(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-14
(45)【発行日】2023-11-22
(54)【発明の名称】活性材料を含むブリスター包装並びにその製造及び使用方法
(51)【国際特許分類】
B65D 75/36 20060101AFI20231115BHJP
B65D 83/04 20060101ALI20231115BHJP
【FI】
B65D75/36
B65D83/04 D
(21)【出願番号】P 2021539678
(86)(22)【出願日】2020-01-09
(86)【国際出願番号】 US2020012818
(87)【国際公開番号】W WO2020146556
(87)【国際公開日】2020-07-16
【審査請求日】2023-01-06
(32)【優先日】2019-01-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】501014005
【氏名又は名称】シーエスピー テクノロジーズ,インコーポレイティド
【住所又は居所原語表記】960 West Veterans Boulevard, Auburn, Alabama 36832 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ジェームス・エス・ホリンガー
(72)【発明者】
【氏名】クレイグ・ヴォエルミッケ
(72)【発明者】
【氏名】ラルフ・キベレ
【審査官】杉田 剛謙
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/145099(WO,A1)
【文献】米国特許第05954204(US,A)
【文献】特開2017-001729(JP,A)
【文献】特表2010-536681(JP,A)
【文献】特開2005-289390(JP,A)
【文献】独国実用新案第20204067(DE,U1)
【文献】米国特許出願公開第2020/30186(US,A1)
【文献】特表2022-500321(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 75/36
B65D 83/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの活性部材(116)及び製品を封入するように構成されたブリスターパック(110)であって、
裏材(112、212、312、412)、及び
前記裏材(112、212、312、412)に取り付けられたカバー(114、214、314、414)を含み、前記カバー(114、214、314、414)及び裏材(112、212、312、412)は一緒に、少なくとも1つの活性部材(116)及び製品(117)を中に含むための少なくとも1つのキャビティを形成し、前記カバー(114、214、314、414)はドーム部分(120、420)及びベース部分(122、222、322、422)を含み、前記ベース部分(122、222、322、422)の少なくとも一部が第1の方向(D
1)に前記ドーム部分(120、420)を越えて横方向外向きに延在し、前記ドーム部分(120、420)が第2の方向(D
2)に前記べース部分(122、222、322、422)を越えて上向きに延在し、前記第2の方向(D
2)が前記第1の方向(D
1)に垂直であり、前記ベース部分(122、222、322、422)の上壁(122b、422b)は前記ベース部分(122、222、322、422)の側壁(122a、422a)に対して0°超及び90°未満の角度で延在し、それにより前記ベース部分(122、222、322、422)が、前記少なくとも1つの活性部材(116)及び製品(117)のサイズに応じて前記裏材(112、212、312、412)に対して撓む又は動くように構成されることを可能に
し、前記キャビティが製品区画(124)とベース区画(126)とを有し、前記製品(117)が前記キャビティの前記製品区画(124)内に完全に配置可能であり、前記活性部材(116)の少なくとも第1の部分が前記キャビティの前記製品区画(124)内に配置され、前記活性部材(116)の少なくとも第2の部分が前記キャビティの前記ベース区画(126)内に配置されることを特徴とする、ブリスターパック(110)。
【請求項2】
前記キャビティの少なくとも前記ベース部分(122、222、322、422)に配置された少なくとも1つの活性部材(116)をさらに含む、請求項1に記載のブリスターパック(110)。
【請求項3】
前記キャビティの前記ドーム部分(120、420)に配置可能な製品(117)をさらに含む、請求項1又は2に記載のブリスターパック(110)。
【請求項4】
前記ベース部分(122、222、322、422)の前記側壁(122a、422a)及び前記上壁(122b、422b)の両方が少なくとも部分的に平坦であり、前記ドーム部分(120、420)は完全に弓形である、請求項1~3のいずれか一項に記載のブリスターパック(110)。
【請求項5】
前記ベース部分(122、222、322、422)の前記上壁(122b、422b)が前記ベース部分(122、222、322、422)の前記側壁(122a、422a)に対して20°~75°の角度で延在する、請求項1~4のいずれか一項に記載のブリスターパック(110)。
【請求項6】
前記ベース部分(122、222、322、422)が前記裏材(112、212、312、412)の窪み又は切欠きによって形成される、請求項1~5のいずれか一項に記載のブリスターパック(110)。
【請求項7】
前記上壁(122b、422b)の内側端部が前記上壁(122b、422b)の反対側の外側端部よりも前記裏材(112、212、312、412)に近い、請求項1~6のいずれか一項に記載のブリスターパック(110)。
【請求項8】
前記少なくとも1つの活性部材(116)が前記裏材(112、212、312、412)に接着される、請求項1~6のいずれか一項に記載のブリスターパック。
【請求項9】
前記活性部材(116)が、乾燥剤及び酸素捕捉剤の少なくとも一方を含む押出フィルムである、請求項1~6のいずれか一項に記載のブリスターパック。
【請求項10】
ブリスターパック(110)を製造する方法であって、前記方法が次の工程:
複数のブリスターを含む熱成形カバー(114、214、314、414)を提供し、ここで、各ブリスターがドーム部分(120、420)とベース部分(122、222、322、422)とを含み、各ブリスターの前記ベース部分(122、222、322、422)の少なくとも一部がその前記ドーム部分(120、420)を越えて第1の方向(D
1)に横方向外向きに延び、各ブリスターの前記ドーム部分(120、420)が前記ベース部分(122、222、322、422)を越えて第2の方向(D
2)に上向きに延び、前記第2の方向(D
2)が前記第1の方向(D
1)に対して垂直であり、前記ベース部分(122、222、322、422)の上壁(122b、422b)が前記ベース部分(122、222、322、422)の側壁(122a、422a)に対して0°超~90°未満の角度で延び、
前記カバー(114、214、314、414)の各ブリスターの前記ドーム部分(120、420)内に製品(117)を置き、
前記カバー(114、214、314、414)の各ブリスターの少なくとも前記ベース部分(122、222、322、422)内に少なくとも1つの活性部材(116)を置き、並びに
各ブリスター内の前記製品(117)及び前記少なくとも1つの活性部材(116)の周囲に密封キャビティを形成するために裏材(112、212、312、412)を前記カバー(114、214、314、414)に取り付け、それによって前記ベース部分(122、222、322、422)を、前記少なくとも1つの活性部材(116)又は製品(117)の厚さに応じて前記裏材(112、212、312、412)に対して撓む又は動くように構成すること、
を含
み、
各キャビティが製品区画(124)とベース区画(126)とを有し、前記製品(117)が前記それぞれのキャビティの前記製品区画(124)内に完全に配置可能であり、各活性部材(116)の少なくとも第1の部分が前記それぞれのキャビティの前記製品区画(124)内に配置され、各活性部材(116)の少なくとも第2の部分が前記それぞれのキャビティの前記ベース区画(126)内に配置される、方法。
【請求項11】
前記角度が20°~75°である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記活性部材(116)が前記裏材(112、212、312、412)に接着される、請求項10
又は11に記載の方法。
【請求項13】
前記上壁(122b、422b)の内側端部が前記上壁(122b、422b)の反対側の外側端部よりも前記裏材(112、212、312、412)に近い、請求項10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2019年1月9日に提出された米国仮特許出願第62/790,036号に付与された優先権を主張し、前記仮特許出願はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示の技術は、1つ又は複数の丸剤、錠剤、カプセル剤及びそれらに類するものなどの製品用のブリスター包装に関する。各包装はカバーを有し、カバーは裏材に接合される熱成形材料から任意選択的に形成可能であり、裏材はアルミニウム箔構成要素を任意選択的に含むことができる。
【背景技術】
【0003】
ブリスター包装は、経口固形剤、ビタミン剤、プロバイオティクス、丸剤、錠剤、カプセル剤及びそれらに類するものを包装するために一般的に使用されている。従来技術の包装は、製品を保持する熱成形材料と、製品を封入するためにその開口側に取り付けられた箔とを含む。ブリスター包装又は「ブリスターパック」は通常、製薬会社及びより小規模な医療施設の両方で使用される。ブリスターパックはまた、第三者が充填するための未充填ブリスターパックを提供するという事業において企業によって製造されている。
【0004】
乾燥剤又は脱気剤押出フィルムをブリスターパックに入れることが知られている。乾燥剤又は脱気剤押出フィルムのサイズ及び形状は、フィルムの設置面積と呼ばれることがあり、従来技術においては、製品を含むブリスターの開口部より少なくともわずかに小さい。乾燥剤フィルムを有する1つのそのようなブリスター包装は、米国特許第6,279,736号明細書(Hekel)に開示されている。この特許は参照により本明細書に組み込まれる。
図1は、4つのブリスター18を有する別の従来技術のブリスターパック10を示す。
図2は、
図1の線2-2を通る断面図を示し、そしてブリスター18の1つを形成し、箔裏材12に接着された熱可塑性部材14を示す。単一のブリスター18の幅よりも小さい幅W
PA(
図2参照)を有する押出乾燥剤フィルム16が箔裏材12に接着される。
【0005】
従来のブリスター包装では、フィルムの乾燥剤又は脱気剤の収容能力は、ブリスターの開口部によって制限される。
【0006】
熱成形された材料に蓋箔がシールされると同時に、乾燥剤又は脱気剤押出フィルムをブリスターパックの蓋箔にヒートステーキングすることが知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ブリスター包装の乾燥剤又は脱気剤の収容能力を増やす必要がある。また、裏材又は蓋箔がカバーにシールされるか別の方法で取り付けられるのと同時に乾燥剤又は脱気剤押出フィルム或いは他の活性剤を裏材又は蓋箔にヒートステーキングするための乾燥剤又は脱気剤押出フィルム或いは他の活性剤の厚さの変化に対応する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記及び他の必要性は、本開示技術によって対処され、本開示技術は、一態様において、熱成形カバー及び箔裏材を有するブリスターパックを含む。カバーは、製品を収容するための密封されたユニット包装を形成するために箔裏材に取り付けるか又は接合することができる。カバーは、開口側を有する少なくとも1つのブリスターキャビティを有することができる。箔裏材は、カバーに接合された側を有することができる。ブリスターキャビティは、ブリスター又はドーム部分とベース部分とを有することができる。ベース部分は、ブリスター部分よりも幅広でもよい及び/又は長くてもよい。
【0009】
ブリスターパックはさらに押出フィルムを含むことができる。一実施形態では、押出フィルムは、カバーに接合された箔裏材の側に接着することができる。押出フィルムは、ベース部分に近い形状を有することができる。押出フィルムは乾燥剤又は酸素捕捉剤を含むことができる。
【0010】
別の態様では、本開示技術は、ブリスターパックを製造する方法を含み得る。一実施形態では、この方法は、熱成形カバーを箔裏材に取り付け又は接合して密封ユニット包装を形成することを含むことができる。カバーは、製品を収容する少なくとも1つのブリスターキャビティを有することができる。少なくとも1つのブリスターキャビティは開口側を有することができる。ブリスターキャビティは、ブリスター又はドーム部分とベース部分とを有することができる。ベース部分は、ブリスター部分よりも幅広でもよく、及び/又は長くてもよい。
【0011】
一実施形態では、この方法は、押出フィルムを箔裏材のある側に取り付ける又は接着することを含むことができ、次に箔裏材は熱成形カバーに取り付けられる又は接合される。別の実施形態では、押出フィルムは箔裏材に接着されない。
【0012】
別の態様では、本開示技術は、裏材と、裏材に取り付けられて製品を収容するための少なくとも1つの密封キャビティを形成するカバーとを含む。密封キャビティはドーム部分とベース部分とを含む。ベース部分の少なくとも一部は、ドーム部分を越えて第1の方向に横方向外向きに延びる。ドーム部分は、カバーの外周部分を越えて第2の方向に上向きに延びる。少なくとも1つの活性部材が密封キャビティの少なくともベース部分内に配置される。
【0013】
さらに別の態様では、本開示技術は、裏材と、ドーム部分及びベース部分を有する少なくとも1つのブリスターを有するカバーとを含むブリスターパックを含む。ベース部分の少なくとも一部は、ドーム部分を越えて第1の方向に外向きに延びる。ベース部分は、カバーの外周部を越えて第2の方向に外側に延びる。第2の方向は第1の方向に対して垂直である。カバーを裏材に取り付けて、ブリスターのドーム部分に製品を収容するための密封包装を形成する。少なくとも1つの活性部材が、ブリスターの少なくともベース部分内に配置される。
【0014】
さらに別の態様では、本開示技術は、裏材と、裏材に取り付けられたカバーとを含むブリスターパックを含む。組み合わされたカバーと裏材は、製品を収容するための少なくとも1つの密封キャビティを形成する。密封キャビティはドーム部分とベース部分とを含む。ベース部分の少なくとも一部は、ドーム部分を越えて第1の方向に延びる。ドーム部分は、カバーの外周部分を超えて第2の方向に延びる。第2の方向は第1の方向に対して垂直である。少なくとも1つの活性部材が密封キャビティの少なくともベース部分内に配置される。
【0015】
任意選択的に、任意の実施形態において、ブリスターパックのブリスター内に含まれる製品は、例えば、任意選択的に薬、栄養補助食品又はプロバイオティクスである丸剤を含み得る。
【0016】
本開示技術の前述の概要及び以下の詳細な記載は、添付の図面と併せて読むとより深く理解されよう。図面全体を通して、同様の番号は同様の要素を示す。本開示技術を説明する目的で、図面には様々な例示的な実施形態が示されている。しかしながら、本開示技術は、示されている正確な配置及び手段に限定されないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】従来技術のブリスターパックの上面図である。
【
図2】
図1の線2-2に沿った断面図であり、個々のブリスターの幅よりも小さい幅を有する押出フィルムを示す。
【
図3】本開示技術の一実施形態によるブリスターパックの上面図であり、単一ブリスター又は密封キャビティのベース部分はそのブリスター部分よりも大きい、幅広である及び/又は長い。
【
図4】
図3の線4-4に沿った側断面図であり、個々のブリスター部分の幅よりも広い幅を有する押出フィルムを示す。
【
図5】
図4に示される本開示技術の一実施形態の特定の構成要素を示し、活性部材及び製品は明確にするため及び説明を簡単にするために省略されている。
【
図6】本開示技術の別の実施形態の側断面図であり、視点は
図4と同じである。
【
図7】本開示技術の別の実施形態の側断面図であり、視点は
図4と同じである。
【
図8A】
図4Aと同じ視点であるが、本開示技術の別の実施形態の視点である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本明細書ではシステム、装置、及び方法を例及び実施形態として記載しているが、当業者は、本開示技術は、記載された実施形態にも図面にも限定されないことを認識する。むしろ、本開示技術は、添付の特許請求の範囲の趣旨及び範囲内に含まれるすべての修正形態、等価物、及び代替形態を網羅する。本明細書に開示されているいずれか1つの実施形態の特徴は、省略することができる、又は別の実施形態に組み込むことができる。
【0019】
本明細書で使用される見出しはいずれも編成目的のためだけのものであり、本記載又は請求項の範囲を限定することを意味するものではない。本明細書で使用される際、「し得る(may)」という用語は、強制の意味(すなわち、しなければならないという意味)ではなく、寛容な意味(すなわち、~の可能性を有するという意味)で用いられる。本明細書に具体的に記載されていない限り、「a」、「an」、及び「the」という語は、1つの要素に限定されず、代わりに「少なくとも1つ」を意味すると解釈されるべきである。第1の方向D1及び第2の方向D2が特定の図面に参照及び明確さのためだけに示されるが、それらは本開示技術の構造の一部ではない。術語は、上記の用語、その派生語、及び類似の意味の用語を含む。
【0020】
ここで様々な図を詳細に参照する。様々な図中、同様の参照番号は全体を通して同様の部分を指す。
図3~5は、本開示技術のブリスター包装又はパック(全体的に110で示す)の一実施形態を示す。ブリスターパック110は、裏材112、カバー114、及び少なくとも1つの活性部材116を含むことができる。ブリスターパック110は、経口固形剤、ビタミン剤又は他の栄養補助剤、食品、小型消費者物品、プロバイオティクス、その他などの1つ又は複数の製品117(
図4に概略的に示す)を封入、保存及び保護することができる。このような製品は、丸剤、例えば錠剤、カプセル剤及びそれらに類するものの形態であり得る。
【0021】
裏材112は、第1の側又は表面112aと反対側の第2の側又は表面112bとを有することができる。任意選択的に、裏材112の少なくとも第1の側112aは平坦又は平面である。一実施形態では、裏材112の第1及び第2の側112a、112bのそれぞれは平坦又は平面であり、その結果、第1及び第2の側112a、112bのそれぞれは平面内に延び、それらは少なくともわずかに離間される。一実施形態では、裏材112は、アルミニウム箔などの箔及び/又はプラスチック材料から少なくとも部分的に形成される。任意選択的に、裏材112は板紙を含むことができる。
【0022】
カバー114は、第1の側又は表面114aと反対側の第2の側又は表面114bとを有することができる。任意選択的に、カバー114の第1及び第2の側114a、114bの少なくとも一部は平坦又は平面である。カバー114の第2の側114bの少なくとも一部は、熱成形又は冷間成形などによって裏材112の第1の側112aに取り付け又は接着されて、製品を収容するための密封包装を形成することができる。カバー114は、裏材112と同じ厚さ又は異なる厚さ(D2の方向に測定したとき)を有することができる。一実施形態では、カバー114は成形可能なウェブから製造又は形成される。一実施形態では、成形可能ウェブは、熱成形フィルムなどの熱可塑性材料から製造される。任意選択的に、カバー114は、透明でも不透明でもよいポリ塩化ビニル(PVC)から形成することができる。一実施形態では、カバー114及び/又は裏材112は、2つ以上の層に形成することができる。
【0023】
カバー114は、全体的に118で示される少なくとも1つのブリスターを含むか、又はそれを有するように形成される。例えば、カバー114は、2つ以上の離間したブリスター118を含むことができる。
図3~5に示される実施形態は、4つの離間した同一のブリスター118を有するカバー114を示す。しかしながら、カバー114は、より多い又はより少ないブリスターを有することができ、ブリスターの1つ又は複数は、特定の必要性に応じて、ブリスターパック110のブリスター118の別のブリスターと異なるサイズ及び/又は形状を有することができる。任意選択的に、各ブリスター118は少なくとも部分的な卵形又は球根形を有することができる。或いは、一実施形態では、各ブリスター118は少なくとも部分的なプラトー形状(例えば横から見たとき)又は円筒形状を有することができる。カバー114が裏材112に取り付けられると、密封されたキャビティが各ブリスター118の内部に又は各ブリスター118によって形成される。
【0024】
図3に示すように、一実施形態では、各ブリスター118は、ブリスターパック110の少なくとも1つの外縁部と平行に延びる長手方向軸又は長軸を定めることができる。任意選択的に、及びより具体的に、各ブリスター118の長手方向軸は、
図3に示されるように、ブリスターパック110の2つの対向する横方向の側と平行に且つブリスターパックの上側及び底側と垂直に延在することができる。しかしながら、ブリスターパック110内のブリスター118の構成及び向きは、特定の必要性に応じて他の構成が可能であるので、本明細書に示され記載されたものに限定されない。
【0025】
一実施形態では、各ブリスター118は、ブリスター又はドーム部分120とベース部分122とを有する。ベース部分122は、ドーム部分120とは異なるサイズ、形状、構成及び/又は設置面積を有する。任意選択的に、ベース部分122の少なくとも一部は、ドーム部分120を越えて横方向外側に第1の方向D
1に延びる。例えば、一実施形態では、ベース部分122はドーム部分120よりも大きい設置面積を有し、その結果、ベース部分122はドーム部分120全体を囲むか又は取り囲む(
図3及び4を参照)。言い換えれば、そのような実施形態では、ベース部分122はドーム部分120よりも長く幅広である。そのような構成では、ブリスターパック110を上から見たとき(
図3参照)、各ベース部分122は各ドーム部分120と同じ外周形状を有し、ベース部分122の方が大きい点が異なる。任意選択的に、ドーム部分120とベース部分122の両方は、上から見たときにほぼ楕円形の形状を有する(
図3を参照)。別の実施形態では、ベース部分122の一部のみがドーム部分120を越えて横方向外側に第1の方向D
1に延び、その結果、ベース部分122は、上から見たときにドーム部分120とは異なる形状を有する。
【0026】
任意選択的に、ドーム部分120とベース部分122の両方が、カバー114の第1の側114aを越えて外側に(すなわち上方向に)及び/又は第2の方向D
2に裏材112から離れるように延びる。
図4に示すように、第2の方向D
2は、第1の方向D
1に対して垂直である。一実施形態では、ドーム部分120は、カバー114の第1の側114aから離れるように第2の方向D
2にベース部分122を越えて又はそれよりも遠くへ外向きに延びる。
【0027】
一実施形態では、ドーム部分120は、その中に製品117を収容するようなサイズ、形状及び/又は構成である一方、ベース部分122はそうではない。言い換えれば、そのような実施形態では、ベース部分122のサイズ、形状及び/又は構成は、製品117をその中に配置することを可能にしない。より具体的には、裏材112に取り付けられた複合カバー114は、各ブリスター118内でそれらの間にキャビティを形成する。
図5に示すように、キャビティは少なくとも製品区画124及びベース区画126を含むことができる。一実施形態では、ベース区画126の少なくとも一部は、第1の方向D
1において製品区画を越えて外側に延びる。一実施形態では、製品117は完全に製品区画124内に配置される。活性部材116の少なくとも第1の部分(例えば中央部分)は、製品区画124及び/又は製品117の中又は下に配置され、そして活性部材116の少なくとも第2の部分(例えば、一方又は両方の外側端部若しくは側端部及び/又はその外周)は、ベース区画126内に配置される。
【0028】
任意選択的に、
図4に示すように、ドーム部分120は断面において弓形の形状を有することができ、ベース部分122は直線、正方形又は長方形の形状であることができる。言い換えれば、一実施形態では、ドーム部分120の形状は、ベース部分122がドーム部分120の形状又は角度又は軌道を継続しないように、ベース部分122の形状とは異なる。ベース部分122はドーム部分120をカバー114の残りの部分から分離する、又はベース部分122はドーム部分120をカバー114の残りの部分に取り付ける。一実施形態では、ベース部分122は、平坦又は直線状の側壁122aと、平坦又は直線状の上壁122bとを含み、そして、ドーム部分120は、完全に弓形又は球形の形状を有する。任意選択的に、
図4に示すように、ベース部分122の側壁122aは、ベース部分122の上壁122bに対して垂直に延在することができる。ベース部分122の上壁122bは、ベース部分122の側壁122aをドーム部分120に取り付ける又は接続することができる。
【0029】
任意選択的に、ドーム部分120は、従来技術のブリスター18とほぼ又は全く同じサイズ及び/又は形状を有する(
図2参照)。しかしながら、そのような実施形態では、本実施形態のブリスター118は、本実施形態のブリスター118がベース部分122を含むという点で、従来技術のブリスター18と区別することができる。
【0030】
一実施形態では、少なくとも1つの活性部材116が各ブリスター118の少なくともベース部分122内に配置される。より具体的には、上述のように、一実施形態では、少なくとも1つの活性部材116はブリスター118のベース部分122とドーム部分120との両方の中にあることができる。一実施形態では、活性部材116は、乾燥剤混入ポリマーフィルム又は酸素捕捉剤混入ポリマーフィルムなどの押出フィルムの形態であり得る。任意選択的に、各活性部材116は、
図4に示されるように、長方形又は正方形のフィルム片の形態であり得る。しかしながら、活性部材116は、例えば他の形状を採用することができるので、本明細書に示され記載されている特定のサイズ、形状及び/又は構成に限定されない。
【0031】
任意選択的に、活性部材116は、例えば接着剤を使用して、裏材112の第1の側112aに接着される。例えば、活性部材116は、第1の又は上側及び反対側の第2の又は下側を含むことができる。活性部材116の第2の側は、裏材112の第1の側112aと接触することができる。
【0032】
或いは、活性部材116は裏材112の第1の側112aに(接着剤なしで)ヒートステークすることができる。フィルムを基板上にヒートステークする方法は、米国特許第8,142,603号明細書に詳細に記載されている。前記特許はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0033】
別の代替案として、活性部材116は裏材112に接着されない。そのような実施形態では、製品117がブリスター118内に配置された後に、活性部材116はブリスター118内に緩く配置される。一実施形態では、活性部材116は、厚さ又は高さ(すなわち、
図4に示す裏材112に対して垂直な方向)が約0.3mmである。
【0034】
図4に示すように、一実施形態では、活性部材116の幅Wは、ベース部分122の幅より少なくともわずかに小さい。同様に、及び任意選択的に、活性部材116の長さは、ベース部分122の長さより少なくともわずかに小さい。しかしながら、活性部材116の幅W及び/又は長さは、ドーム部分120のそれより少なくともわずかに大きい。
図2を
図4と比較すると明らかなように、活性部材116の幅Wは活性部材16の幅W
PAよりも大きい。一実施形態では、活性部材116の幅W及び/又は長さは、ドーム部分120の幅及び/又は長さよりもかなり大きい。例えば、ドーム部分120と活性部材116との間の幅及び/又は長さの差は、ベース部分122と活性部材116との間の幅及び/又は長さの差よりも大きくなり得る(2倍大きいなど)。各活性部材116の形状が長方形でも正方形でもない別の実施形態では、各活性部材116の全外周、又は外周の少なくとも一部は、それぞれのドーム部分120のそれより大きい。
【0035】
したがって、本開示技術のブリスター118は、従来技術のブリスター18が提供し得るよりも大きな表面積を活性材料に提供する。これは、従来技術のブリスター18単独の輪郭の範囲内に限定された活性フィルムの表面積でもたらされ得るよりも高い活性(例えば、乾燥剤フィルムの場合には吸湿性)を促進する。
【0036】
一実施形態では、各活性材料116は乾燥剤を含有する。これは吸湿が望まれる実施形態であろう。しかしながら、吸湿が望まれない場合、活性部材116は代替活性剤を含むことができる。例えば、別の実施形態では、活性部材116は活性炭、カーボンブラック、ケチャムブラック及びダイヤモンド粉末からなる群から選択された材料を含む。さらなる実施形態では、活性部材116の1つ又は複数の層を含む活性剤は、吸収ミクロスフェア、BaTiO3、SrTiO3、SiO2、Al2O3、ZnO、TiO2、MnO、CuO、Sb2O3、シリカ、酸化カルシウム及びイオン交換樹脂などの材料を含む。さらに別の実施形態では、活性部材116の吸収剤含有層は2種類以上の吸収剤を含有する。適切な吸収剤は、所望の最終用途のための所望の蒸気又はガスの吸収(例えば、水分、酸素、二酸化炭素、窒素又は他の望ましくないガス又は蒸気の吸収)を達成するように選択される。
【0037】
活性部材116(乾燥剤、酸素捕捉剤、放出材料若しくは薬剤、その他、又はそれらの組み合わせにかかわらず)は、選択された材料(例えば、水分又は酸素)に作用し、それと相互作用し、又はそれと反応することができる。そのような作用又は相互作用の例は、選択された材料の吸収、吸着(一般に収着)又は放出を含み得る。
【0038】
活性部材116は、ベース材料中に「活性剤」を含むことができる。活性剤は(i)ベース材料(例えばポリマー)と非混和性であることができ、ベースポリマー及びチャネリング剤と混合及び加熱されたとき、融解しない、すなわちベースポリマー又はチャネリング剤のいずれかの融点よりも高い融点を有し、及び/又は(ii)選択された材料に作用、相互作用又は反応する。「活性剤」という用語は、選択された材料を吸収、吸着、又は放出する材料を含み得るが、これらに限定されない。本開示技術による活性剤は、鉱物(例えば、乾燥剤の場合はモレキュラーシーブ又はシリカゲル)などの粒子の形態であり得るが、本開示技術は、粒状活性剤のみに限定されると見なされるべきではない。例えば、いくつかの実施形態では、脱酸素製剤は、活性剤として、又は活性剤の成分として作用する樹脂から製造することができる。
【0039】
本明細書で使用されるとき、「ベース材料」という用語は、同伴材料のための構造を提供する、活性剤以外の同伴活性材料の成分(好ましくはポリマー)である。
【0040】
本明細書で使用されるとき、「ベースポリマー」という用語は、チャネリング剤のガス透過率より実質的に低い、低い、又は実質的に同等である選択された材料のガス透過率を任意選択的に有するポリマーである。例として、そのような透過率は、選択された材料が水分でありそして活性剤が吸水性乾燥剤である実施態様において水蒸気透過率であろう。ベースポリマーの主な機能は同伴ポリマーの構造を提供することである。適切なベースポリマーとしては、熱可塑性ポリマー、例えば、ポリプロピレン及びポリエチレンなどのポリオレフィン、ポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリブテン、ポリシロキサン、ポリカーボネート、ポリアミド、エチレン-酢酸ビニルコポリマー、エチレン-メタクリレートコポリマー、ポリ(塩化ビニル)、ポリスチレン、ポリエステル、ポリ無水物、ポリアクリロニトリル、ポリスルホン、ポリアクリル酸エステル、アクリル、ポリウレタン及びポリアセタール、或いはそれらのコポリマー又は混合物が挙げられ得る。
【0041】
ベースポリマー及びチャネリング剤の水蒸気透過率のそのような比較を参照すると、一実施形態では、チャネリング剤はベースポリマーの少なくとも2倍の水蒸気透過率を有する。別の実施形態では、チャネリング剤はベースポリマーの少なくとも5倍の水蒸気透過率を有する。別の実施形態では、チャネリング剤はベースポリマーの少なくとも10倍の水蒸気透過率を有する。さらに別の実施形態では、チャネリング剤はベースポリマーの少なくとも20倍の水蒸気透過率を有する。さらに別の実施形態では、チャネリング剤はベースポリマーの少なくとも50倍の水蒸気透過率を有する。さらに別の実施形態では、チャネリング剤はベースポリマーの少なくとも100倍の水蒸気透過率を有する。
【0042】
本明細書で使用されるとき、「チャネリング剤」という用語は、ベースポリマーと不混和性であり、ベースポリマーよりも速い速度で気相物質を輸送する親和性を有する材料として定義される。任意選択的に、チャネリング剤は、チャネリング剤をベースポリマーと混合することによって形成されたときに同伴ポリマーを通ってチャネルを形成することができる。任意選択的に、そのようなチャネルは、ベースポリマーだけの場合よりも速い速度で同伴ポリマーを介して選択された材料を透過させることができる。
【0043】
本明細書で使用されるとき、「チャネル」又は「相互接続チャネル」という用語は、ベースポリマーを貫通し、互いに相互接続されてもよいチャネリング剤から形成された通路として定義される。
【0044】
本明細書で使用されるとき、「同伴ポリマー」という用語は、活性剤を有する少なくともベースポリマーと、任意選択的に全体にわたって同伴又は分布されたチャネリング剤とから形成されたモノリシック材料として定義される。したがって、同伴ポリマーは、二相ポリマー及び三相ポリマーを含む。「ミネラル導入ポリマー」は同伴ポリマーの一種であり、ここで活性剤はミネラル、例えばモレキュラーシーブ又はシリカゲルなどのミネラル粒子の形態である。「同伴材料」という用語は、本明細書では、ベース材料がポリマーであってもなくてもよい、ベース材料内に同伴された活性剤を含むモノリシック材料を意味するために使用される。
【0045】
本明細書で使用されるとき、「モノリシック」、「モノリシック構造」又は「モノリシック組成物」という用語は、2つ以上の別々の巨視的層又は部分から構成されていない組成物又は材料として定義される。したがって、「モノリシック組成物」は多層複合材料を含まない。
【0046】
本明細書で使用されるとき、「相」という用語は、構造又は組成物にモノリシック特性を与えるために全体にわたって均一に分散しているモノリシック構造又は組成物の一部又は成分として定義される。
【0047】
本明細書で使用されるとき、「選択された材料」という用語は、活性剤に作用するか、それによって作用されるか、それと相互作用するか又はそれと反応し、そして同伴ポリマーのチャネルを通して透過され得る材料として定義される。例えば、乾燥剤が活性剤として使用される実施形態では、選択された材料は、乾燥剤によって吸収され得る水分又はガスであり得る。放出材料が活性剤として使用される実施形態では、選択された材料は、水分、芳香剤、又は抗菌剤(例えば、二酸化塩素)などの放出材料によって放出される剤であり得る。吸着材料が活性剤として使用される実施形態では、選択された材料はある種の揮発性有機化合物であり得、吸着材料は活性炭であり得る。
【0048】
本明細書で使用されるとき、「三相」という用語は、3つ以上の相を含むモノリシック組成物又は構造として定義される。本開示技術による三相組成物の例は、ベースポリマー、活性剤、及びチャネリング剤から形成された同伴ポリマーであろう。任意選択的に、三相組成物又は構造は追加の相、例えば着色剤を含んでもよい。
【0049】
同伴ポリマーは、二相配合物(すなわち、チャネリング剤を含まずにベースポリマー及び活性剤を含む)又は三相配合物(すなわち、ベースポリマー、活性剤及びチャネリング剤を含む)であり得る。同伴ポリマーは、例えば、米国特許第5,911,937号明細書、同第6,080,350号明細書、同第6,124,006号明細書、同第6,130,263号明細書、同第6,194,079号明細書、同第6,214,255号明細書、同第6,486,231号明細書、同第7,005,459号明細書及び米国特許出願公開第2016/0039955号明細書に記載されている。これらのそれぞれは、その全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【0050】
同伴材料又はポリマーは、構造を提供するためのベース材料(例えば、ポリマー)、任意選択的にチャネリング剤及び活性剤を含む。チャネリング剤は、同伴ポリマーを通して微視的相互接続チャネルを形成する。チャネルが同伴ポリマーの外面に形成された微視的チャネル開口部を介して活性剤と同伴ポリマーの外側との間を連通するように、活性剤の少なくとも一部がこれらのチャネル内に含まれる。活性剤は、以下にさらに詳細に記載されるように、例えば、様々な吸収性、吸着性又は放出性材料のうちのいずれか1種類であり得る。チャネリング剤が好ましいが、本発明は、任意選択的にチャネリング剤を含まない同伴材料、例えば二相ポリマーを広く含む。
【0051】
任意の実施形態において、適切なチャネリング剤は、ポリエチレングリコール(PEG)、エチレン-ビニルアルコール(EVOH)、ポリビニルアルコール(PVOH)、グリセリンポリアミン、ポリウレタン、及びポリアクリル酸又はポリメタクリル酸を含むポリカルボン酸などのポリグリコールを含み得る。或いは、チャネリング剤は、例えば、CLARIANTにより製造されているPolyglykol B01/240などのプロピレンオキシドポリメリゼート-モノブチルエーテルなどの水不溶性ポリマーであり得る。他の実施形態では、チャネリング剤は、CLARIANTによって製造されたPolyglykol B01/20などのプロピレンオキシドポリメリゼートモノブチルエーテル、CLARIANTによって製造されたPolyglykol D01/240などのプロピレンオキシドポリメリゼート、エチレン酢酸ビニル、ナイロン6、ナイロン66、又は前述の任意の組合せであり得る。
【0052】
本開示技術による適切な活性剤には、乾燥化合物などの吸収材料が含まれる。活性剤が乾燥剤である場合、所与の用途に適した任意の乾燥剤を使用することができる。典型的には、物理吸収乾燥剤が多くの用途に好ましい。これらは、モレキュラーシーブ、シリカゲル、粘土及びデンプンを含み得る。或いは、乾燥剤は、水を含む結晶を形成する化合物又は水と反応して新しい化合物を形成する化合物であり得る。
【0053】
任意選択的に、任意の実施形態において、活性剤は酸素捕捉剤、例えば酸素捕捉樹脂配合物であり得る。
【0054】
図6及び6Aは、本開示技術の別の実施形態を示す。
図3~5の実施形態と
図6~6Aの実施形態との間で同様の又は同一の構造は、
図6~6Aにおいて、
図3~5の参照番号よりも100大きい大きさの参照番号によって区別される。
図3~5の実施形態と
図6~6Aの実施形態との間の特定の類似点の記載は、もっぱら便宜上及び簡潔にするために、本明細書で省略されることがある。
【0055】
図6及び6Aに示すように、活性部材216の上側又は上面の少なくとも一部は、ブリスター218のベース部分222の上壁222bの内面(下側)の少なくとも一部に接触及び/又は係合することができる。任意選択的に、この接触にもかかわらず、活性部材216は、ベース部分222内に配置されたときに圧縮されない(又は最小限にしか圧縮されない)。したがって、この接触は好ましくは、係合表面間に気密シールを作らず、その結果、空気がそれらの間にアクセス可能であり得る。したがって、これにより、上壁222bと接触する活性部材216の部分が、例えば、係合表面間の空気中の成分(例えば、水分又は酸素)を吸収又は吸着することが可能になり得る。表面間の接触は、(
図6に示されるように)ベース部分222がより低い若しくはより小さい厚さ若しくは高さを有する結果として生じ得る、又は活性部材216がより厚いか若しくはより高い高さを有する結果として生じ得る。この構成により、隠された活性部材216は、先の実施形態の活性部材116と同じ又は同様の活性特性又は機能を有することが可能になる。言い換えれば、活性部材216の機能性は、活性部材216とベース部分222との間の接触によって妨げられない。
【0056】
図7は、本開示技術の別の実施形態を示す。
図3~5の実施形態と
図7の実施形態との間で同様の又は同一の構造は、
図7において、
図3~5の参照番号よりも200大きい大きさの参照番号によって区別される。
図3~5の実施形態と
図7の実施形態との間の特定の類似点の記載は、もっぱら便宜上及び簡潔にするために、本明細書で省略されることがある。
【0057】
図7に示されるように、ベース部分322は裏材312の中に又はそれによって形成することができる。したがって、(上述のようにベース部分なしで)ブリスター318をカバー314に形成することができ、及びベース部分322は裏材312の中に形成することができる。この実施形態では、ベース部分322は、裏材312の上面に形成された窪み又は切り欠きであり得る。任意選択的に、ベース部分322は、全体的に裏材312内にあり得る。別の選択肢において、ベース部分を部分的に裏材内に形成し、部分的にカバー内に形成することができる。いずれにせよ、裏材312に取り付けられたカバー314は、製品を収容するための少なくとも1つの密封キャビティを形成する。密封キャビティはドーム部分又はブリスター318とベース部分322とを含む。
【0058】
図8Aは、本開示技術のさらに別の実施形態を示している。
図3~5の実施形態と
図8Aの実施形態との間の同様又は同一の構造は、
図8Aにおいて、
図3~5の参照番号よりも300大きい大きさの参照番号によって区別されている。例えば、裏材412及びカバー414は、少なくとも1つの活性部材416を封入するために組み合わせることができる。
図8Aの実施形態と
図3~5の実施形態との間の特定の類似性の記載は、もっぱら便宜上及び簡潔にするために本明細書で省略される場合があり、限定的ではない。
【0059】
図8の実施形態の際立った特徴は、カバー414のベース部分422が、任意選択的に、撓み又は屈曲のための手段を含むことができることである。撓み又は屈曲のための手段は、ベース部分422の少なくともあるセグメントが、使用できる異なる活性部材416の厚さの変化に対して調整するためにばねのように作用するか、又は作用するように構成されるように、ベース部分422に屈曲、角度、及び/又は曲線を含むことができる。
【0060】
より具体的には、ベース部分422は、側壁422a及び傾斜した又は角度の付いた上壁422bを含み、その結果、ベース部分422の側壁422aは、ベース部分422の上壁422bに対して垂直に延在しない。対照的に、
図4に示されるベース部分122の上壁122bは、(少なくとも全体的に)裏材112に平行である。本実施形態では、上壁422bは、休止位置又は静止位置において(及び製品及び/又は活性部材416が、ブリスターに含まれている場合)、ブリスターの外側(例えば、外周)から裏材412に向かってブリスターの内側に下向きに傾いている又は傾斜している。したがって、ドーム420の近位にある上壁422bの端部は、ドーム420から離れている上壁422bの反対側の端部よりも裏材412に近い。
【0061】
ベース部分422のそのような形状及び/又は構成は、ドーム部分420及びベース部分422が裏材412から少なくともわずかに離れる方に(例えば上向きに、例えば
図4中、D
2によって示される方向に)撓む及び/又は移動して、比較的厚い及び/又は大きな活性部材416及び/又は製品(例えば、医薬品)を収容することを可能にする。代替的又は追加的に、ベース部分422のそのような形状及び/又は構成は、より薄い及び/又はより小さな活性部材416及び/又は製品の場合、ベース部分422を裏材412に向かって押し、その結果、ブリスターの高さ又はプロファイルは低くなる。
【0062】
したがって、本開示技術は、活性部材416の厚さ(例えば、高さ)の変化を許容し、及び/又はそれに対応し、活性部材416が比較的厚い場合に、裏材412を引き裂く(又は穴あけする)ことはない(又は少なくともそうなる可能性が低くなる)。このような設計の利点の1つは、ブリスターが様々な厚さ又はサイズの活性部材を収容又は包むことを可能にすることである。このような設計のもう1つの利点は、裏材の完全性が維持されることである。さらに別の利点は、活性部材の製造業者が活性部材の非常に厳しい公差を維持することを要求されることもなければ求められることもないことである。
【0063】
本開示技術の一実施形態の任意選択の目標は、所望のレベルの活性(例えば、水分又は酸素吸収)を提供する最も薄い活性部材416を使用すること、及び、カバー414及び/又はベース部分422が十分に撓むことを可能にし、比較的薄い活性部材416がドーム部分420及びベース部分422を十分に押し離すことを可能にし、活性部材416をブリスター内に収容し、裏材412を破裂することも裏材412を通って移動することもないようにすることである。
【0064】
側壁422aと上壁422bとの間の接続部又は交点430は、点432又は鋭角θを形成することができる。任意選択的に、鋭角θは、約45°、約65°、10°~80°の範囲、又は約20°~75°の範囲であり得る。
【0065】
図8Bは、
図8Aの実施形態の修正された変形を示す。
図8Bの実施形態と
図8Aの実施形態との間の特定の類似性の記載は、もっぱら便宜上及び簡潔にするために本明細書では省略される場合があり、限定的ではない。
【0066】
図8Bに示されるように、側壁422aと上壁422bとの間の接続部又は交点430は、丸みを帯びた又は弧状の曲線436であり得る。曲線436は、カバー414の内側で凹状であり得、カバー414の外側で凸状であり得る。必要ではないが、ドーム部分420がベース部分422と交差する場所で、同様に成形及び/又は構成された接続部を(上記の形状に加えて、又はその代わりに)形成することができる。
【0067】
本開示技術は、ブリスターパック110、210の製造及び/又は使用方法を含む。方法の1つは、(i)上述の特徴の1つ又は複数を有する少なくとも1つのブリスター118、218を有するカバー114、214を提供及び/又は形成すること、(ii)各ブリスター118、218内に製品117を配置すること、(iii)各ブリスター118、218内に活性材料116、216を配置すること、及び(iv)裏材112、212をカバー114、214に取り付けるか接合して製品117の周りに密封包装を形成することを含む。本明細書で使用されるとき、「提供する」という用語は、受け取ること、取ること、及び/又は使用することを含むように広く定義される。ユーザが製品117にアクセスしたいときは、裏材112、212の少なくとも一部をカバー114、214から分離するか、又は破って製品117を露出させることができる。
【0068】
以下の例示的な実施形態は、本開示技術の任意選択の態様をさらに記載し、この詳細な記載の一部である。これらの例示的な実施形態は、技術的には本出願の特許請求の範囲ではないが、実質的に特許請求の範囲に類似した形式で記載されている。以下の例示的な実施形態は、従属関係において、「請求項」ではなく「実施形態」として互いに言及している。
【0069】
1A.裏材、及び
裏材に取り付けられ、撓みのための手段を含むカバー、
を含む、少なくとも1つの活性部材及び製品を密封式に封入するように構成されたブリスターパック。
【0070】
2A.撓みのための手段が、カバーのベース部分の側壁に対して90°未満の角度で延在するベース部分の上壁を含み、それにより、ベース部分の少なくとも一部が、裏材に対してより容易に撓む又は動くことを可能にする、実施形態1Aに記載のブリスターパック。
【0071】
3A.上壁の内側端部が、上壁の反対側の外側端部よりも裏材に近い、実施形態1A又は2Aに記載のブリスターパック。
【0072】
1B.異なるサイズの活性部材又は製品を収容するように構成されたブリスターパックは、屈曲点又は撓み点を有するカバーを含む。
【0073】
2B.カバーのベース部分の上壁がベース部分の側壁に対して90°未満の角度で延在し、それによってベース部分の少なくとも一部が裏材に対してより容易に撓む又は動くことを可能にする、実施形態1Bに記載のブリスターパック。
【0074】
3B.屈曲点又は撓み点が、ベース部分の上壁がベース部分の側壁と交差する場所に配置されている、実施形態1B又は2Bに記載のブリスターパック。
【0075】
4B.上壁の内側端部が、上壁の反対側の外側端部よりも裏材に近い、実施形態1B、2B、又は3Bに記載のブリスターパック。
【0076】
1C.異なるサイズの活性部材又は製品を収容するように構成されたブリスターパックは、撓むための手段を含むカバーを含む。
【0077】
2C.カバーのベース部分の上壁がベース部分の側壁に対して90°未満の角度で延在し、それによってベース部分の少なくとも一部が裏材に対してより容易に撓む又は動くことを可能にする、実施形態1Cに記載のブリスターパック。
【0078】
3C.屈曲点又は撓み点が、ベース部分の上壁がベース部分の側壁と交差する場所に配置されている、実施形態1C又は2Cに記載のブリスターパック。
【0079】
4C.上壁の内側端部が、上壁の反対側の外側端部よりも裏材に近い、実施形態1C、2C、又は3Cに記載のブリスターパック。
【0080】
1D.少なくとも1つの活性部材及び製品を密封式に封入するように構成されたブリスターパックであって、
裏材、及び
裏材に取り付けられたカバーを含み、カバー及び裏材は一緒に、製品を含むための少なくとも1つの密封されたキャビティを形成し、密封されたキャビティはドーム部分及びベース部分を含み、ベース部分の少なくとも一セクションは第1の方向にドーム部分を越えて延在し、ドーム部分は第2の方向にカバーの外周部分を越えて延在し、第2の方向は第1の方向に垂直であり、ベース部分の上壁は、ベース部分の側壁に対してある角度で延在し、それにより、ベース部分が裏材に対してより容易に撓む又は動くことを可能にする、ブリスターパック。
【0081】
2D.角度が90°未満である、実施形態1Dに記載のブリスターパック。
【0082】
3D.上壁の内側端部が、上壁の反対側の外側端部よりも裏材に近い、実施形態1D又は2Dに記載のブリスターパック。
【0083】
本開示技術をその特定の例を参照して詳細に記載してきたが、その趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な変更や修正を本明細書において加えることができることは当業者にとって明らかである。したがって、本開示技術は開示された特定の実施形態に限定されず、添付の特許請求の範囲によって定義される本開示技術の趣旨及び範囲内での修正を網羅することが意図されることが理解される。