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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-15
(45)【発行日】2023-11-24
(54)【発明の名称】色相を変更する色域マッピング
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/60 20060101AFI20231116BHJP
   G06T 1/00 20060101ALI20231116BHJP
   G09G 5/02 20060101ALI20231116BHJP
   H04N 9/64 20230101ALI20231116BHJP
【FI】
H04N1/60
G06T1/00 510
G09G5/02 B
H04N9/64 Z
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2019546137
(86)(22)【出願日】2018-02-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-04-09
(86)【国際出願番号】 EP2018054696
(87)【国際公開番号】W WO2018158199
(87)【国際公開日】2018-09-07
【審査請求日】2021-02-22
【審判番号】
【審判請求日】2022-10-13
(31)【優先権主張番号】17305218.4
(32)【優先日】2017-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】518341334
【氏名又は名称】インターディジタル・シーイー・パテント・ホールディングス・ソシエテ・パ・アクシオンス・シンプリフィエ
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(72)【発明者】
【氏名】シュタウダー,ユルゲン
(72)【発明者】
【氏名】オルハンド,アニタ
(72)【発明者】
【氏名】ポレエル,コリンヌ
【合議体】
【審判長】千葉 輝久
【審判官】渡辺 努
【審判官】木方 庸輔
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2008/139953(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/206981(WO,A1)
【文献】米国特許第7573610(US,B2)
【文献】国際公開第2008/139953(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N1/46-62
H04N9/64
G06T1/00
G09G5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のソース色域または第2のソース色域からの色をターゲット色域に向けて色域マッピングするための方法であって、
無彩色、前記第1のソース色域の特有の色、前記第2のソース色域の特有の色および前記ターゲット色域の特有の色を通過する曲線上の色を含む色の第1のセットにアクセスすることであって、前記曲線上の色は、前記第1のソース色域および前記第2のソース色域からのソースカラーであり、前記第1のソース色域の特有の色および前記第2のソース色域の特有の色は、前記無彩色と前記ターゲット色域との間の前記曲線上にあ前記曲線は、複数の異なる色相の色を含む、ことと、
前記ターゲット色域の前記特有の色の色相に対応する一定の色相の線上の色を含む色の第2のセットにアクセスすることと、
前記曲線上にある色を一定の色相の線に向けて色域マッピングすることより、前記第1のソース色域および前記第2のソース色域をターゲット色域に向けてマッピングするのに適している色域関数を生成することであって、各色の前記色域マッピングは、前記色の第1のセットからの第1の色の色相と、前記色の第2のセットからの第2の色の色相との間の色相の差に基づいており、前記色の第2のセットからの第2の色は、前記色の第1のセットからの第1の色と同じ彩度を有しており、前記色相の差は、同じ彩度を有する前記第1の色および前記第2の色に依存する、ことと、を含み、
前記無彩色は、前記第1のソース色域、前記第2のソース色域、および前記ターゲット色域に共通しており、
前記第1のソース色域の特有の色、前記第2のソース色域の特有の色および前記ターゲット色域の特有の色は、それぞれ、原色および2次色のグループから選択された同じ原色および二次色に対応する、前記第1のソース色域、前記第2のソース色域、および前記ターゲット色域における色である、方法。
【請求項2】
前記第1のソース色域、前記第2のソース色域および前記ターゲット色域は、明度軸および色度面を有する少なくとも1つの色空間の中にあり、前記色域マッピングは、前記色相の差に基づいてマッピング後の色の色相に向かって、前記一つの色の色相を回転させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記色域マッピングは、前記色の第1のセットから第3の色を決定することと、前記色の第1のセットからの前記第1の色についての前記色相の差と、前記色の第1のセットからの前記第3の色についての前記色相の差とに基づいて、前記色の第1のセットからの前記第3の色の色相を補間することとを含む、請求項1または2のいずれかに記載の方法。
【請求項4】
前記色域マッピングは、マッピング後の色が、前記ターゲット色域の中にあるような飽和度圧縮、または、前記マッピング後の色が前記ターゲット色域のより大きな部分を埋めるような飽和度拡張をさらに含む、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
第1のソース色域または第2のソース色域からのソースカラーをターゲット色域に向けて色域マッピングするためのシステムであって、
少なくとも一つのプロセッサと、動作可能な命令を記憶する少なくとも一つのメモリとを備え、
前記命令は、前記少なくとも一つのプロセッサにより実行されるときに、前記少なくとも一つのプロセッサに、
無彩色、前記第1のソース色域の特有の色、前記第2のソース色域の特有の色および前記ターゲット色域の特有の色を通過する曲線上の色を含む色の第1のセットにアクセスすることであって、前記曲線上の色は、前記第1のソース色域および前記第2のソース色域からのソースカラーであり、前記第1のソース色域の特有の色および前記第2のソース色域の特有の色は、前記無彩色と前記ターゲット色域との間の前記曲線上にあ前記曲線は、複数の異なる色相の色を含む、ことと、
前記ターゲット色域の前記特有の色の色相に対応する一定の色相の線上の色を含む色の第2のセットにアクセスすることと、
前記曲線上にある色を一定の色相の線に向けて色域マッピングすることより、前記第1のソース色域および前記第2のソース色域をターゲット色域に向けてマッピングするのに適している色域関数を生成することであって、各色の前記色域マッピングは、前記色の第1のセットからの第1の色の色相と、前記色の第2のセットからの第2の色の色相との間の色相の差に基づいており、前記色の第2のセットからの第2の色は、前記色の第1のセットからの第1の色と同じ彩度を有しており、前記色相の差は、同じ彩度を有する前記第1の色および前記第2の色に依存する、ことと、
を行わせ、
前記無彩色は、前記第1のソース色域、前記第2のソース色域、および前記ターゲット色域に共通しており、
前記第1のソース色域の特有の色、前記第2のソース色域の特有の色および前記ターゲット色域の特有の色は、それぞれ、原色および2次色のグループから選択された同じ原色および二次色に対応する、前記第1のソース色域、前記第2のソース色域、および前記ターゲット色域における色である、システム。
【請求項6】
前記第1のソース色域、第2のソース色域および前記ターゲット色域は、明度軸および色度面を有する少なくとも1つの色空間の中にあり、前記色域マッピングは、前記色相の差に基づいてマッピング後の色の色相に向かって、前記一つの色の色相を回転させることを含む、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記色域マッピングは、前記色の第1のセットから第3の色を決定することと、前記色の第1のセットからの前記第1の色についての前記色相の差と、前記色の第1のセットからの前記第3の色についての前記色相の差とに基づいて、前記色の第1のセットからの前記第3の色の色相を補間することとを含む、請求項5または6のいずれかに記載のシステム。
【請求項8】
前記色域マッピングは、マッピング後の色が、前記ターゲット色域の中にあるような飽和度圧縮、または、前記マッピング後の色が前記ターゲット色域のより大きな部分を埋めるような飽和度拡張をさらに含む、請求項5から7のいずれかに記載のシステム。
【請求項9】
プロセッサによって実行されるときに、前記プロセッサに、第1のソース色域または第2のソース色域からの色をターゲット色域に向けて色域マッピングさせる命令を備える非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、
前記色域マッピングは、
無彩色、前記第1のソース色域の特有の色、前記第2のソース色域の特有の色および前記ターゲット色域の特有の色を通過する曲線上の色を含む色の第1のセットにアクセスすることであって、前記曲線上の色は、前記第1のソース色域および前記第2のソース色域からのソースカラーであり、前記第1のソース色域の特有の色および前記第2のソース色域の特有の色は、前記無彩色と前記ターゲット色域との間の前記曲線上にあ前記曲線は、複数の異なる色相の色を含む、ことと、

前記ターゲット色域の前記特有の色の色相に対応する一定の色相の線上の色を含む色の第2のセットにアクセスすることと、
前記曲線上にある色を一定の色相の線に向けて色域マッピングすることより、前記第1のソース色域および前記第2のソース色域をターゲット色域に向けてマッピングするのに適している色域関数を生成することであって、各色の前記色域マッピングは、前記色の第1のセットからの第1の色の色相と、前記色の第2のセットからの第2の色の色相との間の色相の差に基づいており、前記色の第2のセットからの第2の色は、前記色の第1のセットからの第1の色と同じ彩度を有しており、前記色相の差は、同じ彩度を有する前記第1の色および前記第2の色に依存する、ことと、
を含み、
前記無彩色は、前記第1のソース色域、前記第2のソース色域、および前記ターゲット色域に共通しており、
前記第1のソース色域の特有の色、前記第2のソース色域の特有の色および前記ターゲット色域の特有の色は、それぞれ、原色および2次色のグループから選択された同じ原色および二次色に対応する、前記第1のソース色域、前記第2のソース色域、および前記ターゲット色域における色である、非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項10】
前記色域マッピングは、ルックアップテーブル(LUT)を決定することをさらに含み、前記LUTは、前記色相の差に基づいた前記第1のソース色域および前記第2のソース色域の色に関する前記一定の色相の線に向けた色域マッピングに基づいて決定された結果として生じるLUT色に対する入力LUT色のマッピングを含む、請求項9に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項11】
前記第1のソース色域、第2のソース色域および前記ターゲット色域は、明度軸および色度面を有する少なくとも1つの色空間の中にあり、前記色域マッピングは、前記色相の差に基づいてマッピング後の色の色相に向かって、前記一つの色の色相を回転させることを含む、請求項9または10のいずれかに記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項12】
前記色域マッピングは、前記色の第1のセットから第3の色を決定することと、前記色の第1のセットからの前記第1の色についての前記色相の差と、前記色の第1のセットからの前記第3の色についての前記色相の差とに基づいて、前記色の第1のセットからの前記第3の色の色相を補間することとを含む、請求項9から11のいずれかに記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項13】
前記色域マッピングは、マッピング後の色が、前記ターゲット色域の中にあるような飽和度圧縮、または、前記マッピング後の色が前記ターゲット色域のより大きな部分を埋めるような飽和度拡張をさらに含む、請求項9から12のいずれかに記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項14】
前記第1のソース色域は、前記ターゲット色域とは異なり、前記第2のソース色域は、前記ターゲット色域とは異なり、前記第1のソース色域は、前記第2のソース色域とは異なる、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
第1の色相リーフの第1の色相リーフの色は、第1の方法でマッピングされ、前記第1の色相リーフの第2の色相リーフの色は、前記第1の方法とは異なる第2の方法でマッピングされ、前記第1の色相リーフの色の色相マッピングは、前記第1の色相リーフの色の彩度に依存する、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ソースカラーの色の処理に関する。本発明はさらに、ソースカラーの色相をターゲットカラーの色相に向けて変更するための色相を変更する色域マッピングに関する。
【背景技術】
【0002】
画像およびビデオ処理の色の処理の1つの方法は、色域マッピングとして知られている。
【0003】
「色域」は、一セットの色である。例えば色域は、実際の照明の下での実際の対象物の色、モニタ上またはフィルム投影による表示用に再現された画像(複数可)の色、動画(例えばCGIアニメーション)における合成された色、あるいは人によって、または光取り込み装置によって見ることができる任意の他の色のセットであってよい。実際、色域は、シーン照明、実際の対象物、画像取り込み装置、画像再生装置、色空間、NTSC、ITU-R BT rec.709 (「rec.709」)、ITU-R BT rec.2020 (「rec.2020」)、Adobe RGB、DCI-P3などの標準規格、あるいは色の再生に関する任意の他の現在のまたは将来的な標準規格、あるいは色の種類に関する任意の他の制約(複数可)によって規定されてよい。
【0004】
「色域マッピング」は、ソース色域の色(「ソースカラー」)のターゲット色域の色(「ターゲットカラー」へのマッピングまたは再分配のプロセスである。ソース色域は、任意の色域に関連付けられてよい。同様にターゲット色域も任意の色域に関連付けられてよい。例えば、ソース色域は、標準規格に従って入力画像データに関連付けられてよく、ターゲット色域は、ディスプレイデバイス(例えばユーザデバイス)に関連付けられてよい。色域マッピングには、色の飽和度、色相、明度、コントラストまたは色の他の性質に対する変更、ソースおよび/またはターゲット色域(複数可)の黒色、白色または他の色の性質に対する変更が含まれてよい。例えば色域マッピングには、色調マッピングが含まれてよい。
【0005】
色域マッピングは、画像およびビデオ処理(例えばビデオコンテンツの生成または生成後)の分野において重要な用途を有する。例えば色域マッピングは、ビデオコンテンツの色の処理に関する重要なツールである(例えば色域マッピングは、デバイスのディスプレイの制約条件が満たされることを保証するために利用されてよい)。色域マッピングはまた、美的な要件を満たすために使用される場合、および/またはカラリストによるツールとして使用される場合もある。色域マッピングはまた、映画、テレビまたはインターネットなどのための再生または伝送のために、オリジナルのビデオを異なるビデオタイプに変換するのに使用される場合もある。色域マッピングはまた、カメラにおいて使用することもできる。例えばカメラでは、色域マッピングは、カメラセンサによって取り込まれたシーンを所用の標準規格に適合させるのに使用されてよく、その結果取り込まれた色を正確に再現することができる(例えばディスプレイデバイス上で)。ソースカメラ色域は、カメラセンサのカラーフィルタに応じて定義することができる。色域マッピングはまた、画像またはビデオコンテンツを正確に表示するためにディスプレイデバイスにおいて使用される場合もある。ターゲットディスプレイ色域は、ディスプレイパネルの原色によって定義されてよい。処理の間、色域マッピングは、種々のピクセル頻度で繰り返されてよい。
【0006】
色域マッピングの考察は、
・J.MorovicおよびM.R.Luo、「The Fundamentals of Gamut Mapping:A Survey」、Journal of Imaging Science and Technology、45/3:283-290、2001。
・Montag E.D.、Fairchild M.D、「Psychophysical Evaluation of Gamut Mapping Techniques Using Simple Rendered Images and Artificial Gamut Boundaries」、IEEE Trans.Image Processing、6:977-989、1997。
・P.Zolliker、M.Datwyler、K.Simon、On the Continuity of Gamut Mapping Algorithms、Color Imaging X:Processing、Hardcopy、and Applications.Edited by Eschbach、Reiner;Marcu、Gabriel G.Proceedings of the SPIE、volume 5667、220-233、2004を含む。
【0007】
既存の色域マッピング法は問題が多く、その理由は、それらが、色域マッピング後、色の統一性の低下(例えば、結果として生じるターゲット色域における近傍のゆがみ)をもたらすためである。そのような問題は、ソースおよびターゲット色域の境界と関連して、色の飽和度および/または色相および/または明度の既存の方法の圧縮または拡張から起きる。実際、このような境界は、それらを区別することができない縁を有しており、これにより、色域マッピング法を定義するのに使用される際、色の近傍のゆがみを生み出す。色の明度は、1976年のCIEによって定義されるように、CIELAB色空間またはLab色空間のL座標によって指定されてよい。同様に、明度はIPT色空間のI座標によって指定されてもよい。例えば、Ebner FritzおよびMark D. Fairchild、「Development and testing of a color space (IPT) with improved hue uniformity」、1998年のColor and Imaging会議は明度を考察している。しかしながら明度、強度または輝度は、変更せずに使用される場合もある。色の色相は、精神物理学的経験を用いて獲得することができる。しかしながら様々な鑑賞条件および/または様々なモデルが、異なる色相の定義をもたらす場合がある。色の色相は、例えばCIELAB色空間における、色空間の円柱の座標表示の円柱の角度によって指定されてよい。あるいは、色相は、式(例えばRGB色空間における、)
【数1】
を用いて色座標から獲得されてもよく、色空間における色域の境界は、色域の全ての色を含む外殻(hull)である。
【0008】
既存の色域マッピング法の大部分は、色域の境界に関連して色の飽和度(または彩度)および/または色の明度を圧縮するか、拡張するかのいずれかである。色域マッピングでは、ソース色域を規定している原色と、ターゲット色域を規定している原色との間に有意な不一致がある場合(例えば位置がずれた色域境界)、不均一な飽和度の修正が生じる可能性がある。よって、カスプ色域マッピングによって誘発される飽和度の修正は、同様の色相に関してかなり異なる場合がある(例えば色相角75°に関して、飽和度は、1.6の係数で割られてよく、色相角85°に関しては、飽和度は、1.2の係数で割られる場合がある)。これは、色の近傍におけるマッピング後の色の統一性の低下の問題をもたらす。
【0009】
ソース色域の色域境界における個々の点(例えば原色または二次色)と、ターゲット色域の色域境界における対応する個々の点が異なる色相を有する場合、さらなる問題が生じる。このような点においては、色域境界は唐突に表面配向を変え、区別することは不可能である。色の近傍は、ソースカラーが、色域境界の曲率の不連続点と同一の色相を有する場合、彩度圧縮または拡張を用いる色域マッピングにおいて品質を落とす可能性がある。色の近傍に対するマイナスの影響は、他の条件が同じままであるが、ソースおよびターゲット色域の境界の対応する個々の点の色相がそれぞれ、近いが全く同じではない場合にさらに大きくなる可能性がある。
【0010】
このような問題を避けるために、完全な色相回転マッピングが、Green and Luoによって、2000年のColor Image Science会議において公開された彼らの文書「Extending the CARISMA gamut mapping model」の中で考察されている。完全な色相回転は、ソースおよびターゲット色域の色相を位置合わせすることで、少なくとも同一の色相を有するカスプ線の区別不能な点は1つもなくなる。完全な色相回転は、最も飽和したソースカラー、すなわち原色および二次色は、最も飽和したターゲットカラー、すなわち原色および二次ターゲットカラーになるという追加の利点を有する。これは、美的な意向を維持する。しかしながらこのような完全な色相回転は、有意に色相を移動させる問題を生じることになる。
【0011】
完全な色相回転はまた、Henley等に対する米国特許公開第US2005/248784号(「Henley」)にも使用されている。Henleyは、いわゆるシヤーマッピングと呼ばれる色域マッピング法を開示する。シヤーマッピングは、例えばCIELAB色空間などの色空間における一定の色相リーフにおいてソース色域のカスプをターゲット色域のカスプにマッピングする。一定の色相リーフ内のカスプは、最も高い彩度を有する色である。Henleyは、色相回転を開示しており、これは色相飽和の最大レベルを維持するために行われる。Henleyにおける色相回転は、入力(ソース色域)の各々の原色および二次色の色相を宛先(ターゲット色域)における原色または二次色の色相にマッピングする完全な色相回転である。
【0012】
別の参考文献は、部分的な色相のシフトを適用することによってこの問題を解決しようとする国際公開第2016206981号である。この方法は、ソースの特有の色とターゲットの特有の色との差に基づいて、ソースの特有の色の色相を対応するターゲットの特有の色のターゲット色相に順応的に変更する。特有の色は、原色および二次色を含むことができる。この方法は、必要とされる場合のみ最大の色相のシフトが適用されるため、美的な意図をある程度維持する能力を有する。追加として、最も飽和したソースカラー、すなわち原色および二次色は、彩度マッピングより前に部分的な色相マッピングが適用された場合、色相マッピングが全く適用されない場合よりもより飽和される。別の利点は、色の近傍の部分的な保存を含んでおり、色域マッピングの飽和の修正の均一性を高める。
【0013】
しかしながら、ソースカラーを色マッピングするための既知の方法の大半は、ソース色域に広く分散するソースカラーをマッピングするように設計されている。例えば、CARISMAまたは国際公開第2016206981号の利点は、このような前提の下でのみ保持される。実際、CARISMAまたは国際公開第2016206981号は、ソース色域の形状に大きく左右される。実際のソースカラーの色域、いわゆるコンテンツ色域の形状がソース色域の形状に一致しない場合、CARISMAまたは国際公開第2016206981号の色域マッピングの利点は保持されない。
【0014】
コンテンツのソースカラーが全体のソース色域を埋めていない場合、コンテンツは実際にはソース色域よりも小さくなる。例えば、ITU-R BT.2020 RGB色座標においてコード化された画像では、赤色のオブジェクトは全く存在しない。この画像のコンテンツ色域はそれゆえ、ITU-R BT.2020のソース色域より小さく、赤色を含まない。ソース色域の代わりに、コンテンツ色域をターゲット色域にマッピングする色域マッピング法は、いわゆる画像依存の、またはコンテンツ依存の方法と呼ばれる。これとは対照的に、ソース色域全体をターゲット色域にマッピングする方法は、ソース色域はソースカラーのデバイスに対応する場合が多いため、いわゆるデバイス依存の方法と呼ばれる。Giesen等は、イメージ処理に対するIEEE会報、16巻、10号 2007年10月に公開された「Image-Dependent Gamut Mapping Dependent Gamut Mapping as Optimization Problem」というタイトルが付けられた彼らの論文の中で、コンテンツ依存のマッピングのための一部の方法を調査している。筆者は、この方法を既知のデバイス依存の方法と比較している。ソース色域を有するソース色空間の色座標を用いてコンテンツを表現する際、コンテンツ色域は定義によって、ソース色域と常に等しい、またはソース色域より小さい。しかしながら、他のケースも可能である。一般的なケースでは、第1のコンテンツは、第1のソース色域を有する第1のソース色空間において生成されてよく、第2のコンテンツは、第2のソース色域を有する第2の色空間において生成されてよい。このような一般的なケースでは、色域マッピング法を使用して、第1または第2の色域のいずれかからの色をターゲット色域に向けてマッピングしてよい。しかしながら、第1のソース色域をターゲット色域にマッピングすることが意図されたCARISMAまたは国際公開第2016206981号などの既知の方法は、コンテンツが第2のソース色域を埋める場合、その利点を実現することはない。同じ方法において、第2のソース色域をターゲット色域にマッピングすることが意図されたCARISMAまたは国際公開第2016206981号などの既知の方法は、コンテンツが第1のソース色域を埋める場合、その利点を実現することはない。
【0015】
別の一般的なケースでは、コンテンツは、第2のソース色域を有する第2のソース色空間において生成され、その後、第1のソース色域を有する第1のソース色空間において表現されてよい。第2のソース色域が第1のソース色域の中に含まれない場合、第1のソース色域の外にある第2のソース色域からの色を表現するために、第1のソース色空間の負の色座標が最新技術に従って使用される。この別の一般的なケースでは、上記に記載したマッピング法を使用して、第1または第2のソース色域のいずれかからの色をターゲット色域に向けてマッピングすることができる。
【0016】
全ての既知の色域マッピングアルゴリズムは、それらが、ソース色域に関して、およびコンテンツ色域に関して、または第1のソース色域と別の第2のソース色域に関して同時に最適ではないという問題を有する。このことは、以下の使用ケースにおいてはっきりとしてくる。1つのサンプルの単一の色域マッピング法が2つのタイプの画像に使用される。第1のタイプの画像は、ソース色域全てにわたって分散される第1のタイプのソースカラーを含んでいる。第2のタイプの画像は、ソース色域と異なり、かつそれより小さいコンテンツ色域内に分散される第2のタイプのソースカラーを含んでいる。全ての画像は、そのソース色域を有する同一のソース色空間の色座標においてコード化される。全ての既知の色域マッピング法は、それらがソース色域およびコンテンツ色域に関して同時に最適ではないため、この使用ケースに関して最適ではない。
【0017】
例えば国際公開第2016206981号は、ソース色域に関しては最適化されるが、第2のタイプの画像をマッピングすべきである場合、色の近傍が最適に維持されない場合がある。さらに最も飽和したコンテンツカラー、すなわちコンテンツ色域の原色および二次色は、ターゲット色域の最も飽和した色、すなわちターゲット色域の原色および二次色にマッピングされない、またはその方向にマッピングされない。代わりに、最も飽和したコンテンツカラーは、他のこれより飽和度が低いターゲットカラーの方向にマッピングされ、飽和のより大きな低下を引き起こす。例えばGiesen等によって研究された方法は、コンテンツ色域に関しては最適化されるが、第1のタイプの画像をマッピングすべきである場合、色の近傍が最適に維持されない場合がある。加えて、この方法は依然として、ソース色域の内部にあるコンテンツ色域の外の色のマッピングは定義していない。
【発明の概要】
【0018】
本原理の一態様は、上記に挙げた問題を回避し、それに対する解決策を提供する。
【0019】
本原理の一態様は、第1のソース色域、第2のソース色域(コンテンツ色域など)およびターゲット色域を考慮に入れて、ソースカラーの色相をターゲットカラーの色相に向けて変更することを対象としている。
【0020】
本原理の一態様は、第1のソース色域または第2のソース色域の一方からの色をターゲット色域に向けて色域マッピングするための方法を対象としている。方法は、無彩色、第1のソース色域の特有の色、第2のソース色域の対応する特有の色およびターゲット色域の対応する特有の色を含む色の少なくとも1つの第1のセットにアクセスすることと、ターゲット色域の特有の色の色相に対応する一定の色相の色を含む色の少なくとも1つの第2のセットにアクセスすることと、色の第1のセットからの少なくとも1つの色の色相と、色の第2のセットの少なくとも1つの他の色の色相との差に基づいて、第1のソース色域または第2の色域の一方の色のうちの1つのターゲット色域に向けた色域マッピングを実行し、この他の色は、第1のセットからの少なくとも1つの色と同一の彩度を有することととを含む。特有の色は、特定のグループの原色、二次色、特定のグループの原色および二次色から選択された少なくとも1つである。当然のことながら、第2の特有の色よりも第1の特有の色の色相に近い色相を有する第2の色域の他の特有の色が存在しない場合、第1の色域からの第1の特有の色は、第2の色域からの第2の特有の色に相当する。多くの場合、対応する特有の色は、例えば「赤」などの同じ色の名前を有する。
【0021】
方法の特定の機構において、第1のソース色域、第2のソース色域およびターゲット色域は、例えばLab色空間およびIPT色空間のグループから選択された色空間など、光軸および色度面を有する少なくとも1つの色空間の中にあり、色のうちの1つの色マッピングを実行することは、色相の差に基づいて、色の色相をマッピング後の色の色相に向けて回転させることを含む。別の機構では、第1のソース色域または第2のソース色域の前記色のうちの1つの色域マッピングを実行することは、色の第1のセットのうちの少なくとも1つの他のものの少なくとも1つの色を決定することと、色の第1のセットのうちの少なくとも1つの少なくとも1つの色に関する色相の差と、色の第1のセットのうちの少なくとも1つの他のものの少なくとも1つの色に関する色相の差とに基づいて前記色の色相を補間することをさらに含む。
【0022】
本原理の一態様は、第1のソース色域または第2のソース色域の一方からのソースカラーのターゲット色域に向けた色域マッピングためのシステムを対象としている。システムは、無彩色、第1のソース色域の特有の色、第2のソース色域の対応する特有の色およびターゲット色域の対応する特有の色を含む色の少なくとも1つの第1のセットにアクセスし、ターゲット色域の特有の色の色相に対応する一定の色相の色を含む色の少なくとも1つの第2のセットにアクセスするように構成されたプロセッサを備える。プロセッサは、色の第1のセットからの少なくとも1つの色の色相と、色の第2のセットの少なくとも1つの他の色の色相との差に基づいて、第1のソース色域または第2のソース色域の一方の色のうちの1つのターゲット色域に向けた色域マッピングを実行するようにさらに構成されており、この他の色は、第1のセットからの少なくとも1つの色と同じ彩度を有する。特有の色は、特定のグループの原色、二次色、ならびに特定のグループの原色および二次色から選択された少なくとも1つである。
【0023】
第1のソース色域、第2のソース色域およびターゲット色域が、例えばLab色空間およびIPT色空間のグループから選択された色空間など、光軸および色度面を有する少なくとも1つの色空間の中にあるシステムの特定の機構において、プロセッサは、色相の差に基づいて、前記色の色相をマッピング後の色の色相に向けて回転させることによって色のうちの1つの色マッピングを実行するようにさらに構成される。別の機構では、プロセッサは、色の第1のセットのうちの少なくとも1つのうちの他のものの少なくとも1つの色を決定し、色の第1のセットのうちの少なくとも1つのうちの少なくとも1つの色に関する色相の差と、色の第1のセットのうちの少なくとも1つのうちの他のものの少なくとも1つの色に関する色相の差とに基づいて色の色相を補間することによって、第1のソース色域または第2のソース色域の色のうちの1つの色域マッピングを実行するようにさらに構成される。
【0024】
本原理の一態様は、プロセッサによって実行可能な一セットの命令を含むコンピュータプログラムを備える非一時的コンピュータ可読記憶媒体を対象としており、この命令は、無彩色、第1のソース色域の特有の色、第2のソース色域の対応する特有の色およびターゲット色域の対応する特有の色を含む色の少なくとも1つの第1のセットにアクセスすることと、ターゲット色域の前記特有の色の色相に対応する一定の色相の色を含む色の少なくとも1つの第2のセットにアクセスすることと、色の第1のセットからの少なくとも1つの色の色相と、色の第2のセットの少なくとも1つの他の色の色相との差に基づいて、第1のソース色域または第2のソース色域の一方の色のうちの1つをターゲット色域に向けて色域マッピングし、この他の色は、色の第1のセットからの前記少なくとも1つの色と同一の彩度を有することとを含み、特有の色は、特定のグループの原色、二次色、特定のグループの原色および二次色から選択される少なくとも1つである。
【0025】
非一時的コンピュータ可読記憶装置の特定の機構において、ルックアップテーブルが決定され、このルックアップテーブルは、色相の差に基づいた第1のソース色域または第2のソース色域の色に関するターゲット色域に向けた色域マッピングに基づいて決定された結果として生じるLUT色に対する入力LUT色のマッピングを含む。別の特定の機構において、第1のソース色域、第2のソース色域およびターゲット色域は、例えばLab色空間およびIPT色空間のグループから選択された色空間など、光軸および色度面を有する少なくとも1つの色空間の中にあり、前記色のうちの1つの色マッピングを実行することは、前記色相の差に基づいて前記色の色相をマッピング後の色の色相に向かって回転させることを含む。
【0026】
本原理の一態様は、カメラ、ディスプレイ、伝送システム(例えば異なる色域マッピングの標準規格間での変換)、専門のエンコーダ、専門のデコーダ、セットトップボックス、ビデオプレイヤ、ビデオレコーダまたはビデオゲームコンソールなど、色域マッピングの機能を含めるように構成された任意のデバイスに適用可能である。
【0027】
本発明は、非制限的な例として、および添付の図面を参照して提供される、以下の記載を読むことでより明確に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】RGB色空間における一例の色域を示す図である。
図2】一例の色相回転マッピングを示す図である。
図3a】飽和度の増加の一例のグラフ図を示す図である。
図3b】色相回転の一例のグラフ図を示す図である。
図4a】本原理による一例の色域マッピングを示す図である。
図4b】本原理による色相回転マッピングの一例の部分を示す図である。
図5】本原理による一例の方法を示す図である。
図6】本原理による一例のシステムを示す図である
図7】本原理による一例のデバイスを示す図である。
図8】本原理による別の一例の色域マッピングを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
色域マッピングは、色域境界記述(GBD)を含む。GBDは、色空間における色域の境界面、すなわち外殻を規定する。GBDは、三角形メッシュまたは立体モデルなどの明確な、一般的な3D表現で構成される。例えば色域のGBDは、三角形メッシュを基にしてよく、各三角形は、このGBDの色空間におけるその3つの頂点によって規定されている。これらの頂点は、色域の境界上に位置する色である。
【0030】
色ならびにGBD(複数可)は通常、色空間において表現されるが、必ずしも同一の色空間内である必要はない。色空間は、色を色座標によって表現することができる空間である。色空間は、ディスプレイのタイプまたは入力ソース(例えばカメラ)に対応してよい。同一の色域を異なる色空間(RGB、Lab、IPT...)において表現することができる。しかしながら異なる色空間で表現される色域は通常、そのような異なる色空間の各々において異なる形状を有する。特定のタイプの色空間は、明度-L-軸、彩度-C-軸および色相-h-軸を含む3次元空間である。一部の色空間(LabまたはIPTなど)では、色相は、その色空間の円柱の表示の中央の垂直軸を囲む角度によって規定されてよく、彩度(すなわち飽和度)は、この軸からの距離として定義され、明度は、軸に沿った距離として定義されてよい。
【0031】
色域のカスプは、一セットの色であり、この場合各色は、3D色空間の同一の定色相リーフの中にあり、この色域の範囲内にある全ての他の色と比べて大きな彩度(すなわち飽和度)を有する。定色相リーフは、明度(L)軸および彩度(C)軸に沿って拡張する。色域が、三角形などのGBDベースの離散的な表面要素に基づいてGBDによって記述される場合、カスプは、色域を限定する境界面上の個々の点(頂点)または線(辺)を含む。三色からなる、加法式ディスプレイの色域に関して、カスプは通常、原色の赤、緑、青と、二次色の黄色、マゼンダ、シアンとを含む。原色および二次色は、最小レベルまたは最大レベルのいずれかでディスプレイの入力のカラーチャネルのうちの少なくとも一つの中にある。色域のカスプは、三角形のメッシュに基づいた色域境界記述を用いてモデル化することができ、この場合、カスプはいくつかの三角形の頂点を基にした閉じ多角形である。これらの頂点に対応するカスプ色は一般に、所与の定色相リーフにおける最大彩度の色域内の色として定義される。
【0032】
色域のカスプ線はカスプ色を結んだ線である。色域が、彩度に関する測定法を有する色空間(たとえばLab色空間または2002年にCIEによって定義されたCIECAM-02モデルによるJCh色空間、あるいはEbner FritzおよびMark D. Fairchildによって1998年にColor and Imaging会議で公開された彼らの文書「Development and testing of a color space (IPT) with improved hue uniformity」において定義されるようなIPT色空間)において表現される場合、カスプ色は、定色相によって定義される面内の最大彩度(すなわち最大飽和度)の色に相当する。色の彩度(すなわち飽和度)は、心理-物理実験を用いて人間の観察者から獲得することができる。しかしながら、異なる観察条件および/または異なるモデルが、異なる彩度(すなわち飽和度)の定義をもたらす場合もある。例えば、Lab色空間では(それぞれIPT色空間では)、彩度(すなわち飽和度)はaとb(それぞれPおよびT)の平方の和の平方根として定義される。定色相によって規定される面は一般に「定色相リーフ(constant hue leaf)」と称される。より一般的には、カスプ色はしばしば、色域を限定する境界面上の個々の点(「頂点」)または線(「辺」)に相当する。色域のカスプ線は一般に、この色域の色域境界上の閉じ多角形を形成する線としてモデル化することができる。
【0033】
色域マッピング法(または色域マッピングアルゴリズム)は、ソース色域(その独自のソースカスプ点またはソースカスプ線を有する)からのソースカラーをターゲット色域(やはりその独自のターゲットカスプ点または宛先カスプ線を有する)にマッピングしてよく、ソースカラーは、コンテンツ色域(その独自のソースカスプ点またはソースカスプ線を有する)内に分散される。コンテンツ色域は、ソース色域に含まれる。ターゲット色域における色の範囲を活用するために、色域マッピング法は、ソースカスプ点/線をターゲットカスプ点/線へとマッピングしてよい。そのような色域マッピングアルゴリズムはカスプ色域マッピングアルゴリズムとして知られている。
【0034】
図1は、RGB色空間における一例の色域100を示す。図1の色域100は、三色式ディスプレイまたは三色式カメラの色域であってよい。色域100は、図1に示される立方体(内部および表面)に相当する。
【0035】
図1に示されるように、RGB色域100はカスプ線105を含む。カスプ線105は閉じ多角形を形成する点線であり、原色と二次色をつなぐ一セットの線に相当する。カスプ線105は、ディスプレイの各原色(たとえば赤153、緑158および青155)を、その原色を成分として有する二次色(たとえば黄色152、マゼンタ157およびシアン156)とつなぐ個々の線で構成される。たとえば、カスプ線105は以下のように、赤153と黄色152を、赤153とマゼンタ157を、緑158と黄色152を、緑158とシアン156を、青155とシアン156を、および青155とマゼンタ157の色をつないでもよい。カスプ線105は、図1では点線によって示されている。
【0036】
図2は、IPT色空間におけるPT面内での色相回転色域マッピングの一例を示している。図2は、ソース色域の3DカスプをPT面に投影することによって生成されるソース色域201のカスプと、ターゲット色域の3DカスプをPT面に投影することによって生成されるターゲット色域202のカスプと、完全な色相回転を用いて、色相がマッピングされたソース色域の3DカスプをPT面に投影することによって生成される色相がマッピングされたソース色域203のカスプとを含む。P軸とT軸はIPT色空間の二つの色度軸である。色相がマッピングされたソース色域203は、ソース色域201の原色および二次色の色相をターゲット色域202のそれぞれの原色および二次色の色相と位置合わせし、これにより完全な色相回転を実現した結果である。
【0037】
図3aは、完全な色相回転を伴う、または完全な色相回転なしで彩度の圧縮または拡張を用いる色域マッピングから生じる飽和度の修正を示す一例のグラフ図300を示す。本明細書で使用されるように、飽和度の修正は、色域マッピングの前後の色の飽和度の比率として定義されてよい。例えば、色相回転なしで彩度の圧縮または拡張を用いる際、ソース色域のカスプ点の飽和度の比率は、ソース色域におけるカスプ点の飽和度とターゲット色域において同一の色相を有するカスプ点の飽和度の比率に一致してよい。
【0038】
グラフ図300は、彩度圧縮を用いる色域マッピングによって誘発される飽和度の修正を示している。グラフ図300の垂直軸は、飽和度の比率に関係している。グラフ図300の水平軸は、度数で測定された色相角に関係している。グラフ図300は、色相の回転がない場合の、飽和度の比率と色相角を例示するグラフの線301を含む。グラフの線301は、ソース色域のターゲット色域へのマッピング(色相回転なしの彩度圧縮を用いる)に関連する。グラフ図300は、完全な色相回転が生じる場合の飽和度の比率と色相角を例示するグラフの線302もさらに含む。グラフの線302は、ソース色域のターゲット色域へのマッピング(Henleyなどの完全な色相回転を伴う色域マッピングを用いる)に関連する。
【0039】
図3bは、完全な色相回転を伴う、または完全な色相回転なしでの色域マッピングから生じる色相回転の一例のグラフ図310を示す。グラフ図310は、ソース色域のターゲット色域への完全な色相回転マッピングによって誘発される色相回転(色相の変更)を示す。グラフ図310の垂直軸は、度数での色相回転角に関係している。グラフ図310の水平軸は、度数での色相角に関係している。グラフ図310は、色相の回転が生じない場合の色相回転角と色相角を例示するグラフの線311を含む。グラフ図310は、完全な色相回転が生じる場合の色相回転と色相角を例示するグラフの線312もさらにを含む。図3bに示されるように、色のほとんどは、完全な色相回転が生じる場合、大幅にシフトされる。図3aおよび図3bから見ることができるように、完全な色相回転は飽和度の比率の均一性を有効に改善するが、完全な色相回転は色がシフトされることにもなる。
【0040】
本原理の一態様は、例えばソース色域およびコンテンツ色域である第1および第2のソース色域の色の色相のマッピングに関する。本原理の一態様は、色相マッピングを対象としている。本原理の一態様は、ソース色域およびコンテンツ色域の、必ずしも限定されるものではないがターゲット色域に向けたマッピングを対象としている。例えばソース色域またはコンテンツ色域における色の色相は、結果として生じる色相がマッピングされたソース色域、および結果として生じる色相がマッピングされたコンテンツ色域がターゲット色域により近くなるように修正されてよい。しかしながら色相マッピング後、色相がマッピングされたコンテンツ色域の一部の色が依然としてターゲット色域の外にある場合、および/またはターゲット色域が、色相がマッピングされたコンテンツ色域によって完全にはカバーされない場合がある。同じ方法において、色相マッピング後、色相がマッピングされたソース色域の一部の色が依然としてターゲット色域の外にある場合、および/またはターゲット色域が、色相がマッピングされたコンテンツ色域によって完全にはカバーされない場合がある。色相がマッピングされた色はこのとき、色相がマッピングされた全ての色がターゲット色域の中にあるように、および/またはターゲット色域が色相がマッピングされた色によって完全にカバーされるようにターゲット色域に向けてさらにマッピングする必要がある場合がある。
【0041】
図4aは、IPT色空間のPT面内の色相回転色域マッピングの一例を示している。図4aは、ソース色域201のカスプ、ターゲット色域202のカスプ、コンテンツ色域401のカスプ、および完全な色相回転を用いて色相がマッピングされたコンテンツ色域402のカスプを含む。色相がマッピングされたコンテンツ色域402は、コンテンツ色域401の原色および二次色(Cc2)の色相とターゲット色域202のそれぞれの原色および二次色(CT2)の色相の位置合わせの結果であり、それによって完全な色相回転が生じる。図4aに示されるように、コンテンツ色域201がソース色域401より小さい場合、ターゲット色域は、一部の色相(CT2の周り)に関してコンテンツ色域201より低く、かつソース色域401より低い彩度を露呈する場合があり、他の色相(CT5の周り)に関してはより大きい彩度の色を有する場合がある。当然のことながら、いずれの色域マッピングも、本原理の色相マッピングと適合可能である。
【0042】
本原理の一例において、色相マッピングは、カスプ色域マッピングなどの他のマッピングプロセスを除外する場合、またはそれを含む場合もある。一例において、色相マッピング後に彩度圧縮または拡張を伴う色域マッピングが適用され、これにより色の近傍の低下を最小限にする。
【0043】
本原理の一態様は、ソース色域がターゲット色域に向けて変更または修正され、同時にコンテンツ色域もターゲット色域に向けて変更または修正されるような色域マッピングのための方法である。本原理の一態様は、ソース色域とコンテンツ色域の両方の原色および二次色の色相の、ターゲット色域の対応する原色および二次色の色相に向けたマッピングに基づいた色相マッピングを対象としている。このマッピングまたは修正は、マッピング後の原色および二次色の色相がターゲット色域の対応する原色および二次色と全く同じになるように、ソースまたはコンテンツ色域の原色および二次色のターゲット色域の対応する原色および二次色に向けた、既知のCARISMAアルゴリズムと同様の完璧な色相マッピングを含む可能性がある。このマッピングまたは修正は、マッピング後の原色および二次色の色相が、マッピング前よりもターゲット色域の対応する原色および二次色に近くなるような、ソースまたはコンテンツ色域の原色および二次色のターゲット色域の対応する原色および二次色に向けた、国際公開第2016206981号からの既知の方法と同様の、順応的な色相マッピングを含む可能性がある。
【0044】
本明細書で使用されるように、ターゲット色域の原色(CT1、CT3、CT5)または二次色(CT2、CT4、CT6)の「対応する」色は、ソース色域の原色および二次色(Cs2のみが表されている)およびコンテンツ色域の原色および二次色(Cc2のみが表されている)に対応している。例えばターゲット色域の「赤」色は、ソース色域の「赤」およびコンテンツ色域の「赤」に対応するターゲットカラーである。このような3つの異なる「赤」は、対応する特有の色である。あるいは、ターゲット色域の対応する色は、ソースおよびコンテンツ色域の特有の色に最も近い色相を有するターゲット色域の特有の色を指す場合もある。
【0045】
本原理の一態様は、色空間における色相マッピングを対象としており、この色空間は、色の色相が円柱の角度によって表現され、色の明度が色空間の円柱の座標表現の長手方向の軸上の座標によって表現され、彩度が長手方向軸までの色の距離によって表現されることを特徴とする。明度軸(0)は、無彩色に相当する。色相マッピングは、明度軸の周りでのソースおよびコンテンツ色域のカスプ点の回転を含む。色は、Lab色空間におけるab面、または図4aに示されるようにIPT色空間におけるPT空間内で回転されてよい。回転はその後、任意の他の色空間(例えばRGB、YUV)において表現されるソースカラーを修正するために適用される場合もある。
【0046】
本原理の一態様は、同一の色相リーフ内の2つの色が異なる様式で色相マッピングされることである。本原理の顕著な機構によると、同一の色相リーフの色の色相マッピングは、色の彩度に依存している。これは、色相リーフのカスプ点の回転が、色相リーフの全ての色の回転を規定するCARISMAおよび国際公開第2016206981号などの既知の方法とは異なっている。一例では、回転の角度は、色相によってさらに変化する。図4bは、本原理による色相回転マッピングの一例の一部分を示している。ソース色域の色CおよびC’は、同一の色相を有し、よって同一色相リーフの一部である。色CおよびC’の各々は、色の第1のセット(403)にある特定の色、すなわちそれぞれCsまたはC’sと、色の第2のセット(404)との色相の差に基づいて、本原理に従って色相マッピングされる。例えば、CsまたはC’sの言及した色相の差と同一の値をそれぞれ有するCおよびC’の各々に関して色相回転角を定義することができる。CsおよびC’sの色相の差は一般に同一ではないため、CおよびC’の色相の回転角も概ね異なる。
【0047】
本原理の一態様は、特定の色空間においてソース色域の色のターゲット色域の色に向けたマッピングのための方法を対象としており、この場合、色相、飽和度および明度は色空間の座標によって直接表現することができる、または色空間の座標から得られる場合もある。
【0048】
色の第1のセットの色以外の色に関する色相回転は、色の少なくとも1つの第1のセットの色に関して決定された色相回転角に基づいて決められてよい。例えば、そのような他の色に関する色相回転角は、同一の、または近い彩度を有する色の少なくとも1つの第1のセットの色の色相回転角の補間によって得ることができる。あるいは、色相回転角は、同一の、または近い明度を有する色の少なくとも1つの第1のセットの色の色相回転角の補間によって得られる場合もある。
【0049】
本原理の一態様は、可能性のある色相の修正を考慮に入れつつ、色域マッピングによって誘発される飽和度の増加の均一性の改善を可能にする。本原理の一態様は、ソース色域全体にわたって分散された色の飽和度の増加の均一性だけでなく、コンテンツ色域の全体にわたって分散された色の飽和度の増加の均一性も改善する方法に関する。本原理の一態様は、飽和度の増加の均一性を改善することによって、色の近傍の低下を最小限にするだけでなく、色相の平均的な変化も最小限にする方法に関する。本原理の一態様は、ターゲット色域に向けたマッピング後、コンテンツカラーの特徴(例えば明度、彩度または色相)の色空間における空間的な均一性を維持することを含めた、色の近傍の維持を対象としている。一例では、本原理の一態様は、完全な色相回転角より小さい色相回転角を対象とする。
【0050】
一例では、色相回転の範囲は、最小回転と最大回転の間であり、この場合最小は0、すなわち回転しない場合であり、最大は、ソース色域またはコンテンツ色域における特有の色と、ターゲット色域における対応する特有の色との色相角の差である(ソースの原色の色相のターゲット原色の色相への位置合わせ)。
【0051】
別の例では、色相回転の範囲は、最小回転と最大回転の間であり、この場合最小は、ソース色域における特有の色と、ターゲット色域における対応する特有の色との負の色相角の差であり(ソースの原色または二次色Cs2の色相のターゲットの原色および二次色CT2の色相への位置合わせ)、最大は、コンテンツ色域における特有の色とターゲット色域における対応する特有の色との正の色相角の差である(コンテンツの原色または二次色Cs2の色相のターゲットの原色および二次色CT2の色相への位置合わせ)。
【0052】
別の例では、色相回転の範囲は、最小回転と最大回転の間であり、この場合最小はコンテンツ色域における特有の色と、ターゲット色域における対応する特有の色との負の色相角の差であり(コンテンツの原色の色相のターゲットの原色の色相への位置合わせ)、最大は、ソース色域における特有の色と、ターゲット色域における対応する特有の色との正の色相角の差である(ソースの原色の色相のターゲットの原色の色相への位置合わせ)。この例は、特有のターゲットカラーCT1に関して図4aに示される。
【0053】
別の例では、色相回転の範囲は、最小回転と最大回転の間であり、この場合最小は、ソースまたはコンテンツ色域における特有の色と、ターゲット色域における対応する特有の色との負の色相角の差であり(ソースまたはコンテンツ原色の色相の、CT3、CT4、CT5についてのターゲット原色の色相へのそれぞれの位置合わせ)、最大は、回転しない場合に相当する0である。
【0054】
方法は、原色のみに、または有利には原色および二次色に適用させることができる。ソース色域の他の色もまた、最も簡素な補間法での隣接する原色(および有利には二次色)の色相回転角の補間を用いて回転され、同一彩度の色に関する回転角は、色相の区分的一次関数である。一例では、方法は、彩度面(Lab空間にけるab面、IPT空間におけるPT面)での3Dカスプの2D投影に適用される。しかしながら、3D色空間で測定された角度を用いて、修正なしでこれを3Dカスプに適用することも可能であり得る。この特定のケースでは、色相の変更は、第3の座標(すなわち、明度、強度または輝度)に依存してよい。他の一例では、色(CまたはC’)のうちの2つの隣接する特有の色(例えばCT1、CT2に関する)は、2つの隣接する特有の色の各々に関する色相の差に基づいて色(CまたはC’)の色相の回転を補間することによって回転される。有利には、同一の彩度の色Cに関する回転角は、2つの隣接する特有の色の各々(CT1、CT2)に関する色相の差に適用される色相の一次関数である。
【0055】
一例では、本原理の利点は、ソース色域およびコンテンツ色域への同時のマッピングを最適化する能力を含む。別の利点は、大抵のケースにおいて極端に走らない色相のシフトが適用され、最大の色相シフトは必要な場合のみに適用されるため、美的な意向を維持する能力を含んでいる。別の利点は、色の近傍の維持を含んでおり、2つのタイプのソースカラーの配分に関して同時にカスプ色域マッピングの飽和度の増加の均一性を高め、第1の配分は全ソース色域を利用し、第2の配分はコンテンツ色域のみを利用する。
【0056】
図5は、本原理による色相マッピングのための方法500を示すフロー図を示す。一例では、方法500は、ソース色域とコンテンツ色域の両方の、ターゲット色域に向けた色相回転マッピングを実行することを対象としている。方法500は、ソース色域の色の色相を変更することを含んでよい。
【0057】
方法500は、ソース色域に関する情報を受け取るためのブロック501を含んでよい。ブロック501は、ソース色域情報、例えば全体の色域を識別する情報を受け取ってよい。別の例では、ブロック501は、保管した色域情報を識別する識別子(例えば事前に保管した色域情報を識別する指標)を受け取る場合もある。受け取ったソース色域情報は、ソース色域を識別する情報であってよい。ソース色域は、原色の座標、二次色、無彩色点、色域境界記述、一部の色の座標、カスプ線、カスプ点に限定され得る。ソース色域は、任意の規定された色空間(例えばRGB、XYZ、LabおよびIPT)で表現することができる。ソース色域は、任意のソース(カメラ、セットトップボックス、カメラセンサ、HDMI受信機、通信インターフェース、モバイルネットワーク(3Gまたは4Gネットワークを含めた)、無線ネットワーク(Wi-Fi、ブルートゥースネットワークまたはリンクを含めた)、TV放送ネットワーク(例えばDVBまたはATSC受信機インターフェース)、有線ネットワーク(ウェブネットワークを含めた)、有線リンクまたはバス(HMDI、USBを含めた)、光ディスクプレイヤ(DVDまたはブルーレイプレイヤを含めた)、ビデオストリームまたは記憶媒体(例えばブルーレイディスク、メモリ)などの、例えば入力コンテンツを配信するデバイス)から受け取ってもよい。ソース色域は代替としてまたは追加として標準規格(例えばrec.709、rec.2020)と適合可能であってもよい。
【0058】
ブロック502は、受け取ったソース色域のカスプ線を決定してよい。ブロック502は、各色相に関する各カスプ点を決定してよい。一例では、ブロック502は、各色相に関して、最大飽和度を有する色を決定してよい。ブロック502は、色相ごとの飽和度としてカスプ線を表してよい。別の例では、ブロック502は、カスプ点の3D座標に基づいてカスプ線を表す場合もある。
【0059】
方法500は、ターゲット色域に関する情報を受け取るためのブロック503をさらに含んでよい。ブロック503は、ターゲット色域情報、例えば全体の色域を識別する情報を受け取ってよい。別の例では、ブロック503は、保管した色域情報を識別する識別子(例えば事前に保管した色域情報を識別する指標)を受け取る場合もある。受け取ったターゲット色域情報は、ターゲット色域を識別する情報であってよい。ターゲット色域は、原色の座標、二次色、無彩色点、色域境界記述、一部の色の座標、カスプ線、カスプ点に限定され得る。ターゲット色域は、任意の規定された色空間(例えばRGB、XYZ、LabおよびIPT)で表現することができる。ターゲット色域は、任意のデバイス/システム(例えばテレビジョン、モニタ、スマートフォン、タブレット、ラップトップ、ゲーミングインターフェースまたは任意の他のタイプのディスプレイ、通信インターフェース、宛先インターフェースあるいは通信リンク(例えばWi-Fi、USB)または有線リンク(例えばHDMI、ローカルエリアネットワーク)などの、コンテンツを表示するデバイス)から送信されてよい。ターゲット色域は、代替として、または追加として、標準規格(例えばrec.709、rec.2020)と適合する色域であってよい。ターゲット色域は、例えばディスプレイとのインターフェースまたは通信リンク(無線リンク(例えばWi-Fi、USB)または有線リンク(例えばHDMI、ローカルエリアネットワーク)などの宛先インターフェース介して送/受信されてよい。
【0060】
一例において、ターゲット色域の色空間は、ソース色域の色空間とは異なってよい。一例では、ターゲット色域情報をソース色域情報と異なるデバイス/システムから受け取る場合もある。例えばBT.2020によるRGB色空間を用いるシステムからのソースカラーを有するソース画像は、BT.709によるRGB色空間を用いるシステムのためのターゲット画像におけるターゲットカラーにマッピングされるべきである。
【0061】
ブロック504は、ターゲット色域のカスプ線(複数可)を決定してよい。ブロック504は、ブロック502に関連して記載した原理に従ってカスプ線を決定してよい。
【0062】
方法500は、コンテンツ色域に関する情報を受け取るためのブロック505をさらに含んでよい。ブロック505は、コンテンツ色域情報、例えば全体の色域を識別する情報を受け取ってよい。別の例では、ブロック505は、保管した色域情報を識別する識別子(例えば事前に保管した色域情報を識別する指標)を受け取る場合もある。受け取ったコンテンツ色域情報は、コンテンツ色域を識別する情報であってよい。コンテンツ色域は、原色の座標、二次色、白色点、色域境界記述、一部の色の座標、カスプ線、カスプ点に限定され得る。コンテンツ色域は、任意の定義された色空間(例えばRGB、XYZ、LabおよびIPT)で表現することができる。コンテンツ色域は、任意のデバイス/システム(例えばテレビジョン、モニタ、スマートフォン、タブレット、ラップトップ、ゲーミングインターフェースまたは任意の他のタイプのディスプレイ、通信インターフェース、宛先インターフェースあるいは通信リンク(例えばWi-Fi、USB)または有線リンク(例えばHDMI、ローカルエリアネットワーク)などの、コンテンツを表示するデバイス)から送信されてよい。コンテンツ色域は、代替として、または追加として、標準規格(例えばrec.709、rec.2020)と適合する色域であってよい。コンテンツ色域は、例えばディスプレイとのインターフェースまたは通信リンク(無線リンク(例えばWi-Fi、USB)または有線リンク(例えばHDMI、ローカルエリアネットワーク)を含めた)などの宛先インターフェースを介して送/受信されてよい。
【0063】
一例では、コンテンツ色域の色空間は、ソース色域の色空間と異なってよい。一例では、コンテンツ色域情報をソース色域情報と異なるデバイス/システムから受け取る場合もある。
【0064】
ブロック506は、コンテンツ色域のカスプ線(複数可)を決定してよい。ブロック506は、ブロック502に関連して記載した原理に従ってカスプ線を決定してよい。
【0065】
ブロック507は、色相回転角を決定してよい。一例ではブロック507は、原色に基づいて色相回転角を決定してよい。別の例では、ブロック507は、二次色に基づいて色相回転角を決定する場合もある。本原理の一例では、ブロック507は、原色のみに基づいて色相回転角を決定してよい。本原理の別の例では、ブロック507は、二次色のみに基づいて色相回転角を決定する場合もある。別の例では、ブロック507は、原色と二次色の両方に基づいて色相回転角を決定する場合もある。
【0066】
ブロック507は、各ソースカラー、およびとりわけ各特有の色(すなわち原色および/または二次色)に関する色相の変更を決定してよい。本明細書で使用される際、「特有の色」は、特定の色域の原色(複数可)、二次色(複数可)または原色および二次色として定義される。ブロック507は、ソース色域の特有の色の色相の変更をターゲット色域の対応する原色および/または二次色の色相の方向で決定してよい。一例では、ブロック507は、回転角によって規定される色相回転を決定することによって色相の変更を決定してもよい。
【0067】
一例では、ブロック507は、非特有の色の色相を含む任意の色相に関して、色相の変更、すなわち色相回転角を決定することができる。一例では、ブロック507は、原色および/または二次色に関して得られた色相回転角の補間(例えば、線形、スプライン)に基づいて色相回転角を決定してよい。一例では、特有の色以外の色の回転の角度は、ソース色域における前記特有の色の色相角を取り囲む(すなわち、それに隣接する)特有の色の回転の角度の線形補間によって決定されてよい。他の補間方法(例えばスプライン補間法)が使用される場合もある。一例では、ブロック507は、そのような原則を実行してよい。
【0068】
別の例では、ソース色域の非特有の色(原色および/または二次色以外の色)は、ソース色域における隣接する原色(および任意選択で二次色も)の色相回転角の線形補間を用いて回転されてよい。色相回転角は、色相の区分的一次関数である。一例ではブロック507は、この例を実施してよい。
【0069】
一例では、ブロック507は、入力色(例えば入力画像/ビデオからの色)を出力色(例えば出力画像/ビデオ)にマッピングするためのルックアップテーブル(「LUT」)を決定してよい。
【0070】
ブロック507は、この後に記載するステップ1~4に関連して説明される原理に従って原色および/または二次色に関する色相回転角を決定してよい。
【0071】
ブロック508は、ブロック507の決定に基づいた色相回転を適用してよい。一例では、ブロック508は、ブロック507からの色相回転角に基づいて色相回転を適用してよい。一例では、ブロック508は、出力色を決定するための各入力色に対するブロック507からの色相回転の決定の適用に基づいてLUTを生成してよい。別の例では、ブロック508は、ブロック507の色相回転の決定を含めた、本原理に従って予め決定されたLUTに基づいて色相回転を適用してもよい。ひとたび本原理に従ってLUTが生成されると、それは、ブロック501~507の決定を実行せずに、今後の利用のために保管されてもよい。LUTは、ブロック501~507およびステップ1~4に関連して記載した原理に従って生成されてよい。
【0072】
ブロック508は、入力色情報を受け取ってよい。入力色情報は、入力ビデオの入力ピクセルの色情報であってよい。一例では、ブロック508は、回転後の色相に基づいて決定される出力色を決定してよい。ブロック508はその後、出力色を提供してよい。
【0073】
一例において、ブロック509および510は、色空間の変換を入力または出力色(例えばピクセル)に適用してよい。色の変換は、色相回転と同一のステップにおいて、または同一のプロセスにおいて行われてよい。色空間の変換は、色の表現を第1の色空間から別の色空間に変更してよい。一例では、ブロック509および510は、任意選択である場合もある。一例では、ブロック509および510は、LUTの色空間表現に基づいて色空間の変換を適用してよい。別の例では、ブロック509および510は、色相回転を実行するのに使用される色空間に基づいて色空間の変換を適用する場合もある。方法500は、LabまたはIPTなどの色空間において本原理の態様を実施する例を考察する。そのような色空間では、色相の修正は、色の回転に相当する。
【0074】
方法500は、色相を修正するLUTを利用する実装形態など、他の実装形態のために改良されてよい。例えば方法500がLUTを利用するように改良された場合、ブロック508は、LUTを履行してよい。このような例では、ブロック501~507は、LUTを生成するのに使用されない場合、または使用される場合がある。
【0075】
図8は、CIELAB色空間のab面内の特定の明度レベルにおけるソース色域201、コンテンツ色域401、ターゲット色域202の一例のグラフ図800を示している。
【0076】
一例では、図5のブロック507は、以下の方法で原色および/または二次色に関する色相回転角を決定してよい。ソース色域の原色または二次色に関する色相回転角は、色相マッピング後、ソース色域のマッピング後の原色または二次色の色相が、ターゲット色域の対応する原色または二次色の色相と全く同じになるように決定される(ソースの原色または二次色の色相のターゲットの原色または二次色の色相への位置合わせ)。コンテンツ色域の対応する原色または二次色に関する色相回転角は、色相マッピング後、コンテンツ色域のマッピング後の原色または二次色の色相が、ターゲット色域の対応する原色または二次色の色相と全く同じになるように決定される(コンテンツの原色または二次色の色相のターゲットの原色または二次色の色相への位置合わせ)。
【0077】
別の例では、図5のブロック507は、以下の方法で選択されたソースカラーの第1のセットに関する色相回転角を決定してよい。選択された色のセット403は、白(すなわちab面または明度軸の起点)を通り、ソース、コンテンツおよびターゲット色域の全ての3つの対応する原色または二次色を(Cs2、Cc2、CT2など)それぞれを通って進む曲線によって規定される。そのような曲線は、選択された色の第1の連続するセットに相当する。一変形形態によると、曲線の選択された色の連続するセットの色のうちの第1の非連続のセットのみが使用される。非限定的な例では、色の第1の非連続のセットは、10個の色サンプルを有する。そのような変形形態はとりわけ、この方法を履行するための処理能力を低下させるために適切に適用される。一例では、曲線は、区分的直線である。他の一例では、曲線はスプラインである。選択されたソースカラーのこのセットに関する色相回転は、色相回転後、選択されたソースカラーのマッピング後のセットが選択されたターゲットカラーのセット404と全く同じになるように規定される。選択されたターゲットカラーのセット404は、白(すなわちab面または明度軸または無彩色の起点)を通り、ターゲット色域の対応する原色または二次色を通って進む曲線によって規定される。そのような曲線404は、選択された色の第2の連続するセットに相当する。有利には、このような曲線404は、一定の色相または同一の色相リーフに対応する直線である。色の第1のセットについてのように、色の第2のセットは、非連続であってよい。そのような直線は、彩度が、色域マッピング法のさらなる彩度マッピングステップにおいて圧縮される際、アーチファクトを制限する。
【0078】
全体として、選択されたソースカラーの6つのセット403が、全ての6つの原色または二次色「赤」、「緑」、「青」、「シアン」、「マゼンダ」および「黄色」に関して選択されたターゲットカラーの対応する6つのセット404にマッピングされる。このような例では、色相回転角は彩度に依存している。選択されたソースカラーのセットの1つのソースカラーは、対応する原色または二次色にマッピングされるソース色域の原色または二次色である(ソースの原色または二次色の色相のターゲットの原色または二次色の色相への位置合わせ)。選択されたソースカラーのセットの1つのソースカラーは、対応する原色または二次色にマッピングされるコンテンツ色域の原色または二次色である(コンテンツの原色または二次色の色相のターゲットの原色または二次色の色相への位置合わせ)。ソースおよびコンテンツ色域の原色または二次色の色相がそれぞれ異なる場合、ソースおよびコンテンツ色域の原色または二次色の色相回転角もそれぞれ異なる。
【0079】
本原理の一例では、選択されたソースカラーのセット403は、ターゲットカラーを通過していない。
【0080】
本原理の一例では、色相回転角(θ)は、以下のように決定されてよい。以下の例は、図5のブロック507によって履行されてよい。以下のステップが適用される。
1.ソースサンプルカラーおよび対応するコンテンツおよびターゲットサンプルカラーに関して、無彩色、ソース色域の特有の色、コンテンツ色域の対応する特有の色およびターゲット色域の対応する特有の色を含む色の第1のセット(801)にアクセスする。一例において、曲線(403)は、起点を通り、3つの特有の色が、ブロック507において形成される、または色域に関する情報から復元される。この曲線の色は、選択されたソースカラーのセットまたは色の第1の連続するセットと呼ばれる。
2.ソースサンプルカラー、ならびに対応するコンテンツおよびターゲットサンプルカラーに関して、ターゲット色域の特有の色の色相に対応する一定の色相の色を含む色の第2のセット(404)にアクセスする。一例において、曲線(404)は、起点を通り、特有のターゲットカラーが形成される、または色域に関する情報から復元される。曲線は、ステップ1の曲線(403)とは異なる。この曲線の色は、選択されたターゲットカラーのセットまたは色の第2のセットと呼ばれる。
3.ステップ4の予備ステップにおいて、色の第1のセット(403)からの第1のサンプルカラーと、色の第2のセット(404)との間で色相の差が算出される。色相の差は、色の第1のセット(403)の第1のサンプルカラーに関する色相回転角に対応するため、色の第1のセットからの任意のサンプルカラーが、この色相回転角だけ回転されるとき、色の第1のセットのマッピング後のサンプルカラーは、色の第2のセット(404)の色に一致するであろう。選択された特有の色に関するそのような色相の差は、ステップ4において後に使用するためにLUTに保管されてよい。
4.ソース色域またはコンテンツ色域のうちの一方の任意の所与の色に関して、ターゲット色域に向けて色域マッピングを実行することは、所与の色と同一の彩度を有し、ステップ3で算出されたサンプルカラーの色相の差に基づいている。一例では、色相回転角(θ)は、例えば2つの隣接するサンプルカラーに関して、ステップ3で計算した色相回転角の補間によって算出される。
【0081】
ステップ1によるソースの特有の色CS、ターゲットの特有の色CTおよびコンテンツの特有の色CC、に対応する色の第1の連続するセットは、例えば三次スプライン曲線を規定するキーポイントを利用して以下のやり方で構築することができる。
-色空間における一セットのキーポイントは、以下を含むように定義される。
○ソース色域の特有の色CSに対応する1つの点、
○ターゲット色域の特有の色CTに対応する1つの点、
○コンテンツ色域の特有の色CCに対応する1つの点、
○第1のアンカー点から20%の距離のところで明度軸上の第1のアンカー点CA1とターゲット色域の特有の色CTとの間の線上にある低彩度において色相を修正しないための1つの維持点CP:CP=CA1+0.2(CT-CA1)であり、この場合、アンカー点CA1は、CTと同一の明度を有するが、彩度の座標はゼロである。CIELAB空間において、CT=(LT、aT、bT)ならば、第1のアンカー点はCAI=(LT、0、0)であり、維持点はCP=(LT、0.2aT、0.2bT)である。別の第1のアンカー点を色の維持の美的な意向に従って選択することができ、例えばCAI=(50、0、0)であり、これは、明度軸上の1/2の最大明度におけるアンカー点である。この維持点は、ターゲット色域の20%の範囲内の低彩度のためのCTと同一の色相の色に三次スプライン曲線を誘導する。低彩度のための色相維持の美的意向に応じて、20%パーセントのパーセンテージは、例えば25%に増加させる、または例えば15%に縮小させることができる。
○ソース、ターゲットおよびコンテンツ色域の3つの特有の色の全てより大きな彩度を有する1つの外挿点CE。例えば、CS5に関して図4aに示されるように、特有の色Cs5が、ターゲットおよびコンテンツ色域の対応する特有の色より大きい彩度を有する場合、外挿点は、CE=CS5+0.2(Cs5-CA2)になるように選択され、この場合、第2のアンカー点CA2は、CS5と同一の明度を有するが、彩度の座標はゼロである。CIELAB空間において、Cs5=(Ls、as、bs)ならば、第2のアンカー地点はCA2=(LS、0、0)であり、外挿点はCE=(LS、1.2as、1.2bs)である。別の第2のアンカー点、例えばCA2=(50、0、0)を色の外挿の美的意向に従って選択することができ、これは、明度軸上の1/2の最大明度におけるアンカー点である。外挿点は、最大色域を超える大きな彩度に関してCS5と同一の色相の色に三次スプライン曲線を誘導する。大きな彩度に関するマッピング挙動の美的意向に応じて、0.2の係数は、例えば0.3に増加させる、または例えば0.1に縮小させることができる。
-キーポイント[CT、CS、CC、CP、CE]は、対応する彩度値[CT 、Cs、Cc、Cp、CE]と関連付けられ、この場合CIELAB空 間は
【数2】
を保持し、cs、cc、cp、cEに関してもこれに対応する。
-3つの三次スプライン曲線fL(c)、fa(c)、fb(c)が、既知の方法、例えばPythonライブラリ「scipy」のモジュール「補間」からの方法「interpld」を利用して計算される。
○第1の曲線fL(c)が、キーポイント[CT、CS、CC、CP、CE]の明度値[LT、LS、LC、LP、LE]および対応する彩度値[CT、CS、CC、CP、CE]から計算される。
○第2の曲線fa(c)が、キーポイント[CT、CS、CC、CP、CE]の座標値[aT、aS、aC、aP、aΕ]および対応する彩度値[CT、CS、CC、CP、CE]から計算される。
○第3の曲線fb(c)が、キーポイント[CT、CS、CC、CP、CE]の座標値[bT、bS、bC、bP、bE]および対応する彩度値[CT、CS、CC、CP、cE]から計算される。
-色の第1の連続するセットはこのとき、[(L、a、b)/L=fL(c)、a=fa(c)、b=fb(c)、0<c<Cmax]によって与えられるものであり、この場合、Cmaxは、最大彩度を有するソース、ターゲットおよびコンテンツ色域に関する対応する特有の色の中の特有の色の彩度である。例えば特有の色CS5色に関する色の第1の連続するセットに関して、CmaxはCS5の彩度である。
【0082】
上記のステップ3において、色相回転角は、色の第1の連続するセットからの一セットのNサンプルカラーに関して計算されてよく、例えば[Li、ai、bi)/Li=fL(ci)、ai=fa(ci)、bi=fb(ci)、ci=cmaxi/N、0<i<N-l]である。CT=(LT、aT、bT)がターゲット色域の対応する特有の色である場合、回転角は、CIELAB空間のab面内のベクトル[(ai、bi)]とベクトル[(aT、bT)]の間の角度である。結果として生じる回転角[αi=angle(ai、bi)、(aT、bT)/0<i<N-l]は、色空間における色[(Li、ai、bi)}に関して、その色を色相マッピングするために適用すべき対応する回転角αiを指示するルックアップテーブル(LUT)[(Li、ai、bi、αi)/<i<6N-l]を形成することができる。そのようなLUTは、ソース色域の全ての特有の色のうちの色の各々の第1の連続するセットに関して形成することができ、全てのこのようなLUTは、3つの原色および3つの二次色がソース色域の特有の色であると仮定すると、包括的なLUT、例えば[(Li、ai、bi、αi)/0<i<6N-l]に合体させることができる。
【0083】
上記のステップ4では、ソース色域またはコンテンツ色域の一方の任意の所与の色を色相マッピングするために、包括的LUT[(Li、ai、bi、αi)/0<i<6N-l]のエントリの補間によって色相回転角(θ)を算出することができる。任意の既知の補間法、例えば2つの最も近いLUTエントリの双一次補間法などを使用することができる。
【0084】
上記のステップ4では、色相マッピング後、圧縮によって、マッピング後の色をターゲット色域に入れるために、あるいは拡張によって、ターゲット色域全体を埋めるマッピング後の色を作成するために彩度の圧縮または拡張を適用することができる。圧縮の場合、無彩色のL軸に属しているアンカー点に各々固定される直線マッピング軌道に沿って色をマッピングする、例えば彩度マッピングアルゴリズムを使用することができる。各色相マッピング後の色は、マッピング軌道に沿ってアンカー点への方向でターゲットカラーに対して彩度マッピングされる。色相マッピング後の色のマッピングは、この色相マッピング後の色の、アンカー点からの距離Dの、同一のアンカー点から結果として生じるターゲットカラーまでの距離D’への修正として記述することができる。
【0085】
DからD’にマッピングするために、Montag等によって、IS&T /SID第6回Color Imaging会議において公開されたGamut mapping:Evaluation of chroma clipping techniques for three destination gamuts」というタイトルが付けられた彼らの文書で考察されるような、よく知られた3つのセグメントマッピング機能を利用することができる。このマッピング機能は、
○彩度の40%をカバーする傾斜を有する第1のセグメントと、
○ハードクリッピングである最終セグメントと、
○彩度の60%をカバーする、他の2つのセグメントをつなぐ中間セグメントとを有する。
【0086】
このような例、ならびにステップ1~4に関連して記載される原理は、図5に示される方法500のブロック507によって実行されてよい。
【0087】
図6は、本原理による一例のシステム600を示している。システム600は、仲介システム601、仲介システム602およびディスプレイシステム603のうちの1つまたは複数を含んでよい。理解することができるように、システム600は、これらのシステム601~603のうちの1つのみを含んでもよい。あるいは、システム600は、システム601~603のうちのいくつか、またはその全てを含む場合もある。あるいはシステム600は、システム601~603以外の、色域マッピングを実行するために追加のまたは異なるシステムを含む場合もある。一例において、システム601~603の各々は、図7のデバイス700と同様のデバイスであってよい。あるいは、システム601~603の各々は、全体的にまたは部分的に図7のデバイス700と共に履行されてもよい。
【0088】
システム600は、第1の色域604、第2の色域605および第3の色域606を示している。あるいは色域604~606の1つまたは複数が含まれる場合、あるいは本明細書で提供される例とは異なる色域がさらに含まれる場合もある。
【0089】
色域604~606の各々は、受信されてよい、または信号で伝えられてもよい。追加として、本明細書で使用される際、用語「信号で伝える」は、例えば保管された色域の情報または色域マッピング情報などのなんらかのものを指定することを指す。例えば、システムは、既知の色域(例えば標準化された色域)を識別する信号を受信してよい。どの色域が色域マッピングシステム側で利用されるかをシステムに認識させるために、システムは特定の色域に関連する1つまたは複数のパラメータを信号で伝えてよい。この方法において、色域を識別するのにパラメータまたは識別子が利用されてよい。何らかの実際のパラメータの伝送を回避するために、省力が実現されてよい。信号伝送は、様々な方法で達成され得ることを理解されたい。例えば、情報を信号で伝えるのに1つまたは複数のシンタックス要素、フラグなどが使用されてよい。
【0090】
色域604~606の各々は、現在の、または将来の色域標準(例えばNTSC、rec.709、rec.2020、Adobe RGBおよびDCI-P3)の、カメラのディスプレイパネルの色域などの色域に対応してよい。色域604~606は、デバイス/システムから(例えばカメラ、セットトップボックス、ブルーレイプレイヤ、カメラセンサ、HDMI受信機、通信インターフェースなど、入力コンテンツを配信するデバイスから)受信されてよい。色域は、代替としてまたは追加として、標準規格(例えばrec.709、rec.2020)に準拠してよい。色域は、任意の媒体(例えば、モバイルネットワーク(3Gまたは4Gネットワークを含めた)、無線ネットワーク(Wi-Fi、ブルートゥースネットワークまたはリンクを含めた)、TV放送ネットワーク(例えばDVBまたはATSC受信機インターフェース)、有線ネットワーク(ウェブネットワークを含めた)、有線リンクまたはバス(HMDI、USBを含めた)、光ディスクプレイヤ(DVDまたはブルーレイプレイヤ、ビデオストリームを含めた)または記憶媒体(例えばブルーレイディスク、メモリを含めた))を介して受信されてもよい。
【0091】
システム601~603の各々は、色域マッピングブロック610を含んでよい。色域マッピングブロック610は、図5およびステップ1~4に関連して記載した原理に従って色域マッピングを実行してよい。色域マッピングブロック610は、ローカルに実行されてよい、あるいは全体的にまたは一部がリモート式に(例えばサーバ上、クラウドにおいて)実行されてもよい。
【0092】
一例では、仲介システム601はカメラであってよい。仲介システム601は、本原理に従って色域マッピング610を実行することで、カメラセンサの色域を別の色域(例えば標準化された色域、またはカメラディスプレイの色域)にマッピングしてよい。一例では、仲介システム601は、放送機器エンコーダであってよい。仲介システム601は、本原理に従って色域マッピング610を実行することで、オリジナルのビデオコンテンツの色域(例えば、rec.2020などの標準化された色域)を伝送チャネルの色域(例えば、rec.709などの標準化された色域)にマッピングしてよい。一例では、仲介システム602は、2つの標準規格(例えばNTSC、rec.709、rec.2020、Adobe RGBおよびDCI-P3)の間で色域マッピングを実行するためのセットトップボックスシステム、ビデオレコーダまたはブルーレイプレイヤであってよい。図6に示されるように、ソース色域、ターゲット色域またはソースとターゲット色域の両方が仲介システム602に提供されてよい。一例では、色域情報の送/受信の間、色域マッピングを実行し得る複数の仲介システム602が存在する場合もある。一例では、ディスプレイシステム603はディスプレイであってよい。ディスプレイシステム603は、本原理に従って色域マッピングを実行することで、ビデオコンテンツ(例えばrec.2020を利用する)の色域を物理的なディスプレイパネルの色域(例えばその原色または二次色によって規定された)にマッピングしてよい。
【0093】
あるいは、システム601~603の各々は、図5およびステップ1~4に関連して記載した原理に従って決定されたLUTを適用してよい。LUTは、本原理による色相回転に基づいて決定されてよい。この特定のケースでは、特有の色(例えば原色および/または二次色)に関する色相回転角は、ステップ1~4を利用して獲得されてよい。LUTの生成中、LUTの各可能な色の入力は、色相回転の適用(例えば図5のブロック508)に対する入力として提供されてよい。色相回転の適用の出力は、可能な色の入力に対応するようにその後LUTに保管される。
【0094】
一例では、LUTの生成中、LUT入力の形式に応じて(例えばRGBまたはYUV、8ビット、12ビットまたは16ビット)、各可能なLUT入力色値が、任意選択で最初に作業色空間(例えばLabまたはIPT)に変換されてよい(例えばブロック509)。色相回転角がその後、各可能なLUT入力値に関して決定されてよい。色相回転がその後、LUT出力色空間(例えばLab、IPT、RGBまたはYUV)への任意選択の変換(例えばブロック510)の前に、その色に適用されてよい(例えばブロック508)。出力色値は、LUTの結果として知られてよく、LUTに保管されてよい。LUT入力は、実際のシステム入力より小さい解像度を有する場合があり、欠けている情報は、LUTを適用する前に補間されてよい。よってLUTは、入力LUT色の結果として生じるLUT処理された色へのマッピングを実現し、そこでは結果として生じるLUT色は、ステップ1~4および図5に関連して記載された原理を含めた本原理に従って処理される。
【0095】
図7は、図5およびステップ1~4に関して記載された方法を履行するように構成され得るデバイス700の一例の機構を表している。本原理は、ローカルに実行されてよい、または全体的にまたは一部がリモート式に(例えばサーバ上、クラウドにおいて)実行されてもよい。上記で考察したように、デバイス700は、図6の1つまたは複数のシステム601~603の一部であってよい。
【0096】
一例において、図7は、本原理に従って色処理法を履行するように構成され得る装置を表している。
【0097】
デバイス700は、データおよびアドレスバス701によって合わせて結合された以下の要素、
-例えばDSP(またはデジタルシグナルプロセッサ)であるマイクロプロセッサ702(またはCPU)、
-ROM(すなわちリードオンリメモリ)703、
-RAM(すなわちランダムアクセスメモリ)704、
-アプリケーションからデータを受信し、そこから伝送するためのI/Oインターフェース705および
-バッテリ706(または他の好適な電源)を備える。
【0098】
一例によると、バッテリ706は、デバイスの外にある。言及したメモリの各々において、本明細書で使用される単語「レジスタ」は、小容量のエリア(いくつかのビット)または大きなエリア(例えばプログラム全体、または受信した、またはデコードされたデータの大半)に対応する場合がある。ROM703は、少なくとも1つのプログラムおよびパラメータを備える。本発明による方法のアルゴリズムは、ROM703に格納される。スイッチが入れられると、CPU702がRAMにあるプログラムをアップロードし、対応する命令を実行する。
【0099】
RAM704は、レジスタ内に、デバイス700のスイッチを入れた後CPU702によって実行され、アップロードされるプログラム、レジスタ内の入力データ、レジスタ内の方法の異なる状況における中間データ、およびレジスタ内の方法を実行するのに使用される他の変数を含む。
【0100】
本明細書に記載される実装形態は、例えば方法またはプロセス、装置、ソフトウェアプログラム、データストリームあるいは信号において履行されてよい。たとえ信号形態の実装形態の文脈のみで考察されるとしても(例えば1つの方法または1つのデバイスとしてのみ考察される)、考察される機能の実装形態は、他の形態(例えばプログラム)で履行される場合もある。装置は、例えば適切なハードウェア、ソフトウェアおよびファームウェアにおいて履行されてよい。方法は、例えばコンピュータ、マイクロプロセッサ、集積回路またはプログラマブル論理デバイスを含めた、一般に処理デバイスを指す、例えばプロセッサなどの装置において履行されてよい。プロセッサは、例えばコンピュータ、携帯電話、ポータブル/パーソナルデジタルアシスタント(「PDA」)、およびエンドユーザ間の情報の伝達を促進する他のデバイスなどの通信デバイスも含む。システム700はメモリ703および/または704、ならびにプロセッサ(複数可)702を含んでよい。一例では、プロセッサ702は、図5に関連して記載した作業を実行してよい。一例では、メモリ703および/または704は、図5に関連して記載した作業に関連するデータを保管してよい。
【0101】
図面に示される種々の要素の機能は、専用ハードウェアならびに適切なソフトウェアに関連付けてソフトウェアを実行することが可能なハードウェアの利用を通して提供されてよい。プロセッサによって提供される際、機能は、単一の専用プロセッサによって、単一の共有プロセッサによって、またはその一部が共有され得る複数の個々のプロセッサによって提供されてよい。さらに、用語「プロセッサ」または「コントローラ」の明瞭な使用は、ソフトウェアを実行することが可能なハードウェアを排他的に指すように解釈すべきではなく、限定なしで、デジタル信号プロセッサ(「DSP」)ハードウェア、ソフトウェアを格納するリードオンリメモリ(「ROM」)、ランダムアクセスメモリ(「RAM」)および不揮発性ストレージを暗黙のうちに含んでよい。他のハードウェア、従来のものおよび/または慣例的なものも含まれてよい。
【0102】
さらに、ソフトウェアは、プログラム格納ユニットにおいて具体的に具現化されるアプリケーションプログラムとして履行されてよい。アプリケーションプログラムは、任意の好適なアーキテクチャを備える機械に対してアップロードされ得る、またはそのような機械によって実行されてよい。好ましくは機械は、1つまたは複数の中央処理装置(「CPU」)、ランダムアクセスメモリ(「RAM」)および入/出力(「I/O」)インターフェースなどのハードウェアを有するコンピュータプラットフォーム上に実装される。
コンピュータプラットフォームはまた、オペレーティングシステムおよびマイクロ命令コードを含んでもよい。本明細書に記載される種々のプロセスおよび機能は、CPUによって実行され得る、マイクロ命令コードの一部、またはアプリケーションプログラムの一部、あるいはその任意の組み合わせのいずれかであってよい。加えて、追加のデータ記憶ユニットおよび印刷ユニットなどの種々の他の周辺ユニットが、コンピュータプラットフォームに接続されてもよい。
【0103】
本発明は、特定の実施形態に対して記載されるが、本発明は、この実施形態に限定されないことを理解されたい。クレーム請求される本発明はそれ故、当業者に明らかであるように、本明細書に記載されるこの実施形態からの変形形態を含む。
【0104】
添付の図面に描かれる構成するシステム構成要素および方法の一部は好ましくはソフトウェアに実装されるため、システム構成要素間、またはプロセス機能ブロック間の実際の接続は、本発明が履行されるやり方に応じて異なる場合があることをさらに理解されたい。
なお、上述の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のように記載され得るが、以下には限定されない。
(付記1)
第1のソース色域または第2のソース色域の一方からの色をターゲット色域に向けて色域マッピングするための方法であって、
無彩色(0)、前記第1のソース色域の特有の色、前記第2のソース色域の対応する特有の色および前記ターゲット色域の対応する特有の色を含む色の少なくとも1つの第1のセット(403)にアクセスすることと、
前記ターゲット色域の前記特有の色の色相に対応する一定の色相の色を含む色の少なくとも1つの第2のセット(404)にアクセスすることと、
色の前記少なくとも1つの第1のセット(403)からの少なくとも1つの色の色相と、色の前記少なくとも1つの第2のセット(404)からの少なくとも1つの他の色の色相との差に基づいて、前記第1のソース色域または前記第2のソース色域の前記色のうちの1つの前記ターゲット色域に向けた色域マッピング(507)を実行し、色の前記第2のセットからの前記他の色は、色の前記第1のセット(403)からの前記1つの色と同一の彩度を有することとを含むこととを含み、
前記特有の色は、特定のグループの原色、二次色、特定のグループの原色および二次色から選択される少なくとも1つであることを特徴とする、第1のソース色域または第2のソース色域の一方からの色をターゲット色域に向けて色域マッピングするための方法。
(付記2)
前記第1のソース色域、第2のソース色域および前記ターゲット色域は、光軸および色度面を有する少なくとも1つの色空間の中にあり、前記色のうちの1つの色域マッピングを実行することは、前記色相の差に基づいてマッピング後の色の前記色相に向かって前記色の色相を回転させることを含む、付記1に記載の方法。
(付記3)
前記第1のソース色域または前記第2のソース色域の前記色のうちの1つの色域マッピングを実行することは、色の前記第1のセットのうちの少なくとも1つの他のものの少なくとも1つの色を決定すること、色の第1のセットのうちの前記少なくとも1つの前記少なくとも1つの色に関する色相の差と、色の第1のセットのうちの前記少なくとも1つの他のものの前記少なくとも1つの色に関する色相の差とに基づいて前記色の色相を補間することとをさらに含む、付記1または2のいずれかに記載の方法。
(付記4)
前記第1のソース色域または前記第2のソース色域の前記色のうちの1つの色域マッピングを実行することは、マッピング後の色が、前記ターゲット色域の中にあるような飽和度圧縮と、前記マッピング後の色が前記ターゲット色域のより大きな部分を埋めるような飽和度拡張とをさらに含む、付記1から3のいずれかに記載の方法。
(付記5)
第1のソース色域または第2のソース色域の一方からのソースカラーをターゲット色域に向けて色域マッピングするためのシステムであって、
-無彩色(0)、前記第1のソース色域の特有の色、前記第2のソース色域の対応する特有の色および前記ターゲット色域の対応する特有の色を含む色の少なくとも1つの第1のセット(403)にアクセスするように構成されたプロセッサと、
-前記ターゲット色域の前記特有の色の色相に対応する一定の色相の色を含む色の少なくとも1つの第2のセット(404)にアクセスするように構成されたプロセッサを備え、-前記プロセッサは、色の前記第1のセット(403)からの少なくとも1つの色の色相と、色の前記少なくとも1つの第2のセット(404)からの少なくとも1つの他の色の色相との差に基づいて、第1のソース色域または第2のソース色域の前記色のうちの1つの前記ターゲット色域に向けた色域マッピング(507)を実行するようにさらに構成され、色の前記第2のセットからの前記他の色は、色の前記第1のセット(403)からの前記1つの色と同一の彩度を有し、
前記特有の色は、特定のグループの原色、二次色、特定のグループの原色および二次色から選択される少なくとも1つであることを特徴とする、第1のソース色域または第2のソース色域の一方からのソースカラーをターゲット色域に向けて色域マッピングするためのシステム。
(付記6)
前記第1のソース色域、第2のソース色域および前記ターゲット色域は、光軸および色度面を有する少なくとも1つの色空間の中にあり、前記プロセッサは、前記色相の差に基づいて前記色の色相をマッピング後の色の色相に向けて回転させることによって前記色のうちの1つの色域マッピングを実行するようにさらに構成される、付記5に記載のシステム。
(付記7)
前記プロセッサは、色の前記第1のセットのうちの前記少なくとも1つの他のものの少なくとも1つの色を決定し、色の第1のセットの前記少なくとも1つの前記少なくとも1つの色に関する色相の差と、色の第1のセットのうちの前記少なくとも1つの他のものの前記少なくとも1つの色に関する色相の差とに基づいて前記色の色相を補間することによって、第1のソース色域または第2のソース色域の前記色のうちの1つの色相マッピングを実行するようにさらに構成される、付記5または6のいずれかに記載のシステム。
(付記8)
前記プロセッサは、マッピング後の色が前記ターゲット色域の中にあるような飽和度圧縮と、前記マッピング後の色が前記ターゲット色域のより大きな部分を埋めるような飽和度拡張をさらに実行することによって、前記第1のソース色域または前記第2のソース色域の前記色のうちの1つの色域マッピングを実行するようにさらに構成される、付記5から7のいずれかに記載のシステム。
(付記9)
プロセッサによって実行可能な一セットの命令を含むコンピュータプログラムを備える非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、
第1のソース色域または第2のソース色域の一方からの色をターゲット色域に向けて色域マッピングするための前記命令は、
-無彩色(0)、前記第1のソース色域の特有の色、前記第2のソース色域の対応する特有の色および前記ターゲット色域の対応する特有の色を含む色の少なくとも1つの第1のセット(403)にアクセスすることと、
-前記ターゲット色域の前記特有の色の色相に対応する一定の色相の色を含む色の少なくとも1つの第2のセット(404)にアクセスすることと、
-色の前記第1のセット(403)からの少なくとも1つの色の色相と、色の前記少なくとも1つの第2のセット(404)からの少なくとも1つの他の色の色相との差に基づいて、前記第1のソース色域または前記第2のソース色域の前記色のうちの1つを前記ターゲット色域に向けて色域マッピングし、色の前記第2のセットからの前記他の色は、色の前記第1のセット(403)からの前記1つの色と同一の彩度を有することとを含み、
前記特有の色は、特定のグループの原色、二次色、特定のグループの原色および二次色から選択される少なくとも1つである、非一時的コンピュータ可読記憶媒体
(付記10)
ルックアップテーブルを決定することをさらに含み、前記ルックアップテーブルは、前記色相の差に基づいた前記第1のソース色域または前記第2のソース色域の色に関する前記ターゲット色域に向けた色域マッピングに基づいて決定された結果として生じるLUT色に対する入力LUT色のマッピングを含む、付記9に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
(付記11)
前記第1のソース色域、第2のソース色域および前記ターゲット色域は、光軸および色度面を有する少なくとも1つの色空間の中にあり、前記色のうちの1つの色域マッピングを実行することは、前記色相の差に基づいてマッピング後の色の色相に向けて前記色の色相を回転させることを含む、付記9または10のいずれかに記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
(付記12)
前記第1のソース色域または前記第2のソース色域の前記色のうちの1つの色域マッピングを実行することは、色の前記第1のセットのうちの少なくとも1つの他のものの少なくとも1つの色を決定し、色の第1のセットの前記少なくとも1つの前記少なくとも1つの色に関する色相の差と、色の第1のセットのうちの前記少なくとも1つの他のものの前記少なくとも1つの色に関する色相の差に基づいて前記色の色相を補間することをさらに含む、付記9から11のいずれかに記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
(付記13)
前記第1のソース色域または前記第2のソース色域の前記色のうちの1つの色域マッピングを実行することは、マッピング後の色が前記ターゲット色域の中にあるような飽和度圧縮と、前記マッピング後の色が前記ターゲット色域のより大きな部分を埋めるような飽和度拡張とをさらに含む、付記9から12のいずれかに記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。

図1
図2
図3a
図3b
図4a
図4b
図5
図6
図7
図8