(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-15
(45)【発行日】2023-11-24
(54)【発明の名称】スラットガイド機構
(51)【国際特許分類】
E06B 9/17 20060101AFI20231116BHJP
E06B 9/58 20060101ALI20231116BHJP
【FI】
E06B9/17 W
E06B9/58 Z
(21)【出願番号】P 2019156687
(22)【出願日】2019-08-29
【審査請求日】2022-07-29
(73)【特許権者】
【識別番号】307038540
【氏名又は名称】三和シヤッター工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103137
【氏名又は名称】稲葉 滋
(74)【代理人】
【識別番号】100145838
【氏名又は名称】畑添 隆人
(72)【発明者】
【氏名】山藤 義広
(72)【発明者】
【氏名】高橋 巧
【審査官】河本 明彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-121462(JP,A)
【文献】特開2000-192758(JP,A)
【文献】特開2008-106544(JP,A)
【文献】特開2004-162427(JP,A)
【文献】特開2004-52340(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/00 - 9/92
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部の上方に離間対向して設けた第1まぐさ部材、第2まぐさ部材の垂直面間にシャッターカーテン昇降用の開口が形成されており、前記第1まぐさ部材は、上面と、前記開口に面して前記上面から垂下する垂直面と、前記垂直面と反対側に位置して前記上面から立ち上がる垂直辺と、を備え、
前記第1まぐさ部材の上面に取り付けられて、シャッターカーテンの昇降を案内するスムーサ
は、
ブラケットと、
前記ブラケットに回転自在に支持された上側のガイドローラと、
前記ブラケットに支持された下側のガイド体と、から形成
され、
前記ブラケットは、当該ブラケットの中央底片及び左右の底片が前記第1まぐさ部材の前記上面に固定されており、
前記ガイド体は金属製支持部材と、前記金属製支持部材に設けた樹脂ガイドと、からなり、
側面視において、前記ガイド体の上方部位と前記ガイドローラの下半部はオーバーラップする高さ位置にあり、前記樹脂ガイドのガイド面の少なくとも上方部位は、前記ガイドローラの周面の高さ方向略中間点の接線方向に延びて
おり、
前記ガイド体の下方部位は、前記上面を越えて下方に延びており、前記第1まぐさ部材の前記垂直面に当接しており、
前記第1まぐさ部材の前記上面には、前記スムーサに対応して、スムーサ補強材が設けてあり、
前記スムーサ補強材は、前記第1まぐさ部材の前記上面の見込方向に延びる底面と、前記底面から対向状に立ち上がる左右一対の側片と、前記一対の側片の前端側を連結する前面と、を備え、前記底面を前記上面に載置し、前記前面を前記垂直辺に当接した状態で前記第1まぐさ部材に固定されており、
前記スムーサ補強材の前記一対の側片の後端部位は、前記底面の後端縁を越えて後方に延びる一対の延出片となっており、前記一対の延出片の下端縁と前記上面との間には隙間が形成されており、前記隙間に前記ブラケットの前記左右の底片を位置させた状態で、前記一対の延出片で前記左右の底片を上から押えるようになっている、
スラットガイド機構。
【請求項2】
前記第1まぐさ部材の上面は、前記第2まぐさ部材の上面よりも低い位置にあり、
前記ガイドローラの少なくとも部分は、前記第2まぐさ部材の上面よりも下方に位置している、
請求項
1に記載のスラットガイド機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開口部の上方でシャッターカーテンの昇降を案内するスムーサを備えたスラットガイド機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
重量シャッター等のシャッター上部構造において、配管やダクトで階高の天井内スペースが制限される場合があり、天井内スペースの高さ方向の省スペース化を図るために、スムーサとして比較的小型のガイドローラを用いている(特許文献1)。
【0003】
このようなシャッター上部構造において、高さ方向のさらなる省スペース化を図ろうとした場合、ガイドローラをさらに小径にすると、ガイドローラの耐荷重が小さくなり、かつ、スラットピッチに対するローラ径が相対的に小さくなるため、ガイドローラとシャッターカーテン(特にインターロック部)との干渉音が増大してしまうという課題がある。
【文献】特開2012-211491
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、シャッター上部構造の高さ方向の省スペース化を図るにあたり、スムーサとシャッターカーテンの干渉音を抑制することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明が採用した技術手段は、
開口部の上方でシャッターカーテンの昇降を案内するスムーサを、
上側のガイドローラと、下側のガイド体と、から形成し、
前記ガイド体は金属製支持部材と、前記金属製支持部材に設けた樹脂ガイドと、からなり、
側面視において、前記ガイド体の上方部位と前記ガイドローラの下半部はオーバーラップする高さ位置にあり、前記樹脂ガイドのガイド面の少なくとも上方部位は、前記ガイドローラの周面の高さ方向略中間点の接線方向に延びている、
スラットガイド機構、である。
【0006】
1つの態様では、開口部の上方に離間対向して設けた第1まぐさ部材、第2まぐさ部材の垂直面間にシャッターカーテン昇降用の開口が形成されており、
前記スムーサは前記第1まぐさ部材の上面に取り付けてあり、
前記ガイド体の下方部位は、前記上面を越えて下方に延びており、前記第1まぐさ部材の垂直面に当接している。
ガイド体の下方部位を第1まぐさ部材(実施形態におけるケースまぐさ)の上面(実質的にシャッター収納部の下面を形成する)よりも下方に位置させることで、シャッター上部の収納空間の高さ寸法に影響を与えることなく、スムーサの所望の高さ寸法を確保することができ、かつ、ガイド体の下方部位を前記第1まぐさ部材の垂直面に当接させることで、耐荷重を増大させることができる。
【0007】
1つの態様では、前記第1まぐさ部材の上面は、前記第2まぐさ部材の上面よりも低い位置にあり、
前記ガイドローラの少なくとも部分は、前記第2まぐさ部材の上面よりも下方に位置している。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、スムーサを、上側のガイドローラと、下側のガイド体とから形成したことで、小径のガイドローラを採用した場合であっても、スムーサの耐荷重を上側のガイドローラと下側のガイド体で負担することができ、また、スムーサの所望高さ寸法(例えば、スラットの高さ寸法と略同じ高さ寸法)を確保することができ、スムーサによるシャッターカーテンの昇降案内時に、スラットがより安定した姿勢でスムーサに接触することで、干渉音を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態に係るシャッター装置の正面図である。
【
図2】本シャッター装置の建物開口部上方部位の縦断面図(駆動側に向かって観た図)である。
【
図5】建物開口部上方部位の縦断面図(従動側に向かって観た図)である。
【
図6】ケースまぐさの上面図及び前方から見た正面図である。
【
図7】ケースまぐさのスムーサが設けられた部位の上面図、後方から見た正面図、側面図である。
【
図8】(A)はスムーサを後方から見た正面図及び側面図、(B)はスムーサの支持ブラケットを後方から見た正面図及び側面図、(C)は樹脂ガイドを示す図である。
【
図8A】スムーサとスラットの当接態様を示す図である。
【
図12】隣接するケース板の繋ぎ部を示す部分上面図である。
【
図13】シャッター上部構造におけるケース板の取付を説明する図である。
【
図15】ケースつなぎ材がケース補強材に2箇所で固定された状態を示す。
【
図16】
図5と類似の図であり、スムーサの他の実施形態を示している。
【
図18】
図5と類似の図であり、他の形態に係る吊りアングルを用いた態様を示している。
【
図19】
図12と類似の図であり、他の形態に係る吊りアングルを用いた態様を示している。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、本実施形態に係るシャッター装置の正面図、
図2は、本シャッター装置の建物開口部上方部位の縦断面図(駆動側に向かって観た図)である。建物開口部上方(本実施形態では、天井Cの上方)に位置する躯体Wには、開口幅方向に間隔を設けて左右のブラケット1A、1Bが持ち出し状に対向して設けてある。一方のブラケット1Aは駆動側ブラケット(駆動側軸受)であり、他方のブラケット1Bは従動側ブラケット(従動側軸受)である。ブラケット1Aには駆動側軸受部1A´(
図3参照)が形成され、ブラケット1Bには従動側軸受部1B´(
図4参照)が形成されており、巻取シャフト2の長さ方向の駆動側端部が駆動側軸受部1A´に装着され、従動側端部が従動側軸受部1B´に装着されることで、左右のブラケット1A、1B間には、巻取シャフト2が回転可能に支持されている。駆動側ブラケット1Aには開閉機Mが設けてあり、開閉機Mと駆動側軸受部1A´のスプロケット105がチェーン(図示せず)で伝動連結されている。巻取シャフト2には、ガイドレールGによって建物開口部上方のシャッター収納空間に案内されたシャッターカーテン3が巻装されるようになっている。
図1では、シャッターカーテン3は全閉状態にあり下端の座板30が着床しており、
図2では、シャッターカーテン3は巻取シャフト2に巻装されて全開状態にあり、座板30は天井付近に位置している。
【0011】
本明細書において、躯体Wから離れる方向/躯体に対して近づく方向を前後方向とし、ある要素が壁体Wに近い部位と、壁体Wから遠い部位を備えている場合に、躯体側を後側、躯体から遠い側を前側とする。
【0012】
本実施形態では、シャッターの上部構造は天井内納まりとなっている。シャッター上部構造は、後端が躯体Wに固定され、躯体Wから離間するように垂直姿勢で延びる左右のブラケット1A、1Bと、左右のブラケット1A、1B間に位置して設けられた複数の部材と、からなる。
図2、
図14に示すように、複数の部材には、ケース受け材(第1受け材)4、まぐさ受け材(第2受け材)5、まぐさ受け材6(第3受け材)、まぐさ受け材7(第4受け材)、ケースまぐさ(第1まぐさ部材)8、外まぐさ(第2まぐさ部材)9、ケース補強材(第1補強材)15、スムーサ16、まぐさ補強材(第3補強材)17、吊りアングル(第2補強材)18、ケースつなぎ材(第4補強材)19、ケース板20が含まれる。以下、これらの部材について詳細に説明する。
【0013】
[A]ブラケット(軸受)
図3に示すように、駆動側ブラケット1Aは、前後方向に横長方形状の軸受板10と、軸受板10の後端部位に固定された取付台11と、から組み立てられており、取付台11が躯体Wに固定されており、軸受板10が、垂直姿勢で前後方向に延びている。
【0014】
駆動側ブラケット1Aの軸受板10は、垂直姿勢で前後方向に延びる横長方形状の面部100と、面部100の上端、下端、前端に、それぞれ一体的に折曲形成された、上辺101、下辺102、前辺103と、からなる。軸受板10の前後方向の略中間部位の上端部位には、面部100に対して垂直に突出するようにケース補強材15の取付片104が突設されている。取付片104は、水平片1040と垂下片1041から断面視L形状を有しており、水平片1040の基端側部位が上辺101に、垂下片1041の基端側部位が面部100にそれぞれ溶接されている。軸受板10の前側半部には開閉機Mが設けられるようになっており、後側半部には巻取シャフト2の駆動側端部が回転可能に支持される駆動側軸受部1A´が形成されている。
【0015】
取付台11は、高さ方向に延びる縦長部材であって、第1面部110と、第2面部111と、から断面視L形状を備え、さらに、上面部112、下面部113を備えている。取付台11は、第1面部110がボルトや溶接によって躯体Wに固定され、第2面部111を軸受板10の面部100の後端側部位に重ねてボルト12で固定されている。軸受板10の上辺101の後端側部位と取付台11の上面部112は上側の第1螺子13によって連結されており、軸受板10の下辺102の後端側部位と取付台11の下面部113は下側の第2螺子14によって連結されている。
【0016】
図4に示すように、従動側ブラケット1Bは、前後方向に横長方形状の軸受板10´と、軸受板10´の後端部位に固定された取付台11´と、から組み立てられており、取付台11´が躯体Wに固定されており、軸受板10´が、垂直姿勢で前後方向に延びている。
【0017】
従動側ブラケット1Bの軸受板10´は、垂直姿勢で前後方向に延びる横長方形状の面部100´と、面部100´の上端、下端、前端に、それぞれ一体的に折曲形成された、上辺101´、下辺102´、前辺103´と、からなる。軸受板10´の前方の上端部位には、面部100´に対して垂直に突出するようにケース補強材の取付片104´が突設されている。取付片104´は、水平片1040´と垂下片1041´から断面視L形状を有しており、水平片1040´の基端側部位が上辺101´に、垂下片1041´の基端側部位が面部100´にそれぞれ溶接されている。軸受板10´には巻取シャフト2の従動側端部が回転可能に支持される従動側軸受部1B´が形成されている。
【0018】
取付台11´は、高さ方向に延びる縦長部材であって、第1面部110´と、第2面部111´と、から断面視L形状を備え、さらに、上面部112´、下面部113´を備えている。取付台11´は、第1面部110´がボルトや溶接によって躯体Wに固定され、第2面部111´を軸受板10´の面部100´の後端側部位に重ねてボルト12で固定されている。軸受板10´の上辺101´の後端側部位と取付台11´の上面部112´は上側の第1螺子13によって連結されており、軸受板10´の下辺102´の後端側部位と取付台11´の下面部113´は下側の第2螺子14によって連結されている。
【0019】
[B]ケース受け材(第1受け材)
ケース受け材4は、左右のブラケット1A、1Bの後端の上端部位の間に位置して、躯体Wに対して持ち出し状に設けてある。本実施形態に係るケース受け材4は、水平辺40と垂下辺41とから断面視L形状を備えた長尺部材であり、垂下辺41を躯体Wに固定することで、水平辺40が躯体Wから持ち出し状に延びている(
図5等参照)。ケース受け材の水平辺40の上面の高さ位置は、左右のブラケット1A、1Bの上端の位置(上辺101、101´)と略同じ高さ位置にある。
【0020】
ケース受け材4の水平辺40には、ケース板20の上板200の後端部位が載置される。さらに、ケース受け材4は、吊りアングル18の受け材としても機能し、ケース受け材4の水平辺40には、吊りアングル18の上側部位180の後端側部位(本実施形態では、後述するように、ケースつなぎ材19の上面部190を介している)が載置される。
【0021】
本実施形態に係るケース受け材4の長さ方向の左右端部は、左右のブラケット1A、1Bまでは達しておらず、左右のブラケット1A、1Bから離間している。なお、ケース受け材4の長さ方向端部を左右のブラケット1A、1Bまで延ばして連結してもよい。また、防火性能を確保するためには、ケース受け材4を左右方向に延びる長尺部材から構成することが望ましいが、防火性能が要求されない場所等に設置される場合には、開口幅方向に間隔を存して複数のケース受け材を設けるようにしてもよい。
【0022】
[C]まぐさ受け材(第2受け材)
まぐさ受け材5は、左右のブラケット1A、1Bの前方の下端部位間を架け渡すように設けられている。まぐさ受け材5は、開口幅方向に延びる長尺部材であり、垂直辺50と、垂直辺50の下端から前側に延びる底辺51と、底辺51の前端から立ち上がる立ち上がり辺52と、からなる(
図14参照)。まぐさ受け材5は、底辺51の長さ方向端部を、左右のブラケット1A、1Bの下辺102、102´上に載置することで左右のブラケット1A、1B間に架け渡されている。まぐさ受け材5と左右のブラケット1A、1Bは固定(溶接)されている。まぐさ受け材5の垂直辺50には、ケースまぐさ8の前端側部位(垂直辺81)が固定(溶接)される。まぐさ受け材5の底辺51には、ケース板20の前板201の下端(下辺202)が当接している。
【0023】
[D]まぐさ受け材(第3受け材、第4受け材)
図2、
図5、
図14に示すように、まぐさ受け材6、7は、左右のガイドレールGの上方部位に設けられている。より具体的には、ガイドレールGは、前側(躯体Wから遠い側)の第1側面、後側(躯体Wに近い側)の第2側面を備え、第1側面の上方部位にはまぐさ受け材6が設けられ、第2側面の上方部位にはまぐさ受け材7が設けてある。なお、まぐさ受け材6、7は、ガイドレールGの上方部位に代えて、左右のブラケット1A、1Bの下方部位に対して直接(例えば、ブラケットの下方部位を下方に延ばして)あるいは間接的(例えば、ブラケットの下方部位に取り付けた取付部材を介して)に設けるようにしてもよい。
【0024】
まぐさ受け材6は、水平辺60と垂下辺61とから断面視L形状を備え、垂下辺61をガイドレールGの第1側面の上方部位に固定することで、水平辺60がガイドレールGから前側に向かって持ち出し状に延びている。まぐさ受け材6の水平辺60には、ケースまぐさ8の後端側部位(下面83)が固定される。
【0025】
まぐさ受け材7は、水平辺70と垂下辺71とから断面視L形状を備え、垂下辺71をガイドレールGの第2側面の上方部位に固定することで、水平辺70がガイドレールGから後側に向かって持ち出し状に延びている。まぐさ受け材7の水平辺70には、外まぐさ9の下端部位(下面92)が固定される。まぐさ受け材6の水平辺60の上面とまぐさ受け材7の水平辺70の上面は同じ高さに位置しており、天井Cよりも下方に位置している。なお、まぐさ受け材6、7は開口幅方向に延びる長尺部材であってもよい。
【0026】
[E]まぐさ(第1まぐさ部材、第2まぐさ部材)
ケースまぐさ(第1まぐさ部材)8は、前後方向及び開口幅方向に延び、前端側部位がまぐさ受け材5に固定され、後端側部位がまぐさ受け材6に固定されている。
図6、
図7に示すように、ケースまぐさ8は、前後方向及び開口幅方向に延びる水平状の上面80と、上面80の前端から立ち上がる垂直辺81と、上面80の前端から垂下する垂直面82と、垂直面82の下端から前方に延びる下面83と、下面83の前端から立ち上がる立ち上がり辺84と、からなる。ケースまぐさ8は、前端の垂直辺81がまぐさ受け材5の垂直辺50に固定(溶接)されており、後端の下面83がまぐさ受け材6の水平片60に固定されている。ケースまぐさ8の上面80は、シャッター収納部の下面を形成している。
【0027】
ケースまぐさ8の上面80の後端側部位には、開口幅方向(左右方向)に間隔を存して複数のスムーサ16が設けてある。ケースまぐさ8には、各スムーサ16に対応して、開口幅方向(左右方向)に間隔を存してスムーサ補強材が設けてある。スムーサ補強材は、左右一対の対向状の立ち上がり状の側片85、86と、側片85、86の前端側を連結する前面87と、側片85、86の下端を連結する底面88と、を備えており、底面88をケースまぐさ8の上面80に載置し、前面87をケースまぐさ8の垂直辺81に当接させた状態で固定(溶接)されている。
【0028】
スムーサ補強材の側片85、86は、前方部位(側片86の前方部位860)が側面視直角三角形状で高背部となっており、後方部位(側片86の後方部位861)が垂直姿勢の帯状部からなる低背部となっている。後方部位(側片86の後方部位861)の後端部位は、底面88の後端縁880を越えて後方に延びる延出片85´、86´となっており、延出片85´、86´の下端縁とケースまぐさ8の上面80との間には隙間が形成されており、隙間にスムーサ16のブラケット16´の底片162´を位置させた状態で、延出片85´、86´で底片162´を上から押えるようになっている。また、スムーサ補強材の側片85、86の前端部位と前面87で囲まれた部位には、まぐさ補強材17の下端部位が挿入されて固定(溶接)される。
【0029】
外まぐさ9は、上端が左右のブラケット1A、1Bの後方部位の下端ないし躯体Wに固定され、下端がまぐさ受け材7に固定されている。外まぐさ9は、上面90と、上面90の前端から垂下する垂直面91と、垂直面91の下端から後方に延びる下面92と、下面92の後端から立ち上がる立ち上がり片93と、からなる。外まぐさ9の下面92は、まぐさ受け材7の水平辺70に固定(溶接)されている(
図14参照)。
【0030】
ケースまぐさ8(第1まぐさ部材)の垂直面82、外まぐさ9(第2まぐさ部材)の垂直面91は、開口部上方に位置して離間対向しており、垂直面82、91間にシャッターカーテン昇降用の開口が形成されている。垂直面82、91間の寸法は、開口部全開時に座板30を収容できる寸法となっている(
図2参照)。ケースまぐさ8の下面83と外まぐさ9の下面92は同じ高さ位置にあり、それぞれの立ち上がり片84、93によって支承される天井Cは同じ高さに位置している。ケースまぐさ8の上面80は、外まぐさ9の上面90よりも低い位置にある(
図14参照)。すなわち、ケースまぐさ8の垂直面82の高さ寸法は、外まぐさ9の垂直面91の高さ寸法よりも小さく、また、外まぐさ9の垂直面91の高さ寸法は、開口部全開時の座板30の高さ寸法と略同じであり、開口部全開時に、座板30の上方部位は、ケースまぐさ8の上面80よりも上方に位置している。外まぐさ9の上面90は、左右のブラケット1A、1Bの下端部位(下片102、102´)と略同じ高さ位置にあり、ケースまぐさ8の上面80は、左右のブラケット1A、1Bの下端部位(下片102、102´)よりも下方に位置している。
【0031】
[F]ケース補強材(第1補強材)
ケース補強材15は、左右のブラケット1A、1Bの前方の上端部位間を架け渡すように設けられている。本実施形態では、ケース補強材15は、左右のブラケット1A、1Bに突設した取付片104、104´間を架け渡すように設けられている。本実施形態では、ケース補強材15は、上面150、下面151、前面152、後面153から断面視縦長方形状に形成された角パイプであり、長さ方向の一端に取付片104を挿入して取付片104の水平片1040に上面150を載置し、垂下辺1041に前面152を当接させた状態で固定(溶接)し、他端に取付片104´を挿入して取付片104´の水平片1040´に上面150を載置し、垂下辺1041´に前面152を当接させた状態で固定(溶接)する。
【0032】
[G]スムーサ
図6に示すように、複数個のスムーサ16が、ケースまぐさ8の上面80の後端側部位に、開口幅方向に亘って間隔を存して設けてあり、開口部の上方でシャッターカーテンの昇降を案内するようになっている。
図8に示すように、本実施形態に係るスムーサ16は、金属製ブラケット16´と、金属製ブラケット16´に回転自在に支持された一対の樹脂製のガイドローラ160と、金属製ブラケット16´に支持された一対の樹脂ガイド161と、からなり、ガイドローラ160が上側に位置し、樹脂ガイド161が下側に位置している。すなわち、スムーサ16は、上側のガイドローラ160と、下側のガイド体(ブラケット16´の支持片163´に設けた樹脂ガイド161)と、から形成されている。上側のガイドローラ160と下側のガイド体は、左右方向に並んで設けてあり、高さ方向において部分的にオーバーラップしている。より具体的には、側面視において、樹脂ガイド161の上方部位とガイドローラ160の下半部はオーバーラップする高さ位置にあり、樹脂ガイド161のガイド面の少なくとも上方部位は、ガイドローラ160の周面の高さ方向略中間点の接線方向(本実施形態では、側面視において、ガイドローラ160の周面の高さ方向の中央部位の少し上側から僅かに傾斜状に延びている)に延びている。
【0033】
図8(B)に示すように、ブラケット16´は、一対の立ち上がり状の側片160´、160´と、側片160´、160´の前端側を接続する接続片161´と、側片160´、160´の下端を互いに離間する方向(左右方向)に水平に折り曲げてなる底片162´、162´と、接続片161´の下端を水平に前方に折り曲げてなる中央底片1610´と、側片160´、160´の後端に一体形成した一対の支持片163´、163´からなる。
【0034】
側片160´には、ガイドローラ160を取り付けるための孔1601が形成されており、ガイドローラ160の軸部1600を孔1601に挿し込んでブラケット16´に連結している。ガイドローラ160は、軸部1600に対して図示しないベアリングによって回転自在となっている。
【0035】
ブラケット16´の支持片163´は樹脂ガイド161の支持部材であり、支持片163´によって支持された樹脂ガイド161が下側のガイド体を形成している。図示の態様では、支持片163´は、下方に向かって僅かに後方に傾斜する上側の第1部位1630´と第1部位1630´の下端から僅かに前方に傾斜する下側の第2部位1631´からなる。第1部位1630´の下方部位は、底片162´、中央底片1610´を越えて下方に延びている。支持片163´の第1部位1630´、第2部位1631´には、樹脂ガイド161を取り付けるための上下の螺子孔1620がそれぞれ形成されている。
【0036】
樹脂ガイド161は、縦長方形状の樹脂プレート161Aを、ブラケット16´の支持片163´に取り付けることで形成されている。
図8(C)に示すように、樹脂プレート161Aには、連結部材として例示する螺子162のための孔1621が上下に形成されている。樹脂プレート161Aを、上側の孔1621を支持片163´の上側の螺子孔1620に一致させ、下側の孔1621を支持片163´の下側の螺子孔1620に一致させて、支持片163´に密着させた状態で、螺子162で固定する。螺子162の頭部は皿状であり、樹脂ガイド161のガイド面から頭部が突出しないようになっている。
【0037】
樹脂ガイド161は、支持片163´の第1部位1630´に密着する上側の第1部位1610と支持片163´の第2部位1631´に密着する下側の第2部位1611からなる。樹脂ガイド161の第1部位1610の下方部位は、ブラケット16´の底片162´、162´、中央底片1610´を越えて下方に延びている。樹脂ガイド161の第1部位1610の面は、ガイドローラ160の周面の高さ方向略中間点の接線方向(本実施形態では、僅かに傾斜状に延びる)に延びており、樹脂ガイド161のガイド面を形成している。
【0038】
スムーサ16は、ブラケット16´の底片162´、中央底片1610´を、ケースまぐさ8の上面80の後側端部に載置した状態で固定(溶接)されている。スムーサ補強材の底面88の後端縁880(
図7参照)は中央底片1610´の前端16100´(
図8(B)参照)に近接ないし当接しており、側片85、86の後端の延出片85´、86´は、左右の底片162´の前側部位を上方から押え込むように取り付けられており、スムーサ16を浮き上がらせようとする力に対抗することで、耐荷重を増大している。
【0039】
図8(B)に示すように、ブラケット16´の底片162´の後端1620´に対して、支持片163´、スムーサ16のガイド面(ガイドローラ160のガイド面、樹脂ガイド161のガイド面)は後方に位置している。スムーサ16は、ブラケット16´の底片162´の後端1620´を、ケースまぐさ8の上面80の後端に一致させて取り付けてあり、下側のガイド体(支持片163´に支持された樹脂ガイド161)の第1部位1630´、1610の下方部位は、ケースまぐさ8の上面80よりも下方に延びており、かつ、下側のガイド体(樹脂ガイド161+支持片163´)の下端(支持片163´の下端)がケースまぐさ8の垂直面82に当接している。スムーサ16の下側のガイド体の下端をケースまぐさ8の垂直面82に当接させることで、耐荷重を増大している。
【0040】
図14に示すように、ケースまぐさ8の上面80は、外まぐさ9の上面90よりも低い位置にあり、ケースまぐさ8の上面80に設けたスムーサ16のガイドローラ160の一部は、外まぐさ9の上面90よりも下方に位置している。スムーサ16は、ガイドローラ160の下側に位置してガイド体(樹脂ガイド161+支持片163´)を備えており、ガイド体の下方部位は、ケースまぐさ8の上面80よりも下方に位置しており、ガイドローラ160の径を小さくできるものでありながら、所定の高さ寸法を備えたスムーサ16が提供される。
図8Aに示すように、スムーサ16のガイド部(上側のガイドローラ160+下側のガイド体)の高さ寸法は、スラット3´の高さ寸法と略同じであり、上下に隣接するスラット3´において、上側のスラット3´の下側のインターロック部3b´(下側のスラット3´の上側のインターロック部3a´が係合している)がガイドローラ160に接触した時に、下側のスラット3´の下側のインタ―ロック部3b´が下側のガイド体の下方部位(樹脂ガイド161の第2部位1611)に接触するようになっている。また、ケースまぐさ8の上面80に取り付けられたスムーサ16の取付強度は、スムーサ補強材によって補強され、スムーサ16の下側のガイド体の下端がケースまぐさ8の垂直面82に当接することで、所望の耐荷重を備えたスムーサ16が提供される。本実施形態では、1個のスムーサ16は、一対のガイドローラ160、一対のガイド体(樹脂ガイド161+支持片163´)を備えているので、例えば、1個のガイドローラを用いたものに比べて耐荷重が大きくなっている。
【0041】
図16、
図17を参照しつつ、スムーサの他の態様について説明する。シャッター上部構造において、スムーサ21を除く構成は、スムーサ16が設けられた構成と同じであり、
図16において、同一の要素については同一の参照番号が付してあり、既述の説明を援用することができる。
【0042】
図17に示すように、スムーサ21は、金属製ブラケット21´と、金属製ブラケット21´に支持された樹脂ガイド210と、からなる。金属製ブラケット21´は、左右の水平片210´と、左右の水平片210´の後端に一体形成された下側支持片211´、上側支持片212´と、からなる。水平片210´の後端から下方に延びる下側支持片211´は、前方に向かって緩やかに湾曲する湾曲片である。水平片210´の後端から上方に立ち上がる上側支持片212´は前方に向かって緩やかに湾曲する湾曲片である。下側支持片211´の幅方向中央部位及び上側支持片212´の湾曲状の面部には、樹脂ガイド210が設けてある。より具体的には、樹脂ガイド210の上端の折り返し部位2100が上側支持片212´の上端に係止されており、樹脂ガイド210の下方部位は、下側支持片211´に螺子で固定されている。
【0043】
複数個のスムーサ21が、ケースまぐさ8の上面80の後端側部位に、開口幅方向に亘って間隔を存して設けてあり、開口部の上方でシャッターカーテンの昇降を案内するようになっている。
図16に示すように、スムーサ21がケースまぐさ8に取り付けられた状態において、金属製ブラケット21´の水平片210´が、ケースまぐさ8の上面80の後端側部位に固定され、水平片210´の後端は、ケースまぐさ8の上面80の後端(垂直面82)よりも僅かに後方に突出しており、下側支持片211´は、ケースまぐさ8の上面80の後端の後方から前方に向かって緩やかに傾斜状に延びる下側湾曲面を形成しており、樹脂ガイド210の下半部位は下側湾曲面に支持されており、上側支持片212´は、ケースまぐさ8の上面80の後方から前方に向かって緩やかに傾斜状に延びる上側湾曲面を形成しており、樹脂ガイド210の上半部位は上側湾曲面に支持されている。
【0044】
上述のように、樹脂ガイド210は、裏面が金属製の湾曲状の支持片(上側支持片212´、下側支持片211´)に支持されており、表面が湾曲状のガイド面となっている。スムーサ21の樹脂ガイド210のガイド面の高さは、スラット3´の高さ寸法と略同じである。金属製ブラケット21´の下側支持片211´の下端は、垂直面82に当接しており、樹脂ガイド210を金属製ブラケット21´で支持することと相俟って、スムーサ21の耐荷重を確保している。スムーサ21は、開口部全開状態において、座板30(ケースまぐさ8の垂直面82と外まぐさ9の垂直面91との間に位置する)の側面と垂直面82との間の隙間に位置するようになっている。シャッターカーテンとの隙間を確保しつつスムーサ21の高さ寸法を確保することで、スムーサ21とシャッターカーテンの干渉音を抑制する。
【0045】
[H]まぐさ補強材(第3補強材)
図9に示すように、まぐさ補強材17は、高さ方向に延びる長尺部材であって、対向状の側面部170、171と、前面部172と、上面部173と、からなり、下面は開口状となっており、側面部170、171及び前面部172の下端から下端部174が形成されている。まぐさ補強材17の高さ寸法は、ケース補強材15の下面151とケースまぐさ8の上面80の前端側部位(スムーサ補強材の底面88)との間の距離と一致しており、まぐさ補強材17の幅寸法(側面部170、171の外面間の距離)は、ケースまぐさ8の前端側部位の側片85、86の内面間の距離に一致している。まぐさ補強材17は、下端部174がケースまぐさ8の上面80の前端側部位(スムーサ補強材の底面88)に当接し、前面部172の下方部位がスムーサ補強材の前面87に当接した状態で、上面部173をケース補強材15の下面151に固定(溶接)し、側面部170、171の下方部位を、それぞれ、ケースまぐさ8の側片85、86に固定(溶接)することで、取り付けられている。まぐさ補強材17の側面部170、171の幅寸法は、ケース補強材15の下面151の幅寸法よりも小さい寸法となっており、前面部172は、ケース補強材15の前面152を通る垂直面よりも僅かに後方に位置している。
【0046】
[I]吊りアングル(第2補強材)
吊りアングル18は、前後方向に延びる上側横材180及び下側横材181と、上側横材180及び下側横材181の前端間を連結する縦材182と、から側面視コ字形を備え、上側横材180の後端はケース受け材4(第1受け材)に固定されており、下側横材181はケースまぐさ8の上面80に下方から固定(溶接)されており、吊りアングル18によってケースまぐさ8を下方から支持するようになっている。本実施形態では、後述するように、上側横材180の下面にはケースつなぎ材19の上面部190が連結されており、上側横材180は、ケースつなぎ材19を介して、後端側部位がケース受け材4、前方部位がケース補強材15と固定されている。
【0047】
上側横材180は、水平辺1800と垂直辺1801から断面視L形状を備えた長尺部材であり、下側横材181は、水平状に延びるフラット状の長尺部材であり、縦材182は第1辺1820と第2辺1821から断面視L形状を備えた長尺部材であり、上側横材180の前端部位と縦材182の上端部位、下側横材181の前端部位と縦材182の下端部位をそれぞれ連結(溶接)して側面視コ字形状に形成されている。上側横材180の前方部位と縦材182の上方部位との間には上側補強片183が傾斜姿勢で連結(溶接)されており、下側横材181の前方部位と縦材182の下方部位との間には下側補強片184が傾斜姿勢で連結(溶接)されている。
【0048】
[J]ケースつなぎ材(第4補強材)
吊りアングル18にはケースつなぎ材19が固定(溶接)されている。より具体的には、ケースつなぎ材19は上面部190と上面部190の前端から垂下する前面部191とから側面視L形状を備えており(
図11参照)、吊りアングル18の上側横材180の水平辺1800の下面には、ケースつなぎ材19の上面部190が固定(溶接)されている。
【0049】
吊りアングル18の上側横材180の水平辺1800の後端側部位は、ケースつなぎ材19の上面部190の後端側部位を介してケース受け材4の水平辺40に固定(溶接)されている。吊りアングル18に固定されたケースつなぎ材19の上面部190の前方部位はケース補強材15の上面150と連結(溶接)され(
図14では、ケースつなぎ材19の上面部190の前側部位とケース補強材15の上面150は離間して示しているが、実際には、自重によって僅かに下方に変形することで、ケースつなぎ材19の上面部190の前側部位とケース補強材15の上面150は当接可能となっている)、吊りアングル18に固定されたケースつなぎ材19の前面部191の上方部位はケース補強材15の前面152と連結(溶接)されている。すなわち、吊りアングル18の上側横材180は、ケースつなぎ材19を介してケース補強材15に固定(溶接)されている。ケースつなぎ材19の前面部191の下端部位は、まぐさ受け材5の垂直辺50に固定(溶接)されている。本実施形態では、前面部191の下端は、まぐさ受け材5の底辺51までは達していない。
【0050】
なお、
図15に、ケースつなぎ材19がケース補強材15に2箇所で固定(溶接)された状態(
図14に示す態様が変形したものではなく、吊りアングル18の上側横材180の下方のクリアランスを小さくし、ケースつなぎ材19の上面部190の前側部位とケース補強材15の上面150が近接ないし当接するように設計したもの)を示す。
図15に示す態様では、ケースつなぎ材19の上面部190の前側部位とケース補強材15の上面150が当接状態で固定(溶接)され、ケースつなぎ材19の前面部191の上方部位とケース補強材15の前面152が当接しており、当接状態で固定(溶接)されている。
【0051】
ケースつなぎ材19の上面部190の幅は、吊りアングル18の上側横材180の水平辺1800の幅よりも幅広であり、吊りアングル18の上側横材180の水平辺1800にケースつなぎ材19の上面部190を固定した状態において、水平辺1800の左右に位置して、水平辺1800から両側にはみ出したケース載置部1900が形成されている(
図12参照)。本実施形態では、ケースつなぎ材19の上面部190と前面部191は同じ幅寸法を有しており、前面部191の幅方向両側部位は、ケース当接部1910(
図11参照)として機能する。
【0052】
[K]ケース板
図13に示すように、ケース板20は上板200と前板201から側面視L形状を備え、前板201の下端には前方に折り曲げた下辺202が形成されている。上板200の後端部がケース受け材4の水平辺40に支持され、前板201の下端の下辺202がまぐさ受け材5の底辺51に支持されている。複数枚のケース板20は、開口幅方向に連設されている(
図1参照)。
【0053】
図12に示すように、開口幅方向に隣接する2枚のケース板20の上板200の隣接する端部において、一方の端部は、一方のケース載置部1900に載置され、他方の端部は、他方のケース載置部1900に載置される。本実施形態では、吊りアングル18の上側横材180の下面(水平辺1800の下面)に位置させて、隣接するケース板の幅方向端部をオーバーラップ(例えば、防火上有効である)させることが困難であるが、吊りアングル18の上側横材180の下面にケースつなぎ材19の上面部190を設けて、上面部190が形成するケース載置部1900にケース板の上板200の幅方向端部を重ねることで、オーバーラップ部分200Aを形成するようにしている。図示の態様では、上板200の幅方向端縁2000と吊りアングル18の上側横材180は離間しているが、近接ないし当接させてもよい。
【0054】
ケースつなぎ材19の前面部191の幅方向両側には、ケース板20の前板201の幅方向端部が重なるケース当接部1910が形成され、オーバーラップ部分201Aが形成される。オーバーラップ部分201Aの上方部位の後側にはケース補強材15の前面152が当接しており、下方部位の後側にはまぐさ受け材5の垂直辺50が当接している。ケース板20は、上面200の後端部位をケース受け材4の水平辺40に載置し、前面201のオーバーラップ部分201Aの上方部位を螺子でオーバーラップ当接部1910及びケース補強材15に固定し、下方部位をオーバーラップ当接部1910及びまぐさ受け材5に固定することで取り付けられる。本実施形態では、上板200と前板201から一体形成された側面視L形状のケース板20を示したが、ケース板は、上板と前板が独立して用意されたものでもよい。
【0055】
[L]シャッター上部の補強構造
本実施形態に係るシャッター上部の補強構造は、後端が躯体Wに固定され、躯体Wから離間するように垂直姿勢で延びる左右のブラケット1A、1Bと、左右のブラケット1A、1Bの後端の上端部位の高さに位置して、躯体から持ち出し状に設けられた第1受け材(ケース受け材4)と、左右のブラケット1A、1Bの前方の下端部位間を架け渡すように設けられた第2受け材(まぐさ受け材5)と、左右のガイドレールGの上方部位あるいは左右のブラケット1A、1Bの下方部位に設けられた第3受け材(まぐさ受け材6)と、前後方向及び開口幅方向に延び、前端が第2受け材(まぐさ受け材5)に固定され、後端が第3受け材(まぐさ受け材6)に固定されたケースまぐさ8と、左右のブラケット1A、1Bの前方の上端部位間を架け渡すように設けられた第1補強材(ケース補強材15)と、前後方向に延びる上側横材180及び下側横材181と、上側横材180及び下側横材181の前端間を連結する縦材182と、から側面視コ字形を備え、上側横材180は第1受け材(ケース受け材4)及び第1補強材(ケース補強材15)に固定されており、下側横材181はケースまぐさ8に固定されている、第2補強材(吊りアングル18)と、を備えている。
【0056】
さらに、第1補強材(ケース補強材15)とケースまぐさ8は、上端が第1補強材(ケース補強材15)に固定され、下端がケースまぐさ8に固定された第3補強材(まぐさ補強材17)によって連結されている。ケースまぐさ8には、上面80の前端部位に位置して対向状の一対の取付片(側片85、86)が形成されており、第3補強材(まぐさ補強材17)の下端部位は取付片(側片85、86)に固定されている。
【0057】
さらに、第2補強材(吊りアングル18)の上側横材180の下面よりも幅広の上面部190と、上面部190の前端から垂下する前面部191と、から側面視L形状の第4補強材(ケースつなぎ材19)を備えており、第2補強材(吊りアングル)の上側横材180の下面は、第4補強材(ケースつなぎ材19)の上面部190が両側にはみ出し部(ケース載置部1900)を形成するように上面部190に固定されており、第4補強材(ケースつなぎ材19)の前面部191の上端部位は第1補強材(ケース補強材15)に固定されており、前面部191の下端部位は、第2受け材(まぐさ受け材5)ないしケースまぐさ8に固定されている。
【0058】
[M]シャッター上部構造
本実施形態に係るシャッター上部構造は、後端が躯体Wに固定され、躯体Wから離間するように垂直姿勢で延びる左右のブラケット1A、1Bと、左右のブラケット1A、1Bの後端の上端部位の高さに位置して、躯体Wから持ち出し状に設けられた第1受け材(ケース受け材4)と、左右のブラケット1A、1Bの前方の下端部位間を架け渡すように設けられた第2受け材(まぐさ受け材5)と、左右のガイドレールGの上方部位あるいは左右のブラケット1A、1Bの下方部位に設けられた第3受け材(まぐさ受け材6)と、前後方向及び開口幅方向に延び、前端が第2受け材(まぐさ受け材5)に固定され、後端が第3受け材(まぐさ受け材6)に固定されたケースまぐさ8と、前後方向に延びる上側横材180及び下側横材181と、上側横材180及び下側横材181の前端間を連結する縦材182と、から側面視コ字形を備え、上側横材180は第1受け材(ケース受け材4)及び第1補強材(ケース補強材15)に固定されており、下側横材181はケースまぐさ8に固定されている、補強材(吊りアングル18)と、後端が第1受け材(ケース受け材4)に載置された上板200と、前板201と、を含むケース板20(上板200と前板201は一体でも分割されていてもよい)と、を備え、補強材(吊りアングル18)の上側横材180の下面には、当該下面180よりも幅広のケースつなぎ材19(上面部190)が、当該下面180よりも両側にはみ出したケース載置部1900を形成するように設けてあり、開口幅方向に隣接する2枚のケース板20の上板200の隣接する端部において、一方の端部は、一方のケース載置部1900に載置され、他方の端部は、他方のケース載置部1900に載置されている。
【0059】
さらに、ケースつなぎ材19は、補強材(吊りアングル18)の上側横材180の下面よりも幅広の上面部190と、上面部190の前端から垂下する前面部191と、を含み、ケースつなぎ材19の上面部190は、補強材(吊りアングル18)の上側横材180の下面に固定されており、前面部191の下端部位は、第2受け材(まぐさ受け材5)ないしケースまぐさ8に固定されており、ケースつなぎ材19の上面部190がケース載置部1900を形成しており、ケースつなぎ材19の前面部191がケース当接部1910を形成しており、開口幅方向に隣接する2枚のケース板20の前板201の隣接する端部は、離間した状態でケースつなぎ材19の前面部191のケース当接部1910に当接している。さらに、左右のブラケット1A、1Bの前方の上端部位間を架け渡すように設けられたケース補強材15を備え、ケースつなぎ材19の前面部191の上端部位はケース補強材15に固定されている。
【0060】
[N]他の形態に係る吊りアングルを用いたシャッター上部構造
図18、
図19を参照しつつ、他の形態に係る吊りアングル18´を用いたシャッター上部構造について説明する。シャッター上部構造において、吊りアングル18´を除く構成は、吊りアングル18が設けられた構成と実質的に同じであり、
図18、
図19において、同一の要素については同一の参照番号が付してあり、既述の説明を援用することができる。
【0061】
図18に示すように、吊りアングル18´は、前後方向に延びる上側横材180´及び下側横材181´と、上側横材180´及び下側横材181´の前端間を連結する縦材182´と、から側面視略コ字形を備えている。上側横材180´は下側横材181´に比べて短尺である点において、既述の吊りアングル18と異なる。上側横材180´の後端は、ケース補強材15の前面152に、ケースつなぎ板19を介して、固定(溶接)されており、下側横材181´はケースまぐさ8の上面80に下方から固定(溶接)されており、吊りアングル18´によってケースまぐさ8を下方から支持するようになっている。
【0062】
上側横材180´は、水平辺1800´と垂直辺1801´から断面視L形状を備えた長尺部材であり、下側横材181´は、水平状に延びるフラット状の長尺部材であり、縦材182´は第1辺1820´と第2辺1821´から断面視L形状を備えた長尺部材であり、上側横材180´の前端部位と縦材182´の上端部位、下側横材181´の前端部位と縦材182´の下端部位をそれぞれ連結(溶接)して側面視略コ字形状に形成されている(
図19参照)。下側横材181´の前方部位と縦材182´の下方部位との間には下側補強片183´が傾斜姿勢で連結(溶接)されている。
【0063】
ケースつなぎ材19の上面部190の後端側部位はケース受け材4の水平辺40に固定(溶接)されており、上面部190の前端側部位はケース補強材15の上面150に固定(溶接)されている。ケースつなぎ材19の前面部191の上側部位は、ケース補強材15の前面152に固定(溶接)されており、前面部191の下端部位は、まぐさ受け材5の垂直辺50に固定(溶接)されている。上側横材180´の後端は、ケース補強材15の前面152に固定(溶接)されたケースつなぎ材19の前面部191に対して固定(溶接)されている。
【0064】
本実施形態に係るシャッター上部構造は、後端が躯体Wに固定され、躯体Wから離間するように垂直姿勢で延びる左右のブラケット1A、1Bと、左右のブラケット1A、1Bの後端の上端部位の高さに位置して、躯体Wから持ち出し状に設けられた第1受け材(ケース受け材4)と、左右のブラケット1A、1Bの前方の下端部位間を架け渡すように設けられた第2受け材(まぐさ受け材5)と、左右のガイドレールGの上方部位あるいは左右のブラケット1A、1Bの下方部位に設けられた第3受け材(まぐさ受け材6)と、前後方向及び開口幅方向に延び、前端が第2受け材(まぐさ受け材5)に固定され、後端が第3受け材(まぐさ受け材6)に固定されたケースまぐさ8と、前後方向に延びる上側横材180´及び下側横材181´と、上側横材180´及び下側横材181´の前端間を連結する縦材182´と、から側面視略コ字形を備え、上側横材180´の後端は第1補強材(ケース補強材15)に固定されており、下側横材181´はケースまぐさ8に固定されている、第2補強材(吊りアングル18´)と、後端が第1受け材(ケース受け材4)に載置された上板200と、前板201と、を含むケース板20(上板200と前板201は一体でも分割されていてもよい)と、開口幅方向に隣接する2枚のケース板20の幅方向端縁(上板200の幅方向端縁2000、前板201の幅方向端部)間の空間を塞ぐように設けられたケースつなぎ材19と、を備えている。
【0065】
図19に示すように、開口幅方向に隣接する2枚のケース板20の幅方向端縁(上板200の幅方向端縁2000、前板201の幅方向端部)は所定間隔で離間しており、ケースつなぎ材19は、この所定間隔よりも大きい幅寸法を備えており、上面部190の幅方向両側がケース載置部1900となるように設けてあり、開口幅方向に隣接する2枚のケース板20の上板200の隣接する端部において、一方の端部は、一方のケース載置部1900に載置され、他方の端部は、他方のケース載置部1900に載置されている。上面部190が形成するケース載置部1900にケース板の上板200の幅方向端部を重ねることで、オーバーラップ部分200Aを形成するようにしている。ケースつなぎ材19の前面部191の幅方向両側には、ケース板20の前板201の幅方向端部が重なるケース当接部1910(
図11参照)が形成され、オーバーラップ部分201A(
図1参照)が形成される。
【0066】
本実施形態に係るシャッター上部の補強構造は、後端が躯体Wに固定され、躯体Wから離間するように垂直姿勢で延びる左右のブラケット1A、1Bと、左右のブラケット1A、1Bの前方の下端部位間を架け渡すように設けられた第2受け材(まぐさ受け材5)と、左右のガイドレールGの上方部位あるいは左右のブラケット1A、1Bの下方部位に設けられた第3受け材(まぐさ受け材6)と、前後方向及び開口幅方向に延び、前端が第2受け材(まぐさ受け材5)に固定され、後端が第3受け材(まぐさ受け材6)に固定されたケースまぐさ8と、左右のブラケット1A、1Bの前方の上端部位間を架け渡すように設けられた第1補強材(ケース補強材15)と、前後方向に延びる上側横材180´及び下側横材181´と、上側横材180´及び下側横材181´の前端間を連結する縦材182´と、から側面視略コ字形を備え、上側横材180´は第1補強材(ケース補強材15)に固定されており、下側横材181´はケースまぐさ8に固定されている、第2補強材(吊りアングル18´)と、を備えている。さらに、第1補強材(ケース補強材15)とケースまぐさ8は、上端が第1補強材(ケース補強材15)に固定され、下端がケースまぐさ8に固定された第3補強材(まぐさ補強材17)によって連結されている。ケースまぐさ8には、上面80の前端部位に位置して対向状の一対の取付片(側片85、86)が形成されており、第3補強材(まぐさ補強材17)の下端部位は取付片(側片85、86)に固定されている。
【符号の説明】
【0067】
1A 駆動側ブラケット
1B 従動側ブラケット
4 ケース受け材(第1受け材)
5 まぐさ受け材(第2受け材)
6 まぐさ受け材(第3受け材)
7 まぐさ受け材(第4受け材)
8 ケースまぐさ(第1まぐさ部材)
80 上面
81 垂直辺
82 垂直面
83 下面
9 外まぐさ(第2まぐさ部材)
15 ケース補強材(第1補強材)
16 スムーサ
160 ガイドローラ
161 樹脂ガイド
16´ 金属製ブラケット
163´ 支持片
17 まぐさ補強材(第3補強材)
18 吊アングル(第2補強材)
180 上側横材
181 下側横材
182 縦材
19 ケースつなぎ材(第4補強材)
190 上面部
1900 ケース載置部
191 前面部
20 ケース板
200 上板
201 前板