(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-15
(45)【発行日】2023-11-24
(54)【発明の名称】信号発生装置、波形デジタイザ、信号発生方法、および、信号発生プログラム
(51)【国際特許分類】
H03M 1/10 20060101AFI20231116BHJP
H03M 1/66 20060101ALI20231116BHJP
【FI】
H03M1/10 B
H03M1/66 C
(21)【出願番号】P 2019102148
(22)【出願日】2019-05-31
【審査請求日】2022-04-12
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】390005175
【氏名又は名称】株式会社アドバンテスト
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川端 雅之
【審査官】石田 昌敏
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-244317(JP,A)
【文献】特表2009-501502(JP,A)
【文献】特開2008-286699(JP,A)
【文献】国際公開第2013/042313(WO,A1)
【文献】特開2009-290748(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03M 1/00- 1/88
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
DA変換部と、
前記DA変換部が出力すべき目標アナログ波形に応じたデジタル時系列データを発生するデジタルデータ発生部と、
前記デジタル時系列データに応じた前記DA変換部の出力を補償する補償用時系列データを
補償用データ記憶部から読み出して発生する補償用データ発生部と、
前記デジタル時系列データを前記DA変換部の入力における上位ビット範囲に、前記補償用時系列データを前記DA変換部の入力における下位ビット範囲に供給する供給部と、
前記デジタル時系列データを前記DA変換部に入力したことに応じて前記DA変換部が出力した出力アナログ波形と前記目標アナログ波形との相違に基づいて、前記補償用時系列データを生成
して前記補償用データ記憶部に書き込む補償用データ生成部と、
を備える信号発生装置。
【請求項2】
DA変換部と、
前記DA変換部が出力すべき目標アナログ波形に応じたデジタル時系列データを発生するデジタルデータ発生部と、
前記デジタル時系列データに応じた前記DA変換部の出力を補償する補償用時系列データを発生する補償用データ発生部と、
前記デジタル時系列データを前記DA変換部の入力における上位ビット範囲に、前記補償用時系列データを前記DA変換部の入力における下位ビット範囲に供給する供給部と、
を備え、
前記供給部は、前記デジタル時系列データにおける下位ビット範囲を切り捨て、切り捨てた下位ビット範囲に前記補償用時系列データを挿入する、信号発生装置。
【請求項3】
前記デジタル時系列データを前記DA変換部に入力したことに応じて前記DA変換部が出力した出力アナログ波形と前記目標アナログ波形との相違に基づいて、前記補償用時系列データを生成する補償用データ生成部を更に備える、請求項2に記載の信号発生装置。
【請求項4】
前記補償用データ生成部は、デルタシグマ変調を用いて前記補償用時系列データを生成する、請求項1または3に記載の信号発生装置。
【請求項5】
前記補償用データ生成部は、前記出力アナログ波形の高調波成分を特定し、前記高調波成分を低減させる前記補償用時系列データを生成する、請求項1、3または4のいずれか一項に記載の信号発生装置。
【請求項6】
前記補償用データ生成部は、前記出力アナログ波形の基本波成分をフィルタにより低減させて、前記高調波成分を特定する、請求項5に記載の信号発生装置。
【請求項7】
前記補償用データ生成部は、前記高調波成分の振幅および位相を特定し、前記振幅および前記位相に基づいて前記補償用時系列データを生成する、請求項5または6に記載の信号発生装置。
【請求項8】
前記供給部は、下位ビット範囲を切り捨てた前記デジタル時系列データを前記DA変換部に入力したことに応じて前記DA変換部が出力する出力アナログ波形が、前記目標アナログ波形のフルスケール振幅に基づいて予め定められた振幅となるように、前記デジタル時系列データの振幅を正規化する、請求項2に記載の信号発生装置。
【請求項9】
前記下位ビット範囲は、1ビットである、請求項1から8のいずれか一項に記載の信号発生装置。
【請求項10】
前記下位ビット範囲は、複数ビットである、請求項1から8のいずれか一項に記載の信号発生装置。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項に記載の信号発生装置を備え、前記信号発生装置が発生した信号をテスト信号源として用いて自己診断を行う、波形デジタイザ。
【請求項12】
DA変換部が出力すべき目標アナログ波形に応じたデジタル時系列データを発生することと、
前記デジタル時系列データに応じた前記DA変換部の出力を補償する補償用時系列データを
補償用データ記憶部から読み出して発生することと、
前記デジタル時系列データを前記DA変換部の入力における上位ビット範囲に、前記補償用時系列データを前記DA変換部の入力における下位ビット範囲に供給することと、
前記デジタル時系列データを前記DA変換部に入力したことに応じて前記DA変換部が出力した出力アナログ波形と前記目標アナログ波形との相違に基づいて、補償用データ生成部が前記補償用時系列データを生成
して前記補償用データ記憶部に書き込むことと、
を備える信号発生方法。
【請求項13】
DA変換部が出力すべき目標アナログ波形に応じたデジタル時系列データを発生することと、
前記デジタル時系列データに応じた前記DA変換部の出力を補償する補償用時系列データを発生することと、
前記デジタル時系列データを前記DA変換部の入力における上位ビット範囲に、前記補償用時系列データを前記DA変換部の入力における下位ビット範囲に供給することと、
を備え、
前記供給することにおいて、前記デジタル時系列データにおける下位ビット範囲を切り捨て、切り捨てた下位ビット範囲に前記補償用時系列データを挿入する、
信号発生方法。
【請求項14】
コンピュータにより実行されて、前記コンピュータを、
DA変換部と、
前記DA変換部が出力すべき目標アナログ波形に応じたデジタル時系列データを発生するデジタルデータ発生部と、
前記デジタル時系列データに応じた前記DA変換部の出力を補償する補償用時系列データを
補償用データ記憶部から読み出して発生する補償用データ発生部と、
前記デジタル時系列データを前記DA変換部の入力における上位ビット範囲に、前記補償用時系列データを前記DA変換部の入力における下位ビット範囲に供給する供給部と、
前記デジタル時系列データを前記DA変換部に入力したことに応じて前記DA変換部が出力した出力アナログ波形と前記目標アナログ波形との相違に基づいて、前記補償用時系列データを生成
して前記補償用データ記憶部に書き込む補償用データ生成部と、
して機能させる、信号発生プログラム。
【請求項15】
コンピュータにより実行されて、前記コンピュータを、
DA変換部と、
前記DA変換部が出力すべき目標アナログ波形に応じたデジタル時系列データを発生するデジタルデータ発生部と、
前記デジタル時系列データに応じた前記DA変換部の出力を補償する補償用時系列データを発生する補償用データ発生部と、
前記デジタル時系列データを前記DA変換部の入力における上位ビット範囲に、前記補償用時系列データを前記DA変換部の入力における下位ビット範囲に供給する供給部と、
して機能させ、
前記供給部は、前記デジタル時系列データにおける下位ビット範囲を切り捨て、切り捨てた下位ビット範囲に前記補償用時系列データを挿入する、
信号発生プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、信号発生装置、波形デジタイザ、信号発生方法、および、信号発生プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、外部からのデジタル信号を変換補正して、補正したデジタル信号を入力してアナログ信号を出力するDA変換器が知られている。(例えば、特許文献1参照)。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1] 特開2000-244317号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1では、補正用テーブルデータを用いてデジタル入力を補正することによって、DA変換後のアナログ出力値の順序が入れ替わっているデジタル入力値の変換結果を補正することを可能としている。しかしながら、DA変換後の出力を、目標どおりに精度よく補償することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様においては、信号発生装置を提供する。信号発生装置は、DA変換部を備えてよい。信号発生装置は、DA変換部が出力すべき目標アナログ波形に応じたデジタル時系列データを発生するデジタルデータ発生部を備えてよい。信号発生装置は、デジタル時系列データに応じたDA変換部の出力を補償する補償用時系列データを発生する補償用データ発生部を備えてよい。信号発生装置は、デジタル時系列データをDA変換部の入力における上位ビット範囲に、補償用時系列データをDA変換部の入力における下位ビット範囲に供給する供給部を備えてよい。
【0005】
信号発生装置は、デジタル時系列データをDA変換部に入力したことに応じてDA変換部が出力した出力アナログ波形と目標アナログ波形との相違に基づいて、補償用時系列データを生成する補償用データ生成部を更に備えてよい。
【0006】
補償用データ生成部は、デルタシグマ変調を用いて補償用時系列データを生成してよい。
【0007】
補償用データ生成部は、出力アナログ波形の高調波成分を特定し、高調波成分を低減させる補償用時系列データを生成してよい。
【0008】
補償用データ生成部は、出力アナログ波形の基本波成分をフィルタにより低減させて、高調波成分を特定してよい。
【0009】
補償用データ生成部は、高調波成分の振幅および位相を特定し、振幅および位相に基づいて補償用時系列データを生成してよい。
【0010】
供給部は、デジタル時系列データにおける下位ビット範囲を切り捨て、切り捨てた下位ビット範囲に補償用時系列データを挿入してよい。
【0011】
供給部は、下位ビット範囲を切り捨てたデジタル時系列データをDA変換部に入力したことに応じてDA変換部が出力する出力アナログ波形が、予め定められた振幅となるように、デジタル時系列データを正規化してよい。
【0012】
下位ビット範囲は、1ビットであってよい。
【0013】
下位ビット範囲は、複数ビットであってよい。
【0014】
本発明の第2の態様においては、上記のいずれかに記載の信号発生装置を備え、信号発生装置が発生した信号をテスト信号源として用いて自己診断を行う、波形デジタイザを提供する。
【0015】
本発明の第3の態様においては、信号発生方法を提供する。信号発生方法は、DA変換部が出力すべき目標アナログ波形に応じたデジタル時系列データを発生することを備えてよい。信号発生方法は、デジタル時系列データに応じたDA変換部の出力を補償する補償用時系列データを発生することを備えてよい。信号発生方法は、デジタル時系列データをDA変換部の入力における上位ビット範囲に、補償用時系列データをDA変換部の入力における下位ビット範囲に供給することを備えてよい。
【0016】
本発明の第4の態様においては、信号発生プログラムを提供する。信号発生プログラムは、コンピュータにより実行されてよい。信号発生プログラムは、コンピュータを、DA変換部として機能させてよい。信号発生プログラムは、コンピュータを、DA変換部が出力すべき目標アナログ波形に応じたデジタル時系列データを発生するデジタルデータ発生部として機能させてよい。信号発生プログラムは、コンピュータを、デジタル時系列データに応じたDA変換部の出力を補償する補償用時系列データを発生する補償用データ発生部として機能させてよい。信号発生プログラムは、コンピュータを、デジタル時系列データをDA変換部の入力における上位ビット範囲に、補償用時系列データをDA変換部の入力における下位ビット範囲に供給する供給部として機能させてよい。
【0017】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本実施形態に係る信号発生装置100のブロック図の一例を示す。
【
図2】本実施形態に係る信号発生装置100が、補償用時系列データを用いて出力アナログ波形を補償するフローの一例を示す。
【
図3】本実施形態に係る信号発生装置100が補償する被補償正弦波データと補償用時系列データの一例を示す。
【
図4】本実施形態に係る信号発生装置100による補償の前後における出力アナログ波形の信号スペクトルの一例を示す。
【
図5】本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化されてよいコンピュータ2200の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0020】
図1は、本実施形態に係る信号発生装置100のブロック図の一例を示す。本実施形態において、信号発生装置100は、DA変換部の入力における下位ビット範囲に、DA変換部の出力を補償する時系列データを供給することで、歪成分を補償した超低歪なアナログ信号を出力する。信号発生装置100は、例えば、様々な信号を発生する任意波形ジェネレータ(AWG:Arbitrary Waveform Generator)等であってよい。信号発生装置100が発生する信号は、任意の波形であってよいが、本実施形態においては、一例として、信号発生装置100が1kHzの正弦波信号を出力する場合を一例として説明する。
【0021】
信号発生装置100は、DA変換部110、フィルタ120、増幅器130、デジタルデータ記憶部140、デジタルデータ発生部150、補償用データ記憶部160、補償用データ発生部170、供給部180、および、補償用データ生成部190を備える。
【0022】
DA変換部110は、複数ビットのデジタル波形データを入力して、当該デジタル波形データに応じた信号レベルを持つアナログ波形を出力する。一例として、DA変換部110は、16ビットDACや11ビットDAC等であってよい。DA変換部110は、出力したアナログ波形をフィルタ120、および、補償用データ生成部190へ供給する。
【0023】
フィルタ120は、DA変換部110が出力したアナログ波形を入力して、当該アナログ波形に含まれる不要な成分を除去し、アナログ信号を出力する。一例として、フィルタ120は、ローパスフィルタであってよく、デジタル波形データに含まれるサンプリング周波数、および、後述するデルタシグマ(ΔΣ)変調のノイズシェーピング作用によって高域側に集められたノイズ成分等を除去する。
【0024】
増幅器130は、フィルタ120が出力したアナログ信号を入力して、当該アナログ信号を増幅し、増幅したアナログ信号を信号発生装置100の出力として出力する。
【0025】
デジタルデータ記憶部140は、DA変換部110が出力すべき目標アナログ波形に応じたデジタル時系列データを発生するためのデータを予め記憶する。一例として、DA変換部110が16ビットDACであり、DA変換部110が出力すべき目標アナログ波形が1kHzの正弦波信号である場合、デジタルデータ記憶部140は、当該1kHzの正弦波信号を、16ビットの分解能で、32kSamples/secのサンプルレートで一定間隔にサンプリングしたデータを予め記憶する。
【0026】
デジタルデータ発生部150は、デジタルデータ記憶部140が記憶したデータを読み出し、当該データに従って、DA変換部110が出力すべき目標アナログ波形に応じたデジタル時系列データを発生する。デジタルデータ発生部150は、発生したデジタル時系列データを供給部180へ供給する。
【0027】
補償用データ記憶部160は、デジタル時系列データに応じたDA変換部110の出力を補償する補償用時系列データを発生するためのデータを記憶する。なお、補償用時系列データが未知である場合には、補償用データ記憶部160は、予め定められたデータ、例えば、0パディングされたデータ等を仮のデータとして予め記憶する。そして、補償用データ記憶部160は、補償用時系列データが特定された場合に、記憶していたデータを、当該補償用時系列データを発生するためのデータに書き換える。
【0028】
補償用データ発生部170は、補償用データ記憶部160が記憶したデータを読み出し、当該データに従って、デジタル時系列データに応じたDA変換部110の出力を補償する補償用時系列データを発生する。補償用データ発生部170は、発生した補償用時系列データを供給部180へ供給する。
【0029】
供給部180は、デジタルデータ発生部150が発生したデジタル時系列データをDA変換部110の入力における上位ビット範囲に、補償用データ発生部170が発生した補償用時系列データをDA変換部110の入力における下位ビット範囲に供給する。ここで、下位ビット範囲は、例えば、1ビットであってよい。すなわち、例えば、DA変換部110が16ビットDACである場合、供給部180は、デジタル時系列データをDA変換部110の入力における上位15ビット範囲に供給し、補償用時系列データをDA変換部110の入力における下位1ビット範囲に供給してよい。これにより、信号発生装置100は、下位1ビットのみを用いてDA変換部110の出力を補償することができるので、制御を単純化することができる。これに代えて、下位ビット範囲は、複数ビットであってもよい。すなわち、例えば、DA変換部110が16ビットDACである場合、供給部180は、デジタル時系列データをDA変換部110の入力における上位14ビット範囲に供給し、補償用時系列データをDA変換部110の入力における下位2ビット範囲に供給してもよい。これにより、信号発生装置100は、下位の複数ビットを用いてDA変換部110の出力を補償することができるので、より大きな歪成分までDA変換部110の出力を補償することができる。
【0030】
補償用データ生成部190は、デジタル時系列データをDA変換部110に入力したことに応じてDA変換部110が出力した出力アナログ波形と目標アナログ波形との相違に基づいて、補償用時系列データを生成する。補償用データ生成部190は、生成した補償用時系列データを補償用データ記憶部160へ供給する。そして、信号発生装置100は、当該生成した補償用時系列データを用いてDA変換部110の出力を補償する。これについて、フローを用いて詳細に説明する。
【0031】
図2は、本実施形態に係る信号発生装置100が、補償用時系列データを用いて出力アナログ波形を補償するフローの一例を示す。
【0032】
ステップ210において、信号発生装置100は、歪成分抽出用の時系列データを発生する。例えば、デジタルデータ発生部150は、デジタルデータ記憶部140が予め記憶していたデータを読み出し、当該データに従って、DA変換部110が出力すべき目標アナログ波形に応じたデジタル時系列データを発生する。この際、一例として、デジタルデータ発生部150は、1kHzの正弦波信号を、16ビットの分解能で、32kSamples/secのサンプルレートで一定間隔にサンプリングした時系列データを発生する。そして、デジタルデータ発生部150は、発生したデジタル時系列データを供給部180へ供給する。
【0033】
また、この時点では、補償用時系列データが未知であるので、補償用データ発生部170は、補償用データ記憶部160が予め仮のデータとして記憶していた予め定められたデータ(例えば、0パディングされたデータ等)を読み出し、当該仮のデータに従って、補償用時系列データを発生する。そして、補償用データ発生部170は、発生した補償用時系列データを供給部180へ供給する。
【0034】
ステップ220において、信号発生装置100は、ステップ210において発生した時系列データに基づいて、歪成分抽出用のアナログ波形を出力する。この際、本実施形態において、供給部180は、デジタルデータ発生部150が発生したデジタル時系列データをDA変換部110の入力における上位ビット範囲に、補償用データ発生部170が発生した補償用時系列データをDA変換部110の入力における下位ビット範囲に供給する。一例として、供給部180は、デジタルデータ発生部150が発生したデジタル時系列データにおける下位ビット範囲を切り捨て、切り捨てた下位ビット範囲に、補償用データ発生部170が発生した補償用時系列データを挿入してよい。すなわち、例えば、下位ビット範囲が1ビットである場合、供給部180は、デジタルデータ発生部150が発生したデジタル時系列データにおける下位1ビット範囲を切り捨て、切り捨てた下位1ビット範囲に、補償用データ発生部170が発生した0パディングされたデータを挿入してよい。そして、DA変換部110は、これら時系列データを入力して、歪成分抽出用のアナログ波形を出力する。
【0035】
なお、この際、供給部180は、下位ビット範囲を切り捨てたデジタル時系列データをDA変換部110に入力したことに応じてDA変換部110が出力する出力アナログ波形が、予め定められた振幅となるように、デジタル時系列データを正規化してよい。すなわち、デジタル時系列データにおける下位ビット範囲を切り捨てると、DA変換部110が出力する出力アナログ波形は、目標とするアナログ波形に対して、振幅が相対的に小さくなる。そこで、供給部180は、デジタル時系列データの下位ビット範囲を切り捨てたことによって生じる出力アナログ波形の振幅のロスを補う。一例として、供給部180は、リファレンス電圧を調整する等して、下位ビット範囲が切り捨てられたデジタル時系列データを入力した場合における出力アナログ波形の振幅を、予め定められた振幅、例えば、目標アナログ波形のフルスケール振幅の99.9%となるように正規化する。なお、ここで、出力アナログ波形の振幅を目標アナログ波形のフルスケール振幅の99.9%としたのは、後述する補償用時系列データによる振幅増の余地を残すためである。ただし、この割合については任意の値であってよく、99.9%とは異なる値であってもよい。
【0036】
ステップ230において、信号発生装置100は、出力アナログ波形と目標アナログ波形との相違として、出力アナログ波形の歪成分を特定する。例えば、補償用データ生成部190は、DA変換部110が出力した出力アナログ波形をオーディオアナライザ等により測定して、出力アナログ波形の高調波成分を特定する。一例として、補償用データ生成部190は、出力アナログ波形の、複数の高次の高調波成分の振幅および位相をそれぞれ特定する。
【0037】
ステップ240において、信号発生装置100は、特定した歪成分に基づいて、DA変換部110の出力アナログ波形を補償する補償用時系列データを生成する。例えば、補償用データ生成部190は、ステップ230で特定した高調波成分の振幅および位相に基づいて、これら高調波成分を低減させる補償用時系列データを生成する。一例として、補償用データ生成部190は、目標アナログ波形のフルスケール振幅の0.1%以下の振幅で、特定した高調波成分の正負極性を反転させた波形をサンプリングして、下位ビット範囲に対応するビット数、例えば、1ビットの補償用時系列データを生成する。この際、補償用データ生成部190は、補償用時系列データを生成する際のサンプリングレートを、デジタル時系列データを生成した際のサンプリングレートである32kSamples/secの整数倍とすればよい。また、補償用データ生成部190は、補償用時系列データのデータ長を、デジタル時系列データの信号周期である1msの整数倍とすればよい。
【0038】
また、この際、補償用データ生成部190は、デルタシグマ変調を用いて補償用時系列データを生成してよい。したがって、信号発生装置100は、デルタシグマ変調によりノイズシェーピングされたデータを補償用時系列データとして用いることができる。なお、デルタシグマ変調により高域側に集められたノイズ成分は、フィルタ120によって除去可能である。これにより、信号発生装置100は、1LSB(Least Significant Bit)分解能以下の微小な成分を高精度に作成することができる。
【0039】
ステップ250において、信号発生装置100は、ステップ240において生成した補償用時系列データを用いて出力アナログ波形を補償する。例えば、補償用データ生成部190は、ステップ240において生成した補償用時系列データを補償用データ記憶部160へ供給し、補償用データ記憶部160は、記憶していたデータを、ステップ240において生成された補償用時系列データに書き換える。そして、供給部180は、デジタルデータ発生部150が発生したデジタル時系列データをDA変換部110の入力における上位ビット範囲に、補償用データ発生部170が発生した補償用時系列データ、すなわち、ステップ240で生成された補償用時系列データをDA変換部110の入力における下位ビット範囲に供給する。そして、DA変換部110は、これら時系列データを入力して、補償用時系列データによって歪成分が補償されたアナログ波形を出力する。
【0040】
ステップ260において、信号発生装置100は、出力アナログ波形が目標とする性能を達成したか否か判定する。例えば、補償用データ生成部190は、DA変換部110が出力した出力アナログ波形を測定し、出力アナログ波形の歪成分、例えば、複数の高次の高調波成分の振幅の合計値、最大値、および、平均値等が予め定められた閾値未満であるか否か判定する。そして、歪成分が予め定められた閾値未満であると判定した場合、信号発生装置100は、出力アナログ波形が目標とする性能を達成したと判定して処理を終了する。
【0041】
一方、ステップ260において、出力アナログ波形が目標とする性能を達成していないと判定した場合、信号発生装置100は、処理をステップ230へ戻し、ステップ260において、出力アナログ波形が目標とする性能を達成したと判定するまで処理を繰り返す。なお、信号発生装置100は、当該処理を複数回繰り返しても出力アナログ波形が目標とする性能を達成しない場合、警告を出力してもよい。これにより、信号発生装置100は、装置の故障やデータの異常等により、出力アナログ波形を精度よく補償できないことをユーザに知らしめることができる。
【0042】
図3は、本実施形態に係る信号発生装置100が補償する被補償正弦波データと補償用時系列データの一例を示す。本図において、DA変換部110は16ビット分解能であり、符号310は、デジタル時系列データの上位15ビット(-32768LSB~32766LSB、分解能2LSB)によるDA変換部110の出力アナログ波形である被補償正弦波データを示している。また、符号320は、被補償正弦波データ310の3次高調波歪(HD3)、5次高調波歪(HD5)、7次高調波歪(HD7)、および、9次高調波歪(HD9)から生成した1ビットの補償用時系列データを示している。なお、本図において、横軸は時間軸を示しており、縦軸は出力アナログ波形の電圧をLSB単位で示している。また、本図左の縦軸に示される数値は、被補償正弦波データ310に対する電圧波形を示しており、本図右の縦軸に示される数値は補償用時系列データ320に対する電圧波形を示している。
【0043】
図4は、本実施形態に係る信号発生装置100による補償の前後における出力アナログ波形の信号スペクトルの一例を示す。本図の縦軸数値は、所望の正弦波信号出力レベルを基準にしたデシベル[dB]単位を、横軸は、周波数を示す。本図上は、被補償正弦波データ310の信号スペクトルを示し、本図下は、補償用時系列データ320を用いて被補償正弦波データ310を補償した後の出力アナログ波形の信号スペクトルを示している。一般に、DA変換後の出力において量子化ノイズとして発生するHD3~HD9の高調波成分は、基本波との周波数の関係上、後段のフィルタ120で落とすことが難しい。しかしながら、本実施形態に係る信号発生装置100によれば、補償用時系列データを用いて出力アナログ波形を補償することで、本図に示すように、これらHD3~HD9の高調波成分を低減させることができる。また、本実施形態に係る信号発生装置100によれば、上位ビット範囲の元データに影響を与えないように補償用時系列データを下位ビット範囲に挿入するため、下位ビット範囲を加算することによる桁上がりを防止することができ、桁上がりによるリニアリティ誤差の現れ方が変化することにより期待通りに補償できないという事態を防ぐことができる。また、本実施形態に係る信号発生装置100によれば、デルタシグマ変調を用いて補償用時系列データを生成するので、ノイズシェーピングされたデータを補償用時系列データとして用いることができ、1LSB分解能以下の微小な成分をも高精度に補償することができる。また、本実施形態に係る信号発生装置100によれば、高調波成分の振幅に加えて位相をも考慮した補償用時系列データを生成するので、DC誤差に加えて位相誤差をも高精度に補償することができる。
【0044】
本実施形態の変形例として、上述の信号発生装置100を備え、信号発生装置100が発生した信号をテスト信号源として用いて自己診断を行う、波形デジタイザが提供されてよい。すなわち、波形デジタイザは、上述の信号発生装置100を内蔵し、当該信号発生装置100が出力した信号を用いて波形測定性能を確認してよい。そして、波形デジタイザは、当該信号発生装置100が出力した信号を用いた性能確認の結果、波形測定性能が目標とする性能を満たす場合には、自身が良品であると判定し、波形測定性能が目標とする性能を満たさない場合には、自身が不良であると判定して、警告を出力してよい。これにより、波形デジタイザは、本実施形態に係る信号発生装置100が出力した高精度の信号を基準として自己診断を行うことができる。
【0045】
なお、上述の説明において、信号発生装置100は、DA変換部110の出力をフィルタ120でフィルタリングし、増幅器130で増幅した信号を出力する旨、示したが、予めフィルタ120および増幅器130の周波数伝達特性が既知の場合には、補償用データ生成部190がフィルタ120および増幅器130の周波数伝達特性の情報を共有し、当該周波数伝達特性をも考慮して補償用時系列データを生成してもよい。また、上述の説明では、補償用データ生成部190が、DA変換部110の出力である出力アナログ波形と、DA変換部110が出力すべき目標アナログ波形との相違に基づいて補償用時系列データを生成する場合を一例として示したが、補償用データ生成部190は、増幅器130の出力である出力アナログ波形と、増幅器130が出力すべき目標アナログ波形との相違に基づいて補償用時系列データを生成してもよい。これにより、信号発生装置100は、フィルタ120および増幅器130の周波数伝達特性をも含めて、装置の出力端においてアナログ波形を補償することができる。
【0046】
また、上述の説明では、補償用時系列データが1ビットである場合を一例として示したが、補償用時系列データは複数ビット(例えば、2ビットや3ビット等)であってもよい。この場合、信号発生装置100は、最初から補償用時系列データを複数ビットとして処理してもよいし、例えば、
図2のフローにおいて、最初は補償用時系列データを1ビットとして出力アナログ波形を補償し、ステップ260において、出力アナログ波形が目標とする性能を達成できないと判定された場合に、補償用時系列データを1ビット追加して、ステップ230からステップ260の処理を繰り返してもよい。これにより、信号発生装置100は、処理の単純化と補償の高精度化を両立させることができる。
【0047】
また、上述の説明において、補償用データ生成部190が、DA変換部110が出力した出力アナログ波形をオーディオアナライザ等により測定して、出力アナログ波形の高調波成分を特定する場合を一例として示したが、補償用データ生成部190は、出力アナログ波形の基本波成分をフィルタにより低減させて、高調波成分を特定してもよい。すなわち、補償用データ生成部190は、基本波成分に阻止帯域を有するノッチフィルタ等により出力アナログ波形をフィルタリングして、出力アナログ波形の基本波成分を低減させて、高調波成分を特定してもよい。この場合、高調波成分の位相特定が困難となるが、補償用データ生成部190は、例えば、複素FFT(Fast Fourier Transform)等を用いて高周波成分の位相を特定してもよい。または、補償用データ生成部190は、複数の高次の高調波成分のそれぞれについて、位相を変化させながら
図2のフローを繰り返すことで、歪がキャンセルされる位相を探索して特定し、複数の高次の高調波成分毎に特定した位相に基づいて補償用時系列データを生成してもよい。
【0048】
本発明の様々な実施形態は、フローチャートおよびブロック図を参照して記載されてよく、ここにおいてブロックは、(1)操作が実行されるプロセスの段階または(2)操作を実行する役割を持つ装置のセクションを表わしてよい。特定の段階およびセクションが、専用回路、コンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、および/またはコンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタルおよび/またはアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)および/またはディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、論理AND、論理OR、論理XOR、論理NAND、論理NOR、および他の論理操作、フリップフロップ、レジスタ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)等のようなメモリ要素等を含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0049】
コンピュータ可読媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読媒体は、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(RTM)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0050】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、またはSmalltalk、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1または複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコードまたはオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
【0051】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサまたはプログラマブル回路に対し、ローカルにまたはローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して提供され、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく、コンピュータ可読命令を実行してよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0052】
図5は、本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化されてよいコンピュータ2200の例を示す。コンピュータ2200にインストールされたプログラムは、コンピュータ2200に、本発明の実施形態に係る装置に関連付けられる操作または当該装置の1または複数のセクションとして機能させることができ、または当該操作または当該1または複数のセクションを実行させることができ、および/またはコンピュータ2200に、本発明の実施形態に係るプロセスまたは当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ2200に、本明細書に記載のフローチャートおよびブロック図のブロックのうちのいくつかまたはすべてに関連付けられた特定の操作を実行させるべく、CPU2212によって実行されてよい。
【0053】
本実施形態によるコンピュータ2200は、CPU2212、RAM2214、グラフィックコントローラ2216、およびディスプレイデバイス2218を含み、それらはホストコントローラ2210によって相互に接続されている。コンピュータ2200はまた、通信インターフェイス2222、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROMドライブ2226、およびICカードドライブのような入/出力ユニットを含み、それらは入/出力コントローラ2220を介してホストコントローラ2210に接続されている。コンピュータはまた、ROM2230およびキーボード2242のようなレガシの入/出力ユニットを含み、それらは入/出力チップ2240を介して入/出力コントローラ2220に接続されている。
【0054】
CPU2212は、ROM2230およびRAM2214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ2216は、RAM2214内に提供されるフレームバッファ等またはそれ自体の中にCPU2212によって生成されたイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス2218上に表示されるようにする。
【0055】
通信インターフェイス2222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。ハードディスクドライブ2224は、コンピュータ2200内のCPU2212によって使用されるプログラムおよびデータを格納する。DVD-ROMドライブ2226は、プログラムまたはデータをDVD-ROM2201から読み取り、ハードディスクドライブ2224にRAM2214を介してプログラムまたはデータを提供する。ICカードドライブは、プログラムおよびデータをICカードから読み取り、および/またはプログラムおよびデータをICカードに書き込む。
【0056】
ROM2230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ2200によって実行されるブートプログラム等、および/またはコンピュータ2200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入/出力チップ2240はまた、様々な入/出力ユニットをパラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入/出力コントローラ2220に接続してよい。
【0057】
プログラムが、DVD-ROM2201またはICカードのようなコンピュータ可読媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読媒体から読み取られ、コンピュータ可読媒体の例でもあるハードディスクドライブ2224、RAM2214、またはROM2230にインストールされ、CPU2212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ2200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置または方法が、コンピュータ2200の使用に従い情報の操作または処理を実現することによって構成されてよい。
【0058】
例えば、通信がコンピュータ2200および外部デバイス間で実行される場合、CPU2212は、RAM2214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インターフェイス2222に対し、通信処理を命令してよい。通信インターフェイス2222は、CPU2212の制御下、RAM2214、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROM2201、またはICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ処理領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、またはネットワークから受信された受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ処理領域等に書き込む。
【0059】
また、CPU2212は、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROMドライブ2226(DVD-ROM2201)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイルまたはデータベースの全部または必要な部分がRAM2214に読み取られるようにし、RAM2214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU2212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックする。
【0060】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、およびデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU2212は、RAM2214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプの操作、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM2214に対しライトバックする。また、CPU2212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU2212は、第1の属性の属性値が指定される、条件に一致するエントリを当該複数のエントリの中から検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0061】
上で説明したプログラムまたはソフトウェアモジュールは、コンピュータ2200上またはコンピュータ2200近傍のコンピュータ可読媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワークまたはインターネットに接続されたサーバーシステム内に提供されるハードディスクまたはRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ2200に提供する。
【0062】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0063】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0064】
100 信号発生装置
110 DA変換部
120 フィルタ
130 増幅器
140 デジタルデータ記憶部
150 デジタルデータ発生部
160 補償用データ記憶部
170 補償用データ発生部
180 供給部
190 補償用データ生成部
2200 コンピュータ
2201 DVD-ROM
2210 ホストコントローラ
2212 CPU
2214 RAM
2216 グラフィックコントローラ
2218 ディスプレイデバイス
2220 入/出力コントローラ
2222 通信インターフェイス
2224 ハードディスクドライブ
2226 DVD-ROMドライブ
2230 ROM
2240 入/出力チップ
2242 キーボード