる媒体に対する異なる速度定数であってもよい。
【0083】
[0089] ある非限定的な実施形態では、トランシーバ101は、加えてまたは代わりに、トランシーバ101の1つ以上の温度センサ105によって生成された1つ以上の温度測定値に基づいて(例えば、温度測定値によって示される温度変化率に基づいて)、1つ以上のセンサのサンプリング頻度(例えば、1つ以上の姿勢センサ110、1つ以上の圧力センサ111、1つ以上の衝撃センサ113、および/または1つ以上の温度センサ105が測定値を生成する頻度)を変更することもできる。ある非限定的な実施形態では、トランシーバ101の1つ以上の温度センサ105によって生成された1つ以上の温度測定値に基づいて、トランシーバ101は、加えてまたは代わり、トランシーバ101およびディスプレイ・デバイス102の内1つ以上に、環境イベントを示す1つ以上のアイコン(例えば、温度測定値が閾値よりも大きな温度変化率を示す場合、温度変化を示すアイコン)を表示させることができる。
【0084】
[0090] ある実施形態では、トランシーバ101は、トランシーバ101が分析物測定値(例えば、光測定値)を受信するよりも頻繁に温度測定値を受信することができる。ある非限定的な実施形態では、温度測定の頻度が高い程、トランシーバ101が温度変化率(例えば、T_ROCおよびT_ROC)を一層精度高く計算することを可能にするのはもっともである。ある非限定的な実施形態では、トランシーバ101は、分析物測定および温度測定コマンドをセンサ100に伝えることができる。分析物測定コマンドに応答して、センサ100は、1つ以上の光測定値および1つ以上の温度測定値を含むセンサ・データをトランシーバ101に伝えることができる。温度測定コマンドに応答して、センサ100は、1つ以上の温度測定値を含む(そして光測定値を含まない)センサ・データをトランシーバ101に伝えることができる。ある非限定的な実施形態では、センサ100は、温度測定コマンドの実行中、光源208を作動させなくてもよい。
【0085】
[0091] ある非限定的な実施形態では、トランシーバ101は1つ以上の温度センサのサンプリング頻度(例えば、1つ以上の温度変換器670および/または1つ以上の温度センサ105のサンプリング頻度)を変更することができる。ある非限定的な実施形態では、トランシーバ101は、例えば、そして限定ではなく、分析物レベルが高い速度で上昇または低下しているとき、および/または分析物レベルが低血糖または高血糖範囲内にあるとき、あるいは近づきつつあるとき、1つ以上の温度センサのサンプリング頻度を変更することができる。ある非限定的な実施形態では、分析物指示薬206の温度の推定を、異なる温度サンプリング・レートに適用することもできる。
【0086】
[0092] 図7は、第2媒体分析物レベル(例えば、血中分析物レベル)を計算するプロセス300を示すフロー・チャートである。ある実施形態では、プロセス300の1つ以上のステップを、例えば、分析物監視システム120のような分析物監視システムによって実行することができる。ある実施形態では、プロセス300の1つ以上のステップを、例えば、トランシーバ101のようなトランシーバによって実行することもできる。ある非限定的な実施形態では、プロセス300の1つ以上のステップを、例えば、トランシーバ101のPICマイクロコントローラ920のようなプロセッサによって実行することもできる。
【0087】
[0093] ある実施形態では、プロセス300は、トランシーバ101が、センサ100によって伝えられた1つ以上のセンサ測定値を受信するステップ302を含むことができる。ある非限定的な実施形態では、1つ以上のセンサ測定値は、例えば、そして限定ではなく、1つ以上の光測定値および/または1つ以上の温度測定値を含むことができる。ある実施形態では、トランシーバ101は、コマンド(例えば、測定コマンドまたはセンサ・データ読み取りコマンド)をセンサ100に伝えた後に、1つ以上のセンサ測定値を受信することができる。しかしながら、これは必須ではなく、ある代替実施形態では、センサ100は、1つ以上のセンサ測定値をトランシーバ101に伝えるときを制御することができ、またはセンサ100はセンサ測定値を連続的にトランシーバ101に伝えることもできる。ある非限定的な実施形態では、トランシーバ101は、1つ以上のセンサ測定値を周期的に(例えば、1、2、5、10、または15分毎に)受信することもできる。
【0088】
[0094] ある実施形態では、トランシーバ101は、トランシーバ101のセンサ・インターフェース・デバイス104を使用して、1つ以上のセンサ測定値を受信することができる。ある非限定的な実施形態では、トランシーバ101は、1つ以上のセンサ測定値をワイヤレスで受信することができる。例えば、そして限定ではなく、ある非限定的な実施形態では、トランシーバ101は、センサ100によって生成された電磁波における変調を検出することによって、例えば、トランシーバ101の誘導性素子919を通過する電流における変調を検出することによって、1つ以上のセンサ測定値を受信することができる。しかしながら、これは必須ではなく、ある代替実施形態では、トランシーバ101は、センサ100への有線接続によって、センサ・データを受信することもできる。
【0089】
[0095] ある実施形態では、1つ以上のセンサ測定値をタイム・スタンプと関連付けることができる。ある非限定的な実施形態では、トランシーバ101はこのタイム・スタンプをセンサ100から受信することができる。ある非限定的な実施形態では、受信した1つ以上のセンサ測定値はタイム・スタンプを含むことができる。ある実施形態では、タイム・スタンプは、1つ以上のセンサ測定値が取り込まれた時刻を反映することができる。しかしながら、トランシーバ101がタイム・スタンプをセンサ100から受信することは必須ではない。例えば、ある代替実施形態では、トランシーバ101は、1つ以上のセンサ測定値を受信した後、タイム・スタンプを1つ以上のセンサ測定値に割り当てることができる。これらの実施形態では、タイム・スタンプは、トランシーバ101が1つ以上のセンサ測定値を受信したときを反映することができる。
【0090】
[0096] ある実施形態では、プロセス300は、トランシーバ101が1つ以上の環境測定値を受信または生成するステップ304を含むことができる。ある実施形態では、1つ以上の環境測定値は、トランシーバ101のユーザの姿勢を示す1つ以上の姿勢測定値、トランシーバ101にかかる圧力を示す1つ以上の圧力測定値、トランシーバ101に対して衝撃が発生したか否かを示す1つ以上の加速度測定値、および/またはトランシーバ101の温度を示す1つ以上の温度測定値を含むことができる。ある非限定的な実施形態では、トランシーバ101の1つ以上の環境センサ930は、1つ以上の環境測定値を生成することができる。ある非限定的な実施形態では、1つ以上の環境センサ930は、1つ以上の姿勢センサ110、1つ以上の圧力センサ111、1つ以上の衝撃センサ113、および/または1つ以上の温度センサ105を含むことができる。ある非限定的な実施形態では、トランシーバ101は、加えてまたは代わり、トランシーバ101の外部にあるデバイス(例えば、ディスプレイ・デバイス102)から環境測定値の内1つ以上を受信することもできる。
【0091】
[0097] ある実施形態では、プロセス300は、トランシーバ101がセンサ100から受信した1つ以上のセンサ測定値を調節するステップ306を含むことができる。例えば、ある実施形態では、1つ以上のセンサ測定値は、1つ以上の温度測定値を含むことができ、ステップ306は、センサ100からの1つ以上の温度測定値を調節するステップを含むことができる。ある実施形態では、分析物指示薬206の温度の推定値となるように、温度測定値を調節することができ、この推定値は温度遅延(temperature lag)を補償することができる。ある実施形態では、センサ100から受信した温度測定値を調節するステップは、センサ100の温度変化率(T_ROC)を計算するステップと、受信した1つ以上の温度測定値および計算したT_ROCに基づいて、調節した温度を計算するステップとを含むことができる。
【0092】
[0098] ある非限定的な実施形態では、トランシーバ101は、1つ以上の環境測定値に基づいて、1つ以上のセンサ測定値を調節することができる。例えば、ある実施形態では、1つ以上のセンサ測定値は、1つ以上の温度測定値を含むことができ、ステップ306は、1つ以上の環境測定値の内少なくとも1つ以上の温度測定値(one or temperature measurements)(例えば、トランシーバ101の1つ以上の温度センサ105によって生成された1つ以上の温度測定値)に基づいて、センサ100からの1つ以上の温度測定値を調節するステップを含むことができる。ある実施形態では、温度測定値は、分析物指示薬206の温度の推定値となるように調節することもでき、この推定値は温度遅延(temperature lag)を補償することができる。ある実施形態では、センサ100から受信した温度測定値を調節するステップは、センサ100の温度変化率(T_ROC)を計算するステップと、トランシーバ101の温度変化率(T_ROC)を計算するステップと、センサ100から受信した温度測定値、計算したT_ROC、温度センサ105によって生成された温度測定値、および計算したT_ROCの内1つ以上に基づいて、調節した温度を計算するステップとを含むことができる。
【0093】
[0099] ある実施形態では、プロセス300は、トランシーバ101が、センサ100から受信した1つ以上のセンサ測定値を使用して、第1媒体分析物レベル(例えば、ISF分析物レベル)を計算するステップ308を含むことができる。ある実施形態では、第1媒体分析物レベルを計算するために使用されるセンサ測定値の内1つ以上が、ステップ306において調節されていてもよい。ある実施形態では、第1媒体分析物レベルは、分析物センサ100の付近にある第1媒体(例えば、間質液)における分析物の量または濃度の測定値であってもよい。ある非限定的な実施形態では、第1媒体分析物レベルの計算は、例えば、そして限定ではなく、2013年7月9日に出願された米国特許出願第13/937,871号、現在の米国特許第9,414,775号に記載されている特徴の一部または全部を含んでもよい。この特許をここで引用したことにより、その内容全体が本願にも含まれるものとする。
【0094】
[0100] ある実施形態では、プロセス300は、トランシーバ101が第1媒体分析物レベルの変化率(「M1_ROC」)を計算するステップ310を含むことができる。ある実施形態では、トランシーバ101は、ステップ308において計算した少なくとも第1媒体分析物レベル、および1つ以上の以前に計算した第1媒体分析物レベル(例えば、以前に計算したセンサ測定値を使用して計算した1つ以上の第1媒体分析物レベル)を使用してM1_ROCを計算することができる。
【0095】
[0101] ある実施形態では、プロセス300は、トランシーバ101が、1つ以上の環境センサ930によって生成された1つ以上の環境測定値に基づいて、第2媒体分析物レベル(例えば、血中分析物レベル)を計算するために使用される変換関数を調節するステップ312を含むことができる。ある非限定的な実施形態では、トランシーバ101は、変換関数の1つ以上のパラメータ(例えば、分析物拡散速度および分析物消費速度パラメータの内1つ以上)を調節することによって、変換関数を調節することができる。ある代替実施形態では、ステップ312において、トランシーバ101は、1つ以上の環境測定値(例えば、1つ以上の環境センサ930によって生成された1つ以上の環境測定値)に基づいて、複数の変換関数から1つを選択することもできる。
【0096】
[0102] ある実施形態では、プロセス300は、トランシーバ101が第2媒体分析物レベル(例えば、血中分析物レベル)を計算するステップ314を含むことができる。ある実施形態では、トランシーバ101は、遅延補償を実行することによって、第2媒体分析物レベルを計算することができる。ある実施形態では、トランシーバ101は、それぞれステップ308および310において計算した、少なくとも第1媒体分析物レベルおよびM1_ROCを使用して、第2媒体分析物レベルを計算することができる。ある実施形態では、トランシーバ101は、変換関数を使用して、第2媒体分析物レベルを計算することができる。ある非限定的な実施形態では、ステップ314において使用される変換関数は、ステップ312において調節(または選択)されたものであってもよい。
【0097】
[0103] ある非限定的な実施形態では、プロセス300は、計算した第2媒体分析物レベルを表示するステップ316を含むことができる。ある実施形態では、ステップ316は、計算した第2媒体分析物レベルをトランシーバ101のディスプレイ上に表示するステップを含んでもよい。ある実施形態では、ステップ316は、加えてまたは代わりに、トランシーバ101が計算した第2媒体分析物レベルを、表示のためにディスプレイ・デバイス(例えば、ディスプレイ・デバイス102)に伝えるステップを含んでもよい。ある非限定的な実施形態では、トランシーバ101は、ディスプレイ・インターフェース・デバイス106を使用して、計算した第2媒体分析物レベルをディスプレイ・デバイス102に、有線またはワイヤレス通信によって伝えることもできる。ある実施形態では、ディスプレイ・デバイス102は、伝えられた第2媒体分析物レベルを受信し表示するように構成することができる。
【0098】
[0104] 以上、本発明の実施形態について、図面を参照しながら余すところなく説明した。これらの好ましい実施形態に基づいて本発明について説明したが、発明の主旨および範囲内において、説明した実施形態には特定の変更、変形、および代替構造が可能であることは、当業者には明白であろう。例えば、以上では、間質液における分析物レベルの測定値を使用して、間接的に血中分析物レベルを計算する分析物監視システムのコンテキストで、本発明について説明したが、本発明は、第2媒体におけるレベルの測定値を使用して、第1媒体におけるレベルを計算する任意の監視システムにも適用可能である。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7