(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-15
(45)【発行日】2023-11-24
(54)【発明の名称】制御システム
(51)【国際特許分類】
E06B 9/68 20060101AFI20231116BHJP
【FI】
E06B9/68 A
(21)【出願番号】P 2019164848
(22)【出願日】2019-09-10
【審査請求日】2022-07-29
(73)【特許権者】
【識別番号】307038540
【氏名又は名称】三和シヤッター工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107364
【氏名又は名称】斉藤 達也
(72)【発明者】
【氏名】長田 貴志
(72)【発明者】
【氏名】和田 賢一
【審査官】河本 明彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-27173(JP,A)
【文献】特開2002-188363(JP,A)
【文献】特開2017-150262(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/00 - 9/92
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の開口部に設けられたシャッター装置を制御する制御システムであって、
前記シャッター装置は、
前記開口部を開閉する開閉体と、
前記開閉体の巻取り又は巻出しを行うことにより、前記開閉体を開放移動又は閉鎖移動させるための開閉機と、
前記開閉体を収納する収納手段と、
前記収納手段の外部に設けられた解放手段であり、前記開閉機を構成する規制手段であって前記開閉体の開閉移動を規制する規制手段
を解放する解放操作を当該解放手段を介して作業者が行うための解放手段と、を備え、
当該制御システムは、
前記収納手段の外部に設けられた遠隔操作手段であり、
前記解放操作とは異なる前記シャッター装置の遠隔操作を行うための遠隔操作手段と、
所定条件下で
前記解放手段を介して前記作業者による前記解放操作が行われることにより、前記シャッター装置の制御モードを、前記遠隔操作手段を一意に識別する識別情報の登録を行う登録モードに設定する設定手段と、を備え、
前記登録モードは、所定方法にて前記識別情報が登録された後に、前記登録された識別情報を保持しながら前記登録された識別情報とは異なる他の識別情報を登録するための追加登録モードを含み、
前記設定手段は、前記登録された識別情報に対応する前記遠隔操作手段に対して前記シャッター装置の制御モードを前記追加登録モードに設定するための操作であって、前記解放操作とは異なる操作が受け付けられてから所定時間が経過する前に前記解放手段を介して前記作業者による前記解放操作が行われることにより、前記シャッター装置の制御モードを前記追加登録モードに設定する、
制御システム。
【請求項2】
建物の開口部に設けられたシャッター装置を制御する制御システムであって、
前記シャッター装置は、
前記開口部を開閉する開閉体と、
前記開閉体の巻取り又は巻出しを行うことにより、前記開閉体を開放移動又は閉鎖移動させるための開閉機と、
前記開閉体を収納する収納手段と、
前記収納手段の外部に設けられた解放手段であり、前記開閉機を構成する規制手段であって前記開閉体の開閉移動を規制する規制手段を解放する解放操作を当該解放手段を介して作業者が行うための解放手段と、を備え、
前記規制手段は、前記開閉機の出力軸と駆動部との接続の有無を切り替えるための機構であり、
当該制御システムは、
前記収納手段の外部に設けられた遠隔操作手段であり、前記解放操作とは異なる前記シャッター装置の遠隔操作を行うための遠隔操作手段と、
所定条件下で前記解放手段を介して前記作業者による前記解放操作が行われることにより、前記シャッター装置の制御モードを、前記遠隔操作手段を一意に識別する識別情報の登録を行う登録モードに設定する設定手段と、を備える、
制御システム。
【請求項3】
前記所定条件は、
前記遠隔操作手段又は前記シャッター装置に対して前記解放操作とは異なる所定操作が受け付けられてから所定時間が経過する前であること、又は
所定時間内に前記遠隔操作手段又は前記シャッター装置に対して前記解放操作とは異なる所定操作が所定回数受け付けられること、を含む、
請求項1又は2に記載の制御システム。
【請求項4】
前記登録モードは、
前記識別情報を新規に登録するための新規登録モードと、
前記新規登録モードにて前記識別情報が登録された後に、前記登録された識別情報を保持しながら前記登録された識別情報とは異なる他の識別情報を登録するための追加登録モードと、
前記新規登録モード又は前記追加登録モードにて前記識別情報が登録された後に、前記登録された識別情報を削除して前記登録された識別情報とは異なる他の識別情報を登録するための再登録モードと、を含む、
請求項1から3のいずれか一項に記載の制御システム。
【請求項5】
当該制御システムは、前記登録モードの設定により前記識別情報が登録された後に、前記解放手段を
前記解放操作が行われる前の状態に復旧する復旧手段を備える、
請求項1から4のいずれか一項に記載の制御システム。
【請求項6】
当該制御システムは、前記登録モードの設定により前記識別情報が登録された後に、前記登録された識別情報に対応する前記遠隔操作手段又は前記シャッター装置に対して前記開閉体の開放移動を行うための操作が受け付けられることで前記開口部が全開した全開状態になるまで前記開閉体が開放移動されると、前記全開状態に対応する前記開閉体の位置である全開位置と、前記開口部が全閉した全閉状態に対応する前記開閉体の位置である全閉位置とを特定する特定手段を備える、
請求項1から5のいずれか一項に記載の制御システム。
【請求項7】
前記解放手段を、前記建物の屋内に配置した、
請求項1から6のいずれか一項に記載の制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建物の開口部に取り付けられるシャッター装置を対象として、シャッター装置を遠隔操作することが可能なリモコンのIDコードをシャッター装置の制御部に登録するためのシステムが提案されている。このようなシステムは、ブレーキレスの開閉機を有するシャッター装置の電源を切って投入されてから一定時間内に、シャッターカーテンを手動で開閉移動させることで、検出手段によって当該開閉移動したことが検出された場合には、制御部の制御モードを、通常モードからリモコンのIDコードを登録するための登録モードに設定する。これにより、制御モードが登録モード時においてリモコンのIDコードを制御部に登録することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、ブレーキレスの開閉機を有するシャッター装置に適用される上記従来のシステムにおいては、制御モードを登録モードに設定する際に、上述したように、シャッター装置の電源を切って投入されてから一定時間内に、シャッターカーテンを手動で開閉移動させていたので、当該設定に要する作業(具体的には、シャッターカーテンを手動で開閉移動させる作業等)が煩わしく、且つ当該設定の条件も限られることから、登録モードの設定をニーズに応じた条件で簡易に行う観点からは改善の余地があった。
【0005】
本発明は、上記従来技術における課題を解決するためのものであって、登録モードの設定をニーズに応じた条件で簡易に行うことが可能になる、制御システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の制御システムは、建物の開口部に設けられたシャッター装置を制御する制御システムであって、前記シャッター装置は、前記開口部を開閉する開閉体と、前記開閉体の巻取り又は巻出しを行うことにより、前記開閉体を開放移動又は閉鎖移動させるための開閉機と、前記開閉体を収納する収納手段と、前記収納手段の外部に設けられた解放手段であり、前記開閉機を構成する規制手段であって前記開閉体の開閉移動を規制する規制手段を解放する解放操作を当該解放手段を介して作業者が行うための解放手段と、を備え、当該制御システムは、前記収納手段の外部に設けられた遠隔操作手段であり、前記解放操作とは異なる前記シャッター装置の遠隔操作を行うための遠隔操作手段と、所定条件下で前記解放手段を介して前記作業者による前記解放操作が行われることにより、前記シャッター装置の制御モードを、前記遠隔操作手段を一意に識別する識別情報の登録を行う登録モードに設定する設定手段と、を備え、前記登録モードは、所定方法にて前記識別情報が登録された後に、前記登録された識別情報を保持しながら前記登録された識別情報とは異なる他の識別情報を登録するための追加登録モードを含み、前記設定手段は、前記登録された識別情報に対応する前記遠隔操作手段に対して前記シャッター装置の制御モードを前記追加登録モードに設定するための操作であって、前記解放操作とは異なる操作が受け付けられてから所定時間が経過する前に前記解放手段を介して前記作業者による前記解放操作が行われることにより、前記シャッター装置の制御モードを前記追加登録モードに設定する。
【0007】
請求項2に記載の制御システムは、建物の開口部に設けられたシャッター装置を制御する制御システムであって、前記シャッター装置は、前記開口部を開閉する開閉体と、前記開閉体の巻取り又は巻出しを行うことにより、前記開閉体を開放移動又は閉鎖移動させるための開閉機と、前記開閉体を収納する収納手段と、前記収納手段の外部に設けられた解放手段であり、前記開閉機を構成する規制手段であって前記開閉体の開閉移動を規制する規制手段を解放する解放操作を当該解放手段を介して作業者が行うための解放手段と、を備え、前記規制手段は、前記開閉機の出力軸と駆動部との接続の有無を切り替えるための機構であり、当該制御システムは、前記収納手段の外部に設けられた遠隔操作手段であり、前記解放操作とは異なる前記シャッター装置の遠隔操作を行うための遠隔操作手段と、所定条件下で前記解放手段を介して前記作業者による前記解放操作が行われることにより、前記シャッター装置の制御モードを、前記遠隔操作手段を一意に識別する識別情報の登録を行う登録モードに設定する設定手段と、を備える。
【0008】
請求項3に記載の制御システムは、請求項1又は2に記載の制御システムにおいて、前記所定条件は、前記遠隔操作手段又は前記シャッター装置に対して前記解放操作とは異なる所定操作が受け付けられてから所定時間が経過する前であること、又は所定時間内に前記遠隔操作手段又は前記シャッター装置に対して前記解放操作とは異なる所定操作が所定回数受け付けられること、を含む。
【0009】
請求項4に記載の制御システムは、請求項1から3のいずれか一項に記載の制御システムにおいて、前記登録モードは、前記識別情報を新規に登録するための新規登録モードと、前記新規登録モードにて前記識別情報が登録された後に、前記登録された識別情報を保持しながら前記登録された識別情報とは異なる他の識別情報を登録するための追加登録モードと、前記新規登録モード又は前記追加登録モードにて前記識別情報が登録された後に、前記登録された識別情報を削除して前記登録された識別情報とは異なる他の識別情報を登録するための再登録モードと、を含む。
【0010】
請求項5に記載の制御システムは、請求項1から4のいずれか一項に記載の制御システムにおいて、当該制御システムは、前記登録モードの設定により前記識別情報が登録された後に、前記解放手段を前記解放操作が行われる前の状態に復旧する復旧手段を備える。
【0011】
請求項6に記載の制御システムは、請求項1から5のいずれか一項に記載の制御システムにおいて、当該制御システムは、前記登録モードの設定により前記識別情報が登録された後に、前記登録された識別情報に対応する前記遠隔操作手段又は前記シャッター装置に対して前記開閉体の開放移動を行うための操作が受け付けられることで前記開口部が全開した全開状態になるまで前記開閉体が開放移動されると、前記全開状態に対応する前記開閉体の位置である全開位置と、前記開口部が全閉した全閉状態に対応する前記開閉体の位置である全閉位置とを特定する特定手段を備える。
【0012】
請求項7に記載の制御システムは、請求項1から6のいずれか一項に記載の制御システムにおいて、前記解放手段を、前記建物の屋内に配置した。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の制御システムによれば、シャッター装置が、収納手段の外部に設けられた解放手段であり、開閉機を構成する規制手段であって開閉体の開閉移動を規制する規制手段を解放するための解放手段と、を備え、当該制御システムが、収納手段の外部に設けられた遠隔操作手段であり、シャッター装置を遠隔操作するための遠隔操作手段と、所定条件下で解放手段における規制手段の解放操作が行われることにより、シャッター装置の制御モードを、遠隔操作手段を一意に識別する識別情報の登録を行う登録モードに設定する設定手段と、を備えるので、所定条件下で解放手段の解放操作が行われることにより登録モードに設定できる。よって、従来技術(ブレーキレスの開閉機を有するシャッター装置において登録モードを設定する技術)に比べて、開閉体を手動で開閉移動させる作業を省略でき、且つ上記所定条件を比較的多様に設定できることから、登録モードの設定をニーズに応じた条件で簡易に行うことが可能となる。
また、設定手段が、登録された識別情報に対応する遠隔操作手段に対してシャッター装置の制御モードを追加登録モードに設定するための操作が受け付けられてから所定時間が経過する前に解放手段における規制手段の解放操作が行われることにより、シャッター装置の制御モードを追加登録モードに設定するので、作業者の意図に反して追加登録モードに設定されることを比較的回避しやすいことから、識別情報の誤登録を一層回避しやすくなる。
【0014】
請求項2に記載の制御システムによれば、シャッター装置が、収納手段の外部に設けられた解放手段であり、開閉機を構成する規制手段であって開閉体の開閉移動を規制する規制手段を解放するための解放手段と、を備え、当該制御システムが、収納手段の外部に設けられた遠隔操作手段であり、シャッター装置を遠隔操作するための遠隔操作手段と、所定条件下で解放手段における規制手段の解放操作が行われることにより、シャッター装置の制御モードを、遠隔操作手段を一意に識別する識別情報の登録を行う登録モードに設定する設定手段と、を備えるので、所定条件下で解放手段の解放操作が行われることにより登録モードに設定できる。よって、従来技術(ブレーキレスの開閉機を有するシャッター装置において登録モードを設定する技術)に比べて、開閉体を手動で開閉移動させる作業を省略でき、且つ上記所定条件を比較的多様に設定できることから、登録モードの設定をニーズに応じた条件で簡易に行うことが可能となる。
【0015】
請求項3に記載の制御システムによれば、所定条件が、遠隔操作手段又はシャッター装置に対して所定操作が受け付けられてから所定時間が経過する前であること、又は所定時間内に遠隔操作手段又はシャッター装置に対して所定操作が所定回数受け付けられること、を含むので、作業者の意図に反して登録モードに設定されることを比較的回避しやすいことから、識別情報の誤登録を回避しやすくなる。また、上記所定条件を多様に設定でき、登録モードの設定をニーズに応じた条件で設定しやすくなる。
【0016】
請求項4に記載の制御システムによれば、登録モードが、識別情報を新規に登録するための新規登録モードと、新規登録モードにて識別情報が登録された後に、登録された識別情報を保持しながら登録された識別情報とは異なる他の識別情報を登録するための追加登録モードと、新規登録モード又は追加登録モードにて識別情報が登録された後に、登録された識別情報を削除して登録された識別情報とは異なる他の識別情報を登録するための再登録モードと、を含むので、シャッター装置の制御モードを新規登録モード、追加登録モード、及び再登録モードに設定でき、作業者のニーズに応じた識別情報の登録を行うことができる。
【0017】
請求項5に記載の制御システムによれば、当該制御システムが、登録モードの設定により識別情報が登録された後に、解放手段を規制手段の解放操作を行う前の状態に復旧する復旧手段を備えるので、識別情報が登録された後に、解放手段を解放手段の解放操作を行う前の状態に自動的に復旧でき、当該状態に復旧する手間を省略できると共に、当該復旧のし忘れを防止できる。
【0018】
請求項6に記載の制御システムによれば、当該制御システムが、登録モードの設定により識別情報が登録された後に、登録された識別情報に対応する遠隔操作手段又はシャッター装置に対して開閉体の開放移動を行うための操作が受け付けられることで全開状態になるまで開閉体が開放移動されると、全開位置と全閉位置とを特定する特定手段を備えるので、全開位置及び全閉位置を特定でき、識別情報の登録後に全開位置及び全閉位置の設定が消失した場合でも、遠隔操作手段又はシャッター装置の操作で全開状態になるまで開閉体が開放移動させるだけで全開位置及び全閉位置を特定でき、全開位置及び全閉位置の設定を簡易に行うことができる。
【0019】
請求項7に記載の制御システムによれば、解放手段を、建物の屋内に配置したので、解放手段を建物の屋外に配置する場合に比べて、屋外にいる第三者によって解放手段が操作されることを回避でき、建物の防犯性を確保しやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の実施の形態に係るシャッター装置を概念的に示す図である。
【
図3】遠隔操作装置及び制御装置の電気的構成を示したブロック図である。
【
図4】設定指示情報テーブルの構成例を示す図である。
【
図6】実施の形態に係る制御処理のフローチャートである。
【
図7】新規登録モード処理のフローチャートである。
【
図8】追加登録モード処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る制御システムの実施の形態を詳細に説明する。まず、〔I〕実施の形態の基本的概念を説明した後、〔II〕実施の形態の具体的内容について説明し、最後に、〔III〕実施の形態に対する変形例について説明する。ただし、実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0022】
〔I〕実施の形態の基本的概念
まず、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、概略的に、建物の開口部に設けられたシャッター装置を制御する制御システムに関するものである。
【0023】
ここで、「建物」とは、その具体的な構造や種類は任意であるが、例えば、戸建て住宅、アパートやマンションの如き集合住宅、オフィスビル、商業施設、及び公共施設等を含む概念である。また、「建物の開口部」とは、建物の躯体の一部分(例えば、壁、床、天井等)において出入口や窓を設置するために形成された開口部である。また、シャッター装置は、防犯や防火のために、建物の開口部に取り付けられる装置であり、例えば、窓シャッター、軽量シャッター等を電動駆動可能な全ての形式のシャッター装置を含む概念である。また、シャッター装置を構成する開閉体の開閉方向については、例えば上下方向、左右方向、前後方向等が該当する。また、「開閉体の開閉状態」とは、「全閉状態」、「全開状態」、及び「半開状態」を含む概念である。このうち、「全閉状態」とは、開閉体によって開口部を全閉した状態であり、全閉状態における開閉体の位置を「全閉位置」と称する。また、「全開状態」とは、開閉体によって開口部を全開した状態であり、全開状態における開閉体の位置を「全開位置」と称する。また、「半開状態」とは、開閉体が全閉位置と全開位置との間に位置している状態である。以下、実施の形態では、シャッター装置が、戸建て住宅の如き建物の壁であって窓を有する壁に設けられた上下開閉式且つ電動式の窓シャッターである場合について説明する。
【0024】
〔II〕実施の形態の具体的内容
次に、実施の形態の具体的内容について説明する。
【0025】
(構成)
最初に、実施の形態に係る制御システムが適用されるシャッター装置の構成について説明する。以下の説明では、
図1のX方向をシャッター装置の左右方向又は幅方向(-X方向をシャッター装置の左方向、+X方向をシャッター装置の右方向)、
図2のY方向をシャッター装置の前後方向(+Y方向をシャッター装置の前方向(建物の屋外側の方向)、-Y方向をシャッター装置の後方向(建物の屋内側の方向))、
図1のZ方向をシャッター装置の上下方向(+Z方向をシャッター装置の上方向、-Z方向をシャッター装置の下方向)と称する。
【0026】
図1に示すように、このシャッター装置1は、概略的に、収納部10、ガイドレール20、開閉体30、開閉機40、巻取軸(図示省略)、解放部45、及び制御システム50を備えている。ただし、シャッター装置1に関する特記しない構成については、従来と同様であるものとして説明を省略する。
【0027】
また、このシャッター装置1を構成する各装置の接続形態については、以下に示す通りとなる。すなわち、後述する制御システム50の制御装置100は、後述する開閉機40の制御部、シャッター側操作装置60、位置検知部80、及び回転数検知部90の各々と配線3を介して電気的に接続されていると共に、開閉機40は、解放部45とワイヤ4を介して接続されていると共に、後述する制御システム50の遠隔操作装置70と無線にて通信可能に接続されている。このような接続により、後述する制御システム50の制御装置100と、シャッター側操作装置60、開閉機40、位置検知部80、及び回転数検知部90の各々との相互間で通信又は電力供給を行うことができると共に、開閉機40と、後述する制御システム50の遠隔操作装置70との相互間で通信を行うことができる。
【0028】
(構成-収納部)
収納部10は、シャッター装置1の各部を収納するものである。
図1に示すように、この収納部10は、長尺な中空状体にて構成されており、建物の壁における開口部2の上端部よりも上方に設置されている。また、この収納部10の内部には、開閉機40及び巻取軸が収容されていると共に、巻取軸にて開閉体30が巻上げられた状態では、開閉体30の少なくとも一部も収納部10の内部に収容される。また、この収納部10の具体的な構成については任意であるが、例えば、折り曲げ成形された複数のスチール製の板状体を、ビスや取付ネジ等の取付具によって相互に接続して形成している。
【0029】
(構成-ガイドレール)
ガイドレール20は、開閉体30を開口部2の開閉方向(上下方向)に沿って移動するように案内するものである。このガイドレール20は、横断面形状が略コ字状となるように形成された長尺体であり、シャッター装置1の左右の各端部において、上下方向に略沿う方向で配置されており、建物の壁に対して直接的に固定されており、又は下地材(図示省略)を介して間接的に固定されている。
【0030】
(構成-開閉体)
開閉体30は、開口部2を開閉するものであって、巻取軸によって閉鎖移動又は開放移動されることで、開閉体30の状態を全開状態、全閉状態、又は半開状態とするものである。この開閉体30は、
図1に示すように、複数のスラット31を備えて構成されており、各スラット31の上下の両端部に形成された嵌合部を介して複数のスラット31が相互に嵌合接続されている。また、この開閉体30の左右方向の両端部の各々は、ガイドレール20のコ字状の開放端部を介してガイドレール20の内部に挿入されており、上下方向においてはガイドレール20の内部をスライド移動可能であり、かつ、前後方向においてはガイドレール20の外部に脱落しないように規制されている。また、この開閉体30の下端部には、座板32が接続されている。この座板32は、開閉体30の状態が全閉状態である場合において建物の床面と近接し、又は接触するように配置されたものであり、開閉体30の下端部の左右方向全長にわたって形成されている。
【0031】
(構成-開閉機)
開閉機40は、開閉体30の巻取り又は巻出しを行うことにより、開閉体30を開放移動又は閉鎖移動させるためのものである。この開閉機40は、例えば公知の開閉機等によって構成されており、当該開閉機40の内部には、制御システム50の後述する位置検知部80、後述する回転数検知部90、及び後述する制御装置100が収容されている。また、この開閉機40は、出力軸、駆動部、規制部、障害物検知部、電源部、受信部、及び制御部を備えて構成されている(いずれも図示省略)。
【0032】
ここで、出力軸は、駆動部から伝達された回転力を巻取軸に伝達するためのものである。
【0033】
駆動部は、出力軸を電動で回転させることにより、開閉体30を駆動させる駆動手段であり、例えばステッピングモータ等の公知の駆動手段を用いて構成されている。
【0034】
規制部は、開閉体30の開閉移動を規制する規制手段であり、例えば、出力軸と駆動部との接続の有無を切り替えるための公知の機構等を用いて構成されている(ただし、これに限らず、例えばブレーキ部を用いて構成されてもよい)。
【0035】
障害物検知部は、開閉体30の閉鎖移動の障害となる障害物(例えば、人、動物、物)を検知するための障害物検知手段であり、例えば、公知の障害物検知センサ(一例として、過負荷検知センサ)等を用いて構成されており、開閉体30の下端部が障害物と接触した場合には、障害物が検知された旨を示す障害物検知信号を制御装置100に送信する。
【0036】
電源部は、図示しない商用電源から供給された電力を、開閉機40の各部に供給する電源手段である。
【0037】
受信部は、遠隔操作装置70から送信された情報を受信する受信手段であり、例えば公知の無線用の通信手段を用いて構成されている。
【0038】
制御部は、開閉機40の各部を制御する制御手段であると共に、後述する制御システム50の制御装置100からの出力に基づいて開閉体30の開閉制御を行う制御手段である。
【0039】
(構成-解放部)
解放部45は、開閉機40の規制部を解放するための解放手段である。この解放部45は、例えば公知の解放装置(一例として、非常解放レバー)等を用いて構成されており、収納部10の外部に設けられている。
【0040】
また、解放部45の設置方法については任意であるが、実施の形態では、建物の屋内に設置(配置)しており、具体的には、
図1、
図2に示すように、ガイドレール20(
図1では、右側に位置するガイドレール20)の内側側部に配置しており、当該ガイドレール20に対して固定具等によって固定している。これにより、解放部45を建物の屋外に配置する場合に比べて、屋外にいる第三者によって解放部45が操作されることを回避でき、建物の防犯性を確保しやすくなる。ただし、これに限らず、例えば、解放部45を建物の屋外に配置してもよい。
【0041】
(構成-巻取軸)
巻取軸は、開閉体30を開閉移動させるための回動軸である。この巻取軸は、例えば公知の巻取軸等を用いて構成されており、収納部10の内部において左右方向に沿って設置されている。また、この巻取軸には開閉体30の上端に連結された連結スラット(図示省略)が接続されており、この巻取軸を回転させることで、連結スラットを介して開閉体30を開閉移動させることができる。
【0042】
(構成-制御システム)
図1に戻り、次に、制御システム50の構成について説明する。
図1に示すように、制御システム50は、シャッター側操作装置60、遠隔操作装置70、位置検知部80、回転数検知部90、及び制御装置100を備えている。
【0043】
(構成-制御システム-シャッター側操作装置)
シャッター側操作装置60は、開閉体30の閉鎖移動又は開放移動に関する操作入力を受け付ける操作手段である。このシャッター側操作装置60は、例えば公知の有線式の操作装置等を用いて構成されており、開閉体30を電動で開放移動させる開放ボタン、電動で閉鎖移動させる閉鎖ボタン、及び電動による閉鎖移動又は開放移動を停止させる停止ボタンを備えている(いずれも図示省略)。
【0044】
また、実施の形態では、開放ボタン、閉鎖ボタン、又は停止ボタンが操作者によって押圧された場合には、当該押圧されたボタンに応じた操作信号(すなわち、開放信号、閉鎖信号、停止信号)を制御装置100を介して開閉機40に出力することで、開閉機40によって開閉体30が電動で閉鎖移動又は開放移動させたり、あるいは開閉体30の閉鎖移動又は開放移動を電動で停止させることができる。
【0045】
(構成-制御システム-遠隔操作装置)
遠隔操作装置70は、シャッター装置1を遠隔操作するための遠隔操作手段である。この遠隔操作装置70は、例えば公知のシャッター装置用のリモコン等を用いて構成されており、
図1に示すように、収納部10の外部に設けられており(
図1では、操作者によって所持されている)、
図3に示すように、操作部71、送信部72、電源部73、制御部74、及び記憶部75を備えている。
【0046】
(構成-制御システム-遠隔操作装置-操作部)
操作部71は、各種の情報に関する操作入力を受け付けるための操作手段である。この操作部71は、例えばハードスイッチやタッチパネル等の公知の操作手段を用いて構成されており、シャッター側操作装置60と同様に、開放ボタン、閉鎖ボタン、及び停止ボタンを備えていることに加えて、操作装置70に関する各種の設定を行うための設定ボタンを備えている(いずれも図示省略)。
【0047】
また、実施の形態では、開放ボタン、閉鎖ボタン、停止ボタン、又は設定ボタンが操作者によって押圧された場合には、当該押圧されたボタンに応じた操作信号(すなわち、開放信号、閉鎖信号、停止信号、設定信号)を制御装置100を介して開閉機40に出力し、又は制御装置100に出力することで、開閉機40によって開閉体30が電動で閉鎖移動又は開放移動させ、開閉体30の閉鎖移動又は開放移動を電動で停止させ、又は遠隔操作装置70に関する各種の設定を行うことができる。また、これら開放ボタン、閉鎖ボタン、停止ボタン、又は設定ボタンが操作者によって後述の操作内容情報の操作内容に基づいて押圧された場合には、当該操作内容に応じた設定指示情報を含む信号(すなわち、仮登録指示情報、本登録指示情報、仮書き換え登録指示情報、又は個別削除指示情報を含む信号が該当する。以下では、「設定指示信号」と称する。)が制御装置100に向けて出力されることで、制御装置100において当該設定指示情報に対応する処理を実行することが可能となる。
【0048】
(構成-制御システム-遠隔操作装置-送信部)
送信部72は、制御装置100との間での各種の情報を送信するための送信手段であり、例えば公知の無線用の通信手段を用いて構成されている。
【0049】
(構成-制御システム-遠隔操作装置-電源部)
電源部73は、図示しない電池(例えば、バッテリ等)から供給された電力を、遠隔操作装置70の各部に供給する電源手段である。
【0050】
(構成-制御システム-遠隔操作装置-制御部)
制御部74は、遠隔操作装置70の各部を制御する制御手段である。この制御部74は、具体的には、CPU、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)及びプログラムや各種のデータを格納するためのRAMの如き内部メモリを備えて構成されるコンピュータである(なお、後述する制御装置100の制御部105の構成についても同様とする)。
【0051】
(構成-制御システム-遠隔操作装置-記憶部)
記憶部75は、遠隔操作装置70の動作に必要なプログラム及び各種のデータ(例えば、遠隔操作装置70を一意に識別する識別情報等)を記憶する記憶手段である。この記憶部75は、書き換え可能な公知の記録媒体を用いて構成され、例えばフラッシュメモリ等の不揮発性記録媒体を用いることができる(なお、後述する制御装置100の記憶部106の構成についても同様とする)。また、この記憶部75は、
図3に示すように、設定指示情報テーブル75aを備えている。
【0052】
(構成-制御システム-遠隔操作装置-記憶部-設定指示情報テーブル)
図3の設定指示情報テーブル75aは、設定指示情報を格納する設定指示情報格納手段である。ここで、「設定指示情報」とは、遠隔操作装置70の識別情報の設定に関する指示を行うための情報である。
【0053】
図4に示すように、設定指示情報テーブル75aは、項目「操作内容情報」、及び項目「設定指示情報」と、各項目に対応する情報とを、相互に関連付けて構成されている。ここで、項目「操作内容情報」に対応する情報は、各種の設定指示情報に対応する操作内容を示す操作内容情報であり、例えば、
図4に示すように、「停止ボタンを3回押し」、「停止ボタンを3秒以上長押し」、「停止ボタンを15秒間長押し」、「設定ボタン及び停止ボタンを3秒間長押し」等が該当する。また、項目「設定指示情報」に対応する情報は、設定指示情報であり、例えば、
図4に示すように、「仮登録指示情報」、「本登録指示情報」、「仮書き換え登録指示情報」、「個別削除指示情報」等が該当する。このうち、「仮登録指示情報」とは、後述する仮登録処理の実行を指示する情報である。また、「本登録指示情報」とは、後述する本登録処理の実行を指示する情報である。また、「仮書き換え登録指示情報」とは、後述する仮書き換え登録処理の実行を指示する情報である。また、「個別削除指示情報」とは、後述する個別削除処理の実行を指示する情報である。
【0054】
(構成-制御システム-位置検知部、回転数検知部)
図1に戻り、位置検知部80は、開閉体30の位置(具体的には、開閉体30の下端部の位置)を検知し、当該検知した位置を示す信号(以下、「位置信号」と称する)を所定周期で出力するための位置検知手段である。回転数検知部90は、開閉機40の駆動部の回転数(以下、「駆動部の回転数」と称する。)を検知し、当該検知した回転数を示す信号(以下、「回転数信号」と称する)を所定周期で出力するための位置検知手段である。これら位置検知部80及び回転数検知部90の具体的な構成については任意であるが、実施の形態では、位置検知部80及び回転数検知部90の両方の機能を有するホールIC等を用いて構成されている。ただし、これに限られず、例えば、位置検知部80がエンコーダ(又はポテンションメータ)等を用いて構成され、回転数検知部90がタコジェネレータ等を用いて構成されてもよい。
【0055】
ここで、実施の形態では、上限リミットスイッチ及び下限リミットスイッチを設けていないので、後述する開閉処理を実行するためには、全開位置(上限位置)及び全閉位置(下限位置)を設定する必要がある。これら全開位置及び全閉位置を設定する方法については任意であるが、例えば、以下に示す方法(以下、「手動設定方法」で設定してもよい。
【0056】
すなわち、まず、作業者がシャッター側操作装置60を介して所定操作を行うことで、シャッター装置1の制御モードを後述の通常モードから全開位置及び全閉位置を設定するモード(以下、「リミット設定モード」と称する)に設定する。次に、リミット設定モードにおいて、シャッター側操作装置60の開放ボタンを操作することで、開閉体30の状態を全開状態になるように開閉体30を開放移動させる。次いで、開閉体30の下端部(開閉体30の閉鎖方向側の端部)がまぐさと当接することにより、開閉機40の駆動部の電圧値又は電流値(つまり、駆動部の負荷量)が閾値に達することで、位置検知部80から取得した位置信号に対応する開閉体30の位置を全開位置として設定する。次に、作業者がシャッター側操作装置60の閉鎖ボタンを操作することで、開閉体30の状態が全閉状態になるように開閉体30を閉鎖移動させる。続いて、開閉体30の下端部が床面と当接することにより、開閉機40の駆動部の電圧値又は電流値(つまり、駆動部の負荷量)が閾値に達することで、位置検知部80から取得した位置信号に対応する開閉体30の位置を全閉位置として設定する。
【0057】
(構成-制御システム-制御装置)
次に、制御装置100の構成について説明する。制御装置100は、
図3に示すように、入力部101、出力部102、報知部103、電源部104、制御部105、及び記憶部106を備えている。
【0058】
(構成-制御システム-制御装置-入力部)
入力部101は、信号(例えば、操作信号、設定指示信号、位置信号、回転数信号、又は障害物検知信号等)の入力を受け付ける入力手段であり、例えば公知の入力端子等を用いて構成されている。
【0059】
(構成-制御システム-制御装置-出力部)
出力部102は、信号を開閉機40に出力する出力手段であり、例えば公知の出力端子等を用いて構成されている。
【0060】
(構成-制御システム-制御装置-報知部)
報知部103は、制御部105の制御に基づいて各種の情報を報知するための報知手段であり、例えばLEDランプ等の公知の表示手段やスピーカ等の公知の音声出力手段等を用いて構成されており、収納部10の内部又は外部に設けられている。
【0061】
(構成-制御システム-制御装置-電源部)
電源部104は、図示しない商用電源又は電池(例えば、バッテリ等)から供給された電力を、制御装置100の各部に供給すると共に、シャッター側操作装置60、位置検知部80、及び回転数検知部90にも供給する電源手段である。
【0062】
(構成-制御システム-制御装置-制御部)
制御部105は、制御装置100の各部を制御する制御手段であり、
図3に示すように、機能概念的に、設定部105a、復旧部105b、及び特定部105cを備えている。
【0063】
設定部105aは、所定条件で解放部45における開閉機40の規制部の解放操作(以下、単に「解放部45の解放操作」と称する)が行われることにより、シャッター装置1の制御モードを登録モードに設定する設定手段である。
【0064】
ここで、制御モードの具体的な種別については任意であるが、実施の形態では、通常モード、登録モード、及び上記リミット設定モードが該当する。「通常モード」とは、通常時(具体的には、登録モードが設定されていない時)にシャッター装置1に関する制御(例えば、開閉体30の開閉制御)を行うためのモードである。また、「登録モード」とは、識別情報の登録を行うためのモードであり、実施の形態では、新規登録モード、追加登録モード、及び再登録モードが該当する。このうち、「新規登録モード」とは、識別情報を新規に登録するためのモードである。また、「追加登録モード」とは、新規登録モードにて識別情報が登録された後に、登録された識別情報を保持しながら登録された識別情報とは異なる他の識別情報を登録するための登録モードである。また、「再登録モード」とは、新規登録モード又は追加登録モードにて識別情報が登録された後に、登録された識別情報を削除して登録された識別情報とは異なる他の識別情報を登録するためのモードである。
【0065】
復旧部105bは、登録モードの設定により識別情報が登録された後に、解放部45を解放部45の解放操作を行う前の状態に復旧する復旧手段である。
【0066】
特定部105cは、登録モードの設定により識別情報が登録された後に、遠隔操作装置70に対して開閉体30の開放移動を行うための操作が受け付けられることで全開状態になるまで開閉体30が開放移動されると、全開位置と全閉位置とを特定する特定手段である。なお、この制御部105によって実行される処理の詳細については後述する。
【0067】
(構成-制御システム-制御装置-記憶部)
記憶部106は、制御装置100の動作に必要なプログラム及び各種のデータ(例えば、ログ情報や識別情報等)を記憶する記憶手段であり、
図3に示すように、処理テーブル106aを備えている。
【0068】
(構成-制御システム-制御装置-記憶部-処理テーブル)
図3の処理テーブル106aは、処理情報を格納する処理情報格納手段である。ここで、「処理情報」とは、登録モードにおいて実行される処理の内容を示す情報である。
【0069】
図5に示すように、処理テーブル106aは、項目「設定指示情報」、及び項目「処理情報」と、各項目に対応する情報とを、相互に関連付けて構成されている。ここで、項目「設定指示情報」に対応する情報は、設定指示情報である。また、項目「処理情報」に対応する情報は、処理情報であり、例えば、
図5に示すように、「仮登録処理情報」、「本登録処理情報」、「仮書き換え登録処理情報」、「個別削除処理情報」等が該当する。このうち、「仮登録処理情報」とは、識別情報を記憶部106に仮登録する処理(以下、「仮登録処理」と称する)を示す情報である。また、「本登録処理情報」とは、仮書き換え登録処理又は仮登録処理にて仮登録された識別情報を記憶部106に本登録する処理(以下、「本登録処理」と称する)を示す情報である。また、「仮書き換え登録処理情報」とは、記憶部106に登録(本登録又は仮登録)されている識別情報を全て削除し、新たに識別情報を仮登録する処理(以下、「仮書き換え登録処理」と称する)を示す情報である。また、「個別削除処理情報」とは、記憶部106に登録(本登録又は仮登録)されている識別情報を個別に削除する処理(以下、「個別削除処理」と称する)を示す情報である。
【0070】
(制御処理)
次に、このように構成されたシャッター装置1によって実行される制御処理について説明する。以下の説明では、
図6から
図9に示す各処理の説明ではステップを「S」と略記する。
【0071】
この制御処理は、シャッター装置1を制御するための処理である。この制御処理を実行するタイミングは任意であるが、実施の形態では、シャッター装置1の電源が投入された後に起動されるものとして説明する。なお、以下の説明では、制御モードをリミット設定モードに設定することについては言及しないものの、実施の形態では、制御処理中においてシャッター側操作装置60を介して所定操作が受け付けられると、制御モードをリミット設定モードに設定して、上述した手動設定方法により全開位置及び全閉位置を設定できるものとする。
【0072】
制御処理が起動されると、
図6に示すように、SA1において制御装置100の設定部105aは、制御モードを通常モードに設定してから、制御モードを新規登録モードに設定するタイミング(以下、「新規登録タイミング」と称する)が到来したか否かを判定する。
【0073】
この新規登録タイミングが到来したか否かの判定方法については任意であるが、実施の形態では、第1新規登録条件下、第2新規登録条件下、又は第3新規登録条件下で、解放部45の解放操作が行われた否かに基づいて判定し、上記解放部45の解放操作が行われた場合には新規登録タイミングが到来したと判定し、上記解放部45の解放操作が行われていない場合には新規登録タイミングが到来していないと判定する。
【0074】
ここで、「第1新規登録条件」とは、制御装置100の記憶部106に識別情報が登録されておらず(又は全開位置及び閉位置が設定されておらず)、且つ、シャッター装置1の電源が投入されてから第1所定時間(例えば、5min等)が経過する前であること等が該当する。また、「第2新規登録条件」とは、記憶部106に識別情報が登録されておらず(又は全開位置及び閉位置が設定されておらず)、且つシャッター装置1の電源が投入されてから第1所定時間が経過した後(例えば、シャッター装置1の設置時に電源を投入した状態が継続していること等が該当する)に設定信号の入力が受け付けられてから第2所定時間(例えば、1min等)が経過する前であること等が該当する。また、「第3新規登録条件」とは、記憶部106に識別情報が登録されておらず(又は全開位置及び閉位置が設定されておらず)、且つシャッター装置1の電源が投入された状態で、第3所定時間内(例えば、5sec以内等)にシャッター側操作装置60(又は遠隔操作装置70)に対して所定操作が所定回数受け付けられること(例えば、遠隔操作装置70又はシャッター側操作装置60から停止信号が5回以上受け付けられること)等が該当する。なお、これら「第1新規登録条件」、「第2新規登録条件」、及び「第3新規登録条件」は、特許請求の範囲における「所定条件」に対応する。
【0075】
そして、制御装置100の設定部105aは、新規登録タイミングが到来したと判定された場合(SA1、Yes)には、制御モードを新規登録モードに設定して新規登録モード処理(SA2)を起動させ、新規登録タイミングが到来していないと判定された場合(SA1、No)にはSA3に移行する。また、SA2の新規登録モード処理が実行された後には、制御装置100の制御部105は、制御モードを通常モードに設定して、SA1に移行する。なお、実施の形態では、新規登録モード処理(SA2)が起動した際には、例えば、その旨を示す情報を報知部103を介して報知しており、一例として、当該情報を報知部103を介して表示又は音声出力してもよい(なお、後述の追加登録モード処理が起動した場合、後述の再登録モード処理が起動した場合についても同様とする)。また、新規登録モード処理(SA2)の処理内容の詳細については後述する。
【0076】
このようなSA1及びSA2の処理により、第1新規登録条件下から第3新規登録条件下のいずれかで解放部45の解放操作が行われることにより新規登録モードに設定できる。よって、従来技術(ブレーキレスの開閉機を有するシャッター装置において登録モードを設定する技術)に比べて、開閉体30を手動で開閉移動させる作業を省略でき、且つ新規登録モードの所定条件を比較的多様に設定できることから、登録モードの設定をニーズに応じた条件で簡易に行うことが可能となる。特に、第1新規登録条件から第3新規登録条件であれば、作業者の意図に反して新規登録モードに設定されることを比較的回避しやすいことから、識別情報の誤登録を回避しやすくなる。また、第2新規登録条件下又は第3新規登録条件下で解放部45の解放操作を行う場合には、第1新規登録条件下で解放部45の解放操作を行う場合(つまり、規制部付きの開閉機40を有するシャッター装置1に対して電源を落とすことをトリガとして、新規登録モードに設定する場合)に比べて、当該電源を落とすための高所での作業を行う必要がなくなるため、新規登録モードの設定を簡易且つ安全に行うことが可能となる。これに加えて、例えば、複数のシャッター装置1が並設されており、且つ1つの電源に接続されている場合においても、複数のシャッター装置1のうち、識別情報を登録したいシャッター装置1のみに対して新規登録モードの設定を確実に行うことが可能となる。
【0077】
SA3において制御装置100の設定部105aは、制御モードを追加登録モードに設定するタイミング(以下、「追加登録タイミング」と称する)が到来したか否かを判定する。
【0078】
この追加登録タイミングが到来したか否かの判定方法については任意であるが、実施の形態では、追加登録条件下で、解放部45の解放操作が行われた否かに基づいて判定し、上記解放部45の解放操作が行われた場合には追加登録タイミングが到来したと判定し、上記解放部45の解放操作が行われていない場合には追加登録タイミングが到来していないと判定する。
【0079】
ここで、「追加登録条件」とは、制御装置100の記憶部106に識別情報が登録(本登録)されており、シャッター装置1の電源が投入されている状態において、登録された識別情報に対応する遠隔操作装置70から設定信号の入力が受け付けられてから第4所定時間(例えば、1min等)が経過する前であること等が該当する。なお、この「追加登録条件」は、特許請求の範囲における「所定条件」に対応する。
【0080】
そして、制御装置100の設定部105aは、追加登録タイミングが到来したと判定された場合(SA3、Yes)には、制御モードを追加登録モードに設定して追加登録モード処理(SA4)を起動させ、追加登録タイミングが到来していないと判定された場合(SA3、No)にはSA5に移行する。また、SA4の追加登録モード処理が実行された後には、制御装置100の制御部105は、制御モードを通常モードに設定して、SA1に移行する。なお、追加登録モード処理(SA4)の処理内容の詳細については後述する。
【0081】
このようなSA3及びSA4の処理により、追加登録条件下で解放部45の解放操作が行われることにより追加登録モードに設定できる。よって、従来技術(ブレーキレスの開閉機を有するシャッター装置において登録モードを設定する技術)に比べて、開閉体30を手動で開閉移動させる作業を省略でき、追加登録モードの設定を簡易に行うことが可能となる。特に、追加登録条件であれば、作業者の意図に反して追加登録モードに設定されることを比較的回避しやすいことから、識別情報の誤登録を回避しやすくなる。さらに、規制部付きの開閉機40を有するシャッター装置1に対して電源を落とすことをトリガとして、追加登録モードに設定する場合に比べて、当該電源を落とすための高所での作業を行う必要がなくなるため、追加登録モードの設定を簡易且つ安全に行うことが可能となる。
【0082】
SA5において制御装置100の設定部105aは、制御モードを再登録モードに設定するタイミング(以下、「再登録タイミング」と称する)が到来したか否かを判定する。
【0083】
この再登録タイミングが到来したか否かの判定方法については任意であるが、実施の形態では、第1再登録条件下又は第2再登録条件下で、解放部45の解放操作が行われた否かに基づいて判定し、上記解放部45の解放操作が行われた場合には再登録タイミングが到来したと判定し、上記解放部45の解放操作が行われていない場合には再登録タイミングが到来していないと判定する。
【0084】
ここで、「第1再登録条件」とは、制御装置100の記憶部106に識別情報が登録(本登録)されており、且つ、シャッター装置1の電源が切られて再投入されてから第5所定時間(例えば、5min等)が経過する前であること等が該当する。また、「第2再登録条件」とは、記憶部106に識別情報が登録(本登録)されており、且つシャッター装置1の電源が投入された状態で、第6所定時間内(例えば、5sec以内等)にシャッター側操作装置60(又は遠隔操作装置70)に対して所定操作が所定回数受け付けられること(例えば、遠隔操作装置70又はシャッター側操作装置60から停止信号が5回以上受け付けられること)等が該当する。なお、これら「第1再登録条件」及び「第2再登録条件」は、特許請求の範囲における「所定条件」に対応する。
【0085】
そして、制御装置100の設定部105aは、再登録タイミングが到来したと判定された場合(SA5、Yes)には、制御モードを再登録モードに設定して再登録モード処理(SA6)を起動させ、再登録タイミングが到来していないと判定された場合(SA5、No)にはSA7に移行する。また、SA6の再登録モード処理が実行された後には、制御装置100の制御部105は、制御モードを通常モードに設定して、SA1に移行する。なお、再登録モード処理(SA6)の処理内容の詳細については後述する。
【0086】
このようなSA5及びSA6の処理により、第1再登録条件下又は第2再登録条件下で解放部45の解放操作が行われることにより再登録モードに設定できる。よって、従来技術(ブレーキレスの開閉機を有するシャッター装置において登録モードを設定する技術)に比べて、開閉体30を手動で開閉移動させる作業を省略でき、且つ再登録モードの所定条件を比較的多様に設定できることから、再登録モードの設定をニーズに応じた条件で簡易に行うことが可能となる。特に、第1再登録条件下及び第2再登録条件であれば、作業者の意図に反して制御モードが再登録モードに設定されることを抑制でき、識別情報の誤登録を回避することが可能になる。また、第2再登録条件下で解放部45の解放操作を行う場合には、第1再登録条件下で解放部45の解放操作を行う場合(つまり、規制部付きの開閉機40を有するシャッター装置1に対して電源を落とすことをトリガとして、再登録モードに設定する場合)に比べて、当該電源を落とすための高所での作業を行う必要がなくなるため、新規登録モードの設定を簡易且つ安全に行うことが可能となる。これに加えて、複数のシャッター装置1が並設されており、且つ1つの電源に接続されている場合においても、複数のシャッター装置1のうち、識別情報を登録したいシャッター装置1のみに対して再登録モードの設定を確実に行うことが可能となる。
【0087】
SA7において制御装置100の設定部105aは、後述する開閉モード処理を行うタイミングが到来したか否かを判定する。
【0088】
この開閉タイミングが到来したか否かの判定方法については任意であるが、実施の形態では、全開位置及び全閉位置が設定されている状態において開放信号、閉鎖信号、停止信号、又は障害物検知信号の入力が受け付けられたか否かに基づいて判定する。特に、遠隔操作装置70から入力が受け付けられた開放信号、閉鎖信号、停止信号については、当該受け付けられた信号に含まれる識別情報が制御装置100の記憶部106に登録済み(本登録済み)の識別情報であるか否かについても判定する。ここで、上記開放信号等の入力が受け付けられた場合(遠隔操作装置70からの開放信号等である場合には、当該開放信号等の入力が受け付けられ、且つ当該開放信号等に含まれる識別情報が登録済みの識別情報である場合)には開閉タイミングが到来したと判定し、上記開放信号等の入力が受け付けられていない場合(遠隔操作装置70からの開放信号等である場合には、当該開放信号等の入力が受け付けられておらず、又は受け付けられた当該開放信号等に含まれる識別情報が登録済みの識別情報でない場合)には、開閉タイミングが到来していないと判定する。
【0089】
そして、制御装置100の設定部105aは、開閉タイミングが到来していないと判定された場合(SA7、No)にはSA1に移行し、開閉タイミングが到来していると判定された場合(SA7、Yes)には、SA8に移行する。
【0090】
SA8において制御装置100の制御部105は、開閉処理を実行し、その後SA1に移行して、以降同様に、SA1からSA8の処理を繰り返す。
【0091】
ここで、開閉処理の具体的な処理内容については任意であるが、実施の形態では以下に示す通りとなる。なお、開閉処理の前提として、全開位置及び全閉位置が設定されているものとして説明する。
【0092】
すなわち、SA7にて閉鎖信号又は開放信号の入力が受け付けられた場合には、開閉機40の駆動部を駆動させることで、開閉体30を電動で閉鎖移動又は開放移動させる。また、開閉体30が電動で閉鎖移動又は開放移動している場合に、停止信号の入力が受け付けられた場合には、開閉機40の駆動部の駆動を停止させることで、当該閉鎖移動又は開放移動を停止させる。なお、例えば、SA7にて閉鎖信号又は開放信号の入力が受け付けられた後に操作者がシャッター側操作装置60又は遠隔操作装置70の閉鎖ボタン又は開放ボタンを操作することなく開閉体30を電動で閉鎖移動又は開放移動できるように、入力部101による閉鎖ボタン又は開放ボタンの入力の受け付けが停止した場合においても、開閉機40の駆動部を駆動させることで、当該閉鎖移動又は開放移動を継続させてもよい。
【0093】
また、開閉体30が電動で閉鎖移動している場合に、開閉体30の下端部が障害物(又は床面)と接触することにより、SA7にて障害物検知信号の入力が受け付けられた場合には、開閉機40の駆動部の駆動を停止させることで、当該閉鎖移動を一旦停止させた後、開閉体30の下端部の位置が現状の位置よりも上方位置となるように、開閉機40の駆動部を所定時間駆動させ、再び開閉機40の駆動部の駆動を停止させることで、当該閉鎖移動を停止させる(いわゆる「タッチアップ動作」を行う)。あるいは、これに限られず、例えば、上記SA7にて障害物検知信号の入力が受け付けられた場合には、開閉機40の駆動部の駆動を停止させることで、電動による開閉体30の閉鎖移動を停止させてもよい(いわゆる「タッチストップ動作」を行う)。なお、タッチアップ動作又はタッチストップ動作が行われた場合には、SA7にて閉鎖信号又は開放信号の入力が受け付けられるまで、開閉体30の開閉移動を停止させた状態を維持する。このような処理により、開口部2を通行する通行対象(例えば、人、動物、物等)又は障害物に対して開閉体30によって危害が加えられることを回避できる。
【0094】
(制御処理-新規登録モード処理)
次に、
図6の新規登録モード処理(SA2)について説明する。新規登録モード処理は、新規登録モードに対応する制御を行うための処理である。
【0095】
新規登録モード処理が起動されると、
図7に示すように、SB1において制御装置100の制御部105は、設定指示信号の入力が受け付けられたか否かを判定する。そして、制御装置100の制御部105は、設定指示信号の入力が受け付けられたと判定された場合(SB1、Yes)、SB2に移行し、設定操作信号の入力が受け付けられていないと判定された場合(SB1、No)にSB4に移行する。
【0096】
なお、実施の形態では、設定指示信号に含まれる設定指示情報の内容に関わらず、設定指示信号の入力が受け付けられた場合には、SB2に移行すると説明したが、これに限らない。例えば、新規登録モード処理の目的に合致しない設定指示情報(例えば、仮書き換え登録指示情報、個別削除指示情報等)を含む設定指示信号の入力が受け付けられた場合には、SB2に移行せずに、新規登録モード処理の目的に合致する設定指示情報(例えば、仮登録指示情報、本登録指示情報等)を含む設定指示信号の入力が受け付けられるまで待機してもよい。この場合には、例えば、設定指示信号の入力が受け付けられなかった旨を示す情報を報知部103を介して報知してもよい(なお、後述するSC1及び後述するSD1の処理についても同様とする)。
【0097】
SB2において制御装置100の制御部105は、SB1に受け付けられた設定指示信号に含まれる設定指示情報に応じた処理情報を特定する。具体的には、処理テーブル106aに格納されている処理情報の中から、SB1にて受け付けられた設定指示信号に含まれる設定指示情報に対応する処理情報を抽出し、上記抽出した情報を特定すべき処理情報として特定する。
【0098】
SB3において制御装置100の制御部105は、SB2にて特定された処理情報に対応する処理(以下、「第1処理」と称する)を実行する。なお、実施の形態では、第1処理が実行された後に、その旨を示す情報を報知部103を介して報知しており、例えば、第1処理の処理内容に応じて異なる態様で報知してもよい(なお、後述するSC3及び後述するSD3の処理についても同様とする)。
【0099】
ここで、第1処理の具体的な処理内容については任意であるが、実施の形態では以下に示す通りとなる(なお、後述する第2処理及び後述する第3処理についても略同様とする)。すなわち、第1処理が仮登録処理である場合には、SB1にて受け付けられた設定指示信号に含まれる識別情報を制御装置100の記憶部106に仮登録する。また、第1処理が仮書き換え登録処理情報である場合には、記憶部106に登録されている識別情報を全て削除し、SB1にて受け付けられた設定指示信号に含まれる識別情報を記憶部106に仮登録する。また、第1処理が本登録処理である場合には、当該本登録処理情報が特定される前に仮登録された識別情報を記憶部106に本登録する。また、第1処理が個別削除処理である場合には、記憶部106に登録されている識別情報の中から、所定方法(例えば、遠隔操作装置70を介して所定操作を行うこと、識別情報の登録順序等)で特定された識別情報を個別に削除する。
【0100】
SB4において制御装置100の制御部105は、新規登録モード処理を終了するタイミング(以下、「第1終了タイミング」と称する)が到来したか否かを判定する。
【0101】
この第1終了タイミングが到来したか否かの判定方法については任意であるが、実施の形態では、SB3において本登録処理が実行されたか否か、SB1において設定指示信号の入力が受け付けられていない時間が所定時間(例えば、5min等)以上になったか否かに基づいて判定する(なお、後述するSD4についても略同様とする)。ここで、SB3において本登録処理が実行された場合又は上記所定時間以上になった場合には第1終了タイミングが到来したと判定し、SB3において本登録処理が実行されていない場合及び上記所定時間以上になっていない場合には第1終了タイミングが到来していないと判定する。
【0102】
そして、制御装置100の制御部105は、第1終了タイミングが到来したと判定された場合(SB4、Yes)にはSB5に移行し、第1終了タイミングが到来していないと判定された場合(SB4、No)にはSB1に移行して、第1終了タイミングが到来したと判定されるまで、SB1からSB4の処理を繰り返す。
【0103】
SB5において制御装置100の復旧部105bは、解放部45を解放部45の解放操作を行う前の状態に復旧する。
【0104】
ここで、SB5の処理を行う理由については、以下に示す通りである。すなわち、解放部45を解放部45の解放操作を行う前の状態においては開閉体30を手動操作で開閉移動させることできるので、例えば、新規登録モード処理が終了して作業者が開口部2の近傍からいなくなると、第三者が開閉体30を手動操作して建物内に侵入するおそがあることから、このような問題が発生しないようにシャッター装置1の防犯性を高めるためである(なお、後述するSC5及びSD5の処理についても同様とする)。
【0105】
また、この復旧方法については任意であるが、例えば、開閉機40の駆動部を駆動させることによって出力軸と駆動部との接続状態を解放部45の解放操作を行う前の接続状態に戻し、この戻しに伴って解放部45の操作状態が解放操作を行う前の状態に戻されることにより、自動的に復旧させる(なお、後述するSC5及びSD5の処理についても同様とする)。これにより、識別情報が登録(本登録)された後に、解放部45を解放部45の解放操作を行う前の状態に自動的に復旧でき、当該状態に復旧する手間を省略できると共に、当該復旧のし忘れを防止できる。
【0106】
SB6において制御装置100の特定部105cは、全開位置及び全閉位置を特定し、当該特定したこれら位置を設定すべき全開位置及び全閉位置として設定し、その後
図6の制御処理に戻る。
【0107】
ここで、SB6の処理を行う理由については、以下に示す通りである。すなわち、SA1において解放部45の解放操作が行われることで全開位置及び全閉位置の設定が消失してしまう場合がある。このため、全開位置及び全閉位置の設定が消失した状態を放置すると、新規登録モード処理が終了して制御モードが通常モードに設定された後にSA8の開閉処理を実行する際に支障が生じるので、このような問題が発生することを回避するためである(なお、後述するSC6及びSD6の処理についても略同様とする)。
【0108】
また、この全開位置及び全閉位置を特定する方法については任意であるが、実施の形態では、以下の通りに特定する。すなわち、SB6の処理前に上記手動設定方法が行われていない場合には、操作者によって上記手動設定方法が行われることで、全開位置及び全閉位置を特定する。また、SB6の処理前に上記手動設定方法が行われており、SB3において本登録処理が実行された後にSB4において第1終了タイミングが到来した場合、又はSB6の処理前に上記手動設定方法が行われているものの、SB3において本登録処理が実行されずに、SB4において第1終了タイミングが到来した場合には、まず、登録された識別情報に対応する遠隔操作装置70又はシャッター側操作装置60から開放信号が受け付けられることで(すなわち、遠隔操作装置70又はシャッター装置1に対して開閉体30の開放移動を行うための操作が受け付けられることで)、全開状態になるまで開閉体30を開放移動させる。次に、全開状態になると、その開閉体30の位置を全開位置として特定し、制御装置100の記憶部106にあらかじめ記憶されている閉鎖量(上記手動設定方法が行われることで算出される長さであって、全開位置から全閉位置までの長さ)と上記特定した全開位置とに基づいて算出した位置を全閉位置として特定する(なお、後述するSC6及びSD6の処理については、いずれの方法で行ってもよい)。これにより、識別情報の登録後に全開位置及び全閉位置の設定が消失した場合でも、遠隔操作装置70又はシャッター装置1の操作で全開状態になるまで開閉体30が開放移動させるだけで全開位置及び全閉位置を特定でき、全開位置及び全閉位置の設定を簡易に行うことができる。
【0109】
(制御処理-新規登録モード処理-具体的な例示)
続いて、上述した新規登録モード処理が実行される具体的な状況及びその場合の処理内容については、例えば、以下に示す具体的な例示が挙げられる。
【0110】
すなわち、建物においてシャッター装置1が新規に設置されたことで、遠隔操作装置70の識別情報を新規に登録する場合には、まず、
図7のSB1において仮登録指示情報を含む設定指示信号の入力が受け付けられると、
図7のSB2において仮登録処理情報が特定される。そして、
図7のSB3において第1処理として仮登録処理が実行されることにより、遠隔操作装置70の識別情報が仮登録される。次に、
図7のSB1において本登録指示情報を含む設定指示信号の入力が受け付けられると、
図7のSB2において本登録処理情報が特定される。そして、
図7のSB3において第1処理として本登録処理が実行されることで、遠隔操作装置70の識別情報が本登録される。その後、
図7のSB4において第1終了タイミングが到来したと判定されると、
図7のSB5にて解放部45が復旧されると共に、
図7のSB6にて遠隔操作装置70の操作によって全開位置及び全閉位置が設定される。
【0111】
このような新規登録モード処理により、識別情報の新規登録を簡易且つ正確に行うことが可能となると共に、シャッター装置1の状態を新規登録モード処理が実行される前の状態に簡易に戻すことが可能となる。
【0112】
(制御処理-追加登録モード処理)
次に、
図6の追加登録モード処理(SA4)について説明する。
【0113】
追加登録モード処理は、追加登録モードに対応する制御を行うための処理である。なお、実施の形態に係る追加登録モード処理については、
図8のSC1、SC2、SC5、SC6は、
図7のSB1、SB2、SB5、SB6とそれぞれ同様であるので、説明を省略する。また、実施の形態では、SC1において設定指示信号に含まれる設定指示情報の内容に関わらず、設定指示信号の入力が受け付けられた場合には、SC2に移行すると説明したが、これに限らない。例えば、追加登録モード処理の目的に合致しない設定指示情報(例えば、仮書き換え登録指示情報、個別削除指示情報等)を含む設定指示信号の入力が受け付けられた場合には、SC2に移行せずに、追加登録モード処理の目的に合致する設定指示情報(例えば、仮登録指示情報、本登録指示情報等)を含む設定指示信号の入力が受け付けられるまで、待機してもよい。
【0114】
図8に示すように、SC3において制御装置100の制御部105は、SC2にて特定された処理情報に対応する処理(以下、「第2処理」と称する)を実行する。
【0115】
SC4において制御装置100の制御部105は、追加登録モード処理を終了するタイミング(以下、「第2終了タイミング」と称する)が到来したか否かを判定する。
【0116】
この第2終了タイミングが到来したか否かの判定方法については任意であるが、実施の形態では、SC3において本登録処理が実行されたか否か、SC1において設定指示信号の入力が受け付けられていない時間が所定時間(例えば、5min等)以上になったか否か、又は制御装置100の記憶部106に登録された識別情報が所定数以上になったか否かに基づいて判定する。ここで、SC3において本登録処理が実行された場合、上記所定時間以上になった場合、又は上記識別情報が所定数以上になった場合には第2終了タイミングが到来したと判定し、SC3において本登録処理が実行されていない場合、上記所定時間以上になっていない場合、又は上記識別情報が所定数以上になっていない場合には第2終了タイミングが到来していないと判定する(なお、SD4の処理についても略同様とする)。
【0117】
そして、制御装置100の制御部105は、第2終了タイミングが到来したと判定された場合(SC4、Yes)にはSC5に移行し、第2終了タイミングが到来していないと判定された場合(SC4、No)にはSC1に移行して、第2終了タイミングが到来したと判定されるまで、SC1からSC4の処理を繰り返す。
【0118】
(制御処理-追加登録モード処理-具体的な例示)
続いて、上述した追加登録モード処理が実行される具体的な状況及びその場合の処理内容については、例えば、以下に示す具体的な例示が挙げられる。
【0119】
すなわち、建物においてシャッター装置1が既に設置されており、且つ第1の遠隔操作装置70の識別情報が登録(本登録)されている場合に、第2の遠隔操作装置70の識別情報を追加で登録する場合には(この場合には、
図6のSA3において、シャッター装置1の電源が投入されている状態において、第1の遠隔操作装置70から設定信号の入力が受け付けられてから第4所定時間が経過する前に解放部45の解放操作が行われることで、追加登録モード処理が起動されている)、まず、
図8のSC1において仮登録指示情報を含む設定指示信号の入力が受け付けられると、
図8のSC2において仮登録処理情報が特定される。そして、
図8のSC3において第2処理として仮登録処理が実行されることにより、第1の遠隔操作装置70の識別情報の登録が維持されながら、第2の遠隔操作装置70の識別情報が仮登録される。次に、
図8のSC1において本登録指示情報を含む設定指示信号の入力が受け付けられると、
図8のSC2において本登録処理情報が特定される。そして、
図8のSC3において第2処理として本登録処理が実行されることで、第2の遠隔操作装置70の識別情報が追加で本登録される。その後、
図8のSC4において第2終了タイミングが到来したと判定されると、
図8のSC5にて解放部45が復旧されると共に、
図8のSC6にて遠隔操作装置70の操作によって全開位置及び全閉位置が設定される。
【0120】
このような追加登録モード処理により、識別情報の追加登録を簡易且つ正確に行うことが可能となると共に、シャッター装置1の状態を追加登録モード処理が実行される前の状態に簡易に戻すことが可能となる。
【0121】
(制御処理-再登録モード処理)
次に、
図6の再登録モード処理(SA6)について説明する。
【0122】
再登録モード処理は、再登録モードに対応する制御を行うための処理である。なお、実施の形態に係る再登録モード処理については、
図9のSD1、SD2、SD5、SD6は、
図7のSB1、SB2、SB5、SB6とそれぞれ同様であるので、説明を省略する。また、実施の形態では、SD1において設定指示信号に含まれる設定指示情報の内容に関わらず、設定指示信号の入力が受け付けられた場合には、SD2に移行すると説明したが、これに限らない。例えば、再登録モード処理の目的に合致しない設定指示情報(例えば、仮登録指示情報、個別削除指示情報等)を含む設定指示信号の入力が受け付けられた場合には、SD2に移行せずに、再登録モード処理の目的に合致する設定指示情報(例えば、仮書き換え登録指示情報、本登録指示情報等)を含む設定指示信号の入力が受け付けられるまで、待機してもよい。
【0123】
図9に示すように、SD3において制御装置100の制御部105は、SD2にて特定された処理情報に対応する処理(以下、「第3処理」と称する)を実行する。
【0124】
SD4において制御装置100の制御部105は、再登録モード処理を終了するタイミング(以下、「第3終了タイミング」と称する)が到来したか否かを判定する。そして、制御装置100の制御部105は、第3終了タイミングが到来したと判定された場合(SD4、Yes)にはSD5に移行し、第3終了タイミングが到来していないと判定された場合(SD4、No)にはSD1に移行して、第3終了タイミングが到来したと判定されるまで、SD1からSD4の処理を繰り返す。
【0125】
(制御処理-再登録モード処理-具体的な例示)
続いて、上述した再登録モード処理が実行される具体的な状況及びその場合の処理内容については、例えば、以下に示す具体的な例示が挙げられる。
【0126】
すなわち、建物においてシャッター装置1が既に設置されており、且つ第1の遠隔操作装置70の識別情報が登録(本登録)されている場合に、第1の遠隔操作装置70の紛失に伴って第2の遠隔操作装置70の識別情報を登録する場合には、まず、
図9のSD1において仮書き換え登録指示情報を含む設定指示信号の入力が受け付けられると、
図9のSD2において仮書き換え登録処理情報が特定される。そして、
図9のSD3において第3処理として仮書き換え登録処理が実行されることにより、第1の遠隔操作装置70の識別情報の登録が削除されて、第2の遠隔操作装置70の識別情報が仮登録される。次に、
図9のSD1において本登録指示情報を含む設定指示信号の入力が受け付けられると、
図9のSD2において本登録処理情報が特定される。そして、
図9のSD3において第3処理として本登録処理が実行されることで、第2の遠隔操作装置70の識別情報が本登録される。その後、
図9のSD4において第3終了タイミングが到来したと判定されると、
図9のSD5にて解放部45が復旧されると共に、
図9のSD6にて遠隔操作装置70の操作によって全開位置及び全閉位置が設定される。
【0127】
このような再登録モード処理により、登録済みの識別情報を全て削除して新たな識別情報を登録することを簡易且つ正確に行うことが可能となると共に、シャッター装置1の状態を再登録モード処理が実行される前の状態に簡易に戻すことが可能となる。
【0128】
以上のような制御処理により、新規登録モード処理、追加登録モード処理、及び再登録モード処理の実行によって作業者のニーズに応じた識別情報の登録を行うことができると共に、開閉処理の実行によって開閉体30の開閉移動及びその停止を行うことができる。
【0129】
(効果)
このように実施の形態によれば、シャッター装置1が、収納部10の外部に設けられた解放部45であり、開閉機40を構成する規制部であって開閉体30の開閉移動を規制する規制部を解放するための解放部45と、を備え、制御システム50が、収納部10の外部に設けられた遠隔操作装置70であり、シャッター装置1を遠隔操作するための遠隔操作装置70と、所定条件下で解放部45における規制部の解放操作が行われることにより、シャッター装置1の制御モードを、遠隔操作装置70を一意に識別する識別情報の登録を行う登録モードに設定する設定部105aと、を備えるので、所定条件下で解放部45の解放操作が行われることにより登録モードに設定できる。よって、よって、従来技術(ブレーキレスの開閉機を有するシャッター装置において登録モードを設定する技術)に比べて、開閉体30を手動で開閉移動させる作業を省略でき、且つ上記所定条件も比較的多様に設定できることから、登録モードの設定をニーズに応じた条件で簡易に行うことが可能となる。
【0130】
また、所定条件が、遠隔操作装置70又はシャッター装置1に対して所定操作が受け付けられてから所定時間が経過する前であること、又は所定時間内に遠隔操作装置70又はシャッター装置1に対して所定操作が所定回数受け付けられること、を含むので、作業者の意図に反して登録モードに設定されることを比較的回避しやすいことから、識別情報の誤登録を回避しやすくなる。また、上記所定条件を多様に設定でき、登録モードの設定をニーズに応じた条件で設定しやすくなる。
【0131】
また、登録モードが、識別情報を新規に登録するための新規登録モードと、新規登録モードにて識別情報が登録された後に、登録された識別情報を保持しながら登録された識別情報とは異なる他の識別情報を登録するための追加登録モードと、新規登録モード又は追加登録モードにて識別情報が登録された後に、登録された識別情報を削除して登録された識別情報とは異なる他の識別情報を登録するための再登録モードと、を含むので、シャッター装置1の制御モードを新規登録モード、追加登録モード、及び再登録モードに設定でき、作業者のニーズに応じた識別情報の登録を行うことができる。
【0132】
また、設定部105aが、登録された識別情報に対応する遠隔操作装置70に対してシャッター装置1の制御モードを追加登録モードに設定するための操作が受け付けられてから所定時間が経過する前に解放部45における規制部の解放操作が行われることにより、シャッター装置1の制御モードを追加登録モードに設定するので、作業者の意図に反して追加登録モードに設定されることを比較的回避しやすいことから、識別情報の誤登録を一層回避しやすくなる。
【0133】
また、制御システム50が、登録モードの設定により識別情報が登録された後に、解放部45を規制部の解放操作を行う前の状態に復旧する復旧部105bを備えるので、識別情報が登録された後に、解放部45を解放部45の解放操作を行う前の状態に自動的に復旧でき、当該状態に復旧する手間を省略できると共に、当該復旧のし忘れを防止できる。
【0134】
また、制御システム50が、登録モードの設定により識別情報が登録された後に、登録された識別情報に対応する遠隔操作装置70又はシャッター装置1に対して開閉体30の開放移動を行うための操作が受け付けられることで全開状態になるまで開閉体30が開放移動されると、全開位置と全閉位置とを特定する特定部105cを備えるので、全開位置及び全閉位置を特定でき、識別情報の登録後に全開位置及び全閉位置の設定が消失した場合でも、遠隔操作装置70又はシャッター装置1の操作で全開状態になるまで開閉体30が開放移動させるだけで全開位置及び全閉位置を特定でき、全開位置及び全閉位置の設定を簡易に行うことができる。
【0135】
また、解放部45を、建物の屋内に配置したので、解放部45を建物の屋外に配置する場合に比べて、屋外にいる第三者によって解放部45が操作されることを回避でき、建物の防犯性を確保しやすくなる。
【0136】
〔III〕実施の形態に対する変形例
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
【0137】
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。
【0138】
(分散や統合について)
また、上述した各電気的構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散や統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散又は統合して構成できる。また、本出願における「装置」とは、単一の装置によって構成されたものに限定されず、複数の装置によって構成されたものを含む。例えば、制御装置100を、相互に通信可能に構成された複数の装置に分散して構成し、これら複数の装置の一部に制御部105を設けると共に、これら複数の装置の他の一部に記憶部106を設けてもよい。
【0139】
(形状、数値、構造、時系列について)
実施の形態や図面において例示した構成要素に関して、形状、数値、又は複数の構成要素の構造若しくは時系列の相互関係については、本発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。
【0140】
(解放部について)
上記実施の形態では、解放部45が非常解放レバーを用いて構成されていると説明したが、これに限らず、開閉機40の規制部を解放する信号を送信するボタンを備えるリモコン等を用いて構成されてもよい。
【0141】
(遠隔操作装置について)
上記実施の形態では、遠隔操作装置70がシャッター装置用のリモコン等を用いて構成されていると説明したが、これに限られず、例えば、公知の携帯端末(一例として、スマートフォン)を用いて構成されてもよい。
【0142】
(制御装置について)
上記実施の形態では、制御装置100が、復旧部105b及び特定部105cを備えていると説明したが、これに限らず、復旧部105b又は特定部105cを省略してもよい。この場合には、制御処理のSB5又はSB6、SC5又はSC6、SD5又はSD6を省略することができる。
【0143】
(処理情報について)
上記実施の形態では、処理情報には、仮登録処理情報、仮書き換え登録処理情報、及び本登録処理情報が含まれると説明したが、これに限らない。例えば、仮登録処理情報、仮書き換え登録処理情報、及び本登録処理情報に代えて、制御装置100の記憶部106に識別情報を登録する登録処理を示す登録処理情報と、記憶部106に登録されている識別情報を全て削除し、新たに識別情報を登録する書き換え登録処理を示す書き換え登録処理情報とが含まれてもよい。この場合には、設定指示情報には、登録処理情報の実行を指示する登録指示情報と、書き換え登録処理情報の実行を指示する書き換え登録指示情報とが含まれてもよい。これにより、識別情報を記憶部106に登録する際に、仮登録する作業を省略できる。
【0144】
(登録モードについて)
上記実施の形態では、登録モードの個数が3つであると説明したが、これに限らず、2つだけでもよく(一例として、再登録モードを省略する等)、あるいは、1つだけでもよい。ここで、登録モードが1つである場合には、制御モードを登録モードに設定するトリガとして、遠隔操作装置70又はシャッター側操作装置60に対して所定操作が受け付けられてから所定時間が経過する前であり、又は所定時間内に前記遠隔操作手段又はシャッター側操作装置60に対して所定操作が所定回数受け付けられた後に、解放部45の解放操作が行われることであってもよい。
【0145】
(付記)
付記1の制御システムは、建物の開口部に設けられたシャッター装置を制御する制御システムであって、前記シャッター装置は、前記開口部を開閉する開閉体と、前記開閉体の巻取り又は巻出しを行うことにより、前記開閉体を開放移動又は閉鎖移動させるための開閉機と、前記開閉体を収納する収納手段と、前記収納手段の外部に設けられた解放手段であり、前記開閉機を構成する規制手段であって前記開閉体の開閉移動を規制する規制手段を解放するための解放手段と、を備え、当該制御システムは、前記収納手段の外部に設けられた遠隔操作手段であり、前記シャッター装置を遠隔操作するための遠隔操作手段と、所定条件下で前記解放手段における前記規制手段の解放操作が行われることにより、前記シャッター装置の制御モードを、前記遠隔操作手段を一意に識別する識別情報の登録を行う登録モードに設定する設定手段と、を備える。
【0146】
付記2の制御システムは、付記1に記載の制御システムにおいて、前記所定条件は、前記遠隔操作手段又は前記シャッター装置に対して所定操作が受け付けられてから所定時間が経過する前であること、又は所定時間内に前記遠隔操作手段又は前記シャッター装置に対して所定操作が所定回数受け付けられること、を含む。
【0147】
付記3の制御システムは、付記1又は2に記載の制御システムにおいて、前記登録モードは、前記識別情報を新規に登録するための新規登録モードと、前記新規登録モードにて前記識別情報が登録された後に、前記登録された識別情報を保持しながら前記登録された識別情報とは異なる他の識別情報を登録するための追加登録モードと、前記新規登録モード又は前記追加登録モードにて前記識別情報が登録された後に、前記登録された識別情報を削除して前記登録された識別情報とは異なる他の識別情報を登録するための再登録モードと、を含む。
【0148】
付記4の制御システムは、付記1に記載の制御システムにおいて、前記登録モードは、所定方法にて前記識別情報が登録された後に、前記登録された識別情報を保持しながら前記登録された識別情報とは異なる他の識別情報を登録するための追加登録モードを含み、前記設定手段は、前記登録された識別情報に対応する前記遠隔操作手段に対して前記シャッター装置の制御モードを前記追加登録モードに設定するための操作が受け付けられてから所定時間が経過する前に前記解放手段における前記規制手段の解放操作が行われることにより、前記シャッター装置の制御モードを前記追加登録モードに設定する。
【0149】
付記5の制御システムは、付記1から4のいずれか一項に記載の制御システムにおいて、当該制御システムは、前記登録モードの設定により前記識別情報が登録された後に、前記解放手段を前記規制手段の解放操作を行う前の状態に復旧する復旧手段を備える。
【0150】
付記6の制御システムは、付記1から5のいずれか一項に記載の制御システムにおいて、当該制御システムは、前記登録モードの設定により前記識別情報が登録された後に、前記登録された識別情報に対応する前記遠隔操作手段又は前記シャッター装置に対して前記開閉体の開放移動を行うための操作が受け付けられることで前記開口部が全開した全開状態になるまで前記開閉体が開放移動されると、前記全開状態に対応する前記開閉体の位置である全開位置と、前記開口部が全閉した全閉状態に対応する前記開閉体の位置である全閉位置とを特定する特定手段を備える。
【0151】
付記7の制御システムは、付記1から6のいずれか一項に記載の制御システムにおいて、前記解放手段を、前記建物の屋内に配置した。
【0152】
(付記の効果)
付記1に記載の制御システムによれば、シャッター装置が、収納手段の外部に設けられた解放手段であり、開閉機を構成する規制手段であって開閉体の開閉移動を規制する規制手段を解放するための解放手段と、を備え、当該制御システムが、収納手段の外部に設けられた遠隔操作手段であり、シャッター装置を遠隔操作するための遠隔操作手段と、所定条件下で解放手段における規制手段の解放操作が行われることにより、シャッター装置の制御モードを、遠隔操作手段を一意に識別する識別情報の登録を行う登録モードに設定する設定手段と、を備えるので、所定条件下で解放手段の解放操作が行われることにより登録モードに設定できる。よって、従来技術(ブレーキレスの開閉機を有するシャッター装置において登録モードを設定する技術)に比べて、開閉体を手動で開閉移動させる作業を省略でき、且つ上記所定条件を比較的多様に設定できることから、登録モードの設定をニーズに応じた条件で簡易に行うことが可能となる。
【0153】
付記2に記載の制御システムによれば、所定条件が、遠隔操作手段又はシャッター装置に対して所定操作が受け付けられてから所定時間が経過する前であること、又は所定時間内に遠隔操作手段又はシャッター装置に対して所定操作が所定回数受け付けられること、を含むので、作業者の意図に反して登録モードに設定されることを比較的回避しやすいことから、識別情報の誤登録を回避しやすくなる。また、上記所定条件を多様に設定でき、登録モードの設定をニーズに応じた条件で設定しやすくなる。
【0154】
付記3に記載の制御システムによれば、登録モードが、識別情報を新規に登録するための新規登録モードと、新規登録モードにて識別情報が登録された後に、登録された識別情報を保持しながら登録された識別情報とは異なる他の識別情報を登録するための追加登録モードと、新規登録モード又は追加登録モードにて識別情報が登録された後に、登録された識別情報を削除して登録された識別情報とは異なる他の識別情報を登録するための再登録モードと、を含むので、シャッター装置の制御モードを新規登録モード、追加登録モード、及び再登録モードに設定でき、作業者のニーズに応じた識別情報の登録を行うことができる。
【0155】
付記4に記載の制御システムによれば、設定手段が、登録された識別情報に対応する遠隔操作手段に対してシャッター装置の制御モードを追加登録モードに設定するための操作が受け付けられてから所定時間が経過する前に解放手段における規制手段の解放操作が行われることにより、シャッター装置の制御モードを追加登録モードに設定するので、作業者の意図に反して追加登録モードに設定されることを比較的回避しやすいことから、識別情報の誤登録を一層回避しやすくなる。
【0156】
付記5に記載の制御システムによれば、当該制御システムが、登録モードの設定により識別情報が登録された後に、解放手段を規制手段の解放操作を行う前の状態に復旧する復旧手段を備えるので、識別情報が登録された後に、解放手段を解放手段の解放操作を行う前の状態に自動的に復旧でき、当該状態に復旧する手間を省略できると共に、当該復旧のし忘れを防止できる。
【0157】
付記6に記載の制御システムによれば、当該制御システムが、登録モードの設定により識別情報が登録された後に、登録された識別情報に対応する遠隔操作手段又はシャッター装置に対して開閉体の開放移動を行うための操作が受け付けられることで全開状態になるまで開閉体が開放移動されると、全開位置と全閉位置とを特定する特定手段を備えるので、全開位置及び全閉位置を特定でき、識別情報の登録後に全開位置及び全閉位置の設定が消失した場合でも、遠隔操作手段又はシャッター装置の操作で全開状態になるまで開閉体が開放移動させるだけで全開位置及び全閉位置を特定でき、全開位置及び全閉位置の設定を簡易に行うことができる。
【0158】
付記7に記載の制御システムによれば、解放手段を、建物の屋内に配置したので、解放手段を建物の屋外に配置する場合に比べて、屋外にいる第三者によって解放手段が操作されることを回避でき、建物の防犯性を確保しやすくなる。
【符号の説明】
【0159】
1 シャッター装置
2 開口部
3 配線
4 ワイヤ
10 収納部
20 ガイドレール
30 開閉体
31 スラット
32 座板
40 開閉機
45 解放部
50 制御システム
60 シャッター側操作装置
70 遠隔操作装置
71 操作部
72 送信部
73 電源部
74 制御部
75 記憶部
75a 設定指示情報テーブル
80 位置検知部
90 回転数検知部
100 制御装置
101 入力部
102 出力部
103 報知部
104 電源部
105 制御部
105a 設定部
105b 復旧部
105c 特定部
106 記憶部
106a 処理テーブル