(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-15
(45)【発行日】2023-11-24
(54)【発明の名称】電子ペン
(51)【国際特許分類】
G06F 3/03 20060101AFI20231116BHJP
G06F 3/044 20060101ALI20231116BHJP
G06F 3/046 20060101ALI20231116BHJP
G06F 3/038 20130101ALI20231116BHJP
【FI】
G06F3/03 400D
G06F3/03 400F
G06F3/044 Z
G06F3/046 A
G06F3/03 400A
G06F3/038 320
(21)【出願番号】P 2020025299
(22)【出願日】2020-02-18
【審査請求日】2023-02-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000139403
【氏名又は名称】株式会社ワコム
(74)【代理人】
【識別番号】100176072
【氏名又は名称】小林 功
(74)【代理人】
【識別番号】100169225
【氏名又は名称】山野 明
(72)【発明者】
【氏名】米嶋 貢
【審査官】木村 慎太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-217604(JP,A)
【文献】特開2010-238046(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0046270(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/03
G06F 3/044
G06F 3/046
G06F 3/038
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
棒形状の筐体と、当該筐体の先端部に配置された芯体と、前記芯体から位置検出用信号を送信する発信部とを含む電子ペンにおいて、
前記筐体に取り外し自在に取り付けられるソケットを備え、
前記
ソケットは、
前記
ソケットの軸垂直方向の断面が多角形状の部分を形成するように設けられた複数の側面と、
前記複数の側面のうち第一側面に設けられ、第一機能が割り当てられている第一タッチセンサ部と、
前記複数の側面のうち、前記第一側面と異なる第二側面に設けられ、前記第一機能と同一の又は異なる第二機能が割り当てられている第二タッチセンサ部と
、
を備える電子ペン。
【請求項2】
前記第一タッチセンサ部と前記第二タッチセンサ部の機能を制御する制御部を備え、
前記制御部において、
前記第一タッチセンサ部に対して操作がされた場合に前記第一機能を実行し、且つ、前記第二タッチセンサ部に対して操作がされた場合に前記第一機能と異なる前記第二機能を実行する、
請求項1に記載の電子ペン。
【請求項3】
前記第一側面及び前記第二側面に跨って一つのタッチセンサが設けられ、
前記第一タッチセンサ部と前記第二タッチセンサ部は、前記一つのタッチセンサで構成されている、
請求項2に記載の電子ペン。
【請求項4】
前記一つのタッチセンサは、複数の入力エリアを有し、前記第一側面に配置された入力エリアと前記第二側面に配置された入力エリアとで、異なる機能を有する、
請求項3に記載の電子ペン。
【請求項5】
前記第一機能は、前記第一タッチセンサ部に対するユーザの操作情報を出力する機能を含む、
請求項2に記載の電子ペン。
【請求項6】
前記第二機能は、前記第一タッチセンサ部を有効にする機能を含む、
請求項5に記載の電子ペン。
【請求項7】
前記第一タッチセンサ部が有効か否かをユーザに通知する通知部、
を更に備える請求項6に記載の電子ペン。
【請求項8】
前記通知部は、発光素子であり、発光することでユーザに通知する、
請求項7に記載の電子ペン。
【請求項9】
前記制御部は、前記第一タッチセンサ部が有効にされたときから所定時間の間、当該第一タッチセンサ部に対して操作がされなかった場合に、当該第一タッチセンサ部を無効にする、
請求項6又は7に記載の電子ペン。
【請求項10】
前記制御部は、前記第一タッチセンサ部に対してスライド操作がされた場合に、当該スライド操作の操作情報を出力し、
前記第一タッチセンサ部は、前記第二タッチセンサ部よりも前記電子ペンの軸方向に長い、
請求項6又は7に記載の電子ペン。
【請求項11】
前記複数の側面のうち、前記第一側面及び第二側面と異なる第三側面に設けられ、前記第二機能と異なる第三機能が割り当てられている第三タッチセンサ部、
を更に備える請求項6又は7に記載の電子ペン。
【請求項12】
前記制御部は、前記第一タッチセンサ部及び前記第三タッチセンサ部が有効な状態において、当該第一タッチセンサ部及び当該第三タッチセンサ部に対して同時に操作された場合に、当該第一タッチセンサ部及び当該第三タッチセンサ部を無効にする、
請求項11に記載の電子ペン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチセンサを備えた電子ペンに関する。
【背景技術】
【0002】
電子ペンは、文具の筆記具の代わりとしてデジタル文字入力や、マウスやタッチパネルの入力の代わりとした選択等の操作が可能であり、近年、スマートフォンやタブレット等の電子機器に用いられている。電子ペンは、通常ペン先で電子機器の面をポイントするとその位置の座標を電子機器側に出力する。
【0003】
これに関して、特許文献1には、棒形状の電子ペンにサイドスイッチを取り付ける技術が開示されている。このサイドスイッチは、マウスの左右のボタン機能として割り付けたり、その他の機能を割り付けたりすることが可能である。
【0004】
また、特許文献2には、棒形状の電子ペンにおいてその握る部分に、サイドスイッチの代わりにダイヤルを取り付ける技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開平9-6518号公報
【文献】特開2000-56913号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1及び2に記載の電子ペンでは、握る部分が丸いため、上記サイドスイッチを電子ペンに複数設けたり、上記ダイヤルを電子ペンに複数設けたりする場合、スイッチ同士やダイヤル同士の区別がし難く、操作性が十分とは言えない。
【0007】
本発明は上記した問題に鑑みてなされたものであり、ユーザにとって操作性の高い電子ペンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第一態様に係る電子ペンは、棒形状の筐体と、当該筐体の先端部に配置された芯体と、前記芯体から位置検出用信号を送信する発信部とを含む電子ペンにおいて、前記棒形状の筐体は、前記筐体の軸垂直方向の断面が多角形状の部分を形成するように設けられた複数の側面と、前記複数の側面のうち第一側面に設けられ、第一機能が割り当てられている第一タッチセンサ部と、前記複数の側面のうち、前記第一側面と異なる第二側面に設けられ、前記第一機能と同一の又は異なる第二機能が割り当てられている第二タッチセンサ部と、前記第一タッチセンサ部と前記第二タッチセンサ部の機能を制御する制御部と、を備える。
【0009】
この構成によれば、複数の側面の何れか二つの側面に第一タッチセンサ部と第二タッチセンサ部が設けられているため、側面とタッチセンサ部とがそれぞれ1対1で対応付けられるようになり、ユーザはどのタッチセンサ部を操作すればよいのか側面で判断することができるので、もって、電子ペンの操作性を高くすることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ユーザにとって操作性の高い電子ペンを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施形態に係る電子ペンが組み込まれた位置検出システムの全体構成図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る電子ペンの外観構成の一例を示す斜視図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る電子ペンの電気的構成の回路例を示す図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る電子ペンの機能的構成を示すブロック図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る電子ペンで実行される処理の流れを示すフローチャートである。
【
図6】変形例に係る電子ペンを示す外観斜視図である。
【
図7】本発明の実施形態の他の変形例に係る電子ペンを示す外観斜視図である。
【
図8】(A)は、
図7に示す電子ペンにおいて、タッチセンサ部の配置の変形例を示す図であり、電子ペンの芯体側から見た図である。(B)は、
図7に示す電子ペンにおいて、タッチセンサ部の配置の他の変形例を示す図であり、電子ペンの芯体側から見た図である。(C)は、
図7に示す電子ペンの断面形状が三角形状とされた場合において電子ペンを芯体側から見た図である。(D)は、(B)に示す電子ペンの変形例を示す図である。
【
図9】(A)は、タッチセンサを構成する電極を示す図である。(B)は、六角形状の電子ペン用の、タッチセンサを構成する表面シートを示す図である。(C)は、(B)に示す表面シートの変形例である表面シートを示す図である。(D)は、三角形状の電子ペン用の、(B)に示す表面シートの更に別の変形例である表面シートを示す図である。
【
図10】本発明の実施形態の他の変形例に係る電子ペンを示す外観図である。
【
図11】
図10に示すソケットの変形例に係るソケットを示す外観図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態(以下、適宜、「本実施形態」と称す。)について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素及びステップに対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0013】
<位置検出システムの全体構成>
図1は、本実施形態に係る電子ペン10が組み込まれた位置検出システム1の全体構成図である。
【0014】
図1に示すように、位置検出システム1は、電子ペン10と、電子機器12と、を備える。
【0015】
電子ペン10は、電子機器12に対して位置を指示可能に構成されている。また、電子ペン10は、電子機器12との間で一方向又は双方向に通信可能に構成されている。この電子ペン10の種類は、特に限定されないが、例えば、自身が蓄える電気エネルギーから能動的に信号を生成し、電子機器12に向けて送信する、所謂、「アクティブ静電結合方式」であってもよい。また、電子ペン10は、電子機器12からの信号を共振回路で受信し、その受信した信号を電子機器12に帰還させる、所謂、「電磁誘導方式」であってもよい。以下、本実施形態では、電子ペン10の種類が「アクティブ静電結合方式」である場合を説明する。
【0016】
電子機器12は、電子ペン10が指示する位置を検出するための位置検出用センサや処理用IC等を含む位置検出装置12Aが組み込まれている。この電子機器12としては、例えば、タブレットやスマートフォン、ディスプレイ、パーソナルコンピュータ等が挙げられる。ユーザUは、電子ペン10を片手で把持し、電子機器12にペン先を押し当てながら移動させることで、電子機器12又は当該電子機器12に接続された不図示のコンピュータに絵や文字を書き込むことができる。
【0017】
<電子ペン10の外観構成>
図2は、本実施形態に係る電子ペン10の外観構成の一例を示す斜視図である。
【0018】
図2に示すように、電子ペン10は、例えば、筐体20と、芯体22と、LED(Light-Emitting Diode)ランプ24と、タッチセンサ部26と、を備える。
【0019】
筐体20は、棒形状であり、軸垂直方向の断面が多角形状の部分を形成するように複数の側面21が設けられている。上記「軸垂直方向」とは、筐体20の軸O方向に対して直角に交わる方向を意味する。また、上記「多角形状」の種類は、特に限定されないが、例えば、三角形状、四角形状、六角形状等が挙げられる。なお、上記「多角形状」には、角が丸いものを含んでもよい。本実施形態では、筐体20を、芯体22が露出している側を下部20Aとし、逆側を上部20Bとしたとき、下部20Aの全部又は一部の断面が六角形状であり、その六角形状を形成するように六つの平らな側面21を有している。これらの側面21の軸O方向の長さは、全て同じ長さとされている。なお、
図2では、六つの側面21のうち、三つの側面(第一側面21A、第二側面21B、第三側面21C)のみが図示されている。
【0020】
芯体22は、筐体20の内部において軸O方向に延伸しており、当該筐体20からその先端が露出している。すなわち、芯体22は、筐体20の先端部に配置されている。この芯体22は、ユーザUの筆圧を検出するために、軸O方向に変位可能に構成されている。
【0021】
LEDランプ24は、タッチセンサ部26が有効な場合に発光するものである。このLEDランプ24の位置は、特に限定されないが、例えば第二側面21Bの先端側に設けられている。
【0022】
タッチセンサ部26は、複数の側面21の全部又は一部に、一又は複数設けられる。特に、高い操作性や多機能性を実現するために、タッチセンサ部26は、二つ、三つ又は六つ等、複数設けられることが好ましい。本実施形態では、タッチセンサ部26は、三つのタッチセンサ部、すなわち、第一タッチセンサ部26Aと、第二タッチセンサ部26Bと、第三タッチセンサ部26Cと、を含む。これらのタッチセンサ部26は、ハードウェアとしての一つのタッチセンサで構成されてもよいし、複数のタッチセンサで構成されてもよい。一つのタッチセンサで構成される場合は、当該タッチセンサは、第一側面21A、第二側面21B及び第三側面21Cに跨るように筐体20に巻かれる。また、一つのタッチセンサ46は、複数の入力エリアを有し、第一側面21Aに配置された入力エリアと第二側面21Bに配置された入力エリアとで、異なる機能を有する。
【0023】
第一タッチセンサ部26Aは、複数の側面21のうち第一側面21Aに設けられ、第一機能が割り当てられている。また、第一タッチセンサ部26Aは、第二タッチセンサ部26Bよりも軸O方向に長く形成されている。本実施形態では、上記第一機能は、電子機器12の位置検出装置12Aに対して、第一タッチセンサ部26Aに対するユーザUの操作情報を送信する機能である。この操作情報としては、例えば、スライド操作やシングルタップ操作、ダブルタップ操作、ホールド操作等の操作情報が挙げられる。このスライド操作は、例えば、スクロール操作やスワイプ操作、フリック操作、ピンチ操作等を含む。
【0024】
第二タッチセンサ部26Bは、複数の側面21のうち、第一側面21Aと異なる第二側面21Bに設けられ、第一機能と同一の又は異なる第二機能が割り当てられている。本実施形態では、第二機能は、第一機能と異なる機能が割り当てられている。具体的には、第二機能は、第二タッチセンサ部26B以外のタッチセンサ部26、すなわち、第一タッチセンサ部26A及び第三タッチセンサ部26Cを有効(アクティブ)にする機能である。
【0025】
第三タッチセンサ部26Cは、複数の側面21のうち、第一側面21A及び第二側面21Bと異なる第三側面21Cに設けられ、第二機能と異なる第三機能が割り当てられている。本実施形態では、第三機能は、電子機器12の位置検出装置12Aに対して、第三タッチセンサ部26Cに対するユーザUの操作情報を送信する機能である。なお、第三タッチセンサ部26Cは、第二タッチセンサ部26Bと軸O方向に同じ長さで形成されていてもよいし、第二タッチセンサ部26Bよりも軸O方向に長く、且つ、第一タッチセンサ部26Aよりも軸O方向に短く形成されていてもよい。
【0026】
<電子ペン10の回路例>
図3は、本実施形態に係る電子ペン10の電気的構成の回路例を示す図である。
【0027】
図3に示すように、電子ペン10の内部には、プリント基板40が設けられている。このプリント基板40には、LEDランプ24の他、IC(制御回路)42と、電池44と、タッチセンサ部26を構成する一又は複数のタッチセンサ46と、無線通信モジュール48と、発信部としての信号発信回路50と、受信回路52と、が設けられている。IC42には、LEDランプ24と、タッチセンサ46と、無線通信モジュール48と、が接続されている。また、IC42には、信号発信回路50と受信回路52とが接続されていると共に、図示しない筆圧検出部の感圧用部品で構成される可変容量コンデンサ5Cが接続されている。可変容量コンデンサ5Cには、並列に抵抗5Rが接続されている。そして、信号発信回路50の信号出力端が芯体22に接続されている。また、芯体22の周囲を覆うように配設されている、筐体20の周辺電極28が、受信回路52の入力端に接続されている。そして、電池44からの電源電圧が、LEDランプ24、IC42、タッチセンサ46、無線通信モジュール48、信号発信回路50及び受信回路52のそれぞれに対して供給されている。
【0028】
受信回路52は、筐体20の周辺電極28で、位置検出装置12Aの位置検出センサとの間での静電容量結合(電界結合)を介して受信した信号を受け取り、当該受信した信号に応じた復調等の処理をして、その処理結果の信号をIC42に送る。
【0029】
IC42は、受信回路52からの信号を解析して、相手の位置検出装置12Aの仕様を判断する。そして、その判断結果に基づいて信号発信回路50から出力する信号のフォーマットを、相手の位置検出装置12Aの仕様に合致するものとなるように制御する。
【0030】
信号発信回路50は、基本的には、位置検出装置12Aでの位置検出のための位置検出用信号(バースト信号)と、筆圧情報とを含む信号を、IC42の制御の下に出力する。すなわち、信号発信回路50は、IC42による制御の下に、位置検出のためのバースト信号を芯体22から送出する。そして、IC42は、信号発信回路50からバースト信号を送出している期間に、可変容量コンデンサ5Cの静電容量に基づいて筆圧を検出する動作を実行する。
【0031】
この例では、IC42は、まず、可変容量コンデンサ5Cを満充電の状態まで充電し、その後、充電を停止させることで、可変容量コンデンサ5Cを、抵抗5Rを通じて放電する状態にする。そして、その放電開始時点から、可変容量コンデンサ5Cの両端電圧が予め定められている所定の電圧になるまでの時間を計測し、その時間から、可変容量コンデンサ5Cのその時の静電容量を検出する。可変容量コンデンサ5Cの静電容量は、その時に芯体22に印加されている筆圧に対応してたものとなっているので、その検出した静電容量に基づき筆圧を検出する。
【0032】
そして、IC42は、信号発信回路50を、バースト信号の送出期間の終了後、検出した筆圧に応じた、例えば符号化信号からなる筆圧情報を芯体22から送出するように制御する。IC42は、更に、判断した相手の位置検出装置12Aの仕様に応じた信号の発生制御、例えば電子ペン10の識別情報を送信したり、電池44の残容量の情報を奏したりするなどを行うようにする。
【0033】
なお、無線通信モジュール48は、近距離無線通信規格のブルートゥース(登録商標)規格の無線通信モジュールであっても、赤外線通信によるものであっても、あるいは、Wi-Fi(登録商標)規格の無線通信モジュールであってもよい。また、この無線通信モジュール48は省略してもよい。また、位置検出装置12A及び位置検出センサの回路構成は、周知のものを用いることができるので、ここでは、その構成例の説明は省略する。
【0034】
<電子ペン10の機能的構成>
図4は、本実施形態に係る電子ペン10の機能的構成を示すブロック図である。
【0035】
図4に示すように、電子ペン10は、機能的構成として、タッチセンサ部26の他、制御部60と、通知部62と、通信部64と、を備える。
【0036】
制御部60は、タッチセンサ部26や通知部62、通信部64等を制御する機能を有する。例えば、制御部60は、第一タッチセンサ部26Aに対して操作がされた場合に第一機能を実行し、且つ、第二タッチセンサ部26Bに対して操作がされた場合に第一機能と同一又は異なる第二機能を実行してもよい。本実施形態では、第一タッチセンサ部26Aに対して操作がされた場合に、第一機能として、位置検出装置12Aに対して、第一タッチセンサ部26Aに対するユーザUの操作情報を送信する。また、本実施形態では、第二タッチセンサ部26Bに対して操作がされた場合に、第二機能として、当該第二タッチセンサ部26B以外のタッチセンサ部、言い換えれば、第一タッチセンサ部26A及び第三タッチセンサ部26Cを有効にする。また、本実施形態では、第三タッチセンサ部26Cに対して操作がされた場合に、第三機能として、位置検出装置12Aに対して、第三タッチセンサ部26Cに対するユーザUの操作情報を送信する。このような制御部60は、特に限定されないが、例えば、IC42とプログラムとで実現される。
【0037】
また、制御部60は、第一タッチセンサ部26Aが有効な場合に通知部62に対して通知(例えば発光)させ、第一タッチセンサ部26Aが無効(非アクティブ)な場合に通知部62に対して通知を停止させてもよい。
【0038】
また、制御部60は、第一タッチセンサ部26Aが有効にされたときから所定時間の間、当該第一タッチセンサ部26Aに対して操作がされなかった場合に、当該第一タッチセンサ部26Aを無効にしてもよい。なお、上記「所定時間」は、特に限定されないが、2秒や5秒等、数秒程度が好ましい。
【0039】
また、制御部60は、第一機能を実行した後、第二タッチセンサ部26B以外のタッチセンサ部、言い換えれば、第一タッチセンサ部26A及び第三タッチセンサ部26Cを無効にしてもよい。
【0040】
また、制御部60は、第一タッチセンサ部26A及び第三タッチセンサ部26Cが有効な状態において、当該第一タッチセンサ部26A及び当該第三タッチセンサ部26Cに対して同時に操作された場合に、当該第一タッチセンサ部26A及び当該第三タッチセンサ部26Cを無効にしてもよい。
【0041】
通知部62は、第二タッチセンサ部26B以外、言い換えれば、第一タッチセンサ部26A及び第三タッチセンサ部26Cが有効か否かをユーザに通知する機能を有する。通知の方法としては、光を発光して通知したり、光の色を変えて通知したり(有効な場合「赤」、無効な場合「青色等」)、振動を発生して通知したり、音を出して通知したりする方法が挙げられる。通知部62は、LEDランプ24、蛍光ランプやハロゲンランプ等の発光素子、モータ、スピーカ等、特に限定されないが、通知部62が光を発光して通知する場合、例えば、LEDランプ24で実現される。
【0042】
通信部64は、無線通信モジュール48や、信号発信回路50及び受信回路52等、特に限定されないが、例えば、無線通信モジュール48で実現される。この通信部64は、電子機器12又は/及び位置検出装置12Aと通信する機能を有する。
【0043】
<処理の流れ>
図5は、本実施形態に係る電子ペン10で実行される処理の流れを示すフローチャートである。なお、以下のステップの内容及び順番は適宜変更することができる。
【0044】
(ステップSP10)
制御部60は、第二タッチセンサ部26Bが操作されたか否かを判定する。そして、当該判定が肯定判定された場合には処理はステップSP12の処理に移行し、当該判定が否定判定された場合には処理はステップSP10の処理に戻る。
【0045】
(ステップSP12)
制御部60は、第二タッチセンサ部26B以外のタッチセンサ部26を有効にする。そして、処理は、ステップSP14の処理に移行する。
【0046】
(ステップSP14)
制御部60は、通知部62を制御して発光させることにより、第二タッチセンサ部26B以外のタッチセンサ部26が有効であることをユーザに通知する。そして、処理は、ステップSP16の処理に移行する。なお、ステップSP12とステップSP14の順番は、逆にしてもよい。
【0047】
(ステップSP16)
制御部60は、第一タッチセンサ部26Aが操作されたか否かを判定する。そして、当該判定が肯定判定された場合には処理はステップSP18の処理に移行し、当該判定が否定判定された場合には処理はステップSP24の処理に移行する。
【0048】
(ステップSP18)
制御部60は、第一機能を実行する。本実施形態では、制御部60は、電子ペン10の芯体22が位置検出装置12Aの面にタッチされるまで第一機能の実行をすることを待機する。そして、制御部60は、電子ペン10の芯体22が位置検出装置12Aの面にタッチされたことを条件に、第一機能として、通信部64を介して、位置検出装置12Aに対して、第一タッチセンサ部26Aに対するユーザUの操作情報を送信する。これに応答して、位置検出装置12Aを備えた電子機器12は、操作情報に応じた処理を実行する。具体的には、操作情報がスライド操作を示すものであれば、電子機器12は、その画面状態に応じて、画面のズームインやズームアウト、ブラシサイズの変更、画面スクロール等を実行する。また、操作情報がダブルタップを示すものであれば、電子機器12は、マウスにおける右キー機能に相当する機能を実行する。そして、処理は、ステップSP20の処理に移行する。
【0049】
(ステップSP20)
制御部60は、第二タッチセンサ部26B以外のタッチセンサ部26を無効にする。そして、処理は、ステップSP22の処理に移行する。
【0050】
(ステップSP22)
制御部60は、通知部62を制御して発光を停止させることで、第二タッチセンサ部26B以外のタッチセンサ部26が無効であることをユーザに通知する。そして、処理は、ステップSP10の処理に戻る。なお、ステップSP20とステップSP22の順番は、逆にしてもよい。
【0051】
(ステップSP24)
上記ステップSP16で否定判定された後、制御部60は、第三タッチセンサ部26Cが操作されたか否かを判定する。そして、当該判定が肯定判定された場合には処理はステップSP26の処理に移行し、当該判定が否定判定された場合には処理はステップSP28の処理に移行する。
【0052】
(ステップSP26)
制御部60は、第三機能を実行する。本実施形態では、制御部60は、電子ペン10の芯体22が位置検出装置12Aの面にタッチされるまで第三機能の実行をすることを待機する。そして、制御部60は、電子ペン10の芯体22が位置検出装置12Aの面にタッチされたことを条件に、第三機能として、通信部64を介して、位置検出装置12Aに対して、第三タッチセンサ部26Cに対するユーザUの操作情報を送信する。これに応答して、位置検出装置12Aを備えた電子機器12は、操作情報に応じた処理を実行する。具体的には、操作情報がシングルタップを示すものであれば、電子機器12は、マウスにおける左キー機能に相当する機能を実行する。また、操作情報がダブルタップを示すものであれば、電子機器12は、メニュー表示機能を実行する。なお、このメニュー表示機能では、タッチセンサ部26に対する操作情報に応じた電子機器12側の処理の内容をユーザUが変更することができるようになっている。また、操作情報が所定時間以上のホールドを示すものであれば、電子機器12は、対象物をドラック可能にする。そして、操作情報がスライド操作を示すものであれば、電子機器12は、対象物をドラッグする。その後、操作情報がホールドの解除を示すものであれば、電子機器12は、ドラッグされた対象物を固定する。そして、処理は、ステップSP20の処理に移行する。
【0053】
(ステップSP28)
上記ステップSP24で否定判定された後、制御部60は、所定時間、第一タッチセンサ部26A及び第三タッチセンサ部26Cのそれぞれが操作無いか否かを判定する。そして、当該判定が肯定判定された場合には処理はステップSP20の処理に移行し、当該判定が否定判定された場合には処理はステップSP30の処理に移行する。
【0054】
(ステップSP30)
制御部60は、第一タッチセンサ部26A及び第三タッチセンサ部26Cが有効な状態において、当該第一タッチセンサ部26A及び当該第三タッチセンサ部26Cに対して同時にタップ操作されたか否かを判定する。そして、当該判定が肯定判定された場合には処理はステップSP20の処理に移行し、当該判定が否定判定された場合には処理はステップSP32の処理に移行する。
【0055】
(ステップSP32)
制御部60は、ステップSP10で第二タッチセンサ部26Bが操作されたときから所定時間、第二タッチセンサ部26Bに対して操作が有る(操作が続く)か否かを判定する。そして、当該判定が肯定判定された場合には処理はステップSP20の処理に移行し、当該判定が否定判定された場合には処理はステップSP10の処理に戻る。
【0056】
<実施形態の効果>
以上、本実施形態では、棒形状の筐体20と、当該筐体20の先端部に配置された芯体22と、当該芯体22から位置検出用信号を送信する発信部とを含む電子ペン10において、筐体20が以下の構成を備える。
すなわち、筐体20は、当該筐体20の軸垂直方向の断面が多角形状の部分を形成するように設けられた複数の側面21と、複数の側面21のうち第一側面21Aに設けられ、第一機能が割り当てられている第一タッチセンサ部26Aと、複数の側面21のうち、第一側面21Aと異なる第二側面21Bに設けられ、第一機能と同一の又は異なる第二機能が割り当てられている第二タッチセンサ部26Bと、第一タッチセンサ部26Aと第二タッチセンサ部26Bの機能を制御する制御部60と、を備える。
【0057】
この構成によれば、複数の側面21のそれぞれにユーザUの各指を当てて持つことができるため、ユーザUが電子ペン10を持ち易くすることができる。また、その側面21の何れか二つの側面に第一タッチセンサ部26Aと第二タッチセンサ部26Bが設けられているため、側面21とタッチセンサ部26とがそれぞれ1対1で対応付けられるようになり、ユーザUはどのタッチセンサ部を操作すればよいのか側面で判断することができ、また、ユーザUは直感的に操作でき、また第一タッチセンサ部26Aと第二タッチセンサ部26Bが特定できるようになり、もって、電子ペン10の操作性を高くすることができる。
【0058】
また、本実施形態では、制御部60において、第一タッチセンサ部26Aに対して操作がされた場合に第一機能を実行し、且つ、第二タッチセンサ部26Bに対して操作がされた場合に第一機能と異なる第二機能を実行する。
この構成によれば、ユーザUの指と側面21とタッチセンサ部26とその機能がそれぞれ1対1で対応付けられるようになり、電子ペン10の操作性をより高くすることができる。
【0059】
また、本実施形態では、第一側面21A及び第二側面21Bに跨って一つのタッチセンサ46が設けられ、第一タッチセンサ部46Aと第二タッチセンサ部46Bは、一つのタッチセンサ46で構成されている。
この構成によれば、タッチセンサ46の数を少なくすることができ、もって、電子ペン10のコストを抑えることができる。
【0060】
また、本実施形態では、一つのタッチセンサ46は、複数の入力エリアを有し、第一側面21Aに配置された入力エリアと第二側面21Bに配置された入力エリアとで、異なる機能を有する。
この構成によれば、一つのタッチセンサ46で、各入力エリアで異なる機能を実行することができる。
【0061】
また、本実施形態では、電子ペン10は、第一機能は、位置検出装置12Aに対して、第一タッチセンサ部26Aに対するユーザUの操作情報を出力(送信)する機能を含む。
この構成によれば、位置検出装置12Aに対して操作情報に応じた処理を実行させることができる。
【0062】
また、本実施形態では、第二機能は、第一タッチセンサ部26Aを有効にする機能である。
この構成によれば、第二機能により、第一タッチセンサ部26Aが有効にされない場合、第一タッチセンサ部26Aが誤って操作されたときの誤動作を抑制することができる。
【0063】
また、本実施形態では、電子ペン10が、第一タッチセンサ部26Aが有効か否かをユーザに通知する通知部62を更に備える。
この構成によれば、第一タッチセンサ部26Aが有効か否かをユーザUが容易に知ることができる。
【0064】
また、本実施形態では、通知部62は、発光素子であり、発光することでユーザに通知する。
この構成によれば、第一タッチセンサ部26Aが有効か否かをユーザUがその視覚により容易に知ることができる。
【0065】
また、本実施形態では、制御部60は、第一タッチセンサ部26Aが有効にされたときから所定時間の間、当該第一タッチセンサ部26Aに対して操作がされなかった場合に、当該第一タッチセンサ部26Aを無効にする。
この構成によれば、第二タッチセンサ部26Bが誤って操作されて第一タッチセンサ部26Aが有効にされた場合の誤動作を抑制することができる。
【0066】
また、本実施形態では、制御部60は、第一機能を実行した後、第一タッチセンサ部26Aを無効にする。
この構成によれば、第一機能が実行された後、第一タッチセンサ部26Aが誤って操作されたときの誤動作を抑制することができる。
【0067】
また、本実施形態では、制御部60は、第一タッチセンサ部26Aに対してスライド操作がされた場合に、位置検出装置12Aに対して、当該スライド操作の操作情報を送信し、第一タッチセンサ部26Aは、第二タッチセンサ部26Bよりも電子ペン10の軸O方向に長い。
この構成によれば、第一タッチセンサ部26Aに対してユーザUがスライド操作し易くなり、もって、電子ペン10の操作性をより高くすることができる。
【0068】
また、本実施形態では、電子ペン10が、複数の側面21のうち、第一側面21A及び第二側面21Bと異なる第三側面21Cに設けられ、第二機能と異なる第三機能が割り当てられている第三タッチセンサ部26Cを更に備える。
この構成によれば、電子ペン10で、少なくとも三つの機能を実現でき、もって、電子ペン10の操作性をより高くすることができる。
【0069】
また、本実施形態では、制御部60は、第一タッチセンサ部26A及び第三タッチセンサ部26Cが有効な状態において、当該第一タッチセンサ部26A及び当該第三タッチセンサ部26Cに対して同時に操作された場合に、当該第一タッチセンサ部26A及び当該第三タッチセンサ部26Cを無効にする。
この構成によれば、第二タッチセンサ部26Bが誤って操作されて第一タッチセンサ部26Aが有効にされた場合の誤動作をユーザUが自ら防止することができる。
【0070】
<変形例>
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。すなわち、上記の実施形態に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。また、上記の実施形態及び後述する変形例が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【0071】
例えば、上記実施形態では、電子ペン10の駆動電源は電池44としたが、電源電圧を蓄積するコンデンサを電子ペン10に設けて、当該コンデンサを駆動電源として用いるようにしてもよい。その場合に、コンデンサに電源電圧を蓄積する構成は、電磁誘導や電界結合によって電力エネルギーを外部から受け取って充電する充電回路の構成としてもよいし、電子ペン10にさらに充電端子を設けて、専用の充電装置から当該充電端子を通じて充電電流を供給するように構成してもよい。そして、外部からの電力エネルギー(電磁エネルギーや電界エネルギー)は、位置検出装置12Aから電子ペン10に供給するようにしてもよいし、専用の電力供給装置から供給するようにしてもよい。
【0072】
また、上記実施形態では、制御部60が、芯体22が位置検出装置12Aの面にタッチされるまで第一機能の実行をすることを待機する場合を説明したが、この待機の状態になったときに、制御部60は、通知部62の発光の色を初期の色から変化させてもよい。例えば、制御部60は、第二タッチセンサ部26Bが操作されると通知部62を赤色で発光させ、第一機能の実行について待機の状態になると通知部62を緑色で発光させてもよい。また、この待機は省略してもよい。すなわち、制御部60は待機せずにすぐに第一機能を実行してもよい。
【0073】
また、上記実施形態では、複数の側面21の色については言及されていないが、複数の側面21の色を異なるようにしてもよい。例えば、複数の側面21のうち、第一側面21Aと、第二側面21Bと、第三側面21Cの色をそれぞれ異なるようにしてもよい。これにより、第一タッチセンサ部26Aと、第二タッチセンサ部26Bと、第三タッチセンサ部26Cをユーザが確実に区別できるようになる。
【0074】
また、上記実施形態では、複数の側面21全て同じ長さである場合を説明したが、全て異なる長さであってもよい。
【0075】
図6は、上記実施形態の変形例に係る電子ペン10Aを示す外観斜視図である。
図6に示すように、電子ペン10Aは、上記実施形態と異なり、軸垂直方向の断面が四角状の部分を形成するように四つの側面21(第一側面21A、第二側面21B、第三側面21C、第四側面21D)を有する。そして、四つの側面21の全てが同じ長さとなっている。また、第一側面21Aには第一タッチセンサ部26Aが設けられ、第三側面21Cには第三タッチセンサ部26Cが設けられている。
また、第一タッチセンサ部26Aと第三タッチセンサ部26Cの軸O方向の長さは同じ長さにされている。ここで、変形例では、第二タッチセンサ部26Bは省略されており、その代わりに、押し込まれた場合に、第二タッチセンサ部26Bの機能と同一の機能(有効化の機能)を実行するノック式のスイッチ80が筐体20の後端部に設けられている。また、LEDランプ24は、筐体20の後端部側に設けられている。なお、電子ペン10Aでは、第二タッチセンサ部26Bだけでなく、第三タッチセンサ部26Cも省略することができる。
【0076】
図7は、上記実施形態の他の変形例に係る電子ペン10Bを示す外観斜視図である。
図7に示すように、電子ペン10Bは、上記実施形態と異なり、筐体20において複数の側面21が下部20Aだけでなく、下部20A及び上部20Bに設けられている。また、複数の側面21のうち、第一側面21A、第二側面21B、第三側面21Cには、各タッチセンサ部26A、26B、26Cの入力エリアを示す標識部27の一例として突起部が形成されている。なお、標識部27は、突起部に限定されず、例えば、窪み部や凹凸、色、文字等であってよい。また、標識部27の形状や内容は、各タッチセンサ部26A、26B、26Cで異なってもよい。
【0077】
図8(A)は、
図7に示す電子ペン10Bにおいて、タッチセンサ部26の配置の変形例を示す図であり、電子ペンを芯体22側から見た図である。
図8(A)に示すように、第一タッチセンサ部26A、第二タッチセンサ部26B、第三タッチセンサ部26Cが集中して設けられている。具体的には、第一タッチセンサ部26Aが第一側面21Aに設けられ、第二タッチセンサ部26Bが当該第一側面21Aと隣り合う第二側面21Bに設けられ、第三タッチセンサ部26Cが当該第二側面21Bと隣り合う第三側面21Cに設けられている。また、LEDランプ24は、第二タッチセンサ部26Bより手前(芯体22側)に設けられている。
【0078】
図8(B)は、
図7に示す電子ペン10Bにおいて、タッチセンサ部26の配置の他の変形例を示す図であり、電子ペンを芯体22側から見た図である。
図8(B)に示すように、電子ペン10Bが第一側面21A、第二側面21B、第三側面21C、第四側面21D、第五側面21E、第六側面21Fを有する場合、第一タッチセンサ部26A、第二タッチセンサ部26B、第三タッチセンサ部26Cが分散して設けられている。具体的には、第一タッチセンサ部26Aが第五側面21Eに設けられ、第二タッチセンサ部26Bが当該第五側面21Eと隣り合わない第一側面21Aに設けられ、第三タッチセンサ部26Cが当該第一側面21Aと隣り合わない第三側面21Cに設けられている。
【0079】
また、
図8(C)は、
図7に示す電子ペン10Bの断面形状が三角形状とされた場合において電子ペンを芯体22側から見た図である。
図8(C)に示す電子ペンでは、第一タッチセンサ部26A、第二タッチセンサ部26B、及び、第三タッチセンサ部26Cが別々のタッチセンサ部46A、46B、46Cで形成されている。
【0080】
また、
図8(D)は、
図8(B)に示す電子ペンの変形例を示す図である。
図8(D)に示す電子ペンでは、第一タッチセンサ部26A、第二タッチセンサ部26B、及び、第三タッチセンサ部26Cが一つタッチセンサ46で形成されている。
【0081】
図9(A)は、タッチセンサ46を構成する電極47を示す図である。
図9(B)は、六角形状の電子ペン用の、タッチセンサ46を構成する表面シート49Aを示す図である。
図9(C)は、
図9(B)に示す表面シート49Aの変形例である表面シート49Bを示す図である。
図9(D)は、三角形状の電子ペン用の、
図9(B)に示す表面シート49Aの更に別の変形例である表面シート49Cを示す図である。
【0082】
図9(A)に示す電極47は、
図9(B)~
図9(D)に示す表面シート49A、49B、49Cのうち何れか一つの表面シートとともに、当該表面シート49Aが外側になるように、粘着剤等で筐体20に貼り付けられる。
図9(B)に示すように、表面シート49Aには、第一タッチセンサ部26A、第二タッチセンサ部26B、及び、第三タッチセンサ部26Cの標識部27が図中左側に集中して横に並んで設けられている。また、
図9(C)に示す表面シート49Bには、第一タッチセンサ部26A、第二タッチセンサ部26B、及び、第三タッチセンサ部26Cの標識部27が間隔を空けて横に並んで設けられている。また、
図9(D)に示す表面シート49Cには、第一タッチセンサ部26A、第二タッチセンサ部26B、及び、第三タッチセンサ部26Cの標識部27が横に並んで設けられている。
【0083】
ここで、第一タッチセンサ部26A、第二タッチセンサ部26B、及び、第三タッチセンサ部26Cを示す標識部27の内側の表面は、それぞれ、ユーザが触ったときに異なる感触となるように形成されていてもよい。例えば、第一タッチセンサ部26Aを示す標識部27の内側の表面は「ツルツル」とした感触で、第二タッチセンサ部26Bを示す標識部27の内側の表面は「ざらざら」とした感触で、第三タッチセンサ部26Cを示す標識部27の内側の表面は「更にざらざら」とした感触であってもよい。このような感触は、例えば、各表面の摩擦係数をそれぞれ変更することにより実現できる。これにより、第一タッチセンサ部26A、第二タッチセンサ部26B、及び、第三タッチセンサ部26Cの何れを触っているかをユーザがすぐに把握することができる。
【0084】
図10は、上記実施形態の他の変形例に係る電子ペン10Cを示す外観図である。
図10に示すように、電子ペン10Cは、筐体20の他、ソケット100Aを含む。このソケット100Aは、ソケット100Aの軸垂直方向の断面が六角形状の部分を形成するように六つの側面(第一側面101A、第二側面101B、第三側面101C、第四側面101D、第五側面101E、第六側面101F)を備える。第一側面101Aには第一タッチセンサ部26Aが設けられている。第二側面101BにはLEDランプ24と第二タッチセンサ部26Bとが設けられている。第三側面101Cには第三タッチセンサ部26Cが設けられている。また、ソケット100Aの内側には第一電極102が設けられている。この第一電極102は、LEDランプ24と、第一タッチセンサ部26Aと、第二タッチセンサ部26B、第三タッチセンサ部26Cとに接続されている。一方で、筐体20の外側にも、電極102と接触可能なように第二電極104が設けられている。この第二電極104は、電池44に接続されている。
【0085】
ユーザは、上記のようなソケット100Aの内部に、矢印D1方向に沿って筐体20の先端側(芯体22側)を入れた後、矢印D2方向に筐体20を回転することで、筐体20にソケット100Aが取り外し自在に取り付けられ、第一電極102と第二電極104が接続される。この結果、電池44からの電源電圧が、第二電極104及び第一電極102を介して、LEDランプ24、第一タッチセンサ部26A、第二タッチセンサ部26B、第三タッチセンサ部26Cのそれぞれに対して供給される。
【0086】
図11は、
図10に示すソケット100Aの変形例に係るソケット100Bを示す外観図である。
図11に示すように、ソケット100Bでは、第一タッチセンサ部26Aと、第二タッチセンサ部26Bと、第三タッチセンサ部26Cとが間隔を空けて設けられている。具体的には、第一側面101Aに第一タッチセンサ部26Aが設けられ、第三側面101Cに第二タッチセンサ部26Bが設けられ、第五側面101Eに第三タッチセンサ部26Cが設けられている。このように、第一タッチセンサ部26Aと、第二タッチセンサ部26Bと、第三タッチセンサ部26Cとが間隔を空けて、すなわち、第一タッチセンサ部26Aと、第二タッチセンサ部26Bと、第三タッチセンサ部26Cとが分散されていることで、ユーザにとって電子ペンの操作性をより一層高くすることができる。
【符号の説明】
【0087】
10、10A:電子ペン、20:筐体、26A:第一タッチセンサ部、26B:第二タッチセンサ部