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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-15
(45)【発行日】2023-11-24
(54)【発明の名称】配信システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/86 20140101AFI20231116BHJP
   A63F 13/798 20140101ALI20231116BHJP
   A63F 13/79 20140101ALI20231116BHJP
   H04N 21/234 20110101ALI20231116BHJP
   H04N 21/258 20110101ALI20231116BHJP
【FI】
A63F13/86
A63F13/798
A63F13/79 500
H04N21/234
H04N21/258
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2023114044
(22)【出願日】2023-07-11
【審査請求日】2023-07-11
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518260552
【氏名又は名称】株式会社ミラティブ
(74)【代理人】
【識別番号】110001106
【氏名又は名称】弁理士法人キュリーズ
(72)【発明者】
【氏名】小川 真沙美
(72)【発明者】
【氏名】坂本 登史文
【審査官】相川 俊
(56)【参考文献】
【文献】特許第7284908(JP,B1)
【文献】特開2021-197730(JP,A)
【文献】特開2019-071960(JP,A)
【文献】特開2021-051578(JP,A)
【文献】特開2020-116127(JP,A)
【文献】特開2021-007199(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24
A63F 13/00 - 13/98
H04N 21/00 - 21/858
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配信者のゲームプレイ動画を視聴者に配信するゲームライブ配信サービスを提供する配信システムであって、
前記ゲームライブ配信サービスにおいて集計期間内で視聴者から配信者に贈られたギフトに基づくギフトポイントを各配信者について導出するギフトポイント導出部と、
前記ゲームライブ配信サービスにおいて前記集計期間内でゲームプレイ動画を視聴した視聴者の数及び当該視聴者の視聴時間に基づく視聴時間ポイントを前記各配信者について導出する視聴時間ポイント導出部と、
前記ギフトポイント及び前記視聴時間ポイントの合計に基づいて、前記集計期間内での前記各配信者のランキングを決定するランキング決定部と、を備え
前記ランキング決定部は、
複数の第1期間のそれぞれを前記集計期間として、前記複数の第1期間のそれぞれについて前記各配信者のランキングを決定し、
前記複数の第1期間のそれぞれにおける所定数のランキング上位者を特定し、
前記複数の第1期間のそれぞれにおける前記所定数のランキング上位者のみを対象として、前記複数の第1期間よりも後の第2期間を前記集計期間とした配信者ランキングを決定する
配信システム。
【請求項2】
前記ギフトポイント導出部は、複数のゲームに跨がって前記ギフトポイントを前記各配信者について導出し、
前記視聴時間ポイント導出部は、前記複数のゲームに跨がって前記視聴時間ポイントを前記各配信者について導出し、
前記ランキング決定部は、前記複数のゲームに跨がる前記各配信者のランキングを決定する
請求項1に記載の配信システム。
【請求項3】
前記ギフトポイント導出部は、特定のゲームについて前記ギフトポイントを前記各配信者について導出し、
前記視聴時間ポイント導出部は、前記特定のゲームについて前記視聴時間ポイントを前記各配信者について導出し、
前記ランキング決定部は、前記特定のゲームについて前記各配信者のランキングを決定する
請求項1に記載の配信システム。
【請求項4】
配信者のゲームプレイ動画を視聴者に配信するゲームライブ配信サービスを提供する配信システムであって、
前記ゲームライブ配信サービスにおいて集計期間内で視聴者から配信者に贈られたギフトに基づくギフトポイントを複数のゲームに跨がって各配信者について導出するギフトポイント導出部と、
前記ゲームライブ配信サービスにおいて前記集計期間内でゲームプレイ動画を視聴した視聴者の数及び当該視聴者の視聴時間に基づく視聴時間ポイントを前記複数のゲームに跨がって前記各配信者について導出する視聴時間ポイント導出部と、
前記ギフトポイント及び前記視聴時間ポイントの合計に基づいて、前記集計期間内での前記複数のゲームに跨がる前記各配信者のランキングを決定するランキング決定部と、を備え、
前記ギフトポイント導出部は、前記複数のゲームに跨がる前記ランキングに専用で用いる第1応援ギフトを対象として、前記ギフトポイントを前記各配信者について導出する
配信システム。
【請求項5】
前記ギフトポイント導出部は、各ゲーム内で使用可能なアイテムを贈るゲーム内ギフト、及び/又はゲーム個別のランキングに用いる第2応援ギフトをさらに対象として、前記ギフトポイントを前記各配信者について導出する
請求項4に記載の配信システム。
【請求項6】
前記ギフトポイント導出部は、前記第1応援ギフト、前記ゲーム内ギフト、及び前記第2応援ギフトのそれぞれの価値が等価であっても、前記第1応援ギフトのギフトポイントを、前記ゲーム内ギフトのギフトポイント及び/又は前記第2応援ギフトのギフトポイントよりも高く導出する
請求項5に記載の配信システム。
【請求項7】
前記ギフトポイント導出部は、前記ゲーム内ギフトの価値が等価であっても、特定のゲームについての前記ゲーム内ギフトのギフトポイントを、他のゲームについての前記ゲーム内ギフトのギフトポイントよりも高く導出する
請求項5に記載の配信システム。
【請求項8】
前記ギフトポイント導出部は、前記第2応援ギフトの価値が等価であっても、特定のゲームについての前記第2応援ギフトのギフトポイントを、他のゲームについての前記第2応援ギフトのギフトポイントよりも高く導出する
請求項5に記載の配信システム。
【請求項9】
配信者のゲームプレイ動画を視聴者に配信するゲームライブ配信サービスを提供する配信システムであって、
前記ゲームライブ配信サービスにおいて集計期間内で視聴者から配信者に贈られたギフトに基づくギフトポイントを各配信者について導出するギフトポイント導出部と、
前記ゲームライブ配信サービスにおいて前記集計期間内でゲームプレイ動画を視聴した視聴者の数及び当該視聴者の視聴時間に基づく視聴時間ポイントを前記各配信者について導出する視聴時間ポイント導出部と、
前記ギフトポイント及び前記視聴時間ポイントの合計に基づいて、前記集計期間内での前記各配信者のランキングを決定するランキング決定部と、を備え、
前記視聴時間ポイント導出部は、前記ゲームライブ配信サービスにおいて配信者にコメントを提供した視聴者のみを対象として、前記視聴時間ポイントを導出する
配信システム。
【請求項10】
前記集計期間内での各ゲームのゲーム内スコア及び/又はゲーム内アクションに基づくスコアポイントを各配信者について導出するスコアポイント導出部をさらに備え、
前記ランキング決定部は、前記ギフトポイント、前記視聴時間ポイント、及び前記スコアポイントの合計に基づいて、前記集計期間内での前記各配信者のランキングを決定する
請求項1乃至9のいずれか1項に記載の配信システム。
【請求項11】
配信者のゲームプレイ動画を視聴者に配信するゲームライブ配信サービスを提供する配信システムであって、
前記ゲームライブ配信サービスにおいて集計期間内で視聴者から配信者に贈られたギフトに基づくギフトポイントを各配信者について導出するギフトポイント導出部と、
前記ゲームライブ配信サービスにおいて前記集計期間内でゲームプレイ動画を視聴した視聴者の数及び当該視聴者の視聴時間に基づく視聴時間ポイントを前記各配信者について導出する視聴時間ポイント導出部と、
ゲームプレイ動画を配信するゲームを前記配信者が選択したうえでゲームライブ配信を行う場合において、前記選択されたゲームのプレイ動画を前記配信者が配信しているか否かを確認する確認部と、
前記ギフトポイント及び前記視聴時間ポイントの合計に基づいて、前記集計期間内での前記各配信者のランキングを決定するランキング決定部と、を備え、
前記選択されたゲームのプレイ動画を前記配信者が配信していない場合、当該配信者が行っている配信行為について、前記ギフトポイント導出部が前記ギフトポイントを導出せず、且つ、前記視聴時間ポイント導出部が前記視聴時間ポイントを導出しないように制御する
配信システム。
【請求項12】
配信者のゲームプレイ動画を視聴者に配信するゲームライブ配信サービスを提供する配信システムで用いるプログラムであって、コンピュータを、
前記ゲームライブ配信サービスにおいて集計期間内で視聴者から配信者に贈られたギフトに基づくギフトポイントを各配信者について導出するギフトポイント導出部と、
前記ゲームライブ配信サービスにおいて前記集計期間内でゲームプレイ動画を視聴した視聴者の数及び当該視聴者の視聴時間に基づく視聴時間ポイントを前記各配信者について導出する視聴時間ポイント導出部と、
前記ギフトポイント及び前記視聴時間ポイントの合計に基づいて、前記集計期間内での前記各配信者のランキングを決定するランキング決定部と、として機能させ
前記ランキング決定部は、
複数の第1期間のそれぞれを前記集計期間として、前記複数の第1期間のそれぞれについて前記各配信者のランキングを決定し、
前記複数の第1期間のそれぞれにおける所定数のランキング上位者を特定し、
前記複数の第1期間のそれぞれにおける前記所定数のランキング上位者のみを対象として、前記複数の第1期間よりも後の第2期間を前記集計期間とした配信者ランキングを決定する
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配信者及び視聴者を含むユーザ間でゲームのライブ配信サービスを提供するための配信システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォン等の各種デバイスの高性能化・高機能化と、インターネットによる通信の高速化とに伴い、各種の動画配信サービスが普及している。特に、配信者がゲームをプレイする様子(すなわち、ゲームプレイ動画)をその実況音声と共にリアルタイムで多数の視聴者の端末に配信するゲームライブ配信サービスが提供されるようになっている。
【0003】
こうしたゲームライブ配信を行う種々の配信システムでは、ゲームのプレイ動画を配信する配信者と当該プレイ動画を視聴する視聴者との間でコミュニケーションを可能とすべく、種々のコミュニケーション機能が実装されている。例えば、ゲームのライブ配信システムでは、端末にゲームのプレイ動画を表示させると共にチャット領域を表示させて、視聴者がコメント(文字チャット)により配信者とのコミュニケーションを図ることが可能になっている。
【0004】
さらに、近年、視聴者から配信者に対して、特定の機能を発揮することができるギフトを贈ることが可能になっている。このようなギフトを視聴者が購入して配信者に贈ることにより、視聴者が好みの配信者を応援したり、コミュニケーションを図る際のきっかけにしたりすることができる。
【0005】
特許文献1には、視聴者から贈られたギフトに基づいて各配信者のランキングを決定してランキング情報を各ユーザに配信する技術が記載されている。具体的には、単位期間(例えば、イベント期間、1日、1週間、1ヶ月等の期間)において、各配信ユーザにより配信されたすべてのゲーム(複数の種類のゲームの合計)についてギフトに基づく配信者のランキング情報を生成する。各視聴者は、応援したい配信者にギフトをより多く贈れば、その配信者がより上位にランキングされ有名になる可能性が高まり、視聴者が配信者を応援するモチベーションを向上させることができるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2021-41056号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の技術のように、ギフト付与の状況だけで各配信者のランキングを決定する方法では、適切なランキングを行う点で改善の余地がある。具体的には、ギフト付与の状況だけでランキングを決定する場合、集計期間の締め切り間際に大量のギフトを贈ることでランキング上位に押し上げる操作が容易にできてしまう。また、経済的な理由等によりギフトを頻繁に贈ることができないものの、コメントを頻繁に行って配信者を応援する視聴者もいるが、そのような状況がランキングに反映され難い。そのため、より長く、且つより多くのアクティブな視聴者に視聴してもらえている配信者が評価される要素が必要であり得る。
【0008】
そこで、本発明は、ゲームライブ配信サービスにおいて配信者のランキングを適切に行うことが可能な配信システム及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の態様に係る配信システムは、配信者のゲームプレイ動画を視聴者に配信するゲームライブ配信サービスを提供する配信システムであって、前記ゲームライブ配信サービスにおいて集計期間内で視聴者から配信者に贈られたギフトに基づくギフトポイントを各配信者について導出するギフトポイント導出部と、前記ゲームライブ配信サービスにおいて前記集計期間内でゲームプレイ動画を視聴した視聴者の数及び当該視聴者の視聴時間に基づく視聴時間ポイントを前記各配信者について導出する視聴時間ポイント導出部と、前記ギフトポイント及び前記視聴時間ポイントの合計に基づいて、前記集計期間内での前記各配信者のランキングを決定するランキング決定部と、を備える。
【0010】
第2の態様に係るプログラムは、配信者のゲームプレイ動画を視聴者に配信するゲームライブ配信サービスを提供する配信システムで用いるプログラムであって、コンピュータを、前記ゲームライブ配信サービスにおいて集計期間内で視聴者から配信者に贈られたギフトに基づくギフトポイントを各配信者について導出するギフトポイント導出部と、前記ゲームライブ配信サービスにおいて前記集計期間内でゲームプレイ動画を視聴した視聴者の数及び当該視聴者の視聴時間に基づく視聴時間ポイントを前記各配信者について導出する視聴時間ポイント導出部と、前記ギフトポイント及び前記視聴時間ポイントの合計に基づいて、前記集計期間内での前記各配信者のランキングを決定するランキング決定部と、として機能させる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の一態様によれば、ゲームライブ配信サービスにおいて配信者のランキングを適切に行うことが可能な配信システム及びプログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施形態に係る配信システムを示す模式図である。
図2】実施形態に係る配信サーバの構成を示すブロック図である。
図3】実施形態に係るギフト状況DBの一例を示す図である。
図4】実施形態に係る視聴状況DBの一例を示す図である。
図5】実施形態に係る視聴者の端末に表示される画面(ゲーム視聴画面)の具体例を示す模式図である。
図6】実施形態に係る配信サーバの動作例を示すフロー図である。
図7】第1変更例に係る動作を説明するための図である。
図8】第2変更例に係る配信サーバの構成を示すブロック図である。
図9】第2変更例に係る配信サーバの動作例を示すフロー図である。
図10】第4変更例に係る配信サーバの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図面を参照しながら、実施形態について説明する。図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。
【0014】
(1)配信システム
図1は、本実施形態に係る配信システム1を示す模式図である。配信システム1は、配信者が自身の端末300a上でゲームをプレイする様子(ゲームプレイ動画)をその実況音声と共にリアルタイムで1人以上の視聴者の端末300bに配信するゲームライブ配信サービスを実現するシステムである。なお、配信者及び視聴者を区別しないときは、これらを単に「ユーザ」とも称する。
【0015】
配信システム1は、配信サーバ100と、ゲームサーバ200と、複数の端末300とを有する。配信サーバ100、ゲームサーバ200、及び端末300は、ネットワーク10を介して相互に通信可能に接続されている。ネットワーク10は、インターネットを含む。
【0016】
配信サーバ100は、1つ以上のコンピュータにより構成され、ゲームライブ配信サービスを提供する事業者のサーバである。配信サーバ100は、各端末300からのアクセスを受け付け、配信者の端末300aにより提供されるゲームプレイ動画(音声を含む)を視聴者の端末300bに配信する。図示の例では、配信者が1人(端末300aが1つ)であるが、配信者が複数人(端末300aが複数)であってもよい。また、視聴者が1人(端末300bが1つ)であるが、視聴者が複数人(端末300bが複数)であってもよい。
【0017】
配信者がプレイしてプレイ動画を配信するゲームには、ゲームライブ配信サービスを提供する事業者(配信事業者)が提供するサービス内ゲームと、配信事業者とは異なる他ゲーム会社が提供するサービス外ゲームと、があってもよい。
【0018】
サービス内ゲームの場合、例えば、配信者の端末300aからゲームの操作情報を配信サーバ100に送信し、配信サーバ100は当該操作情報に基づきゲーム内の各種の情報処理を行い当該情報処理の結果を視聴者の端末300bに送信し、視聴者の端末300bは当該情報処理の結果に基づきプレイ動画を表示してもよい。すなわち、端末300は、ゲームの操作情報の生成、送信及びプレイ動画の描画のみを行い、その他のゲームに関する情報処理は全て配信サーバ100により行われてもよい。
【0019】
一方、サービス外ゲームの場合、例えば、配信者の端末300aからゲームの操作情報をゲームサーバ200に送信し、ゲームサーバ200は当該操作情報に基づきゲーム内の各種の情報処理を行い当該情報処理の結果を配信者の端末300aに送信し、配信者の端末300aは当該情報処理の結果に基づきプレイ動画を表示してもよい。配信者の端末300aは、プレイ動画をリアルタイムに配信サーバ100に送信し、配信サーバ100は当該プレイ動画を視聴者の端末300bに転送することでゲームライブ配信が行われてもよい。
【0020】
ゲームをプレイする配信者が自身のプレイ動画をライブ配信することを希望した場合、配信サーバ100は、当該プレイ動画を、当該プレイ動画の視聴を希望する視聴者の端末300bに提供する。以下の実施形態では、配信者がサービス内ゲームのプレイ動画をライブ配信する場合について主として想定する。
【0021】
本実施形態に係る配信システム1では、ゲームのプレイ動画を配信する配信者と当該プレイ動画を視聴する視聴者との間でコミュニケーションを可能とすべく、種々のコミュニケーション機能が実装されている。例えば、配信サーバ100は、視聴者の端末300bにゲームプレイ動画を表示させると共にチャット領域を表示させて、視聴者がコメント(文字チャット)により配信者とのコミュニケーションを図ることを可能とする。
【0022】
また、本実施形態に係る配信システム1では、視聴者から配信者に対して、配信サーバ100を介して、特定の機能を発揮することができるギフトを贈ることが可能になっている。このようなギフトを視聴者が購入して配信者に贈ることにより、視聴者が好みの配信者を応援したり、コミュニケーションを図る際のきっかけにしたりすることができる。
【0023】
本実施形態では、配信サーバ100は、配信者のランキング処理を行い、配信者のランキングを公開する。配信者ランキングには、次の2種類のランキングがある。
【0024】
1)ゲームごとに個別のゲーム内配信者ランキング:
ゲーム内配信者ランキングは、特定のゲーム(特定のゲームタイトル)内での各配信者のランキングである。ゲーム内配信者ランキングは、当該特定のゲームについて視聴者から配信者に付与されるギフト等に基づいて、当該特定のゲームに専用の配信者ランキングを決定及び公開するものである。
【0025】
ゲーム内配信者ランキングでは、特定のゲームのランキング上位の配信者であっても、その実績は別のゲームには反映されない。1つのゲームをやりこんでいる配信者は、当該1つのゲームタイトルに飽きることがあるが、別のゲームタイトルでは、再びゼロから始める必要がある。また、ゲーム内配信者ランキングでは、ランキングに参加する配信者が複数のゲームに分散することから、ランキングに適切な参加人数が確保できない場合があり得る。
【0026】
2)複数のゲームに跨がる総合配信者ランキング:
総合配信者ランキングは、複数のゲーム(複数のゲームタイトル)に跨がる各配信者のランキングである。総合配信者ランキングは、ランキング対象の期間である集計期間内で、複数のゲームについて視聴者から配信者に付与されるギフト等に基づいて、複数のゲームに跨がる配信者ランキングを決定及び公開するものである。なお、本実施形態では、集計期間は、1日よりも長い期間、例えば、数週間又は1ヶ月といった期間に設定されるものとする。
【0027】
総合配信者ランキングによれば、各ゲームでの配信者の実績が総合配信者ランキングに反映される。そのため、総合配信者ランキング上位に居続けたい配信者は、特定のゲームに飽きた後でも別のゲームを継続する可能性が出てくる。つまり、ゲームライブ配信サービスを継続的に利用し続けるモチベーションが上がる。本実施形態では、総合配信者ランキングは、配信サーバ100が提供する各サービス内ゲームを対象として行われるものとするが、ゲームサーバ200が提供するサービス外ゲームも対象としてもよい。
【0028】
なお、配信サーバ100は、ゲームライブ配信サービスを利用するユーザのアカウントを管理する。アカウントは、ユーザを一意に識別するユーザIDを含む。
【0029】
ゲームサーバ200は、1つ以上のコンピュータにより構成され、1つ以上のオンラインゲーム(サービス外ゲーム)を提供する他ゲーム会社のサーバである。図示の例では、他ゲーム会社が1つ(ゲームサーバ200が1つ)であるが、他ゲーム会社が複数(ゲームサーバ200が複数)であってもよい。
【0030】
端末300は、通信機能、操作機能及び表示機能等を備える端末であり、例えばスマートフォン、タブレット型端末又はPC等である。端末300は、インストールされたプログラムを介して配信サーバ100又はゲームサーバ200にアクセスすることにより、各種のゲームをプレイすることができると共に、当該プレイ動画を配信又は視聴できる。端末300は、チャット機能や通話機能を備えていてもよい。端末300は、配信を行いたいユーザ(配信者)が当該端末300を介してゲームライブ配信の開始操作を行うことにより配信者の端末300aとして機能する。一方、配信されている動画を視聴したいユーザ(視聴者)が当該端末300を介して視聴開始操作を行うことにより視聴者の端末300bとして機能する。
【0031】
(2)配信サーバ
図2は、本実施形態に係る配信サーバ100の構成を示すブロック図である。配信サーバ100は、通信部110と、記憶部120と、処理部130とを有する。
【0032】
通信部110は、ネットワーク10に接続されるネットワークインターフェイスである。通信部110は、処理部130の制御下で、ネットワーク10を介してゲームサーバ200及び端末300との通信を行う。
【0033】
記憶部120は、磁気ハードディスクや半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成されている。記憶部120は、ゲームライブ配信サービスに関する各種DBを記憶する。本実施形態では、記憶部120は、視聴者から配信者へのギフトの付与状況を管理するためのギフト状況DB121と、視聴者の視聴状況を管理するための視聴状況DB122と、を有する。
【0034】
図3は、本実施形態に係るギフト状況DB121の一例を示す図である。
【0035】
ギフト状況DB121では、ゲームのプレイ動画を視聴する視聴者から、当該ゲームをプレイする配信者へギフトが付与される度に、1つのレコード(ギフトレコード)が追加される。図示の例では、各レコードは、ギフトが付与された配信者のユーザIDと、当該ギフトを付与した視聴者のユーザIDと、当該ギフトが付与された日時(ギフト付与日時)と、当該ゲームのゲーム名(ゲームタイトル)と、当該ギフトの購入に要したポイント(「コイン」とも称する)と、当該ギフトについて総合配信者ランキングの決定に用いるギフトポイントと、を含む。
【0036】
なお、コインは、ゲームライブ配信サービス内でギフトとの交換(すなわち、ギフト購入)に利用可能なゲームライブ配信サービス内通貨であって、経済的な価値を有する。各ユーザは、課金によってコインを有償で取得可能であるが、ゲームライブ配信サービス内で所定のミッションをクリアすることでコインを無償で取得することもできる。
【0037】
本実施形態では、総合配信者ランキングに影響を与えるギフトには、次の3種類があるものとする。視聴者は、端末300bでのゲームプレイ動画の視聴中に、いずれかのギフトを選択して配信者に付与(贈与)できる。
【0038】
1)第1応援ギフト:
第1応援ギフトは、複数のゲームに跨がる総合配信者ランキングに専用で用いる応援ギフトである。第1応援ギフトは、他のギフトに比べて、総合配信者ランキングで優遇された扱いがなされる。例えば、通常はギフトで1コインあたり1ギフトポイントが配信者に付与されるが、第1応援ギフトには2倍以上の倍率が設定される。倍率が50倍である場合、第1応援ギフトは1コインあたり50ギフトポイントが配信者に付与されることになる。このような特別なギフトを導入することにより、総合配信者ランキングの上位を目指す配信者を応援する視聴者は、第1応援ギフトを当該配信者に付与することで、当該配信者が総合配信者ランキングの上位になり易くなる。
【0039】
2)ゲーム内ギフト:
ゲーム内ギフトは、各ゲーム内で使用可能なアイテムを贈るギフトである。アイテムは、ゲームキャラクターが装着する装備品(防具や武器)であってもよいし、ゲームキャラクターのパラメータを回復させるものであってもよいし、ゲーム内のスコアが上昇しやすくなるようにゲーム内のパラメータを変化させるものであってもよい。例えば、総合配信者ランキングにおいて、ゲーム内ギフトでは1コインあたり1ギフトポイント(すなわち、等倍のギフトポイント)が配信者に付与される。
【0040】
3)第2応援ギフト:
第2応援ギフトは、ゲーム個別のゲーム内配信者ランキングに用いる応援ギフトである。例えば、総合配信者ランキングにおいて、第2応援ギフトでは、1コインあたり1ギフトポイント(すなわち、等倍のギフトポイント)が配信者に付与される。
【0041】
総合配信者ランキングの集計期間内で視聴者から配信者に付与されたギフトのギフトレコード中のギフトポイントは、総合配信者ランキングの決定時に算入される。
【0042】
図4は、本実施形態に係る視聴状況DB122の一例を示す図である。
【0043】
視聴状況DB122では、視聴者が配信者のゲームプレイ動画を視聴する度に、1つのレコード(1つの視聴レコード)が追加される。図示の例では、各レコードは、ゲームプレイ動画を視聴した視聴者のユーザIDと、当該ゲームプレイ動画の配信者のユーザIDと、当該ゲームプレイ動画の視聴が開始された開始時刻(試聴開始時刻)と、当該ゲームプレイ動画の視聴が持続した時間(視聴時間)と、当該ゲームプレイ動画の視聴中に視聴者がコメントを行った(コメントを投稿した)か否かを示す情報と、当該視聴時間に応じたポイントであって総合配信者ランキングで用いる視聴時間ポイントと、を含む。
【0044】
総合配信者ランキングの集計期間内で視聴者が開始した視聴の視聴レコード中の視聴時間ポイントは、総合配信者ランキングの決定時に算入される。図示の例では、視聴時間は分単位で記録されており、視聴の1分あたり2ポイントの視聴時間ポイントが配信者に付与される。但し、視聴時間ポイントの導出はこれに限定されず、例えば1分の視聴又は5分の視聴で1ポイントの視聴時間ポイントが配信者に付与されてもよい。すなわち、視聴時間が長くなるほど多くの視聴時間ポイントが付与されればよい。
【0045】
ギフトポイントだけで総合配信者ランキングを決定してしまうと、集計期間の締め切り間際に大量のギフトを贈ることでランキング上位に押し上げる操作が容易にできてしまう。また、経済的な理由等によりギフトを頻繁に贈ることができないものの、コメントを頻繁に行って配信者を応援する視聴者もいるが、ギフトポイントだけではそのような視聴者の状況がランキングに反映され難い。そのため、総合配信者ランキングの決定時に視聴時間ポイントを算入することにより、より長く、且つより多くのアクティブな視聴者に視聴してもらえている配信者が評価され易くなる。
【0046】
但し、自らコメントを投稿しない非アクティブな視聴者については、視聴時間ポイントに反映されなくてもよい。図示の例では、視聴時間内で自らコメントを投稿していない視聴者については、視聴時間にかかわらず視聴時間ポイントが付与されないものとしている。
【0047】
図2に戻り、処理部130は、処理部130全体を制御するCPUと、CPU上で動作する制御プログラム等を格納したROMと、各種データを一時的に格納するためのRAMとを含んで構成されている。本実施形態では、処理部130は、CPUがROMに格納されているプログラムをRAMに展開して実行することにより、ギフトポイント導出部131と、視聴時間ポイント導出部132と、ランキング決定部133と、ランキング公開部134と、として機能する。
【0048】
ギフトポイント導出部131は、ゲームライブ配信サービスにおいて集計期間内で視聴者から配信者に贈られたギフトに基づくギフトポイントを各配信者について導出する。例えば、ギフトポイント導出部131は、図3に示すようなギフト状況DB121を管理する。ギフトポイント導出部131は、ギフト状況DB121から集計期間内の各ギフトレコードを配信者別に抽出し、配信者別にギフトポイントを集計することでギフトポイントを各配信者について導出する。
【0049】
本実施形態では、ギフトポイント導出部131は、複数のゲームに跨がる総合ランキングに専用で用いる第1応援ギフトを対象として、ギフトポイントを各配信者について導出する。また、ギフトポイント導出部131は、各ゲーム内で使用可能なアイテムを贈るゲーム内ギフト、及び/又はゲーム個別のランキングに用いる第2応援ギフトをさらに対象として、ギフトポイントを各配信者について導出する。
【0050】
本実施形態では、ギフトポイント導出部131は、第1応援ギフト、ゲーム内ギフト、及び第2応援ギフトのそれぞれの価値が等価であっても、第1応援ギフトのギフトポイントを、ゲーム内ギフトのギフトポイント及び/又は第2応援ギフトのギフトポイントよりも高く導出する。例えば、ギフトポイント導出部131は、第1応援ギフト、ゲーム内ギフト、及び第2応援ギフトがいずれも100コインで購入された場合でも、第1応援ギフトについては2倍以上の倍率(例えば、50倍)でギフトポイントを導出(例えば、5000ギフトポイントを導出)し、ゲーム内ギフト及び第2応援ギフトについては等倍でギフトポイントを導出(例えば、100ギフトポイントを導出)する。或いは、ギフトポイント導出部131は、第1応援ギフトについては等倍でギフトポイントを導出し、ゲーム内ギフト及び第2応援ギフトについては1未満の倍率(例えば、0.2倍)でギフトポイントを導出してもよい。
【0051】
視聴時間ポイント導出部132は、ゲームライブ配信サービスにおいて集計期間内でゲームプレイ動画を視聴した視聴者の数及び当該視聴者の視聴時間に基づく視聴時間ポイントを各配信者について導出する。例えば、視聴時間ポイント導出部132は、図4に示すような視聴状況DB122を管理する。視聴時間ポイント導出部132は、視聴状況DB122から集計期間内の各視聴レコードを配信者別に抽出し、配信者別に視聴時間ポイントを集計することで視聴時間ポイントを各配信者について導出する。
【0052】
視聴時間ポイント導出部132は、ゲームライブ配信サービスにおいて配信者にコメントを提供した視聴者のみを対象として、視聴時間ポイントを導出してもよい。上述のように、視聴時間ポイント導出部132は、自らコメントを投稿しない非アクティブな視聴者については視聴時間にかかわらず視聴時間ポイントを導出しなくてもよい。
【0053】
ランキング決定部133は、ギフトポイント導出部131が導出したギフトポイント(総ギフトポイント)と視聴時間ポイント導出部132が導出した視聴時間ポイント(総視聴時間ポイント)との合計に基づいて、複数のゲームに跨がる集計期間内での各配信者の総合ランキング(総合配信者ランキング)を決定する。例えば、ランキング決定部133は、「集計期間内のランキングポイント=集計期間内の総ギフトポイント+総視聴時間ポイント」という計算式に従って配信者ごとに集計期間内のランキングポイントを算出する。ここで、総視聴時間ポイントは、概念的には「視聴者の数×視聴時間」により表現できる。そして、ランキング決定部133は、算出されたランキングポイントが高い順に配信者を順位付けすることで各配信者のランキング(総合配信者ランキング)を決定する。
【0054】
ランキング公開部134は、ランキング決定部133が決定した総合配信者ランキングを公開する処理を行う。ランキング公開部134は、総合配信者ランキングをウェブサーバ上でウェブサイトに公開してもよい。総合配信者ランキングは、配信者のユーザID及び/又はニックネームをそのランキング(順位)とともに表示するリストであってもよい。ランキング公開部134は、配信サーバ100にアクセスした配信者の端末300aからの要求に応じて、当該配信者のランキング(順位)を示す情報を当該端末300aに通知して表示させてもよい。
【0055】
(3)画面表示例
図5は、本実施形態に係る視聴者の端末300bに表示される画面(ゲーム視聴画面)の具体例を示す模式図である。図5に示すように、ゲームのライブ配信時、視聴者の端末300bには、動画領域Vと、チャット領域Cと、チャット入力領域Iと、アバター領域Aと、ギフトアイコンGと、各種操作メニューを呼び出すメニューボタンMとが表示される。
【0056】
動画領域Vは、配信者によるゲームのプレイ動画が表示される領域である。
【0057】
チャット領域Cは、視聴者のコメント(チャット)等が表示される領域であり、コメントした視聴者の名前(「ひなた」、「ねこねこ」)と、各発言者による発言(「はじめまして!」や「いまがチャンス!」)と共にコメントが表示される。この「名前」は、ユーザIDとは異なるニックネームであってもよい。
【0058】
チャット入力領域Iは、チャット領域Cに表示されるコメントを入力するための領域である。コメントを希望する視聴者は、このチャット入力領域I内に視聴者の端末300bの文字入力機能を用いて文字を入力して当該文字データを配信サーバ100に送信することにより、チャット領域Cに当該文字が表示される。なお、チャットの内容は、配信者の端末300aにも表示されるようになっている。
【0059】
アバター領域Aは、アバターaが表示される領域である。アバターaは、配信者に対応するアバターであるが、視聴者に対応するアバターであってもよい。
【0060】
ギフトアイコンGは、視聴者が配信者にギフト(ギフトコンテンツ)の付与を行う際に選択されるアイコンであり、当該アイコンを選択することにより、視聴者の端末300bに、付与可能なギフトコンテンツの一覧が表示される。そして、視聴者が保有するポイント(コイン)を対価として、ギフトコンテンツの一覧の中から付与したいギフトコンテンツを選択すると、視聴者の端末300bから配信サーバ100に付与希望が送信される。本実施形態では、付与可能なギフトコンテンツの一覧には、第1応援ギフト、ゲーム内ギフト、及び第2応援ギフトが含まれる。
【0061】
(4)動作フロー例
図6は、本実施形態に係る配信サーバ100の動作例を示すフロー図である。
【0062】
ステップS11において、ギフトポイント導出部131は、ゲームライブ配信サービスにおいて集計期間内で視聴者から配信者に贈られたギフトに基づくギフトポイントを各配信者について導出する。また、視聴時間ポイント導出部132は、ゲームライブ配信サービスにおいて集計期間内でゲームプレイ動画を視聴した視聴者の数及び当該視聴者の視聴時間に基づく視聴時間ポイントを各配信者について導出する。
【0063】
ステップS12において、ランキング決定部133は、ギフトポイント導出部131が導出したギフトポイント(総ギフトポイント)と視聴時間ポイント導出部132が導出した視聴時間ポイント(総視聴時間ポイント)との合計に基づいて、複数のゲームに跨がる集計期間内での各配信者の総合ランキング(総合配信者ランキング)を決定する。具体的には、ランキング決定部133は、算出されたランキングポイントが高い順に配信者を順位付けすることで各配信者のランキング(総合配信者ランキング)を決定する。
【0064】
ステップS13において、ランキング公開部134は、ランキング決定部133が決定した総合配信者ランキングを公開する処理を行う。
【0065】
(5)第1変更例
上述の実施形態では、ゲーム内ギフト及び第2応援ギフトは、いずれも等倍でギフトポイントが配信者に付与される一例について説明した。しかしながら、ゲームの難易度や、プロモーション中(売り出し中)のゲームであるか否か等に応じて、ゲーム内ギフト及び第2応援ギフトをギフトポイントに変換する際のレートがゲームごとに可変設定できてもよい。
【0066】
図7は、本変更例に係る動作を説明するための図である。
【0067】
ギフトポイント導出部131は、ゲーム内ギフトの価値が等価であっても、特定のゲームについてのゲーム内ギフトのギフトポイントを、他のゲームについてのゲーム内ギフトのギフトポイントよりも高く導出してもよい。例えば、新しくリリースされたゲームAがあるとき、ギフトポイント導出部131は、ゲームAについてゲーム内ギフトに1よりも大きい倍率(例えば、1.25倍)を設定し、1コインあたり1.25ギフトポイントを配信者に付与してもよい。ゲームA以外のゲームについては、ギフトポイント導出部131は、ゲーム内ギフトに等倍の倍率を設定し、1コインあたり1ギフトポイントを配信者に付与してもよい。
【0068】
図示の例では、ゲーム「bbbbb」が売り出し中のゲームであり、ゲーム「bbbbb」について1.2倍のレートでゲーム内ギフトのギフトポイントが計算されている。そのため、300コイン分のゲーム内ギフトのギフトポイントが360ポイントとして計算されている。
【0069】
また、ギフトポイント導出部131は、第2応援ギフトの価値が等価であっても、特定のゲームについての第2応援ギフトのギフトポイントを、他のゲームについての第2応援ギフトのギフトポイントよりも高く導出してもよい。例えば、新しくリリースされたゲームAがあるとき、ギフトポイント導出部131は、ゲームAについて第2応援ギフトに1よりも大きい倍率(例えば、1.25倍)を設定し、1コインあたり1.25ギフトポイントを配信者に付与してもよい。ゲームA以外のゲームについては、ギフトポイント導出部131は、第2応援ギフトに等倍の倍率を設定し、1コインあたり1ギフトポイントを配信者に付与してもよい。
【0070】
図示の例では、ゲーム「bbbbb」が売り出し中のゲームであり、ゲーム「bbbbb」について1.2倍のレートで第2応援ギフトのギフトポイントが計算されている。そのため、300コイン分のゲーム内ギフトのギフトポイントが360ポイントとして計算されている。
【0071】
(6)第2変更例
上述の実施形態では、配信者のゲームの熟練度は直接的には総合配信者ランキングに反映されていないが、配信者のゲームの熟練度が総合配信者ランキングに反映されれば、配信者がゲームをやり込むモチベーションが上がり、結果的にゲームライブ配信サービスの活性化に繋がると考えられる。
【0072】
図8は、本変更例に係る配信サーバ100の構成を示すブロック図である。
【0073】
本変更例に係る配信サーバ100は、集計期間内での各ゲームのゲーム内スコアに基づくスコアポイントを各配信者について導出するスコアポイント導出部135をさらに有する。ゲーム内スコアとは、ゲーム内でゲーム進行に応じて上昇するスコアである。ゲーム内スコアとして高いスコアを保持する配信者は、当該ゲームをやり込んでいる配信者であるといえる。
【0074】
例えば、スコアポイント導出部135は、各配信者について、集計期間内で最高のゲーム内スコア(ハイスコア)をゲームごとにスコア状況DB123で記録及び管理する。スコアポイント導出部135は、記録したゲーム内スコアを所定のレートで変換することでゲームごとにスコアポイントを導出する。このとき用いる変換レートは、ゲームの難易度等によってゲームごとに個別に設定されてもよい。そして、ランキング決定部133は、ギフトポイント、視聴時間ポイント、及びスコアポイントの合計に基づいて、複数のゲームに跨がる集計期間内での各配信者の総合ランキングを決定する。
【0075】
図9は、本変更例に係る配信サーバ100の動作例を示すフロー図である。
【0076】
ステップS21において、ギフトポイント導出部131は、ゲームライブ配信サービスにおいて集計期間内で視聴者から配信者に贈られたギフトに基づくギフトポイントを各配信者について導出する。また、視聴時間ポイント導出部132は、ゲームライブ配信サービスにおいて集計期間内でゲームプレイ動画を視聴した視聴者の数及び当該視聴者の視聴時間に基づく視聴時間ポイントを各配信者について導出する。さらに、スコアポイント導出部135は、集計期間内での各ゲームのゲーム内スコアに基づくスコアポイントを各配信者について導出する。
【0077】
ステップS22において、ランキング決定部133は、ギフトポイント導出部131が導出したギフトポイント(総ギフトポイント)と、視聴時間ポイント導出部132が導出した視聴時間ポイント(総視聴時間ポイント)と、スコアポイント導出部135が導出したスコアポイント(総スコアポイント)との合計に基づいて、複数のゲームに跨がる集計期間内での各配信者の総合ランキング(総合配信者ランキング)を決定する。具体的には、ランキング決定部133は、算出されたランキングポイントが高い順に配信者を順位付けすることで各配信者のランキング(総合配信者ランキング)を決定する。
【0078】
ステップS23において、ランキング公開部134は、ランキング決定部133が決定した総合配信者ランキングを公開する処理を行う。
【0079】
なお、本変更例では、スコアポイント導出部135が、集計期間内での各ゲームのゲーム内スコアに基づくスコアポイントを各配信者について導出する一例について説明したが、これに限定されない。スコアポイント導出部135は、ゲーム内アクションに基づくスコアポイントを各配信者について導出してもよい。ゲーム内アクションとは、ゲーム内で発生するアクション(イベント)をいう。例えば、当該アクションは、所定の条件が満たされたときに発生するフィーバーであってもよいし、ゲームのステージクリアであってもよい。フィーバーとは、ゲームの進行を促進するように一定時間にわたってゲーム内で特殊な効果を生じさせる処理をいう。スコアポイント導出部135は、例えば、フィーバーの発生回数の増加及び/又はステージクリアの回数の増加に応じて、スコアポイントを上昇させるようにスコアポイントの導出を行ってもよい。
【0080】
(7)第3変更例
上述の上述の実施形態では、ある期間のみを集計期間として各配信者のランキングを決定する一例について説明したが、これに限定されない。ランキング決定部133は、第1に、複数の第1期間のそれぞれを集計期間として、当該複数の第1期間のそれぞれについて各配信者のランキングを決定してもよい。例えば、ランキング決定部133は、1月、2月、及び3月の各月を集計期間として、当該各月の各配信者のランキングを決定してもよい。なお、この例では、1月、2月、及び3月の各月を本戦の前段階の予選期間とみなすことができる。
【0081】
第2に、ランキング決定部133は、当該複数の第1期間のそれぞれにおける所定数のランキング上位者を特定してもよい。例えば、ランキング決定部133は、1月、2月、及び3月の各月について、ランキング1位から5位(又は1位から10位)までの配信者を特定してもよい。ここで、1月のランキング上位者は、本戦に参加が決定した配信者として2月のランキングからは除外されてもよいし、2月のランキングに組み込まれてもよい。後者の場合、1月のランキング上位者を除外してランキング1位から5位(又は1位から10位)までの配信者を特定してもよい。
【0082】
第3に、ランキング決定部133は、当該複数の第1期間のそれぞれにおける所定数のランキング上位者のみを対象として、当該複数の第1期間よりも後の第2期間を集計期間とした配信者ランキングを決定してもよい。例えば、ランキング決定部133は、1月、2月、及び3月の各月のランキング上位者のみを対象として、4月を集計期間とした配信者ランキングを決定する。なお、この例では、4月を本戦期間とみなすことができる。その結果、4月のランキング上位者が、最終的なランキング上位者として決定される。
【0083】
本変更例によれば、配信者が長期間にわたって配信を行うモチベーションを高めることができる。また、ゲーム配信の上級者が特定の第1期間は不在等でランキングに参加できないような場合でも、別の第1期間でランキングに参加可能である。
【0084】
(8)第4変更例
上述の実施形態では、配信者が適切にゲーム配信を行うことを前提としているが、配信者の中には、ゲームライブ配信サービスにおいて不適切な配信を行う者も存在し得る。例えば、ゲームライブ配信サービス上で、ゲームプレイ動画を配信せずに自身又はその商品/サービス等の紹介/宣伝を配信したり、ゲームライブ配信サービスが対象としていないゲームのプレイ動画を配信したりする場合等が想定される。
【0085】
そこで、本変更例では、配信者が適切にゲーム配信を行っている場合に限り、当該ゲーム配信をランキングに反映させることができるようにする。図10は、本変更例に係る配信サーバ100の構成を示す図である。本変更例に係る配信サーバ100は、確認部136をさらに有する。ゲームプレイ動画を配信するゲームを配信者が選択したうえでゲームライブ配信を行う場合において、確認部136は、当該選択されたゲームのプレイ動画を当該配信者が配信しているか否かを確認する。具体的には、確認部136は、各配信者の配信の状況を監視し、各配信者がプレイ動画の配信を選択(宣言)したゲームを実際にプレイしているか否かを確認する。
【0086】
そして、当該選択されたゲームのプレイ動画を当該配信者が配信していない場合、当該配信者が行っている配信行為について、ギフトポイント導出部131がギフトポイントを導出せず、且つ、視聴時間ポイント導出部132が視聴時間ポイントを導出しないように制御する。すなわち、不適切な配信を配信者が行っているとき、当該配信については、ギフトポイントも視聴時間ポイントも加算されない。なお、このような制御は、第2変更例に係るスコアポイント導出部135にも適用できる。
【0087】
(9)他の実施形態
上述の実施形態では、ランキング決定部133が、複数のゲームに跨がる各配信者のランキングを総合配信者ランキングとして決定する一例について説明した。この場合、ギフトポイント導出部131は、複数のゲームに跨がって前記ギフトポイントを各配信者について導出し、視聴時間ポイント導出部132は、複数のゲームに跨がって視聴時間ポイントを各配信者について導出し、ランキング決定部133は、複数のゲームに跨がる各配信者のランキング(総合配信者ランキング)を決定する。
【0088】
しかしながら、ランキング決定部133は、特定のゲームについて各配信者のランキング(「ゲーム個別ランキング」とも称する)を決定してもよい。この場合、ギフトポイント導出部131は、当該特定のゲームについてギフトポイントを各配信者について導出し、視聴時間ポイント導出部132は、当該特定のゲームについて視聴時間ポイントを各配信者について導出し、ランキング決定部133は、当該特定のゲームについて各配信者のランキング(ゲーム個別ランキング)を決定する。この場合においても、視聴時間ポイントを考慮したランキングを決定することで、ゲームライブ配信サービスにおいて配信者のランキングを適切に行うことが可能である。
【0089】
上述の実施形態における動作フロー及び動作例は、必ずしもフロー図又はシーケンス図に記載された順序に沿って時系列に実行されなくてよい。例えば、動作におけるステップは、フロー図又はシーケンス図として記載した順序と異なる順序で実行されても、並列的に実行されてもよい。また、動作におけるステップの一部が削除されてもよく、さらなるステップが処理に追加されてもよい。また、上述の実施形態における動作フロー及び動作例は、別個独立に実施してもよいし、2以上の動作フロー及び動作例を組み合わせて実施してもよい。例えば、1つの動作フローの一部のステップを他の動作フローに追加してもよいし、1つの動作フローの一部のステップを他の動作フローの一部のステップと置換してもよい。
【0090】
上述の実施形態に係る動作をコンピュータに実行させる取引支援プログラムが提供されてもよい。取引支援プログラムは、コンピュータ読取り可能媒体に記録されていてもよい。コンピュータ読取り可能媒体を用いれば、コンピュータに取引支援プログラムをインストールすることが可能である。ここで、取引支援プログラムが記録されたコンピュータ読取り可能媒体は、非一過性の記録媒体であってもよい。非一過性の記録媒体は、特に限定されるものではないが、例えば、CD-ROMやDVD-ROM等の記録媒体であってもよい。
【0091】
本開示で使用する「に基づいて」、「に応じて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」、「のみに応じて」を意味しない。「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」及び「に少なくとも部分的に基づいて」の両方を意味する。同様に、「に応じて」という記載は、「のみに応じて」及び「に少なくとも部分的に応じて」の両方を意味する。また、「含む(include)」、「備える(comprise)」、及びそれらの変形の用語は、列挙する項目のみを含むことを意味せず、列挙する項目のみを含んでもよいし、列挙する項目に加えてさらなる項目を含んでもよいことを意味する。また、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。本開示において、例えば、英語でのa,an,及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、これらの冠詞は、文脈から明らかにそうではないことが示されていなければ、複数のものを含むものとする。
【0092】
以上、図面を参照して実施形態について詳しく説明したが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
【符号の説明】
【0093】
1 :配信システム
10 :ネットワーク
100 :配信サーバ
110 :通信部
120 :記憶部
121 :ギフト状況DB
122 :視聴状況DB
123 :スコア状況DB
130 :処理部
131 :ギフトポイント導出部
132 :視聴時間ポイント導出部
133 :ランキング決定部
134 :ランキング公開部
135 :スコアポイント導出部
136 :確認部
200 :ゲームサーバ
300 :端末
【要約】
【課題】ゲームライブ配信サービスにおいて配信者のランキングを適切に行うことを可能とする。
【課題手段】配信者のゲームプレイ動画を視聴者に配信するゲームライブ配信サービスを提供する配信システムは、前記ゲームライブ配信サービスにおいて集計期間内で視聴者から配信者に贈られたギフトに基づくギフトポイントを各配信者について導出するギフトポイント導出部と、前記ゲームライブ配信サービスにおいて前記集計期間内でゲームプレイ動画を視聴した視聴者の数及び当該視聴者の視聴時間に基づく視聴時間ポイントを前記各配信者について導出する視聴時間ポイント導出部と、前記ギフトポイント及び前記視聴時間ポイントの合計に基づいて、前記集計期間内での前記各配信者のランキングを決定するランキング決定部と、を備える。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10