(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-14
(45)【発行日】2023-11-22
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
G09G 3/3266 20160101AFI20231115BHJP
G09G 3/20 20060101ALI20231115BHJP
G09G 3/36 20060101ALI20231115BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20231115BHJP
G02F 1/133 20060101ALN20231115BHJP
【FI】
G09G3/3266
G09G3/20 611A
G09G3/20 622R
G09G3/36
G09F9/30 338
G09G3/20 622K
G09G3/20 622E
G09G3/20 691D
G02F1/133 580
(21)【出願番号】P 2022043607
(22)【出願日】2022-03-18
(62)【分割の表示】P 2020107716の分割
【原出願日】2015-04-28
【審査請求日】2022-04-14
(31)【優先権主張番号】P 2014095028
(32)【優先日】2014-05-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000153878
【氏名又は名称】株式会社半導体エネルギー研究所
(72)【発明者】
【氏名】豊高 耕平
(72)【発明者】
【氏名】岩城 裕司
【審査官】西島 篤宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-058099(JP,A)
【文献】特開平11-272205(JP,A)
【文献】特開2010-128014(JP,A)
【文献】国際公開第2011/068158(WO,A1)
【文献】特開2010-176114(JP,A)
【文献】特開2011-210241(JP,A)
【文献】特開2010-108303(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/00 - 3/38
G09F 9/30
G02F 1/133
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部と、
タッチセンサと、第1の走査線駆動回路と、第2の走査線駆動回路と、制御部とを有し、
前記表示部は、第1の領域と第2の領域とを有し、
前記表示部は、前記第1の領域と前記第2の領域とが同一平面上に展開された展開状態と、前記第1の領域と前記第2の領域との間で2つに折り畳む折り畳み状態とをとることができ、
前記タッチセンサは、前記表示部と重なる領域を有し、
前記タッチセンサは、第3の領域と第4の領域とを有し、
前記第3の領域は、第1のトランジスタを有する第1のセンサ回路を有し、
前記第4の領域は、第2のトランジスタを有する第2のセンサ回路を有し、
前記タッチセンサは、前記第3の領域と前記第4の領域とが同一平面上に展開された展開状態と、前記第3の領域と前記第4の領域との間で2つに折り畳む折り畳み状態とをとることができ、
前記表示部における前記第1の領域と前記第2の領域との間の位置と、前記タッチセンサにおける前記第3の領域と前記第4の領域との間の位置とは重畳しており、
前記第1の走査線駆動回路は、
前記第1のトランジスタのスイッチングを制御する信号を供給する機能を有し、
前記第2の走査線駆動回路は、
前記第2のトランジスタのスイッチングを制御する信号を供給する機能を有し、
前記第1の走査線駆動回路は、スイッチを介して前記第2の走査線駆動回路と電気的に接続され、
前記表示部
と前記タッチセンサとが展開状態のときは、前記スイッチがオン状態となり、前記制御部から前記第1の走査線駆動回路にスタートパルスが供給され、
前記表示部
と前記タッチセンサとが折り畳み状態のときは、前記スイッチがオフ状態となり、前記制御部から
前記第1の走査線駆動回路または前記第2の走査線駆動回路にスタートパルスが供給され
る半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一態様は、物、プロセス(方法および製造方法を含む)、機械(マシーン)、製
品(マニュファクチャ)、または組成物(コンポジション・オブ・マター)に関する。特
に本発明の一態様は、半導体装置、表示装置、発光装置、それらの駆動方法、それらの制
御方法(プログラムを含む。)またはそれらの製造方法等に関する。
【0002】
なお、本明細書中において半導体装置とは、半導体の電子工学的な特性を利用することで
機能しうる装置の全てをその範疇とする。例えば、半導体回路は、半導体装置に含まれる
。また、電気光学装置や表示装置、電気機器等は、半導体装置を有している場合がある。
【背景技術】
【0003】
情報伝達手段に係る社会基盤が充実されている。これにより、多様で潤沢な情報を職場や
自宅だけでなく外出先でも情報処理装置を用いて取得、加工または発信可能となっている
。
【0004】
このような背景において、携帯可能な情報処理装置が盛んに開発されている。
【0005】
例えば、特許文献1には携帯時に折り畳み可能で、使用時には大きく広げることのできる
半導体装置が開示されている。また、特許文献2には、表示部を折り曲げることができる
表示装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2003-195973号公報
【文献】特開2014-035496号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
半導体装置の性能を評価する上で、消費電力が低いことは重要な要素の一つである。特に
携帯型の電子機器等の半導体装置は、消費電力の高さが連続使用時間の短縮化につながる
ため、消費電力の低減が求められる。そこで、本発明の一態様は、消費電力が低減された
半導体装置を提供することを課題の一とする。
【0008】
または、可搬性(ポータビリティともいう。)に優れた半導体装置を提供することを課題
の一とする。または、新規な半導体装置を提供することを課題の一とする。
【0009】
なお、これらの課題の記載は、他の課題の存在を妨げるものではない。また、本発明の一
態様は、これらの課題の全てを解決する必要はないものとする。なお、これら以外の課題
は、明細書、図面、特許請求の範囲等(明細書等とも表記する。)の記載から自ずと明ら
かになるものであり、明細書等の記載からこれら以外の課題を抽出することが可能である
。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様の半導体装置は、折り畳み可能な作動部を有し、作動部の一領域を動作さ
せ、他の一領域の動作を選択的に停止することが可能な機能を有する。選択的に動作を停
止する領域としては、代表的には半導体装置を折り畳んだ状態において使用者によって視
認されない領域とすることができる。作動部の一領域の動作を選択的に停止することで、
消費電力を低減することができる。より具体的には、例えば以下の構成とすることができ
る。
【0011】
本発明の一態様は、作動部と、複数の走査線駆動回路と、制御部とを有し、作動部は、複
数の走査線駆動回路の各々によって駆動される複数の領域を有し、走査線駆動回路の一と
、隣接して配置された走査線駆動回路の一とは、スイッチを介して電気的に接続され、制
御部は、複数の走査線駆動回路から選択される一の走査線駆動回路にスタートパルスを供
給することができる機能を有し、作動部は、複数の領域の各々の間において折り畳み可能
である半導体装置である。
【0012】
また、本発明の一態様は、作動部と、第1の走査線駆動回路と、第2の走査線駆動回路と
、制御部とを有し、作動部は、第1の領域と、第2の領域とを有し、第1の領域は、マト
リクス状に配置された複数のトランジスタを有し、第2の領域は、マトリクス状に配置さ
れた複数のトランジスタを有し、第1の走査線駆動回路は、第1段乃至第k段(kは2以
上の整数)のシフトレジスタを有し、第2の走査線駆動回路は、第(k+1)段乃至第h
段(hは4以上の整数。ただし(k+1)<h)のシフトレジスタを有し、第k段のシフ
トレジスタと、第(k+1)段のシフトレジスタとは、スイッチを介して接続され、第1
の走査線駆動回路は、第1の領域に含まれる複数のトランジスタを駆動することができる
機能を有し、第2の走査線駆動回路は、第2の領域に含まれる複数のトランジスタを駆動
することができる機能を有し、制御部は、第1の走査線駆動回路又は第2の走査線駆動回
路のいずれか一にスタートパルスを供給することができる機能を有し、作動部は、第1の
領域と第2の領域との間で折り畳み可能である半導体装置である。
【0013】
上記の半導体装置において、制御部は、スイッチをオン状態として、第1の走査線駆動回
路にスタートパルスを供給する機能と、スイッチをオフ状態として、第2の走査線駆動回
路にスタートパルスを供給する機能とを有するとよい。
【0014】
また、上記の半導体装置において、制御部は、スイッチをオン状態として、第(k+2)
段乃至第(h-1)段のシフトレジスタのいずれか一にリセット信号を供給することがで
きる機能を有していてもよい。
【0015】
また、本発明の一態様は、作動部と、第1の走査線駆動回路と、第2の走査線駆動回路と
、第3の走査線駆動回路と、制御部とを有し、作動部は、第1の領域と、第2の領域と、
第3の領域とを有し、第1の領域は、マトリクス状に配置された複数のトランジスタを有
し、第2の領域は、マトリクス状に配置された複数のトランジスタを有し、第3の領域は
、マトリクス状に配置された複数のトランジスタを有し、第1の走査線駆動回路は、第1
段乃至第k段(kは2以上の整数)のシフトレジスタを有し、第2の走査線駆動回路は、
第(k+1)段乃至第h段(hは4以上の整数。ただし(k+1)<h)のシフトレジス
タを有し、第3の走査線駆動回路は、第(h+1)段乃至第t段(tは6以上の整数。た
だし(h+1)<t)のシフトレジスタを有し、第k段のシフトレジスタと、第(k+1
)段のシフトレジスタとは、第1のスイッチを介して接続され、第h段のシフトレジスタ
と、第(h+1)段のシフトレジスタとは、第2のスイッチを介して接続され、第1の走
査線駆動回路は、第1の領域に含まれる複数のトランジスタを駆動することができる機能
を有し、第2の走査線駆動回路は、第2の領域に含まれる複数のトランジスタを駆動する
ことができる機能を有し、第3の走査線駆動回路は、第3の領域に含まれる複数のトラン
ジスタを駆動することができる機能を有し、制御部は、第1のスイッチをオン状態として
、第1の走査線駆動回路にスタートパルスを供給する機能と、第1のスイッチをオフ状態
とし、第2のスイッチをオン状態として、第2の走査線駆動回路にスタートパルスを供給
する機能と、第1のスイッチ及び第2のスイッチをオフ状態として、第3の走査線駆動回
路にスタートパルスを供給する機能とを有し、作動部は、第1の領域と第2の領域との間
で折り畳み可能であり、第2の領域と第3の領域との間で折り畳み可能である半導体装置
である。
【0016】
また、上記の半導体装置において、プログラムを実行させる演算部を有し、プログラムは
、作動部の一領域が、作動部の他の領域に接していることを検知するステップと、作動部
の接している領域の形状によって、作動部の展開状態又は折り畳み状態を判定するステッ
プと、作動部が折り畳み状態であれば、制御部にスタートパルスの供給を命令するステッ
プと、を有していてもよい。
【0017】
また、上記の半導体装置において、作動部として、表示部及び/又はタッチセンサの検知
部を有していてもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明の一態様によって、消費電力の低減した半導体装置を提供することが可能である。
または、本発明の一態様によって、可搬性に優れた半導体装置を提供することが可能であ
る。または、本発明の一態様によって、新規な半導体装置を提供することが可能である。
【0019】
なお、これらの効果の記載は、他の効果の存在を妨げるものではない。なお、本発明の一
態様は、必ずしも、これらの効果の全てを有する必要はない。なお、これら以外の効果は
、明細書、図面、請求項などの記載から、自ずと明らかとなるものであり、明細書、図面
、請求項などの記載から、これら以外の効果を抽出することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の一態様に係る半導体装置を説明するブロック図及び外形模式図。
【
図2】本発明の一態様に係る半導体装置の構成を説明する図。
【
図3】本発明の一態様に係る半導体装置の構成を説明する図。
【
図4】本発明の一態様に係る半導体装置の構成を説明する図。
【
図5】本発明の一態様に係る半導体装置の構成を説明する図。
【
図6】本発明の一態様に係る半導体装置の構成を説明する図。
【
図7】本発明の一態様に係るプログラムのフローを説明する図。
【
図8】実施の形態に係る半導体装置の構成を説明する投影図。
【
図9】実施の形態に係る半導体装置の構成を説明する断面図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の実施の形態の一例について、図面を用いて以下に説明する。ただし、本発明は以
下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳
細を様々に変更し得ることは、当業者であれば容易に理解される。したがって、本発明は
以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0022】
なお、図面等において示す各構成の位置、大きさ、範囲等は、理解の簡単のために実際の
位置、大きさ、範囲等を表していない場合がある。このため、本明細書等で開示する発明
は、必ずしも図面等に開示された位置、大きさ、範囲等に限定されない。
【0023】
また、以下に説明する発明の構成において、同一部分又は同様の機能を有する部分には同
一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する。
【0024】
なお、本明細書等における「第1」、「第2」等の序数詞は、構成要素の混同を避けるた
めに付すものであり、数的に限定するものではないことを付記する。
【0025】
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様の半導体装置の構成について、
図1乃至
図5を参照し
ながら説明する。
【0026】
本発明の一態様に係る半導体装置の構成を示すブロック図の一例を
図1(A)に示す。な
お、本明細書等では、ブロック図において回路を機能ごとに分類し、互いに独立したブロ
ックとして示しているが、実際の回路は機能ごとに切り分けることが難しく、一つの回路
が複数の機能に係ることもあり得る。また、各回路の配置は、
図1(A)に示した構成に
限られるものではなく、適宜設定することができる。
【0027】
図1(A)に示す半導体装置200は、展開及び折り畳み可能な作動部230と、作動部
230を駆動する駆動回路部232と、駆動回路部232の制御信号を供給する制御部2
10と、作動部230の展開又は折り畳み状態を検知する検知部240と、を有する。
【0028】
作動部230は、第1の領域230(1)と第2の領域230(2)とを有し、第1の領
域230(1)と第2の領域230(2)との間において折り畳むことが可能である。図
1(A)では、第1の領域230(1)と第2の領域230(2)との境界280におい
て作動部230を折り畳むことが可能である場合を例示している。第1の領域230(1
)と第2の領域230(2)とはそれぞれ、マトリクス状に配置された複数のトランジス
タを有する。複数のトランジスタのそれぞれは、表示素子、フォトダイオード、又は受動
素子(例えば容量素子等)等と電気的に接続されている。換言すると、作動部230は、
アクティブマトリクス構造を有している。本明細書等では、マトリクス状に配置されたト
ランジスタの一と、該トランジスタと電気的に接続された受動素子又は表示素子と、を有
するユニットをユニットセルとも表記する。
【0029】
複数のトランジスタの各々を、マトリクス状に配置された複数の表示素子(例えば、発光
素子、液晶素子等)と電気的に接続させて、トランジスタによって表示素子の各々の動作
を制御することで、作動部230を半導体装置200の表示部として機能させることが可
能となる。この場合、ユニットセルの一が一画素に相当する。又は、複数のトランジスタ
の各々を、マトリクス状に配置された複数の容量素子と電気的に接続させて、アクティブ
マトリクス型のタッチセンサを構成することで、作動部230を半導体装置200のタッ
チセンサの検知部(センシング部)として機能させることが可能となる。
【0030】
作動部230において、第1の領域230(1)におけるユニットセルの間隔と、第2の
領域230(2)におけるユニットセルの間隔とは、概略同じ間隔とすることが好ましい
。特に、作動部230を表示部として機能させる場合には、第1の領域230(1)と第
2の領域230(2)とに連続して画像が表示されるように、ユニットセル(換言すると
、画素)を配置することが好適である。例えば、使用者が第1の領域230(1)と第2
の領域230(2)の境界280が識別されないように、第1の領域230(1)から第
2の領域230(2)まで同じ間隔でユニットセルを配置するとよい。
【0031】
折り畳むことが可能な作動部230に適用可能なアクティブマトリクス構造を有するパネ
ルは、例えば可撓性を有する基板と、当該基板上の複数のユニットセルと、を有する。例
えば作動部230は、表示あるいはセンシングをすることができる一の面を内側にしても
外側にしても1mm以上100mm以下の曲率半径で曲げることができる。
【0032】
駆動回路部232は、信号線制御回路232Sと、複数の走査線駆動回路とを有する。信
号線制御回路232Sは、作動部230の有するアクティブマトリクス型のユニットセル
のうち選択された一のユニットセルに含まれる表示素子又は受動素子への信号の入力また
は信号の読み出しを制御する機能を有する。複数の走査線駆動回路同士は、スイッチを介
して電気的に接続されている。
図1(A)では、走査線駆動回路232G1と、走査線駆
動回路232G2とを有する場合を例に示している。走査線駆動回路232G1は、作動
部230の第1の領域230(1)に含まれる複数のトランジスタのスイッチングを制御
する信号を供給する機能を有する。走査線駆動回路232G2は、作動部230の第2の
領域230(2)に含まれる複数のトランジスタのスイッチングを制御する信号を供給す
る機能を有する。そして、走査線駆動回路232G1と走査線駆動回路232G2とは、
図示しないスイッチを介して電気的に接続されている。なお、走査線駆動回路の個数は、
図1(A)の構成に限られるものではなく、作動部230の折り畳まれる数によって任意
に設定することが可能である。例えば、作動部230を3つに折り畳むことができる構成
とする場合には、走査線駆動回路の個数を3つとして、各々の走査線駆動回路をスイッチ
を介して電気的に接続させるものとする。
【0033】
検知部240は、作動部230の折り畳まれた状態、より具体的には折り畳まれた状態に
おける第1の領域230(1)と第2の領域230(2)との位置関係を検知して、制御
部210へ折り畳み検知信号FSS(FSS:Fold Sensing Signal
)を供給する機能を有する。折り畳み状態の検知には、センサ(例えば加速度センサ、磁
気センサ等。非接触センサを含む。)を用いることが可能である。
【0034】
一例としては、検知部240を作動部230における第1の領域230(1)又は第2の
領域230(2)の一方又はその近傍(例えば、当該領域を支持する筐体上等)に設け、
第1の領域230(1)又は第2の領域230(2)の他方又はその近傍に標識を設ける
。このような構成とすると、作動部230が折り畳まれた状態においては、検知部240
と標識とが近接する又は接する状態となる。したがって、検知部240の有するセンサに
よって、標識を検知することにより、検知部240は作動部230の折り畳まれた状態の
検知、及び折り畳まれた状態における領域同士の位置関係の検知を行うことが可能となり
、折り畳み検知信号FSSを制御部210へ供給することができる。
【0035】
なお、本明細書等において半導体装置または作動部が折り畳まれた状態とは、作動部の一
領域と作動部の他領域とが接している場合のみでなく、作動部の一領域と作動部の他領域
とが近接し、その最短距離が検知部240の有するセンサによって検知できる距離以下で
ある場合を含む。
【0036】
検知部240の有するセンサは、標識を識別できるものを選択して用いることができる。
具体的には、標識として、光を用いる場合には、光電変換素子等をセンサに用いることが
できる。または、標識に電波を用いる場合には、アンテナ等をセンサに用いることができ
る。または標識に磁石を用いる場合には、磁気センサ等をセンサに用いることができる。
【0037】
制御部210は、駆動回路部232が有する信号線制御回路232S、走査線駆動回路2
32G1及び走査線駆動回路232G2へのデータ信号、駆動信号及び電源電位等の供給
を制御する機能を有する。なお、駆動信号は、パルスによって駆動回路部232の動作を
制御するための信号であるが、駆動回路部232の構成によってその動作に必要な駆動信
号の種類は異なる。例えば、駆動信号には、シフトレジスタの動作を制御するスタートパ
ルス及びクロック信号、記憶回路におけるデータ保持のタイミングを制御するラッチ信号
等が挙げられる。
【0038】
本発明の一態様の半導体装置200において制御部210は、検知部240から供給され
る折り畳み検知信号FSSに応じた駆動信号を、走査線駆動回路232G1及び走査線駆
動回路232G2へ供給する機能を有する。具体的には、作動部230が展開状態の場合
(換言すると、制御部210に折り畳み検知信号FSSが供給されない場合)には、走査
線駆動回路232G1及び走査線駆動回路232G2の双方が駆動するように駆動信号を
供給する。これにより、作動部230の全面(すなわち、第1の領域230(1)及び第
2の領域230(2))において表示またはセンシング等の動作が行われる。一方、作動
部230が折り畳み状態の場合(換言すると、制御部210に折り畳み検知信号FSSが
供給される場合)には、走査線駆動回路232G1及び走査線駆動回路232G2のうち
の一方が駆動するように駆動信号を供給する。これにより、作動部230のうち、折りた
たまれて視認されない領域における動作を停止することが可能となる。よって、当該視認
されない領域を駆動するための電力を低減することが可能となるため、半導体装置200
の消費電力を低減することができる。
【0039】
図1(B1)は、半導体装置200の作動部230の第1の領域230(1)と第2の領
域230(2)とが同一平面上に展開された状態(展開状態)を示す。この場合、作動部
230の全面において動作が行われる。
図1(B2)及び
図1(B3)は、半導体装置2
00の作動部230が境界280において折り畳まれた状態(折り畳み状態)を示す。こ
の場合、作動部230のうち第1の領域230(1)又は第2の領域230(2)の一方
において動作が行われ、他方においては動作が停止している。例えば、
図1(B2)では
第1の領域230(1)において動作し、第2の領域230(2)では動作が停止してい
る。また、
図1(B3)では、第2の領域230(2)において動作し、第1の領域23
0(1)では動作が停止している。
【0040】
駆動回路部232及び作動部230のより具体的な動作方法を、
図2を用いて説明する。
図2(A)は、
図1(A)に示した走査線駆動回路232G1、走査線駆動回路232G
2、信号線制御回路232S、第1の領域230(1)及び第2の領域230(2)の部
分拡大図である。
【0041】
作動部230は、複数のユニットセル100と、当該ユニットセル100と電気的に接続
された配線とを有する。それぞれのユニットセル100は、少なくとも一の走査線及び一
の信号線と電気的に接続されている。
【0042】
図2(A)では、作動部230においてh行(hは4以上の整数。ただし(k+1)<h
)×x列(xは1以上の整数)のユニットセル100がマトリクス状に配置されており、
信号線S1乃至Sxと、走査線G1乃至Ghが作動部230内に配置されている。また、
走査線G1乃至Ghのうち、走査線G1乃至Gk(kは、2以上の整数)は、第1の領域
230(1)に配置されており、走査線G(k+1)乃至Ghは、第2の領域230(2
)に配置されている。
【0043】
走査線駆動回路232G1は、第1段乃至第k段のシフトレジスタ(GSR1乃至GSR
k)を有する。シフトレジスタ(GSR)は、クロック信号とスタートパルスにしたがっ
て1段目から次段へ向けて順次パルス信号を出力する機能と、ゲート信号を生成するため
のパルス信号を走査線へ出力する機能とを有する。走査線駆動回路232G1は、第1段
乃至第k段のシフトレジスタと電気的に接続された走査線G1乃至Gkへパルス信号を出
力する機能を有する。すなわち、走査線駆動回路232G1は、第1の領域230(1)
の有するユニットセルを駆動する機能を有する。
【0044】
また、走査線駆動回路232G2は、第(k+1)段乃至第h段のシフトレジスタ(GS
R(k+1)乃至GSRh)を有し、第(k+1)段乃至第h段のシフトレジスタと電気
的に接続された走査線G(k+1)乃至Ghへパルス信号を出力する機能を有する。すな
わち、走査線駆動回路232G2は、第2の領域230(2)の有するユニットセルを駆
動する機能を有する。
【0045】
制御部210は、走査線駆動回路232G1と電気的に接続されており、且つ、走査線駆
動回路232G2とスイッチ262を介して電気的に接続されている。また、走査線駆動
回路232G1と、走査線駆動回路232G2とは、スイッチ260を介して電気的に接
続されている。そして、制御部210は、検知部240から供給される折り畳み検知信号
FSSに応じて、走査線駆動回路232G1及び走査線駆動回路232G2のいずれか一
方に、スタートパルスを供給する機能を有する。
【0046】
制御部210に折り畳み検知信号FSSが供給されない場合、制御部210は、スイッチ
260をオン状態として、シフトレジスタの第1段(GSR1)へスタートパルスSP1
を供給する。この場合、走査線駆動回路232G2の有するシフトレジスタの初段である
シフトレジスタGSR(k+1)へは、走査線駆動回路232G1の有するシフトレジス
タの最終段であるシフトレジスタGSRkからパルス信号が供給される。その結果、第1
の領域230(1)及び第2の領域230(2)の有するユニットセルが駆動され、作動
部230全面で動作が行われる。
【0047】
制御部210に折り畳み検知信号FSSが供給される場合、第1の領域230(1)又は
第2の領域230(2)の一方で動作が行われ、他方では動作が停止する。例えば、第1
の領域230(1)で動作が行われる場合には、制御部210はスイッチ260をオフ状
態として、シフトレジスタの第1段(GSR1)へスタートパルスSP1を供給する。こ
の場合、走査線駆動回路232G2の有するシフトレジスタへはスタートパルスが供給さ
れないため、第1の領域230(1)でのみ動作が行われ、第2の領域230(2)では
動作が停止する。これによって、作動部230全面を動作させる場合と比較して消費電力
を低減させることができる。
【0048】
また、制御部210に折り畳み検知信号FSSが供給され、第2の領域230(2)で動
作が行われる場合には、制御部210はスイッチ260をオフ状態とし、且つスイッチ2
62をオン状態として、シフトレジスタの第(k+1)段(GSR(k+1))へスター
トパルスSP2を供給する。この場合、走査線駆動回路232G1の有するシフトレジス
タへはスタートパルスが供給されないため、第2の領域230(2)でのみ動作が行われ
、第1の領域230(1)では動作が停止する。これによって、作動部230全面を動作
させる場合と比較して、消費電力を低減させることができる。
【0049】
なお、折り畳み状態において、第1の領域230(1)と第2の領域230(2)とのう
ち、動作させる領域は任意に選択することが可能である。例えば、検知部240によって
、第1の領域230(1)と第2の領域230(2)のうち上方にある領域を検知し、当
該上方にある領域を動作させる領域として選択することができる。なお、動作させる領域
の選択はこれに限られない。
【0050】
作動部230の有するユニットセル100の構成例を
図2(B1)及び
図2(B2)に示
す。
図2(B1)は、ユニットセルが発光素子を有し、作動部230を表示部として用い
る場合の構成例である。
図2(B2)は、ユニットセルが容量素子を有し、作動部230
をタッチセンサのセンシング部として用いる場合の構成例である。
【0051】
図2(B1)のユニットセルは、画素回路として機能し、トランジスタ634t_1と、
トランジスタ634t_2と、EL素子635ELと、容量素子634cとを有する。ト
ランジスタ634t_1のゲートは走査線Gと電気的に接続され、ソース又はドレインの
一方は、信号線Sと電気的に接続され、ソース又はドレインの他方は、容量素子634c
の一方の電極と電気的に接続される。トランジスタ634t_2のゲートは、容量素子6
34cの一方の電極と電気的に接続され、ソース又はドレインの一方は、容量素子634
cの他方の電極と電気的に接続され、ソース又はドレインの他方は、EL素子635EL
の一方の電極と電気的に接続される。EL素子635ELは、一対の電極の間に発光性の
有機化合物を含む層を有する。
【0052】
図2(B1)において、容量素子634cの他方の電極と、第2のトランジスタ634t
_2のソース又はドレインの一方は、電源電位や、EL素子635ELを発光させるため
に必要な電位を供給することができる配線Aと電気的に接続される。なお、配線Aの電位
は、一定でもよいし、所定の期間ごとにパルス状に変化してもよい。EL素子635EL
の他方の電極は、共通電位を供給することができる配線Cと電気的に接続される。なお、
電源電位と共通電位の電位差は、EL素子635ELの発光開始電圧よりも大きい。
【0053】
図2(B2)のユニットセルはアクティブタッチセンサのセンサ回路として機能し、容量
素子503と、トランジスタ511と、トランジスタ512と、トランジスタ513とを
有する。トランジスタ513のゲートは配線RESと電気的に接続され、ソース又はドレ
インの一方はVRESが与えられる配線と電気的に接続され、他方は容量素子503の一
方の電極およびトランジスタ511のゲートと電気的に接続される。トランジスタ511
のソース又はドレインの一方はトランジスタ512のソース又はドレインの一方と電気的
に接続され、他方は電圧VSSが与えられる配線と電気的に接続する。トランジスタ51
2のゲートは走査線Gと電気的に接続され、ソース又はドレインの他方が信号線Sと電気
的に接続される。容量素子503の他方の電極は電圧VSSが与えられる配線と電気的に
接続する。
【0054】
図2(B2)に示すセンサ回路の動作について説明する。配線RESにトランジスタ51
3をオン状態とする電位が与えられることで、トランジスタ511のゲートが接続される
ノードnに電圧VRESに対応した電位が与えられる。次いで配線RESにトランジスタ
513をオフ状態とする電位が与えられることで、ノードnの電位が保持される。続いて
、指等の被検知体の近接または接触により、容量素子503の相互容量が変化することに
伴い、ノードnの電位がVRESから変化する。
【0055】
読み出し動作は、走査線Gにトランジスタ512をオン状態とする電位を与える。ノード
nの電位に応じてトランジスタ511に流れる電流、すなわち信号線Sに流れる電流が変
化する。この電流を検出することにより、被検知体の近接または接触を検出することがで
きる。
【0056】
なお、本実施の形態において半導体装置は作動部を複数有していてもよい。例えば、
図3
に2つの作動部を有する半導体装置250を示す。
【0057】
半導体装置250は、第1の作動部である表示部630と、第2の作動部であるセンシン
グ部530と、表示部630を駆動するための駆動回路部632と、センシング部530
を駆動するための駆動回路部532と、検知部240と、制御部210とを有する。
【0058】
表示部630は、第1の領域630(1)と第2の領域630(2)とを有し、第1の領
域630(1)と第2の領域630(2)との境界680において折り畳むことが可能で
ある。表示部630はユニットセルとして画素回路を有する。また、センシング部530
は、第1の領域530(1)と第2の領域530(2)とを有し、第1の領域530(1
)と第2の領域530(2)との境界580において折り畳むことが可能である。センシ
ング部530はユニットセルとしてセンサ回路を有する。センシング部530と表示部6
30とは少なくとも一部が重なるように設けられている。また、表示部630における境
界680と、センシング部530における境界580とは重畳している。
【0059】
駆動回路部632は、信号線制御回路632S、走査線駆動回路632G1及び走査線駆
動回路632G2を有する。走査線駆動回路632G1は表示部630の第1の領域63
0(1)の駆動を制御する機能を有する。走査線駆動回路632G2は表示部630の第
2の領域630(2)の駆動を制御することができる。詳細は、先の作動部230の駆動
と同様であり、先の説明を参酌することができる。
【0060】
駆動回路部532は、信号線制御回路532S、走査線駆動回路532G1及び走査線駆
動回路532G2を有する。走査線駆動回路532G1はセンシング部530の第1の領
域530(1)の駆動を制御する機能を有する。走査線駆動回路532G2はセンシング
部530の第2の領域530(2)の駆動を制御する機能を有する。詳細は、先の作動部
230の駆動と同様であり、先の説明を参酌することができる。
【0061】
制御部210は、駆動回路部632及び駆動回路部532へのデータ信号、駆動信号及び
電源電位の供給を制御する機能を有する。駆動回路部632へのデータ信号、駆動信号及
び電源電位の供給を制御する制御部と、駆動回路部532へのデータ信号、駆動信号及び
電源電位の供給を制御する制御部とを別々に設ける構成としてもよい。
【0062】
半導体装置250は、検知部240から供給される折り畳み検知信号FSSに応じて、表
示部630の一領域及びセンシング部530の一領域の動作を停止させることが可能であ
る。よって、消費電力の低減された半導体装置とすることができる。
【0063】
なお、折り畳み状態において、表示部630において動作の停止される領域と、センシン
グ部530において動作の停止される領域とは、少なくとも一部が重なる領域を有する。
代表的には、表示部630及びセンシング部530の双方において、折りたたまれて視認
されない領域における動作を停止するものとする。
【0064】
なお、上記において、半導体装置の作動部230、表示部630、又はセンシング部53
0は、2つに折り畳むことができる構成を例示しているが、本実施の形態はこれに限られ
ない。具体的には、作動部230、表示部630、又はセンシング部530は、3つ以上
に折り畳むことができる構成であってもよい。折り畳むことができる数が多いほど、折り
畳まれた状態の外形を小さくすることができるため、可搬性を高められる。
【0065】
図4に、3つに折り畳むことが可能な作動部230を駆動する駆動回路の構成例を示す。
図4では、作動部230が、第1の領域230(1)と第2の領域230(2)の境界2
80aと、第2の領域230(2)と第3の領域230(3)の境界280bとにおいて
折り畳むことが可能な場合を例示している。
図4の作動部230ではt行(tは6以上の
整数。ただし(h+1)<t)×x列のユニットセル100がマトリクス状に配置されて
おり、信号線S1乃至Sxと、走査線G1乃至Gtが作動部230内に配置されている。
また、走査線G1乃至Gtのうち、走査線G1乃至Gkは、第1の領域230(1)に配
置されており、走査線G(k+1)乃至Ghは、第2の領域230(2)に配置されてお
り、走査線G(h+1)乃至Gtは、第3の領域230(3)に配置されている。
【0066】
作動部230を3つに折り畳むことが可能な構成とした場合においても、上述した2つに
折り畳むことが可能な構成と同様な駆動方法を適用することが可能である。すなわち、複
数の走査線駆動回路から選択される一の走査線駆動回路に選択的にスタートパルスを供給
することで、作動部230における任意の領域を動作させ、その他の領域の動作を停止す
ることができる。作動部230の一部の動作を停止させることで、半導体装置の消費電力
を低減することが可能となる。より具体的な駆動方法を以下に示す。
【0067】
走査線駆動回路232G1は、第1段乃至第k段のシフトレジスタ(GSR1乃至GSR
k)を有し、第1段乃至第k段のシフトレジスタと電気的に接続された走査線G1乃至G
kへパルス信号を出力する機能を有する。走査線駆動回路232G2は、第(k+1)段
乃至第h段のシフトレジスタ(GSR(k+1)乃至GSRh)を有し、第(k+1)段
乃至第h段のシフトレジスタと電気的に接続された走査線G(k+1)乃至Ghへパルス
信号を出力する機能を有する。走査線駆動回路232G3は、第(h+1)段乃至第t段
のシフトレジスタ(GSR(h+1)乃至GSRt)を有し、第(h+1)段乃至第t段
のシフトレジスタと電気的に接続された走査線G(h+1)乃至Gtへパルス信号を出力
する機能を有する。
【0068】
制御部210は、走査線駆動回路232G1と電気的に接続され、走査線駆動回路232
G2とスイッチ262を介して電気的に接続され、且つ、走査線駆動回路232G3とス
イッチ266を介して電気的に接続されている。また、走査線駆動回路232G1と、走
査線駆動回路232G2とは、スイッチ260を介して電気的に接続され、走査線駆動回
路232G2と、走査線駆動回路232G3とは、スイッチ264を介して電気的に接続
されている。そして、制御部210は、検知部240から供給される折り畳み検知信号F
SSに応じて、走査線駆動回路232G1、走査線駆動回路232G2及び走査線駆動回
路232G3から選択されるいずれか一に、スタートパルスを供給する機能を有する。
【0069】
制御部210に折り畳み検知信号FSSが供給されない場合、制御部210は、スイッチ
260及びスイッチ264をオン状態として、シフトレジスタの第1段(GSR1)へス
タートパルスSP1を供給する。その結果、第1の領域230(1)乃至第3の領域23
0(3)の有するユニットセルが駆動され、作動部230全面で動作が行われる。
【0070】
制御部210に折り畳み検知信号FSSが供給される場合、第1の領域230(1)乃至
第3の領域230(3)のいずれか一又は二の領域で動作が行われ、少なくとも一の領域
では動作が停止する。例えば、第1の領域230(1)で動作が行われ、第2の領域23
0(2)及び第3の領域230(3)では動作が停止する場合には、制御部210はスイ
ッチ260をオフ状態として、シフトレジスタの第1段(GSR1)へ選択的にスタート
パルスSP1を供給する。また、第1の領域230(1)及び第2の領域230(2)で
動作が行われ、第3の領域230(3)では動作が停止する場合には、制御部210はス
イッチ260をオン状態とし、スイッチ262及びスイッチ264をオフ状態として、シ
フトレジスタの第1段(GSR1)へ選択的にスタートパルスSP1を供給する。
【0071】
また、第2の領域230(2)で動作が行われ、第1の領域230(1)及び第3の領域
230(3)では動作が停止する場合には、制御部210はスイッチ262をオン状態と
し、スイッチ264をオフ状態として、シフトレジスタの第(k+1)段(GSR(k+
1))へ選択的にスタートパルスSP2を供給する。また、第2の領域230(2)及び
第3の領域230(3)で動作が行われ、第1の領域230(1)では動作が停止する場
合には、制御部210はスイッチ262及びスイッチ264をオン状態として、シフトレ
ジスタの第(k+1)段(GSR(k+1))へ選択的にスタートパルスSP2を供給す
る。また、第3の領域230(3)で動作が行われ、第1の領域230(1)及び第2の
領域230(2)では動作が停止する場合には、制御部210はスイッチ266をオン状
態として、シフトレジスタの第(h+1)段(GSR(h+1))へ選択的にスタートパ
ルスSP3を供給する。
【0072】
以上によって、3つに折り畳むことが可能な作動部230を有する半導体装置において消
費電力の低減を実現することができる。
【0073】
図5に、3つに折り畳むことが可能な作動部230を有する半導体装置300の斜視図を
示す。
図5(A)は、展開された状態の半導体装置300を説明する図である。
図5(B
1)は、第1の領域230(1)を最上面とするように折り曲げる状態の半導体装置30
0を説明する図であり、
図5(C1)は、
図5(B1)の状態を経て折り畳まれた状態の
半導体装置300を説明する図である。
図5(B2)は、第3の領域230(3)を最上
面とするように折り曲げる状態の半導体装置300を説明する図であり、
図5(C2)は
、
図5(B2)の状態を経て折り畳まれた状態の半導体装置300を説明する図である。
図5(D)は、第1の領域230(1)が第2の領域230(2)と重なるように、第2
の領域230(2)の下側に折り畳まれた状態の半導体装置300を説明する図である。
【0074】
半導体装置300は、筐体15aと筐体15bと、筐体15a及び筐体15bの間に挟ま
れた作動部230を有するパネルを有している。筐体15aは2か所の間隙を有しており
、間隙部分には接続部材13aが設けられている。筐体15bは、筐体15aの間隙と重
なる位置に間隙を有している。接続部材13aは、折り畳み状態においてヒンジとして機
能し、作動部230の折り畳まれる箇所(第1の領域230(1)と第2の領域230(
2)の境界、第2の領域230(2)と第3の領域230(3)の境界)に対応する位置
に設けられている。なお、接続部材13aは、筐体15b側に設けてもよいし、筐体15
a及び筐体15bの双方に設けてもよい。
【0075】
筐体15a及び筐体15bは、作動部230を有するパネルを支持して機械的強度を高め
る効果を有する。筐体15a及び筐体15bによって作動部230を有するパネルを支持
することで、当該パネルの破損を防止または抑制することができる。また、筐体15a及
び/又は筐体15bは、走査線駆動回路232G1乃至走査線駆動回路232G3及び信
号線制御回路232Sを支持する構成としてもよい。このような構成とすることにより、
駆動回路を外部から加わる応力から保護することができる。また、筐体15a及び/又は
筐体15bは、検知部及び/又は制御部を支持する構成としてもよい。
【0076】
なお、作動部230を有するパネルを支持する筐体は、当該パネルの動作面側またはそれ
に対向する面側の一方のみに配置してもよい。筐体15a又は筐体15bの一方でのみパ
ネルを支持する構成としてもよい。このような構成とすることにより、半導体装置を小型
化又は、軽量化することができる。
【0077】
筐体15a、筐体15b及び接続部材13aには、プラスチック、金属、合金または/お
よびゴム等を用いることができる。プラスチックやゴム等を用いることで、軽量であり、
破損しにくい半導体装置とすることができるため、好ましい。例えば、接続部材13aと
してシリコーンゴム、筐体15a、筐体15bとしてステンレスやアルミニウムを用いれ
ばよい。なお、接続部材13aは、筐体15a及び筐体15bよりも可撓性の高い材料を
用いることが好ましい。また、作動部230として表示部を適用する場合において、表示
面側に接続部材や筐体を配置するには、表示領域と重なる領域には透光性を有する材料を
適用するものとする。
【0078】
接続部材と筐体の固定方法、接続部材と作動部230を有するパネルの固定方法、又は筐
体と作動部230を有するパネルの固定方法としては、例えば接着剤、ネジ・ピン、クリ
ップ等を適用できる。
【0079】
半導体装置300は、
図5(A)に示す展開状態においては、検知部から制御部に折り畳
み検知信号FSSが供給されず、第1の領域230(1)乃至第3の領域230(3)の
有するユニットセルが駆動され、作動部230全面で動作が行われる。この場合、継ぎ目
のない広い領域において動作をすることができる。これにより、一覧性に優れた動作をす
ることができる。一方、
図5(C1)、
図5(C2)及び
図5(D)に例示するように折
り畳まれた状態においては、第1の領域230(1)乃至第3の領域230(3)の少な
くとも一領域が動作を停止することで消費電力を低減することができる。例えば
図5(C
1)に示すように、第1の領域230(1)を最上面として半導体装置300を3つに折
り畳む場合には、第1の領域230(1)では動作が行われ、第2の領域230(2)及
び第3の領域230(3)では動作を停止することができる。また、
図5(C2)に示す
ように、第3の領域230(3)を最上面として半導体装置300を3つに折り畳む場合
には、第3の領域230(3)では動作が行われ、第1の領域230(1)及び第2の領
域230(2)では動作を停止することができる。または、
図5(D)に示すように、第
1の領域230(1)が第2の領域230(2)と重なるように、第2の領域230(2
)の下側に折り畳む場合には、第2の領域230(2)及び第3の領域230(3)では
動作が行われ、第1の領域230(1)では動作を停止することができる。なお、半導体
装置300の折り畳み方法は、
図5に示す構成に限られるものではなく、使用態様によっ
て適宜設定することができる。
【0080】
図5に示すように折り畳まれた状態で使用者に視認されない領域の動作を停止することで
、半導体装置300の消費電力を低減することができる。また、作動部230の一部の領
域を内側になるように折り畳むことで、当該領域の傷付きまたは汚れの付着を防止するこ
とができる。
【0081】
以上示したように、本実施の形態の半導体装置は、折り畳み可能な作動部を有し、折り畳
み状態において作動部の一領域の動作を選択的に停止することで、低消費電力化を達成し
た半導体装置とすることができる。また、可搬性に優れた半導体装置とすることができる
。
【0082】
なお、本実施の形態において示した構成例の一と、その他の一とは適宜組み合わせて用い
ることが可能である。また、本実施の形態の構成、方法等は、他の実施の形態の構成、方
法等と適宜組み合わせることが可能である。
【0083】
(実施の形態2)
本実施の形態においては、実施の形態1と異なる半導体装置の駆動方法の一態様について
、
図6を用いて説明する。具体的には、一または複数の走査線が作動部の折り曲げ箇所に
位置する場合の、半導体装置の駆動方法について説明する。なお、実施の形態1と同様の
機能又は同様の構成を有する部分は、実施の形態1を参酌することが可能であり、繰り返
しの説明を省略することがある。
【0084】
図6(A)に、本実施の形態の半導体装置の有する制御部210、走査線駆動回路232
G1、走査線駆動回路232G2、信号線制御回路232S、及び作動部230の構成例
を示す。
【0085】
作動部230は、第1の領域230(1)及び第2の領域230(2)を有し、境界28
2aから境界282bまでの領域が曲率を有するように折り畳むことが可能である。境界
282aは、第1の領域230(1)と第2の領域230(2)との間に位置する。境界
282bは、第2の領域230(2)内に位置する。また、第2の領域230(2)に配
置される走査線G(k+1)乃至Ghのうち、走査線G(k+1)乃至Gm(ただしmは
(k+2)以上(h-1)以下の整数)は、境界282aと境界282bとの間に配置さ
れている。
【0086】
境界282aから境界282bまでの領域が曲率を有するように折り畳まれる場合、折り
畳まれた作動部230において当該領域は側面に位置する領域である。例えば、
図6(B
1)に示すように、第1の領域230(1)が上方に位置するように作動部230を折り
畳むと、第1の領域230(1)と、第2の領域230(2)の一部である境界282a
と境界282bとの間の領域と、が使用者によって視認される。または、
図6(B2)に
示すように、第2の領域230(2)が上方に位置するように作動部230を折り畳むと
、第2の領域230(2)の全面が視認され、第1の領域230(1)は視認されない。
【0087】
本実施の形態の半導体装置では、制御部210が、走査線駆動回路232G2の有する第
m段目のシフトレジスタ(GSRm)へリセット信号(RES)を供給する機能を有する
。リセット信号を供給されたm段目のシフトレジスタ(GSRm)は、走査線Gmへパル
ス信号を出力し、(m+1)段目のシフトレジスタ(GSR(m+1))へはパルス信号
の出力を停止する。走査線Gmは、境界282aと境界282bとの間に配置された走査
線のうち、最終段の走査線である。制御部210からm段目のシフトレジスタ(GSRm
)へリセット信号を供給することで、第2の領域230(2)において境界282aと境
界282bとの間の領域(換言すると、走査線G(k+1)乃至Gmを有する領域)にお
いては動作が行われる状態とし、その他の領域(換言すると、走査線G(m+1)乃至G
hを有する領域)では動作を停止させることができる。
【0088】
例えば、制御部210に折り畳み検知信号FSSが供給され、第1の領域230(1)と
第2の領域230(2)の一部とで動作が行われる場合、制御部210はスイッチ260
をオン状態として、シフトレジスタの第1段(GSR1)へスタートパルスSP1を供給
する。また、制御部210は、走査線駆動回路232G2の有する第m段目のシフトレジ
スタ(GSRm)へリセット信号(RES)を供給する。この場合、走査線駆動回路23
2G2の有する第(m+1)段目以降のシフトレジスタへはパルス信号が供給されないた
め、第1の領域230(1)と、第2の領域230(2)のうち走査線G(k+1)乃至
Gmを有する領域とでのみ動作が行われ、第2の領域230(2)のうち走査線G(m+
1)乃至Ghを有する領域では動作が停止する。これによって、
図6(B1)に示すよう
に、半導体装置における上面(第1の領域230(1)に相当)と側面(境界282aと
境界282bの間に相当)を動作させ、下面(第2の領域230(2)のその他の領域に
相当)での動作を停止することが可能となる。これによって作動部230全面を動作させ
る場合と比較して消費電力を低減させることができる。
【0089】
なお、制御部210に折り畳み検知信号FSSが供給されない場合、又は、制御部210
に折り畳み検知信号FSSが供給されて第1の領域230(1)の動作を停止させ、第2
の領域230(2)の全領域を動作させる場合には、実施の形態1に示した方法と同様に
行うことが可能である。
【0090】
本実施の形態に示す半導体装置は、折り畳み状態において一部の動作を停止させることで
、消費電力の低減を図ることが可能である。また、走査線駆動回路に含まれるシフトレジ
スタの一にリセット信号を供給することで、一つの走査線駆動回路に接続された作動部を
、動作させる領域と動作を停止させる領域とに分割することが可能である。これによって
、様々な使用態様に合わせた駆動方法を実現した半導体装置を提供することができる。例
えば折り畳み状態において、上面と側面とに位置する作動部を動作させ、下面に位置する
作動部の動作を停止することができる。
【0091】
以上、本実施の形態の構成、方法等は、他の実施の形態の構成、方法等と適宜組み合わせ
用いることが可能である。
【0092】
(実施の形態3)
本実施の形態では、半導体装置の検知部における折り畳み状態の検知方法の一例について
説明する。なお、本実施の形態では、半導体装置の作動部として、アクティブタッチセン
サのセンシング部を有する場合を例に説明する。
【0093】
折り畳み可能な作動部を有する半導体装置を折り畳み状態とした場合、作動部の一部が、
作動部の他の一部と接する、又は近接する態様をとる。
図5に示した半導体装置300に
おいて、
図5(A)の展開状態では作動部230は、いずれの領域同士でも接していない
。
図5(C1)に示すように半導体装置300を、第1の領域230(1)が最上面とな
るように3つに折り畳んだ状態とすると、第2の領域230(2)の少なくとも一部と、
第3の領域230(3)の少なくとも一部とが接する構成とすることができる。例えば、
第3の領域230(3)の端部の一辺が、第1の領域230(1)との境界近傍の第2の
領域230(2)とライン状(線状)に接する構成とすることができる。または、
図5(
C2)に示すように半導体装置300を、第3の領域230(3)が最上面となるように
3つに折り畳んだ状態とすると、第1の領域230(1)の少なくとも一部と、第2の領
域230(2)の少なくとも一部とが接する構成とすることができる。例えば、第1の領
域230(1)の端部の一辺が、第3の領域230(3)との境界近傍の第2の領域23
0(2)とライン状(線状)に接する構成とすることができる。すなわち、半導体装置3
00の折り曲げる方向を異ならせることによって、作動部における接触領域(又は近接領
域)が異なることになる。したがって、作動部230の有するアクティブタッチセンサの
センシング回路によって当該接触領域(又は近接領域)を検知することによって、半導体
装置300の折り畳み状態、及び第1の領域230(1)乃至第3の領域230(3)の
位置関係を検知することができる。
【0094】
アクティブタッチセンサを用いて半導体装置の折り畳み状態の検知を行う場合、作動部は
検知部を兼ねることが可能となる。また、半導体装置は、演算部を有し、演算部は記憶さ
れたプログラムに従って、折り畳み検知信号FSSを制御部へと供給する構成とすること
ができる。
【0095】
図7に、本実施の形態の半導体装置において、演算部に記憶されたプログラムの一例を説
明するフロー図を示す。
【0096】
はじめに、ユニットセルごとの電位分布を示すセンサイメージを取得する(S1)。電位
分布は、画像の階調の分布として表されている。次いで、得られた電位分布に対してしき
い値を設定することで、画像の二値化を行う(S2)。しきい値は、半導体装置の使用者
が決定してもよいし、演算部において決定されていてもよい。
【0097】
次いで、二値化された画像においてラベリングデータを生成する(S3)。ラベリングデ
ータの生成によって、タッチを検出しその位置を決定する(S4)。
【0098】
ラベリングをする方法には様々な方法を用いることができる。例えば、隣接するユニット
セルの値を比較して同じ値である場合に同じラベルを付与するステップを、各ユニットセ
ルについて行う。これにより、同一のラベルが付された領域ごとに位置情報を特定するこ
とができる。一例としては、同一のラベルが付された領域の中心を当該領域の位置情報と
することができる。
【0099】
本実施の形態において、タッチが検出された場合に、その領域(ラベリングされた輪郭)
がライン状であるか否かの判断を行う(S5)。ライン状の輪郭が得られた場合には、折
り畳み状態であると判定する(S6)。また、折り畳みの方向、すなわちタッチセンサを
動作させるべき領域が決定される。なお、半導体装置がアクティブタッチセンサと重なる
アクティブマトリクスディスプレイを有している場合には、ディスプレイにおける動作(
表示)させるべき領域も同時に決定される。そして、タッチセンサの走査線駆動回路のス
キャン開始位置(換言すると、スタートパルス入力位置)を指定し、スタートパルスとリ
セット信号を走査線駆動回路に送る命令を制御部に供給する(S7)。このとき、ディス
プレイにおいて動作させるべき領域以外の領域において、スタートパルスを供給しない又
はリセット信号を供給する代わりに、通常動作よりも周波数を落としたクロック信号を供
給してもよい。当該命令が折り畳み検知信号FSSに相当する。その後、ディスプレイ表
示の変更を行う(S10)。
【0100】
一方、タッチが検出され且つその輪郭がライン状でない場合には、タッチ座標の履歴を参
照し(S8)、履歴との関係から当該タッチが入力動作(例えば、タップ、ドラッグ、ス
ワイプまたはピンチイン等)に相当するか否かを判定する(S9)。入力動作と判定され
た場合には、入力動作に応じた表示変更を行う(S10)。
【0101】
以上に示したプログラムを用いることで、アクティブタッチセンサを有する作動部を、折
り畳み状態の検知部の機能を兼ねる構成とすることができる。なお、折り畳み状態の判定
は、ライン状の輪郭に限られず、使用態様又は半導体装置の形状等によって適宜設定する
ことが可能である。
【0102】
以上、本実施の形態の構成、方法等は、他の実施の形態の構成、方法等と適宜組み合わせ
て用いることができる。
【0103】
(実施の形態4)
本実施の形態では、本発明の一態様の半導体装置の構成について、
図8および
図9を参照
しながら説明する。
【0104】
図8は本発明の一態様の半導体装置400の構成を説明する投影図である。本実施の形態
の半導体装置400はアクティブマトリクス型の表示部と、アクティブタッチセンサを有
するセンシング部とを備える。表示部及びセンシング部は、折り畳むことが可能である。
なお、説明の便宜のためにセンシング部のユニットセルに相当する検知ユニット522の
一部および表示部の画素622の一部を拡大して図示している。
【0105】
図9(A)は
図8に示す本発明の一態様の半導体装置400のZ1-Z2における断面の
構造を示す断面図であり、
図9(B)および
図9(C)は
図9(A)に示す構造の一部の
変形例を示す断面図である。
【0106】
本実施の形態で説明する半導体装置400は、表示部650および表示部650に重なる
センシング部550を有する(
図8参照)。
【0107】
センシング部550は、マトリクス状に配設される複数の検知ユニット522を有する。
また、行方向(図中に矢印Rで示す)に配置される複数の検知ユニット522が電気的に
接続される走査線Gまたは制御線RESなどを有する。また、列方向(図中に矢印Cで示
す)に配置される複数の検知ユニット522が電気的に接続される信号線Sなどを有する
。
【0108】
検知ユニット522はセンサ回路を備える。センサ回路は、少なくともトランジスタを有
する。具体的には、例えば
図2(B2)に示した構成とすることができる。各々のセンサ
回路は、走査線G、制御線RESまたは信号線Sなどに電気的に接続される。
【0109】
本実施の形態においては、絶縁層566及び絶縁層566を介して対向する第1の電極5
62及び第2の電極564を備える容量素子560と、トランジスタとを有する構成とす
る(
図9(A)参照)。
【0110】
また、検知ユニットはマトリクス状に配置された複数の窓部568を有する。窓部568
は可視光を透過し、複数の窓部568の間に遮光性の層BMを配設してもよい。
【0111】
窓部568に重なる位置に着色層を備える。着色層は、所定の色の光を透過する。なお、
着色層はカラーフィルタということができる。例えば、青色の光を透過する着色層CFB
、緑色の光を透過する着色層CFGまたは赤色の光を透過する着色層CFRを用いること
ができる。また、黄色の光を透過する着色層や白色の光を透過する着色層を用いてもよい
。
【0112】
表示部650は、マトリクス状に配置された複数の画素622を有する。画素622はセ
ンシング部550の窓部568と重なるように配置されている。なお、画素622は、検
知ユニット522に比べて高い集積度で配設されてもよい。
【0113】
本実施の形態で説明する半導体装置400は、マトリクス状に配置された複数の検知ユニ
ット522を有するセンシング部550と、複数の画素622を有する表示部650と、
を有する。複数の検知ユニットの各々は、可視光を透過する窓部568を有する。また、
画素622の各々は窓部568に重なるように配置され、窓部568と画素622の間に
着色層を含んで構成される。また、それぞれの検知ユニットに他の検知ユニットへの干渉
を低減することができるスイッチが配設されている。
【0114】
このような構成とすることで、各検知ユニットが検知する情報(検知情報)を、検知ユニ
ットの位置情報と共に供給することができる。また、画像を表示する画素の位置情報に関
連付けて検知情報を供給することができる。その結果、利便性または信頼性に優れた新規
な半導体装置を提供することができる。
【0115】
例えば、半導体装置400のセンシング部550は検知情報を検知して位置情報と共に供
給することができる。具体的には、半導体装置400の使用者は、センシング部550に
触れた指等を被検知体(換言すると入力動作の操作体)として用いて様々な入力動作(タ
ップ、ドラッグ、スワイプまたはピンチイン等)をすることができる。
【0116】
センシング部550は、センシング部550に近接または接触する指等を検知して、検知
した位置または軌跡等を含む検知情報を演算部に供給することができる。演算部は供給さ
れた情報が所定の条件を満たすか否かをプログラム等に基づいて判断し、折り畳み検知信
号FSSの供給、又は所定の入力動作に関連付けられた命令を実行する。これにより、半
導体装置400の使用者は、指等を用いて所定の入力動作を供給し、所定の入力動作に関
連付けられた命令を演算部に実行させることができる。また、半導体装置400の消費電
力の低減を実現することができる。
【0117】
以上の構成に加えて、半導体装置400は以下の構成を備えることもできる。
【0118】
半導体装置400のセンシング部550は、複数の走査線駆動回路と、信号線制御回路5
24Sと電気的に接続されている。本実施の形態においては、センシング部550は2つ
に折り畳むことができる構成とし、走査線駆動回路524G1及び走査線駆動回路524
G2とそれぞれ電気的に接続されている。なお、これらの駆動回路をセンシング部550
の内部に備えてもよい。また、センシング部550は3つ以上に折り畳むことができる構
成としてもよく、その場合には、折り畳まれる領域の数に合わせて走査線駆動回路の数を
設定すればよい。また、フレキシブルプリント基板FPC1と電気的に接続されてもよい
。
【0119】
また、半導体装置400の表示部650も同様に複数の走査線駆動回路と電気的に接続さ
れている。表示部650は、センシング部550と重なるように折り畳むことが可能であ
る。上述したように本実施の形態においては、センシング部550を2つに折り畳むこと
ができる構成とするため、表示部650も2つに折り畳むことができる。よって、表示部
650は2つの走査線駆動回路(走査線駆動回路624G1及び走査線駆動回路624G
2)と電気的に接続されている。なお、表示部650の折り畳まれる領域の数が増加する
場合、走査線駆動回路の数も増加させることができる。
【0120】
走査線駆動回路は表示部650の内部に備えられていてもよい。また、配線611または
端子619は、表示部650の内部に備えられていてもよい。また、表示部650はフレ
キシブルプリント基板FPC2と電気的に接続されてもよい。
【0121】
傷の発生を防いで半導体装置400を保護する保護層570を備えてもよい。例えば、セ
ラミックコート層またはハードコート層を保護層570に用いることができる。具体的に
は、酸化アルミニウムを含む層またはUV硬化樹脂を用いることができる。また、半導体
装置400が反射する外光の強度を弱める反射防止層570pを用いることができる。具
体的には、円偏光板等を用いることができる。
【0122】
以下に、半導体装置400を構成する個々の要素について説明する。なお、これらの構成
は明確に分離できず、一つの構成が他の構成を兼ねる場合や他の構成の一部を含む場合が
ある。例えば、複数の窓部568に重なる位置に着色層を備えるセンシング部550は、
センシング部550であるとともにカラーフィルタでもある。
【0123】
本実施の形態で説明する半導体装置400は、センシング部550及び表示部650を有
する。
【0124】
センシング部550は、検知ユニット522、走査線G、信号線Sおよび基材520を備
える。なお、基材520にセンシング部550を形成するための膜を成膜し、当該膜を加
工する方法を用いて、センシング部550を形成してもよい。または、センシング部55
0の一部を他の基材に形成し、当該一部を基材520に転置する方法を用いて、センシン
グ部550を形成してもよい。
【0125】
検知ユニット522は近接または接触するものを検知して検知信号を供給する。例えば静
電容量、照度、磁力、電波または圧力等を検知して、検知した物理量に基づく情報を供給
する。具体的には、容量素子、光電変換素子、磁気検知素子、圧電素子または共振器等を
検知素子に用いることができる。
【0126】
検知ユニット522は、例えば、近接または接触するものとの間の静電容量の変化を検知
する。具体的には、導電膜および導電膜と電気的に接続された検知回路を用いてもよい。
【0127】
なお、大気中において、指などの大気より大きな誘電率を備えるものが導電膜に近接する
と、指と導電膜の間の静電容量が変化する。この静電容量の変化を検知して検知情報を供
給することができる。具体的には、導電膜および当該導電膜に一方の電極が接続された容
量素子を含む検知回路を検知ユニット522に用いることができる。
【0128】
例えば、静電容量の変化に伴い容量素子との間で電荷の分配が引き起こされ、容量素子の
両端の電極の電圧が変化する。この電圧の変化を検知信号に用いることができる。具体的
には、容量素子560の電極間の電圧は一方の電極に電気的に接続された導電膜にものが
近接することにより変化する(
図9(A)参照)。
【0129】
検知ユニット522は、制御信号に基づいて導通状態または非導通状態にすることができ
るスイッチを備える。例えば、トランジスタM12をスイッチに用いることができる。
【0130】
また、検知信号を増幅するトランジスタを検知ユニット522に用いることができる。
【0131】
同一の工程で作製することができるトランジスタを、検知信号を増幅するトランジスタお
よびスイッチに用いることができる。これにより、作製工程が簡略化されたセンシング部
550を提供できる。
【0132】
トランジスタは半導体層を備える。例えば、4族の元素、化合物半導体または酸化物半導
体を半導体層に用いることができる。具体的には、シリコンを含む半導体、ガリウムヒ素
を含む半導体またはインジウムを含む酸化物半導体などを半導体層に適用できる。
【0133】
様々な結晶性を備える半導体層をトランジスタに用いることができる。例えば、非結晶を
含む半導体層、微結晶を含む半導体層、多結晶を含む半導体層または単結晶を含む半導体
層等を用いることができる。具体的には、アモルファスシリコン、レーザーアニールなど
の処理により結晶化したポリシリコンまたはSOI(Silicon On Insul
ator)技術を用いて形成された半導体層等を用いることができる。
【0134】
半導体層に用いる酸化物半導体は、例えば、少なくともインジウム(In)、亜鉛(Zn
)及びM(Al、Ga、Ge、Y、Zr、Sn、La、CeまたはHf等の金属)を含む
In-M-Zn酸化物で表記される膜を含むことが好ましい。または、InとZnの双方
を含むことが好ましい。
【0135】
スタビライザーとしては、ガリウム(Ga)、スズ(Sn)、ハフニウム(Hf)、アル
ミニウム(Al)、またはジルコニウム(Zr)等がある。また、他のスタビライザーと
しては、ランタノイドである、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(P
r)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(
Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウ
ム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)等がある
。
【0136】
酸化物半導体膜を構成する酸化物半導体として、例えば、In-Ga-Zn系酸化物、I
n-Al-Zn系酸化物、In-Sn-Zn系酸化物、In-Hf-Zn系酸化物、In
-La-Zn系酸化物、In-Ce-Zn系酸化物、In-Pr-Zn系酸化物、In-
Nd-Zn系酸化物、In-Sm-Zn系酸化物、In-Eu-Zn系酸化物、In-G
d-Zn系酸化物、In-Tb-Zn系酸化物、In-Dy-Zn系酸化物、In-Ho
-Zn系酸化物、In-Er-Zn系酸化物、In-Tm-Zn系酸化物、In-Yb-
Zn系酸化物、In-Lu-Zn系酸化物、In-Sn-Ga-Zn系酸化物、In-H
f-Ga-Zn系酸化物、In-Al-Ga-Zn系酸化物、In-Sn-Al-Zn系
酸化物、In-Sn-Hf-Zn系酸化物、In-Hf-Al-Zn系酸化物、In-G
a系酸化物を用いることができる。
【0137】
なお、ここで、In-Ga-Zn系酸化物とは、InとGaとZnを主成分として有する
酸化物という意味であり、InとGaとZnの比率は問わない。また、InとGaとZn
以外の金属元素が入っていてもよい。
【0138】
走査線G、制御線RESまたは信号線S等の配線には、導電性を有する材料を用いること
ができる。例えば、無機導電性材料、有機導電性材料、金属または導電性セラミックスな
どを、配線に用いることができる。
【0139】
具体的には、アルミニウム、金、白金、銀、クロム、タンタル、チタン、モリブデン、タ
ングステン、ニッケル、鉄、コバルト、イットリウム、ジルコニウム、パラジウムまたは
マンガンから選ばれた金属元素、上述した金属元素を含む合金または上述した金属元素を
組み合わせた合金などを配線等に用いることができる。アルミニウム、クロム、銅、タン
タル、チタン、モリブデン、タングステンの中から選択される一以上の元素を含むと好ま
しい。特に、銅とマンガンの合金がウエットエッチング法を用いた微細加工に好適である
。
【0140】
または、アルミニウム膜上にチタン膜を積層する二層構造、窒化チタン膜上にチタン膜を
積層する二層構造、窒化チタン膜上にタングステン膜を積層する二層構造、窒化タンタル
膜または窒化タングステン膜上にタングステン膜を積層する二層構造、チタン膜と、その
チタン膜上にアルミニウム膜を積層し、さらにその上にチタン膜を形成する三層構造等を
用いることができる。
【0141】
または、アルミニウム膜上にチタン、タンタル、タングステン、モリブデン、クロム、ネ
オジム、スカンジウムから選ばれた一または複数を組み合わせた合金膜、もしくは窒化膜
を積層する積層構造を用いることができる。
【0142】
または、酸化インジウム、インジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化亜鉛、ガリ
ウムを添加した酸化亜鉛などの導電性酸化物を用いることができる。
【0143】
または、グラフェンまたはグラファイトを用いることができる。グラフェンを含む膜は、
例えば膜状に形成された酸化グラフェンを含む膜を還元して形成することができる。還元
する方法としては、熱を加える方法や還元剤を用いる方法等を挙げることができる。
【0144】
または、導電性高分子を用いることができる。
【0145】
基材520は、可撓性を有し、製造工程に耐えられる程度の耐熱性および製造装置に適用
可能な厚さおよび大きさを備えるものであれば、特に限定されない。なお、表示部650
が表示をする側にセンシング部550を配置する場合は、透光性を有する材料を基材52
0に用いる。
【0146】
無機材料、有機材料、または有機材料と無機材料等の複合材料等を基材520に用いるこ
とができる。
【0147】
無機材料としては、例えば、ガラス(より具体的には、無アルカリガラス、ソーダ石灰ガ
ラス、カリガラスまたはクリスタルガラス等)、セラミックス、金属酸化物膜、金属窒化
物膜若しくは金属酸窒化物膜等を基材520に用いることができる。金属酸化物膜の例と
しては、酸化珪素膜、アルミナ膜等が挙げられる。金属窒化物膜の例としては、窒化珪素
膜等が挙げられる。金属酸窒化物膜の例としては、酸窒化珪素膜等が挙げられる。
【0148】
有機材料としては、樹脂、樹脂フィルムまたはプラスチックを基材520に用いることが
できる。例えば、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボ
ネート若しくはアクリル樹脂等の樹脂フィルムまたは樹脂板を、基材520に用いること
ができる。
【0149】
複合材料としては、薄板状のガラス板または無機材料等の膜を樹脂フィルム等に貼り合わ
せた複合材料、繊維状または粒子状の金属、ガラスもしくは無機材料等を樹脂フィルムに
分散した複合材料、繊維状または粒子状の樹脂もしくは有機材料等を無機材料に分散した
複合材料等を基材520に用いることができる。
【0150】
また、単層の材料または複数の層が積層された積層材料を、基材520に用いることがで
きる。例えば、基材と基材に含まれる不純物の拡散を防ぐ絶縁層等が積層された積層材料
を、基材520に用いることができる。
【0151】
積層材料の具体例としては、ガラスと、ガラスに含まれる不純物の拡散を防ぐ酸化シリコ
ン膜と、窒化シリコン膜または酸化窒化シリコン膜等から選ばれた一または複数の膜とが
積層された積層材料、樹脂と、樹脂を透過する不純物の拡散を防ぐ酸化シリコン膜と、窒
化シリコン膜または酸化窒化シリコン膜等とが積層された積層材料等を、基材520に適
用できる。
【0152】
本実施の形態では、可撓性を有する基材520bと、不純物の拡散を防ぐバリア膜520
aと、それらを貼り合わせる樹脂層520cとの積層材料を基材520に適用する(
図9
(A)参照)。
【0153】
フレキシブルプリント基板FPC1は、タイミング信号、電源電位等を供給し、折り畳み
検知信号FSS等の検知信号が供給される。
【0154】
表示部650は、画素622、走査線、信号線または基材620を備える(
図8参照)。
【0155】
なお、基材620に表示部650を形成するための膜を成膜し、当該膜を加工して表示部
650を形成してもよい。
【0156】
または、表示部650の一部を他の基材に形成し、当該一部を基材620に転置して、表
示部650を形成してもよい。
【0157】
画素622は副画素602B、副画素602Gおよび副画素602Rを含み、それぞれの
副画素は表示素子と表示素子を駆動する画素回路を備える。
【0158】
画素回路は、例えば、トランジスタ622tを含む。
【0159】
表示部650はトランジスタ622tを覆う絶縁膜641を備える。絶縁膜641は画素
回路に起因する凹凸を平坦化するための層として用いることができる。また、絶縁膜64
1に不純物の拡散を抑制できる層を含む積層膜を適用することができる。これにより、不
純物の拡散によるトランジスタ622t等の信頼性の低下を抑制できる。
【0160】
表示部650に用いることができる表示素子としては、例えば、電気泳動方式や電子粉流
体(登録商標)方式やエレクトロウェッティング方式などにより表示を行う表示素子(電
子インクともいう)、シャッター方式のMEMS表示素子、光干渉方式のMEMS表示素
子、液晶素子などを用いることができる。
【0161】
また、透過型液晶ディスプレイ、半透過型液晶ディスプレイ、反射型液晶ディスプレイ、
直視型液晶ディスプレイなどに用いることができる表示素子を用いることができる。例え
ば、射出する光の色が異なる有機エレクトロルミネッセンス素子を副画素毎に適用しても
よい。例えば、白色の光を射出する有機エレクトロルミネッセンス素子を適用できる。
【0162】
本実施の形態においては、表示素子として発光素子640Rを用いる。発光素子640R
は、下部電極、上部電極、下部電極と上部電極の間に発光性の有機化合物を含む層を有す
る。
【0163】
副画素602Rは発光モジュール660Rを備える。副画素602Rは、発光素子640
Rおよび発光素子640Rに電力を供給することができるトランジスタ622tを含む画
素回路を備える。また、発光モジュール660Rは発光素子640Rおよび光学素子(例
えば着色層CFR)を備える。
【0164】
なお、特定の波長の光を効率よく取り出せるように、発光モジュール660Rに微小共振
器構造を配設することができる。具体的には、特定の光を効率よく取り出せるように配置
された可視光を反射する膜および半反射・半透過する膜の間に発光性の有機化合物を含む
層を配置してもよい。
【0165】
発光モジュール660Rは、光を取り出す方向に着色層CFRを有する。着色層は特定の
波長を有する光を透過するものであればよく、例えば赤色、緑色または青色等の光を選択
的に透過するものを用いることができる。なお、他の副画素を着色層が設けられていない
窓部に重なるように配置して、着色層を透過しないで発光素子の発する光を射出させても
よい。
【0166】
着色層CFRは発光素子640Rと重なる位置にある。これにより、発光素子640Rが
発する光の一部は着色層CFRを透過して、図中に示す矢印の方向の発光モジュール66
0Rの外部に射出される。
【0167】
着色層(例えば着色層CFR)を囲むように遮光性の層BMがある。
【0168】
なお、光を取り出す側に封止材644が設けられている場合、封止材644は発光素子6
40Rと着色層CFRに接してもよい。
【0169】
下部電極は絶縁膜641の上に配設される。下部電極に重なる開口部が設けられた隔壁5
28を備える。なお、隔壁528の一部は下部電極の端部に重なる。
【0170】
下部電極は、上部電極との間に発光性の有機化合物を含む層を挟持して発光素子(例えば
発光素子640R)を構成する。画素回路は発光素子に電力を供給する。
【0171】
また、隔壁528上に、基材520と基材620の間隔を制御するスペーサを有する。
【0172】
なお、半透過型液晶ディスプレイや反射型液晶ディスプレイを実現する場合には、画素電
極の一部、または、全部が、反射電極としての機能を有するようにすればよい。例えば、
画素電極の一部、または、全部が、アルミニウム、銀、などを有するようにすればよい。
【0173】
また、反射電極の下に、SRAMなどの記憶回路を設けることも可能である。これにより
、さらに、消費電力を低減することができる。また、適用する表示素子に好適な構成を様
々な画素回路から選択して用いることができる。
【0174】
可撓性を有する材料を基材620に用いることができる。例えば、基材520に用いるこ
とができる材料と同様の材料を基材620に適用することができる。
【0175】
なお、基材620が透光性を必要としない場合は、例えば透光性を有しない材料、具体的
にはSUSまたはアルミニウム等を用いることができる。
【0176】
例えば、可撓性を有する基材620bと、不純物の拡散を防ぐバリア膜620aと、基材
620bおよびバリア膜620aを貼り合わせる樹脂層620cと、が積層された積層構
造を基材620に好適に用いることができる(
図9(A)参照)。
【0177】
封止材644は基材520と基材620を貼り合わせる。封止材644は空気より大きい
屈折率を備える。また、封止材644側に光を取り出す場合は、封止材644と接する層
(たとえば着色層CFR)との屈折率の差を小さくすることで、効率よく光を取り出すこ
とができる。
【0178】
なお、画素回路または発光素子(例えば発光素子640R)は基材620と基材520の
間にある。
【0179】
走査線駆動回路624G1は選択信号を供給する。トランジスタ624tおよび容量素子
624cを含む。なお、画素回路と同一の工程で同一基板上に形成することができるトラ
ンジスタを駆動回路に用いることができる。走査線駆動回路の詳細は、先の実施の形態を
参酌することができる。
【0180】
表示部650は、走査線、信号線および電源線等の配線を有する。配線の材料としては、
例えば、センシング部550に用いることができる導電膜と同様の材料を用いることがで
きる。
【0181】
表示部650は、信号を供給することができる配線611を備え、端子619が配線61
1に設けられている。なお、画像信号および同期信号等の信号を供給することができるフ
レキシブルプリント基板FPC2が端子619に電気的に接続されている。
【0182】
なお、フレキシブルプリント基板FPC2にはプリント配線基板(PWB)が取り付けら
れていてもよい。
【0183】
センシング部550及び/または表示部650に適用可能なトランジスタの構成は、特に
限定されない。例えば、ボトムゲート型のトランジスタをセンシング部550に適用する
場合の構成を
図9(A)に示す。
【0184】
また、例えばボトムゲート型のトランジスタを表示部650に適用する場合の構成を
図9
(A)および
図9(B)に図示する。
【0185】
トランジスタに適用可能な半導体材料も特に限定されない。例えば、酸化物半導体、アモ
ルファスシリコン等を含む半導体層を
図9(A)に図示するトランジスタ622tおよび
トランジスタ624tに適用することができる。または、例えば、レーザーアニールなど
の処理により結晶化させた多結晶シリコンを含む半導体層を、
図9(B)に図示するトラ
ンジスタ622tおよびトランジスタ624tに適用することができる。
【0186】
トップゲート型のトランジスタを表示部650に適用する場合の構成を、
図9(C)に図
示する。例えば、多結晶シリコンまたは単結晶シリコン基板等から転置された単結晶シリ
コン膜等を含む半導体層を、
図9(C)に図示するトランジスタ622tおよびトランジ
スタ624tに適用することができる。
【0187】
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる
。
【0188】
(実施の形態5)
本実施の形態では、本発明の一態様の半導体装置を有する電子機器の例について、図面を
参照して説明する。
【0189】
展開及び折り畳み可能な形状を備える半導体装置を有する電子機器として、例えば、テレ
ビジョン装置(テレビ、又はテレビジョン受信機ともいう)、コンピュータ用などのモニ
タ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラなどのカメラ、デジタルフォトフレーム、携
帯電話機(携帯電話、携帯電話装置ともいう)、携帯型ゲーム機、携帯情報端末、音響再
生装置、大型ゲーム機などが挙げられる。
【0190】
図10(A)、
図10(B1)及び
図10(B2)は、2つ折り可能なタブレット型端末
9600を例示している。なお、ここでは、2つ折りの例を示したが、3つ折りや4つ折
りなど、折り数の多いものに対しても適用できる。
図10(A)は、タブレット型端末9
600を開いた状態であり、タブレット型端末9600は、筐体9630、表示部963
1、タッチセンサのセンシング部9632、電源スイッチ9627、留め具9629を有
する。
【0191】
筐体9630は、筐体9630aと筐体9630bを有し、筐体9630aと筐体963
0bは、接続部材9639により結合されている。接続部材9639は、筐体9630を
2つ折りとする際にヒンジとして機能している。
【0192】
また、筐体9630a及び筐体9630bによって支持された折り畳み可能な表示パネル
によって、表示部9631が構成される。また、表示パネル上に重なるようにアクティブ
タッチセンサを有するパネルが設けられており、タッチセンサのセンシング部9632と
表示部9631とは少なくとも一部が重なっている。
【0193】
図10(B1)は、タブレット型端末9600を、表示部9631及びセンシング部96
32を外側に向けて閉じた状態である。この場合、タブレット型端末9600の使用者に
よって視認されない領域(例えば、筐体9630bによって支持される領域)の表示部及
び/又はセンシング部の動作を停止することでタブレット型端末9600の消費電力を低
減することができる。
【0194】
図10(B2)は、タブレット型端末9600を、表示部9631及びセンシング部96
32を内側に向けて閉じた状態である。タブレット型端末9600は、筐体9630、太
陽電池9633、充放電制御回路9634を有する構成としてもよい。なお、
図10(B
2)では充放電制御回路9634の一例としてバッテリー9635、DCDCコンバータ
9636を有する構成について示している。
【0195】
タブレット型端末9600は2つ折り可能なため、未使用時に筐体9630を閉じた状態
にすることができる。従って、可搬性に優れ、また、筐体9630を閉じることで表示部
9631を保護できるため、耐久性に優れ、長期使用の観点からも信頼性の優れたタブレ
ット型端末とすることができる。また、タブレット型端末9600を展開状態とすること
で、表示の一覧性に優れ、大画面の表示部及び/又はセンシング部を有するタブレット型
端末とすることができる。
【0196】
また、この他にも
図10(A)、
図10(B1)及び
図10(B2)に示したタブレット
型端末は、様々な情報(静止画、動画、テキスト画像など)を表示する機能、カレンダー
、日付又は時刻などを表示部に表示する機能、表示部に表示した情報をタッチ入力操作又
は編集するタッチ入力機能、様々なソフトウェア(プログラム)によって処理を制御する
機能、等を有することができる。
【0197】
タブレット型端末の表面に装着された太陽電池9633によって、電力をタッチパネル、
表示部、センシング部又は映像信号処理部等に供給することができる。なお、太陽電池9
633は、筐体9630の片面又は両面に設けることができ、バッテリー9635の充電
を効率的に行う構成とすることができる。なおバッテリー9635としては、リチウムイ
オン電池を用いると、小型化を図れる等の利点がある。
【0198】
また、
図10(B2)に示す充放電制御回路9634の構成、及び動作について
図10(
C)にブロック図を示し説明する。
図10(C)には、太陽電池9633、バッテリー9
635、DCDCコンバータ9636、コンバータ9637、スイッチSW1乃至SW3
、表示部9631について示しており、バッテリー9635、DCDCコンバータ963
6、コンバータ9637、スイッチSW1乃至SW3が、
図10(B2)に示す充放電制
御回路9634に対応する箇所となる。
【0199】
まず外光により太陽電池9633により発電がされる場合の動作の例について説明する。
太陽電池で発電した電力は、バッテリー9635を充電するための電圧となるようDCD
Cコンバータ9636で昇圧又は降圧がなされる。そして、表示部9631の動作に太陽
電池9633からの電力が用いられる際にはスイッチSW1をオンにし、コンバータ96
37で表示部9631に必要な電圧に昇圧又は降圧をすることとなる。また、表示部96
31での表示を行わない際には、スイッチSW1をオフにし、スイッチSW2をオンにし
てバッテリー9635の充電を行う構成とすればよい。
【0200】
なお太陽電池9633については、発電手段の一例として示したが、特に限定されず、圧
電素子(ピエゾ素子)や熱電変換素子(ペルティエ素子)などの他の発電手段によるバッ
テリー9635の充電を行う構成であってもよい。例えば、無線(非接触)で電力を送受
信して充電する無接点電力伝送モジュールや、また他の充電手段を組み合わせて行う構成
としてもよい。
【0201】
なお、本発明の一態様の半導体装置を有していれば、上記で示した電子機器に特に限定さ
れない。
【0202】
以上、本実施の形態の構成、方法などは、他の実施の形態の構成、方法等と適宜組み合わ
せて用いることができる。
【符号の説明】
【0203】
13a 接続部材
15a 筐体
15b 筐体
100 ユニットセル
200 半導体装置
210 制御部
230 作動部
230(1) 第1の領域
230(2) 第2の領域
230(3) 第3の領域
232 駆動回路部
232G1 走査線駆動回路
232G2 走査線駆動回路
232G3 走査線駆動回路
232S 信号線制御回路
240 検知部
250 半導体装置
260 スイッチ
262 スイッチ
264 スイッチ
266 スイッチ
280 境界
280a 境界
280b 境界
282a 境界
282b 境界
300 半導体装置
400 半導体装置
503 容量素子
511 トランジスタ
512 トランジスタ
513 トランジスタ
520 基材
520a バリア膜
520b 基材
520c 樹脂層
522 検知ユニット
524G1 走査線駆動回路
524G2 走査線駆動回路
524S 信号線制御回路
528 隔壁
530 センシング部
530(1) 第1の領域
530(2) 第2の領域
532 駆動回路部
532G1 走査線駆動回路
532G2 走査線駆動回路
532S 信号線制御回路
580 境界
550 センシング部
560 容量素子
562 電極
564 電極
566 絶縁層
568 窓部
570 保護層
570p 反射防止層
602B 副画素
602G 副画素
602R 副画素
611 配線
619 端子
620 基材
620a バリア膜
620b 基材
620c 樹脂層
622 画素
622t トランジスタ
624c 容量素子
624G 走査線駆動回路
624G1 走査線駆動回路
624t トランジスタ
630 表示部
630(1) 第1の領域
630(2) 第2の領域
632 駆動回路部
632G1 走査線駆動回路
632G2 走査線駆動回路
632S 信号線制御回路
634c 容量素子
634t_1 トランジスタ
634t_2 トランジスタ
635EL EL素子
640R 発光素子
641 絶縁膜
644 封止材
650 表示部
660R 発光モジュール
680 境界
9600 タブレット型端末
9627 電源スイッチ
9629 留め具
9630 筐体
9630a 筐体
9630b 筐体
9631 表示部
9632 センシング部
9633 太陽電池
9634 充放電制御回路
9635 バッテリー
9636 DCDCコンバータ
9637 コンバータ
9639 接続部材