(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-15
(45)【発行日】2023-11-24
(54)【発明の名称】ラベル発行装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
B41J 5/30 20060101AFI20231116BHJP
B41J 29/42 20060101ALI20231116BHJP
G06F 3/12 20060101ALI20231116BHJP
G06F 3/04842 20220101ALI20231116BHJP
G06Q 30/06 20230101ALI20231116BHJP
【FI】
B41J5/30 B
B41J29/42 F
G06F3/12 353
G06F3/12 305
G06F3/12 378
G06F3/04842
G06Q30/06
(21)【出願番号】P 2019223292
(22)【出願日】2019-12-10
【審査請求日】2022-12-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】100094226
【氏名又は名称】高木 裕
(74)【代理人】
【識別番号】100087066
【氏名又は名称】熊谷 隆
(72)【発明者】
【氏名】内田 英樹
【審査官】牧島 元
(56)【参考文献】
【文献】特開昭59-047670(JP,A)
【文献】特開平10-162248(JP,A)
【文献】特開2010-173246(JP,A)
【文献】特開2014-136376(JP,A)
【文献】特開2018-008502(JP,A)
【文献】特開2018-103628(JP,A)
【文献】特開2004-110764(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 5/30
B41J 29/42
G06F 3/12
G06F 3/04842
G06Q 30/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品識別子の内の所定の桁数を入力して商品情報を取得する第一の商品情報取得手段と、
前記商品識別子の前記所定の桁数の内の一部の桁を入力して前記商品情報を取得する第二の商品情報取得手段と
、
前記商品識別子の内の、前記第二の商品情報取得手段による入力桁と、それ以外の桁とを、態様を変えて、商品コード表示領域に表示する表示手段と、
を備えることを特徴とするラベル発行装置。
【請求項2】
前記それ以外の桁は、前記商品識別子の内の部門識別子であることを特徴とする請求項
1に記載のラベル発行装置。
【請求項3】
前記表示手段は、前記部門識別子の切り替えを受付ける部門切替え受付手段を備えることを特徴とする請求項
2に記載のラベル発行装置。
【請求項4】
前記表示手段は、前記商品識別子の一覧表示への切替を受付ける商品一覧表示手段を備え、前記商品一覧表示と同一の画面に表示範囲を全商品と部門別に切り替える表示切替手段を備え、前記部門別を表示する場合、前記第二の商品情報取得手段の入力のみを表示することを特徴とする請求項
3に記載のラベル発行装置。
【請求項5】
ラベル発行装置としてのコンピュータを、
商品識別子の内の所定の桁数を入力して商品情報を取得する第一の商品情報取得手段、
前記商品識別子の前記所定の桁数の内の一部の桁を入力して前記商品情報を取得する第二の商品情報取得手段、
前記商品識別子の内の、前記第二の商品情報取得手段による入力桁と、それ以外の桁とを、態様を変えて、商品コード表示領域に表示する表示手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラベル発行装置及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ラベルプリンタは、所望の商品を呼び出す場合に、当該商品の商品コードを入力する。また、青果部門、精肉部門などの部門毎に設置されるケースが多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
部門ごとの操作者が取扱うので商品コードは、簡単なものが良いとされているが商品情報の管理上、ユニークな商品コードを設定する必要があるので、そのような要望に応えるのは難しかった。
【0005】
本発明は上述の点に鑑みてなされたものでありその目的は、操作者の商品コードの取扱いを行い易くするラベル発行装置及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明にかかるラベル発行装置は、商品識別子の内の所定の桁数を入力して商品情報を取得する第一の商品情報取得手段と、前記商品識別子の前記所定の桁数の内の一部の桁を入力して前記商品情報を取得する第二の商品情報取得手段と、前記商品識別子の内の、前記第二の商品情報取得手段による入力桁と、それ以外の桁とを、態様を変えて、商品コード表示領域に表示する表示手段と、を備えることを特徴としている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図4】ラベル発行装置1の概略動作フロー図である。
【
図9】
図8に示す商品コード表示欄G11部分の要部拡大図である。
【
図10】商品コード表示欄G11近傍にコード入力数案内欄G12を表示した場合の要部拡大図である。
【
図11】部門選択画面G2の一例を示す概略図である。
【
図12】商品選択画面G3の一例を示す概略図である。
【
図13】商品選択画面G3の一例を示す概略図である。
【
図14】他の商品コードG111の内訳説明図である。
【
図15】他の商品コード表示欄G11部分の要部拡大図である。
【
図16】値付け画面G1の一例を示す概略図である。
【
図17】値付け画面G1の一例を示す概略図である。
【
図18】値付け画面G1の一例を示す概略図である。
【
図19】値付け画面G1の一例を示す概略図である。
【
図20】値付け画面G1の一例を示す概略図である。
【
図21】値付け画面G1の一例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態にかかるラベル発行装置(商品データ管理装置、計量値付けラベル発行装置、計量値付機、商品データ処理装置でもある)1の斜視図である。このラベル発行装置1は、計量値付けラベル発行装置であり、例えば販売店のバックヤードに設置され、各種商品又は商品容器に貼付するラベル(印刷媒体)を発行する装置である。同図に示すように、ラベル発行装置1は、基台部3の上面に、表示手段5とキー操作部7とを設置し、また基台部3の前面にラベル発行口11を設置し、さらに商品計量用のはかり部9をケーブル(無線でも良い)で接続して構成されている。
【0009】
図2は上記ラベル発行装置1の構成を示すブロック図である。ラベル発行装置1は、制御部20と、はかり部9と、印字部40と、操作部50と、読取部60とを備えている。はかり部9はロードセル9aを備え、商品の重量を計量する。印字部40は印字機構部41を有している。印字機構部41は、ラベルの印字を行い、印字したラベルを前記
図1に示すラベル発行口11から排出(発行)する。操作部50はキー操作部7と、表示手段(操作表示部)5(5a,5b)とを備える。キー操作部7はテンキーや発行キーなどを備える。表示手段5は液晶表示器5aにタッチパネル5bが積層された構造となっており、同一面でデータの表示と入力とができるようになっている。液晶表示器5aは各種データの表示を行う。タッチパネル5bは操作者の指が触れると、触れた位置を検出し、検出した位置に応じた入力を受け付ける。読取部60はスキャナ61を備え、バーコード等の情報を読み取る。
【0010】
図3は、キー操作部7を示す図である。同図に示すように、キー操作部7は、数字の入力(置数)に使用するテンキー71、設定操作中の取り消し/訂正などの際に使用する取消キー73、値付け時に風袋を入力/消去する際に使用する風袋キー75、登録された商品を呼び出す際に使用する品番キー77、値付け時に単価を入力したり定額商品を計量商品に切り替える際に使用する単価キー79、値付け時に定額商品の値段を入力したり計量商品を定額商品に切り替える際に使用する定額キー81、ラベルを発行する際に印字指示の入力を受け付ける発行キー83などを有している。
【0011】
図2に戻って、制御部20は、CPU21と、ロードセル制御部22と、印字制御部23と、操作制御部24と、表示制御部25と、ROM26と、RAM27と、読取制御部28とを備えている。CPU21はバスを介して制御部20が備える各部と相互に接続されている。
【0012】
CPU21は、ROM26が記憶する制御プログラムとRAM27が記憶する各種情報を読み出し、読み出した制御プログラムと各種情報とに基づいて各部の制御を行う。またCPU21は、必要な情報をRAM27に記憶させる。ROM26は、例えば、CPU21において実行される各種プログラム(このプログラムには、下記する
図4の処理をCPU21に実行させる値付け・計量・ラベル発行用のプログラムを含んでいる)等の各種情報を記憶している。ロードセル制御部22は、はかり部9が備えるロードセル9aの制御を行う。印字制御部23は印字部40の制御を行う。操作制御部24は、キー操作部7と、タッチパネル5bの制御を行う。タッチパネル5bは、液晶表示器5aに表示された下記する画面G1等の所定部分をタッチすることで、所望の操作を指示する。表示制御部25は、液晶表示器5aの制御を行う。RAM27は、CPU21が用いる情報を記憶する一時記憶領域である。またRAM27は、各種ファイルを記憶する記憶手段である。読取制御部28は、読取部60が備えるスキャナ61の制御を行う。なお、CPU21は、タッチパネル5bに表示する下記する値付け画面G1やその商品コード表示欄G11の表示内容を変更する表示制御手段でもある。
【0013】
図4は、ラベル発行装置1を用いて商品を計量してラベルを発行する概略動作フロー図である。即ちラベル発行装置1は、CPU21が、まず表示手段5に、例えば下記する
図5に示すような値付け画面G1を表示させる(ステップ1-1)。次に、値付けしようとする商品のデータを呼び出す(ステップ1-2)。次に、当該商品が計量されると(ステップ1-3)、当該商品の値段などを計算する(ステップ1-4)。そして、前記キー操作部7の発行キー83が押下されると(または値付け画面G1上に表示した発行ボタンが押下されると)(ステップ1-5)、ラベルを発行させる(ステップ1-6)。計量・ラベル発行を行う同一の他の商品がある場合は、上記ステップ1-3~ステップ1-6を繰り返し行う(ステップ1-7)。
【0014】
図5は、前記ステップ1-1において、表示される値付け画面G1の一例を示す概略図である。この値付け画面G1は、ラベル発行装置1の表示手段5に表示される。この値付け画面G1に所望の商品を呼び出す方法は種々あるが、ここでは商品コード(商品識別子/PLU/品番コード)を、前記キー操作部7を用いてテンキーで直接入力して呼び出す方法と、商品リストから呼び出す方法とを説明する。
【0015】
〔商品コードの直接入力によって呼び出す方法〕
商品コード(商品識別子)G111は、
図5に示す値付け画面G1の左上部の商品コード表示欄G11に表示される。この実施形態において、商品コードG111は6桁の数字で構成され、さらに付番(サブコード)G113が1桁入力可能となっている。なお商品コードG111は、数字以外の英字などを用いても良い。
【0016】
図6は、上記6桁の商品コードG111の内訳説明図である。同図に示すように、6桁の商品コードG111の内、上位の3桁は部門識別コード、下位の3桁は当該部門内での商品識別コードである。具体的にこの例では、部門識別コード「001」は「精肉部門」、「002」は鮮魚部門、「003」は青果部門を示している。一方、部門識別コード「001」中の商品識別コード「000」~「999」には、それぞれ精肉部門中の各種商品が割り当てられており、例えば、精肉部門中の商品識別コード「001」は、牛肩ロースを示している。
【0017】
一方、値付け画面G1に示す付番G113は、1つの商品コードG111に売価などの設定項目を複数設定する場合に用いるものである。例えば、付番「1」は売価398円、付番「2」は売価420円などである。
【0018】
そして例えば、キー操作部7中のテンキー71によって所望の商品コードG111を入力して商品コード表示欄(商品コード表示領域)G11に表示し、次に、品番キー77を押下すれば、値付け画面G1上に所望の商品を呼び出すことができる。具体的に説明すれば、例えば牛肩ロースを呼び出す場合は、まずキー操作部7のテンキー71を用いて商品コードG111として「001001」を入力することで、
図7に示すように、値付け画面G1の表示部G13に、「001001」を表示させる。そして品番キー77を押下すれば、
図8に示すように、値付け画面G1の商品コード表示欄G11に商品コードG111「001001」が表示される。即ち、このラベル発行装置1は、商品コード(商品識別子)G111の全桁を入力して商品情報を取得する第一の商品情報取得手段を有している。このとき付番G113はないので、付番「0」が表示される。またこのとき表示部G13には呼び出された商品名「牛肩ロース」が表示され、値付け画面G1のラベル表示部G15には、印刷されるラベルのイメージが表示される。なお、商品コードG111の入力は、テンキー71を用いる代わりに、バーコードをスキャナ61によって読み取ることなど、他の入力手段を用いて行っても良い。
【0019】
図9は
図8に示す商品コード表示欄G11部分の要部拡大図である。同図に示すように商品コード表示欄G11に表示される商品コードG111は、その表示領域中の上位桁(3桁)G111-1と下位桁(3桁)G111-2を、態様を変えて表示している。具体的には、上位桁G111-1の部分については数字の部分を黒色でその背景の部分を黄色、下位桁G111-2の部分については数字の部分を黄色でその背景の部分を黒色としている。即ち、商品コードの内の、下記する第二の商品情報取得手段による入力桁(下位桁G111-2)と、それ以外の桁(即ち、上位桁G111-1である部門識別コード〔部門識別子〕)とを態様を変えて表示することとしている。これによって、商品コードG111から部門識別コードと商品識別コードの両者の確認を容易且つ確実に行うことが可能になる。即ち例えば表示部G13に表示された商品名が所望の「牛肩ロース」ではなく「マグロ(柵)」であった場合は、部門識別コードに間違いがあることがわかるが、商品コードG111中の上位桁G111-1の部分は下位桁G111-2の部分とは表示の態様が違うので、容易に上位桁G111-1の内容が認識でき、「001」と入力すべきところを「002」と入力したことを確認でき、容易に修正できる。
【0020】
なお、態様の変更は、上述のように、上位桁G111-1と下位桁G111-2の色彩を変更する場合に限られず、例えば数字のフォントや大きさを変えたり、数字の種類(例えばアラビア数字やギリシア数字)を変えたりするなど、他の各種方法であってもよい。要は態様を変えて表示するものであれば、どのような態様でもよい。
【0021】
また、
図7,
図8の値付け画面G1に斜線で示す部分は、例えば赤色の背景色としている。この色は、部門毎に変更する。これによって、現在、どの部門を選択中であるかを直感的に認識することができる。背景色の部門毎の変更は、下記する商品選択画面G3などの他の画面においても、同様に適用することができる。
図21は、
図7に示す値付け画面G1の他の例を示す図である。この値付け画面G1に示すように、前記背景色の変更と共に(または背景色の変更に代えて)、当該画面の所定位置(この例ではラベル表示部G15)に、部門毎に異なるイラストG19を表示し、これによって現在選択している部門が何れの部門であるかを、直感的に認識させる構成にしても良い。
【0022】
図10は、
図5に示す値付け画面G1の商品コード表示欄G11近傍にコード入力数案内欄G12を表示した場合の要部拡大図である。即ち、この例の場合、商品コード表示欄G11にまだ何も入力を行っていない状態において、商品コード表示欄G11の近傍に重ねてコード入力数案内欄G12を表示している。コード入力数案内欄G12は、商品コード入力数案内欄G121と付番入力数案内欄G123とを有し、商品コード表示欄G11に入力できる数字の範囲を示している。この例の場合、商品コード入力数案内欄G121には「0-999999」と表示する。また付番入力数案内欄G123には、「0-9」と表示する。従って作業者は、この商品コード表示欄G11(商品コードG111,付番G113)には、この数値の範囲での入力が可能であることを容易に認識できる。なお、部門コードが例えば「001」に指定された段階であれば、例えば「001000-001999」と表示しても良いし、「0-999」のように商品識別コードの入力数範囲のみを示す構成としても良い。このコード入力数案内欄G12は、商品コード表示欄G11に入力を始めた段階、または入力し終わった段階などで、消去する構成としても良い(消去しなくても良い)。
【0023】
次に、短縮呼び出しについて説明する。短縮呼び出しとは、商品コードG111の全ての桁を入力しなくても、短縮した桁数を入力することで、商品コードG111の入力ができる機能を言うものとする。即ち、上記実施形態では、キー操作部7中のテンキー71によって商品コードG111の6桁をすべて入力したが、当該入力桁数は一部省略することができる。例えば、テンキー71によって商品コードG111として「1001」または「01001」と入力しても、CPU21は、部門識別コード中の「00」または「0」が省略されたものと判断し、自動的に桁数を合わせた場合の省略部分(数字「0」)を埋めて、いずれも「001001」の商品を呼び出す構成としている。即ち、この実施形態では、キー操作部(入力手段)7で入力したデータに応じて、商品コード(商品識別子)G111を補う構成となっており、実際に入力された入力桁数が、正規の入力桁数に足りない場合、事前に指定された情報を加えた情報を商品コードG111とする構成としている。また言い換えれば、部門識別コードと商品識別コードの内の何れが足りないかを判断し、所定の情報(この例では数字「0」)を加えることが妥当であると判断した場合は、正規の入力桁数になるように所定の情報(数字や英数文字など)を補う(追加する)ように構成している。また言い換えれば、前記第一の商品情報取得手段は、商品コード(商品識別子)G111の全桁数の先頭の値がゼロを含む場合、当該ゼロを除去しての入力によっても前記商品情報を取得する構成となっている。このように構成することで、入力時の省力化が図れ、商品の呼び出しを効率的に行うことができる。なおもちろん、全ての桁に入力しなければエラーとするように構成しても良いし、設定していない部門識別コードや商品識別コードが入力された際は「その商品コードに対応する商品はありません」というような表示を行っても良い。
【0024】
また短縮呼び出しの他の例として、例えば
図5の値付け画面G1中に表示した部門切替ボタンG17を押下することで、部門のみを確定し、その後は商品コードG111中の下位桁G111-2である商品識別コードのみをテンキー71によって入力することで商品を呼び出す構成とすることもできる。即ちこのラベル発行装置1は、商品コード(商品識別子)G111の一部(下位桁G111-2)を入力して商品情報を取得する第二の商品情報取得手段を有している。例えば、部門切替ボタンG17を押下することで
図11に示す部門選択画面G2を表示し、表示した各部門の内の所望の部門の部分を押下することで、部門識別子、即ち商品コードG111中の上位桁G111-1を確定させる。これによって以後の商品の呼び出しには、下位桁G111-2の商品識別コードのみを入力すればよくなる。例えば、前記部門切替ボタンG17を押下することによって表示した部門選択画面G2中の「000001精肉」の部分を押下することで、商品コードG111を「001000」(または「000001」)、即ち、部門識別コードのみを確定した商品コードG111を表示する。そしてその後は、テンキー71によって下位桁(3桁)の商品識別コードのみを入力すれば、精肉部門内の各種商品を呼び出すことができる。例えばテンキー71によって「001」を入力すれば、商品コードG111は「001001」となり、
図8の値付け画面G1に示すように、表示部G13には呼び出した商品名「牛肩ロース」が表示され、ラベル表示部G15には、印刷されるラベルのイメージが表示される。即ち、この例の場合は、商品コード表示欄G11に上位桁G111-1を設定する設定手段(部門切替ボタンG17や部門選択画面G2など)と、商品コード表示欄(表示領域)G11に数値を入力する入力手段(テンキー71など)とを備え、設定手段(部門切替ボタンG17や部門選択画面G2など)を用いて設定した上位桁G111-1と、テンキー71などによって数値が入力された下位桁G111-2とを組み合わせて商品コード(商品識別子)G111とするように構成している。また、上記部門切替ボタンG17は、部門識別子である上位桁G111-1の切り替えを受付ける部門切替え受付手段である。このように構成することで、商品の呼び出しを効率的に行うことができる。なおこの短縮呼び出しの場合も、入力する商品識別コードの入力桁数を一部省略することができる。例えば、テンキー71によって「1」または「01」と入力しても、CPU21が商品識別コード中の上位桁の「00」または「0」が省略されたものと判断し、自動的に桁数を合わせて省略部分(数字「0」)を埋めて、いずれも「001」の商品を呼び出す構成としても良い。同様に、例えば、テンキー71によって「11」と入力しても、CPU21が商品識別コード中の「0」が省略されたものと判断し、自動的に桁数を合わせて、省略部分(数字「0」)を埋めて、「011」の商品を呼び出す構成としても良い。即ち、この実施形態では、キー操作部(入力手段)7で入力したデータに応じて、商品コード(商品識別子)G111を補う構成となっている。このように構成することで、商品の呼び出しを効率的に行うことができる。
【0025】
ところで、上述のように、CPU(表示制御手段)21は、タッチパネル(表示手段)5bの1つの画面(値付け画面G1)中に、設定手段(部門切替ボタンG17)と表示領域(商品コード表示欄G11)とを同時に表示させているので、現在の表示領域(商品コード表示欄G11)の上位桁の内容を確認しながら、設定手段(部門切替ボタンG17)による当該上位桁の変更を行うか否かを容易に判断することができる。
【0026】
ここで、
図7からの商品呼び出しの流れについてさらに詳細に説明する。例えば、商品コード「001023」を呼び出す方法としては、テンキー71によって「1023」、「01023」、「001023」、「023」、「23」などを入力して品番キー77を押下する。そして、ラベルを発行する。ラベルを発行した後も、次の商品コードの呼び出しまでは前回の画面をそのまま表示しておく。
【0027】
次に、上記商品コード「001023」の商品(即ち精肉部門の商品)のラベルを発行した後に、例えば総菜部門の商品を呼び出す場合、即ち、現在設定している部門以外の部門の商品を呼び出す場合について説明する。例えばその商品の商品コードが「003011」であるとすると、テンキー71によって「3011」を入力する。これによって、
図16に示すように、表示部G13の表示が「3011」に代わる。値付け画面G1中のその他の部分の表示は、元のままとする。そして品番キー77を押下すると、
図17に示す値付け画面G1が表示される。この例の場合は、現在設定している部門と異なる部門の商品を呼び出したので、
図17に示す値付け画面G1中に、「総菜部門の商品を呼び出しました」というような他部門呼出報知画面G18をポップアップ画面として報知する。またこのとき、背景色として、総菜部門の背景色である緑色を表示する。そして、他部門呼出報知画面G18中のOKボタンG181を押下すると、
図18に示す値付け画面G1が表示される。この値付け画面G1においても、部門の設定は元の「精肉部門」のままなので、部門切替ボタンG17には、「001:精肉部門」が表示されている。
【0028】
次に、ラベルを発行するために商品の計量動作に入る際に、
図19に示す値付け画面G1が表示され、当該値付け画面G1中にポップアップで表示された発行確認画面G18A中の、「はい」ボタンG18A1が押下されると、計量、値段などの算出や、ラベル発行動作に移行していく。発行確認画面G18Aは、計量などを行った後の、発行キー押下の際などに表示しても良い。なお異なる部門の商品を扱うことは、
図17の他部門呼出報知画面G18によって既に報知しているので、この発行確認画面G18Aは省略しても良い。または音声などの他の報知手段によって報知しても良い。
【0029】
そしてラベル発行後は、自動的に商品コード「001000」の値付け画面G1(例えば
図7の値付け画面G1、但し表示部G13の表示を空白にした画面)に戻るように、即ち元の部門を維持するようにする。または最後にラベルを発行した部門(この例の場合は総菜部門)に移行するように構成しても良い。または
図20に示すように、値付け画面G1中に部門選択画面G18Bをポップアップ表示し、「元の部門に戻りますか?はい/いいえ」を表示し、何れの部門を設定部門とするかを選択させるように構成しても良い。
【0030】
なお上述のように、特定の部門を維持している場合に異なる部門の商品を呼び出す場合は、背景色を変更することでそれを報知したが、その代わりに(又はそれと共に)毎回、他の部門で操作中である旨を文言やイラストなどで報知するように構成しても良い。
【0031】
〔商品リストから呼び出す方法〕
例えば、
図5に示す値付け画面G1の商品コード表示欄G11に、テンキー71などによって商品コードG111として「001000」(または「000001」)のような部門コードのみを入力しておき、その上で商品コード表示欄G11の部分(例えば「商品」の部分)を押下することで、
図12に示す商品選択画面G3を表示する。即ち、商品コード表示欄G11(その押下)と商品選択画面G3は、商品コード(商品識別子)G111の一覧表示への切替を受付ける商品一覧表示手段である。この例の場合、商品選択画面G3には、スクロールバーG35によってスクロールすることで、選択されている部門(
図12では精肉部門)の全商品を表示することができる。そして商品選択画面G3に表示された各種商品の内、所望の商品の部分を押下すれば、当該商品が選択され、
図8に示すような所望の商品が呼び出された値付け画面G1が表示される。即ち、CPU(表示制御手段)21は、タッチパネル(表示手段)5bの画面中に表示された商品コード表示欄(表示領域)G11の部分を押下することで、予め設定しておいた上位桁に関連する商品情報(この実施形態では、所望の部門)のみを表示する。これによって、上位桁に関連する商品情報のみを容易に表示(例えば一覧表示)させることができ、当該商品情報の中から所望の商品を選択することが可能になる。
また、所望の部門を選択している場合は、商品コードの一部、つまり部門識別子は、商品選択画面G3中の商品一覧表示の各商品コード欄からその表示を省略しても良い。当該部門の作業者は部門内のユニークな識別子での取り扱いに慣れているためである。
さらに、桁数を制限することで他の情報の表示できる文字数、桁数が増えるので当該部門の作業者にとっては好都合である。これらの設定は初期設定で利用可否を選択することもできる。
【0032】
また商品選択画面G3には、部門選択ボタンG31と全部選択ボタンG33が表示されており、現在は選択されている部門の全商品が表示できるようになっているが、全部門選択ボタンG33を押下して選択すれば、
図13に示す商品選択画面G3のように、スクロールバーG35によってスクロールすることで、全ての部門の商品を表示することができる。そして上記の場合と同様に、商品選択画面G3に表示された各種商品の内、所望の商品の部分を押下すれば、当該商品が選択され、
図8に示すような所望の商品が呼び出された値付け画面G1が表示される。即ち、商品選択画面G3には、予め設定しておいた上位桁に関連する商品情報(選択されていた部門の全商品)を含むすべての商品情報(全ての部門の商品)を表示する切替手段(部門選択ボタンG31と全部選択ボタンG33)をさらに備えている。また部門選択ボタンG31と全部選択ボタンG33は、商品選択画面(商品一覧表示)G3と同一の画面に表示範囲を全商品と部門別に切り替える表示切替手段である。そして部門別を表示する場合(
図12の商品選択画面G3の場合)、表示した部門内の商品コードG111の入力(即ち第二の商品情報取得手段の入力)のみを表示している。
【0033】
これによって、所定の領域の商品の中から所望の商品を選択できるばかりか、切替手段(部門選択ボタンG31と全部選択ボタンG33)によって、他の領域の商品の中からも所望の商品を選択することが可能になる。例えば、異なる領域(部門)毎に設置されたラベル発行装置1の内の1台が故障し、このため他の領域(部門)のラベル発行装置1を使用する場合においても、当該ラベル発行装置1の設定変更などを行うことなく、当該ラベル発行装置1に他の領域(部門)の商品を容易に表示し、ラベル発行などを行わせることができるようになる。また例えば1台のラベル発行装置1によって全ての部門の領域(部門)の商品を扱う必要があるような店舗(比較的小型の店舗で全ての種類の商品を1台のラベル発行装置1によって扱うような場合)であっても、特別な設定変更を行うことなく、そのまま使用することが可能になる。
【0034】
ところで、上記実施形態では、部門識別コードと部門内商品識別コードを3桁ずつ同じ桁数として説明したが、これらコードが同じ桁数でなくても良いことは言うまでもない。例えば、
図14の商品コードの内訳説明図に示すように、部門識別コードを例えば6桁として表示し、且つ当該部門内商品識別コードの桁数を例えば4桁と決めておけば、実際の部門識別コードは2桁(=6桁-4桁)となり、品名「牛肩ロース」の部門コードは「01」の2桁となり、部門内商品識別コードは「0001」の4桁となる。なお、部門内商品識別コードは「0000~9999」の範囲で指定できる。
【0035】
図15は、部門識別コードを2桁にしたときの、商品コード表示欄G11部分の要部拡大図である。同図に示す例の場合は、商品コード表示欄G11に表示される商品コードG111の表示領域中の上位桁(2桁)G111-1と下位桁(4桁)G111-2を、態様を変えて表示している。即ち、前記第二の商品情報取得手段の入力桁(下位桁G111-2)と、前記第一の商品情報取得手段での全桁(上位桁G111-1及び下位桁G111-2)との差分となる桁(即ち、上位桁G111-1である部門識別コード〔部門識別子〕)とを態様を変えて表示する。これによって、上記と同様、商品コードG111から部門識別コードと商品識別コードの両者の確認を容易且つ確実に行うことが可能になる。なお、商品コードの桁数は6桁以外であっても良いことは言うまでもなく、また部門コードの桁数や商品識別コードの桁数も種々の変更が可能である。
【0036】
以上説明したように、本発明にかかるラベル発行装置は、商品識別子の内の所定の桁数を入力して商品情報を取得する第一の商品情報取得手段と、前記商品識別子の前記所定の桁数の内の一部の桁を入力して前記商品情報を取得する第二の商品情報取得手段とを備えることを特徴としている。
本発明によれば、場合に応じて、何れかの商品情報取得手段を選べるので、操作者による商品情報の取得(商品識別子の取り扱い)が行い易くなる。
【0037】
また本発明は、上記特徴に加え、表示手段を備え、当該表示手段は、前記商品識別子の内の、前記第二の商品情報取得手段による入力桁と、それ以外の桁とを、態様を変えて、商品コード表示領域に表示することを特徴としている。
これによって、第二の商品情報取得手段の入力桁と、それ以外の桁の、両者の確認を容易且つ確実に行うことが可能になる。
【0038】
また本発明は、上記特徴に加え、前記それ以外の桁は、前記商品識別子の内の部門識別子であることを特徴としている。
これによって、第二の商品情報取得手段の入力桁と、部門識別子の、両者の確認を容易且つ確実に行うことが可能になる。
【0039】
また本発明は、上記特徴に加え、前記表示手段は、前記部門識別子の切り替えを受付ける部門切替え受付手段を備えることを特徴としている。
これによって、部門の切替えを効率的に行うことができる。
【0040】
また本発明は、上記特徴に加え、前記表示手段は、前記商品識別子を一覧表示への切替を受付ける商品一覧表示手段を備え、前記商品一覧表示と同一の画面に表示範囲を全商品と部門別に切り替える表示切替手段を備え、前記部門別を表示する場合、前記第二の商品情報取得手段の入力のみを表示することを特徴としている。
これによって、全商品情報の中から所望の商品を選択できるばかりか、部門別の商品情報の中から所望の商品を選択することがより容易に行えるようになる。例えば、複数台のラベル発行装置を、異なる部門毎に配置し、各ラベル発行装置は、設置された部門以外の商品を扱わないような場合は、当該部門の商品のみを表示・入力できるので、作業者による作業効率が向上する。
【0041】
また上記本ラベル発行装置1には、所定の上位桁と所定の下位桁とを組み合わせて構成される商品識別子によって商品情報を管理するラベル発行装置において、画面を表示する表示手段と、前記表示手段の画面中に表示した前記商品識別子表示用の表示領域を制御する表示制御手段と、を備え、前記表示制御手段は、前記表示領域中の上位桁と下位桁を、態様を変えて表示することが開示されている。
これによって、表示領域中の上位桁と下位桁を容易に識別でき、商品コードの確認が行い易くなる。
【0042】
また上記本ラベル発行装置1には、上記特徴に加え、前記表示領域に上位桁を設定する設定手段と、前記表示領域に数値を入力する入力手段と、をさらに備え、前記設定手段で設定された上位桁と、前記入力手段によって数値が入力された下位桁とを組み合わせて商品識別子とすることが開示されている。
これによって、上位桁の設定と下位桁の入力とを何れも容易に行うことが可能となる。
【0043】
また上記本ラベル発行装置1には、上記特徴に加え、前記表示制御手段は、前記表示手段の画面中に表示された表示領域の部分が押下されることで、予め設定しておいた上位桁に関連する商品情報のみを表示することが開示されている。
これによって、上位桁に関連する商品情報のみを容易に表示(例えば一覧表示)させることができ、当該商品情報の中から所望の商品を選択することが可能になる。例えば、複数台のラベル発行装置を、異なる部門毎(異なる領域毎)に配置し、各ラベル発行装置は、設置された部門以外の商品を扱わないような場合は、当該部門の商品のみを表示できるので、作業者による作業効率が向上する。
【0044】
また上記本ラベル発行装置1には、上記特徴に加え、前記予め設定しておいた上位桁に関連する商品情報を含むすべての商品情報を表示する切替手段をさらに備えることが開示されている。
これによって、所定の領域の商品の中から所望の商品を選択できるばかりか、切替手段によって、他の領域の商品の中からも所望の商品を選択することが可能になる。例えば、異なる領域(部門)毎に設置されたラベル発行装置の内の1台が故障し、このため他の領域(部門)のラベル発行装置を使用する場合においても、当該ラベル発行装置の設定変更などを行うことなく、当該ラベル発行装置に他の領域(部門)の商品を容易に表示し、ラベル発行などを行わせることができるようになる。また例えば1台のラベル発行装置によって全ての部門の領域(部門)の商品を扱う必要があるような店舗(比較的小型の店舗で全ての種類の商品を1台のラベル発行装置によって扱うような場合)であっても、特別な設定変更を行うことなく、そのまま使用することができる。
【0045】
また上記本ラベル発行装置1には、上記特徴に加え、前記表示制御手段は、前記表示手段の1つの画面中に、前記設定手段と前記表示領域とを同時に表示させることが開示されている。
これによって、現在の表示領域の上位桁の内容を確認しながら、設定手段による当該上位桁の変更を行うか否かを容易に判断することができる。
【0046】
また、上記実施形態に係るラベル発行装置1で実行されるプログラムは、ROM26等に予め組み込まれて提供されるものとしているが、これに限られず、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成しても良い。また、上記実施形態のラベル発行装置1で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、上記実施形態のラベル発行装置1で実行されるプログラムを、ネットワーク経由で提供又は配布するように構成しても良い。
【0047】
以上本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。なお直接明細書及び図面に記載がない何れの構成であっても、本願発明の作用・効果を奏する以上、本願発明の技術的思想の範囲内である。例えば、上記実施形態では、本発明にかかるラベル発行装置を計量値付けラベル印刷装置に用いた例を示したが、秤のないラベル印刷機などの他の各種ラベル発行装置、商品販売データ処理装置(POS)、計量包装値付け機、包装値付け機、包装機など、部門別に品番を管理している商品データ管理装置でも利用可能である。また、上記記載及び各図で示した実施形態は、その目的及び構成等に矛盾がない限り、互いの記載内容を組み合わせることが可能である。また、上記記載及び各図の記載内容は、その一部であっても、それぞれ独立した実施形態になり得るものであり、本発明の実施形態は上記記載及び各図を組み合わせた一つの実施形態に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0048】
1 ラベル発行装置(商品データ管理装置、商品データ処理装置)
3 基台部 5 表示手段(操作表示部)
5a 液晶表示器 5b タッチパネル
7 キー操作部 9 はかり部
9a ロードセル 11 ラベル発行口
20 制御部 21 CPU
22 ロードセル制御部 23 印字制御部
24 操作制御部 25 表示制御部
26 ROM 27 RAM
28 読取制御部 40 印字部
41 印字機構部 50 操作部
60 読取部 61 スキャナ
71 テンキー 73 取消キー
75 風袋キー 77 品番キー
79 単価キー 81 定額キー
83 発行キー G1 値付け画面
G11 商品コード表示欄(表示領域) G111 商品コード(商品識別子)
G111-1 上位桁(部門識別子) G111-2 下位桁
G113 付番(サブコード) G12 コード入力数案内欄
G121 商品コード入力数案内欄 G123 付番入力数案内欄
G13 表示部 G15 ラベル表示部
G17 部門切替ボタン(設定手段) G18 他部門呼出報知画面
G181 OKボタン G18A 発行確認画面
G18A1 「はい」ボタン G18B 部門選択画面
G19 イラスト G2 部門選択画面(設定手段)
G3 商品選択画面(商品一覧表示手段) G31 部門選択ボタン
G33 全部選択ボタン G35 スクロールバー