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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-15
(45)【発行日】2023-11-24
(54)【発明の名称】操船支援システム
(51)【国際特許分類】
   B63B 49/00 20060101AFI20231116BHJP
   B63B 35/66 20060101ALI20231116BHJP
   B63B 79/40 20200101ALI20231116BHJP
【FI】
B63B49/00 Z
B63B35/66
B63B79/40
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019188377
(22)【出願日】2019-10-15
(65)【公開番号】P2021062748
(43)【公開日】2021-04-22
【審査請求日】2022-08-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000000974
【氏名又は名称】川崎重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】檜野 武憲
(72)【発明者】
【氏名】原田 芳輝
(72)【発明者】
【氏名】山口 潤
(72)【発明者】
【氏名】西東 貴士
【審査官】福田 信成
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/093416(WO,A1)
【文献】特表2019-515829(JP,A)
【文献】特開2019-166959(JP,A)
【文献】特開2005-180949(JP,A)
【文献】米国特許第06269763(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B63B 49/00
B63B 35/66
B63B 79/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1隻のタグボートで本船がアシストされながら離岸または着岸する際に使用される操船支援システムであって、
画面を有する表示装置と、
ユーザの入力を受け付ける入力装置と、
前記本船が離着岸する予定の岸壁を含む離着岸領域を上空から撮影された画像情報を取得し、前記本船の外形線情報及び前記画像情報を前記表示装置の前記画面に表示させる制御装置と、を備え、
前記制御装置は、前記本船の位置姿勢情報と前記本船の仕様とを取得し、前記本船の位置姿勢情報と前記本船の仕様とに基づいて前記本船の外形線情報を求める、または、前記タグボートの位置姿勢情報と、前記タグボートの仕様と、前記本船の仕様と、前記タグボートと前記本船との接続情報とを取得し、前記タグボートの位置姿勢情報と、前記タグボートの仕様と、前記本船の仕様と、前記タグボートと前記本船との接続情報とに基づいて前記本船の外形線情報を求めるように構成され、
前記入力装置は、前記画面上に表示された前記画像情報に含まれる前記離着岸領域のうちの二以上の点についての入力を受け付けるように構成され、
前記制御装置は、前記入力装置が受け付けた前記離着岸領域の点を離着岸ポイントとして登録し、前記画像情報、前記離着岸ポイント、及び前記本船の外形線情報に基づいて、前記離着岸領域に対する前記本船の相対位置姿勢情報を算出し、算出した前記相対位置姿勢情報を前記表示装置の前記画面に表示させるように構成されている、
操船支援システム。
【請求項2】
前記制御装置は、
前記本船の外形線情報を、前記離着岸ポイントに対応する前記本船の外形線上の二以上の点である本船着岸ポイントに変換し、変換した本船着岸ポイントを前記表示装置の前記画面に表示させ、
前記離着岸ポイントおよび前記本船着岸ポイントに基づいて、前記相対位置姿勢情報を算出する、
請求項に記載の操船支援システム。
【請求項3】
前記制御装置は、前記タグボートと前記本船との接続情報を取得し、前記タグボートと前記本船との接続情報に基づいて、前記タグボートが前記本船に接触していることを検出した場合には、前記画面上に表示された前記本船の外形線情報の表示態様を変更する、
請求項1又は2に記載の操船支援システム。
【請求項4】
前記画像情報は、位置情報を含む衛星写真の画像情報である、請求項1乃至のいずれか一項に記載の操船支援システム。
【請求項5】
カメラを搭載し、前記制御装置と通信可能に構成された自律式の無人航空機を更に備え、
前記制御装置は、飛行中の前記無人航空機の前記カメラにより前記離着岸領域を撮影したカメラ映像を前記画像情報として取得する、
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の操船支援システム。
【請求項6】
前記無人航空機は、前記離着岸領域から所定範囲内を飛行し、且つ、前記カメラ映像に
おいて前記本船、前記タグボートおよび前記離着岸領域が撮影範囲内に入るように前記無人航空機の高さを自律制御し、前記カメラ映像の画像情報を前記制御装置に送信する、
請求項に記載の操船支援システム。
【請求項7】
少なくとも1隻のタグボートで本船がアシストされながら離岸または着岸する際に使用される操船支援システムであって、
画面を有する表示装置と、
前記本船が離着岸する予定の岸壁を含む離着岸領域を上空から撮影された画像情報を取得し、前記本船の外形線情報及び前記画像情報を前記表示装置の前記画面に表示させる制御装置と、を備え、
前記制御装置は、前記本船の位置姿勢情報と前記本船の仕様とを取得し、前記本船の位置姿勢情報と前記本船の仕様とに基づいて前記本船の外形線情報を求める、または、前記タグボートの位置姿勢情報と、前記タグボートの仕様と、前記本船の仕様と、前記タグボートと前記本船との接続情報とを取得し、前記タグボートの位置姿勢情報と、前記タグボートの仕様と、前記本船の仕様と、前記タグボートと前記本船との接続情報とに基づいて前記本船の外形線情報を求めるように構成されており、
前記制御装置は、前記タグボートと前記本船との接続情報を取得し、前記タグボートと前記本船との接続情報に基づいて、前記タグボートが前記本船に接触していることを検出した場合には、前記画面上に表示された前記本船の外形線情報の表示態様を変更するように構成されている、
操船支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操船支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、本船では自船からの目視を通じた搭載スラスタの操作、あるいはタグボートとの連携が行われてきた。そのため、目視のためには自船のブリッジを行き来する必要があり、自船周辺の状況を一目で把握することが困難である。このため離着岸操船の非効率性や不安全状態を作り出しているという課題がある。また、タグボートにおいては、目視のみでは、本船で視野が遮られるため、本船が着岸する予定の岸壁と本船との相対的な位置関係が把握できない。このため、タグボートは離着岸操船において本船との音声通信による連携が必要になるが、タグボート側での指示/状況把握/対応の遅れ等により効率的な操船が行えない課題がある。
【0003】
近年では、本船とタグボートの操船状況を視覚化するための支援装置が提案されている。例えば、特許文献1の図29には、水先案内人用のポータブルタブレットコンピュータが記載されている。このタブレットコンピュータ画面上には、本船およびタグボートの外形線が表示される。すなわち、指揮者(本船の船長又は水先案内人)は、タブレットコンピュータの画面を見れば、本船およびタグボートの位置および方位(向き)を把握することができる。また、画面上には、岸壁線も表示される。このため、指揮者は、タブレットコンピュータの画面を見ることで、本船およびタグボートが岸壁からどれぐらい離れているかも把握することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開第2017/167882号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記特許文献1には記載されていないが、画面に表示される岸壁線の情報は地図情報に基づいて生成されることが想定される。しかし、通常、岸壁等の離着岸設備は測量が行われておらず地図情報に反映されていないことが多い。このため、上記特許文献1の装置は、本船が離着岸設備までどれぐらい離れているかを正確に把握することができないという課題があった。
【0006】
そこで、本発明は、少なくとも1隻のタグボートで本船がアシストされながら離岸または着岸する際に、本船と離着岸設備との間の正確な距離を把握することができる操船支援システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の一つの側面からの操船支援システムは、少なくとも1隻のタグボートで本船がアシストされながら離岸または着岸する際に使用される操船支援システムであって、
画面を有する表示装置と、
ユーザの入力を受け付ける入力装置と、
前記本船が離着岸する予定の岸壁を含む離着岸領域を上空から撮影された画像情報を取得し、前記本船の外形線情報及び前記画像情報を前記表示装置の前記画面に表示させる制御装置と、を備え、
前記制御装置は、前記本船の位置姿勢情報と前記本船の仕様とを取得し、前記本船の位置姿勢情報と前記本船の仕様とに基づいて前記本船の外形線情報を求める、または、前記タグボートの位置姿勢情報と、前記タグボートの仕様と、前記本船の仕様と、前記タグボートと前記本船との接続情報とを取得し、前記タグボートの位置姿勢情報と、前記タグボートの仕様と、前記本船の仕様と、前記タグボートと前記本船との接続情報とに基づいて前記本船の外形線情報を求めるように構成され、
前記入力装置は、前記画面上に表示された前記画像情報に含まれる前記離着岸領域のうちの二以上の点についての入力を受け付けるように構成され、
前記制御装置は、前記入力装置が受け付けた前記離着岸領域の点を離着岸ポイントとして登録し、前記画像情報、前記離着岸ポイント、及び前記本船の外形線情報に基づいて、前記離着岸領域に対する前記本船の相対位置姿勢情報を算出し、算出した前記相対位置姿勢情報を前記表示装置の前記画面に表示させるように構成されていることを特徴とする。
また、本発明の別の側面からの操船支援システムは、少なくとも1隻のタグボートで本船がアシストされながら離岸または着岸する際に使用される操船支援システムであって、
画面を有する表示装置と、
前記本船が離着岸する予定の岸壁を含む離着岸領域を上空から撮影された画像情報を取得し、前記本船の外形線情報及び前記画像情報を前記表示装置の前記画面に表示させる制御装置と、を備え、
前記制御装置は、前記本船の位置姿勢情報と前記本船の仕様とを取得し、前記本船の位置姿勢情報と前記本船の仕様とに基づいて前記本船の外形線情報を求める、または、前記タグボートの位置姿勢情報と、前記タグボートの仕様と、前記本船の仕様と、前記タグボートと前記本船との接続情報とを取得し、前記タグボートの位置姿勢情報と、前記タグボートの仕様と、前記本船の仕様と、前記タグボートと前記本船との接続情報とに基づいて前記本船の外形線情報を求めるように構成されており、
前記制御装置は、前記タグボートと前記本船との接続情報を取得し、前記タグボートと前記本船との接続情報に基づいて、前記タグボートが前記本船に接触していることを検出した場合には、前記画面上に表示された前記本船の外形線情報の表示態様を変更するように構成されていることを特徴としている。
【0008】
上記の構成によれば、制御装置によって、本船の離着岸領域を上空から撮影された画像情報が取得され、本船の外形線情報及び画像情報が表示装置の画面に表示される。具体的に、制御装置によって、前記本船の位置姿勢情報と前記本船の仕様とが取得され、前記本船の位置姿勢情報と前記本船の仕様とに基づいて前記本船の外形線情報が求められる。または、制御装置によって、前記タグボートの位置姿勢情報と、前記タグボートの仕様と、前記本船の仕様と、前記タグボートと前記本船との接続情報とが取得され、前記タグボートの位置姿勢情報と、前記タグボートの仕様と、前記本船の仕様と、前記タグボートと前記本船との接続情報とに基づいて前記本船の外形線情報が求められる。従って、例えばタグボートの操船者は、その画面を見れば、本船と離着岸領域との間の正確な距離を把握することができる。これにより、効率的な離着岸操船が可能になる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、本船と離着岸設備との間の正確な距離を把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の第1実施形態に係る操船支援システムの概略構成図である。
図2】支援装置による相対位置姿勢情報の算出手順の一例を示すフローチャートである。
図3】支援装置の表示装置に表示された第1の画面表示例である。
図4】支援装置の表示装置に表示された第2の画面表示例である。
図5】支援装置の表示装置に表示された第3の画面表示例である。
図6】本発明の第2実施形態に係る操船支援システムの概略構成図である。
図7】無人航空機の動作の一例を示すフローチャートである。
図8】飛行中の無人航空機によるカメラ撮影の様子を示す図である。
図9】支援装置の表示装置に表示された第4の画面表示例である。
図10】支援装置の表示装置に表示された第5の画面表示例である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(第1実施形態)
図1に、本発明の第1実施形態に係る操船支援システム4を示す。この操船支援システム4は、少なくとも1隻(本実施形態では2隻)のタグボート2で本船1がアシストされながら離岸または着岸する際に使用される支援装置3を含んでいる。本実施形態では、支援装置3は指揮者(水先案内人又は本船の船長)が携帯するか陸上設備に設置される。
【0012】
支援装置3は、制御装置31、表示装置32、入力装置34及び通信装置33を含む。例えば、支援装置3は、ポータブルタブレットコンピュータであってもよいし、ノートブックコンピュータであってもよい。例えば、支援装置3は、ROMやRAMなどのメモリと、HDDなどのストレージと、CPUを有し、ROMまたはHDDに記憶されたプログラムがCPUにより実行される。入力装置34は、例えば、マウスなどのポインティングデバイスであり、ポータブルタブレットコンピュータまたはノートブックコンピュータの画面上に表示された点を指定するために使用される。
【0013】
具体的に、操船支援システム4は、支援装置3に加えて、本船1に搭載された表示装置12と、少なくとも1隻のタグボート2に搭載された表示装置22を含む。本船1には、表示装置12の他に、制御装置11および通信装置13が搭載されている。同様に、少なくとも1隻のタグボート2には、表示装置22の他に、制御装置21および通信装置23が搭載されている。本実施形態では、本船1および少なくとも1隻のタグボート2が有人船であることを前提とする。
【0014】
支援装置3の通信装置33は、本船1の通信装置13およびタグボート2の通信装置23と通信可能なものである。通信装置同士では無線通信が行われ、この無線通信は、AIS(Automatic Identification System:自動船舶識別装置)を介した通信であってもよいし、船間同士の直接通信であってもよいし、地上基地局を介した船陸間通信であってもよい。
【0015】
本船1の位置は、GNSS(Global Navigation Satellite System)により測定される。例えばGNSS受信機として、本船1にはGPS受信機が設置される。本船1の姿勢は、本船1に設けられた方位計により測定される。以下では、船の位置および船の姿勢に関する情報を総称して船の位置姿勢情報と称する。本実施形態では、本船1の位置姿勢情報は、本船1の通信装置13から支援装置3の通信装置33へ送信される。
【0016】
タグボート2の位置は、GNSSにより測定される。例えばGNSS受信機として、各タグボート2にはGPS受信機が設置される。タグボート2の姿勢は、タグボート2に設けられた方位計により測定される。本実施形態では、少なくとも1隻のタグボート2の位置姿勢情報は、タグボート2の通信装置23から支援装置3の通信装置33へ送信される。本実施形態では、支援装置3は、制御装置31のメモリにタグボート2の位置姿勢情報をリアルタイムで記憶する。
【0017】
本実施形態の操船支援システム4では、少なくとも1隻のタグボート2で本船1がアシストされながら離岸または着岸する際に、離着岸オペレーションに関与する船舶に搭載された全ての表示装置12,22,32は同じ画面を表示する。ここでは本船1が離着岸する予定の岸壁を含む離着岸設備7を上空から撮影された画像情報と本船1の外形線情報が全ての表示装置12,22,32に表示される。但し、離着岸設備7の画像情報と本船1の外形線情報は、支援装置3の表示装置32だけに表示されてもよいし、タグボート2の表示装置22だけに表示されてもよいし、本船1の表示装置12だけに表示されてもよい。
【0018】
表示装置32,12,22に表示される離着岸設備7の画像情報は、本船1の離着岸設備7付近を上空から撮影した位置情報を含む衛星写真の画像情報である。土地所有権等の事情により本船1の離着岸設備7の測量を行うことができないために離着岸設備7の正確な位置情報が地図情報に反映されていない場合があるが、このような場合であっても、位置情報が含まれた衛星写真には離着岸設備は写っている。
【0019】
さらに、本実施形態の操船支援システム4では、離着岸設備7に対する本船1の相対位置姿勢情報が算出される(以下、単に「相対位置姿勢情報」とも称する)。以下、2隻のタグボート2で本船1を着岸する際の、離着岸設備7に対する本船1の相対位置姿勢情報の算出手順について図2のフローチャートを用いて説明する。ここでは支援装置3において、メモリに記憶されたプログラムが制御装置31により実行されることにより相対位置姿勢情報が算出されるが、相対位置姿勢情報は、本船1の制御装置11又はタグボート2の制御装置21で算出されてもよい。
【0020】
まず、制御装置31は、本船1の離着岸設備7付近を上空から撮影した衛星写真の画像情報を取得し、画像情報を表示装置32に表示させる(図2のステップS11)。衛星写真の画像情報は、高精度の位置情報を有し、例えばGeoTIFFファイル等のイメージファイル形式で保存されている。衛星写真の画像情報は、インターネットなどを経由して外部サーバーから取得されてもよいし、制御装置31のメモリに予め格納されてもよい。表示装置32は、図3に示すような画面6を有している。制御装置31は、衛星写真座標系C1において、離着岸設備7付近を撮影した衛星写真の画像情報を表示装置32の画面6上に表示させる。図3では離着岸設備7は複数の直線で表されているが、離着岸設備7は1本の直線又は曲線で表されてもよい。
【0021】
次に、制御装置31は、離着岸設備ポイントを登録する(図2のステップS12)。具体的に、指揮者は、ポインティングデバイス(入力装置34)を操作して、表示装置32の画面6上に表示された離着岸設備7の位置を指定する(衛星写真座標系C1)。制御装置31は、入力装置34により指定された離着岸設備7の3点を離着岸設備ポイント71として登録する。図3では3か所の離着岸設備ポイント71が登録され、黒色の四角で表示されている。
【0022】
次に、制御装置31は、タグボート2の位置姿勢情報を取得する(図2のステップS13)。具体的に、2隻のタグボート2の位置姿勢情報は、2隻のタグボート2から支援装置3へ送信され、制御装置31のメモリに記憶されている。制御装置31は、メモリに記憶された2隻のタグボート2の位置姿勢情報を読み出す。
【0023】
次に、制御装置31は、タグボート2の位置姿勢情報を本船着岸ポイントに変換する(図2のステップS14)。具体的に、制御装置31は、2隻のタグボート2の位置姿勢情報、タグボート2の仕様及び本船1の仕様並びに2隻のタグボート2と本船1との接続情報を取得し、2隻のタグボート2の位置姿勢情報、タグボート2の仕様及び本船1の仕様並びに2隻のタグボート2と本船1との接続情報に基づいて、本船1の本船外形線14に関する情報(以下、外形線情報ともいう)を算出する。ここで、2隻のタグボート2と本船1との接続情報は、2隻のタグボート2が本船1に接触していることを示す情報と、2隻のタグボート2が本船1のどの位置に接続しているかを示す情報とが含まれる。本船1の側面にはタグボート2と本船1とを接続可能な接続ポイント(図示せず)が予め複数設けられている。2隻のタグボート2と本船1との接続情報は、各接続ポイントに設けられたセンサ(例えば、圧力センサ及び引っ張りセンサ、スイッチングセンサや近接センサ)により検出してもよいし、タグボート2の操船者が目視で接続状況を確認し、支援装置3に入力されてもよい。また、タグボート2にカメラが設けられ、カメラはカメラ画像にタグボートの先端が映るように設定されていれば、画像処理によりタグボート2の先端に何か接触していることを検知することができる。これにより、2隻のタグボート2と本船1との接続情報をタグボート2に設けられたカメラにより検出してもよい。2隻のタグボート2と本船1の仕様は、制御装置31のメモリに予め格納されている。制御装置31は、2隻のタグボート2と本船1との接続情報により、まだ接触していない場合は、本船1の本船外形線14を点線や点滅等によって表示してもよい。制御装置31は、2隻のタグボート2と本船1との接続情報により、2隻のタグボート2と本船1と接触したことを検出した場合は、点線によって表示されていた本船1の本船外形線14を実線で表示してもよい。または、制御装置31は、2隻のタグボート2と本船1との接続情報により、2隻のタグボート2と本船1と接触したことを検出した場合は、点滅によって表示されていた本船1の本船外形線14を常時点灯するように表示してもよい。このように、制御装置31は、2隻のタグボート2と本船1との接続情報を取得し、2隻のタグボート2と本船1との接続情報に基づいて、2隻のタグボート2が本船1と接触していることを検出した場合には、画面上に表示されていた本船1の外形線14の表示態様を変更させてもよい。これにより、例えば本船1の船長がその画面を見れば、2隻のタグボート2による本船1の着岸操船の準備が整ったことを視認することができる。
【0024】
そして、制御装置31は、GPS座標系において、算出した本船1の外形線情報を本船着岸ポイント15に変換する。本船着岸ポイント15は、離着岸設備7における3つの離着岸設備ポイント71(ステップS12で登録)に対応する本船1の本船外形線14上の3つの点に変換される。本船着岸ポイント15は、予め定められていてもよいし、入力装置34を介して入力されてもよい。
【0025】
図4は、表示装置32にGPS座標系C2における2隻のタグボート2の位置姿勢情報と本船着岸ポイント15を表示した例である。図4の画面6の中央付近には、離着岸操船における2隻のタグボート外形線24が表示されている(GPS座標系C2)。タグボート外形線24の形状は、船尾を底辺、船首を頂点とする二等辺三角形で表示される。図4の画面6の左側には、本船外形線14が表示されている(GPS座標系C2)。本船外形線14の形状は、船尾を底辺、船首を頂点とする五角形で表示され、左側面には黒い四角で示した本船着岸ポイント15が3点示されている。
【0026】
次に、支援装置3は、離着岸設備ポイント71と、離着岸設備7に対する本船1の相対位置姿勢情報72を算出する(図2のステップS15)。具体的に、制御装置31は、ステップS12で登録した離着岸設備ポイント71を、衛星写真座標系C1からGPS座標系C2へ座標変換する。GPS座標系C2において、離着岸設備ポイント71及び本船着岸ポイント15(ステップS14で算出)に基づいて、離着岸設備7に対する本船1の相対位置姿勢情報72を計算する。
【0027】
最後に、制御装置31は、離着岸設備7に対する本船1の相対位置姿勢情報72を表示装置32の画面に表示させる(図2のステップS16)。具体的に、制御装置31は、相対位置姿勢情報72を、GPS座標系C2から衛星写真座標系C1へ座標変換する。表示装置32は、図5に示すように、衛星写真座標系C1において、相対位置姿勢情報72とともに、離着岸設備ポイント71を含む離着岸設備7を画面6に表示する。ここでは、制御装置31は、本船着岸ポイント15を含む本船外形線14、および、2隻のタグボート外形線24についてもGPS座標系C2から衛星写真座標系C1へ座標変換し、表示装置32は、本船着岸ポイント15を含む本船外形線14、および、2隻のタグボート外形線24を画面6に表示する。
【0028】
以上説明したように、本実施形態の操船支援システム4では、制御装置31によって、本船1の離着岸設備7を上空から撮影された衛星写真の画像情報が取得され、本船1の外形線14及び離着岸設備7の画像情報が表示装置32,12,22の画面に表示される。本船1の外形線14は、制御装置31によって、タグボート2の位置姿勢情報と、タグボート2の仕様と、本船1の仕様と、タグボート2と本船1との接続情報とが取得され、タグボート2の位置姿勢情報と、タグボート2の仕様と、本船1の仕様と、タグボート2と本船1との接続情報とに基づいて算出される。従って、例えばタグボート2の操船者がその画面を見れば、本船1と離着岸設備7との間の正確な距離を把握することができる。これにより、効率的な離着岸操船が可能になる。
【0029】
また、本実施形態の操船支援システム4では、制御装置31によって、本船の外形線情報及び画像情報に基づいて、本船と離着岸設備7との間の正確な距離(相対位置姿勢情報72)を算出することができる。表示装置32,12,22の画面に相対位置姿勢情報72が表示されるので、例えばタグボート2の操船者がその画面を見れば、本船1と離着岸設備7との間の正確な距離を把握し易くなる。また、相対位置姿勢情報72をタグボート2の推進システム(図示せず)に活用することで、離着岸操船の自動化を実現することができる。
【0030】
また、本実施形態の操船支援システム4では、制御装置31によって、本船1の外形線14が、離着岸設備ポイント71に対応する本船1の外形線14上の点である本船着岸ポイント15に変換され、変換された本船着岸ポイント15が表示装置32,12,22の画面に表示される。そして、制御装置31によって、離着岸設備ポイント71および本船着岸ポイント15に基づいて、相対位置姿勢情報72が算出されるので、例えばタグボート2の操船者がその画面を見れば、画面上に登録された離着岸設備ポイント71と、本船1の外形線14上の本船着岸ポイント15との間の正確な距離を把握することができる。
【0031】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。本実施形態の操船支援システムの基本的な構成は、第1実施形態と同様である。以下では、第1実施形態と共通する構成の説明は省略し、相違する構成についてのみ説明する。
【0032】
図6は、本発明の第2実施形態に係る操船支援システム4Aを示す。この操船支援システム4Aは、カメラ53を搭載した自律式の無人航空機5を更に備える点が第1実施形態の操船支援システム4(図1)と異なる。この無人航空機5は、支援装置3A(通信装置33)と通信可能に構成される。また、この無人航空機5は、GPS受信機等の各種センサを搭載し、公知の技術で自律制御を実現可能な構成を備える。
【0033】
無人航空機5は、離着岸設備7から所定範囲内を飛行する。具体的に、無人航空機5は、本船1(例えばデッキ)の上で飛行可能な状態で待機し、本船1が離着岸設備7に近づき、離着岸設備7から所定範囲内に近づくと飛行を開始する。無人航空機5は、タグボート2のデッキで飛行可能な状態で待機していてもよい。無人航空機5は、離着岸設備7で飛行可能な状態で待機していてもよい。所定範囲とは、離着岸設備7の岸から例えば約20mの範囲である。また、例えば、タグボート2に搭載しているGPSにより離着岸設備7とタグボート2との距離が所定範囲内に近づいた場合、無人航空機5は飛行を開始してもよい。
【0034】
無人航空機5は、飛行中に、カメラ53により離着岸設備7付近を撮影する。制御装置31は、無人航空機5で本船1の離着岸設備7付近を撮影した画像を取得し、取得した画像を表示装置32,12,22に表示させる。本実施形態の操船支援システム4Aでは、無人航空機5は、飛行中にカメラ53により離着岸設備7付近を撮影する。制御装置31は、無人航空機5で本船1の離着岸設備7付近を撮影した画像とともに、タグボート2の位置姿勢情報(GPS測位情報)を取得し、取得したタグボート2の位置姿勢情報に対応した本船1の外形線14及び離着岸設備7の画像情報を表示装置32,12,22の画面に表示する。本船1の外形線14は、制御装置31によって、タグボート2の位置姿勢情報並びにタグボート2の仕様及び本船1の仕様に基づいて算出される。従って、タグボート2側において、タグボート2の操船者がその画面を見れば、本船1との通信による連携を行うことなく、本船1と離着岸設備7との間の正確な距離を把握することができる。
【0035】
また、無人航空機5を以下のように制御することで、指揮者及びタグボート2の操船者は、表示装置32の画面を見るだけで、本船1とその周りにいるタグボート2の状況をリアルタイムで把握できる。指揮者及びタグボート2の操船者は、船橋(ブリッジ)を行き来することなく、簡易に着岸状況を把握できる。
【0036】
以下、無人航空機5の動作について図7のフローチャートを用いて説明する。まず、無人航空機5は、離着岸設備7から所定範囲内を飛行する(図7のステップS21)。次に、図8に示すように、カメラ映像において本船1とタグボート2とが撮影範囲内に入るように無人航空機5の高さを自律制御する(図7のステップS22)。具体的に、無人航空機5は、GPS受信機を搭載しているので、無人航空機5のカメラ53によって撮影された写真について、無人航空機5の高度情報とカメラ53の画角情報から撮影写真の画素当たりの距離データを算出し、画素当たりの距離データから撮影写真の各画素の位置情報(GPS座標系)を計算することができる。これにより、カメラ映像において本船1の中心が画像中央付近となるように制御し、本船1とタグボート2とが撮影範囲内に入るように無人航空機5の高さを画像から決定するより正確に制御することができる。本船1とタグボート2と離着岸設備7とが撮影範囲内に入るように無人航空機5の高さを制御することもできる。
【0037】
表示装置32,12,22は、カメラ53で撮影されたカメラ映像を表示する(図7のステップS23)。具体的に、無人航空機5は、カメラ映像を画像情報として支援装置3A(通信装置33)に送信する。支援装置3Aの表示装置32,12,22は、カメラ映像の画像情報を画面6上に表示する。
【0038】
以上説明したように、本実施形態の操船支援システム4Aは、カメラ53を搭載した自律式の無人航空機5を備えているので、指揮者並びに本船1及びタグボート2の操船者は、表示装置32,12,22の画面を見るだけで、本船1とその周りにいるタグボート2の状況をリアルタイムで把握できる。指揮者並びに本船1及びタグボート2の操船者は、船橋(ブリッジ)を行き来することなく、簡易に着岸状況を把握できる。本船1とタグボート2と離着岸設備7とが撮影範囲内に入るように無人航空機5の高さを制御する場合は、本船1とその周りにいるタグボート2の状況および離着岸設備7をリアルタイムで把握できる。指揮者並びに本船1及びタグボート2の操船者は、船橋(ブリッジ)を行き来することなく、簡易に着岸状況を把握できる。
【0039】
(変形例)
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
【0040】
支援装置3,3Aは、本船1に搭載されてもよい。この場合、本船1に搭載される表示装置12は不要である。また、支援装置3,3Aが本船1に搭載される場合は、タグボート2に搭載される表示装置22が、画面上に、図5で示したような離着岸設備7に対する本船1の相対位置姿勢情報72を表示可能であれば、本船1の操船者とタグボート2の操船者とで相対位置姿勢情報72を共有することができる。
【0041】
あるいは、支援装置3は、1隻のタグボート2に搭載されてもよい。この場合、そのタグボート2に搭載される表示装置22は不要である。また、支援装置3,3Aは1隻のタグボート2に搭載される場合は、本船1に搭載される表示装置12が、画面上に、図5で示したような離着岸設備7に対する本船1の相対位置姿勢情報72を表示可能であれば、本船1の操船者とタグボート2の操船者とで相対位置姿勢情報72を共有することができる。
【0042】
あるいは、操船支援システム4,4Aにより算出した相対位置姿勢情報72に基づいて、離着岸操船が自動化されてもよい。自動操船の場合には、例えば、操船支援システム4,4Aは、相対位置姿勢情報72に基づいて、本船1および/またはタグボート2の推進指令を生成し、これらの推進システムに推進指令を与える。この場合、表示装置12,22,32は省略されてもよいが操船状況を監視するためのモニタとして使用されてもよい。
【0043】
また、上記実施形態の操船支援システム4,4Aでは、指揮者が、支援装置3,3Aのポインティングデバイス(入力装置34)を操作して、表示装置32の画面6上に表示された離着岸設備7の位置を指定したが、本船1の操船者が、本船1の制御装置11の入力装置(図示せず)を操作して、表示装置12の画面上に表示された離着岸設備7の位置を指定してもよいし、タグボート2の操船者が、タグボート2の制御装置21の入力装置(図示せず)を操作して、表示装置22の画面上に表示された離着岸設備7の位置を指定してもよい。
【0044】
その他、上記実施形態では、支援装置3,3Aは、入力装置34を備えたが、省略されてもよい。
【0045】
また、上記実施形態の操船支援システム4,4Aでは、表示装置32,12,22の画面に表示された本船1の外形線14は、制御装置31によって、タグボート2の位置姿勢情報(GPS測位)と、タグボート2の仕様と、本船1の仕様と、タグボート2と本船1との接続情報とが取得され、タグボート2の位置姿勢情報と、タグボート2の仕様と、本船1の仕様と、タグボート2と本船1との接続情報とに基づいて算出されたが、このような態様に限られない。表示装置32,12,22の画面に表示された本船1の外形線14は、制御装置31によって、本船の位置姿勢情報(GPS測位)と本船1の仕様とが取得され、本船の位置姿勢情報(GPS測位)と本船1の仕様とに基づいて算出されてもよい。このとき、本船1の位置姿勢情報は、本船1の通信装置13から支援装置3の通信装置33へ送信され、制御装置31のメモリにリアルタイムで記憶される。
【0046】
尚、上記実施形態では、離着岸設備7において指定された離着岸設備ポイント71及びこれに対応する本船外形線14の本船着岸ポイント15は3点であったが(図5参照)、2点以上であればこれに限られない。また、離着岸設備ポイント71の代表点を指定するだけで、自船の大きさに応じて自動的に他の点が指定されるようにしてもよい。また、離着岸設備ポイント71及び本船着岸ポイント15は図9に示すように2点でもよい。図9では、衛星写真の座標系C1において、画面6に表示された離着岸設備ポイント71の2点間の距離L1と、本船着岸ポイント15の2点間の距離L2は等距離としたが、図10に示すように、衛星写真の座標系C1において、画面6に表示された離着岸設備ポイント71の2点間の距離L1と、本船着岸ポイント15の距離L2は異なってもよい。この場合、例えばL1とL2の距離が等しくなるように、離着岸設備ポイント71(又は本船着岸ポイント15)の位置が自動的に修正されるようにしてもよい。
【0047】
(まとめ)
本発明の一つの側面からの操船支援システムは、少なくとも1隻のタグボートで本船がアシストされながら離岸または着岸する際に使用される操船支援システムであって、画面を有する表示装置と、前記本船が離着岸する予定の岸壁を含む離着岸領域を上空から撮影された画像情報を取得し、前記本船の外形線情報及び前記画像情報を前記表示装置の画面に表示させる制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記本船の位置姿勢情報と前記本船の仕様とを取得し、前記本船の位置姿勢情報と前記本船の仕様とに基づいて前記本船の外形線情報を求める、または、前記タグボートの位置姿勢情報と、前記タグボートの仕様と、前記本船の仕様と、前記タグボートと前記本船との接続情報とを取得し、前記タグボートの位置姿勢情報と、前記タグボートの仕様と、前記本船の仕様と、前記タグボートと前記本船との接続情報とに基づいて前記本船の外形線情報を求める、ことを特徴とする。
【0048】
上記の構成によれば、制御装置によって、本船の離着岸領域を上空から撮影された画像情報が取得され、本船の外形線情報及び画像情報が表示装置の画面に表示される。具体的に、制御装置によって、前記本船の位置姿勢情報と前記本船の仕様とが取得され、前記本船の位置姿勢情報と前記本船の仕様とに基づいて前記本船の外形線情報が求められる。または、制御装置によって、前記タグボートの位置姿勢情報と、前記タグボートの仕様と、前記本船の仕様と、前記タグボートと前記本船との接続情報とが取得され、前記タグボートの位置姿勢情報と、前記タグボートの仕様と、前記本船の仕様と、前記タグボートと前記本船との接続情報とに基づいて前記本船の外形線情報が求められる。従って、例えばタグボートの操船者は、その画面を見れば、本船と離着岸領域との間の正確な距離を把握することができる。これにより、効率的な離着岸操船が可能になる。
【0049】
また、前記制御装置は、前記本船の外形線情報及び前記画像情報に基づいて、前記離着岸領域に対する本船の相対位置姿勢情報を算出し、算出した前記相対位置姿勢情報を前記表示装置の画面に表示させてもよい。
【0050】
上記の構成によれば、制御装置によって、本船の外形線情報及び画像情報に基づいて、本船と離着岸設備との間の正確な距離を算出することができる。表示装置の画面に相対位置姿勢情報が表示されるので、例えばタグボートの操船者がその画面を見れば、本船と離着岸領域との間の正確な距離を把握し易くなる。また、相対位置姿勢情報を例えばタグボートの推進システムに活用することで、離着岸操船の自動化を実現することができる。
【0051】
上記操船支援システムは、ユーザの入力を受け付ける入力装置を更に備え、前記入力装置は、前記画面上に表示された前記画像情報に含まれる前記離着岸領域のうちの二以上の点についての入力を受け付け、前記制御装置は、前記入力装置により受け付けられた前記離着岸領域の点を離着岸ポイントとして登録し、前記離着岸ポイント及び前記本船の外形線情報に基づいて、前記相対位置姿勢情報を算出してもよい。
【0052】
上記構成によれば、例えばタグボートの操船者によって、画面を見ながら入力装置を操作して、画面上に表示された離着岸領域のうちの二以上の点を入力すると、入力された点が離着岸ポイントとして登録される。これにより、登録された離着岸ポイントと本船との間の正確な距離を算出することができる。
【0053】
具体的に、前記制御装置は、前記本船の外形線情報を、前記離着岸ポイントに対応する前記本船の外形線上の二以上の点である本船着岸ポイントに変換し、変換した本船着岸ポイントを前記表示装置の画面に表示させ、前記離着岸ポイントに対する前記本船着岸ポイントの前記相対位置姿勢情報を算出してもよい。
【0054】
上記構成によれば、制御装置によって、前記本船の外形線情報が、前記離着岸ポイントに対応する前記本船の外形線上の二以上の点である本船着岸ポイントに変換され、変換された本船着岸ポイントが前記表示装置の画面に表示される。そして、制御装置によって、前記離着岸ポイントに対する前記本船着岸ポイントの前記相対位置姿勢情報が算出されるので、例えばタグボートの操船者がその画面を見れば、画面上に登録された離着岸ポイントと、本船の外形線上の本船着岸ポイントとの間の正確な距離を把握することができる。
【0055】
また、前記制御装置は、前記タグボートと前記本船との接続情報を取得し、前記タグボートと前記本船との接続情報に基づいて、前記タグボートが前記本船に接触していることを検出した場合には、画面上に表示された前記本船の外形線情報の表示態様を変更してもよい。
【0056】
上記構成によれば、制御装置によって、タグボートと本船との接続情報に基づいて、前記タグボートが前記本船に接触していることが検出された場合には、画面上に表示された前記本船の外形線情報の表示態様が変更されるので、例えば本船の船長がその画面を見れば、タグボートによる本船の着岸操船の準備が整ったことを視認することができる。
【0057】
尚、前記画像情報は、位置情報を含む衛星写真の画像情報でもよい。
【0058】
その他、上記操船支援システムは、カメラを搭載し、前記制御装置と通信可能に構成された自律式の無人航空機を更に備え、前記制御装置は、飛行中の前記無人航空機の前記カメラにより前記離着岸領域を撮影したカメラ映像を前記画像情報として取得してもよい。具体的に、前記無人航空機は、前記離着岸領域から所定範囲内を飛行し、且つ、前記カメラ映像において前記本船、前記タグボートおよび前記離着岸領域が撮影範囲内に入るように前記無人航空機の高さを自律制御し、前記カメラ映像の画像情報を前記制御装置に送信してもよい。
【0059】
この構成によれば、操船支援システムが、カメラを搭載した自律式の無人航空機を備えているので、例えばタグボートの操船者は、表示装置の画面を見るだけで、本船とその周りにいるタグボートの状況をリアルタイムで把握できる。タグボートの操船者は、船橋(ブリッジ)を行き来することなく、簡易に着岸状況を把握できる。
【符号の説明】
【0060】
1 本船
11 制御装置
12 表示装置
13 通信装置
14 本船外形線
15 本船着岸ポイント
2 タグボート
21 制御装置
22 表示装置
23 通信装置
24 タグボート外形線
3 支援装置
31 通信装置
32 制御装置
33 表示装置
33a 画面
34 入力装置
31 制御装置
32 表示装置
33 通信装置
34 入力装置
35 記憶装置
4,4A 操船支援システム
5 無人航空機
53 カメラ
7 離着岸設備(離着岸領域)
71 離着岸設備ポイント
72 相対位置姿勢情報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10