(河川災害の阻止)
本来河川の流れは、重力の流れのエネルギーが河川の全水域Lrを支配してきたが、
図2
に示すように河口海域を堤体構造8で囲い締切る「海洋の空(UTSURO)」を構築し
、「海洋の空(UTSURO)」内水域26を遡上水路19により河口の潮感水域で開放す
ることにより河川の潮感水域Ltに激しい潮流を発生させることができる。
如何に激しい潮流であっても陸域を流れる潮流が存在せず、潮流はすべて海水面下の流れ
で、河川流量に匹敵する潮流河川には洪水がない。
「海洋の空(UTSURO)」の規模を大きくし、河川流量に匹敵する潮流を発生させる
ことにより、従来は重力の流れのエネルギーが支配してきた河川の河口水域では潮汐のエ
ネルギーが支配する河川水域となり、河川の河口水域Lt1の河床が洗堀される。
「海洋の空(UTSURO)」の規模は上記(1)式によるが地形や水深などの条件で十
分な面積が取れない場合には、水みちを絞り、自然の河川流量と合わせて掃流力を確保す
る。
さらに、地形によっては図
4図のように潮感水域の旧河道や分水路、派川などの河口海域
を堤体構造8で囲い締切り分水路を遡上水路19として本川上流で開放することにより河川本川に激しい潮流を発生させることができる。
遡上水路口13の先端Lv1やLv2は水流の折り返し点として、常に激しい渦流により先端河床が洗堀される。
現在の河川の河床4が安定勾配であるとすれば、この技術によりにより、河床が徐々に洗
堀され、自然に図―1の12ラインに、河床が低下する。
更に、遡上水路口のLv1区間における潮流を保持しながら上流に向かって越流堤9を13の様に延伸することにより、先端のLv2が渦流により河床14が洗堀され、さらに、自然流の安定勾配により、河床15のラインに低下し、洪水の疎通断面がさらに大きくなる。
これにより、河川上流部の重力の流れのエネルギーが支配する水域延長Lnは(Ln=L
r―Lt)となり、河川における流れのエネルギーが支配する河川延長が短くなり、河川
におけるエネルギー勾配が高められ、河床洗掘が進み、洪水の疎通能力が高められる。
更に、将来、上記システムの延伸や「海洋の空(UTSURO)」内水域26に土砂の堆積
等により潮汐のエネルギーが不足する場合には「海洋の空(UTSURO)」33を拡大す
る。
またさらに、重力による流れのエネルギーが支配する上流部Ln区間の河床を深く掘り
、洪水の疎通能力を高めるためには 、上中流水域の水みちを絞り、掃流力を高め、河床
を下げ河川の上流部の、洪水の疎通断面を更に大きくするものである。
この技術は、
図3に示すように主として河床土等により河川敷内に低い背割堤Bを縦断的に連続した背割堤を構築し
狭幅水みちR1(、R2、R3、…)を形成し、幅員の広い河川ではB1,B2、B3・と
2以上の背割堤を設ける。
狭幅水みちR1(、R2、R3、…)の其々上下流の両端に可動堰GI,G2更に上流にむかってG3,・・を設置し、上下流の可動堰の操作により
複数の狭幅水みちのうち河川の水が流れる水みち
に絞り、掃流力を高め、河床を深く洗掘させ、
断面拡大狭幅水みちR2‘(狭幅水みちR2+洗掘部AR2)を形成する。この操作を繰返すことにより、それぞれの
狭幅水みちR1(、R2、R3、…)を深く
し、断面拡大狭幅水みちを形成することができる。
さらに、
断面拡大狭幅水みちに水を湛え、
断面拡大狭幅水みちのサイドの背割堤の上流部の堤頂を下げ背割堤を越流させ、全背割堤本体共々洗掘して、河道内の土砂を流出させる。
この操作を交互に繰返し、河川の洪水の疎通断面を大きくする。
上記の操作の事例として
図3-3に下流部から洗掘し、洪水の疎通能力を高めれば、大地
はすべてスーパー堤防となり、繰返す河川災害を阻止する。
上記の河床低下に伴い地下水や伏流水の水位低下の懸念あり、河川の両岸には保全水路3
1の設置が必須である。
(津波、高潮の防御)
高潮は一般に砕波しないが、津波や高潮を砕波させると莫大なエネルギーを放出し、波高
が高くなり、陸域に浸水し被害が拡大する。
津波の沖波の最大波高は10m程度で、波長が長く、回折しやすく、反射しやすい波である
。
上記の請求項1に示す「海洋の空(UTSURO)」による潮流発生装置の堤体8を共有
することにより、囲われた沿岸陸域の津波や高潮を防御しようとするものである。
波は防波堤の前面水深が、波高の約2倍以上とすることにより砕波しないで重複波として
反射する。
「海洋の空(UTSURO)」を構成する堤体8の前面水深を津波の波高の約2倍以上を
保持することにより、津波を反射させる。
したがって、請求項1に示す沿岸海域に設置する「海洋の空(UTSURO)」の堤体を
連続した反射構造の津波防波堤とし、津波や高潮を沿岸海域で防止し、繰返す津波や高潮
を阻止しようとするものである。
(河川の遡上津波、高潮、河口洪水対策)、
河川の遡上津波や高潮さらに、河口洪水の被害を阻止するために、請求項1及び請求項
2の河川河口沿岸海域に設置した「海洋の空(UTSURO)」を構成した堤体を共有し
河口上流向かって巻き込み、さらに、河川の上流に向かって延伸し、河川の上流部で水路
口を開放する。
河川内では「海洋の空(UTSURO)」を構成した堤体の天端高を河川両岸の護岸高以
下とし、河口洪水、高潮、津波のピークを越流させ、河口洪水、高潮、津波のピークカッ
トを行う。
上記の洪水、高潮、津波の引潮時には[
図2-4]、[
図2-5]の其々の右図に示すように
、これらのエネルギーが河口洗掘に大きな役割を果たし、繰返す河口洪水、高潮、津波の
災害を阻止する。
さらに、河口での洪水排出容量を確保すると共に、河口に流入する遡上津波を限定し制限
するために津波や高潮の流入開口幅を必要最小限とし、両岸を沖合に向かって津波、高潮
侵入防止堤28を延伸する
(土砂の輸送及び処理)
上記請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項6の技術には想像を絶する莫大な
土砂の掘削、輸送が伴う。
この様な洗掘土砂をトラックや船舶、列車、などの輸送機器を使用しないで自然の力を利
用して請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項6の技術により、河川の掃流力
を高め自然の力を有効に利用して洪水時等の泥水として安全に何10キロメートル、何100
キロメートル、時には何千
キロメートルを河口海域まで輸送し、26「海洋の空(UTSUR
O)」B(多空隙堤体28により囲われた29の水域は静穏水域である。)、多空隙の堤体
とは捨石堤、コンクリートブロク堤、スリットケイソン堤等、これらの混成堤である。
河口まで到達した泥水は、自然の潮汐の作用により、多空隙の堤体を透過し、「海洋の空
(UTSURO)」B内に入れば29水域は静穏水域であり、泥は潮汐6時間の間に沈殿し
、引き潮時には水はきれいになり海域に流出する。、
さらに有機物は堤体の入出時に微生物により接触酸化され更にきれいになる。
従って上記請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項6の技術を完結させるため
に必須のシステムとして、環境にやさしい繰返す河川災害を阻止する技術の方法である。
上記の自然の力で繰返す、(津波・高潮・河川)災害阻止する技術の実施に当たっては計
画的に必ず河口部から実施しなければならない。