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特許7385780情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-14
(45)【発行日】2023-11-22
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G05D 1/02 20200101AFI20231115BHJP
   B66B 1/14 20060101ALI20231115BHJP
   B66B 3/00 20060101ALI20231115BHJP
【FI】
G05D1/02 T
B66B1/14 E
B66B1/14 F
B66B3/00 P
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2023055814
(22)【出願日】2023-03-30
【審査請求日】2023-06-28
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】田中 政晃
(72)【発明者】
【氏名】須田 洋行
【審査官】藤崎 詔夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2023-027865(JP,A)
【文献】特開2019-192030(JP,A)
【文献】特開2012-137909(JP,A)
【文献】特開2021-070578(JP,A)
【文献】特開2022-019590(JP,A)
【文献】特開2022-136757(JP,A)
【文献】特開2022-139419(JP,A)
【文献】特開2012-106866(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D 1/02
B66B 1/14
B66B 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベータにおける行先と、前記行先に対応するエレベータにおける通信可否と、を関連付けた通信環境情報を記憶する記憶部と、
ネットワークを介して制御される、エレベータに乗車可能な自律走行するロボットの行先を取得する行先取得部と、
前記記憶部が記憶する前記通信環境情報が示す、前記ロボットの行先に対応するエレベータにおける通信可否に基づいて、前記ロボットの行先に対応するエレベータへの乗車有無を含む前記ロボットの動作を決定する動作決定部と、
前記動作決定部により決定された動作に基づいて前記ロボットを制御するロボット制御部と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記動作決定部は、前記通信環境情報が示す前記ロボットの行先に対応する前記エレベータにおける通信可否に基づいて、前記ロボットが前記ロボットの行先に対応するエレベータに乗車できるか否かを判定し、前記ロボットが前記ロボットの行先に対応するエレベータに乗車できると判定する場合、前記ロボットの行先に対応するエレベータに乗車するよう前記ロボットの動作を決定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記動作決定部は、前記ロボットが前記ロボットの行先に対応するエレベータに乗車できないと判定する場合、前記ロボットが所定の位置に移動するよう前記ロボットの動作を決定する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記ロボットが乗車したエレベータを示すエレベータ識別情報と、該ロボットが測定した該エレベータにおける通信可否を示す情報と、を関連付けた測定情報を取得する測定情報取得部と、
取得した前記測定情報に基づいて、記憶部が記憶する前記通信環境情報を更新する更新部と、をさらに有する、
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記動作決定部は、前記ロボットの行先に対応するエレベータが、前記行先取得部が取得した前記ロボットの行先にのみ停止可能か否かにさらに基づいて、エレベータへの乗車有無を含む前記ロボットの動作を決定する、
請求項1から3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記動作決定部は、前記通信環境情報に基づいて、前記ロボットが前記ロボットの行先に対応するエレベータに乗車できないと判定する場合、エレベータを制御する制御装置に前記ロボットの行先に対応するエレベータをロボット専用にすることができるか否かを問い合わせ、前記エレベータをロボット専用にすることができる場合に、前記ロボットの行先に対応するエレベータに乗車するよう前記ロボットの動作を決定する、
請求項2又は3に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記ロボットが前記ロボットの行先に対応するエレベータに乗車できないと前記動作決定部が判定する場合、前記ロボットが配送する荷物の荷受人又は荷送人を特定する特定部と、
前記特定部が特定した荷受人又は荷送人に所定のメッセージを送信する送信部と、
をさらに有する、請求項2から3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記特定部は、前記ロボットが前記ロボットの行先に対応するエレベータに乗車できないと前記動作決定部が判定する場合、前記ロボットが待機する位置である待機位置をさらに特定し、
前記送信部は、前記特定部が特定した荷受人又は荷送人に、前記特定部が特定した前記ロボットの待機位置を含む所定のメッセージを送信する、
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記ロボットから前記荷物の配送が完了したことを示す配送完了通知であって、前記荷物の受領者を示す受領者識別情報を含む前記配送完了通知を取得する配送情報取得部と、
前記配送情報取得部が前記配送完了通知を取得した場合、前記配送完了通知に含まれる受領者識別情報が示す受領者に所定の特典を付与する特典付与部と、
をさらに有する、請求項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記行先取得部が前記ロボットの行先を取得した場合に、前記ロボットの行先に対応する前記通信環境情報を取得する通信環境取得部をさらに有し、
前記動作決定部は、前記通信環境取得部が取得した前記通信環境情報に基づいて、エレベータへの乗車有無を含む前記ロボットの動作を決定する、
請求項1から3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
コンピュータが実行する、
ネットワークを介して制御される、エレベータに乗車可能な自律走行するロボットの行先を取得するステップと、
記憶部が記憶する、エレベータにおける行先と、前記行先に対応するエレベータにおける通信可否と、を関連付けた通信環境情報が示す前記ロボットの行先に対応するエレベータにおける通信可否に基づいて、前記ロボットの行先に対応するエレベータへの乗車有無を含む前記ロボットの動作を決定するステップと、
前記決定するステップにおいて決定された動作に基づいて前記ロボットを制御するステップと、
を有する情報処理方法。
【請求項12】
コンピュータに、
ネットワークを介して制御される、エレベータに乗車可能な自律走行するロボットの行先を取得するステップと、
記憶部が記憶する、エレベータにおける行先と、前記行先に対応するエレベータにおける通信可否と、を関連付けた通信環境情報が示す前記ロボットの行先に対応するエレベータにおける通信可否に基づいて、前記ロボットの行先に対応するエレベータへの乗車有無を含む前記ロボットの動作を決定するステップと、
前記決定するステップにおいて決定された動作に基づいて前記ロボットを制御するステップと、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
自律走行するロボットをエレベータに乗降させるようロボットに代わってエレベータの戸を制御する技術が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2022―19590号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、エレベータ内の通信環境が不安定な場合に、ネットワークを介して制御されるロボットをエレベータに乗車させると、ロボットに不測の不具合が生じうる。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、通信環境が不安定なエレベータにおいてロボットに不測の不具合が生じることを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様の情報処理装置においては、ネットワークを介して制御される、エレベータに乗車可能な自律走行するロボットの行先を取得する行先取得部と、エレベータにおける通信可否を示す通信環境情報に基づいて、前記ロボットの行先に対応するエレベータへの乗車有無を含む前記ロボットの動作を決定する動作決定部と、前記動作決定部により決定された動作に基づいて前記ロボットを制御するロボット制御部と、を有する。
【0007】
前記動作決定部は、前記通信環境情報が示す前記ロボットの行先に対応する前記エレベータにおける通信可否に基づいて、前記ロボットが前記ロボットの行先に対応するエレベータに乗車できるか否かを判定し、前記ロボットが前記ロボットの行先に対応するエレベータに乗車できると判定する場合、前記ロボットの行先に対応するエレベータに乗車するよう前記ロボットの動作を決定してもよい。
【0008】
前記動作決定部は、前記ロボットが前記ロボットの行先に対応するエレベータに乗車できないと判定する場合、前記ロボットが所定の位置に移動するよう前記ロボットの動作を決定してもよい。
【0009】
エレベータにおける行先と、前記行先に対応するエレベータにおける通信可否と、を関連付けた前記通信環境情報を記憶する記憶部をさらに有し、前記動作決定部は、前記記憶部が記憶する前記通信環境情報に基づいてエレベータへの乗車有無を含む前記ロボットの動作を決定してもよい。
【0010】
前記ロボットが乗車したエレベータを示すエレベータ識別情報と、該ロボットが測定した該エレベータにおける通信可否を示す情報と、を関連付けた測定情報を取得する測定情報取得部と、取得した前記測定情報に基づいて、記憶部が記憶する前記通信環境情報を更新する更新部と、をさらに有してもよい。
【0011】
前記動作決定部は、前記ロボットの行先に対応するエレベータが、前記行先取得部が取得した前記ロボットの行先にのみ停止可能か否かにさらに基づいて、エレベータへの乗車有無を含む前記ロボットの動作を決定してもよい。
【0012】
前記動作決定部は、前記通信環境情報に基づいて、前記ロボットが前記ロボットの行先に対応するエレベータに乗車できないと判定する場合、エレベータを制御する制御装置に前記ロボットの行先に対応するエレベータをロボット専用にすることができるか否かを問い合わせ、前記エレベータをロボット専用にすることができる場合に、前記ロボットの行先に対応するエレベータに乗車するよう前記ロボットの動作を決定してもよい。
【0013】
前記ロボットが前記ロボットの行先に対応するエレベータに乗車できないと前記動作決定部が判定する場合、前記ロボットが配送する荷物の荷受人又は荷送人を特定する特定部と、前記特定部が特定した荷受人又は荷送人に所定のメッセージを送信する送信部と、をさらに有してもよい。
【0014】
前記特定部は、前記ロボットが前記ロボットの行先に対応するエレベータに乗車できないと前記動作決定部が判定する場合、前記ロボットが待機する位置である待機位置をさらに特定し、前記送信部は、前記特定部が特定した荷受人又は荷送人に、前記特定部が特定した前記ロボットの待機位置を含む所定のメッセージを送信してもよい。
【0015】
前記ロボットから前記荷物の配送が完了したことを示す配送完了通知であって、前記荷物の受領者を示す受領者識別情報を含む前記配送完了通知を取得する配送情報取得部と、前記配送情報取得部が前記配送完了通知を取得した場合、前記配送完了通知に含まれる受領者識別情報が示す受領者に所定の特典を付与する特典付与部と、をさらに有してもよい。
【0016】
前記行先取得部が前記ロボットの行先を取得した場合に、前記ロボットの行先に対応する前記通信環境情報を取得する通信環境取得部をさらに有し、前記動作決定部は、前記通信環境取得部が取得した前記通信環境情報に基づいて、エレベータへの乗車有無を含む前記ロボットの動作を決定してもよい。
【0017】
本発明の第2の態様の情報処理方法においては、コンピュータが実行する、ネットワークを介して制御される、エレベータに乗車可能な自律走行するロボットの行先を取得するステップと、エレベータにおける通信可否を示す通信環境情報に基づいて、前記ロボットの行先に対応するエレベータへの乗車有無を含む前記ロボットの動作を決定するステップと、前記決定するステップにおいて決定された動作に基づいて前記ロボットを制御するステップと、を有する。
【0018】
本発明の第3の態様のプログラムにおいては、コンピュータに、ネットワークを介して制御される、エレベータに乗車可能な自律走行するロボットの行先を取得するステップと、エレベータにおける通信可否を示す通信環境情報に基づいて、前記ロボットの行先に対応するエレベータへの乗車有無を含む前記ロボットの動作を決定するステップと、前記決定するステップにおいて決定された動作に基づいて前記ロボットを制御するステップと、を実行させるプログラム。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、通信環境が不安定なエレベータにおいてロボットに不測の不具合が生じることを抑制するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】実施形態にかかる情報処理システムSの概要を説明する図である。
図2】情報処理装置1の構成を示すブロック図である。
図3】記憶部12が記憶する通信環境情報のデータ構造の一例を示す図である。
図4】記憶部12が記憶する通信環境情報の別の構成例を示す図である。
図5】動作決定部132がロボット2の動作を決定する処理の一例を示す図である。
図6】情報処理装置1における処理の流れを示すフローチャートである。
図7】変形例に係る情報処理装置1Aの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[情報処理システムSの概要]
図1は、実施形態にかかる情報処理システムSの概要を説明する図である。情報処理システムSは、エレベータに乗車するロボットを制御するためのシステムである。情報処理システムSは、情報処理装置1、ロボット2及びエレベータ制御装置3を有する。情報処理装置1、ロボット2及びエレベータ制御装置3は、ネットワークを介して通信可能に接続されている。
【0022】
情報処理装置1は、ネットワークを介してロボット2を制御する装置である。情報処理装置1は、ロボット2の行先に対応するエレベータにおける通信可否に基づいてロボット2の動作を決定し、決定した動作に基づいてロボット2を制御する。情報処理装置1は、例えばサーバである。
【0023】
ロボット2は、自律走行するロボットである。ロボット2は、建物の内部を移動し清掃や配達などのサービスを提供する。ロボット2は、ネットワークを介して情報処理装置1により制御される。一例として、ロボット2は、情報を表示するための表示手段、入力を受付けるための入力手段(例えば、タッチパネルディスプレイ)及び撮像手段を有する。エレベータ制御装置3は、エレベータを制御する装置である。エレベータ制御装置3は、情報処理装置1から取得した要求に基づいてエレベータのドアを開閉し、エレベータの籠を指定されたフロアに移動させるよう制御する。
【0024】
情報処理システムSにおける処理について説明する。情報処理装置1は、ロボット2の行先を取得する(図1における(1))。一例として、情報処理装置1は、乗車要求を取得する。乗車要求は、エレベータへの乗車を要求する情報であり、エレベータへの乗車を要求するロボット2を示すロボット識別情報、ロボット2の行先のフロアを示す情報及びロボット2の現在位置を示す情報を含む。情報処理装置1は、通信環境情報を参照する(図1における(2))。通信環境情報は、エレベータにおける通信の可否を示す情報である。
【0025】
情報処理装置1は、取得したロボット2の行先と通信環境情報とに基づいてロボット2の動作を決定する(図1における(3))。情報処理装置1が決定するロボット2の動作は例えば、エレベータに乗車すること、エレベータに乗車せず所定の位置に移動して待機すること等である。情報処理装置1は、一例として、通信環境情報を参照し、取得したロボット2の行先に対応するエレベータにおいて通信が可能であると判定する場合、ロボット2をエレベータに乗車させることを決定する。
【0026】
情報処理装置1は、制御情報をロボット2に送信する(図1における(4))。制御情報は、決定した動作をするようロボット2を制御するための情報である。
【0027】
決定した動作がエレベータに乗車することである場合、情報処理装置1は、ロボット2が乗車するエレベータの制御をエレベータ制御装置3に要求する(図1における(5))。一例として、情報処理装置1は、ロボット2の行先に対応するエレベータを、乗車要求に含まれる現在位置のフロアに到達させること及び乗車要求に含まれる行先が示すフロアにエレベータを移動させることをエレベータ制御装置3に要求する。
【0028】
情報処理システムSがこのように構成されることで、通信環境が不安定なエレベータにおいてロボット2に不測の不具合が生じることを抑制することができる。
【0029】
[情報処理装置1の構成]
図2は、情報処理装置1の構成を示すブロック図である。情報処理装置1は、通信部11、記憶部12及び制御部13を有する。制御部13は、行先取得部131、動作決定部132、ロボット制御部133、測定情報取得部134、更新部135、特定部136、送信部137、配送情報取得部138、特典付与部139を有する。
【0030】
通信部11は、ネットワークを介して他の装置とデータの送受信をするための通信インターフェースである。記憶部12は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、SSD(Solid State Drive)、ハードディスクドライブ等を含む記憶媒体である。記憶部12は、制御部13が実行するプログラムを予め記憶している。
【0031】
記憶部12は、エレベータにおける行先と、行先に対応するエレベータにおける通信可否と、を関連付けた通信環境情報を記憶する。図3は、記憶部12が記憶する通信環境情報のデータ構造の一例を示す図である。通信環境情報においては、「ビル」、「エレベータ」、「フロア」及び「通信可否」が関連付けられている。「ビル」は、当該レコードが対象とするビルを示す情報である。「エレベータ」は、当該レコードが対象とするエレベータを示すエレベータ識別情報である。「フロア」は、当該エレベータが到達するフロアを示す。「通信可否」は、当該エレベータにおいて通信が可能か否かを示す情報である。一例として、「通信可否」においては、当該エレベータにおいて通信が可能である場合には「可」が設定され、当該エレベータにおいて通信ができない場合は、「不可」が設定される。
【0032】
図3に示す通信環境情報の例においては、通信可否を「可」と「否」の2値で示す例を説明したが、これに限られない。通信環境情報においては、エレベータにおける電波強度を所定の区分に分類した情報(例えば、「不可」、「弱」、「中」、「強」等)により通信可否が表されてもよい。また、通信環境情報においては、それぞれのエレベータが運行するフロアごとに「通信可否」を関連付けていていもよい。
【0033】
制御部13は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサである。制御部13は、記憶部12に記憶されたプログラムを実行することにより、行先取得部131、動作決定部132、ロボット制御部133、測定情報取得部134、更新部135、特定部136、送信部137、配送情報取得部138、特典付与部139として機能する。
【0034】
行先取得部131は、ネットワークを介して制御される、エレベータに乗車可能な自律走行するロボット2の行先を取得する。行先取得部131は、ロボット2の行先を含む乗車要求をロボット2から取得する。乗車要求はさらにロボット2を識別するID、ロボット2の現在位置がさらに含まれていてもよい。
【0035】
動作決定部132は、エレベータにおける通信可否を示す通信環境情報に基づいて、ロボット2の行先に対応するエレベータへの乗車有無を含むロボット2の動作を決定する。具体的には、動作決定部132は、記憶部12が記憶する通信環境情報に基づいてエレベータへの乗車有無を含むロボット2の動作を決定する。動作決定部132は、乗車要求に含まれる行先に通信環境情報において対応する「通信可否」を参照する。
【0036】
動作決定部132は、通信環境情報が示すロボット2の行先に対応するエレベータにおける通信可否に基づいて、ロボット2がロボット2の行先に対応するエレベータに乗車できるか否かを判定する。動作決定部132は、乗車要求に含まれる行先に通信環境情報において対応するエレベータの「通信可否」において通信が可能であることが示されている場合、ロボット2がエレベータに乗車できると判定する。動作決定部132は、ロボット2がロボット2の行先に対応するエレベータに乗車できると判定する場合、ロボット2の行先に対応するエレベータに乗車するようロボット2の動作を決定する。
【0037】
ロボット制御部133は、動作決定部132により決定された動作に基づいてロボット2を制御する。一例として、ロボット制御部133は、ロボット2の行先に対応するエレベータに乗車するようロボット2の動作を決定した場合、ロボット2がエレベータに乗車するようロボット2を制御するための制御情報を生成する。制御情報は、例えばロボット2が移動するルートを示す情報である。ロボット制御部133は、生成した制御情報をロボット2に送信する。
【0038】
動作決定部132は、ロボット2がロボット2の行先に対応するエレベータに乗車できないと判定する場合、ロボット2が所定の位置に移動するようロボット2の動作を決定する。車要求に含まれる行先に通信環境情報において対応するエレベータの「通信可否」において通信ができないことが示されている場合、後述するように特定部136が待機位置を特定し、動作決定部132は、ロボット2が特定された待機位置に移動するようロボット2の動作を決定する。ロボット制御部133は、動作決定部132が決定した動作に基づいて、制御情報を生成する。ロボット制御部133は、特定された待機位置にロボット2を移動させるよう制御するための制御情報を生成し、ロボット2に送信する。
【0039】
通信環境情報において、乗車要求に含まれる行先に対応するエレベータにおいては通信できないことが示されている場合であって、当該ビルにおける行先とロボット2の現在位置との中間にあるフロアには到達できることが示されている場合は、中間にあるフロアにおける待機位置にロボット2を待機させるようロボット2の動作を決定してもよい。例えば、図3に示す通信環境情報において「B002」のビルにおいては、1階から20階を運行し、通信が可能であるエレベータ「E11」と、1階及び20階から40階を運行し、通信ができないエレベータE12と、を有することが示されている。この場合において乗車要求に含まれる現在位置が「1階」であり、行先が「28階」である場合、動作決定部132は、28階に対応するエレベータE12は乗車できないがその中間にある20階に到達するE11のエレベータにロボット2が乗車し、20階に到達することが可能であると判定する。動作決定部132は、エレベータE11に乗車し、20階における待機位置に移動するようロボット2の動作を決定する。
【0040】
また、行先に対応するエレベータが運行する一部のフロアにおいて通信が可能であることを通信環境情報が示す場合、行先に対応するエレベータが運行するフロアのうち行先が示すフロアに最も近いフロアに移動し待機するようロボット2の動作を決定してもよい。例えば、図3に示す通信環境情報では「B004」のビルにおけるエレベータ「E31」は、1階から10階までは通信可能であり、11階以上は通信ができないことを示している。この場合において乗車要求に含まれる行先が「B004」のビルの「15階」である場合、動作決定部132は、15階に最も近いフロアである10階までエレベータに乗車して移動し、10階における待機位置に移動するようロボット2の動作を決定する。
【0041】
なお、動作決定部132は、乗車要求に含まれる行先に通信環境情報において対応するエレベータの「通信可否」において通信ができないことが示されている場合、ロボット2の周辺における安全に待機できる位置の有無を判定するようロボット2に指示してもよい。安全に待機できる位置の有無を判定する指示を受けたロボット2は、ロボット2に搭載された撮像手段によりロボット2の周囲を撮像し、撮像した映像を画像解析することによりロボット2が安全に待機できる位置を特定する。動作決定部132は、ロボット2が安全に待機できる位置を特定したことを示す応答を受けた場合、ロボット2が特定した待機位置にロボット2が移動するようロボット2の動作を決定する。
【0042】
情報処理装置1がこのように構成されることで、通信環境が不安定なエレベータにおいてロボット2に不測の不具合が生じることを抑制するという効果を奏する。
【0043】
エレベータにおいて通信ができない場合においても行先階にのみ停止可能なエレベータであれば、外部からの指示を介さなくてもエレベータの停止後にドアが開いたか否かに基づいてロボット2を降車させるよう簡易に制御することができ、行先階において問題なくロボット2を降車させることができる。そこで、このような場合にはロボット2をエレベータに乗車させるように制御するよう情報処理装置1が構成されてもよい。
【0044】
動作決定部132は、ロボット2の行先に対応するエレベータが、行先取得部131が取得したロボット2の行先にのみ停止可能か否かにさらに基づいて、エレベータへの乗車有無を含むロボット2の動作を決定する。図4は、記憶部12が記憶する通信環境情報の別の構成例を示す図である。図4に示す通信環境情報においては、「直行フラグ」がさらに関連付けられている。「直行フラグ」は、乗車するロボット2の行先階にのみ当該エレベータが停止する運行ができるか否かを示す情報である。「直行フラグ」が「直行」であれば行先階に直行する運行ができることを示し、「通常」である場合は、行先階に直行する運行ができないことを示す。
【0045】
動作決定部132は、乗車要求に含まれる行先に通信環境情報において対応するエレベータの「通信可否」が、当該エレベータにおいて通信できないことが示している場合、乗車要求に含まれる行先に通信環境情報において対応するエレベータの「直行フラグ」を参照する。動作決定部132は、乗車要求に含まれる行先に通信環境情報において対応するエレベータの「直行フラグ」が「直行」である場合、ロボット2がエレベータに乗車することを決定する。
【0046】
情報処理装置1がこのように構成されることで、エレベータにおいて通信ができない場合であってもロボット2をエレベータに乗車させ、ロボット2を行先へ移動するよう制御することができる。
【0047】
通信環境情報においてロボット2の行先に対応するエレベータが通信できない場合であっても、当該エレベータがロボット2のみを運搬するよう制御することができればロボット2をエレベータに乗車させても不測の不具合を生じさせないようにすることができる。そこで、このような場合にはロボット2をエレベータに乗車させるよう情報処理装置1が構成されてもよい。以下では、ロボット2のみを運搬するようエレベータを制御することを「ロボット専用にする」と言い、ロボット専用にしたエレベータを「専用エレベータ」と言う。
【0048】
通信環境情報に基づいて、ロボット2の行先に対応するエレベータにロボット2が乗車できないと判定する場合、動作決定部132は、エレベータを制御するエレベータ制御装置3にロボット2の行先に対応するエレベータをロボット専用にすることができるか否かを問い合わせ、エレベータをロボット専用にすることができる場合に、ロボット2の行先に対応するエレベータに乗車するようロボット2の動作を決定する。図5は、動作決定部132がロボット2の動作を決定する処理の一例を示す図である。図5における(1)、(2)、(7)及び(8)はそれぞれ、図1における(1)、(2)、(4)及び(5)と対応するため説明を省略する。
【0049】
動作決定部132は、通信環境情報に基づいてロボット2の行先に対応するエレベータの通信可否を判定する(図5における(3))。動作決定部132は、通信環境情報に含まれる乗車要求に含まれる行先に対応するエレベータの「通信可否」が、当該エレベータにおいて通信ができないことを示す場合、当該エレベータをロボット専用にして運行可能かどうかを、エレベータ制御装置3に問い合わせる(図5における(4))。動作決定部132は、エレベータ制御装置3から問い合わせ結果の回答を取得する(図5における(5))。動作決定部132は、取得した回答に基づいてロボット2の動作を決定する(図5における(6))。すなわち、取得した回答が専用エレベータとして運行可能であることを示す場合、動作決定部132は、ロボット2をエレベータに乗車させるようロボット2の動作を決定する。取得した回答が専用エレベータとして運行可能でないことを示す場合、動作決定部132は、待機位置に移動するようロボット2の動作を決定する。
【0050】
なお、動作決定部132は、下記の2つの条件を満たす場合に、ロボット2の行先に対応するエレベータをロボット専用にすることができるか否かをエレベータ制御装置3に問い合わせるよう構成されてもよい。1つ目の条件は、通信環境情報に基づいてロボット2の行先に対応するエレベータにロボット2が乗車できないと判定することである。2つ目の条件は、乗車要求に含まれる行先に通信環境情報において対応するエレベータがロボット2の行先にのみ停止可能なエレベータであることである。
【0051】
情報処理装置1がこのように構成されることで、エレベータにおいて通信ができない場合であってもロボット2をエレベータに乗車させ、ロボット2を行先へ移動するよう制御することができる。
【0052】
[荷受人等への通知]
配送サービスを提供するロボット2がエレベータに乗車できない場合にロボット2がサービスを提供する相手方にメッセージを送信するよう情報処理装置1が構成されてもよい。
【0053】
特定部136は、ロボット2がロボット2の行先に対応するエレベータに乗車できないと動作決定部132が判定する場合、ロボット2が配送する荷物の荷受人又は荷送人を特定する。一例として、記憶部12においては、ロボット2が配送する荷物を識別するための荷物識別情報と、当該荷物の荷受人の住所、氏名及び連絡先と、当該荷物の荷送人の住所、氏名及び連絡先と、当該荷物を配送するロボット2のロボット識別情報と、を関連付けて記憶している。特定部136は、記憶部12を参照し、ロボット2が配送する荷物の荷受人又は荷送人を特定する。
【0054】
送信部137は、特定部136が特定した荷受人又は荷送人に所定のメッセージを送信する。送信部137は、ロボット2が待機位置において待機しており、荷受人に受け取りを促すメッセージを特定した荷受人又は荷送人の連絡先に送信する。荷送人にメッセージが送信された場合、荷送人は荷受人に荷物の受け取りを促す。
【0055】
情報処理装置1がこのように構成されることで、配送サービスを提供するロボット2がエレベータに乗車できない場合に、荷物の受け取りを促し、円滑にロボット2を利用してサービスを提供することができる。
【0056】
ロボット2がエレベータに乗車できない場合、ロボット2が安全に待機できる場所にて荷物の受け渡しを行う必要がある。そこで、ロボット2がエレベータに乗車できない場合に待機位置を特定するよう情報処理装置1が構成されてもよい。
【0057】
特定部136は、ロボット2がロボット2の行先に対応するエレベータに乗車できないと動作決定部132が判定する場合、ロボット2が待機する位置である待機位置をさらに特定する。待機位置は、ロボット2が安全に待機することができる位置としてビル又はフロアごとに予め定められた位置である。記憶部12は、ビルごと又はフロアごとの待機位置を記憶している。特定部136は、ロボット2がロボット2の行先に対応するエレベータに乗車できないと動作決定部132が判定する場合、行先取得部131が取得した乗車要求に含まれる行先又は現在位置に対応する待機位置を特定する。特定部136は、記憶部12を参照し、現在位置が示すフロアにおける待機位置を特定する。また、特定部136は、エレベータが運行するフロアのうち一部のフロアにおいて通信が可能である場合は、通信環境情報において通信が可能であることが示されているフロアのうち行先に最も近いフロアにおける待機位置を、記憶部12を参照して特定する。送信部137は、特定部136が特定した荷受人又は荷送人に、特定部136が特定したロボット2の待機位置を含む所定のメッセージを送信する。
【0058】
情報処理装置1がこのように構成されることで、ロボット2がエレベータに乗車できない場合にロボット2を安全な場所に待機させ、荷物の受け渡しを行うことができる。
【0059】
荷物を配送するロボット2が待機位置において荷受人等に荷物を配送した場合、荷物を受領した荷受人に特典を付与するよう情報処理装置1が構成されてもよい。
【0060】
配送情報取得部138は、ロボット2から荷物の配送が完了したことを示す配送完了通知であって、荷物の受領者を示す受領者識別情報を含む配送完了通知を取得する。一例として、荷物の受領者がロボット2に搭載された入力手段において荷物を受領したことを示す操作をした場合、ロボット2は、荷物の配送が完了したと判定する。ロボット2は、入力手段において受領者の情報の入力を受付け、受領者を特定する。また、ロボット2は、受領者が所有するIDカードから受領者識別情報を取得してもよいし、特定部136が特定した荷受人を受領者として特定してもよい。ロボット2は、荷物の配送を完了した場合、受領者の受領者識別情報を含む配送完了通知を情報処理装置1に送信する。
【0061】
特典付与部139は、配送情報取得部138が配送完了通知を取得した場合、配送完了通知に含まれる受領者識別情報が示す受領者に所定の特典を付与する。所定の特典は、一例として、所定のポイントサービスにおいて発行されるポイントであって、商品やサービスと交換したり、商品やサービスの購入代金の全部又は一部に充当したりすることができるポイントである。特定部136が待機位置及び受領者を特定した場合であって、かつ、配送情報取得部138が配送完了通知を取得した場合に、特典付与部139は、所定の特典を付与してもよい。
【0062】
情報処理装置1がこのように構成されることで、ロボット2が行先階まで移動することができずに、待機位置で荷物を受け渡す場合において、待機位置において荷物を受領する受領者に特典を付与することによって、受領者に待機位置まで移動する動機付けをすることができる。その結果、待機位置における待機時間を短縮させ、サービスの提供を円滑にすることができる。
【0063】
[通信環境情報の更新]
エレベータに乗車したロボット2がエレベータにおける通信環境を測定し、測定した結果に基づいて通信環境情報を更新するよう情報処理装置1が構成されてもよい。具体的には、測定情報取得部134は、ロボット2が乗車したエレベータを示すエレベータ識別情報と、該ロボットが測定した該エレベータにおける通信可否を示す情報と、を関連付けた測定情報を取得する。この場合、ロボット制御部133がロボット2に送信する制御情報には、乗車するエレベータを示すエレベータ識別情報が含まれている。ロボット2は、乗車したエレベータにおける電波強度を測定し、測定情報を生成する。ロボット2は、測定情報を情報処理装置1に送信し、測定情報取得部134はこれを取得する。
【0064】
更新部135は、取得した測定情報に基づいて、記憶部12が記憶する通信環境情報を更新する。更新部135は、測定情報取得部134が取得した測定情報に基づいて、記憶部12が記憶する通信環境情報において取得した測定情報に含まれるエレベータ識別情報に対応するエレベータの通信可否を、取得した測定情報に含まれる通信強度に基づいて更新する。一例として、更新部135は、取得した測定情報が示す電波強度が所定レベル以上である場合、通信環境情報における「通信可否」を「可」として更新し、取得した測定情報が示す電波強度が所定レベル未満である場合、通信環境情報における「通信可否」を「否」として更新する。
【0065】
情報処理装置1がこのように構成されることで、エレベータ内の通信環境が変動した場合に通信環境情報を更新することができ、記憶部12に記憶された通信環境情報と実際の通信環境のミスマッチによりエレベータに乗車したロボット2に不測の不具合が生じることを抑制することができる。
【0066】
[情報処理装置1における処理の流れ]
図6は、情報処理装置1における処理の流れを示すフローチャートである。図6に示すフローチャートは、ロボット2が乗車要求を送信する時点から開始している。
【0067】
行先取得部131は、ロボット2の行先を取得する(S01)。動作決定部132は、記憶部12が記憶する通信環境情報に基づいて、取得した行先に対応するエレベータが通信可能か否かを判定する(S02)。取得した行先に対応するエレベータが通信可能である場合(S02におけるYES)、動作決定部132は、行先に対応するエレベータにロボット2を乗車させることを決定する(S03)。ロボット制御部133は、行先に対応するエレベータに乗車させる(S04)。具体的には、ロボット制御部133は、行先に対応するエレベータに乗車させるための制御情報をロボット2に送信する。
【0068】
取得した行先に対応するエレベータが通信可能ではない場合(S02におけるNO)、動作決定部132は、取得した行先に対応するエレベータがロボット専用エレベータか否かを判定する(S05)。一例として、動作決定部132は、エレベータ制御装置3に当該エレベータをロボット専用エレベータにすることができるか否かを問い合わせ、問い合わせ結果に基づいて判定する。取得した行先に対応するエレベータがロボット専用エレベータである場合(S05におけるYES)、S03に進む。
【0069】
取得した行先に対応するエレベータがロボット専用エレベータではない場合(S05におけるNO)、動作決定部132は、当該エレベータが行先階にのみ停止可能か否かを判定する(S06)。一例として、動作決定部132は、記憶部12が記憶する通信環境情報における「直行フラグ」を参照し、当該エレベータが行先階にのみ停止可能か否かを判定する。取得した行先に対応するエレベータが行先階にのみ停止可能である場合(S06におけるYES)、S03に進む。
【0070】
取得した行先に対応するエレベータが行先階にのみ停止可能ではない場合(S06におけるNO)、特定部136は、ロボット2の待機位置と荷受人を特定する(S07)。送信部137は、特定した荷受人に特定した待機位置を含むメッセージを送信する(S08)。ロボット制御部133は、特定した待機位置にロボット2を移動させる(S09)。具体的には、ロボット制御部133は、特定した待機位置にロボット2を移動させるための制御情報をロボット2に送信する。
【0071】
[情報処理装置1による効果]
以上説明したように情報処理装置1においては、通信環境が不安定なエレベータにおいてロボット2に不測の不具合が生じることを抑制するという効果を奏する。
<変形例>
上記の説明においては、通信環境情報が予め記憶部12に記憶されている例を説明したが、外部装置から通信環境情報を取得するように情報処理装置1が構成されてもよい。変形例にかかる情報処理装置1Aの構成を図7に示す。変形例にかかる情報処理装置1Aにおいては、通信環境取得部140をさらに有する。
【0072】
通信環境取得部140は、行先取得部131がロボット2の行先を取得した場合に、ロボット2の行先に対応する通信環境情報を取得する。通信環境取得部140は、乗車要求を取得した際、乗車要求に含まれる行先に対応するエレベータの通信環境情報を外部装置から取得する。一例として、通信環境取得部140は、エレベータ制御装置3から通信環境情報を取得する。動作決定部132は、通信環境取得部140が取得した通信環境情報に基づいて、エレベータへの乗車有無を含むロボット2の動作を決定する。
【0073】
外部装置から通信環境情報を取得するよう情報処理装置1Aが構成されることで、エレベータ内の通信環境が変動する可能性がある場合においてもエレベータに乗車したロボット2に不測の不具合が生じることを抑制することができる。
【0074】
なお、本発明により、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献することが可能となる。
【0075】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0076】
1 情報処理装置
2 ロボット
3 エレベータ制御装置
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
131 行先取得部
132 動作決定部
133 ロボット制御部
134 測定情報取得部
135 更新部
136 特定部
137 送信部
138 配送情報取得部
139 特典付与部
140 通信環境取得部
【要約】
【課題】通信環境が不安定なエレベータにおいてロボット2に不測の不具合が生じることを抑制する。
【解決手段】ネットワークを介して制御される、エレベータに乗車可能な自律走行するロボット2の行先を取得する行先取得部131と、エレベータにおける通信可否を示す通信環境情報に基づいて、ロボット2の行先に対応するエレベータへの乗車有無を含むロボット2の動作を決定する動作決定部132と、動作決定部132により決定された動作に基づいてロボットを制御するロボット制御部133と、を有する情報処理装置1である。
【選択図】図2

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7