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特許7386008表示制御装置、データ収集システム、表示制御方法および表示制御プログラム
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  • 特許-表示制御装置、データ収集システム、表示制御方法および表示制御プログラム 図1A
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  • 特許-表示制御装置、データ収集システム、表示制御方法および表示制御プログラム 図2
  • 特許-表示制御装置、データ収集システム、表示制御方法および表示制御プログラム 図3
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  • 特許-表示制御装置、データ収集システム、表示制御方法および表示制御プログラム 図6A
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  • 特許-表示制御装置、データ収集システム、表示制御方法および表示制御プログラム 図7
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  • 特許-表示制御装置、データ収集システム、表示制御方法および表示制御プログラム 図9
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-15
(45)【発行日】2023-11-24
(54)【発明の名称】表示制御装置、データ収集システム、表示制御方法および表示制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 7/18 20060101AFI20231116BHJP
   G08G 1/00 20060101ALI20231116BHJP
   G07C 5/00 20060101ALI20231116BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20231116BHJP
   H04N 5/77 20060101ALI20231116BHJP
   H04N 5/92 20060101ALI20231116BHJP
   H04N 5/765 20060101ALI20231116BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20231116BHJP
【FI】
H04N7/18 U
G08G1/00 A
G07C5/00 Z
G09G5/00 510A
G09G5/00 550C
G09G5/00 510H
H04N7/18 D
H04N5/77
H04N5/92 010
H04N5/765
B60R16/02 640K
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2019133661
(22)【出願日】2019-07-19
(65)【公開番号】P2021019275
(43)【公開日】2021-02-15
【審査請求日】2022-02-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000237592
【氏名又は名称】株式会社デンソーテン
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】名嘉 あづさ
【審査官】佐野 潤一
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/128992(WO,A1)
【文献】特開2014-002665(JP,A)
【文献】特開2006-080737(JP,A)
【文献】特開2012-207998(JP,A)
【文献】特開2013-032949(JP,A)
【文献】特開2006-033504(JP,A)
【文献】特表2015-504629(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 7/18
H04N 5/76
G08G 1/00
G07C 5/00
G09G 5/00
B60R 1/00
B60R 11/00
B60R 16/00
B60R 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部を有する表示制御装置であって、
前記制御部は、
車両で撮像された映像を再生するとともに、前記映像を時系列の静止画とした複数のサムネイル画像を前記車両で得られるセンサデータの推移を示すグラフ画像の時間軸に沿って画面に表示し、
前記複数のサムネイル画像において前記映像の再生位置を示す補助画像を表示する
表示制御装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記映像、前記サムネイル画像、前記グラフ画像および前記補助画像、に加えて、地図画像を前記画面に表示し、前記映像の再生位置に対応する前記車両の走行位置を前記地図画像上に表示する
請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記映像の再生位置を示す補助画像として、前記サムネイル画像に吹き出しマークを表示する
請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項4】
前記制御部は、
利用者によって設定された選択条件に基づいて、画像データからサムネイル画像を選択する
請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項5】
前記制御部は、
利用者による操作を受け付け、
前記補助画像の移動操作が受け付けられた場合に、当該移動操作に応じて、再生位置を変更する
請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記移動操作後に、補助画像が基準位置に戻るように再生画面を制御する
請求項5に記載の表示制御装置。
【請求項7】
前記制御部は、
前記画面に表示された前記サムネイル画像または前記グラフ画像をスライドさせるスライド操作を受け付け、
前記スライド操作に応じて、再生位置を変更する
請求項5に記載の表示制御装置。
【請求項8】
前記制御部は、
前記画面に前記車両の走行軌跡を表示し、走行軌跡上に車両マークを表示する
請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一つに記載の表示制御装置と、
前記表示制御装置を介して利用者によって設定された収集条件を満たす車両データを各車両の車載装置から収集し、前記表示制御装置へ送信するデータ収集装置と、
前記データ収集装置から送信された収集条件を満たす車両データを前記データ収集装置へ送信する前記車載装置と
を備えるデータ収集システム。
【請求項10】
制御部が実行する表示制御方法であって、
車両で撮像された映像を再生するとともに、前記映像を時系列の静止画とした複数のサムネイル画像を前記車両で得られるセンサデータの推移を示すグラフ画像の時間軸に沿って画面に表示し、
前記サムネイル画像において前記映像の再生位置を示す補助画像を表示する
表示制御方法。
【請求項11】
車両で撮像された映像を再生するとともに、前記映像を時系列の静止画とした複数のサムネイル画像を前記車両で得られるセンサデータの推移を示すグラフ画像の時間軸に沿って画面に表示することと、
前記サムネイル画像において前記映像の再生位置を示す補助画像を表示することと
をコンピュータに実行させる表示制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示制御装置、データ収集システム表示制御方法および表示制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ドライブレコーダから取得した各種データを再生表示する表示制御装置がある。かかる表示制御装置は、画像データに加えて、車両の挙動を示すアニメーションや、センサデータを再生表示する(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-211509号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、複数のコンテンツが同一画面に表示されるため、利用者が各コンテンツの時間的な関係を容易に認識できないおそれがあり、利用者の利便性を向上させるうえで改善の余地があった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、利用者の利便性を向上させることができる表示制御装置、データ収集システムおよび表示制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、実施形態に係る表示制御装置は、取得部と、再生部と、表示制御部とを備える。前記取得部は、車両でそれぞれ得られる車両データの推移を示す複数の時系列データを取得する。前記再生部は、前記取得部によって取得された複数の時系列データのうち、第1時系列データに基づく動的コンテンツを再生する。前記表示制御部は、前記再生部によって再生される動的コンテンツの再生画面において、第2時系列データに基づく静的コンテンツを表示し、再生画面において、動的コンテンツと、静的コンテンツとの時間関係を示す補助画像を表示する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、利用者の利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1A図1Aは、データ収集システムの概要を示す図である。
図1B図1Bは、データ収集システムの概要を示す図である。
図1C図1Cは、データ収集システムの概要を示す図である。
図2図2は、利用者端末のブロック図である。
図3図3は、メタデータの一例を示す図である。
図4図4は、収集データの一例を示す図である。
図5図5は、サムネイル画像の選択条件の受付画面の一例を示す図である。
図6A図6Aは、補助画像を説明する図である。
図6B図6Bは、補助画像を説明する図である。
図6C図6Cは、補助画像を説明する図である。
図7図7は、補助画像を説明する図である。
図8図8は、走行軌跡とグラフ画像の表示範囲との関係を示す図である。
図9図9は、利用者端末が実行する処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、実施形態に係る表示制御装置、データ収集システムおよび表示制御方法について説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0010】
まず、実施形態に係るデータ収集システムの概要について、図1A図1Cを用いて説明する。図1A図1Cは、データ収集システムの概要を示す図である。
【0011】
図1Aに示すように、実施形態に係るデータ収集システム1は、データ収集装置10と、車両V-1,V-2,V-3…にそれぞれ搭載された車載装置100-1,100-2,100-3…と、利用者端末200とを含む。なお、以下では、車両全般を指す場合には「車両V」と、また、車載装置全般を指す場合には「車載装置100」と、それぞれ記載する。また、第1の実施形態では、本願に係る通信状態表示装置が、データ収集装置10に含まれる場合を例に挙げて説明を行う。
【0012】
データ収集装置10は、例えばインターネットや携帯電話回線網等のネットワークを介したクラウドサービスを提供するクラウドサーバとして構成され、データ利用者から車両Vに関する所定の車両データの収集要求を受け付けるとともに、受け付けた収集要求に基づき、各車載装置100から車両データを収集する。そして、データ収集装置10は、収集された車両データを利用者へ提供する。
【0013】
車載装置100は、例えばカメラ、加速度センサ、GPS(Global Positioning System)センサ、車速センサ、アクセルセンサ、ブレーキセンサ、操舵角センサといった各種センサ、記憶デバイス、マイクロコンピュータなどを有する装置である。車載装置100は、データ収集装置10が受け付けた収集要求に応じた採取指示をデータ収集装置10から取得し、かかる採取指示に基づいて車両データを車両Vから採取(取得)する。
【0014】
上記したカメラは、例えば車両Vの周囲を撮像して動画データを出力することができる。また、加速度センサは車両Vに作用する加速度を検出し、GPSセンサは、車両Vの位置を検出する。車速センサは、車両Vの車速を検出する。また、アクセルセンサは、アクセルペダルの操作量を検出し、ブレーキセンサは、ブレーキペダルの操作量を検出する。また、操舵角センサは、車両Vのハンドルの操舵角を検出する。なお、車載装置100としては、例えばドライブレコーダを用いることができる。
【0015】
また、車載装置100は、採取した車両データをデータ収集装置10へ適宜アップロードする。このようにドライブレコーダを車載装置100として兼用することによって、車両Vへ搭載する車載部品を効率化することができる。なお、兼用することなく、車載装置100とドライブレコーダとを別体で構成してもよい。
【0016】
利用者端末200は、データ利用者が利用する端末であり、例えばノート型PC(Personal Computer)や、デスクトップ型PC、タブレット端末、PDA(Personal Digital Assistant)、スマートフォン、眼鏡型や時計型の情報処理端末であるウェアラブルデバイス(wearable device)などである。なお、利用者端末200は、表示制御装置の一例であり、データ利用者は、利用者の一例である。
【0017】
本実施形態に係るデータ収集システム1では、利用者端末200を介して指定された収集条件を元に、データ収集装置10が車載装置100から車両データを収集し、利用者端末200へ提供することができる。そして、利用者端末200のデータ利用者は、提供された車両データを用いることで、車両データを収集した車両Vの挙動や車両Vに発生した事象などを分析することができる。
【0018】
以下、図1A図1Cを用いて、データ収集システム1においてデータ利用者へ車両データが提供されるまでの一連の流れについて説明する。図1Aに示すように、まず、データ利用者は、データ収集装置10と接続された利用者端末200により収集条件を指定する。
【0019】
ここで、上記した収集条件には、収集のトリガとなる条件など各種パラメータが含まれ、かかる収集のトリガとなる条件の一例としては、例えば車速が所定速を超えた場合などがある。
【0020】
また、収集条件が指定される際に、データ収集装置10は、収集することとなる実データR(車両データの一例)に付加され、かかる実データRの検索や概要把握に用いられるインデックスデータとしての特性を有するタグデータTの生成用データを生成する。すなわち、タグデータTとは、実データRがメタデータ化されたメタデータである。なお、かかるタグデータTの生成用データは、利用者端末200あるいはデータ収集装置10に記憶されたプログラムや生成用データを用いつつ、データ利用者の操作に基づいて生成される。
【0021】
そして、指定された収集条件や、生成されたタグデータTの生成用データは、データ収集装置10に記憶されるとともに、データ収集の対象となる車両Vへ配信されて、車載装置100にも記憶される。
【0022】
次に、各車載装置100は、各種センサの出力データを監視し、記憶している収集条件を満たすイベントが発生した場合に(例えば、車速が所定速を超えた場合)、出力データや動画データ等の実データRを記憶デバイスに記憶する。
【0023】
各車載装置100は、記憶しているタグデータTの生成用データと実データRとに基づき、当該実データRに対応するタグデータTを生成して記憶する。そして、各車載装置100は、タグデータTをデータ収集装置10にアップロードし、データ収集装置10はそのタグデータTを記憶する。このとき、実データRは、データ収集装置10へはアップロードされない。つまり、図1Aに示すように、データ収集装置10は、タグデータTのみを保有した状態となる。
【0024】
そして、データ利用者が、利用者端末200により、収集状況の確認や実データRの収集のためにデータ収集装置10と接続すると、データ収集装置10により収集されたタグデータTに基づくメタデータが利用者端末200に表示される。
【0025】
そして、図1Bに示すように、データ利用者が、所定の実データR(車両データ。例えば動画データなど)を収集して送信を所望する場合、利用者端末200により、収集する実データRに対応するタグデータTを指定する。これにより、利用者端末200は、データ収集装置10に所定の実データR(車両データ)の送信要求を出力する。そして、データ収集装置10は、送信要求に応じた実データRの送信指示(言い換えると、実データRを指定する指示データ)を該当の車載装置100へ出力する。
【0026】
その後、図1Cに示すように、送信指示に基づき、指定された実データRが、各車載装置100からデータ収集装置10へ送信(アップロード)され、データ収集装置10に記憶される。そして、データ利用者が、利用者端末200により、データ収集装置10に記憶された実データRにアクセスして、かかる実データRの閲覧やダウンロードなどデータ収集装置10から利用者端末200へ実データRの送信処理が行われる。
【0027】
なお、車載装置100のデータ容量の観点からは、データ収集装置10にアップロードされた実データRおよびこれに対応するタグデータTは、データ収集装置10へのアップロード後に車載装置100から削除されることが好ましい。
【0028】
また、タグデータTは、実データRの一部を単純に抜粋したようなデータではなく、データ利用者が参照したときに実データRの概要を把握し、実データRの要否を判断できる程度にメタデータ化されていることが好ましい。
【0029】
このように、実施形態に係るデータ収集システム1は、データ収集装置10は、利用者から指定された収集条件に合致するタグデータTを各車載装置100から収集したうえで、タグデータTに応じたメタデータを利用者端末200へ提供する。
【0030】
利用者は、かかるメタデータに基づいて、実際に収集する実データRを利用者端末200上で指定することで、データ収集装置10が、かかる実データRを各車載装置50から収集し、かかる実データRを利用者端末200へ送信する。
【0031】
このようなデータ収集システム1において、利用者が例えば自動運転の評価や開発などに携わる技術者である場合、技術者はデータ種別が異なる複数の実データRを時系列に並べて解析を行う場合がある。
【0032】
このため、利用者端末200は、図1Cに示すように、再生画面210を複数の領域に分割し、分割した領域毎に異なるコンテンツを表示する。図1Cに示す例では、再生画面210を第1領域A1~第5領域A5の計5つの領域に分割し、第1領域A1~第5領域A5にそれぞれ異なるコンテンツが表示される場合を示す。
【0033】
図1Cの例において、第1領域A1は、データの収集対象となった車両Vである対象車両や、再生されるデータの基本情報に関するコンテンツが表示される領域である。また、第2領域A2は、対象車両の走行位置に関するコンテンツが表示される領域であり、地図画像上に対象車両の走行軌跡Tが表示される。
【0034】
第3領域A3は、対象車両上で撮像された映像に関するコンテンツが表示される領域である。第4領域A4は、第3領域A3に表示される画像データの静的コンテンツであるサムネイル画像が表示される領域である。サムネイル画像は、例えば、対応する再生範囲における1つの画像データであり、静止画である。
【0035】
また、第5領域A5は、車両Vで得られる各センサデータに関する各センサデータの推移を示すグラフ画像が表示される領域である。なお、例えば、各センサデータは、上述のメタデータ(またはタグデータT)の一例であり、画像データは、上述の実データRの一例に対応する。すなわち、データ容量の大きい画像データのみを後から収集することで、通信負荷などを抑えることが可能である。
【0036】
なお、画像データのうち、サムネイル画像をメタデータとすることにしてよいし、任意のセンサデータを実データRとすることにしてもよい。つまり、データ収集システム1では、利用者の要求等に応じて、メタデータや実データRを任意に変更することが可能である。
【0037】
このように、利用者端末200は、利用者が所望するデータを第3領域A3に表示される画像データと、第5領域A5に表示されるグラフ画像とを連動させて再生させることで、利用者に対して、画像データと、グラフ画像との時刻関係を把握させることができる。
【0038】
しかしながら、複数のコンテンツを同一画面に表示する場合、第2領域A2に表示される走行軌跡Tや、第4領域A4に表示されるサムネイル画像は、静止画であるため画像データやグラフ画像との時間関係を利用者に対して把握させにくい。
【0039】
このため、利用者端末200は、時間関係を示す補助画像を重畳表示することで、利用者に対して、各コンテンツの時刻関係を容易に把握させることができる。
【0040】
具体的には、利用者端末200は、走行軌跡T上に車両マークM1を補助画像として表示し、現在の再生位置に応じて、かかる車両マークM1を走行軌跡T上を移動させる。つまり、車両マークM1を現在の再生位置に連動させることで、現在の再生位置に対応する車両Vの位置情報を容易に認識させることができる。
【0041】
また、図1Cに示すように、サムネイル画像をグラフ画像の時間軸に沿って並べて表示しておき、サムネイル画像と、グラフ画像との現在の再生位置を示すシークバーM2を補助画像として表示する。
【0042】
これにより、利用者に対して、サムネイル画像と、グラフ画像との時間関係を容易に把握することができる。このように、利用者端末200は、再生画面210において、車両マークM1や、シークバーM2を補助画像として表示する。
【0043】
これにより、利用者は、再生画面210上に表示された各コンテンツの時間関係を容易に把握することが可能となる。したがって、利用者端末200によれば、利用者の利便性を向上させることが可能となる。
【0044】
次に、図2を用いて、利用者端末200の構成例について説明する。図2は、利用者端末200の構成例を示すブロック図である。なお、図2では、データ収集装置10と、複数の車載装置100を含むデータ収集システム1を併せて示す。
【0045】
図2に示すように、利用者端末200は、操作部201と、通信部202と、表示部203と、記憶部204と、制御部205とを備える。
【0046】
操作部201は、データ利用者から各種操作を受け付ける入力デバイスである。例えば、操作部201は、データ利用者の操作による車両データの収集要求や送信要求を受け付けることができる。そして、操作部201は、データ利用者から受け付けた操作内容を示す情報を制御部205へ出力する。
【0047】
通信部202は、例えばNIC等によって実現される。通信部101は、ネットワークNと無線で接続され、ネットワークNを介して、データ収集装置10との間で情報の送受信を行う。
【0048】
表示部203は、例えば液晶ディスプレイである。例えば、表示部203は、収集条件の受付画面や、メタデータに基づく送信指示の受け付け画面、上記した再生画面210などを表示することができる。
【0049】
記憶部204は、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現され、図2の例では、収集条件情報DB204aと、メタデータDB204bと、収集データDB204cとを記憶する。
【0050】
収集条件情報DB204aは、データ利用者による操作部201の操作によって入力された収集条件であって、上記した収集要求に含まれる収集条件を記憶する。
【0051】
メタデータDB204bは、収集要求に基づいて、データ収集装置10から送信されるメタデータを記憶する。メタデータDB204bに記憶されるメタデータは、データ収集装置10が各車載装置50から収集したタグデータTを利用者用に加工したデータである。
【0052】
図3は、メタデータの一例を示す図である。図3に示す例において、メタデータは、「タグID」、「車両ID」、「位置」、「車種」、「日時」、「イベント」などの項目が含まれる。
【0053】
「タグID」は、タグデータTを識別する識別情報である。「車両ID」は、車両Vを識別する識別情報である。「位置」は、車両VでタグデータTが生成された位置を示し、「車種」は、対応するタグデータTを生成した車両Vの車種を示す。
【0054】
また、「日時」は、車両VでタグデータTが生成された日時を示し、「イベント」は、タグデータTがどの収集条件に基づいて生成されたかを示す。図3に示す例では、便宜上、「イベント」を「イベントF1」といったように抽象的な記載とするが、「イベントF1」には具体的な情報が記憶されるものとする。
【0055】
図2の説明に戻り、収集データDB204cについて説明する。収集データDB204cは、データ収集装置10によって収集された収集データであって、データ収集装置10から送信された収集データを記憶する。言い換えると、収集データDB204cは、データ収集装置10の収集データDB(不図示)と同様の収集データ、または、かかる収集データDBの収集データの一部を記憶する。なお、収集データは、前述のタグデータTや実データRなどを含んでもよい。
【0056】
図4は、収集データの一例を示す図である。図4に示す例において、収集データには、「タグID」、「車両ID」、「動画データ」、「車速」、「アクセル」、「ブレーキ」、および「操舵角」等の項目が含まれる。
【0057】
「タグID」は、タグデータTを識別する識別情報である。「車両ID」は、車両Vを識別する識別情報である。「動画データ」は、カメラによって撮像された動画データを示す情報である。なお、図4に示す例では、便宜上、「動画データ」を「動画C1」といったように抽象的な記載とするが、「動画C1」には具体的な情報が記憶されるものとする。
【0058】
「車速」は、車両Vの車速を示す情報である。「アクセル」は、アクセルペダルの操作量を示す情報であり、「ブレーキ」は、ブレーキペダルの操作量を示す情報である。また、「操舵角」は、車両Vのハンドルの操舵角を示す情報である。
【0059】
図4に示す例において、タグID「T1」で識別されるデータは、車両IDが「B01」、動画データが「動画C1」、車速が「車速D1」、アクセルが「E1」、ブレーキが「ブレーキF1」、操舵角が「操舵角G1」であることを示している。
【0060】
図2の説明に戻り、制御部205について説明する。制御部205は、コントローラであり、例えば、CPUやMPU等によって、利用者端末200内部の記憶デバイスに記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部205は、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現することができる。
【0061】
制御部205は、受付部205aと、送信部205bと、取得部205cと、再生部205dと、表示制御部205eとを備え、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。
【0062】
受付部205aは、操作部201を介して入力された車両データの収集要求や送信要求を受け付ける。そして、例えば、受付部205aは、受け付けた収集要求に含まれる収集条件を収集条件情報DB204aに記憶する。また、例えば、受付部205aは、受け付けた送信要求を送信部205bへ出力する。また、受付部205aは、再生画面210(図1C参照)に対する各種操作を受け付ける。
【0063】
送信部205bは、収集条件を示す情報などをデータ収集装置10へ送信する。例えば、送信部205bは、収集条件情報DB204aへアクセスし、収集条件を含む収集要求をデータ収集装置10へ送信する。また、送信部205bは、受付部205aから入力された送信要求を、通信部202を介してデータ収集装置10へ送信する。
【0064】
取得部205cは、車両でそれぞれ得られる車両データの推移を示す複数の時系列データを取得する。具体的には、取得部205cは、データ収集装置10によって収集されて送信された車両データ(実データR)を通信部202を介して取得し、収集データDB204cに記憶する。
【0065】
なお、車両データは、タグデータT、実データRおよびメタデータを含む概念である。また、車両データのうち、時系列のデータを時系列データと定義する。
【0066】
再生部205dは、取得部20dcによって取得された複数の時系列データのうち、第1時系列データに基づく動的コンテンツを再生する。再生部205dは、例えば、受付部205aによって受け付けられた利用者による操作に応じた時系列データを、収集データDB204cから読み出すことで、指定された時系列データに基づく動的コンテンツを再生する。
【0067】
ここで、センサデータは、車両Vの各センサ(速度センサ、ブレーキセンサ、舵角センサなど)で検出されたデータであり、第1時系列データの一例である。センサデータは、時間軸に沿って変化するため、センサデータに基づくグラフ画像は、動的コンテンツとなる。なお、センサデータに基づき、再生部205dがグラフ画像を生成することにしてもよいし、グラフ画像をデータ収集装置10側で生成することにしてもよい、この場合、上記の取得部205cは、時系列データとして、グラフ画像を取得することになる。
【0068】
また、図1Cに示したように、再生部205dは、画像データをグラフ画像に同期させて同時再生する。ここで、画像データは、第2時系列データの一例であり、再生部205dは、画像データを動的コンテンツとして再生する。
【0069】
表示制御部205eは、再生部205dによって再生される再生画面210において、第2時系列データに基づく静的コンテンツを表示する。
【0070】
図1Cに示したように、再生画面210に、グラフ画像や、画像データが表示されるとともに、走行軌跡Tや、サムネイル画像が表示される。表示制御部205eは、走行軌跡Tや、サムネイル画像を生成し、再生画面210に表示するともに、走行軌跡Tおよびサムネイル画像と他の動的コンテンツとの時間関係を示す補助画像を再生画面210上に表示する。
【0071】
例えば、表示制御部205eは、時系列の位置データを繋ぎ合わせることで、走行軌跡Tを生成し、画像データから所定の再生範囲につき、1つの画像データを選択し、サムネイル画像を生成する。
【0072】
走行軌跡Tおよびサムネイル画像は、一旦表示した後は基本的に表示態様が変化しないコンテンツであるため静的コンテンツとなる。
【0073】
ここで、表示制御部205eは、利用者によって指定された選択条件に基づいて、画像データからサムネイル画像を選択することも可能である。図5は、サムネイル画像の選択条件の受付画面の一例を示す図である。
【0074】
図5に示す例において、選択条件の受付画面は、各選択条件とチェックボックスが表示され、利用者は操作部201を操作することで、選択条件を選択することが可能である。
【0075】
図5に示す例では、選択条件が、「イベント発生」、「交差点」、「詳細設定」などの項目を含む場合について示している。「イベント発生」は、収集条件によって指定したイベントの発生時刻の画像データをサムネイル画像として選択することを示す。また、「交差点」は、車両Vが交差点に位置するときの画像データをサムネイル画像として選択することを示す。
【0076】
また、「詳細設定」においては、さらに詳細な選択条件を設定することも可能である。具体的には、例えば、各選択条件の優先順位を設定したり、1つ当たりのサムネイル画像の再生範囲を設定したりすることができる。
【0077】
そして、表示制御部205eは、利用者によって指定された選択条件に基づいて、画像データからサムネイル画像を選択し、第4領域A4に第4コンテンツC4として表示する。
【0078】
このように、表示制御部205eは、利用者が指定した選択条件に基づいて、サムネイル画像を選択することで、利用者は、サムネイル画像から対応する画像データ(映像)の内容を容易に把握することができる。
【0079】
なお、利用者端末200は、利用者によって指定された選択条件をデータ収集装置10へ送信しておき、データ収集装置10側でサムネイル画像を選択することにしてもよい。この場合、利用者端末200は、サムネイル画像を利用者へ提示したうえで、利用者が選択したサムネイル画像が示す再生範囲の画像データをデータ収集装置10から取得することにしてもよい。
【0080】
続いて、表示制御部205eの補助画像に対する処理について説明する。まず、補助画像である車両マークM1およびシークバーM2のうち、シークバーM2に対する処理について説明する。
【0081】
図6A図6Cおよび図7は、補助画像を説明する図である。なお、以下では、再生画面210を簡略化して示す。まず、図6Aを用いて、シークバーM2とサムネイル画像およびグラフ画像との関係について説明する。なお、以下では、説明を分かりやすくする観点から、サムネイル画像の再生範囲に対応させて、グラフ画像を複数のグラフ画像G1~G7に分割して示す。
【0082】
図6Aの上図に示す例において、第4領域A4に、サムネイル画像S1~S7の計7つのサムネイル画像Sが表示される。各サムネイル画像Sは、それぞれ対応する再生範囲における1つの画像データである。
【0083】
具体的には、サムネイル画像S1は、時刻t10~t11までの再生範囲における1つの画像データであり、サムネイル画像S2は、時刻t11~t12までの再生範囲における1つの画像データである。
【0084】
図6Aの上図の状態から再生を開始し、所定時間経過すると、例えば、シークバーM2が画面中央に固定された状態で、グラフ画像Gおよびサムネイル画像Sが左側にスライドし、図6Aの下図に示すように表示される。
【0085】
また、図6Aの上図に示すように、現在の再生中の画像データに対応するサムネイル画像S4には、再生位置を示す吹き出しマークM3が表示される。利用者は、吹き出しマークM3によって、第3領域A3(図1C参照)にて再生中の画像データがどのサムネイル画像の再生範囲に対応するかを容易に認識することが可能となる。
【0086】
ここで、図6Aに示すように、シークバーM2は、グラフ画像Gの現在の再生箇所を示すとともに、第3領域A3において、現在再生中の画像データに対応するサムネイル画像Sを示す。つまり、シークバーM2は、動的コンテンツであるグラフ画像Gと、静的コンテンツであるサムネイル画像Sとの時間関係、(および、これらと再生中の画像データの再生位置との時間関係)を示すことになる。
【0087】
また、図6Aに示すように、シークバーM2は、両矢印型の枠体であり、その内部は、透過性を有する。つまり、シークバーM2によって、グラフ画像Gの視認性の低下を抑制する形状となっている。
【0088】
したがって、利用者端末200は、シークバーM2を表示することで、各コンテンツの視認性を損なわずに、各コンテンツの時間関係を利用者に把握させることが可能となる。なお、図6Aに示すシークバーM2の形状は、一例であり、グラフ画像Gと、サムネイル画像Sとの時間関係を示すものであれば、その他の形状であってもよい。
【0089】
また、図6Bのように、グラフ画像Gおよびサムネイル画像Sを固定表示した状態で、シークバーM2および吹き出しマークM3を再生位置にあわせて移動させることも可能である。この場合、吹き出しマークM3は、現在、再生中の画像データが、サムネイル画像Sの再生範囲のどの位置であるかを示すことになる。
【0090】
このように、吹き出しマークM3を現在の再生位置に連動させて表示することで、利用者は、再生中の画像データがサムネイル画像Sのどの再生範囲に対応するかを容易に認識することが可能となる。
【0091】
なお、ここでは、シークバーM2および吹き出しマークM3がそれぞれ現在の再生箇所にあわせて移動する場合について説明したが、これに限定されるものではない。すなわち、シークバーM2および吹き出しマークM3のうち、いずれか一方を固定して表示し、画像データGまたはサムネイル画像Sを移動させながら再生することにしてもよい。つまり、図6Aに示した表示方法と、図6Bに示した表示方法とを組み合わせることにしてもよい。
【0092】
なお、シークバーM2によって、現在再生中の画像データに対応するサムネイル画像Sと、現在のグラフ画像Gとの対応関係を示し、吹き出しマークM3によってサムネイル画像Sにおける再生位置を示すことにしてもよい。この場合、現在の再生位置に対応するサムネイル画像が画面中央に表示されることになり、かかるサムネイル画像S内を吹き出しマークM3が移動する。そして、かかるサムネイル画像Sに対応する再生範囲から逸脱すると、次のサムネイル画像Sが順次画面中央に表示されることになる。
【0093】
また、ここでは、吹き出しマークM3を再生位置にあわせて、移動させる場合について説明したが、グラフ画像Gを固定した状態で、シークバーM2を移動させて表示することにしてもよい。
【0094】
ところで、上述のように、データ収集システム1では、データ収集装置10は、各車載装置100から最低限の画像データを取得することで、通信負荷等を抑えることができる。このため、利用者端末200が、データ収集装置10から取得する画像データは全てが連続的なデータではなく、一部が離散的なデータである場合も想定される。
【0095】
この場合、利用者端末200は、図6Cに示すように、画像データを取得していない再生範囲のサムネイル画像をブランクBとすることにしてもよい。なお、図6Cに示す例では、サムネイル画像S4と、サムネイル画像S6との間がブランクBであることを示す。
【0096】
このように、サムネイル画像Sにおいて、予めブランクBを表示しておくことで、利用者に対して、画像データにブランクBがあることを容易に把握させることが可能となる。
【0097】
なお、サムネイル画像を生成する条件が成立した場合にサムネイル画像を生成表示する表示方法も考えられるが、この方法ではサムネイル画像間が長くなる場合もブランクBが生成されることになる。ユーザはブランクBにより、その区間はサムネイル画像を生成するような事象が発生していないことを把握できる。また、サムネイル画像を生成する条件が短時間間隔で成立した場合には、サムネイル画像を縮小したり、重ね合わせ表示したり、適宜ずらして表示するなどして、サムネイル画像とグラフ画像G等との時間・位置関係が把握しやすいような表示とすることが望ましい。
【0098】
続いて、図7を用いて、利用者の操作に基づく再生部205dおよび表示制御部205eの処理について説明する。図7に示すように、利用者端末200は、シークバーM2の移動操作を受け付けることができる。
【0099】
この場合、再生部205dは、移動後のシークバーM2に対応する再生位置が再生されるように再生位置を変更する。図7の例では、シークバーM2が時刻taへ変更された場合を示す。このため、再生部205dは、時刻taから再生を再開することになる。
【0100】
そして、表示制御部205eは、図7の下図に示すように、シークバーM2が基準位置である画面中央に戻るように、再生画面210を制御する。つまり、時刻taを基準として、サムネイル画像Sおよびグラフ画像Gが全体的に左側へスライドするように、表示態様を制御する。
【0101】
このとき、表示制御部205eは、シークバーM2が徐々に基準位置にくるように、サムネイル画像Sおよびグラフ画像Gを徐々にスライドさせることが好ましい。このようにすることで、利用者に対して、現在の再生位置が時刻taを変更させたことを認識させつつ、シークバーM2に対する次の操作範囲(再生範囲)を拡張することができる。
【0102】
なお、ここでは、シークバーM2に対する操作を受け付ける場合について説明したが、吹き出しマークM3についても同様の操作を受け付けることにしてもよい。
【0103】
さらに、グラフ画像Gやサムネイル画像Sのスライド操作を受け付けることも可能であり、この場合、シークバーM2および吹き出しマークM3を固定した状態で、再生位置を変更することもできる。
【0104】
このように、利用者は、シークバーM2によってグラフ画像Gやサムネイル画像Sの時間関係を認識しつつ、再生位置を容易に調節することが可能となる。
【0105】
続いて、図8を用いて、車両マークMに対する再生部205dおよび表示制御部205eに対する処理について説明する。図8は、走行軌跡Tとグラフ画像Gの表示範囲との関係を示す図である。なお、図8では、再生画面210を簡略化し、第2領域A2および第5領域A5のみを抽象化して示す。
【0106】
図8に示すように、第2領域A2には、走行軌跡Tと、走行軌跡T上に車両マークM1が表示される。なお、上述のように、走行軌跡Tは、静的コンテンツの一例であり、走行軌跡Tの元データとなる位置データは、第2時系列データの一例である。
【0107】
表示制御部205eは、現在の再生位置にあわせて、車両マークM1を走行軌跡T上を移動させて表示することで、各コンテンツの取得位置を容易に把握させることができる。
【0108】
また、利用者端末200は、車両マークM1に対する移動操作を受け付けることもでき、移動操作によって移動後の車両マークM1の位置から、グラフ画像G、画像データなどを再生させることも可能である。
【0109】
ここで、表示制御部205eは、地図画像上に示す走行軌跡Tに基づいて、動的コンテンツの表示範囲を変更することも可能である。具体的には、走行軌跡Tの始点Spと、終点Epとに応じて、グラフ画像Gの表示範囲を設定する。
【0110】
具体的には、表示制御部205eは、始点Spのセンサデータがグラフ画像の表示範囲のスタート時刻tsとなり、終点Seのセンサデータが終了時刻teとなるように、表示範囲を設定する。
【0111】
つまり、表示制御部205eは、地図画像上に表示された走行軌跡Tにおける全ての走行期間のセンサデータの推移が表示されるように、グラフ画像Gの表示範囲を設定する。これにより、利用者は、走行軌跡Tにおける全てのグラフ画像Gを認識することができる。なお、ここでは、走行軌跡Tに基づいてグラフ画像Gの縮尺を変更する場合について示したが、グラフ画像Gの縮尺にあわせて、サムネイル画像Sの縮尺を変更することにしてもよい。
【0112】
なお、表示制御部205eは、利用者による操作に基づき、地図画像や、走行軌跡Tをそれぞれ拡大・縮小表示することも可能であり、例えば、拡大表示した場合には、第2領域A2に走行軌跡Tの一部が表示される場合もある。この場合、第2領域A2に表示された走行軌跡Tの始点Spと、終点Epとに基づいて、グラフ画像の表示範囲を設定することにすればよい。また、表示制御部205eは、グラフ画像Gに対する拡大・縮小操作に基づいて、地図画像や走行軌跡Tの縮尺を変更することにしてもよい。
【0113】
次に、図9を用いて、実施形態に係る利用者端末200が実行する処理手順について説明する。図9は、利用者端末200が実行する処理手順を示すフローチャートである。なお、図9では、再生画面210の再生を開始するまでの一連の処理手順について説明する。
【0114】
図9に示すように、利用者端末200は、まず、利用者の操作に基づいて、メタデータに基づく送信指示をデータ収集装置10へ送信する(ステップS100)。データ収集装置10は、かかる送信指示に基づき、対応する車載装置100から実データRを収集することになる。
【0115】
続いて、利用者端末200は、データ収集装置10へアクセスし、時系列データを取得し(ステップS101)、メタデータまたは実データRの時系列データに基づいて、静的コンテンツ(走行軌跡T、サムネイル画像S)を生成する(ステップS102)。なお、上述のように、ステップS102の処理は、データ収集装置10で行われることにしてもよいし、あるいは、車載装置100で行われることにしてもよい。
【0116】
続いて、利用者端末200は、再生画面210に補助画像(車両マークM1、シークバーM2)を重畳し(ステップS103)、その後、利用者の操作に基づいて、動的コンテンツの再生を開始し(ステップS104)、処理を終了する。なお、動的コンテンツの再生に伴い、補助画像(車両マークM1、シークバーM2)も変更され重畳される。
【0117】
上述したように、実施形態に係る利用者端末200(表示制御装置の一例)は、取得部205cと、再生部205dと、表示制御部205eとを備える。取得部205cは、車両Vでそれぞれ得られる車両データの推移を示す複数の時系列データを取得する。再生部205dは、取得部205cによって取得された複数の時系列データのうち、第1時系列データに基づく動的コンテンツを再生する。
【0118】
表示制御部205eは、再生部205dによって再生される動的コンテンツの再生画面210において、第2時系列データに基づく静的コンテンツを表示し、再生画面において、動的コンテンツと、静的コンテンツとの時間関係を示す補助画像を表示する。したがって、実施形態に係る表示制御装置によれば、利用者の利便性を向上させることができる。
【0119】
ところで、上述の実施形態では、表示制御装置が利用者端末200である場合について示したが、表示制御装置は、データ収集装置10であってもよい。すなわち、データ収集装置10が再生画面210の表示内容を生成し、利用者端末200は、かかる表示内容をデータ収集装置10から受信して再生するようにしてもよい。
【0120】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0121】
1 データ収集システム
10 データ収集装置
100 車載装置
200 利用者端末
205 制御部
205a 受付部
205b 送信部
205c 取得部
205d 再生部
205e 表示制御部
S サムネイル画像(静的コンテンツの一例)
T 走行軌跡(静的コンテンツの一例)
M1 車両マーク(補助画像の一例)
M2 シークバー(補助画像の一例)
M3 吹き出しマーク
図1A
図1B
図1C
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図7
図8
図9