(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-15
(45)【発行日】2023-11-24
(54)【発明の名称】表示システム、表示方法、プログラム
(51)【国際特許分類】
G08B 17/00 20060101AFI20231116BHJP
G08B 25/10 20060101ALI20231116BHJP
【FI】
G08B17/00 L
G08B25/10 D
(21)【出願番号】P 2020039354
(22)【出願日】2020-03-06
【審査請求日】2022-11-10
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123102
【氏名又は名称】宗田 悟志
(72)【発明者】
【氏名】李 国▲シン▼
(72)【発明者】
【氏名】栗原 史和
【審査官】横田 有光
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-016700(JP,A)
【文献】特開2019-071131(JP,A)
【文献】特開2019-207502(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B 17/00
23/00-31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設に設置された火災警報器からのイベント情報を受付可能な入力部と、
前記入力部が前記イベント情報を受けつけた場合において前記イベント情報の存在を知らせるための通知の有無を設定する設定部と、
前記設定部において通知有を設定した場合、前記入力部が前記イベント情報を受けつけると、前記通知を表示部に表示させる表示制御部
とを備え、
前記イベント情報は、火災発生の情報、動作試験の存在を知らせるための動作試験の情報、メンテナンスの情報のいずれか1つを少なくとも含み、
前記設定部は、前記火災発生の情報、前記動作試験の情報、前記メンテナンスの情報をまとめた前記イベント情報の存在を知らせるための通知の有無を設定する表示システム。
【請求項2】
施設に設置された火災警報器からのイベント情報を受付可能な入力部と、
前記入力部が前記イベント情報を受けつけた場合において前記イベント情報の存在を知らせるための通知の有無を設定する設定部と、
前記設定部において通知有を設定した場合、前記入力部が前記イベント情報を受けつけると、前記通知を表示部に表示させる表示制御部
とを備え、
前記イベント情報は、火災発生の情報、動作試験の存在を知らせるための動作試験の情報、メンテナンスの情報のいずれか1つを少なくとも含み、
前記設定部は、前記火災発生の情報と前記メンテナンスの情報の存在を知らせるための通知の有無と、前記動作試験の情報の存在を知らせるための通知の有無とを別に設定する表示システム。
【請求項3】
前記入力部、前記設定部、前記表示制御部は1つの装置に含まれる、
請求項1
または2に記載の表示システム。
【請求項4】
前記入力部、前記表示制御部は、サーバ装置に含まれ、
前記設定部は、前記サーバ装置と通信可能な情報端末に含まれる、
請求項1
または2に記載の表示システム。
【請求項5】
施設に設置された火災警報器からのイベント情報を受付可能なステップと、
前記イベント情報を受けつけた場合において前記イベント情報の存在を知らせるための通知の有無を設定するステップと、
通知有を設定した場合、前記イベント情報を受けつけると、前記通知を表示部に表示させるステップ
とを備え、
前記イベント情報は、火災発生の情報、動作試験の存在を知らせるための動作試験の情報、メンテナンスの情報のいずれか1つを少なくとも含み、
前記設定するステップは、前記火災発生の情報、前記動作試験の情報、前記メンテナンスの情報をまとめた前記イベント情報の存在を知らせるための通知の有無を設定する表示方法。
【請求項6】
施設に設置された火災警報器からのイベント情報を受付可能なステップと、
前記イベント情報を受けつけた場合において前記イベント情報の存在を知らせるための通知の有無を設定するステップと、
通知有を設定した場合、前記イベント情報を受けつけると、前記通知を表示部に表示させるステップ
とを備え、
前記イベント情報は、火災発生の情報、動作試験の存在を知らせるための動作試験の情報、メンテナンスの情報のいずれか1つを少なくとも含み、
前記設定するステップは、前記火災発生の情報と前記メンテナンスの情報の存在を知らせるための通知の有無と、前記動作試験の情報の存在を知らせるための通知の有無とを別に設定する表示方法。
【請求項7】
施設に設置された火災警報器からのイベント情報を受付可能なステップと、
前記イベント情報を受けつけた場合において前記イベント情報の存在を知らせるための通知の有無を設定するステップと、
通知有を設定した場合、前記イベント情報を受けつけると、前記通知を表示部に表示させるステップ
とを備え、
前記イベント情報は、火災発生の情報、動作試験の存在を知らせるための動作試験の情報、メンテナンスの情報のいずれか1つを少なくとも含み、
前記設定するステップは、前記火災発生の情報、前記動作試験の情報、前記メンテナンスの情報をまとめた前記イベント情報の存在を知らせるための通知の有無を設定することをコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項8】
施設に設置された火災警報器からのイベント情報を受付可能なステップと、
前記イベント情報を受けつけた場合において前記イベント情報の存在を知らせるための通知の有無を設定するステップと、
通知有を設定した場合、前記イベント情報を受けつけると、前記通知を表示部に表示させるステップ
とを備え、
前記イベント情報は、火災発生の情報、動作試験の存在を知らせるための動作試験の情報、メンテナンスの情報のいずれか1つを少なくとも含み、
前記設定するステップは、前記火災発生の情報と前記メンテナンスの情報の存在を知らせるための通知の有無と、前記動作試験の情報の存在を知らせるための通知の有無とを別に設定することをコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示技術に関し、特に情報を表示する表示システム、表示方法、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
建物等の施設には火災警報器が設置されており、火災警報器は、火災を感知すると、火災信号をサーバに送信する。携帯端末装置は、サーバとの通信を実行し、火災についての支援情報を表示する(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
火災警報器からの通知を携帯端末装置が表示することによって、通知の確認が可能になる。しかしながら、通知をすぐに確認したい場合があれば、通知をすぐに確認できない場合もある。そのため、通知を確認するタイミングを調節できる方が好ましい。
【0005】
本開示はこうした状況に鑑みなされたものであり、その目的は、通知の表示タイミングを調節する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示のある態様の表示システムは、施設に設置された火災警報器からのイベント情報を受付可能な入力部と、入力部がイベント情報を受けつけた場合においてイベント情報の存在を知らせるための通知の有無を設定する設定部と、設定部において通知有を設定した場合、入力部がイベント情報を受けつけると、通知を表示部に表示させる表示制御部とを備える。イベント情報は、火災発生の情報、動作試験の存在を知らせるための動作試験の情報、メンテナンスの情報のいずれか1つを少なくとも含み、設定部は、火災発生の情報、動作試験の情報、メンテナンスの情報をまとめたイベント情報の存在を知らせるための通知の有無を設定する。
本開示の別の態様もまた、表示システムである。このシステムは、施設に設置された火災警報器からのイベント情報を受付可能な入力部と、入力部がイベント情報を受けつけた場合においてイベント情報の存在を知らせるための通知の有無を設定する設定部と、設定部において通知有を設定した場合、入力部がイベント情報を受けつけると、通知を表示部に表示させる表示制御部とを備える。イベント情報は、火災発生の情報、動作試験の存在を知らせるための動作試験の情報、メンテナンスの情報のいずれか1つを少なくとも含み、設定部は、火災発生の情報とメンテナンスの情報の存在を知らせるための通知の有無と、動作試験の情報の存在を知らせるための通知の有無とを別に設定する。
【0007】
本開示のさらに別の態様は、表示方法である。この方法は、施設に設置された火災警報器からのイベント情報を受付可能なステップと、イベント情報を受けつけた場合においてイベント情報の存在を知らせるための通知の有無を設定するステップと、通知有を設定した場合、イベント情報を受けつけると、通知を表示部に表示させるステップとを備える。イベント情報は、火災発生の情報、動作試験の存在を知らせるための動作試験の情報、メンテナンスの情報のいずれか1つを少なくとも含み、設定するステップは、火災発生の情報、動作試験の情報、メンテナンスの情報をまとめたイベント情報の存在を知らせるための通知の有無を設定する。
本開示のさらに別の態様もまた、表示方法である。この方法は、施設に設置された火災警報器からのイベント情報を受付可能なステップと、イベント情報を受けつけた場合においてイベント情報の存在を知らせるための通知の有無を設定するステップと、通知有を設定した場合、イベント情報を受けつけると、通知を表示部に表示させるステップとを備える。イベント情報は、火災発生の情報、動作試験の存在を知らせるための動作試験の情報、メンテナンスの情報のいずれか1つを少なくとも含み、設定するステップは、火災発生の情報とメンテナンスの情報の存在を知らせるための通知の有無と、動作試験の情報の存在を知らせるための通知の有無とを別に設定する。
【0008】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本開示の表現を方法、装置、システム、コンピュータプログラム、またはコンピュータプログラムを記録した記録媒体などの間で変換したものもまた、本開示の態様として有効である。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、通知の表示タイミングを調節できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本実施例に係る制御システムの構成を示す図である。
【
図2】
図1の記憶部に記憶される状態テーブルのデータ構造を示す図である。
【
図3】
図3(a)-(d)は、
図1の表示部に表示される画面を示す図である。
【
図4】
図4(a)-(b)は、
図1の携帯端末装置においてなされる設定の概要を示す図である。
【
図5】
図5(a)-(d)は、
図1の表示部に表示される画面を示す図である。
【
図6】
図6(a)-(b)は、
図1の制御装置においてなされる設定の概要を示す図である。
【
図7】
図1の制御システムによる表示手順を示すシーケンス図である。
【
図8】
図1の制御システムによる別の表示手順を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示の実施例を具体的に説明する前に、本実施例の概要を説明する。実施例は、住宅等の施設に設置された複数のセンサのそれぞれに関する情報を表示する制御システムに関する。複数のセンサは、例えば、火災警報器である。複数の火災警報器は、施設に設置された制御装置に接続され、火災を検知した場合に発報情報を制御装置に送信するとともに、故障を検知した場合に故障情報を制御装置に送信する。また、複数の火災警報器は、電池により駆動しており、電池残量も制御装置に送信する。制御装置は、ネットワークを介して施設外のサーバに接続され、発報情報、故障情報、電池残量(以下、「情報」と総称する)をサーバに送信する。サーバには、スマートフォン等の情報端末装置からアクセス可能である。ここで、情報端末装置あるいは制御装置は、表示装置であり、複数の情報のそれぞれを表示可能である。一方、ユーザの状況によっては、情報の通知をすぐに確認したい場合もあれば、例えば会議中で情報の通知をすぐに確認できない場合もある。通知の表示タイミングを調節するために、本実施例では、表示装置の画面に通知を表示させるか否かが設定される。
【0012】
図1は、制御システム1000の構成を示す。制御システム1000は、代表火災警報器200と総称される第1代表火災警報器200a、第2代表火災警報器200b、火災警報器220と総称される第1火災警報器220a、第2火災警報器220b、第3火災警報器220c、第4火災警報器220d、制御装置300、ルータ400、ネットワーク420、サーバ440、携帯端末装置500を含む。ここで、代表火災警報器200の数は「2」とされ、火災警報器220の数は「4」とされるが、それらに限定されない。
【0013】
代表火災警報器200は、検知部202、制御部204、通信部206を含む。制御装置300は、第1通信部310、第2通信部312、記憶部314、操作部316、表示部318、処理部330を含み、処理部330は、入力部340、表示制御部342、設定部344を含む。携帯端末装置500は、通信部510、記憶部514、操作部516、表示部518、処理部530を含み、処理部530は、入力部540、表示制御部542、設定部544を含む。
【0014】
代表火災警報器200、火災警報器220、制御装置300、ルータ400は、施設100に設置され、ネットワーク420、サーバ440は、施設100の外部に設置される。施設100は、制御システム1000による制御の対象となる建物であり、例えば戸建て住宅である。施設100は戸建て住宅に限定されず、集合住宅の住戸でもよいし、オフィスビル、商業施設などでもよい。施設100の複数の部屋のそれぞれには、火災の発生を検知するためのセンサとして、代表火災警報器200、火災警報器220が設置される。代表火災警報器200と火災警報器220は、制御装置300との間で無線通信を実行する。無線通信として、例えば、特定小電力無線が使用されるが、これに限定されず、さらに有線通信が実行されてもよい。
【0015】
代表火災警報器200と火災警報器220と制御装置300との間における無線通信について、ここではさらに詳細に説明する。代表火災警報器200と火災警報器220は、グループ240と総称される第1グループ240aと第2グループ240bとに分類される。第1グループ240aは、第1代表火災警報器200a、第1火災警報器220a、第2火災警報器220bを含み、第2グループ240bは、第2代表火災警報器200b、第3火災警報器220c、第4火災警報器220dを含む。つまり、1つのグループは、1つの代表火災警報器200と、1つ以上の火災警報器220とを含む。
【0016】
代表火災警報器200は、926MHz帯のような第1周波数帯を使用することによって、制御装置300との間の無線通信を実行するとともに、426MHz帯のような第2周波数帯を使用することによって、火災警報器220との間の無線通信も実行する。一方、火災警報器220は、426MHz帯のような第2周波数帯を使用することによって、代表火災警報器200との間の無線通信を実行するが、制御装置300との間で無線通信を直接実行しない。ここで、火災警報器220は、代表火災警報器200を介して制御装置300との無線通信を実行する。そのため、代表火災警報器200は、制御装置300との無線通信を実行する機能に加えて、制御装置300と火災警報器220との間の無線通信を中継する機能も有する。
【0017】
代表火災警報器200と火災警報器220との違いは中継機能の有無であり、これらの間で火災を検知する機能等は同一である。そのため、無線通信以外のことを説明する場合に、代表火災警報器200を火災警報器220と呼ぶこともある。
【0018】
代表火災警報器200は、施設100の部屋等における火災の発生を検知可能なセンサである。代表火災警報器200の検知部202は、煙を検知したり、熱を検知したりすることによって、火災の発生を検知する。煙を検知する煙式の場合、代表火災警報器200の内部に煙が入って、発光ダイオードの光が煙の粒子に反射して受光部に届くことによって、火災の発生が検知される。また、熱を検知する熱式の場合、感熱素子が一定の温度に達することによって、火災の発生が検知される。制御部204は、検知部202において火災の発生を検知した場合に、火災発生を知らせるための音声をスピーカ(図示せず)から出力するとともに、火災発生を知らせるための発報情報を生成する。ここで、発報情報には、火災発生、動作試験のうちの少なくとも1つが含まれる。火災発生は火災の発生を示し、動作試験は、動作試験による強制的な鳴動を示す。通信部206は、制御装置300に第1周波数帯で発報情報を送信する。その際、通信部206は、発報情報を第2周波数帯で火災警報器220に送信してもよい。
【0019】
制御部204は、代表火災警報器200における故障あるいはスピーカの断線を検知する。これらの検知には公知の技術が使用されればよいので、ここでは説明を省略する。また、制御部204は、計時機能も有し、製造してからの期間あるいは前回のメンテナンスを行ってからの期間を計測する。制御部204は、故障あるいはスピーカの断線を検知した場合、故障あるいはスピーカの断線を示す故障・断線が含まれる故障情報を生成し、10年の経過を検知した場合、10年の経過を示す10年経過が含まれる故障情報を生成する。故障情報に、故障・断線と10年経過とが含まれてもよい。通信部206は、制御装置300に第1周波数帯で故障情報を送信する。
【0020】
また、検知部202は、代表火災警報器200を駆動させる電池の残量を検知する。電池残量の検知には公知の技術が使用されればよいので、ここでは説明を省略する。電池残量は、例えば、80%、50%のように示される。制御部204は、検知部202において検知された電池残量が変化すると、電池残量を通信部206から制御装置300に第1周波数帯で送信させる。ここで、電池残量の送信は、電池残量が変化する度ではなく、5%のような所定の量だけ変化した場合になされてもよい。
【0021】
火災警報器220の構成は、代表火災警報器200の構成と同様であるが、火災警報器220の通信部206(図示せず)は、発報情報、故障情報、電池残量を第2周波数帯で送信する。発報情報、故障情報の宛先は、代表火災警報器200であるが、他の火災警報器220を含んでもよい。また、電池残量の宛先は、代表火災警報器200である。
【0022】
代表火災警報器200の通信部206は、中継処理として、火災警報器220からの第2周波数帯での発報情報、故障情報、電池残量を受信すると、当該発報情報、当該故障情報、当該電池残量を制御装置300に第1周波数帯で送信する。さらに、代表火災警報器200あるいは火災警報器220は、火災発生が含まれた発報情報を受信すると、火災発生を知らせるための音声をスピーカ(図示せず)から出力してもよい。
【0023】
制御装置300の第1通信部310は、前述のごとく、例えば特定小電力無線に対応し、代表火災警報器200から発報情報、故障情報を受信する。発報情報には、送信元になる代表火災警報器200あるいは火災警報器220を識別するための識別情報(以下、「センサ識別情報」という)が含まれる。第1通信部310は、発報情報、故障情報を処理部330に出力する。第1通信部310は、代表火災警報器200から電池残量を受信する。電池残量にもセンサ識別情報が含まれる。第1通信部310は、電池残量を処理部330に出力する。
【0024】
処理部330は、受けつけた発報情報、故障情報、電池残量を記憶部314に記憶する。記憶部314は、発報情報、故障情報、電池残量をセンサ識別情報毎に記憶する。これは、発報情報、故障情報、電池残量をセンサ毎に記憶することに相当する。
図2は、記憶部314に記憶される状態テーブルのデータ構造を示す。第1グループ240aに第1代表火災警報器200a、第1火災警報器220a、第2火災警報器220bが含まれることと、第2グループ240bに第2代表火災警報器200b、第3火災警報器220c、第4火災警報器220dが含まれることは予め登録されている。代表火災警報器200、火災警報器220に対して電池残量の値が示される。火災発生が含まれた発報情報を受信した場合に、「火災発生」に「1」が示される。火災発生が含まれた発報情報を受信しない場合に、「火災発生」に「0」が示される。発報情報における動作試験、故障情報における故障・断線、10年経過についても同様である。日時情報は、発報がなされた日時を示す。日時情報は、代表火災警報器200あるいは火災警報器220において生成され、発報情報に含まれる。
図1に戻る。
【0025】
処理部330は、代表火災警報器200、火災警報器220のそれぞれに対して、接続を確認するための確認信号を第1通信部310から定期的に送信させる。代表火災警報器200、火災警報器220は、確認信号を受信すると、確認信号に対する応答を示すための応答信号を制御装置300に送信する。応答信号にもセンサ識別情報が含まれる。ここで、火災警報器220に対する確認信号の送信と応答信号の受信は、代表火災警報器200を介してなされる。
【0026】
制御装置300の第1通信部310は、応答信号を受信すると、応答信号を処理部330に出力する。このような処理によって、処理部330は、確認信号に対する応答信号を受信した代表火災警報器200あるいは火災警報器220との通信が可能であると判定する。一方、処理部330は、確認信号に対する応答信号を一定期間受信しない代表火災警報器200あるいは火災警報器220との通信が不可能であると判定する。処理部330は、通信可能であるか通信不可能であるかを示す通信状態情報をセンサ識別情報毎に記憶する。
図2に示される状態テーブルにおいて、「通信状態情報」の「取得失敗」の「1」は通信不可能を示し、「通信状態情報」の「取得失敗」の「0」は通信可能を示す。
【0027】
以下では、代表火災警報器200および火災警報器220に関する情報を表示する画面を、(1)携帯端末装置500に表示される画面、(2)携帯端末装置500に表示されるプッシュ通知の画面、(3)制御装置300に表示される画面、(4)制御装置300に表示されるプッシュ通知の画面の順に説明する。本実施例では、これらの画面のうち、少なくとも1つの画面が表示されればよい。
【0028】
(1)携帯端末装置500に表示される画面
第2通信部312は、例えば、無線通信あるいは有線通信を実行し、ルータ400、ネットワーク420を介してサーバ440に接続される。無線通信として、例えば、無線LAN(Local Area Network)が使用されるが、これに限定されない。第2通信部312は、記憶部314に記憶した発報情報、故障情報、通信状態情報、電池残量のいずれかが変化したタイミングにおいて、変化した情報をサーバ440に送信する。第2通信部312から送信される情報には、センサ識別情報に加えて、施設100を識別するための施設識別情報も含まれる。サーバ440は、情報を受信すると、発報情報、故障情報、通信状態情報、電池残量のいずれかを、施設識別情報毎およびセンサ識別情報毎に記憶する。このような処理によって、サーバ440の状態テーブルは記憶部314の状態テーブルに所定の期間遅延してから同期する。
【0029】
携帯端末装置500は、例えば、スマートフォン、タブレット端末装置、携帯電話装置であり、施設100に居住するユーザによって使用される。携帯端末装置500の通信部510は、無線通信を実行することによって、ネットワーク420を介してサーバ440に接続される。無線通信として、例えば、LTE(Long Term Evolution)等の携帯電話システムあるいは無線LANが使用されるが、これに限定されない。記憶部514には、携帯端末装置500において実行可能なプログラム、例えば、アプリケーションプログラムが記憶される。本実施例では、制御システム1000における処理を実行可能なアプリケーションプログラム(以下、「制御システムアプリケーション」という)に着目する。
【0030】
操作部516は、例えば、タッチパネルであり、ユーザによる操作入力を受付可能である。操作部516は、ユーザによる操作入力を受け付けると、操作入力に応じた操作信号を処理部530に出力する。表示部518は、表示制御部542において生成された画面を表示する。表示部518は、操作部516と一体的に構成されてもよく、ボタンが含まれた画面を表示部518が表示し、ユーザがボタンに触れることによる操作入力を操作部516が受けつける。
【0031】
処理部530は、例えば、プロセッサおよびメモリを有するマイクロコンピュータで構成される。プロセッサが、記憶部514に記録されたプログラムを実行することにより、コンピュータシステムによって処理部530の各種の機能が実現される。本実施例における処理部530は、制御システムアプリケーションを実行する。制御システムアプリケーションの実行により生成された画面が表示部518に表示される。ユーザが表示された画面を見ながら操作部516を操作すると、処理部530は、通信部510、ネットワーク420を介してサーバ440に対して情報の送信を要求するための信号(以下、「イベント情報要求信号」という)を送信する。イベント情報要求信号には、携帯端末装置500を識別するための識別情報(以下、「端末識別情報」という)が含まれる。
【0032】
サーバ440は、イベント情報要求信号を受信すると、イベント情報要求信号から端末識別情報を抽出する。また、サーバ440は、端末識別情報と施設識別情報との対応関係を予め記憶しており、当該対応関係をもとに、抽出した端末識別情報から施設識別情報を特定する。サーバ440は、特定した施設識別情報の状態テーブルをネットワーク420を介して携帯端末装置500に送信する。ここで、状態テーブルはイベント情報に含まれてもよい。
【0033】
携帯端末装置500の通信部510は、ネットワーク420を介してサーバ440からの状態テーブルを受信する。処理部530は、通信部510が受信した状態テーブルを記憶部514に記憶させる。処理部530の入力部540は、代表火災警報器200、火災警報器220のそれぞれに関する情報を記憶部514から受けつける。情報は、例えば、発報情報、故障情報、通信状態情報、電池残量であり、発報情報には発報の日時情報が含まれる。
【0034】
表示制御部542は、入力部540において受けつけた情報を表示部518に表示するための画面を生成する。ここでは、表示制御部542において生成される画面を説明するために、
図3(a)-(d)を使用する。
図3(a)-(d)は、表示部518に表示される画面を示す。
図3(a)は、各グループの代表情報が示される画面を示し、
図3(b)は、1つのグループの詳細情報が示される画面を示し、
図3(c)は、情報の履歴が示されるタイムラインの画面を示す。
図3(a)-(c)に示される画面は、ユーザが携帯端末装置500の操作部516を操作することによって表示される。1つのグループの詳細情報を示すための領域を「第1領域628」と呼ぶ場合、各グループの代表情報を示すための領域は「第2領域626」と呼ばれ、タイムラインを示すための領域は「第2領域630」と呼ばれる。そのため、
図3(a)は第1領域628を含む画面に相当し、
図3(b)は第2領域626を含む画面に相当し、
図3(c)は第2領域630を含む画面に相当する。
【0035】
図3(a)のように、表示制御部542は、第1領域628において、第1部分620と第2部分622とが同一の画面に含まれるように画面を生成する。具体的には、表示制御部542は、第1部分620、第2部分622を縦方向に並べた画面を生成する。第1部分620は、第1グループ240aに関する情報を示すための部分であり、第2部分622は、第2グループ240bに関する情報を示すための部分である。表示制御部542は、第1部分620に第1グループ表示欄710を設け、第1グループ表示欄710に、第1代表火災警報器200aである「火災警報器1」の名称、第1メッセージ通知642、第1電池切れ通知662を示す。また、表示制御部542は、第2部分622に第2グループ表示欄712を設け、第2グループ表示欄712に、第2代表火災警報器200bである「火災警報器2」の名称、第1メッセージ通知642、第1電池切れ通知662を示す。第1メッセージ通知642、第1電池切れ通知662等の第1グループ240aの代表情報、第2グループ240bの代表情報の詳細は後述する。
【0036】
第1部分620における「火災警報器1」の表示部分をユーザが触れることによって、操作部516は、第1グループ240aの詳細情報が示される画面への遷移の指示を受けつける。これに応じて、表示制御部542は、
図3(b)のように第2領域626において第1部分620が含まれる画面を生成する。表示制御部542は、第1部分620に第1代表火災警報器表示欄700、第1火災警報器表示欄702、第2火災警報器表示欄704を設ける。第1代表火災警報器表示欄700には、第1代表火災警報器200aである「火災警報器1」の名称が示され、第1火災警報器表示欄702には、第1火災警報器220aである「リビング・火災警報器」の名称が示される。また、第2火災警報器表示欄704には、第2火災警報器220bである「ダイニング・火災警報器」の名称が示される。
【0037】
第1グループ240aの第1代表火災警報器200aに関する発報情報、故障情報、通信状態情報のうちの少なくとも1つを受けつけている場合、表示制御部542は、第1部分620の第1代表火災警報器表示欄700に第2メッセージ通知640を表示させる。第1グループ240aの第1火災警報器220aに関する発報情報、故障情報、通信状態情報のうちの少なくとも1つを受けつけている場合、表示制御部542は、第1部分620の第1火災警報器表示欄702に第2メッセージ通知640を表示させる。第1グループ240aの第2火災警報器220bに関する発報情報、故障情報、通信状態情報のうちの少なくとも1つを受けつけている場合、表示制御部542は、第1部分620の第2火災警報器表示欄704に第2メッセージ通知640を表示させる。一方、発報情報、故障情報、通信状態情報のすべてを受けつけていない場合、表示制御部542は、第2メッセージ通知640を表示させない。
【0038】
第2メッセージ通知640は、対応する代表火災警報器200、火災警報器220に関して、発報情報、故障情報、通信状態情報を受けつけたことを知らせるための通知である。例えば、発報情報の火災発生、発報情報の動作試験、故障情報の故障・断線、故障情報の10年経過を受けつけた場合、第2メッセージ通知640は、「火災発生」、「強制鳴動」、「故障・スピーカ断線」、「10年経過通知」とそれぞれ示される。
図3(b)では、第1代表火災警報器表示欄700の第2メッセージ通知640は「火災発生」と示されているので、第1代表火災警報器200aに関して発報情報の火災発生が受けつけられている。また、第1火災警報器表示欄702の第2メッセージ通知640は「故障・スピーカ断線」と示されているので、第1火災警報器220aに関して故障情報の故障・断線が受けつけられている。さらに、第2火災警報器表示欄704の第2メッセージ通知640は「10年経過通知」と示されているので、第2火災警報器220bに関して故障情報の10年経過が受けつけられている。
【0039】
表示制御部542は、電池残量と比較すべきしきい値、例えば、第1しきい値、第2しきい値(第1しきい値>第2しきい値)を保持する。一例として、第1しきい値が「20%」であり、第2しきい値が「10%」である。表示制御部542は、電池残量が第1しきい値より少なく、かつ第2しきい値以上である場合、電池消耗と判定し、電池残量が第2しきい値より少ない場合、電池切れと判定する。表示制御部542は、電池消耗と判定した代表火災警報器200、火災警報器220に対して、第2電池消耗通知(図示せず)を第1部分620に表示させ、電池切れと判定した代表火災警報器200、火災警報器220に対して、第2電池切れ通知660を第1部分620に表示させる。第2電池消耗通知は、電池消耗を知らせるための通知であり、第2電池切れ通知660は、電池切れを知らせるための通知である。
【0040】
ここでは、第1代表火災警報器200aと第2火災警報器220bの電池残量が第2しきい値よりも少ないので、第1代表火災警報器表示欄700と第2火災警報器表示欄704に第2電池切れ通知660が示される。一方、第1火災警報器220aの電池残量は第1しきい値以上であるので、第1火災警報器表示欄702に第2電池消耗通知あるいは第2電池切れ通知660が示されない。第2電池消耗通知と第2電池切れ通知660は「第2電池残量通知」と総称され、第2電池残量通知は、電池残量がしきい値よりも少ないことを知らせるための通知であるといえる。
【0041】
図3(a)の第2部分622における「火災警報器2」の表示部分をユーザが触れることによって、操作部516は、第2グループ240bの詳細情報が示される画面への遷移の指示を受けつける。この画面の図示は省略するが、表示制御部542は、
図3(b)と同様の画面を生成する。その画面では、第2領域626において第2部分622が含まれ、表示制御部542は、第2部分622に第2代表火災警報器表示欄、第3火災警報器表示欄、第4火災警報器表示欄を設ける。第2代表火災警報器表示欄には、第2代表火災警報器200bである「火災警報器2」の名称が示され、第3火災警報器表示欄には、第3火災警報器220cに対する名称が示され、第4火災警報器表示欄には、第4火災警報器220dに対する名称が示される。さらに、第2メッセージ通知640、第2電池切れ通知660等もこれまでと同様に示される。
【0042】
このように、第2領域626の第1部分620と、第2領域626の第2部分622と、第1領域628は、互いに異なった画面に含まれる。また、第1領域628が含まれた画面から、第2領域626の第1部分620が含まれた画面に遷移可能であるとともに、第2領域626の第2部分622が含まれた画面にも遷移可能である。
【0043】
図3(a)に戻り、第1グループ240aの代表情報の詳細を説明する。表示制御部542は、
図3(b)に示される第2領域626の第1部分620に1つ以上の第2メッセージ通知640を示す場合、第1グループ表示欄710に第1メッセージ通知642を表示させる。一方、表示制御部542は、
図3(b)に示される第2領域626の第1部分620に第2メッセージ通知640を示さない場合、第1グループ表示欄710に第1メッセージ通知642を表示させない。ここでは、第2領域626の第1部分620における第1代表火災警報器表示欄700と第1火災警報器表示欄702と第2火災警報器表示欄704に第2メッセージ通知640が示されるので、第1グループ表示欄710に第1メッセージ通知642が示される。
【0044】
しかしながら、第2領域626の第1部分620における第1代表火災警報器表示欄700と第1火災警報器表示欄702と第2火災警報器表示欄704に示される第2メッセージ通知640の内容が異なる。これは、第1グループ240aに含まれる第1代表火災警報器200a、火災警報器220に関して火災発生、故障・断線、10年経過が受けつけられていることに相当する。ここで、表示制御部542は、火災発生に最も高い優先度を付与し、動作試験、故障・断線、10年経過となるとともに低くなる優先度を付与し、取得失敗に最も低い優先度を付与している。表示制御部542は、入力部540が複数の情報を受けつけた場合に、最も優先度の高い情報を選択する。ここでは火災発生が選択される。表示制御部542は、
図3(a)の第1領域628のうち、第1部分620の第1グループ表示欄710における第1メッセージ通知642として、選択した「火災発生」を表示させる。つまり、第1メッセージ通知642は、複数の情報を受けつけた場合に、優先度の高い方の情報の存在を知らせるための通知であるといえる。
【0045】
表示制御部542は、
図3(b)に示される第2領域626の第1部分620に1つ以上の第2電池残量通知を示す場合、1つ以上の電池残量通知の存在を知らせるための第1電池残量通知を第1グループ表示欄710に表示させる。第2領域626の第1部分620に第2電池消耗通知だけが示される場合、第1グループ表示欄710には第1電池消耗通知が示され、第2領域626の第1部分620に第2電池切れ通知660だけが示される場合、第1グループ表示欄710には第1電池切れ通知662が示される。つまり、第2領域626の第1部分620に示される第2電池残量通知と、第1グループ表示欄710に示される第1電池残量通知は同一である。
【0046】
仮に、第2領域626の第1部分620に第2電池消耗通知と第2電池切れ通知660が示される場合、第1グループ表示欄710には、第1電池切れ通知662が示される。一方、表示制御部542は、第2領域626の第1部分620に1つ以上の第2電池残量通知を示さない場合、第1電池残量通知を第1グループ表示欄710に表示させない。ここでは、第2領域626の第1部分620における第1代表火災警報器表示欄700と第2火災警報器表示欄704に第2電池切れ通知660が示されるので、第1グループ表示欄710に第1電池切れ通知662が示される。第1グループ表示欄710に表示可能な第1メッセージ通知642、第2電池残量通知は、第1グループ240aの代表情報である。第2グループ240bの代表情報は、第2グループ表示欄712に示されるが、第1グループ240aの代表情報と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0047】
図3(c)は、表示制御部542において生成されるタイムラインの画面を示す。タイムラインの画面は、第2領域630において第1部分620が含まれる画面であり、代表火災警報器200と火災警報器220のうちの1つに関する情報の履歴を示す画面である。ここでは、一例として、第1代表火災警報器200aに関する情報の履歴を示す。このようなタイムラインの画面には、1つのグループの詳細情報が示される画面、つまり
図3(b)の第2領域626が示される画面から遷移可能である。また、タイムラインの画面には、各グループの代表情報が示される画面、つまり
図3(a)の第1領域628が示される画面から遷移可能であってもよい。
【0048】
図3(c)の第2領域630の第1部分620には、第1代表火災警報器200aに関するすべての第2メッセージ通知644が示される。ここでは、一例として2つの第2メッセージ通知644が示される。2つの第2メッセージ通知644では、「火災発生」と「10年経過通知」が示される。表示制御部542は、第1代表火災警報器200aに関して2つ以上の情報を受けつけている場合、前述の優先度に応じて、最も優先度の高い情報を選択する。また、表示制御部542は、選択した情報に対応するメッセージを、
図3(b)の第1代表火災警報器表示欄700の第2メッセージ通知640に表示させる。さらに、表示制御部542は、第1代表火災警報器200aを電池消耗あるいは電池切れと判定した場合に、そのように判定した第1代表火災警報器200aの履歴をタイムラインの画面に表示させる。
【0049】
表示制御部542は、第1グループ240aに含まれる第1火災警報器220aと第2火災警報器220bに関しても
図3(c)と同様のタイムラインの画面を生成して表示する。さらに、表示制御部542は、第2グループ240bに含まれる第2代表火災警報器200b、第3火災警報器220c、第4火災警報器220dに関してもタイムラインの画面を生成して表示する。そのタイムラインの画面は、第2領域630において第2部分622が含まれる画面であり、代表火災警報器200と火災警報器220のうちの1つに関する情報の履歴を示す画面である。
図3(d)は後述し、
図1に戻る。
【0050】
前述のごとく、代表火災警報器200は、制御装置300と直接通信するが、火災警報器220は、代表火災警報器200を介して制御装置300と通信する。そのため、代表火災警報器200における通信が不可能になる場合、当該代表火災警報器200に接続される火災警報器220の通信も不可能になる。一方、火災警報器220の通信が不可能である場合でも、他の火災警報器220、代表火災警報器200は影響を及ぼされない。つまり、火災警報器220が通信不可能になる影響よりも、代表火災警報器200が通信不可能になる影響の方が大きい。そのため、表示制御部542は、代表火災警報器200が通信不可能になった場合、第1メッセージ通知642および第2メッセージ通知640における「取得失敗」の表示に加えて、あるいはこれらの表示とは別に、代表火災警報器200との通信が不可能であることを表示部518に表示してもよい。
【0051】
(2)携帯端末装置500に表示されるプッシュ通知の画面
これまでは、携帯端末装置500の操作部516に対するユーザの操作によって表示部518に通知の画面が表示される場合を説明している。一方、発報情報、故障情報等のイベント情報が発生した場合に、ユーザの操作がなくても表示部518に通知(以下、「プッシュ通知」という)の画面を表示させたい場合がある。このようなプッシュ通知は、ユーザの設定によりなされたり、なされなかったりする方が好ましい。以下では、これを実現するための処理について説明する。
【0052】
ユーザが操作部516を操作すると、表示制御部542は、制御システムアプリケーションにおける設定画面を表示部518に表示させる。
図4(a)-(b)は、携帯端末装置500においてなされる設定の概要を示す。
図4(a)は、表示部518に表示される設定画面を示す。設定画面では、複数の項目のそれぞれに対して、「オン」あるいは「オフ」が設定可能である。特に、本実施例おいて「火災警報器」の「作動・メンテ通知」と「作動試験通知」とに対して、「オン」あるいは「オフ」が設定可能である。
【0053】
イベント情報は、例えば、火災発生情報の火災発生、火災発生情報の動作試験、故障情報の故障・断線、故障情報の10年経過についての情報を含む。ここで、イベント情報は、これらのうちのいずれか1つを少なくとも含んでもよい。
図4(a)における「作動・メンテ通知」では、火災発生、故障・断線、10年経過の存在を知らせるためのプッシュ通知の有無が設定される。プッシュ通知が「有」の場合にオンが設定され、プッシュ通知が「無」の場合にオフが設定される。また、「作動試験通知」では、動作試験の存在を知らせるためのプッシュ通知の有無が設定される。ユーザは、操作部516を操作して、「オン」あるいは「オフ」を設定する。
【0054】
設定部544は、操作部516による操作を受けつけることによって、イベント情報を受けつけた場合においてイベント情報の存在を知らせるための通知の有無を設定する。特に、設定部544は、火災発生、故障・断線、10年経過の存在を知らせるための通知の有無と、動作試験の存在を知らせるための通知の有無とを別に設定する。
図4(b)は、設定部544におけてなされる設定のパターンを示す図である。ここでは、オンが「1」と示され、オフが「0」と示される。パターン1は、「作動・メンテ通知」と「作動試験通知」をオフとする場合であり、パターン2は、「作動試験通知」をオンとし、「作動・メンテ通知」をオフとする場合である。パターン3は、「作動・メンテ通知」をオンとし、「作動試験通知」をオフとする場合であり、パターン4は、「作動・メンテ通知」と「作動試験通知」をオンとする場合である。
図1に戻る。設定部544は、パターン1からパターン4のいずれかの設定がなされると、通信部510に対して、設定結果が示された設定情報と端末識別情報とをサーバ440に送信させる。サーバ440は、携帯端末装置500からの設定情報と端末識別情報とを受信すると、それらの組合せを記憶する。
【0055】
前述のごとく、制御装置300の第2通信部312は、記憶部314に記憶した発報情報、故障情報、通信状態情報、電池残量のいずれかが変化したタイミングにおいて、変化した情報をサーバ440に送信する。ここで、発報情報は、火災発生、動作試験に相当し、故障情報は、故障・断線、10年経過に相当するとともに、これらの情報がイベント情報に相当する。そのため、第2通信部312は、イベント情報のいずれかが変化した場合に、変化したイベント情報をサーバ440に送信するといえる。
【0056】
サーバ440は、制御装置300からイベント情報を受信する。これは、図示しない入力部が、代表火災警報器200あるいは代表火災警報器200からのイベント情報を受付可能であるといえる。サーバ440は、イベント情報を受信すると、イベント情報から施設識別情報を抽出する。また、サーバ440は、端末識別情報と施設識別情報との対応関係をもとに、抽出した施設識別情報から端末識別情報を特定する。サーバ440は、特定した端末識別情報に対する設定情報を参照し、イベント情報に含まれた情報のうち、通知がオンに設定された情報が存在するかを確認する。例えば、設定情報がパターン3である場合、サーバ440は、イベント情報に火災発生あるいは故障・断線あるいは10年経過が含まれるか否かを確認する。含まれない場合、サーバ440はプッシュ通知の処理を終了する。一方、含まれる場合、サーバ440は、ネットワーク420を介して、端末識別情報で識別される携帯端末装置500にイベント情報を送信する。
【0057】
携帯端末装置500の通信部510は、サーバ440からイベント情報を受信する。表示制御部542は、通信部510がイベント情報を受信した場合、イベント情報を示す通知を表示部518に表示する。通知は、例えば、第2メッセージ通知640と同様に示される。
図3(d)は、表示部518に表示されるプッシュ通知の画面を示す。通知ウインドウ680が表示されるとともに、通知ウインドウ680内に通知のメッセージが示される。ここでは、イベント情報が火災発生であったので、「火災発生」のメッセージが示される。
【0058】
つまり、サーバ440は表示制御部(図示せず)を備え、表示制御部は、携帯端末装置500の設定部544において通知有を設定した場合、入力部がイベント情報を受けつけると、通知を携帯端末装置500の表示部518に表示させる。一方、表示制御部は、携帯端末装置500の設定部544において設定された通知の有無にかかわらず、(1)において説明した処理によって、入力部が受けつけたイベント情報の履歴、つまりタイムラインを携帯端末装置500の表示部518に表示させる。このように入力部、表示制御部が、サーバ440に含まれ、設定部544が携帯端末装置500に含まれることによって、サーバ440と携帯端末装置500により表示システムが構成される。
【0059】
(3)制御装置300に表示される画面
これまでは、携帯端末装置500の表示部518に表示される画面を説明した。このような画面は、制御装置300の表示部318に表示されてもよい。表示部518に表示される画面として、横方向よりも縦方向に長い画面を想定していたが、ここでは、表示部318に表示される画面として、縦方向よりも横方向に長い画面を想定する。
【0060】
入力部340は、入力部540と同様の処理を実行する。表示制御部342は、入力部340において受けつけた情報を表示部318に表示するための画面を生成する。ここでは、表示制御部342において生成される画面を説明するために、
図5(a)-(d)を使用する。
図5(a)-(d)は、表示部318に表示される画面を示す。
図5(a)は、各グループの代表情報が示される画面を示し、
図5(b)は、1つのグループの詳細情報が示される画面を示し、
図5(c)は、情報の履歴が示されるタイムラインの画面を示す。つまり、
図5(a)-(c)は、
図3(a)-(c)にそれぞれ対応しており、
図5(a)は第1領域628を含む画面に相当し、
図5(b)は、第2領域626を含む画面に相当し、
図5(c)は、第2領域630を含む画面に相当する。
【0061】
図5(a)のように、表示制御部342は、第1領域628において、第1部分620と第2部分622とが同一の画面に含まれるように画面を生成する。具体的には、表示制御部542は、第1部分620、第2部分622を横方向に並べた画面を生成する。第1部分620に第1グループ表示欄710を設け、かつ第2部分622に第2グループ表示欄712を設けることと、第1グループ表示欄710と第2グループ表示欄712における表示の内容は、
図3(a)と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0062】
図5(b)のように、表示制御部342は、第2領域626において第1部分620が含まれる画面を生成する。第1部分620に第1代表火災警報器表示欄700、第1火災警報器表示欄702、第2火災警報器表示欄704を設けることと、第1代表火災警報器表示欄700、第1火災警報器表示欄702、第2火災警報器表示欄704における表示の内容は、
図3(b)と同様であるので、ここでは説明を省略する。
図5(c)のように、表示制御部342は、第2領域630において第1部分620が含まれる履歴の画面を生成する。履歴の画面には、各グループの代表情報が示される画面、あるいは1つのグループの詳細情報が示される画面から遷移可能であってもよい。履歴の画面における表示の内容は、
図3(c)と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0063】
(4)制御装置300に表示されるプッシュ通知の画面
これまでは、制御装置300の操作部316に対するユーザの操作によって表示部318に通知の画面が表示される場合を説明している。以下では、前述の(2)と同様に、制御装置300においてプッシュ通知を実現するための処理について説明する。
【0064】
ユーザが操作部316を操作すると、表示制御部342は、設定画面を表示部318に表示させる。
図6(a)-(b)は、制御装置300においてなされる設定の概要を示す。
図6(a)は、表示部318に表示される設定画面を示す。設定画面では、警報通知に対して「オン」あるいは「オフ」が設定可能である。制御装置300での設定とは異なり、「作動・メンテ通知」と「作動試験通知」とのそれぞれに対する設定はなされない。つまり、火災発生、動作試験、故障・断線、10年経過の存在を知らせるためのプッシュ通知の有無が設定される。ユーザは、操作部316を操作して、「オン」あるいは「オフ」を設定する。
【0065】
設定部344は、操作部316による操作を受けつけることによって、イベント情報を受けつけた場合においてイベント情報の存在を知らせるための通知の有無を設定する。特に、設定部344は、火災発生、動作試験、故障・断線、10年経過をまとめたイベント情報の存在を知らせるための通知の有無を設定する。
図6(b)は、設定部344におけてなされる設定のパターンを示す図である。ここでは、オンが「1」と示され、オフが「0」と示される。パターン1は、警報通知をオフとする場合であり、パターン2は、警報通知をオンとする場合である。
図1に戻る。設定部344は、パターン1あるいはパターン2の設定がなされると、設定結果が示された設定情報を記憶部314に記憶する。
【0066】
前述のごとく、入力部340は、第1通信部310を介して、代表火災警報器200あるいは火災警報器220からのイベント情報を受けつける。表示制御部342は、記憶部314に記憶された端末識別情報に対する設定情報を参照し、設定情報がパターン1であれば、プッシュ通知の処理を終了する。一方、表示制御部342は、設定情報がパターン2であれば、プッシュ通知を実行する。具体的には、表示制御部342は、イベント情報を示す通知を表示部318に表示する。通知は、例えば、第2メッセージ通知640と同様に示される。
図5(d)は、表示部318に表示されるプッシュ通知の画面を示す。通知ウインドウ680が表示されるとともに、通知ウインドウ680内に通知のメッセージが示される。ここでは、イベント情報が火災発生であったので、「火災発生」のメッセージが示される。
【0067】
つまり、表示制御部342は、設定部344において通知有を設定した場合、入力部340がイベント情報を受けつけると、通知を表示部318に表示させる。一方、表示制御部342は、設定部344において設定された通知の有無にかかわらず、入力部340が受けつけたイベント情報の履歴、つまりタイムラインを表示部318に表示させる。このように入力部340、表示制御部342、設定部344が1つの制御装置300に含まれることによって、制御装置300により表示システムが構成される。
【0068】
本開示における装置、システム、または方法の主体は、コンピュータを備えている。このコンピュータがプログラムを実行することによって、本開示における装置、システム、または方法の主体の機能が実現される。コンピュータは、プログラムにしたがって動作するプロセッサを主なハードウェア構成として備える。プロセッサは、プログラムを実行することによって機能を実現することができれば、その種類は問わない。プロセッサは、半導体集積回路(IC)、またはLSI(Large Scale Integration)を含む1つまたは複数の電子回路で構成される。複数の電子回路は、1つのチップに集積されてもよいし、複数のチップに設けられてもよい。複数のチップは1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に備えられていてもよい。プログラムは、コンピュータが読み取り可能なROM、光ディスク、ハードディスクドライブなどの非一時的記録媒体に記録される。プログラムは、記録媒体に予め格納されていてもよいし、インターネット等を含む広域通信網を介して記録媒体に供給されてもよい。
【0069】
以上の構成による制御システム1000の動作を説明する。
図7は、制御システム1000による表示手順を示すシーケンス図である。携帯端末装置500は、プッシュ通知に対する設定を実行する(S50)。携帯端末装置500は設定情報をサーバ440に送信する(S52)。サーバ440は、設定情報を記憶する(S54)。火災警報器220はイベント発生を検知する(S56)。火災警報器220は、イベント情報を制御装置300に送信する(S58)。制御装置300は、イベント情報をサーバ440に送信する(S60)。サーバ440は、設定情報をもとにプッシュ通知を実行するか否かを判定する(S62)。サーバ440は、プッシュ通知を実行すると判定した場合、イベント情報を携帯端末装置500に送信する(S64)。携帯端末装置500は、通知を表示する(S66)。
【0070】
図8は、制御システム1000による別の表示手順を示すシーケンス図である。制御装置300は、プッシュ通知に対する設定を実行する(S10)。火災警報器220はイベント発生を検知する(S12)。火災警報器220は、イベント情報を制御装置300に送信する(S14)。制御装置300は、設定情報をもとにプッシュ通知を実行するか否かを判定する(S16)。制御装置300は、プッシュ通知を実行すると判定した場合、通知を表示する(S18)。
【0071】
本実施例によれば、イベント情報を受けつけた場合においてイベント情報の存在を知らせるための通知の有無の設定において、通知有を設定した場合、イベント情報を受けつけると、通知を表示させるので、通知を必要とする場合に通知を表示できる。また、イベント情報を受けつけた場合においてイベント情報の存在を知らせるための通知の有無の設定において、通知無を設定した場合、イベント情報を受けつけると、通知を表示させないので、通知を必要としない場合に通知を表示しなくできる。また、設定に応じて通知を表示させるか否かを切りかえるので、通知の表示タイミングを調節できる。また、設定された通知の有無にかかわらず、イベント情報の履歴に表示させるので、通知無を設定した場合であっても、イベント情報を表示できる。また、設定に応じて、通知がすぐに表示されるか、あるいは履歴として表示されるかが切りかわるので、通知の表示タイミングを調節できる。
【0072】
また、火災発生の情報、動作試験の情報、メンテナンスの情報をまとめたイベント情報の存在を知らせるための通知の有無を設定するので、設定を簡易にできる。また、火災発生の情報とメンテナンスの情報の存在を知らせるための通知の有無と、動作試験の情報の存在を知らせるための通知の有無とを別に設定するので、設定を詳細にできる。入力部340、設定部344、表示制御部342は1つの装置に含まれるので、1つの装置で処理を完結できる。また、入力部、表示制御部は、サーバ440に含まれ、設定部544は携帯端末装置500に含まれるので、携帯端末装置500における処理量を低減できる。
【0073】
本開示の一態様の概要は、次の通りである。本開示のある態様の表示システム(300、400、500)は、施設(100)に設置された火災警報器(200、220)からのイベント情報を受付可能な入力部(340)と、入力部(340)がイベント情報を受けつけた場合においてイベント情報の存在を知らせるための通知の有無を設定する設定部(344、544)と、設定部(344、544)において通知有を設定した場合、入力部(340)がイベント情報を受けつけると、通知を表示部(318、518)に表示させる表示制御部(342)と、を備える。
【0074】
表示制御部(342)は、設定部(344、544)において設定された通知の有無にかかわらず、入力部(340)が受けつけたイベント情報の履歴を表示部(318、518)に表示させる。
【0075】
イベント情報は、火災発生の情報、動作試験の情報、メンテナンスの情報のいずれか1つを少なくとも含んでもよい。設定部(344)は、火災発生の情報、動作試験の情報、メンテナンスの情報をまとめたイベント情報の存在を知らせるための通知の有無を設定する。
【0076】
イベント情報は、火災発生の情報、動作試験の情報、メンテナンスの情報のいずれか1つを少なくとも含んでもよい。設定部(544)は、火災発生の情報とメンテナンスの情報の存在を知らせるための通知の有無と、動作試験の情報の存在を知らせるための通知の有無とを別に設定する。
【0077】
入力部(340)、設定部(344)、表示制御部(342)は1つの装置に含まれる。
【0078】
入力部、表示制御部は、サーバ(440)に含まれ、設定部(544)は、サーバ(440)と通信可能な情報端末装置(500)に含まれる。
【0079】
本開示の別の態様は、表示方法である。この方法は、施設(100)に設置された火災警報器(200、220)からのイベント情報を受付可能なステップと、イベント情報を受けつけた場合においてイベント情報の存在を知らせるための通知の有無を設定するステップと、通知有を設定した場合、イベント情報を受けつけると、通知を表示部(318、518)に表示させるステップと、を備える。
【0080】
以上、本開示を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素あるいは各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本開示の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0081】
本実施例において、センサが代表火災警報器200、火災警報器220であるとしている。しかしながらこれに限らず例えば、センサはガス警報器等であってもよく、異なった種類の警報器が混在してもよい。本変形例によれば、構成の自由度を向上できる。
【符号の説明】
【0082】
100 施設、 200 代表火災警報器、 202 検知部、 204 制御部、 206 通信部、 220 火災警報器、 240 グループ、 300 制御装置、 310 第1通信部、 312 第2通信部、 314 記憶部、 316 操作部、 318 表示部、 330 処理部、 340 入力部、 342 表示制御部、 344 設定部、 400 ルータ、 420 ネットワーク、 440 サーバ、 500 携帯端末装置、 510 通信部、 514 記憶部、 516 操作部、 518 表示部、 530 処理部、 540 入力部、 542 表示制御部、 544 設定部、 1000 制御システム。