(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-15
(45)【発行日】2023-11-24
(54)【発明の名称】航空機用の多重化制御装置
(51)【国際特許分類】
G06F 11/18 20060101AFI20231116BHJP
G05B 9/03 20060101ALI20231116BHJP
B64C 13/36 20060101ALI20231116BHJP
【FI】
G06F11/18 630
G05B9/03
B64C13/36
(21)【出願番号】P 2020039939
(22)【出願日】2020-03-09
【審査請求日】2023-02-10
(73)【特許権者】
【識別番号】503405689
【氏名又は名称】ナブテスコ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】神野 高幸
(72)【発明者】
【氏名】小川 隆司
【審査官】三坂 敏夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-166817(JP,A)
【文献】特開2016-80364(JP,A)
【文献】特開2019-31272(JP,A)
【文献】特開平2-71304(JP,A)
【文献】米国特許第5082208(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 11/16-11/20
G05B 9/03
B64C 13/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
航空機の動翼を駆動するアクチュエータに対して出力信号として第1電圧又は前記第1電圧とは異なる電圧の第2電圧を出力するとともに互いに同一の処理を実行して得られる演算結果を状態信号として出力する3つのコントローラと、
前記3つのコントローラ毎に設けられ、自身の前記コントローラが出力する前記状態信号と他の前記コントローラが出力する前記状態信号との比較に基づく比較信号を出力する比較回路と、
前記3つのコントローラ毎に設けられている3つの出力ラインであって前記3つのコントローラ毎の前記出力信号が出力される前記3つの出力ラインのそれぞれに設けられ、前記出力ラインの接続と遮断とを切り替えるスイッチと、
前記スイッチ毎に設けられ、前記比較回路からの前記比較信号を受けて前記スイッチに切替信号を出力するスイッチ制御部と、
前記3つの出力ライン毎に前記スイッチよりも下流に接続され、前記コントローラからの前記第1電圧が失われたときに、前記出力ラインに前記第2電圧を供給する電圧供給部と、
前記3つの出力ライン毎に前記電圧供給部よりも下流に接続され、前記第2電圧が入力されたときに前記第2電圧をラッチして前記第2電圧を出力し続けるラッチ回路と、
前記3つの出力ラインのそれぞれにおける前記ラッチ回路よりも下流に接続され、前記出力ラインを介して前記3つのコントローラ毎の前記出力信号が入力され、3つの前記出力信号の多数決を取って前記第1電圧又は前記第2電圧を最終出力信号として出力する多数決回路とを有し、
前記スイッチ制御部は、前記コントローラ毎の前記比較回路のうち、自身が制御する前記スイッチが設けられた前記出力ラインの前記コントローラである自コントローラ以外の他の2つの前記コントローラの前記比較回路が出力する前記自コントローラとの前記比較信号が両方とも一致しないことを示しているときに、前記自コントローラの前記出力ラインに設けられた前記スイッチを遮断状態にするための前記切替信号を出力する
航空機用の多重化制御装置。
【請求項2】
航空機における同一の動翼に取り付けられる流体圧式の複数のアクチュエータであるとともに前記動翼に取り付けられた状態において前記動翼を駆動するアクティブモード又は前記動翼を駆動することなく前記動翼に追従するスタンバイモードに切り替えられる前記複数のアクチュエータに適用される
請求項1に記載の航空機用の多重化制御装置。
【請求項3】
前記動翼に取り付けられる前記複数のアクチュエータには、1つ以上の第1アクチュエータと、前記第1アクチュエータとは異なる1つ以上の第2アクチュエータとがあり、前記第1アクチュエータ及び前記第2アクチュエータの一方が前記アクティブモードに制御され、前記第1アクチュエータ及び前記第2アクチュエータの他方がスタンバイモードに制御される
請求項2に記載の航空機用の多重化制御装置。
【請求項4】
航空機の動翼に取り付けられる電気機械式のアクチュエータに適用される
請求項1に記載の航空機用の多重化制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、航空機用の多重化制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示された多重化制御装置は、3つのコントローラを備えている。3つのコントローラには同一の入力信号が入力され、3つのコントローラは同一の出力信号を出力する。3つのコントローラのそれぞれの出力信号は、多数決回路に入力される。多数決回路は、3つのコントローラからの入力の多数決をとって最終的な出力を決定する。こうした多重化制御装置では、1つのコントローラが故障した場合でも、他の2つのコントローラからの出力によって、適正な最終出力を得られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術のような多重化制御装置が航空機の各種部位の制御に用いられることがある。ここで、多重化制御装置においては、2つのコントローラが故障した場合、これら故障した2つのコントローラからの出力が一致しているか否か、故障したコントローラからの出力が正常なコントローラからの出力に一致しているか否かで、多数決による最終的な出力が変化するため、最終的な出力の信頼性が担保できない。そのための対策として、コントローラ毎に監視用コントローラを設け、監視用コントローラがコントローラの故障を判定した場合には、最終的な出力にそのコントローラの出力が反映されないように回路を構成することが考えられる。しかし、こうした監視用コントローラは、構成が複雑で故障し易い。
【0005】
この発明は、こうした事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、信頼性の高い出力の得られる多重化制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための航空機用の多重化制御装置は、航空機の動翼を駆動するアクチュエータに対して出力信号として第1電圧又は前記第1電圧とは異なる電圧の第2電圧を出力するとともに互いに同一の処理を実行して得られる演算結果を状態信号として出力する3つのコントローラと、前記3つのコントローラ毎に設けられ、自身の前記コントローラが出力する前記状態信号と他の前記コントローラが出力する前記状態信号との比較に基づく比較信号を出力する比較回路と、前記3つのコントローラ毎に設けられている3つの出力ラインであって前記3つのコントローラ毎の前記出力信号が出力される前記3つの出力ラインのそれぞれに設けられ、前記出力ラインの接続と遮断とを切り替えるスイッチと、前記スイッチ毎に設けられ、前記比較回路からの前記比較信号を受けて前記スイッチに切替信号を出力するスイッチ制御部と、前記3つの出力ライン毎に前記スイッチよりも下流に接続され、前記コントローラからの前記第1電圧が失われたときに、前記出力ラインに前記第2電圧を供給する電圧供給部と、前記3つの出力ライン毎に前記電圧供給部よりも下流に接続され、前記第2電圧が入力されたときに前記第2電圧をラッチして前記第2電圧を出力し続けるラッチ回路と、前記3つの出力ラインのそれぞれにおける前記ラッチ回路よりも下流に接続され、前記出力ラインを介して前記3つのコントローラ毎の前記出力信号が入力され、3つの前記出力信号の多数決を取って前記第1電圧又は前記第2電圧を最終出力信号として出力する多数決回路とを有し、前記スイッチ制御部は、前記コントローラ毎の前記比較回路のうち、自身が制御する前記スイッチが設けられた前記出力ラインの前記コントローラである自コントローラ以外の他の2つの前記コントローラの前記比較回路が出力する前記自コントローラとの前記比較信号が両方とも一致しないことを示しているときに、前記自コントローラの前記出力ラインに設けられた前記スイッチを遮断状態にするための前記切替信号を出力する。
【0007】
1つのコントローラの状態信号が他の2つのコントローラの状態信号と一致していない場合、そのコントローラは故障している蓋然性が高い。そこで、上記構成において、スイッチ制御部は、自コントローラ以外の他の2つのコントローラの比較回路が出力する自コントローラとの比較信号が両方とも一致しないことを示すものである場合、出力ラインを遮断する。この場合、電圧供給部によって出力ラインに第2電圧が供給され、ラッチ回路が第2電圧をラッチする。そして、出力ラインからは第2電圧が多数決回路に入力される。このように、コントローラが故障している蓋然性が高い場合には、当該コントローラの出力ラインからは第2電圧が多数決回路に入力されることから、仮に2つ以上のコントローラが故障した場合には2つ以上の出力ラインから第2電圧が多数決回路に入力される。したがって、多数決回路からは、最終出力信号として第2電圧が確実に出力され、最終出力信号の電圧が第2電圧に定まる。このように、上記構成では、監視用のコントローラを用いることなく、2つのコントローラが故障した場合に、最終出力信号として信頼性の高い出力を得ることができる。
【0008】
航空機用の多重化制御装置は、航空機における同一の動翼に取り付けられる流体圧式の複数のアクチュエータであるとともに前記動翼に取り付けられた状態において前記動翼を駆動するアクティブモード又は前記動翼を駆動することなく前記動翼に追従するスタンバイモードに切り替えられる前記複数のアクチュエータに適用されてもよい。
【0009】
航空機用の多重化制御装置において、前記動翼に取り付けられる前記複数のアクチュエータには、1つ以上の第1アクチュエータと、前記第1アクチュエータとは異なる1つ以上の第2アクチュエータとがあり、前記第1アクチュエータ及び前記第2アクチュエータの一方が前記アクティブモードに制御され、前記第1アクチュエータ及び前記第2アクチュエータの他方がスタンバイモードに制御されてもよい。
【0010】
航空機用の多重化制御装置は、航空機の動翼に取り付けられる電気機械式のアクチュエータに適用されてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、信頼性の高い出力の得られる多重化制御装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】アクチュエータ及びその制御に係る概略構成図。
【
図2】3つのコントローラが正常である場合の第1多重化制御装置の概略構成図。
【
図3】第1コントローラが故障した状態における第1多重化制御装置の概略構成図。
【
図4】第1コントローラ及び第2コントローラが故障した状態における第1多重化制御装置の概略構成図。
【
図5】第1多重化制御装置の変更例を表した概略構成図。
【
図6】第1多重化制御装置の変更例を表した概略構成図。
【
図7】第1多重化制御装置の変更例を表した概略構成図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、航空機用の多重化制御装置が適用されたアクチュエータの一実施形態を、図面を参照して説明する。
先ず、アクチュエータ及びその制御に係る概略構成を説明する。
【0014】
図1に示すように、航空機のフラップ600には、当該フラップ600を駆動する第1アクチュエータ300及び第2アクチュエータ400が取り付けられている。なお、第1アクチュエータ300は複数設けられているが、
図1では1つのみ示している。複数の第1アクチュエータ300は全て同じ構成である。同様に、第2アクチュエータ400は複数設けられているが、
図1では1つのみ示している。複数の第2アクチュエータ400は全て同じ構成である。第2アクチュエータ400は、第1アクチュエータ300と同数設けられている。
【0015】
第1アクチュエータ300は電気油圧式になっている。すなわち、第1アクチュエータ300の本体310は、筒状のシリンダ510を有する。シリンダ510の内部は、作動油が給排される流体室になっている。この流体室には、棒状のロッド520がシリンダ510と同軸で配置されている。ロッド520の先端部は、シリンダ510から突出してフラップ600に取り付けられている。シリンダ510の内部においては、ロッド520の外周面からピストン530が張り出している。ピストン530は、流体室をシリンダ510の軸線方向に2分している。
【0016】
ピストン530で2分された一対の流体室には、それぞれ接続通路540が接続されている。一対の接続通路540は、作動油の流路を切り替えるモード切替弁550に繋がっている。モード切替弁550は、電力の供給に応じて連通位置551と遮断位置552とに位置が切り替わるソレノイドバルブになっている。モード切替弁550が連通位置551に切り替えられた場合、モード切替弁550は給排モードとなる。すなわち、一対の接続通路540の一方が作動油の供給通路561に接続され、他方が作動油の排出通路562に接続される。この結果として、一方の流体室にはポンプ570から送り出される作動油が供給通路561を通じて供給され、他方の流体室からは排出通路562を介して作動油がタンク580へ排出される。
【0017】
一方、モード切替弁550が遮断位置552に切り替えられた場合、モード切替弁550は、バイパスモードとなる。すなわち、遮断位置552に切り替えられた一対の接続通路540Aは、供給通路561及び排出通路562の双方から遮断される。そして遮断位置552に切り替えられた一対の接続通路540Aは互いに接続される。この結果として、作動油は一対の流体室を互いに行き来できるようになる。なお、供給通路561及び排出通路562の途中には、一対の接続通路540に対する供給通路561及び排出通路562の接続関係を切り替える接続切替弁560が設けられている。これら接続切替弁560やモード切替弁550、さらに供給通路561や排出通路562や一対の接続通路540は、第1アクチュエータ300の本体310に対して作動油を給排する第1油圧回路320を構成している。第1アクチュエータ300は、この第1油圧回路320と本体310とで構成されている。
【0018】
第1油圧回路320の各切替弁550,560やポンプ570は、第1多重化制御装置350で制御される。第1多重化制御装置350は、上位装置700からの指令信号Sに基づいて各切替弁550,560やポンプ570を制御する電流値等を算出してこれらを制御信号Pとして第1油圧回路320に出力する。なお、上位装置700は、航空機に取り付けられている各種の動翼を統括的に制御する制御装置である。上記のとおり、第1アクチュエータ300は複数設けられている。これらの第1アクチュエータ300は、同一の第1多重化制御装置350で制御され、同期して動作する。
【0019】
第2アクチュエータ400の本体410は、第1アクチュエータ300の本体310と同じ構成になっている。この本体410に対して、第1油圧回路320と同じ構成の第2油圧回路420によって作動油が給排される。そして、第2油圧回路420は、第1多重化制御装置350と同じ構成の第2多重化制御装置450で制御される。なお、第2アクチュエータ400において第1アクチュエータ300と同一の箇所には、第1アクチュエータ300と同一の符号を付すことで重複した説明を省略する。上記のとおり、第2アクチュエータ400は複数設けられている。これらの第2アクチュエータ400は、同一の第2多重化制御装置450で制御され、同期して動作する。
【0020】
上位装置700は、通常の運行時は、第1アクチュエータ300を、フラップ600を駆動するアクティブモードに制御し、第2アクチュエータ400を第1アクチュエータ300の故障に備えて待機させるスタンバイモードに制御するように指令信号Sを送る。ここで、アクティブモードに制御される第1アクチュエータ300においては、モード切替弁550が給排モードに制御されるとともにフラップ600の目標位置に応じて接続切替弁560やポンプ570が動作する。一方、スタンバイモードに制御される第2アクチュエータ400においては、モード切替弁550がバイパスモードに制御され、一対の接続通路540Aが互いに接続される。したがって、フラップ600の動作に応じて作動油が一対の流体室間を行き来する。つまり、第2アクチュエータ400はフラップ600の動きに追従する。なお、後述のとおり、第1多重化制御装置350に故障が生じた場合には第1油圧回路320のモード切替弁550が強制的にバイパスモードに切り替えられる。すなわち、第1アクチュエータ300がスタンバイモードになる。この場合、上位装置700は、第2多重化制御装置450を通じて第2アクチュエータ400をアクティブモードに制御する。
【0021】
次に、第1多重化制御装置350及び第2多重化制御装置450の詳細について説明する。なお、第2多重化制御装置450は、第1多重化制御装置350と同様の構成であるため説明を割愛する。
【0022】
図2に示すように、第1多重化制御装置350は、同じ構成の3つのコントローラ11,12,13を有する。3つのコントローラ11,12,13は、それぞれを統括的に制御する統括回路と、統括回路と情報を授受する比較回路とをコントローラ毎に有する。なお、本明細書では、3つのコントローラ11,12,13に関して、任意のものを説明するときには符号を省略する。同様に、統括回路や比較回路等、これら3つのコントローラ11,12,13に係る構成に関して、3つのうち任意のものを説明するときには符号を省略する。
【0023】
第1コントローラ11の第1統括回路21は、上位装置700からの指令信号Sに基づいて第1油圧回路320に対する制御信号Pを生成及び出力する。第2コントローラ12の第2統括回路22及び第3コントローラ13の第3統括回路23も第1統括回路21と同様に機能する。なお、3つのコントローラ11,12,13はいずれか1つが主系として選択され、主系となったコントローラの制御信号Pが第1油圧回路320に入力される。
【0024】
第1統括回路21は、予め定められた一定期間に亘ってカウントアップを行うカウントアップ処理を実行し、その演算結果を第1コントローラ11の第1状態信号N1として第1コントローラ11の第1比較回路31に出力する。第1統括回路21は、こうした処理を所定周期で繰り返す。第1比較回路31は、第1状態信号N1が入力されると、当該第1状態信号を、図示しない通信ラインを介して第2コントローラ12の第2比較回路32及び第3コントローラ13の第3比較回路33に出力する。第2統括回路22及び第2比較回路32も同様の処理を行って第2コントローラ12の第2状態信号N2を第1比較回路31及び第3比較回路33に出力する。第3統括回路23及び第3比較回路33も同様の処理を行って第3コントローラ13の第3状態信号N3を第1比較回路31及び第2比較回路32に出力する。したがって、3つの比較回路31,32,33は、相互に状態信号を授受する。なお、3つの比較回路31,32,33は、同期して状態信号を授受する。
【0025】
第1比較回路31は、第1状態信号N1と他のコントローラの状態信号との比較に基づく比較信号Cを出力する出力端子を2つ有する。一方の出力端子である第1比較出力端子31Aは、第1状態信号N1と第2状態信号N2との比較に基づく比較信号Cを出力する。第1比較出力端子31Aは、第1状態信号N1と第2状態信号N2とが一致している場合には比較信号Cとして高電圧Hを出力し、不一致の場合には比較信号Cとして前記高電圧Hよりも低い電圧である低電圧Lを出力する。他方の出力端子である第2比較出力端子31Bは、第1状態信号N1と第3状態信号N3との比較に基づく比較信号Cを出力する。第2比較出力端子31Bは、第1状態信号N1と第3状態信号N3とが一致している場合には比較信号Cとして高電圧Hを出力し、不一致の場合には比較信号Cとして低電圧Lを出力する。
【0026】
第2比較回路32は、第1比較回路31と同様、第1比較出力端子32Aと第2比較出力端子32Bとを有する。第1比較出力端子32Aは第2状態信号N2と第3状態信号N3との比較に基づく比較信号Cを出力し、第2比較出力端子32Bは第2状態信号N2と第1状態信号N1との比較に基づく比較信号Cを出力する。第3比較回路33も、第1比較出力端子33Aと第2比較出力端子33Bとを有する。第1比較出力端子33Aは第3状態信号N3と第2状態信号N2との比較に基づく比較信号Cを出力し、第2比較出力端子32Bは第3状態信号N3と第1状態信号N1との比較に基づく比較信号Cを出力する。第1比較回路31と同様、各比較出力端子は、入力される2つの状態信号が一致している場合には比較信号Cとして高電圧Hを出力し、不一致の場合には比較信号Cとして低電圧Lを出力する。
【0027】
さて、第1統括回路21は、第1多重化制御装置350の異常の有無を示す出力信号Tを出力する異常出力端子21Aを有する。異常出力端子21Aは、第1比較回路31における2つの比較出力端子31A,31Bから出力される比較信号Cに基づいて出力信号Tを出力する。具体的には、異常出力端子21Aは、第1比較回路31における2つの比較出力端子31A,31Bから出力される比較信号Cの少なくとも一方が高電圧Hである場合には出力信号Tとして高電圧Hを出力し、双方が低電圧Lである場合には出力信号Tとして低電圧Lを出力する。第2統括回路22も同様の異常出力端子22Aを有し、第3統括回路23も同様の異常出力端子23Aを有する。すなわち、これらの異常出力端子も、自身のコントローラの比較回路の2つの出力端子から出力される比較信号Cの少なくとも一方が高電圧Hである場合には出力信号Tとして高電圧Hを出力し、双方が低電圧Lである場合には出力信号Tとして低電圧Lを出力する。
【0028】
なお、例えば航空機における各種動翼の動作に係る操縦系統に異常が生じた場合、上位装置700からの指令信号Sとして、上記操縦系統の異常を示す信号が3つの統括回路21,22,23に入力される。この場合、3つの統括回路21,22,23は、それぞれの異常出力端子21A,22A,23Aから強制的に低電圧Lの出力信号Tを出力する。また、上位装置700または他の回路を通じて第1多重化制御装置350のシャットダウンを指示する信号が3つの統括回路21,22,23に入力される場合も、3つの統括回路21,22,23は、それぞれの異常出力端子21A,22A,23Aから強制的に低電圧Lの出力信号Tを出力する。一方、上位装置700または他の回路を通じて第1多重化制御装置350の起動を指示する信号が3つの統括回路21,22,23に入力される場合、3つの統括回路21,22,23は、それぞれの回路の初期化用の処理を終えると、それぞれの異常出力端子21A,22A,23Aから強制的に高電圧Hの出力信号Tを出力する。
【0029】
各異常出力端子21A,22A,23Aには、それぞれ出力ラインが接続されている。すなわち、第1統括回路21の異常出力端子21Aには、第1出力ライン91が接続されている。第2統括回路22の異常出力端子22Aには、第2出力ライン92が接続されている。第3統括回路23の異常出力端子23Aには、第3出力ライン93が接続されている。
【0030】
これら3つの出力ライン91,92,93は多数決回路70に接続されている。多数決回路70は、これら3つの出力ライン91,92,93から入力される出力信号Tの多数決を取って低電圧L又は高電圧Hを最終出力信号Fとして出力する。具体的には、多数決回路70は、3つのAND回路、すなわち第1AND回路71、第2AND回路72、及び第3AND回路73を有する。第1AND回路71の入力端子には、第1出力ライン91と第2出力ライン92とが接続されている。第2AND回路72の入力端子には、第1出力ライン91と第3出力ライン93とが接続されている。第3AND回路73の入力端子には、第2出力ライン92と第3出力ライン93とが接続されている。3つのAND回路71,72,73はそれぞれ、2つの出力ラインから入力される出力信号Tの少なくとも一方が低電圧Lである場合には低電圧Lを出力し、2つの出力ラインから入力される出力信号Tの双方が高電圧Hである場合には高電圧Hを出力する。
【0031】
3つのAND回路71,72,73のそれぞれの出力端子は、多数決回路70のOR回路74の入力端子に接続されている。OR回路74は、3つのAND回路71,72,73から入力される信号が全て低電圧Lである場合に出力端子から低電圧Lを出力する。一方、OR回路74は、3つのAND回路71,72,73から入力される信号のうち少なくとも1つが高電圧Hである場合には出力端子から高電圧Hを出力する。このOR回路74からの出力は、第1多重化制御装置350からの最終出力信号Fとして第1油圧回路320に対して出力される。この最終出力信号Fは、統括回路が出力する制御信号Pの有効又は無効を切り替える信号となっている。最終出力信号Fが高電圧Hである場合、制御信号Pが有効となって当該制御信号Pに基づいて第1油圧回路320が制御される。一方、最終出力信号Fが低電圧Lである場合、制御信号Pが無効となる。それとともに、第1油圧回路320においては
図1に示すモード切替弁550がバイパスモードに切り替えられる。
【0032】
図2に示すように、第1出力ライン91の途中には、当該第1出力ライン91の接続と遮断とを切り替える第1スイッチ41が設けられている。第1スイッチ41は、いわゆるノーマリオープンスイッチとなっており、高電圧Hが入力されると接続状態になり、低電圧Lが入力されると遮断状態になる。
【0033】
第1出力ライン91における信号の流れ方向に関して第1出力ライン91における第1スイッチ41よりも下流側、すなわち第1出力ライン91における第1スイッチ41よりも多数決回路70側には、電圧供給部として機能する第1プルダウン抵抗51が接続されている。ここで、第1スイッチ41が遮断状態に切り替えられた場合、第1出力ライン91では第1コントローラ11からの出力信号Tが失われる。このとき、第1プルダウン抵抗51から第1出力ライン91に低電圧Lがかけられる。すなわち、第1プルダウン抵抗51は、第1スイッチ41が遮断状態に切り替わることに伴って第1コントローラ11からの出力信号Tが失われたときに第1出力ライン91に低電圧Lを供給する。
【0034】
第1出力ライン91における信号の流れ方向に関して第1出力ライン91における第1プルダウン抵抗51よりも下流側、すなわち第1出力ライン91における第1プルダウン抵抗51よりも多数決回路70側には、第1ラッチ回路61が接続されている。第1ラッチ回路61は、低電圧Lが一旦入力されると、低電圧Lをラッチして低電圧Lを出力し続ける。なお、図示は省略するが、第1ラッチ回路61には、3つのコントローラ11,12,13から延びるリセット用ラインが接続されている。第1ラッチ回路61は、リセット用ラインを通じて3つのコントローラ11,12,13の全てからラッチクリアの信号が入力されると初期状態に戻る。
【0035】
第1出力ライン91と同様、第2出力ライン92の途中には、第2スイッチ42、第2プルダウン抵抗52、第2ラッチ回路62が接続されている。また、第3出力ライン93の途中にも、第3スイッチ43、第3プルダウン抵抗53、第3ラッチ回路63が接続されている。
【0036】
第1スイッチ41には第1スイッチ制御部81が接続されている。第1スイッチ制御部81は、OR回路で構成されている。第1スイッチ制御部81は、第2比較回路32及び第3比較回路33からの比較信号Cを受けて、それらの比較信号Cに基づいて第1スイッチ41に切替信号Kを出力する。具体的には、第1スイッチ制御部81の一方の入力端子には、第2比較回路32の第2比較出力端子32Bが接続されている。この第2比較出力端子32Bは、上記のとおり、第2状態信号N2と第1状態信号N1との比較に基づく比較信号Cを出力する。また、第1スイッチ制御部81の他方の入力端子には、第3比較回路33の第2比較出力端子33Bが接続されている。この第2比較出力端子33Bは、上記のとおり、第3状態信号N3と第1状態信号N1との比較に基づく比較信号Cを出力する。
【0037】
第1スイッチ制御部81は、第2比較回路32の第2比較出力端子32Bから第2状態信号N2と第1状態信号N1との一致を示す高電圧Hが入力されるか、又は第3比較回路33の第2比較出力端子33Bから第3状態信号N3と第1状態信号N1との一致を示す高電圧Hが入力されるかの少なくとも一方が満たされる場合には、出力端子から切替信号Kとして高電圧Hを出力する。一方、第1スイッチ制御部81は、第2比較回路32の第2比較出力端子32Bから第2状態信号N2と第1状態信号N1との不一致を示す低電圧Lが入力され、且つ、第3比較回路33の第2比較出力端子33Bから第3状態信号N3と第1状態信号N1との不一致を示す低電圧Lが入力される場合には、出力端子から切替信号Kとして低電圧Lを出力する。上記のとおり、高電圧Hは、第1スイッチ41を接続状態にする切替信号Kであり、低電圧Lは、第1スイッチ41を遮断状態にする切替信号Kである。
【0038】
第2スイッチ42には、第1スイッチ制御部81と同様の第2スイッチ制御部82が接続されている。第2スイッチ制御部82の一方の入力端子には、第1状態信号N1と第2状態信号N2との比較結果を出力する第1比較回路31の第1比較出力端子31Aが接続されている。第2スイッチ制御部82の他方の入力端子には、第3状態信号N3と第2状態信号N2との比較結果を出力する第3比較回路33の第1比較出力端子33Aが接続されている。そして、第2スイッチ制御部82は、第1比較回路31の第1比較出力端子31Aから第1状態信号N1と第2状態信号N2との一致を示す高電圧Hが入力されるか、又は第3比較回路33の第1比較出力端子33Aから第3状態信号N3と第2状態信号N2との一致を示す高電圧Hが入力されるかの少なくとも一方が満たされる場合には、出力端子から切替信号Kとして高電圧Hを出力する。一方、第2スイッチ制御部82は、第1比較回路31の第1比較出力端子31Aから第1状態信号N1と第2状態信号N2との不一致を示す低電圧Lが入力され、且つ、第3比較回路33の第1比較出力端子33Aから第3状態信号N3と第2状態信号N2との不一致を示す低電圧Lが入力される場合には、出力端子から切替信号Kとして低電圧Lを出力する。
【0039】
第3スイッチ43には、第1スイッチ制御部81や第2スイッチ制御部82と同様の第3スイッチ制御部83が接続されている。第3スイッチ制御部83の一方の入力端子には、第1状態信号N1と第3状態信号N3との比較結果を出力する第1比較回路31の第2比較出力端子31Bが接続されている。第3スイッチ制御部83の他方の入力端子には、第2状態信号N2と第3状態信号N3との比較結果を出力する第2比較回路32の第1比較出力端子32Aが接続されている。そして、第3スイッチ制御部83は、第1比較回路31の第2比較出力端子31Bから第1状態信号N1と第3状態信号N3との一致を示す高電圧Hが入力されるか、又は第2比較回路32の第1比較出力端子32Aから第2状態信号N2と第3状態信号N3との一致を示す高電圧Hが入力されるかの少なくとも一方が満たされる場合には、出力端子から切替信号Kとして高電圧Hを出力する。一方、第3スイッチ制御部83は、第1比較回路31の第2比較出力端子31Bから第1状態信号N1と第3状態信号N3との不一致を示す低電圧Lが入力され、且つ、第2比較回路32の第1比較出力端子32Aから第2状態信号N2と第3状態信号N3との不一致を示す低電圧Lが入力される場合には、出力端子から切替信号Kとして低電圧Lを出力する。
【0040】
次に、本実施形態の作用について説明する。
(A)3つのコントローラ11,12,13が正常な場合の回路動作
いま、3つのコントローラ11,12,13が全て正常であるものとする。この場合、第1状態信号N1、第2状態信号N2、及び第3状態信号N3が互いに一致する。したがって、第1スイッチ制御部81には、第2比較回路32の第2比較出力端子32Bから第2状態信号N2と第1状態信号N1との一致を示す高電圧Hが入力されるとともに、第3比較回路33の第2比較出力端子33Bから第3状態信号N3と第1状態信号N1との一致を示す高電圧Hが入力される。第1スイッチ制御部81に入力される2つの比較信号Cの双方が高電圧Hであることから、第1スイッチ制御部81から出力される切替信号Kは高電圧Hとなる。そのため、第1スイッチ41は接続状態に制御される。ここで、第1比較回路31の第1比較出力端子31Aから第1状態信号N1と第2状態信号N2との一致を示す高電圧Hが出力され、第2比較出力端子31Bから第1状態信号N1と第3状態信号N3との一致を示す高電圧Hが出力されることから、第1統括回路21の異常出力端子21Aからは高電圧Hが第1出力ライン91に出力される。第1スイッチ41が接続状態であることから、この高電圧Hが第1出力ライン91から多数決回路70に入力される。
【0041】
第1状態信号N1、第2状態信号N2、及び第3状態信号N3が互いに一致することから、第1スイッチ制御部81と同様、第2スイッチ制御部82には、第1比較回路31の第1比較出力端子31A及び第3比較回路33の第1比較出力端子33Aの双方から状態信号の一致を示す高電圧Hが入力される。そのため、第2スイッチ制御部82からは切替信号Kとして高電圧Hが出力される。この結果として第2スイッチ42は接続状態に制御される。そして、第1比較回路31と同様、第2比較回路32の2つの比較出力端子32A,32Bの双方から状態信号の一致を示す高電圧Hが出力されることから、第2統括回路22の異常出力端子22Aからは高電圧Hが第2出力ライン92に出力される。第2スイッチ42が接続状態であることから、この高電圧Hが第2出力ライン92から多数決回路70に入力される。
【0042】
また、第1スイッチ制御部81や第2スイッチ制御部82と同様、第3スイッチ制御部83には、第1比較回路31の第2比較出力端子31B及び第2比較回路32の第1比較出力端子32Aの双方から状態信号の一致を示す高電圧Hが入力される。そのため、第3スイッチ制御部83からは切替信号Kとして高電圧Hが出力される。この結果として第3スイッチ43は接続状態に制御される。そして、第3比較回路33の2つの比較出力端子33A,33Bから状態信号の一致を示す高電圧Hが出力されることから、第3統括回路23の異常出力端子23Aからは高電圧Hが第3出力ライン93に出力される。第3スイッチ43が接続状態であることから、この高電圧Hが第3出力ライン93から多数決回路70に入力される。
【0043】
上記のとおり、多数決回路70には3つの出力ライン91,92,93から高電圧Hが入力されることから、多数決回路70は最終出力信号Fとして高電圧Hを出力する。この結果として、統括回路が出力する制御信号Pが有効になり、当該制御信号Pに基づいて第1油圧回路320が制御される。つまり、第1アクチュエータ300はアクティブモードになっている。
【0044】
(B)第1コントローラ11が故障した場合の回路動作
3つのコントローラ11,12,13が正常な状態から、第1コントローラ11が故障したものとする。この場合、第1コントローラ11が故障していることから、
図3に示すように、第1統括回路21の異常出力端子21Aから出力される出力信号Tは不定であり、出力信号Tは低電圧Lになることも高電圧Hになることもあり得る。
図3では、信号が不定である様子を「X」で示している。第1コントローラ11が故障していることから、第1比較回路31の2つの比較出力端子31A,31Bの双方から出力される比較信号Cも不定である。
【0045】
第1コントローラ11が故障していることから、第2状態信号N2と第3状態信号N3とが一致する一方で、第1状態信号N1はこれらとは一致しない。したがって、第1スイッチ制御部81には、第2比較回路32の第2比較出力端子32Bから第2状態信号N2と第1状態信号N1との不一致を示す低電圧Lが入力されるとともに、第3比較回路33の第2比較出力端子33Bから第3状態信号N3と第1状態信号N1との不一致を示す低電圧Lが入力される。第1スイッチ制御部81に入力される2つの比較信号Cの双方が低電圧Lであることから、第1スイッチ制御部81から出力される切替信号Kは低電圧Lとなる。したがって、第1スイッチ41は遮断状態に制御される。この場合、第1出力ライン91には、第1プルダウン抵抗51から低電圧Lが供給される。そして第1ラッチ回路61がこの低電圧Lをラッチして低電圧Lを出力し続ける。したがって、多数決回路70には、第1出力ライン91から低電圧Lが入力される。
【0046】
第2スイッチ制御部82には、故障している第1比較回路31の第1比較出力端子31Aから低電圧L又は高電圧Hのいずれかが入力されるとともに、第3比較回路33の第1比較出力端子33Aから第3状態信号N3と第2状態信号N2との一致を示す高電圧Hが入力される。したがって、第2スイッチ制御部82には、少なくとも第3比較回路33の第1比較出力端子33Aから高電圧Hが入力されることから、第2スイッチ制御部82から出力される切替信号Kは高電圧Hとなる。この結果として、第2スイッチ42は接続状態に制御される。ここで、第2比較回路32の第1比較出力端子32Aから第2状態信号N2と第3状態信号N3との一致を示す高電圧Hが出力され、第2比較出力端子32Bから第2状態信号N2と第1状態信号N1との不一致を示す低電圧Lが出力される。したがって、第2比較回路32の比較出力端子の少なくとも一方が高電圧Hを出力することから、第2統括回路22の異常出力端子22Aからは高電圧Hが第2出力ライン92に出力される。そして、第2スイッチ42が接続状態であることから、この高電圧Hが第2出力ライン92から多数決回路70に入力される。
【0047】
第3スイッチ制御部83には、故障している第1比較回路31の第2比較出力端子31Bから低電圧L又は高電圧Hのいずれかが入力されるとともに、第2比較回路32の第1比較出力端子32Aから第2状態信号N2と第3状態信号N3との一致を示す高電圧Hが入力される。したがって、第3スイッチ制御部83には、少なくとも第2比較回路32の第1比較出力端子32Aから高電圧Hが入力されることから、第3スイッチ制御部83から出力される切替信号Kは高電圧Hとなる。この結果として、第3スイッチ43は接続状態に制御される。ここで、第3比較回路33の第1比較出力端子33Aから第3状態信号N3と第2状態信号N2との一致を示す高電圧Hが出力され、第2比較出力端子33Bから第3状態信号N3と第1状態信号N1との不一致を示す低電圧Lが出力される。したがって、第2統括回路22の異常出力端子22Aと同様、第3統括回路23の異常出力端子23Aからは高電圧Hが第3出力ライン93に出力される。そして、第3スイッチ43が接続状態であることから、この高電圧Hが第3出力ライン93から多数決回路70に入力される。
【0048】
上記のとおり、多数決回路70には第1出力ライン91から低電圧Lが入力される一方で、第2出力ライン92及び第3出力ライン93からは高電圧Hが入力されることから、多数決回路70は最終出力信号Fとして高電圧Hを出力する。この結果として、故障していない第2統括回路22又は第3統括回路23が出力する制御信号Pが有効になり、当該制御信号Pに基づいて第1油圧回路320が制御される。
【0049】
(C)第1コントローラ11及び第2コントローラ12が故障した場合の回路動作
次に、第1コントローラ11が故障した状態から、さらに第2コントローラ12が故障したものとする。この場合、
図4に示すように、第1コントローラ11のみならず第2コントローラ12においても、第2統括回路22の異常出力端子22Aから出力される出力信号Tは不定になる。また、第2比較回路32の2つの比較出力端子32A,32Bの双方から出力される比較信号Cも不定になる。
【0050】
さて、第1コントローラ11も第2コントローラ12も故障していることから、第3状態信号N3は第1状態信号N1とも第2状態信号N2とも一致しない。したがって、第1スイッチ制御部81には、故障している第2比較回路32の第2比較出力端子32Bから低電圧L又は高電圧Hが入力されるとともに、第3比較回路33の第2比較出力端子33Bから第3状態信号N3と第1状態信号N1との不一致を示す低電圧Lが入力される。この場合、第2比較回路32の第2比較出力端子32Bからの出力次第で第1スイッチ制御部81からの切替信号Kは低電圧Lにも高電圧Hにもなり得るため、第1スイッチ41は接続状態にも遮断状態にもなり得る。しかし、いずれの場合でも、上記(B)で説明した第1コントローラ11の故障時点で、第1ラッチ回路61によって低電圧Lがラッチされていることから、多数決回路70には第1出力ライン91から低電圧Lが入力される。
【0051】
第2スイッチ制御部82には、故障している第1比較回路31の第1比較出力端子31Aから低電圧L又は高電圧Hのいずれかが入力されるとともに、第3比較回路33の第1比較出力端子33Aから第3状態信号N3と第2状態信号N2との不一致を示す低電圧Lが入力される。この場合、第1比較回路31の第1比較出力端子31Aからの出力次第で第2スイッチ制御部82から出力される切替信号Kは低電圧Lにも高電圧Hにもなり得る。そのため、第2スイッチ42は、接続状態にも遮断状態にもなり得る。第2スイッチ42が遮断状態に制御された場合には、第2出力ライン92に第2プルダウン抵抗52から低電圧Lが供給されて、第2ラッチ回路62が低電圧Lをラッチすることから、多数決回路70には第2出力ライン92から低電圧Lが入力される。第2スイッチ42が接続状態に制御された場合には、故障している第2統括回路22の異常出力端子22Aからは低電圧L又は高電圧Hが出力されることから、多数決回路70には第2出力ライン92から低電圧L又は高電圧Hが入力される。このように、第2出力ライン92から多数決回路70に入力される信号は不定である。
【0052】
第3スイッチ制御部83には、故障している第1比較回路31の第2比較出力端子31Bから低電圧L又は高電圧Hのいずれかが入力されるとともに、故障している第2比較回路32の第1比較出力端子32Aから低電圧L又は高電圧Hのいずれかが入力される。この場合、第3スイッチ制御部83から出力される切替信号Kは低電圧Lにも高電圧Hにもなり得る。そのため、第3スイッチ43は、接続状態にも遮断状態にもなり得る。ここで、第3スイッチ43が接続状態に制御される場合を考える。第3比較回路33の第1比較出力端子33Aから第3状態信号N3と第2状態信号N2との不一致を示す低電圧Lが出力され、第2比較出力端子33Bからも第3状態信号N3と第1状態信号N1との不一致を示す低電圧Lが出力されることから、第3統括回路23の異常出力端子23Aからは第3出力ライン93に低電圧Lが出力される。第3スイッチ43が接続状態であることから、この低電圧Lが第3出力ライン93から多数決回路70に入力される。次に、第3スイッチ43が遮断状態に制御される場合を考える。この場合には、第3出力ライン93に第3プルダウン抵抗53から低電圧Lが供給されて、第3ラッチ回路63が低電圧Lをラッチすることから、多数決回路70には第3出力ライン93から低電圧Lが入力される。このように、第3スイッチ43が接続状態になった場合も遮断状態になった場合も、多数決回路70には第3出力ライン93から低電圧Lが入力される。
【0053】
上記のとおり、多数決回路70には第1出力ライン91及び第3出力ライン93の双方から低電圧Lが入力され、第2出力ライン92から低電圧L又は高電圧Hが入力されることから、多数決回路70は最終出力信号Fとして低電圧Lを出力する。この結果として、故障していない第3統括回路23が出力する制御信号Pが無効になる。そして、第1油圧回路320においてはモード切替弁550がバイパスモードに切り替えられる。つまり、第1アクチュエータ300はスタンバイモードになる。
【0054】
次に、本実施形態の効果について説明する。
(1)故障しているコントローラの状態信号は、正常なコントローラの状態信号とは一致しない。この特性を利用して、上記スイッチ制御部は、自身が制御するスイッチが設けられた出力ラインのコントローラである自コントローラ以外の比較回路から入力される2つの比較信号Cの双方が不一致を示すものである場合、自コントローラが故障していると判断してスイッチを遮断状態にする。そして、遮断した出力ラインにはプルダウン抵抗及びラッチ回路を介して低電圧Lを供給する。このようにして、故障しているコントローラの出力ラインを遮断して強制的に低電圧Lを供給することで、仮に2つのコントローラが故障した場合には、多数決回路に2つの出力ラインから低電圧Lが入力され、最終出力信号Fが確実に低電圧Lになる。したがって、2つのコントローラが故障した場合には第1アクチュエータ300をスタンバイモードに確実に切り替えることができる。このように、2つのコントローラが故障した場合に、最終出力信号として信頼性の高い出力を得ることができる。
【0055】
しかも、第1多重化制御装置350は、OR回路であるスイッチ制御部や、プルダウン抵抗、ラッチ回路といったシンプルなアナログ回路を組み合わせている。こうしたアナログ回路は、故障し難いことから、第1多重化制御装置350の故障率を抑えることができる。
【0056】
(2)通常時にアクティブモードに制御しているのは第1アクチュエータ300のみである。このことから、仮に第1多重化制御装置350の2つのコントローラに故障が生じて第1アクチュエータ300がスタンバイモードに切り替わるとともに第2アクチュエータ400がアクティブモードに切り替わった場合、この切り替わりの前後においてフラップ600を駆動するアクチュエータの数は同じであり、フラップ600を駆動する駆動力は変わらない。このような構成であれば、第1アクチュエータ300をスタンバイモードに切り替えるのに合わせて他のフラップや動翼の駆動力を調整する制御は不要である。
【0057】
なお、本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・比較信号Cは、上記実施形態の例に限定されない。すなわち、
図5に示すように、各比較回路31,32,33から出力する比較信号CVとして、2つの状態信号が一致する場合に低電圧Lを出力し、不一致の場合に高電圧Hを出力してもよい。この場合、第1スイッチ制御部84、第2スイッチ制御部85、及び第3スイッチ制御部86をそれぞれAND回路で構成する。つまり、スイッチ制御部に入力される2つの比較信号CVのうち少なくとも一方が状態信号の一致を示す低電圧Lであれば、スイッチ制御部は低電圧Lを出力し、スイッチ制御部に入力される2つの比較信号Cの双方が状態信号の不一致を示す高電圧Hであれば、スイッチ制御部は高電圧Hを出力する。この場合、第1スイッチ44,第2スイッチ45,及び第3スイッチ46をノーマリクローズスイッチで構成するとともに切替信号の内容を上記実施形態の例から入れ替える。つまり、各スイッチ制御部84,85,86が出力する切替信号KVが低電圧Lある場合には各スイッチ44,45,46を接続状態に制御し、切替信号KVが高電圧Hである場合には各スイッチ44,45,46を遮断状態に制御する。こうした構成であれば、スイッチ制御部に入力される2つの比較信号CVのうち少なくとも一方が状態信号の一致を示す低電圧Lである場合には、スイッチが接続状態に制御される。一方、スイッチ制御部に入力される2つの比較信号CVの双方が状態信号の不一致を示す高電圧Hである場合には、スイッチが遮断状態に制御される。これにより、上記の実施形態と同様、コントローラが故障している場合にはそのコントローラの出力ラインを遮断できる。
【0058】
また、上記のような比較信号CVを採用した場合、各統括回路21,22,23から出力する出力信号TVをつぎのように変更すればよい。すなわち、比較回路における2つの比較出力端子から出力される比較信号CVの少なくとも一方が状態信号の一致を示す低電圧Lの場合には、出力信号TVとして高電圧Hを出力する。また、比較回路における2つの比較出力端子から出力される比較信号CVの双方が状態信号の不一致を示す高電圧Hの場合には、出力信号TVとして低電圧Lを出力する。こうした構成であれば、状態信号の一致又は不一致の観点において上記実施形態と同一の条件で出力信号TVとして低電圧L又は高電圧Hが出力されるため、最終出力信号FVの取り扱いは上記実施形態と同じになる。すなわち、最終出力信号FVが高電圧Hである場合に制御信号Pを有効にし、最終出力信号FVが低電圧Lである場合に制御信号Pが無効にすればよい。
【0059】
・比較信号Cの設定を上記実施形態と同じにしたまま出力信号の設定を上記実施形態の態様から変更してもよい。具体的には、
図6に示すように、各統括回路21,22,23から出力する出力信号TLとして、比較回路における2つの比較出力端子から出力される比較信号Cの少なくとも一方が状態信号の一致を示す高電圧Hである場合には低電圧Lを出力する。そして、2つの比較出力端子から出力される比較信号Cの双方が状態信号の不一致を示す低電圧Lである場合には高電圧Hを出力する。この場合、最終出力信号FLの取り扱いも変更する。すなわち、最終出力信号FLが低電圧Lであれば制御信号Pを有効にして当該制御信号Pに基づいて第1油圧回路320を制御し、最終出力信号FLが高電圧Hであれば制御信号Pを無効にしてモード切替弁550をバイパスモードに切り替える。また、出力信号TLを上記のようにした場合、上記実施形態のプルダウン抵抗に代えて、第1プルアップ抵抗54、第2プルアップ抵抗55、及び第3プルアップ抵抗56をそれぞれの出力ライン91,92,93に接続する。これらプルアップ抵抗54,55,56は、出力ラインが遮断されたときに出力ラインに高電圧Hを供給する。これに加えて、第1ラッチ回路64、第2ラッチ回路65、及び第3ラッチ回路66を、高電圧Hが入力されたときに高電圧Hをラッチして高電圧Hを出力し続ける構成にする。こうした構成であれば、各出力ライン91,92,93が遮断されたときにはプルアップ抵抗によって高電圧Hが出力ラインに供給されるとともに、ラッチ回路が高電圧Hをラッチして高電圧Hを出力し続ける。したがって、2つのコントローラが故障することに応じて2つの出力ラインが遮断されたときには、少なくともこれら2つの出力ラインの双方からは高電圧Hが多数決回路70に入力される。そして、多数決回路70からは最終出力信号FLとして高電圧Hが出力される。したがって、上記実施形態と同様、2つのコントローラが故障したときにはモード切替弁550をバイパスモードに切り替えることができる。
【0060】
出力信号TLを上記のように変更した場合、上位装置700からの指令信号Sとして航空機の飛行に係る異常を示す信号が各統括回路21,22,23に入力されたときには、それぞれの異常出力端子から強制的に高電圧Hを出力すればよい。また、第1多重化制御装置350のシャットダウンを指示する信号が各統括回路21,22,23に入力された場合も、それぞれの異常出力端子から強制的に高電圧Hを出力すればよい。また、第1多重化制御装置350の起動を指示する信号が各統括回路21,22,23に入力される場合、それぞれの異常出力端子から強制的に低電圧Lの出力信号Tを出力すればよい。
【0061】
・1つ目の変更例のように、各比較回路31,32,33から出力する比較信号CVとして、状態信号が一致する場合に低電圧Lを出力し、不一致の場合に高電圧Hを出力する構成とした上で、各統括回路21,22,23から出力する出力信号TYとして、比較回路における2つの比較出力端子から出力される比較信号CVの少なくとも一方が状態信号の一致を示す低電圧Lである場合に低電圧Lを出力し、2つの比較出力端子から出力される比較信号CVの双方が状態信号の不一致を示す高電圧Hである場合に高電圧Hを出力するようにしてもよい。この場合、最終出力信号FYの取り扱いは、2つ目の変更例と同じになる。すなわち、最終出力信号FYが低電圧Lであれば制御信号Pを有効にして当該制御信号Pに基づいて第1油圧回路320を制御し、最終出力信号FYが高電圧Hであれば制御信号Pを無効にしてモード切替弁550をバイパスモードに切り替える。
【0062】
比較信号CVや出力信号TYを上記のように変更した場合、
図7に示すように、回路構成としては上記2つの変更例を組み合わせればよい。すなわち、1つ目の変更例と同様、各スイッチ制御部84,85,86をAND回路で構成するとともに、各スイッチ44,45,46をノーマリクローズスイッチで構成する。したがって、スイッチ制御部に入力される2つの比較信号CVのうち少なくとも一方が状態信号の一致を示す低電圧Lである場合には、スイッチ制御部が切替信号KVとして低電圧Lを出力してスイッチを接続状態に制御する。一方、スイッチ制御部に入力される2つの比較信号CVの双方が状態信号の不一致を示す高電圧Hである場合には、スイッチ制御部が切替信号KVとして高電圧Hを出力してスイッチを遮断状態に制御する。
【0063】
また、
図7に示すように、各出力ライン91,92,93におけるスイッチよりも多数決回路70側には、出力ライン毎にプルアップ抵抗54,55,56を接続する。また、各ラッチ回路64,65,66は、高電圧Hが入力されたときに高電圧Hをラッチして高電圧Hを出力し続ける構成にする。こうした構成であれば、2つ目の変更例で説明したとおり、コントローラの故障に伴って出力ラインが遮断されたときにはプルアップ抵抗によって高電圧Hが出力ラインに供給されるとともに、ラッチ回路が高電圧Hをラッチして高電圧Hを出力し続ける。このことから、2つのコントローラが故障することに応じて2つの出力ラインが遮断されたときには、少なくともこれら2つの出力ラインの双方からは高電圧Hが多数決回路70に入力される。そして、多数決回路70からは最終出力信号FYとして高電圧Hが出力される。したがって、上記実施形態と同様、2つのコントローラが故障したときにはモード切替弁550をバイパスモードに切り替えることができる。
【0064】
・状態信号は、上記実施形態の例に限定されない。状態信号は、3つのコントローラ11,12,13によって同一の処理を実行して得られる演算結果であればよい。例えば、状態信号は、第1油圧回路320における各切替弁550,560やポンプ570を制御する電流値等でもよい。
【0065】
・各比較回路31,32,33においては、タイミングをずらして状態信号を授受してもよい。
・各比較回路31,32,33において状態信号を比較する際、状態信号の値に上下の幅を持たせてもよい。つまり、自身のコントローラの状態信号の値よりも許容値だけ大きい最大値と、状態信号の値よりも許容値だけ小さい最小値との範囲内に、他のコントローラの状態信号の値が収まっているか否かを判断してもよい。そして、上記範囲内に他の状態信号が収まっている場合には、状態信号が一致していると判断してもよい。上記の許容値は、例えば状態信号の算出に係る計算上の誤差を包含できる大きさであってもよい。
【0066】
・各比較回路31,32,33において状態信号を比較する際、瞬時に状態信号の一致又は不一致を判別するのではなく、所定の時間範囲において状態信号の一致又は不一致を判断してもよい。具体的には、状態信号が一致しない状況が上記時間範囲に亘って継続した場合には状態信号が不一致であると判断し、瞬間的には状態信号が一致しないことがあったとしても上記一定時間範囲内に状態信号が一致するのであれば、状態信号が一致すると判断してもよい。
【0067】
・各比較回路31,32,33をコントローラに内蔵するのではなくコントローラとは別に設けてもよい。
・モード切替弁550が遮断位置552に切り替えられた場合のモード切替弁550の流路に、作動油の流れの抵抗となるオリフィスを設けてもよい。
【0068】
・通常の運行時において、第1アクチュエータ300と第2アクチュエータ400との双方をアクティブモードに制御してもよい。この場合、第1多重化制御装置350の2つのコントローラに故障が生じた場合には第1アクチュエータ300がスタンバイモードになり、第1アクチュエータ300はフラップ600に追従する。この場合、第2アクチュエータ400を駆動することによってフラップ600を動作させることができるため、航空機を通常通り操舵できる。
【0069】
・第1アクチュエータ300及び第2アクチュエータ400によって駆動する動翼は、フラップ600に限定されない。第1アクチュエータ300及び第2アクチュエータ400によって駆動する動翼は、例えばエルロンやエレベータでもよい。なお、必ずしも第1アクチュエータ300及び第2アクチュエータ400の双方を利用して対象となる動翼を駆動する必要はなく、駆動する動翼に応じてアクチュエータの数を適宜変更してよい。3つ以上のアクチュエータで動翼を駆動してもよい。
【0070】
・複数の第1アクチュエータ300のそれぞれについて個別に第1多重化制御装置350を設けてもよい。この場合でも、複数の第1アクチュエータ300が全て同じ制御モードで制御されるように上位装置700から各第1多重化制御装置350に指令信号Sを送ればよい。すなわち、全ての第1アクチュエータ300は、同期してアクティブモードまたはスタンバイモードに制御される。第1アクチュエータ300と同様、複数の第2アクチュエータ400のそれぞれについて個別に第2多重化制御装置450を設けてもよい。この場合も、複数の第2アクチュエータ400が全て同じ制御モードで制御されるように上位装置700から各第2多重化制御装置450に指令信号Sを送ればよい。
【0071】
・動翼を駆動するアクチュエータのタイプは、電気油圧式に限定されない。例えば、電気機械式のアクチュエータで動翼を駆動してもよい。電気機械式のアクチュエータにおいては、例えば円筒状のシリンダの内部に、ロッドが往復動可能に収容されている。また、電気機械式のアクチュエータは、ロッドを駆動するモータと、モータの回転運動を直線運動に変換する変換部とを備えている。そして、モータが回転すると、その回転が変換部を介して直線運動としてシリンダ内のロッドに伝達される。こうした電気機械式のアクチュエータを多重化制御装置で制御する場合、2つのコントローラが故障したことを示す最終出力信号Fが出力されたときにはモータを停止させる。この場合、モータの停止に伴ってフラップの動作が停止する。ここで、モータの回転運動を直線運動に変換する変換部は、モータから入力される力に対しては円滑に動く一方で、ロッドから入力される力に対しては動き難い。つまり、航空機の飛行に伴う風の流れに応じてフラップが動作しようとしても、ロッドが動作しないため、フラップは動作しない。したがって、フラップは略一定位置に留まる。したがって、他の動翼で飛行のバランスを取り易くなる。
【符号の説明】
【0072】
11…第1コントローラ、12…第2コントローラ、13…第3コントローラ、31…第1比較回路、32…第2比較回路、33…第3比較回路、41…第1スイッチ、42…第2スイッチ、43…第3スイッチ、51…第1プルアップ抵抗、52…第2プルアップ抵抗、53…第3プルアップ抵抗、61…第1ラッチ回路、62…第2ラッチ回路、63…第3ラッチ回路、70…多数決回路、81…第1スイッチ制御部、82…第2スイッチ制御部、83…第3スイッチ制御部、91…第1出力ライン、92…第2出力ライン、93…第3出力ライン、300…第1アクチュエータ、350…第1多重化制御装置、400…第2アクチュエータ、450…第2多重化制御装置、600…フラップ。