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特許7385901自然環境保護と防災のための特殊照明機器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-15
(45)【発行日】2023-11-24
(54)【発明の名称】自然環境保護と防災のための特殊照明機器
(51)【国際特許分類】
   F21S 8/08 20060101AFI20231116BHJP
   H05B 45/30 20200101ALI20231116BHJP
   F21S 9/02 20060101ALI20231116BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20231116BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20231116BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20231116BHJP
【FI】
F21S8/08 110
H05B45/30
F21S9/02 110
F21S2/00 664
F21V23/00 140
F21Y115:10
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2019184829
(22)【出願日】2019-09-17
(65)【公開番号】P2021048117
(43)【公開日】2021-03-25
【審査請求日】2022-09-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000221432
【氏名又は名称】東西電工株式会社
(72)【発明者】
【氏名】北出 亘
(72)【発明者】
【氏名】三島 庸歳
(72)【発明者】
【氏名】岡村 俊彦
【審査官】塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-084749(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0081281(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0164439(US,A1)
【文献】特開2001-244502(JP,A)
【文献】特開2018-129175(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21K 9/00- 9/90
F21S 2/00-45/70
F21V 23/00-99/00
H05B 39/00-39/10
H05B 45/00-45/59
H05B 47/00-47/29
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光のピーク波長が560nmよりも長く、かつドミナント波長が590nm~620nmの領域である発光ダイオードと、
前記発光ダイオードとは異なる色を発光する他色発光ダイオードと、
津波や大雨情報等の緊急警報信号を検知する緊急警報信号検知部と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、前記緊急警報信号を検知した場合に、前記他色発光ダイオードを点灯し、
前記発光ダイオードは、前記制御部に制御されない、自然環境保護と防災を兼ねて海岸線に設置するための支柱とを備えた特殊照明機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウミガメ保護と防災のための照明機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ウミガメ上陸産卵地周辺の道路灯、防犯灯、誘導灯等の光源によるウミガメ誕生時の迷走事故が近年大きな問題となっている。
【0003】
一方、南海トラフ等で海岸周辺の地域では、地震による津波防災用照明機器が急速に普及している。この津波防災照明機器としては一般に人間に馴染んでいる白色LEDが使用されている。防災側ではウミガメ保護までは検討に入っていないのが現状である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ウミガメの産卵地に設置する照明機器の販売を促進するため、ウミガメの産卵地を調査していたところ、ウミガメの産卵地と南海、東南海、東海と地震発生が予測されているトラフの場所が一致していることを発見した。このような場所で使用される照明機器は津波防災照明機器とウミガメ保護の二つの性能を有する機能が必要である。現在津波防災機器は白色LEDが使用されているが、防災対策の効果はあるがウミガメ保護の機能は果たしていない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
南海、東南海、東海などのトラフに沿った海岸線で、ウミガメの産卵地にアンバー色LED、特に、光のピーク波長が560nmよりも長い領域(さらに好ましくは、580nmよりも長い領域)にあり、かつドミナント波長が590nm~620nmの領域であるLEDを光源とし、2m以上の長さの支柱を有する道路灯、防犯灯、誘導灯などの特殊照明機器をウミガメ対策を兼ねた防犯照明機器として設置する。特に、道路灯、防犯灯、誘導灯などの光源は、常時はアンバー色LEDや上記の光のピーク波長が560nmよりも長い領域(さらに好ましくは、580nmよりも長い領域)にあり、かつドミナント波長が590nm~620nmの領域であるLEDを点灯し、津波や大波などの非常時における緊急警報信号やJアラートなどの信号を受けた場合に、上記のLEDと他色、例えば、赤色LED(光のドミナント波長が620nm~710nmのLED)や青色LED(光のドミナント波長が435nm~480nm)やその他の色のLEDを点灯する構成とする。
【0006】
現在、津波防災照明機器には照明効率が良く、人間の目に馴染んでいる白色LEDが使用されている。白色LEDに比べてアンバー色LEDは約20%程度効率が悪く、演色性も悪いが、光の透視性は白色LEDより良い。海岸線の津波防災照明機器としては、アンバー色LEDを使用したほうがウミガメ保護に貢献できるので、白色LEDの効率、演色性はとるに足らないものである。
【発明の効果】
【0007】
ウミガメは560nm以上の光の波長は認識できないと報告されているので、本発明の特殊照明機器によれば、光源に光のピーク波長が560nmよりも長い領域(さらに好ましくは、580nmよりも長い領域)にあり、かつドミナント波長が590nm~620nmの領域であるLEDを用いることにより、ウミガメ保護に大きく貢献ができ、人にも優しく、景観も損なうことなく防犯や災害時にも役立つことが可能である。また、災害発生時には、灯具内の他色LEDが点灯するため、災害が発生したことを視覚的に伝えることも可能であり、聴覚障害者にも災害発生を知らしめることも可能である。
【0008】
図5図3のウミガメの産卵地と図4のトラフの分布図を重ね合わせたもので、図5から解るようにウミガメ産卵地とトラフの位置が一致している。海岸線の津波防災照明機器として本発明のアンバー色LEDを用いることは当を得ている。
【0009】
この結果、津波防災照明機器、ウミガメ保護用照明機器の二種類の機器を生産する必要がなく経費の合理化は大きい。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
【0011】
図1は、本発明の実施例を示す自然環境保護と防災のためのアンバー色LED道路灯特殊照明機器で非常時に点灯する赤色LEDが組み込まれている。
【0012】
図1は、1は道路灯、11は光源面でアンバー色LED群13が使用され、一部は赤色LED群14である。
図6は道路灯1の機能ブロック図である。道路灯1は、アンバー色LED群13、他色LED群14、制御部30、照度センサー40、緊急警報信号受信インターフェース50、緊急警報信号検知部60、内部電源70、及び外部電源コネクタ150を有している。道路灯1は、所定の明るさよりも暗くなると、照度センサー40がオフになり、不図示のリレーが動作してアンバー色LED群13が点灯する回路を有している。また、制御部30は、緊急警報信号検知部60の情報に基づいて、赤色LED群14を点灯させる構成である。なお、制御部30は照度センサー40の出力値に基づいてアンバー色LED群13や赤色LED群14を点灯させる構成であってもよい。
【0013】
図7は、図1の道路灯1が緊急警報信号を受けて赤色LED群14を点灯させる制御部30の処理を示すフローチャート図である。制御部30は、緊急警報信号検知部60よりデータを受信する(S101)。次いで、制御部30は、そのデータが緊急警報信号であれば、赤色LED群14を点灯させ、そのデータが緊急警報信号でなければ、処理を終了する。(S103,105)。暗くなり、照度センサー12が動作するとアンバー色LED群13が点灯する。地震が発生し、津波の心配があると緊急警報信号が発信され、その信号を緊急警報信号検知部60が受けて制御部30によって赤色LED群14が点灯する。この赤色LED群14の点灯は災害が発生する可能性を示すための防災照明として最適な色である。当然、赤色LED群14が点灯しているときはアンバー色LED群13も点灯し、誘導灯としても役目を果たしている。
【0014】
図2は本発明の他の実施例で、防犯灯や誘導灯である。防犯灯、誘導灯2、光源はアンバー色LED21、点灯には照度センサー12を用いる方法、充電器22で常に電池を充電しておいて、停電時非常灯を電池にて点灯する種々の方法がある。防犯灯、誘導灯2には当然一部のLEDは赤色などの他色が使用されている。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施例を示す自然環境保護と防災のための道路灯特殊照明機器
図2】本発明の他の実施例を示す防犯灯、誘導灯
図3】ウミガメ産卵地を示す地図
図4】トラフの位置を示す分布図
図5図3図4を重ね合わせた地図
図6】道路灯1の機能ブロック図
図7】制御部30の処理を示すフローチャート図
【符号の説明】
【0016】
1・・・アンバー色LED道路灯
11・・・アンバー色LED道路灯の光源面
12・・・照度センサー
13・・・アンバー色LED群
14・・・赤色LED群
2・・・防犯灯、誘導灯
21・・・アンバー色LED
22・・・充電器
30・・・制御部
40・・・機能ブロック図の照度センサー
50・・・緊急警報信号受信インターフェース
60・・・緊急警報信号検知部
70・・・内部電源
150・・・外部電源コネクタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7